JP2022107436A - 吸水性樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水を多量に吸収した吸水性樹脂を、安価で生産性が高く、物性の低下量が少ない簡便な方法により再利用する吸水性樹脂の製造方法を提供する。【課題の解決手段】吸水性樹脂の製造工程の被処理物に、多価金属イオンを含むとともに固形分補正CRCが5g/g以下であるヒドロゲルを添加して、前記吸水性樹脂を製造する。【選択図】なし

Description

本発明は、吸水性樹脂の製造装置に付着した吸水性樹脂、又は吸水性樹脂を含む混合物から回収された吸水性樹脂を再利用する吸水性樹脂の製造方法に関するものである。
吸水性樹脂は、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤であり、使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品、農園芸用の土壌保水剤、工業用の止水剤等、様々な用途に利用されている。吸水性樹脂としては、ポリアクリル酸架橋体の部分中和塩が一般的である。吸水性樹脂は、アクリル酸等の単量体水溶液の重合工程、必要によりゲル粉砕工程、乾燥工程、必要により粉砕工程及び分級工程、必要により微粉回収工程、表面架橋工程、添加剤の添加工程等を含んで製造され、重合方法としては水溶液重合や逆相懸濁重合が使用される(非特許文献1)。
吸水性樹脂は少量の水分で粘着性を発現しやすく、吸水性樹脂の製造に用いられる装置に付着してトラブルを起こすため、該製造装置を水で洗浄することが知られている(特許文献1~3)。その際、吸水性樹脂は多量の水を吸収して膨潤ゲルを生成する。
また、膨潤ゲルを生成する他の例として、吸水性樹脂を含む複合体から水を用いて構成材料を種類別に分離、回収する技術も知られており、過度に膨潤ゲルを生成しないよう、吸水性樹脂の吸収力を低下、または消滅させる技術と併用されている。具体的には、酸性水溶液及びオゾン等の酸化剤による吸水性樹脂の可溶化、又は、水溶性カルシウム化合物等の多価金属塩またはその水溶液により吸水性樹脂を収縮・固化して、吸収性物品に含まれる吸水性樹脂以外の材料を分離、回収する方法も提案されている(特許文献4~10)。さらに、吸水性樹脂を分解させて、再度吸水性樹脂の製造工程に使用する技術も提案されている(特許文献11)。
一方、膨潤ゲル以外の吸水性樹脂材料は、回収し、再利用する技術が知られている。具体的には、所望のサイズから外れた吸水性樹脂の微粉末(非特許文献1、特許文献12~20)、乾燥工程で所望の乾燥ができなかった粗大な重合ゲルの未乾燥物(特許文献21)等を回収し、再利用する技術が知られている。
特開2006-199862号公報 国際公開2020/038742号パンフレット 特開2013-076073号公報 特開2019-084470号公報 特開2017-128840号公報 特開2018-165423号公報 特開2019-076902号公報 特開2019-108639号公報 特開2019-108640号公報 特開平04-317784号公報 国際公開2020/213298号パンフレット 特開平04-041532号公報 特開平04-227934号公報 特開平03-152104号公報 特開平11-106514号公報 特開平11-140194号公報 特開平11-254429号公報 特開平11-240959号公報 国際公開2006/098271号パンフレット 特開2006-299234号公報 特開平11-292919号公報
Modern Superabsorbent Polymer Technology(1998)p69-103
吸水性樹脂を可溶化処理する場合、使用した分解剤の影響で、吸水性樹脂を含む水溶液の廃水処理や吸水性樹脂の再利用が困難になることがある。また、吸水性樹脂を酸処理する場合は、コストのかかる有機酸を多量に使用することになる。一方、水溶性カルシウム化合物等の多価金属塩の水溶液により吸水性樹脂を収縮・固化処理して生成するヒドロゲルは、吸水倍率が非常に低く、容易には吸水性能を回復できないため、再利用方法がなかった。
それゆえ、水を多量に吸収した吸水性樹脂の安価で生産性が高く、物性の低下量が少ない簡便な再利用方法が求められている。
本発明の一態様は、水を多量に吸収した吸水性樹脂を、安価で生産性が高く、物性の低下量が少ない簡便な方法により再利用する吸水性樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、多価金属イオンで処理した回収吸水性樹脂のヒドロゲルを吸水性樹脂の製造工程の被処理物に添加することにより、水を多量に吸収した吸水性樹脂を、安価で生産性が高く、物性の低下量が少ない簡便な方法により再利用できることを見出した。
すなわち、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂の製造方法は、吸水性樹脂の製造工程の被処理物に、回収吸水性樹脂のヒドロゲルを添加する工程を含む吸水性樹脂の製造方法であって、前記ヒドロゲルは、多価金属イオンを含むとともに、固形分補正CRCが5g/g以下である。
好ましくは、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂の製造方法は、前記ヒドロゲルを前記吸水性樹脂の製造工程に含まれる下記工程(1)~(6)の少なくとも1つの工程の被処理物に添加する。
(1)単量体水溶液の調製工程
(2)重合工程
(3)重合中又は重合後のゲル粉砕工程
(4)乾燥工程
(5)乾燥工程以降の粒度調整工程、微粉回収工程又は微粉造粒工程
(6)粒度調整工程以降の添加剤添加工程又は表面架橋工程
好ましくは、本発明の一実施形態に係る吸吸水性樹脂の製造方法は、前記ヒドロゲルは、前記回収吸水性樹脂を含む混合物を水中で分散させ、前記回収吸水性樹脂が膨潤してなる膨潤ゲルを多価金属イオンで収縮させたものである。
好ましくは、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂の製造方法は、前記ヒドロゲルは、前記吸水性樹脂の製造工程に用いられる装置を水で洗浄することにより得られた膨潤ゲルを、多価金属イオンで収縮させたものである。
好ましくは本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂の製造方法は、前記ヒドロゲルは、前記膨潤ゲルを多価金属イオンで収縮させ、乾燥させて得られた乾燥物である。
好ましくは、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂の製造方法は、前記ヒドロゲルの質量平均粒子径は10μm~600μmである。
好ましくは、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂の製造方法は、前記ヒドロゲルの固形分量と、前記吸水性樹脂の製造工程で使用する単量体の固形分量との質量比は、0.01~50:99.99~50である。
好ましくは、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂の製造方法は、前記ヒドロゲルの黄色度(YI)は、20以下である。
好ましくは、本発明一実施形態に係る吸水性樹脂の製造方法は、前記ヒドロゲルは、酸化剤及び還元剤から選ばれる少なくとも1つ以上のポリマー分解剤を含有しない、又は前記ポリマー分解剤を含有する場合、前記ポリマー分解剤の含有量は1000ppm以下である。
好ましくは、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂の製造方法は、前記ポリマー分解剤は、L-アスコルビン酸(塩)、亜硫酸(水素)塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び、過酸化水素からなる群から選ばれる少なくとも1つ以上である。
好ましくは、本発明一実施形態に係る吸水性樹脂の製造方法は、前記吸水性樹脂の製造工程の少なくとも1つの工程で着色防止剤が添加される。
本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、水性樹脂の製造工程の被処理物に、回収吸水性樹脂のヒドロゲルを添加してなる吸水性樹脂であって、前記ヒドロゲルは、多価金属イオンを含むとともに、固形分補正CRCが5g/g以下である。
好ましくは、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、吸水性樹脂微粉末と前記ヒドロゲルを含んでなる微粉造粒物を含む。
好ましくは、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、酸化剤及び還元剤から選ばれる少なくとも1つ以上のポリマー分解剤を含有しない、又は前記ポリマー分解剤を含有する場合、前記ポリマー分解剤の含有量は100ppm以下である。
