JP2022111068A - 光電変換素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】暗電流及び残像を低減した光電変換素子を提供する。【解決手段】光電変換層133は、量子ドットと有機化合物を有し、下記の式(1)~式(3)を満たす。E2>E1・・・式(1)E1[eV]:光電変換素子の検出する光波長領域の短波長端のエネルギー。E2[eV]:有機化合物のバンドギャップμhorg>μhQD・・・式(2)μhorg[cm2/Vs]:光電変換層における有機化合物の正孔移動度μhQD[cm2/Vs]:光電変換層における量子ドットの正孔移動度Iporg≦IpQD+0.2・・・式(3)Iporg[eV]:有機化合物のイオン化ポテンシャルIpQD[eV]:量子ドットのイオン化ポテンシャル【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子に関する。
従来、固体撮像装置を構成する光検出装置の光電変換部として、単結晶シリコン基板に形成した不純物拡散層を用いたフォトダイオードが広く用いられてきた。近年、シリコンでは感度が低い長波長領域に高い光感度を有する有機材料あるいはコロイダル量子ドットと呼ばれるナノ粒子を用いた光電変換膜からなる光検出装置が提案されている。これらの光電変換膜は、真空蒸着や塗布といった簡便なプロセスで成膜できる。このため、基板上部、すなわち光入射側に光電変換膜を形成することで、1画素当たりの面積の縮小化が可能かつ光利用効率の高い光検出装置とすることができる。
量子ドットを用いた光検出装置については、可視光から近赤外領域への長波長化が検討され始めているが、要素検討は行われているものの、光電変換膜画像センサーへの応用例は少ない。
長波長領域に感度を有する量子ドットは、大粒径で表面積が大きくなることにより量子ドット表面での酸化や凝集が起こりやすくなるため、それを用いた光電変換素子においては、電子トラップ準位の形成やバンドギャップの狭小化により暗電流が高くなる。従来の量子ドットを用いた光検出装置における光電変換膜は、量子ドットのみが構成要素であるものが殆どであり、量子ドットの凝集が起こりやすい構造となっている。
以下の先行技術文献においては、バルク半導体中に量子ドットが分散している光電変換層を有する光電変換素子が開示されている。
特表2009-520358号公報 国際公開第2019/058448号
Nature Materials 4(2005)138
上記先行技術文献に開示された技術によれば、量子ドットの酸化や凝集を抑制する効果はあると見られる。しかし、いずれもバルク半導体と量子ドットの双方が光電変換能を有するものであり、量子ドットのみが感光する長波長領域の光電変換効率は、近接するバルク半導体からのキャリア流入及び再結合の影響により抑制されている。
そのため、長波長領域に感度を有する光電変換膜に量子ドットを用いた光電変換素子において暗電流が多く、またそれを用いた光電変換膜画像センサーにおいて、残像が大きいことが課題である。
本発明は、暗電流及び残像を低減した光電変換素子及び光電変換装置を提供することを目的とする。
本発明の光電変換素子は、第一の電極と、光電変換層と、第二の電極と、をこの順で有する光電変換素子であって、
前記光電変換層は、量子ドットと有機化合物を有し、
下記式(1)、(2)及び(3)を満たすことを特徴とする。
E2>E1・・・式(1)
E1[eV]:前記光電変換素子の検出する光波長領域の短波長端のエネルギー
E2[eV]:前記有機化合物のバンドギャップ
μhorg>μhQD・・・式(2)
μhorg[cm2/Vs]:前記光電変換層における前記有機化合物の正孔移動度
μhQD[cm2/Vs]:前記光電変換層における前記量子ドットの正孔移動度
Iporg≦IpQD+0.2・・・式(3)
Iporg[eV]:前記有機化合物のイオン化ポテンシャル
IpQD[eV]:前記量子ドットのイオン化ポテンシャル
本発明によれば、暗電流及び残像を低減した光電変換素子及び光電変換装置を提供することができる。
本実施形態における光電変換装置を示す断面模式図である。 本実施形態における光電変換素子を示す断面模式図である。 光電変換層に含まれる量子ドットの光電変換効率スペクトルと有機化合物の吸収スペクトルの一例である。 光電変換素子の光照射の有無による光電流過渡応答の測定例である。 光電変換素子の各照射光波長における電圧-電流曲線である。 本発明の一実施形態に係る光電変換素子を用いた撮像システムの一例を示す図である。 本実施形態による撮像システム及び移動体の構成を示す図である。 本実施形態により作製した光電変換素子の外部量子効率の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る光電変換素子について説明する。各実施形態は、いずれも本発明の一例を示すのであり、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続などは、本発明を限定するものではない。例えば、各実施形態においてトランジスタや半導体領域などの説明を行うが、その導電型は適宜変更可能である。
各図面において同じ符号が付されている構成は、同等の構成を指すものとして説明を省略する。また、繰り返しパターンや同一の構成物と理解できるものについては、符号を省略する場合がある。
≪光電変換素子及び光電変換装置≫
図1は、光電変換装置の3つの単位セル120を示す断面模式図である。ここで、図1は上方向であるZ方向とX方向を含む面での断面である。単位セル120は画素や副画素とも称される。各単位セル120は等価な回路構成を有し、少なくとも1つの光電変換素子を有する。本実施形態では、各単位セル120が1つの光電変換素子を有する構成を示している。光電変換素子は、後に説明する光電変換層133の材料を適宜、選択することによって構成される。また、光電変換装置の単位セルの回路構成については、適宜、設定される。次に、図1の光電変換装置について詳細に説明する。
<基板100>
図1において、基板100は主面P1を有する。基板100の材料は、ガラスやセラミックなどでもよく、本実施形態ではシリコン単結晶からなる半導体基板である。基板100は、トランジスタ101や素子分離部113を有する。トランジスタ101は、ソース・ドレイン領域102と、ゲート絶縁膜103と、ゲート電極104と、ソース・ドレイン領域105と、を含む。ゲート電極104は、主面P1の上に配される。ゲート絶縁膜103は、ゲート電極104と主面P1との間に位置する。ソース・ドレイン領域102とソース・ドレイン領域105は、基板100の内部に配される。
<配線構造体106>
基板100の主面P1の上には、配線構造体106が配されている。配線構造体106は、コンタクトプラグ107と、配線層108と、ビアプラグ109と、配線層110と、ビアプラグ111と、絶縁膜112とを有する。絶縁膜112は、図1では詳細に示していないが多層膜であってもよい。これらの部材は、一般的な半導体材料を用いることができる。
<電極(第一の電極131、第二の電極135)>
図1の光電変換装置は、第一の電極131と、第二の電極135を有する。第一の電極131は、電子捕集電極、カソードまたは負極であってよい。第二の電極135は、正孔捕集電極、アノードまたは正極であってよい。また、第一の電極131と、第二の電極135は、一方が上部電極、他方が下部電極であってよく、図1では、第一の電極131が下部電極、第二の電極135が上部電極である。
基板100の上には、第二の電極135が配されている。第二の電極135は、3つの単位セル120に渡って連続して設けられている。本実施形態においては、第二の電極135の上面と下面は平坦である。
