JP2022124024A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ソレノイドの磁気回路を形成するのに良好な磁気特性を実現しつつもハウジングの強度不足を解消できる緩衝器を提供する。【解決手段】前記した課題を解決するため、緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストンロッド2と、ピストンロッド2に連結されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン3と、ピストン3に設けられて伸側室R1と圧側室R2とを連通する減衰通路4と、減衰通路4に設けられる電磁弁Vとを備え、ピストンロッド2がロッド本体21と、コイル30を収容するハウジング22とを有し、ハウジング22がコイル30を収容する炭素鋼でなる筒状の収容部23と、ロッド本体21に螺合されるとともに収容部23に摩擦圧接される炭素鋼または合金鋼でなるロッド接続部24とを有し、収容部23の炭素含有量がロッド接続部24の炭素含有量よりも少ない。【選択図】図1

Description

この発明は、緩衝器に関する。
車両のサスペンションに用いられる緩衝器には、減衰力を可変にできる減衰バルブを備えているものがある。このような緩衝器としては、シリンダと、シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、一端がピストンに連結されてシリンダ内に移動自在に挿入されるピストンロッドと、減衰バルブを備えて構成される。
減衰バルブは、ピストンに設けられた伸側室と圧側室とを連通する伸側通路と圧側通路を、伸側通路と圧側通路とをそれぞれ開閉する伸側リーフバルブと圧側リーフバルブと、伸側リーフバルブと圧側リーフバルブをそれぞれ押圧する伸側スプールと圧側スプールと、内部圧力で伸側スプールと圧側スプールを押圧する伸側背圧室と圧側背圧室の圧力を調節するソレノイドを備えた電磁圧力制御弁とを備えている(たとえば、特許文献1参照)。
このように構成された緩衝器にあっては、単一の電磁圧力制御弁によって伸側背圧室および圧側背圧室内の圧力を制御して、伸長時と収縮時の減衰力を制御できる。
特開2019-138401号公報
従来の緩衝器にあっては、ピストンロッドは、筒状のロッド本体と、ロッド本体の下端に連結されて電磁圧力制御弁を収容する筒状のハウジングとを備えている。より詳しくは、ハウジングは、ソレノイドを収容する大径な筒部と、筒部の上端内周に設けられたフランジ部と、フランジ部から筒状に立ち上がり先端にロッド本体の下端内周に設けた雌螺子に螺着される雄螺子を備えた軸部とを備えている。また、軸部における雄螺子より筒部側には、ロッド本体とハウジングとの間をシールするシールリングが装着される環状溝が形成されている。
このように構成されたハウジングは、このようにロッド本体の下端に螺子によって締結されるとともに、内部に収容されるソレノイドの磁気回路として機能する。よって、ハウジングは、ソレノイドの磁気回路として機能する観点から、磁気特性として低い保磁力と高い透磁率を持つ軟磁性体で形成されるとよい。ハウジングは、軟磁性体の炭素鋼で形成される場合が多く、炭素鋼は、含有する炭素量が少なくなればなるほど、保磁力が小さくなるとともに透磁率が高くなる傾向を示し磁気回路を構成するには最適となる。
そのため従来の緩衝器では、ハウジングを炭素含有量が少ない低炭素鋼で形成してハウジングが磁気回路として良好な磁気特性を発揮できるようにしている。しかしながら、炭素鋼は、含有する炭素量が少なくなると、保磁力が小さくなるとともに透磁率が高くなる傾向を示す反面、強度が低下する性質を持つ。
よって、従来の緩衝器では、ハウジングを低炭素鋼としてソレノイドの磁気回路として良好な磁気特性を実現しようとすると、ハウジングの強度不足を招いてしまう可能性がある。
そこで、本発明は、ソレノイドの磁気回路を形成するのに良好な磁気特性を実現しつつもハウジングの強度不足を解消できる緩衝器の提供を目的としている。
