JP2022123392A - 対処策提案装置および対処策提案方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ネットワーク接続を含む情報処理に係る障害に対して適切な対処策を提案する。【解決手段】対処策提案装置は、第1の保存部、第2の保存部、カテゴリ決定部、対処策特定部、対処策提示部を備える。第1の保存部は、各端末装置の動作状態および通信状態を表す端末関連情報を障害のカテゴリ毎にグループ化して保存する。第2の保存部は、障害のカテゴリ毎に設定される対処策に係わる対処策情報を保存する。対処策特定部は、端末装置の動作状態および通信状態を表す端末関連情報を含む提案依頼を受信したときに、提案依頼に含まれる端末関連情報と保存されている端末関連情報との比較に基づいて、提案依頼の送信元において発生した障害のカテゴリを決定する。対処策特定部は、決定されたカテゴリを用いて対処策情報を検索することにより、決定されたカテゴリに対応する対処策を特定する。対処策提示部は、特定された対処策を提案依頼の送信元に提示する。【選択図】図4
Description
本発明は、障害に対して対処策を提案する装置および方法に係わる。
近年、リモートワーク或いは在宅勤務が普及してきている。これに伴い、各ユーザがリモート環境で使用する端末装置、及び/又は、端末装置とサーバコンピュータとを接続するネットワークにおいて発生する障害が増加している。ところが、すべてのユーザのICT(Information Communication Technology)リテラシが高いわけではないので、少なくないユーザが障害に適切に対処できていないと想定される。したがって、端末装置またはネットワークにおいて発生した障害を解決するためのツールが求められている。
なお、クライアント側情報処理装置に操作過程に関するヘルプ情報をホスト装置から通信回線を利用して提供するヘルプシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。また、ネットワーク性能解析で使用するためのデータの収集を制御する装置が提案されている(例えば、特許文献2)。更に、過去の通信品質に基づき、これから行う通信の通信品質を予測してサービスの制御を行うシステムが提案されている(例えば、特許文献3)。
従来の診断ツールは、例えば、端末装置の状態またはサーバコンピュータへの疎通をモニタする。しかしながら、情報処理または通信技術についての十分な知識を有していないユーザにとっては、これらのモニタ結果に基づいて障害の原因を特定して対処することは困難である。例えば、クラウドサービスを利用できなくなったとき、或いは、リモート会議の音質が悪化したときに、端末装置に原因があるのか(CPUの過負荷、メモリ不足など)、無線状態に原因があるのか(干渉または混信に起因する信号強度の低下など)、インターネット環境に原因があるのか(キャリア障害、帯域圧迫など)、クラウド側に原因があるのか(アプリケーションの障害、同時アクセス数の超過など)を特定することが困難なことがある。
本発明の1つの側面に係わる目的は、ネットワーク接続を含む情報処理に係わる障害に対して適切な対処策を提案することである。
本発明の1つの態様に係わる対処策提案装置は、各端末装置の動作状態および通信状態を表す端末関連情報を障害のカテゴリ毎にグループ化して保存する第1の保存部と、障害のカテゴリ毎に設定される対処策に係わる対処策情報を保存する第2の保存部と、端末装置の動作状態および通信状態を表す端末関連情報を含む提案依頼を受信したときに、前記提案依頼に含まれる端末関連情報と前記第1の保存部に保存されている端末関連情報との比較に基づいて、前記提案依頼の送信元の端末装置において発生した障害のカテゴリを決定するカテゴリ決定部と、前記カテゴリ決定部により決定されたカテゴリを用いて前記第2の保存部に保存されている対処策情報を検索することにより、前記カテゴリ決定部により決定されたカテゴリに対応する対処策を特定する対処策特定部と、前記対処策特定部により特定された対処策を前記提案依頼の送信元に提示する対処策提示部と、を備える。
上述の態様によれば、ネットワーク接続を含む情報処理に係わる障害に対して適切な対処策を提案できる。
図1は、本発明の実施形態に係わるシステム構成の一例を示す。図1において、対処策提案装置1は、端末装置2と通信可能に構成されている。すなわち、端末装置2は、ネットワークを介して対処策提案装置1に接続することができる。また、端末装置2は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等の通信機能を有する情報処理機器により実現される。
