JP2022119572A - タービン部品、タービンおよびタービン部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性を向上させるとともに製造効率を向上することができるタービン部品を提供する。【解決手段】実施形態によるタービン部品は、基端部(植込部)11と、先端部(シュラウドセグメント)13と、基端部11と先端部13との間に設けられた翼部(動翼)12と、先端部13の先端面に設けられた動翼シール部14と、を備えている。基端部11、翼部12、先端部13および動翼シール部14は、シームレスで一体に形成されている。【選択図】図1
Description
実施の形態は、タービン部品、タービンおよびタービン部品の製造方法に関する。
近年、二酸化炭素の排出量を削減するために、発電プラントにおいて発電効率の向上が求められている。蒸気タービン等のタービンにおいては、効率を向上させるための対策として、作動ガスの高温化が図られている。別の対策として、タービンロータの回転に寄与しない作動ガスの量を低減して、タービン効率を向上させる取り組みも行われている。
一般に、タービンにおいては、周方向に配列された複数の静翼を含む静翼構造体と、周方向に配列された複数の動翼を含む動翼構造体とが、交互に配置されている。蒸気等の作動ガスは、静翼および動翼を交互に通過する。このことにより、作動ガスは静翼に案内されながら、動翼に対して仕事を行い、タービンロータを回転させる。しかしながら、一部の作動ガスは、静翼構造体の内周端部とタービンロータとの間の隙間を通過したり、動翼構造体の外周端部とケーシングとの間の隙間を通過したりする。このような隙間を通過する作動ガスは、漏れガス(蒸気タービンでは漏れ蒸気)とも称され、タービンロータの回転に寄与しない。作動ガスの漏れ量が多くなると、タービンの効率が低下し得る。
作動ガスの漏れ量を低減するための対策として、静翼構造体の内周端部に設けるシール部を、ドロマイト等のアブレイダブル材料で形成する場合がある。この場合、タービンロータには、ナイフエッジ状のフィンが設けられて、シール部に対向させる。アブレイダブル材料は、フィンに切削されやすい材料である。このため、タービンの起動時に、フィンがシール部を切削し、シール部にフィンが通過する溝が形成される。このことにより、シール部に形成される溝とフィンとの隙間を小さくすることができ、当該隙間を通過する作動ガスの量を低減することができる。このため、作動ガスの漏洩量を低減でき、タービンの効率向上を図ることができる。動翼構造体の外周端部に設けられるシール部をアブレイダブル材料で形成する場合もあるが、この場合においても同様にタービンの効率向上を図ることができる。
しかしながら、シール部を形成するためのアブレイダブル材料は、静翼構造体の内周端部または動翼構造体の外周端部に、溶射されている。このようにシール部は、溶射時に熱を受けるため、シール部には残留応力が存在し得る。この残留応力の存在によって、シール部が剥離される可能性がある。
また、静翼構造体は、塊状の材料体から製品形状に機械加工される。その後、静翼構造体の内周端部に、アブレイダブル材料が溶射されてシール部が形成される。このため、静翼構造体を製作するための工程が多くなり、製作に時間がかかるという問題がある。
実施の形態は、このような点を考慮してなされたものであり、信頼性を向上させるとともに製造効率を向上することができるタービン部品、タービンおよびタービン部品の製造方法を提供することである。
実施の形態によるタービン部品は、基端部と、先端部と、基端部と先端部との間に設けられた翼部と、先端部の先端面に設けられたシール部と、を備えている。基端部、翼部、先端部およびシール部は、シームレスで一体に形成されている。
実施の形態によるタービンは、上述したタービン部品を備えている。
実施の形態によるタービン部品の製造方法は、上述したタービン部品を、付加製造法を用いて製造する。
実施の形態によれば、信頼性を向上させることができるとともに製造効率を向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態におけるタービン部品、タービンおよびタービン部品の製造方法について説明する。
ここでは、まず、タービンの一例として、蒸気タービンについて図1を用いて説明する。
図1に示すように、蒸気タービン1は、ケーシング2と、タービンロータ3と、複数の動翼構造体10と、複数の静翼構造体20と、を備えている。タービンロータ3は、ケーシング2に回転可能に取り付けられている。
