JP2022126248A - 研磨装置および研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、研磨ヘッドの押圧力の複雑な制御を必要とせず、ワークピースの膜厚プロファイルに対応して研磨対象部分を精度よく研磨することができる研磨装置を提供する。【解決手段】研磨装置1は、研磨面13aを有する研磨パッド13を支持するための研磨テーブル12と、ワークピースWを研磨面13aに押し付ける研磨ヘッド11を備え、研磨ヘッド11は、ワークピースWを研磨面13aに押し付けるための第1圧力室80を形成する第1弾性膜36を有しており、第1弾性膜36は、ワークピースWの膜厚プロファイルに対応した表面形状を有している。【選択図】図3

Description

本発明は、研磨レートを部分的に変化させてウェーハ、基板、パネルなどのワークピースを研磨するための研磨装置および研磨方法に関する。
化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)は、シリカ(SiO)等の砥粒を含んだ研磨液を研磨パッドの研磨面上に供給しつつワークピースを研磨面に摺接させて研磨を行う技術である。CMP工程では、ワークピースの表面を形成する膜を研磨して、膜厚を均一化するために行われる。例えば、CMP工程において、部分的に研磨不足や過研磨が生じた場合には、ワークピース全面に亘って膜厚が均一になるように、さらにCMP工程を実施して部分的にワークピースを研磨することが求められている。
ワークピースを部分的に研磨する方法として、膜厚プロファイルに対応してワークピースの各領域を研磨面に押圧する押圧力を調整する技術(特許文献1参照)や、研磨ヘッドに設けられた各圧電素子に異なる電圧を供給することで研磨ヘッドの面内圧力分布を調整する技術(特許文献2参照)が知られている。
特開2005-11977号公報 特開2000-6002号公報
しかしながら、ワークピースの膜厚プロファイルが複雑である場合などに、膜厚プロファイルに応じて研磨ヘッドの押圧力を精密に調整することは容易ではない。
そこで、本発明は、研磨ヘッドの押圧力の複雑な制御を必要とせず、ワークピースの膜厚プロファイルに対応して研磨対象部分を精度よく研磨することができる研磨装置および研磨方法を提供することを目的とする。
一態様では、ワークピースを研磨するための研磨装置であって、研磨面を有する研磨パッドを支持するための研磨テーブルと、前記ワークピースを前記研磨面に押し付ける研磨ヘッドを備え、前記研磨ヘッドは、前記ワークピースを前記研磨面に押し付けるための第1圧力室を形成する第1弾性膜を有しており、前記第1弾性膜は、前記ワークピースを研磨する前に前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した表面形状を有している、研磨装置が提供される。
一態様では、前記研磨装置は、前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した表面形状を有する変形面形成部を有するプロファイルステージと、前記研磨ヘッドを前記研磨テーブルと前記プロファイルステージとの間を移動させる研磨ヘッド移動装置をさらに備え、前記研磨ヘッドは、前記第1弾性膜の表面形状を固定する第1ロック機構を有しており、前記研磨装置は、前記研磨ヘッドが前記プロファイルステージに位置するときに、前記研磨ヘッドを前記変形面形成部に対して押し付けるように構成されている。
一態様では、前記研磨ヘッドは、前記第1弾性膜を覆う第2弾性膜をさらに備えており、前記第1弾性膜と前記第2弾性膜との間には第2圧力室が形成されている。
一態様では、前記第1圧力室内の圧力は、前記第2圧力室内の圧力よりも大きい。
一態様では、前記研磨ヘッドは、前記第1弾性膜の裏側に連結された複数の第1ロッドをさらに備えており、前記第1ロック機構は、前記複数の第1ロッドの位置を固定することにより前記第1弾性膜の表面形状を固定するように構成されている。
一態様では、前記プロファイルステージは、押圧具と、前記押圧具を前記変形面形成部の表面に押し付ける押圧具押し付け装置と、前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した前記変形面形成部の前記表面形状を形成するように前記押圧具押し付け装置の動作を制御する押圧具制御部を備えている。
一態様では、前記変形面形成部は、複数のステージヘッドを備えており、前記プロファイルステージは、前記複数のステージヘッドに連結された複数の第2ロッドと、前記複数の第2ロッドの位置を固定する第2ロック機構をさらに備え、前記複数のステージヘッドおよび前記複数の第2ロッドは一体に移動可能である。
一態様では、ワークピースを研磨する研磨方法であって、研磨ヘッドの第1弾性膜によって形成された第1圧力室内を加圧しながら、前記研磨ヘッドによって前記ワークピースを研磨面に押し付けて前記ワークピースを研磨する工程を含み、前記第1弾性膜は、前記ワークピースを研磨する前に前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した表面形状を有する、研磨方法が提供される。
一態様では、前記ワークピースを研磨する前に、前記第1圧力室内を加圧することで、前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した表面形状を有する変形面形成部に対して前記研磨ヘッドを押し付け、前記変形面形成部の前記表面形状に沿って変形した前記第1弾性膜の表面形状を固定する工程をさらに含む。
一態様では、前記研磨ヘッドは、前記第1弾性膜を覆う第2弾性膜をさらに備えており、前記ワークピースを研磨する工程において、前記第1圧力室内を加圧するとともに、前記第1弾性膜と前記第2弾性膜との間に形成された第2圧力室内を加圧する。
一態様では、前記第1圧力室内の圧力は、前記第2圧力室内の圧力よりも大きい。
一態様では、前記第1弾性膜の裏側は、複数の第1ロッドに接続されており、前記複数の第1ロッドの位置を固定することにより前記第1弾性膜の表面形状を固定する。
一態様では、前記研磨ヘッドを前記変形面形成部に対して押し付ける前に、押圧具を前記変形面形成部の表面に対して押し付けることにより、前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した前記変形面形成部の前記表面形状を形成する工程をさらに含む。
