JP2022117496A - 洋上風力発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 自然エネルギーによる電力供給において、その大容量化には洋上風力発電が期待される。一方、国内においては地理的条件により、洋上風力発電は浮上式が適するが、そのコスト低減が求められている。【解決手段】 洋上における平面視多角形の頂点となる位置に、複数台の風力発電装置(1A,1B,1C)を各々設置してなる洋上風力発電システムであって、頂点のうち一つを、洋上に設けられた固定端浮上部(3)とし、前記複数台の風力発電装置(1A,1B,1C)のうち、一つの風力発電装置(1A)は該固定端回転浮上部に設置されているとともに、多角形の他の頂点となる該連結部(5A,5B)の他端側は可動端浮上部(4,4)とされて、該可動端浮上部(4,4)には他の風力発電装置(1B,1C)が設置され、固定端回転浮上部(31)の動きに連結部(5A,5B,5C)が風下側へ追従して動作するように構成した。【選択図】 図2

Description

本発明は、複数の洋上風力発電装置を多角形に配置した洋上発電装置群とし、特に深海域に適した洋上風力発電システムに関する。
従来、電力需要の増加に対しては水力、火力、原子力発電などの大容量電源に依存してきたが、我が国の水力発電は自然的地勢により立地上の適地は既に開発済みであり、原子力発電は社会的合意性に問題がある。一方で、地球環境大気圏のCO2を始めとする温暖化ガス低減のため、自然エネルギーの活用が重要課題となってきている。
かような状況下、自然エネルギーの開発が急務となってきているが、大容量電源として洋上風力発電への期待が大きくなっている。しかし、その発電コストは火力発電の2~3倍になることから、そのコスト低減は喫緊の緊急課題となっている。
特に我が国における列島沿岸海域は、大陸棚の浅海域が少なく海洋浮上式の風力発電が期待されるが、海洋浮上式の風力発電装置は、浅海部の海底固定柱状タワー型に比較してコスト高になるという課題がある。
大規模風力発電への期待は大なるものであるが、日本列島沿岸部の大陸棚の深度200m以浅は455,000kmであり、日本国土面積377,900kmの1.2倍に相当する。一方、排他的経済水域(EEZ)4,480,000kmは11.9倍であり、これらの点からも洋上風力発電が期待される。海外では、深度20~40mの浅海部での着床式風力発電が普及しているが、日本列島の周辺沿岸部は浅海部が少なく、着床式風力発電はコスト高となることから海洋浮上式の風力発電のコスト低減が求められるところである。
洋上風力発電は、通常、以下の二つの方式により設置される。
(方式1)
海底に風力発電装置の柱状タワー部の底部を海底に着床させるとともに、柱状タワー部を海面上に突出させ、柱状タワー部の頂部に風力発電装置を設置する方式。
(方式2)
海底に3箇所以上のアンカー(錨固定部)を設置し、各アンカーを、海面上に浮上する浮体構造体に鉄鎖で連結し、海面上の定位置に固定した浮体構造体に風力発電装置を設置する方式。
以上の二つの方式のうち、海底の深度が20~40m程度以内であれば、方式1の風力発電装置のように、一基毎に柱状タワー部を海底に着床させて設置するのは経済的であるが、海底深度が40m程度を超えると柱状タワーの底部を海底に埋設固定する工事費が割高になる場合がある。そこで、アンカー部を海底に着床埋設し、風力発電装置を海面上の浮体構造体に設置する方式2によるのが有利になる。
浮体式の洋上風力発電に関する発明の先行技術としては、以下の特許文献が存在する。
特許文献1には、浮体式洋上風力発電装置の基礎構造に関する発明が開示されているが、同文献記載の発明は一つの浮体と、この浮体を中心として配置されている外周浮体とを有し、この外周浮体に、その半径外側方向へ突出する復元力補強部を設けることで、浮体の傾斜並びに平面的な回転を抑制するとされている。
また、特許文献2には、風車が設置される支柱が立設された浮体と、海底と連結される係留管と、この係留管に対して回転可能に設けられ、且つ回動端に浮体が連結された第1アーム(保持アーム)と、さらに係留管の下端は緩衝機構部を介して浮体下部に対し第2アーム(緩衝保持アーム)によって連結されてなる浮体式洋上風力発電装置が開示されている。同発明は、風向きに対する追従性に優れ、且つ緩衝機構部によって係留管の不用意な回転・回動動作を抑制し得るとされ、係留索の捩じれを効果的に防止し得るとされている。