本発明における緩衝器は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダの端部に設けられた環状のロッドガイドの内周に摺接するピストンロッドと、ピストンロッドに連結されてシリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、ピストンに設けられて伸側室と圧側室とを連通する減衰通路と、減衰通路に設けられてソレノイドを有してソレノイドの推力調整によって減衰通路を通過する流体の流れに与える抵抗を調整可能な電磁弁とを備え、ピストンロッドがロッドガイドの内周に摺接するロッド本体と、ロッド本体に螺子締結されてソレノイドにおけるコイルを収容するハウジングとを有し、ハウジングが炭素鋼で形成されてコイルを収容してソレノイドの磁気回路を形成する筒状の収容部と、炭素鋼または合金鋼で形成されてロッド本体に螺合されるとともに収容部に摩擦圧接されて接合されるロッド接続部とを有し、収容部を形成する炭素鋼の炭素含有量がロッド接続部を形成する炭素鋼または合金鋼の炭素含有量よりも少なくなっている。
このように構成された緩衝器によれば、ハウジングにおけるロッド本体と締結される部位における強度が確保されるだけでなく、コイルを収容する収容部はロッド接続部より炭素含有量の少ない炭素鋼で形成されるのでソレノイドの磁気回路の一部を形成するのに良好な磁気特性を発揮できる。
また、緩衝器における収容部とロッド接続部とがソレノイドの磁路を跨がない位置で摩擦圧接されてもよい。このように構成された緩衝器によれば、ソレノイドの吸引力を効果的に向上させ得るので、電磁弁の減衰力調整能力を向上できるとともに、ソレノイドの小型化にも寄与できる。
さらに、緩衝器におけるピストンは、収容部に連結されてもよい。このように構成された緩衝器によれば、ソレノイドのコイルを内方に収容する関係で大径な筒状となる収容部は、低炭素鋼で形成されても断面二次モーメントが大きくなるのでピストンを保持しても強度面の心配がない。
また、ロッド本体が筒状であって内周に雌螺子部を有し、ロッド接続部がロッド本体内に挿入されて雌螺子部に螺合される雄螺子部を有するように緩衝器は構成されてもよい。このように構成された緩衝器によれば、ロッド接続部がロッド本体に螺合される部分がロッドガイドの内周に摺接するロッド本体内に挿入されるので、ロッド本体のロッドガイドに対する軸方向の移動を妨げない構造となり、緩衝器のストローク長の確保の点で有利となる。
本発明の緩衝器によれば、ソレノイドの磁気回路を形成するのに良好な磁気特性を実現しつつもハウジングの強度不足を解消できる。
一実施の形態における緩衝器の断面図である。 一実施の形態の一変形例における緩衝器の断面図である。
以下に、図示した実施の形態に基づいて、この発明を説明する。一実施の形態における緩衝器Dは、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1の端部に設けられた環状のロッドガイド10の内周に摺接するピストンロッド2と、ピストンロッド2に連結されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン3と、ピストン3に設けられて伸側室R1と圧側室R2とを連通する減衰通路4と、減衰通路4に設けられてソレノイドSolを有してソレノイドSolの推力調整によって減衰通路4を通過する流体の流れに与える抵抗を調整可能な電磁弁Vとを備えて構成されている。
以下、緩衝器Dの各部について詳細に説明する。シリンダ1は、図示はしないが下端が閉塞されており、上端には、環状のロッドガイド10が装着されている。ロッドガイド10は、環状であって、内周にピストンロッド2の外周に摺接する筒状のブッシュ10aと環状のシール部材10bとを備えて、シリンダ1の図1中上端を閉塞するとともに、ピストンロッド2の軸方向の移動を案内する。
ピストンロッド2は、ロッドガイド10のブッシュ10aの内周に摺接するロッド本体21と、ロッド本体21に螺子締結されてソレノイドSolにおけるコイル30を収容するハウジング22とを備えている。
