JP2022125592A - 固定材及び固定構造体 - Google Patents

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Hideki Suzuki
敦 小森
Atsushi Komori
優香 井口
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Abstract

【課題】被取付体に取付部品を容易に固定できる固定材、及び前記固定材を用いた固定構造体を提供することを目的とする。【解決手段】被取付体に設けられた凹状の取付部内に取付部品を埋め込んで固定するための固定材として、シリコーンゴムからなる固定材を用いる。例えば、容器10の底部11の外面11aに設けられた凹状の取付部12内に、シリコーンゴムからなる固定材30とともにRFIDタグ20を埋め込み、RFIDタグ20が容器10に固定された固定構造体1を得る。【選択図】図2

Description

本発明は、固定材及び固定構造体に関する。
例えば抗がん治療前の患者から生殖細胞や生殖組織を採取して凍結保存する場合等には、遠沈管、サンプリングチューブ等の容器内に収容された検体がどの患者のものであるかを慎重に管理する必要がある。このような管理では、ヒューマンエラーを避ける目的で、RFIDタグ(電子タグ)を用いた識別が利用されている。
特許文献1には、容器に装着されるキャップに電子タグを取り付けることが開示されている。特許文献2には、容器の底部にカバー部を設け、容器の底部とカバー部の間に電子タグを配置することが開示されている。しかし、これらの技術では、作業者が現場で電子タグを着脱することが難しい。
特開2001-356688号公報 特開2006-168757号公報
本発明は、被取付体に取付部品を容易に固定できる固定材、及び前記固定材を用いた固定構造体を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]被取付体に設けられた凹状の取付部内に取付部品を埋め込んで固定するためのシリコーンゴムからなる固定材。
[2]前記シリコーンゴムが自己接着性を有する、[1]に記載の固定材。
[3]前記シリコーンゴムの未架橋状態での25℃におけるウイリアムス可塑度が100~600の範囲にある、[1]又は[2]に記載の固定材。
[4]被取付体に設けられた凹状の取付部内に、[1]~[3]のいずれかに記載の固定材によって取付部品が埋め込まれて固定された固定構造体。
本発明によれば、被取付体に取付部品を容易に固定できる固定材、及び前記固定材を用いた固定構造体を提供できる。
実施形態の固定構造体を高さ方向に切断した断面図である。 図1の固定構造体の底部を拡大して示した断面図である。 図1の固定構造体の取付部の底面図である。 他の実施形態の固定構造体の取付部の断面図である。 図4の固定構造体の取付部の底面図である。 他の実施形態の固定構造体の取付部の断面図である。 他の実施形態の固定構造体の取付部の底面図である。 他の実施形態の固定構造体の取付部の底面図である。 他の実施形態の固定構造体の底部を拡大して示した断面図である。 他の実施形態の固定構造体の上部を拡大して示した断面図である。 他の実施形態の固定構造体の底部を拡大して示した断面図である。 図11の固定構造体の取付部の底面図である。 他の実施形態の固定構造体の底部を拡大して示した断面図である。 他の実施形態の固定構造体の取付部の底面図である。 図14の固定構造体の取付部のI-I断面図である。 図15の取付部に固定材でRFIDタグを埋め込んだ様子を示した断面図である。 他の実施形態の固定構造体を高さ方向に切断した断面図である。 他の実施形態の固定構造体を示した断面図である。 実施形態の包装体を示した断面図である。 他の実施形態の包装体を示した断面図である。
[固定材]
本発明の固定材は、被取付体に設けられた凹状の取付部内に取付部品を埋め込んで固定するための固定材であり、シリコーンゴムからなる。
固定材としては、未架橋状態での25℃におけるウイリアムス可塑度が100~600、好ましくは150~450である液状ではないシリコーンゴムを使用できる。未架橋状態のシリコーンゴムは、前記ウイリアムス可塑度を有しているため自立した形状を保持でき、かつ、押圧力に従って変形可能である。未架橋状態のシリコーンゴムは、凹状の取付部及び取付部品の形状に応じて変形させることで、取付部品を埋め込んで固定することができる。
なお、ウイリアムス可塑度は、平行板可塑度計(ウイリアムスプラストメーター)を使用し、JIS K 6249「未硬化および硬化シリコーンゴムの試験方法」に規定の測定方法に準じて測定されるものである。
シリコーンゴムの形状は、特に限定されず、シート状、団子状、半球状等を例示できる。取付部品を正確に固定しやすく、作業性に優れる点から、シリコーンゴムは、あらかじめ埋め込み量に対応した厚さと幅、長さのシート状にすることが好ましい。
シリコーンゴムは自己接着性を有していてもよい。自己接着性を有するシリコーンゴムは、被着材の表面にプライマーなどの処理を施さなくても、架橋過程において接触する被着材と接着するものである。自己接着性を有するシリコーンゴムは、一般的なRFIDタグと接着し、また被取付体の材質によっては被取付体と接着する。
固定材のシリコーンゴムとしては、縮合反応型シリコーンゴムであってもよく、付加反応型シリコーンゴムであってもよい。縮合反応型シリコーンゴムは、常温で硬化するため被取付体の耐熱性を考慮する必要がなく、さらに付加反応型シリコーンゴムよりも比較的ポットライフが長いため作業性が良く、硬化阻害がないという利点がある。一方、付加反応型シリコーンゴムは加熱硬化により硬化時間を短縮できるとともに硬化時のアウトガスの発生がないという利点がある。これらの利点を考慮して縮合型シリコーンゴムと付加型シリコーンゴムのいずれかを選択すればよい。
縮合反応型シリコーンゴムとしては、オルガノポリシロキサンと架橋剤を含むものを例示できる。縮合反応型シリコーンゴムは、硬化触媒、充填剤等の添加剤を含んでもよい。