好ましくは、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、前記ポリマー分解剤は、L-アスコルビン酸(塩)、亜硫酸(水素)塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び、過酸化水素からなる群から選ばれる少なくとも1つ以上である。
本発明によれば、水を多量に吸収した吸水性樹脂を、安価で生産性が高く、物性の低下量が少ない簡便な方法により再利用する吸水性樹脂の製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂の製造方法に関して詳しく説明するが、本発明の範囲はこれら説明に拘束されることなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更、実施し得る。具体的には、本発明は、以下の各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
〔1]用語の定義
(1-1)吸水性樹脂
本発明における「吸水性樹脂」とは、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味し、一般的に粉末状である。また、「水膨潤性」とは、WSP241.3(10)で規定される無加圧下吸収倍率(以下、「遠心分離機保持容量(CRC)」と表記することがある。)が5g/g以上であることを意味する。「水不溶性」とは、WSP(Worldwide Strategic Partners)270.3(10)で規定される可溶分(以下、「Extr」と表記することがある。)が50質量%以下であることを意味する。
前記「吸水性樹脂」は、好ましくはカルボキシル基を有する不飽和単量体を架橋重合させてなる親水性の架橋重合体であるが、その全量、すなわち100質量%が架橋重合体である必要はなく、前記CRCやExtr等の要求性能を満たす範囲内で添加剤等を含有することもできる。
(1-2)アクリル酸(塩)系単量体、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂
本明細書における「アクリル酸(塩)」とはアクリル酸及び/又はその塩を意味し、「アクリル酸(塩)系単量体」とは架橋剤を除く単量体全体に対して、アクリル酸(塩)を50モル%以上含む単量体を意味する。本明細書における「ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂」とは、アクリル酸(塩)を原料とする重合体を意味する。つまり、「ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂」とは、アクリル酸(塩)由来の構造単位を有する重合体であり、任意成分としてグラフト成分を有する重合体である。
具体的には、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂は、重合反応に関与する単量体のうち内部架橋剤を除いた部分に対して、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であって、好ましくは100モル%以下、特に好ましくは実質100モル%のアクリル酸(塩)を含む、重合体である。
(1-3)「EDANA」及び「WSP」
「EDANA」は、欧州不織布工業会(European Disposables and Nonwovens Associations)の略称である。また「WSP」は、Worldwide Strategic Partnersの略称であり、EDANAが提供する、吸水性樹脂の世界標準の測定法を示すものである。本明細書では、WSP原本(2010年改定)に準拠して、吸水性樹脂の物性を測定する。なお、本明細書では別途言及しない限り、下記実施例での測定方法に従う。
(1-4)「CRC」(WSP241.3(10))
「CRC」は、Centrifuge Retention Capacityの略称であり、吸水性樹脂の無加圧下での吸収倍率を意味する。具体的には、吸水性樹脂0.2gを不織布製の袋に入れた後、大過剰の0.9質量%塩化ナトリウム水溶液中に30分間浸漬して吸水性樹脂を自由膨潤させ、その後、遠心分離機(遠心力:250G)を用いて脱水した後、下記式で計算される吸収倍率(単位:g/g)のことである。
CRC[g/g]=(mwi-m-msi)/msi
wi:試験後の吸水性樹脂が入った袋の質量[g]
:吸水性樹脂を用いずに試験した後の袋の質量[g]
si:試験前の吸水性樹脂の質量[g]
本発明においては、ヒドロゲルに対してもmsiを1gに変更したうえでCRCを測定した。また、「固形分補正CRC」は、含水した吸水性樹脂のCRCから、100質量%固形分の吸水性樹脂で測定した場合のCRCを理論的に求めた値であり、前記数式中のmsiに(サンプル質量[g])×(固形分率[質量%])で計算されるサンプル固形分量[g]を代入して計算する。
さらに「固形分補正CRC(6hr)」は上記「固形分補正CRC」において、浸漬時間を30分から6時間に変更したものである。
(1-5)「Extr」(WSP270.3(10))
「Extr」は、Extractablesの略称であり、吸水性樹脂の水可溶分、すなわち、水可溶成分量を意味する。具体的には、吸水性樹脂1.0gを0.9質量%塩化ナトリウム水溶液200mlに添加し、250rpmで1時間又は16時間攪拌した後の溶解ポリマー量(単位:質量%)のことをいう。溶解ポリマー量の測定は、pH滴定を用いて行う。
(1-6)「Moisture Content」(WSP230.3(10))
「Moisture Content」は、吸水性樹脂の含水率を意味する。具体的には、吸水性樹脂4.0gを105℃で3時間乾燥した際の乾燥減量から算出した値(単位:質量%)のことをいう。なお、本発明においては、吸水性樹脂を1.0g、乾燥温度を180℃にそれぞれ変更して測定した。また、吸水性樹脂だけでなくヒドロゲルに対しても該測定を参照した。なお固形分率[質量%]は、100-(含水率[質量%])により計算される。
(1-7)[質量平均粒子径および対数標準偏差]
吸水性樹脂の質量平均粒子径(D50、単位:μm)および吸水性樹脂粒子の粒度分布の狭さを示す対数標準偏差(σζ)は、米国特許第7638570号に記載された「(3) Mass-Average Particle Diameter (D50) and Logarithmic Standard Deviation (σζ) of Particle Diameter Distribution」の測定方法に準拠して測定した。吸水性樹脂やヒドロゲルの微粉末の測定に対しては適宜目開きの小さな篩を追加して測定される。
(1-8)「黄色度(YI)」
「黄色度(YI)」とはYellow Indexの略称であり、吸水性樹脂の着色度、特に黄ばみ度合いの指標を意味する。詳細には欧州特許942014号及び同1108745号に記載の方法により測定された値である。
〔2〕吸水性樹脂の製造方法
本発明の吸水性樹脂の製造方法は、吸水性樹脂の製造工程の被処理物に、回収吸水性樹脂のヒドロゲルを添加する工程を含む吸水性樹脂の製造方法であって、前記ヒドロゲルは、多価金属イオンを含むとともに、固形分補正CRCが5g/g以下である、吸水性樹脂の製造方法である。ここで、「回収吸水性樹脂」とは、再利用する吸水性樹脂であれば特に限定されるものではないが、例えば、吸水性樹脂の製造装置に付着した吸水性樹脂、又は吸水性樹脂を含む混合物から回収された吸水性樹脂であり得る。「回収吸水性樹脂」の「吸水性樹脂」は、該回収吸水性樹脂のヒドロゲルを添加する工程を含む吸水性樹脂の製造方法によって製造される「吸水性樹脂」と同様に、水膨潤性水不溶性の高分子ゲル化剤を意味し、先述の「用語の定義」において定義したものであればよい。また、「回収吸水性樹脂」の「吸水性樹脂」は、ポリアクリル酸(塩)系吸水性樹脂を含んでいてもよい。その製造方法も特に限定されるものではなく、該回収吸水性樹脂のヒドロゲルを添加する工程を含む吸水性樹脂の製造方法によって得られる吸水性樹脂と同様の単量体を同様の内部架橋剤の存在下で重合してなるものであり得る。「回収吸水性樹脂」の「吸水性樹脂」と、該回収吸水性樹脂のヒドロゲルが添加される吸水性樹脂とは、同じであっても、異なっていてもよい。また、本発明において、「回収吸水性樹脂のヒドロゲル」とは、水を吸収したゲル状の回収吸水性樹脂、又は該ゲル状の回収吸水性樹脂を所望の固形分率まで乾燥して得られる乾燥体を含む趣旨である。前記ヒドロゲルは、多価金属イオンを含んでいればよい。前記ヒドロゲルが多価金属イオンを含んでいる態様は特に限定されるものではないが、例えば、水を吸収した吸水性樹脂を多価金属イオンで収縮させて得られたヒドロゲルでありうる。そして、前記ヒドロゲルは、固形分補正CRCが5g/g以下である。
