JP2022109097A - アリ防除用空間処理エアゾール製品及びアリ防除方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の害虫に対する高い効力を安価に得ることができる空間処理エアゾール製品を提供するする。【解決手段】アリ防除用空間処理エアゾール製品は、プラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンから選ばれる少なくとも一種の有効成分及び溶剤を含有する原液と、原液を噴射するための噴射剤と、原液及び噴射剤を収容するエアゾール容器と、エアゾール容器に取り付けられ、エアゾール容器内に収容された原液及び噴射剤の1回当たりの噴射量を定量とする定量噴射バルブとを備えている。原液中の有効成分濃度が10w/v%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、有効成分を空間に噴霧することによってアリを防除するアリ防除用空間処理エアゾール製品及びアリ防除方法に関する。
例えば特許文献1には、匍匐害虫防除用化合物及び有機溶剤を含有するエアゾール原液と噴射剤を、1回当たりの噴射量が1.0~5.0mlである定量噴射バルブから噴射することによって害虫、ダニを防除する方法が開示されている。特許文献1の匍匐害虫防除用化合物は、30℃における蒸気圧が1×10-4mmHg未満である難揮散性化合物であり、エアゾール原液の比重は0.85~1.15の範囲に設定されている。また、特許文献1のエアゾールの噴射力は、噴射距離5cmにおいて10~50gfであり、噴射処理において屋内空間の気中に、前記防除成分の放出量が0.1~50mg/m3となるようにエアゾール原液を噴射し、噴射から1時間後までに防除成分の60%以上を前記屋内空間の床面全体に拡散させて付着させるようにしている。
さらに、引用文献1には、エアゾール原液の比重は0.85を下回る場合、及び1.15を上回る場合では、噴霧粒子の拡散均一性が低くなり、このことは防除効果の低下の原因になるとの開示がある。
特許第6718568号公報
ところで、引用文献1の記載によれば、当該引用文献1の害虫、ダニ防除方法により、ダニはもちろんのこと、ゴキブリ、アリ、トコジラミ、ダニ等の匍匐害虫のみならず、蚊、ハエ等の飛翔害虫を防除することもできるとされている。
しかしながら、引用文献1では、上述したように様々な匍匐害虫、飛翔害虫に対して効力を発揮可能にするために、エアゾール原液の比重が0.85以上となるようにしている。エアゾール原液の比重を0.85以上にしようとすると、エアゾール原液を高濃度にする必要があり、コストの面で改善の余地がある。
また、引用文献1のような多種多様な害虫の全てを防除したいというユーザーばかりではなく、特定の害虫のみでよいから高い効力を安価に得たいというユーザーも存在しており、後者のようなユーザーの要求を満たす空間処理剤が望まれていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、特定の害虫に対する高い効力を安価に得ることができる空間処理エアゾール製品及び害虫防除方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明者は、様々な殺虫原体が存在している中から、特定の殺虫原体を有効成分として用いることによって少量の殺虫原体であっても空間の気中へ噴射することで特定の害虫に対して高い効力を発揮できることを見出し、本発明に至った。
第1の開示は、有効成分を空間に噴霧することによってアリを防除するアリ防除用空間処理エアゾール製品を前提とする。アリ防除用空間処理エアゾール製品は、プラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンから選ばれる少なくとも一種の有効成分及び溶剤を含有する原液と、前記原液を噴射するための噴射剤と、前記原液及び前記噴射剤を収容するエアゾール容器と、前記エアゾール容器に取り付けられ、前記エアゾール容器内に収容された前記原液及び前記噴射剤の1回当たりの噴射量を定量とする定量噴射バルブとを備え、前記原液中の前記有効成分濃度が10w/v%以下であることを特徴とする。
