JP2022112992A - 流体機械および流体機械の駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力脈動やトルク脈動が過大になることを防止可能な流体機械および流体機械の駆動方法を提供する。【解決手段】複数のシリンダのそれぞれと共に、シャフトの回転に連動して容積変化する複数の作動室のそれぞれを形成する複数のピストンと、複数の低圧バルブおよび複数の高圧バルブのそれぞれを駆動するバルブ駆動ユニットと、作動室のそれぞれにおける作動流体が吸入・吐出することで、シャフトの回転周期のうちの第1範囲に配置され、ポンピングを行うシリンダ、および、シャフトの回転周期のうちの第2範囲に配置され、モータリングを行うシリンダの中から、第1範囲および第2範囲のいずれか一方の範囲の両端部の一方に配置されるシリンダをポンピングおよびモータリングのいずれも行わない非アクティブとすることで、目標の出力トルク以上が得られるように、低圧バルブおよび高圧バルブのそれぞれを駆動する制御を実行する制御部と、を備える。【選択図】図4
Description
本開示は、流体機械および流体機械の駆動方法に関する。
例えば、特許文献1には、クランクシャフトの軸周上に配置される複数のシリンダと、シリンダのそれぞれと共に、クランクシャフトの回転に連動して容積変化する複数の作動室のそれぞれを形成する複数のピストンと、作動室のそれぞれと低圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の低圧バルブと、作動室のそれぞれと高圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の高圧バルブと、複数の低圧バルブおよび複数の高圧バルブのそれぞれを磁力によって駆動する複数のソレノイドと、を有する電磁バルブ駆動ユニットと、ソレノイドが低圧バルブおよび高圧バルブのそれぞれを駆動し、作動室のそれぞれにおける作動流体が吸入・吐出することで、複数のシリンダにおいてポンプピング又はモータリングを行うシリンダをアクティブとし、また、ポンピングおよびモータリングのいずれも行わないシリンダを非アクティブにするように、ソレノイドへの通電を制御する制御部と、を備える流体機械が開示されている。
また、制御部は、クランクシャフトの軸周上に配置される全部のシリンダの作動流体の全吐出量に対する指定するシリンダの作動流体の指示吐出量の割合を、シリンダのアクティブ判定タイミングごとに加算していき、加算値が100[%]を超えた場合、指定するシリンダをアクティブにするようにソレノイドへの通電を制御し、一度アクティブ判定した場合、加算値から100[%]を差し引くように、ソレノイドへの通電を制御する。
ところで、指示吐出量が全吐出量に対し少ない場合、特に、クランクシャフトの回転1周期に対しアクティブになるシリンダ数が「3」未満になる場合、吐出量の変動が大きく、圧力脈動やトルク脈動が過大になるおそれがある。
図1は、クランクシャフトの回転1周期に対しアクティブになるシリンダ数毎に出力トルク率の一例を示す図である。図1の横軸にクランク角[deg]、縦軸に出力トルク率[%]を示す。ここで、「出力トルク率」とは、クランクシャフトの回転1周期上の全部のシリンダの出力トルクに対しアクティブになるシリンダの出力トルクの割合である。図1に示すように、アクティブになるシリンダ数が「1」である場合、出力トルク率は0[%]と25[%]との間で変動する。アクティブになるシリンダ数が「3」である場合、出力トルク率は20[%]と30[%]との間で変動する。これに対し、アクティブになるシリンダ数が「12」である場合、出力トルク率は95[%]と100[%]との間で変動する。
図1から、クランクシャフトの回転1周期に対しアクティブになるシリンダ数が「3」未満になる場合、シリンダ数が「12」である場合と比較して、吐出量の変動が大きく、圧力脈動やトルク脈動が過大になることがわかる。圧力脈動やトルク脈動が過大になると、作動流体を通すホースの振動や騒音が発生する場合があり、また、ホースが損傷する要因となる。また、このような流体機械の圧力やトルクが車両の走行に用いられると、車両の急加速が発生する場合があり、乗り心地に影響する。
本開示の目的は、圧力脈動やトルク脈動が過大になることを防止可能な流体機械および流体機械の駆動方法を提供することである。
上記の目的を達成するため、本開示における流体機械は、
シャフトの軸周上に配置される複数のシリンダと、
前記複数のシリンダのそれぞれと共に、前記シャフトの回転に連動して容積変化する複数の作動室のそれぞれを形成する複数のピストンと、
