JP2022122672A - 植物育成施設、植物の栽培方法、植物育成用のled照明装置、植物の育成棚用の棚板及び植物の育成棚 - Google Patents

植物育成施設、植物の栽培方法、植物育成用のled照明装置、植物の育成棚用の棚板及び植物の育成棚 Download PDF

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Abstract

【課題】植物の生産量を向上させることが可能な、植物育成施設、植物の栽培方法、植物育成用のLED照明装置、植物の育成棚用の棚板及び植物の育成棚を提供する。【解決手段】植物育成施設90は、第1の育成領域80Aと第2の育成領域80Bとを有する。第1の育成領域80Aは、色温度が4500K以上5500K以下の光を照射する第1の照明装置20Aを有し、第2の育成領域80Bは、色温度が2500K以上3500K以下の光を照射する第2の照明装置20Bを有する。【選択図】図1

Description

本開示は、植物育成施設、植物の栽培方法、植物育成用のLED照明装置、植物の育成棚用の棚板及び植物の育成棚に関する。
植物育成工場において用いる照明装置として、従来の蛍光灯や高圧ナトリウムランプ等に替えて、近年、消費電力が少ないLEDを光源とする照明装置の需要が拡大している。
LEDを光源とする照明装置を用いた植物育成工場の一例として、植物の育成棚の棚板に、LEDを光源とする直管型の植物育成灯を複数配置した植物育成装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
フレキシブルタイプの回路基板に複数のLEDチップを配置して面状の光源を形成した植物育成用のLED照明装置も提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開2008-118957号公報 特開2013-251230号公報
本開示は、植物の生産量を向上させることが可能な、植物育成施設、植物の栽培方法、植物育成用のLED照明装置、植物の育成棚用の棚板及び植物の育成棚を提供する。
本実施の形態による植物育成施設は、第1の育成領域と第2の育成領域とを有する植物育成施設であって、前記第1の育成領域は、色温度が4500K以上5500K以下の光を照射する第1の照明装置を有し、前記第2の育成領域は、色温度が2500K以上3500K以下の光を照射する第2の照明装置を有する。
本実施の形態による植物育成施設において、400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとしたとき、前記第1の照明装置が照射する光の発光スペクトルは、0.54≦B/G≦0.72、かつ、0.59≦R/G≦0.77という関係を満たし、前記第2の照明装置が照射する光の発光スペクトルは、0.26≦B/G≦0.44、かつ、0.89≦R/G≦1.17という関係を満たしてもよい。
本実施の形態による植物育成施設において、前記第1の照明装置は、育苗用の照明装置であり、前記第2の照明装置は、栽培用の照明装置であってもよい。
本実施の形態による植物の栽培方法は、植物の栽培方法であって、色温度が4500K以上5500K以下の光を前記植物に照明する育苗工程と、色温度が2500K以上3500K以下の光を前記植物に照明する栽培工程と、を有する。
本実施の形態による植物の栽培方法において、400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとしたとき、前記育苗工程で用いる光の発光スペクトルは、0.54≦B/G≦0.72、かつ、0.59≦R/G≦0.77という関係を満たし、前記栽培工程で用いる光の発光スペクトルは、0.26≦B/G≦0.44、かつ、0.89≦R/G≦1.17という関係を満たしてもよい。
本実施の形態による植物の栽培方法において、前記育苗工程と、前記栽培工程との間に、前記植物の定植を行う定植工程を含んでもよい。
本実施の形態による植物育成用のLED照明装置は、複数のLEDチップが配置された、植物育成用のLED照明装置であって、前記LEDチップからの光の色温度は、4500K以上5500K以下であり、400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとしたとき、前記LEDチップが照射する光の発光スペクトルは、0.54≦B/G≦0.72、かつ、0.59≦R/G≦0.77という関係を満たす。
本実施の形態による植物育成用のLED照明装置において、最も厚い部分における厚みが5mm以下であり、基板フィルムと、前記基板フィルムの表面に形成された金属配線部とを備え、前記複数のLEDチップは、前記金属配線部に実装されていてもよい。
本実施の形態による植物育成用のLED照明装置において、育苗用の照明装置であってもよい。
本実施の形態による植物の育成棚用の棚板は、基板と、前記基板に取り付けられた、本実施の形態による植物育成用のLED照明装置を備えている。
本実施の形態による植物の育成棚は、植物の育成棚であって、棚板を備え、前記棚板は、基板の下面側に取り付けられた、本実施の形態による植物育成用のLED照明装置を備えている。
本実施の形態による植物の育成棚において、前記植物育成用のLED照明装置は、前記棚板の側面側にも更に配置されていてもよい。
本実施の形態によれば、植物の生産量を向上させることができる。
図1は、一実施の形態による植物育成施設を示す概略斜視図である。 図2は、一実施の形態による第1の育成棚及び第2の育成棚を示す概略斜視図である。 図3は、一実施の形態によるLED照明モジュールを示す概略図である。 図4は、一実施の形態によるLED照明シートを示す平面図である。 図5(a)-(b)は、LED照明シートの変形例を示す平面図である。 図6(a)は、制御部からLED照明シートに定電圧が印加される場合における時間と電圧の関係を示すグラフであり、図6(b)は、比較例としてLED照明シートにパルスが印加される場合における時間と電圧の関係を示すグラフである。 図7は、一実施の形態によるLED照明シートを示す断面図(図4のVII-VII線断面図)である。 図8は、第1のLED照明シートのLEDチップからの光の発光スペクトルを示す図である。 図9は、第2のLED照明シートのLEDチップからの光の発光スペクトルを示す図である。 図10(a)-(h)は、一実施の形態によるLED照明シートの製造方法を示す断面図である。 図11(a)-(b)は、植物の育成棚の変形例を示す図である。 図12は、実施例1、比較例1及び比較例2のそれぞれについて、定植時の植物の葉の厚み、定植時の植物の生体重、定植時の植物の草丈を比較するグラフである。 図13は、実施例1、比較例1及び比較例2のそれぞれについて、定植後の植物の生体重を比較するグラフである。 図14は、実施例2、比較例3及び比較例4のそれぞれについて、定植後の植物の生体重を比較するグラフである。
本実施の形態による植物育成施設は、第1の育成領域と第2の育成領域とを有する。このうち第1の育成領域は、色温度が4500K以上5500K以下の光を照明する第1の照明装置を有し、第2の育成領域は、色温度が2500K以上3500K以下の光を照射する第2の照明装置を有する。
本実施の形態による植物育成施設において、第1の育成領域は、色温度が4500K以上5500K以下の光を照射する第1の照明装置を有し、第2の育成領域は、色温度が2500K以上3500K以下の光を照射する第2の照明装置を有する。このため、植物の育成段階に応じて、植物を最適な光源下に移動して育成することができる。これにより、植物の育成量を増やすことができ、植物を良好な収量で得ることができる。例えば、植物育成の前期である育苗期間には、第1の照明装置により色温度が4500K以上5500K以下の光を植物に照射し、植物育成の後期である栽培期間には、第2の照明装置により色温度が2500K以上3500K以下の光を植物に照射することにより、植物を適切な光源下で育成することができる。また、本実施の形態は、とりわけ植物のうち葉物野菜に適用すると、より効果的である。
本実施の形態による植物の栽培方法において、色温度が4500K以上5500K以下の光を植物に照明する育苗工程と、色温度が2500K以上3500K以下の光を植物に照明する栽培工程と、を有する。
植物育成の前期である育苗期間に色温度が4500K以上5500K以下の光を植物に照射することにより、植物をコンパクトかつ頑丈に成長させることができる。これにより、育苗期間が完了した後、植物を定植するときに株が倒れることを抑え、定植の作業効率が低下することを抑えることができる。また定植時に株が倒れることを抑えることにより、植物の生長が停滞しないようにすることができる。さらに、育苗期間に、色温度が4500K以上5500K以下の光を植物に照射することにより、植物の成長のばらつきを低減することができる。これにより、育成される植物の大きさや品質を一定の規格の範囲に収めて不適合品を減らすことができる。
また、植物育成の後期である栽培期間に色温度が2500K以上3500K以下の光を植物に照射することにより、植物の成長を早め、植物の栽培日数を減らすことができる。これにより、単位面積当たりの植物の生産量を向上させることができる。栽培期間は、植物が大きく育つ段階であるため、育苗期間と比較して植物育成施設に多くのスペースが必要とされる。このため、植物の成長を早め、栽培期間の日数を減らすことにより、植物の生産サイクルを飛躍的に向上させることができる。これにより、植物の単位面積当たりの生産量を上げることができる。
本実施の形態による植物育成施設において、400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとする。このとき、第1の照明装置が照射する光の発光スペクトルは、0.54≦B/G≦0.72、かつ、0.59≦R/G≦0.77という関係を満たす。また第2の照明装置が照射する光の発光スペクトルは、0.26≦B/G≦0.44、かつ、0.89≦R/G≦1.17という関係を満たす。これにより、育苗期間には、植物をコンパクトかつ頑丈に成長させることができ、定植の作業効率が低下することを抑えることができる。また栽培期間には、植物の成長を早め、植物の栽培日数を減らすことにより、単位面積当たりの植物の生産量を向上させることができる。
