JP2022127861A - 放射線硬化型インクジェット組成物および記録方法 - Google Patents

放射線硬化型インクジェット組成物および記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗膜の密着性、及び色再現性の両方で優れる放射線硬化型インクジェット組成物を提供すること。【解決手段】無機粒子と色材と重合性化合物を含む放射線硬化型インクジェット組成物であって、重合性化合物が、単官能モノマーを含み、単官能モノマーの含有量が、重合性化合物の総量に対して、80質量%以上であり、無機粒子の含有量が、インク組成物の総量に対して、10質量%以下である、放射線硬化型インクジェット組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、放射線硬化型インクジェット組成物および記録方法に関する。
記録媒体として普通紙などを用い、文字や図表などを含むビジネス文章などの印刷にもインクジェット記録方法が利用されており、このような用途への利用頻度が増えてきている。このような用途では、高いレベルの画像の発色性や堅牢性(耐擦過性、耐光性、耐オゾンガス性、耐水性など)が要求されるため、色材として顔料を用いたインクが利用されることが多い。
インクジェット記録方法は、比較的単純な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。その中で、延伸加工される基材に対して記録を行う方法等について種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、インクジェットによる画像形式において高延伸性かつ高色濃度な積層硬化物を得ることを目的として、単官能モノマーの含有量が85質量%以上である重合性化合物と、顔料と、フッ素系界面活性剤とを含み、重合性化合物のモノマー及び顔料の含有量を調整した活性エネルギー線硬化型インクが開示されている。
特開2017-115105号公報
特許文献1に記載のように、重合性化合物の全量に対する単官能モノマーの含有量を増やすことにより、硬化塗膜の密着性を向上することが知られている。しかしながら、重合性化合物の中に含まれる単官能モノマーの割合を増やすだけでは、色材の種類や量、記録媒体等の材料との組み合わせによっては、塗膜の密着性が十分なものとならない場合がある。
本発明は、無機粒子と、色材と、重合性化合物と、を含み、重合性化合物が単官能モノマーを含み、該単官能モノマーの含有量が重合性化合物の総量に対して、80質量%以上であり、無機粒子の含有量がインク組成物の総量に対して、10質量%以下である、放射線硬化型インクジェット組成物である。
また、本発明の記録方法は、上記の放射線硬化型インクジェット組成物を、インクジェットヘッドから吐出して記録媒体に付着させる吐出工程と、記録媒体に付着した放射線硬化型インクジェット組成物に対して、放射線を照射する照射工程と、を有する。
本実施形態のシリアル方式のインクジェット装置を示す斜視図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。又上下左右などの位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル及びそれに対応するメタクリロイルのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートのうち少なくともいずれかを意味し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びそれに対応するメタクリルのうち少なくともいずれかを意味する。
1.放射線硬化型インクジェット組成物
本実施形態の放射線硬化型インクジェット組成物(以下、単に「インク組成物」ともいう。)は、無機粒子と、色材と、重合性化合物と、を含み、重合性化合物が、単官能モノマーを含み、該単官能モノマーの含有量が、重合性化合物の総量に対して、80質量%以上であり、無機粒子の含有量が、インク組成物の総量に対して、10質量%以下である。
従来より、重合性化合物の中に含まれる単官能モノマーの割合を増やすことにより、インク塗膜の記録媒体に対する密着性が向上することが知られている。これに対して、本実施形態においては、所定量の無機粒子を用いることにより、密着性をさらに向上することが可能となる。また、無機粒子の使用量を調整することにより、無機粒子がインク組成物の色再現性に与える影響も低減することができる。以下、インク組成物の各成分について詳説する。
なお、本実施形態において、放射線硬化型インクジェット組成物とは、放射線を照射することにより硬化するインクジェット組成物を意味する。放射線としては、紫外線、電子線、赤外線、可視光線、エックス線等が挙げられる。このなかでも、放射線としては、放射線源が入手しやすく広く用いられている点、及び紫外線の放射による硬化に適した材料が入手しやすく広く用いられている点から、紫外線が好ましい。
1.1.無機粒子
無機粒子として、特に制限されないが、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニアなどの金属酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;窒化珪素、窒化チタン、窒化アルミ等の金属窒化物が挙げられる。
このなかでも、金属酸化物が好ましく、アルミナ又はシリカがより好ましく、アルミナがさらに好ましい。このような無機粒子を用いることにより、形成されるインク塗膜と記録媒体との密着性がより向上する傾向にある。
なお、本実施形態において無機粒子とは後述する色材とは異なるものであり、必要に応じて、色材の含有量よりも少なく含まれるものが好ましく、具体的には、色材100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下とすることができる。