オルガノポリシロキサンとしては、例えば、下記式(1)で表されるジオルガノポリシロキサン、下記式(2)で表されるジオルガノポリシロキサンを例示できる。オルガノポリシロキサンとしては、1種でもよく、2種以上でもよい。
Figure 2022125592000002
前記式(1)及び(2)中、Rは一価の炭化水素基である。Aは、酸素原子、又は-(CH-(ただし、mは1~8である。)で表されるポリメチレン基(メチレン基を含む)である。nは任意の数である。Bは加水分解性基である。xは2又は3である。
Rの炭化水素基の炭素数は、1~12が好ましく、1~10がより好ましい。
Rとしては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2-エチルブチル基、オクチル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルケニル基(ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘプテニル基、ヘキセニル基、アリル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ジフェニル基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェニルエチル基等)を例示できる。Rは、炭化水素基の炭素原子に結合している水素原子の少なくとも一部をハロゲンやシアノ基等で置換したもの(クロロメチル基、トリフルオロプロピル基、2-シアノエチル基、3-シアノプロピル基等)であってもよい。Rは、1種でもよく、2種以上でもよい。
Aとしては、酸素原子又はエチレン基が好ましい。
nは、ポリオルガノシロキサンの25℃における動粘度が100~1000000cm/sとなる範囲が好ましく、前記動粘度が500~500000cm/sとなる範囲がより好ましい。
Bとしては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、ケトオキシム基(ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基等)、アルケニルオキシ基(イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基等)を例示できる。
ジオルガノポリシロキサンは、分岐構造を有していてもよい。オルガノポリシロキサンは、公知の方法で製造できる。
縮合反応型シリコーンゴムの架橋剤としては、1分子中に加水分解性基を2個以上、好ましくは3個以上有するシラン、又は、当該シランの部分加水分解縮合物を例示できる。加水分解性基としては、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、ケトオキシム基(ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等)、アシルオキシ基(アセトキシ基等)、アルケニルオキシ基(イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基等)、アミノ基(N-ブチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基等)、アミド基(N-メチルアセトアミド基等)を例示できる。なかでも、アルコキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、アルケニルオキシ基が好ましい。架橋剤としては、1種でもよく、2種以上でもよい。
縮合反応型シリコーンゴム中の架橋剤の配合量は、オルガノポリシロキサン100質量部に対して、1~50質量部が好ましく、2~30質量部がより好ましく、5~20質量部がさらに好ましい。
縮合反応型シリコーンゴムの硬化触媒としては、特に限定されず、アルキル錫エステル化合物(ジブチル錫ジアセテート等)、チタン酸エステル又はチタンキレート化合物(テトライソプロポキシチタン等)、その他の有機金属化合物(ナフテン酸亜鉛等)、アミノアルキル基置換アルコキシシラン(3-アミノプロピルトリエトキシシラン等)、アミン化合物又はその塩(ヘキシルアミン等)、第4級アンモニウム塩(ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等)、アルカリ金属の低級脂肪酸塩(酢酸カリウム等)、ジアルキルヒドロキシルアミン(ジメチルヒドロキシルアミン等)、グアニジル基を有するシラン又はシロキサン(テトラメチルグアニジルプロピルトリメトキシシラン等)を例示できる。架橋剤としては、1種でもよく、2種以上でもよい。
縮合反応型シリコーンゴム中の硬化触媒の配合量は、オルガノポリシロキサン100質量部に対して、0~20質量部が好ましく、0.001~10質量部がより好ましく、0.01~5質量部がさらに好ましい。
縮合反応型シリコーンゴムの充填剤としては、特に限定されず、補強剤(ヒュームドシリカ等のシリカ、ゼオライト等)、繊維質充填剤(ガラス繊維、カーボン繊維、セルロースナノファイバー等)、塩基性充填剤(炭酸カルシウム等)を例示できる。なかでも、シリカ、炭酸カルシウム、ゼオライトが好ましく、表面を疎水化処理したヒュームドシリカ、炭酸カルシウムがより好ましい。
縮合反応型シリコーンゴム中の充填剤の配合量は、オルガノポリシロキサンの総体積に対して、1~90体積%が好ましく、5~60体積%がより好ましい。
付加反応型シリコーンゴムとしては、1分子中に平均2個以上のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンを主剤とし、ケイ素原子に結合する水素原子を1分子中に平均2個以上有する水素化オルガノポリシロキサンを硬化剤として含むものを例示できる。付加反応型シリコーンゴムは、硬化触媒、充填剤等の添加剤を含んでもよい。
主剤のオルガノポリシロキサンが有するアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基を例示できる。なかでも、ビニル基が好ましい。