ところで、人工光によって植物を栽培する植物育成施設の主な課題としては、採算性を向上させることが挙げられている。採算性を向上させる要素としては、例えば、単価の高い栽培対象物を選定することの他、短期間で大きく育てるための生育促進や、イニシャルコストやランニングコストといったコストの低減等が考えられる。例えば、光合成を促進することにより生育を促進する案として、赤色LEDチップ及び青色LEDチップの2種類のLEDチップを使用した生育コントロール技術がある。しかしながら、2種類のLEDチップを使用する場合、2種類のLEDチップを準備する必要があり、コストの低減を図ることが困難である。また、近年、葉物野菜であっても、緑色の光を吸収して光合成を行うことが証明されている。このため、光源としては、白色LEDチップで十分であり、大量生産されている白色LEDチップを用いたLED照明装置によって植物を効率良く育成することが望まれている。これに対して、本実施の形態によれば、第1の照明装置は、色温度が4500K以上5500K以下の光を照射し、第2の照明装置は、色温度が2500K以上3500K以下の光を照射する。このため、LEDチップとして大量生産されている白色LEDチップを用いることができるので、LED照明装置のコストを抑えることができる。
以下、図面を参照しながら一実施の形態について具体的に説明する。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
(植物育成施設及び植物の育成棚)
図1は、本実施の形態による植物育成施設90の構成を模式的に示す図である。本実施の形態による植物育成施設90は、第1の育成棚80Aと第2の育成棚80Bとを備えている。このうち第1の育成棚80Aは、植物育成の前期である育苗期間にある植物を育成する植物の育成棚であり、第2の育成棚80Bは、植物育成の後期である栽培期間にある植物を育成する植物の育成棚である。この場合、第1の育成棚80Aと第2の育成棚80Bは、同一のスペースの棚を有しているが、これに限られるものではない。植物のサイズが相対的に小さい育苗用の第1の育成棚80Aは、植物のサイズが相対的に大きい栽培用の第2の育成棚80Bよりも小さくても良い。また、第1の育成棚80Aの棚間距離(上下方向距離)は、第2の育成棚80Bの棚間距離よりも小さくても良い。本実施の形態において、第1の育成棚80Aが第1の育成領域に対応し、第2の育成棚80Bが第2の育成領域に対応する。しかしながら、これに限らず、1つの育成棚に、第1の育成領域と第2の育成領域とが両方とも配置されていても良い。例えば、1つの育成棚の上部(下部)に第1の育成領域を配置し、下部(上部)に第2の育成領域を配置しても良い。以下、第1の育成棚80Aと第2の育成棚80Bとをまとめて、育成棚80A、80Bともいう。
本明細書において、育苗期間とは、植物育成の前期の段階であり、播種の後、植物が一定の体重となるまでの期間をいう。植物が定植される場合には、育苗期間とは定植までの期間をいう。栽培期間とは、植物育成後期の段階であり、植物が一定の体重となるまで成長した後、植物を収穫するまでの期間をいう。植物が定植される場合には、栽培期間とは定植されてからの期間をいう。また定植とは、植物を収穫まで栽培する圃場(第2の育成領域)に、その植物を植え付けることをいう。また、上述した育苗と定植と栽培とをあわせて育成という。
図1に示すように、植物育成施設90は、人工光を用いた植物育成工場である。この植物育成施設90は、第1の育成棚80Aと第2の育成棚80Bとを収容する建物91を備えている。なお、本明細書中、植物育成施設とは、植物育成工場のほか、植物育成システム、植物育成室、植物育成工場等を含む概念である。
次に、図2を参照して、第1の育成棚80Aと第2の育成棚80Bとについて更に説明する。本実施の形態において、育苗期間用の第1の育成棚80Aは、色温度が4500K以上5500K以下の光を照射する、第1のLED照明シート(第1の照明装置)20Aを有する。栽培期間用の第2の育成棚80Bは、色温度が2500K以上3500K以下の光を照射する、第2のLED照明シート(第2の照明装置)20Bを有する。以下、第1のLED照明シート20Aと第2のLED照明シート20Bとをまとめて、LED照明シート20A、20Bともいう。
また、400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとする。このとき、第1のLED照明シート20Aが照射する光の発光スペクトルは、0.54≦B/G≦0.72、かつ、0.59≦R/G≦0.77という関係を満たす。また、第2のLED照明シート20Bが照射する光の発光スペクトルは、0.26≦B/G≦0.44、かつ、0.89≦R/G≦1.17という関係を満たす。
図2に示すように、第1のLED照明シート20Aには、第1のLED照明シート20Aを制御する制御部40が電気的に接続されている。第1のLED照明シート20Aと、制御部40とにより、第1のLED照明モジュール10Aが構成されている。また第2のLED照明シート20Bには、第2のLED照明シート20Bを制御する制御部40が電気的に接続されている。第2のLED照明シート20Bと、制御部40とにより、第2のLED照明モジュール10Bが構成されている。以下、第1のLED照明モジュール10Aと第2のLED照明モジュール10Bとをまとめて、LED照明モジュール10A、10Bともいう。
図2に示すように、第1の育成棚80Aと第2の育成棚80Bは、それぞれ複数(4本)の支柱82と、支柱82に沿ってそれぞれ上下方向に間隔を空けて配置された複数の基板81とを有している。最上段の基板81を除く各基板81の上面には、植物PLを栽培するための培地領域が設けられている。最下段の基板81を除く各基板81の下面は、当該基板81の下方に位置する基板81に対して天井面を構成しており、各LED照明シート20A、20Bが並列に配置されている。この場合、制御部40は各LED照明シート20A、20Bから十分に離れた場所に配置される。このため、制御部40に近い位置にある植物PLと遠い位置にある植物PLとで、制御部40からの熱によって生育にばらつきが生じるおそれが少ない。また、基板81と、基板81の下面側に取り付けられたLED照明シート20A、20Bとにより、植物の育成棚用の棚板83が構成される。あるいは、基板81と、基板81の下面側に取り付けられた各LED照明モジュール10A、10Bとにより、植物の育成棚用の棚板83が構成される。本実施の形態において、このような植物の育成棚用の棚板83(図2)、植物の育成棚80A、80B(図2)、及び植物の育成棚80A、80Bを備えた植物育成施設90(図1)も提供する。
後述するように、本実施の形態によるLED照明シート20A、20Bは可撓性と軽量性を有するので、各基板81の下面へのLED照明シート20A、20Bの取付けは、従来の直管型の照明装置等による取付けよりも容易に行うことができる。さらに、LED照明シート20A、20Bが可撓性を有することにより、LED照明シート20A、20Bを、様々なサイズや形状からなる天井面へ取り付けることができる。この結果、本実施の形態によるLED照明シート20A、20Bは、様々な育成棚80A、80Bや植物育成施設90へ適用することができる。
また、LED照明シート20A、20Bは、従来の直管型の照明装置と比較して薄型化されている。これにより、上下方向の基板81の間隔を狭めることができ、各育成棚80A、80Bに含まれる基板81の数を増やすことができる。この結果、単位面積あたりの植物PLの収穫量を増加することができる。
(植物育成用のLED照明モジュール及びLED照明シート)
次に、図3乃至図9を参照して、本実施の形態によるLED照明モジュール10A、10B及びLED照明シート20A、20Bの構成について説明する。
図3に示すように、本実施の形態による植物育成用のLED照明モジュール10A、10Bは、人工光を用いた植物育成施設90(図1)内に設置され、植物を育成するものである。このようなLED照明モジュール10A、10Bは、上述したように、植物育成用のLED照明シート20A、20Bと、LED照明シート20A、20Bに電気的に接続された制御部40と、を備えている。
図4に示すように、LED照明シート20A、20Bは、いわゆる面状の光源シートであり、そのシート面の発光面側(使用時に植物方向を向く側)に複数のLEDチップ21が配列されたものである。このような直下型のLED照明シート20A、20Bを用いることで、LEDチップ21からの照射光がそのまま発光面を通過して直接直下の植物に到達するので、光量を強くして植物の育成の促進を図ることができ、また、シート全体の厚さを薄くしてLEDチップ21の側部側の影を発生しにくくすることができる。なお、図4では、直下型のLED照明シート20A、20Bの例を示しているが、これに限定されず、導光板等を介在させたエッジライト型のLED照明シートを用いてもよい。エッジライト型のLED照明シートは、発光面からの光量のばらつきを抑制しやすい。
LED照明シート20A、20Bは、フレキシブル配線基板30と、フレキシブル配線基板30上に規則的に配置された複数のLEDチップ21とを備えている。このようなフレキシブル配線基板30を用いることで、シート面の面積が比較的大きいLED照明シート20A、20Bを得ることができる。一般に、植物育成工場等の植物育成施設や植物の育成棚では、LED照明シート20A、20Bは、複数を配列して使用されるが、隣り合うLED照明シート20A、20Bどうしの位置がばらつくと光量のばらつきが生じて植物の収率が低下するおそれがある。シート面の面積が比較的大きいLED照明シート20A、20Bは、使用するLED照明シート20A、20Bの数を減らすことができるので、複数のLED照明シート20A、20Bの配置による光量のばらつきを抑制することができる。なお、図4では、フレキシブル配線基板30を備えたLED照明シート20A、20Bの例を示しているが、これに限定されず、リジット配線基板を備えたLED照明シートを用いてもよい。リジット配線基板を備えたLED照明シートは、応力による耐性が高く、破損しにくい。なお、図4において、後述する光反射性絶縁保護膜34及び透明保護膜35の表示を省略している。