各動翼構造体10は、タービンロータ3のディスク4に取り付けられている。各動翼構造体10は、周方向に所定の間隔で配置された複数の動翼12を含んでいる。静翼構造体20は、ケーシング2に取り付けられている。各静翼構造体20は、周方向に所定の間隔で配置された複数の静翼22を含んでいる。動翼構造体10と静翼構造体20は、タービンロータ3の軸方向に交互に配置されている。各静翼構造体20は、下流側で隣り合う動翼構造体10と共にタービン段落を構成している。
作動流体としての蒸気は、図示しないボイラ等から供給されて、第1のタービン段落を通過する。そして、蒸気は、各タービン段落を通過して下流側に流れる。この間、蒸気が静翼22により整流されて動翼12に案内される。動翼12が、蒸気の膨張仕事を受けて、タービンロータ3が回転する。このことにより、タービンロータ3に連結された発電機(図示せず)が発電を行う。最終のタービン段落を通過した蒸気は、復水器(図示せず)に送られて復水が生成され、生成された復水は、上述したボイラに供給される。
動翼構造体10は、タービン部品の一例である。動翼構造体10は、植込部11と、上述した複数の動翼12と、シュラウドセグメント13と、を含んでいる。植込部11は、基端部の一例である。動翼12は、翼部の一例であり、ガスタービンではバケットと称される場合もある。シュラウドセグメント13は、先端部の一例である。複数の動翼12は、植込部11とシュラウドセグメント13との間に設けられており、周方向に所定の間隔で配置されている。周方向に互いに隣り合う動翼12の間に、蒸気が通過する流路が形成されている。植込部11は、動翼12よりも半径方向内側に配置され、シュラウドセグメント13は、動翼12よりも半径方向外側に配置されている。
シュラウドセグメント13の先端面に、動翼シール部14が設けられている。より具体的には、動翼シール部14は、シュラウドセグメント13の外周端面に設けられており、シュラウドセグメント13よりも半径方向外側に配置されている。ケーシング2には、動翼シール部14に対向する動翼フィン5が設けられている。動翼フィン5は、ナイフエッジ状に形成されている。動翼フィン5は、蒸気タービン1の運転中に、動翼シール部14を切削するように構成されている。
植込部11、動翼12、シュラウドセグメント13および動翼シール部14は、シームレスで一体に形成されている。本実施の形態におけるシームレスとは、植込部11、動翼12、シュラウドセグメント13および動翼シール部14が別々に形成されてこれらを溶接等で接合した場合に形成されるシーム(継ぎ目)が無いという意味で用いている。このようなシームレスの動翼構造体10は、付加製造法を用いて製造することにより得られる。本明細書で用いる付加製造という用語は、JIS B 9441-2020で規定されている。付加製造法の一例として、3次元積層造形装置(3Dプリンタ)を用いた電子ビーム積層造形法が挙げられる。この場合、植込部11、動翼12、シュラウドセグメント13および動翼シール部14を一部品として一体に形成することができる。
動翼シール部14の剛性は、シュラウドセグメント13の剛性よりも低くてもよい。例えば、動翼シール部14は、図2に示すように、ハニカム構造を有していてもよい。ハニカム構造とは、略正六角形の孔が所定の方向に延びて六角柱状の孔14aが多数形成されている構造を意味する。本実施の形態による動翼シール部14においては、六角柱状の孔14aが略半径方向に延びていてもよい。このようにして、動翼シール部14の剛性を、シュラウドセグメント13の剛性よりも低くすることができる。このため、動翼フィン5による動翼シール部14の快削性を向上させることができ、動翼フィン5が、動翼シール部14を切削しやすくすることができる。
植込部11、動翼12、シュラウドセグメント13および動翼シール部14は、同一の材料によって形成されている。植込部11、動翼12、シュラウドセグメント13および動翼シール部14は、例えば、鉄基合金によって形成されていてもよく、あるいは、例えば、ニッケル基合金によって形成されていてもよい。このことにより、高温時における動翼構造体10の機械的強度を向上させることができる。鉄基合金の具体例としては、12Cr鋼等のクロム鋼が挙げられる。
動翼シール部14のうち動翼フィン5に対向する面(先端面)に、熱処理により酸化皮膜14c(図1参照)が形成されていてもよい。この場合、静翼フィン6の滑り性を向上させることができる。酸化皮膜14cの例としては、例えば、Cr2O3、Al2O3、Fe2O3またはFe3O4を含有する保護性酸化皮膜が挙げられる。