主剤のオルガノポリシロキサンにおける、ケイ素原子に結合するアルケニル基以外の有機基としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基等)、ハロゲン化アルキル基(3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等)を例示できる。なかでも、前記有機基としては、メチル基が好ましい。
主剤のオルガノポリシロキサンの分子構造は、特に限定されず、例えば、直鎖状、分枝鎖状、網状、樹枝状を例示できる。
主剤のオルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサン共重合体、(CHSiO1/2で示されるシロキサン単位と(CH(CH=CH)SiO1/2で示されるシロキサン単位とSiO4/2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノポリシロキサン、これらのオルガノポリシロキサンのメチル基の少なくとも一部をアルキル基(エチル基、プロピル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基等)、ハロゲン化アルキル基(3,3,3-トリフルオロプロピル基等)から選ばれる置換基で置換したオルガノポリシロキサン、これらのオルガノポリシロキサンのビニル基の少なくとも一部をアルケニル基(アリル基、プロペニル基等)で置換したオルガノポリシロキサンを例示できる。付加反応型シリコーンゴム中の主剤のオルガノポリシロキサンは、1種でもよく、2種以上でもよい。
硬化剤の水素化オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に結合する有機基としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基等)、ハロゲン化アルキル基(3-クロロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等)を例示できる。なかでも、前記有機基としては、メチル基が好ましい。
硬化剤の水素化オルガノポリシロキサンの分子構造は、特に限定されず、例えば、直鎖状、分枝鎖状、網状、樹枝状を例示できる。
水素化オルガノポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ポリメチルハイドロジェンシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ封鎖ジメチルシロキサン-メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサン、(CHHSiO1/2で示されるシロキサン単位とSiO4/2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノポリシロキサン、これらのオルガノポリシロキサンのメチル基の少なくとも一部をアルキル基(エチル基、プロピル基等)、アリール基(フェニル基、トリル基等)、ハロゲン化アルキル基(3,3,3-トリフルオロプロピル基等)で置換したオルガノポリシロキサンを例示できる。付加反応型シリコーンゴム中の硬化剤の水素化オルガノポリシロキサンは、1種でもよく、2種以上でもよい。
水素化オルガノポリシロキサンとしては、分子鎖両末端にのみケイ素原子に結合した水素原子を有する水素化オルガノポリシロキサンと、分子鎖側鎖にもケイ素原子に結合した水素原子を有する水素化オルガノポリシロキサンとの混合物が好ましい。
付加反応型シリコーンゴム中における、主剤のオルガノポリシロキサン中のアルケニル基に対する、水素化オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する水素原子のモル比は、0.01~20が好ましく、0.1~10がより好ましく、0.1~5がさらに好ましい。
付加反応型シリコーンゴム中における、主剤のオルガノポリシロキサン中のアルケニル基に対する、分子鎖両末端にのみケイ素原子に結合した水素原子を有する水素化オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する水素原子のモル比は、0.01~10が好ましく、0.1~10がより好ましく、0.1~5がさらに好ましい。
付加反応型シリコーンゴム中における、主剤のオルガノポリシロキサン中のアルケニル基に対する、分子鎖側鎖にもケイ素原子に結合した水素原子を有する水素化オルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する水素原子のモル比は、0.5~20が好ましく、0.5~10がより好ましく、0.5~5がさらに好ましい。
付加反応型シリコーンゴムの硬化触媒としては、例えば、ヒドロシリル化反応用白金系触媒を例示できる。ヒドロシリル化反応用白金系触媒としては、例えば、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、白金とジケトンの錯体、塩化白金酸とオレフィン類の錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体、及び、これらを担体(アルミナ、シリカ、カーボンブラック等)に担持させたものを例示できる。なかでも、触媒活性の高さから、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯体が好ましい。塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体がより好ましい。
付加反応型シリコーンゴム中のヒドロシリル化反応用白金系触媒の配合量は、主剤のオルガノポリシロキサン100質量部に対して、白金金属原子として、0.001~1質量部が好ましく、0.001~0.1質量部が好ましい。
付加反応型シリコーンゴムの充填剤としては、特に限定されず、例えば、縮合反応型シリコーンゴムの充填剤で例示したものと同じものを例示できる。