この場合、LEDチップ21は、フレキシブル配線基板30内で平面視で格子点状に配置されている。すなわちLEDチップ21は、マトリックス状に多段多列に配置されており、直列にM個接続されたLEDチップ21の列RがN列配置されている。例えば図4において、LEDチップ21は、LEDチップ21の第1の配列方向(X方向)に沿って、14個(M=14)直列に接続されている。さらに、この14個のLEDチップ21をもつ列Rが、LEDチップ21の第2の配列方向(Y方向)に沿って、10列(N=10)並列に配置されている。なお、LEDチップ21の配置数はこれに限られるものではない。具体的には、LEDチップ21を、第1の配列方向(X方向)に10個以上14個以下(14≧M≧10)直列に配置し、この列RをLEDチップ21の第2の配列方向(Y方向)に4列以上10列以下(10≧N≧4)並列に配置することが好ましい。LEDチップ21を10個以上直列に配置することにより、LEDチップ21を第1の配列方向(X方向)に沿って短い間隔で配置することができ、LED照明シート20A、20Bの照度の面内ばらつきを抑えることができ、植物に照射する光のばらつきを抑制することができる。LEDチップ21を14個以下直列に配置することにより、消費電力を削減することができ、植物育成施設90における光熱費等のランニングコストを低減することができる。また、LEDチップ21の列をLEDチップ21の第2の配列方向(Y方向)に4列以上並列に配置することにより、特定のLEDチップ21が破損した場合でも、他の列のLEDチップ21に波及しないようにし、LED照明シート20A、20B全体の照度が極端に低下することを抑止することができる。また、LED照明シート20A、20Bの照度が低下した範囲を限定することで、不適合品が発生するおそれがある範囲を限定し、収率の低下を抑制することができる。また、LED照明シート20A、20Bが直下型の場合には、設置や清掃のときにLEDチップ21に誤って強く接触して破損するおそれが高まるため、破損時の対策を行っておくことは、リスク管理の観点で重要である。さらに、LEDチップ21の列を10列以下並列に配置することにより、消費電力を削減することができ、植物育成施設90における光熱費等のランニングコストを低減することができる。
LED照明シート20A、20Bは、複数の金属配線部22を有し、複数の金属配線部22は、第1の配列方向(X方向)に沿って配列されている。第1の配列方向(X方向)に沿って配列された複数の金属配線部22は、それぞれLEDチップ21の各列Rに対応している。LEDチップ21は、それぞれX方向に互いに隣接する一対の金属配線部22同士を跨ぐように配置されている。またLEDチップ21の図示しない各端子は、一対の金属配線部22にそれぞれ電気的に接続されている。複数の金属配線部22は、LEDチップ21への給電部を構成しており、複数の金属配線部22に電力が供給されることにより、当該列Rに配置されたLEDチップ21が全て点灯する。なお、複数の金属配線部22は、後述する金属配線部32の一部を構成する。
第1の配列方向(X方向)におけるLEDチップ21同士の間隔Pxは、37mm以上50mm以下とすることが好ましい。また、第2の配列方向(Y方向)におけるLEDチップ21同士の間隔Pyは、37mm以上100mm以下とすることが好ましい。LEDチップ21同士の間隔を上記範囲とすることにより、LED照明シート20A、20Bの輝度を面内で均一にして、植物に照射する光のばらつきを抑制するとともに、LED照明シート20A、20Bの消費電力を抑えることができる。
LED照明シート20A、20Bのうち最も厚い部分における厚みは、5mm以下とすることが好ましい。このようにLED照明シート20A、20Bの厚みを薄くすることにより、LED照明シート20A、20Bを設置する基板81(図2)同士の上下方向の間隔を狭くすることができ、これにより各植物の育成棚80A、80B(図2)あたりの基板81の数を増やすことができる。この結果、単位面積あたりの植物の収穫量を増やすことができる。また、植物とLED照明シート20A、20Bが近接しているときに植物に照射される比較的強い光のばらつきをより抑制できる。
LEDチップ21の配列は、平面視格子点状に限られるものではなく、図5(a)に示すように、平面視で千鳥状に配置されていても良い。また、LEDチップ21は、LED照明シート20A、20Bの面内で均一に配置されていなくても良い。例えば、LED照明シート20A、20Bの周縁部において、LEDチップ21の密度をより高めても良い。具体的には、図5(b)に示すように、LED照明シート20A、20Bの中央部(図5(b)の下部)でLEDチップ21を格子点状に配置し、LED照明シート20A、20Bの周縁部(図5(b)の上部)でLEDチップ21を千鳥状に配置しても良い。これにより、LED照明シート20A、20Bの周縁部におけるLED照明シート20A、20Bの輝度の低下を抑制し、LED照明シート20A、20Bの輝度を面内で均一にして、植物に照射する光のばらつきを抑制することができる。
LED照明シート20A、20Bの全体形状は、平面視長方形形状となっているが、LED照明シート20A、20Bのサイズや平面形状については特に限定されるものではない。LED照明シート20A、20Bは、サイズや形状の加工の自由度が高いため、この点に関する様々な需要に対しても柔軟に対応することが可能である。また、その可撓性を活かして、フラットな設置面に限らず様々な形状の設置面への取付けが可能である。また、LED照明シート20A、20B自体が剛性をもっているため、例えばLED照明シート20A、20BをLEDチップ21が外側になる様に円筒状に曲げることによって、設置面がなくとも、LED照明シート20A、20B単体で照明とすることも可能である。
図4において、LED照明シート20A、20Bの第1の配列方向(X方向)の長さLxは、500mm以上700mm以下とすることが好ましく、550mm以上650mm以下とすることが更に好ましい。LED照明シート20A、20Bの第2の配列方向(Y方向)の長さLyは、300mm以上500mm以下とすることが好ましく、350mm以上450mm以下とすることが更に好ましい。LED照明シート20A、20Bの大きさを上記範囲とすることにより、LED照明シート20A、20Bを一般的な植物育成用の基板81(図2)に適合させることができ、基板81のデッドスペースを減らすことができる。また、個々のLED照明シート20A、20Bの大きさが過度に大きすぎないことにより、特定のLEDチップ21が破損した場合に、他のLEDチップ21に影響が及ぶことを最低限に抑え、植物の育成棚用の棚板83(図2)全体の照度が極端に低下することを防止しかつ照度が低下する範囲を限定することができる。
次に、制御部40について説明する。図3に示すように、制御部40は、LED照明シート20A、20Bに電力を供給するとともに、LED照明シート20A、20Bの発光等を制御するものである。この制御部40は、LED照明シート20A、20B上に設けられた第1コネクタ44Aを介してLED照明シート20A、20Bに対して着脱自在に接続される。すなわち制御部40は、LED照明シート20A、20Bと別体に構成され、LED照明シート20A、20Bに対して外付けで接続されるようになっている。すなわち制御部40は、LED照明シート20A、20Bと一体化されていない。これにより、熱源となる制御部40をLED照明シート20A、20Bから分離することができ、制御部40からの熱によって植物の生育に影響を及ぼさないようにすることができる。
また制御部40は、電力入力部41と、AC/DCコンバーター(ドライバー)42と、PWM制御部43とを有している。このうち電力入力部41には、例えば100V乃至240Vの任意の電圧をもつ交流の電圧が供給される。AC/DCコンバーター42は、100V乃至240Vの交流電圧を定圧(例えば44V)の直流電圧に変換する。PWM制御部43は、AC/DCコンバーター42からの定電圧波形のパルス幅を任意に変化させることにより、LED照明シート20A、20BのLEDチップ21の調光を行うものである。すなわちPWM制御部43は、LED照明シート20A、20Bの調光を制御する調光制御部としての役割も果たす。PWM制御部43から出力される定電圧は、第1コネクタ44Aを介してLED照明シート20A、20Bに印加される。
制御部40のPWM制御部43からLED照明シート20A、20Bに定電圧が印加されることにより、LED照明シート20A、20Bに直接整流化されたパルス電圧が印加される場合と異なり、LEDチップ21の調光を行うことが可能となる。すなわち、PWM制御部43は、AC/DCコンバーター42からの直流電圧のデューティー比を適宜変化させることにより、LEDチップ21の照度を任意に制御することができる。例えば、図6(a)に示すように、PWM制御部43は、AC/DCコンバーター42からの定電圧のデューティー比を100%(実線)から50%(点線)に抑えることにより、LEDチップ21の照度を低下させることができる。
このようにLEDチップ21の照度を適宜調節することにより、植物の生育ステージに応じてLED照明シート20A、20Bの照度を調節し、植物の生育の度合いを調整することができる。例えば、育苗期間中又は栽培期間中、植物の葉の小さい期間初期には、LED照明シート20A、20Bの照度を低くし、植物の葉の大きい期間後期には、LED照明シート20A、20Bの照度を高くしても良い。あるいは、育苗期間中又は栽培期間中、植物の背丈の低い期間初期には、植物とLEDチップ21との距離が離れているため、LED照明シート20A、20Bの照度を高くし、植物の背丈の大きくなる期間後期には、植物とLEDチップ21との距離が近づくため、LED照明シート20A、20Bの照度を低くしても良い。LED照明シート20A、20Bの照度調整の他の例としては、高い照度が必要な種類の植物のときは照度を高くし、低い照度でも育成できる種類の植物のときは照度を低くても良い。出荷の時期を早めたいときは照度を高くし、出荷の時期を遅らせたいときは照度を低くしても良い。
また、PWM制御部43からLED照明シート20A、20Bに定電圧が印加されることにより、LED照明シート20A、20Bからの光の単位時間あたりの積算光量を増加することができる。すなわち、例えば、LED照明シート20A、20Bに定電圧が印加された場合における積算光量(図6(a)の網掛け部分の面積)を、比較例としてパルスで電圧が印加される場合における積算光量(図6(b)の網掛け部分の面積)よりも大きくすることができる。これにより、LED照明シート20A、20Bからの光の発光効率を高め、植物の育成効率を向上させることができる。
