JP2022113437A - 中空エンジンバルブ - Google Patents

中空エンジンバルブ Download PDF

Info

Publication number
JP2022113437A
JP2022113437A JP2021009687A JP2021009687A JP2022113437A JP 2022113437 A JP2022113437 A JP 2022113437A JP 2021009687 A JP2021009687 A JP 2021009687A JP 2021009687 A JP2021009687 A JP 2021009687A JP 2022113437 A JP2022113437 A JP 2022113437A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hollow
engine valve
shaft
coolant
umbrella
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021009687A
Other languages
English (en)
Inventor
隆暁 熊谷
Takaaki Kumagai
崇裕 廣瀬
Takahiro Hirose
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Oozx Inc
Original Assignee
Fuji Oozx Inc
Fuji Valve Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Oozx Inc, Fuji Valve Co Ltd filed Critical Fuji Oozx Inc
Priority to JP2021009687A priority Critical patent/JP2022113437A/ja
Priority to PCT/JP2021/046409 priority patent/WO2022158181A1/ja
Publication of JP2022113437A publication Critical patent/JP2022113437A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L3/00Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
    • F01L3/02Selecting particular materials for valve-members or valve-seats; Valve-members or valve-seats composed of two or more materials
    • F01L3/04Coated valve members or valve-seats
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L3/00Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
    • F01L3/12Cooling of valves
    • F01L3/14Cooling of valves by means of a liquid or solid coolant, e.g. sodium, in a closed chamber in a valve
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L3/00Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
    • F01L3/20Shapes or constructions of valve members, not provided for in preceding subgroups of this group

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • Lift Valve (AREA)
  • Temperature-Responsive Valves (AREA)

Abstract

【課題】高温化を抑制して強度の低下を抑制することができる中空エンジンバルブの提供。【解決手段】軸部101及び軸部101の一端に傘状に拡径する傘部102を有し、軸部101の内部に形成した中空の中空部106内に、所定の温度で融解して中空部106内を液状となって移動可能な冷却材Nが封入される軸中空エンジンバルブにおいて、冷却材Nの封入量を、中空部106の容積に対して0.3以上0.5未満とし、冷却材Nとともに中空部106に封入する粉状又は粒状のゲッタ材Gの封入量を、中空部106の容積から冷却材Nの体積を除いた残りの容積に対して、0.1g/cm3以上0.5g/cm3以下とする。【選択図】 図5