この構成によれば、プラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンから選ばれる少なくとも一種の有効成分を一定量空間の気中に噴霧することで、その有効成分の噴霧量が少量であっても、アリに対して高い防除効果を発揮する。
第2の開示では、前記有効成分がプラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンを含有しているものである。この構成によれば、アリに対してより一層高い防除効果を発揮する。
第3の開示では、前記溶剤がミリスチン酸イソプロピルである。
第4の開示では、前記原液の比重は、0.85未満である。
すなわち、有効成分の量が少ないことで、原液の比重を小さくできる。これにより、噴射される原液が軽くなるため、遠くまで飛びやすく、また、例えばエタノール等に比べて揮発しにくいミリスチン酸イソプロピル(IPM)を用いることで粒子径が小さくなりにくいので、床に沈降しやすく、匍匐害虫であるアリに対して効果的である。
第5の開示は、プラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンから選ばれる少なくとも一種の有効成分及び溶剤を含有する原液と、前記原液を噴射するための噴射剤とを収容したエアゾール容器から前記原液及び前記噴射剤を空間に噴射することによってアリを防除するアリ防除方法において、前記原液中の前記有効成分濃度を10w/v%以下としておき、前記エアゾール容器に取り付けられた定量噴射バルブを操作し、前記エアゾール容器から定量の前記原液及び前記噴射剤を空間に噴射することを特徴とするものである。
第6の開示では、床面積15平方メートル当たり2ml以上の前記原液及び前記噴射剤を噴射する。
以上説明したように、有効成分の噴霧量が少量であっても、アリに対して高い防除効果を発揮することができる。
本発明の実施形態に係るアリ防除用空間処理エアゾール製品の斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る匍匐害虫防除用エアゾール製品1の斜視図である。匍匐害虫防除用エアゾール製品1は、有効成分を空間に噴射することによってアリを防除するアリ防除用空間処理エアゾール製品であり、エアゾール容器10と、押し下げ式の操作ボタン(噴射ボタン)20と、エアゾール容器10に取り付けられる筒状ベース30と、筒状ベース30に取り付けられる筒状カバー40とを備えている。そして、操作ボタン20及び筒状カバー40を回動操作することによって、操作ボタン20を押し下げ可能な押下可能状態と、該操作ボタン20の押し下げが不可能な非押下可能状態とに切り替えられるように構成されている。
尚、この実施形態の説明では、使用者が手で持って使用するときに使用者から見て左側及び右側をそれぞれ単に「左」及び「右」といい、使用者から見て手前側となる側を単に「後」といい、使用者から見て奥側となる側を単に「前」というものとする。
エアゾール容器10の周壁部は透光性を有しており、外部から内容物の残量を把握できるようになっている。エアゾール容器10は金属等からなるものであってもよく、この場合、透光性を有していない。エアゾール容器10の上部には、定量噴射バルブ11が取り付けられている。この定量噴射バルブ11は、上下方向に移動するとともにエアゾール容器10に収容されている内容物を吐出するための吐出管(図示せず)と、吐出管を上方に付勢するバネ等からなる付勢部材(図示せず)と、弁体(図示せず)とを有している。吐出管は上下方向に延びる姿勢とされており、上昇端位置にあるときには弁体によって吐出管の下端部(上流端部)が閉じられてエアゾール容器10の内部と吐出管とが連通しないようになる一方、吐出管が上昇端位置から下方へ押動操作されると吐出管の下端部が開かれてエアゾール容器10の内部と吐出管とが連通して内容物が吐出管の上端部から吐出されるように、上記バルブ機構が構成されている。また、吐出管を1回押動操作すると、吐出管の下端部が瞬間的に開かれた後、閉状態になり、内容物が少量(所定量)だけ噴射される。つまり、このエアゾール容器10は定量噴射型である。尚、定量噴射型のエアゾール容器10としては、例えば特開2014-28631号公報に記載されている容器を使用することもできる。