静翼構造体20は、タービン部品の一例である。静翼構造体20は、外輪21と、上述した複数の静翼22と、内輪23と、を含んでいる。外輪21は、基端部の一例であり、静翼22は、翼部の一例であり、ノズルまたはベーンと称されることもある。内輪23は、先端部の一例である。複数の静翼22は、外輪21と内輪23との間に設けられており、周方向に所定の間隔で配置されている。周方向に互いに隣り合う静翼22の間に、蒸気が通過する流路が形成されている。外輪21は、静翼22よりも半径方向外側に配置され、内輪23は、静翼22よりも半径方向内側に配置されている。
内輪23の先端面に、静翼シール部24が設けられている。より具体的には、静翼シール部24は、内輪23の内周端面に設けられており、内輪23よりも半径方向内側に配置されている。タービンロータ3には、静翼シール部24に対向する静翼フィン6が設けられている。静翼フィン6は、ナイフエッジ状に形成されている。静翼フィン6は、蒸気タービン1の運転中に、静翼シール部24を切削するように構成されている。
外輪21、静翼22、内輪23および静翼シール部24は、動翼構造体10と同様に、シームレスで一体に形成されていてもよい。
静翼シール部24の剛性は、内輪23の剛性よりも低くてもよい。例えば、静翼シール部24は、動翼シール部14と同様に、ハニカム構造を有していてもよい。本実施の形態による静翼シール部24においては、六角柱状の孔が略半径方向に延びていてもよい。このようにして、静翼シール部24の剛性を、内輪23の剛性よりも低くすることができる。このため、静翼フィン6による静翼シール部24の快削性を向上させることができ、静翼フィン6が、静翼シール部24を切削しやすくすることができる。
外輪21、静翼22、内輪23および静翼シール部24は、同一の材料によって形成されている。外輪21、静翼22、内輪23および静翼シール部24は、例えば、ニッケル基合金によって形成されていてもよい。このことにより、高温時における静翼構造体20の機械的強度を向上させることができる。
静翼シール部24のうち静翼フィン6に対向する面(先端面)に、熱処理により酸化皮膜24b(図1参照)が形成されていてもよい。この場合、静翼フィン6の滑り性を向上させることができる。酸化皮膜24bの例としては、例えば、Cr2O3を含有する保護性酸化皮膜が挙げられる。
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわち、タービン部品の製造方法について図3および図4を用いて説明する。ここでは、タービン部品の一例としての動翼構造体10の製造方法について説明する。
まず、一般的な動翼構造体30の製造方法について図3を用いて説明する。
図3(a)に示すように、ニッケル基合金で形成された塊状の材料体31を準備する。この材料体31は、棒状であってもよく、または直方体状であってもよい。
続いて、図3(a)に示す材料体31を機械加工して、図3(b)に示すように、植込部11、動翼12およびシュラウドセグメント13を形成する。この場合、まず、粗く材料体31を切削し、その後に仕上げ加工を行ってもよい。
その後、図3(c)に示すように、シュラウドセグメント13の先端面に、アブレイダブルシール部32が形成される。図3(c)に示すアブレイダブルシール部32は、本実施の形態による動翼シール部14とは異なり、アブレイダブル材料で形成されている。この場合、シュラウドセグメント13の先端面に、溶射ノズル33からアブレイダブル材料が溶射されることにより、アブレイダブルシール部32が形成される。このようにして、図3(d)に示すような動翼構造体30が得られる。
このように、アブレイダブルシール部32を含む動翼構造体30は、本実施の形態による付加製造法を用いて動翼構造体10を製造する場合よりも、多くの製造工程を要している。また、図3(b)に示す機械加工を行う際には、多くの切粉が発生する。
次に、本実施の形態による動翼シール部14を含む動翼構造体10の製造方法について図4を用いて説明する。
まず、1層目として、3次元積層造形装置40のノズル41からニッケル基合金などの金属粉末が吐出され、ステージ42上に第1金属層51が形成される(図4(a)参照)。
続いて、第1金属層51に、電子ビームBが照射される(図4(b)参照)。電子ビームBは、動翼構造体10の3次元CADデータに基づいて、第1金属層51において動翼構造体10の形状に対応する領域に照射される。第1金属層51のうち電子ビームBが照射された部分は、溶融して凝固し、一体化された凝固部分51aが形成される。
次に、2層目として、ノズル41から金属粉末が吐出され、第1金属層51上に第2金属層52が形成される(図4(c)参照)。