端末装置2において障害が発生したとき、端末装置2は、ユーザからの指示に応じて、対処策提案装置1に対してその障害の対処策の提案を依頼することができる。例えば、端末装置2aは、ユーザAからの指示に応じて、対処策提案装置1に対して障害の対処策の提案を依頼できる。障害は、端末装置2の動作の異常および端末装置2による通信の異常を含む。そして、端末装置2は、端末装置2の動作状態および通信状態を表わす端末関連情報を取得し、その端末関連情報を対処策提案装置1に送信する。そうすると、対処策提案装置1は、端末装置2からの依頼に応じて1または複数の対処策を提示する。
ユーザは、対処策提案装置1から提示された対処策を実行する。そして、ユーザは、提示された対処策の実行結果を対処策提案装置1に通知する。例えば、対処策提案装置1から対処策K1~K3が提示され、ユーザが対処策K3を実行することで問題が解決したものとする。この場合、対処策K3を実行することで問題が解決したことを表す評価結果が端末装置2から対処策提案装置1に送信される。
対処策提案装置1は、各端末装置2から受信した端末関連情報をデータベースに蓄積する。このとき、端末関連情報は、障害のカテゴリ毎にグループ化されて記憶装置に保存される。また、端末関連情報は、ユーザにより実行された対処策に紐づけて記憶装置に保存される。そして、対処策提案装置1は、問題を解決するための対処策の提案の依頼を受信すると、これらの情報に基づいて対処策を特定して提示する。
図2は、障害に対する対処策の提案を対処策提案装置1に依頼するときの端末装置2の処理の一例を示すフローチャートである。なお、この実施例では、端末装置2の動作状態および通信状態を診断する診断プログラムが端末装置2にインストールされているものとする。
障害発生時には、端末装置2のユーザは、この診断プログラムを使用する。診断プログラムが起動されると、端末装置2の表示デバイスに初期画面が表示される。初期画面は、診断開始ボタンを含む。そして、ユーザにより診断開始ボタンが押下されると、診断プログラムにより図2に示すフローチャートの処理が実行される。
S1において、診断プログラムは、端末装置(図2では、PC)2の動作状態を診断する。たとえば、診断プログラムは、アプリケーションインタフェース等を利用して、端末装置2のCPUの使用率およびメモリの使用率などを検出する。そして、診断プログラムは、端末装置2において障害が発生しているか否かを判定する。一例としては、CPU/メモリの使用率が50パーセント以下であれば「良好(○)」、51~90パーセントであれば「警告(△)」、90パーセントを越えるときは「異常(×)」と判定される。この後、診断プログラムは、S2において、端末装置2の動作状態についての判定結果を表示デバイスに表示する。
S3において、診断プログラムは、端末装置2とルータとの間が有線接続であるか無線接続(図2では、WiFi)であるかを判定する。また、診断プログラムは、アプリケーションインタフェース等を利用して、信号強度および使用周波数帯などを検出する。そして、診断プログラムは、端末装置2において障害が発生しているか否かを判定する。例えば、WiFiの信号レベル(RSSI:Received Signal Strength Indicator)が-60dBm以上であれば「良好(○)」、-61dBm~-70dBmであれば「警告(△)」、-70dBmより低ければ「異常(×)」と判定される。この後、診断プログラムは、S4において、端末装置2とルータとの間の接続状態についての判定結果を表示デバイスに表示する。
S5において、診断プログラムは、インターネット環境を診断する。例えば、診断プログラムは、WebAPIまたはHTTP/ICMPなどを利用して、端末装置2とサーバコンピュータとの間の疎通状態などを確認する。そして、診断プログラムは、インターネット環境に障害が発生しているか否かを判定する。一例としては、診断プログラムは、インターネット上に設けられているDNSサーバにDNSパケットを送信し、名前解決が成功したときには「良好(○)」、名前解決が失敗したときには「異常(×)」と判定される。この後、診断プログラムは、S6において、インターネット環境についての判定結果を表示デバイスに表示する。