付加反応型シリコーンゴム中の充填剤の配合量は、主剤のオルガノポリシロキサンの総体積に対して、1~90体積%が好ましく、5~60体積%がより好ましい。
[固定構造体]
本発明の固定構造体は、被取付体に設けられた凹状の取付部内に、本発明の固定材によって取付部品が埋め込まれて固定された固定構造体である。本発明の固定材を用いることで、被取付体に取付部品を容易に固定することができ、作業者が現場で取付品を着脱することも容易である。
被取付体及び取付部品としては、目的に応じて適宜選択すればよい。本発明は、容器にRFID(Radio Frequency Identification)タグを取り付ける場合に特に有用である。例えば、容器からなる被取付体に設けられた取付部に取付品であるRFIDタグが取り付けられた固定構造体や、被取付体の取付部に取付品であるRFIDタグが取り付けられている固定構造体が容器に連結された態様を例示できる。
以下、本発明の固定構造体の実施形態例について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
以下、容器からなる被取付体に設けられた取付部に、取付品であるRFIDタグが取り付けられた態様の固定構造体について説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の固定構造体1は、容器10と、RFIDタグ20と、固定材30と、を備えている。固定構造体1では、容器10が被取付体であり、RFIDタグ20が取付品である。
容器10は、有底円筒状で上部に開口10aが形成されている。容器10の底部11は半球状になっており、その外面(底面)11aに凹状の取付部12が形成されている。容器10を中心軸に沿って高さ方向に切断したときの取付部12の断面形状は、略矩形状になっている。取付部12の底の内面14は、容器10の中心軸に対して垂直になっている。
容器10の形態は、この例の形態には限定されない。固定構造体1は、容器10の上部の開口10aを開閉自在に閉じる蓋部材を備えていてもよい。
容器10としては、特に限定されず、例えば、遠沈管、サンプリングチューブ等の培養容器を例示できる。
図3は、容器10の底部11に設けられた取付部12を底側から見た底面図であり、固定材30を省略して示している。
図2及び図3に示すように、底側から見た形状が矩形の取付部12の底の内面14には、複数の半球状の凸部16が設けられている。そして、RFIDタグ20が各々の凸部16の高さ方向の先端と接触した状態で、固定材30で取付部12内に埋め込まれている。 取付部12に埋め込む固定材30の量は、RFIDタグ20が充分に埋まる量に設定する必要があり、取付部12の構造及びRFIDタグ20の寸法等に応じて使用するシリコーンゴムの幅、長さ、厚さを調節して適宜設定する。
本実施形態では、取付部12の底の内面14に複数の凸部16が設けられていることで、埋め込む際にRFIDタグ20の凸部16側に存在している余剰の固定材30を凸部16の間に逃がしながら、RFIDタグ20を各々の凸部16に安定して接触させることができる。これにより、取付部12内のRFIDタグ20の内面14側に余分な固定材30が残存してRFIDタグ20が傾くことが抑制されるため、RFIDタグ20の取り付け位置の及び取り付け方向の精度が高くなる。
複数の凸部16の高さは、取付部12内に凸部16と接触した状態で固定されるRFIDタグ20を所望の位置及び向きに制御できるように設定すればよい。この例の複数の凸部16の高さは、同じ高さになっている。そのため、取付部12内に各凸部16と接触した状態で埋め込まれたRFIDタグ20は、取付部12の底の内面14と平行になっている。
複数の凸部16の高さ、すなわち取付部12の底の内面14から凸部16の先端までの距離は、RFIDタグ20の大きさに応じて、未架橋状態のシリコーンゴム(固定材30)に埋め込んでRFIDタグ20を固定できる範囲で適宜設定でき、例えば、0.1~3.0mmとすることができる。
凸部16の形状は半球状には限定されず、例えば、円柱状、四角柱状、円錐状、円錐台状を例示できる。凸部16の先端側から見たときの最大径は、RFIDタグ20の寸法に応じて適宜設定すればよい。
凸部16の数は、この例では16個である。なお、凸部16の数は16個には限定されず、RFIDタグ20の寸法に応じて適宜設定すればよく、例えば、3個以上とすることができる。
取付部12の内面14における複数の凸部16の配置パターンは、この例では縦横に4×4で整列させた格子状配置である。なお、複数の凸部16の配置パターンは、格子状配置には限定されず、例えば千鳥状配置であってもよい。
複数の凸部16間のピッチP(図3)は、RFIDタグ20の長さと幅の寸法に応じて適宜設定することが好ましい。例えばRFIDタグ20の長さが3.2mm、幅が3.2mmの場合、ピッチPは3.2mm以下が好ましく、1.6mm以下であれば、4つの凸部16でRFIDタグ20を固定できる。また、RFIDタグ20の長さが1.2mm、幅が1.2mmの場合、同様の理由から、ピッチPは1.2mm以下が好ましく、0.6mm以下が好ましい。なお、ピッチPの下限は、凸部16の大きさによって制限される。ピッチPが大きくなるほど、埋め込む際にRFIDタグ20の凸部16側に存在している余剰の固定材30が凸部16の間に逃がされRFIDタグ20の周囲に押し出されやすくなり、取付部12内のRFIDタグ20の位置決めがさらに容易になる。なお、凸部16間のピッチPは、凸部16を先端側から見たときの凸部16の中心同士の距離である。凸部16を先端側から見たときの凸部16の形状が正円でない場合、その形状の外接円の中心を凸部16の中心とする。凸部16が千鳥状に配置される場合であっても上記ピッチPを設定すればよい。
本実施形態では、取付部12の内面14に設けられた16個の凸部16のすべてがRFIDタグ20と接触した状態でRFIDタグ20を固定しているが、本発明では、複数の凸部の一部がRFIDタグと接触している態様でもよい。例えば、図4及び図5に示すように、16個の凸部16のうち、中央部分に配置された4つの凸部16だけがRFIDタグ20と接触した状態でRFIDタグ20が固定されていてもよい。なお、図5は固定材30を省略して示した取付部12の底面図である。