また、ここで、吸水性樹脂の製造工程の被処理物とは、前記製造工程の、前記ヒドロゲルを添加する時点で、処理されている対象物をいう。より具体的には、下記工程(1)では例えば単量体水溶液であり、下記工程(2)では例えば重合中の反応混合物であり、下記工程(3)では、例えば重合中の反応混合物又は含水ゲル状架橋重合体であり、下記工程(4)では例えば粒子状含水ゲル状架橋重合体であり、下記工程(5)では、例えば乾燥重合体であり、下記工程(6)では、例えば吸水性樹脂粉末又は表面架橋された吸水性樹脂粉末である。
本発明の一実施形態において、吸水性樹脂の製造工程は特に制限はないが、非特許文献1等に記載の吸水性樹脂の製造方法における各種の工程が適用できる。また、吸水性樹脂の重合形態も特に限定されるものではなく、水溶液重合、逆相懸濁重合、気相液滴重合、液相液滴重合等の各種の重合形態で吸水性樹脂を製造すればよく、連続重合でもよく、バッチ重合でもよい。本発明では吸水性樹脂の製造工程に含まれる各工程のうちのいずれかの工程で、多価金属イオンを含むとともに、固形分補正CRCが5g/g以下である前記ヒドロゲルを添加することにより、水を多量に吸収した吸水性樹脂を多価金属塩で処理して得られたヒドロゲルを吸水性樹脂の原料の一部として使用する。
本発明の一実施形態においては、多価金属イオンを含むとともに、固形分補正CRCが5g/g以下である前記ヒドロゲルを吸水性樹脂の製造工程に含まれる下記工程(1)~(6)及びその他の工程(7)の少なくとも1つの工程の被処理物に添加する。
(1)単量体水溶液の調製工程
(2)重合工程
(3)重合中又は重合後のゲル粉砕工程
(4)乾燥工程
(5)乾燥工程以降の粒度調整工程、微粉回収工程又は微粉造粒工程
(6)粒度調整工程以降の添加剤添加工程又は表面架橋工程
(7)その他の工程
以下、各工程を順次述べる。
(2-1)単量体水溶液の調製工程、及び該工程への前記ヒドロゲルの添加
本工程は、単量体及び少なくとも1種類の内部架橋剤を含む単量体水溶液を調製する工程である。なお、最終製品として得られる吸水剤の吸水性能に影響しない範囲内で、単量体のスラリー液を使用することもできるが、本明細書では便宜上、単量体のスラリー液も単量体水溶液に含める。
(単量体)
本発明において用いられる単量体として、例えば、アクリル酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド等を含む不飽和単量体が挙げられる。また、該単量体には、水溶性又は疎水性の不飽和単量体が含まれる。中でもアクリル酸(塩)が好ましい。また、アクリル酸(塩)とその他の単量体を併用してもよい。この場合、アクリル酸(塩)の使用量は、架橋剤を除く単量体全体に対して、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは実質100モル%である。
本発明においてアクリル酸(塩)を用いる場合、その中和率は、単量体の酸基に対して、好ましくは10モル%以上、より好ましくは40モル%以上、さらに好ましくは50モル%以上、特に好ましくは60モル%以上であって、好ましくは90モル%以下、より好ましくは85モル%以下、さらに好ましくは80モル%以下、特に好ましくは75モル%以下である。該中和率の範囲とすることで、吸水性樹脂の吸水性能の低下を抑制することができる。中和は、重合前、重合中、及び重合後の何れの時点で行ってもよい。前記中和率は、前述した重合前、重合中、及び重合後の何れの中和においても適用される。また、最終製品としての吸水剤に関しても同様に適用される。
(内部架橋剤)
本発明の好ましい製造方法において、内部架橋剤が使用される。内部架橋剤としては、具体的には、N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテルト等が挙げられる。これらの内部架橋剤の中から、反応性等を考慮して少なくとも1種類の内部架橋剤が選択される。本発明においては、吸水性樹脂の吸水性能等の観点から、好ましくは重合性不飽和基を二つ以上有する内部架橋剤、より好ましくは(ポリ)アルキレングリコール構造を有する重合性不飽和基を二つ以上有する内部架橋剤が選択される。前記重合性不飽和基として具体的には、アリル基、(メタ)アクリレート基が挙げられる。中でも、(メタ)アクリレート基が好ましい。前記内部架橋剤の使用量は、内部架橋剤を除く単量体に対して、好ましくは0.0001モル%以上、より好ましくは0.001モル%以上、さらに好ましくは0.01モル%以上であって、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下、さらに好ましくは1モル%以下である。
(単量体水溶液に添加される物質(第3成分))
前記単量体水溶液の調製工程においては、吸水性樹脂の物性向上の観点から、前記単量体水溶液に、単量体及び架橋剤以外の物質(第3成分)を添加できる。前記第3成分としては、澱粉及びポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー、連鎖移動剤、キレート剤等を添加できるが、本発明の好ましい一実施形態では、第3成分として前記ヒドロゲルを単量体水溶液に添加できる。
単量体水溶液の調製工程で前記ヒドロゲルを添加することで、単量体水溶液の粘度が高まり、次の重合工程で発泡重合が促進できる。また、前記ヒドロゲルを吸水性樹脂内部に均一に固定化でき、低下又は消失していた前記ヒドロゲルの吸水性能を回復させることもできる。
前記ヒドロゲル等の第3成分の添加量は、前記単量体水溶液に対して、合計で好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下であって、好ましくは0質量%以上、より好ましくは0質量%超である。
前記ヒドロゲルの添加量は固形分量で、内部架橋剤を除く前記単量体の固形分量との合計質量に対して、下限は、好ましくは0.01質量%、より好ましくは0.1質量%、さらに好ましくは0.2質量%、特に好ましくは0.5質量%、最も好ましくは1質量%である。上限は、好ましくは50質量%、より好ましくは40質量%、さらに好ましくは30質量%、特に好ましくは20質量%、最も好ましくは1質量%である。以後の各工程においても、前記ヒドロゲルの添加量は同様である。
(単量体成分の濃度)
前述した各物質及び各成分(単量体、内部架橋剤及び第3成分を含む。以下、「単量体成分」と表記することがある)を目的に応じて種々選択し、前記範囲を満たすようにそれぞれの量を規定して互いに混合することによって、単量体水溶液が調製される。なお、本発明では、単量体を水溶液とすること以外に、水と親水性溶媒との混合溶液とすることもできる。
また、単量体水溶液中の単量体成分の合計の濃度は、吸水性樹脂の物性の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上であって、好ましくは80質量%以下、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である。
(2-2)重合工程、及び該工程への前記ヒドロゲルの添加
(重合形態)
本発明に適用される重合形態としては、例えば、水溶液重合、逆相懸濁重合、噴霧重合、液滴重合、バルク重合、沈澱重合等が挙げられる。中でも、重合の制御の容易性や吸水性樹脂の吸水性能の観点から、好ましくは水溶液重合又は逆相懸濁重合、より好ましくは水溶液重合、さらに好ましくは連続水溶液重合が選択される。
前記連続水溶液重合の好ましい形態としては、高温開始重合、高濃度重合、発泡重合等がある。「高温開始重合」とは、重合開始時の単量体水溶液の温度を、好ましくは35℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは45℃以上、特に好ましくは50℃以上であって、好ましくは単量体水溶液の沸点以下とする重合形態を意味する。また「高濃度重合」とは、重合開始時の単量体濃度を、好ましくは30質量%以上、より好ましくは35質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上、特に好ましくは45質量%以上であって、好ましくは単量体水溶液の飽和濃度以下とする重合形態を意味する。「発泡重合」とは、発泡剤又は気泡を含む前記単量体水溶液を重合する重合形態を意味する。なお、これら重合形態は、それぞれ単独で実施してもよく、二つ以上を併用して実施してもよい。
(重合開始剤)
本発明で用いられる重合開始剤は、重合させるモノマーの種類や重合条件等に合わせて、通常の吸水性樹脂の製造において利用されているものの中から1種又は2種以上選択して使用できる。重合開始剤としては例えば、熱分解型開始剤や光分解型開始剤が挙げられる。前記重合開始剤の使用量は、内部架橋剤を除く単量体に対して、好ましくは0.001モル%以上、より好ましくは0.01モル%以上であって、好ましくは1モル%以下、より好ましくは0.5モル%以下、さらに好ましくは0.1モル%以下である。また、本発明においては、前記重合反応を、放射線、電子線、紫外線等の活性エネルギー線の照射によって開始させてもよい。また、活性エネルギー線の照射と前記重合開始剤とを併用してもよい。