再度図3を参照すると、LED照明シート20A、20Bには、レギュレータ45が設けられている。この場合、レギュレータ45は、LEDチップ21の各列に対応してそれぞれ設けられており、具体的には、10列のLEDチップ21の列に対応して10個のレギュレータ45が設けられている。このレギュレータ45は、各列の複数のLEDチップ21に流れる電流を一定に保持する役割を果たす。これにより、1つのLEDチップ21が破損した場合でも、他の列のLEDチップ21に過大な電流が流れることを抑え、他の列のLEDチップ21が破損しないようにすることができる。この結果、LED照明シート20A、20B全体の照度が極端に低下することを防止することができ、植物に照射する光のばらつきを抑制することができる。また、レギュレータ45は接続する抵抗値により制御する電流量を列ごとに制御可能であり、たとえば、最初の列と最後の列の制御用抵抗値を変化させることで、周辺部の列のみ出力を上げることができる。これにより、通常、LED照明シート20A、20B同士を隙間なく敷き詰めることで均一性を確保する狙いがあるが、コストの観点や通気性確保の観点で、LED照明シート20A、20B間を5cm~10cm程度空けたとしても、その継ぎ目が消せる効果が期待できる。
さらに、LED照明シート20A、20Bには、第1コネクタ44Aから分岐して電力供給ライン46が設けられている。また、LED照明シート20A、20B上には第2コネクタ44Bが設けられている。電力供給ライン46は、当該LED照明シート20A、20BのLEDチップ21には電気的に接続されることなく、LED照明シート20A、20Bと同一の構成をもつ他のLED照明シート200の配線に対して電気的に接続される。すなわち電力供給ライン46は、第2コネクタ44B及び他のLED照明シート200上に設けられた他の第1コネクタ44Aを介して、LED照明シート200の配線に着脱自在に接続される。電力供給ライン46からの電流は、第2コネクタ44B及び他の第1コネクタ44Aを介して、他のLED照明シート200に供給される。これにより、LED照明シート20A、20Bと他のLED照明シート200とを連結し、これらのLED照明シート20A、20B及びLED照明シート200を1つの制御部40によって同時に制御することができる。1つの制御部40によって複数のLED照明シート20A、20B、200を同時に制御することができることによって、熱の発生源である制御部40の数を減らすことができるので、制御部40からの熱による植物の育成のばらつきが発生しにくくなって収量の低下を抑制することができる。
(LED照明シートの各部材)
次に、LED照明シート20A、20Bを構成する各部材について説明する。図7に示すように、LED照明シート20A、20Bは、フレキシブル配線基板30と、フレキシブル配線基板30上に配置された複数のLEDチップ21とを備えている。このうちフレキシブル配線基板30は、可撓性を有する基板フィルム31と、基板フィルム31の表面(発光面側の面)に形成された金属配線部32とを有している。金属配線部32は、接着剤層33を介して基板フィルム31に積層されている。
各LEDチップ21は、金属配線部32に導通可能な態様で実装されている。このLED照明シート20A、20Bにおいては、LEDチップ21がフレキシブル配線基板30に実装されていることにより、複数のLEDチップ21を、所望の高い密度で配置することが可能である。
LED照明シート20A、20Bのうち、LEDチップ21、レギュレータ45、第1コネクタ44Aおよび第2コネクタ44Bが設けられている領域及びその周辺領域を除く領域を覆って、光反射性絶縁保護膜34が形成されている。この光反射性絶縁保護膜34は、金属配線部32を覆うように配置されている。光反射性絶縁保護膜34は、LED照明シート20A、20Bの耐マイグレーション特性の向上に寄与する絶縁機能と、LED照明シート20A、20Bにより作られる光環境の向上に寄与する光反射機能とを兼ね備える層である。この層は、白色顔料を含む絶縁性の樹脂組成物により形成される。前述の金属配線部32と後述の透明保護膜35のみで、耐マイグレーション特性および光反射機能が得られる場合には、光反射性絶縁保護膜34がない構造も可能である。
また、光反射性絶縁保護膜34及びLEDチップ21を覆うように、透明保護膜35が形成されている。透明保護膜35は、主としてLED照明シート20A、20Bの防水性を確保するためにその最表面(最も発光面側に位置する面)に形成される樹脂性の膜である。
金属配線部32上には、ハンダ部36が設けられている。各LEDチップ21は、それぞれハンダ部36を介して、金属配線部32に電気的に接続されている。
(基板フィルム)
基板フィルム31は、可撓性を有する樹脂フィルムを用いることができる。なお、本明細書中、「可撓性を有する」とは、「曲率半径を少なくとも1m以下、好ましくは50cm、より好ましくは30cm、更に好ましくは10cm、特に好ましくは5cmに曲げることが可能であること」をいう。
基板フィルム31の材料としては、耐熱性及び絶縁性が高い熱可塑性樹脂が用いられても良い。このような樹脂として、耐熱性と加熱時の寸法安定性、機械的強度、及び耐久性に優れるポリイミド樹脂(PI)や、ポリエチレンナフタレート(PEN)を用いることができる。中でも、アニール処理等の耐熱性向上処理を施すことによって耐熱性と寸法安定性を向上させたポリエチレンナフタレート(PEN)を好ましく用いることもできる。また、難燃性の無機フィラー等を添加することによって難燃性を向上させたポリエチレンテレフタレート(PET)を用いても良い。
基板フィルム31の厚さは、特に限定されないが、放熱経路としてボトルネックとはならないこと、耐熱性及び絶縁性を有するものであること、及び、製造コストのバランスとの観点から、概ね10μm以上500μm以下、好ましくは、50μm以上250μm以下であることが好ましい。また、ロール・トゥ・ロール方式による製造を行う場合の生産性を良好に維持する観点からも上記厚さ範囲内であることが好ましい。
(接着剤層)
接着剤層33を形成する接着剤は、公知の樹脂系接着剤を適宜用いることができる。それらの樹脂接着剤のうち、ウレタン系、ポリカーボネート系、シリコーン系、エステル系またはエポキシ系の接着剤等を特に好ましく用いることができる。
(金属配線部)
金属配線部32は、基板フィルム31の表面(発光面側の面)に金属箔等の導電性基材によって形成される配線パターンである。この金属配線部32は、基板フィルム31の表面へ接着剤層33を介してドライラミネート法によって形成されることが好ましい。金属配線部32は、上述した複数の金属配線部22を含む。複数の金属配線部22は、第1の金属配線部22Aと、第1の金属配線部22Aから離間して配置された第2の金属配線部22Bとを含む。第1の金属配線部22A及び第2の金属配線部22Bには、LEDチップ21が搭載され、LEDチップ21は、第1の金属配線部22A及び第2の金属配線部22Bに電気的に接続されている。第1の金属配線部22A及び第2の金属配線部22Bに供給される電力によりLEDチップ21が点灯するようになっている。
金属配線部32は、放熱性と電気伝導性を高い水準で両立させるものであることが好ましく、例えば銅箔を用いることができる。この場合、LEDチップ21からの放熱性が安定し、電気抵抗の増加を防げるので、LEDチップ21間の発光バラツキが小さくなって安定した発光が可能となる。また、LEDチップ21の寿命も延長される。更に、熱による基板フィルム31等の周辺部材の劣化も防止できるので、LED照明シート20A、20Bの製品寿命も延長することができる。金属配線部32を形成する金属の例としては、上記の銅の他、アルミニウム、金、銀等の金属を挙げることができる。
金属配線部32の厚さは、フレキシブル配線基板30に要求される耐電流の大きさ等に応じて適宜設定すればよい。但し、リフロー方式等によるハンダ加工処理時の基板フィルム31の熱収縮による反りを抑制するためには、金属配線部32の厚さが10μm以上であることが好ましい。一方、金属配線部32の厚さは、50μm以下であることが好ましく、これにより、フレキシブル配線基板30の十分な可撓性を維持することができ、重量増大によるハンドリング性の低下等も抑止することができる。
(ハンダ部)
ハンダ部36は、金属配線部32とLEDチップ21との接合を行うものである。このハンダによる接合は、リフロー方式、あるいは、レーザー方式の2方式のいずれかによることができる。
(LEDチップ)
LEDチップ21は、P型半導体とN型半導体が接合されたPN接合部での発光を利用した発光素子である。LEDチップ21としては、P型電極及びN型電極をそれぞれ素子の上面及び下面に設けた構造であっても良く、素子の片面にP型電極及びN型電極の双方が設けられた構造であっても良い。
LEDチップ21としては、発光効率が高いものを選択することが好ましい。具体的には、LEDチップ21として、150lm/W以上の発光効率を有しているものを用いることが好ましく、180lm/W以上の発光効率を有しているものを用いることが更に好ましい。LEDチップ21の発光効率を150lm/W以上に高めることにより、LEDチップ21の実装数(密度)を下げ、LEDチップ21からのジュール熱による発熱を少なくすることができ、LEDチップ21からの熱による植物の育成のばらつきが発生しにくくなって収量の低下を抑制することができる。
LED照明シート20A、20Bは、上述の通り、高い放熱性を発揮することができる金属配線部32に、LEDチップ21を直接実装するものである。これにより、LEDチップ21を高密度で配置した場合においても、LEDチップ21の点灯時に発生する過剰な熱を金属配線部32を通して速やかに拡散し、基板フィルム31を介してLED照明シート20A、20Bの外部へ十分放熱することができ、LEDチップ21からの熱による植物の育成のばらつきが発生しにくくなって収量の低下を抑制することができる。
ところで本実施の形態において、育苗用の第1のLED照明シート20Aに用いられるLEDチップ21と、栽培用の第2のLED照明シート20Bに用いられるLEDチップ21とは、互いに異なる光学特性を有している。以下、第1のLED照明シート20AのLEDチップ21と、第2のLED照明シート20BのLEDチップ21とについてそれぞれ説明する。
(第1のLED照明シートのLEDチップ)
