JP2022127131A - 無線通信システム、無線通信方法、無線通信装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】伝送対象データを平文のまま或いは簡易な暗号化を行うだけで伝送しても、伝送対象データの秘匿性を保持することを可能にする。【解決手段】この発明の一態様は、第1の無線通信装置から第2の無線通信装置へ伝送対象データを片方向通信方式を使用して伝送する無線通信システムにあって、第1の無線通信装置は、伝送対象データの送信を予告する予告情報を含む第1の無線信号を、予め設定された第1の送信電力で送信し、前記伝送対象データを含む第2の無線信号を、前記第1の無線信号の送信後に前記第1の送信電力より小さい第2の送信電力で送信する。一方、第2の無線通信装置は、前記第1の無線信号を受信したとき、当該第1の無線信号に含まれる前記予告情報を出力し、その後前記第2の無線信号を受信したとき、当該第2の無線信号に含まれる前記伝送対象データを保存する。【選択図】図3
Description
この発明は、複数の無線通信装置間でデータを片方向通信を用いて伝送する無線通信システムと、このシステムで使用される無線通信方法、無線通信装置およびプログラムに関する。
例えば、血圧計により得られた血圧データをユーザの携帯端末に転送する場合のように、複数の装置間でセンシングデータを転送する方式として、近距離無線通信技術、特にBluetooth(登録商標)を使用する方式が知られている。Bluetoothの通信(コネクション)は、一般に無線LAN(Wireless Local Area Network)通信に比べると小規模かつ省電力に実現可能である。そして、Bluetoothの仕様のバージョン4.0により定義されるBLE(Bluetooth Low Energy)を使用すれば、従前の仕様に比べて消費電力をさらに少なくすることが可能であり、特にBLEアドバタイジングと呼ばれる片方向通信を利用すると、より高い低消費電力化が期待できる。
ところが、BLEアドバタイジングでは、送受間のペアリングや暗号化の仕組みが規定されていない。このため、アドバタイズドメントパケットを用いてデータを転送すると、アドバタイズドメントパケットを受信可能な第三者の携帯端末においてもデータを受信することが可能となり、データの秘匿性が失われるおそれがある。
そこで、データの秘匿性を保持するために、例えば複数の暗号鍵を時系列的に切り替えてビーコン識別子を暗号化する方式が提案されている(例えば特許文献1を参照)。また別の例として、例えば1つの配信情報を異なる暗号化手段により重層的に暗号化する方式も提案されている(例えば特許文献2を参照)。
ところが、特許文献1において提案される方式では、暗号鍵を時系列的に切り替えるために送受間で常に時系列上の同期をとらなければならない。また、特許文献2において提案される方式では、データを複数の暗号化手段により重層的に暗号化するため、暗号化処理が複雑化して装置の処理負荷が大きくなる。さらに、いずれの方式も秘匿性を高く維持しようとすると高度な暗号化処理または復号処理が必要となり、無線通信装置のコストアップが避けられない。
この発明は、上記課題に着目してなされたもので、伝送対象データを平文のまま或いは簡易な暗号化を行うだけで伝送しても、伝送対象データの秘匿性を保持することを可能にした技術を提供しようとするものである。
上記課題を解決するためにこの発明の第1の態様は、第1の無線通信装置から第2の無線通信装置へ伝送対象データを片方向通信方式を使用して伝送する無線通信システムに関するもので、前記第1の無線通信装置は、第1の送信処理部と、第2の送信処理部とを備え、一方第2の無線通信装置は、第1の受信処理部と、第2の無線受信処理部とを備える。
第1の送信処理部は、前記伝送対象データの送信を予告する予告情報を含む第1の無線信号を生成し、前記第1の無線信号を予め設定された第1の送信電力で送信する。第2の送信処理部は、前記伝送対象データを含む第2の無線信号を生成し、当該第2の無線信号を前記第1の無線信号の送信後に前記第1の送信電力より小さい第2の送信電力で送信する。
第1の受信処理部は、前記予告情報を含む前記第1の無線信号を受信したとき、当該第1の無線信号に含まれる前記予告情報を出力する。第2の受信処理部は、前記伝送対象データを含む第2の無線信号を受信したとき、当該第2の無線信号に含まれる前記伝送対象データを保存する。
この発明の第2の態様は、第1の無線通信装置から第2の無線通信装置へ伝送対象データを片方向通信方式を使用して伝送する無線通信システムにおいて、前記第1の無線通信装置として使用される無線通信装置に関するもので、前記無線通信装置は、第1の送信処理部と、第2の送信処理部とを備える。第1の送信処理部は、前記伝送対象データの送信を予告する予告情報を含む第1の無線信号を生成し、前記第1の無線信号を予め設定された第1の送信電力で送信する。第2の送信処理部は、前記伝送対象データを含む第2の無線信号を生成し、当該第2の無線信号を前記第1の無線信号の送信後に前記第1の送信電力より小さい第2の送信電力で送信する。
この発明の第1および第2の態様によれば、伝送対象データを転送する際に、送信側の第1の無線通信装置から受信側の第2の無線通信装置へ、先ず伝送対象データの送信を予告する予告情報が、距離が離れていても届くような比較的大きい第1の送信電力で送信され、しかるのち上記伝送対象データが第1の送信電力より小さい第2の送信電力で送信される。
このため、仮に第1の無線通信装置の周辺に第三者の無線通信装置が存在していても、この第三者の無線通信装置が例えば第1の無線通信装置の至近距離に存在しない限り、伝送対象データを受信する可能性は低くなり、これにより伝送対象データの秘匿性を保持することが可能となる。また、伝送対象データを暗号化処理せずに平文のまま、或いは簡易な暗号化を行うだけで送信することが可能となるので、第1および第2の無線通信装置の暗号化処理や復号処理に要する処理負荷および消費電力を低減することができ、無線通信装置のコストアップを防止することが可能となる。一方、上記伝送対象データの本来の転送先である第2の無線通信装置は、第1の無線信号により受信された予告情報に応じて、例えばユーザが第2の無線通信装置を第1の無線通信装置に近づけることで、上記伝送対象データを確実に受信することが可能となる。
この発明の第3の態様は、前記第1の送信処理部および前記第2の送信処理部が、前記第1の無線信号の送信を第1の期間行った後、前記第2の無線信号の送信を第2の期間行う処理を、所定回数または第3の期間に渡り繰り返し実行するようにしたものである。
この発明の第3の態様によれば、予告情報の送信と伝送対象データの送信が繰り返し行われるので、ユーザは例えば第1の無線通信装置に第2の無線通信装置を近づける操作を急がずに時間的な余裕を持って行うことができる。また、上記繰り返し送信動作は、所定回数行われるかまたは第3の期間が経過した時点で自動的に終了されるので、ユーザが例えば予告メッセージに気づかない場合や、気づいていても何らかの事情により第2の無線通信装置を第1の無線通信装置に近づける操作を行うことができない場合に、伝送対象データが永続的に送信される不具合を防ぐことができ、これにより伝送対象データの漏洩リスクを低減してデータの秘匿性を保持することが可能となる。
この発明の第4の態様は、予告情報の送信開始後に、第2の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の距離が第2の無線信号を受信可能な範囲内に近づいたか否かを判定し、上記距離が受信可能な範囲内に近づいたと判定された後に、予告情報の送信を停止し、かつセンシングデータの送信を開始するようにしたものである。
この発明の第4の態様によれば、第2の無線通信装置が伝送対象データを受信可能な範囲内に近づくまで予告情報の送信が継続され、近づいたことが確認された後に伝送対象データの送信が開始される。このため、第2の無線通信装置が第1の無線通信装置に至近距離に接近するまで、伝送対象データの送信は行われないことになり、これにより伝送対象データの秘匿性を高く保持することができる。
この発明の第5の態様は、前記第1の送信処理部が、前記第2の無線通信装置と前記第1の無線通信装置との間の距離を近づけることを要求するメッセージを前記予告情報として含む第1の無線信号を送信するようにしたものである。
この発明の第5の態様によれば、ユーザは例えば第2の無線通信装置を所持している状態で、上記メッセージにより当該第2の無線通信装置と前記第1の無線通信装置との間の距離を近づける必要性を認識することができ、これにより例えば第2の無線通信装置を第1の無線通信装置に近づける操作を行うことができる。
この発明の第6の態様は、前記予告情報または当該予告情報を送信した旨の送信報知情報を、前記第1の無線通信装置に表示させる表示処理部を、さらに備えるようにしたものである。
この発明の第6の態様によれば、例えばユーザが第2の無線通信装置を所持せずに第1の無線通信装置において例えばセンシングデータの測定を行おうとしている場合でも、第1の無線通信装置において、前記予告情報またはその送信報知情報によりユーザに対し第2の無線通信装置を第1の無線通信装置に近づけるよう促すことができる。
