JP2022116696A - 車両の制御方法及び車両の制御システム - Google Patents

車両の制御方法及び車両の制御システム Download PDF

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貴之 堀
Takayuki Hori
康弘 山内
Yasuhiro Yamauchi
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Abstract

【課題】適切な充放電制御を実行して電費を向上させる。【解決手段】統合コントローラ34は、車両1が走行すると予測される各ルートにおけるSOC推移予測値をルート毎に算出する。また、統合コントローラ34は、SOC推移予測値が最大となる最大ルートと、SOC推移予測値が最小となる最小ルートとを選択する。また、統合コントローラ34は、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がSOC上限値を上回る場合には、SOC推移予測値が最大になると予測される最大ルートにおける第1地点と車両1の現在地との間でバッテリ5の放電量を増加させる。また、統合コントローラ34は、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がSOC下限値を下回る場合には、SOC推移予測値が最小になると予測される最小ルートにおける第2地点と車両1の現在地との間でバッテリ5の充電量を増加させる。【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリの充放電制御を実行可能な車両の制御方法及び車両の制御システムに関する。
従来、走行するルートに応じてバッテリの充放電制御を実行する車両が存在する。例えば、下り坂では回生発電によりバッテリの充電を行う車両が存在する。このような車両について、下り坂での回生発電の取りこぼしを防止するため、所定タイミングでバッテリのSOCを減らす技術が提案されている。例えば、車両の走行予定経路を予測できる場合に、バッテリのSOCが上限値に到達しないようにSOCを減らす制御を実行する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017-087915号公報
上述した従来技術では、車両の走行予定経路の予測が困難である場合には、放電増加制御を禁止する。このように、放電増加制御を禁止すると、走行中にSOCを減らす制御が実行されない。このため、例えば、長い下り坂の手前のルートでバッテリのSOCが上限値の近傍に近いような状態でも、SOCを減らすための制御が実行されないことも想定される。この場合には、長い下り坂での回生発電を取りこぼしてしまい、電力消費の効率(電費)が悪化するおそれがある。
本発明は、適切な充放電制御を実行して電費を向上させることを目的とする。
本発明の一態様は、内燃機関及びモータのうちの少なくとも1つを制駆動力源とし、モータとの間で電力の授受を行うバッテリを備える車両の制御方法である。この制御方法は、車両の現在地を基準として、車両が走行すると予測される各ルートにおけるSOC推移予測値をルート毎に算出する算出ステップと、各ルートのうちから、SOC推移予測値が最大となる最大ルートと、SOC推移予測値が最小となる最小ルートとを選択する選択ステップと、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がバッテリのSOC上限値を上回る場合には、当該SOC推移予測値が最大になると予測される最大ルートにおける第1地点と車両の現在地との間でバッテリの放電量を増加させ、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がバッテリのSOC下限値を下回る場合には、当該SOC推移予測値が最小になると予測される最小ルートにおける第2地点と車両の現在地との間でバッテリの充電量を増加させる制御ステップと、を備える。
本発明によれば、適切な充放電制御を実行して電費を向上させることができる。
図1は、車両の要部を示す概略構成図である。 図2は、車両が進行すると想定される複数のルートを示す図である。 図3は、最大ルートのSOC推移予測値と最小ルートのSOC推移予測値との遷移例を示す図である。 図4は、最大ルートのSOC推移予測値と最小ルートのSOC推移予測値との遷移例を示す図である。 図5は、最大ルートの走行時における事前放電制御の一例を示す図である。 図6は、最大ルートの走行時における事前放電制御の一例を示す図である。 図7は、最小ルートの走行時における事前充電制御の一例を示す図である。 図8は、最小ルートの走行時における事前充電制御の一例を示す図である。 図9は、統合コントローラによる充放電制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図10は、統合コントローラによる事前放電制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図11は、統合コントローラによる事前充電制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図12は、バランスモード設定時の充放電制御の一例を示す図である。 図13は、バランスモード設定時の充放電制御の一例を示す図である。 図14は、燃費優先モード設定時の放電制御の一例を示す図である。 図15は、騒音回避優先モード設定時の充電制御の一例を示す図である。 図16は、統合コントローラによる充放電制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[車両の構成例]
図1は、車両1の要部を示す概略構成図である。車両1は、内燃機関2と、発電用モータ3と、走行用モータ4と、バッテリ5と、駆動輪6とを備える。
内燃機関2は、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンのいずれでもかまわない。発電用モータ3は、内燃機関2の動力によって駆動されることで発電する。走行用モータ4は、バッテリ5の電力により駆動されて、駆動輪6を駆動する。走行用モータ4は、減速時等に駆動輪6の回転に伴って連れ回されることにより減速エネルギを電力として回生する、いわゆる回生機能も有する。バッテリ5には、発電用モータ3で発電された電力と、走行用モータ4で回生された電力とが充電される。なお、本実施形態では、車両1が下り坂で回生発電を行う場合を下り坂回生による発電と称して説明する。
車両1は、第1動力伝達経路21と第2動力伝達経路22とを有する。第1動力伝達経路21は、走行用モータ4と駆動輪6との間で動力を伝達する。第2動力伝達経路22は、内燃機関2と発電用モータ3との間で動力を伝達する。第1動力伝達経路21と第2動力伝達経路22とは、互いに独立した動力伝達経路、つまり第1動力伝達経路21及び第2動力伝達経路22の一方から他方に動力が伝達されない動力伝達経路になっている。
第1動力伝達経路21は、走行用モータ4の回転軸4aに設けられた第1減速ギヤ11と、第1減速ギヤ11と噛み合う第2減速ギヤ12と、第2減速ギヤ12と同軸上に設けられてデファレンシャルギヤ14と噛み合う第3減速ギヤ13と、デファレンシャルケース15に設けられたデファレンシャルギヤ14とを有して構成される。
第2動力伝達経路22は、内燃機関2の出力軸2aに設けられた第4減速ギヤ16と、第4減速ギヤ16と噛み合う第5減速ギヤ17と、発電用モータ3の回転軸3aに設けられ、第5減速ギヤ17と噛み合う第6減速ギヤ18とを有して構成される。
第1動力伝達経路21及び第2動力伝達経路22それぞれは、動力伝達を遮断する要素を備えていない。すなわち、第1動力伝達経路21及び第2動力伝達経路22それぞれは常に動力が伝達される状態になっている。
車両1はコントローラ30をさらに備える。コントローラ30は、内燃機関2の制御を行うエンジンコントローラ31、発電用モータ3の制御を行う発電用モータコントローラ32、走行用モータ4の制御を行う走行用モータコントローラ33、車両1の制御を統合する統合コントローラ34を有して構成される。
エンジンコントローラ31は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。発電用モータコントローラ32、走行用モータコントローラ33及び統合コントローラ34についても同様である。エンジンコントローラ31、発電用モータコントローラ32及び走行用モータコントローラ33は、統合コントローラ34を介してCAN規格のバスにより互いに通信可能に接続される。
コントローラ30には、内燃機関2の回転速度NEを検出するための回転速度センサ81、アクセルペダルの踏み込み量を指標するアクセル開度APOを検出するためのアクセル開度センサ82、内燃機関2の水温THWを検出するための水温センサ83、車速VSPを検出するための車速センサ84を含む各種センサ・スイッチ類からの信号が入力される。これらの信号は、直接或いはエンジンコントローラ31等の他のコントローラを介して統合コントローラ34に入力される。
車両1は、内燃機関2の動力により駆動されて発電する発電用モータ3の電力を利用して走行用モータ4で駆動輪6を駆動するシリーズハイブリッド車両を構成する。
また、統合コントローラ34は、シリーズ走行中において、エンジン停止モードと、エンジン発電モードとの切り替え制御を実行する。ここで、エンジン停止モードとは、内燃機関2を停止し、走行用モータ4への電力供給をバッテリ5から行う制御モードである。また、エンジン発電モードは、内燃機関2を駆動させ、発電用モータ3により発電された電力をバッテリ5に充電する制御モードである。なお、エンジン発電モードの設定時には、必要に応じて、バッテリ5及び発電用モータ3の双方から走行用モータ4へ電力供給が行われる。また、本実施形態では、エンジン停止モードでの走行をEV(Electric Vehicle)走行と称して説明する。なお、EV走行可能な区間は、車両1の走行時に放電可能な区間の一例である。また、下り坂回生による充電が可能な区間は、車両1の走行時に充電可能な区間の一例である。
統合コントローラ34は、車両1が進行すると推定されるルートを検索する処理を実行する。例えば、統合コントローラ34は、記憶装置(図示省略)に記憶されている地図情報や、データセンタ(図示省略)から送信される各種情報に基づいて、車両1が進行すると予測されるルートを予測ルートとして求めることができる。なお、地図情報は、例えば、道路曲率半径、勾配、交差点、信号、踏み切り、横断歩道、制限速度、料金所等の道路環境情報や、道路属性情報(高速道路・幹線道路・一般道・住宅街、粗い路面、きれいな路面等)を含む情報である。また、記憶装置には、過去の走行区間における車両1のドライブデータ(アクセル操作、車速等)を記憶させておき、ルート予測に用いるようにしてもよい。また、データセンタからの情報は、通信装置(図示省略)、所定のネットワーク(図示省略)を介して、無線通信を利用して取得することができる。また、データセンタからの情報として、交通情報や統計交通データ、道路の状態(渋滞情報等)などを用いることができる。