一態様では、前記変形面形成部は、複数のステージヘッドを備えており、前記複数のステージヘッドは、複数の第2ロッドに連結されており、前記押圧具を前記変形面形成部の表面に対して押し付けたときに、前記複数のステージヘッドおよび前記複数の第2ロッドは一体に移動し、前記複数の第2ロッドの位置を固定することにより前記変形面形成部の前記表面形状を固定する。
一態様では、前記研磨ヘッドを前記変形面形成部に対して押し付ける前に、前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した前記変形面形成部の前記表面形状を3Dプリンタにより形成する工程をさらに含む。
本発明によれば、ワークピースの膜厚プロファイルに対応した形状を有する弾性膜を備えた研磨ヘッドによって、ワークピースを研磨面に押し付けて研磨することにより、研磨レートを部分的に変化させてワークピースを精度よく研磨することができる。
研磨装置の一実施形態を模式的に示す平面図である。 図1に示す研磨ユニットの斜視図である。 研磨ヘッドの断面図である。 研磨ヘッドの一部の構成を示す分解斜視図である。 図5(a)および図5(b)は、第1ロック機構32の動作を説明する図である。 プロファイルステージの平面図である。 プロファイルステージの断面図である。 押圧具が変形面形成部の中央を押し付けているときのプロファイルステージの断面図である。 押圧具が変形面形成部の端部を押し付けて傾動させているときのプロファイルステージの断面図である。 部分研磨前のワークピースの膜厚プロファイルを説明する図である。 図11(a)および図11(b)は、変形面形成部の表面形状に沿って第1弾性膜を変形させる工程を説明する図である。 図12(a)乃至図12(c)は、図11(b)の続きの工程を説明する模式図である。 図13(a)乃至図13(c)は、変形させた第1弾性膜によってワークピースを研磨する工程を説明する模式図である。 図14(a)は、3Dプリンタを用いて変形面形成部の表面形状を形成する様子を説明する模式図である。図14(b)は、変形面形成部を交換する様子を説明する模式図である。 ワークピースを研磨する工程の一例を説明するフローチャートである。 図15の続きのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、研磨装置1の一実施形態を模式的に示す平面図である。図2は、図1に示す研磨ユニット10の斜視図である。研磨装置1は、ウェーハ、基板、パネルなどのワークピースWを部分的に研磨するための装置である。ワークピースWは、円形に限らず四角形状や他の形状であってもよい。研磨装置1は、ワークピースWを研磨する研磨ユニット10、研磨ヘッド11を移動させる研磨ヘッド移動装置20、ワークピースWの膜厚プロファイルに対応した表面形状に沿って研磨ヘッド11を変形させるためのプロファイルステージ50、およびワークピースWの受け渡しを行う受け渡しステージ70を備えている。
図2に示すように、研磨ユニット10は、研磨パッド13を支持する研磨テーブル12と、ワークピースWを研磨パッド13に押し付ける研磨ヘッド11と、研磨テーブル12を回転させるテーブルモータ14と、研磨パッド13上に研磨液を供給するための研磨液供給ノズル15を備えている。
研磨ヘッド11は、研磨ヘッド移動装置20のヘッドシャフト21およびヘッドアーム22によって矢印で示す方向に回転可能に支持されている。研磨ヘッド11はその下面にワークピースWを保持できるように構成されている。ヘッドシャフト21は、ヘッドアーム22内に配置された昇降装置(図示せず)により、ヘッドアーム22に対して相対的に上昇および下降されるように構成されている。したがって、ヘッドシャフト21に固定された研磨ヘッド11の位置は、上記昇降装置により上下方向に移動させることができる。
ヘッドアーム22は、旋回可能に支柱軸22aによって支持されており、図示しないモータによりヘッドアーム22は支柱軸22aを中心に旋回することが可能である。このヘッドアーム22の旋回動作により、研磨ヘッド11は、ワークピースWの研磨を行う研磨位置と、プロファイルステージ50(図1参照)と、受け渡しステージ70(図1参照)との間で移動する。図1では、研磨ユニット10、プロファイルステージ50、受け渡しステージ70の順で配置されているが、これらの位置は特に限定されない。例えば、プロファイルステージ50と受け渡しステージ70の位置が逆に配置されてもよい。
研磨テーブル12はテーブルモータ14に連結されており、テーブルモータ14は研磨テーブル12および研磨パッド13を矢印で示す方向に回転させるように構成されている。研磨パッド13の上面は、ワークピースWを研磨する研磨面13aを構成する。
研磨ユニット10は、ワークピースWの膜厚を測定する膜厚センサ16を備えている。膜厚センサ16の構成は特に限定されないが、渦電流センサまたは光学式膜厚センサが使用される。膜厚センサ16は研磨テーブル12に取り付けられており、研磨テーブル12および研磨パッド13とともに一体に回転する。膜厚センサ16の位置は、研磨テーブル12および研磨パッド13が一回転するたびに研磨パッド13上のワークピースWの表面を横切る位置である。
研磨ユニット10の動作は、動作制御部100によって制御される。動作制御部100は、研磨ヘッド11、テーブルモータ14、研磨液供給ノズル15、膜厚センサ16、および研磨ヘッド移動装置20に電気的に接続されている。研磨ヘッド11、テーブルモータ14、研磨液供給ノズル15、膜厚センサ16、および研磨ヘッド移動装置20の動作は動作制御部100によって制御される。
動作制御部100は、少なくとも1台のコンピュータから構成される。動作制御部100は、プログラムを格納した記憶装置100aと、プログラムに含まれている命令に従って演算を行う演算装置100bを備えている。演算装置100bは、記憶装置100aに格納されているプログラムに含まれている命令に従って演算を行うCPU(中央処理装置)またはGPU(グラフィックプロセッシングユニット)などを含む。記憶装置100aは、演算装置100bがアクセス可能な主記憶装置(例えばランダムアクセスメモリ)と、データおよびプログラムを格納する補助記憶装置(例えば、ハードディスクドライブまたはソリッドステートドライブ)を備えている。ただし、動作制御部100の具体的構成は、本実施形態に限定されない。