第一の電極131は、基板100と第二の電極135との間に配されている。第一の電極131は、単位セル120ごとに少なくとも1つが含まれる。本実施形態では、単位セル120ごとに1つの第一の電極131が配された構成を示している。複数の第一の電極131の間には、分離領域130が配されている。分離領域130は、配線構造体106の絶縁膜112であってもよい。
第一の電極131および第二の電極135は、電極として、導電性を有する任意の材料により形成することが可能である。電極の構成材料の例を挙げると、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム等の金属あるいはそれらの合金または窒化物、酸化インジウムや酸化錫等の金属酸化物、あるいはその複合酸化物(例えばITO、IZO)である。
また、電極の構成材料としては、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラフェン等の導電性粒子あるいはそれらをポリマーバインダー等のマトリクスに分散したような導電性の複合材料なども挙げられる。電極の構成材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。光電変換素子において、少なくとも一対(2個)の電極が設けられ、この一対の電極の間に光電変換層133が設けられる。この際、一対の電極のうち、少なくとも一方は透明であることが好ましい。なぜなら、光電変換層133が吸収する光を透過させるためである。
電極は、光電変換層133の内部に生じた電子および正孔を捕集する機能を有するものである。従って、電極の構成材料としては、上述した材料のうち、電子および正孔を捕集するのに適した構成材料を用いることが好ましい。第二の電極135の材料としては、正孔の捕集に適した材料、例えば、Au、ITO等の高い仕事関数を有する材料が挙げられる。一方、第一の電極131の材料としては、電子の捕集に適した材料、例えば、Al、チタン若しくは窒化チタンのような低い仕事関数を有する材料が挙げられる。これらのうちでも、チタン若しくは窒化チタンが好ましい。電極の厚さには特に制限はなく、用いた材料と、必要とされる導電性、透明性等を考慮して適宜決定されるが、通常10nm以上10μm以下程度である。
<光電変換層133>
光電変換層133は、それぞれの第一の電極131と第二の電極135との間に配されている。光電変換層133は、量子ドットと有機化合物を有する。光電変換層133は、光電変換を行い、第一の電極131は光電変換によって生じた電荷に基づく信号を読み出しうる。
光電変換層133の材料としては、無機材料であっても有機材料であってもよい。例えば、光電変換層は、非晶質(アモルファス)シリコン、有機半導体、又は化合物半導体材料のナノ粒子の集合体である量子ドット、等を用いることができる。有機半導体としては、例えばフラーレン(C60)、クマリン6(C6)、ローダミン6G(R6G)、キナクリドン、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系等が好適である。本実施形態では、光電変換層133は、化合物半導体材料のナノ粒子であるコロイダル量子ドット等の量子ドットを有する。
光電変換層133を構成するコロイダル量子ドットは、ナノ粒子(平均粒子径が0.5nm以上100nm未満)を有する。ナノ粒子の材料としては、例えば一般的な半導体結晶である、IV族半導体、III-V族、II-VI族の化合物半導体、II族、III族、IV族、V族、および、VI族元素の内3つ以上の組み合わせからなる化合物半導体などである。具体的には、PbS、PbSe、PbTe、InN、InAs、InP、InSb、InAs、InGaAs、CdS、CdSe、CdTe、Ge、CuInS、CuInSe、CuInGaSe、Siなどの比較的バンドギャップの狭い半導体材料が挙げられる。これらは、半導体量子ドットとも呼ばれる。量子ドットとしては、これらの半導体量子ドット材料を少なくとも1種類含んでいればよい。量子ドットは、半導体量子ドット材料を核(コア)とし、半導体量子ドット材料を被覆化合物で覆ったコアシェル構造であってもよい。各半導体材料に固有の励起子ボーア半径と同程度のサイズ以下をもった量子ドットでは、量子サイズ効果が発現するためそのサイズにより所望のバンドギャップつまり光吸収波長の制御が可能となる。
半導体量子ドット材料は、以上の中でも、PbS、PbSe、PbTe、InP、InAs、CdS、CdSe、CdTeが望ましく、量子ドットの合成の容易さから、PbS、またはPbSeであることがより望ましい。PbSの励起子ボーア半径はおよそ18nmであり、量子ドットの平均粒径は、2nm以上15nm以下であることが望ましい。量子ドットの粒径の測定には、透過型電子顕微鏡を用いる。量子ドットの平均粒径を2nm以上とすることで、量子ドットの合成において、量子ドットの結晶成長を制御し易くすることができる。量子ドットの結晶成長を制御することによって、光電変換素子が感度をもつ波長領域を選択することができる。
量子ドット膜としてナノ粒子の集合体を含んで構成される光電変換層133の製造方法は特に限定されない。光電変換層133の膜厚は、特に制限されないが、高い光吸収特性を得る観点から、10nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましい。また、製造し易さの観点から、光電変換層133の膜厚は、800nm以下であることが好ましい。
量子ドットは、ナノ粒子の表面が、有機配位子、好ましくは1,4-ベンゼンジチオール、1,3-ベンゼンジチオールから選ばれる少なくとも一種の有機配位子で配位されていることが好ましい。また、量子ドットは、ナノ粒子の表面に、ヨウ素、塩素、臭素から選ばれる少なくとも一種のハロゲンが添加されていることが好ましい。これらの材料を選択することにより量子ドットの表面の欠陥を保護する作用があり、耐熱性を向上することができる。例えば、170℃以上の耐熱性を獲得することによりオンチップカラーフィルターやオンチップマイクロレンズを形成することが可能となり、カラー化および高感度化を実現することができる。
本発明において、「量子ドット」は、ナノ粒子の表面に有機配位子及びハロゲン配位子が配位している構造を有することが好ましい。
図2は、本実施形態における光電変換素子を示す断面模式図である。図2に示すように、光電変換層133は、量子ドット1と有機化合物2を有する。量子ドットのみで構成された光電変換層を有する光電変換素子においては、球形の量子ドット間に空隙が存在する(Nature Nanotech.vol7, 577-582 (2012))。光電変換層に近赤外光領域に吸収を有する大粒径量子ドットを用いる場合、小粒径の量子ドットと比較すると光電変換層は疎な充填となり、空隙が更に増える。また、特にPbS量子ドットにおいては、粒径が大きくなると量子ドット表面におけるS原子の割合が増大し、配位子により保護されない表面が露出され、酸化及び凝集が起こりやすくなることが知られている。そのため、図2に示すように、空隙を埋めるように有機化合物2を添加することで、量子ドット1の酸化及び凝集を抑制し、暗電流の増大を防ぐことが可能となる。
また、量子ドットを用いた光電変換素子において、量子ドットのバンドギャップの値を設計することで感度を持つ波長帯域を選択することが可能である。例えば図8に示した外部量子効率では、1650nm付近まで長波長側に感度をもっている。長波長側の感度の限界は量子ドットのバンドギャップで決定されており、図8に示した場合は概ね0.75eV程度である。量子ドットのバンドギャップを小さくした場合、従来の技術では材料の凝集が課題となり安定して製品を供給することができない。本発明によって、量子ドットのバンドギャップを0.9eVよりも小さい値に設計することが可能となり、従来技術よりも長波長側の感度帯を拡張した光電変換素子の提供が可能となる。