半球状等の突起状の凸部16の場合、RFIDタグ20の取り付け位置と取り付け方向の精度が高くなる点から、RFIDタグ20が3個以上の凸部16と接するようにすることが好ましい。
このように複数の凸部16のうちの一部だけがRFIDタグ20と接する場合、RFIDタグ20と接する凸部16A同士のピッチPと、RFIDタグ20と接しない凸部16B同士のピッチPは、同じであってもよく、異なっていてもよい。RFIDタグ20と接する凸部16A同士のピッチPの好ましい範囲は、前記ピッチPの好ましい範囲と同じである。RFIDタグ20と接しない凸部16B同士のピッチPは、シリコーンゴムが間に入り込みやすく、逃がしやすい点では、前記したピッチPの好ましい上限値よりも大きくしてもよい。
凸部16は、この例の半球状等の突起状には限定されず、突条であってもよい。突条の凸部16の場合、凸部の16の長さ方向に垂直な断面形状は、特に限定されず、例えば、半円状、三角形状、矩形状、井桁状を例示できる。突条に形成される凸部16の幅及び長さは、RFIDタグ20の寸法に応じて適宜設定すればよい。
突条の凸部16の場合、RFIDタグ20の取り付け位置と取り付け方向の精度が高くなる点から、RFIDタグ20が2本以上の凸部16と接するようにすることが好ましい。
被取付体である容器10を構成する材料としては、特に限定されず、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂、ガラスを例示できる。なかでも、透明性、成形性に優れ、軽量である点から、ポリプロピレンが好ましい。容器10を構成する材料としては、1種でもよく、2種以上でもよい。
容器10の製造方法は、特に限定されず、例えば、樹脂製の容器10の場合は射出成形を例示できる。
取付品であるRFIDタグ20は、対応するリーダとの間で非接触にてデータの送受信が可能である。RFIDタグ20としては、特に限定されず、公知のものを使用できる。RFIDタグ20は、電池を内蔵していてもよく、電池を内蔵していなくてもよい。RFIDタグ20は、電磁誘導方式であってもよく、電波方式であってもよい。
RFIDタグ20の形状は、特に限定されず、直方体、球体、卵型、カード型、コイン型、スティック型、ラベル型を例示できる。
以下、被取付体である容器10に取付品であるRFIDタグ20を固定する方法について説明する。
本実施形態では、未架橋状態の縮合反応型シリコーンゴムからなる固定材30を用い、RFIDタグ20を固定材30とともに容器10の取付部12内に押し込み、RFIDタグ20を凸部16と接触させた状態で固定材30によって取付部12内に埋め込む。
シリコーンゴムからなる固定材30は未架橋状態で液状ではなく自立した形態を保持でき、かつ可塑性を有する固体状で押圧力により変形可能なため、取付部12内に押し込む力に従って変形し、RFIDタグ20の凸部16側に存在している余剰な固定材30は凸部16の間に逃がされ、さらに必要に応じて取付部12内のRFIDタグ20の周囲へと押し出される。そして、取付部12内でRFIDタグ20が各々の凸部16の先端と接するまで押し込む。これにより、RFIDタグ20の取り付け位置と取り付け方向が高い精度で制御された状態でRFIDタグ20を取付部12内に埋め込んで固定することができる。
RFIDタグ20を押し込む方法としては、特に限定されず、例えば、指先やピンセット等で押し込んでもよい。RFIDタグ20を凸部16に押し付ける力が均等となって押し込みやすくなり、RFIDタグ20の取り付け位置が安定しやすい点では、取付部12の寸法に合わせた押し込み専用の治工具によって押し込むことが好ましい。例えば、棒状の把持部の先端に、取付部12と凹形状と相補的な形状で取付部12内に押し込める頭部が設けられた治工具を例示できる。
RFIDタグ20を取付部12内に埋め込んだ後、固定材30の未架橋状態のシリコーンゴムは、例えば常温で放置しておくことで、架橋反応が進行し硬化する。付加型シリコーンゴムは加熱により架橋促進も可能である。この架橋条件としては例えば80℃、5時間で処理することが自己接着性の効果を得るために好ましい。さらに架橋時間を早めるためには100℃~150℃で加熱すればよいが、この場合には被取付体の材質はこの温度条件で溶融もしくは変形しない耐熱性を有しているものを利用することが必要である。
固定構造体1を凍結保存する場合には、シリコーンゴムの硬化後に凍結保存してもよく、硬化前に凍結保存してもよい。シリコーンゴムの線膨張係数は未架橋状態と架橋状態で大きな差は無く、硬化前に冷凍保存することによる悪影響はほとんどない。そのため、未架橋状態での冷凍保存は、硬化を待たずに速やかに冷凍保存できるメリットがある。また、シリコーンゴムは線膨張係数がポリプロピレンよりも大きく、冷却過程ではポリプロピレンよりも収縮度合いが大きいためRFIDタグ20の固定力が大きい。
また、一般にシリコーンゴムのガラス転移温度(Tg)は-70℃程度でポリプロピレンのTg(約0℃~-20℃)よりも低く、シリコーンゴムはTg以下で固化して極低温下で状態が保持される。凍結保存後の解凍過程において温度がTgを超えるとシリコーンゴムは可塑性を有する固体状に戻り、膨張して初期の充填状態が回復し、その後に架橋が進行する。
例えば被取付体である容器10の材質がポリプロピレンの場合、シリコーンゴムからなる固定材30は容器10と接着しないため、保存後にRFIDタグ20を固定材30とともに容器10から取り外し、RFIDタグ20を固定材30から剥離し回収して再利用することも可能である。一方、被取付体である容器10の材質がポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステルの場合、自己接着性を有するシリコーンゴムからなる固定材30は、架橋過程でその自己接着性によって容器10と接着して固定される。また、RFIDタグ20の被覆材との接着も同様に行われる。RFIDタグを封止、被覆している材料としては、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ樹脂、セラミック、シリコーン樹脂等が挙げられ、シリコーンゴムはこれらの樹脂との自己接着性を有する。そのため、RFIDタグとシリコーンゴムとの接触面でのRFIDタグの位置ずれや動き等を防ぐことが容易になる。