ワークピースWは次のようにして研磨される。研磨テーブル12および研磨ヘッド11を図2の矢印で示す方向に回転させながら、研磨液供給ノズル15から研磨液が研磨テーブル12上の研磨パッド13の研磨面13aに供給される。ワークピースWは、研磨ヘッド11によって回転されながら、研磨パッド13上に研磨液が存在した状態で、研磨ヘッド11によって研磨パッド13の研磨面13aに押し付けられる。ワークピースWの表面は、研磨液の化学的作用と、研磨液に含まれる砥粒および/または研磨パッド13の機械的作用により研磨される。研磨終点は、膜厚センサ16によるワークピースWの膜厚の測定結果に基づいて、動作制御部100によって決定される。
次に、研磨ヘッド11の詳細について説明する。図3は、研磨ヘッド11の断面図である。図4は研磨ヘッド11の一部の構成を示す分解斜視図である。研磨ヘッド11は、ヘッド本体30とリテーナリング33を備えている。ヘッド本体30は、ヘッドシャフト21に連結されたヘッド基部31、ヘッド基部31の下部に固定されたキャリア35、キャリア35に取り付けられた第1弾性膜36、第1弾性膜36を覆う第2弾性膜37、第1弾性膜36に接続された第1ロック機構32を備えている。第1ロック機構32は、ヘッド基部31に取り付けられた第1プレートアクチュエータ39と、第1プレートアクチュエータ39に接続された第1ロックプレート38を備えている。第1ロックプレート38は、研磨ヘッド11の内部空間17内に上下動可能に配置されている。本実施形態では、第1プレートアクチュエータ39はエアシリンダから構成されているが、第1プレートアクチュエータ39の具体的構成は特に限定されない。一実施形態では、第1プレートアクチュエータ39はボールねじとサーボモータの組み合わせから構成されてもよい。
研磨ヘッド11は、第1弾性膜36の裏側に連結された複数の第1ロッド36aをさらに備えている。図4に示すように、複数の第1ロッド36aは、等間隔に配置されており、第1弾性膜36の裏側全体に分布している。第1弾性膜36と複数の第1ロッド36aは一体構造体であってもよい。複数の第1ロッド36aは、キャリア35に設けられた複数の通孔35aおよび第1ロックプレート38に設けられた複数の孔38aに挿入されている。各通孔35aおよび各孔38aの直径は、各第1ロッド36aの直径よりも大きい。したがって、複数の第1ロッド36aおよび第1弾性膜36は、キャリア35および第1ロックプレート38に対して一体に相対移動可能である。第1弾性膜36、複数の第1ロッド36a、および第2弾性膜37は、例えばシリコーンゴム等の強度および耐久性に優れた柔軟なゴム材から構成されてもよい。
図3に示すように、流体ラインF1,F2,F3,F4,F5は、流体供給源(図示せず)に接続されている。流体ラインF1は、ヘッド基部31を貫通して延びており、研磨ヘッド11の内部空間17を通じて第1圧力室80に連通している。第1圧力室80は、キャリア35と第1弾性膜36との間に形成されている。キャリア35に設けられた複数の通孔35aおよび第1ロックプレート38に設けられた孔38aには、複数の第1ロッド36aが挿入されている。
キャリア35および第1ロックプレート38は、同じ位置に流体通路35b,38bをそれぞれ有している。流体通路35bはキャリア35を貫通して延び、流体通路38bは第1ロックプレート38を貫通して延びている。流体通路35b,38bは、研磨ヘッド11の内部空間17を通じて流体ラインF1に連通しており、さらに第1圧力室80にも連通している。加圧流体(例えば、加圧空気などの加圧気体)は、流体ラインF1を通じて研磨ヘッド11内に供給され、空間17および流体通路35b,38bを通じて第1圧力室80内に供給される。加圧流体は、第1圧力室80を加圧し、第1弾性膜36を下方に押し下げる。このように、流体ラインF1から供給された加圧流体は、第1圧力室80を加圧することができる。
流体ラインF2は、ヘッド基部31およびキャリア35を貫通して延びており、第1弾性膜36と第2弾性膜37との間に形成される第2圧力室81に連通している。加圧流体(例えば、加圧空気などの加圧気体)は、流体ラインF2を通じて第2圧力室81内に供給され、第2圧力室81を加圧することができる。流体ラインF1および流体ラインF2には、圧力レギュレータR1,R2がそれぞれ設けられている。圧力レギュレータR1,R2は、第1圧力室80内の圧力と第2圧力室81内の圧力を独立して調整することができる。
流体ラインF3,F4は、第1プレートアクチュエータ39に接続されている。より具体的には、流体ラインF3は第1プレートアクチュエータ39の第1流体室39aに連通し、流体ラインF4は第1プレートアクチュエータ39の第2流体室39bに連通している。第1流体室39aと第2流体室39bは、ピストン39cで仕切られている。加圧流体(例えば、加圧空気などの加圧気体)を流体ラインF3を通じて第1流体室39aに供給すると、第1プレートアクチュエータ39は第1ロックプレート38を下降させ、複数の第1ロッド36aの位置を固定することができるように構成されている。詳細は後述するが、複数の第1ロッド36aの位置を固定することで、第1弾性膜36の表面形状を固定することができる。加圧流体(例えば、加圧空気などの加圧気体)を流体ラインF4を通じて第2流体室39bに供給すると、第1プレートアクチュエータ39は第1ロックプレート38を上昇させ、複数の第1ロッド36aの位置の固定を解除することができる。
図5(a)および図5(b)は、第1ロック機構32の動作を説明する図である。第1ロックプレート38は、下方に突出した逆円錐台形状のテーパー部38cを有している。孔38aはテーパー部38cの中央に位置している。キャリア35は、テーパー部38cの形状に対応した逆円錐台形状の窪み部35cを有している。通孔35aは窪み部35cの中央に位置している。テーパー部38cと窪み部35cは互いに対向している。第1ロックプレート38は、第1プレートアクチュエータ39によりキャリア35に近接する方向およびキャリア35から離れる方向に移動可能である。