特開2010-216273号公報 特開2017-8807号公報
国立環境研究所;セイリング型洋上風力発電研究成果報告会より、 「浮上体での風車の基本コンセプト:風車間隔と出力の関係」
前述した洋上風力発電の海底着床固定式(方式1)、または洋上浮上式(方式2)のいずれの場合も陸上風力発電の設置コストよりも割高になるが、我が国での風力発電施設の大規模化を考慮すると、陸上風力発電は地勢・立地的に制約されるが、洋上風力発電については開発促進の可能性がある。
また、前述した特許文献1記載の発明は、1基の風力発電装置を設置するに際し、複数の浮体を構成要件としていることから、構造が複雑化しコスト高となる可能性があった。
さらに、特許文献2記載の発明は、あくまで1基の風力発電装置を設置することを目的としている。つまり、上記文献記載の発明は、複数基の発電装置からなる洋上風力発電装置群に適用することは想定されていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、洋上風力発電の大規模化に適し、建設並びに運用コストの低減を図ることが可能な洋上風力発電システムを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、洋上における平面視多角形の頂点となる位置に、複数台(N台)の風力発電装置を各々設置してなる洋上風力発電システムであって、当該頂点の1点を海底に固定された固定端浮上部とし、該固定端浮上部は固定端静止浮上部と、該固定端静止浮上部に対して相対的に回転可能に設置された固定端回転浮上部とを有し、前記複数台の風力発電装置のうち、一つの風力発電装置は該固定端回転浮上部に設置されているとともに、多角形の他の頂点は可動端浮上部として他の風力発電装置(N-1)台が設置され、多角形各頂点を結ぶ辺に相当する連結部により多角形浮上体を構成し,前記固定端静止浮上部には電力ケーブルを含む電力連係設備が設けられ、前記可動端浮上部に設置されている複数台(N―1台)の風力発電装置の発電電力を、該固定端静止浮上部の該電力連係設備に集合させて、前記固定端回転浮上部の風力発電装置の発電電力とともに一括して送電可能とし、洋上に設置した際、前記固定端回転浮上部は風上側に位置する一方、他の頂点の前記可動端浮上部は風下側に追従して動作するように構成したことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、洋上における平面視多角形の頂点となる位置に、複数台(N台)の風力発電装置(1A,1B,1C)を各々設置してなる洋上風力発電システムであって、当該頂点の1点を海底に固定された固定端浮上部(3)とし、該固定端浮上部(3)は固定端静止浮上部(32)と、該固定端静止浮上部(32)に対して相対的に回転可能に設置された固定端回転浮上部(31)とを有し、前記複数台の風力発電装置(1A,1B,1C)のうち、一つの風力発電装置(1A)は該固定端回転浮上部(31)に設置され、前記多角形は二等辺三角形を基本として構成し、二等辺の長さをL、他の辺の長さをLとした場合に、(L/L)=1.0~1.8 の関係とするとともに、多角形の他の頂点は可動端浮上部(4)として他の風力発電装置(N-1)台が設置され、多角形各頂点を結ぶ辺に相当する連結部(5A,5B,5C)により多角形浮上体を構成し,洋上に設置した際、前記固定端回転浮上部(31)は風上側に位置する一方、他の頂点の前記可動端浮上部(4)は風下側に追従して動作するように構成したことを特徴としている。
請求項2記載の発明では、建設コスト、運用コスト低減の解決策として、洋上の風力発電装置の複数台を多角形浮上体の頂点に各1台ずつ設置し、風力発電装置群を構成する。即ち、風力発電装置N台をN角形の頂点に設置する。多角形の頂点のうち、1点のみを固定端とし、固定端を風上として、他の頂点は風向により風下側で追従するが、多角形は二等辺三角形を基本として構成し、二等辺の長さをL、他の底辺の長さをLとした場合に、L/L=1.0~1.8 の関係とし頂角L/L=1.8の頂角は128度以内として風向による追従の安定性と、風上側と風下側の風力プロペラの重複を避ける場合、風上側と風下側のプロペラ間隔の縮小を考慮し、コスト低減を図ることを特徴とした風力発電システムである。
請求項3記載の発明は、上記1項又は2項において、前記複数台の風力発電装置の各支持柱材には、風向に自動追従するための垂直尾翼(21A,21B,21C)が設けられていることを特徴としている。