無機粒子の含有量は、インク組成物の総量に対して、10質量%以下であり、好ましくは5.0質量%以下であり、より好ましくは3.0質量%以下である。また、無機粒子の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは0.7質量%以上である。無機粒子の含有量が10質量%以下であることにより、インク組成物の色再現性がより向上する。また、無機粒子の含有量が0.1質量%以上であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性がより向上する傾向にある。
1.2.色材
色材としては、特に制限されないが、例えば、顔料又染料が挙げられる。このなかでも、顔料が好ましい。このような色材を用いることにより、色再現性がより向上する傾向にある。
色材の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは1.0~15質量%であり、より好ましくは2.0~10質量%であり、更に好ましくは2.5~7.5質量%である。色材の含有量が上記範囲内であることにより、密着性及び色再現性がより向上する傾向にある。
1.2.1.顔料
顔料としては、特に制限されないが、例えば、無機顔料と有機顔料が挙げられる。顔料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態において用いることができる無機顔料としては、特に制限されないが、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.(Colour Index Generic Name)ピグメントブラック7)類、酸化鉄、酸化チタンを使用することができる。
本実施形態において用いることができる有機顔料としては、特に制限されないが、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。
このなかでも、有色顔料が好ましく、黒色顔料がより好ましい。なお、本実施形態において有色顔料とは、白色顔料以外の顔料を意味する。このような顔料は無機粒子を添加することにより色再現性に影響を受けやすいため、本発明が特に有用である。
1.2.2.染料
染料としては、特に制限されないが、例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能である。染料は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態において用いることができる染料としては、特に制限されないが、例えば、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142、C.I.アシッドレッド52、80、82、249、254、289、C.I.アシッドブルー9、45、249、C.I.アシッドブラック1、2、24、94、C.I.フードブラック1、2、C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、33、50、55、58、86、132、142、144、173、C.I.ダイレクトレッド1、4、9、80、81、225、227、C.I.ダイレクトブルー1、2、15、71、86、87、98、165、199、202、C.I.ダイレクトブラック19、38、51、71、154、168、171、195、C.I.リアクティブレッド14、32、55、79、249、C.I.リアクティブブラック3、4、35が挙げられる。
1.3.重合性化合物
重合性化合物は、単官能モノマーを含み、必要に応じて、多官能モノマーを含んでいてもよい。以下、各モノマーについて詳説する。
1.3.1.単官能モノマー
単官能モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、脂環族基を有する単官能モノマー、芳香族基を有する単官能モノマー、窒素含有単官能モノマーが挙げられる。
単官能モノマーの含有量は、重合性化合物の総量に対して、80質量%以上であり、好ましくは83~95質量%であり、より好ましくは85~90質量%である。重合性化合物に対する単官能モノマーの含有量が80質量%以上であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性、延伸性、及び硬化性がより向上する傾向にある。
単官能モノマーの含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは68~90質量%であり、より好ましくは70~85質量%であり、さらに好ましくは73~80質量%である。インク組成物に対する単官能モノマーの含有量が上記範囲内であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性、延伸性、及び硬化性がより向上する傾向にある。
1.3.1.1.脂環族基を有する単官能モノマー
脂環族基を有する単官能モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、イソボルニルアクリレート、tertブチルシクロヘキサノールアクリレート(TBCHA)、2-(メタ)アクリル酸-1,4-ジオキサスピロ[4,5]デシ-2-イルメチル等の単環炭化水素基を有するモノマー;ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート等の不飽和の多環炭化水素基を有するモノマー;ジシクロペンタニルアクリレート、イソボルニルアクリレート等が挙げられる。