Description

本発明は、中空エンジンバルブに関する。
従来、自動車や船舶などのエンジンの燃焼室に吸気ガスを流入させ、排気ガスを排出させるためのエンジンバルブには、内部を中空にした中空部に、金属ナトリウムなどの冷却材を封入した中空エンジンバルブ(以下、単にエンジンバルブともいう)がある(特許文献1参照)。
このようなエンジンバルブは、燃焼ガスや排気ガスに晒されることにより高温になるが、高温になるほどバルブ自体の強度が低下してしまうため、高温化を抑制するための設計が施されている。
特開2017-190759号公報
しかしながら、軸部のみに中空を設けたこのようなエンジンバルブの場合、従来の設計では高温化の抑制効果に限りがある。例えば、エンジンバルブの性能を高めるために、軸部の肉厚を薄くしたり、傘内部まで中空にしてエンジンバルブの軽量化を図ることが考えられるが、単なる肉薄化では、熱容量が低下し急激な温度上昇によるバルブ突き上げやバルブ自体の強度が低下してしまうため、実用化が困難であった。
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、高温化を抑制し、強度の維持を図ることができる中空エンジンバルブを提供することである。
(1)本発明の第1の態様によれば、軸部及び前記軸部の一端に傘状に拡径する傘部を有し、少なくとも前記軸部の内部に形成した中空の中空部内に、所定の温度で融解して前記中空部内を液状となって移動可能な冷却材が封入される中空エンジンバルブにおいて、前記冷却材の封入量を、前記中空部の容積に対して0.3以上0.5未満とし、前記冷却材とともに前記中空部に封入する粉状又は粒状のゲッタ材の封入量を、前記中空部の容積から前記冷却材の体積を除いた残りの容積に対して、0.1g/cm以上0.5g/cm以下とする。
上記(1)の構成によれば、中空部内へ封入するゲッタ材の封入量を、冷却材が移動可能な中空部の容積に基づいて適切に設定することによって、ゲッタ材の存在により冷却材の移動が阻害されることなく、かつ中空部内の残存ガスを吸着(除去)して中空部内を真空とすることができるため、冷却材の中空部内の移動がスムーズになり、中空エンジンバルブの上下運動による冷却材のシェイキング効果を高めることができる。
これにより、冷却材の冷却効果を高めて中空エンジンバルブの高温化を抑制して、軸中空エンジンバルブの強度の維持を図ることができる。
(2)本発明の第2の態様によれば上記第1の態様において、前記軸部の軸径D2及び前記中空部の中空径D3が下記数式(1)の関係を有する。
(D2-D3)/2=0.8mm~1.0mm・・・(1)
上記(2)の構成によれば、軸部の肉厚を0.8mm~1.0mmとして薄肉化することによって、軸部の放熱性能を向上させて、中空エンジンバルブの高温化を抑制し、強度の維持を図ることができる。
(3)本発明の第3の態様によれば上記第1の態様又は第2の態様において、前記傘部の傘表部と傘裏部のいずれか一方又は双方に断熱又は遮熱処理を行う。
上記(3)の構成によれば、燃焼ガスや排気ガスの熱の影響を受けやすい傘部に断熱又は遮熱処理を行うことにより、燃焼ガスや排気ガスからの伝熱を防ぎ、中空エンジンバルブの高温化を抑制して、中空エンジンバルブの強度の維持を図ることができる。
本発明によれば、中空エンジンバルブの高温化を抑制し、強度の維持を図ることができる。
本実施形態の軸中空エンジンバルブの(a)正面図、(b)底面図である。 同じく軸中空エンジンバルブにおける縦断面図である。 同じく軸中空エンジンバルブの軸径、中空径、及び軸部の肉厚の関係を示す図である。 同じく軸中空エンジンバルブの実証実験において、軸中空エンジンバルブに封入されたゲッタ材の量と、軸中空エンジンバルブの温度との関係を示す図である。 同じく軸中空エンジンバルブに対して断熱又は遮熱コーティングを施すことができるワーク保持装置及び溶射装置の模式図である。 同じく軸中空エンジンバルブの製造過程を示す模式図である。 同じく軸中空エンジンバルブの製造過程を示す模式図である。
(本実施形態)
以下、図1~図7を参照し、発明の一実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は例示であり、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。なお、軸中空エンジンバルブ100の方向については図1(a)の方向(上下左右)を基準として説明する。
(軸中空エンジンバルブ100)
軸中空エンジンバルブ(以下、単にエンジンバルブという)100は、自動車等のエンジン(図示略)の燃焼室に連通する吸気ポート及び排気ポートの内部に設けられるものであって、エンジン実動時に上下方向へ移動して吸気ポート及び排気ポートを開閉可能とする。エンジンバルブ100は、吸気ポートを開放することによって吸気ガスを吸気ポートから燃焼室内に供給可能とし、排気ポートを開放することによって燃焼室内の排気ガスを排気ポートから燃焼室外に排出可能とする。
図1(a)に示すように、エンジンバルブ100は、丸棒状の軸部101と、軸部101の下端部に同心状かつ傘状に拡径した傘部102とを備える。軸部101の内部には中空の中空部106が設けられている。傘部102は、下面側の円板状の傘表部103と、上面側のテーパ状の傘裏部104と、傘表部103と傘裏部104との間に傘部102の厚みにより形成される外周部105とを有する。傘裏部104は、外周部105の上部から上方かつ求心方向に真っ直ぐ伸びるフェース面104aと、フェース面104aの上端部から連続して設けられ、軸部101に向かって、上方かつ求心方向に湾曲して伸びる首部104bとを有する。