なお、車両1には、車両1の位置を自動的に割り出し、地図情報と照らし合わせて、入出力装置(図示省略)の画面上地図に経路を表示し、音声等で道案内を行い、ドライバを目的地まで導く機能を有するナビゲーション装置を備えるようにしてもよい。
[各ルートにおけるSOC推移予測値の算出例]
図2は、車両1が進行すると想定される複数のルートを示す図である。なお、図2では、車両1が進行すると想定される複数のルートのうちの一部をのみを簡略化して示す。具体的には、分岐点B1乃至B12と、分岐点間の区間R1乃至R25とを示す。なお、車両1の現在地は、分岐点B1の近くであるものとする。なお、車両1の現在地は、各種センサから取得された情報や、外部から取得した情報、例えばGPS情報に基づいて、特定可能である。
本実施形態では、車両1が進行すると想定されるルートのうち、車両1の現在地を基準とした場合の所定範囲内の各ルートを対象ルートとする例を示す。ここで、所定範囲は、例えば、バッテリ5のSOC下限値からSOC上限値までのバッテリ容量の範囲(ユーザブルSOCレンジ)を基準として設定される車両1の走行距離の範囲とすることができる。例えば、ユーザブルSOCレンジの2倍のバッテリ容量に基づいて車両1が走行可能な距離よりも短い距離を、所定範囲とすることができる。
また、所定範囲は、例えば、車両1のEV走行によるバッテリ5のSOC減少量を基準として設定される車両1の走行距離の範囲とすることができる。例えば、バッテリ5のSOC減少量が、ユーザブルSOCレンジの2倍よりも少ないEV走行可能距離を、所定範囲とすることができる。また、例えば、バッテリ5のSOC減少量が、バッテリ5の現在のSOCとSOC下限値との差分値と、ユーザブルSOCレンジとの加算値よりも少ないEV走行可能距離を、所定範囲とすることができる。
また、これらの対象ルートについて、分岐点間の各区間についてSOC増減量予測値を算出し、これらの区間毎のSOC増減量予測値を積算して対象ルートのSOC推移予測値を算出する。また、対象ルートのうち、SOC推移予測値が最大となるルートを最大ルートとし、SOC推移予測値が最小となるルートを最小ルートとして選択する。
ここで、対象ルートのSOC推移予測値の算出方法について説明する。最初に、分岐点間の各区間のSOC増減量予測値の算出方法について説明する。算出対象となる区間(以下、対象区間と称する)のSOC増減量予測値は、対象区間において発電用モータ3により発電可能な電力量(推定発電量)と、対象区間において走行用モータ4により消費される電力量(推定消費量)とに基づいて求めることができる。すなわち、対象区間における推定発電量に基づくSOCの増加量と、対象区間における推定消費量に基づくSOCの減少量との加算値を、対象区間におけるSOC増減量予測値とすることができる。なお、対象区間において発電用モータ3による発電が行われる区間(例えば、下り坂や粗い路面)を発電区間と称して説明する。
なお、対象区間における発電用モータ3による推定発電量は、公知の演算方法により求めることができる。例えば、対象区間における発電区間での車両1の走行距離と、対象区間の勾配(すなわち高低差)と、対象区間における車両1の統計車速(統計的に予測される車速)とに基づいて、対象区間での消費電力量を演算することができる。また、対象区間での走行用モータ4の推定消費量は、公知の演算方法により求めることができる。例えば、対象区間における車両1の走行距離と、対象区間の勾配と、対象区間における車両1の統計車速とに基づいて、対象区間での推定消費量を演算することができる。なお、駆動以外の消費エネルギ(例えば、エアコン、音響機器、ナビゲーション装置、冷却システムなどの消費量)を考慮して、対象区間での消費電力量を演算するようにしてもよい。また、これらの各演算に用いられる各情報については、記憶装置に記憶されている地図情報や、データセンタから送信される各情報から取得可能である。
なお、これらの各演算に用いられる統計車速の代わりに、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)による速度情報、制限車速を用いるようにしてもよい。また、道路種別、道幅、車線数、気温のうちの少なくとも1つに基づいて、車速を推定するようにしてもよい。
このように算出された区間毎のSOC増減量予測値を積算して対象ルートのSOC推移予測値を算出することができる。例えば、対象区間R1乃至R4について算出された各SOC増減量予測値をS1、S2、S3、S4とする。この場合には、対象ルートR1→R2→R3→R4のSOC推移予測値は、S1乃至S4の加算結果、すなわちS1+S2+S3+S4により求めることができる。また、他の対象ルートについても同様にSOC推移予測値を算出することができる。このようにして求められたSOC推移予測値のうち、SOC推移予測値が最大となる対象ルート(最大ルート)と、SOC推移予測値が最小となる対象ルート(最小ルート)とを選択する。図2では、太線で示す対象ルートR1→R2→R3→R11→R22が最大ルートして選択され、太線で示す対象ルートR5→R6→R15→R17→R20→R25が最小ルートとして選択された例を示す。また、このように選択された最大ルート及び最小ルートのSOC推移予測値の一例を図3、図4に示す。
[最大ルート及び最小ルートのSOC推移予測値例]
図3、図4は、最大ルートのSOC推移予測値と最小ルートのSOC推移予測値との遷移例を示す図である。図3、図4では、最大ルートにおける区間毎のSOC増減量予測値に対応する直線を繋ぎ合わせた線を実線L1で簡略化して示す。また、最小ルートにおける区間毎のSOC増減量予測値に対応する直線を繋ぎ合わせた線を実線L2で簡略化して示す。なお、図3、図4に示すグラフの縦軸は、バッテリ5のSOCの値を示し、横軸は、車両1の走行距離を示す。また、図5乃至図8、図12乃至図15に示すグラフの横軸及び縦軸についても同様である。
図3では、車両1が最大ルートを走行する場合の事前放電制御の一例を示す。また、図4では、車両1が最小ルートを走行する場合の事前充電制御の一例を示す。なお、事前充放電制御の実行中であっても、車両1の走行中において、バッテリ5のSOCがSOC上限値に達した場合には、そのタイミングで強制放電が開始され、バッテリ5のSOCがSOC下限値に達した場合には、そのタイミングで強制充電が開始される。
例えば、車両1が多数の下り坂を通過するルートを進行している場合には、その下り坂において走行用モータ4で回生された電力がバッテリ5に充電されるため、実線L1のように、下り坂での車両1の走行に応じて、バッテリ5のSOCが増加する。ただし、このように下り坂でバッテリ5への充電が行われると、バッテリ5のSOC上限値を超えてしまい、強制放電が実施されることがある。このように、バッテリ5のSOC上限値を超えて強制放電が実施された場合には、走行用モータ4で回生された電力を充電することができず、回生エネルギを回収できない。
そこで、本実施形態では、車両1が走行すると予測される複数のルートについてSOC推移予測値を算出し、最大値及び最小値となるSOC推移予測値に基づいてバッテリ5の充放電制御を実行する。例えば、図3では、SOC推移予測値が最大になると予測される地点を位置D2で示す。この場合には、位置D2と車両1の現在地との間で、バッテリ5の放電量を増加させる。例えば、車両1が下り坂に到達する前に、バッテリ5の事前放電を実行する。図3では、車両1が位置D1を通過した後に、矢印A1で示すように、バッテリ5の事前放電を実行する。すなわち、SOC推移予測値がSOC上限値を超過する場合には、超過する分だけSOCが減少するように事前放電を行う。これにより、点線L3に示すように、下り坂でバッテリ5への充電が行われた場合でもバッテリ5のSOC上限値に達することを防止することができ、回生エネルギのとりこぼしを防止することができる。
ここで、渋滞等により車両1が低速で走行する区間(以下、低速エリアと称する)を通過するルートを進行している場合を想定する。なお、低速エリアは、車両1の車輪と路面との接触音に起因する音(いわゆる、走行時に発生する騒音、ロードノイズ)が小さく、車両1において発生する音に乗員が気づき易い道路である。
このように、車両1が低速エリアを通過するルートを進行している場合には、その低速エリアでは、ロードノイズの影響を考慮して、内燃機関2を駆動させずに、バッテリ5の電力を用いた走行用モータ4によるEV走行が行われる。このように、低速エリアでは、内燃機関2による発電が行われない状態で走行用モータ4による駆動が行われるため、バッテリ5からの電力が用いられる。このため、実線L2のように、低速エリアでの車両1の走行に応じて、バッテリ5のSOCが減少する。ただし、このように低速エリアでバッテリ5の放電が行われると、バッテリ5のSOC下限値を下回ってしまい、強制充電が実施されることがある。このように、バッテリ5のSOC下限値を下回った場合には、内燃機関2の駆動による強制充電が実行されることになり、内燃機関2の駆動音が乗員に不快感を与えるおそれがある。
そこで、本実施形態では、上述したように、最小値となるSOC推移予測値に基づいてバッテリ5の事前充電制御を実行する。例えば、図4では、SOC推移予測値が最小になると予測される地点を位置D4で示す。この場合には、位置D4と車両1の現在地との間で、バッテリ5の充電量を増加させる。例えば、車両1が低速エリアに到達する前に、バッテリ5の事前充電を実行する。図4では、車両1が位置D3を通過した後に、矢印A2で示すように、バッテリ5の事前充電を実行する。すなわち、SOC推移予測値がSOC下限値を超過する場合には、超過する分だけSOCが増加するように事前充電を行う。これにより、点線L4に示すように、車両1が低速エリアを走行する場合でもバッテリ5のSOC下限値に達することを防止することができ、強制充電の実行を防止することができる。
[最大ルートの走行時における事前放電制御例]
図5、図6は、最大ルートの走行時における事前放電制御の一例を示す図である。図5、図6では、最大ルートにおける区間毎のSOC増減量予測値に対応する直線を繋ぎ合わせた線を実線L11、L15で簡略化して示す。また、最小ルートにおける区間毎のSOC増減量予測値に対応する直線を繋ぎ合わせた線を実線L12、L16で簡略化して示す。