続いて、第2金属層52に、当該第2金属層52において動翼構造体10の形状に対応する領域に電子ビームBが照射される(図4(d)参照)。このことにより、第2金属層52のうち電子ビームBが照射された部分が、溶融して凝固し、一体化された凝固部分52aが形成される。この際、第2金属層52の凝固部分52aは、第1金属層51の凝固部分51aにも一体化される。
このような処理を繰り返すことにより、金属粉末の凝固部分が積層され、各金属層の凝固部分が一体化されて動翼構造体10が形成される(図4(e)参照)。すなわち、植込部11と、動翼12と、シュラウドセグメント13と、動翼シール部14と、を含む動翼構造体10が形成される。動翼シール部14は、ハニカム構造を有している。この時点では、凝固部分の周囲に、各金属層の凝固していない金属粉末が残存している。
その後、金属粉末の凝固していない部分が除去されて、動翼構造体10が得られる(図4(f)参照)。
なお、上述した処理は、各金属層の厚さを薄くして、きめ細かく積層することにより、CADデータに即した所望の形状で凝固部分を形成することができる。また、図4においては、積層方向が半径方向(図1における上下方向)である例について示しているが、動翼構造体10を好適に製造することができれば、これに限られることはない。積層方向は、例えば、タービンロータ3の軸方向(図1における左右方向)にしてもよい。
得られた動翼構造体10は、タービンロータ3のディスク4に取り付けられて、図1に示すような蒸気タービン1が得られる。
このように、本実施の形態による動翼シール部14を含む動翼構造体10は、製造工程を簡略化して、工程数を減らすことができる。また、図4に示す製造工程では、機械加工が行われないため、切粉が発生することを防止できる。
このようにして得られた本実施の形態による動翼構造体10は、タービンロータ3のディスク4に取り付けられる。蒸気タービン1の組立状態では、動翼シール部14は、ケーシング2に取り付けられた動翼フィン5に対向する。
蒸気タービン1の起動時、動翼フィン5が動翼シール部14に入り込んで動翼シール部14を切削する。このことにより、動翼シール部14に、動翼フィン5が通過する溝14b(図1参照)が形成される。ここで、動翼シール部14のうち動翼フィン5に対向する面に熱処理による酸化皮膜14cが形成されている場合、切削開始時において、動翼シール部14に対する動翼フィン5の滑り性を向上させることができる。このため、動翼フィン5による切削抵抗を小さくしながら、溝14bを形成することができる。また、この溝14bは、動翼シール部14を動翼フィン5が切削することにより形成されるため、動翼シール部14に形成される溝14bと動翼フィン5との隙間を小さくすることができる。この場合、当該隙間を通過する蒸気の量を低減することができる。このため、蒸気の漏洩量を低減でき、蒸気タービンの効率向上を図ることができる。
本実施の形態による静翼構造体20についても同様である。すなわち、静翼シール部24を、アブレイダブル材料で形成されたアブレイダブルシール部とする場合、多くの製造工程を要する。これに対して、本実施の形態による静翼シール部24を含む静翼構造体20は、付加製造法を用いて製造することができる。このことにより、製造工程を簡略化して、工程数を減らすことができる。また、本実施の形態による静翼構造体20の製造工程では、機械加工が行われないため、切粉が発生することを防止できる。
蒸気タービン1の起動時には、静翼フィン6が静翼シール部24に入り込んで静翼シール部24を切削する。このことにより、静翼シール部24に、静翼フィン6が通過する溝24a(図1参照)が形成される。ここで、静翼シール部24のうち静翼フィン6に対向する面に熱処理による酸化皮膜24bが形成されている場合、切削開始時において、静翼シール部24に対する静翼フィン6の滑り性を向上させることができる。このため、静翼フィン6による切削抵抗を小さくしながら、溝24aを形成することができる。また、この溝24aは、静翼シール部24を静翼フィン6が切削することにより形成されるため、静翼シール部24に形成される溝24aと静翼フィン6との隙間を小さくすることができる。この場合、当該隙間を通過する蒸気の量を低減することができる。このため、蒸気の漏洩量を低減でき、蒸気タービンの効率向上を図ることができる。