図5(a)に示すように、第1ロックプレート38がキャリア35から離れているとき、通孔35aおよび孔38a内を延びる第1ロッド36aは自由に移動可能である。図5(b)に示すように、第1プレートアクチュエータ39により第1ロックプレート38がキャリア35に押し付けられると、第1ロックプレート38のテーパー部38cは、キャリア35の窪み部35cに押し付けられる。テーパー部38cは、窪み部35cに沿って内側にわずかに変形し、これによりテーパー部38cは第1ロッド36aを締め付ける。その結果、第1ロッド36aの上下方向の位置は固定される。このようにして、第1ロック機構32は、第1ロッド36aの位置を固定することができる。第1ロックプレート38は、変形しやすい材料(例えば、PEEKなどのエンジニアリングプラスチック)で構成されてもよい。
図3に戻り、第2弾性膜37の下面は、図2に示すワークピースWを研磨パッド13の研磨面13aに対して押し付けるワークピース押圧面37aを構成している。ワークピースWの研磨中は、ワークピース押圧面37aはワークピースWの裏面(研磨対象面とは反対側の面)に接触する。一実施形態では、第2弾性膜37には複数の通孔(図示せず)が設けられている。第2圧力室81に負圧が形成されると、ワークピースWは第2弾性膜37のワークピース押圧面37aに真空吸引により保持される。他の実施形態では、第2弾性膜37には通孔が設けられていなくてもよい。この場合は、第2圧力室81に負圧が形成されると、第2弾性膜37が上方に窪むことで吸盤として作用して第2弾性膜37のワークピース押圧面37aとワークピースWとの間が真空状態となり、ワークピースWが保持される。
リテーナリング33は、ワークピースW(図3では図示せず)、第1弾性膜36、および第2弾性膜37を囲むように配置されている。より具体的には、リテーナリング33は、第2弾性膜37のワークピース押圧面37aを囲むように配置されている。リテーナリング33の上部は、環状のリテーナリング押圧機構40に連結されている。このリテーナリング押圧機構40は、リテーナリング33の上面の全体に均一な下向きの荷重を与え、リテーナリング33の下面を図2に示す研磨パッド13の研磨面13aに対して押圧するように構成されている。
リテーナリング押圧機構40は、リテーナリング33の上部に固定された連結部材41と、連結部材41に接続された環状の第3弾性膜42と、第3弾性膜42をヘッド基部31に取り付ける取り付け部材43を備えている。連結部材41の具体的構成は特に限定されず、連結部材41は、上側リテーナリングであってもよい。第3弾性膜42の内部には第3圧力室45が形成されている。この第3圧力室45は流体ラインF5を通じて圧力レギュレータ(図示せず)に接続されている。
流体ラインF5は、取り付け部材43を貫通して延びており、第3圧力室45に連通している。第3圧力室45に加圧流体(例えば、加圧空気などの加圧気体)が流体ラインF5を通じて供給されると、第3圧力室45内の流体圧力を受けた第3弾性膜42は、連結部材41を下方に押し下げ、さらに、連結部材41はリテーナリング33の全体を下方に押し下げる。このようにして、リテーナリング押圧機構40は、リテーナリング33の下面を研磨パッド13の研磨面13aに対して押圧する。
次に、プロファイルステージ50の詳細について説明する。図6は、プロファイルステージ50の平面図である。図7は、プロファイルステージ50の断面図である。プロファイルステージ50は、変形面形成部52を有するステージ本体51、変形面形成部52を押圧するための押圧具60、押圧具60を変形面形成部52の表面に押し付ける押圧具押し付け装置61、および変形面形成部52の表面形状をロックする第2ロック機構54を備えている。
変形面形成部52は、ステージ本体51に支持されており、ステージ本体51に対して相対的に上下方向に移動可能である。変形面形成部52は、複数のステージヘッド52aを備えている。各ステージヘッド52aは円柱形状を有しているが、本発明はこれに限らず、例えば四角柱形状などの多角柱形状を有していてもよい。変形面形成部52、すなわち複数のステージヘッド52aの集合は、上から見たときに略円形状を有しているが、本発明はこれに限らず、例えば四角形や多角形の形状を有していてもよい。変形面形成部52の直径は、研磨対象のワークピースWの直径と同じか、またはワークピースWの直径よりも大きくてもよい。本実施形態では、変形面形成部52は、複数のステージヘッド52aを備えているが、一実施形態では、変形面形成部52は、変形可能な1つまたは複数の板状部材によって構成されてもよい。
複数のステージヘッド52aは、複数の第2ロッド53にそれぞれ連結されており、複数の第2ロッド53を介してステージ本体51に取り付けられている。ステージヘッド52aに連結される第2ロッド53の部分は球体となっており、ステージヘッド52aは第2ロッド53に対して傾動可能となっている。複数の第2ロッド53は、ステージ本体51によって支持されており、ステージ本体51に対して相対的に上下方向に移動可能である。したがって、各ステージヘッド52aおよび各第2ロッド53は、一体に上下方向に移動する。
押圧具60は、変形面形成部52の上方に位置しており、押圧具押し付け装置61に接続されている。変形面形成部52の表面に沿った平面内で互いに垂直な2つの方向をX方向およびY方向とし、X方向およびY方向に垂直な方向をZ方向とすると、押圧具押し付け装置61は、X方向に押圧具60を移動させるX方向移動機構61Aと、Y方向に押圧具60を移動させるY方向移動機構61Bと、Z方向に押圧具60を移動させるZ方向移動機構61Cを備えている。X方向移動機構61AおよびY方向移動機構61Bは、一例として、リニアモータ式であってもよい。Z方向移動機構61Cは、一例として、図示しないボールねじおよび図示しないモータによって駆動するように構成されてもよい。押圧具押し付け装置61は、その動作を制御する押圧具制御部62に接続されている。押圧具制御部62は、一実施形態では図2に示す動作制御部100の一部として構成されてもよいし、別個に構成されてもよい。
第2ロック機構54は、複数の弾性リング56と第2ロックプレート55を備えている。複数の弾性リング56は、複数の第2ロッド53の外周面をそれぞれ囲むように設けられている。弾性リング56は、例えばOリングである。第2ロックプレート55は、複数の弾性リング56の下方において、ステージ本体51の内部空間を仕切っている。流体ラインF6は、流体供給源(図示せず)に接続されている。流体ラインF6は、ステージ本体51を貫通して延びており、ステージ本体51と第2ロックプレート55によって形成された空間59に連通している。複数の弾性リング56は、ステージ本体51の内面と第2ロックプレート55との間に挟まれている。