このなかでも、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート(DCPA)や、イソボルニルアクリレート(IBXA)が好ましい。このようなモノマーを用いることにより、得られる塗膜の密着性や耐擦過性がより向上する傾向にある。
脂環族基を有する単官能モノマーの含有量は、重合性化合物の総量に対して、好ましくは15~45質量%であり、より好ましくは20~40質量%であり、更に好ましくは25~35質量%である。重合性化合物に対する脂環族基を有する単官能モノマーの含有量が上記範囲内であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性や耐擦過性がより向上する傾向にある。
脂環族基を有する単官能モノマーの含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは10~40質量%であり、より好ましくは15~35質量%であり、更に好ましくは20~30質量%である。インク組成物に対する脂環族基を有する単官能モノマーの含有量が上記範囲内であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性や耐擦過性がより向上する傾向にある。
1.3.1.2.芳香族基を有する単官能モノマー
芳香族基を有する単官能モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アルコキシ化2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート、アルコキシ化ノニルフェニル(メタ)アクリレート、p-クミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、及び2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレートが挙げられる。
このなかでも、フェノキシエチルアクリレート(PEA)が好ましい。このような芳香族基含有単官能モノマーを用いることにより、光重合開始剤の溶解性がより向上し、インク組成物の硬化性がより向上する傾向にある。特に、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤やチオキサントン系光重合開始剤を用いる場合にその溶解性が良好となる傾向にある。
芳香族基を有する単官能モノマーの含有量は、重合性化合物の総量に対して、好ましくは25~50質量%であり、より好ましくは30~45質量%であり、更に好ましくは35~40質量%である。重合性化合物に対する芳香族基含有単官能モノマーの含有量が上記範囲内であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性や硬化性がより向上する傾向にある。
芳香族基を有する単官能モノマーの含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは15~45質量%であり、より好ましくは20~40質量%であり、更に好ましくは25~35質量%である。重合性化合物に対する芳香族基含有単官能モノマーの含有量が上記範囲内であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性や硬化性がより向上する傾向にある。
1.3.1.3.窒素含有単官能モノマー
窒素含有単官能モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルフォルムアミド、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルアセトアミド及びN-ビニルピロリドン等の窒素含有単官能ビニルモノマー;アクリロイルモルフォリン等の窒素含有単官能アクリレートモノマー;(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリレートベンジルクロライド4級塩等の(メタ)アクリルアミド等の窒素含有単官能アクリルアミドモノマーが挙げられる。
このなかでも、窒素含有単官能アクリレートモノマーが好ましく、アクリロイルモルフォリン(ACMO)などの含窒素複素環構造を有するモノマーがより好ましい。このような窒素含有単官能ビニルモノマーを用いることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性、耐擦過性、及び柔軟性がより向上する傾向にある。
窒素含有単官能モノマーの含有量は、重合性化合物の総量に対して、好ましくは5~30質量%であり、より好ましくは10~25質量%であり、更に好ましくは15~20質量%である。芳香族基含有単官能モノマーの含有量が上記範囲内であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性、耐擦過性、及び柔軟性がより向上する傾向にある。
窒素含有単官能モノマーの含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは2.5~27.5質量%であり、より好ましくは7.5~22.5質量%であり、更に好ましくは12.5~17.5質量%である。芳香族基含有単官能モノマーの含有量が上記範囲内であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性、耐擦過性、及び柔軟性がより向上する傾向にある。
1.3.2.多官能モノマー
多官能モノマーとしては、特に制限されないが、例えば、ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
多官能モノマーの含有量は、重合性化合物の総量に対して、好ましく5.0~20質量%であり、より好ましくは5.0~17質量%であり、さらに好ましくは10~15質量%である。重合性化合物に対する多官能モノマーの含有量が上記範囲内であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性、延伸性、及び硬化性などがより向上する傾向にある。