固定構造体1では、RFIDタグ20を複数の凸部16に接触させた状態で固定材30によって容器10の取付部12に埋め込むため、RFIDタグ20の位置決めの正確性が高い。これにより、例えば複数の固定構造体1が並べてられている場合でも、各々の固定構造体1の下方からリーダによって各RFIDタグ20から情報を読み取る際に無線電波が交錯しにくい。そのため、読み取った情報と固定構造体1との対応関係が明確になり、容易に識別可能になる。
なお、本発明の固定構造体は、固定構造体1には限定されない。
例えば、図6に示すように、柱状の凸部16の高さ方向の中間部分に、高さ方向と交差する方向に延びる貫通孔17が形成されていてもよい。凸部16にこのような貫通孔17が形成されている場合、RFIDタグ20を埋め込む際に固定材30が貫通孔17内にも入り込む。この固定材30の貫通孔17内に入り込んだ部分は、固定材30及びRFIDタグ20の取付部12からの抜け落ちに対して引っ掛かりとなるため、RFIDタグ20の脱落を抑制しやすくなる。
底側から見た形状が矩形の取付部12の形状は、矩形には限定されず、適宜設定でき、例えば図7に示すような円形状でもよい。この態様においても、RFIDタグ20が複数の凸部16の一部のみと接するようにしてもよい。また、図8に示すように、RFIDタグ20は凸部16と接していればよく、凸部16の先端側から見て、RFIDタグ20と接している凸部16がRFIDタグ20から部分的にはみ出すように、RFIDタグ20の寸法及び配置を設定してもよい。
固定構造体は、図9に例示した固定構造体2であってもよい。図9における図2と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。固定構造体2は、凸部16の代わりに凸部16Cを備える以外は、固定構造体1と同様の態様である。固定構造体2では、容器10が被取付体であり、RFIDタグ20が取付品である。
凸部16Cは、取付部12の底の内面14から立ち上がる幹部16aと、幹部16aの先端部から幅方向の両側に突き出る頭部16bとを有する突条の凸部である。固定構造体2では、固定材30中で凸部16Cの頭部16bが引っ掛かるため、RFIDタグ20及び固定材30が予期せず取付部12から脱落しにくい点で有利である。
本発明の固定構造体は、図10に例示した固定構造体3であってもよい。図10における図1及び図2と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。固定構造体3は、容器10Aと、RFIDタグ20と、固定材30と、を備えている。固定構造体3では、容器10Aが被取付体であり、RFIDタグ20が取付品である。容器10Aは、上部に開口40aを有する有底円筒状の容器本体40と、容器本体40の開口40aを開閉自在に閉じる蓋部材41と、を備えている。
蓋部材41の態様は、特に限定されず、例えば、容器本体40の上部に螺合装着されるものを例示できる。
固定構造体3では、蓋部材41の上側の外面41aに凹状の取付部42が形成されている。取付部42の底の内面44には、固定構造体1の取付部12と同様に、複数の突条の凸部46が平行に設けられている。このように、固定構造体3は、蓋部材41を備えており、また固定構造体1が容器10の底部11に取付部12を有する代わりに、蓋部材41に取付部42を有する以外は、固定構造体1と同様の態様である。
複数の凸部46の長さ方向に垂直な断面形状、高さ、幅及び長さ、数、ピッチについては、固定構造体1の凸部16と同様であり、好ましい態様も同じである。
容器本体40及び蓋部材41を構成する材料としては、特に限定されず、容器10で例示したものと同じものを例示できる。容器本体40及び蓋部材41を構成する材料としては、1種でもよく、2種以上でもよい。
固定構造体3でも、RFIDタグ20が各々の凸部46の先端と接触した状態で、固定材30で取付部42内に埋め込まれている。これにより、埋め込む際にRFIDタグ20の凸部46側に存在している余剰の固定材30は、凸部46の間から逃がされ、さらに必要に応じて取付部42内のRFIDタグ20の周囲に押し出されやすくなる。そのため、取付部42の内面44とRFIDタグ20との間に予期せぬ固定材30の塊が残存しにくくなり、取付部42内でRFIDタグ20が傾いて位置が不正確になることが抑制される。
また、固定構造体1~3の凸部16(16A、16B)、16C、46は突起状であったが、本実施形態の固定構造体の取付部に形成される凸部は、突起状には限定されず、突条であってもよい。
本発明の固定構造体は、図11及び図12に例示した固定構造体4であってもよい。固定構造体4は、容器10Bと、RFID(Radio Frequency Identification)タグ20と、固定材30と、を備えている。固定構造体4では、容器10Bが被取付体であり、RFIDタグ20が取付品である。
容器10Bは、取付部12の底の内面14に、凸部16の代わりに溝状の凹部18が形成されている以外は、容器10と同様の態様である。
容器10Bでは、取付部12の底の内面14に、複数の凹部18が平行して形成されている。RFIDタグ20は、取付部12の底の内面14における各々の凹部18の周囲の部分と接触した状態で、固定材30によって取付部12内に埋め込まれている。これにより、埋め込む際にRFIDタグ20の凹部18側に存在している余剰の固定材30は、凹部18内に逃がされ、さらに必要に応じて取付部12内におけるRFIDタグ20の周囲に押し出されやすくなる。そのため、取付部12の内面14とRFIDタグ20との間に予期せぬ固定材30の塊が残存しにくくなり、取付部12内でRFIDタグ20が傾いて位置が不正確になることが抑制される。