この発明の第7の態様は、前記第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の距離が、伝送対象データを転送可能な範囲内に近づいたと判定された場合に、その旨の近接報知情報を前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置の少なくとも一方において出力するようにしたものである。
この発明の第7の態様によれば、例えばユーザは、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の距離が伝送対象データを転送可能な範囲内に近づいたことを、第1の無線通信装置および第2の無線通信装置の少なくとも一方において認識することが可能となり、これによりユーザは第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の距離を接近させる操作を円滑に行うことが可能となる。
この発明の第8の態様は、第1の無線通信装置から第2の無線通信装置へ伝送対象データを片方向通信方式を使用して伝送する無線通信システムにおいて、前記第2の無線通信装置として使用される無線通信装置に関するもので、当該無線通信装置は、第1の受信処理部と、第2の受信処理部とを備える。第1の受信処理部は、前記第1の無線通信装置から、前記伝送対象データの送信を予告する予告情報を含む第1の無線信号を受信したとき、当該第1の無線信号に含まれる前記予告情報を出力する。第2の受信処理部は、前記第1の無線通信装置から、前記伝送対象データを含む第2の無線信号を受信したとき、当該第2の無線信号に含まれる前記伝送対象データを保存する。
この発明の第8の態様によれば、例えばユーザは、第2の無線通信装置を所持している場合に、上記予告情報により第1の無線通信装置が伝送対象データを送信しようとしていることを認識することができ、これにより第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の距離を近づける操作を行うことが可能となる。
この発明の第9の態様は、前記予告情報の受信後に、当該予告情報に代わり、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の距離が前記第2の無線信号を受信可能な範囲内まで近づいたことを表す近接報知情報を受信したとき、当該近接報知情報を出力するようにしたものである。
この発明の第9の態様によれば、例えばユーザは、第1の無線通信装置と第2の無線通信装置との間の距離を近づける操作を行った後、伝送対象データの転送が可能になったことを、第2の無線通信装置において確認することが可能となる。
この発明の第10の態様は、前記第2の受信処理部が、前記伝送対象データの受信が完了した旨を表すデータ受信完了メッセージを出力する処理をさらに行うようにしたものである。
この発明の第10の態様によれば、第2の無線通信装置において伝送対象データの受信完了メッセージが出力されることで、ユーザはこのメッセージにより、第1の無線通信装置から第2の無線通信装置への伝送対象データの伝送が完了した旨を確認することが可能となり、これにより例えば第1の無線通信装置のデータ送信を停止させる操作を行うことが可能となる。
すなわちこの発明によれば、伝送対象データを平文のまま或いは簡易な暗号化を行うだけで伝送しても、伝送対象データの秘匿性を保持することを可能にした技術を提供することができる。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの全体構成を示す図である。
第1の実施形態に係る無線通信システムは、第1の無線通信装置として機能するセンシング装置SDAと、第2の無線通信装置として機能する携帯端末UTとを備える。そして、センシング装置SDAにより測定されたセンシングデータを、BLEアドバタイジングによる片方向通信を使用して携帯端末UTへ伝送する。携帯端末UTは、上記センシングデータをネットワークNWを介してサーバ装置SVへ転送する。
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの全体構成を示す図である。
第1の実施形態に係る無線通信システムは、第1の無線通信装置として機能するセンシング装置SDAと、第2の無線通信装置として機能する携帯端末UTとを備える。そして、センシング装置SDAにより測定されたセンシングデータを、BLEアドバタイジングによる片方向通信を使用して携帯端末UTへ伝送する。携帯端末UTは、上記センシングデータをネットワークNWを介してサーバ装置SVへ転送する。
ネットワークNWは、例えばインターネットとこのインターネットにアクセスするためのアクセスネットワークとを含む。アクセスネットワークとしては、例えば4Gまたは5G規格を採用する移動無線通信ネットワークや無線LAN(Local Area Network)等が用いられるが、その限りではない。
サーバ装置SVは、例えば医療保健機関または健康情報のサービス事業者等が運営するクラウドコンピュータまたはWebコンピュータからなり、ユーザのセンシングデータを収集し管理する。
(2)装置
(2-1)センシング装置SDA
図2および図3は、それぞれセンシング装置SDAのハードウェア構成およびソフトウェア構成を示すブロック図である。
(2-1)センシング装置SDA
図2および図3は、それぞれセンシング装置SDAのハードウェア構成およびソフトウェア構成を示すブロック図である。
センシング装置SDAは、例えば血圧計からなり、制御ユニット1と、センシングユニット2と、BLE通信モジュール3と、入出力デバイスとしての入力部4aおよび表示部4bを備えている。
センシングユニット2は、制御ユニット1の制御の下で例えば血圧データを含むセンシングデータの測定動作を行い、測定されたセンシングデータを制御ユニット1へ出力する。なお、センシングユニット2は、血圧データ以外に、脈拍数や心電波形、血糖値、活動量、ストレス度等に係るその他の生体情報を単独または複合して測定するデバイスであってもよい。
BLE通信モジュール3は、上記携帯端末UTに対し、BLEアドバタイジングの規格で定義された通信プロトコルに従って、片方向通信によりアドバタイズドメントパケットを送信する。なお、BLE通信モジュール3は、センシング装置SDAに内蔵されるものに限らず、付属の通信用アダプタとして外設されるものであってもよく、また独立して使用されるIoT機器やルータ、セットトップボックス(STB)が備える通信モジュールであってもよい。
制御ユニット1は、例えば中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のハードウェアプロセッサを使用した制御部11Aを備える。なお、制御部11Aは、暗号化処理等を行うためにDSP(Digital Signal Processor)を備えていてもよい。
上記制御部11Aには、バス17を介して、プログラム記憶部12およびデータ記憶部13を有する記憶ユニットと、センサインタフェース(以後インタフェースをI/Fと記載する)14と、通信I/F15と、入出力I/F16が接続される。
センサI/F14は、制御部11Aの制御の下、センシングユニット2の動作に係る各種制御信号の授受、およびセンシングユニット2から出力されるセンシングデータを受け取って制御部11Aに渡す処理を行う。通信I/F15は、制御部11Aの制御の下、BLE通信モジュール3の動作に係る各種制御信号の授受と、制御部11Aにより生成されるパケットをBLE通信モジュール3へ出力する処理を行う。
プログラム記憶部12は、例えば、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、OS(Operating System)等のミドルウェアに加えて、第1の実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムを格納する。
データ記憶部13は、例えば、記憶媒体として、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリとを組み合わせたもので、第1の実施形態を実施するために必要な主たる記憶部として、センシングデータ記憶部131と、メッセージ記憶部132とを備えている。
センシングデータ記憶部131は、センシングユニット2により測定されたセンシングデータを、その測定日時を表す情報等と共に記憶するために使用される。メッセージ記憶部132は、携帯端末UTに対しセンシングデータの送信を予告するための予告メッセージを記憶する。なお、データ記憶部13は、制御部11Aの各種処理の過程で生成されるデータを一時保持する記憶領域も備える。
制御部11Aは、第1の実施形態を実施するために必要な主たる処理機能として、センシング制御部111と、第1の送信処理部112と、第2の送信処理部113と、メッセージ表示処理部114とを備える。これらの制御部および処理部111~114は、何れもプログラム記憶部12に格納されたOSおよびアプリケーションプログラムを制御部11Aのハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。なお、このとき上記制御部および処理部111~114の各機能は、OSのみにより実行されるものと、アプリケーションプログラムのみにより実行されるものと、OSとアプリケーションプログラムが協働して実行されるものが含まれる。