ロッド本体21は、筒状であって、図1中の下端側の内径が上方よりも拡径されて形成された内径拡径部21aと、内径拡径部21aの図1中下端近傍の内周に雌螺子部21bを備えている。
他方、ハウジング22は、ソレノイドSolを収容する有頂筒状の収容部23と、ロッド本体21に螺合されるとともに収容部23に摩擦圧接によって接合されるロッド接続部24とを備えて構成されている。
収容部23は、ソレノイドSolのコイル30の外周に配置される筒部23aと、筒状であって図1中上端がロッド接続部24の下端に摩擦圧接によって接合される軸部23bと、筒部23aの外周と軸部23bの外周とを接続する環状の肩部23cとを備えている。軸部23bは、図1中上端となる先端側が小径に形成されてロッド本体21の内径拡径部21a内に挿入される嵌合部23b1を備えており、外周に段部23b2を備える。
ロッド接続部24は、軸状であって外径が収容部23の筒部23aよりも小径であって内径拡径部21a内に挿入されており、外周のロッド本体21の内径拡径部21aに設けられた雌螺子部21bに対応した位置に雄螺子部24aを備えており、雄螺子部24aを雌螺子部21bに螺合させることで、ロッド本体21に螺子締結される。また、ロッド接続部24は、外周であって雄螺子部24aよりも下方にシールリング25が装着される環状溝24bを備えている。シールリング25は、ロッド本体21の内周とロッド接続部24とに密着して、ロッド本体21内を液密に封止している。このようにロッド本体21にロッド接続部24を螺子締結すると、ロッド本体21の下端と軸部23bの段部23b2とが当接するまで収容部23の軸部23bはロッド本体21内に挿入される。
ハウジング22における収容部23は、炭素鋼を母材として、ロッド接続部24は、炭素鋼または合金鋼を母材として、それぞれ製造されているが、収容部23の炭素含有量は、ロッド接続部24の炭素含有量よりも少ない。具体的には、収容部23は、炭素含有量が総重量の0.28%以下の炭素鋼、S25C以下の炭素含有量が少ない低炭素鋼で形成されており、ロッド接続部24は、炭素含有量が総重量の0.42%以上の炭素鋼、S45C以上の高炭素鋼またはSCM(クロムモリブデン鋼)で形成されている。このように、収容部23とロッド接続部24とは、異なる炭素含有量を持つ炭素鋼で形成されている。そして、収容部23とロッド接続部24とを摩擦圧接で接合するには、収容部23の軸部23bの図1中上端とロッド接続部24の図1中下端とを突き合せて回転接触させて高熱を発生させた後、両者に軸力を与えて両者の接合面に高い圧力を加えるようにする。このようにすると、収容部23とロッド接続部24とが高温・高圧のもとで固相接合して一体化される。
ソレノイドSolは、ハウジング22における収容部23内に収容される樹脂モールドされた円筒状のコイル30と、コイル30の図1中上端に嵌合される孔あき円盤状の鉄製のプレート31と、コイル30の内周に嵌合される有頂筒状の第1固定鉄心32と、コイル30の図1中下端に当接するとともにコイル30の内周に嵌合するソケット33aを有する環状の第2固定鉄心33と、コイル30の内周に嵌合されるとともに第1固定鉄心32と第2固定鉄心33のソケット33aとの間で挟持される非磁性体で形成されるフィラーリング35と、第1固定鉄心32の内周、第2固定鉄心33のソケット33aの内周に摺動自在に挿入される可動鉄心34と、可動鉄心34と第1固定鉄心32との間には、可動鉄心34をコイル30内から突出させる図1中下方へ向けて付勢するばね36とを備えている。また、プレート31の外周は、収容部23の筒部23aの内周に当接しており、プレート31の図1中下端となるコイル側端は第1固定鉄心32に当接している。さらに、第2固定鉄心33の外周は、収容部23の筒部23aの内周に当接している。そして、ハウジング22の収容部23は、図1の破線Bで示すように、第1固定鉄心32、可動鉄心34、第2固定鉄心33とともにソレノイドSolにおける磁気回路を形成している。よって、ソレノイドSolは、コイル30に通電されると磁束が第1固定鉄心32、可動鉄心34、第2固定鉄心33および収容部23の筒部23aを通り、可動鉄心34をばね36の付勢力に抗して吸引する。以上のように、収容部23は、ソレノイドSolの磁気回路の一部を形成しており、収容部23とロッド接続部24との摩擦圧接される部位である接合部Aは、ソレノイドSolの磁路を跨がない位置に配置されている。つまり、収容部23とロッド接続部24とは、ソレノイドSolの磁路を跨がない位置で摩擦圧接されている。