前記作動室のそれぞれと低圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の低圧バルブと、前記作動室のそれぞれと高圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の高圧バルブとを有し、前記複数の低圧バルブおよび前記複数の高圧バルブのそれぞれを駆動するバルブ駆動ユニットと、
前記作動室のそれぞれにおける作動流体が吸入・吐出することで、前記シャフトの回転周期のうちの第1範囲に配置され、アクティブとしてのポンピングを行うシリンダ、および、前記シャフトの回転周期のうちの前記第1範囲以外の第2範囲に配置され、アクティブとしてのモータリングを行うシリンダの中から、前記第1範囲および前記第2範囲のいずれか一方の範囲の両端部の一方に配置されるシリンダを前記アクティブから前記ポンピングおよび前記モータリングのいずれも行わない非アクティブとすることで、目標の出力トルク以上が得られるように、前記低圧バルブおよび前記高圧バルブのそれぞれを駆動する制御を実行する制御部と、
を備える。
シャフトの軸周上に配置される複数のシリンダと、
前記複数のシリンダのそれぞれと共に、前記シャフトの回転に連動して容積変化する複数の作動室のそれぞれを形成する複数のピストンと、
前記作動室のそれぞれと低圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の低圧バルブと、前記作動室のそれぞれと高圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の高圧バルブとを有し、前記複数の低圧バルブおよび前記複数の高圧バルブのそれぞれを駆動するバルブ駆動ユニットと、
前記作動室のそれぞれにおける作動流体が吸入・吐出することで、前記シャフトの回転周期のうちの第1範囲に配置され、アクティブとしてのポンピングを行うシリンダ、および、前記シャフトの回転周期のうちの前記第1範囲以外の第2範囲に配置され、アクティブとしてのモータリングを行うシリンダの中から、前記第1範囲および前記第2範囲のいずれか一方の範囲の両端部の一方に配置されるシリンダを前記アクティブから前記ポンピングおよび前記モータリングのいずれも行わない非アクティブとすることで、目標の出力トルク以上が得られるように、前記低圧バルブおよび前記高圧バルブのそれぞれを駆動する制御を実行する制御部と、
を備える。
本開示における流体機械の駆動方法は、
シャフトの軸周上に配置される複数のシリンダと、
前記複数のシリンダのそれぞれと共に、前記シャフトの回転に連動して容積変化する複数の作動室のそれぞれを形成する複数のピストンと、
前記作動室のそれぞれと低圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の低圧バルブと、前記作動室のそれぞれと高圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の高圧バルブとを有し、前記複数の低圧バルブおよび前記複数の高圧バルブのそれぞれを駆動するバルブ駆動ユニットと、
を備える流体機械の駆動方法であって、
前記作動室のそれぞれにおける作動流体が吸入・吐出することで、前記シャフトの回転周期のうちの第1範囲に配置され、アクティブとしてのポンピングを行うシリンダ、および、前記シャフトの回転周期のうちの前記第1範囲以外の第2範囲に配置され、アクティブとしてのモータリングを行うシリンダの中から、前記第1範囲および前記第2範囲のいずれか一方の範囲の両端部の一方に配置されるシリンダを前記アクティブから前記ポンピングおよび前記モータリングのいずれも行わない非アクティブとすることで、目標の出力トルク以上が得られるように、前記低圧バルブおよび前記高圧バルブのそれぞれを駆動する。
シャフトの軸周上に配置される複数のシリンダと、
前記複数のシリンダのそれぞれと共に、前記シャフトの回転に連動して容積変化する複数の作動室のそれぞれを形成する複数のピストンと、
前記作動室のそれぞれと低圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の低圧バルブと、前記作動室のそれぞれと高圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の高圧バルブとを有し、前記複数の低圧バルブおよび前記複数の高圧バルブのそれぞれを駆動するバルブ駆動ユニットと、
を備える流体機械の駆動方法であって、