センシング制御部111は、入力部4aにおいて血圧値を含む生体情報の測定動作のトリガとなる操作が行われた場合に、センサI/F14を介してセンシングユニット2を起動する。そして、センシングユニット2により測定されたセンシングデータをセンサI/F14を介して取り込み、取り込んだ上記センシングデータを、測定日時を表す情報を対応付けてセンシングデータ記憶部131に記憶させる処理を行う。
第1の送信処理部112は、上記センシングデータの測定動作の終了後に、メッセージ記憶部132から上記センシングデータの送信予告を行うための予告メッセージを読み出し、当該予告メッセージを含む予告アドバタイズドメントパケットを生成する。そして、生成された予告アドバタイズドメントパケットを、通信I/F15を介してBLE通信モジュール3へ出力し、BLE通信モジュール3から第1の送信電力P1で予め設定された送信期間T1に渡り繰り返し送信させる処理を行う。
上記第1の送信電力P1は、例えば同一フロアまたは同一の部屋内(例えば3m以内)を送信対象とし、当該送信対象の領域内に携帯端末UTが存在する場合に、当該携帯端末UTが予告アドバタイズドメントパケットを受信することが可能な値に設定される。
第2の送信処理部113は、上記予告アドバタイズドメントパケットの送信期間T1の終了後に、センシングデータ記憶部131から未送信のセンシングデータを読み出し、当該センシングデータを含むデータアドバタイズドメントパケットを生成する。そして、生成されたデータアドバタイズドメントパケットを、通信I/F15を介してBLE通信モジュール3へ出力し、BLE通信モジュール3から第2の送信電力P2で予め設定された送信期間T2に渡り繰り返し送信させる処理を行う。
上記第2の送信電力P2は、センシング装置SDAの周辺領域のうち限定された至近距離の領域、例えばセンシング装置SDAを中心とする半径10cm以内の領域を送信対象とし、当該送信対象の領域内に存在する携帯端末UTのみが上記センシングデータアドバタイズドメントパケットを受信できる値に設定される。なお、第2の送信電力P2の値は、上記値に限るものではなく、10cmを超える値でも第三者の携帯端末が容易に受信できない範囲に対応する値に設定されてもよい。
なお、第1の送信処理部112および第2の送信処理部113は、上記送信期間T1,T2による予告アドバタイズドメントパケットとデータアドバタイズドメントパケットの送信を所定回数繰り返し行い、所定回数繰り返した時点で終了する。なお、上記各アドバタイズドメントパケットの送信は、所定回数繰り返す代わりに所定期間T3が経過するまで繰り返すように制御してもよい。
なお、第1の送信処理部112および第2の送信処理部113は、上記送信期間T1,T2による予告アドバタイズドメントパケットとデータアドバタイズドメントパケットの送信を所定回数繰り返し行い、所定回数繰り返した時点で終了する。なお、上記各アドバタイズドメントパケットの送信は、所定回数繰り返す代わりに所定期間T3が経過するまで繰り返すように制御してもよい。
メッセージ表示処理部114は、上記予告アドバタイズドメントパケットの送信が開始されてから上記各アドバタイズドメントパケットの繰り返し送信処理が終了するまでの期間に、メッセージ記憶部132から予告メッセージまたは予告メッセージ送信期間中を示すメッセージを読み出し、読み出されたメッセージを入出力I/F16を介して表示部4bに表示させる処理を行う。
(2-2)携帯端末UT
図4および図5は、それぞれ携帯端末UTのハードウェア構成およびソフトウェア構成を示すブロック図である。
図4および図5は、それぞれ携帯端末UTのハードウェア構成およびソフトウェア構成を示すブロック図である。
携帯端末UTは、例えばユーザが所有するスマートフォンからなる。なお、携帯端末UTとしては、ユーザが所有するものであれば、他にタブレット型端末やウェアラブル型端末、ノート型のパーソナルコンピュータ等が用いられてもよい。
携帯端末UTは、制御ユニット5と、BLE通信モジュール6と、移動無線通信モジュール7と、入出力デバイス8とを備える。
BLE通信モジュール6は、BLEアドバタイジングの規格により定義された通信プロトコルに従い、BLEアドバタイジングのアドバタイズドメントパケットを受信する。
移動無線通信モジュール7は、移動通信ネットワークにより定義される無線アクセス方式および通信プロトコルを使用して、ネットワークNWを介してサーバ装置SVとの間でデータの送受信を行う。無線アクセス方式としては、例えばLong Time Evolution(LTE)(登録商標)、4Gまたは5Gが使用される。
入出力デバイス8は、例えば液晶又は有機ELを用いた表示デバイスの表示画面上に、感圧方式または静電容量方式を採用したタッチ式入力シートを重ねて配置したもので、各種操作データの入力および表示データの表示を行うために使用される。
制御ユニット5は、中央処理ユニット等のハードウェアプロセッサを使用した制御部51を備える。この制御部51には、バス57を介して、プログラム記憶部52およびデータ記憶部53を有する記憶ユニットと、通信I/F54,55および入出力I/F56が接続される。
通信I/F54は、BLE通信モジュール6により受信されたBLEアドバタイズのアドバタイズドメントパケットを取り込んで制御部51に渡す。
通信I/F55は、制御部51から出力されるセンシングデータを移動無線通信モジュール7へ出力し、移動通信ネットワークにより定義される通信プロトコルに従い送信させる。
入出力I/F56は、上記入出力デバイス8において入力された操作データを取り込んで制御部51に渡すと共に、制御部51から出力された各種表示データやメッセージを上記入出力デバイス8へ出力し表示させる。
プログラム記憶部52は、例えば、記憶媒体としてSSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて構成したもので、OS等のミドルウェアに加えて、一実施形態に係る各種制御処理を実行するために必要なプログラムを格納する。
データ記憶部53は、例えば、記憶媒体として、SSD等の随時書込みおよび読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリと組み合わせたもので、第1の実施形態を実施するために必要な主たる記憶部として、センシングデータ記憶部531を備えている。センシングデータ記憶部531は、センシング装置SDAから送られたセンシングデータを記憶するために使用される。なお、データ記憶部53は、制御部51の各種処理の過程で生成されるデータを一時保持する記憶領域も備える。
制御部51は、第1の実施形態に係る主たる処理機能として、BLE受信処理部511と、アドバタイズ種別判定部512と、メッセージ表示処理部513と、センシングデータ転送処理部514とを備えている。これらの処理部511~514は、何れもプログラム記憶部52に格納されたOSおよびアプリケーションプログラムを制御部51のハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。なお、このとき上記処理部511~514の各機能は、OSのみにより実行されるものと、アプリケーションプログラムのみにより実行されるものと、OSとアプリケーションプログラムが協働して実行されるものが含まれる。
BLE受信処理部511は、BLE通信モジュール6により受信されたBLEアドバタイジングのアドバタイズドメントパケットを通信I/F54を介して受信し、受信されたBLEアドバタイズドメントパケットをアドバタイズ種別判定部512に渡す処理を行う。
アドバタイズ種別判定部512は、受信された上記BLEアドバタイズドメントパケットの種類が、予告アドバタイズドメントパケットであるか或いはデータアドバタイズドメントパケットであるかを判定する。そして、予告アドバタイズドメントパケットであれば、当該パケットから予告メッセージを抽出してメッセージ表示処理部513に渡す。一方、上記データアドバタイズドメントパケットであれば、当該パケットからセンシングデータを抽出してセンシングデータ記憶部531に記憶させる処理を行う。
メッセージ表示処理部513は、上記アドバタイズ種別判定部512から渡された予告メッセージを、入出力I/F56を介して入出力デバイス8へ出力し、表示させる処理を行う。
センシングデータ転送処理部514は、記憶された上記センシングデータの転送タイミングになると、上記センシングデータ記憶部531から未送信のセンシングデータを読み出し、読み出された上記センシングデータを通信I/F55を介して移動無線通信モジュール7へ出力する。そして、上記センシングデータを、移動通信ネットワークで規定される通信プロトコルに従い、移動無線通信モジュール7からネットワークNWを介してサーバ装置SVに向け送信させる処理を行う。
(動作例)
次に、以上のように構成された無線通信システムの動作例を説明する。
図6および図7はそれぞれセンシング装置SDAおよび携帯端末UTの各制御部11A,51による処理手順と処理内容を示すフローチャート、図13はセンシング装置SDAと携帯端末UTとの間のアドバタイジング動作を示すシーケンス図である。
次に、以上のように構成された無線通信システムの動作例を説明する。
図6および図7はそれぞれセンシング装置SDAおよび携帯端末UTの各制御部11A,51による処理手順と処理内容を示すフローチャート、図13はセンシング装置SDAと携帯端末UTとの間のアドバタイジング動作を示すシーケンス図である。