請求項4記載の発明は、上記1項~3項のうち何れか1項において、前記固定端浮上部(3)には、複数台の風力発電装置によって発電された電力を送電するために風向変動に対応する可捻電線(63)が配設されているとともに、前記連結部の他端側の可動端浮上部(4,4)には電線捻れ復元用に復元用水中推進スクリュ-(41)を設置したことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、上記1項~4項のうち何れか1項において、前記固定端回転浮上部に設置されている風力発電装置は、風下側となる前記可動端浮上部に設置されている風力発電装置よりも発電出力が40~70%に設定され、風上側となる該固定端回転浮上部の風力発電装置のプロペラ先端部によって生じる後流の風の乱れを避けるようにしたことを特徴としている。
請求項6記載の発明は、上記1項~4項のうち何れか1項において、前記固定端回転浮上部に設置されている風力発電装置のプロペラの一方側の翼端、及び前記可動端浮上部に設置されている風力発電装置のプロペラの一方側の翼端を結ぶ線分と、各プロペラ径方向に対して垂直方向へ延びる垂線とのなす角度は、32°以上であることを特徴としている。
本発明によれば、浮上体の各頂点に配置した風力発電機N台を1群として、そのうち1台のみを海底に固定した固定端として海底工事の削減を図り、又、洋上より陸上部へ送電するための風向捩れ部、電力開閉・変電装置は風力発電装置N台分を一括して固定端1台のみに設置するとともに、可動端には風向捩れ復元装置を設置していることから、建設コストの低減に寄与する。
また、洋上発電機群は多角形配置を形成し、各頂点を連結する連結構造体は、小型船舶の暴風時の避難繋留に利用しうることなど、風力発電以外の利用に供することも可能である。
本発明に係る洋上風力発電システムの風洞実験による風下側の風力発電装置による出力低減率(国立環境研究所、マリンフロート推進機構研究成果報告より抜粋)を示す説明図である。 本発明に係る洋上風力発電システムの一例を示す平面図で、洋上風力発電装置を3基で構成した例を示している。 同じく、本発明に係る洋上風力発電システムの一例を示す図で、図1における洋上風力発電システムの側面図である。 同じく、本発明に係る洋上風力発電システムの要部を示す図で、図5における洋上風力発電システムのX―X´線に沿った矢視断面図である。 同じく、本発明に係る洋上風力発電システムの一例を示す図で、洋上風力発電システムの固定端浮上部が、海中に設置されている状態の要部を示す側面図である。 同じく、本発明に係る洋上風力発電システムの一例を示す図で、洋上発電機群の連結部における可動端浮上部の平面図である。 同じく、本発明に係る洋上風力発電システムの一例を示す図で、洋上発電機群の連結部における可動端浮上部の側面図である。 図8(a)は風力発電装置のプロペラのロータに対する風の流れを示した説明図、図8(b)は本発明に係る洋上風力発電システムの他の実施例を示す平面図である。 本発明に係る洋上風力発電システムの他の実施例を示す図で、連結部に太陽光発電装置が設置された場合の平面図である。
以下、添付図面にしたがって本発明に係る洋上風力発電システムについて、詳細に説明する。
図2乃至図5に示される本発明の洋上風力発電システムは、洋上風力発電装置N台(本実施形態では3台)を一群として構成され、洋上の平面視多角形の頂点となる位置に、3台の風力発電装置1A~1Cが各々設置されている。
図2及び図5に示されるように、3台の風力発電装置1A~1Cのうち、1Aは洋上の浮上構造体の固定端浮上部3に設置されている。固定端浮上部3は、水密構造で浮力を備える固定端回転浮上部31、固定端静止浮上部32を具備し、固定端静止浮上部32の側面には、固定端アンカー連結鎖34の上端部が、固定端アンカー接続部35により取り付けられている。
風力発電装置N台を集合化して多角形配置する場合、多角形面積を極力縮小化することは建設コストなどの低減となるが、反面風下側の発電装置1B,1Cが風力低下の影響を受けて、システム全体としての発電出力は低下する。
図1は、風力発電装置を集合化した場合の風下側の出力低減率を示している。同図は、国立環境研究所で行われた風洞実験(「浮上体での風車の基本コンセプト:風車間隔と出力の関係」)の結果から引用した図である。
この図では、Dがプロペラ径であり、基準点が風上側となる風力発電装置1Aの位置に相当し、横軸は基準点より風下側へ水平に変位した値、縦軸は基準点から風下側へ直角方向に変位した値に相当する。