(コーティング部C)
図1(a)、(b)等のドットのハッチング領域に示すように、エンジンバルブ100のフェース面104aを除く傘部102の表面には、断熱コーティングが施されたコーティング部Cが設けられている。コーティング部Cには、エンジンバルブ100の基材(例えば、SUS)よりも熱伝導率の低い材質(例えば、セラミック)を採用する。
このように、傘部102の表面に断熱コーティングを施すことにより、燃焼ガス又は排気ガスに晒される比較的広面積の傘部102からの入熱を防ぐことができ、エンジンバルブ100の急激な温度上昇を抑制することができる。
なお、コーティング部Cを、傘表部103又は傘裏部104のいずれか一方の表面にのみ設けてもよい。また、傘裏部104にコーティング部Cを設ける場合には、フェース面104aにもコーティング部Cを設けるようにしてもよい。
また、エンジンバルブ100の傘部102に対して、断熱コーティングの代わりに、遮熱コーティングや、鏡面加工(例えば、Ra(算術平均粗さ)0.3以下とする)を施してもよい。この場合、エンジンバルブ100は、傘部102に断熱コーティングを施した場合と同様の効果を得ることができる。また、エンジンバルブ100の部位に応じて、コーティングの種類を変更したり、鏡面加工を施すようにしてもよい。
(エンジンバルブ100の内部構造)
図2に示すように、エンジンバルブ100は、後述する鍛造工程及び軸中空加工工程によって成形されるバルブ本体100aと、バルブ本体100aの軸部101aと同径かつ同材質の丸棒状であって軸部101aの上端部に固着される軸端部材100bとから構成される。
バルブ本体100aの軸部101aの内部に形成された有底の中空部106は、軸部101の上部に設けた開口部106bによって上部が開放される。これにより、バルブ本体100aは、開口部106bから中空部106へ、粉状又は粒状のゲッタ材G(例えば、チタン粉末)が投入され、棒状の冷却材(例えば、金属ナトリウムN)が挿入され得るようになっている(以下、ゲッタ材G及び金属ナトリウムNをまとめて「冷却材等」という)。
ここで、チタン等のゲッタ材Gは、金属ナトリウムNとともに中空部106へ投入されることによって、金属ナトリウムNの腐食要因を除去するとともに、中空部106内の残存ガスを吸着(除去)して中空部106内を真空とする。これにより、融解した金属ナトリウムNの中空部106内の移動を円滑にすることができる。
また、金属ナトリウムNは、エンジン実動時は加熱されることにより液体となり、エンジンバルブ100の動きに合わせ中空部106内を上下移動(シェイキング)することにより、燃焼室側から受けた熱を、軸部101を介してエンジンバルブ100の上下運動をガイドするバルブガイドへ効率よく伝熱することができる。すなわち、金属ナトリウムNのシェイキング効果により、エンジンバルブ100の温度上昇(高温化)を抑制することができる。
冷却材等を中空部106へ投入した後、軸端部材100bをバルブ本体100aの軸部101aの上端部に摩擦圧接等によって固着することにより開口部106bを閉塞する。これにより、中空部106は密閉され、冷却材等は中空部106内に封入される。また、軸部101aは軸端部材100bと一体的(分離不能)になって、エンジンバルブ100の軸部101を形成する。
なお、中空部106と外部とを連通させる開口部(図示略)を傘表部103に設け、傘表部103(開口部)を上向きにして当該開口部から冷却材等を投入した後、当該開口部を蓋部材(図示略)により閉塞してもよい。
図2に示すように、中空部106は、下部に中空底部106aを設けており、中空底部106aの位置は、傘表部103の表面から距離D1(例えば、1.0mm~3.0mm)離間した位置に設定されている。これにより、金属ナトリウムNのシェイキング効果を傘表部103にまで及ぼすことができる。
(軸径D2と中空径D3の関係)
図2に示すエンジンバルブ100における軸部101の外径D2(以下、軸径D2という)、及び中空部106の内径D3(以下、中空径D3という)の関係は、軸部101の中空部分の肉厚tが、0.8mm~1.0mmとなるように設定されている。
すなわち、以下の数式1の関係となっている。
[数1]
(D2-D3)/2=0.8mm~1.0mm
本実施形態の例として、乗用ガソリン車で使用される型1~型5のエンジンバルブ100(例えば、全長90mm~130mm程度)について説明する。
図3に示すように、軸径D2がφ5.0mmの型1のエンジンバルブ100においては、中空径D3がφ3.0mm~φ3.4mmに設定され、軸径D2がφ5.5mmの型2のエンジンバルブ100においては、中空径D3がφ3.5mm~φ3.9mmに設定され、軸径D2がφ6.0mmの型3のエンジンバルブ100においては、中空径D3がφ4.0mm~φ4.4mmに設定され、軸径D2がφ6.5mmの型4のエンジンバルブ100においては、中空径D3がφ4.5mm~φ4.9mmに設定され、軸径D2がφ7.0mmの型5のエンジンバルブ100においては、中空径D3がφ5.0mm~φ5.4mmに設定されるようになっている。このように軸径D2に応じて中空径D3を設定することにより、軸部101の中空部分の肉厚tを0.8mm~1.0mmとなるように設定することができる。
なお、商用ディーゼル車で使用されるエンジンバルブ(例えば、全長200mm程度、軸径φ12mm程度)にも、上記のように軸径D2と中空径D3との関係で肉厚tを0.8mm~1.0mmに設定することができる。すなわち、軸径D2と中空径D3との関係は、エンジンバルブのサイズに限定されることはない。