(1)センシング装置SDAの動作
図6は、センシング装置SDAの制御部11が実行する動作の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
図6は、センシング装置SDAの制御部11が実行する動作の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
(1-1)センシングデータの取得
センシング装置SDAにおいて、被測定者がセンシングのための操作を行ったとする。このときの操作としては、例えば入力部4aに設けられた測定ボタンの押下が挙げられるが、被測定者が腕等の被測定部位にカフを装着する操作等であってもよい。
センシング装置SDAにおいて、被測定者がセンシングのための操作を行ったとする。このときの操作としては、例えば入力部4aに設けられた測定ボタンの押下が挙げられるが、被測定者が腕等の被測定部位にカフを装着する操作等であってもよい。
センシング装置SDAの制御部11Aは、上記操作をステップS10により検知すると、センシング制御部11Aの制御の下、ステップS11においてセンシングユニット2を起動させ、センシングユニット2により測定され出力されたセンシングデータを、ステップS12によりセンサI/F14を介して取得し、取得されたセンシングデータを、測定日時を表す情報を付加した後にセンシングデータ記憶部131に記憶させる。センシング制御部11Aは、上記1回のセンシング動作が終了すると、ステップS13においてセンシング動作が終了したか否かを判定する。そして、被測定者が再度測定ボタンを押下した場合には、ステップS11に戻って上記センシング動作を繰り返し実行する。
なお、この例では、センシングデータとして、収縮期血圧(Systolic Blood Pressure)、拡張期血圧(Diastolic Blood Pressure)および脈拍数を表すデータが取得されるが、センシングデータには、脈拍数や心電波形、血糖値、活動量、ストレス度等に係るその他の生体情報を単独または複合して含まれていてもよい。
(1-2)BLEアドバタイジングを用いたデータの送信
上記ステップS13においてセンシング動作が終了したと判定すると、センシング装置SDAの制御部11Aは、BLEアドバタイジングを用いてセンシングデータの送信に係る一連の処理を実行する。なお、上記一連の処理は、被測定者が入力部4aにより送信ボタンを押下した場合に開始されるようにしてもよい。
上記ステップS13においてセンシング動作が終了したと判定すると、センシング装置SDAの制御部11Aは、BLEアドバタイジングを用いてセンシングデータの送信に係る一連の処理を実行する。なお、上記一連の処理は、被測定者が入力部4aにより送信ボタンを押下した場合に開始されるようにしてもよい。
先ず、BLEアドバタイジングの無線通信方式についてその概要を説明する。図10乃至図12はその説明に使用するための図である。
BLEにおいて採用されるパッシブスキャン方式では、図10に例示するように、新規ノードは自己の存在を周知するアドバタイズドメントパケットTxを定期的に送信する。新規ノードは、アドバタイズドメントパケットを一度送信してから次に送信するまでの間に、低消費電力のスリープ状態に入る。これによりノードの消費電力を少なく抑えることが可能となる。また、アドバタイズドメントパケットの受信側も受信期間Rx毎に間欠的に受信動作するので、アドバタイズドメントパケットの送受信に伴う消費電力は僅かとなる。
図11は、BLE無線通信パケットの基本構造を示す図である。BLE無線通信パケットは、1バイトのプリアンブルと、4バイトのアクセスアドレスと、2~39バイト(可変)のプロトコルデータユニット(PDU:Protocol Data Unit)と、3バイトの巡回冗長チェックサム(CRC:Cyclic Redundancy Checksum)とを含む。BLE無線通信パケットの長さは、PDUの長さに依存し、10~47バイトである。10バイトのBLE無線通信パケット(PDUは2バイト)は、Empty PDUパケットとも呼ばれ、マスタとスレイブ間で定期的に交換される。
プリアンブルフィールドは、BLE無線通信の同期のために用意されており、「01」または「10」の繰り返しが格納される。アクセスアドレスは、アドバタイジングチャネルでは固定数値、データチャネルでは乱数のアクセスアドレスが格納される。CRCフィールドは、受信誤りの検出に用いられる。CRCの計算範囲は、PDUフィールドのみである。
第1の実施形態では、BLEアドバタイジングの無線通信方式を使用するため、上記BLE無線通信パケットはアドバタイズドメントパケットとなる。図12は、アドバタイズドメントパケットのPDUフィールド構成を示す図である。
アドバタイズドメントパケットのPDUフィールドは、2バイトのヘッダと、0~37バイト(可変)のペイロードとを含む。ヘッダは、さらに、4ビットのPDU Typeフィールドと、2ビットの未使用フィールドと、1ビットのTxAddフィールドと、1ビットのRxAddフィールドと、6ビットのLengthフィールドと、2ビットの未使用フィールドとを含む。
PDU Typeフィールドには、PDUのタイプを示す値が格納される。PDUのタイプを示す値としては、「接続可能アドバタイジング」、「非接続アドバタイジング」などのいくつかの値が定義済みである。TxAddフィールドには、ペイロード中に送信アドレスがあるか否かを示すフラグが格納される。同様に、RxAddフィールドには、ペイロード中に受信アドレスがあるか否かを示すフラグが格納される。Lengthフィールドには、ペイロードのバイトサイズを示す値が格納される。第1の実施形態では、上記ペイロードに予告メッセージまたはセンシングデータが挿入され伝送される。
(1-2-1)予告アドバタイズドメントパケットの送信
センシング装置SDAの制御部11Aは、先ず第1の送信処理部112の制御の下、予告アドバタイズドメントパケットの送信処理を行う。
すなわち、第1の送信処理部112は、ステップS14によりBLEアドバタイジングの送信タイミングを監視する。そして、BLEアドバタイジングの送信タイミングになると、第1の送信処理部112は、ステップS15において、メッセージ記憶部132から予告メッセージを読み出し、読み出された予告メッセージを含む予告アドバタイズドメントパケットを生成する。予告メッセージとしては、例えば
「血圧データがあります」や「携帯端末をセンシング装置に近づけてください」
のようなガイダンスメッセージが用いられるが、メッセージ内容はこれに限られるものではない。
センシング装置SDAの制御部11Aは、先ず第1の送信処理部112の制御の下、予告アドバタイズドメントパケットの送信処理を行う。
すなわち、第1の送信処理部112は、ステップS14によりBLEアドバタイジングの送信タイミングを監視する。そして、BLEアドバタイジングの送信タイミングになると、第1の送信処理部112は、ステップS15において、メッセージ記憶部132から予告メッセージを読み出し、読み出された予告メッセージを含む予告アドバタイズドメントパケットを生成する。予告メッセージとしては、例えば
「血圧データがあります」や「携帯端末をセンシング装置に近づけてください」
のようなガイダンスメッセージが用いられるが、メッセージ内容はこれに限られるものではない。
第1の送信処理部112は、生成された上記予告アドバタイズドメントパケットを通信I/F15を介してBLE通信モジュール3へ出力する。そして、上記予告アドバタイズドメントパケットを、BLE通信モジュール3から第1の送信電力P1で所定期間T1、例えば2秒間に渡って繰り返し送信させる。このとき、第1の送信電力P1は、先に述べたように例えば同一フロアまたは同一の部屋内において、携帯端末UTが上記予告アドバタイズドメントパケットを受信できる値に設定される。このため、血圧測定後に被測定者がセンシング装置SDAから離れても、同一フロアまたは部屋内にいれば、携帯端末UTに予告メッセージを通知することが可能となる。
また、上記予告アドバタイズドメントパケットを送信するとセンシング装置SDAの制御部11Aは、メッセージ表示処理部114の制御の下、ステップS17において、メッセージ記憶部132から上記予告メッセージを読み出し、読み出されたメッセージを入出力I/F16を介して表示部4bに表示させる。
なお、予告メッセージの代わりに予告メッセージ送信期間中を示すメッセージが表示されるようにしてもよい。また報知の形態としては、メッセージの表示以外に音声メッセージの出力、ランプの点灯または点滅、振動等を用いるようにしてもよい。
このように、センシング装置SDAにおいて予告メッセージまたはその送信期間中メッセージを出力すると、例えば被測定者が携帯端末UTを部屋の隅の机の上に置いたまま血圧測定を行った場合でも、被測定者は測定後にセンシング装置SDAの表示部4bに表示される上記予告メッセージまたはその送信期間中メッセージにより、携帯端末UTをセンシング装置SDAに近づける必要があることを認識することが可能となる。
(1-2-2)データアドバタイズドメントパケットの送信
上記予告アドバタイズドメントパケットが、所定期間T1に渡り繰り返し送信され、これがステップS18で判定されると、センシング装置SDAの制御部11Aは、次に第2の送信処理部113の制御の下、センシングデータの送信処理を以下のように実行する。