前記作動室のそれぞれにおける作動流体が吸入・吐出することで、前記シャフトの回転周期のうちの第1範囲に配置され、アクティブとしてのポンピングを行うシリンダ、および、前記シャフトの回転周期のうちの前記第1範囲以外の第2範囲に配置され、アクティブとしてのモータリングを行うシリンダの中から、前記第1範囲および前記第2範囲のいずれか一方の範囲の両端部の一方に配置されるシリンダを前記アクティブから前記ポンピングおよび前記モータリングのいずれも行わない非アクティブとすることで、目標の出力トルク以上が得られるように、前記低圧バルブおよび前記高圧バルブのそれぞれを駆動する。
本開示によれば、圧力脈動やトルク脈動が過大になることを防止できる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図2は、本開示の実施の形態に係る流体機械1の一例を概略的に示す図である。
図2は、本開示の実施の形態に係る流体機械1の一例を概略的に示す図である。
本開示の実施の形態に係る流体機械1は、機械と作動流体との間でエネルギー変換をする装置である。ここで、「作動流体」とは、流体機械1の中で動力を伝達する媒体である。ここでは、作動流体の一例として作動油を挙げて説明する。流体機械1は、電子制御式可変容量型ポンプモータ2、高圧バルブ3、低圧バルブ4、高圧ポート5、低圧ポート6、電磁ソレノイド7(図3A参照)、クランクシャフト8、および、制御部10を備える。本開示の「バルブ駆動ユニット」は、高圧バルブ3、低圧バルブ4および電磁ソレノイド7を有する。
電子制御式可変容量型ポンプモータ2は、複数(図2では、12個)のピストンシリンダ21を有している。複数のピストンシリンダ21は、クランクシャフト8の軸周上に所定の間隔で配置される。クランクシャフト8はカム部8aを有している。
複数のピストンシリンダ21のそれぞれは、クランクシャフト8の回転運動に連動して並進運動をするピストン22と、ピストン22の並進運動によって容積が変化する作動室(チャンバ)を構成するシリンダ23とを有する。
高圧バルブ3は、複数のピストンシリンダ21のそれぞれに対応して配置され、作動室と高圧ポート5との連通・閉鎖を行う。
低圧バルブ4は、複数のピストンシリンダ21のそれぞれに対応して配置され、作動室と低圧ポート6との連通・閉鎖を行う。
高圧ポート5は、図示しない高圧ラインを介して例えば高圧タンク(不図示)や、油圧アクチュエータ(不図示)に接続されている。
低圧ポート6は、図示しない低圧ラインを介して例えば作動油を貯留する油タンク(不図示)に接続されている。なお、油タンクは大気圧下に置かれる。
図3Aおよび図3Bは、電磁ソレノイド7の一例を概略的に示す図である。図3Aは、非通電状態にある電磁ソレノイド7の一例を概略的に示す図である。図3Bは、通電状態にある電磁ソレノイド7の一例を概略的に示す図である。高圧バルブ3は、電磁ソレノイド7が非通電状態である場合、高圧ポート5を閉じ、電磁ソレノイド7が通電状態である場合、高圧ポート5を開く。高圧ポート5の閉じ状態では、作動室と高圧ポート5とが連通しない非通電状態となる。高圧ポート5の開き状態では、作動室と高圧ポート5とが連通する通電状態となる。低圧バルブ4は、電磁ソレノイド7が非通電状態である場合、低圧ポート6を開き、電磁ソレノイド7が通電状態である場合、低圧ポート6を閉じる。低圧ポート6の開き状態では、作動室と低圧ポート6とが連通する通電状態となる。低圧ポート6の閉じ状態では、作動室と低圧ポート6とが連通しない非通電状態となる。
制御部10は、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、等からなるマイクロコンピュータと入出力装置とを備えるECU(Electronic Control Unit)である。ECUの入力回路には、クランクシャフト8の回転位相を検出するための検出部(不図示)が接続されている。制御部10は、クランクシャフト8の回転位相に応じて電磁ソレノイド7への通電を制御する。
制御部10は、作動室のそれぞれにおける作動流体が吸入・吐出することで、前記シャフトの回転周期上に配置される複数のシリンダのそれぞれがポンピング(後述する)を行うように、また、モータリング(後述する)を行うように、また、ポンピングおよびモータリングのいずれも行わないようにすべく、低圧バルブ4および高圧バルブ3のそれぞれを駆動するように、電磁ソレノイド7への通電を制御する。
ここで、「ポンピング」とは、作動室の膨張時に作動室と高圧ポート5とを閉鎖する一方、作動室と低圧ポート6とを連通して低圧ポート6から作動流体(作動油)を吸入し、作動室の圧縮時に作動室と低圧ポート6とを閉鎖する一方、作動室と高圧ポート5とを連通して高圧ポート5に作動流体を吐出することをいう。また、「モータリング」とは、作動室の圧縮時に作動室と高圧ポート5とを閉鎖する一方、作動室と低圧ポート6とを連通して低圧ポート6に作動流体を吐出し、作動室の膨張時に作動室と低圧ポート6とを閉鎖する一方、作動室と高圧ポート5とを連通して高圧ポートから作動流体を吸入することをいう。