そして、コイル30への通電量に応じてソレノイドSolが可動鉄心34を吸引する力が変化するため、コイル30への通電量の調節により可動鉄心34をコイル30から突出させるばね36による推力を大小調節できる。なお、コイル30への通電は、コイル30に接続されるとともにピストンロッド2内を通して外部電源に接続されるハーネス37を通じて行われる。
ハウジング22の収容部23における筒部23aの下端には、ピストン3が連結されている。ピストン3とハウジング22との連結は、螺子締結によってもよいし、図示はしないがピストン3が環状である場合、収容部23の下端にピストン3内に挿通される軸部を設けて、軸部の先端に螺着されるピストンナットを用いてピストン3を軸部の外周に固定してもよい。
そして、ピストン3は、シリンダ1の内周に摺接しており、シリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画している。なお、シリンダ1の図1中の下方には、図示はしないが、シリンダ1内を摺動するフリーピストンが設けられており、このフリーピストンによってシリンダ1内であって圧側室R2の下方に気室が形成される。伸側室R1と圧側室R2は、流体としての作動油で満たされている。なお、伸側室R1と圧側室R2に満たされる流体は、作動油の他にも減衰力の発揮が可能な液体であれば使用可能であり、空圧緩衝器の場合、気体であってもよく、その場合、気室の設置は不要である。本実施の形態では、緩衝器Dは、シリンダ1内に気室を備えた所謂単筒型の緩衝器として構成されているが、シリンダ1の外周にシリンダ1との間にリザーバを形成する外筒を備える所謂複筒型の緩衝器として構成されてもよい。
また、ピストン3には、伸側室R1と圧側室R2とを連通する減衰通路4が設けられている。そして、この減衰通路4の途中には、ソレノイドSolを含む電磁弁Vが設けられている。本実施の形態では、減衰通路4は、伸側室R1と圧側室R2とを接続する第1通路4aおよび第2通路4bと、第1通路4aと第2通路4bの中間同士を接続する接続通路4cとを備えている。また、第1通路4aには、接続通路4cの接続点を挟んで互いに逆向きに配置される逆止弁4d,4eが設けられており、第2通路4bにも接続通路4cの接続点を挟んで互いに逆向きに配置される逆止弁4f,4gが設けられている。逆止弁4dは、作動油が第1通路4aを伸側室R1から接続通路4cへ向かう流れのみを許容し、逆止弁4eは、作動油が第1通路4aを圧側室R2から接続通路4cへ向かう流れのみを許容する。また、逆止弁4fは、作動油が第2通路4bを接続通路4cから伸側室R1へ向かう流れのみを許容し、逆止弁4gは、作動油が第2通路4bを接続通路4cから圧側室R2へ向かう流れのみを許容する。さらに、電磁弁Vにおける弁体6は、接続通路4cの途中に設けられている。
そして、緩衝器Dが伸長作動する場合、圧縮される伸側室R1内の作動油は、第1通路4aにおける逆止弁4dを押し開いて接続通路4cの弁体6を通過して第2通路4bの逆止弁4gを押し開いて拡大する圧側室R2へ移動する。反対に、緩衝器Dが収縮作動する場合、圧縮される圧側室R2内の作動油は、第1通路4aにおける逆止弁4eを押し開いて接続通路4cの弁体6を通過して第2通路4bの逆止弁4fを押し開いて拡大する伸側室R1へ移動する。このように、減衰通路4は、逆止弁4d,4e,4f,4gによって整流されて接続通路4cを一方通行の通路に設定しており、緩衝器Dが伸長しても収縮しても作動油は接続通路4cに設けられた電磁弁Vを上流から下流へ向けて通過する。