本実施の形態において、第1のLED照明シート20AのLEDチップ21は、育苗に適した光を照射する。この場合、LEDチップ21からの光の色温度は、4500K以上5500K以下であり、好ましくは4800K以上5200K以下であり、より好ましくは4900K以上5100K以下である。また、400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとしたとき、第1のLED照明シート20AのLEDチップ21が照射する光の発光スペクトルは、0.54≦B/G≦0.72、かつ、0.59≦R/G≦0.77という関係を満たす。
図8に示すように、第1のLED照明シート20AのLEDチップ21からの光の発光スペクトルS1は、中心波長が440nm以上460nm以下である第1のピークP1と、中心波長が510nm以上530nm以下である第2のピークP2と、中心波長が610nm以上630nm以下である第3のピークP3とを有している。すなわち、発光スペクトルSは、青色波長域に存在する第1のピークP1と、緑色波長域に存在する第2のピークP2と、赤色波長域に存在する第3のピークP3とを有している。なお、LEDチップ21からの光の発光スペクトルは、光源色の測定に用いられる分光放射照度計(例えばコニカミノルタ社製、CL-500A)を用いて測定することができる。
この場合、第1のピークP1の中心波長における相対発光強度は、第2のピークP2の中心波長における相対発光強度よりも大きく、第2のピークP2の中心波長における相対発光強度は、第3のピークP3の中心波長における相対発光強度よりも大きくなっている。すなわち、本明細書中、LEDチップ21からの光の発光スペクトルSのピークのうち、相対発光強度が最も大きいピークを第1のピークP1と称し、相対発光強度が2番目に大きいピークを第2のピークP2と称し、相対発光強度が3番目に大きいピークを第3のピークP3と称している。なお、LEDチップ21からの光は、4つ以上のピークを含んでいてもよい。LEDチップ21からの光の発光スペクトルSが上述したような第1のピークP1、第2のピークP2および第3のピークP3を有していることにより、LEDチップ21からの光が白色となっている。
図8に示すように、400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとする。ここで、放射束Bは、LEDチップ21からの光の発光スペクトルS1のうち、400nm以上499nm以下の波長範囲における積分値(面積)に相当する。放射束Gは、LEDチップ21からの光の発光スペクトルS1のうち、500nm以上599nm以下の波長範囲における積分値(面積)に相当する。放射束Bは、LEDチップ21からの光の発光スペクトルS1のうち、600nm以上699nm以下の波長範囲における積分値(面積)に相当する。各放射束B、G、Rの測定は、高精度光測定機(例えば、日本医科器械製作所製、ライトアナライザー、LA105)によって行うことができる。
このとき、第1のLED照明シート20AのLEDチップ21が照射する光の発光スペクトルは、0.54≦B/G≦0.72という関係を満たし、好ましくは0.57≦B/G≦0.69という関係を満たし、より好ましくは0.60≦B/G≦0.66という関係を満たす。また、第1のLED照明シート20AのLEDチップ21が照射する光の発光スペクトルは、0.59≦R/G≦0.77という関係を満たし、好ましくは0.62≦B/G≦0.74という関係を満たし、より好ましくは0.65≦B/G≦0.71という関係を満たす。
第1のLED照明シート20AのLEDチップ21が上記光学特性を満たすことにより、植物をコンパクトかつ頑丈な苗に成長させることができ、植物を定植する際のダメージを低減することができる。すなわち、LEDチップ21からの光の色温度が4500K以上5500K以下であることにより、植物の生体重を低く抑え、植物の丈を小さくする一方で、植物の葉の厚みを厚くすることができる。このため、植物をコンパクトに生育させつつ、植物をしっかりとした頑丈にすることができる。これにより、植物を定植する際に、植物が倒れにくくなり、定植の作業効率が低下することを抑制し、植物の生長が停滞しないようにすることができる。また、コンパクトであるが故に、育苗期間を延長しても隣接する苗の重なりを抑制することができる。つまり、光の色温度が4500K以上5500K以下であることにより、通常より育苗期間を延長することができる。また、栽培期間が終了し、収穫する際における植物の生体重のばらつきを低減し、不適合品を減らし、植物の収率を向上することができる。
(第2のLED照明シートのLEDチップ)
また、第2のLED照明シート20BのLEDチップ21は、栽培に適した光を照射する。この場合、LEDチップ21からの光の色温度は、2500K以上3500K以下であり、好ましくは2700K以上3300K以下であり、より好ましくは2900K以上3100K以下である。また、400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとしたとき、第2のLED照明シート20BのLEDチップ21が照射する光の発光スペクトルは、0.26≦B/G≦0.44、かつ、0.89≦R/G≦1.17という関係を満たす。
図9に示すように、第2のLED照明シート20BのLEDチップ21からの光の発光スペクトルS2は、中心波長が610nm以上630nm以下である第1のピークP1と、中心波長が440nm以上460nm以下である第2のピークP2と、中心波長が510nm以上530nm以下である第3のピークP3とを有している。すなわち、発光スペクトルS2は、赤色波長域に存在する第1のピークP1と、青色波長域に存在する第2のピークP2と、緑色波長域に存在する第3のピークP3とを有している。
この場合、第1のピークP1の中心波長における相対発光強度は、第2のピークP2の中心波長における相対発光強度よりも大きく、第3のピークP3の中心波長における相対発光強度は、第2のピークP2の中心波長における相対発光強度よりも小さくなっている。なお、LEDチップ21からの光は、4つ以上のピークを含んでいてもよい。LEDチップ21からの光の発光スペクトルS2が上述したような第1のピークP1、第2のピークP2および第3のピークP3を有していることにより、LEDチップ21からの光が白色となる。
図9に示すように、400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとする。ここで、放射束Bは、LEDチップ21からの光の発光スペクトルS2のうち、400nm以上499nm以下の波長範囲における積分値(面積)に相当する。放射束Gは、LEDチップ21からの光の発光スペクトルS2のうち、500nm以上599nm以下の波長範囲における積分値(面積)に相当する。放射束Bは、LEDチップ21からの光の発光スペクトルS2のうち、600nm以上699nm以下の波長範囲における積分値(面積)に相当する。各放射束B、G、Rの測定は、第1のLED照明シート20AのLEDチップ21の場合と同様に行うことができる。
このとき、第2のLED照明シート20BのLEDチップ21が照射する光の発光スペクトルは、0.26≦B/G≦0.44という関係を満たし、好ましくは0.29≦B/G≦0.41という関係を満たし、より好ましくは0.32≦B/G≦0.38という関係を満たす。また、第2のLED照明シート20BのLEDチップ21が照射する光の発光スペクトルは、0.89≦R/G≦1.17という関係を満たし、好ましくは0.94≦B/G≦1.12という関係を満たし、より好ましくは0.99≦B/G≦1.07という関係を満たす。
第2のLED照明シート20BのLEDチップ21が上記光学特性を満たすことにより、植物の単位面積あたりの生産量を向上することができる。一般に栽培期間は、育苗期間と比較して植物が大きく育つ段階であり、育苗期間と比較して多くのスペースが必要となる。本実施の形態によれば、第2のLED照明シート20BのLEDチップ21が上記光学特性を満たすことにより、植物の育成を速め、植物の育成量を増加するとともに育成日数を短縮することができる。この結果、植物育成施設90における植物の収量を向上させることができる。すなわち、第2のLED照明シート20BのLEDチップ21の光源色が、光合成の量子効率が良いと考えられている色であるため、植物の成長を促すことが可能となる。この結果、植物育成施設90における植物の収量を向上させることができる。このため、育苗期間と栽培期間とを合わせた育成期間を短くし、植物の生産サイクルを飛躍的に向上させることができる。育成期間を短くすることにより、植物育成施設90の単位面積当たりの植物の生産量を向上させることができる。
(光反射性絶縁保護膜)
図7に示すように、光反射性絶縁保護膜34は、LEDチップ21が設けられている領域及びその周辺領域を除く領域に形成される層である。この光反射性絶縁保護膜34は、十分な絶縁性を有することにより、フレキシブル配線基板30の耐マイグレーション特性を向上させる所謂レジスト層であり、かつLED照明シート20A、20Bにより作られる光環境の発光輝度の向上に寄与する光反射性を備えた光反射層である。
光反射性絶縁保護膜34は、ウレタン系樹脂等をベース樹脂とし、酸化チタン等の無機フィラーからなる白色顔料を更に含有する各種の樹脂組成物により形成することができる。光反射性絶縁保護膜34を形成するために用いる樹脂組成物のベース樹脂としては、ウレタン系樹脂の他、アクリル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹脂等を適宜用いることができる。光反射性絶縁保護膜34を形成する樹脂組成物のベース樹脂としては、透明保護膜35を形成する樹脂組成物と同一または同系の樹脂をベース樹脂とすることがより好ましい。透明保護膜35については、後述するように、アクリル系ポリウレタン樹脂を主たる材料樹脂として用いることが好ましい。これより、透明保護膜35を形成する樹脂組成物のベース樹脂がアクリル系ポリウレタン樹脂である場合には、光反射性絶縁保護膜34を形成するための樹脂組成物のベース樹脂はウレタン系樹脂またはアクリル系ポリウレタン樹脂とすることがより好ましい。
光反射性絶縁保護膜34を形成する樹脂組成物に白色顔料として含有させる無機フィラーとしては、酸化チタンの他、アルミナ、硫酸バリウム、マグネシア、チッ化アルミニウム、チッ化ホウ素、チタン酸バリウム、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、マイカ粉、粉末ガラス、粉末ニッケル及び粉末アルミニウムから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