(重合中での第3成分の添加)
本発明の一実施形態においては、前記重合工程において、重合率0~100%の任意の段階で、単量体及び架橋剤以外の前記第3成分を添加できる。
本発明の好ましい一実施形態では、重合反応の開始直前の単量体水溶液(重合率が0%)あるいは重合装置内で重合反応が進行中の単量体水溶液及び/又は重合ゲル(重合率が0%超、100%以下)に第3成分として前記ヒドロゲルを添加できる。重合機中の単量体水溶液(重合率0%)に添加する場合は前記単量体調製工程への添加と実質相違はなく、重合進行中の単量体水溶液あるいは重合ゲル(重合率0%超、100%以下)への添加でも、前記ヒドロゲルを再生でき、吸水性樹脂内部に均一に固定化できる。好ましくは、前記ヒドロゲルは、重合率が50%以上、さらには60%以上、70%以上の時点で重合機に添加される。
(2-3)重合中又は重合後のゲル粉砕工程及び該工程への前記ヒドロゲルの添加
本工程は、前記重合工程の重合反応中及び/又は重合反応終了後に実施される含水ゲル状架橋重合体(以下、「含水ゲル」と称する)を混錬又は粉砕し、所定の大きさまで細粒化させた粒子状の含水ゲルを得るためのゲル粉砕工程である。本発明で使用できるゲル粉砕機は、特に限定されないが、ニーダー、ミートチョッパー等のスクリュー押出し機、カッターミル等が挙げられる。
均一で効率的な乾燥のために、粒子状含水ゲルの含水率は好ましくは30質量%以上、より好ましくは45質量%以上であって、好ましくは70質量%以下、より好ましくは55質量%以下である。
本発明の一実施形態では、前記ゲル粉砕工程において、前記ヒドロゲルが添加できる。
(2-4)乾燥工程、及び該工程への前記ヒドロゲルの添加
本工程は、(2-2)の重合工程を経て直接得られた粒子状含水ゲル又は(2-3)の工程を経て得られた粒子状含水ゲルを乾燥する工程であり、前記粒子状含水ゲル(粒子状含水ゲルにさらに造粒ゲル(微粉造粒ゲル)を添加した場合は粒子状含水ゲルと造粒ゲルの混合物)を所望する固形分率まで乾燥させて乾燥重合体を得る工程である。該乾燥重合体の粉末又は粒子1gを180℃で3時間乾燥させた時の乾燥減量から求められる、該乾燥重合体の固形分率は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは92質量%以上であって、好ましくは99質量%以下、さらに好ましくは98質量%以下、特に好ましくは97質量%以下である。
乾燥工程における乾燥方法は、例えば、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、流動層乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、疎水性有機溶媒との共沸脱水による乾燥、高温の水蒸気を利用した高湿乾燥、被乾燥物を移動させながら乾燥させる攪拌乾燥等が挙げられる。中でも乾燥効率の観点から、攪拌乾燥、及び熱風乾燥が好ましい。攪拌乾燥としてはパドルドライヤー又は回転ドラム式乾燥機等の攪拌乾燥機で行うことが挙げられる。また熱風乾燥は通気ベルト上で熱風乾燥を行う通気バンド式乾燥機で行うことが好ましい。
本発明における乾燥温度、すなわち、熱風の温度は、乾燥効率を考慮すると、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、さらに好ましくは150℃以上であって、好ましくは250℃以下、より好ましくは230℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。また乾燥時間は、好ましくは10分間以上、より好ましくは20分間以上、さらに好ましくは30分間以上であって、好ましくは2時間以下、より好ましくは1.5時間以下、さらに好ましくは1時間以下である。
本発明の好ましい一実施形態では、乾燥工程において、前記ヒドロゲルが添加できる。乾燥工程あるいはそれ以前の工程において、前記ヒドロゲルを添加し、さらに前記高温で乾燥することで、前記ヒドロゲルを吸水性樹脂中に固定化できる。
(2-5)乾燥工程以降の粒度調整工程、微粉回収工程又は微粉造粒工程、及び該工程への前記ヒドロゲルの添加
本工程は、逆相懸濁重合や気相液滴重合等重合時の単量体が液滴状(数100ミクロン数mm)で重合される場合、不要となる場合があるが、それ以外の水溶液重合を含めた大抵の重合形態においては、乾燥工程以降の粒度調整工程、微粉回収工程又は微粉造粒工程を実施することが好ましい。
(粉砕及び分級)
粒度調整工程としては、乾燥で得られた乾燥重合体の粉砕及び/又は分級が適用され、乾燥後の粉砕及び/又は分級は一度でもよく、後述の表面架橋後に再度行ってもよい。粉砕や分級で発生する微粉は造粒ないし回収されてよい。
前記粉砕で使用される粉砕機としては、ロールミル、ハンマーミル、スクリューミル、ピンミル等の高速回転式粉砕機や、振動ミル、ナックルタイプ粉砕機、円筒型ミキサー等が挙げられる。中でも、粉砕効率の観点から、好ましくはロールミルが選択される。また、これら粉砕機を複数併用することもできる。
前記分級工程での粒度の調整方法としては、JIS標準篩(JIS Z8801-1(2000))を用いた篩分級や気流分級等が挙げられる。中でも、分級効率の観点から、好ましくは篩分級が選択される。なお、粉砕のしやすさやの観点から、付加的に粉砕工程の前に分級工程を行ってもよい。
(好適な粒度)
吸水性樹脂の粒度分布は、質量平均粒子径(D50)が好ましくは300μm以上、600μm以下であって、150μm未満の粒子の割合が5質量%以下である。質量平均粒子径(D50)の上限はより好ましくは500μm、さらに好ましくは450μm、特に好ましくは400μmである。また150μm未満の粒子の割合は、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。また粒度分布の狭さを示す対数標準偏差(σζ)は、好ましくは0.20以上、より好ましくは0.25以上、さらに好ましくは0.27以上であって、好ましくは0.50以下、より好ましくは0.40以下、さらに好ましくは0.35以下である。粒度分布の対数標準偏差(σζ)は、その値が小さいほど均一な粒径となり、粒子の偏析が少なくなるという利点がある。質量平均粒子径(D50)及び150μm未満の粒子の割合を夫々満足することが好ましく、質量平均粒子径(D50)、及び150μm未満の粒子の夫々の割合、並びに対数標準偏差を満足することがより好ましく、前記各範囲内で適宜組み合わせることができる。
前述した粒度は、粉砕工程及び分級工程後の吸水性樹脂のみならず、最終製品としての吸水剤についても適用される。そのため、表面架橋を行う場合は表面架橋前の吸水性樹脂で調整された前記範囲の粒度を維持するように、表面架橋工程で表面架橋処理されることが好ましく、表面架橋工程以降に整粒工程を設けて粒度調整することがより好ましい。
(微粉回収)
本発明の一実施形態に係る製造方法において、乾燥工程後に分級工程(表面架橋工程後の第2分級工程を含む。以下同じ。)を含み、前記分級工程において、目開き150μmの標準篩を通過した吸水性樹脂微粉末を分離した後、該吸水性樹脂微粉末又はその水添加物を乾燥工程以前の工程に回収(再利用)することが好ましい。微粉回収工程とは、乾燥工程及び必要により粉砕、分級工程にて発生する吸水性樹脂微粉末(特に粒子径150μm以下の粒子を70質量%以上含んだもの。以下、「微粉」と称することもある)を分離した後、そのままの状態で、あるいは水和又は造粒して、乾燥工程以前の工程に回収し、好ましくは、重合工程、ゲル粉砕工程又は乾燥工程にて回収する工程を指す。
微粉回収、特に微粉造粒、さらには水で微粉造粒することで、吸水性樹脂の粒度を制御することができるとともに、本工程により得られる吸水性樹脂の吸水速度をさらに向上することができる。
本発明における好適な微粉回収方法は、重合前の単量体水溶液、重合中の含水ゲル又は乾燥工程における乾燥機に、吸水性樹脂微粉子又はその水和物や造粒物、必要により無機微粒子等を混合する方法である。なお、重合前の単量体水溶液における微粉回収方法は国際公開第92/001008号、同第92/020723号に、重合中の含水ゲルにおける微粉回収方法は国際公開第2007/074167号、同第2009/109563号、同第2009/153196号、同第2010/006937号に、また、乾燥工程(乾燥機)における微粉回収方法は米国特許第6228930号等に、それぞれ例示されている。本発明における微粉回収方法として、これらの微粉回収方法が好ましく適用される。
(粒度調整工程、微粉回収工程又は微粉造粒工程への前記ヒドロゲルの添加)