ここで、図5に示す事前放電制御は、最大ルートを車両1が進み続け、車両1が位置D11に到達した場合に開始される。また、図6に示す事前放電制御は、最大ルートを車両1が進み続け、車両1が位置D13に到達した場合に開始される。また、図7、図8に示す事前充電制御を実行する場合についても同様に、最小ルートを車両1が進み続け、車両1が所定位置D21、D25に到達した場合に開始される。すなわち、最小ルート及び最大ルートが作成された後に、その最小ルート及び最大ルート以外のルートを車両1が進んだ場合には、車両1の現在地に基づいて、新たにSOC推移予測値が算出され、新たな最大ルート及び最小ルートが設定される。なお、図12乃至図15に示す事前充放電制御についても同様である。
なお、図5では、矢印A11で示すように、SOC推移予測値がSOC上限値を超える前のタイミングで事前放電制御を1回行う例を示す。また、図6では、矢印A12、A13で示すように、SOC推移予測値がSOC上限値を超える前のタイミングで事前放電制御を2回行う例を示す。
図5に示す例では、実線L11に示すように、最大ルートにおける位置D12のSOC推移予測値が最大値になるものとする。また、位置D12におけるSOC推移予測値と、SOC上限値との差分値DV1を矢印で示す。すなわち、差分値DV1は、SOC超過量や超過SOCと称することができる。
このような場合には、SOC推移予測値に基づいて予測できる、最大ルートのSOC超過量だけ事前放電する。具体的には、下り坂では回生発電を実施するため、下り坂以外で事前放電する計画とし、放電量の合計がSOC超過量と一致する地点で事前放電制御を開始する。図5に示す例では、矢印A11で示すように、SOC推移予測値がSOC上限値を超える前のタイミング(位置D11を通過するタイミング)で、事前放電制御を開始する。この場合の放電量の合計値DV2は、SOC超過量(差分値DV1)と同じ値とする。また、事前放電制御の実行後のSOC推移予測値を実線L13で示す。
図6に示す例では、実線L15に示すように、最大ルートにおける位置D14のSOC推移予測値が最大値になるものとする。また、位置D14におけるSOC推移予測値と、SOC上限値との差分値(SOC超過量)DV3を矢印で示す。
このような場合には、図5に示す例と同様に、最大ルートのSOC超過量だけ事前放電する。ただし、図6に示す例では、SOC推移予測値がSOC上限値を超える直前での放電可能区間(例えばSOC増減量が少ない区間)が短い。そこで、矢印A12で示すように、その放電可能区間の一つ手前の放電可能区間を通過するタイミング(位置D13を通過するタイミング)で、事前放電制御を開始する。この場合の放電量の合計値DV4は、SOC超過量(差分値DV3)と同じ値とする。また、事前放電制御の実行後のSOC推移予測値を実線L17で示す。
[最小ルートの走行時における事前充電制御例]
図7、図8は、最小ルートの走行時における事前充電制御の一例を示す図である。図7、図8では、最大ルートにおける区間毎のSOC増減量予測値に対応する直線を繋ぎ合わせた線を実線L21、L25で簡略化して示す。また、最小ルートにおける区間毎のSOC増減量予測値に対応する直線を繋ぎ合わせた線を実線L22、L26で簡略化して示す。
なお、図7では、矢印A21で示すように、SOC推移予測値がSOC下限値を超える前のタイミングで事前充電制御を1回行う例を示す。また、図8では、矢印A25、A26で示すように、SOC推移予測値がSOC下限値を超える前のタイミングで事前充電制御を2回行う例を示す。
図7に示す例では、実線L22に示すように、最小ルートにおける位置D22のSOC推移予測値が最小値になるものとする。また、位置D22におけるSOC推移予測値と、SOC下限値との差分値(SOC超過量)DV21を矢印で示す。
このような場合には、SOC推移予測値に基づいて予測できる、最小ルートのSOC超過量だけ事前充電する。具体的には、渋滞エリア及び低速エリアでは放電を実施するため、渋滞エリア及び低速エリア以外で事前充電する計画とし、充電量の合計がSOC超過量と一致する地点で事前充電制御を開始する。図7に示す例では、矢印A21で示すように、SOC推移予測値がSOC下限値を超える前のタイミング(位置D21を通過するタイミング)で、事前充電制御を開始する。この場合の充電量の合計値DV22は、SOC超過量(差分値DV21)と同じ値とする。また、事前充電制御の実行後のSOC推移予測値を実線L23で示す。
図8に示す例では、実線L26に示すように、最小ルートにおける位置D26のSOC推移予測値が最小値になるものとする。また、位置D26におけるSOC推移予測値と、SOC下限値との差分値(SOC超過量)DV25を矢印で示す。
このような場合には、図7に示す例と同様に、最小ルートのSOC超過量だけ事前充電する。ただし、図8に示す例では、SOC推移予測値がSOC下限値を超える直前での充電可能区間(例えばSOC増減量が少ない区間)が短い。そこで、矢印A25で示すように、その充電可能区間の一つ手前の充電可能区間を通過するタイミング(位置D25を通過するタイミング)で、事前充電制御を開始する。この場合の充電量の合計値DV26は、SOC超過量(差分値DV25)と同じ値とする。また、事前充電制御の実行後のSOC推移予測値を実線L27で示す。
[充放電制御処理例]
図9は、統合コントローラ34による充放電制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この処理手順は、記憶部(図示省略)に記憶されているプログラムに基づいて実行される。また、本実施形態では、統合コントローラ34により充放電制御処理を実行する例を示すが、1または複数の他のコントローラにより充放電制御処理を実行するようにしてもよい。
また、図9に示す処理手順は、所定タイミングで開始される。例えば、目的地が設定されない状態で車両1が走行を開始したタイミングで、この処理手順を実施してもよい。また、ナビゲーション機能を使用して乗員により車両1の目的地が設定された後において、ナビゲーション機能による案内ルートに対して逸脱が発生したタイミングで、この処理手順を実施してもよい。なお、逸脱は、例えば、案内ルートとは異なるルートに車両1が進行したことを意味する。また、最小ルートまたは最大ルートを車両1が走行している場合に、その走行ルートにおける所定数の分岐点を超えたタイミングで、この処理手順を実施してもよい。
ステップS301において、統合コントローラ34は、車両1が走行すると推定されるルートを検索し、検索された各ルートについてSOC推移予測値を算出する。なお、ナビゲーション装置、MPP(most probable path)、データセンタを利用してルート検索をするようにしてもよい。例えば、図2に示すように、複数のルートが探索される。
ステップS302において、統合コントローラ34は、検索された各ルートのうちから、SOC推移予測値が最大となる最大ルートと、SOC推移予測値が最小となる最小ルートとを選択する。例えば、図2に示すように、ルートR1→R2→R3→R11→R22が最大ルートして選択され、ルートR5→R6→R15→R17→R20→R25が最小ルートとして選択される。
ステップS303において、統合コントローラ34は、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がSOC上限値を上回り、かつ、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がSOC下限値を下回っているか否かを判定する。最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がSOC上限値を上回り、かつ、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がSOC下限値を下回っている場合には、ステップS304に進む。一方、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がSOC上限値を上回っていない場合、または、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がSOC下限値を下回っていない場合には、ステップS306に進む。例えば、図3乃至図8に示す例では、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がSOC上限値を上回り、かつ、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がSOC下限値を下回っている。
ステップS304において、統合コントローラ34は、車両1が最大ルートを走行しているか否かを判定する。車両1が最大ルートを走行している場合には、ステップS320に進む。一方、車両1が最大ルートを走行していない場合には、ステップS305に進む。
ステップS320において、統合コントローラ34は、事前放電制御処理を実行する。すなわち、統合コントローラ34は、SOC推移予測値が最大となる最大ルートにおける第1地点と、車両1の現在地との間でバッテリ5の放電量を増加させる制御を実行する。例えば、図3に示す例では、車両1が位置D2を通過するタイミングで、最大ルートにおけるSOC推移予測値が最大になると予測される。この場合には、最大ルートにおける第1地点は、位置D2である。なお、この事前放電制御処理については、図10を参照して説明する。
ステップS305において、統合コントローラ34は、車両1が最小ルートを走行しているか否かを判定する。車両1が最小ルートを走行している場合には、ステップS330に進む。一方、車両1が最小ルートを走行していない場合には、充放電制御処理の動作を終了する。すなわち、車両1が最大ルート及び最小ルートの何れも走行していない場合には、統合コントローラ34は、図9に示す充放電制御処理を再度実行する。すなわち、統合コントローラ34は、車両1の現在地に基づいて新たな最大ルート及び最小ルートを選択し、新たな最大ルート及び最小ルートについて充放電制御処理を実行する。
ステップS330において、統合コントローラ34は、事前充電制御処理を実行する。すなわち、統合コントローラ34は、SOC推移予測値が最小となる最小ルートにおける第2地点と、車両1の現在地との間でバッテリ5の充電量を増加させる制御を実行する。例えば、図4に示す例では、車両1が位置D4を通過するタイミングで、最小ルートにおけるSOC推移予測値が最小になると予測される。この場合には、最小ルートにおける第2地点は、位置D4である。なお、この事前充電制御処理については、図11を参照して説明する。