S7において、診断プログラムは、端末装置2が利用しているサービス(または、アプリケーソン)の状態を診断する。例えば、診断プログラムは、WebAPIまたはHTTP/ICMPなどを利用して、スループット、遅延時間、ジッタ(ゆらぎ)、パケット損失率(一定時間枠またはバースト)、経路の安定性などを検出する。そして、診断プログラムは、サービスの状態が正常であるか否かを判定する。すなわち、対象サービスの通信要件が満たされているか否かが判定される。一例としては、スループットが2Mbps以上、遅延時間が100ミリ秒以下、ジッタが任意の15秒間隔で30ミリ秒以下、かつパケット損失率が任意の15秒間隔で1パーセント以下であれば「良好(○)」、いずれか1つの項目が満たされないときは「警告(△)」、すべての項目が満たされないときは「異常(×)」と判定される。この後、診断プログラムは、S8において、サービスの状態についての判定結果を表示デバイスに表示する。なお、S7~S8は、サービス毎に実行される。
S9において、診断プログラムは、S1~S8の診断において「異常」が検出されたか否かを判定する。そして、「異常」が検出されたときは、診断プログラムは、S10において、S1~S8において得られた診断結果(即ち、端末装置2の動作状態および通信状態を表す端末関連情報)を含む提案依頼を対処策提案装置1に送信する。
図3は、提案依頼の一例を示す。提案依頼は、端末装置2において実行された診断プログラムを識別するクライアントIDおよび診断結果を含む。診断結果は、端末装置2の動作状態および通信状態を表す端末関連情報に相当し、文字列として、JSON形式などでhttp/httpsを用いて対処策提案装置1に送信される。なお、図3に示す実施例では、端末装置2は、リモート会議サービスを使用している。そして、端末装置2の動作状態およびインターネット環境は「良好」である。ただし、ルータからの受信レベルがやや低く、WiFi環境は「警告」である。また、リモート会議サービスにおける遅延時間が大きく、その診断結果は「異常」である。
図4は、対処策提案装置1の構成の一例を示す。対処策提案装置1は、カテゴリ決定部11、対処策特定部12、対処策提示部13、テーブル更新部14、端末関連情報データベース21、リコメンドテーブル22を備える。なお、対処策提案装置1は、図4に示していない他の機能または要素を備えてもよい。
図5(a)は、端末関連情報データベース21の一例を示す。端末関連情報データベース21には、対処策提案装置1が過去に受信した提案依頼に含まれていた端末関連情報が保存される。図5(a)に示す例では、クライアントEVUEKJDJ、クライアントCIONBNKS、・・・、クライアントSHJSBVNK、クライアントJGIRHUBM・・・から受信した端末関連情報が端末関連情報データベース21に保存されている。
端末関連情報は、障害に対応するカテゴリ毎にグループ化されて端末関連情報データベース21に保存される。各障害カテゴリの内容は、例えば、対処策提案装置1の管理者により予め定義される。この実施例では、端末装置2と対象サービスを提供するサーバとの間の疎通の有無、対象サービスが要求する通信条件、WiFiの電波強度、端末装置2が使用しているオペレーティングシステムなどの組合せに基づいて障害カテゴリが定義される。例えば、障害カテゴリERR_0105は、端末装置2と対象サービスを提供するサーバとの間の疎通が良好であり、且つ、対象サービスにおいて遅延時間が許容値を超えており、且つ、WiFiの電波強度が警告レベルであり、且つ、端末装置のオペレーティングシステムがW_ver10である状態を識別する。また、障害カテゴリERR_0101は、端末装置2と対象サービスを提供するサーバとの間の疎通が不良であり、且つ、対象サービスにおいてジッタが許容値を超えており、且つ、対象サービスにおいてパケット損失率が許容値を超えており、且つ、WiFiの電波強度が異常レベルであり、且つ、端末装置2のオペレーティングシステムがW_ver8である状態を識別する。なお、端末関連情報データベース21は、各端末装置の動作状態および通信状態を表す端末関連情報を障害のカテゴリ毎にグループ化して保存する保存部の一例である。
図5(b)は、リコメンドテーブル22の一例を示す。リコメンドテーブル22には、各障害カテゴリに対する対処策が登録されている。この実施例では、障害カテゴリERR_0105に対して3つの対処策K1~K3が登録されている。なお、各障害カテゴリに対して登録される対処策は、例えば、対処策提案装置1の管理者により予め決定される。或いは、後で記載するが、ユーザからの通知に基づいて対処策が追加されるようにしてもよい。