以上のように、軸部101の中空部分の肉厚tを上記の範囲の薄さにすることによって、軸部101の放熱性能を向上させることができ、後述する封入量が最適化されたゲッタ材G及び金属ナトリウムNのシェイキングによる冷却効果(脱熱効果)を高めることができる。これにより、エンジンバルブ100の高温化を抑制して、エンジンバルブ100の強度の維持を図ることができる。
(ゲッタ材Gの最適封入量)
本実施形態のエンジンバルブ100のゲッタ材Gの最適封入量A1は、中空部106の容積∨1から金属ナトリウムNの体積∨2を差引いた残りの中空部106の容積(以下、中空残存容積という)対比で、特定値K(0.1g/cm以上0.5g/cm以下)とする(下記数式2参照)。
[数2]
A1=K(∨1-∨2) K=0.1g/cm~0.5g/cm
特定値Kは、ゲッタ材Gの封入量の違いによる冷却効果に関する実証実験の結果に基づいて算出した。実証実験においては、図4に示すように、ゲッタ材Gの封入量を、特定値K=0(ゲッタ材Gを封入しない)から0.1g/cmずつ増加させて、K=0.5g/cmまで検証を行った。
なお、ゲッタ材Gに係る実証実験は、実際のエンジン実動時におけるエンジンバルブ100の環境と同等の環境で実行した。
その結果、図4に示すように、エンジンバルブ100の傘表部103及び傘裏部104の温度は以下の通りとなった。
ゲッタ材Gの封入量が0gの場合は、傘表部103の温度は668℃、傘裏部104の温度は669℃、ゲッタ材Gの封入量が中空残存容積に対して0.1g/cmの場合は、傘表部103の温度は647℃、傘裏部104の温度は643℃、ゲッタ材Gの封入量が中空残存容積に対して0.2g/cmの場合は、傘表部103の温度は638℃、傘裏部104の温度は636℃、ゲッタ材Gの封入量が中空残存容積に対して0.3g/cmの場合は、傘表部103の温度は637℃、傘裏部104の温度は635℃、ゲッタ材Gの封入量が中空残存容積に対して0.4g/cmの場合は、傘表部103の温度は633℃、傘裏部104の温度は632℃、ゲッタ材Gの封入量が中空残存容積に対して0.5g/cmの場合は、傘表部103の温度は637℃、傘裏部104の温度は635℃となった。
また、図4に示すように、ゲッタ材Gの各封入量における冷却効果を、封入量が0gの場合との比較でみると、ゲッタ材Gの封入量が中空残存容積に対して0.1g/cmの場合、封入量が0gの場合との温度差は、傘表部103が-21℃、傘裏部104が-26℃となり、ゲッタ材Gの封入量が中空残存容積に対して0.2g/cmの場合、封入量が0gの場合との温度差は、傘表部103が-30℃、傘裏部104が-33℃となり、ゲッタ材Gの封入量が中空残存容積に対して0.3g/cmの場合、封入量が0gの場合との温度差は、傘表部103が-31℃、傘裏部104が-34℃となり、ゲッタ材Gの封入量が中空残存容積に対して0.4g/cmの場合、封入量が0gの場合との温度差は、傘表部103が-35℃、傘裏部104が-37℃となり、ゲッタ材Gの封入量が中空残存容積に対して0.5g/cmの場合、封入量が0gの場合との温度差は、傘表部103が-31℃、傘裏部104が-34℃となる。
すなわち、ゲッタ材Gの封入量が中空残存容積に対して少なくとも0.1g/cm以上であれば、封入量が0gの場合との温度差が-20℃よりも低くなって明らかな冷却効果を発揮し、更に0.2g/cm~0.5g/cmまでは、封入量が0gの場合との温度差が-30℃よりも低くなってより高い冷却効果を発揮した。
以上の実証実験の結果から、ゲッタ材Gの最適封入量A1を、中空残存容積に対して特定値Kを0.1g/cm~0.5g/cm(より好ましくは0.2g/cm~0.5g/cm)とした。
以上のように、中空部106内へ封入するゲッタ材Gの封入量を、金属ナトリウムNが移動可能な中空部106の空間の容積に基づいて適切に設定することによって、ゲッタ材Gが金属ナトリウムNの移動を阻害することないため、金属ナトリウムNの中空部106内の移動がより円滑となる。これにより、エンジンバルブ100の上下運動による冷却材のシェイキング効果を高めることが可能となるため、エンジンバルブ100の高温化を抑制して、エンジンバルブ100の強度の維持を図ることができる。
なお、ゲッタ材Gの最適封入量A1は、軸部だけでなく傘部にも中空を有する傘中空エンジンバルブにも適用することができる。
(金属ナトリウムNの最適封入量)
本実施形態のエンジンバルブ100の金属ナトリウムNの最適封入量A2を、中空部106の容積∨1に対して0.5未満(好ましくは、0.3)とする(下記数式3参照)。
[数3]
A2=∨1×0.3
従来では、例えば、金属ナトリウムNの封入量を中空部106の容積∨1に対して0.5以上0.6以下としていたが、この場合、金属ナトリウムN自体が、中空部106内における金属ナトリウムNの移動可能な空間の半分を占めてしまうため、金属ナトリウムNを効率よく移動させることができなかった。そのため、エンジンバルブ100のシェイキング効果が発揮されず、十分な冷却効果を得ることができなかった。しかしながら、本実施形態のエンジンバルブ100においては、金属ナトリウムNの封入量を中空部106の容積∨1に対して0.5よりも少なくする(例えば、0.3が好適である)ことにより、中空部106内において金属ナトリウムNの移動可能な空間を十分に確保できる。これにより、金属ナトリウムNのシェイキング効果を高めることが可能となるため、エンジンバルブ100の高温化を抑制して、エンジンバルブ100の強度の維持を図ることができる。