光反射性絶縁保護膜34の厚さは、5μm以上50μm以下であって、より好ましくは、7μm以上20μm以下である。光反射性絶縁保護膜34の厚さが、5μm未満であると、特に金属配線部32のエッジ部分において、光反射性絶縁保護膜が薄くなり、この金属配線を被覆できずに露出する場合は絶縁性が維持できなくなるリスクが大きくなる。一方、取扱い及び搬送等の際の基板湾曲から光反射性絶縁保護膜34を保持する観点から、光反射性絶縁保護膜34の厚さは、50μm以下であることが好ましい。
また、光反射性絶縁保護膜34は、波長400nm以上780nm以下における光線反射率が、いずれも65%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。LED照明シート20A、20Bは、例えば、酸化チタンを、ウレタン系またはアクリル系ポリウレタンのベース樹脂100質量部に対して20質量部以上含有させることで、光反射性絶縁保護膜34の厚さを8μmとする場合における同層の上記光線反射率を75%以上とすることが可能である。
(透明保護膜)
透明保護膜35は、LEDチップ21を覆うように、LED照明シート20A、20Bの最表面に形成されている。透明保護膜35は、防水性と透明性とを有する。透明保護膜35の防水性により、LED照明シート20A、20Bを植物育成用光源として使用する場合の装置内部への水の侵入を防ぐことができる。LEDチップ21として、例えば150lm/W以上の発光効率を有するような、発光効率が高いものを選択した場合、LED照明シート20A、20Bにおいて、特定のLEDチップ21が破損した場合の影響が大きくなる。そのためLEDチップ21が可能な限り破損しにくいようにすることは、リスク管理の観点で重要である。
透明保護膜35は、アクリル系ポリウレタン樹脂等をベース樹脂とする各種の樹脂組成物により形成することができる。透明保護膜35を形成するために用いる樹脂組成物のベース樹脂としては、アクリル系ポリウレタン樹脂の他、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノール系樹等を適宜用いることができる。透明保護膜35を形成する樹脂組成物のベース樹脂としては、光反射性絶縁保護膜34を形成する樹脂組成物と同一または同系の樹脂をベース樹脂とすることがより好ましい。好ましい具体的な組合せとして、光反射性絶縁保護膜34を形成する樹脂組成物のベース樹脂をウレタン系樹脂とし、透明保護膜35を形成する同樹脂をアクリル系ポリウレタン樹脂とする組合せを挙げることができる。
透明保護膜35の厚さは、10μm以上40μm以下であり、好ましくは15μm以上30μm以下であり、より好ましくは20μm以上25μm以下である。透明保護膜35の厚さを上記範囲とすることにより、LED照明シート20A、20Bの良好な可撓性や薄さ、軽量性、及び植物育成用途において求められる良好な光学特性を維持することができる。また、LED照明シート20A、20Bに対して植物育成用途に求められる十分な防水性をもたらすことができる。
透明保護膜35によるLED照明シート20A、20Bの耐水性としては、LED照明シート20A、20Bに対して植物育成用の水を散布した際に、LEDチップ21の劣化を抑制することが可能となる程度であれば特に限定されない。このような耐水性としては、IEC(国際電気標準会議)によって定められている防水・防塵の保護規格でIPX4以上を示すことが好ましい。IPX4以上の防水性は、あらゆる方向からの水の飛沫によってLEDチップ21に対して有害な影響が及ぼされない程度である。具体的には、LED照明シート20A、20Bの法線方向に対して±180°の全範囲に5分間、10L/分の水量で散水ノズルから散水した際、LEDチップ21に対して有害な影響が及ぼされない程度とされる。
(LED照明シートの製造方法)
次に、本実施の形態によるLED照明シート20A、20Bの製造方法について、図10(a)-(h)を参照して説明する。
まず、基板フィルム31を準備する(図10(a))。次に、基板フィルム31の表面に、金属配線部32の材料となる銅箔等の金属箔32Aを積層する(図10(b))。金属箔32Aは、金属箔32Aを例えばウレタン系接着剤等の接着剤層33によって、基板フィルム31の表面に接着される。あるいは、金属箔32Aは、基板フィルム31の表面に電解メッキ方法や気相製膜法(スパッタリング、イオンプレーティング、電子ビーム蒸着、真空蒸着、化学蒸着等)により、直接形成しても良い。もしくは、金属箔32Aに基板フィルム31を直接溶着して形成しても良い。
次に、金属箔32Aの表面に、金属配線部32に要求される形状にパターニングされたエッチングマスク37を形成する(図10(c))。このエッチングマスク37は、金属配線部32となる金属箔32Aの配線パターンに対応する部分がエッチング液によって腐食しないように設けられる。エッチングマスク37を形成する方法は特に限定されず、例えば、フォトレジストまたはドライフィルムを、フォトマスクを通して感光させた後に現像することによって形成しても良く、インクジェットプリンター等の印刷技術により金属箔32Aの表面にエッチングマスクを形成してもよい。
次に、エッチングマスク37に覆われていない箇所に位置する金属箔32Aを浸漬液により除去する(図10(d))。これにより、金属箔32Aのうち、金属配線部32となる箇所以外の部分が除去される。
その後、アルカリ性の剥離液を使用して、エッチングマスク37を除去する。これにより、エッチングマスク37が金属配線部32の表面から除去される(図10(e))。
続いて、金属配線部32上に光反射性絶縁保護膜34を積層形成する(図10(f))。光反射性絶縁保護膜34の形成は、光反射性絶縁保護膜34を構成する材料樹脂組成物を均一に塗工できる塗工手段であれば特に限定されず、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、ディップコータ、刷毛塗り等の方法を使用することができる。または、光感光性を有する絶縁保護膜材料を全面に塗工し、必要な箇所のみフォトマスクを通して感光させた後に現像することによって光反射性絶縁保護膜34を形成しても良い。
次に、金属配線部32上にLEDチップ21、レギュレータ45及びコネクタ44A、44Bを実装する(図10(g))。なお、図10(g)および後述する図10(h)においては、図面を明瞭にするために、レギュレータ45等の図示を省略している。この場合、LEDチップ21は、金属配線部32にハンダ部36を介するハンダ加工によって接合される。このハンダ加工による接合は、リフロー方式、あるいは、レーザー方式によることができ、または導電性樹脂による接合でも良い。
次いで、光反射性絶縁保護膜34、LEDチップ21、レギュレータ45及びコネクタ44A、44Bを覆うように透明保護膜35を形成する(図10(h))。この透明保護膜35は、透明樹脂組成物をスプレー処理により吹付けて形成する方法(以下、「スプレーコート法」という)、またはカーテンコート法により形成する方法により行うことが好ましい。スプレーコート法による透明保護膜35の形成は、例えば、アクリル系ポリウレタン樹脂を含むスプレーコート処理用の塗工液を、スプレー塗装機によってフレキシブル配線基板30上の所望の領域に噴霧して塗工膜を形成することにより行うことができる。カーテンコート法による透明保護膜35の形成は、例えば、アクリル系ポリウレタン樹脂を含むカーテンコート処理用の塗工液を、カーテン塗装機によってフレキシブル配線基板30上の所望の領域に滴下して塗工膜を形成することにより行うことができる。
なお、本実施の形態によるLED照明シート20A、20Bは、上述した方法に限らず、従来公知のLEDチップ用のフレキシブル配線基板や、これにLEDチップを実装してなる各種のLEDモジュールを製造する公知の方法により製造することもできる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。具体的には、上述した植物育成施設90を用いて植物を育成する植物の栽培方法について説明する。
まず、育苗期間用の第1の育成棚80Aを用いて植物を育苗する。この際、まず第1の育成棚80Aの培地に植物の種子をまき(播種し)、発芽後、植物が一定程度の大きさになるまで育成する(育苗工程)。この間、植物は第1のLED照明シート20Aにより、色温度が4500K以上5500K以下の光を照射され、育苗される。
植物が定植に適した大きさに達した場合、植物の定植を行う(定植工程)。この場合、第1の育成棚80Aで育成された植物の苗を、栽培期間用の第2の育成棚80Bの培地に移し替える。植物を定植した後の第1の育成棚80Aは、再び次の植物を育苗するために用いられる。
次いで、定植された植物は、栽培期間用の第2の育成棚80Bで引き続き育成される。この際、第2の育成棚80Bにおいて、植物が収穫に適した大きさになるまで育成する(栽培工程)。この間、植物は第2のLED照明シート20Bにより、色温度が2500K以上3500K以下の光を照射され、育苗される。
その後、第2の育成棚80Bで一定の大きさに育った植物は収穫される。植物を収穫した後の第2の育成棚80Bは、再び次の植物を栽培するために用いられる。
このように本実施の形態によれば、植物育成施設90において、第1の育成棚80Aは、色温度が4500K以上5500K以下の光を照射する第1のLED照明シート20Aを有し、第2の育成棚80Bは、色温度が2500K以上3500K以下の光を照射する第2のLED照明シート20Bを有する。これにより、植物の育成段階に応じて、植物を最適な光源下に移動して育成することができる。このため、植物の育成量を増やすことができ、植物を良好な収量で得ることができる。とりわけ、育苗期間には、第1のLED照明シート20Aにより色温度が4500K以上5500K以下の光を植物に照射し、栽培期間には、第2のLED照明シート20Bにより色温度が2500K以上3500K以下の光を植物に照射することにより、植物を適切な光源下で育成することができる。