図1に示される実験値から、風下側2台の風力発電装置1B,1Cの出力低減率を90%以内とするには風下側間隔が約0.6D以上、風下直角方向間隔が約0.75D以上となる。
図2は、本発明の洋上風力発電システムの一実施形態を平面的に示し、洋上風力発電装置を3基で構成した例を示している。同図の洋上風力発電システムでは、二等辺長さをL、他の辺の長さをLとした場合に、出力低減率を少なくするには以下のように設定するのが望ましい。
(L/L)=1.0~1.8~(1)
上式(1)の(L/L)=1.0のときは、二等辺三角形の角度θは60°、つまり正三角形配置となる。(L/L)=1.73のときは、角度θは120°である。
一例として、三角形配置にて、風下側2台の出力低減率を90%以内とすることを念頭に、3台の風力発電装置1A~1C間の間隔割合を図1より求めた。つまり、図2に示す三角形配置で、二等辺長をL1、他の辺長をL2としたとき、下記の関係が成立する。
=1.0,L=1.5のとき、(L/L)=1.5
この場合は、図1から、風下側における発電出力の低減率は0.9となり、発電システム全体として十分な性能を発揮することが可能である。
以上より風力発電の集合化による搖動対策を図る場合、風下側の発電出力低減をある程度許容して多角形面積の縮小化を図ることは、経済性、及び水産漁業との協調性、海上交通の安全性確保の面から有効である。
本実施形態の洋上風力発電システムでは以下の構成が採用されている。図5に示されるように、固定端アンカー連結鎖34の下端部は海底に設置された固定端アンカー海底固定部36と接続されて、固定端浮上部3は洋上の一定位置に固定されている。固定端静止浮上部32の上部には、固定端回転浮上部31が回転軸ベアリング33を、介して当該固定端静止浮上部32に対し、摺動しながら相対的に回転可能に設けられている。
また、風力発電装置の支持部材としての風力発電支持柱2Aには、垂直尾翼21Aが取り付けられており、これによって固定端回転浮上部31に取り付けられた風力発電装置支持柱2Aは、垂直尾翼21Aの作用により風力発電装置1Aのプロペラ11を、風上側に向かう方向へ動かすようになっている。
図4に示されるように、固定端回転浮上部31には連結部5A,5Bの一端側がそれぞれ取り付けられている。一方、該連結部5A,5Bの他端側を可動端浮上部4とし、図3に示されるように、その可動端浮上部4には、立設した支持柱2B,2C(2Bの陰となって不図示)によって、風力発電装置1B,1C、垂直尾翼21B,21Cが設置されている。
また、連結部5A,5Bの他端間(可動端浮上部4,4間)は、連結部5Cによって連結されている。このような構成により、3基の風力発電装置1A,1B,1Cは、固定端となる風力発電装置1Aを中心として、風向きや波浪の状況にあわせて回転可能となり、この結果、風力発電装置1Aが固定端の風上側となる一方、他の頂点の風力発電装置1B,1Cは、風下側へ移動して追従する可動端浮上部として機能する。
なお、本システムは、電力関連の設備が設置される他、暴風時における中小型船舶の避難繋留施設として利用することも可能である。
さらに、連結部5A,5B,5Cは、直線状、円状の棒材若しくは角パイプ、丸パイプ等の構造材を採用して浮体構造としても良いし、浮力の生じない構造を採用することも可能である。浮力が生じない構造の場合は、波浪による影響を受けにくいという利点がある。これらの連結部,5B,5Cの内部側或いは外部側に沿って、風力発電装置1B,1Cの発電電力を送電するケーブル(不図示)を設置し、これらの各ケーブルを後述の固定端浮上部3の電力連係設備に接続する。
また、固定端浮上部3における固定端静止浮上部32の内部には、電力ケーブル導入管61が上下方向に挿通され、その内部に電力ケーブル6が設けられている。電力ケーブル6は、その上端が電力ケーブルヘッド62と接続されて、各風力発電装置1A~1Cによって発電された電力の送電線となるとともに、電力ケーブル6の下端は海底へ導かれて陸上の送電施設と接続されている。また、風力発電装置1Aに接続されている電力ケーブル63には、可捻電線が使用されており、回転時に生じる捻じれによって破断しないように配慮されている。