流体ラインF6を通じて加圧流体(例えば、加圧空気などの加圧気体)が空間59内に供給されると、空間59が加圧されて、弾性リング56が内側に変形し、第2ロッド53を締め付ける。結果として、弾性リング56は、第2ロッド53の位置を固定することができる。第2ロック機構54は、弾性リング56で第2ロッド53の位置を固定することにより、複数のステージヘッド52aおよび複数の第2ロッド53のZ方向の位置を固定して、変形面形成部52の表面形状を固定することができる。弾性リング56は、流体ラインF6を通じて加圧流体が供給されていない状態でも、第2ロッド53に接触しているため、第2ロッド53を保持することができる。
プロファイルステージ50は、複数のステージヘッド52aおよび複数の第2ロッド53を初期位置に戻すためのリセットプレート57、およびリセットアクチュエータ58をさらに備えている。リセットプレート57は、ステージ本体51の内部に配置され、かつ第2ロックプレート55および複数の第2ロッド53の下方に位置している。リセットアクチュエータ58は、ステージ本体51を貫通して、リセットプレート57に接続されている。リセットアクチュエータ58は、ステージ本体51の下部に固定されてもよい。
本実施形態では、リセットアクチュエータ58はエアシリンダから構成されているが、リセットアクチュエータ58の具体的構成は特に限定されない。一実施形態では、リセットアクチュエータ58はボールねじとサーボモータの組み合わせから構成されてもよい。
流体ラインF7,F8は、流体供給源(図示せず)およびリセットアクチュエータ58に接続されている。より具体的には、流体ラインF7はリセットアクチュエータ58の第1流体室58aに連通し、流体ラインF8はリセットアクチュエータ58の第2流体室58bに連通している。第1流体室58aと第2流体室58bは、ピストン58cで仕切られている。
流体ラインF6が大気開放にされた状態で、加圧流体(例えば、加圧空気などの加圧気体)を流体ラインF7を通じて第1流体室58aに供給すると、リセットアクチュエータ58はリセットプレート57を所定の位置まで押し上げる。このとき、第2ロッド53が初期位置よりも下方に位置していると、リセットプレート57はその第2ロッド53を初期位置に戻すことができる。加圧流体(例えば、加圧空気などの加圧気体)を流体ラインF8を通じて第2流体室58bに供給すると、リセットアクチュエータ58はリセットプレート57を下降させ、リセットプレート57を第2ロッド53から離す。この状態では、第2ロッド53は、初期位置から下方に移動することができるが、第2ロッド53と弾性リング56との間で摩擦が生じているため第2ロッド53は自重で落下することはない。
一実施形態では、プロファイルステージ50は、複数のステージヘッド52a間の隙間を埋めるために、変形面形成部52表面の全体を覆う弾性シート(図示しない)を有してもよい。弾性シートが伸縮可能な材料により構成されている場合には、弾性シートは、複数のステージヘッド52aに接着しているか、またはステージヘッド52aと一体化した構成であってもよい。弾性シートによってステージヘッド52a間の隙間を埋めることができる。
図8は、押圧具60がステージヘッド52aの中央を押し付けているときのプロファイルステージ50の断面図である。押圧具制御部62は、X方向移動機構61AおよびY方向移動機構61Bによって、押圧具60を変形面形成部52の押圧位置に移動させる。さらに、押圧具制御部62は、Z方向移動機構61Cによって、押圧具60を変形面形成部52の表面、すなわちステージヘッド52aの表面に押し付ける。押し付けられたステージヘッド52aは、そのステージヘッド52aに連結された第2ロッド53と一体に下方に移動する。
図9は、押圧具60がステージヘッド52aの端部を押し付けてステージヘッド52aを傾動させているときのプロファイルステージ50の断面図である。図9に示すように、押圧具60がステージヘッド52aの端部を押し付けると、ステージヘッド52aは押し付けられた方向に傾動する。このように、押圧具60は、ステージヘッド52aを下方に移動させるだけでなく、ステージヘッド52aを傾動させることができる。押圧具制御部62は、押圧具60を変形面形成部52の表面上で滑らせるようにX方向、Y方向、およびZ方向に移動させることにより、変形面形成部52に滑らかな表面形状を形成することができる。
次に、プロファイルステージ50において、研磨ヘッド11の第1弾性膜36に変形面形成部52の表面形状を反映させる工程を説明する。本実施形態では、研磨対象のワークピースWの膜厚を予め測定し、ワークピースWの膜厚プロファイルを取得する。ワークピースWの膜厚は、研磨ユニット10に備えられた膜厚センサ16で測定してもよいし、研磨ユニット10とは別に設けられた膜厚測定装置で測定してもよい。
図10は、部分研磨前のワークピースWの膜厚プロファイルを説明する図である。部分研磨前のワークピースWは非平坦部3を有している。非平坦部3はワークピースW面内の他の部分より膜厚が大きくなっており、ワークピースWの研磨対象面2側に緩やかな勾配によって盛り上がりが形成されている。盛り上がりが形成されている非平坦部3の膜厚は数十~数百nmであるため実際には視認できないが、図10では説明のために誇張して示している。研磨装置1は、ワークピースW全体に亘って膜厚を均一化するために、ワークピースWの研磨対象面2側の非平坦部3を研磨する。本発明の非平坦部3の形状は、上述した実施形態に限定されない。一実施形態では、非平坦部3はワークピースW面内の他の部分より膜厚が小さく、窪みが形成されていてもよいし、他の実施形態では、非平坦部3は盛り上がりと窪みの両方を有する形状であってもよい。
ワークピースWの非平坦部3を研磨するために、研磨装置1は、ワークピースWの研磨前に、研磨ヘッド11の第1弾性膜36を変形させ、第1弾性膜36が変形した状態でワークピースWを研磨する。図11(a)および図11(b)は、変形面形成部52の表面形状に沿って第1弾性膜36を変形させる工程を説明する模式図である。図12(a)乃至図12(c)は、図11(b)の続きの工程を説明する模式図である。図11(a)および図11(b)、図12(a)乃至図12(c)では、説明の簡略化のために研磨ヘッド11およびプロファイルステージ50の一部の構成を省略している。
