JP2022114281A - X線ct装置、x線ct装置の制御方法、およびプログラム - Google Patents

X線ct装置、x線ct装置の制御方法、およびプログラム Download PDF

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Figure 2022114281000001
【課題】被検体の医用画像を取得するX線CT装置において、架台装置の移動に関する改善を図ることである。
【解決手段】実施形態のX線CT装置は、架台装置と、接触センサと、物体情報取得装置と、制御装置とを持つ。架台装置は、放射線を照射する放射線照射部を有する。接触センサは、前記架台装置の筐体への物体の接触を検知する。物体情報取得装置は、前記筐体の周辺に存在する物体の情報を取得する。制御装置は、前記架台装置の移動を制御する。前記制御装置は、前記接触センサが前記筐体への物体の接触を検知した場合、前記物体情報取得装置から取得した前記筐体の周辺に存在する物体の情報に基づいて判断した前記筐体に接触した物体の判断結果に応じて、前記筐体の移動を制御する。
【選択図】図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、X線CT装置、X線CT装置制御方法、およびプログラムに関する。
従来から、医用画像診断の分野において、X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)装置などが使用されている。X線CT装置では、例えば、医師や技師などの操作者が、X線CT装置の架台装置の筐体に配置されている操作スイッチなどを操作して、X線管を内蔵した回転フレームなどを備える架台装置を、撮影を行う位置に水平移動させる。
従来のX線CT装置には、例えば、架台装置の筐体(以下、「架台筐体」という)の下部に接触センサなどが配置されている。そして、従来のX線CT装置では、接触センサが何らかの物体が架台筐体に触れたことを検出した場合、架台装置の水平移動は一旦停止される。これは、水平移動している架台筐体に物体が挟まれてしまったりするのを防止するためである。
ところで、架台装置を水平移動させているときには、例えば、操作者などの足が誤って架台筐体に触れてしまうことも考えられる。この場合、架台装置は、例え操作者が触れてしまった足を即座に退避させたとしても、操作者のケガを防止する観点から、水平移動が一旦停止される。水平移動が停止された架台装置を再び水平移動させる際には、操作スイッチなどを操作者が再度操作する必要がある。この操作スイッチの再度の操作は、触れてしまった足を退避した操作者にとっては煩雑な作業である。
実開昭63-054084号公報 特表2016-528952号公報 特開2015-002988号公報
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題は、被検体の医用画像を取得するX線CT装置において、架台装置の移動に関する改善を図ることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態のX線CT装置は、架台装置と、接触センサと、物体情報取得装置と、制御装置とを持つ。架台装置は、放射線を照射する放射線照射部を有する。接触センサは、前記架台装置の筐体への物体の接触を検知する。物体情報取得装置は、前記筐体の周辺に存在する物体の情報を取得する。制御装置は、前記架台装置の移動を制御する。前記制御装置は、前記接触センサが前記筐体への物体の接触を検知した場合、前記物体情報取得装置から取得した前記筐体の周辺に存在する物体の情報に基づいて判断した前記筐体に接触した物体の判断結果に応じて、前記筐体の移動を制御する。
実施形態に係るX線CT装置の構成図。 実施形態に係るX線CT装置が備える制御装置の機能構成の一例を示す図。 実施形態に係るX線CT装置において架台装置を移動させる場面の一例を示す図。 実施形態に係るX線CT装置が備える架台装置に配置された物体情報取得装置における物体の認識範囲の第1例を模式的に示す図。 実施形態に係るX線CT装置が備える架台装置に配置された物体情報取得装置における物体の認識範囲の第2例を模式的に示す図。 実施形態に係るX線CT装置において制御装置が架台装置を移動させる処理の一連の流れの一例を示すフローチャート。 実施形態に係るX線CT装置において制御装置が架台装置を移動させる処理の一連の流れの別の一例を示すフローチャート。
以下、図面を参照しながら、実施形態のX線CT装置、X線CT装置の制御方法、およびプログラムについて説明する。X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)装置は、例えば、被検体を挿入可能な開口が設けられた架台と、被検体を載置する天板を有する寝台を備え、寝台に載置した状態の被検体の医用画像を取得して診断(CT検査)をする医用診断装置である。X線CT装置は、天板に被検体が載置された状態の寝台の方向に架台の筐体を水平移動させ、架台の開口の内部に被検体を導入してCT検査を行う、架台移動型のX線CT装置である。X線CT装置は、被検体にX線を照射し、被検体を通過したX線を検出する。X線CT装置は、検出したX線に応じた再構成画像(CT画像)など画像を生成して表示する。これにより、CT検査の実施者(医師や技師など)は、被検体に病変があるか否かなどを目視で確認することができる。
図1は、実施形態に係るX線CT装置の構成図である。X線CT装置1は、例えば、架台装置10と、寝台装置30と、コンソール装置40とを備える。図1では、説明の都合上、架台装置10をZ軸方向から見た図とX軸方向から見た図との両方に図を示しているが、実際には、X線CT装置1が備える架台装置10は一つである。本実施形態では、非チルト状態での回転フレーム17の中心軸または寝台装置30の天板33の長手方向をZ軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対して水平である軸をX軸方向、Z軸方向に直交し、床面に対して垂直である方向をY軸方向とそれぞれ定義する。
架台装置10は、例えば、X線管を内蔵するX線管11と、ウェッジ12と、コリメータ13と、X線高電圧装置14と、X線検出器15と、データ収集システム(以下、DAS:Data Acquisition System)16と、回転フレーム17と、制御装置18とを備える。
X線管11は、X線高電圧装置14により印加された高電圧の管電圧に応じて、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を放出させることでX線を発生させる。X線管11は、例えば、真空管を含む。X線管11は、例えば、陰極から回転する陽極に熱電子を放出させることによりX線を発生させる回転陽極型のX線管である。X線管11により発生されたX線は、被検体Pに照射される。X線管11は、特許請求の範囲における「放射線照射部」の一例であり、X線は、特許請求の範囲における「放射線」の一例である。
ウェッジ12は、X線管11により発生されたX線を被検体Pに照射する際の線量(X線量)を調節するためのフィルタである。ウェッジ12は、被検体Pに照射するX線量の分布が予め定められた分布になるように、自身を透過するX線を減衰させる。ウェッジ12は、ウェッジフィルタ(wedge filter)、ボウタイフィルタ(bow-tie filter)とも呼ばれる。ウェッジ12は、例えば、所定のターゲット角度や所定の厚みとなるようにアルミニウムを加工したものである。
コリメータ13は、ウェッジ12を透過したX線の照射範囲を絞り込むための機構である。コリメータ13は、例えば、複数の鉛板を組み合わせてスリットを形成することにより、X線の照射範囲を絞り込む。コリメータ13は、X線絞りと呼ばれる場合もある。コリメータ13は、絞り込み範囲が機械的に駆動可能なアクティブコリメータであってよい。
X線高電圧装置14は、例えば、高電圧発生装置と、X線制御装置とを備える。高電圧発生装置は、変圧器(トランス)および整流器などを含む電気回路を有し、X線管11に印加する高電圧を発生させる。X線制御装置は、X線管11に発生させるべきX線量に応じて高電圧発生装置の出力電圧を制御する。高電圧発生装置は、上述した変圧器によって昇圧を行うものであってもよいし、インバータによって昇圧を行うものであってもよい。X線高電圧装置14は、回転フレーム17に設けられてもよいし、架台装置10に設けられた固定フレーム(不図示)の側に設けられてもよい。
X線検出器15は、X線管11が発生させ、被検体Pを通過して入射したX線の強度を検出する。X線検出器15は、検出したX線の強度に応じた電気信号(光信号などでもよい)をDAS16に出力する。X線検出器15は、例えば、複数のX線検出素子列を有する。複数のX線検出素子列のそれぞれは、X線管11の焦点を中心とした円弧に沿ってチャネル方向に複数のX線検出素子が配列されたものである。複数のX線検出素子列は、スライス方向(列方向、row方向)に配列される。