即ち、多角形の頂点に配置した風力発電装置N台(本実施形態では3台)のうち、固定端となるのは1台となり、その固定端浮上部3には、風力発電装置3台の出力を一括して外部に送電するための電力連係設備が設置されている。固定端浮上部3、連結部5A,5Bは、風向により固定端浮上部3を中心として方位変動するため、可捻電線63を介して、電力ケーブル(海底ケーブル)6と接続されて外部へ送電するようになっている。
風向により可捻電線63には捻れを生じるが、電線の捻れは3回転程度を限度として、捻じれ解消のため、図6,図7,図9に示されるように、連結部5A,5Bの可動端浮上部4,4に設置した捻じれ復元用水中推進スクリュ-41により、固定端浮上部3、可動端浮上部4,4を、電力ケーブル63の捻じれ方向の反対方向に回転移動させて、その捻じれを解消させる。つまり、復元用水中推進スクリュ-41は正逆回転し得るものとし、運用時に固定端浮上部3、可動端浮上部4,4を電力ケーブル63の回転方向と逆回転させることによって捩れを復元させる。
図8(a)は風力発電装置のプロペラのロータに対する風の流れを示しており、国立環境研究所で行われた洋上風力発電研究成果報告会より引用した図である。
同図に示されるように、風力発電装置のロータにあたって後方へ流れる後流は、プロペラ径方向に対して垂直方向へ延びる垂線に対し、14°まで非常に大きな乱れが生じる。また、乱流の影響は、18°程度まで残存して後方に配置されている発電装置に影響することが、同図より理解される。
そこで、図8(b)に示されるように、その後流の乱れを回避すべく、風上側の固定端回転浮上部31に設置されている風力発電装置1Aのプロペラの翼端及び可動端浮上部4の一方側の翼端を結ぶ線分と、各プロペラ径方向に対して垂直方向へ延びる垂線とのなす角度を32°としたものである。即ち、固定端回転浮上部31に設置される風力発電装置1Aのプロペラのロータ径Dを短くし、可動端浮上部4に設置される風力発電装置1B,1Cのプロペラのロータ径Dを長くするように構成している。これによって、風上側の単機出力は風下側単機出力に比較して、40~70%程度まで低減することになるが、風上側のプロペラ先端部から生じる後流の風の乱れを避けることができることから、全体としての発電出力の低下は抑制できる。
なお、この実施例では角度を32°としているが、それを超えるように、各発電装置のロータ径を設定することも可能である。
このように構成した洋上風力発電システムに使用される風力発電装置1A~1Cの設計例を以下に示す。設計例は三角形配置とした5,000KWの洋上風力発電装置群である。
洋上発電設備
定格出力 1,000 KW +2,000KW×2台=5,000KW
配置構成 二等辺三角形配置:頂点に接続する2辺は各80m、底辺125m
1端固定点,2端自由点
定格風速 12m
カットイン風速 3.5m、カットアウト風速 25m
ロ-タ直径 前列(1A)56m、後列(1B,1C)80m
プロペラブレード 3枚
プロペラ配置 アップウインド(ハブ風上設置)
発電機駆動方式 ダイレクトドライブ(プロペラ軸直結)
発電機型式 横軸永久磁石励磁同期発電機
風力発電支持部 海面上部:鋼製中空円筒型垂直尾翼付
海底固定部:三角形配置一端固定部のアンカー部6箇所
このように、本実施形態の洋上風力発電システムによれば、洋上に固定する風力発電装置は3基のうち、海底に着床、又は錨により固定するのは1基で済むことから、設置に要する建設コストを低減することが可能である。
また、図9に示されるように、連結部5A,5B,5Cによって構成される多角形の浮体の上に太陽光発電装置7を設置することも可能であり、風力発電に加え、洋上の更なる有効活用が可能となる。この場合は、連結部5A,5B,5Cの補強として連結部5A,5B,5C間に、補助連結体5AB 5BC 5CAを架設すれば、全体としての強度向上に寄与する。太陽光発電装置を設置する場合は二等辺三角形より正三角形が、面積を広く確保できるという点では有効である。
以上の実施形態では、連結部5A,5B,5Cによって形成される多角形を二等辺三角形とした場合について説明したが、これに限られるものではなく、四角形や六角形など他の多角形でも可能である。或いは、連結部の一部を平面視曲線状に形成することも可能である。
洋上風力発電装置は、本来であれば沿岸部の大陸棚浅海部に設置することが経済的であるが,洋上風力発電装置1基毎の多数設置は沿岸周辺の漁業、海上交通に障害をもたらすことがある。また、沿岸より離隔すると海底深度は深くなり、海底基礎固定部の工事費増となる。
