JP2022113998A - 手術器具 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、例えば人や動物を手術する際に使用される手術器具に関する。
この種の手術器具として、圧排子を先端に有する本体および本体を収容しスライド自在な筒部材を有する挿入部と、挿入部を操作する操作部とを備え、挿入部の本体が湾曲形状を保持する湾曲部材と、湾曲部材の内部に湾曲して収容されたコイル部材とにより構成されたものが開示されている(特許文献1)。この手術器具は、筒部材を挿入部の方向にスライドさせ、本体の湾曲部材およびコイル部材を直線状に変形させて筒部材の内部に収容し、挿入部と反対の方向にスライドさせ挿入部を筒部材から突出させる構成を有している。また、探触子3を備えた手術器具1が使われている。この手術器具1は、図7に示すように、シャフト2と、探触子3と、ハンドル4とにより構成されている。手術器具1は、ハンドル4を回転させて、シャフト2の内部に収容された探触子3をシャフト2の先端部分から突出させるように構成されている。湾曲した探触子3をシャフト2に収容する際は、ハンドル4を回転させて、湾曲した探触子3を直線状に変形させている。
しかしながら、特許文献1に記載のものは、本体を筒部材に収容する際に、湾曲した湾曲部材およびコイル部材を直線状に変形させているので、湾曲した湾曲部材およびコイル部材を筒部材から突出させる際に弾性変形による反力が作用し湾曲部材と筒部材との間に生ずる摺動抵抗が比較的に大きくなっている。そのため、医療従事者が先端を突出させる操作をした際に、先端がどれくらいの力で臓器に触れているのかという感触を得にくいという問題がある。また、図7に記載の手術器具1においても、探触子3をシャフト2の内部に収容する際に、湾曲した探触子3を強制的に直線状に変形させているので、探触子3をシャフト2から突出させる際に弾性変形による反力が作用し探触子3とシャフト2との間に生ずる摺動抵抗が比較的に大きくなっている。そのため、医療従事者が探触子3を突出させる操作をした際に、先端がどれくらいの力で臓器に触れているのかという感触を得にくいという問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、探触子を突出させて使用する際に、摺動抵抗が比較的に小さく、滑らかに突出させることができ、探触子を通じて臓器に触れる感覚を得ることができる手術器具を提供することを課題とする。
(1)本発明に係る手術器具は、軸線方向に貫通する貫通孔が形成されたシャフトと、前記シャフトの先端部分に設けられ所定の曲率で形成された湾曲状の外套と、前記外套内に出し入れ可能に収容され前記曲率と同じ曲率で形成された湾曲状の探触子と、前記シャフトの基端部分に設けられ前記探触子を出し入れさせる引き金と、を備えたことを特徴とする。
(2)本発明に係る手術器具は、(1)に記載の手術器具であって、前記外套が前記シャフトに回動可能に設けられ、前記シャフトの基端部分に設けられ前記外套を回動させるハンドル、を備えていることを特徴とする。
(3)本発明に係る手術器具は、(2)に記載の手術器具であって、前記シャフト内に収容され前記外套と前記ハンドルとを連結する第1リンクワイヤと、前記シャフト内に収容され前記探触子と前記引き金とを連結する第2リンクワイヤとを有することを特徴とする。
(4)本発明に係る手術器具は、(1)~(3)のいずれかに記載の手術器具であって、前記探触子の先端部分に糸を通すための貫通孔が形成されたことを特徴とする。
上記(1)に記載した本発明に係る手術器具は、シャフトと、所定の曲率で形成された湾曲状の外套と、外套内に出し入れ可能に収容され所定の曲率と同じ曲率で形成された湾曲状の探触子と、探触子を出し入れさせる引き金とを備えている。
この構成により、本発明に係る手術器具は、シャフトに設けられた外套に探触子が収容され、外套に収容された探触子は、引き金の操作により外套から突出し、突出した探触子は引き金の操作により外套内に収容される。探触子は所定の曲率で形成された外套と同じ曲率で形成されているので、探触子が外套から突出する際に、探触子と外套との間の摺動抵抗が軽減され、滑らかに突出させることができ、本発明に係る手術器具を使用する医療従事者は、手術の際に探触子を通じて臓器に触れる感覚を得ることができる。
上記(2)に記載した本発明に係る手術器具は、外套がシャフトに回動可能に設けられ、ハンドルがシャフトの基端部分に設けられ、ハンドルによって外套が回動するように構成されている。この構成により、本発明に係る手術器具は、ハンドルの操作によって、外套がシャフトに対して真っすぐな姿勢の状態と、シャフトに対して傾斜した姿勢の状態とをとり得る。