以下の説明において、「アクティブ」とは、ポンピングおよびモータリングのいずれかを行う状態をいう。また、「非アクティブ」とは、ポンピングおよびモータリングのいずれも行わない状態をいい、シリンダの圧縮・膨張の両工程で高圧バルブを閉じ、低圧バルブを開放することにより、ほぼ無負荷で作動流体(例えば、オイル)を低圧ポートから吸入し再度低圧ポートに排出するアイドリング状態をいう。また、「出力トルク率」とは、全シリンダ数の出力トルクに対しアクティブになるシリンダの出力トルクの割合をいう。また、「全シリンダ数」とは、クランクシャフト8の回転周期の所定数上に配置されるシリンダ数である。例えば、クランクシャフト8の軸周上に12個のシリンダが配置される12シリンダ構成の場合、クランクシャフト8の回転1周期上に配置されるシリンダ数である12(=12×1)が全シリンダ数となる。
<12シリンダ構成>
以下、12シリンダ構成において、出力トルク率8.3[%](=1/12)が目標の出力トルクとして指示される場合、全シリンダ数の中から、ポンピングを行うシリンダおよびモータリングを行うシリンダを選択する方法について図4を参照して説明する。
以下、12シリンダ構成において、出力トルク率8.3[%](=1/12)が目標の出力トルクとして指示される場合、全シリンダ数の中から、ポンピングを行うシリンダおよびモータリングを行うシリンダを選択する方法について図4を参照して説明する。
指定された目標の出力トルクである出力トルク率8.3[%]は、12個のシリンダの出力トルクに対する1個のシリンダの出力トルクの割合である。これにより、ポンピングを行うシリンダの数とモータリングを行うシリンダ数との差を「1」とすれば、目標の出力トルクとしての出力トルク率8.3[%]を得ることが可能である。
具体的には、制御部10は、クランクシャフト8の回転周期のうちの第1範囲に配置され、アクティブとしてのポンピングを行うシリンダ、および、クランクシャフト8の回転周期のうちの第1範囲以外の第2範囲に配置され、アクティブとしてのモータリングを行うシリンダの中から、第1範囲および第2範囲のいずれか一方の範囲の両端部の一方に配置されるシリンダをアクティブからポンピングおよび前記モータリングのいずれも行わない非アクティブとすることで、目標の出力トルクが得られるように、高圧バルブ3および低圧バルブ4のそれぞれを駆動する制御を実行する。
ここで、クランクシャフト8の回転周期上のクランク角0°、30°、60°、90°、120°、150°、180°、210°、240°、270°、300°、330°のそれぞれの位置に番号(1)から番号(12)が付される場合において、制御部10は、番号(1)から(6)が付される第1範囲(クランク角0°から150°)に配置され、アクティブとしてのポンピングを行うシリンダ、および、番号(7)から(12)が付される第2範囲(クランク角180°から330°)に配置され、アクティブとしてのモータリングを行うシリンダの中から、第2範囲の端部の位置である番号(12)(クランク角330°)に配置されたシリンダをアクティブから非アクティブとするように、高圧バルブ3および低圧バルブ4のそれぞれを駆動する制御を実行する。以下の説明で、クランク角0°から150°に配置されたシリンダにより行われるポンピングを「半周期ポンピング」という。また、クランク角180°から300°に配置されたシリンダにより行われるモータリングを「半周期モータリング」という。
図4は、12シリンダ構成における出力トルク率の一例を示す図である。図4の横軸にクランク角[deg]、縦軸に出力トルク率[%]を示す。また、図4に半周期ポンピングの出力トルク率を一点鎖線で示し、半周期モータリングの出力トルク率を破線で示し、これらを合算した出力トルク率を実線で示す。図4においては、ポンピングの出力トルク率をプラス側に示し、モータリングの出力トルク率をマイナス側に示す。
図4から、合算した出力トルク率が約10[%]まで下がることがわかる。つまり、半周期ポンピングと半周期モータリングとを行うことにより、また、ポンピング又はモータリングが行われる範囲の端部の位置に配置されるシリンダをアクティブから非アクティブとすることにより、出力トルクのピークが全体に下がるため、圧力脈動やトルク脈動が過大になることを防止することが可能となる。