本発明の好ましい一実施形態では、粒度調整工程、微粉回収工程又は微粉造粒工程において前記ヒドロゲルを添加できる。
特に微粉回収工程又は微粉造粒工程において微粉とともに前記ヒドロゲルを添加することで、前記ヒドロゲルを吸水性樹脂内部に均一に固定化でき、低下又は消失していた前記ヒドロゲルの吸水性能を回復させることもできる。
微粉と前記ヒドロゲルの質量比率は100:0~1:99、好ましくは10:90~90:10で、適宜選択できる。
(2-6)吸水性樹脂の粒度調整工程以降の添加剤添加工程又は表面架橋工程、及び該工程への前記ヒドロゲルの添加
(表面架橋工程)
前述の工程を経て得られる吸水性樹脂粒子は、さらに、該吸水性樹脂粒子の表面に架橋処理を施すことによって、表面近傍の架橋密度を高めて、吸水性樹脂の諸物性の改良を行うことが好ましい。本発明においては、前記表面架橋工程で使用される表面架橋剤としては、表面架橋剤の取り扱い性や吸水性樹脂の吸水性能等の観点から、好ましくはカルボキシル基と反応する官能基を二つ以上有する表面架橋剤であって、共有結合が形成される有機化合物が選択される。
前記表面架橋剤として、より具体的には、(モノ、ジ、トリ、テトラ、ポリ)エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオールの多価アルコール化合物、1,3-ジオキソラン-2-オン(エチレンカーボネート)、4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-オン等のアルキレンカーボネート化合物、(モノ、ジ、トリ、ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテナド多価グリシジル化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物、環状尿素化合物等が挙げられる。
前記表面架橋剤の使用量、又は複数種類を使用する場合はその合計量は、表面架橋前の吸水性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上であって、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
前記表面架橋剤は、水溶液として表面架橋前の吸水性樹脂に添加することが好ましい。この場合、水の使用量は、表面架橋前の吸水性樹脂100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であって、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、さらに好ましくは10質量部以下である。また、親水性有機溶媒を必要に応じて前記水と併用して、前記表面架橋剤溶液とすることもできる。この場合、親水性有機溶媒の使用量は、表面架橋前の吸水性樹脂100質量部に対して、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下である。前記表面架橋剤溶液の温度は混合性及び安定性の観点から、好ましくは0℃~沸点、より好ましくは5~50℃、さらに好ましくは10~30℃である。また、混合前の吸水性樹脂の温度は、混合性の観点から好ましくは0~80℃、より好ましくは40~70℃の範囲である。
前記表面架橋剤の添加方法としては、必要に応じて該表面架橋剤を水及び/又は親水性有機溶媒に予め混合した後、次いで、必要に応じて水及び/又は親水性有機溶媒と混合した前記表面架橋剤を吸水性樹脂に噴霧又は滴下する方法が好ましく、噴霧する方法がより好ましい。噴霧される液滴の大きさは平均で好ましくは1~300μm、より好ましくは10~200μmである。
前記表面架橋剤を添加した後の吸水性樹脂は、好ましくは加熱処理される。前記加熱処理を行う際の加熱温度は、表面架橋剤の種類及び量、並びに吸水性樹脂の吸水性能等の観点から、好ましくは150℃以上、より好ましくは170℃以上、さらに好ましくは180℃以上であって、好ましくは250℃以下、より好ましくは230℃以下である。また、加熱時間は好ましくは少なくとも5分間、より好ましくは少なくとも7分間である。
(添加剤の添加工程)
本工程は表面架橋後、表面架橋前又は表面架橋中の吸水性樹脂、好ましくは表面架橋後の吸水性樹脂に種々の機能を与えるために、添加剤を添加する工程であり、一つ又は複数の工程から構成される。
添加剤としては、通液性向上剤、吸湿時の流動性向上剤、着色防止剤、粉体の流れ制御剤、多価金属塩、カチオン性ポリマー、無機微粒子、キレート剤、還元剤、ヒドロキシカルボン酸化合物、界面活性剤、リン原子を有する化合物、酸化剤、金属石鹸等の有機粉末、消臭剤、抗菌剤、パルプや熱可塑性繊維、テルペン系芳香性化合物、及びフェノール系芳香性化合物等の芳香性物質よりなる群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を使用でき、必要に応じて2種類以上を併用できる。前記添加剤の添加量は、選択される化合物に応じて、適宜設定される。吸水性樹脂の製造工程で着色防止剤が添加される、
多価金属塩を使用する場合、多価金属塩の多価金属カチオンは、好ましくは2価以上、より好ましくは2価以上、4価以下、さらに好ましくは3価又は4価である。また、使用できる多価金属としては、アルミニウム、ジルコニウム等が挙げられる。
無機微粒子を使用する場合、無機微粒子としては、米国特許第7638570号に記載されている物質が挙げられる。中でも、通液性向上の観点から、二酸化ケイ素が好ましい。
前記無機微粒子は、一次粒子径が20nm未満である場合、吸水性樹脂100質量部に対して、好ましくは0質量部以上、より好ましくは0質量部超であって、好ましくは1.2質量部未満、より好ましくは1.0質量部未満、さらに好ましくは0.5質量部未満となるように添加すればよい。また、一次粒子径が20nm以上である場合、吸水性樹脂100質量部に対して、好ましくは0質量部以上、より好ましくは0質量部超であって、好ましくは2.0質量部未満、より好ましくは1.5質量部未満、さらに好ましくは1.0質量部未満となるように添加すればよい。
添加剤を吸水性樹脂に添加する場合、該添加剤が液体又は水等の水性媒体の溶液の時には、該液体又は溶液を吸水性樹脂に対して噴霧し、十分なトルクをかけて吸水性樹脂と添加剤とを均一かつ確実に混合することが好ましい。一方、前記添加剤が粉状等の固体である場合には、吸水性樹脂とドライブレンドしてもよく、水等の水性液体をバインダーとして使用してもよい。
(混合機)
表面架橋剤、水(特に造粒水)、添加剤、前記ヒドロゲルの混合に使用する装置として具体的には、攪拌型混合機、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が挙げられる。なお、攪拌型混合機を用いる場合には、その回転数は、好ましくは5rpm以上、より好ましくは10rpm以上であって、好ましくは10000rpm以下、より好ましくは2000rpm以下である。
なお、前記混合機は前記微粉造粒工程においても適用できる。
(添加剤添加工程又は表面架橋工程への前記ヒドロゲルの添加)
本発明の好ましい一実施形態では、吸水性樹脂の粒度調整工程以降の添加剤添加工程又は表面架橋工程に前記ヒドロゲルを添加できる。
(2-7)その他の工程
本発明の一実施形態においては、吸水性樹脂の製造工程は、前述した(1)~(6)の各工程以外に、必要に応じて輸送工程、貯蔵工程、梱包工程、保管工程、異物除去工程(例えば除鉄機や色彩選別機での異物の除去)、等から選択される少なくとも1種類の工程をさらに含んでいてもよい。
(2-8)吸水性樹脂の製造工程へ添加する前記ヒドロゲルの添加量
吸水性樹脂の製造工程の被処理物に添加する前記ヒドロゲルの添加量は、目的に応じて適宜選択されるが、添加先の吸水性樹脂の製造工程で使用する、内部架橋剤を除く単量体の固形分量との質量比で0.01~50:99.99~50であり、好ましくは0.1~40:99.9~60であり、さらに好ましくは0.2~30:99.8~70であり、特に好ましくは0.5~20:99.5~80であり、1~15:99~85である。
(2-9)添加する前記ヒドロゲル