上記(3)に記載した本発明に係る手術器具は、シャフト内に収容され外套とハンドルとを連結する第1リンクワイヤと、シャフト内に収容され探触子と引き金とを連結する第2リンクワイヤとを有する。この構成により、本発明に係る手術器具は、シャフト内に収容された第1リンクワイヤを介してハンドルの操作によるハンドルの動作が外套に伝達され、シャフト内に収容された第2リンクワイヤを介して引き金の操作による引き金の動作が探触子に伝達される。本発明に係る手術器具を使用する医療従事者は、手術の際に探触子が探触子を通じて臓器に触れる感覚を、第2リンクワイヤを介して得ることができる。
上記(4)に記載した本発明に係る手術器具は、探触子の先端部分に糸を通すための貫通孔が形成されている。この構成により、医療従事者は、腹腔内に挿入された探触子により、管状や袋状の形態を有する管腔臓器や血管の裏側で、貫通孔に通された糸やテープにより結紮処置を行うことができる。
本発明によれば、探触子を突出させて使用する際に、摺動抵抗が比較的に小さく、滑らかに突出させることができ、探触子を通じて臓器に触れる感覚を得ることができる手術器具を提供することができる。
本発明に係る手術器具を適用した実施形態に係る手術器具10について図面を参照して説明する。
手術器具10は、図1、図2(a)、図2(b)、図2(c)、図2(d)および図3に示すように、シャフト11と、外套12と、探触子13と、グリップ14と、引き金15と、ハンドル16と、第1リンクワイヤ17と、第2リンクワイヤ18とにより構成されている。本実施形態の手術器具10は、人体の手術に用いられるものであるが、これに限定されるものではなく、例えば動物の手術に用いることもできる。
手術器具10は、例えば人体の腹部の数か所に小穴を開けて腹腔内を手術する腹腔鏡手術や腹部を開腹する開腹手術を含む外科手術に用いられる。手術器具10は、腹腔内に挿入され管状や袋状の形態を有する管腔臓器や血管の裏側に糸やテープを通して結紮処置を行うことや、管腔臓器や血管を引っ掛けて手前に持ち上げて位置をずらす処置を行うことに使用される。
シャフト11は、図3、図4(a)、図4(b)および図5に示すように、筒状本体21と、先端ガイド22と、中間ガイド23とを備えている。筒状本体21は、軸線方向に貫通する貫通孔21aおよび先端部分の切欠き21bが形成されている。切欠き21bは、外套12が回動する際の逃げとして機能する。
筒状本体21は、基端部分がグリップ14に挿入されグリップ14に固定されている。筒状本体21は、先端部分の内側に先端ガイド22を固定し、先端ガイド22と基端部分との間の内側に中間ガイド23を固定している。筒状本体21には、第1リンクワイヤ17および第2リンクワイヤ18が挿通されている。
先端ガイド22は、図4(b)に示すように、第1貫通孔22aおよび第2貫通孔22bが軸線方向に形成されており、それぞれ互いに離隔して位置している。第1貫通孔22aには、第1リンクワイヤ17の先端部分が挿通されている。
先端ガイド22の第1貫通孔22aは、第1リンクワイヤ17の湾曲変形を阻止し、第1リンクワイヤ17を案内して軸線方向にスムーズに移動させる。第2貫通孔22bには、第2リンクワイヤ18の先端部分が挿通されている。先端ガイド22の第2貫通孔22bは、第2リンクワイヤ18の湾曲変形を阻止し、第2リンクワイヤ18を案内して軸線方向にスムーズに移動させる。
中間ガイド23は、棒状部材からなり、シャフト11の径方向の中心部分に位置するようシャフト11に固定されている。中間ガイド23の外周面とシャフト11の一方側の内壁面との間の隙間に第1リンクワイヤ17が挿通されている。中間ガイド23は、第1リンクワイヤ17の湾曲変形を阻止し軸線方向のスムーズな移動を案内する。
中間ガイド23の外周面とシャフト11の一方側に反対する側の内壁面との間の隙間に第2リンクワイヤ18が挿通されている。中間ガイド23は、第2リンクワイヤ18の湾曲変形を阻止し、第2リンクワイヤ18を案内して軸線方向にスムーズに移動させる。
外套12は、図4(a)、図4(b)に示すように、軸線方向に所定の曲率で湾曲した湾曲部材からなり、軸線方向に貫通する貫通孔12aが形成されている。貫通孔12aには、第2リンクワイヤ18の後述する先端ワイヤ18cが往復移動可能に挿通されている。また、外套12の開口部分には、規制部12bが形成されており、規制部12bにより、探触子13が外套12から抜け出ないように規制される。また、規制部12bは、探触子13の基端部分が滑らかに摺動するように案内する機能も有している。