電磁弁Vは、具体的には、減衰通路4における接続通路4cに設けられる弁体6と、接続通路4cの上流側の圧力を弁体6に開弁方向に作用させるパイロット通路7と、可動鉄心34を通じて弁体6に対して閉弁方向に推力を与えるソレノイドSolとを備えている。このように構成された電磁弁Vでは、コイル30へ与える電流量を大きくするとばね36の付勢力に抵抗する吸引力が大きくなるので、弁体6を閉弁方向に押圧するソレノイドSolの推力が小さくなり、コイル30へ与える電流量を小さくすると、ばね36の付勢力に抵抗する吸引力が小さくなるので、弁体6を閉弁方向に押圧するソレノイドSolの推力が大きくなる。
よって、ソレノイドSolへ与える電流量が大きくなると弁体6を閉弁方向に押圧する推力が小さくなるので、パイロット通路7が弁体6を開弁させるために作用させるべき圧力も小さくなる。また、ソレノイドSolへ与える電流量が小さくなると弁体6を閉弁方向に押圧する推力が大きくなるので、パイロット通路7が弁体6を開弁させるために作用させるべき圧力も大きくなる。このように、本実施の形態の緩衝器Dにおける電磁弁Vは、ソレノイドSolへ与える電流量の調整によって、開弁圧を調整できる。
このように構成された緩衝器Dの伸長作動時には、前述したように、伸側室R1から圧側室R2へ減衰通路4の接続通路4cを介して作動油が移動する。そして、作動油が電磁弁Vを通過する際に、電磁弁Vによって作動油の流れに抵抗が与えられるので、緩衝器Dは、伸長作動を妨げる伸側の減衰力を発生する。電磁弁Vにおける開弁圧は、ソレノイドSolにおけるコイル30への通電量に応じて弁体6に与えられる推力の調整によって変更でき、これによって作動油が電磁弁Vを通過する際の抵抗の調整が行われる。よって、ソレノイドSolの推力調整により、緩衝器Dの伸側の減衰力の調整が行われる。なお、緩衝器Dの伸長時には、ピストンロッド2がシリンダ1内から退出するが、このシリンダ1内からピストンロッド2が退出することによるシリンダ1内の容積変動は、気室の拡大によって補償される。
また、緩衝器Dの収縮作動時には、前述したように、圧側室R2から伸側室R1へ減衰通路4の接続通路4cを介して作動油が移動する。そして、作動油が電磁弁Vを通過する際に、電磁弁Vによって作動油の流れに抵抗が与えられるので、緩衝器Dは、収縮作動を妨げる圧側の減衰力を発生する。よって、緩衝器Dの伸長作動時と同様に、ソレノイドSolの推力調整により、緩衝器Dの圧側の減衰力の調整が行われる。
そして、緩衝器Dのピストンロッド2におけるソレノイドSolを収容するハウジング22は、炭素鋼で形成されてソレノイドSolのコイル30を収容してソレノイドSolの磁気回路の一部を形成する収容部23と、炭素鋼または合金鋼で形成されてロッド本体21に螺合されるとともに収容部23に摩擦圧接されるロッド接続部24とを備えている。さらに、収容部23を形成する炭素鋼の炭素含有量は、ロッド接続部24を形成する炭素鋼または合金鋼の炭素含有量よりも少なくなっている。よって、収容部23の磁気特性は、ロッド接続部24の磁気特性に比較して、低い保磁力と高い透磁率を持つため、ソレノイドSolの磁気回路の一部を形成するのに優れた磁気特性を発揮する。他方、ロッド接続部24は、収容部23よりも炭素含有量の多い炭素鋼または合金鋼で形成されるので、収容部23よりも高い強度を持っている。よって、ロッド本体21と螺子締結されるロッド接続部24は、高い強度を持つ炭素鋼または合金鋼で形成されるのでロッド本体21との螺子締結部分である雄螺子部24aおよびシールリング25が装着される環状溝24bが形成される径が細くなる部分の強度も十分に確保される。このように、ハウジング22におけるロッド本体21と締結される部位における強度が確保されるだけでなく、コイル30を収容する収容部23はロッド接続部24より炭素含有量の少ない炭素鋼で形成されるのでソレノイドSolの磁気回路の一部を形成するのに良好な磁気特性を発揮できる。