なお、金属ナトリウムNの最適封入量A2は、上記傘中空エンジンバルブにも適用することができる。
(冷却設計の全体最適化)
上記の通り、本実施形態のエンジンバルブ100は、軸部101のみに中空部106を設け、軸部101の中空部分の肉厚tをφ0.8mm~φ1.0mmの範囲で薄肉化することにより、軸部101の熱伝達量を向上させる。これにより、封入量が最適化されたゲッタ材G及び金属ナトリウムNのシェイキングによる冷却効果を相乗的に高めることができる。また、中空部106が設けられない傘部102にコーティング部Cを設けて、外部からの伝熱を抑制することができる。
このように、エンジンバルブ100は、軸部101においては、金属ナトリウムNのシェイキングによる冷却効果を高め、傘部102においては、断熱による傘部102の急激な温度上昇を抑制することにより、エンジンバルブ100全体で高温化を抑制することが可能となり、エンジンバルブ100の強度の維持を図ることができる。
(コーティングに係る装置)
本実施形態では、エンジンバルブ100の傘部102をコーティングするために、図5に示すように、エンジンバルブ100を、複数方向に回転しうるように保持可能なワーク保持装置Hと、所定の被覆材料(例えばセラミック)を対象のワークへ溶射可能な溶射装置Sとを設ける。
ワーク保持装置Hは、エンジンバルブ100の軸部101の上端部を、駆動手段(例えば、モータ等、図示略)により回転駆動される保持部H1により固定することによって、エンジンバルブ100を、図5に示す軸部101の軸回りのS1方向、及び軸線方向に直行するS2方向に回転可能に保持することができる。
このように、ワーク保持装置Hによって、エンジンバルブ100をS1方向又はS2方向へ適宜回転させながら、溶射装置Sによって、セラミック等を当該エンジンバルブ100へ溶射することによって、エンジンバルブ100の軸部101に施されたマスキングMを除く傘部102をむら無くコーティングすることができる。
(エンジンバルブ100の製造方法)
本実施形態のエンジンバルブ100の鍛造工程では、所定の形状(例えば円柱状)の特殊鋼である中実丸棒(図示略)に対して熱間鍛造加工を施し、例えば焼鈍しなどの熱処理を実行して、図6(1)に示す半完成品200を成形する。なお、半完成品200の軸部201の軸径及び傘部202の形状及びサイズは、完成品であるエンジンバルブ100の軸部101と傘部102とほぼ同一である。
次に、軸中空加工工程では、図6(2)に示すように、半完成品200の軸部201の上部をカッターCWにより切断し、図6(3)に示すように、切断した上端部から穴あけドリルDで中空部106を穿設し、バルブ本体100aを成形する。このとき、軸部101の肉厚tは0.8mm~1.0mmよりも、後述する研磨工程の削り代分、若干厚めに形成される。
次に、冷却材等封入工程では、図6(4)に示すように、バルブ本体100aの中空部106の開口部106bから上記最適封入量のゲッタ材Gを投入した後、上記最適封入量の金属ナトリウムNを挿入し、図6(5)に示すように、バルブ本体100aの軸部101の上端部に、軸端部材100bを摩擦圧接により固着することで開口部106bを塞いで冷却材等を封入し、エンジンバルブ100(仕上げ前)を成形する。
次に、研磨・コーティング工程(仕上げ工程)では、エンジンバルブ100を部位毎に研磨する研磨工程と、エンジンバルブ100の傘部102をコーティングするコーティング工程から構成される。
研磨工程では、図7(1)に示すように、エンジンバルブ100の軸部101の上端部を砥石Wにより研磨する。
次に、コーティング工程では、図7(2)に示すように、溶射装置Sが、例えば、熱伝導率の低いセラミック溶剤を、ワーク保持装置HによってS1方向又はS2方向へ適宜回転されながら保持されたエンジンバルブ100に対して溶射することにより、エンジンバルブ100の表面のうち、マスキングMが施されていない傘部102(傘表部103、傘裏部104)にセラミック溶射皮膜が形成され、コーティング部Cが適切に設けられる。
再び、研磨工程では、図7(3)に示すように、エンジンバルブ100の傘裏部104のフェース面104aを砥石Wにより研磨する。フェース面104aは、エンジンバルブ100がエンジンの燃焼室における吸気ポートや排気ポートを閉塞する際に、各ポートの閉塞口に当接する面であるため、密閉性を要求され、不陸が無きように研磨される。
なお、フェース面104aの研磨を、図7(2)に示すコーティング工程の前に行うようにしてもよい。すなわち、フェース面104aは、研磨による下地処理後にコーティングされるため、不陸がないように仕上がる。
最後の研磨工程では、マスキングMを除去した後、図7(4)に示すように、エンジンバルブ100の軸部101の外周面を砥石Wにより研磨する。なお、図7(1)に示す上端部研磨工程と、図7(4)に示す軸部研磨工程とを入れ替えてもよい。
本実施形態のエンジンバルブ100は、上記の工程により完成する。
C コーティング部 G ゲッタ材
H ワーク保持装置 M マスキング
N 金属ナトリウム S 溶射装置
W 砥石
100 軸中空エンジンバルブ 100a バルブ本体
100b 軸端部材 101 軸部
102 傘部 103 傘表部
104 傘裏部 104a フェース面
104b 首部 105 外周部
106 中空部 106a 中空底部
106b 開口部 200 半完成品
201 軸部 202 傘部