X線検出器15は、例えば、グリッドと、シンチレータアレイと、光センサアレイとを有する間接型の検出器である。シンチレータアレイは、複数のシンチレータを有する。それぞれのシンチレータは、シンチレータ結晶を有する。シンチレータ結晶は、入射するX線の強度に応じた光量の光を発する。グリッドは、シンチレータアレイのX線が入射する面に配置され、散乱X線を吸収する機能を有するX線遮蔽板を有する。グリッドは、コリメータ(一次元コリメータまたは二次元コリメータ)と呼ばれる場合もある。光センサアレイは、例えば、光電子増倍管(フォトマルチプライヤー:PMT)などの光センサを有する。光センサアレイは、シンチレータにより発せられる光の光量に応じた電気信号を出力する。X線検出器15は、入射したX線を電気信号に変換する半導体素子を有する直接変換型の検出器であってもよい。
DAS16は、例えば、増幅器と、積分器と、A/D変換器とを有する。増幅器は、X線検出器15の各X線検出素子により出力される電気信号に対して増幅処理を行う。積分器は、増幅器により増幅処理が行われた電気信号をビュー期間(後述)に亘って積分する。A/D変換器は、積分器による積分結果を示す電気信号をデジタル信号に変換する。DAS16は、デジタル信号に基づく検出データをコンソール装置40に出力する。検出データは、生成元のX線検出素子のチャンネル番号、列番号、および収集されたビューを示すビュー番号により識別されたX線強度のデジタル値である。ビュー番号は、回転フレーム17の回転に応じて変化する番号であり、例えば、回転フレーム17の回転に応じてインクリメントされる番号である。従って、ビュー番号は、X線管11の回転角度を示す情報である。ビュー期間とは、あるビュー番号に対応する回転角度から、次のビュー番号に対応する回転角度に到達するまでの間に収まる期間である。DAS16は、ビューの切り替わりを、制御装置18から入力されるタイミング信号によって検知してもよいし、内部のタイマーによって検知してもよいし、図示しないセンサから取得される信号によって検知してもよい。X線CT装置1がフルスキャンを行う場合においてX線管11によりX線が連続曝射されている場合、DAS16は、全周囲分(360度分)の検出データ群を収集する。X線CT装置1がハーフスキャンを行う場合においてX線管11によりX線が連続曝射されている場合、DAS16は、半周囲分(180度分)の検出データを収集する。
回転フレーム17は、X線管11、ウェッジ12、およびコリメータ13と、X線検出器15とを対向支持する円環状の部材である。回転フレーム17は、固定フレームによって、内部に導入された被検体Pを中心として回転自在に支持される。回転フレーム17は、さらにDAS16を支持する。DAS16が出力する検出データは、回転フレーム17に設けられた発光ダイオード(LED)を有する送信機から、光通信によって、架台装置10の非回転部分(例えば、不図示の固定フレーム)に設けられたフォトダイオードを有する受信機に送信され、受信機によってコンソール装置40に転送される。回転フレーム17から非回転部分への検出データの送信方法として、前述の光通信を用いた方法に限らず、非接触型の任意の送信方法を採用してよい。回転フレーム17は、X線管11などを支持して回転させることができるものであれば、円環状の部材に限らず、アームのような部材であってもよい。
X線CT装置1は、例えば、X線管11とX線検出器15の双方が回転フレーム17によって支持されて被検体Pの周囲を回転するRotate/Rotate-TypeのX線CT装置(第3世代CT)であるが、これに限らず、円環状に配列された複数のX線検出素子が固定フレームに固定され、X線管11が被検体Pの周囲を回転するStationary/Rotate-TypeのX線CT装置(第4世代CT)であってもよい。
制御装置18は、架台装置10に取り付けられた操作スイッチなどの入力インターフェース(不図示)、またはコンソール装置40に取り付けられた入力インターフェース43からの入力信号を受け付けて、架台装置10および寝台装置30の動作を制御する。制御装置18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを有する処理回路と、架台装置10の移動や、架台装置10が備える回転フレーム17の回転、寝台装置30の移動をさせる、例えば、モータやアクチュエータなどを含む駆動機構とを有する。実施形態では、制御装置18が架台装置10に設けられている場合を示しているが、制御装置18は、コンソール装置40に設けられてもよい。なお、本明細書において入力インターフェースはマウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
制御装置18は、例えば、架台装置10をチルトさせたり、架台装置10の筐体(以下、単に「架台装置10」ともいう)を寝台装置30の天板33の方向(Z軸方向)に水平移動させたり、寝台装置30の天板33をY軸方向に上下移動(X軸方向への横移動やZ軸回りの回転移動を含んでもよい)させたりする。架台装置10をチルトさせる場合、制御装置18は、不図示の入力インターフェースや入力インターフェース43に入力された傾斜角度(チルト角度)に基づいて、Z軸方向に平行な軸を中心に回転フレーム17を傾けさせる。制御装置18は、不図示のセンサの出力などによって回転フレーム17の傾きの角度を把握している。制御装置18は、回転フレーム17の傾きの角度を随時、処理回路50に提供する。
図2は、実施形態に係るX線CT装置1が備える制御装置18の機能構成の一例を示す図である。図2に示した制御装置18の機能構成の一例は、架台装置10の水平移動に関連する機能構成である。制御装置18は、架台装置10を移動させるための構成要素として、処理回路180を備える。図2には、制御装置18が架台装置10を移動させる際に関連する接触センサ101と、物体情報取得装置102と、モータ188とも併せて示している。
接触センサ101は、架台装置10の移動中に接触した物体を検知する。接触センサ101は、例えば、圧力センサである。接触センサ101は、例えば、架台装置10の筐体の前面、すなわち、架台装置10が移動する方向の下部に取り付けられる。接触センサ101は、取り付けられた位置において、架台装置10の筐体に接触した物体により受けた圧力の大きさ(圧力値)を表す圧力データを、制御装置18に出力する。接触センサ101が取り付けられる位置は、架台装置10の筐体の前面の下部に限られない。例えば、接触センサ101は、さらに、架台装置10の筐体の背面や側面の下部に取り付けられてもよいし、架台装置10の筐体の前面や、背面、側面の全体(つまり全面)に取り付けられてもよい。架台装置10の同じ面に取り付けられる接触センサ101の数は一つに限らず、複数であってもよい。つまり、接触センサ101は、複数に分割された状態で架台装置10に取り付けられてもよい。この場合、制御装置18は、接触センサ101により出力された圧力データに基づいて、架台装置10の筐体に物体が接触した位置の情報も得ることができる。圧力データは、特許請求の範囲における「検知信号」の一例である。
物体情報取得装置102は、架台装置10の周辺に存在する物体の情報を取得する。物体情報取得装置102は、例えば、架台装置10の筐体の前面の上部に取り付けられる。物体情報取得装置102は、例えば、光学的な画像を撮像する光学カメラなどの撮像装置である。この場合、物体情報取得装置102は、撮像範囲に存在する物体を撮像した画像データを、制御装置18に出力する。物体情報取得装置102は、光学カメラなどの撮像装置に限られない。例えば、物体情報取得装置102は、人体などの熱を検知する赤外線カメラなどの撮像装置であってもよい。この場合、物体情報取得装置102は、撮像範囲に存在する物体の熱量を表すデータ(撮像範囲内の熱量を画像として表した画像データであってもよい)を、制御装置18に出力する。例えば、物体情報取得装置102は、物体との距離を計測するミリ波レーダなどの計測装置であってもよい。この場合、物体情報取得装置102は、架台装置10の筐体と、その周辺に存在する物体との位置の差(距離)を表すデータ(計測範囲内の物体との距離を画像として表した画像データ、いわゆる距離画像データであってもよい)を、制御装置18に出力する。物体情報取得装置102が取り付けられる位置は、架台装置10の筐体の前面の上部に限られない。つまり、架台装置10の上部から下部に向かって物体の情報を取得する範囲が広がる位置に限られない。例えば、物体情報取得装置102は、架台装置10の筐体の側面に取り付けられ、側面から反対側の側面に向かって物体の情報を取得する範囲が広がる位置に取り付けられてもよい。例えば、物体情報取得装置102は、例えば、検査室や治療室の壁面や天井など、X線CT装置1が設置されている空間内に取り付けられ、取り付けられた位置から架台装置10に向かって物体の情報を取得する範囲が広がる位置に取り付けられてもよい。架台装置10やX線CT装置1が設置されている空間内に取り付けられる物体情報取得装置102の数や種類は一つに限らず、複数であってもよい。取り付けられる物体情報取得装置102の数は、例えば、架台装置10が水平移動する範囲など、架台装置10の周辺に存在する物体の情報を取得する所定の範囲をカバーするように決められればよい。取り付けられる物体情報取得装置102の種類は、例えば、架台装置10の周辺に存在することが想定される物体の材質などを判定可能なものに決められればよい。光学カメラは、特許請求の範囲における「光学的な画像を撮像する撮像装置」の一例であり、赤外線カメラは、特許請求の範囲における「物体の熱を検知した画像を撮像する赤外線撮像装置」の一例であり、ミリ波レーダは、特許請求の範囲における「物体の位置を検知する検知装置」の一例である。
モータ188は、処理回路50により出力された駆動信号に応じて、架台装置10の筐体を移動させる。モータ188は、特許請求の範囲における「移動装置」の一例である。