上記予告アドバタイズドメントパケットが、所定期間T1に渡り繰り返し送信され、これがステップS18で判定されると、センシング装置SDAの制御部11Aは、次に第2の送信処理部113の制御の下、センシングデータの送信処理を以下のように実行する。
すなわち、第2の送信処理部113は、ステップS19によりBLEアドバタイジングの送信タイミングを監視する。そして、BLEアドバタイジングの送信タイミングになると、第2の送信処理部113は、ステップS20において、センシングデータ記憶部131からセンシングデータを読み出し、読み出されたセンシングデータを含むデータアドバタイズドメントパケットを生成する。
続いて第2の送信処理部113は、ステップS21において、生成された上記データアドバタイズドメントパケットを通信I/F15を介してBLE通信モジュール3へ出力する。そして、上記データアドバタイズドメントパケットを、BLE通信モジュール3から第2の送信電力P2で所定期間T2、例えば2秒間に渡って繰り返し送信させる。このとき、第2の送信電力P2は、先に述べたように例えばセンシング装置SDAの周辺の限定された至近距離の範囲、例えばセンシング装置SDAから10cm以内の範囲内でのみ上記データアドバタイズドメントパケットを受信することが可能な小さい値に設定される。このため、同一フロアまたは部屋内に第三者の携帯端末が存在していても、上記至近距離の範囲内に侵入しない限り上記データアドバタイズドメントパケットが受信されることはない。
センシング装置SDAの制御部11Aは、上記データアドバタイズドメントパケットの送信処理を、所定期間T2に渡り繰り返し行うと、ステップS23に移行する。そして、ステップS23において、上記期間T1による予告アドバタイズドメントパケットと、期間T2によるデータアドバタイズドメントパケットの繰り返し送信回数が、所定回数に達したか否かを判定する。この判定の結果、上記繰り返し送信回数が所定回数に達していなければステップS14に戻り、第1の送信処理部112による予告アドバタイズドメントパケットの送信処理と、第2の送信処理部113によるデータアドバタイズドメントパケットの送信処理を繰り返す。
以後同様に、上記繰り返し送信回数が所定回数に達するまで、上記予告アドバタイズドメントパケットおよびデータアドバタイズドメントパケットの送信処理を交互に繰り返す。
以後同様に、上記繰り返し送信回数が所定回数に達するまで、上記予告アドバタイズドメントパケットおよびデータアドバタイズドメントパケットの送信処理を交互に繰り返す。
なお、上記予告アドバタイズドメントパケットおよびデータアドバタイズドメントパケットの送信処理の繰り返しは、上記繰り返し回数を計数する代わりに、所定期間T3が経過するか否かを判定することにより制御してもよい。また、この例ではデータアドバタイズドメントパケットの送信を期間T2行う毎に停止する場合を述べたが、データアドバタイズドメントパケットを送信し続けるようにしてもよい。
一方、上記予告アドバタイズドメントパケットおよびデータアドバタイズドメントパケットの繰り返し送信回数が所定回数に達するか、または繰り返し送信期間が上記T3を経過すると、センシング装置SDAの制御部11Aは上記予告アドバタイズドメントパケットおよびデータアドバタイズドメントパケットの繰り返し送信処理を終了する。このようにすると、携帯端末UTをセンシング装置SDAに近づける操作が行われない場合に、上記予告アドバタイズドメントパケットとデータアドバタイズドメントパケットの送信処理が半永久的に続く不具合を防止して、センシングデータの漏洩リスクを低減することができる。
(2)携帯端末UTの動作
図7は、携帯端末UTの制御部51が実行する動作の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
図7は、携帯端末UTの制御部51が実行する動作の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
(2-1)予告アドバタイズドメントパケットの受信
携帯端末UTの制御部51は、BLE受信処理部511の制御の下、ステップS30,S31において、間欠的にアドバタイズドメントパケットの受信サーチを行っている。この状態で、アドバタイズドメントパケット(正確にはADV_IND)が受信されると、携帯端末UTの制御部51はOSの制御によりスキャンリクエスト(SCAN REQ)を送信する。そして、上記スキャンリクエストに応じてセンシング装置SDAから送信されるアドバタイズドメントパケットを受信する。そして、携帯端末UTの制御部51は、ステップS32からステップS33,S34に移行し、アドバタイズ種別判定部512により、受信されたアドバタイズドメントパケットが予告アドバタイズドメントパケットであるか、或いはデータアドバタイズドメントパケットであるかを、PDUの情報から判定する。
携帯端末UTの制御部51は、BLE受信処理部511の制御の下、ステップS30,S31において、間欠的にアドバタイズドメントパケットの受信サーチを行っている。この状態で、アドバタイズドメントパケット(正確にはADV_IND)が受信されると、携帯端末UTの制御部51はOSの制御によりスキャンリクエスト(SCAN REQ)を送信する。そして、上記スキャンリクエストに応じてセンシング装置SDAから送信されるアドバタイズドメントパケットを受信する。そして、携帯端末UTの制御部51は、ステップS32からステップS33,S34に移行し、アドバタイズ種別判定部512により、受信されたアドバタイズドメントパケットが予告アドバタイズドメントパケットであるか、或いはデータアドバタイズドメントパケットであるかを、PDUの情報から判定する。
上記判定の結果、予告アドバタイズドメントパケットであれば、携帯端末UTの制御部51は、メッセージ表示処理部513の制御の下、ステップS35において、受信された上記予告アドバタイズドメントパケットから予告メッセージを抽出し、抽出された予告メッセージを入出力I/F56を介して入出力デバイス8へ出力し、表示させる。この結果、携帯端末UTの入出力デバイス8には、例えば
「携帯端末をセンシング装置に近づけて下さい」
のような予告メッセージが表示される。
「携帯端末をセンシング装置に近づけて下さい」
のような予告メッセージが表示される。
従って、被測定者は、例えば測定終了後に携帯端末UTを所持してセンシング装置SDAから離れていても、同一フロアまたは部屋内に存在すれば、上記予告アドバタイズドメントパケットを受信し予告メッセージを確認することが可能となる。
(2-2)データアドバタイズドメントパケットの受信
上記予告メッセージを確認した被測定者が、携帯端末UTを例えばセンシング装置SDAから10cm以内の範囲にまで近づけると、携帯端末UTはセンシング装置SDAが送信するデータアドバタイズドメントパケットを受信可能となる。
上記予告メッセージを確認した被測定者が、携帯端末UTを例えばセンシング装置SDAから10cm以内の範囲にまで近づけると、携帯端末UTはセンシング装置SDAが送信するデータアドバタイズドメントパケットを受信可能となる。
携帯端末UTの制御部51は、アドバタイズ種別判定部512により、受信されたアドバタイズドメントパケットがデータアドバタイズドメントパケットと判定されると、ステップS36において、受信された上記データアドバタイズドメントパケットからセンシングデータを抽出し、抽出された上記センシングデータをセンシングデータ記憶部531に記憶させる。
上記センシングデータが受信されると携帯端末UTの制御部51は、メッセージ表示処理部513の制御の下、ステップS37により、入出力デバイス8に表示されている予告メッセージを消去する。なお、予告メッセージの表示の消去の代わりに、或いはその表示終了後に、センシングデータの受信完了メッセージを入出力デバイス8に表示させるようにしてもよい。
(2-3)センシングデータの転送
携帯端末UTの制御部51は、上記センシングデータの受信が完了すると、センシングデータ転送処理部514の制御の下、ステップS38によりセンシングデータの転送タイミングを監視する。この状態で、転送タイミングになると、携帯端末UTの制御部51は、センシングデータ転送処理部514の制御の下、ステップS39においてセンシングデータ記憶部531から上記センシングデータを読み出す。そして、読み出された上記センシングデータを、通信I/F55を介して移動無線通信モジュール7へ出力する。移動無線通信モジュール7は、上記センシングデータを、移動通信ネットワークで定義される通信プロトコルに従い、ネットワークNWを介してサーバ装置SVに向け送信する。なお、上記センシングデータの転送処理は、ステップS30によるアドバタイズ受信タイミングの監視中にステップS39により転送タイミングとなった場合にも、同様に実行される。
携帯端末UTの制御部51は、上記センシングデータの受信が完了すると、センシングデータ転送処理部514の制御の下、ステップS38によりセンシングデータの転送タイミングを監視する。この状態で、転送タイミングになると、携帯端末UTの制御部51は、センシングデータ転送処理部514の制御の下、ステップS39においてセンシングデータ記憶部531から上記センシングデータを読み出す。そして、読み出された上記センシングデータを、通信I/F55を介して移動無線通信モジュール7へ出力する。移動無線通信モジュール7は、上記センシングデータを、移動通信ネットワークで定義される通信プロトコルに従い、ネットワークNWを介してサーバ装置SVに向け送信する。なお、上記センシングデータの転送処理は、ステップS30によるアドバタイズ受信タイミングの監視中にステップS39により転送タイミングとなった場合にも、同様に実行される。