加えて、リコメンドテーブル22には、各対処策について解決数が登録される。解決数は、ユーザに対して提案した対処策がそのユーザにより実行され、実際に問題が解決したケースの数を表す。この実施例では、「ERR_0105」により識別される障害に対して対処策K1~K3が提案され、対処策K1を実行することで問題が解決したケースが50件、対処策K2を実行することで問題が解決したケースが100件、対処策K3を実行することで問題が解決したケースが70件あったことを表している。なお、リコメンドテーブル22は、障害カテゴリ毎に設定される1または複数の対処策に係わる対処策情報を保存する保存部の一例である。この場合、図5(b)に示す「対処策」および「解決数」は、対処策に係わる対処策情報の一例である。
図4の説明に戻る。図4において、対処策提案装置1に提案依頼が到着すると、カテゴリ決定部11、対処策特定部12、および対処策提示部13は、1または複数の対処策を特定して提案依頼の送信元に提示する。
カテゴリ決定部11は、対処策提案装置1に到着した提案依頼に係わる障害が属するカテゴリを決定する。このとき、カテゴリ決定部11は、端末関連情報データベース21において、提案依頼に含まれる端末関連情報と最も類似する端末関連情報を含むクライアントIDを特定する。図5(a)に示す例では、端末装置2と対象サービスを提供するサーバとの間の疎通の有無、対象サービスが要求する通信条件、WiFiの電波強度、端末装置2が使用しているオペレーティングシステムの組合せに基づいてクライアントIDが特定される。なお、数値データの比較においては、閾値範囲(例えば、±5パーセント)を設定してもよい。
例えば、図3に示す提案依頼が対処策提案装置1に到着するものとする。このケースでは、提案依頼の送信元の端末装置2において、対象サービスを提供するサーバとの間の疎通が良好であり、対象サービスの遅延時間が115ミリ秒であり、WiFiの電波強度が-63dBmである。そして、この提案依頼に含まれる端末関連情報は、図5(a)に示す端末関連情報データベース21の1番目または2番目のレコードに記録されている端末関連情報と類似する。よって、この場合、「障害カテゴリID=ERR_0105」が得られる。すなわち、カテゴリ決定部11は、提案依頼の送信元において、「ERR_0105」により識別される障害が発生していると推定する。なお、対処策提案装置1に新たに到着した提案依頼に含まれる端末関連情報は、カテゴリ決定部11が決定した障害カテゴリIDに紐づけられて端末関連情報データベース21に追加される。
対処策特定部12は、カテゴリ決定部11が決定した障害カテゴリIDを用いてリコメンドテーブル22を参照し、その障害カテゴリに対応する対処策を特定する。この実施例では、上述したように、カテゴリ決定部11により「障害カテゴリID=ERR_0105」が得られている。この場合、対処策特定部12は、「ERR_0105」を用いて図5(b)に示すリコメンドテーブル22を検索することにより、複数の対処策K1~K3を得る。
対処策提示部13は、予め決められているポリシに基づいて、対処策特定部12により特定された対処策の中から1または複数の対処策を提示する。一例としては、対処策提示部13は、「解決数が多い順に所定数の対処策を提示する」というポリシに従って対処策を提示する。図5(b)に示す例では、対処策K1、K2、K3により問題が解決したケースがそれぞれ50件、100件、70件である。この場合、所定数が「2」であれば、対処策K2および対処策K3が順番に提示される。また、所定数が「3」であれば、対処策K2、対処策K3、および対処策K1が順番に提示される。
対処策提示部13により提示される1または複数の対処策は、提案データとして、提案依頼の送信元の端末装置2に送られる。そうすると、端末装置2は、提示された対処策を表示する。すなわち、端末装置2のユーザに対処策が提示される。
図6は、端末装置2に表示される診断結果および対処策の提案の一例を示す。この実施例では、端末装置2は、リモート会議アプリを実行しようとしている。なお、図6において、「PC」「WiFi」「インターネット」「VPN」「リモート会議」に付与されている「OK」または「NG」は、端末装置2にインストールされている診断プログラムによる診断結果を表す。また、「診断結果」に係わる記述も診断プログラムにより作成される。
対処策は、対処策提案装置1から通知される。この実施例では、対処策提案装置1により3つの対処策が提示されている。ここで、3つの対処策は、他のユーザによる評価結果に基づく順番で表示される。具体的には、3つの対処策は、好意的な評価の数が多い対処策から順番に並べられている。すなわち、205件の好意的な評価が与えられた対処策が最も上部に表示され、84件の好意的な評価が与えられた対処策が2番目に表示され、3件の好意的な評価が与えられた対処策が最も下部に表示されている。尚、図6に示す「好意的な評価」の数は、図5(b)に示す解決数に相当する。