有機化合物は、下記式(1)、(2)及び(3)を満たす化合物である。
E2>E1・・・式(1)
E1[eV]:光電変換素子の検出する光波長領域の短波長端のエネルギー
E2[eV]:有機化合物のバンドギャップ
μhorg>μhQD・・・式(2)
μhorg[cm2/Vs]:光電変換層における有機化合物の正孔移動度
μhQD[cm2/Vs]:光電変換層における量子ドットの正孔移動度
Iporg≦IpQD+0.2・・・式(3)
Iporg[eV]:有機化合物のイオン化ポテンシャル
IpQD[eV]:量子ドットのイオン化ポテンシャル
式(1)、(2)及び(3)を満たす有機化合物を用いると、暗電子数及び残像が低減される。また、光電変換効率(EQE)も向上する。また、有機化合物の正孔移動度(μhorg)と量子ドットの正孔移動度(μhQD)の比μhorg/μhQDが大きいと暗電子数、残像の低減効果が更に向上する傾向がある。μhorg/μhQDは2以上であることが好ましく、100以上であることがより好ましい。式(1)を満たす有機化合物は、エネルギーの低い量子ドットにおいて電荷のトラップ、再結合が起こりにくくなり、暗電流及び残像の低減が見られる。式(2)を満たす有機化合物は、暗電子数が低減し、正孔輸送性が高いため、残像の改善効果が高い。式(3)を満たす有機化合物は、光電変換層における正孔輸送性の向上に寄与し、暗電流及び残像の改善効果が得られる。
さらに下記式(4)を満たす光電変換素子も暗電流を低減できるので好ましい。
E3<E4-0.2・・・式(4)
E3[eV]:前記有機化合物の電子親和力[eV]
E4[eV]:前記第一の界面層に用いられる材料の電子親和力[eV]
式(4)を満たす第一の界面層132は、電子が光電変換層に蓄積しにくくなるので、暗電流が低減できる。
図3に、本実施形態における光電変換層に用いる量子ドットの光電変換効率スペクトルと、有機化合物の吸収スペクトルの重ね書きの例を示す。図3には、式(1)のE1、E2に対応する波長の位置を示している。光電変換素子の受光範囲は、可視光から近赤外光まで、用途に応じて自由に設定が可能である。可視から近赤外光領域を受光範囲とする場合は、図3(a)のように、バンドギャップE2が大きく短波長領域のみに吸収を持つ化合物が用いられる。また、近赤外光領域のみを受光範囲とする場合は、図3(b)のように、図3(a)よりもバンドギャップE2が小さく、可視領域に吸収を持つ化合物も利用可能となり、化合物の選択肢を広げられる。
また、E2が2.9eVよりも大きな有機化合物を用いる事で、短波長の光に感度をもつ光電変換素子を得ることができる。
有機化合物は、量子ドットに配位しない化合物であることが好ましい。一般的に、量子ドットに配位する化合物として、例えば、孤立電子対を有する化合物、イオン性化合物等が挙げらる。これらの化合物は量子ドット表面の元素と電子を共有して配位結合を形成する可能性がある。そのため、有機化合物は、イオン性化合物でないことが好ましい。また、孤立電子対を有する化合物については、孤立電子対の周囲の立体障害が大きく量子ドット表面への配位が困難な化合物、例えば、3級の芳香族アミンであって、N原子の周囲の立体障害が大きい化合物が好ましい。有機化合物としては、例えば下記O-1、O-2(TFB)、O-3、O-4(poly-TPD)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2022111068000002
有機化合物の含有量は、光電変換層中における量子ドットと有機化合物の合計を100質量%として、0.1質量%以上10質量%未満であることが好ましい。
なお、光電変換層形成時に、配位しなかった未反応の有機配位子が洗浄しきれず残ってしまう場合がある。この未反応の有機配位子は、上記式(1)、(2)及び(3)を満たさない限りは、光電変換層が有する有機化合物に該当しない。例えば、1,4-ベンゼンジチオール、1,3-ベンゼンジチオールは上記式(1)を満たすが、上記式(2)または(3)を満たさない。
<界面層(第一の界面層132、第二の界面層134)>
本発明の光電変換装置は、第一の電極131と光電変換層133との間に、第一の界面層132を有することが好ましい。また、光電変換層133と第二の電極135との間に、第二の界面層134を有することが好ましい。本実施形態の光電変換装置は、第一の界面層132と第二の界面層134とを有する。第一の界面層132は、ホールブロック界面層または正孔阻止層であってよい。第二の界面層134は、電子ブロック界面層または電子阻止層であってよい。
光電変換層133と複数の第一の電極131との間に第一の界面層132が配されている。図1では、互いに分離された二つの界面層が示されている。光電変換層133と第二の電極135との間に第二の界面層134が配されている。
界面層は、電極と光電変換層133との間で一部のキャリアつまりホールもしくは電子に関して電気的絶縁を確保するための層である。また、界面層は、電極と光電変換層133との間で他方のキャリアに関しては導通を確保する層である。したがって界面層は、キャリア注入阻止層ともいえる。また、界面層は、密着層としても機能することが可能であり、電極と光電変換層133との濡れ性が悪いために起こる膜剥がれを抑制しうる。したがって、膜剥がれ抑制という観点からは、界面層は光電変換層133との接触面積を大きくとるため全面に成膜されていることが好ましい。通常は、正孔を捕集する電極(正極)には、電子をブロックして正孔のみ伝導する層(電子ブロック界面層)を、電子を捕集する電極(負極)には、正孔をブロックして電子のみ伝導する層(ホールブロック界面層)を形成することができる。
第一の界面層132(ホールブロック界面層)に求められる機能は、光電変換層133から分離された正孔をブロックし、電子を第一の電極131(負極)に輸送することである。そのため、その材料は、電子移動度が高いこと、電気伝導率が高いこと、負極との間の電子注入障壁が小さいこと、光電変換層133からホールブロック界面層への電子注入障壁が小さいこと、などの性質を有することが好ましい。また、負極側から光を照射する構成や負極側から反射した光を有効に利用することも考えられ、その場合には透過率も高い必要がある。第一の界面層132を設けることで、光電変換効率EQEの向上と暗電子の低減を図ることができる。
このような観点から、ホールブロック界面層材料の好適な例を挙げると、酸化チタンTiO2、酸化亜鉛ZnO、インジウム-ガリウム-亜鉛酸化物IGZO(InGaZnO4)、酸化モリブデンMoO3等の無機半導体などのN型半導体材料や、フラーレンC60などのN型半導体材料が挙げられる。特に酸化物系の無機半導体は成膜時条件もしくは成膜後のプロセス処理によって酸化度を制御することで電気導電性を容易に変えることができる。
第二の界面層134(電子ブロック界面層)の材料としては、光電変換層133で生成した正孔を効率よく第二の電極135(正極)へ輸送できるものが好ましい。その材料は、正孔移動度が高いこと、電気伝導率が高いこと、正極との間の正孔注入障壁が小さいこと、光電変換層133から電子ブロック界面層への正孔注入障壁が小さいこと、などの性質を有することが好ましい。さらに、電子ブロック界面層を通して光電変換層133に光を取り込む場合には、電子ブロック界面層の材料として、透明性の高い材料を用いることが好ましい。可視光を光電変換層133に取り込む場合には、透明な電子ブロック界面層材料としては、透過する可視光の透過率が、通常60%以上、中でも80%以上となるものを用いることが好ましい。このような観点から、電子ブロック界面層材料として、酸化モリブデンMoO3、酸化ニッケルNiO等の無機半導体もしくはトリフェニルアミン部位等のトリアリールアミン部位やフルオレン部位を有する有機材料などが挙げられる。第二の界面層134を設けることで、光電変換効率EQEの向上と暗電子の低減を図ることができる。