図11(a)は、変形面形成部52を有するプロファイルステージ50の上方に、研磨ヘッド11が配置されている様子を示している。研磨ヘッド11は、研磨ヘッド移動装置20(図1、図2参照)によってプロファイルステージ50の上方位置に移動する。変形面形成部52には、押圧具制御部62によって押圧具60を変形面形成部52の表面に対して押し付けることにより、ワークピースWの膜厚プロファイルに対応した表面形状が予め形成されている。複数の弾性リング56によって複数の第2ロッド53の位置を固定することにより、変形面形成部52に形成された表面形状は固定されている。本明細書において、ワークピースWの膜厚プロファイルに対応した表面形状とは、研磨ヘッド11でワークピースWを研磨するときに、ワークピースWの膜厚が大きい部分に高い圧力がかかるように面内圧力分布を生じさせるために、変形面形成部52または第1弾性膜36に形成される表面形状のことを示す。
研磨ヘッド11の第1ロックプレート38は第1プレートアクチュエータ39(図3参照)によりキャリア35から離されており、複数の第1ロッド36aの位置の固定は解除されている(複数の第1ロッド36aは自由に上下方向に移動できる)。図11(b)は、研磨ヘッド11をプロファイルステージ50の変形面形成部52に接触するまで降下させる様子を示している。研磨ヘッド11は、複数の第1ロッド36aのロックが解除された状態で、ヘッドシャフト21(図2参照)に連結された昇降装置(図示せず)によって降下して第2弾性膜37が変形面形成部52の表面に接触する。
図12(a)は、変形面形成部52の表面形状に沿って第1弾性膜36を変形させる様子を示している。流体ラインF1(図3参照)に加圧流体を供給することにより、キャリア35と第1弾性膜36との間の第1圧力室80内が加圧される。第2圧力室81内には加圧流体は供給しない。第1弾性膜36および第2弾性膜37は、第1圧力室80内の加圧流体により下方に押し下げられて変形面形成部52の表面に押し付けられる。その結果、第1弾性膜36および第2弾性膜37は、変形面形成部52の表面形状に沿って変形する。
図12(b)は、変形した第1弾性膜36の表面形状を固定する様子を示している。流体ラインF3(図3参照)に加圧流体を供給することにより、第1ロックプレート38を降下させて、複数の第1ロッド36aの位置を固定する。これにより、第1弾性膜36の表面形状を固定することができる。複数の第1ロッド36aの位置を固定した後は、第1圧力室80の加圧を停止してもよい。
図12(c)は、第1弾性膜36の表面形状が固定された状態で、研磨ヘッド11を上昇させた図である。第2弾性膜37は変形面形成部52から離れ、第1弾性膜36からも部分的に離れるが、第1弾性膜36の表面形状は維持されている。
図13(a)乃至図13(c)は、変形させた第1弾性膜36によってワークピースWを研磨する工程を説明する模式図である。図13(a)乃至図13(c)では、説明の簡略化のために研磨ヘッド11および研磨ユニット10の一部の構成を省略している。図13(a)は、研磨ヘッド11がワークピースWを保持する前の様子を示している。図11(a)乃至図12(c)を参照して説明したように、研磨ヘッド11の第1弾性膜36を変形面形成部52の表面形状に沿って変形させた後、研磨ヘッド移動装置20(図1、図2参照)によって研磨ヘッド11を受け渡しステージ70の上方位置に移動させる。研磨対象のワークピースWは、受け渡しステージ70上に研磨対象面2が下を向くように載置されている。ワークピースWの非平坦部3と、研磨ヘッド11の第1弾性膜36の変形させた部分が一致するように、受け渡しステージ70上のワークピースWおよび/または研磨ヘッド11の向きを予め調整している。
図13(b)は、研磨ヘッド11がワークピースWを保持する様子を示している。ヘッドシャフト21(図2参照)によって研磨ヘッド11を降下させて、第2弾性膜37をワークピースWに押し付ける。第2弾性膜37には、図示しない通孔が設けられており、第2圧力室81に負圧が形成されると、ワークピースWは第2弾性膜37のワークピース押圧面37aに真空吸引により保持される。第2圧力室81の吸引によって第1弾性膜36の変形形状が低減されるため、ワークピースWに大きなストレスがかかることはない。このとき、第1圧力室80も吸引することで第1弾性膜36の変形形状をさらに低減させることが可能である。一実施形態では、第2弾性膜37には通孔が設けられていなくてもよい。この場合は、第2圧力室81に負圧が形成されると、第2弾性膜37が上方に窪むことで吸盤として作用して第2弾性膜37のワークピース押圧面37aとワークピースWとの間が真空状態となり、ワークピースWが保持される。
図13(c)は、研磨ヘッド11によってワークピースWを研磨する様子を示している。ヘッドシャフト21(図2参照)に連結された昇降装置(図示せず)によって研磨ヘッド11を上昇させた後、ワークピースWを保持したまま研磨ヘッド移動装置20(図1、図2参照)によって研磨ヘッド11を研磨テーブル12(図1参照)の上方位置に移動させる。ワークピースWは、研磨ヘッド11によって回転されながら、研磨パッド13上に研磨液が存在した状態で、研磨ヘッド11によって研磨パッド13の研磨面13aに押し付けられる。
ワークピースWを研磨するときに、第1圧力室80内および第2圧力室81内をそれぞれ加圧する。第1圧力室80内の圧力を第2圧力室81内の圧力よりも大きくすることにより、第1弾性膜36は、変形面形成部52の表面形状に沿って変形した形状を保ちながら下方に押し下げられる。第1弾性膜36の変形している部分によって、ワークピースWの非平坦部3は高い研磨レートで研磨される。第2弾性膜37は、第2圧力室81内の加圧流体により下方に押し下げられて、ワークピースWの裏面(研磨対象面とは反対側の面)の全体に接触する。第2弾性膜37とワークピースWの裏面全体との接触は、ワークピースWが研磨ヘッド11に対して相対的に回転してしまうことを防止することができる。すなわち、第2弾性膜37は、研磨ヘッド11とワークピースWとの相対位置を維持する機能を有する。