以上のように、本実施の形態の緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1の端部に設けられた環状のロッドガイド10の内周に摺接するピストンロッド2と、ピストンロッド2に連結されてシリンダ1内を伸側室R1と圧側室R2とに区画するピストン3と、ピストン3に設けられて伸側室R1と圧側室R2とを連通する減衰通路4と、減衰通路4に設けられてソレノイドSolを有してソレノイドSolの推力調整によって減衰通路4を通過する流体の流れに与える抵抗を調整可能な電磁弁Vとを備え、ピストンロッド2がロッドガイド10の内周に摺接するロッド本体21と、ロッド本体21に螺子締結されてソレノイドSolにおけるコイル30を収容するハウジング22とを有し、ハウジング22が炭素鋼で形成されてコイル30を収容してソレノイドSolの磁気回路を形成する筒状の収容部23と、炭素鋼または合金鋼で形成されてロッド本体21に螺合されるとともに収容部23に摩擦圧接されて接合されるロッド接続部24とを有し、収容部23を形成する炭素鋼の炭素含有量がロッド接続部24を形成する炭素鋼または合金鋼の炭素含有量よりも少なくなっている。
このように構成された緩衝器Dによれば、前述したように、ハウジング22におけるロッド本体21と締結される部位における強度が確保されるだけでなく、コイル30を収容する収容部23はロッド接続部24より炭素含有量の少ない炭素鋼で形成されるのでソレノイドSolの磁気回路の一部を形成するのに良好な磁気特性を発揮できる。したがって、本実施の形態の緩衝器Dによれば、ソレノイドSolの磁気回路を形成するのに良好な磁気特性を実現しつつもハウジング22の強度不足を解消できる。また、ソレノイドSolの吸引力を大きくできるので、電磁弁Vによる減衰力調整幅も大きくできる。
なお、収容部23は、S25Cと同じかS25Cよりも炭素含有量が少ない低炭素鋼で形成されるとソレノイドSolの磁気回路として優れた磁気特性を発揮できる。また、ロッド接続部24は、ロッド本体21との螺子締結と小径部位の強度確保が可能な程度の高炭素鋼または合金鋼を用いればよく、S45C程度の炭素含有量の炭素鋼で形成されるとよい。
また、本実施の形態の緩衝器Dでは、収容部23とロッド接続部24とがコイル30の磁路をまたがない位置で摩擦圧接されているので、ソレノイドSolの磁路が炭素含有量の多いロッド接続部24を跨がず磁気特性に優れる収容部23のみを通過する。よって、このように構成された緩衝器Dによれば、ソレノイドSolの吸引力を効果的に向上させ得るので、電磁弁Vの減衰力調整能力を向上できるとともに、ソレノイドSolの小型化にも寄与できる。
本実施の形態の緩衝器Dの場合、ロッド本体21が筒状であって内周に雌螺子部21bを有し、ロッド接続部24がロッド本体21内に挿入されて雌螺子部21bに螺合される雄螺子部24aを備えている。このようにすると、ロッド接続部24がロッド本体21に螺合される部分がロッドガイド10の内周に摺接するロッド本体21内に挿入されるので、ロッド本体21のロッドガイド10に対する軸方向の移動を妨げない構造となり、緩衝器Dのストローク長の確保の点で有利となる。ただし、緩衝器Dのストローク長を十分に確保できるのであれば、ロッド接続部24の全部または一部をロッド本体21の内周に挿入する構造に代えて、ロッド接続部24のロッド本体21に締結する部分を筒状として内周に雌螺子部を設け、ロッド本体21の外周に螺着する構造を採用してもよい。また、本実施の形態の緩衝器Dの場合、ロッド接続部24の全体がロッド本体21内に収容されて収容部23とロッド接続部24との摩擦圧接による接合部Aがロッド本体21内に収容されるので、接合部Aがロッドガイド10の内周に摺接することがなく、収容部23の表面のバフ研磨加工が不要となる利点がある。