界面層の膜厚は1nm程度以上100nm程度以下で形成する。界面層は、膜厚方向に対する電界印加で電荷の注入が制御できるが、膜厚に対して水平方向には、電荷が自由に動くことが可能である。界面層の膜としての電気伝導率が高い場合には、単位セル間のリーク電流やクロストークとして生じうる。
<その他の層>
図1において、第二の電極135の上には、Z方向に沿って、絶縁層136と、カラーフィルタ層137と、平坦化層138と、レンズ層139とがこの順に配されている。絶縁層136は、保護層や封止層として機能しうる。カラーフィルタ層137は、複数の色に対応したカラーフィルタを有する。例えば、1つの単位セル120は、1つのカラーフィルタを含む。平坦化層138は、カラーフィルタ層137の上に配され、平坦な上面を有する。レンズ層139は、複数のマイクロレンズを有する。例えば、1つの単位セル120は、1つのマイクロレンズを含む。
≪光電変換素子及び光電変換装置の製造方法≫
本実施形態の光電変換素子及び光電変換装置の製造方法について図1を用いて説明する。
<基板100>
まず、配線構造体106が形成された基板100を準備する工程について説明する。半導体基板である基板100に、素子分離部113と、トランジスタ101を形成する。素子分離部113は、例えばSTI構造(Shallow Trench Isolation)を有する。トランジスタ101は、例えばN型のMOSトランジスタであり、ゲート電極104、ゲート絶縁膜103、ソース・ドレイン領域102、ソース・ドレイン領域105からなる。ソース・ドレイン領域102、105は、N型の半導体領域からなる。
<配線構造体106>
次に、基板100の上に配線構造体106を形成する。コンタクトプラグ107、ビアプラグ109、ビアプラグ111は、金属、例えばAl、Cu、W、Ti、TiN等から選ばれた材料からなり、本実施形態では、チタンと窒化チタンとタングステンの積層構造を有しうる。配線層108と配線層110は、金属、例えばAl、Cu、W、Ti、TiN等から選ばれた材料からなり、本実施形態では、タンタルと銅の積層構造を有しうる。絶縁膜112は、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの膜からなる。
<第一の電極131>
次に、ビアプラグ111の上に、第一の電極131を形成する。第一の電極131は、10nm程度以上500nm程度以下の厚みに形成される。第一の電極131を形成後に、絶縁膜112を形成する構成を有していてもよい。その際には、絶縁膜112と第一の電極131の上面高さが一致するように平坦化処理が行われる。平坦化処理は、エッチングあるいはCMP(Chemical Mechanical Polishing)法で行われる。これらの製造方法については、一般的な半導体プロセスが適用できる。
<第一の界面層132>
その後、絶縁膜112と第一の電極131の上に第一の界面層132となる膜を形成する。第一の界面層132となる膜は、上述の材料からなり、例えば、蒸着法やスパッタ法により、1nm程度以上100nm程度以下の厚みになるよう堆積される。第一の界面層132の膜厚が薄い場合には、光電変換層133に印加する電圧を下げることができる。一方、第一の界面層132の膜厚が厚い場合には、トンネル効果によりホールが通過してしまうことを低減でき、また、ピンホールなどの膜欠陥を避けることができる。例えば、第一の界面層132の膜厚を第一の電極131の表面の凹凸よりも厚くすることで、第一の界面層132の欠陥を低減することができる。これらの観点を考慮して、第一の界面層132の膜厚は適宜、設定されうる。
ここでは第一の界面層132の材料として酸化チタン(TiO2)を例として説明する。一例としてスパッタリング装置を用いてTiO2ターゲットに対して、所定のRFパワー,アルゴンガス流量、チャンバー圧力で所望の厚みでTiO2を成膜する。
<光電変換層133>
続いて、光電変換層133を形成する。具体的には、化合物半導体のナノ粒子である量子ドットと有機化合物を基板全面に堆積し、光電変換層133を形成する。ここでは、量子ドットとして硫化鉛(PbS)を用いた例を示す。硫化鉛(PbS)の量子ドットは、例えば次のような手順で合成することができる。
[合成工程]
三口フラスコに酸化鉛(PbO)、オクタデセン、オレイン酸を投入し、オイルバスにセットする。オイルバスを所定温度に設定し、フラスコ内を窒素雰囲気にして、反応時の量子ドットの酸化を防ぐために所定の流量で窒素フローを実施する。投入時の薄黄色の溶液が透明の溶液に変わるまで撹拌を行う。別途、窒素雰囲気のグローブボックス内で硫黄源であるビストリメチルシリルスルフィドのオクタデセン溶液をシリンジに準備しておく。この硫黄源を三口フラスコ内で透明になった溶液に急速添加する。添加後に三口フラスコをオイルバスから外し、自然放冷を経て室温に到達したところで、次の精製工程に移る。なお、溶液は黒色であり、オレイン酸で表面保護された硫化鉛(PbS)の量子ドットの生成が確認できる。
[精製工程]
合成工程で得られた量子ドットのオクタデセン分散液を三口フラスコから遠沈管に移す。これに極性溶媒であるアセトンを添加することで、量子ドットはオクタデセン中での安定分散が困難な状態となり、これを遠心分離機で遠心分離することで量子ドットを沈殿させる。遠心分離機から遠沈管を取り出し、上澄みの透明なアセトンを捨てたのち遠沈管の底部に沈殿した量子ドットに対して非極性溶媒であるトルエンを添加する。トルエン添加後、遠沈管を振とうすることで、量子ドットをトルエンに再分散させる。再度、このトルエン分散液にアセトンを添加し、遠心分離をかけて沈殿させる。このアセトンによる沈殿とトルエンによる再分散を3回繰り返すことで、量子ドット分散液を精製し、量子ドットのトルエン分散液を得る。なお、量子ドットの沈殿に用いた極性溶媒はメタノールやエタノールなどでも良いが、量子ドットを保護しているオレイン酸への影響、すなわち量子ドット表面からの脱離が少ないものが好ましい。
[塗布液作成工程]
精製工程で得られた量子ドットのトルエン分散液にアセトンを添加し、同様に遠心分離して沈殿させる。最終的に、量子ドットをトルエンではなく所定の濃度となるようにオクタンに再分散させたものを量子ドット塗布液として使用する。
[量子ドット膜の形成工程]
まず、上記の量子ドット塗布液を基板の中央に滴下し、スピンコートする。スピンコート後の量子ドット膜は分子長の長いオレイン酸で保護された量子ドットの集合体であるため、量子ドット間の間隔が大きく、光照射で発生するフォトキャリアの伝導性に乏しく、光電変換機能が低い傾向にある。ここでは、この膜を「オレイン酸保護量子ドット膜」と呼ぶ。
そこで、オレイン酸から分子長の短い配位子に配位子交換を行うことが好ましい。ここでは、有機の配位子として1,4-ベンゼンジチオールを用いる。配位子交換のための配位子溶液として、1,4-ベンゼンジチオールのN,N-ジメチルホルムアミド溶液を使用する。有機配位子での配位子交換後に無機配位子としてハロゲン(ヨウ素、塩素、臭素)を添加することもできる。例えば、ヨウ化鉛のN,N-ジメチルホルムアミド溶液を使用することができる。