ステップS306において、統合コントローラ34は、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がSOC上限値を上回っているか否かを判定する。最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がSOC上限値を上回っている場合には、ステップS307に進む。一方、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がSOC上限値を上回っていない場合には、ステップS308に進む。
ステップS307において、統合コントローラ34は、車両1が最大ルートを走行しているか否かを判定する。車両1が最大ルートを走行している場合には、ステップS320に進む。一方、車両1が最大ルートを走行していない場合には、充放電制御処理の動作を終了する。
ステップS308において、統合コントローラ34は、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がSOC下限値を下回っているか否かを判定する。最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がSOC下限値を下回っている場合には、ステップS309に進む。一方、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がSOC下限値を下回っていない場合には、充放電制御処理の動作を終了する。
ステップS309において、統合コントローラ34は、車両1が最小ルートを走行しているか否かを判定する。車両1が最小ルートを走行している場合には、ステップS330に進む。一方、車両1が最小ルートを走行していない場合には、充放電制御処理の動作を終了する。
[事前放電制御処理例]
図10は、統合コントローラ34による事前放電制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理手順は、図9に示す処理手順のうちの事前放電制御処理(図9に示すステップS320の処理手順)である。
ステップS321において、統合コントローラ34は、車両1の最大ルートにおいて車両1の走行時に放電可能なSOC減少量を放電可能区間毎に算出する。
例えば、統合コントローラ34は、SOC推移予測値が最大となる最大ルートにおける第1地点と車両1の現在地との間で、車両1の走行時に放電可能な区間を抽出する。ここで、放電可能な区間は、例えば、車両1がEV走行をする低速エリア、渋滞区間などである。ただし、下り坂回生が可能な区間や、高速高負荷走行区間などのように、SOC増加が見込まれる区間は、放電可能な区間から除外される。また、駆動以外の消費エネルギ(例えば、エアコン、冷却システムなどの消費量)が高いと想定される区間(例えば冬場の寒冷地、真夏の走行区間)も、放電可能な区間として考えられる。そして、統合コントローラ34は、その抽出された放電可能な区間毎に、バッテリ5のSOC減少量を算出する。なお、SOC減少量の算出方法は、上述したSOC増減量予測値の算出方法と同様である。
ステップS322において、統合コントローラ34は、SOC減少量の合計値を算出する。例えば、統合コントローラ34は、ステップS321で抽出された放電可能な区間について、第1地点に近い区間から順番に車両1の現在地に向かってSOC減少量を順次積算(すなわち加算)し、その積算結果をSOC減少量の合計値(積算SOC減少量)とする。
ステップS323において、統合コントローラ34は、SOC減少量の合計値が、最大ルートにおけるSOC推移予測値のSOC上限値からのSOC超過量以上であるか否かを判定する。SOC減少量の合計値が、SOC推移予測値のSOC上限値からのSOC超過量以上である場合には、ステップS324に進む。一方、SOC減少量の合計値が、SOC推移予測値のSOC上限値からのSOC超過量未満である場合には、ステップS325に進む。
ステップS324において、統合コントローラ34は、SOC減少量の合計値が、最大ルートにおけるSOC推移予測値のSOC上限値からのSOC超過量以上となるように、放電可能区間において事前放電制御を実行する。すなわち、SOC減少量の合計値が、SOC推移予測値のSOC上限値からのSOC超過量以上であるため、全ての放電可能区間で放電を実行せずに、一部の放電可能区間でのみ放電を実行する。
この場合に、統合コントローラ34は、ステップS321で抽出された放電可能な区間のうちから、上述した第1地点に近い区間側で事前放電を実施するようにする。すなわち、統合コントローラ34は、ステップS321で抽出された放電可能な区間のうち、上述した第1地点に最も近い区間から、SOC減少量の合計値が、SOC推移予測値の最大値のSOC上限値からのSOC超過量以上となる区間までの各区間において、事前放電を実施する。
例えば、ステップS321において、放電可能な区間として、10区間IN1乃至IN10が抽出された場合を想定する。なお、車両1の現在地に最も近い区間を区間IN1とし、第1地点に最も近い区間を区間IN10とする。この場合に、第1地点側の区間IN6乃至10における事前放電を実施することにより、SOC減少量の合計値が、SOC推移予測値の最大値のSOC上限値からのSOC超過量以上となるものとする。この場合には、統合コントローラ34は、ステップS321で抽出された放電可能な区間IN1乃至IN10のうち、区間IN6乃至IN10において、事前放電を実施する。このように、本実施形態では、SOC減少量の合計値が、SOC推移予測値のSOC上限値からのSOC超過量以上となる場合には、SOC推移予測値が最大になると予測される第1地点に近い側の区間において、事前放電を実行する。
ただし、他の条件に基づいて事前放電をする区間を選択するようにしてもよい。例えば、放電効率が高い区間を選択するようにしてもよく、所定間隔毎に事前放電をする区間を選択するようにしてもよい。また、車両1側の区間や、車両1と第1地点との中間に存在する区間のみを選択するようにしてもよい。
また、放電量については、他の基準に基づいて決定してもよい。例えば、ユーザブルSOCレンジを基準にして、放電量を決定するようにしてもよい。すなわち、SOC減少量の合計値が、SOC推移予測値のSOC上限値からのSOC超過量以上となる場合には、SOC減少量の合計値が、ユーザブルSOCレンジの範囲内となる放電量を、放電可能な各区間において事前放電を実施するようにしてもよい。この場合には、第1地点に近い側の各区間において事前放電を実行することが好ましい。
ステップS325において、統合コントローラ34は、SOC減少量の合計値が、最大ルートにおけるSOC推移予測値のSOC上限値からのSOC超過量以上となるように、放電可能区間とともに、放電可能区間以外の区間においても、事前放電制御を実行する。
例えば、ステップS321において、放電可能な区間として、10区間IN1乃至IN10が抽出された場合を想定する。この場合には、統合コントローラ34は、放電可能な区間IN1乃至IN10の全ての区間において事前放電を実施する。ただし、このような事前放電を実施しても、SOC減少量の合計値が、SOC推移予測値の最大値のSOC上限値からのSOC超過量以上とならない。そこで、統合コントローラ34は、他の区間において放電が可能であるか否かを判定し、放電が可能である区間が存在する場合には、その区間において放電を実行する。この区間は、例えば、駆動以外の消費エネルギ(例えば、エアコン、冷却システムなどの消費量)を多くできる区間である。なお、統合コントローラ34は、放電が可能である区間が存在しない場合には、放電可能な区間IN1乃至IN10においてのみ事前放電を実施する。
ステップS326において、統合コントローラ34は、車両1が最大ルートから逸脱したか否かを判定する。車両1が最大ルートから逸脱した場合には、事前放電制御処理の動作を終了する。一方、車両1が最大ルートから逸脱していない場合、すなわち、車両1が最大ルートを走行している場合には、ステップS327に進む。
ステップS327において、統合コントローラ34は、事前放電制御を継続して実行する。すなわち、車両1が最大ルートを走行している間は、ステップS323の判定結果に応じたステップS324またはS325の事前放電制御処理を継続して実行する。
[事前充電制御処理例]
図11は、統合コントローラ34による事前充電制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理手順は、図9に示す処理手順のうちの事前充電制御処理(図9に示すステップS330の処理手順)である。
ステップS331において、統合コントローラ34は、車両1の最小ルートにおいて車両1の走行時に充電可能なSOC増加量を充電可能区間毎に算出する。
例えば、統合コントローラ34は、SOC推移予測値が最小となる最小ルートにおける第2地点と車両1の現在地との間で、車両1の走行時に充電可能な区間を抽出する。ここで、充電可能な区間は、例えば、下り回生による発電が行われる下り坂、ロードノイズの影響が大きい環境であって車内騒音に影響なく充電が可能な粗い路面などである。ただし、渋滞エリアや低速エリアでのEV走行などのように、SOC減少が見込まれる区間は、充電可能な区間から除外される。そして、統合コントローラ34は、その抽出された充電可能な区間毎に、バッテリ5のSOC増加量を算出する。なお、SOC増加量の算出方法は、上述したSOC増減量予測値の算出方法と同様である。
ステップS332において、統合コントローラ34は、SOC増加量の合計値を算出する。例えば、統合コントローラ34は、ステップS331で抽出された充電可能な区間について、第2地点に近い区間から順番に車両1の現在地に向かってSOC増加量を順次積算(すなわち加算)し、その積算結果をSOC増加量の合計値(積算SOC増加量)とする。
ステップS333において、統合コントローラ34は、SOC増加量の合計値が、最小ルートにおけるSOC推移予測値のSOC下限値からのSOC超過量以上であるか否かを判定する。SOC増加量の合計値が、SOC推移予測値のSOC下限値からのSOC超過量以上である場合には、ステップS334に進む。一方、SOC増加量の合計値が、SOC推移予測値のSOC下限値からのSOC超過量未満である場合には、ステップS335に進む。
ステップS334において、統合コントローラ34は、SOC増加量の合計値が、最小ルートにおけるSOC推移予測値のSOC下限値からのSOC超過量以上となるように、充電可能区間において事前充電制御を実行する。すなわち、SOC増加量の合計値が、SOC推移予測値のSOC下限値からのSOC超過量以上であるため、全ての充電可能区間で充電を実行せずに、一部の充電可能区間でのみ充電を実行する。
この場合に、統合コントローラ34は、ステップS331で抽出された重電可能な区間のうちから、上述した第2地点に近い区間側で事前充電を実施するようにする。すなわち、統合コントローラ34は、ステップS331で抽出された充電可能な区間のうち、上述した第2地点に最も近い区間から、SOC増加量の合計値が、SOC推移予測値の最小値のSOC下限値からのSOC超過量以上となる区間までの各区間において、事前充電を実施する。