Claims (3)

  1. 軸部及び前記軸部の一端に傘状に拡径する傘部を有し、少なくとも前記軸部の内部に形成した中空の中空部内に、所定の温度で融解して前記中空部内を液状となって移動可能な冷却材が封入される中空エンジンバルブにおいて、
    前記冷却材の封入量を、前記中空部の容積に対して0.3以上0.5未満とし、
    前記冷却材とともに前記中空部に封入する粉状又は粒状のゲッタ材の封入量を、前記中空部の容積から前記冷却材の体積を除いた残りの容積に対して、0.1g/cm以上0.5g/cm以下とすることを特徴とする中空エンジンバルブ。
  2. 前記軸部の軸径D2及び前記中空部の中空径D3が下記数式(1)の関係を有することを特徴とする請求項1記載の中空エンジンバルブ。
    (D2-D3)/2=0.8mm~1.0mm・・・(1)
  3. 前記傘部の傘表部と傘裏部のいずれか一方又は双方に断熱又は遮熱処理を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の中空エンジンバルブ。
JP2021009687A 2021-01-25 2021-01-25 中空エンジンバルブ Pending JP2022113437A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021009687A JP2022113437A (ja) 2021-01-25 2021-01-25 中空エンジンバルブ
PCT/JP2021/046409 WO2022158181A1 (ja) 2021-01-25 2021-12-16 中空エンジンバルブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021009687A JP2022113437A (ja) 2021-01-25 2021-01-25 中空エンジンバルブ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022113437A true JP2022113437A (ja) 2022-08-04