配位子交換は上記の配位子溶液を基板上に成膜されたオレイン酸保護量子ドット膜上に塗布することで実施する。具体的には、配位子溶液をオレイン酸保護量子ドット膜上に全面塗布し、所定時間、配位子交換反応を行う。反応時間は使用する配位子溶液の濃度を鑑みて適宜、変更してもよい。所定反応時間後、基板を一定時間回転させることで液を振り切り、乾燥させる。配位子交換後には、膜に残留する過剰な配位子を除くために配位子が溶解する溶媒であるアセトニトリルあるいはメタノールでリンスする。さらに、量子ドットから脱離したオレイン酸を除去するためオクタンにてリンスすることで、オレイン酸保護量子ドット膜のオレイン酸が脱離し所定の配位子に交換されて1,4-ベンゼンジチオール量子ドット膜となる。この際、配位子交換後の1,4-ベンゼンジチオール量子ドット膜の膜厚は40nm以上60nm以下であった。
なお、有機配位子としては1,4-ベンゼンジチオールに限定されるものではなく、エタンジチオール、1,3-ベンゼンジチオール、4-メチル安息香酸、ベンゼンジアミンおよびジベンゼンジアミンを含む有機化合物などの配位子から選択される少なくとも1種の配位子であってもよい。とくに、ベンゼン環を含むベンゼンジチオールなどの配位子は沸点が200℃を超えるために、140℃以上の高温となっても配位子の量子ドット表面からの脱離分解や揮発が抑制されるため、量子ドット膜としての耐熱性が高い。また、3-メルカプトプロピオン酸といった配位子も選びうるが、耐熱性の観点よりベンゼン環を有する配位子が好ましい。
これら有機配位子での配位子交換後に、上記と同様の配位子交換手順により、ヨウ化鉛と有機化合物のN,N-ジメチルホルムアミド混合溶液を用いて量子ドットへのヨウ素配位子の配位及び光電変換層への有機化合物添加を実施する。有機化合物の添加は、ヨウ素配位子の配位とは別に行っても良い。
この配位子交換後の量子ドット膜(40nm乃至60nm厚)の上に再び、オレイン酸保護量子ドット膜の形成、配位子交換、有機化合物添加、リンスを繰り返すことで所望の膜厚のヨウ素添加1,4-ベンゼンジチオール量子ドット膜を形成することができる。
<第二の界面層134>
その後、光電変換層133の上に第二の界面層134となる膜を形成する。第二の界面層134となる膜は、上述の材料からなり、例えば、蒸着法やスパッタ法により、1nm程度以上100nm程度以下の厚みになるよう堆積される。第二の界面層134の膜厚が薄い場合には、光電変換層133に印加する電圧を下げることができる。一方、第二の界面層134の膜厚が厚い場合には、トンネル効果により電子が通過してしまうことを低減でき、また、ピンホールなどの膜欠陥を避けることができる。例えば、第二の界面層134の膜厚を第二の電極135の表面の凹凸よりも厚くすることで、第二の界面層134の欠陥を低減することができる。これらの観点を考慮して、第二の界面層134の膜厚は適宜、設定されうる。
<第二の電極135>
その後、第二の電極135を形成する。詳細には、ITO、IZO、又はZnO等を第二の界面層134上に堆積し、第二の電極135を形成する。
<アニール処理>
形成したデバイスは、光電変換効率の向上や、キャリア注入の改善のためにアニール処理を行う。アニール温度については、各層に用いられている材料の耐熱性により決定されるが、少なくとも用いられている有機化合物のうち最も低いガラス転移温度よりも低いことが好ましい。また、各プロセスで印加されうる温度に十分な耐久性を有するため、有機材料のガラス転移温度は少なくとも100℃以上が望ましい。
<その他の層>
そして、絶縁層136、カラーフィルタ層137、平坦化層138、レンズ層139を順次形成する。これらの製造方法は、一般の半導体装置の製造方法が適用できる。
≪残像評価について≫
残像とは、1回の走査で電荷を完全転送できずに次の走査時にも残ってしまう現象である。入射している光の強度が急に変化した際に追随できず、実際の動画撮影時には、尾を引いたような画となるため、残像はできる限り少なくすべきである。残像の原因として、光電変換装置のうち、第二の電極135と第一の電極131に挟まれた光電変換素子構造に起因するか否かについては、以下のように電流値の過渡応答を測定することにより評価可能である。
図4は光電変換素子の光照射の有無による過渡応答の測定例である。まず、光照射の無い状態で、暗電流が安定するまで一定時間通電したときの暗電流の値をaとする。次に光照射を行い、一定時間経過した後の光電流の値をbとする。その後光を消灯し、短時間経過後の暗電流の値をc、さらに時間経過後の値をdとする。
本発明においては以下の式(5)により残像を数値化する。
残像(%)=|{(cまたはd)-a}|/|(b-a)|・・・(5)
図4において「両矢印(⇔)」で示されている電流が、観測される残像に相当する。残像には、図4(a)で示されるような、光照射終了直後の暗電流が、初期暗電流より増えている「白浮き」と、図4(b)で示されるような、光照射終了直後の暗電流が、初期暗電流より減っている「黒沈み」の2種類がある。
過渡応答測定時の印加電圧は、光電変換装置を駆動する際に電極間に印加される最大電圧が望ましいが、下限値が存在する。図5に主な光電変換素子の各照射光波長における電圧-電流曲線を示す。電圧-電流曲線が立ち上がり、飽和して曲線の傾きが減少し始めるところが下限値となる。照射波長によるその下限値は異なり、そのすべてを包含するため、下限値は1Vが望ましい。
≪光電変換素子の用途例≫
<受光素子、画像センサー等の光電変換装置>
本発明の一実施形態に係る光電変換素子は、受光素子、画像センサー等の光電変換装置に用いられてよい。受光素子は光電変換素子と、光電変換素子から電荷を読み出す読み出し回路と、読み出し回路から電荷を受け取り、信号処理する信号処理回路とを有する。画像センサーは、複数の画素と、画素に接続されている信号処理回路とを有し、画素は、光電変換素子と、光電変換素子に接続されている読み出し回路とを有する。
<撮像装置>
本発明の一実施形態に係る光電変換素子は、撮像装置に用いられてよい。撮像装置は、複数のレンズを有する光学系と、光学系を透過した光を受光する受光素子と、を有し、受光素子が光電変換素子を有する受光素子である。撮像装置は、具体的には、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラであってよい。
図6は、本発明の一実施形態に係る光電変換素子を用いた撮像システムの一例を示す図である。撮像システム200は、図6に示すように、光電変換装置201、撮像光学系202、CPU210、レンズ制御部212、光電変換装置制御部214、画像処理部216、絞りシャッタ制御部218、表示部220、操作スイッチ222、記録媒体224を備える。
撮像光学系202は、被写体の光学像を形成するための光学系であり、レンズ群、絞り204等を含む。絞り204は、その開口径を調節することで撮影時の光量調節を行なう機能を備えるほか、静止画撮影時には露光秒時調節用シャッタとしての機能も備える。レンズ群及び絞り204は、光軸方向に沿って進退可能に保持されており、これらの連動した動作によって変倍機能(ズーム機能)や焦点調節機能を実現する。撮像光学系202は、撮像システムに一体化されていてもよいし、撮像システムへの装着が可能な撮像レンズでもよい。
撮像光学系202の像空間には、その撮像面が位置するように光電変換装置201が配置されている。光電変換装置201は、本発明の一実施形態に係る光電変換装置であり、CMOSセンサ(画素部)とその周辺回路(周辺回路領域)とを含んで構成される。光電変換装置201は、複数の光電変換部を有する画素が2次元配置され、これらの画素に対してカラーフィルタが配置されることで、2次元単板カラーセンサを構成している。光電変換装置201は、撮像光学系202により結像された被写体像を光電変換し、画像信号や焦点検出信号として出力する。