多官能モノマーの含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは3.0~25質量%であり、より好ましくは5.0~20質量%であり、さらに好ましくは10~15質量%である。インク組成物に対する単官能モノマーの含有量が上記範囲内であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性、延伸性、及び硬化性などがより向上する傾向にある。
1.3.2.1.ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレート
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、式(1)で表わされる化合物が挙げられる。このようなビニルエーテル基含有(メタ)アクリレートを含むことにより、インク組成物の粘度が低下し、吐出安定性及び硬化性がより向上する傾向にある。
CH2=CR1-CO-OR2-O-CH=CH-R3 ・・・ (1)
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2~20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1~11の1価の有機残基である。)
上記式(1)において、R2で表される炭素数2~20の2価の有機残基としては、炭素数2~20の直鎖状、分枝状又は環状の、置換されていてもよいアルキレン基、構造中にエーテル結合及び/又はエステル結合による酸素原子を有する、置換されていてもよい炭素数2~20のアルキレン基、炭素数6~11の、置換されていてもよい2価の芳香族基が挙げられる。
これらの中でも、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、及びブチレン基などの炭素数2~6のアルキレン基、オキシエチレン基、オキシn-プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2~9のアルキレン基が好ましい。さらに、インク組成物をより低粘度化でき、かつ、インク組成物の硬化性をさらに良好にする観点から、R2が、オキシエチレン基、オキシn-プロピレン基、オキシイソプロピレン基、及びオキシブチレン基などの構造中にエーテル結合による酸素原子を有する炭素数2~9のアルキレン基となっている、グリコールエーテル鎖を有する化合物がより好ましい。
上記式(1)において、R3で表される炭素数1~11の1価の有機残基としては、炭素数1~10の直鎖状、分枝状又は環状の、置換されていてもよいアルキル基、炭素数6~11の、置換されていてもよい芳香族基が好適である。
これらの中でも、メチル基又はエチル基である炭素数1~2のアルキル基、フェニル基及びベンジル基などの炭素数6~8の芳香族基が好適に用いられる。
上記の各有機残基が置換されていてもよい基である場合、その置換基は、炭素原子を含む基及び炭素原子を含まない基に分けられる。まず、上記置換基が炭素原子を含む基である場合、当該炭素原子は有機残基の炭素数にカウントされる。炭素原子を含む基として、以下に限定されないが、例えばカルボキシル基、アルコキシ基が挙げられる。次に、炭素原子を含まない基として、以下に限定されないが、例えば水酸基、ハロ基が挙げられる。
式(1)の化合物の具体例としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチルが挙げられ、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(VEEA)が好ましい。このようなビニルエーテル基含有(メタ)アクリレートを含むことにより、吐出安定性及び硬化性がより向上する傾向にある。
ビニル基含有(メタ)アクリレートの含有量は、重合性化合物の総量に対して、好ましく5.0~20質量%であり、より好ましくは5.0~17質量%であり、さらに好ましくは10~15質量%である。重合性化合物に対するビニル基含有(メタ)アクリレートの含有量が上記範囲内であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性、吐出安定性、及び硬化性などがより向上する傾向にある。
ビニル基含有(メタ)アクリレートの含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは3.0~25質量%であり、より好ましくは5.0~20質量%であり、さらに好ましくは10~15質量%である。インク組成物に対するビニル基含有(メタ)アクリレートの含有量が上記範囲内であることにより、インク塗膜と記録媒体との密着性、吐出安定性、及び硬化性などがより向上する傾向にある。
1.3.2.2.多官能(メタ)アクリレート
多官能(メタ)アクリレートとしては、特に制限されないが、例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
1.4.光重合開始剤
光重合開始剤としては、放射線を照射することにより活性種を生じるものであれば特に限定されないが、例えば、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、アルキルフェノン系重合開始剤、チタノセン系重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤等の公知の光重合開始剤が挙げられる。これらの中でも、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤が好ましい。このような光重合開始剤を用いることにより、インク組成物の硬化性がより向上し、特にUV-LEDの光による硬化プロセスによる硬化性がより向上する傾向にある。光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、特に制限されないが、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
このようなアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としては、例えば、IRGACURE 819(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド)、IRGACURE 1800(ビス-(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドと、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニルケトンの質量比25:75の混合物)、IRGACURE TPO(2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)(以上全てBASF社製)等が挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは3.0~15質量%であり、より好ましくは4.0~13.5質量%であり、更に好ましくは5.0~12質量%である。光重合開始剤の含有量が上記範囲内であることにより、インク組成物の硬化性及び光重合開始剤の溶解性がより向上する傾向にある。
1.5.重合禁止剤
重合禁止剤としては、以下に限定されないが、例えば、p-メトキシフェノール、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-N-オキシル、ヒドロキノン、クレゾール、t-ブチルカテコール、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシトルエン、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-ブチルフェノール)、及び4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、ヒンダードアミン化合物などが挙げられる。重合禁止剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合禁止剤の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.01~1.0質量%であり、より好ましくは0.05~0.5質量%である。
1.6.その他の成分
本実施形態に係る放射線硬化型インクジェット組成物には、必要に応じて、スリップ剤や分散剤などの添加剤を更に含んでいてもよい。
1.6.1.スリップ剤
スリップ剤としては、シリコーン系界面活性剤が好ましく、ポリエステル変性シリコーンまたはポリエーテル変性シリコーンであることがより好ましい。ポリエステル変性シリコーンとしては、BYK-347、348、BYK-UV3500、3510、3530(以上、BYK Additives&Instruments社製)等が挙げられ、ポリエーテル変性シリコーンとしては、BYK-3570(BYK Additives&Instruments社製)等が挙げられる。スリップ剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
スリップ剤の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.01~2.0質量%であり、より好ましくは0.05~1.0質量%である。
1.6.2.分散剤
分散剤としては、特に限定されないが、例えば、高分子分散剤などの顔料分散液を調製するのに慣用されている分散剤が挙げられる。その具体例として、ポリオキシアルキレンポリアルキレンポリアミン、ビニル系ポリマー及びコポリマー、アクリル系ポリマー及びコポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系ポリマー、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、及びエポキシ樹脂のうち1種以上を主成分とするものが挙げられる。分散剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子分散剤の市販品として、味の素ファインテクノ社製のアジスパーシリーズ、アベシア(Avecia)社やノベオン(Noveon)社から入手可能なソルスパーズシリーズ(Solsperse36000等)、BYK Additives&Instruments社製のディスパービックシリーズ、楠本化成社製のディスパロンシリーズが挙げられる。
分散剤の含有量は、インク組成物の総量に対して、好ましくは0.1~2.0質量%であり、より好ましくは0.2~1.5質量%であり、更に好ましくは0.3~1.2質量%である。
2.記録方法
本実施形態の記録方法は、上述した放射線硬化型インクジェット組成物を、インクジェットヘッドから吐出させて、記録媒体へ付着させ記録する吐出工程を有し、更に、記録媒体のインク組成物の記録面に放射線を照射する照射工程を有する。なお、上記のような吐出方法をインクジェット法ともいう。
2.1.吐出工程
吐出工程では、加熱した組成物をインクジェットヘッドから吐出して記録媒体に付着させる。より具体的には、圧力発生手段を駆動させて、インクジェットヘッドの圧力発生室内に充填された組成物をノズルから吐出させる。
吐出工程において用いるインクジェットヘッドとしては、ライン方式により記録を行うラインヘッドと、シリアル方式により記録を行うシリアルヘッドが挙げられる。