端末装置2のユーザは、対処策提案装置1から提示された対処策を実行する。このときユーザは、好意的な評価が多い対処策から順番に実行すると考えられる。そして、ユーザは、対処策についての評価を対処策提案装置1に通知する。例えば、対処策を実行することで問題が解決した場合は、ユーザは、実行した対処策に対して「笑顔」を表すアイコンを選択する。一方、対処策を実行しても問題が解決した場合は、ユーザは、実行した対処策に対して「不満顔」を表すアイコンを選択する。そうすると、ユーザにより選択されたアイコンを識別する情報が端末装置2から対処策提案装置1に送信される。この結果、対処策提案装置1は、提示した対処策に対する評価結果(すなわち、提示した対処策によって問題が解決したか否か)を認識できる。なお、図6に示す実施例では、各対処策が2つレベルで評価されているが、3以上のレベルで評価が行われるようにしてもよい。
対処策提案装置1は、端末装置2から評価結果を受信すると、リコメンドテーブル22を更新する。すなわち、テーブル更新部14は、端末装置2から受信する評価結果に基づいてリコメンドテーブル22を更新する。例えば、図5(b)に示すリコメンドテーブル22に基づいて端末装置2に対処策K1~K3が提示され、端末装置2のユーザが対処策K2を実行することにより問題が解決したものとする。この場合、対処策K2により問題が解決したことを表す評価結果が端末装置2から対処策提案装置1に通知される。そうすると、テーブル更新部14は、リコメンドテーブル22において、対処策K2の解決数をインクリメントする。
なお、端末関連情報データベース21およびリコメンドテーブル22は、記憶装置20に保存される。記憶装置20は、例えば、対処策提案装置1を実現するコンピュータ内に実装される。或いは、記憶装置20は、対処策提案装置1を実現するコンピュータに接続される。
また、カテゴリ決定部11、対処策特定部12、対処策提示部13、テーブル更新部14は、対処策提案装置1を実現するコンピュータ内に実装されるプロセッサ10が対処策提案プログラム23を実行することにより実現される。なお、対処策提案プログラム23は、図4に示す例では記憶装置20に保存されているが、本発明の実施形態はこの構成に限定されるものではない。例えば、対処策提案プログラム23は、コンピュータに着脱可能な記録媒体に記録されていてもよい。この場合、プロセッサ10は、この記録媒体から対処策提案プログラム23を読み込んで実行する。あるいは、対処策提案プログラム23は、ネットワーク上に設けられた不図示のプログラムサーバに保存されてもよい。この場合、プロセッサ10は、このプログラムサーバから対処策提案プログラム23を取得して実行する。
図7は、端末装置2および対処策提案装置1の処理シーケンスの一例を示す。なお、端末関連情報データベース21およびリコメンドテーブル22は、記憶装置20に保存されているものとする。
端末装置2のユーザは、端末装置2の動作状態または通信状態の異常に気づいたときには、端末装置2に実装されている診断プログラムを使用して対処策の提案を受けることができる。この場合、ユーザは、診断プログラムを起動することで表示される初期画面において、診断開始ボタンを押下する。そうすると、端末装置2において診断プログラムにより図2に示すフローチャートの処理が実行される。この結果、端末装置2の動作状態および通信状態を表す端末関連情報が自動的に収集され、障害の有無が判定される。そして、障害が発生しているときは、端末装置2は、端末関連情報を含む提案依頼を対処策提案装置1に送信する。
対処策提案装置1は、提案依頼を受信すると、記憶装置20に保存されている端末関連情報データベース21およびリコメンドテーブル22を参照して、端末装置2において発生している障害に対する対処策を特定する。そして、対処策提案装置1は、特定した対処策を端末装置2に提示する。なお、提案依頼に応じて対処策を特定して提示する処理は、後でフローチャートを参照して説明する。
端末装置2は、対処策提案装置1から提示される対処策を表示デバイスに表示する。例えば、図6に示すように、複数の対処策が提示される。この場合、複数の対処策は、他のユーザにより実行され、問題の解決に至った件数が多い順に表示される。そして、端末装置2のユーザは、対処策を実行する。
この後、ユーザは、対処策の評価を入力する。例えば、提示された対処策の中のある対処策を実行することにより問題が解決したときは、ユーザは、その対処策に対して、問題が解決したことを表す評価結果を入力する。一方、提示された対処策の中のある対処策を実行しても問題が解決しなかったときは、ユーザは、その対処策に対して、問題が解決しなかったことを表す評価結果を入力する。なお、対処策提案装置1から提示された対処策を実行しても問題が解決せず、他の対処策(以下、代替策)を実行することで問題が解決したときには、ユーザは、その代替策の内容を対処策提案装置1に通知してもよい。