レンズ制御部212は、撮像光学系202のレンズ群の進退駆動を制御して変倍操作や焦点調節を行うためのものであり、その機能を実現するように構成された回路や処理装置により構成されている。絞りシャッタ制御部218は、絞り204の開口径を変化して(絞り値を可変として)撮影光量を調節するためのものであり、その機能を実現するように構成された回路や処理装置により構成される。
CPU210は、カメラ本体の種々の制御を司るカメラ内の制御装置であり、演算部、ROM、RAM、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ、通信インターフェイス回路等を含む。CPU210は、ROM等に記憶されたコンピュータプログラムに従ってカメラ内の各部の動作を制御し、撮像光学系202の焦点状態の検出(焦点検出)を含むAF、撮像、画像処理、記録等の一連の撮影動作を実行する。CPU210は、信号処理部でもある。
光電変換装置制御部214は、光電変換装置201の動作を制御するとともに、光電変換装置201から出力された信号をA/D変換してCPU210に送信するためのものであり、それら機能を実現するように構成された回路や制御装置により構成される。A/D変換機能は、光電変換装置201が備えていてもかまわない。画像処理部216は、A/D変換された信号に対してγ変換やカラー補間等の画像処理を行って画像信号を生成するためのものであり、その機能を実現するように構成された回路や制御装置により構成される。表示部220は、液晶表示装置(LCD)等の表示装置であり、カメラの撮影モードに関する情報、撮影前のプレビュー画像、撮影後の確認用画像、焦点検出時の合焦状態等を表示する。操作スイッチ222は、電源スイッチ、レリーズ(撮影トリガ)スイッチ、ズーム操作スイッチ、撮影モード選択スイッチ等で構成される。記録媒体224は、撮影済み画像等を記録するためのものであり、撮像システムに内蔵されたものでもよいし、メモリカード等の着脱可能なものでもよい。
このようにして、本発明の一実施形態に係る実施形態による光電変換装置201を適用した撮像システム200を構成することにより、高性能の撮像システムを実現することができる。
<移動体>
本発明の一実施形態に係る光電変換素子は、移動体に用いられてよい。移動体は撮像装置が設けられた機体と、機体を移動させる移動手段を有する。具体的には自動車、航空機、船舶、ドローンなどがあげられる。撮像装置を移動体に設けることで周囲の状況を撮像して、移動体の操作のサポートを行ってよい。機体は金属や炭素繊維で形成することができる。炭素繊維としてはポリカーボネート等を用いてよい。移動手段は、タイヤ、磁気による浮遊、燃料を気化させ噴射する機構等があげられる。
図7A及び図7Bは、本実施形態による撮像システム及び移動体の構成を示す図である。
図7Aは、車載カメラに関する撮像システム300の一例を示したものである。撮像システム300は、撮像装置310を有する。撮像装置310は、本実施形態に記載の撮像装置である。撮像システム300は、撮像装置310により取得された複数の画像データに対し、画像処理を行う処理装置である画像処理部312を有する。また、撮像システム300は、撮像装置310により取得された複数の画像データから視差(視差画像の位相差)の算出を行う処理装置である視差取得部314を有する。また、撮像システム300は、算出された視差に基づいて対象物までの距離を算出する処理装置である距離取得部316と、算出された距離に基づいて衝突可能性があるか否かを判定する処理装置である衝突判定部318と、を有する。ここで、視差取得部314や距離取得部316は、対象物までの距離情報等の情報を取得する情報取得手段の一例である。すなわち、距離情報とは、視差、デフォーカス量、対象物までの距離等に関する情報である。衝突判定部318はこれらの距離情報のいずれかを用いて、衝突可能性を判定してもよい。上述した各種の処理装置は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールに基づいて演算を行う汎用のハードウェアによって実現されてもよい。また、処理装置は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
撮像システム300は、車両情報取得装置320と接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの車両情報を取得することができる。また、撮像システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、車両に対して制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置である制御ECU330が接続されている。すなわち、制御ECU330は、距離情報に基づいて移動体を制御する移動体制御手段の一例である。また、撮像システム300は、衝突判定部318での判定結果に基づいて、ドライバーへ警報を発する警報装置340とも接続されている。例えば、衝突判定部318の判定結果として衝突可能性が高い場合、制御ECU330はブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置340は音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムなどの画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。
本実施形態では、車両の周囲、例えば前方又は後方を撮像システム300で撮像する。図7Bに、車両前方(撮像範囲350)を撮像する場合の撮像システム300を示した。車両情報取得装置320は、撮像システム300を動作させ撮像を実行させるように指示を送る。本実施形態の撮像装置を撮像装置310として用いることにより、本実施形態の撮像システム300は、測距の精度をより向上させることができる。
以上の説明では、他の車両と衝突しないように制御する例を述べたが、他の車両に追従して自動運転する制御、車線からはみ出さないように自動運転する制御等にも適用可能である。更に、撮像システムは、自動車等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機あるいは産業用ロボットなどの移動体(輸送機器)に適用することができる。移動体(輸送機器)における移動装置はエンジン、モーター、車輪、プロペラなどの各種の移動手段である。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に記載の範囲内に限定されるものではない。本実施例では、次のような光電変換素子を作製し、素子特性を評価した。なお、本実施例は、種々の組み合わせの素子の特性を評価することで暗電流及び残像が減少することの効果を示すためのものである。したがって、次に示す素子内の各層の材料、膜厚、層構成は一例であるので、本発明はここで開示された実施例のみに限定されない。
≪実施例1≫
本実施例における光電変換素子は、Si基板の上に、電子捕集電極(第一の電極)、正孔阻止層(第一の界面層)、光電変換層、電子阻止層(第二の界面層)、正孔捕集電極(第二の電極)の順に積層し形成されている。受光範囲は450nmから1700nmに設定する。すなわち、光電変換素子の検出する光波長領域の短波長端(450nm)のエネルギーE1=2.76eVである。また、本実施例で用いた量子ドットのイオン化ポテンシャル(IpQD)は5.3eVである。