上記実施の形態に係る流体機械1は、クランクシャフト8の軸周上に配置される複数のシリンダと、複数のシリンダのそれぞれと共に、クランクシャフト8の回転に連動して容積変化する複数の作動室のそれぞれを形成する複数のピストンと、作動室のそれぞれと低圧ポート6との連通・閉鎖を行う複数の低圧バルブ4と、作動室のそれぞれと高圧ポート5との連通・閉鎖を行う複数の高圧バルブ3とを有し、複数の低圧バルブ4および複数の高圧バルブ3のそれぞれを駆動するバルブ駆動ユニットと、作動室のそれぞれにおける作動流体(作動油)が吸入・吐出することで、クランクシャフト8の回転周期のうちの第1範囲に配置され、ポンピングを行うシリンダ、および、クランクシャフト8の回転周期のうちの第1範囲以外の第2範囲に配置され、モータリングを行うシリンダの中から、第1範囲および第2範囲のいずれか一方の範囲の両端部の一方に配置されるシリンダをポンピングおよびモータリングのいずれも行わない非アクティブとすることで、目標の出力トルクが得られるように、低圧バルブ4および高圧バルブ3のそれぞれを駆動する制御を実行する制御部10と、を備える。
上記構成により、指定吐出量が全吐出量に対して小さい場合であっても、出力トルクのピークが全体に下がるため、圧力脈動やトルク脈動が過大になることを防止することが可能となる。
なお、上記実施の形態では、アクティブとしてのポンピング行われるシリンダおよびアクティブとしてのモータリングが行われるシリンダの中から、所定のシリンダをアクティブから非アクティブにすることにより、目標の出力トルクが得られるようにしたが、本開示はこれに限らず、目標の出力トルク以上が得られるようにしてもよい。
<変形例>
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
変形例の説明においては、主に上記実施の形態と異なる構成について説明し、同じ構成については、同一番号を付してその説明を省略する。
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
変形例の説明においては、主に上記実施の形態と異なる構成について説明し、同じ構成については、同一番号を付してその説明を省略する。
上記実施の形態における流体機械1では、制御部10は、目標の出力トルクである出力トルク率8.3[%]を得るため、12シリンダ構成において、番号(1)から番号(6)が付される第1範囲(クランク角0°から150°)に配置され、アクティブとしてのポンピングを行うシリンダ、および、番号(7)から(12)が付される第2範囲(クランク角180°から330°)に配置され、アクティブとしてのモータリングを行うシリンダの中から、第2範囲の端部である番号(12)(クランク角330°)に配置されたシリンダをアクティブから非アクティブとするように、高圧バルブ3および低圧バルブ4のそれぞれを駆動する制御を実行する。
図5は、変形例に係る流体機械1において、12シリンダ構成における出力トルク率の例を示す図である。図5に示すように、変形例に係る流体機械1では、制御部10は、目標の出力トルクである出力トルク率16.7[%]を得るため、12シリンダ構成において、番号(1)から番号(6)が付される第1範囲(クランク角0°から150°)に配置され、アクティブとしてのポンピングを行うシリンダ、および、番号(7)から(12)が付される第2範囲(クランク角180°から330°)に配置され、アクティブとしてのモータリングを行うシリンダの中から、番号(7)に配置されたシリンダおよび番号(12)(クランク角330°)に配置されたシリンダをアクティブから非アクティブとするように、高圧バルブ3および低圧バルブ4のそれぞれを駆動する制御を実行する。高圧バルブ3および低圧バルブ4のそれぞれを駆動する制御を実行する。
図5から、合算した出力トルク率が約30[%]まで下がることがわかる。つまり、変形例における流体機械1においても、半周期ポンピングと半周期モータリングとを行うことにより、また、ポンピング又はモータリングが行われる範囲の両端部のそれぞれの位置に配置されるシリンダを非アクティブとすることにより、出力トルクのピークが全体に下がるため、圧力脈動やトルク脈動が過大になることを防止することが可能となる。
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施をするにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本開示は、圧力脈動やトルク脈動が過大になることを防止することが要求される流体機械を備えた車両等に利用される。
1 流体機械
2 電子制御式可変容量型ポンプモータ
3 高圧バルブ
4 低圧バルブ
5 高圧ポート