処理回路180は、接触センサ101および物体情報取得装置102により出力された情報(圧力データや画像データ)に基づいて、架台装置10の水平移動に干渉して支障をきたす可能性がある物体、あるいは架台装置10の移動により影響を受ける可能性がある物体の架台装置10への接触を検知する。架台装置10の水平移動に干渉して支障をきたす可能性がある物体とは、例えば、架台装置10が移動する方向の前方に置かれている機材や荷物などである。架台装置10の移動により影響を受ける可能性がある物体とは、例えば、操作スイッチにより架台装置10を移動させる操作をしている医師や技師などの操作者の身体や、接触した状態で架台装置10が移動を続けた場合に壊れてしまう可能性がある機材や荷物などである。架台移動型のX線CT装置1では、例えば、操作者の足が、架台装置10の移動により影響を受ける、つまりケガをしてしまう可能性がある物体として考えられる。制御装置18は、架台装置10に接触している物体を検出した場合、その物体の接触度合いや、その物体の退避の可否などの判断条件に従って、架台装置10の移動を継続させたり、架台装置10の移動速度を低下(減速)させたり、架台装置10の移動動作を停止させたりする。
処理回路180は、例えば、接触検知機能181、物体認識機能182、移動判断機能183、移動制御機能184などを実行する。処理回路180は、例えば、ハードウェアプロセッサが記憶装置(記憶回路)に記憶されたプログラムを実行することにより、これらの機能を実現するものである。
ハードウェアプロセッサとは、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)または複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))などの回路(circuitry)を意味する。記憶装置にプログラムを記憶させる代わりに、ハードウェアプロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むように構成しても構わない。この場合、ハードウェアプロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。ハードウェアプロセッサは、単一の回路として構成されるものに限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのハードウェアプロセッサとして構成され、各機能を実現するようにしてもよい。記憶装置は、非一時的(ハードウェアの)記憶媒体でもよい。複数の構成要素を1つのハードウェアプロセッサに統合して各機能を実現するようにしてもよい。複数の構成要素を1つの専用のLSIに組み込んで各機能を実現するようにしてもよい。ここで、プログラム(ソフトウェア)は、予めROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:HDD)などの記憶装置を構成する記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がコンソール装置40に備えるドライブ装置に装着されることで、コンソール装置40に備える記憶装置にインストールされてもよい。プログラム(ソフトウェア)は、他のコンピュータ装置からネットワークを介して予めダウンロードされて、コンソール装置40に備える記憶装置にインストールされてもよい。コンソール装置40に備える記憶装置にインストールされたプログラム(ソフトウェア)は、制御装置18が備える処理回路に転送されて実行されてもよい。
接触検知機能181は、接触センサ101により出力された圧力データに基づいて、架台装置10の筐体への物体の接触を検知する。接触検知機能181は、架台装置10の筐体に接触している物体を検知した場合、このことを表す通知情報を、物体認識機能182や移動判断機能183に出力する。その後、接触検知機能181は、接触センサ101により出力された圧力データの変化に基づいて、架台装置10の筐体への接触を検知した物体から受ける接触圧の増減を表す接触圧情報を、移動判断機能183に出力する。接触検知機能181は、特許請求の範囲における「接触検知部」の一例である。
物体認識機能182は、物体情報取得装置102により出力された画像データに基づいて、架台装置10の筐体に接触している物体(以下、「接触物」という)の位置や、その接触物がどのようなものであるかを認識する。物体認識機能182は、例えば、接触物が人であるか物であるか、人である場合には身体のどの部位であるか、物である場合には重量物であるか軽量物であるか、あるいは稼働物であるか固定物であるかなど、接触物に関する様々な要素や状態を認識する。物体認識機能182は、認識した接触物に関する認識情報を、移動判断機能183に出力する。物体認識機能182は、特許請求の範囲における「物体認識部」の一例である。
物体認識機能182における接触物の認識は、例えば、予め入力しておいた(読み込ませておいた)、想定される接触物のモデルデータと現在の接触物との比較によって行うことが考えられる。しかし、物体認識機能182における接触物の認識方法は、上述した例に限定されない。例えば、物体認識機能182は、機械学習やディープラーニングなどの学習機能を備えてもよい。この場合、物体認識機能182は、例えば、人の形状(顔や、操作時の体位、姿勢など)、着用している衣服の色、行動(移動経路、行動の癖、視線を含めてもよい)などを学習して、以前にも架台装置10の筐体に接触したことがある、X線CT装置1の操作を多く担当している操作者を認識してもよい。例えば、物の形状(大きさも含む)、色、重量などを学習して、X線CT装置1が設置されている検査室や治療室に存在する可能性がある機材や荷物、さらには壊れやすさを認識してもよい。物体認識機能182は、想定される接触物のモデルデータに含まれない、あるいは学習済みの接触物に含まれない新たな接触物の画像データが物体情報取得装置102により出力された場合には、例えば、AI(Artificial Intelligence:人工知能)などによって、新たな接触物をさらに学習してもよい。この場合、物体認識機能182は、認識した接触物(人や物)に関する詳細な情報を、認識情報に含めて移動判断機能183に出力することができる。
移動判断機能183は、接触検知機能181により架台装置10の筐体に物体が接触したことを表す通知情報が出力された場合、物体認識機能182により出力された接触物の認識情報に基づいて、架台装置10の現在の移動状態を変更するか否かを判断する。つまり、移動判断機能183は、操作者による操作スイッチの操作(つまり、移動の指示)に従って移動させている架台装置10の水平移動を、継続させるか、移動速度を低下(減速)させるか、停止させるかを判断する。より具体的には、移動判断機能183は、例えば、接触物が人である場合には、架台装置10の水平移動を継続させる、あるいは移動速度を低下(減速)させると判断し、接触物が物である場合には、架台装置10の水平移動の移動速度を低下(減速)させる、あるいは停止させると判断する。その後、移動判断機能183は、接触検知機能181により出力された接触圧情報に基づいて、判断結果を確定させる。つまり、移動判断機能183は、接触検知機能181により接触圧が減少していることを表す接触圧情報が出力された場合には、接触物が退避されたと判定して判断結果を破棄(キャンセル)し、接触検知機能181により接触圧が増加していることを表す接触圧情報が出力された場合には、接触物が退避されていないと判定して判断結果を確定させる。移動判断機能183は、架台装置10の移動状態を変更するか否かを判断した結果を確定した場合、確定した判断結果を表す変更情報を、移動制御機能184に出力する。移動判断機能183は、特許請求の範囲における「移動判断部」の一例である。
移動制御機能184は、移動判断機能183により出力された変更情報に基づいて、モータ188の駆動を制御する駆動信号を、モータ188に出力する。これにより、モータ188は、移動制御機能184により出力された駆動信号に応じて、架台装置10の筐体の移動状態を変更する。移動制御機能184は、特許請求の範囲における「移動制御部」の一例である。
処理回路180は、このような機能を実行することにより、架台装置10の移動を制御する。処理回路180、あるいは制御装置18は、特許請求の範囲における「制御装置」の一例である。制御装置18(処理回路180)における架台装置10の筐体の移動制御の詳細については後述する。
図1に戻り、寝台装置30は、スキャン対象の被検体Pを載置する装置である。寝台装置30は、例えば、基台31と、寝台駆動装置32と、天板33と、支持フレーム34とを備える。基台31は、支持フレーム34を鉛直方向(上下方向)に移動可能に支持する筐体を含む。寝台駆動装置32は、モータやアクチュエータを含む。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を、上下方向(Y軸方向)に移動させる。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を、水平方向(X軸方向)に横移動させたり、Z軸回りに回転移動させたりしてもよい。寝台駆動装置32は、被検体Pが載置された天板33を、支持フレーム34に沿って、天板33の長手方向(Z軸方向)に移動させてもよい。ただし、X線CT装置1は、架台移動型のX線CT装置である。このため、寝台駆動装置32が天板33を長手方向に移動させる移動量は、制御装置18が架台装置10を水平方向に最大に移動させた場合でも回転フレーム17の内部に導入されていない被検体Pの一部を回転フレーム17の内部に導入させる、つまり、架台装置10の水平移動量を補う分の移動量である。天板33は、被検体Pが載置される板状の部材である。