ラインヘッドを用いたライン方式では、例えば、記録媒体の記録幅以上の幅を有するインクジェットヘッドをインクジェット装置に固定する。そして、記録媒体を副走査方向(記録媒体の縦方向、搬送方向)に沿って移動させ、この移動に連動してインクジェットヘッドのノズルからインク滴を吐出させることにより、記録媒体上に画像を記録する。
シリアルヘッドを用いたシリアル方式では、例えば、記録媒体の幅方向に移動可能なキャリッジにインクジェットヘッドを搭載する。そして、キャリッジを主走査方向(記録媒体の横方向、幅方向)に沿って移動させ、この移動に連動してヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させることにより、記録媒体上に画像を記録することができる。
2.2.照射工程
照射工程では、記録媒体に付着した放射線硬化型インクジェット組成物に対して、放射線を照射する。放射線が照射されると、モノマーの重合反応が開始することで組成物が硬化し、塗膜が形成される。このとき、光重合開始剤が存在すると、ラジカル、酸、及び塩基などの活性種(開始種)を発生し、モノマーの重合反応が、その開始種の機能によって促進される。また、光増感剤が存在すると、放射線を吸収して励起状態となり、光重合開始剤と接触することによって光重合開始剤の分解を促進し、より硬化反応を達成させることができる。
ここで、放射線としては、紫外線、赤外線、可視光線、エックス線等が挙げられる。放射線源は、インクジェットヘッドの下流に設けられた放射線源によって、組成物に対して照射する。放射線源としては、特に制限されないが、例えば、紫外線発光ダイオードが挙げられる。このような放射線源を使用することで、装置の小型化やコストの低下を実現できる。紫外線源としての紫外線発光ダイオードは、小型であるため、インクジェット装置内に取り付けることができる。
例えば、紫外線発光ダイオードは、放射線硬化型インクジェット組成物を吐出するインクジェットヘッドが搭載されているキャリッジ(媒体幅方向に沿った両端及び/又は媒体搬送方向側)に取り付けることができる。更に、上述の放射線硬化型インクジェット組成物の組成に起因して低エネルギーかつ高速での硬化を実現できる。
3.インクジェット装置
本実施形態のインクジェット装置は、組成物を吐出するノズルと、組成物が供給される圧力室と、を備えるインクジェットヘッドと、組成物に対して放射線を照射する放射線源と、を備え、組成物として上記放射線硬化型インクジェット組成物を用いる。
インクジェット装置の一例として、図1に、シリアルプリンタの斜視図を示す。図1に示すように、シリアルプリンタ20は、搬送部220と、記録部230とを備えている。搬送部220は、シリアルプリンタに給送された記録媒体Fを記録部230へと搬送し、記録後の記録媒体をシリアルプリンタの外に排出する。具体的には、搬送部220は、各送りローラを有し、送られた記録媒体Fを副走査方向T1へ搬送する。
また、記録部230は、搬送部220から送られた記録媒体Fに対して放射線硬化型インクジェット組成物を吐出するインクジェットヘッド231と、付着した放射線硬化型インクジェット組成物に対して放射線を照射する放射線源232と、これらを搭載するキャリッジ234と、キャリッジ234を記録媒体Fの主走査方向S1、S2に移動させるキャリッジ移動機構235を備える。
なお、図1においては放射線源がキャリッジに搭載される態様が示されているが、これに限らず、キャリッジに搭載されない放射線源を有していてもよい。
また、上述のインクジェット装置は、シリアル方式のプリンタであってもよく、ライン方式のプリンタであってもよい。
4.記録物
本実施形態の記録物は、記録媒体上に上記放射線硬化型インクジェット組成物が付着し、硬化したものである。上記組成物が良好な密着性を有することにより、切り出しや折り曲げ等の後加工を施した際に塗膜のひび割れや欠けを抑制することができる。そのため、本実施形態の記録物は、サイン用途などに好適に用いることができる。
記録媒体の素材としては、特に制限されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等のプラスチック類及びこれらの表面が加工処理されているもの、ガラス、紙、金属、木材等が挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
1.放射線硬化型インクジェット組成物の調製
まず、色材、分散剤、各モノマーの一部を秤量して顔料分散用のタンクに入れ、タンクに直径1mmのセラミック製ビーズミルを入れて攪拌することにより、色材をモノマー中に分散させた顔料分散液を得た。次いで、表1に記載の組成となるように、ステンレス製容器である混合物用タンクに、残りのモノマー、重合開始剤及び重合禁止剤を入れ、混合攪拌して完全に溶解させた後、上記で得られた顔料分散液を投入して、更に常温で1時間混合撹拌し、更に5μmのメンブランフィルターでろ過することにより各例の放射線硬化型インクジェット組成物を得た。なお、表中の各例に示す各成分の数値は質量%を表す。
表1中で使用した略号や製品の成分は、以下の通りである。
<単官能モノマー>
・IBXA(大阪有機化学工業株式会社製、イソボルニルアクリレート)
・PEA(商品名「ビスコート#192」、大阪有機化学工業株式会社製、フェノキシエチル(メタ)アクリレート)
・ACMO(KJケミカルズ株式会社製、アクリロイルモルフォリン)
<多官能モノマー>
・VEEA(株式会社日本触媒製、アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル)
<重合開始剤>
・819(商品名「IRGACURE 819」BASF社製、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド)