溝状の凹部18の深さ、幅及び長さは、RFIDタグ20の寸法に応じて適宜設定すればよい。凹部18が長く、深く、幅が広いほど、埋め込む際にRFIDタグ20の凹部18側に存在している余剰の固定材30が凹部18を通じて周囲に逃げやすくなり、RFIDタグ20の位置決めが容易になる。図13に示すように、この例では、RFIDタグ20を固定した状態で、取付部12の開口側から見てRFIDタグ20の外側まではみ出すように溝状の凹部18が形成されている。なお、RFIDタグ20を固定した状態で、取付部12の開口側から見てRFIDタグ20が位置する領域内に留まるように溝状の凹部18が形成されていてもよい。
溝状の凹部18の深さ、すなわち凹部18の最深部と取付部12の底の内面14との距離は、例えば、0.1~10mmとすることができる。
溝状の凹部18の幅は、例えば、0.3~10mmとすることができる。
溝状の凹部18の長さ方向に垂直な断面形状は、この例では半円状である。なお、凹部18の断面形状は、半円状には限定されず、三角形状、矩形状等であってもよい。
溝状の凹部18の数は、1以上であり、RFIDタグ20の寸法に応じて適宜設定すればよく、例えば、1~30本とすることができる。
溝状の凹部18を複数形成する場合、凹部18同士の間隔は、例えば、0.5~30mmとすることができる。
以下、容器10BにRFIDタグ20を固定する方法について説明する。
本実施形態では、未架橋状態のシリコーンゴムからなる固定材30を用い、RFIDタグ20を固定材30とともに容器10Bの取付部12内に押し込み、RFIDタグ20を取付部12の底の内面14における凹部18の周囲の部分と接触させた状態で固定材30によって取付部12内に埋め込む。
固定材30は未架橋状態のため取付部12内に押し込む力に従って変形し、RFIDタグ20の凹部18側に存在している余剰な固定材30は凹部18内に逃げ、必要に応じて取付部12内のRFIDタグ20の周囲へと押し出される。そして、取付部12内でRFIDタグ20が取付部12の底の内面14における凹部18の周囲の部分と接するまで押し込むことで、RFIDタグ20を正確に位置決めした状態で取付部12内に埋め込むことができる。
RFIDタグ20を取付部12内に埋め込んだ後、固定材30の未架橋状態のシリコーンゴムは、例えば常温で放置しておくことで、空気中の水分によって架橋反応が進行する。固定構造体4を凍結保存する場合には、シリコーンゴムの架橋後に凍結保存してもよく、架橋させずに未架橋状態を維持して凍結保存してもよい。
固定構造体4では、RFIDタグ20を取付部12の底の内面14における凹部18の周囲の部分に接触させた状態で固定材30によって容器10Bの取付部12に埋め込むため、RFIDタグ20の位置決めの正確性が高い。そのため、複数の固定構造体4が並べられている場合でも、各々の固定構造体4の下方からリーダによってRFIDタグ20から情報を読み取る際に無線電波が交錯しにくく、読み取った情報と固定構造体4との対応関係が明確になり、容易に識別可能になる。
本発明の固定構造体は、図13に例示した固定構造体5であってもよい。図13における図12と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。固定構造体5は、凹部18の代わりに凹部18Aを備える以外は、固定構造体4と同様の態様である。固定構造体5では、容器10Bが被取付体であり、RFIDタグ20が取付品である。
凹部18Aは、取付部12の底の内面14から上方に延びる第1溝部18aと、第1溝部18aの上部から幅方向の両側に拡がる第2溝部18bとを有する溝である。固定構造体5では、凹部18Aに入り込んだ固定材30が第2溝部18bの部分で引っ掛かるため、RFIDタグ20及び固定材30が取付部12から予期せず脱落しにくい点で有利である。
取付部の内面に形成される凹部は溝状には限定されない。例えば、図14及び図15に示すように、溝状の凹部の代わりに、取付部12の内面14に複数の柱状の凹部18Bが形成されていてもよい。図14及び図15は、取付部12に固定材30でRFIDタグ20を固定する前の状態を示した断面図及び底面図である。
凹部18Bを深さ方向に垂直に切断した断面形状は、この例では矩形である。凹部18Bの断面形状は矩形には限定されず、例えば、円形状、三角形状等であってもよい。凹部18Bの開口の直径は、RFIDタグ20の寸法に応じて適宜設定すればよい。
凹部18Bの数は、この例では52個である。なお、凹部18Bの数は52個には限定されず、取付部12の大きさに応じて適宜設定すればよく、例えば、10個以上とすることができる。
取付部12の内面14における複数の凹部18Bの配置パターンは、この例では格子状配置である。なお、複数の凹部18Bの配置パターンは、格子状配置には限定されず、例えば千鳥状配置であってもよい。
複数の凹部18B間のピッチの好ましい範囲は、凸部16間のピッチPの好ましい範囲と同様である。なお、凹部18B間のピッチは、凹部18Bの開口の中心同士の距離である。凹部18Bの開口形状が正円でない場合、その開口形状の外接円の中心を凹部18Bの中心とする。
本実施形態では、取付部12の内面14に設けられた凹部18BのすべてがRFIDタグ20で覆われるようにRFIDタグ20を固定してもよく、複数の凹部18Bの一部のみがRFIDタグ20で覆われるようにRFIDタグ20を固定してもよい。図16に示すように、この例では一部の凹部18BだけがRFIDタグ20で覆われるようにRFIDタグ20が固定されている。複数の凹部18Bのうちの一部だけがRFIDタグ20で覆われる場合、RFIDタグ20で覆われる凹部18B同士のピッチと、RFIDタグ20で覆われない凹部18B同士のピッチは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
本発明は、固定構造体3において、蓋部材41の取付部42の底の内面44に凸部46の代わりに凹部が形成されている固定構造体であってもよい。