定量噴射バルブ11の1回当たりの噴射量は、例えば0.4ml以上2.0ml以下の範囲で設定することができる。定量噴射バルブ11の1回当たりの噴射量の下限は、例えば0.8ml以上とすることができる。定量噴射バルブ11の1回当たりの噴射量の上限は、例えば1.5ml以下とすることができる。
操作ボタン20は、例えば樹脂材を射出成型して得ることができ、全体が一体成形されている。操作ボタン20は、エアゾール容器10の吐出管の上側に嵌合し、該吐出管を押動操作するためのものであり、ボタン本体21と、ノズル部23とを有している。ノズル部23は、ボタン本体21の前部から突出している。
ノズル部23は、吐出管の中心線と交差する方向である前側へ突出しており、前側へ行くほど上に位置するように傾斜している。ノズル部23の基端側がエアゾール容器10の吐出管13と連通している。ノズル部23の傾斜角度は、例えば吐出管の中心線と直交する平面とのなす角度が5度以上45度以下の範囲で設定することができる。ノズル部23を傾斜させることで、内容物を斜め上方へ向けて効果的に吐出することが可能になる。
筒状ベース30は、上下方向に延び、エアゾール容器10の上下方向中間部の外径と略同じ外径を有する円筒状に形成されている。筒状ベース30の下端部は全体が開放され、エアゾール容器10の上部が該筒状ベース30の下端部から挿入されて固定される。
筒状カバー40は、操作ボタン20の周囲を囲むように形成され、筒状ベース30に取り付けられる。すなわち、筒状カバー40の下側が筒状ベース30の上側に嵌合する。この状態で、操作ボタン20のボタン本体21の外周面が筒状カバー40によって覆われる。また、操作ボタン20のノズル部23は、筒状カバー40の前部に設けられた切り欠き部41から前方へ突出している。
尚、上述したエアゾール容器10及び定量噴射バルブ11の構造は一例であり、図示しないが、他の構造のエアゾール容器や定量噴射バルブを用いてもよい。また、エアゾール容器10の容量は、例えば100ml以上に設定することができ、例えば150ml以上であってもよい。
匍匐害虫防除用エアゾール製品1は、エアゾール容器10に収容される内容物も含んでいる。エアゾール容器10に収容される内容物は、アリを防除する有効成分及び有効成分を溶解する溶剤を含有する原液、有効成分及び溶剤を噴射するための噴射剤とを含んでいる。エアゾール容器10に収容される内容物は、有効成分、溶剤及び噴射剤以外の薬剤等を含んでいてもよい。例えば、アリに対して忌避効果を発揮する忌避剤、香料、殺菌剤、除菌剤等を上記内容物に混合することができる。アリの忌避剤の種類は特に限定されないが、アリを忌避する効果を有するものであればよい。
有効成分は、例えばプラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンから選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。プラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンのうち、1つのみまたは任意の2つが有効成分であってもよいし、プラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンの全てが有効成分であってもよい。また、他の合成ピレスロイドを用いることもでき、具体的には、シフェノトリンとシフルトリンとトラロメトリンの少なくとも1つを用いることができ、これらを混合して用いてもよい。
プラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンの全てを有効成分とする場合、プラレトリンの含有量をビフェントリンの含有量よりも多く設定することができる。また、プラレトリンの含有量をピレトリンの含有量よりも多く設定することができる。また、ビフェントリンの含有量をピレトリンの含有量よりも多く設定することができる。