対処策提案装置1は、端末装置2から評価結果または代替策を表す情報を受信する。そうすると、対処策提案装置1は、リコメンドテーブル22を更新する。すなわち、評価結果を受信したときは、対処策提案装置1は、リコメンドテーブル22において対応する対処策の解決数を更新する。例えば、図5(b)に示す対処策K1~K3が端末装置2に提示され、対処策K2により問題が解決した旨の評価結果が対処策提案装置1に到着したものとする。この場合、対処策K2の解決数が100人から101人に更新される。一方、代替策を表す情報を受信したときは、対処策提案装置1は、その代替策を「対処策K4」としてリコメンドテーブル22に追加する。
図8は、対処策提案装置1の処理の一例を示すフローチャートである。なお、このフローチャートの処理は、端末装置2から提案依頼が送信されたときに実行される。提案依頼は、上述したように、端末装置2の動作状態および通信状態を表す端末関連情報を含む。ここで、提案依頼は、端末装置2において異常が検出されたときに送信される。よって、端末関連情報は、実質的に、端末装置2において発生した障害の内容を表す。
S11において、対処策提案装置1は、端末装置2から提案依頼を受信する。即ち、対処策提案装置1は、端末装置2動作状態および通信状態を表す端末関連情報を受信する。
S12~S13において、カテゴリ決定部11は、端末装置2から受信した端末関連情報と端末関連情報データベース21に保存されている端末関連情報とを比較する。具体的には、カテゴリ決定部11は、端末関連情報データベース21から、端末装置2から受信した端末関連情報と一致する端末関連情報を抽出する。また、端末装置2から受信した端末関連情報と一致する端末関連情報が見つからないときは、カテゴリ決定部11は、端末関連情報データベース21から、受信した端末関連情報に最も類似する端末関連情報を抽出する。そして、S14において、カテゴリ決定部11は、受信した端末関連情報が、抽出した端末関連情報と同じ障害カテゴリに属すると判定する。すなわち、端末装置2において発生している障害のカテゴリが決定される。
S15において、対処策特定部12は、S14で決定した障害カテゴリに対応する対処策を特定する。なお、各障害カテゴリに対して1または複数の対処策が予め対応づけられているものとする。例えば、図5(b)に示す例では、リコメンドテーブル22においてERR_0105により識別される障害カテゴリに対して3つの対処策K1~K3が対応づけられている。
S16において、対処策提示部13は、対処策特定部12により特定された対処策を、解決数が多い順に並べる。図5(b)に示すケースでは、対処策K2、対処策K3、対処策K1が順番に並べられる。そして、S17において、対処策提示部13は、解決数が多い順に並べられた複数の対処策を端末装置2に提示する。これにより、ユーザは、端末装置2において発生している障害を解決できる可能性が高い対処策を得ることができる。
S18において、対処策提案装置1は、S11で受信した端末関連情報を端末関連情報データベース21に追加する。このとき、S11で受信した端末関連情報は、S14で決定した障害カテゴリに対応づけて端末関連情報データベース21に保存される。例えば、端末関連情報データベース21が図5(a)に示す状態であり、対処策提案装置1が図3に示す端末関連情報を受信したときは、端末関連情報データベース21は図9(a)に示す状態に更新される。
この後、対処策提案装置1は、S19において、端末装置2からの応答を待ち受ける。そして、端末装置2から対処策提案装置1に対処策についての評価結果が到着すると、テーブル更新部14は、S20において、リコメンドテーブル22を更新する。すなわち、対処策提案装置1が提示した対処策により問題が解決したことを表す評価結果を受信したときには、テーブル更新部14は、対応する対処策の解決数をインクリメントする。例えば、リコメンドテーブル22が図5(b)に示す状態であり、ユーザが対処策K2を実行することで問題が解決したことを表す評価結果を受信したときには、リコメンドテーブル22は図9(b)に示す状態に更新される。なお、対処策提案装置1が端末装置2に対処策を提示したときから所定期間内に応答を受信できないときは、対処策提案装置1は、図8に示すフローチャートの処理を終了してもよい。