このように本実施の形態によれば、動翼構造体10の植込部11、動翼12、シュラウドセグメント13および動翼シール部14は、シームレスで一体に形成されている。このため、動翼シール部14がシュラウドセグメント13から剥離されることを防止でき、動翼構造体10の信頼性を向上させることができる。また、植込部11、動翼12、シュラウドセグメント13および動翼シール部14がシームレスで一体に形成されていることにより、動翼構造体10の製造工程を簡略化することができる。このため、動翼構造体10の製造効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、静翼構造体20の外輪21、静翼22、内輪23および静翼シール部24は、シームレスで一体に形成されている。このため、静翼シール部24が内輪23から剥離されることを防止でき、静翼構造体20の信頼性を向上させることができる。また、外輪21、静翼22、内輪23および静翼シール部24がシームレスで一体に形成されていることにより、静翼構造体20の製造工程を簡略化することができる。このため、静翼構造体20の製造効率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、動翼シール部14の剛性は、シュラウドセグメント13の剛性よりも低くなっている。このことにより、動翼フィン5による動翼シール部14の快削性を向上させることができる。このため、蒸気タービン1の起動時に、動翼フィン5によって動翼シール部14をスムースに切削することができる。また、本実施の形態によれば、静翼シール部24の剛性は、内輪23の剛性よりも低くなっている。このため、静翼フィン6による静翼シール部24の快削性を向上させることができる。このため、蒸気タービン1の起動時に、静翼フィン6によって静翼シール部24をスムースに切削することができる。
また、本実施の形態によれば、動翼シール部14は、ハニカム構造を有している。このことにより、動翼シール部14の快削性をより一層向上させることができ、動翼フィン5によって動翼シール部14をより一層スムースに切削することができる。また、本実施の形態によれば、静翼シール部24は、ハニカム構造を有している。このことにより、静翼シール部24の快削性をより一層向上させることができ、静翼フィン6によって静翼シール部24をより一層スムースに切削することができる。
なお、上述した本実施の形態においては、動翼構造体10の動翼シール部14がハニカム構造を有している例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、動翼シール部14は、ジャイロイド構造を有していてもよい。この場合においても、動翼シール部14の快削性をより一層向上させることができ、動翼フィン5によって動翼シール部14をより一層スムースに切削することができる。
ジャイロイド構造とは、周期極小曲面を有する構造を意味する。周期極小曲面は、下記の式(1)で示す近似式を用いて表すことができる。
同様に、静翼構造体20の静翼シール部24も、ハニカム構造ではなく、ジャイロイド構造を有していてもよい。
また、上述した本実施の形態においては、動翼構造体10の植込部11、動翼12、シュラウドセグメント13および動翼シール部14がシームレスで一体に形成されているとともに、静翼構造体20の外輪21、静翼22、内輪23および静翼シール部24がシームレスで一体に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、動翼構造体10および静翼構造体20のいずれか一方がシームレスで一体に形成されていれば、他方は、シームレスで一体に形成されていなくてもよい。
以上述べた本実施の形態によれば、信頼性を向上させることができるとともに製造効率を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図5は、サンプル1とサンプル2の引張強度を示すグラフである。図5に示すサンプル1は、12Cr鋼製の部材に、ドロマイトを溶射してアブレイダブル材料層が形成されたサンプルである。サンプル2は、12Cr鋼を用いて積層造形法により作製したサンプルである。サンプル1とサンプル2で引張試験を行い、図5に示す結果が得られた。サンプル1の引張強度は、12Cr鋼製の部材とアブレイダブル材料層との間の剥離強度に相当する。図5に示すように、サンプル1の引張強度よりも、サンプル2の引張強度が大きいことがわかる。このことにより、積層造形法を用いてシームレスで一体に形成した場合には、アブレイダブル材料を溶射してシール部を形成する場合よりもシール部の強度が向上することができ、信頼性を向上できることがわかる。なお、サンプル1およびサンプル2の引張強度は、室温環境下で引張試験を行うことにより得られたデータである。
また、本実施の形態によるシール部の摩擦係数を測定した。図6に示すように、円板状に形成された回転体60と、棒状に形成された試験体61とを準備した。回転体60を回転させて、回転体60の外周面に試験体61を押付力F1で押し付けた。試験体61の先端に歪みゲージを貼り付けて、歪みゲージから得られる変位から、試験体61の先端において発生する円板の接線方向の力F2を求めた。F1/F2を求めることにより、摩擦係数を得た。