この実施形態では、原液中の有効成分濃度が10w/v%以下に設定されている。原液中の有効成分濃度は、9w/v%以下に設定されているのが好ましくは、より好ましいのは8w/v%以下である。プラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンから選ばれる少なくとも一種を有効成分として用いる場合には、原液中の有効成分濃度が10w/v%以下であってもアリに対して十分な効力を発揮する。同様に、9w/v%以下、8w/v%以下であってもアリに対する効力は高い。また、原液中の有効成分濃度の下限は、3w/v%以上であり、より好ましいのは5w/v%以上である。原液中の有効成分濃度を3w/v%以上にすることで、アリに対する効力は高い状態を維持できる。
溶剤は、上記有効成分が溶解するものであり、かつ、蒸気圧がエタノールよりも低いものが好ましい。溶剤の蒸気圧は、25℃において7.0kPa以下が好ましく、より好ましいのは25℃における蒸気圧が4.5kPa以下、更に好ましいのは1.9kPa以下である。また、25℃における蒸気圧が0.7kPa以下の溶剤が最も好ましい。このような溶剤としては、例えばミリスチン酸イソプロピルと飽和炭化水素系溶剤の少なくとも一方を用いることができ、これらを混合して用いてもよい。
上記溶剤としては、例えば、プロパノール(25℃における蒸気圧4.41kPa)、水(同3.2630kPa)、オクタン(同1.8874kPa)、ノナン(同6.177×102Pa)、ドデカン(同1.80×10Pa)、トリデカン(同7.5Pa)、ミリスチン酸イソプロピル(1.247×10-2Pa)等を挙げることができるが、これらに限られるものではなく、上記蒸気圧範囲に含まれる各種溶剤を用いることができる。溶剤は1種を単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
溶剤の25℃における蒸気圧が7.0kPaを超えた場合には、噴射された粒子を形成している溶剤の蒸発速度が速くなって各粒子の質量が早期に減少してしまい、粒子の飛距離が短くなるとともに、空気中に漂っている時間が短くなってしまう。このことは効力の低下を意味する。一方、溶剤の25℃における蒸気圧が7.0kPa以下の場合には、蒸気圧が十分に低いので、噴射された粒子を形成している溶剤の蒸発速度が遅くなり、このことで当該粒子が遠くまで飛んでいくとともに、空気中に漂っている時間が長くなる。特に、25℃における蒸気圧が1.9kPa以下になると、粒子の飛距離が顕著に長くなるとともに、空気中に漂っている時間も顕著に長くなるので好ましい。
原液の比重は、0.85未満とされている。有効成分の量によって原液の比重を変えることができ、有効成分の量を少なくすることで、原液の比重を0.85未満にすることができる。また、原液の比重は、0.83未満であってもよく、0.82未満がより好ましい。原液の比重を小さくすることで有効成分の量を減らすことができ、コスト面で有利になる。一方、原液の比重は、0.75以上が好ましい。また、原液の比重は、0.78以上がより好ましい。原液の比重を0.75以上とすることで、有効成分の量が十分に確保される。
噴射剤は、液化石油ガス(LPG)やジメチルエーテル(DME)等を用いることができ、これらを混合して用いてもよい。液化石油ガス及びジメチルエーテル以外の噴射剤を使用してもよい。
上述のように、エアゾール容器10には、噴射剤と、該噴射剤以外の液体(原液)とが収容される。噴射剤と、該噴射剤以外の液体との重量比率は、上記液体:噴射剤としたとき、8:92~30:70の範囲内となるように設定されている。上記液体:噴射剤の重量比率が8:92~30:70の範囲内となるように設定するのが好ましいが、より好ましいのは上記液体:噴射剤の重量比率が10:90~20:80の範囲であり、さらに好ましいのは15:85~17:83の範囲である。
また、操作ボタン20の1回の操作による噴射量は、上述したように0.4ml以上2.0ml以下に設定されている。操作ボタン20の1回の操作による噴射量は、定量噴射バルブ機構の構造変更等によって上記範囲にすることができる。操作ボタン20の1回の操作による噴射量が0.4mlよりも少ないと、空間に噴射される有効成分が少なすぎて有効成分による効果が低減してしまう。一方、操作ボタン20の1回の操作による上記液体の噴射量が2.0mlよりも多いと、空間に噴射される有効成分が多くなり、特に狭い空間の場合に安全性の面で好ましくない場合が想定される。