外套12は、基端部分の軸線に直交する方向の中心部分が、図示しないピンを介してシャフト11に対して回動可能に取り付けられており、シャフト11の筒状本体21の切欠き21bに対向する側に、第1リンクワイヤ17の先端と連結する連結部12cが設けられている。
外套12は、第1リンクワイヤ17の軸線方向の水平移動に応じて、連結部12cを介して、ピンを中心として回動する。外套12は回動することにより、シャフト11に対して真っすぐな姿勢の状態と、シャフト11に対して傾斜した姿勢の状態とをとることができる。なお、所定の曲率は、手術器具10の大きさ、構造、材質などの設定諸元や実験値などのデータに基づいて適宜選択される。外套12は、シャフト11の中心軸を間に介してグリップ14が突出している側とは反対側となる上方向に湾曲の中心が位置するように回動可能に支持され、傾斜した姿勢状態では、外套12の先端部分が上方向に突出する。
探触子13は、図4(a)、図4(b)に示すように、外套12の所定の曲率と実質的に同じ曲率で軸線方向に湾曲した扁平な湾曲部材からなり、外套12内に出し入れ可能に収容されている。探触子13は、基端部分において第2リンクワイヤの先端部分と連結されており、第2リンクワイヤ18の軸線方向の移動に従って外套12から出入りする。探触子13の先端部分には、糸やテープを通す貫通孔13aが形成されている。
グリップ14は、図1に示すように、一方側グリップ31と、他方側グリップ32と、3個の締結部材33とにより構成されている。グリップ14は、一方側グリップ31と、他方側グリップ32とに分割された2分割構造で構成されている。一方側グリップ31および他方側グリップ32は、分割面を中心として対称形に形成されており、3個の締結部材33により互いに締結され一体化されている。グリップ14は、医療従事者が手術器具10を使用する際に、片手で把持することができる把手として機能する。
一方側グリップ31は、図5に示すように、医療従事者により把持される把手部31aと、シャフト11が挿入される挿入部31bと、ハンドル16を回転自在に支持する支持部31cと、引き金15を、回動自在に支持する支持ピン部31dと、引き金15の回動を規制する回動規制部31eと、3か所の締結部31fとにより構成されている。各構成要素は、例えば、合成樹脂の成型により一体的に形成されている。
他方側グリップ32は、一方側グリップ31に対して、分割面を中心とする鏡面対称形で、一方側グリップ31と同様の構成要素を有しており、一方側グリップ31と同様に形成されている。グリップ14の一方側グリップ31および他方側グリップ32は、次のようにして、組み立てることができる。即ち、一方側グリップ31の挿入部31bにシャフト11の基端部分を装着し、支持部31cにハンドル16を装着し、支持ピン部31dに引き金15を装着した後、他方側グリップ32を一方側グリップ31に重ね合わせ、各締結部31fを締結部材33により締結することにより、組み立てることができる。
引き金15は、医療従事者の指が挿入される挿入孔15aが形成された操作部15bと、支持ピン部31dが挿入される貫通孔15cが形成された回動部15dと、第2リンクワイヤ18と連結する連結部15eと、第2リンクワイヤ18の基端部分を固定するワイヤ固定部15fとにより一体的に構成されている。
引き金15は、図5に示すように、医療従事者の指による引き金の矢印aで示す方向への操作により支持ピン部31dを中心として回動し、回動により第2リンクワイヤ18を矢印bで示す軸線方向に往復移動させる。引き金15の貫通孔15cが一方側グリップ31の挿入部31bから離隔する方向となる時計まわりの回動は、回動規制部31eにより規制され、反時計まわりの回動は、外套12の規制部12b(図4(b))により規制される。引き金15は、支持ピン部31dによってグリップ14に回動自在に支持されており、回動可能な範囲において任意の位置に停止させることができる。
ハンドル16は、図5に示すように、回転把手41と、移動ブロック42とを有しており、回転把手41が矢印cの方向に正回転または逆回転すると、回転に伴って移動ブロック42が矢印b方向に往復移動する。例えば、回転把手41側から見て、回転把手41が反時計方向に回転すると、移動ブロック42が回転把手41から離隔する方向に移動する。
回転把手41は、把手部41aと、係合部41bと、ねじ部41cとにより構成されている。把手部41aの表面部分には、持ち易くかつ滑り止めとなるように平目ローレット加工などの凹凸加工が施されている。係合部41bは、ハンドル16の矢印b方向への移動を規制するとともに、グリップ14の支持部31cと回転自在に係合しており、ねじ部41cには雄ねじが形成されている。