例えば、ステップS331において、充電可能な区間として、10区間IN11乃至IN20が抽出された場合を想定する。なお、車両1の現在地に最も近い区間を区間IN11とし、第2地点に最も近い区間を区間IN20とする。この場合に、第2地点側の区間IN16乃至20における事前充電を実施することにより、SOC増加量の合計値が、SOC推移予測値の最小値のSOC下限値からのSOC超過量以上となるものとする。この場合には、統合コントローラ34は、ステップS331で抽出された充電可能な区間IN11乃至IN20のうち、区間IN16乃至IN20において、事前充電を実施する。このように、本実施形態では、SOC増加量の合計値が、SOC推移予測値のSOC下限値からのSOC超過量以上となる場合には、SOC推移予測値が最小になると予測される第2地点に近い側の区間において、事前充電を実行する。
ただし、他の条件に基づいて事前充電をする区間を選択するようにしてもよい。例えば、充電効率が高い区間を選択するようにしてもよく、所定間隔毎に事前充電をする区間を選択するようにしてもよい。また、車両1側の区間や、車両1と第2地点との中間に存在する区間のみを選択するようにしてもよい。
また、充電量については、他の基準に基づいて決定してもよい。例えば、ユーザブルSOCレンジを基準にして、充電量を決定するようにしてもよい。すなわち、SOC増加量の合計値が、SOC推移予測値のSOC下限値からのSOC超過量以上となる場合には、SOC増加量の合計値が、ユーザブルSOCレンジの範囲内となる充電量を、充電可能な各区間において事前充電を実施するようにしてもよい。この場合には、第2地点に近い側の各区間において事前充電を実行することが好ましい。
ステップS335において、統合コントローラ34は、SOC増加量の合計値が、最小ルートにおけるSOC推移予測値のSOC下限値からのSOC超過量以上となるように、充電可能区間とともに、充電可能区間以外の区間においても、事前充電制御を実行する。
例えば、ステップS331において、充電可能な区間として、10区間IN11乃至IN20が抽出された場合を想定する。この場合には、統合コントローラ34は、充電可能な区間IN11乃至IN20の全ての区間において事前充電を実施する。ただし、このような事前充電を実施しても、SOC増加量の合計値が、SOC推移予測値の最小値のSOC下限値からのSOC超過量以上とならない。そこで、統合コントローラ34は、他の区間において充電が可能であるか否かを判定し、充電が可能である区間が存在する場合には、その区間において充電を実行する。なお、統合コントローラ34は、充電が可能である区間が存在しない場合には、充電可能な区間IN11乃至IN20においてのみ事前充電を実施する。
ステップS336において、統合コントローラ34は、車両1が最小ルートから逸脱したか否かを判定する。車両1が最小ルートから逸脱した場合には、事前充電制御処理の動作を終了する。一方、車両1が最小ルートから逸脱していない場合、すなわち、車両1が最小ルートを走行している場合には、ステップS337に進む。
ステップS337において、統合コントローラ34は、事前充電制御を継続して実行する。すなわち、車両1が最小ルートを走行している間は、ステップS333の判定結果に応じたステップS334またはS335の処理を継続して実行する。
なお、図10、図11では、車両1が最大ルートまたは最小ルートから逸脱したか否かに基づいて、事前充放電制御を継続して実行するか否かを判定する例を示したが、他の判定条件を用いてもよい。例えば、SOC推移予測値と、バッテリ5のSOCとの差分値が閾値以上となったか否かに基づいて、事前充放電制御を継続して実行するか否かを判定するようにしてもよい。例えば、車両1が最大ルートを走行している場合であっても、その最大ルートにおけるSOC推移予測値と、バッテリ5の現在のSOCとの差分値が閾値(例えば、ユーザブルSOCの1/4乃至10程度の値)以上となった場合には、予測値と実測値とが大きく乖離していることになる。このため、事前充放電制御を停止する。そして、新たな最大ルート及び最小ルートを選択し、その新たな最大ルート及び最小ルートにおけるSOC推移予測値に基づいて、事前充放電制御を実行する。
[設定モードに応じた事前充放電制御例]
次に、乗員の操作により設定された走行モードに応じて、事前充放電制御を実行する例を示す。本実施形態では、燃費優先モード、バランスモード、騒音回避優先モードの何れかのモードをユーザ操作により設定する例を示す。
ここで、燃費優先モードは、走行時における車両1の燃費や電費を最優先とする充放電制御を実行するためのモードである。すなわち、燃費優先モードは、車両1の走行時における電力消費の効率を優先する充放電制御を実行するためのモードである。また、騒音回避優先モードは、渋滞エリアや低速エリアでのEV走行(すなわち強制充電回避)を最優先とする充放電制御を実行するためのモードである。すなわち、騒音回避優先モードは、車両1が発する騒音の回避を優先する充放電制御を実行するためのモードである。なお、騒音回避優先モードは、強制充電回避モードと称することもできる。また、バランスモードは、バッテリ5のSOCに応じた適切な充放電制御を実行するためのモードである。
[バランスモード設定時の充放電制御例]
図12、図13は、バランスモード設定時の充放電制御の一例を示す図である。図12、図13では、最大ルートにおける区間毎のSOC増減量予測値に対応する直線を繋ぎ合わせた線を実線L51、L55で簡略化して示す。また、最小ルートにおける区間毎のSOC増減量予測値に対応する直線を繋ぎ合わせた線を実線L52、L56で簡略化して示す。
また、図12では、位置D52におけるSOC推移予測値の最大値と、SOC上限値との差分値(SOC超過量)DV51を矢印で示す。また、図13では、位置D56におけるSOC推移予測値の最小値と、SOC下限値との差分値(SOC超過量)DV55を矢印で示す。
ここで、バランスモードの設定時には、バッテリ5のSOCに応じて、事前放電制御または事前充電制御を実行する。具体的には、バッテリ5のSOCが、ユーザブルSOCレンジの中央値からSOC上限値の範囲内である場合には、事前放電制御を実行する。一方、バッテリ5のSOCが、SOC下限値からユーザブルSOCレンジの中央値の範囲内である場合には、事前充電制御を実行する。なお、バッテリ5のSOCが、ユーザブルSOCレンジの中央値である場合には、設定条件に基づいて、事前放電制御または事前充電制御が実行される。
ここで、事前放電の実行により、バッテリ5のSOCが、ユーザブルSOCレンジの中央値からSOC下限値までの範囲に達すると、SOC下限値を考慮した強制充電と干渉する可能性がある。そこで、バランスモードの設定時には、事前放電による最大放電量を、ユーザブルSOCレンジの半分に制限する。すなわち、バランスモードの設定時における事前放電制御では、バッテリ5のSOCが、ユーザブルSOCレンジの中央値の近傍に達するまでの放電量に制限する。
また、事前充電制御の実行により、バッテリ5のSOCが、ユーザブルSOCレンジの中央値からSOC上限値までの範囲に達すると、SOC上限値を考慮した強制放電と干渉する可能性がある。そこで、バランスモードの設定時には、事前充電による最大充電量を、ユーザブルSOCレンジの半分に制限する。すなわち、バランスモードの設定時における事前充電制御では、バッテリ5のSOCが、ユーザブルSOCレンジの中央値の近傍に達するまでの充電量に制限する。
図12に示す例では、最大ルート及び最小ルートの選択時のバッテリ5のSOCが、ユーザブルSOCレンジの中央値よりも上側の範囲内である。このため、矢印A51で示すように、SOC推移予測値がSOC上限値を超える前の位置D51のタイミングで事前放電制御を1回行う。
また、図12に示す例では、差分値DV51と同じ放電量を事前放電すると、ユーザブルSOCレンジの中央値以下の範囲となる。そこで、SOC上限値からユーザブルSOCレンジの中央値までの範囲内となる放電量DV52だけ、事前放電が実行される。なお、事前放電制御の実行後のSOC推移予測値を実線L53で示す。ただし、事前放電制御の実行後のSOC推移予測値(実線L53)でも、車両1が位置D52に到達する前にSOC上限値を上回る。このように、事前放電制御の実行後に、バッテリ5のSOCがSOC上限値に達した場合には、そのタイミングで強制放電が開始される。
図13に示す例では、最大ルート及び最小ルートの選択時のバッテリ5のSOCが、ユーザブルSOCレンジの中央値以下の範囲内である。このため、矢印A55で示すように、SOC推移予測値がSOC下限値を超える前の位置D55のタイミングで事前充電制御を1回行う。
また、図13に示す例では、差分値DV55と同じ充電量を事前充電すると、ユーザブルSOCレンジの中央値以上の範囲となる。そこで、SOC下限値からユーザブルSOCレンジの中央値までの範囲内となる充電量DV56だけ、事前充電が実行される。なお、事前充電制御の実行後のSOC推移予測値を実線L57で示す。ただし、事前充電制御の実行後のSOC推移予測値(実線L57)でも、車両1が位置D56に到達する前にSOC下限値を下回る。このように、事前充電制御の実行後に、バッテリ5のSOCがSOC下限値に達した場合には、そのタイミングで強制充電が開始される。
[燃費優先モード設定時の放電制御例]
図14は、燃費優先モード設定時の放電制御の一例を示す図である。図14では、最大ルートにおける区間毎のSOC増減量予測値に対応する直線を繋ぎ合わせた線を実線L61で簡略化して示す。また、最小ルートにおける区間毎のSOC増減量予測値に対応する直線を繋ぎ合わせた線を実線L62で簡略化して示す。
また、図14では、位置D62におけるSOC推移予測値の最大値と、SOC上限値との差分値(SOC超過量)DV61を矢印で示す。
ここで、燃費優先モードの設定時には、事前放電制御のみを実行する。また、燃費優先モードの設定時における事前放電制御では、最大ルートのSOC推移予測値の上限側で発生するSOC超過量を極力損失しないようにする。このため、燃費優先モードの設定時には、事前放電の放電量をSOC下限値の近傍までとし、バッテリ5のSOCが、ユーザブルSOCレンジの範囲内となるように放電量を制限する。すなわち、燃費優先モードの設定時における放電量の最大値を、ユーザブルSOCレンジと同じとする。