上述した実施形態によれば、ワークピースWの膜厚プロファイルに対応した形状を有する第1弾性膜36を備えた研磨ヘッド11によって、研磨ヘッド11の押圧力の複雑な制御を必要とせず、ワークピースWを部分的に精度よく研磨することができる。さらに、変形面形成部52に都度膜厚プロファイルに対応した表面形状を形成することにより、様々な膜厚プロファイルを有するワークピースに対して適用可能である。
他の実施形態では、ワークピースWの膜厚プロファイルに対応した表面形状を変形面形成部52に形成する方法として、3Dプリンタを用いる。図14(a)は、3Dプリンタを用いて変形面形成部52の表面形状を形成する様子を説明する模式図である。本実施形態のプロファイルステージ50は、ステージ本体90、変形面形成部91を備えている。変形面形成部91は、ステージ本体90の上に載置されている。ステージ本体90には、複数の通孔90aが設けられており、複数の通孔90aは、図示しない流体ラインに連通している。ステージ本体90の上に変形面形成部91を載置した状態で、複数の通孔90aに負圧を形成することにより、ステージ本体90に変形面形成部91が吸着される。
変形面形成部91は、基材層92と、基材層92に3Dプリンタによって形成される変形層93を有している。3Dプリンタの3Dプリンタノズル94は、3Dプリンタ制御部95に接続されている。3Dプリンタ制御部95は、ワークピースWの膜厚プロファイルに対応した表面形状を形成するように3Dプリンタノズル94から造形樹脂を吐出して、基材層92の上に変形層93を形成する。
変形層93が形成された変形面形成部91は、図11(a)および図11(b)、図12(a)乃至図12(c)を参照して説明した工程と同様に、変形面形成部91の表面形状に沿って第1弾性膜36を変形させる。さらに、図13(a)乃至図13(c)を参照して説明した工程と同様に、変形させた第1弾性膜36によってワークピースWを研磨する。
図14(b)は、変形面形成部91を交換する様子を説明する模式図である。別の膜厚プロファイルに対応した表面形状を変形面形成部91に形成するときは、ステージ本体90から変形面形成部91を取り外して、新たな基材層92に図14(a)を参照して説明したように、変形層93を形成する。変形面形成部91は、ステージ本体90の複数の通孔90aにかかる負圧を解除すると着脱可能に構成されている。
図15は、ワークピースWを研磨する工程の一例を説明するフローチャートである。図16は、図15の続きのフローチャートである。
図15に示すように、ステップS101では、ワークピースWを研磨する。この研磨は、例えば、デバイス製造工程の一部としてのCMP工程であるが、本発明はこれに限らず、ステップS101は省略されてもよい。
ステップS102では、研磨後のワークピースWの膜厚を測定する。ワークピースWの膜厚は、研磨ユニット10に備えられた膜厚センサ16で測定してもよいし、研磨ユニット10とは別個に設けられた膜厚測定装置で測定してもよい。
ステップS103では、膜厚監視部(図示せず)は、ワークピースWの膜厚の測定結果に基づいて、修正が必要な膜厚の異常を検出する。この膜厚監視部は、図2に示す動作制御部100またはプロファイルステージ50の押圧具制御部62として構成されてもよく、これらとは別個に構成されてもよい。ステップS101の研磨工程において、部分的に研磨不足や過研磨が生じた場合などに、膜厚の異常を検出する。
ステップS104では、膜厚監視部は、ワークピースWの膜厚の測定結果に基づいて、ワークピースWの膜厚プロファイルを作成する。
ステップS105では、膜厚監視部は、ワークピースWの膜厚プロファイルに基づいて、研磨ヘッド11の第1弾性膜36に形成すべき形状を計算する。
ステップS106では、押圧具制御部62は、ステップS105で計算された結果に基づいて、ワークピースWの膜厚プロファイルに対応した表面形状を変形面形成部52(または変形面形成部91)に形成する。
ステップS107では、研磨ヘッド11を研磨ヘッド移動装置20によってプロファイルステージ50に移動させ、変形面形成部52(または変形面形成部91)の表面形状に沿って第1弾性膜36を変形させる。さらに変形した第1弾性膜36の表面形状を第1ロック機構32により固定する。
ステップS108では、研磨ヘッド11を研磨ヘッド移動装置20によって受け渡しステージ70に移動させ、研磨対象のワークピースWを保持する。
ステップS109では、ワークピースWを保持した研磨ヘッド11を研磨ヘッド移動装置20によって研磨テーブル12(図1参照)の上方位置に移動させる。
続いて、図16に示すように、ステップS110では、第1加圧室80内および第2加圧室81内を加圧しながら、ワークピースWを研磨する。
ステップS111では、動作制御部100は、膜厚センサ16によって測定された膜厚測定結果に基づいて、研磨終点を決定する。動作制御部100は、ワークピースWの研磨対象の部分が所望の膜厚に到達する時間を、予め設定した研磨レートから算出する。さらに、算出した時間を経過する前に膜厚センサ16がワークピースW表面の研磨対象の部分を横切るように、研磨ヘッド11および研磨テーブル12の回転を制御する。これにより、ワークピースWの研磨対象の部分が過研磨されることを防止する。
ステップS112では、ステップ111で決定された研磨終点において、ワークピースWの研磨を終了する。
ステップS113では、ワークピースWを保持した研磨ヘッド11を研磨ヘッド移動装置20によって受け渡しステージ70に移動させて、受け渡しステージ70上でワークピースWを離脱させる。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 研磨装置
2 研磨対象面
3 非平坦部
10 研磨ユニット
11 研磨ヘッド
12 研磨テーブル
13 研磨パッド
13a 研磨面
14 テーブルモータ
15 研磨液供給ノズル
16 膜厚センサ
20 研磨ヘッド移動装置
21 ヘッドシャフト
22 ヘッドアーム
22a 支柱軸
30 ヘッド本体
31 ヘッド基部
32 第1ロック機構
33 リテーナリング
35 キャリア
36 第1弾性膜
36a 第1ロッド
37 第2弾性膜
37a ワークピース押圧面
38 第1ロックプレート
39 第1プレートアクチュエータ
40 リテーナリング押圧機構
41 連結部材
42 第3弾性膜
43 取り付け部材