コンソール装置40は、例えば、メモリ41と、ディスプレイ42と、入力インターフェース43と、処理回路50とを備える。本実施形態では、コンソール装置40は架台装置10とは別体であるものとして説明するが、架台装置10にコンソール装置40の各構成要素の一部または全部が含まれてもよい。
メモリ41は、例えば、ROMやRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、ハードディスクドライブ、光ディスクなどにより実現される。メモリ41は、例えば、DAS16により出力された検出データ、検出データに基づいて生成される投影データや再構成画像(CT画像)などのデータを記憶する。これらのデータは、メモリ41ではなく(あるいはメモリ41に加えて)、X線CT装置1が通信可能な外部メモリに記憶されてもよい。外部メモリは、例えば、外部メモリを管理するクラウドサーバが読み書きの要求を受け付けることで、クラウドサーバによって制御されるものである。
ディスプレイ42は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ42は、処理回路50によって生成された再構成画像(CT画像)など画像や、X線CT装置1の操作者(医師や技師など)による各種操作を受け付けるGUI(Graphical User Interface)画像などを表示する。ディスプレイ42は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。ディスプレイ42は、架台装置10に設けられてもよい。ディスプレイ42は、デスクトップ型でもよいし、コンソール装置40の本体部と無線通信可能な表示装置(例えば、タブレット端末)であってもよい。
入力インターフェース43は、X線CT装置1の操作者による各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作の内容を示す電気信号を処理回路50に出力する。例えば、入力インターフェース43は、検出データを収集する際の収集条件、投影データを生成する際の生成条件、再構成画像を再構成する際の再構成条件、再構成画像から後処理画像を生成する際の画像処理条件などの入力操作を受け付ける。入力インターフェース43は、例えば、マウスやキーボード、タッチパネル、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、カメラ、赤外線センサ、マイクなどにより実現される。入力インターフェース43は、一部の入力操作を受け付ける機能(特に、架台装置10の筐体の水平移動させる機能)が操作スイッチなどとして架台装置10に設けられてもよい。入力インターフェース43は、コンソール装置40の本体部と無線通信可能な表示装置(例えば、タブレット端末)により実現されてもよい。
本明細書において入力インターフェース43は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
処理回路50は、X線CT装置1の全体の動作を制御する。処理回路50は、例えば、システム制御機能51、前処理機能52、再構成処理機能53、画像処理機能54などを実行する。処理回路50は、例えば、ハードウェアプロセッサがメモリ41に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、これらの機能を実現するものである。
ハードウェアプロセッサとは、制御装置18と同様に、例えば、CPU、GPU、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイスなどの回路(circuitry)を意味する。コンソール装置40または処理回路50が備える各構成要素は、分散化されて複数のハードウェアにより実現されてもよい。処理回路50は、コンソール装置40が備える構成ではなく、コンソール装置40と通信可能な処理装置によって実現されてもよい。処理装置は、例えば、一つのX線CT装置と接続されたワークステーション、あるいは複数のX線CT装置に接続され、以下に説明する処理回路50と同等の処理を一括して実行する装置(例えば、クラウドサーバ)である。すわなち、本実施形態の構成を、X線CT装置と、他の処理装置とがネットワークを介して接続されたX線CT検査システム(医用診断システム)として実現することも可能である。
システム制御機能51は、例えば、入力インターフェース43が受け付けた入力操作に基づいて、処理回路50の各種機能を制御する。例えば、システム制御機能51は、X線高電圧装置14、DAS16、制御装置18、および寝台駆動装置32を制御することで、架台装置10における検出データの収集処理などを実行する。
前処理機能52は、DAS16により出力された検出データに対して対数変換処理やオフセット補正処理、チャネル間の感度補正処理、ビームハードニング補正などの前処理を行って投影データを生成し、生成した投影データをメモリ41に記憶させる。
再構成処理機能53は、前処理機能52により生成された投影データに対して、フィルタ補正逆投影法や逐次近似再構成法などによる所定の再構成処理を行って再構成画像を生成し、生成した再構成画像をメモリ41に記憶させる。
画像処理機能54は、入力インターフェース43が受け付けた入力操作に基づいて、再構成画像を公知の方法により、三次元画像や任意断面の断面像データに変換する。三次元画像への変換は、前処理機能52によって行われてもよい。
次に、制御装置18(処理回路180)における架台装置10の筐体の移動制御について説明する。まず、架台装置10の筐体を移動させる場面の一例について説明する。図3は、実施形態に係るX線CT装置1において架台装置10を移動させる場面の一例を示す図である。図4および図5は、実施形態に係るX線CT装置1が備える架台装置10に配置された物体情報取得装置102における物体の認識範囲の一例を模式的に示す図である。
図3には、筐体の前面の下部に接触センサ101が取り付けられ、筐体の前面の上部に三つの物体情報取得装置102(物体情報取得装置102-1~102-3)が取り付けられている架台装置10を備えるX線CT装置1が、例えば、検査室や治療室などの場所に設置されている場面の一例を示している。図3に示した物体情報取得装置102-1~102-3のそれぞれは、光学カメラである。図3では、三つの光学カメラが、物体が接触する可能性がある筐体の前面の所定の範囲が撮像範囲となるように、上部から下部に向かって垂直方向に撮像するように取り付けられている。光学カメラは、所定範囲内に接触した物体を撮像ことができれば、一つあるいは二つであってもよいし、上部から下部に向かって斜め方向に撮像するように取り付けられてもよい。例えば、二つの光学カメラが、互いの撮像範囲の一部が重複するような角度で、架台装置10の筐体の上部の左右に取り付けられてもよい。
上述したように、X線CT装置1は、架台移動型のX線CT装置である。このため、X線CT装置1の操作者(医師や技師など)Dは、架台装置10に取り付けられた操作スイッチ189を操作して、架台装置10を移動させて、CT検査を行う。制御装置18は、操作者Dによる操作スイッチ189の操作(移動の指示)に従って、レールRに沿って、架台装置10を、被検体Pが載置された寝台装置30の天板33の方向に水平移動させる。
図3に示した場面において、架台装置10が水平移動するときに筐体に接触する接触物となる可能性がある物体は、操作者D、あるいは被検体Pである。検査室や治療室においてCT検査を行う場合、例えば、検査対象の被検体Pを介護する介護者Hも存在する場合もあり得る。この場合、介護者Hも、接触物となる可能性がある。仮に、架台装置10の筐体が移動する範囲(例えば、レールR上)に荷物などの他の物体が存在する場合には、この物体も接触物となる可能性がある。
上述したように、制御装置18(処理回路180)は、接触検知機能181が、接触センサ101により出力された圧力データに基づいて接触物を検知し、物体認識機能182が、物体情報取得装置102により出力された画像データに基づいて接触物の要素や状態を認識する。このため、接触検知機能181が接触物を検知する範囲(検知範囲)は、接触センサ101の全体の範囲(図3では、架台装置10の筐体の前面の下部)である。図3に示した場面では、物体情報取得装置102のそれぞれが光学カメラであるため、物体認識機能182が接触物を認識する範囲(認識範囲)は、それぞれの光学カメラの撮像範囲を合わせた範囲である。
図4には、架台装置10の前面に接触物がない場合において、物体情報取得装置102-1の撮像範囲R-1と、物体情報取得装置102-2の撮像範囲R-2と、物体情報取得装置102-3の撮像範囲R-3との一例を示している。撮像範囲R-1~R-3を合わせることにより、架台装置10に接触する可能性がある範囲に存在する物体を認識することができる。物体認識機能182は、少なくとも二つの物体情報取得装置102の画像データに基づいて、二つの撮像範囲R内に存在する同じ物体(接触物であってもなくてもよい)の位置を認識することもできる。