移動ブロック42は、本体部42aと、ねじ部42bと、固定部42cとにより構成されている。移動ブロック42は、グリップ14の支持部31cに収容されており、矢印b方向へ往復移動可能で、かつ径方向の回転が規制されている。ねじ部42bには、移動ブロック42の軸線方向の中心に、ねじ部41cの雄ねじとねじ結合する雌ねじが形成されている。また、固定部42cには、第1リンクワイヤ17の基端部分が固定されている。
第1リンクワイヤ17は、例えば、ステンレス鋼線などの剛性の高い線材で形成されている。第1リンクワイヤ17は、シャフト11内に収容され、先端部分が先端ガイド22の第1貫通孔22aに挿通され、先端ガイド22により移動が案内される。第1リンクワイヤ17の基端部分は、ハンドル16の移動ブロック42の固定部42cに固定され、先端部分は、外套12の連結部12cと連結している。したがって、第1リンクワイヤ17は、ハンドル16の動作を外套12に伝達する機能を有している。
第2リンクワイヤ18は、図4(b)および図5に示すように、本体ワイヤ18aと、フレキシブルワイヤ18bと、先端ワイヤ18cとにより構成されている。各構成要素は互いに結合され単一のワイヤを構成している。本体ワイヤ18aおよび先端ワイヤ18cは、第1リンクワイヤ17と同様、ステンレス鋼線などの剛性の高い線材で形成されている。フレキシブルワイヤ18bは、剛性を有する屈曲自在な線材によって形成されている。
第2リンクワイヤ18は、シャフト11内に収容され、本体ワイヤ18aの先端部分およびフレキシブルワイヤ18bの基端部分が先端ガイド22の第2貫通孔22bに挿通され、先端ガイド22により移動が案内される。
本体ワイヤ18aの基端部分は、図5に示すように、引き金15のワイヤ固定部15fに固定され、先端ワイヤ18cの先端部分は、探触子13の基端部分と連結している。したがって、第2リンクワイヤ18は、引き金15の動作を探触子13に伝達する機能を有している。
以下、実施形態に係る手術器具10の動作について図面を参照して説明する。
手術器具10は、使用後、図6(a)に示すように、外套12は、シャフト11の軸線方向にほぼ水平で、シャフト11の外周面から突出しない真っすぐな姿勢でシャフト11に保持されている。探触子13は、外套12内に収容されている。
手術器具10は、使用後、図6(a)に示すように、外套12は、シャフト11の軸線方向にほぼ水平で、シャフト11の外周面から突出しない真っすぐな姿勢でシャフト11に保持されている。探触子13は、外套12内に収容されている。
手術器具10は、医療従事者により、図6(a)に示す外套12が真っすぐの状態で、手術の際に体内に挿入する管、いわゆるトロッカーから腹腔内に挿入される。
そして、図6(b)に示すように、医療従事者の操作により回転把手41が矢印dで示す反時計方向に回転すると、移動ブロック42が矢印eで示す方向に移動する。移動ブロック42が移動すると、第1リンクワイヤ17により、外套12が図示しないピンを中心として矢印f方向に回動する。外套12の回動により外套12および探触子13は、シャフト11の軸線から矢印f方向に突出し、シャフト11に対して傾斜した姿勢になる。
そして、図6(c)に示すように、手術内容に応じて医療従事者により、引き金15が矢印g方向に引かれると、引き金15は、支持ピン部31dを中心として回動し、引き金15のワイヤ固定部15fにより第2リンクワイヤ18が押圧されてグリップ14から離隔する方向に移動する。
第2リンクワイヤ18の移動により、探触子13が引き金15の回動の量に応じて、外套12から比較的に小さな摺動抵抗で滑らかに矢印h方向に突出する。即ち、引き金15の回動角度が小さいと、探触子13の外套12からの突出量も小さく、引き金15の回動角度が大きいと、探触子13の外套12からの突出量も大きくなる。
医療従事者の引き金15の操作により、探触子13は、中が詰まっている臓器、いわゆる実質臓器や複雑な形状の臓器、血管や中が空洞の臓器、いわゆる管腔臓器などの裏側で、通常の手術器具では到達困難な組織隙間を通過することができる。特に、腹腔鏡下手術では、操作用のトロッカー、即ち内視鏡外科手術用トロカールスリーブで、体内と対外を繋ぐ作業チャンネルを構築するものと、手術操作を行う部位の制約を受けずに手術を行うことが可能となる。医療従事者は、探触子13を使って、内視鏡によって見える部分、いわゆる手術野における手術を展開し、探触子13の貫通孔13aに糸やテープを通して結紮処置を行うことができ、また、探触子13で臓器を引っ掛けて持ち上げることができ、手術操作を容易にすることができる。