一方、上記ステップS38の判定の結果、まだ転送タイミングになっていなければ、携帯端末UTの制御部51は、一旦処理を終了する。そして、ステップS30に戻ってアドバタイズドメントパケットの受信サーチを行う。
なお、上記センシングデータの転送は、1個のセンシングデータが受信される毎に行ってもよいが、一定数分のセンシングデータがセンシングデータ記憶部531に記憶される毎、または一定期間が経過する毎に、センシングデータ記憶部531から未送信のセンシングデータを読み出して一括して転送するようにしてもよい。この一括転送の周期は、転送タイミングを適宜設定することで可変可能である。
(作用・効果)
以上述べたように第1の実施形態によれば、以下のような作用効果が奏せられる。
(1)センシング装置SDAがセンシングデータを送信する際に、先ず予告メッセージを含む予告アドバタイズドメントパケットを生成して、当該予告アドバタイズドメントパケットを、同一フロアまたは部屋内に送信可能な比較的大きな第1の送信電力P1により送信し、続いて伝送対象データであるセンシングデータを含むデータアドバタイズドメントパケットを生成し、当該データアドバタイズドメントパケットを、センシング装置SDAから10cm程度の範囲内にのみ送信可能な小さい第2の送信電力P2により送信する。これに対し携帯端末UTは、受信されたアドバタイズドメントパケットが予告アドバタイズドメントパケットであれば、当該予告アドバタイズドメントパケットに含まれる予告メッセージを表示し、データアドバタイズドメントパケットであれば当該データアドバタイズドメントパケットに含まれるセンシングデータをセンシングデータ記憶部531に記憶させる。
以上述べたように第1の実施形態によれば、以下のような作用効果が奏せられる。
(1)センシング装置SDAがセンシングデータを送信する際に、先ず予告メッセージを含む予告アドバタイズドメントパケットを生成して、当該予告アドバタイズドメントパケットを、同一フロアまたは部屋内に送信可能な比較的大きな第1の送信電力P1により送信し、続いて伝送対象データであるセンシングデータを含むデータアドバタイズドメントパケットを生成し、当該データアドバタイズドメントパケットを、センシング装置SDAから10cm程度の範囲内にのみ送信可能な小さい第2の送信電力P2により送信する。これに対し携帯端末UTは、受信されたアドバタイズドメントパケットが予告アドバタイズドメントパケットであれば、当該予告アドバタイズドメントパケットに含まれる予告メッセージを表示し、データアドバタイズドメントパケットであれば当該データアドバタイズドメントパケットに含まれるセンシングデータをセンシングデータ記憶部531に記憶させる。
従って、被測定者が、測定終了後に例えば携帯端末UTを所持してセンシング装置SDAから離れた場合でも、上記予告メッセージにより被測定者に対しセンシングデータの送信を確実に通知することができ、この通知を受けて被測定者は、携帯端末UTをセンシング装置SDAの至近距離まで近づけて、センシングデータを受信させることが可能となる。また、このときデータアドバタイズドメントパケットの到達範囲は、センシング装置SDAから10cm程度の近い距離に限定されるため、センシングデータが挿入されたデータアドバタイズドメントパケットが第三者の携帯端末により受信される可能性はきわめて低くなり、センシングデータの秘匿性を保持することができる。従って、センシングデータを仮に平文または簡易な暗号化を用いて送信することが可能となり、これによりセンシング装置SDAおよび携帯端末UTでは複雑な暗号化処理および復号処理が不要となって、処理負荷の軽減および低消費電力化を図ることが可能となる。
(2)予告アドバタイズドメントパケットの送信期間中に、センシング装置SDAにおいても予告メッセージまたはその送信期間中メッセージを表示するようにしている。このため、例えば被測定者が携帯端末UTを持たずに測定動作を行った場合でも、被測定者は測定後にセンシング装置SDAの表示部4bに表示される上記予告メッセージまたはその送信期間中メッセージにより、携帯端末UTをセンシング装置SDAに近づける必要があることを認識することが可能となる。
(3)予告アドバタイズドメントパケットの送信とデータアドバタイズドメントパケットの送信が所定回数まで、または所定期間T3に渡り繰り返し行われる。このため、被測定者は例えばセンシング装置SDAに対し携帯端末UTを近づける操作を急がずに時間的な余裕を持って行うことができる。また、上記各パケットの繰り返し送信動作は所定回数または所定期間T3に限定される。このため、被測定者が何らかの事情により携帯端末UTをセンシング装置SDAに近づけることができない場合に、センシングデータを含むデータアドバタイズドメントパケットが永続的に送信される不具合を防ぐことができ、これによりセンシングデータの漏洩リスクを低減してデータの秘匿性を保持することが可能となる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、予告アドバタイズドメントパケットおよびデータアドバタイズドメントパケットをそれぞれ期間T1,T2ずつ所定回数または所定期間T3に渡り繰り返し送信するようにした。これに対し、この発明の第2の実施形態は、予告アドバタイズドメントパケットの送信開始後に、センシング装置に対する携帯端末の接近を監視し、携帯端末が至近距離まで接近したことが検知された場合に、予告アドバタイズドメントパケットの送信を終了して、データアドバタイズドメントパケットの送信を開始するようにしたものである。
第1の実施形態では、予告アドバタイズドメントパケットおよびデータアドバタイズドメントパケットをそれぞれ期間T1,T2ずつ所定回数または所定期間T3に渡り繰り返し送信するようにした。これに対し、この発明の第2の実施形態は、予告アドバタイズドメントパケットの送信開始後に、センシング装置に対する携帯端末の接近を監視し、携帯端末が至近距離まで接近したことが検知された場合に、予告アドバタイズドメントパケットの送信を終了して、データアドバタイズドメントパケットの送信を開始するようにしたものである。
(構成例)
図8は、この発明の第2の実施形態を実施するためのセンシング装置SDBのソフトウェア構成を示すブロック図である。なお、同図において図3と同一機能部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
図8は、この発明の第2の実施形態を実施するためのセンシング装置SDBのソフトウェア構成を示すブロック図である。なお、同図において図3と同一機能部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
センシング装置SDBの制御部11Bは、第2の実施形態を実施するために必要な主たる処理機能として、センシング制御部111、第1の送信処理部112、第2の送信処理部113およびメッセージ表示処理部114に加え、近接判定処理部115を備えている。なお、これらの制御部および処理部111~115は、何れもプログラム記憶部12に格納されたプログラムを制御部11Bのハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
近接判定処理部115は、近接センサ9の検出出力をもとに携帯端末UTがセンシング装置SDBの至近距離に接近したか否かを判定する処理を行う。近接センサ9としては、例えば、非接触型ICカード等で使用される近距離無線通信技術(例えばFeliCa(登録商標))や、Zigbee(登録商標)等に代表される微弱な送信電力を使用するデータ通信方式を採用した近距離無線通信モジュールが用いられる。
近接判定処理部115は、上記近接センサ9により、携帯端末UTが備える同様の近距離無線通信モジュールとの間で無線信号を授受することにより携帯端末UTの接近を検知する。なお、近接センサ9としては、近距離間で無線信号または赤外線信号等を送受信するモジュールであれば、如何なる方式も適用可能である。
また近接判定処理部115は、上記近接センサ9により携帯端末UTの接近が検知された場合に、第1の送信処理部112に対し予告アドバタイズドメントパケットの送信を終了させ、第2の送信処理部113に対しデータアドバタイズドメントパケットの送信を開始させる処理を行う。
さらに近接判定処理部115は、携帯端末UTの接近が検知された場合に、メッセージ表示処理部114に対し、予告メッセージまたはその送信期間中メッセージの表示を終了させ、代わりに携帯端末UTの接近完了メッセージを表示させる処理を行う。接近完了メッセージは、例えばメッセージ記憶部132に予め記憶されているものが使用される。
(動作例)
次に、以上のように構成されたセンシング装置SDBの動作例を説明する。
図9はセンシング装置SDBの制御部11Bによる処理手順と処理内容を示すフローチャート、図14はセンシング装置SDBと携帯端末UTとの間のアドバタイジング動作を示すシーケンス図である。なお、図9において図6と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