まず、配線層、絶縁層が積層されており各画素に対応する箇所に配線層からコンタクトホールが絶縁層に開口を設けて導通可能なように形成されているSi基板を準備した。該コンタクトホールは配線によって基板端まで引き出されパッド部が形成されている。このコンタクトホール部に重なるようにTiN電極を成膜し所望のパターニングを行い0.64mm2となるTiN電極(電子捕集電極)を形成した。このときTiN電極の膜厚を60nmとする。
電子捕集電極を形成したSi基板上に、上記の順で、表1に示す構成材料、膜厚で素子を作製した。作製した素子は、100℃で1時間アニール処理を行う。
Figure 2022111068000003
正孔阻止層、光電変換層、電子阻止層、正孔捕集電極の具体的製法は以下の通りである。
<正孔阻止層(第一の界面層)>
スパッタリング装置を用いてTiO2ターゲットに対して、RFパワー500W,アルゴンガス100sccm、チャンバー圧力0.5Paの条件で50nm厚のTiO2を成膜した。
<光電変換層>
[合成工程]
三口フラスコに酸化鉛(PbO)892mg、オクタデセン40mL、オレイン酸4mLを投入し、オイルバスにセットした。オイルバスの設定温度は90℃であり、フラスコ内を窒素雰囲気にして、反応時の量子ドットの酸化を防ぐために0.5L/minの流量で窒素フローを実施した。投入時の薄黄色の溶液が透明の溶液に変わるまで30分以上撹拌を行った。別途、窒素雰囲気のグローブボックス内で硫黄源である1.9mMビストリメチルシリルスルフィドのオクタデセン溶液20mLをシリンジに準備しておく。この硫黄源を三口フラスコ内で透明になった溶液に急速添加した。添加1分後に三口フラスコをオイルバスから外し、2時間の自然放冷を経て室温に到達したところで、次の精製工程に移った。なお、溶液は黒色であり、オレイン酸で表面保護された硫化鉛(PbS)の量子ドットの生成が確認できた。
[精製工程]
合成工程で得られた量子ドットのオクタデセン分散液を三口フラスコから遠沈管に移した。これに極性溶媒であるアセトンを添加することで、量子ドットはオクタデセン中での安定分散が困難な状態となり、これを遠心分離機で遠心分離することで量子ドットを沈殿させた。なお、遠心分離条件は17,000rpmで20分である。遠心分離機から遠沈管を取り出し、上澄みの透明なアセトンを捨てたのち遠沈管の底部に沈殿した量子ドットに対して非極性溶媒であるトルエンを添加した。トルエン添加後、遠沈管を振とうすることで、量子ドットをトルエンに再分散させた。再度、このトルエン分散液にアセトンを添加し、15,000rpmで5分の遠心分離をかけて沈殿させた。このアセトンによる沈殿とトルエンによる再分散を3回繰り返すことで、量子ドット分散液を精製し、量子ドットのトルエン分散液を得た。
[塗布液作成工程]
精製工程で得られた量子ドットのトルエン分散液にアセトンを添加し、同様に遠心分離して沈殿させた。最終的に、量子ドットをトルエンではなく濃度80mg/mLとなるようにオクタンに再分散させたものを量子ドット塗布液として使用する。
[量子ドット膜の形成工程]
まず、上記の量子ドット塗布液1mLを基板の中央に滴下し、2,500rpm30秒のスピンコート条件でスピンコートした。スピンコート後の量子ドット膜はオレイン酸保護量子ドット膜(分子長の長いオレイン酸で保護された量子ドットの集合体)である。
次に、オレイン酸から分子長の短い配位子に配位子交換を行った。ここでは、有機の配位子として1,4-ベンゼンジチオールを用いた。配位子交換のための配位子溶液として、3mM1,4-ベンゼンジチオールのN,N-ジメチルホルムアミド溶液を使用した。
配位子溶液20mLをオレイン酸保護量子ドット膜上に全面塗布し、30秒間、配位子交換反応を行った。その後、基板を2,000rpmで60秒間回転させることで液を振り切り、乾燥させた。配位子交換後には、膜に残留する過剰な配位子を除くために配位子が溶解する溶媒であるアセトニトリルあるいはメタノールでリンスした。さらに、量子ドットから脱離したオレイン酸を除去するためオクタンにてリンスすることで、オレイン酸保護量子ドット膜のオレイン酸が脱離し所定の配位子に交換されて1,4-ベンゼンジチオール量子ドット膜となった。この際、配位子交換後の1,4-ベンゼンジチオール量子ドット膜の膜厚は40nm以上60nm以下であった。
また、これら有機配位子での配位子交換後に上記と同様の配位子交換手順により、ヨウ化鉛と有機化合物のN,N-ジメチルホルムアミド混合溶液(ヨウ化鉛10mM、有機化合物5mg/mL)20mLを用いて量子ドットへのヨウ素配位子の配位及び光電変換層への有機化合物添加を実施した。
この配位子交換後の量子ドット膜(40nm乃至60nm厚)の上に再び、オレイン酸保護量子ドット膜を形成、配位子交換、有機化合物添加、リンスを繰り返すことで所望の膜厚のヨウ素添加1,4-ベンゼンジチオール量子ドット膜を形成した。なお、本実施例では、これを4回繰り返すことで4層分の量子ドット膜(200nm厚)とした。
<電子阻止層(第二の界面層)>
蒸着装置を用いて、チャンバー圧力2.0×10-4Paの条件で15nm厚のMoO3を成膜した。
<正孔捕集電極(第二の電極)>
スパッタリング装置を用いて、ITOターゲットに対して、DC400V,アルゴンガス300sccm、チャンバー圧力0.5Paの条件で40nm厚のITOを成膜した。
<外部量子効率、暗電子数>
作製した素子を用い、外部量子効率(EQE)及び暗電子数を測定した。電圧印加及び電流測定には、半導体パラメータアナライザー(4156B、Agilent社製)を用いた。光照射には、分光計器製高精度分光測定器VC-250CA2を用いた。
図8に本実施例により作製した光電変換素子の外部量子効率を示す。
暗電子数(25℃)は、個/sec・μm2を単位とする。
外部量子効率及び暗電子数は、いずれも印加電圧2Vでの評価としている。
なお、暗電子数の評価の基準は以下の通りとし、A判定以上を良好、B及びC判定を不良とした。
AA:20,000個/sec・μm2未満。
A:20,000個/sec・μm2以上50,000個/sec・μm2未満。
B:50,000個/sec・μm2以上100,000個/sec・μm2未満。
C:100,000個/sec・μm2以上。
<残像評価>
作製した素子を用い、デバイスの光照射の有無による電流の過渡応答を測定した。測定条件は、電圧印加開始から光を消灯した状態で5分間通電した後に、4分間光照射を行い、再び消灯して1分間、とした。印加電圧は3Vに設定した。前述の式(5)におけるcは10秒後、dは60秒後とした。電圧印加及び電流測定には、半導体パラメータアナライザー(4156B、Agilent社製)を用いた。光照射には、面発光白色LED(TH-100X100SW、シーシーエス株式会社製)を用いた。
なお、残像の評価の基準は以下の通りとし、A判定以上を良好、B及びC判定を不良とした。
AA:光消灯後10秒後及び60秒後の残像が3%未満。
A:光消灯後10秒後及び60秒後の残像が3%以上5%未満。
B:光消灯後10秒後及び60秒後の残像が5%以上8%未満。
C:光消灯後10秒後及び60秒後の残像が8%以上。
≪実施例2乃至4、比較例1乃至4≫
光電変換層に含まれる有機化合物を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして光電変換素子を作製し、評価した。結果を表2に示す。比較例2乃至5で使用した化合物を以下に示す。
Figure 2022111068000004
Figure 2022111068000005