図5には、X線CT装置1によるCT検査中におけるそれぞれの物体情報取得装置102の撮像範囲Rの一例を示している。CT検査中には、上述したように寝台装置30の天板33が架台装置10の回転フレーム17の内部に導入される。このため、天板33によって、物体情報取得装置102-1~102-3のいずれの撮像範囲Rにも含まれない死角BRが存在してしまう。しかし、この死角BRは、回転フレーム17の内部に導入された天板33によるものであるため、接触物が存在する可能性は非常に低い。そして、X線CT装置1では、架台装置10が水平移動している現在の位置に基づいて、天板33によるものであることを容易に認識することができる。一方、図5に示したいずれかの撮像範囲R内に存在する操作者Dは、物体情報取得装置102によって認識される。
続いて、制御装置18(処理回路180)による架台装置10の筐体の移動制御の処理の一例について説明する。図6は、実施形態に係るX線CT装置1において制御装置18(処理回路180)が架台装置10を移動させる処理の一連の流れの一例を示すフローチャートである。以下の説明においては、図3に示した場面において架台装置10の筐体を水平移動させている場合における移動制御の処理について説明する。図3に示した場面では、物体情報取得装置102が光学カメラである場合を示したが、以下の説明においては、物体情報取得装置102は、光学カメラに加えて、赤外線カメラやミリ波レーダなどを含み、物体認識機能182は、物体情報取得装置102により出力された画像データに基づいて、接触物に関する様々な要素や状態を認識した認識情報を出力するものとする。
X線CT装置1の操作者Dが操作スイッチ189を操作して架台装置10を移動させているとき、接触検知機能181は、接触センサ101により出力された圧力データの変化に基づいて架台装置10の筐体への何らかの物体の接触を検知すると、このことを表す通知情報を、物体認識機能182と移動判断機能183とに出力する(ステップS100)。引き続き、接触検知機能181は、接触センサ101により出力された圧力データに基づいた接触圧情報を移動判断機能183に出力する。そして、物体認識機能182は、接触検知機能181により出力された通知情報に応じて、物体情報取得装置102により出力された画像データに基づいて接触物を認識し、認識した接触物に関する認識情報を、移動判断機能183に出力する。
移動判断機能183は、接触検知機能181により通知情報が出力されると、物体認識機能182により出力された接触物の認識情報に基づいて、架台装置10の現在の移動状態を変更するか否かの判断を開始する。まず、移動判断機能183は、認識情報が表す接触物は、人であるか否かを確認する(ステップS102)。ステップS102における接触物が人であるか否かの確認は、例えば、認識情報に含まれる接触物の熱に関する情報に基づいて、人であるか、人以外の物体であるかを確認することができる。
ステップS102において、認識情報が表す接触物が人であることを確認した場合、移動判断機能183は、認識情報が表す人が操作者Dであるか否かを確認する(ステップS104)。ステップS104における人が操作者Dであるか否かの確認は、例えば、認識情報(画像データ)に撮像された人の形状(つまり、体位や姿勢)や、認識情報に含まれる接触物の操作スイッチ189との位置関係に基づいて、操作者Dであるか、操作者D以外の人(例えば、被検体P)であるかを確認することができる。例えば、操作者Dが着用している衣服の色が被検体Pとは異なる場合には、認識情報(画像データ)に撮像された人の衣服の色によっても、ステップS104における人が操作者Dであるか否かの確認をすることができる。
ステップS104において、認識情報が表す人が操作者Dであることを確認した場合、移動判断機能183は、認識情報が表す接触部位が退避容易な部位であるか否かを確認する(ステップS106)。退避容易な接触部位とは、例えば、操作者Dの足や腕など、容易に即座に退避させることができる身体の部位である。これに対して、例えば、操作者Dの胴体など、即座に退避させることができない身体の部位は、退避が容易ではない接触部位である。さらに、例えば、接触物が被検体Pや介護者Hの身体は、いずれの部位であっても、容易に即座に退避させることができない部位とする。ステップS106における接触部位が退避容易な部位であるか否かの確認は、例えば、認識情報(画像データ)に撮像された操作者Dを人体分布図に照らし合わせることによって確認することができる。
ステップS106において、認識情報が表す操作者Dの接触部位が退避容易な部位であることを確認した場合、移動判断機能183は、架台装置10の現在の移動状態を継続させると判断する(ステップS108)。これは、接触物が操作者Dの足や腕などである場合には、容易に退避されることが期待できるからである。この場合、移動判断機能183は、操作者Dに対して即座に足や腕などを退避させることを促すために、例えば、不図示のブザーやスピーカーなどに、警告音などを発音させてもよい。警告音に加えて、または代えて、例えば、不図示の表示装置などに、警告画像などを表示させてもよい。不図示のブザーやスピーカーや、不図示の表示装置などは、特許請求の範囲における「通知装置」の一例である。
一方、ステップS102において、認識情報が表す接触物が人ではない、つまり、接触物が物であることを確認した場合、移動判断機能183は、認識情報が表す接触物が稼働物であるか否かを確認する(ステップS110)。ステップS110における接触物が稼働物であるか否かの確認は、例えば、認識情報(画像データ)に撮像された接触物の形状や、検査室の床面との接触状態に基づいて物体認識を行って、稼働物であるか、稼働物ではない、つまり固定物であるかを確認することができる。
ステップS110において、認識情報が表す接触物が稼働物であることを確認した場合、移動判断機能183は、稼働物が軽量物であるか否かを確認する(ステップS112)。ステップS110における稼働物が軽量物であるか否かの確認は、例えば、認識情報(画像データ)に撮像された接触物の形状(特に、全体の大きさ)や、検査室の床面との接触状態(特に、接触面積の大きさ)に基づいて物体認識を行って、軽量物であるか、軽量物ではない、つまり重量物であるかを確認することができる。
ステップS112において稼働物が軽量物であることを確認した場合、ステップS104において認識情報が表す人が操作者Dではないことを確認した場合、またはステップS106において認識情報が表す操作者Dの接触部位が退避容易な部位ではないことを確認した場合、移動判断機能183は、架台装置10の現在の移動速度を低下(減速)させると判断する(ステップS114)。これは、このような接触物は、架台装置10の水平移動に対してすぐに支障をきたすとは考えられず、退避可能なものではあるものの、操作者Dの胴体や稼働物(軽量物)を退避させるには時間を要すると考えられるためである。この場合、移動判断機能183は、操作者Dに対して接触物(操作者Dの胴体も含む)の退避を促すために、例えば、不図示のブザーやスピーカーなどによる警告音の発音や、不図示の表示装置などによる警告画像の表示などをさせてもよい。この警告音や警告画像は、操作者Dに対して足や腕などの退避を促す警告音や警告画像と同じあっても異なってもよい。
その後、移動判断機能183は、接触検知機能181により出力された接触圧情報に基づいて、接触物による接触圧を確認する(ステップS116)。ステップS116における接触圧の確認は、例えば、警告音や警告画像などに促されて接触物を退避させるために想定される時間が経過した後など、所定の時間が経過した後に行ってもよい。
そして、移動判断機能183は、ステップS116において確認した接触圧が、増加しているか否かを判定する(ステップS118)。
ステップS118において、接触圧が増加していないと判定した場合、移動判断機能183は、ステップS116において確認した接触圧が、減少しているか否かを判定する(ステップS120)。
ステップS120において、接触圧が減少していると判定した場合、移動判断機能183は、架台装置10における現在の移動動作を継続することを確定する(ステップS122)。つまり、移動判断機能183は、ステップS108やステップS114における判断結果を破棄(キャンセル)して、移動動作を変更しないことを確定する。これは、接触圧が減少しているということは、接触物が退避されたと判断することができるためである。このとき、移動判断機能183は、例えば、物体情報取得装置102により出力された画像データを再確認してから、ステップS112における確定を行ってもよい。移動判断機能183は、ステップS122において確定した判断結果を表す変更情報を、移動制御機能184に出力する。
一方、ステップS120において、接触圧が減少していないと判定した場合、移動判断機能183は、架台装置10における現在の移動動作を判断した移動状態に変更することを確定する(ステップS124)。つまり、移動判断機能183は、架台装置10における現在の移動動作を、ステップS108において判断した移動状態の継続、あるいはステップS114において判断した移動速度を低下(減速)させた状態にすることを確定する。これは、接触圧が増加も減少もしていない、つまり、変化していないということは、接触物が退避されておらず、架台装置10の水平移動に対していずれ支障をきたす可能性があると判断することができるためである。移動判断機能183は、ステップS124において確定した判断結果を表す変更情報を、移動制御機能184に出力する。