さらに、ハウジング22がロッド本体21に螺合される構造を採用しているので、ピストンロッド2をロッド本体21とハウジング22とに分離することが可能であるから、ハウジング22に電磁弁Vおよびピストン3を組み付けるアッセンブリ工程を行ってから、アッセンブリ化されたハウジング22をロッド本体21に螺子締結できる。このように、ハウジング22をロッド本体21から分離可能であるから、バフ研磨加工が必要なロッドガイド10の内周に摺接するロッド本体21の外周面に気を付けながら電磁弁Vやピストン3の組付作業を行う必要がなくなるので、組立加工時における作業者の負担が軽減される。
また、本実施の形態の緩衝器Dの場合、ピストン3がハウジング22の収容部23に連結されている。ソレノイドSolのコイル30を内方に収容する関係で大径な筒状となる収容部23は、低炭素鋼で形成されても断面二次モーメントが大きくなるのでピストン3を保持しても強度面の心配がない。
なお、前述したところでは、収容部23を筒部23aと肩部23cとロッド接続部24に摩擦圧接によって接合される軸部23bとで形成していたが、図2に示した一実施の形態の一変形例の緩衝器D1のようにハウジング40を構成してもよい。一変形例における緩衝器D1では、ハウジング40における収容部41は、ソレノイドSolの磁気回路を形成する終端のプレート31と水平方向で対向する部分までの筒とされ、ロッド接続部42は、ロッド本体21に螺合される軸部42aと、軸部42aの図2中下端外周に設けたフランジ部42bとを備えている。軸部42aは、図2中上端外周に設けられた雄螺子部42cと、雄螺子部42cの図2中下方の外周に設けられてシールリング25が装着される環状溝42dを備えている。また、収容部41は炭素鋼で形成され、ロッド接続部42は炭素鋼または合金鋼で形成されているが、収容部41を形成する炭素鋼の炭素含有量はロッド接続部42を形成する炭素鋼または合金鋼の炭素含有量よりも少ない。具体的には、収容部41は、S25Cと同じかそれ以下の炭素含有量の炭素鋼とされ、ロッド接続部42は、S45Cと同じかそれ以上の炭素含有量の炭素鋼または合金鋼とされている。
そして、収容部41の上端とロッド接続部42のフランジ部42bの収容部41の上端に対向する外周部とが摩擦圧接によって接合され、収容部41とロッド接続部42とが接合される。このようにしても、コイル30の外周に配置される収容部41でソレノイドSolの磁気回路の一部を形成でき、プレート31と収容部41とが水平方向で対向しており図2中の線B1で示したように磁路は収容部41とロッド接続部42との接合部A1を跨がない。したがって、ハウジング40における収容部41がソレノイドSolの磁気回路を形成するうえで良好な磁気特性を備えており、接合部A1が磁路を跨がない。よって、このように構成された緩衝器D1によれば、ソレノイドSolの吸引力を効果的に向上させ得るので、電磁弁Vの減衰力調整能力を向上できるとともに、ソレノイドSolの小型化にも寄与できる。
以上を纏めると、ハウジング40を収容部41とロッド接続部42とで形成するに際し、ソレノイドSolの磁路が跨がず、且つ、ロッド接続部42の強度低下を招かない範囲に両者の接合部位を設けるとハウジング40の強度不足の解消をしつつ、ソレノイドSolの出力を効果的に向上できることになる。本実施の形態の場合、コイル30の図2中上端に磁気回路の一部を形成するプレート31が配置される関係上、接合部A1からロッド接続部42の強度が低下する箇所である環状溝42dよりも下方の範囲Mに収容部41とロッド接続部42とが摩擦圧接によって接合されればよい。ハウジング40の全体形状から見れば、収容部41とロッド接続部42の形状は、接合部A1の位置によって適宜変更すればよい。プレート31を設けない場合、コイル30の図2中上端に磁気回路が形成されるので、コイル30の図2中上端に接する部位は炭素含有量の少ない炭素鋼で形成される収容部41を当接させることが好ましいので、図1に示した収容部23のように少なくとも肩部23cまでは収容部23とした構造が望ましい。また、摩擦圧接によって収容部23,41とロッド接続部24,42を接合する都合上、接合部に高圧をさせる上で接合部の面積の小さくなる部位で接合したほうが収容部23,41に作用させる軸力が小さくて済むので、図1に示した接合部Aで接合すると加工上有利となる。