実施例1乃至4は、式(1)、(2)及び(3)を満たす有機化合物を用いた例である。即ち、有機化合物O-1乃至O-4は、E2>2.76eV(E1)であり、μhorg/μhQD>1であり、Iporg≦5.5eV(IpQD(5.3eV)+0.2)である。実施例1乃至4においては、暗電子数及び残像がいずれもA評価以上の特性が得られている。また、光電変換効率(EQE)も向上している。また、有機化合物の正孔移動度(μhorg)と量子ドットの正孔移動度(μhQD)の比μhorg/μhQDが大きいと暗電子数、残像の評価値が更に向上する傾向がある。
また、実施例1乃至4は、式(4)をも満たす例である。第一の界面層であるTiO2の電子親和力(E4)は4.3eVであり、実施例1乃至4は、E3<4.1eV(E4(4.3eV)-0.2)を満たすものであるので、式(4)を満たし、暗電流が低減されている。
比較例1は、有機化合物の添加がなく、暗電子数及び残像の低減が見られない。
比較例2及び3は、式(1)を満たさない有機化合物を用いた例であり、光電変換素子の受光範囲に有機化合物の吸収範囲が含まれる例である。比較例2及び3は、エネルギーの低い量子ドットにおいて電荷のトラップ、再結合が起こりやすくなり、暗電流及び残像の低減が見られず、また光電変換効率が低下している。
比較例4は、式(1)を満たすが式(2)を満たさない有機化合物を用いた例である。有機化合物の添加により量子ドットが分散し、暗電子数は多少低減するが、正孔輸送性が劣るため、残像の改善効果が限定的である。
比較例5は、式(1)を満たすが式(3)を満たさない有機化合物を用いた例である。有機化合物O-8は、HOMO準位の絶対値(Iporg)が量子ドットのHOMO準位(IpQD)+0.2(eV)より小さいいため、光電変換層における正孔輸送性の向上には寄与せず、暗電流及び残像の改善効果が十分に得られない。
1:量子ドット、2:有機化合物、131:第一の電極、132:第一の界面層、133:光電変換層、134:第二の界面層、135:第二の電極、136:絶縁層、137:カラーフィルタ層、139:レンズ層

Claims (18)

  1. 第一の電極と、光電変換層と、第二の電極と、をこの順で有する光電変換素子であって、
    前記光電変換層は、量子ドットと有機化合物を有し、
    下記式(1)、(2)及び(3)を満たすことを特徴とする光電変換素子。
    E2>E1・・・式(1)
    E1[eV]:前記光電変換素子の検出する光波長領域の短波長端のエネルギー
    E2[eV]:前記有機化合物のバンドギャップ
    μhorg>μhQD・・・式(2)
    μhorg[cm2/Vs]:前記光電変換層における前記有機化合物の正孔移動度
    μhQD[cm2/Vs]:前記光電変換層における前記量子ドットの正孔移動度
    Iporg≦IpQD+0.2・・・式(3)
    Iporg[eV]:前記有機化合物のイオン化ポテンシャル
    IpQD[eV]:前記量子ドットのイオン化ポテンシャル
  2. 前記第一の電極と前記光電変換層との間に、第一の界面層を有することを特徴とする請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 下記式(4)を満たすことを特徴とする請求項2に記載の光電変換素子。
    E3<E4-0.2・・・式(4)
    E3[eV]:前記有機化合物の電子親和力[eV]
    E4[eV]:前記第一の界面層に用いられる材料の電子親和力[eV]
  4. 前記第一の界面層が、TiO2、ZnO、InGaZnO4、MoO3のうち少なくとも一つを有することを特徴とする請求項2または3に記載の光電変換素子。
  5. 前記光電変換層と前記第二の電極との間に、第二の界面層を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  6. 前記第二の界面層が、MoO3、NiO、もしくはトリアリールアミン部位またはフルオレン部位を有する有機材料のうち少なくとも一つを有することを特徴とする請求項5に記載の光電変換素子。
  7. 前記量子ドットはナノ粒子を有し、前記ナノ粒子は、PbS、PbSe、PbTe、InP、InAs、CdS、CdSeまたはCdTeを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  8. 前記量子ドットはナノ粒子を有し、前記ナノ粒子の表面が、1,4-ベンゼンジチオール、1,3-ベンゼンジチオールから選ばれる少なくとも一種の有機配位子で配位されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  9. 前記量子ドットはナノ粒子を有し、前記ナノ粒子の表面に、ヨウ素、塩素、臭素から選ばれる少なくとも一種のハロゲンが添加されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載の光電変換素子。
  10. 前記第一の電極が、チタンもしくは窒化チタンを有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  11. 前記E2が2.9eVよりも大きいことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  12. 前記量子ドットのバンドギャップが0.9eVよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  13. 前記有機化合物は、下記化合物から選ばれる少なくとも一種を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光電変換素子。
    Figure 2022111068000006
  14. 前記第一の電極または前記第二の電極の上に、封止層、レンズ層、カラーフィルタ層から選ばれる少なくとも一つの層を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光電変換素子。
  15. 複数の画素と、前記画素に接続されている信号処理回路と、を有し、前記画素は、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光電変換素子と、前記光電変換素子に接続されている読み出し回路とを有することを特徴とする画像センサー。
  16. 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光電変換素子と、前記光電変換素子から電荷を読み出す読み出し回路と、前記読み出し回路から電荷を受け取り、信号処理する信号処理回路とを有することを特徴とする受光素子。
  17. 複数のレンズを有する光学系と、前記光学系を透過した光を受光する受光素子と、を有し、前記受光素子が、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光電変換素子を有することを特徴とする撮像装置。
  18. 撮像装置が設けられた機体と、前記機体を移動させる移動手段とを有し、前記撮像装置が、請求項17に記載の撮像装置であることを特徴とする移動体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024085018A1 (ja) * 2022-10-18 2024-04-25 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 光検出素子
WO2024162010A1 (ja) * 2023-01-30 2024-08-08 富士フイルム株式会社 光検出素子の製造方法およびイメージセンサの製造方法

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