ステップS118において接触圧が増加していると判定した場合、ステップS110において認識情報が表す接触物が稼働物ではない(つまり固定物である)ことを確認した場合、ステップS112において稼働物が軽量物ではない(つまり重量物である)あることを確認した場合、移動判断機能183は、架台装置10における現在の移動動作を(即刻)停止させることを確定する(ステップS126)。これは、接触圧が増加しているということは、接触物が退避されておらず、その後にも接触圧が増加して、架台装置10の水平移動に支障をきたす、あるいは架台装置10の移動により操作者D(被検体Pや介護者Hも含む)がケガをしてしまったり、接触物が破損してしまったりする可能性が高いと判断することができるためである。移動判断機能183は、ステップS126において確定した判断結果を表す変更情報を、移動制御機能184に出力する。
次に、移動制御機能184は、移動判断機能183により出力された変更情報に基づいた駆動信号をモータ188に出力し、架台装置10の水平移動を、ステップS122、ステップS124、あるいはステップS126において移動判断機能183が確定した移動動作に変更する(ステップS128)。
制御装置18(処理回路180)は、このような処理を、架台装置10の移動が完了するまで、つまり、架台装置10がCT検査を行う被検体Pの所定の位置に移動されるまで繰り返す。その後、制御装置18(処理回路180)は、架台装置10の移動を完了すると、今回の架台装置10の筐体の移動制御における本フローチャートの処理を終了する。
このような処理によって、制御装置18(処理回路180)は、接触センサ101により出力された圧力データに基づいて接触物を検知し、物体情報取得装置102により出力された画像データに基づいて接触物の要素や状態を認識する。そして、制御装置18(処理回路180)は、認識した接触物の要素や状態に基づいて、現在の架台装置10の移動状態を変更させる。これにより、架台移動型のX線CT装置1では、架台装置10の水平移動に支障をきたす可能性がある物体の退避を容易にし、架台装置10の移動によって発生する可能性があるケガなどの事象を回避することができる。
図6に示した移動制御の処理の一例では、以下のような判断条件に従って接触物を判定して架台装置10の移動状態の変更を判断し、その後の接触物の状態の確認として、接触物による接触圧の変化を確認してから、架台装置10の移動状態の変更を確定させた。
(条件1):接触物が人であるか否か。
(条件2):接触物が人である場合、人が操作者Dであるか否か。
(条件3):接触物が操作者Dである場合、操作者Dの接触部位が退避容易な部位であるか否か。
(条件4):接触物が人ではない(物である)場合、接触物が稼働物であるか否か。
(条件5):接触物が稼働物である場合、稼働物が軽量物であるか否か。
しかし、接触物を判定する判断条件は、上述したような条件に限定されない。例えば、以下のような判断条件を上記の条件に加えて、または上記の条件のいずれかに代えてもよい。
(条件6):操作者Dの接触部位が退避容易な部位である場合、その位置は架台装置10の前面の中央付近か否か。これは、例え操作者Dの接触部位が退避容易な部位であっても、その位置が架台装置10の中央付近である場合には、退避の容易度が低下し、即座に退避することが困難であることも考えられるからである。この場合、移動判断機能183は、架台装置10の現在の移動速度を低下(減速)させると判断する。
(条件7):接触物が稼働物であり軽量物である場合、接触物は壊れやすいものであるか否か。これは、接触物が軽量な稼働物である場合には、接触物を押しながら架台装置10は移動を継続することができるが、これにより接触物が破損してしまうことが考えられるからである。この場合、移動判断機能183は、架台装置10の現在の移動動作を(即刻)停止させると判断する。
さらに、移動状態の変更を判断した後の接触物の状態の確認は、上述した接触物による接触圧の変化に限定されない。例えば、接触物が接触した状態で架台装置10が水平移動した移動量を上記の確認に加えて、または代えてもよい。この場合、接触物が接触していない状態で制御された架台装置10の移動量と、接触物が接触した状態で架台装置10が移動した移動量との差を計算することにより、引き続き、接触物が接触した状態で架台装置10を移動させても支障をきたさないか否かを判断することができる。
図6に示した移動制御の処理の一例では、接触検知機能181が何らかの物体の接触を検知した後に、物体認識機能182が接触物を認識し、移動判断機能183が架台装置10の移動状態を変更するか否かを判断(確定)させた。しかし、架台装置10の移動制御の処理は、上述した処理に限定されない、例えば、移動判断機能183は、接触検知機能181が何らかの物体の接触を検知したときに、架台装置10の現在の移動速度を一旦低下(減速)させ、その後の接触物の認識および判断結果に応じて、低速での移動状態を継続させたり、架台装置10の移動動作を停止させたり、架台装置10の移動速度を元に戻したりするようにしてもよい。
移動判断機能183が接触物に応じた判断をできない場合、移動制御機能184は、架台装置10における現在の移動動作を(即刻)停止させるようにしてもよい。
このように、制御装置18(処理回路180)における移動制御の方法は、図6に示した移動制御の一例に限定されることなく、種々の制御方法が考えられる。
ところで、図6に示した移動制御の一例では、物体認識機能182が、接触検知機能181により出力された通知情報に応じて接触物の認識を開始した。しかし、物体認識機能182における接触物の認識は、架台装置10の筐体に物体が接触しているかにかかわらず、例えば、架台装置10の移動が操作者Dにより指示されたときから開始してもよい。つまり、物体認識機能182は、架台装置10が移動しているときに、架台装置10の筐体に接触する可能性がある物体(接触物となる可能性ある物体)を事前に認識するようにしてもよい。この場合、移動判断機能183は、例えば、接触検知機能181が架台装置10の筐体への物体の接触を検知する際の感度を、認識した接触物となる可能性ある物体に応じた感度にすることができる。言い換えれば、移動判断機能183は、架台装置10の筐体に接触する可能性がある物体ごとに、接触検知機能181が実際の接触を検知して物体認識機能182と移動判断機能183とに通知情報を出力するタイミングを異ならせることができる。このとき、移動判断機能183は、接触検知機能181が架台装置10の筐体に何らかの物体が実際に接触したと検知する接触センサ101からの圧力データの大きさ(圧力値)を、退避が容易な物体であるか否かによって切り分ける。より具体的には、移動判断機能183は、接触検知機能181において物体が接触したことを検知するための検知閾値(圧力データの大きさ)を、物体認識機能182が認識した接触物となる可能性ある物体ごとに設定する。検知閾値は、特許請求の範囲における「閾値」の一例である。
ここで、この場合の制御装置18(処理回路180)における架台装置10の筐体の移動制御について説明する。図7は、実施形態に係るX線CT装置1において制御装置18(処理回路180)が架台装置10を移動させる処理の一連の流れの別の一例を示すフローチャートである。以下の説明においても、図3に示した場面において架台装置10の筐体を水平移動させている場合における移動制御の処理について説明する。以下の説明においても、物体情報取得装置102は、光学カメラに加えて、赤外線カメラやミリ波レーダなどを含み、物体認識機能182は、物体情報取得装置102により出力された画像データに基づいて、接触物に関する様々な要素や状態を認識するものとする。図7に示した移動制御の一例には、図6に示した移動制御の一例に含まれる処理(より具体的には、ステップS102~ステップS106の処理、ステップS110の処理、およびステップS112)と同様の処理が含まれる。従って、同様の処理における再度の詳細な説明は省略する。
X線CT装置1の操作者Dが操作スイッチ189を操作して架台装置10を移動させているとき、物体認識機能182は、物体情報取得装置102により出力された画像データに基づいて、接触する可能性のある物体を認識し、認識した物体(以下、「認識物」という)に関する認識情報を、移動判断機能183に出力する(ステップS200)。
移動判断機能183は、物体認識機能182により出力された認識物の認識情報に基づいて、接触検知機能181が認識物の架台装置10の筐体への接触を検知する際の検知閾値の設定処理を開始する。まず、移動判断機能183は、認識情報が表す認識物は、人であるか否かを確認する(ステップS202、ステップS102参照)。
ステップS202において、認識情報が表す認識物が人であることを確認した場合、移動判断機能183は、認識情報が表す人が操作者Dであるか否かを確認する(ステップS204、ステップS104参照)。
ステップS204において、認識情報が表す人が操作者Dであることを確認した場合、移動判断機能183は、認識情報が表す接触する可能性がある部位(以下、「接触可能性部位」という)が退避容易な部位であるか否かを確認する(ステップS206、ステップS106参照)。接触可能性部位とは、図6に示した移動制御の一例と同様の操作者Dの身体の部位である。