このような手術の際に医療従事者は、探触子13と外套12との摺動抵抗が小さいので、引き金15の操作により探触子13が臓器に触れた際の臓器による反力の抵抗を感じ取ることができる。なお、医療従事者が、探触子13を外套12内に収容する方向に移動させるには、引き金15を図6(c)に示す矢印g方向と反対の方向に押すことにより、実行することができる。
手術器具10の使用後は、引き金15を図6(c)に示す矢印g方向と反対の方向に押して、探触子13を外套12内に収容し、回転把手41を図6(b)に示す矢印d方向と反対の時計回りに回転させ、移動ブロック42を矢印e方向と反対の方向に移動させる。この移動により、外套12は、矢印f方向と反対の方向に回動し、手術器具10を図6(a)に示す、使用後の外套12が真っすぐの状態にすることができる。したがって、例えば操作用のトロッカーから容易に取り出すことができる。
以下、実施形態に係る手術器具10の効果について説明する。
実施形態に係る手術器具10は、シャフト11と、所定の曲率で形成された湾曲状の外套12と、外套12内に出し入れ可能に収容され所定の曲率と実質的に同じ曲率で形成された湾曲状の探触子13と、探触子13を出し入れさせる引き金15とを備えている。
実施形態に係る手術器具10は、シャフト11と、所定の曲率で形成された湾曲状の外套12と、外套12内に出し入れ可能に収容され所定の曲率と実質的に同じ曲率で形成された湾曲状の探触子13と、探触子13を出し入れさせる引き金15とを備えている。
この構成により、手術器具10は、シャフト11に設けられた外套12に探触子13が収容され、外套12に収容された探触子13は、引き金15の操作により外套12から突出し、突出した探触子13は、引き金15の操作により外套12内に収容される。探触子13は、所定の曲率で形成された外套12と実質的に同じ曲率で形成されているので、探触子13が外套12から突出する際に、探触子13と外套12との間の摺動抵抗が軽減され、滑らかに突出させることができるという効果が得られる。探触子13は、組織圧に負けずに変形することなく外套12から出し入れすることができる。
その結果、手術器具10を使用する医療従事者が探触子13を通じて臓器に触れる感覚を得ることができるという効果が得られる。また、組織の抵抗や隙間の大きさを、操作する医療従事者の手に、感触として伝えることが可能となり、探触子13の先端の状態を確認しながら、臓器損傷をさせないように安全に探触子13を進めることができるという効果が得られる。また、外套12から探触子13を出し入れすることにより、医療従事者が手術操作をする部位の制約を受けずに、自由度の高い角度調節から深さ調節までの操作をすることができるという効果が得られる。
また、手術器具10は、外套12がシャフト11に回動可能に設けられ、ハンドル16がシャフト11の基端部分に設けられ、ハンドル16によって外套12が回動するように構成されている。この構成により、手術器具10は、ハンドル16の操作によって、外套12がシャフト11に対して真っすぐな姿勢の状態と、シャフト11に対して傾斜した姿勢の状態とをとることができる。
また、手術器具10は、シャフト11内に収容され、外套12とハンドル16とを連結する第1リンクワイヤ17と、シャフト11内に収容され、探触子13と引き金15とを連結する第2リンクワイヤ18とを備えている。
この構成により、手術器具10は、シャフト11内に収容された第1リンクワイヤ17を介してハンドル16の操作によるハンドル16の動作が外套12に伝達され、シャフト11内に収容された第2リンクワイヤ18を介して引き金15の操作による引き金15の動作が探触子13に伝達される。手術器具10を使用する医療従事者は、探触子13が探触子13を通じて臓器に触れる感覚を、第2リンクワイヤ18を介して得ることができるという効果が得られる。
また、手術器具10は、例えばハンドル16の操作によりシャフト11に対して外套12を傾斜した姿勢状態とし、更に、引き金15の回動操作により探触子13を突出させた状態とすることにより、図6(a)から図6(c)に示す状態に変形させて、先端部分をU字状にすることができる。したがって、例えば医療従事者は、腹腔内に挿入された探触子13により、管状や袋状の形態を有する管腔臓器や、実質臓器周囲の血管、胆管や消化管を引っ掛けて手前に引っ張り上げて、その位置をずらすことができるという効果が得られる。