なお、前述したソレノイドSolの構造は、一例であって、収容部23,41がコイル30を収容しソレノイドSolの磁気回路の一部を形成するようになっていれば設計変更されてもよい。
また、前述した緩衝器D,D1では、電磁弁VがソレノイドSolによって弁体6の開弁圧を調節する電磁リリーフ弁として構成されているが、電磁弁Vの構成はこれに限定されない。したがって、たとえば、電磁弁Vは、ソレノイドSolで減衰通路4に設置される弁体6に対して推力を与えて開弁圧の調整を行う他にも、ソレノイドSolが与える推力で弁体6の開度を調整する電磁弁であってもよい。さらに、電磁弁Vは、ソレノイドSolで減衰通路4に設置される弁体6に対して直接推力を与えて減衰力調整を行う構造に代えて、減衰通路4の途中に設置される弁体に対して閉弁方向に背圧を作用させる構造を採用する場合、背圧を調整する制御弁にソレノイドSolが推力を与えるようにして、制御弁の調整で背圧を調整して減衰通路4に設けた弁体の開弁圧や開度の調整を行ってもよい。
また、減衰通路4の構造についても適宜変更可能であり、減衰通路4の一部または全部が収容部23,41内に設けられてもよい。また、電磁弁Vは、緩衝器D,D1の伸側のみ或いは圧側のみの減衰力を調整するように減衰通路4に設置されてもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明したが、特許請求の範囲から逸脱しない限り、改造、変形、および変更が可能である。
1・・・シリンダ、2・・・ピストンロッド、3・・・ピストン、4・・・減衰通路、10・・・ロッドガイド、21・・・ロッド本体、21b・・・雌螺子部、22,40・・・ハウジング、23,41・・・収容部、24,42・・・ロッド接続部、24a,42c・・・雄螺子部、30・・・コイル、D,D1・・・緩衝器、R1・・・伸側室、R2・・・圧側室、Sol・・・ソレノイド、V・・・電磁弁

Claims (4)

  1. シリンダと、
    シリンダ内に摺動自在に挿入されて前記シリンダの端部に設けられた環状のロッドガイドの内周に摺接するピストンロッドと、
    前記ピストンロッドに連結されて前記シリンダ内を伸側室と圧側室とに区画するピストンと、
    前記伸側室と前記圧側室とを連通する減衰通路と、
    前記減衰通路に設けられてソレノイドを有して前記ソレノイドの推力調整によって前記減衰通路を通過する流体の流れに与える抵抗を調整可能な電磁弁とを備え、
    前記ピストンロッドは、前記ロッドガイドの内周に摺接するロッド本体と、前記ロッド本体に螺子締結されて前記ソレノイドにおけるコイルを収容するハウジングとを有し、
    前記ハウジングは、炭素鋼で形成されて前記コイルを収容して前記ソレノイドの磁気回路の一部を形成する筒状の収容部と、炭素鋼または合金鋼で形成されて前記ロッド本体に螺合されるとともに前記収容部に摩擦圧接によって接合されるロッド接続部とを有し、
    前記収容部を形成する炭素鋼における炭素含有量は、前記ロッド接続部を形成する炭素鋼または合金鋼における炭素含有量よりも少ない
    ことを特徴とする緩衝器。
  2. 前記収容部と前記ロッド接続部とは、前記ソレノイドの磁路を跨がない位置で摩擦圧接される
    ことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 前記ピストンは、前記収容部に連結される
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の緩衝器。
  4. 前記ロッド本体は、筒状であって内周に雌螺子部を有し、
    前記ロッド接続部は、前記ロッド本体内に挿入されて前記雌螺子部に螺合される雄螺子部を有する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の緩衝器。
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