本発明で吸水性樹脂の製造工程の被処理物に添加する前記ヒドロゲルは、これに限定されるものではないが、一実施形態においては、前記ヒドロゲルは、前記回収吸水性樹脂を含む混合物を水中で分散させ、前記回収吸水性樹脂が膨潤してなる膨潤ゲルを多価金属イオンで収縮させてなる収縮物でありうる。前記混合物が、他の材料を含む混合物である場合は、前記ヒドロゲルは、前記他の材料から分離された、前記収縮物であり得る。かかる場合、前記回収吸水性樹脂及び前記他の材料を含む混合物を水中で分散させ、前記回収吸水性樹脂が膨潤してなる膨潤ゲルを多価金属イオンで収縮させた後、他の材料から得られた収縮物を分離することが好ましい。ここで、前記他の材料としては、パルプ、接着剤、土、砂、肥料、紙等が挙げられる。前記他の材料を含む複合物を構成材料ごとに分離するために水が用いられ、その際に膨潤ゲルが生成する。また、前記ヒドロゲルは、別の一実施形態においては、前記吸水性樹脂の製造工程に用いられる装置を水で洗浄することにより得られた膨潤ゲルを、多価金属イオンで収縮させてなる収縮物でありうる。該装置としては、これに限定されるものではないが、例えば重合機が好ましい。また、具体的な洗浄方法としては、例えば、シャワー水や棒水を当てる方法、及び、前記装置が容器状の装置である場合に水を一定期間貯めたのち排水する方法がある。多価金属イオンが添加される前記膨潤ゲルに過度の水が伴わないように、前記膨潤ゲルの水切りを行うことも好ましい。また、多価金属イオンと前記膨潤ゲルが混合しやすいように、あるいは、前記ヒドロゲルを吸水性樹脂の製造工程の被処理物に添加しやすいように、前記膨潤ゲルを砕くことも好ましい。収縮処理に供される膨潤ゲルは好ましくは目開きが20mmの篩、より好ましくは10mmの篩を通過することができるサイズである。
(膨潤ゲルの収縮処理)
本発明の一実施形態において膨潤ゲルの収縮処理に用いられる多価金属イオンは特に限定されるものではない。具体的には、膨潤ゲルの収縮処理は、前記膨潤ゲルに、種々の多価金属イオンの塩を混合することによって行うことができる。使用できる多価金属塩としては、アルミニウム塩、亜鉛塩、アルカリ土類金属塩、および遷移金属塩が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。アルカリ土類金属塩としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の金属の塩が挙げられる。遷移金属塩としては、鉄、コバルト、ニッケル、銅等の金属の塩が挙げられる。好ましい実施形態において、多価金属塩は、カルシウム塩、マグネシウム塩、およびアルミニウム塩からなる群より選択される少なくとも一つである。
本発明で好適に使用することができる多価金属塩としては、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、ビス硫酸カリウムアルミニウム、ビス硫酸ナトリウムアルミニウム、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、ナトリウムミョウバン、アルミン酸ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム等を例示することができる。
収縮処理において、多価金属塩と回収吸水性樹脂との混合物における多価金属塩の量は、膨潤ゲルの固形分1g当たり、3mmol以上であることが好ましく、4mmol以上であることがより好ましく、5mmol以上であることがさらに好ましい。また、多価金属塩の量の上限値は、特に限定されないが、例えば、膨潤ゲルの固形分1g当たり、20mmol以下であることが好ましく、15mmol以下であることがより好ましい。収縮処理において、膨潤ゲルの固形分1g当たりの多価金属塩の量が3mmol以上であると、収縮処理が十分に行われるため好ましい。また、膨潤ゲルの固形分1g当たりの多価金属塩の量が20mmol以下であると、吸水性樹脂の吸水性能が低下する虞がない。
収縮処理の開始時から終了時までの収縮処理時間は、被吸収液を吸収した回収吸水性樹脂の脱水の程度に応じて、適宜に設定することができる。なお、収縮処理の開始時から終了時までの収縮処理時間とは、多価金属イオンと回収吸水性樹脂とを接触させることによりこれらの混合物を形成してから、慣用の固液分離手段により、可溶性物質とヒドロゲルとを分離するまでの時間を意図する。
生産性を高めるためには、収縮処理時間は短いことが好ましい。本発明の一実施形態において、収縮処理時間を120分間以内とすることが可能であり、より好ましくは90分間以内とすることが可能であり、さらに好ましくは、60分間以内とすることが可能である。また、高い脱水率を有する脱水吸水性樹脂を得るためには、脱水時間は、5分間以上であることが好ましく、10分間以上であることがより好ましく、15分間以上であることがさらに好ましい。
多価金属イオンと回収吸水性樹脂との混合物の撹拌を適宜に行ってもよく、これにより、多価金属イオンと膨潤ゲルとの接触機会を増大させて、収縮速度を高めることができる。
収縮処理は、膨潤ゲルの収縮が進行し得る任意の温度で行うことができる。具体的には、多価金属イオンと膨潤ゲルとの混合物の温度は、例えば5~80℃であってよく、好ましくは10~60℃であり、より好ましくは常温(20~40℃)である。
(前記ヒドロゲルの乾燥)
前記ヒドロゲルは好ましくは乾燥される。ヒドロゲルの好ましい乾燥温度は100~300℃であり、より好ましくは130~230℃、さらに好ましくは150~200℃で高温乾燥される。乾燥され、粉末として取り扱えるようになることにより、吸水性樹脂の製造工程の被処理物にヒドロゲルを添加する操作が容易になる。なお、前記ヒドロゲルの乾燥物も便宜上ヒドロゲルと呼ぶ。
(2-11)前記ヒドロゲルの性能
本発明の一実施形態において、吸水性樹脂の製造工程の被処理物に添加される前記ヒドロゲルの質量平均粒子径は10~600μmが好ましく、50~500μmがより好ましく、100~400μmがさらに好ましい。
本発明の一実施形態において、吸水性樹脂の製造工程の被処理物に添加される前記ヒドロゲルの固形分率は、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましく、90質量%以上が特に好ましい。
本発明の一実施形態において、前記ヒドロゲルの固形分補正CRCは5g/g以下であり、好ましくは3g/g以下である。固形分補正CRCが5g/gより大きい場合、前記収縮処理が不十分であり、ヒドロゲルの取り扱い性が悪化したり、ヒドロゲルの乾燥に大きなエネルギーを要する虞がある。一方、前記ヒドロゲルの固形分補正CRC(6hr)は、5g/g以上であることが好ましく、7g/g以上であることがより好ましい。すなわち、多価金属イオンで収縮させたヒドロゲルは、吸水能力を完全には失っておらず、被吸水液中で非常にゆっくりと吸水していることが判明した。このようなヒドロゲルを吸水性樹脂の製造工程の被処理物に添加し、好ましくは前記比率で添加した場合、吸水性樹脂全体として吸水速度の低下は起こりにくい。前記ヒドロゲルの固形分補正CRC(6hr)は、好ましくは50g/g以下であり、より好ましくは30g/g以下である。
また、吸水性樹脂の着色を抑制するために、前記ヒドロゲルの黄色度(YI)は、20以下、15以下、10以下の順に好ましい。
本発明においては、膨潤ゲルの分解、可溶化を行わずに膨潤ゲルを処理できるため、ポリマー分解剤の添加を行う必要がない。それゆえ、操作及び得られる吸水性樹脂の物性の観点から吸水性樹脂の製造工程への影響は小さい。ポリマー分解剤としては、例えば酸化剤及び還元剤が挙げられる。より具体的には、L-アスコルビン酸(塩)、亜硫酸(水素)塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び、過酸化水素が挙げられる。ポリマー分解剤を用いて膨潤ゲルの分解、可溶化を行った場合、多量のポリマー分解剤が吸水性樹脂の製造工程において使用されることになり、重合が不安定になったり、吸水性樹脂の劣化が起こる虞がある。一方、前記ポリマー分解剤が吸水性樹脂の着色防止剤として元々膨潤ゲルに含有されている場合もあるが、通常吸水性樹脂の劣化が起こらない程度の量に制御されている。すなわち、好ましくは、前記ヒドロゲルが、酸化剤及び還元剤から選ばれる少なくとも1つ以上のポリマー分解剤を含有しない、又は含有する場合の含有量が1000ppm以下である。そして、前記ポリマー分解剤は、L-アスコルビン酸(塩)、亜硫酸(水素)塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び、過酸化水素なる群から選ばれる少なくとも1つ以上であってもよい。前記ポリマー分解剤を含有する場合の含有量は、好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは100ppm以下である。
〔4〕本発明の吸水性樹脂
本発明は、吸水性樹脂の製造工程の被処理物に、回収吸水性樹脂のヒドロゲルを添加してなる吸水性樹脂であって、前記ヒドロゲルが、多価金属イオンを含むとともに、固形分補正CRCが5g/g以下である、吸水性樹脂を提供する。
前記ヒドロゲルを吸水性樹脂の製造工程に含まれる前記工程(1)~(4)の被処理物に添加する場合には、前記ヒドロゲルが吸水性樹脂の内部に含有される。前記ヒドロゲルを前記工程(6)の被処理物に添加する場合には、前記ヒドロゲルが吸水性樹脂の表面に含有される。前記ヒドロゲルを前記工程(5)の被処理物に添加する場合には、前記ヒドロゲルが吸水性樹脂の内部及び/又は表面に含有される。特に前記ヒドロゲルを微粉造粒工程において被処理物に添加する場合は吸水性樹脂の微粉と前記ヒドロゲルを含んでなる微粉造粒物を含む吸水性樹脂が得られ、好ましい。