6 低圧ポート
7 電磁ソレノイド
8 クランクシャフト
8a カム部
10 制御部
21 ピストンシリンダ
22 ピストン
23 シリンダ
2 電子制御式可変容量型ポンプモータ
3 高圧バルブ
4 低圧バルブ
5 高圧ポート
6 低圧ポート
7 電磁ソレノイド
8 クランクシャフト
8a カム部
10 制御部
21 ピストンシリンダ
22 ピストン
23 シリンダ
Claims (4)
- シャフトの軸周上に配置される複数のシリンダと、
前記複数のシリンダのそれぞれと共に、前記シャフトの回転に連動して容積変化する複数の作動室のそれぞれを形成する複数のピストンと、
前記作動室のそれぞれと低圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の低圧バルブと、前記作動室のそれぞれと高圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の高圧バルブとを有し、前記複数の低圧バルブおよび前記複数の高圧バルブのそれぞれを駆動するバルブ駆動ユニットと、
前記作動室のそれぞれにおける作動流体が吸入・吐出することで、前記シャフトの回転周期のうちの第1範囲に配置され、アクティブとしてのポンピングを行うシリンダ、および、前記シャフトの回転周期のうちの前記第1範囲以外の第2範囲に配置され、アクティブとしてのモータリングを行うシリンダの中から、前記第1範囲および前記第2範囲のいずれか一方の範囲の両端部の一方に配置されるシリンダを前記アクティブから前記ポンピングおよび前記モータリングのいずれも行わない非アクティブとすることで、目標の出力トルク以上が得られるように、前記低圧バルブおよび前記高圧バルブのそれぞれを駆動する制御を実行する制御部と、
を備える、
流体機械。 - 前記制御部は、前記非アクティブとするシリンダ数が複数である場合、前記範囲の両端部の一方において非アクティブとするシリンダ数と前記範囲の両端部の他方において非アクティブとするシリンダ数との差が1以下となるように、前記低圧バルブおよび前記高圧バルブのそれぞれを駆動する制御を実行する請求項1に記載の流体機械。
- 前記ポンピングは、前記作動室の膨張時に作動室と高圧ポートとを閉鎖する一方、作動室と低圧ポートとを連通して低圧ポートから作動流体を吸入し、前記作動室の圧縮時に作動室と低圧ポートとを閉鎖する一方、作動室と高圧ポートとを連通して高圧ポートに作動流体を吐出し、
前記モータリングは、前記作動室の圧縮時に作動室と高圧ポートとを閉鎖する一方、作動室と低圧ポートとを連通して低圧ポートに作動流体を吐出し、作動室の膨張時に作動室と低圧ポートとを閉鎖する一方、作動室と高圧ポートとを連通して高圧ポートから作動流体を吸入する、
請求項1または2に記載の流体機械。 - シャフトの軸周上に配置される複数のシリンダと、
前記複数のシリンダのそれぞれと共に、前記シャフトの回転に連動して容積変化する複数の作動室のそれぞれを形成する複数のピストンと、
前記作動室のそれぞれと低圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の低圧バルブと、前記作動室のそれぞれと高圧ポートとの連通・閉鎖を行う複数の高圧バルブとを有し、前記複数の低圧バルブおよび前記複数の高圧バルブのそれぞれを駆動するバルブ駆動ユニットと、
を備える流体機械の駆動方法であって、
前記作動室のそれぞれにおける作動流体が吸入・吐出することで、前記シャフトの回転周期のうちの第1範囲に配置され、アクティブとしてのポンピングを行うシリンダ、および、前記シャフトの回転周期のうちの前記第1範囲以外の第2範囲に配置され、アクティブとしてのモータリングを行うシリンダの中から、前記第1範囲および前記第2範囲のいずれか一方の範囲の両端部の一方に配置されるシリンダを前記アクティブから前記ポンピングおよび前記モータリングのいずれも行わない非アクティブとすることで、目標の出力トルク以上が得られるように、前記低圧バルブおよび前記高圧バルブのそれぞれを駆動する、
流体機械の駆動方法。
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JP (1) | JP2022112992A (ja) |
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2021
- 2021-01-22 JP JP2021009063A patent/JP2022112992A/ja active Pending
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