図14に示す例では、矢印A61で示すように、SOC推移予測値の最大値と、SOC上限値との差分値DV61と同じ放電量DV62だけ、SOC推移予測値がSOC上限値を超える前の位置D61のタイミングで事前放電制御を行う。なお、事前放電制御の実行後のSOC推移予測値を実線L63で示す。ただし、その事前放電による跳ね返りとして、車両1の進行ルートが最大ルートから外れた場合には、バッテリ5のSOCがSOC下限値に到達し、強制充電となる可能性もあるため、これを考慮した適切な放電量を設定することが好ましい。
[騒音回避優先モード設定時の充電制御例]
図15は、騒音回避優先モード設定時の充電制御の一例を示す図である。図15では、最大ルートにおける区間毎のSOC増減量予測値に対応する直線を繋ぎ合わせた線を実線L65で簡略化して示す。また、最小ルートにおける区間毎のSOC増減量予測値に対応する直線を繋ぎ合わせた線を実線L66で簡略化して示す。
また、図15では、位置D66におけるSOC推移予測値の最大値と、SOC上限値との差分値(SOC超過量)DV65を矢印で示す。
ここで、騒音回避優先モードの設定時には、事前充電制御のみを実行する。また、騒音回避優先モードの設定時における事前充電制御では、最小ルートのSOC推移予測値の下限側で発生する強制充電時間を極力発生させないようにする。このため、騒音回避優先モードの設定時には、事前充電の充電量をSOC上限値の近傍までとし、バッテリ5のSOCが、ユーザブルSOCレンジの範囲内となるように充電量を制限する。すなわち、騒音回避優先モードの設定時における充電量の最大値を、ユーザブルSOCレンジと同じとする。
図15に示す例では、矢印A65で示すように、SOC推移予測値の最小値と、SOC下限値との差分値DV65と同じ充電量DV66だけ、SOC推移予測値がSOC下限値を超える前の位置D65のタイミングで事前充電制御を行う。なお、事前充電制御の実行後のSOC推移予測値を実線L67で示す。ただし、その事前充電による跳ね返りとして、車両1の進行ルートが最小ルートから外れた場合には、SOC上限値に到達し、回生エネルギを取りこぼす可能性もあるため、これを考慮した適切な充電量を設定することが好ましい。
[充放電制御処理例]
図16は、統合コントローラ34による充放電制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この処理手順は、記憶部(図示省略)に記憶されているプログラムに基づいて実行される。また、本実施形態では、統合コントローラ34により充放電制御処理を実行する例を示すが、1または複数の他のコントローラにより充放電制御処理を実行するようにしてもよい。
また、図16に示す処理手順は、所定タイミングで開始される。例えば、ユーザ操作によりモードが変更されたタイミングで、この処理手順を実施してもよい。また、目的地が設定されない状態で車両1が走行を開始したタイミングで、この処理手順を実施してもよい。また、ナビゲーション機能を使用して乗員により車両1の目的地が設定された後において、ナビゲーション機能による案内ルートに対して逸脱が発生したタイミングで、この処理手順を実施してもよい。
ステップS401において、統合コントローラ34は、燃費優先モードが設定されているか否かを判定する。なお、燃費優先モードが設定されている場合には、ステップS404に進む。一方、燃費優先モードが設定されていない場合には、ステップS402に進む。
ステップS402において、統合コントローラ34は、騒音回避優先モードが設定されているか否かを判定する。なお、騒音回避優先モードが設定されている場合には、ステップS405に進む。一方、騒音回避優先モードが設定されていない場合には、ステップS403に進む。なお、燃費優先モード及び騒音回避優先モードの何れも設定されていない場合は、バランスモードが設定されている場合を意味する。
ステップS403において、統合コントローラ34は、バッテリ5の現在のSOCが、ユーザブルSOCレンジの中央値よりも上側の範囲内となっているか否かを判定する。バッテリ5の現在のSOCがユーザブルSOCレンジの中央値よりも上側の範囲内となっている場合には、ステップS404に進む。一方、バッテリ5の現在のSOCがユーザブルSOCレンジの中央値以下となっている場合には、ステップS405に進む。
ステップS404において、統合コントローラ34は、事前放電制御処理のみを実行する。具体的には、図9に示すステップS301、S302、S306、S307、S320を実行する。この場合に、燃費優先モードの設定時における事前放電制御では、最大ルートのSOC推移予測値の上限側で発生するSOC超過量を極力損失しないようにするため、事前放電の放電量をSOC下限値の近傍までとする。また、バランスモードの設定時における事前放電制御では、ユーザブルSOCレンジの中央値の近傍に達するまでの放電量に制限する。
ステップS405において、統合コントローラ34は、事前充電制御処理のみを実行する。具体的には、図9に示すステップS301、S302、S308、S309、S330を実行する。この場合に、騒音回避優先モードの設定時における事前充電制御では、最小ルートのSOC推移予測値の下限側で発生する強制充電時間を極力発生させないようにするため、事前充電の充電量をSOC上限値の近傍までとする。また、バランスモードの設定時における事前充電制御では、ユーザブルSOCレンジの中央値の近傍に達するまでの充電量に制限する。
なお、上述したように、統合コントローラ34は、道路情報取得手段によって得られる道路情報(複数ルートの道路に関する情報)や道路環境に基づいて、道路の分岐点から延びる各区間におけるSOCの減少量及び増加量を予測する予測手段として機能する。なお、道路情報取得手段は、ナビゲーション装置や、インターネットへの常時接続機能を具備するコネクテッド手段により実現される。また、統合コントローラ34は、ルート毎に車両1の走行負荷を予測する予測手段として機能する。また、統合コントローラ34は、各ルートにおける車両1のエネルギ消費量を演算するエネルギ消費量演算手段として機能する。このエネルギ消費量演算手段は、例えば、降坂路における回生可能なエネルギ量を演算する回生可能エネルギ演算手段と、エネルギ蓄積手段(例えばバッテリ5)で蓄積可能なエネルギ量を演算する蓄積可能量演算手段と、渋滞路や低速エリアにおける消費エネルギ演算手段と、登坂路における消費エネルギ演算手段とを含む。また、統合コントローラ34は、道路情報に基づいて、バッテリ5の充放電計画を作成する充放電計画作成手段として機能する。
なお、本実施形態では、シリーズハイブリッド車両を例にして説明したが、本実施形態は、これに限定されない。例えば、プラグインハイブリッド車両についても本実施形態を適用可能である。また、内燃機関とモータとの両方を制駆動力源として、車両を駆動するパラレルハイブリット車両についても本実施形態を適用可能である。
[本実施形態の構成及び効果]
本実施形態に係る車両1の制御方法は、走行用モータ4を制駆動力源とし、走行用モータ4との間で電力の授受を行うバッテリ5を備える車両の制御方法である。この制御方法は、車両1の現在地を基準として、車両1が走行すると予測される各ルートにおけるSOC推移予測値をルート毎に算出する算出ステップ(ステップS301)と、各ルートのうちから、SOC推移予測値が最大となる最大ルートと、SOC推移予測値が最小となる最小ルートとを選択する選択ステップ(ステップS302)と、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がバッテリ5のSOC上限値を上回る場合には、当該SOC推移予測値が最大になると予測される最大ルートにおける第1地点と車両1の現在地との間でバッテリ5の放電量を増加させ、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がバッテリ5のSOC下限値を下回る場合には、当該SOC推移予測値が最小になると予測される最小ルートにおける第2地点と車両1の現在地との間でバッテリ5の充電量を増加させる制御ステップ(ステップS303乃至S309、S320乃至S327、S330乃至S337)と、を備える。なお、本実施形態に係る車両1の制御方法は、内燃機関及びモータのうちの少なくとも1つを制駆動力源とする車両にも適用可能である。
このような車両1の制御方法によれば、最大ルート及び最小ルートにおけるSOC推移予測値と、バッテリ5のSOC上限値及びSOC下限値とに基づいて、バッテリ5の充放電制御を適切に実行することができる。すなわち、最大ルート及び最小ルートにおけるSOC推移予測値が、バッテリ5のSOC上限値及びSOC下限値を超過しないようにSOC計画と事前充放電制御を実施することができる。例えば、最大ルートにおけるSOC推移予測値に基づいて事前放電することで、下り坂での回生エネルギを回収できるため、電費及び燃費が悪化することを防止することができる。また、例えば、最小ルートにおけるSOC推移予測値に基づいて事前充電することで、SOC下限値まで事前放電してしまい、強制発電が発生することを防止し、低速エリア等でのEV走行を適切に実行することができる。また、目的地が設定されていない場合でも、最大ルート及び最小ルートにおけるSOC推移予測値に基づく適切な充放電制御を実行することができるため、電費及び燃費を向上させることができる。
また、本実施形態に係る車両1の制御方法において、制御ステップ(ステップS303、S304、S306、S307、S320乃至S327)では、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がSOC上限値を上回る場合には、車両1の現在地と第1地点との間で、車両1の走行時に放電可能な区間を抽出し、当該放電可能な区間毎にバッテリ5のSOC減少量を算出し、放電可能な区間について、第1地点に近い区間から順番に車両1の現在地に向かってSOC減少量を積算した積算SOC減少量を順次算出し、車両1の現在地と第1地点との間の放電可能な区間のうち、第1地点に近い区間から、積算SOC減少量が、当該SOC推移予測値の最大値のSOC上限値からの超過量以上となる区間までの各区間において事前放電を実施する。
このような車両1の制御方法によれば、第1地点側の各区間において事前放電を実施するため、車両1の現在地に近い位置でSOC下限値まで事前放電してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態に係る車両1の制御方法において、制御ステップ(ステップS303、S304、S306、S307、S320乃至S327)では、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がSOC上限値を上回る場合には、車両1の現在地と第1地点との間で、車両1の走行時に放電可能な区間を抽出し、当該放電可能な区間毎にバッテリ5のSOC減少量を算出し、放電可能な区間について、第1地点に近い区間から順番に車両1の現在地に向かってSOC減少量を積算した積算SOC減少量を順次算出し、車両1の現在地と第1地点との間の放電可能な区間のうち、第1地点に近い区間から、積算SOC減少量が、SOC下限値からSOC上限値までの値の範囲(ユーザブルSOCレンジの範囲)内となる区間までの各区間において事前放電を実施する。