このように、本発明の実施形態に係わる対処策提案方法によれば、ユーザが端末装置2にインストールされている診断プログラムを起動すると、端末装置2において発生した障害の内容を表す端末関連情報(端末装置2の動作状態および通信情報を表す情報を含む)が自動的に収集されて対処策提案装置1に送信される。そして、対処策提案装置1は、その端末関連情報に基づいて端末装置2で発生している障害を推定し、対応する対処策を提示する。したがって、端末装置2のユーザは、ICTに係わる知識が十分でなくても、発生した障害に対して適切な対処策を得ることができる。
加えて、端末装置2からの提案依頼に対して複数の対処策がある場合、対処策提案装置1は、過去に実際に問題を解決した件数が多い順にそれら複数の対処策を並べて端末装置2のユーザに提示する。したがって、ユーザは、問題を解決できる可能性が高い対処策から順番に実行することができる。
図10~図11は、対処策提案装置1が端末装置2に対処策を提示する手順を模式的に示す。この実施例では、図10に示すように、ユーザXが対処策提案装置1に対処策の提案を依頼する。この場合、ユーザXが使用する端末装置から受信する端末関連情報と端末関連情報データベース21に保存されている端末関連情報とが比較される。ここで、受信した端末関連情報とユーザAの端末関連情報とが類似していると判定されるものとする。この場合、対処策提案装置1は、ユーザAの端末関連情報に付与されている障害カテゴリID「0105」でリコメンドテーブル22を検索して対応する対処策を特定する。この例では、3つの対処策(K1~K3)が得られる。
続いて、対処策提案装置1は、図11に示すように、特定した3つの対処策を解決数が多い順に並べ替える。そして、対処策提案装置1は、並替え後の対処策をユーザXの端末装置に送信する。この結果、ユーザXは、これらの対処策を得ることができる。
<バリエーション>
図2に示す実施例では、端末装置2で実行される診断において異常が検出されたときに対処策提案装置1に端末関連情報が送信されるが、本発明はこの手順に限定されるものではない。例えば、診断において異常が検出されるか否かにかかわらず、端末装置2から対処策提案装置1に端末関連情報が送信されるようにしてもよい。この場合、対処策提案装置1が異常の有無を判定する。そして、異常が検出されたときは、対処策提案装置1は、図8に示す手順で端末装置2に対処策を提示する。一方、異常が検出されないときは、対処策提案装置1は、正常である旨のメッセージを端末装置2に送信する。
図2に示す実施例では、端末装置2で実行される診断において異常が検出されたときに対処策提案装置1に端末関連情報が送信されるが、本発明はこの手順に限定されるものではない。例えば、診断において異常が検出されるか否かにかかわらず、端末装置2から対処策提案装置1に端末関連情報が送信されるようにしてもよい。この場合、対処策提案装置1が異常の有無を判定する。そして、異常が検出されたときは、対処策提案装置1は、図8に示す手順で端末装置2に対処策を提示する。一方、異常が検出されないときは、対処策提案装置1は、正常である旨のメッセージを端末装置2に送信する。
また、上述の実施例では、端末装置2から受信する端末関連情報と端末関連情報データベース21に保存されている端末関連情報とを比較することで、端末装置2において発生している障害のカテゴリが判定されるが、本発明はこの手順に限定されるものではない。例えば、各障害カテゴリを定義するパラメータの範囲を予め設定しておき、端末装置2から受信する端末関連情報と各障害カテゴリを定義するパラメータの範囲とを比較することで、端末装置2において発生している障害のカテゴリを判定してもよい。
1 対処策提案装置
2 端末装置
11 カテゴリ決定部
12 対処策特定部
13 対処策提示部
14 テーブル更新部
21 端末関連情報データベース
22 リコメンドテーブル
23 対処策提案プログラム
2 端末装置
11 カテゴリ決定部
12 対処策特定部
13 対処策提示部
14 テーブル更新部
21 端末関連情報データベース
22 リコメンドテーブル
23 対処策提案プログラム
Claims (6)
- 各端末装置の動作状態および通信状態を表す端末関連情報を障害のカテゴリ毎にグループ化して保存する第1の保存部および障害のカテゴリ毎に設定される対処策に係わる対処策情報を保存する第2の保存部にアクセス可能なプロセッサに、
端末装置の動作状態および通信状態を表す端末関連情報を含む提案依頼を受信したときに、前記提案依頼に含まれる端末関連情報と前記第1の保存部に保存されている端末関連情報との比較に基づいて、前記提案依頼の送信元の端末装置において発生した障害のカテゴリを決定し、