また、手術器具10は、探触子13の先端部分に糸を通すための貫通孔13aが形成されている。この構成により、医療従事者は、腹腔内に挿入された探触子13により、管状や袋状の形態を有する管腔臓器や、実質臓器周囲の血管、胆管や消化管の後ろを剥離して、糸やテープを通す操作をすることができ、糸やテープにより結紮処置を行うことができるという効果が得られる。
また、手術器具10は、ハンドル16の操作により外套12の先端部分を、グリップ14とは反対方向である上方向に突出させ、引き金15の操作により探触子13の先端部分を外套12から更に上方向に突出させることができる。したがって、例えば腹腔内において探触子13の先端部分を内視鏡の画像で確認し易く、管腔臓器や、実質臓器周囲の血管、胆管や消化管の後ろに糸やテープを通す操作を容易に行うことができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
10・・・手術器具、11・・・シャフト、12・・・外套、12a、13a、15c、21a・・・貫通孔、12b・・・規制部、12c・・・連結部、13・・・探触子、14・・・グリップ、15・・・引き金、15a・・・挿入孔、15b・・・操作部、15d・・・回動部、15e・・・連結部、15f・・・ワイヤ固定部、16・・・ハンドル、17・・・第1リンクワイヤ、18・・・第2リンクワイヤ、18a・・・本体ワイヤ、18b・・・フレキシブルワイヤ、18c・・・先端ワイヤ、21・・・筒状本体、21b・・・切欠き、22・・・先端ガイド、22a・・・第1貫通孔、22b・・・第2貫通孔、23・・・中間ガイド、31・・・一方側グリップ、31a・・・把手部、31b・・・挿入部、31c・・・支持部、31d・・・支持ピン部、31e・・・回動規制部、31f・・・締結部、32・・・他方側グリップ、33・・・締結部材、41・・・回転把手、41a・・・把手部、41b・・・係合部、41c、42b・・・ねじ部、42・・・移動ブロック、42a・・・本体部、42c・・・固定部
Claims (4)
- 軸線方向に貫通する貫通孔が形成されたシャフトと、
前記シャフトの先端部分に設けられ所定の曲率で形成された湾曲状の外套と、
前記外套内に出し入れ可能に収容され前記曲率と同じ曲率で形成された湾曲状の探触子と、
前記シャフトの基端部分に設けられ前記探触子を出し入れさせる引き金と、
を備えたことを特徴とする手術器具。 - 前記外套が前記シャフトに回動可能に設けられ、
前記シャフトの基端部分に設けられ前記外套を回動させるハンドル、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の手術器具。 - 前記シャフト内に収容され前記外套と前記ハンドルとを連結する第1リンクワイヤと、 前記シャフト内に収容され前記探触子と前記引き金とを連結する第2リンクワイヤと、を有することを特徴とする請求項2に記載の手術器具。
- 前記探触子の先端部分に糸を通すための貫通孔が形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の手術器具。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2021010073A JP2022113998A (ja) | 2021-01-26 | 2021-01-26 | 手術器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021010073A JP2022113998A (ja) | 2021-01-26 | 2021-01-26 | 手術器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022113998A true JP2022113998A (ja) | 2022-08-05 |
Family
ID=82658359
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021010073A Pending JP2022113998A (ja) | 2021-01-26 | 2021-01-26 | 手術器具 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2022113998A (ja) |
-
2021
- 2021-01-26 JP JP2021010073A patent/JP2022113998A/ja active Pending
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Legal Events
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