ステップS206において、認識情報が表す操作者Dの接触可能性部位が退避容易な部位であることを確認した場合、移動判断機能183は、接触検知機能181が僅かな接触を検知した場合でも、架台装置10の現在の移動状態を継続させることが可能であると判断する。そして、移動判断機能183は、接触検知機能181における検知閾値を最も高い第1値に設定する(ステップS208)。第1値は、接触センサ101が認識物により受けた圧力の大きさ(圧力値)がある程度の大きさとなるまで、架台装置10の筐体に接触した認識物を接触物として検知しないようにするための大きな圧力値(高い閾値)である。そして、移動判断機能183は、処理をステップS218の処理に進める。
一方、ステップS202において、認識情報が表す認識物が人ではない、つまり、認識物が物であることを確認した場合、移動判断機能183は、認識情報が表す認識物が稼働物であるか否かを確認する(ステップS210、ステップS110参照)。
ステップS210において、認識情報が表す認識物が稼働物であることを確認した場合、移動判断機能183は、稼働物が軽量物であるか否かを確認する(ステップS212、ステップS112参照)。
ステップS212において稼働物が軽量物であることを確認した場合、ステップS204において認識情報が表す人が操作者Dではないことを確認した場合、またはステップS206において認識情報が表す操作者Dの接触可能性部位が退避容易な部位ではないことを確認した場合、移動判断機能183は、接触検知機能181がある程度の接触を検知した場合でも、架台装置10の現在の移動状態を継続させることが可能であると判断する。そして、移動判断機能183は、接触検知機能181における検知閾値を第1値よりも低い第2値に設定する(ステップS214)。第2値は、接触センサ101が認識物により受けた圧力の大きさ(圧力値)が、操作者Dの足や腕などの退避容易な部位ではないものの、ある程度の大きさとなるまで架台装置10の筐体に接触した認識物を接触物として検知しないようにするための中程度の大きさの圧力値(中程度の閾値)である。そして、移動判断機能183は、処理をステップS218の処理に進める。
ステップS210において認識情報が表す認識物が稼働物ではない(つまり固定物である)ことを確認した場合、ステップS212において稼働物が軽量物ではない(つまり重量物である)あることを確認した場合、移動判断機能183は、接触検知機能181が僅かでも接触を検知したには、架台装置10の現在の移動状態を継続させることが不可能であると判断する。そして、移動判断機能183は、接触検知機能181における検知閾値を第2値よりも低い(最も低い)第3値に設定する(ステップS216)。第3値は、接触センサ101が認識物により受けた圧力の大きさ(圧力値)が僅かでもあれば、架台装置10の筐体に接触した認識物を接触物として検知するようにするための最も小さな圧力値(低い閾値)である。そして、移動判断機能183は、処理をステップS218の処理に進める。
接触検知機能181は、接触センサ101により出力された圧力データの変化に基づいて架台装置10の筐体への認識物の実際の接触を検知すると、このことを表す通知情報を移動判断機能183に出力する。この認識物の実際の接触の検知は、例えば、接触センサ101により出力された圧力データの大きさが、移動判断機能183により設定された検知閾値よりも大きいか否かを判定することによって行うことができる。
その後、接触検知機能181は、接触検知機能181に検知閾値を設定した後、所定時間が経過したか否かを確認する(ステップS218)。ここで、所定時間とは、物体認識機能182により出力された認識物の認識情報に基づいて検知閾値を設定した認識物が架台装置10の筐体に実際に接触することが想定される時間である。ステップS218において所定時間が経過したことを確認した場合、移動判断機能183は、今回の認識物に対応して架台装置10の筐体の移動制御における本フローチャートの処理を終了する。つまり、移動判断機能183は、検知閾値を設定した認識物が実際には架台装置10の筐体には接触しなかった(架台装置10の筐体への接触が回避された)と判断し、本フローチャートの処理を終了する。その後、移動判断機能183は、同様に、物体認識機能182により出力された認識物の認識情報に基づいて、次に接触する可能性のある認識物に対する検知閾値の設定を行う。
一方、接触検知機能181は、ステップS218において所定時間が経過していない場合、接触検知機能181が認識物の実際の接触を検知したか否かを確認する(ステップS220)。ステップS220における認識物の実際の接触を検知したか否かを確認は、接触検知機能181により通知情報が出力されたか否かによって確認することができる。ステップS220において認識物の実際の接触を検知していない場合、移動判断機能183は、処理をステップS218に戻して、所定時間が経過するまで、認識物の実際の接触を検知したか否かの確認を繰り返す。
一方、ステップS220において認識物の実際の接触を検知した場合、移動判断機能183は、架台装置10における現在の移動動作を、設定した検知閾値に対応する移動動作に変更することを確定する(ステップS222)。検知閾値に対応する移動動作とは、認識物に応じた、例えば、架台装置10の現在の移動状態の継続、移動速度の低下(減速)、あるいは移動動作の(即刻)停止である。より具体的には、移動判断機能183は、認識物に対する検知閾値として第1値を設定した場合、認識物は操作者Dの足や腕などの容易に即座に退避可能なものの接触であるため、架台装置10における現在の移動動作を継続することを確定する。移動判断機能183は、認識物に対する検知閾値として第2値を設定した場合、認識物は被検体Pや介護者Hの身体、あるいは操作者Dの足や腕などの架台装置10の前面の中央付近への接触であるため、架台装置10における現在の移動速度を低下(減速)させることを確定する。移動判断機能183は、認識物に対する検知閾値として第3値を設定した場合、認識物は稼働物ではない(つまり固定物である)、軽量物ではない(つまり重量物である)あるため、架台装置10における現在の移動動作を(即刻)停止させることを確定する。移動判断機能183は、操作者Dに対して認識物の退避を促すために、例えば、不図示のブザーやスピーカーなどによる警告音の発音や、不図示の表示装置などによる警告画像の表示などをさせてもよい。移動判断機能183は、ステップS222において確定した移動動作の変更を表す変更情報を、移動制御機能184に出力する。
次に、移動制御機能184は、移動判断機能183により出力された変更情報に基づいた駆動信号をモータ188に出力し、架台装置10の水平移動を、ステップS222において移動判断機能183が確定した移動動作に変更する(ステップS224)。
制御装置18(処理回路180)は、このような処理を、架台装置10の移動が完了するまで、つまり、架台装置10がCT検査を行う被検体Pの所定の位置に移動されるまで繰り返す。その後、制御装置18(処理回路180)は、架台装置10の移動を完了すると、今回の架台装置10の筐体の移動制御における本フローチャートの処理を終了する。
このような処理によって、制御装置18(処理回路180)は、物体情報取得装置102により出力された画像データに基づいて架台装置10の筐体に接触する可能性がある認識物を事前に認識して、この認識物が実際に接触したことを検知(判定)する検知閾値を設定する。そして、制御装置18(処理回路180)は、認識した認識物の架台装置10の筐体への実際の接触を検出したときに、架台装置10の筐体の移動動作を制御する。言い換えれば、制御装置18(処理回路180)では、認識物の実際の接触が検知された時点で、認識した認識物に対して適切な移動動作に、現在の架台装置10の移動状態を変更させる。これにより、架台移動型のX線CT装置1では、架台装置10の水平移動に支障をきたす可能性がある物体の退避を容易にし、架台装置10の移動によって発生する可能性があるケガなどの事象を回避することができる。
図7に示した移動制御の処理の一例でも、図6に示した移動制御の処理の一例と同様の判断条件に従って認識物を判定して接触検知機能181における検知閾値を設定したが、認識物を判定する判断条件も、図6に示した移動制御の処理の一例と同様に、他の判断条件が加えられてもよいし、代えられてもよい。さらに、移動判断機能183が認識物に応じた判断をできない場合、移動判断機能183は、架台装置10における現在の移動動作を(即刻)停止させるように、検知閾値を第3値に設定してもよい。
図7に示した移動制御の処理の一例では、物体認識機能182により出力された認識情報に基づいて認識物を事前に認識した。しかし、認識物の事前の認識方法は、物体認識機能182により出力された認識情報に基づく方法に限定されない。例えば、接触センサ101により出力された圧力データの僅かな変化に基づいて、接触検知機能181がさらに接触圧が増加する可能性のある物体を一時的に検出し、このことを表す通知情報が出力されたときに、移動判断機能183が、物体認識機能182により出力された認識情報に基づいて、接触検知機能181が検知閾値を設定してもよい。つまり、接触検知機能181は、接触センサ101により出力された圧力データに基づいて、物体の接触を二段階で検出するようにしてもよい。
このように、制御装置18(処理回路180)における移動制御の方法は、図6や図7に示した移動制御の一例に限定されることなく、種々の制御方法が考えられる。しかし、それぞれの制御方法は、上述した制御方法に基づいて容易に考えることができるため、それぞれの制御方法に関する詳細な説明は省略する。