次に、上記のように構成された匍匐害虫駆除用エアゾール製品1を使用したアリ防除方法について説明する。まず、匍匐害虫駆除用エアゾール製品1を用意する。その後、匍匐害虫駆除用エアゾール製品1をユーザーが持ち、定量噴射バルブ11を操作する。これが噴射操作である。このとき、エアゾール容器10から定量の原液及び噴射剤が空間に噴射される。匍匐害虫駆除用エアゾール製品1は、例えば一般家庭の部屋、事務所、店舗等で使用することができる。
原液及び噴射剤は、室内に全体的に噴射するようにしてもよい。例えば、部屋の中央近傍で上方に向けて噴射操作することや、部屋の周辺から部屋の中央に向けて噴射操作することができる。また、アリが潜んでいそうな室内の隙間に対して噴射してもよく、例えば室内の壁と家具との間の狭い隙間や、壁と電化製品との間の狭い隙間に、匍匐害虫駆除用エアゾール製品1のノズル部23を向けてから、操作ボタン20を操作することもできる。操作ボタン20の操作は1回だけにするのが好ましいが、室内が広い場合には複数回操作してもよい。
噴射操作することにより、エアゾール容器10に収容されている噴射剤の圧力によってノズル部23から有効成分及び溶剤が噴射剤と共に噴射される。このとき、上述のように重量比率が設定されていて、噴射剤がリッチな処方となっているので、殺虫有効成分及び溶剤を含む上記液体がエアゾール容器10から噴射されるときに、適切な大きさの粒子になりやすいとともに、粒子の勢いが強くなり、しかも、噴射された粒子が広範囲に飛んでいき、空気中に漂いやすくなる。さらに、溶剤の蒸気圧が低いので、噴射された粒子を形成している溶剤の蒸発速度が遅くなり、このことで当該粒子が遠くまで飛んでいくとともに、空気中に漂っている時間が長くなる。空気中の粒子は、やがて床まで落下して床の表面に付着し、アリが床にいればアリにも付着する。また、殺虫有効成分を含んだ粒子が家具や電化製品の側面に沿って奥の方まで飛ぶこともあり、それらの背面側へ周り込んで背面に沿って飛んで空気中に漂い、その後、自重によって下部付近まで落ちていく。このように、狭い隙間であっても粒子が広範囲に飛んでいくので、大がかりな装置を設けることなく殺虫有効成分による効力が広範囲で発揮される。
噴射時のノズル部23の高さは、床面から100cm以上にしてもよいが、これより低くてもよいし、高くてもよい。ただし、ノズル部23が低すぎると上方へ向けての粒子の拡散量が低下してしまい、粒子が背面側へ周り込みにくくなることもあるので、100cm以上が好ましい。
また、エアゾール容器10が定量噴射型であるため、上述のように広範囲に粒子が飛んだとしても、殺虫有効成分の量は規定量以上噴射されることはなく、安全性が高くなるとともに、取り扱いが容易になる。
原液及び噴射剤の噴射量は、床面積15平方メートル当たり2ml以上とすることができる。原液及び噴射剤の噴射量の上限は、床面積15平方メートル当たり6ml以下とすることができる。この噴射量に達するまで操作ボタン20を複数回操作してもよい。尚、部屋の天井高は、例えば2.5m~2.7m程度である。
(実施形態の作用効果)
以上説明したように、この実施形態によれば、プラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンから選ばれる少なくとも一種の有効成分を一定量空間の気中に噴霧することで、その有効成分の噴霧量が少量であっても、アリに対して高い防除効果を発揮することができる。
また、原液の比重を0.85未満とすることで、噴射される原液が軽くなるため、粒子が遠くまで飛びやすく、また、例えばエタノール等に比べて揮発しにくいミリスチン酸イソプロピル(IPM)を用いることで粒子径が小さくなりにくいので、床に沈降しやすく、匍匐害虫であるアリに対して効果的である。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例に係る処方は表1に示すとおりである。IPMは、ミリスチン酸イソプロピルである。LPGの代わりにジメチルエーテルを使用した例も実施例とすることができる。また、LPGとジメチルエーテルとを混合した例も実施例とすることができる。