本実施の形態によれば、育苗期間に、第1のLED照明シート20Aにより色温度が4500K以上5500K以下の光を植物に照射することにより、植物をコンパクトかつ頑丈に成長させることができる。これにより、育苗期間が完了した後、植物を定植するときに株が倒れることを抑え、定植の作業効率が低下することを抑えることができる。また定植時に株が倒れることを抑えることにより、植物の生長が停滞しないようにすることができる。また、コンパクトであるが故に、育苗期間を延長しても隣接する苗の重なりを抑制することができる。また、育苗期間に、色温度が4500K以上5500K以下の光を植物に照射することにより、植物の成長のばらつきを低減することができる。これにより、育成される植物の大きさや品質を一定の規格の範囲に収めて不適合品を減らすことができる。
また本実施の形態によれば、栽培期間に、第2のLED照明シート20Bにより色温度が2500K以上3500K以下の光を植物に照射することにより、植物の成長を早め、植物の栽培日数を減らすことができる。または、同じ栽培日数でも収量を増やすことができる。これにより、単位面積当たりの生産量を向上させることができる。一般に栽培期間は、植物が大きく育つ段階であるため、育苗期間と比較すると、植物育成施設に多くのスペースが必要となる。このため、同じ育成期間でも育苗日数の割合を多く、栽培日数の割合を少なくすることで、劇的に生産サイクルを向上させることができる。植物の成長を早め、栽培期間の日数を減らすことで、植物の生産サイクルを飛躍的に向上させることができる。これにより、植物の単位面積当たりの生産量を上げることができる。
例えば、育苗スペースの体積:栽培スペースの体積=1:6の植物工場をモデルとして、生産効率について考える。育成方法A(育苗期間24日・栽培期間9日)、育成方法B(育苗期間26日・栽培期間7日)とし、どちらの育成方法でも同じ収量が得られるとする。その場合、収穫までに要した体積の比はA:B=(1×24+6×9):(1×26+6×7)であるから、A:B=1.14:1となり、同じ育成期間でも、育苗期間を2日延長、栽培期間を2日削減したことで、生産効率が14%向上したことになる。つまり、育成期間が同じでも、栽培日数の割合を少なくすることで、生産効率が劇的に向上する。
本実施の形態による植物育成施設90において、第1のLED照明シート20Aが照射する光の発光スペクトルは、0.54≦B/G≦0.72、かつ、0.59≦R/G≦0.77という関係を満たす。また第2のLED照明シート20Bが照射する光の発光スペクトルは、0.26≦B/G≦0.44、かつ、0.89≦R/G≦1.17という関係を満たす。これにより、育苗期間には、植物をコンパクトかつ頑丈に成長させることができ、定植の作業効率が低下することを抑えることができる。また栽培期間には、植物の成長を早め、植物の栽培日数を減らすことにより、単位面積当たりの植物の生産量を向上させることができる。
また本実施の形態によれば、LED照明シート20A、20Bの最も厚い部分における厚みが5mm以下であるので、植物の育成棚80A、80Bの上下の基板81間の距離を減らし、基板81の数を増やすことにより、単位面積あたりの植物の収量を増加することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、LED照明装置が面状の光源シートである場合について説明したが、これに限られない。例えば、図示はしないが、LED照明装置は、直管型の照明装置であってもよい。
また、図11(a)-(b)に示すように、LED照明シート20A、20Bは、基板81の下面だけでなく、基板81の側面側にも配置しても良い。この側面側のLED照明シート20A、20Bは、上方に位置する基板81から、当該基板81の下方に位置する基板81に向けて垂下されている。この場合、図11(a)に示すように、LED照明シート20A、20Bは、下方に位置する基板81まで達していても良い。あるいは、図11(b)に示すように、LED照明シート20A、20Bは、下方に位置する基板81まで達することなく、上下の基板81間に位置する空間の上部側のみを覆うようにしても良い。このように、LED照明シート20A、20Bを、基板81の側面側にもさらに配置することにより、照度が弱くなりやすい基板81の周縁における光量を補い、LED照明シート20A、20Bの輝度を面内で均一にすることができる。この結果、植物の成長を面内で均一にすることができ、育成する植物の収量の向上を図ることができる。
[実施例]
次に、本実施の形態における具体的実施例について説明する。
(LED照明シートの作成)
LED照明シートA、LED照明シートB及びLED照明シートCをそれぞれ以下の通り作製した。このうちLED照明シートAは、照射する光の色温度が3000Kであり、LED照明シートBは、照射する光の色温度が4000Kであり、LED照明シートCは、照射する光の色温度が5000Kである。
(LED照明シートA:3000K)
560mm×390mmサイズのフィルム基板(ポリエチレンナフタレート、厚さ50μm)の一方の表面に、金属配線部を形成するための銅箔(厚さ35μm)を積層し、その後、金属配線用の銅箔についてエッチング処理をして、金属配線部を構成した。そして、基板フィルム及び金属配線部上に、ウレタン系樹脂をベース樹脂とし、このベース樹脂に対して20質量%の割合で酸化チタンを添加してなる絶縁性インキを用いてスクリーン印刷により厚さ10μmの光反射性絶縁保護膜を形成した。次に、金属配線部に、複数のLEDチップ(「NFSW757G-V2」(日亜化学工業社製))を、X方向に40mmピッチ、Y方向に35mmピッチで、14個の列を10列、ハンダ加工により実装した。なお、このLEDチップは、上面発光タイプの発光素子であり、3.0mm(長さ)×3.0mm(幅)×0.65mm(高さ)のサイズの直方体の外形からなるものである。また、このLEDチップの光源色はそれぞれ電球色であり、それぞれの色温度が3000Kのものである。更に、上記の絶縁性保護膜及びLEDチップを被覆する透明保護膜を、スプレーコート法により形成した。以上の通り作製したLED照明シートをLED照明シートAとした。このLED照明シートAの照射する光の色温度は、3000Kであった。また400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとしたとき、LED照明シートAが照射する光の発光スペクトルは、B/G=0.348、R/G=1.031という関係を満たしていた。
(LED照明シートB:4000K)
LEDチップとして、色温度が4000Kのもの(「NFSW757G-V2」(日亜化学工業社製))を用いたこと、以外は、LED照明シートAと同様に作製したLED照明シートを、LED照明シートBとした。このLED照明シートBが照射する光の発光スペクトルは、B/G=0.494、R/G=0.815という関係を満たしていた。
(LED照明シートC:5000K)
LEDチップとして、色温度が5000Kのもの(「NFSW757G-V2」(日亜化学工業社製))を用いたこと、以外は、LED照明シートAと同様に作製したLED照明シートを、LED照明シートCとした。このLED照明シートCが照射する光の発光スペクトルは、B/G=0.631、R/G=0.683という関係を満たしていた。
上記3種類のLED照明シートA、LED照明シートB及びLED照明シートCの光学特性は以下のとおりである。
Figure 2022122672000002
(育苗期間における色温度の影響)
次に、育苗期間における、LED照明シートから照射される光の色温度の影響を下記のように調査した。
(実施例1)
育苗期間にLED照明シートC(5000K)を用い、栽培期間にLED照明シートA(3000K)を用いて、植物(リーフレタス)を育成した。この間、まずLED照明シートC(5000K)及びLED照明シートA(3000K)を、それぞれ育苗期間用の育成棚及び栽培期間用の育成棚にそれぞれ設置した。次いで、植物(リーフレタス)の種子を育苗期間用の育成棚に播種し、播種から24日が経過した後、育苗期間を終了した。次に、植物を栽培期間用の育成棚に定植し、栽培期間用の育成棚を用いて引き続き植物を栽培した。その後、播種から34日が経過した時点で植物を収穫した。
(比較例1)
育苗期間にLED照明シートB(4000K)を用い、栽培期間にLED照明シートA(3000K)を用いたこと、以外は、実施例1と同様にして植物を育成し、収穫した。
(比較例2)
育苗期間にLED照明シートA(3000K)を用い、栽培期間にLED照明シートA(3000K)を用いたこと、以外は、実施例1と同様にして植物を育成し、収穫した。
実施例1、比較例1及び比較例2のそれぞれについて、定植時の植物の葉の厚み(μm)、定植時の植物の生体重(g)、定植時の植物の草丈(cm)を測定した(図12参照)。また、播種から24日(定植時)、27日、31日、34日(収穫時)における植物の生体重(g)を測定して比較した(図13参照)。この生体重の測定は、植物の地上部生体重を株毎に計測し、平均することで算出した。表2には、収穫時における植物の地上部生体重と、収穫時における植物の地上部生体重のばらつき(標準偏差)を示す。
Figure 2022122672000003
図12に示すように、定植時における生体重及び草丈はそれぞれ、実施例1の植物が最も小さく、次いで比較例1の植物が小さく、比較例2の植物が最も大きかった。一方、定植時における葉の厚みは、実施例1の植物が最も厚く、次いで比較例2の植物が厚く、比較例1の植物が最も薄かった。このように、育苗期間にLED照明シートC(5000K)を用いたことにより、植物をコンパクトかつ頑丈な苗に成長させることができた。
図13及び表2に示すように、収穫時における生体重は、実施例1の植物と、比較例1の植物と、比較例2の植物との間で大きく異なることはなかった。このように、育苗期間にLED照明シートC(5000K)を用いたことにより、定植時に生体重が小さい場合であっても、栽培期間にLED照明シートA(3000K)を用いることにより、植物の成長を促進できた。
また上記表2に示すように、収穫時における生体重のばらつきは、実施例1の植物が最も小さく、次いで比較例1の植物が小さく、比較例2の植物が最も大きかった。このように、育苗期間にLED照明シートC(5000K)を用いたことにより、収穫時における生体重のばらつきを低減することができた。
(栽培期間における色温度の影響)
次に、栽培期間における、LED照明シートから照射される光の色温度の影響を下記のように調査した。
(実施例2)