本発明によれば、前記膨潤ゲルの分解・可溶化が必要でないため、吸水性樹脂の劣化の原因となるポリマー分解剤の含有量が少ない吸水性樹脂が得られる。すなわち、本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、酸化剤及び還元剤から選ばれる少なくとも1つ以上のポリマー分解剤を含有しないか、又は前記ポリマー分解剤を含有する場合、前記ポリマー分解剤の含有量は100ppm以下である。そして、前記ポリマー分解剤は、L-アスコルビン酸(塩)、亜硫酸(水素)塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び、過酸化水素からなる群から選ばれる少なくとも1つ以上であってもよい。
本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂において、前記ヒドロゲルの固形分量と、前記吸水性樹脂を構成する単量体の固形分量との質量比が0.01~50:99.99~50であることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る吸水性樹脂は、遠心分離機保持容量(CRC)が、好ましくは10g/g以上、より好ましくは20g/g以上、さらに好ましくは25g/g以上、特に好ましくは30g/g以上である。前記遠心分離機保持容量(CRC)の上限値は、特に限定されないが、他の物性とのバランスの観点から、好ましくは50g/g、より好ましくは45g/g、さらに好ましくは40g/gである。
〔5〕本発明の吸水性樹脂の用途等
本発明の吸水性樹脂は、広く吸収性物品に用いることができ、例えば衛生用品、ケーブル、包装材料、土壌添加剤又は建設材料に使用できる。
以下、実施例、比較例及び参考例に従って発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等によって限定されて解釈されるものではない。本発明の特許請求の範囲や実施例に記載の諸物性は、室温(23±2℃)、湿度50±10RH%の条件下にて算出した。
(参考例1)吸水性樹脂の製造
架橋剤ポリエチレングリコールジアクリレート(平均エチレンオキサイドユニット数:n=9)0.07モル%(対単量体)を含む、中和率75モル%で濃度39質量%のアクリル酸ナトリウム水溶液を調製した(単量体水溶液調製工程)。次いで、得られたアクリル酸ナトリウム水溶液に、単量体1mol当たり0.12gの過硫酸ナトリウムを添加し、単量体を水溶液重合させて含水ゲル状架橋重合体(1)を得た(重合工程)。次いで、含水ゲル状架橋重合体(1)を60℃にて数cmに裁断し、その後にさらにミートチョッパーで1mm以下に細粒化して粒子状含水ゲル状架橋重合体(1)を得た(ゲル粉砕工程)。粒子状含水ゲル状架橋重合体(1)を厚み数cmに積層して風温180℃の熱風乾燥機で20分乾燥して固形分率95%まで乾燥してブロック状乾燥重合体(1)を得た(乾燥工程)。
ブロック状乾燥重合体(1)はロールミルで粉砕し、さらに、目開き850μm及び150μmのJIS標準篩で分級した。150μm未満の微粉(ブロック状乾燥重合体(1)全量に対して約10質量%)は回収し、また、850μm超の粒子はロールミルで再粉砕することにより、850~150μmの吸水性樹脂粉末(A)及び150μm未満の吸水性樹脂微粉末(B)を得た(粒度調整工程)。
得られた850~150μmの吸水性樹脂粉末(A)に、水2質量%及び表面架橋剤であるエチレンカーボネート0.5質量%からなる表面架橋剤水溶液をレディゲミキサー中で噴霧添加し、その後、180℃で30分間加熱処理した。加熱処理後の吸水性樹脂粉末(A)を、目開き850μm及び150μmのJIS標準篩で整粒し、表面架橋された吸水性樹脂粉末(1)を得た(表面架橋工程)。ここで、150μm通過物(150μm未満の微粉末)は表面架橋された吸水性樹脂微粉末(b)とした。
(参考例2)吸水性樹脂の微粉造粒
参考例1で得た150μm未満の吸水性樹脂微粉末(B)及び150μm未満の表面架橋された吸水性樹脂微粉末(b)を混合した。得られた微粉末混合物100質量部に80~90℃の温水100質量部を攪拌下で混合して、粒径数mmの微粉造粒ゲル(固形分率約50%)を得た。その後、得られた微粉造粒ゲルを190℃の熱風乾燥機で30分乾燥させた。乾燥後の微粉造粒ゲルは粒径数mmに造粒されており、さらに、ロールミルで粉砕し、さらに、目開き850μm及び150μmのJIS標準篩で分級することにより、粒径850~150μmの微粉造粒物(1)を得た(微粉造粒工程)。微粉造粒物(1)の吸水倍率CRCは27.9g/gであった。
(参考例3)紙おむつからの吸水性樹脂の分離・回収(多価金属塩による収縮処理)
市販紙おむつを数cmに裁断した後、裁断物に多量の水を加えて撹拌することにより、パルプ、不織布、熱可塑性バインダー、及び、吸水性樹脂の膨潤ゲル粒子を含む水分散液を得た。次いで、該膨潤ゲル粒子を水中から分離沈降させるために、前記水分散液に塩化カルシウムを添加して吸水性樹脂(部分中和ポリアクリル酸ナトリウム架橋体)の膨潤ゲル粒子を収縮沈降させた後、パルプ、不織布、及び、熱可塑性バインダーを除去した。
塩化カルシウムを添加することにより、吸水性樹脂の膨潤ゲル粒子は粒子径が約1mm以下となるように収縮して沈降した。収縮沈降した膨潤ゲル粒子を、濾過により分離し、その後乾燥することで、市販紙おむつからヒドロゲル(1)(塩化カルシウムで架橋した吸水性樹脂。主成分はポリアクリル酸カルシウム架橋体。乾燥後の粒子径は略300μm以下)を得た。得られたヒドロゲル(1)の固形分率は99質量%、固形分補正CRCは1.0g/g、固形分補正CRC(6hr)は6.4g/gであった。
市販紙おむつ中の吸水性樹脂(部分中和ポリアクリル酸ナトリウム架橋体)の吸水倍率CRCは通常30~40g/gである。これに対して、前記市販紙おむつからの部材(パルプ等)の回収工程で得られる、ヒドロゲルは、部材(パルプ等)の回収工程で吸水性樹脂を塩化カルシウムで収縮させるため、吸水倍率CRCが大幅に低下して、吸水性樹脂として実使用に耐えないことが分かる。
(参考例4)参考例1で使用した重合容器を脱イオン水で洗浄し、その際膨潤ゲルを得た。これをジューサーで粉砕し、膨潤ゲル粒子を得た。これに塩化カルシウムを添加することにより、吸水性樹脂の膨潤ゲル粒子は粒子径が約1mm以下となるように収縮して沈降した。収縮沈降した膨潤ゲル粒子を、濾過により分離し、その後乾燥することで、ヒドロゲル(2)を得た。得られたヒドロゲル(2)の固形分率は98質量%、固形分補正CRCは0.8g/g、固形分補正CRC(6hr)は7.3g/gであった。
(実施例1)微粉造粒工程への前記ヒドロゲルの添加
参考例3で紙おむつから得たヒドロゲル(1)(塩化カルシウムで架橋した吸水性樹脂。CRC=1.0g/g)を目開き150μmのJIS標準篩で分級して、150μm通過物を得た。150μm通過物のCRCは1.0g/gであった。
次いで、参考例2の微粉造粒において、150μm未満の吸水性樹脂微粉末(B)及び150μm未満の表面架橋された吸水性樹脂微粉末(b)を混合して得られた微粉末混合物100質量部の代わりに、該微粉末混合物90質量部に参考例3で紙おむつから得たヒドロゲル(1)の150μm通過物10質量部を添加してなる混合物を使用した以外は、前記参考例2と同様にして、微粉造粒を行った。
具体的には、150μm未満の吸水性樹脂微粉末(B)及び150μm未満の表面架橋された吸水性樹脂微粉末(b)を混合して得られた微粉末混合物90質量部と、ヒドロゲル(1)の150μm通過物10質量部との混合物に、参考例2の微粉造粒と同様に、80~90℃の温水100質量部を攪拌下で混合して、微粉造粒ゲル(固形分率約50%)を得た後、乾燥させた。乾燥後の微粉造粒ゲルは参考例2と同様に粒径数mmに造粒されており、さらに、ロールミルで粉砕し、さらに、目開き850μm及び150μmのJIS標準篩で分級することにより、粒径850~150μmの微粉造粒物(2)(以下、吸水性樹脂(1))を得た(微粉造粒工程)。
ヒドロゲル(1)の150μm通過物(固形分補正CRC=1.0g/g)10質量%を含む吸水性樹脂(1)の吸水倍率CRCは27.3g/gであった。
ここで、微粉造粒物(1)のCRCは27.9g/gであり、ヒドロゲル(1)の150μm通過物の固形分補正CRCは1.0g/gである。実施例1における、150μm未満の吸水性樹脂微粉末(B)及び150μm未満の表面架橋された吸水性樹脂微粉末(b)を混合して得られた微粉末混合物と、ヒドロゲル(1)の150μm通過物の混合比9:1から計算される吸水性樹脂(1)の理論CRC25.2g/g(=27.9*0.9+1.0*0.1)=に対して、実測した吸水性樹脂(1)のCRCは27.3g/gであり、理論CRCに比べて2.1g/gの吸水倍率の向上が確認された。これはすなわち、ヒドロゲル(1)の固形分補正CRCが1.0g/gから21.9g/gまで大幅に回復したことに相当する。