次に、以上のように構成されたセンシング装置SDBの動作例を説明する。
図9はセンシング装置SDBの制御部11Bによる処理手順と処理内容を示すフローチャート、図14はセンシング装置SDBと携帯端末UTとの間のアドバタイジング動作を示すシーケンス図である。なお、図9において図6と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
センシング装置SDBの制御部11Bは、ステップS14~S17により予告アドバタイズドメントパケットの送信を開始すると、近接判定処理部115の制御の下、ステップS41において、携帯端末UTがセンシング装置SDBに対し至近距離、例えば10cm以内まで接近したか否かを判定する。そして、この判定の結果携帯端末UTがまだ接近していなければ、近接判定処理部115は第1の送信処理部112に対し予告アドバタイズドメントパケットの送信を継続するよう指示を与える。第1の送信処理部112は、上記継続指示を受けて、ステップS14~S17により図14に示すように予告アドバタイズドメントパケットの送信を継続する。
一方、被測定者が予告メッセージに従い携帯端末UTをセンシング装置SDBの至近距離まで近づけ、これにより近接判定処理部115により上記携帯端末UTの接近が検知されたとする。この場合センシング装置SDBの制御部11Bは、先ず近接判定処理部115から第1の送信処理部112に対し予告アドバタイズドメントパケットの送信終了指示を与える。この結果、第1の送信処理部112は、予告アドバタイズドメントパケットの送信を停止する。
また、センシング装置SDBの制御部11Bは、メッセージ表示処理部114の制御の下、表示中の予告メッセージまたはその送信期間中メッセージを消去する。そして、代わりにステップS42において、メッセージ記憶部132から接近完了メッセージを読み出し、当該接近完了メッセージを入出力I/F16を介して表示部4bへ出力して表示させる。従って、被測定者は、上記接近完了メッセージにより、携帯端末UTがセンシング装置SDBのセンシングデータを受信可能な距離まで接近したことを認識することが可能となる。
続いてセンシング装置SDBの制御部11Bは、近接判定処理部115から第2の送信処理部113に対し、データアドバタイズドメントパケットの送信開始を指示する。この指示を受けて第2の送信処理部113は、ステップS19によりアドバタイズ送信タイミングになると、ステップS20においてセンシングデータを含むデータアドバタイズドメントパケットを生成する。そして、生成されたデータアドバタイズドメントパケットを、ステップS21において通信I/F15を介してBLE通信モジュール3へ出力し、当該予告アドバタイズドメントパケットを第2の送信電力P2により送信させる。
上記データアドバタイズドメントパケットを送信すると、センシング装置SDBの制御部11Bは、ステップS43において、上記データアドバタイズドメントパケットの送信期間が所定期間を経過したか否かを判定する。そして、所定期間が経過するまでは、ステップS20に戻って上記データアドバタイズドメントパケットを送信する処理を繰り返す。
これに対し上記所定期間が経過すると、センシング装置SDBの制御部11Bは、上記データアドバタイズドメントパケットの送信動作を終了する。
(作用・効果)
以上述べたように第2の実施形態では、予告アドバタイズドメントパケットの送信開始後に、近接判定処理部115によりセンシング装置SDBに対する携帯端末UTの接近を監視し、携帯端末UTが至近距離まで接近したことが検知された場合に、予告アドバタイズドメントパケットの送信を終了して、データアドバタイズドメントパケットの送信を開始するようにしている。
以上述べたように第2の実施形態では、予告アドバタイズドメントパケットの送信開始後に、近接判定処理部115によりセンシング装置SDBに対する携帯端末UTの接近を監視し、携帯端末UTが至近距離まで接近したことが検知された場合に、予告アドバタイズドメントパケットの送信を終了して、データアドバタイズドメントパケットの送信を開始するようにしている。
従って、センシング装置SDBでは、携帯端末UTがデータアドバタイズドメントパケットを受信可能な距離内に近づくまで予告アドバタイズドメントパケットが送信され、近づいたことが確認された後にデータアドバタイズドメントパケットが送信される。このため、携帯端末UTがセンシング装置SDBに対し至近距離まで接近するまで、データアドバタイズドメントパケットの送信は一切行われない。従って、センシングデータの秘匿性を高く保持することができる。
また、携帯端末UTがセンシング装置SDBに接近するまで予告アドバタイズドメントパケットの送信が継続され、かつ接近が完了した場合に接近完了メッセージが表示される。このため、被測定者はセンシング装置SDBに対し携帯端末UTを近づける操作を円滑かつ確実に行うことができる。
[その他の実施形態]
(1)前記第1の実施形態では、データアドバタイズドメントパケットの送信電力をP2に抑えかつ送信期間をT2に限定することで、データアドバタイズドメントパケットが第三者の携帯端末で受信されるリスクを低下させるようにした。しかし、それ以外に、例えばセンシングデータを簡易暗号化した上で、そのデータアドバタイズドパケットを停止させずに一定期間(例えば3分間)送信し続けるようにしてもよい。このようにすると、データアドバタイズドメントパケットを被測定者の携帯端末UTが受信できる可能性を高めることができ、かつセンシングデータが簡易暗号化されることで、たとえ第三者の携帯端末においてデータアドバタイズドメントパケットが受信されても、センシングデータが漏洩するリスクを低く抑えることが可能となる。
(1)前記第1の実施形態では、データアドバタイズドメントパケットの送信電力をP2に抑えかつ送信期間をT2に限定することで、データアドバタイズドメントパケットが第三者の携帯端末で受信されるリスクを低下させるようにした。しかし、それ以外に、例えばセンシングデータを簡易暗号化した上で、そのデータアドバタイズドパケットを停止させずに一定期間(例えば3分間)送信し続けるようにしてもよい。このようにすると、データアドバタイズドメントパケットを被測定者の携帯端末UTが受信できる可能性を高めることができ、かつセンシングデータが簡易暗号化されることで、たとえ第三者の携帯端末においてデータアドバタイズドメントパケットが受信されても、センシングデータが漏洩するリスクを低く抑えることが可能となる。
また、携帯端末UTがセンシングデータの受信が完了した時点で、データ受信完了メッセージを表示部に表示させるようにするとよい。このようにすると、例えば被測定者が上記形態端末UTに表示された上記データ受信完了メッセージを確認して、センシング装置SDAのデータアドバタイズドメントパケットの送信停止操作を行うことで、上記一定期間(3分間)が経過する前にデータアドバタイズドメントパケットの送信を終了させることが可能となり、これによりセンシングデータの漏洩リスクをさらに下げることができる。
(2)前記第1の実施形態では、センシング装置SDAにおいて、予告アドバタイズドメントパケットおよびデータアドバタイズドメントパケットをそれぞれ期間T1,T2ずつ所定回数または所定期間T3に渡り繰り返し送信した時点でアドバタイズドメントパケットの送信を終了するようにした。しかし、それに限らず、例えば携帯端末UTから送信されるスキャンリクエストを受信した時点で、アドバタイズドメントパケットの送信を停止するようにしてもよい。
(3)前記各実施形態では、センシング装置に対し携帯端末を近づける場合を例にとって説明したが、センシング装置SDA,SDBを携帯端末UTに近づけるように予告メッセージを送信するようにしてもよい。その他、第1および第2の送信電力P1,P2の値や、予告アドバタイズドメントパケットおよびデータアドバタイズドメントパケットそれぞれの送信周期と送信期間、予告メッセージ等の各メッセージの内容、センシングデータの種類、第1および第2の無線通信装置の構成および処理手順と処理内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
SDA,SDB…センシング装置
UT…携帯端末
NW…ネットワーク
SV…サーバ装置
1,5…制御ユニット
2…センシングユニット
3,6…BLE通信モジュール
4a…入力部
4b…表示部
7…移動無線通信モジュール
8…入出力デバイス
9…近接センサ
11A,11B,51…制御部
12,52…プログラム記憶部
13,53…データ記憶部
14…センサI/F
15,54,55…通信I/F
16,56…入出力I/F
111…センシング制御部
112…第1の送信処理部
113…第2の送信処理部
114…メッセージ表示処理部
115…近接判定処理部
131,531…センシングデータ記憶部
511…BLE受信処理部
512…アドバタイズ種別判定部
513…メッセージ表示処理部
514…センシングデータ転送処理部
UT…携帯端末
NW…ネットワーク
SV…サーバ装置
1,5…制御ユニット
2…センシングユニット
3,6…BLE通信モジュール
4a…入力部
4b…表示部
7…移動無線通信モジュール
8…入出力デバイス
9…近接センサ
11A,11B,51…制御部
12,52…プログラム記憶部
13,53…データ記憶部
14…センサI/F
15,54,55…通信I/F
16,56…入出力I/F