上記に述べたとおり、実施形態のX線CT装置1では、接触検知機能181が、接触センサ101により出力された圧力データに基づいて、架台装置10の筐体への物体の接触を検知する。さらに、実施形態のX線CT装置1では、物体認識機能182が、物体情報取得装置102により出力された画像データに基づいて、架台装置10の筐体に接触している接触物(接触する可能性がある認識物も含む)の位置やどのようなものであるかを認識する。そして、実施形態のX線CT装置1では、移動判断機能183が、物体認識機能182により出力された接触物(あるいは認識物)の認識情報に基づいて、架台装置10の現在の移動状態を変更するか否かを判断し、架台装置10の移動動作に対する判断結果を確定させる。そして、実施形態のX線CT装置1では、移動制御機能184が、移動判断機能183により出力された変更情報に基づいた駆動信号をモータ188に出力して、実際に架台装置10の移動動作を変更させる。これにより、実施形態のX線CT装置1では、架台装置10の筐体に接触した接触物(あるいは認識物)が、架台装置10の水平移動に支障をきたす可能性がある物体であるか、架台装置10の移動により操作者がケガしたり接触物(あるいは認識物)が壊れてしまったりする可能性があるかなど、架台装置10の移動と接触物(あるいは認識物)との関係に基づいた、架台装置10の移動制御を行うことができる。つまり、実施形態のX線CT装置1では、架台装置10の移動に関する改善を図ることができる。
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
放射線を照射する放射線照射部を有する架台装置と、前記架台装置の筐体への物体の接触を検知する接触センサと、前記筐体の周辺に存在する物体の情報を取得する物体情報取得装置と、を備えるX線CT装置において、
プログラムを格納するメモリと、
プロセッサと、を備え、
前記架台装置の移動を制御する制御装置の前記プロセッサは、前記プログラムを実行することにより、
前記接触センサが前記筐体への物体の接触を検知した場合、
前記物体情報取得装置から取得した前記筐体の周辺に存在する物体の情報に基づいて、前記筐体に接触した物体を判断し、
前記筐体に接触した物体の判断結果に基づいて、前記筐体の移動を制御する、
X線CT装置。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、放射線を照射する放射線照射部(11)を有する架台装置(10)と、架台装置の筐体への物体の接触を検知する接触センサ(101)と、筐体の周辺に存在する物体の情報を取得する物体情報取得装置(102)と、架台装置の移動を制御する制御装置(18)と、を持ち、制御装置は、接触センサが筐体への物体の接触を検知した場合、物体情報取得装置から取得した筐体の周辺に存在する物体の情報に基づいて判断した筐体に接触した物体の判断結果に応じて、筐体の移動を制御することにより、被検体(P)の医用画像を取得するX線CT装置(1)において、架台装置の移動に関する改善を図ることができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1・・・X線CT装置、10・・・架台装置、101・・・接触センサ、102,102-1,102-2,102-3・・・物体情報取得装置、11・・・X線管、12・・・ウェッジ、13・・・コリメータ、14・・・X線高電圧装置、15・・・X線検出器、16・・・データ収集システム(DAS)、17・・・回転フレーム、18・・・制御装置、180・・・処理回路、181・・・接触検知機能、182・・・物体認識機能、183・・・移動判断機能、184・・・移動制御機能、188・・・モータ、189・・・操作スイッチ、30・・・寝台装置、31・・・基台、32・・・寝台駆動装置、33・・・天板、34・・・支持フレーム、40・・・コンソール装置、41・・・メモリ、42・・・ディスプレイ、43・・・入力インターフェース、50・・・処理回路、51・・・システム制御機能、52・・・前処理機能、53・・・再構成処理機能、54・・・画像処理機能

Claims (12)

  1. 放射線を照射する放射線照射部を有する架台装置と、
    前記架台装置の筐体への物体の接触を検知する接触センサと、
    前記筐体の周辺に存在する物体の情報を取得する物体情報取得装置と、
    前記架台装置の移動を制御する制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記接触センサが前記筐体への物体の接触を検知した場合、前記物体情報取得装置から取得した前記筐体の周辺に存在する物体の情報に基づいて判断した前記筐体に接触した物体の判断結果に応じて、前記筐体の移動を制御する、
    X線CT装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記接触センサにより出力された検知信号に基づいて、物体の前記筐体への接触を検知する接触検知部と、
    前記物体情報取得装置により出力された前記物体の情報に基づいて、前記筐体に接触した物体を認識する物体認識部と、
    前記物体認識部が認識した前記物体の情報に基づいて、前記筐体の移動を判断する移動判断部と、
    前記移動判断部の判断結果に基づいて、前記筐体を移動させる移動装置を制御する移動制御部と、
    を備える請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記移動判断部は、
    前記接触検知部が前記筐体への物体の接触を検知した場合に、前記物体の情報に基づいて、前記筐体に接触した物体である接触物に対応する前記筐体の移動を判断し、前記接触検知部により前記接触物による接触圧が増加していることが検知された場合に、判断した結果に応じた前記筐体の移動を、前記移動装置に実行させる、
    請求項2に記載のX線CT装置。
  4. 前記移動判断部は、
    前記物体の情報に基づいて、前記筐体に接触する可能性のある物体である認識物の前記筐体への接触を検知するための閾値を設定し、前記接触検知部が前記閾値に基づいて前記筐体への前記認識物の接触を検知した場合に、設定した前記閾値に応じた前記筐体の移動を、前記移動装置に実行させる、
    請求項2に記載のX線CT装置。
  5. 前記移動判断部は、
    前記物体の情報に基づいて、前記物体が人であるか否かを判定し、
    前記物体が人である場合には、前記筐体の移動を継続させる、あるいは前記筐体の移動速度を低下させるように、前記筐体の移動を制御し、
    前記物体が人ではない場合には、前記筐体の移動速度を低下させる、あるいは前記筐体の移動を停止させるように、前記筐体の移動を制御する、
    請求項2から請求項4のうちいずれか1項に記載のX線CT装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記筐体への物体の接触を検知した場合、前記筐体への物体の接触を、通知装置に通知させる、
    請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載のX線CT装置。
  7. 前記接触センサは、前記筐体の前面の下部に配置され、
    前記物体情報取得装置は、前記筐体の前面の上部に配置される、
    請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載のX線CT装置。
  8. 前記物体情報取得装置は、複数配置される、
    請求項7に記載のX線CT装置。
  9. 前記物体情報取得装置は、配置された位置から前記筐体の下部に向かって垂直方向の所定の範囲内に存在する物体の情報を取得する、
    請求項8に記載のX線CT装置。
  10. 前記物体情報取得装置は、少なくとも、光学的な画像を撮像する撮像装置、物体の熱を検知した画像を撮像する赤外線撮像装置、物体の位置を検知する検知装置のいずれかを含む、
    請求項1から請求項9のうちいずれか1項に記載のX線CT装置。
  11. 放射線を照射する放射線照射部を有する架台装置と、前記架台装置の筐体への物体の接触を検知する接触センサと、前記筐体の周辺に存在する物体の情報を取得する物体情報取得装置と、を備えるX線CT装置において、前記架台装置の移動を制御する制御装置のコンピュータが、
    前記接触センサが前記筐体への物体の接触を検知した場合、前記物体情報取得装置から取得した前記筐体の周辺に存在する物体の情報に基づいて判断した前記筐体に接触した物体の判断結果に応じて、前記筐体の移動を制御する、
    X線CT装置の制御方法。
  12. 放射線を照射する放射線照射部を有する架台装置と、前記架台装置の筐体への物体の接触を検知する接触センサと、前記筐体の周辺に存在する物体の情報を取得する物体情報取得装置と、を備えるX線CT装置において、前記架台装置の移動を制御する制御装置のコンピュータに、
    前記接触センサが前記筐体への物体の接触を検知した場合、前記物体情報取得装置から取得した前記筐体の周辺に存在する物体の情報に基づいて判断させた前記筐体に接触した物体の判断結果に応じて、前記筐体の移動を制御させる、
    プログラム。
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