このような車両1の制御方法によれば、第1地点側の各区間において事前放電をする放電量を、ユーザブルSOCレンジの範囲内とするため、放電し過ぎることを防止することができる。
また、本実施形態に係る車両1の制御方法において、制御ステップ(ステップS303、S305、S308、S309、S330乃至S327)では、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がSOC下限値を下回る場合には、車両1の現在地と第2地点との間で、車両1の走行時に充電可能な区間を抽出し、当該充電可能な区間毎にバッテリ5のSOC増加量を算出し、充電可能な区間について、第2地点に近い区間から順番に車両1の現在地に向かってSOC増加量を積算した積算SOC増加量を順次算出し、車両1の現在地と第2地点との間の充電可能な区間のうち、第2地点に近い区間から、積算SOC増加量が、当該SOC推移予測値の最小値のSOC下限値からの超過量以上となる区間までの各区間において事前充電を実施する。
このような車両1の制御方法によれば、第2地点側の各区間において事前充電を実施するため、車両1の現在地に近い位置でSOC上限値まで事前充電してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態に係る車両1の制御方法において、制御ステップ(ステップS303、S305、S308、S309、S330乃至S327)では、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がSOC下限値を下回る場合には、車両1の現在地と第2地点との間で、車両1の走行時に充電可能な区間を抽出し、当該充電可能な区間毎にバッテリ5のSOC増加量を算出し、充電可能な区間について、第2地点に近い区間から順番に車両1の現在地に向かってSOC増加量を積算した積算SOC増加量を順次算出し、車両1の現在地と第2地点との間の充電可能な区間のうち、第2地点に近い区間から、積算SOC増加量が、SOC下限値からSOC上限値までの値の範囲(ユーザブルSOCレンジの範囲)内となる区間までの各区間において事前充電を実施する。
このような車両1の制御方法によれば、第2地点側の各区間において事前充電をする充電量を、ユーザブルSOCレンジの範囲内とするため、充電し過ぎることを防止することができる。
また、本実施形態に係る車両1の制御方法において、制御ステップ(ステップS401、S404)では、車両1の走行時における電力消費の効率を優先する設定がされている場合において、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がSOC上限値を上回る場合には、第1地点と車両1の現在地との間で実施される事前放電の放電量を、バッテリ5のSOCがSOC下限値に達する直前までの量となるように制御する。
このような車両1の制御方法によれば、最大ルートのSOC推移予測値の上限側でのSOC超過量の発生を防止することができる。
また、本実施形態に係る車両1の制御方法において、制御ステップ(ステップS402、S405)では、車両1が発する騒音の回避を優先する設定がされている場合において、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がSOC下限値を下回る場合には、第2地点と車両1の現在地との間で実施される事前充電の充電量を、バッテリ5のSOCがSOC上限値に達する直前までの量となるように制御する。
このような車両1の制御方法によれば、最小ルートのSOC推移予測値の下限側での強制充電時間の発生を防止することができる。
また、本実施形態に係る車両1の制御方法において、制御ステップ(ステップS403乃至S405)では、車両1の走行時における電力消費の効率を優先する設定と、車両1が発する騒音の回避を優先する設定との何れも設定されていない場合において、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がSOC上限値を上回る場合には、SOC上限値及びSOC下限値の中央値をバッテリ5のSOCが上回っていることを条件に、第1地点と車両1の現在地との間で、バッテリ5のSOCが中央値に達するまでの放電量となるように事前放電を実施し、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がSOC下限値を下回る場合には、バッテリ5のSOCが中央値を下回っていることを条件に、第2地点と車両1の現在地との間で、バッテリ5のSOCが中央値に達するまでの充電量となるように事前充電を実施する。
このような車両1の制御方法によれば、バッテリ5のSOCに応じた適切な充放電制御を実行することができる。
また、本実施形態に係る車両1の制御方法において、算出ステップ(ステップS301)では、分岐点間の各区間におけるバッテリ5のSOC増減量予測値を算出し、対象ルートにおける各分岐点間の区間毎のSOC増減量予測値を積算して当該対象ルートにおけるSOC推移予測値を算出する。
このような車両1の制御方法によれば、目的地が設定されていない場合でも、各ルートにおけるSOC推移予測値を求め、最大ルート及び最小ルートを選択することができる。
また、本実施形態に係る車両1の制御方法において、算出ステップ(ステップS301)では、車両1の目的地が設定された場合において、目的地までの案内ルートから車両1が逸脱したときには、当該逸脱後の車両1の現在地を基準としてSOC推移予測値を算出する。また、選択ステップ(ステップS302)では、逸脱後の車両1の現在地を基準として算出されたSOC推移予測値に基づいて、最大ルート及び最小ルートを選択する。また、制御ステップ(ステップS303乃至S309、S320乃至S327、S330乃至S337)では、逸脱後に選択された最大ルート及び最小ルートに基づいて、バッテリ5の放電量を増加させる制御またはバッテリ5の充電量を増加させる制御を実行する。
このような車両1の制御方法によれば、乗員により目的地が設定された場合において、その案内ルートから車両1が逸脱したときでも、新たに最大ルート及び最小ルートを選択して、その最大ルート及び最小ルートについて充放電制御を実行することができるため、適切な充放電制御により電費及び燃費を向上させることができる。
また、本実施形態に係る車両1の制御方法では、算出ステップ(ステップS301)では、SOC下限値からSOC上限値までのバッテリ容量の範囲(ユーザブルSOCレンジの範囲)を基準として設定される車両1の走行距離の範囲内に存在する各ルートについてSOC推移予測値を算出する。
このような車両1の制御方法によれば、ユーザブルSOCレンジの範囲を基準として設定される車両1の走行距離の範囲内に存在する各ルートまでの演算処理をするため、コントローラの演算負荷を下げることができる。
また、本実施形態に係る車両1の制御方法では、算出ステップ(ステップS301)では、車両1のEV走行によるバッテリ5のSOC減少量を基準として設定される車両1の走行距離の範囲内に存在する各ルートについてSOC推移予測値を算出する。
このような車両1の制御方法によれば、車両1のEV走行によるバッテリ5のSOC減少量を基準として設定される車両1の走行距離の範囲内に存在する各ルートまでの演算処理をするため、コントローラの演算負荷を下げることができる。
また、本実施形態に係る車両1の制御システムは、走行用モータ4を制駆動力源とし、走行用モータ4との間で電力の授受を行うバッテリ5と、バッテリ5の充放電制御を実行する統合コントローラ34とを備える車両の制御システムである。統合コントローラ34は、車両1の現在地を基準として、車両1が走行すると予測される各ルートにおけるSOC推移予測値をルート毎に算出する。また、統合コントローラ34は、記各ルートのうちから、SOC推移予測値が最大となる最大ルートと、SOC推移予測値が最小となる最小ルートとを選択する。また、統合コントローラ34は、最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値がバッテリ5のSOC上限値を上回る場合には、当該SOC推移予測値が最大になると予測される最大ルートにおける第1地点と車両1の現在地との間でバッテリ5の放電量を増加させる。また、統合コントローラ34は、最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値がバッテリ5のSOC下限値を下回る場合には、当該SOC推移予測値が最小になると予測される最小ルートにおける第2地点と車両1の現在地との間でバッテリ5の充電量を増加させる。なお、本実施形態に係る車両1の制御システムは、内燃機関及びモータのうちの少なくとも1つを制駆動力源とする車両にも適用可能である。
このような車両1の制御システムによれば、最大ルート及び最小ルートにおけるSOC推移予測値と、バッテリ5のSOC上限値及びSOC下限値とに基づいて、バッテリ5の充放電制御を適切に実行することができる。すなわち、最大ルート及び最小ルートにおけるSOC推移予測値が、バッテリ5のSOC上限値及びSOC下限値を超過しないようにSOC計画と事前充放電制御を実施することができる。例えば、最大ルートにおけるSOC推移予測値に基づいて事前放電することで、下り坂での回生エネルギを回収できるため、電費及び燃費が悪化することを防止することができる。また、例えば、最小ルートにおけるSOC推移予測値に基づいて事前充電することで、SOC下限値まで事前放電してしまい、強制発電が発生することを防止し、低速エリア等でのEV走行を適切に実行することができる。また、目的地が設定されていない場合でも、最大ルート及び最小ルートにおけるSOC推移予測値に基づく適切な充放電制御を実行することができるため、電費及び燃費を向上させることができる。
なお、本実施形態で示した各処理は、各処理手順をコンピュータに実行させるためのプログラムに基づいて実行されるものである。このため、本実施形態は、それらの各処理を実行する機能を実現するプログラム、そのプログラムを記憶する記録媒体の実施形態としても把握することができる。例えば、車両に新機能を追加するためのアップデート作業により、そのプログラムを車両の記憶装置に記憶させることができる。これにより、そのアップデートされた車両に本実施形態で示した各処理を実施させることが可能となる。なお、そのアップデートは、例えば、車両の定期点検時等に行うことができる。また、ワイヤレス通信によりそのプログラムをアップデートするようにしてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1 車両