上述した実施例1と同様に、育苗期間にLED照明シートC(5000K)を用い、栽培期間にLED照明シートA(3000K)を用いて、植物(リーフレタス)を実際に育苗した。
(比較例3)
育苗期間にLED照明シートC(5000K)を用い、栽培期間にLED照明シートB(4000K)を用いたこと、以外は、実施例2と同様にして植物を育成し、収穫した。
(比較例4)
育苗期間にLED照明シートC(5000K)を用い、栽培期間にLED照明シートA(3000K)を用いたこと、以外は、実施例2と同様にして植物を育成し、収穫した。
実施例2、比較例3及び比較例4のそれぞれについて、播種から24日(定植時)、27日、31日、34日(収穫時)における植物の生体重(g)を測定して比較した(図14参照)。この生体重の測定は、植物の地上部生体重を株毎に計測し、平均することで算出した。表3には、収穫時における植物の地上部生体重を示す。
Figure 2022122672000004
図14及び表3に示すように、収穫時における生体重は、実施例2の植物が最も大きく、次いで比較例3の植物が大きく、比較例4の植物が最も小さかった。このように、栽培期間にLED照明シートA(3000K)を用いることにより、植物の成長を促進することができた。
(栽培期間を短縮した場合の生体重の変化)
次に、栽培期間を短縮した場合における、植物の生体重に及ぼす影響を下記のように調査した。
(実施例3)
育苗期間にLED照明シートC(5000K)を用い、栽培期間にLED照明シートA(3000K)を用いて、植物(リーフレタス)を育成した。この際、まずLED照明シートC(5000K)及びLED照明シートA(3000K)を、それぞれ育苗期間用の育成棚及び栽培期間用の育成棚にそれぞれ設置した。次いで、植物(リーフレタス)を育苗期間用の育成棚に播種した。次に、植物を栽培期間用の育成棚に定植し、栽培期間用の育成棚を用いて引き続き植物を栽培した。
(比較例5)
育苗期間にLED照明シートC(5000K)を用い、栽培期間にLED照明シートC(5000K)を用いたこと、以外は、実施例3と同様にして植物を育成し、収穫した。
(比較例6)
育苗期間にLED照明シートA(3000K)を用い、栽培期間にLED照明シートA(3000K)を用いたこと、以外は、実施例3と同様にして植物を育成し、収穫した。
実施例3の植物について、育苗期間及び栽培期間の日数を変化させて3水準(水準1~水準3)栽培した。すなわち、水準1は、育苗期間を24日とし、栽培期間を9日とした(育成期間33日)。水準2は、育苗期間を25日とし、栽培期間を8日とした(育成期間33日)。水準3は、育苗期間を26日とし、栽培期間を7日とした(育成期間33日)。また、比較例5の植物について、育苗期間を24日とし、栽培期間を9日として栽培した(育成期間33日)。実施例3(水準1~水準3)及び比較例5のそれぞれについて、収穫時における植物の生体重(g)を測定して比較した。また、実施例3(水準1~水準3)及び比較例6のそれぞれについて、定植時における植物の投影葉面積(ピクセル(px))を測定して比較した。この結果を表4に示す。
Figure 2022122672000005
表4に示すように、収穫時における生体重は、実施例3(水準1~3)の植物は比較例5の植物よりも大きかった。また、実施例3の水準1~3の間で、生体重は大きく変化しなかった。このように、栽培期間にLED照明シートA(3000K)を用いた場合、栽培期間を短くしても同程度の収量を得ることができた。また、実施例3(水準1~3)の植物は比較例6の植物よりも生体重のばらつきが低減できていることが分かる。このように、栽培期間にLED照明シートC(5000K)を用いた場合、植物の成長のばらつきを低減できることがわかる。また、定植時における投影葉面積は、実施例3(水準1~3)の植物は比較例6の植物よりも狭かった。すなわち、育苗期間にLED照明シートC(5000K)を用いることにより、コンパクトな苗にすることができ、それ故、育苗日数を延ばすことができることが分かった。
上記実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10A 第1のLED照明モジュール
10B 第2のLED照明モジュール
20A 第1のLED照明シート
20B 第2のLED照明シート
21 LEDチップ
22 金属配線部
30 フレキシブル配線基板
31 基板フィルム
32 金属配線部
33 接着剤層
34 光反射性絶縁保護膜
35 透明保護膜
36 ハンダ部
40 制御部
80A 第1の育成棚
80B 第2の育成棚
81 基板
82 支柱
83 植物の育成棚用の棚板
90 植物育成施設
91 建物
図8に示すように、第1のLED照明シート20AのLEDチップ21からの光の発光スペクトルS1は、中心波長が440nm以上460nm以下である第1のピークP1と、中心波長が510nm以上530nm以下である第2のピークP2と、中心波長が610nm以上630nm以下である第3のピークP3とを有している。すなわち、発光スペクトルSは、青色波長域に存在する第1のピークP1と、緑色波長域に存在する第2のピークP2と、赤色波長域に存在する第3のピークP3とを有している。なお、LEDチップ21からの光の発光スペクトルは、光源色の測定に用いられる分光放射照度計(コニカミノルタ社製、CL-500A)を用いて測定することができる。
図8に示すように、400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとする。ここで、放射束Bは、LEDチップ21からの光の発光スペクトルS1のうち、400nm以上499nm以下の波長範囲における積分値(面積)に相当する。放射束Gは、LEDチップ21からの光の発光スペクトルS1のうち、500nm以上599nm以下の波長範囲における積分値(面積)に相当する。放射束Bは、LEDチップ21からの光の発光スペクトルS1のうち、600nm以上699nm以下の波長範囲における積分値(面積)に相当する。各放射束B、G、Rの測定は、高精度光測定機(日本医科器械製作所製、ライトアナライザー、LA105)によって行うことができる。

Claims (12)

  1. 第1の育成領域と第2の育成領域とを有する植物育成施設であって、
    前記第1の育成領域は、色温度が4500K以上5500K以下の光を照射する第1の照明装置を有し、
    前記第2の育成領域は、色温度が2500K以上3500K以下の光を照射する第2の照明装置を有する、植物育成施設。
  2. 400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、
    500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、
    600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとしたとき、
    前記第1の照明装置が照射する光の発光スペクトルは、0.54≦B/G≦0.72、かつ、0.59≦R/G≦0.77という関係を満たし、
    前記第2の照明装置が照射する光の発光スペクトルは、0.26≦B/G≦0.44、かつ、0.89≦R/G≦1.17という関係を満たす、請求項1に記載の植物育成施設。
  3. 前記第1の照明装置は、育苗用の照明装置であり、
    前記第2の照明装置は、栽培用の照明装置である、請求項1又は2に記載の植物育成施設。
  4. 植物の栽培方法であって、
    色温度が4500K以上5500K以下の光を前記植物に照明する育苗工程と、
    色温度が2500K以上3500K以下の光を前記植物に照明する栽培工程と、を有する植物の栽培方法。
  5. 400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、
    500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、
    600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとしたとき、
    前記育苗工程で用いる光の発光スペクトルは、0.54≦B/G≦0.72、かつ、0.59≦R/G≦0.77という関係を満たし、
    前記栽培工程で用いる光の発光スペクトルは、0.26≦B/G≦0.44、かつ、0.89≦R/G≦1.17という関係を満たす、請求項4に記載の植物の栽培方法。
  6. 前記育苗工程と、前記栽培工程との間に、前記植物の定植を行う定植工程を含む、請求項4又は5に記載の植物の栽培方法。
  7. 複数のLEDチップが配置された、植物育成用のLED照明装置であって、
    前記LEDチップからの光の色温度は、4500K以上5500K以下であり、
    400nm以上499nm以下の波長範囲の放射束をBとし、
    500nm以上599nm以下の波長範囲の放射束をGとし、
    600nm以上699nm以下の波長範囲の放射束をRとしたとき、
    前記LEDチップが照射する光の発光スペクトルは、0.54≦B/G≦0.72、かつ、0.59≦R/G≦0.77という関係を満たす、植物育成用のLED照明装置。
  8. 最も厚い部分における厚みが5mm以下であり、
    基板フィルムと、前記基板フィルムの表面に形成された金属配線部とを備え、前記複数のLEDチップは、前記金属配線部に実装されている、請求項7に記載の植物育成用のLED照明装置。
  9. 育苗用の照明装置である、請求項7又は8に記載の植物育成用のLED照明装置。
  10. 植物の育成棚用の棚板であって、
    基板と、
    前記基板に取り付けられた、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の植物育成用のLED照明装置を備えた、植物の育成棚用の棚板。
  11. 植物の育成棚であって、
    棚板を備え、
    前記棚板は、基板の下面側に取り付けられた、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の植物育成用のLED照明装置を備えた、植物の育成棚。
  12. 前記植物育成用のLED照明装置は、前記棚板の側面側にも更に配置されている、請求項11記載の植物の育成棚。
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