図7には、サンプル3~5の摩擦係数を示している。サンプル3は、アブレイダブル材料としてのドロマイトで形成された試験体61である。サンプル4は、本実施の形態の製造方法により製造されたハニカム構造を有する試験体61である。サンプル5は、本実施の形態の製造方法により製造されたジャイロイド構造を有する試験体61である。サンプル4およびサンプル5はいずれも、12Cr鋼で作製した。
図7に示すように、サンプル4およびサンプル5の摩擦係数は、サンプル3の摩擦係数よりも小さくなることが確認できた。摩擦係数が小さい場合には、切削開始時におけるフィン5、6による切削抵抗を小さくすることができ、フィン5、6によるシール部14、24の快削性を向上させることができる。
10:動翼構造体、11:植込部、12:動翼、13:シュラウドセグメント、14:動翼シール部、14c:酸化皮膜、20:静翼構造体、21:外輪、22:静翼、23:内輪、24:静翼シール部、
24b:酸化皮膜、
24b:酸化皮膜、
Claims (12)
- 基端部と、
先端部と、
前記基端部と前記先端部との間に設けられた翼部と、
前記先端部の先端面に設けられたシール部と、を備え、
前記基端部、前記翼部、前記先端部および前記シール部は、シームレスで一体に形成されている、タービン部品。 - 前記シール部の剛性は、前記先端部の剛性よりも低い、請求項1に記載のタービン部品。
- 前記シール部は、ハニカム構造を有している、請求項1または2に記載のタービン部品。
- 前記シール部は、ジャイロイド構造を有している、請求項1または2に記載のタービン部品。
- 前記翼部は、動翼である、請求項1~4のいずれか一項に記載のタービン部品。
- 前記翼部は、静翼である、請求項1~4のいずれか一項に記載のタービン部品。
- 前記基端部、前記翼部、前記先端部および前記シール部は、鉄基合金によって形成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のタービン部品。
- 前記基端部、前記翼部、前記先端部および前記シール部は、ニッケル基合金によって形成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のタービン部品。
- 前記シール部の先端面に、熱処理による酸化皮膜が形成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のタービン部品。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載のタービン部品を備えた、タービン。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載のタービン部品を、付加製造法を用いて製造する、タービン部品の製造方法。
- 前記付加製造法は、電子ビーム積層造形法である、請求項11に記載のタービン部品の製造方法。
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JP2021016801A Pending JP2022119572A (ja) | 2021-02-04 | 2021-02-04 | タービン部品、タービンおよびタービン部品の製造方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2022119572A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117468996A (zh) * | 2023-12-28 | 2024-01-30 | 中国核动力研究设计院 | 干气密封结构和超临界二氧化碳涡轮系统 |
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2021
- 2021-02-04 JP JP2021016801A patent/JP2022119572A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN117468996A (zh) * | 2023-12-28 | 2024-01-30 | 中国核动力研究设计院 | 干气密封结构和超临界二氧化碳涡轮系统 |
CN117468996B (zh) * | 2023-12-28 | 2024-05-03 | 中国核动力研究设计院 | 干气密封结构和超临界二氧化碳涡轮系统 |
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