2 内燃機関
3 発電用モータ
4 走行用モータ
5 バッテリ
6 駆動輪
30 コントローラ
31 エンジンコントローラ
32 発電用モータコントローラ
33 走行用モータコントローラ
34 統合コントローラ
81 回転速度センサ
82 アクセル開度センサ
83 水温センサ
84 車速センサ

Claims (13)

  1. 内燃機関及びモータのうちの少なくとも1つを制駆動力源とし、前記モータとの間で電力の授受を行うバッテリを備える車両の制御方法であって、
    前記車両の現在地を基準として、前記車両が走行すると予測される各ルートにおけるSOC推移予測値をルート毎に算出する算出ステップと、
    前記各ルートのうちから、前記SOC推移予測値が最大となる最大ルートと、前記SOC推移予測値が最小となる最小ルートとを選択する選択ステップと、
    前記最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値が前記バッテリのSOC上限値を上回る場合には、当該SOC推移予測値が最大になると予測される前記最大ルートにおける第1地点と前記車両の現在地との間で前記バッテリの放電量を増加させ、前記最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値が前記バッテリのSOC下限値を下回る場合には、当該SOC推移予測値が最小になると予測される前記最小ルートにおける第2地点と前記車両の現在地との間で前記バッテリの充電量を増加させる制御ステップと、を備える
    車両の制御方法。
  2. 請求項1に記載の車両の制御方法であって、
    前記制御ステップでは、
    前記最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値が前記SOC上限値を上回る場合には、
    前記車両の現在地と前記第1地点との間で、前記車両の走行時に放電可能な区間を抽出し、当該放電可能な区間毎に前記バッテリのSOC減少量を算出し、
    前記放電可能な区間について、前記第1地点に近い区間から順番に前記車両の現在地に向かって前記SOC減少量を積算した積算SOC減少量を順次算出し、
    前記車両の現在地と前記第1地点との間の前記放電可能な区間のうち、前記第1地点に近い区間から、前記積算SOC減少量が、当該SOC推移予測値の最大値の前記SOC上限値からの超過量以上となる区間までの各区間において事前放電を実施する、
    車両の制御方法。
  3. 請求項1に記載の車両の制御方法であって、
    前記制御ステップでは、
    前記最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値が前記SOC上限値を上回る場合には、
    前記車両の現在地と前記第1地点との間で、前記車両の走行時に放電可能な区間を抽出し、当該放電可能な区間毎に前記バッテリのSOC減少量を算出し、
    前記放電可能な区間について、前記第1地点に近い区間から順番に前記車両の現在地に向かって前記SOC減少量を積算した積算SOC減少量を順次算出し、
    前記車両の現在地と前記第1地点との間の前記放電可能な区間のうち、前記第1地点に近い区間から、前記積算SOC減少量が、前記SOC下限値から前記SOC上限値までの値の範囲内となる区間までの各区間において事前放電を実施する、
    車両の制御方法。
  4. 請求項1から3の何れかに記載の車両の制御方法であって、
    前記制御ステップでは、
    前記最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値が前記SOC下限値を下回る場合には、
    前記車両の現在地と前記第2地点との間で、前記車両の走行時に充電可能な区間を抽出し、当該充電可能な区間毎に前記バッテリのSOC増加量を算出し、
    前記充電可能な区間について、前記第2地点に近い区間から順番に前記車両の現在地に向かって前記SOC増加量を積算した積算SOC増加量を順次算出し、
    前記車両の現在地と前記第2地点との間の前記充電可能な区間のうち、前記第2地点に近い区間から、前記積算SOC増加量が、当該SOC推移予測値の最小値の前記SOC下限値からの超過量以上となる区間までの各区間において事前充電を実施する、
    車両の制御方法。
  5. 請求項1から3の何れかに記載の車両の制御方法であって、
    前記制御ステップでは、
    前記最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値が前記SOC下限値を下回る場合には、
    前記車両の現在地と前記第2地点との間で、前記車両の走行時に充電可能な区間を抽出し、当該充電可能な区間毎に前記バッテリのSOC増加量を算出し、
    前記充電可能な区間について、前記第2地点に近い区間から順番に前記車両の現在地に向かって前記SOC増加量を積算した積算SOC増加量を順次算出し、
    前記車両の現在地と前記第2地点との間の前記充電可能な区間のうち、前記第2地点に近い区間から、前記積算SOC増加量が、前記SOC下限値から前記SOC上限値までの値の範囲内となる区間までの各区間において事前充電を実施する、
    車両の制御方法。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の車両の制御方法であって、
    前記制御ステップでは、
    前記車両の走行時における電力消費の効率を優先する設定がされている場合において、
    前記最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値が前記SOC上限値を上回る場合には、前記第1地点と前記車両の現在地との間で実施される事前放電の放電量を、前記バッテリのSOCが前記SOC下限値に達する直前までの量となるように制御する、
    車両の制御方法。
  7. 請求項1から6の何れかに記載の車両の制御方法であって、
    前記制御ステップでは、
    前記車両が発する騒音の回避を優先する設定がされている場合において、
    前記最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値が前記SOC下限値を下回る場合には、前記第2地点と前記車両の現在地との間で実施される事前充電の充電量を、前記バッテリのSOCが前記SOC上限値に達する直前までの量となるように制御する、
    車両の制御方法。
  8. 請求項1から7の何れかに記載の車両の制御方法であって、
    前記制御ステップでは、
    前記車両の走行時における電力消費の効率を優先する設定と、前記車両が発する騒音の回避を優先する設定との何れも設定されていない場合において、
    前記最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値が前記SOC上限値を上回る場合には、前記SOC上限値及び前記SOC下限値の中央値を前記バッテリのSOCが上回っていることを条件に、前記第1地点と前記車両の現在地との間で、前記バッテリのSOCが前記中央値に達するまでの放電量となるように事前放電を実施し、
    前記最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値が前記SOC下限値を下回る場合には、前記バッテリのSOCが前記中央値を下回っていることを条件に、前記第2地点と前記車両の現在地との間で、前記バッテリのSOCが前記中央値に達するまでの充電量となるように事前充電を実施する、
    車両の制御方法。
  9. 請求項1から8の何れかに記載の車両の制御方法であって、
    前記算出ステップでは、分岐点間の各区間における前記バッテリのSOC増減量予測値を算出し、対象ルートにおける各分岐点間の区間毎のSOC増減量予測値を積算して当該対象ルートにおける前記SOC推移予測値を算出する、
    車両の制御方法。
  10. 請求項1から9の何れかに記載の車両の制御方法であって、
    前記算出ステップでは、前記車両の目的地が設定された場合において、前記目的地までの案内ルートから前記車両が逸脱したときには、当該逸脱後の前記車両の現在地を基準として前記SOC推移予測値を算出し、
    前記選択ステップでは、前記逸脱後の前記車両の現在地を基準として算出された前記SOC推移予測値に基づいて、前記最大ルート及び前記最小ルートを選択し、
    前記制御ステップでは、前記逸脱後に選択された前記最大ルート及び前記最小ルートに基づいて、前記バッテリの放電量を増加させる制御または前記バッテリの充電量を増加させる制御を実行する、
    車両の制御方法。
  11. 請求項1から10の何れかに記載の車両の制御方法であって、
    前記算出ステップでは、前記SOC下限値から前記SOC上限値までのバッテリ容量の範囲を基準として設定される前記車両の走行距離の範囲内に存在する各ルートについて前記SOC推移予測値を算出する、
    車両の制御方法。
  12. 請求項1から10の何れかに記載の車両の制御方法であって、
    前記算出ステップでは、前記車両のEV走行による前記バッテリのSOC減少量を基準として設定される前記車両の走行距離の範囲内に存在する各ルートについて前記SOC推移予測値を算出する、
    車両の制御方法。
  13. 内燃機関及びモータのうちの少なくとも1つを制駆動力源とし、前記モータとの間で電力の授受を行うバッテリと、前記バッテリの充放電制御を実行するコントローラとを備える車両の制御システムであって、
    前記コントローラは、
    前記車両の現在地を基準として、前記車両が走行すると予測される各ルートにおけるSOC推移予測値をルート毎に算出し、
    前記各ルートのうちから、前記SOC推移予測値が最大となる最大ルートと、前記SOC推移予測値が最小となる最小ルートとを選択し、
    前記最大ルートにおけるSOC推移予測値の最大値が前記バッテリのSOC上限値を上回る場合には、当該SOC推移予測値が最大になると予測される前記最大ルートにおける第1地点と前記車両の現在地との間で前記バッテリの放電量を増加させ、
    前記最小ルートにおけるSOC推移予測値の最小値が前記バッテリのSOC下限値を下回る場合には、当該SOC推移予測値が最小になると予測される前記最小ルートにおける第2地点と前記車両の現在地との間で前記バッテリの充電量を増加させる、
    車両の制御システム。
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