Figure 2022109097000002
表1に示す処方の内容物をエアゾール容器10に収容することで、匍匐害虫防除用エアゾール製品1を得ることができる。
次に、匍匐害虫防除用エアゾール製品1の効力試験結果について説明する。供試虫及び試験結果を表2に示す。供試虫は、クロヤマアリ、オオズアリ、トビイロシワアリ、アルゼンチンアリ、ヤマトシロアリである。
Figure 2022109097000003
試験方法は、次のとおりである。はじめに、供試虫を通気性のあるカップに入れたものを4つ用意する。8畳(床面積15平方メートル)の無風恒温室(常温常湿)の床面の4隅に供試虫の入ったカップを1つずつ載置する。実施例に係る匍匐害虫防除用エアゾール製品1を1回当たりの噴射量は1mlとし、これを部屋の中央で上方へ向けて2回噴射操作した。30分経過後、供試虫を回収し、噴射後、24時間経過した時点の値指数をカウントし、致死率を算出した。全供試虫に示す致死した供試虫の割合が致死率である。その結果、クロヤマアリ、オオズアリ、トビイロシワアリ、アルゼンチンアリ、ヤマトシロアリの全ての供試虫の致死率が100%であった。従って、匍匐害虫防除用エアゾール製品1は、極めて高い効力を発揮することが分かる。尚、噴射量が1.5mlであっても、4.0mlであっても同様な効果を得ることができる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係るアリ防除用空間処理エアゾール製品及びアリ防除方法は、例えば一般家庭や事務所等で使用することができる。
1 匍匐害虫防除用エアゾール製品(アリ防除用空間処理エアゾール製品)
10 容器
11 定量噴射バルブ

Claims (6)

  1. 有効成分を空間に噴射することによってアリを防除するアリ防除用空間処理エアゾール製品において、
    プラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンから選ばれる少なくとも一種の有効成分及び溶剤を含有する原液と、
    前記原液を噴射するための噴射剤と、
    前記原液及び前記噴射剤を収容するエアゾール容器と、
    前記エアゾール容器に取り付けられ、前記エアゾール容器内に収容された前記原液及び前記噴射剤の1回当たりの噴射量を定量とする定量噴射バルブとを備え、
    前記原液中の前記有効成分濃度が10w/v%以下であることを特徴とするアリ防除用空間処理エアゾール製品。
  2. 請求項1に記載のアリ防除用空間処理エアゾール製品において、
    前記有効成分は、プラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンを含有していることを特徴とするアリ防除用空間処理エアゾール製品。
  3. 請求項1または2に記載のアリ防除用空間処理エアゾール製品において、
    前記溶剤は、ミリスチン酸イソプロピルであることを特徴とするアリ防除用空間処理エアゾール製品。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載のアリ防除用空間処理エアゾール製品において、
    前記原液の比重は、0.85未満であることを特徴とするアリ防除用空間処理エアゾール製品。
  5. プラレトリン、ビフェントリン及びピレトリンから選ばれる少なくとも一種の有効成分及び溶剤を含有する原液と、前記原液を噴射するための噴射剤とを収容したエアゾール容器から前記原液及び前記噴射剤を空間に噴射することによってアリを防除するアリ防除方法において、
    前記原液中の前記有効成分濃度を10w/v%以下としておき、
    前記エアゾール容器に取り付けられた定量噴射バルブを操作し、前記エアゾール容器から定量の前記原液及び前記噴射剤を空間に噴射することを特徴とするアリ防除方法。
  6. 請求項5に記載のアリ防除方法において、
    床面積15平方メートル当たり2ml以上の前記原液及び前記噴射剤を噴射することを特徴とするアリ防除方法。
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