本発明の固定構造体は、容器に連結される固定構造体であってもよい。例えば、図17に示すように、上部に開口50aを有する有底円筒状の容器50の底側に固定構造体6が連結されていてもよい。固定構造体6は、容器50の底部側に連結された被取付体52を備えている。被取付体52は直方体状であり、下面に凹状の取付部12が設けられている。
被取付体である被取付体52を構成する材料としては、固定構造体1において被取付体である容器10を構成する材料として例示したものと同じものを例示できる。
固定構造体6は、被取付体52の下面が平らにされていることで自立性に優れる。固定構造体6では、固定構造体1と同様に、固定材30によって被取付体52の取付部12にRFIDタグ20を埋め込んで固定する。
また、図18に示すように、被取付体52の代わりに、嵌込凹部54を有する嵌込構造部52Aを容器50の底側に設け、箱状の被取付体60の取付部12に固定材30でRFIDタグ20を埋め込んだ固定構造体7を嵌込凹部54に嵌め込む態様としてもよい。
この態様は、容器50と嵌込構造部52Aを一体成形し、それとは別に被取付体60を成形し、取付部12に固定材30でRFIDタグ20を埋め込んで固定構造体7とし、それらを組み合わせることができるため、製造が容易である。
同様に、容器10の底部11に取付部12の代わりに嵌込凹部を設け、固定構造体7を嵌め込む態様とすることもできる。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
本発明では、固定材を用いて取付部品を被取付体に固定して固定構造体を形成する際に、未架橋状態のシリコーンゴムからなる固定材と取付部品が真空包装されている包装体を用いることが好ましい。以下、包装体の例を図19ならびに図20を示してさらに説明する。
図19に示すように、包装体100は、未架橋状態のシリコーンゴムからなる固定材30と、取付品であるRFIDタグ20が一体として包装材110によって真空包装されている。この例では、テープ状の包装材110の長さ方向に、複数組の固定材30とRFIDタグ20が一体となったものが間隔をあけて真空包装されている。
例えば、真空包装されている固定材30及びRFIDタグ20を包装体100から取り出し、容器の底や蓋部材に設けられた取付部内に押し込み、RFIDタグ20を埋め込むことで、取付品であるRFIDタグ20を被取付体である容器に固定することができる。
図20に示すように、包装体200は、被取付体52に取付品であるRFIDタグ20を未加硫状態のシリコーンゴムからなる固定材30で固定した固定構造体7を包装材110によって真空包装されている。この例では、テープ状の包装材110の長さ方向に、複数組の固定構造体7が間隔をあけて真空包装されている。なお、真空包装する固定構造体は、固定構造体7には限定されない。
真空包装されている固定構造体7を包装体200から取り出し、容器の底や蓋部材に固定する。この固定方法としては、固定構造体7と容器に底や蓋部材とが勘合する勘合構造やねじ止め構造を設けておくことや、接着や融着による方法が選択できる。このように、固定構造体と容器とを分離しておく態様は、固定構造体や容器をそれぞれ射出成形するために成形しやすくなるとともに、被取付体の凸構造の設計範囲が広がるという利点がある。
包装材110を構成する材料としては、特に限定されず、防湿性能を有するものを使用でき、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)、二軸延伸ナイロンフィルム(ONY)、基材フィルム(ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等)にポリフッ化ビニリデンをコートしたPVDCコートフィルム、基材フィルム(PETフィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム等)にアルミニウム又はシリカを蒸着した蒸着フィルム、ONY系共押出フィルム、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)共押出OPPフィルムを例示できる。これらのフィルムは、熱によるシールが可能な点から、シーラント層を有することが好ましい。包装材110を構成する材料としては、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
なお、包装体は、包装体100,200には限定されず、固定材とRFIDタグが一組ずつ個別に真空包装されているものや、固定構造体が一つずつ個別に真空包装されているものであってもよい。また、テープ状には限定されず、例えば、リール状に巻かれたものであってもよいし、複数を配列して収納したトレー状であってもよい。
1~7…固定構造体、10,10A,10B,50…容器、12,42…取付部、14,44…内面、16,16A~16C,46…凸部、17…貫通孔、18,18A,18B…凹部、20…RFIDタグ、30…固定材、52…被取付体、52A…嵌込構造部、54…嵌込凹部、60…被取付体、100…包装体。

Claims (4)

  1. 被取付体に設けられた凹状の取付部内に取付部品を埋め込んで固定するためのシリコーンゴムからなる固定材。
  2. 前記シリコーンゴムが自己接着性を有する、請求項1に記載の固定材。
  3. 前記シリコーンゴムの未架橋状態での25℃におけるウイリアムス可塑度が100~600の範囲にある、請求項1又は2に記載の固定材。
  4. 被取付体に設けられた凹状の取付部内に、請求項1~3のいずれか一項に記載の固定材によって取付部品が埋め込まれて固定された固定構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102636477B1 (ko) * 2023-05-24 2024-02-14 주식회사 윌켐코리아 내구성 및 접착력이 향상된 타이어 부착용 무선인식태그의 제조방법

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