・TPO(商品名「IRGACURE TPO」、BASF社製、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)
<重合禁止剤>
・MEHQ(商品名「p-メトキシフェノール」、関東化学株式会社製、ヒドロキノンモノメチルエーテル)
<スリップ剤>
・BYK-UV3500(BYK Additives&Instruments社製、アクリロイル基を有するポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)
<無機粒子>
・シリカ粒子(商品名「QSG-10」、信越シリコーン株式会社製、シリカナノ粒子、平均粒径15nm)
・アルミナ粒子(商品名「1330DL」、コアフロント株式会社、アルミナナノ粒子、平均粒径20nm)
<色材>
・カーボンブラック(オリエント化学工業社製、製品名BONJET BLACK CW-1)
・Pigment Blue15:3(商品名「C.I.ピグメントブルー15:3」、DIC社製、フタロシアニンブルー)
<分散剤>
・Solsperse 36000(Lubrizol社製、高分子分散剤)
表1中、「単官能モノマーの比率」は、重合性化合物の総量に対する、単官能モノマーの含有量を表す。
2.評価方法
2.1.密着性の評価
ポリ塩化ビニルフィルムにバーコーターで塗布厚が10μmになるように各放射線硬化型インクジェット組成物を塗布し、積算エネルギーが照射強度200mJ/cm2となるよう、紫外線を照射した。その際、光源としては、395nmにピーク波長を有するLEDを用いた。そして、得られた塗膜に対して、JIS K5600-5-6に準じてクロスカット試験の評価を行った。
より具体的には、カッターで、塗膜に対して垂直になるように切込み工具の刃を当てて、切込み間の距離が1mmのマス目を入れて、10×10マスの格子を作った。格子に、約75mmの長さの透明付着テープ(幅25mm)を貼り付け、硬化膜が透けて見えるように十分指でテープを擦った。次に、テープを貼り付けて5分以内に、60°に近い角度で、0.5~1.0秒で確実にテープを硬化膜から引き剥がして、格子の状態を目視にて観察した。評価基準は下記のとおりである。
(評価基準)
A:格子の10%未満に硬化膜の剥離が認められた。
B:格子の10%以上35%未満に硬化膜の剥離が認められた。
C:格子の35%以上に硬化膜の剥離が認められた。
2.2.色再現性の評価
上記密着性(耐擦過性)の試験で得た塗膜に対して、測色器(商品名「Gretag Macbeth Spectrolino」、X-RITE社製)を用いて、L*値(L* 1)を測定した。また、同様に、それぞれの放射線硬化型インクジェット組成物において無機粒子を含まないインクを別途調整し、そのL*値(L* 2)を測定した。各インクにおいて、それぞれL* 1とL* 2の差を求め、下記評価基準により色再現性を評価した。
(評価基準)
A:L* 1とL* 2の差が3未満
B:L* 1とL* 2の差が3以上5未満
C:L* 1とL* 2の差が5以上
Figure 2022127861000001
3.評価結果
表1に、各例で用いた放射線硬化型インクジェット組成物の組成、並びに評価結果を示した。各実施例と比較例1との対比から、無機粒子を含有することにより、密着性が向上することがわかる。また、各実施例と、比較例2及び比較例3との対比から、単官能モノマーの含有量を重合性化合物の総量に対して80質量%以上とし、無機粒子の含有量をインク組成物の総量に対して10質量%以下とすることにより密着性と色再現性の両方に優れることがわかる。
20…シリアルプリンタ、220…搬送部、230…記録部、231…インクジェットヘッド、232、233…光源、234…キャリッジ、235…キャリッジ移動機構、F…記録媒体、S1,S2…主走査方向、T1…副走査方向

Claims (7)

  1. 無機粒子と、色材と、重合性化合物と、を含み、
    前記重合性化合物が、単官能モノマーを含み、
    該単官能モノマーの含有量が、前記重合性化合物の総量に対して、80質量%以上であり、
    前記無機粒子の含有量が、インク組成物の総量に対して、10質量%以下である、
    放射線硬化型インクジェット組成物。
  2. 前記無機粒子が、アルミナを含む、
    請求項1に記載の放射線硬化型インクジェット組成物。
  3. 前記色材が、顔料である、
    請求項1又は2に記載の放射線硬化型インクジェット組成物。
  4. 前記顔料が、有色顔料である、
    請求項3に記載の放射線硬化型インクジェット組成物。
  5. 前記重合性化合物が、多官能モノマーを含み、
    該多官能モノマーが、下記式(1)で表わされるビニル基含有(メタ)アクリレートを含む、
    2C=CR1-CO-OR2-O-CH=CH-R3 ・・・ (1)
    (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数2~20の2価の有機残基であり、R3は水素原子又は炭素数1~11の1価の有機残基である。)
    請求項1~3のいずれか一項に記載の放射線硬化型インクジェット組成物。
  6. 前記無機粒子の含有量が、前記インク組成物の総量に対して、5.0質量%以下である、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の放射線硬化型インクジェット組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載の放射線硬化型インクジェット組成物を、インクジェットヘッドから吐出して記録媒体に付着させる吐出工程と、
    前記記録媒体に付着した前記放射線硬化型インクジェット組成物に対して、放射線を照射する照射工程と、を有する、
    記録方法。
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