111…センシング制御部
112…第1の送信処理部
113…第2の送信処理部
114…メッセージ表示処理部
115…近接判定処理部
131,531…センシングデータ記憶部
511…BLE受信処理部
512…アドバタイズ種別判定部
513…メッセージ表示処理部
514…センシングデータ転送処理部
Claims (13)
- 第1の無線通信装置から第2の無線通信装置へ伝送対象データを片方向通信方式を使用して伝送する無線通信システムであって、
前記第1の無線通信装置は、
前記伝送対象データの送信を予告する予告情報を含む第1の無線信号を生成し、前記第1の無線信号を予め設定された第1の送信電力で送信する第1の送信処理部と、
前記伝送対象データを含む第2の無線信号を生成し、前記第2の無線信号を、前記第1の無線信号の送信後に前記第1の送信電力より小さい第2の送信電力で送信する第2の送信処理部と
を備え、
前記第2の無線通信装置は、
前記第1の無線信号を受信したとき、当該第1の無線信号に含まれる前記予告情報を出力する第1の受信処理部と、
前記第2の無線信号を受信したとき、当該第2の無線信号に含まれる前記伝送対象データを保存する第2の受信処理部と
を備える、無線通信システム。 - 第1の無線通信装置から第2の無線通信装置へ伝送対象データを片方向通信方式を使用して伝送する無線通信システムにおいて、前記第1の無線通信装置として使用される無線通信装置であって、
前記伝送対象データの送信を予告する予告情報を含む第1の無線信号を生成し、前記第1の無線信号を予め設定された第1の送信電力で送信する第1の送信処理部と、
前記伝送対象データを含む第2の無線信号を生成し、前記第2の無線信号を、前記第1の無線信号の送信後に前記第1の送信電力より小さい第2の送信電力で送信する第2の送信処理部と
を備える無線通信装置。 - 前記第1の送信処理部および前記第2の送信処理部は、前記第1の無線信号の送信を第1の期間行った後前記第2の無線信号の送信を第2の期間行う処理を、所定回数または第3の期間に渡り繰り返し実行する、請求項2に記載の無線通信装置。
- 前記第1の無線信号の送信開始後に、前記第2の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の距離が、前記第2の無線通信装置が前記第2の無線信号を受信可能な範囲内に近づいたか否かを判定する近接判定処理部を、さらに備え、
前記第1の送信処理部は、前記近接判定処理部により前記距離が前記受信可能な範囲内に近づいたと判定された後に、前記第1の無線信号の送信を停止し、
前記第2の送信処理部は、前記近接判定処理部により前記距離が前記受信可能な範囲内に近づいたと判定された後に、前記第2の無線信号の送信を開始する
請求項2に記載の無線通信装置。 - 前記第1の送信処理部は、前記第2の無線通信装置と前記第1の無線通信装置との間の距離を近づけることを要求するメッセージを、前記予告情報として含む前記第1の無線信号を送信する、請求項2乃至4のいずれかに記載の無線通信装置。
- 前記予告情報または当該予告情報を送信した旨の送信報知情報を、前記第1の無線通信装置に表示させる表示処理部を、さらに備える請求項2乃至5のいずれかに記載の無線通信装置。
- 前記近接判定処理部により前記距離が前記受信可能な範囲内に近づいたと判定された場合に、その旨の近接報知情報を前記第1の無線通信装置および前記第2の無線通信装置の少なくとも一方において出力する近接報知処理部を、さらに備える請求項4に記載の無線通信装置。
- 第1の無線通信装置から第2の無線通信装置へ伝送対象データを片方向通信方式を使用して伝送する無線通信システムにおいて、前記第2の無線通信装置として使用される無線通信装置であって、
前記第1の無線通信装置から、前記伝送対象データの送信を予告する予告情報を含む第1の無線信号を受信したとき、当該第1の無線信号に含まれる前記予告情報を出力する第1の受信処理部と、
前記第1の無線通信装置から、前記伝送対象データを含む第2の無線信号を受信したとき、当該第2の無線信号に含まれる前記伝送対象データを保存する第2の受信処理部と
を備える無線通信装置。 - 前記第1の受信処理部は、前記予告情報の受信後に、当該予告情報に代わり、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の距離が前記第2の無線信号を受信可能な範囲内まで近づいたことを表す近接報知情報を前記第1の無線信号により受信したとき、前記第1の無線信号に含まれる前記近接報知情報を出力する処理を、さらに行う請求項8に記載の無線通信装置。
- 前記第2の受信処理部は、前記伝送対象データの受信が完了した旨を表すデータ受信完了メッセージを出力する処理を、さらに行う請求項8に記載の無線通信装置。
- 第1の無線通信装置から第2の無線通信装置へ伝送対象データを片方向通信方式を使用して伝送する無線通信システムが実行する無線通信方法であって、
前記第1の無線通信装置が、前記伝送対象データの送信を予告する予告情報を含む第1の無線信号を生成し、前記第1の無線信号を予め設定された第1の送信電力で送信する過程と、
前記第1の無線通信装置が、前記伝送対象データを含む第2の無線信号を生成し、前記第2の無線信号を、前記第1の無線信号の送信後に前記第1の送信電力より小さい第2の送信電力で送信する過程と、
前記第2の無線通信装置が、前記予告情報を含む前記第1の無線信号を受信したとき、当該第1の無線信号に含まれる前記予告情報を出力する過程と、
前記第2の無線通信装置が、前記伝送対象データを含む前記第2の無線信号を受信したとき、当該第2の無線信号に含まれる前記伝送対象データを保存する過程と
を備える、無線通信方法。 - 請求項2乃至7のいずれかに記載の無線通信装置が備える前記各処理部による処理を、前記無線通信装置が備えるプロセッサに実行させるプログラム。
- 請求項8乃至10のいずれかに記載の無線通信装置が備える前記各処理部による処理を、前記無線通信装置が備えるプロセッサに実行させるプログラム。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021025090A JP2022127131A (ja) | 2021-02-19 | 2021-02-19 | 無線通信システム、無線通信方法、無線通信装置およびプログラム |
PCT/JP2022/003729 WO2022176593A1 (ja) | 2021-02-19 | 2022-02-01 | 無線通信システム、無線通信方法、無線通信装置およびプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021025090A JP2022127131A (ja) | 2021-02-19 | 2021-02-19 | 無線通信システム、無線通信方法、無線通信装置およびプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2022127131A true JP2022127131A (ja) | 2022-08-31 |
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ID=82932007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021025090A Pending JP2022127131A (ja) | 2021-02-19 | 2021-02-19 | 無線通信システム、無線通信方法、無線通信装置およびプログラム |
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JP (1) | JP2022127131A (ja) |
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JP4363200B2 (ja) * | 2004-01-29 | 2009-11-11 | セイコーエプソン株式会社 | 無線通信システム、無線通信方法、及び、無線通信装置 |
JP4153003B2 (ja) * | 2006-09-04 | 2008-09-17 | シャープ株式会社 | 生体情報測定装置、電力消費制御方法、生体情報測定プログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
JP6900272B2 (ja) * | 2017-08-09 | 2021-07-07 | オムロンヘルスケア株式会社 | データ送信装置 |
-
2021
- 2021-02-19 JP JP2021025090A patent/JP2022127131A/ja active Pending
-
2022
- 2022-02-01 WO PCT/JP2022/003729 patent/WO2022176593A1/ja active Application Filing
Also Published As
Publication number | Publication date |
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WO2022176593A1 (ja) | 2022-08-25 |
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