決定したカテゴリを用いて前記第2の保存部に保存されている対処策情報を検索することにより、決定したカテゴリに対応する対処策を特定し、
特定した対処策を前記提案依頼の送信元に提示する
処理を実行させる対処策提案プログラム。 - 前記対処策情報は、各対処策についてのユーザによる評価を表す情報を含み、
前記提案依頼に対して複数の対処策を特定したときに、前記評価に基づく順に前記複数の対処策を並べて前記提案依頼の送信元に提示する処理を前記プロセッサにさらに実行させる
ことを特徴とする請求項1に記載の対処策提案プログラム。 - 前記対処策情報は、各対処策について当該対処策を実行することにより問題が解決した数を表す解決数を含み、
前記提案依頼に対して複数の対処策を特定したときは、前記解決数の多い順に前記複数の対処策を並べて前記提案依頼の送信元に提示する処理を前記プロセッサにさらに実行させる
ことを特徴とする請求項1に記載の対処策提案プログラム。 - 第1の対処策を実行することにより問題が解決したことを表す情報を受信したときに、前記第2の保存部に保存されている対処策情報中の前記第1の対処策の解決数をインクリメントする処理を前記プロセッサにさらに実行させる
ことを特徴とする請求項3に記載の対処策提案プログラム。 - 各端末装置の動作状態および通信状態を表す端末関連情報を障害のカテゴリ毎にグループ化して保存する第1の保存部および障害のカテゴリ毎に設定される対処策に係わる対処策情報を保存する第2の保存部を備えるコンピュータを用いて、
端末装置の動作状態および通信状態を表す端末関連情報を含む提案依頼を受信したときに、前記提案依頼に含まれる端末関連情報と前記第1の保存部に保存されている端末関連情報との比較に基づいて、前記提案依頼の送信元の端末装置において発生した障害のカテゴリを決定し、
決定したカテゴリを用いて前記第2の保存部に保存されている対処策情報を検索することにより、決定したカテゴリに対応する対処策を特定し、
特定した対処策を前記提案依頼の送信元に提示する
ことを特徴とする対処策提案方法。 - 各端末装置の動作状態および通信状態を表す端末関連情報を障害のカテゴリ毎にグループ化して保存する第1の保存部と、
障害のカテゴリ毎に設定される対処策に係わる対処策情報を保存する第2の保存部と、
端末装置の動作状態および通信状態を表す端末関連情報を含む提案依頼を受信したときに、前記提案依頼に含まれる端末関連情報と前記第1の保存部に保存されている端末関連情報との比較に基づいて、前記提案依頼の送信元の端末装置において発生した障害のカテゴリを決定するカテゴリ決定部と、
前記カテゴリ決定部により決定されたカテゴリを用いて前記第2の保存部に保存されている対処策情報を検索することにより、前記カテゴリ決定部により決定されたカテゴリに対応する対処策を特定する対処策特定部と、
前記対処策特定部により特定された対処策を前記提案依頼の送信元に提示する対処策提示部と、
を備える対処策提案装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021020681A JP2022123392A (ja) | 2021-02-12 | 2021-02-12 | 対処策提案装置および対処策提案方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021020681A JP2022123392A (ja) | 2021-02-12 | 2021-02-12 | 対処策提案装置および対処策提案方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022123392A true JP2022123392A (ja) | 2022-08-24 |
Family
ID=82940404
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021020681A Pending JP2022123392A (ja) | 2021-02-12 | 2021-02-12 | 対処策提案装置および対処策提案方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022123392A (ja) |
-
2021
- 2021-02-12 JP JP2021020681A patent/JP2022123392A/ja active Pending
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