以上より、洋上深海部においては洋上浮上式風力発電装置N基を1群として多角形配置により集合化し、建設コストは電力連係設備、海底固定端は1/Nとして、コスト低減を図る。本発明は、電力事業分野に利用可能性を有する。
洋上風力発電機群を構成する部材番号の説明
1A 1B 1C 風力発電装置
11 風力発電装置用プロペラ
2A 2B 2C 風力発電装置支持柱
21A 21B 21C 支持柱取付け垂直尾翼
3 固定端浮上部
31 固定端回転浮上部
32 固定端静止浮上部
33 固定端回転軸ベアリング
34 固定端アンカー連結鎖
35 固定端アンカー接続部
36 固定端アンカー海底固定部
4 可動端浮上部
41 捻じれ復元用推進スクリュ-
5A 5B 5C 連結部
5AB 5BC 5CA 補助連結体
6 電力ケーブル(海底ケーブル)
61 電力ケーブル導入管
62 電力ケーブルヘッド
63 可捻電線
7 太陽光発電装置

Claims (6)

  1. 洋上における平面視多角形の頂点となる位置に、複数台(N台)の風力発電装置を各々設置してなる洋上風力発電システムであって、当該頂点の1点を海底に固定された固定端浮上部とし、該固定端浮上部は固定端静止浮上部と、該固定端静止浮上部に対して相対的に回転可能に設置された固定端回転浮上部とを有し、前記複数台の風力発電装置のうち、一つの風力発電装置は該固定端回転浮上部に設置されているとともに、多角形の他の頂点は可動端浮上部として他の風力発電装置(N-1)台が設置され、多角形各頂点を結ぶ辺に相当する連結部により多角形浮上体を構成し,
    前記固定端静止浮上部には電力ケーブルを含む電力連係設備が設けられ、前記可動端浮上部に設置されている複数台(N―1台)の風力発電装置の発電電力を、該固定端静止浮上部の該電力連係設備に集合させて、前記固定端回転浮上部の風力発電装置の発電電力とともに一括して送電可能とし、
    洋上に設置した際、前記固定端回転浮上部は風上側に位置する一方、他の頂点の前記可動端浮上部は風下側に追従して動作するように構成したことを特徴とする洋上風力発電システム。
  2. 洋上における平面視多角形の頂点となる位置に、複数台(N台)の風力発電装置を各々設置してなる洋上風力発電システムであって、当該頂点の1点を海底に固定された固定端浮上部とし、該固定端浮上部は固定端静止浮上部と、該固定端静止浮上部に対して相対的に回転可能に設置された固定端回転浮上部とを有し、前記複数台の風力発電装置のうち、一つの風力発電装置は該固定端回転浮上部に設置され、
    前記多角形は二等辺三角形を基本として構成し、二等辺の長さをL、他の辺の長さをLとした場合に、(L/L)=1.0~1.8 の関係とするとともに、多角形の他の頂点は可動端浮上部として他の風力発電装置(N-1)台が設置され、多角形各頂点を結ぶ辺に相当する連結部により多角形浮上体を構成し,
    洋上に設置した際、前記固定端回転浮上部は風上側に位置する一方、他の頂点の前記可動端浮上部は風下側に追従して動作するように構成したことを特徴とする洋上風力発電システム。
  3. 前記複数台の風力発電装置の各風力発電装置支持柱には、風向に自動追従するための垂直尾翼が直接取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の洋上風力発電システム。
  4. 前記固定端浮上部には、複数台の風力発電装置によって発電された電力を送電するために風向変動に対応する可捻電線が配設されているとともに、前記連結部の他端側の可動端浮上部には電線捻れ復元用に復元用水中推進スクリュ-を設置したことを特徴とする請求項1~3のうち、何れか1項に記載の洋上風力発電システム。
  5. 前記固定端回転浮上部に設置されている風力発電装置は、風下側となる前記可動端浮上部に設置されている風力発電装置よりも発電出力が40~70%に設定され、風上側となる該固定端回転浮上部の風力発電装置のプロペラ先端部によって生じる後流の風の乱れを避けるようにしたことを特徴とする請求項1~4のうち、何れか1項に記載の洋上風力発電システム。
  6. 前記固定端回転浮上部に設置されている風力発電装置のプロペラの一方側の翼端、及び前記可動端浮上部に設置されている風力発電装置のプロペラの一方側の翼端を結ぶ線分と、各プロペラ径方向に対して垂直方向へ延びる垂線とのなす角度は、32°以上であることを特徴とする請求項1~4のうち、何れか1項に記載の洋上風力発電システム。
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