45 第3圧力室
50 プロファイルステージ
51 ステージ本体
52 変形面形成部
52a ステージヘッド
53 第2ロッド
54 第2ロック機構
55 第2ロックプレート
56 弾性リング
57 リセットプレート
58 リセットアクチュエータ
60 押圧具
61 押圧具押し付け装置
61A X方向移動機構
61B Y方向移動機構
61C Z方向移動機構
62 押圧具制御部
70 受け渡しステージ
80 第1圧力室
81 第2圧力室
90 ステージ本体
91 変形面形成部
92 基材層
93 変形層
94 3Dプリンタノズル
95 3Dプリンタ制御部
100 動作制御部
100a 記憶装置
100b 演算装置
F1,F2,F3,F4,F5,F6,F7,F8 流体ライン
R1,R2 圧力レギュレータ

Claims (15)

  1. ワークピースを研磨するための研磨装置であって、
    研磨面を有する研磨パッドを支持するための研磨テーブルと、
    前記ワークピースを前記研磨面に押し付ける研磨ヘッドを備え、
    前記研磨ヘッドは、前記ワークピースを前記研磨面に押し付けるための第1圧力室を形成する第1弾性膜を有しており、
    前記第1弾性膜は、前記ワークピースを研磨する前に前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した表面形状を有している、研磨装置。
  2. 前記研磨装置は、
    前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した表面形状を有する変形面形成部を有するプロファイルステージと、
    前記研磨ヘッドを前記研磨テーブルと前記プロファイルステージとの間を移動させる研磨ヘッド移動装置をさらに備え、
    前記研磨ヘッドは、前記第1弾性膜の表面形状を固定する第1ロック機構を有しており、
    前記研磨装置は、前記研磨ヘッドが前記プロファイルステージに位置するときに、前記研磨ヘッドを前記変形面形成部に対して押し付けるように構成されている、請求項1に記載の研磨装置。
  3. 前記研磨ヘッドは、前記第1弾性膜を覆う第2弾性膜をさらに備えており、
    前記第1弾性膜と前記第2弾性膜との間には第2圧力室が形成されている、請求項1または2に記載の研磨装置。
  4. 前記第1圧力室内の圧力は、前記第2圧力室内の圧力よりも大きい、請求項3に記載の研磨装置。
  5. 前記研磨ヘッドは、前記第1弾性膜の裏側に連結された複数の第1ロッドをさらに備えており、
    前記第1ロック機構は、前記複数の第1ロッドの位置を固定することにより前記第1弾性膜の表面形状を固定するように構成されている、請求項2に記載の研磨装置。
  6. 前記プロファイルステージは、
    押圧具と、
    前記押圧具を前記変形面形成部の表面に押し付ける押圧具押し付け装置と、
    前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した前記変形面形成部の前記表面形状を形成するように前記押圧具押し付け装置の動作を制御する押圧具制御部を備えている、請求項2に記載の研磨装置。
  7. 前記変形面形成部は、複数のステージヘッドを備えており、
    前記プロファイルステージは、
    前記複数のステージヘッドに連結された複数の第2ロッドと、
    前記複数の第2ロッドの位置を固定する第2ロック機構をさらに備え、
    前記複数のステージヘッドおよび前記複数の第2ロッドは一体に移動可能である、請求項6に記載の研磨装置。
  8. ワークピースを研磨する研磨方法であって、
    研磨ヘッドの第1弾性膜によって形成された第1圧力室内を加圧しながら、前記研磨ヘッドによって前記ワークピースを研磨面に押し付けて前記ワークピースを研磨する工程を含み、
    前記第1弾性膜は、前記ワークピースを研磨する前に前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した表面形状を有する、研磨方法。
  9. 前記ワークピースを研磨する前に、前記第1圧力室内を加圧することで、前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した表面形状を有する変形面形成部に対して前記研磨ヘッドを押し付け、
    前記変形面形成部の前記表面形状に沿って変形した前記第1弾性膜の表面形状を固定する工程をさらに含む、請求項8に記載の研磨方法。
  10. 前記研磨ヘッドは、前記第1弾性膜を覆う第2弾性膜をさらに備えており、
    前記ワークピースを研磨する工程において、前記第1圧力室内を加圧するとともに、前記第1弾性膜と前記第2弾性膜との間に形成された第2圧力室内を加圧する、請求項8に記載の研磨方法。
  11. 前記第1圧力室内の圧力は、前記第2圧力室内の圧力よりも大きい、請求項10に記載の研磨方法。
  12. 前記第1弾性膜の裏側は、複数の第1ロッドに接続されており、
    前記複数の第1ロッドの位置を固定することにより前記第1弾性膜の表面形状を固定する、請求項9に記載の研磨方法。
  13. 前記研磨ヘッドを前記変形面形成部に対して押し付ける前に、押圧具を前記変形面形成部の表面に対して押し付けることにより、前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した前記変形面形成部の前記表面形状を形成する工程をさらに含む、請求項9に記載の研磨方法。
  14. 前記変形面形成部は、複数のステージヘッドを備えており、
    前記複数のステージヘッドは、複数の第2ロッドに連結されており、
    前記押圧具を前記変形面形成部の表面に対して押し付けたときに、前記複数のステージヘッドおよび前記複数の第2ロッドは一体に移動し、
    前記複数の第2ロッドの位置を固定することにより前記変形面形成部の前記表面形状を固定する、請求項13に記載の研磨方法。
  15. 前記研磨ヘッドを前記変形面形成部に対して押し付ける前に、前記ワークピースの膜厚プロファイルに対応した前記変形面形成部の前記表面形状を3Dプリンタにより形成する工程をさらに含む、請求項9に記載の研磨方法。
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