Family

ID=82549144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021009687A Pending JP2022113437A (ja) 2021-01-25 2021-01-25 中空エンジンバルブ

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2022113437A (ja)
WO (1) WO2022158181A1 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2711301B2 (ja) * 1990-03-09 1998-02-10 フジオーゼックス株式会社 内燃機関用流体冷却弁
JPH0571316A (ja) * 1991-05-21 1993-03-23 Mitsubishi Materials Corp 伝熱部材
US5458314A (en) * 1993-04-01 1995-10-17 Eaton Corporation Temperature control in an ultra light engine valve
DE10117519A1 (de) * 2001-04-07 2002-10-17 Volkswagen Ag Brennkraftmaschine mit Direkteinspritzung und Verfahren zum Betreiben dieser
JP2003307105A (ja) * 2002-04-12 2003-10-31 Fuji Oozx Inc エンジンバルブ
JP2010031828A (ja) * 2008-06-24 2010-02-12 Nissan Motor Co Ltd エンジン用排気バルブ
CN101745813A (zh) * 2009-12-11 2010-06-23 济南沃德汽车零部件有限公司 一种中空充钠气门及其制作方法
JP2011179390A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Mitsubishi Heavy Ind Ltd エンジンバルブおよびこれを用いたエンジン
DE102017125365A1 (de) * 2017-10-30 2019-05-02 Federal-Mogul Valvetrain Gmbh Innengekühltes Ventil für einen Verbrennungsmotor

Also Published As

Publication number Publication date
WO2022158181A1 (ja) 2022-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH08210112A (ja) 超軽量ポペット弁
US4169637A (en) Drill bushings, pump seals and similar articles
US3710773A (en) Mushroom valve, especially for internal combustion engines
RU2641870C1 (ru) Полый тарельчатый клапан
WO2022158181A1 (ja) 中空エンジンバルブ
JP2003200241A (ja) 管端のクロージング加工方法および装置
US4241483A (en) Method of making drill, bushings, pump seals and similar articles
WO2013077147A1 (ja) シリンダブロックの製造方法及びシリンダブロック
US20190270137A1 (en) System and methods for manufacturing regeneratively cooled rocket thrust chamber nozzles
CN112404389A (zh) 一种主体模具的压铸工艺
JP4451994B2 (ja) 動弁機構の摺動部材及びその表面処理方法
US5743224A (en) Valve lifter surface and processing method thereof
US20210268576A1 (en) Method for manufacturing cylinder head, and semimanufactured cylinder head
JP2004068144A (ja) アルミニウム合金鋳造部品の製造方法
US20200166001A1 (en) Thermal barrier cylinder liner insert
JP7452238B2 (ja) 成膜方法
KR20140129837A (ko) 열처리 제품 냉각 장치
US2436931A (en) Method of preventing scaling during the forging of hollow metal articles
JP2004036511A (ja) 内燃機関のシリンダブロック及びその加工方法
US11097337B2 (en) Thermal processing of cylinder liners
JPH03236460A (ja) 直打式バルブリフタの溶射処理方法及びその装置
JP2021065927A (ja) アルミニウム材の接合方法
WO2017122451A1 (ja) ピストンおよびピストンの製造方法
KR20170043645A (ko) 버킷 태핏 및 그 제조 방법
JPH03245964A (ja) シリンダブロックのホーニング加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230718

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231031

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231219

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240213

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20240425