(比較例1)ヒドロゲルのみを使用した微粉造粒
参考例2の微粉造粒において、150μm未満の吸水性樹脂微粉末(B)及び150μm未満の表面架橋された吸水性樹脂微粉末(b)の混合物100質量部に代えて、ヒドロゲル(1)の150μm通過物(固形分補正CRCは1.0g/g)のみで同様に微粉造粒を行ったが、吸水性能が低いため、造粒ができなった。
(比較例2)従来のヒドロゲルの処理
ヒドロゲル(1)(固形分補正CRCは1.0g/g)に対して、特開2013-198862号公報に準じて塩化カルシウムを除去してCRCの回復処理を行った。しかし、CRCは1~2g/g程度にしか回復しなかった。
(実施例2)実施例1におけるヒドロゲルの添加量の変更
実施例1の微粉造粒工程への前記ヒドロゲルの添加において、150μm未満の吸水性樹脂微粉末(B)及び150μm未満の表面架橋された吸水性樹脂微粉末(b)を混合して得られた微粉末混合物と、ヒドロゲル(1)の150μm通過物の混合比を90:10から、80:20へ変更、すなわち、150μm未満の吸水性樹脂微粉末(B)及び150μm未満の表面架橋された吸水性樹脂微粉末(b)の混合物を80質量部、参考例3で紙おむつから得たヒドロゲル(1)の150μm通過物を20質量部に変更した以外は実施例1と同様にして微粉造粒を行うことにより、微粉造粒物(3)(以下、吸水性樹脂(2))を得た。
ヒドロゲル(1)(固形分補正CRC=1.0g/g)20質量%を含む吸水性樹脂(2)のCRCは24.3g/gであった。
ここで、実施例2における、150μm未満の吸水性樹脂微粉末(B)及び150μm未満の表面架橋された吸水性樹脂微粉末(b)を混合して得られた微粉末混合物と、ヒドロゲル(1)の150μm通過物の混合比8:2から計算される吸水性樹脂(2)の理論CRC22.5g/g(=27.9*0.8+1.0*0.2)に対して、実測した吸水性樹脂(2)のCRCは24.3g/gであり、理論CRCに比べて1.6g/gの吸水倍率CRCの向上が確認された。これはすなわち、ヒドロゲル(1)のCRCが1.0g/gから9.9g/gまで大幅に回復したことに相当する。
(実施例3)重合工程への前記ヒドロゲルの添加
参考例1の吸水性樹脂の重合工程において、ヒドロゲル(1)(固形分補正CRC=1.0g/g;目開き150μmのJIS標準篩通過物)5質量%[対(ヒドロゲル(1)+単量体固形分)]を単量体水溶液に添加して重合を行った。その後、参考例1と同様にして、ゲル粉砕、乾燥、粒度調整、及び表面架橋を行って、目開き850μm及び150μmのJIS標準篩で整粒され、表面架橋された吸水性樹脂粉末(2)(以下、吸水性樹脂(3))を得た。得られた吸水性樹脂(3)にはヒドロゲル(1)(150μm以下)が全て内部に組み込まれており、ヒドロゲル(1)の残存物は存在しなかった。
(実施例4)ゲル粉砕工程への前記ヒドロゲルの添加
参考例1の吸水性樹脂のゲル粉砕工程において、ヒドロゲル(1)(固形分補正CRC=1.0g/g)5質量%[対(ヒドロゲル(1)+単量体固形分)]を含水ゲル状架橋重合体に添加してゲル粉砕を行った。その後、参考例1と同様にして、乾燥、粒度調整、及び表面架橋を行って、目開き850μm及び150μmのJIS標準篩で整粒され、表面架橋された吸水性樹脂粉末(3)(以下、吸水性樹脂(4))を得た。吸水性樹脂(4)にはヒドロゲル(1)(150μm以下)が全て内部に込まれており、ヒドロゲル(1)の残存物は存在しなかった。
(実施例5)
実施例1において、ヒドロゲル(1)の代わりにヒドロゲル(2)を用いた以外は、実施例1と同様に操作し、吸水性樹脂(5)を得た。なお、ヒドロゲル(2)の150μm通過物の固形分補正CRCは0.7g/g、吸水性樹脂(5)のCRCは27.1g/gであった。
(まとめ)
前記実施例1、2と比較例1、2の対比から、膨潤ゲルを多価金属イオンで収縮させて得られたヒドロゲルを吸水性樹脂の製造工程(微粉造粒工程)に、吸水性樹脂に対して10質量%又は20質量%の使用割合で添加することで、混合比から計算される理論値よりも吸水倍率(CRC)が向上し、すなわちヒドロゲルの吸水性能が回復すること分かる。
また、実施例3、4より、その他の吸水性樹脂の製造工程の各工程においても、ヒドロゲルは吸水性樹脂の原料として使用できることが分かる。
さらに、実施例5から、吸水性樹脂の製造装置を洗浄した際に発生する膨潤ゲルに対しても本発明が適用できることが分かる。
地球環境への負荷低減、資源保護、カーボンニュートラル、SDGs(持続可能な開発目標)等の観点に基づいた、資源及び消費エネルギーの削減に有用な吸水性樹脂の製造方法を提供できる。

Claims (15)

  1. 吸水性樹脂の製造工程の被処理物に、回収吸水性樹脂のヒドロゲルを添加する工程を含む吸水性樹脂の製造方法であって、前記ヒドロゲルは、多価金属イオンを含むとともに、固形分補正CRCが5g/g以下である、吸水性樹脂の製造方法。
  2. 前記ヒドロゲルを前記吸水性樹脂の製造工程に含まれる下記工程(1)~(6)の少なくとも1つの工程の被処理物に添加する、請求項1に記載の吸水性樹脂の製造方法。
    (1)単量体水溶液の調製工程
    (2)重合工程
    (3)重合中又は重合後のゲル粉砕工程
    (4)乾燥工程
    (5)乾燥工程以降の粒度調整工程、微粉回収工程又は微粉造粒工程
    (6)粒度調整工程以降の添加剤添加工程又は表面架橋工程
  3. 前記ヒドロゲルは、前記回収吸水性樹脂を含む混合物を水中で分散させ、前記回収吸水性樹脂が膨潤してなる膨潤ゲルを多価金属イオンで収縮させたものである、請求項1又は2に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  4. 前記ヒドロゲルは、前記吸水性樹脂の製造工程に用いられる装置を水で洗浄することにより得られた膨潤ゲルを、多価金属イオンで収縮させたものである、請求項1又は2に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  5. 前記ヒドロゲルは、前記膨潤ゲルを多価金属イオンで収縮させ、乾燥させて得られた乾燥物である、請求項3又は4に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  6. 前記ヒドロゲルの質量平均粒子径は10μm~600μmである、請求項5に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  7. 前記ヒドロゲルの固形分量と、前記吸水性樹脂の製造工程で使用する単量体の固形分量との質量比は、0.01~50:99.99~50である、請求項1~6のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  8. 前記ヒドロゲルの黄色度(YI)は、20以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  9. 前記ヒドロゲルは、酸化剤及び還元剤から選ばれる少なくとも1つ以上のポリマー分解剤を含有しない、又は前記ポリマー分解剤を含有する場合、前記ポリマー分解剤の含有量は1000ppm以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  10. 前記ポリマー分解剤は、L-アスコルビン酸(塩)、亜硫酸(水素)塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び、過酸化水素からなる群から選ばれる少なくとも1つ以上である、請求項9に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  11. 前記吸水性樹脂の製造工程の少なくとも1つの工程で着色防止剤が添加される、請求項1~10のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  12. 吸水性樹脂の製造工程の被処理物に、回収吸水性樹脂のヒドロゲルを添加してなる吸水性樹脂であって、前記ヒドロゲルは、多価金属イオンを含むとともに、固形分補正CRCが5g/g以下である、吸水性樹脂。
  13. 吸水性樹脂微粉末と前記ヒドロゲルを含んでなる微粉造粒物を含む、請求項12に記載の吸水性樹脂。
  14. 酸化剤及び還元剤から選ばれる少なくとも1つ以上のポリマー分解剤を含有しない、又は前記ポリマー分解剤を含有する場合、前記ポリマー分解剤の含有量は100ppm以下である、請求項12又は13に記載の吸水性樹脂。
  15. 前記ポリマー分解剤は、L-アスコルビン酸(塩)、亜硫酸(水素)塩、亜塩素酸塩、次亜塩素酸塩、及び、過酸化水素からなる群から選ばれる少なくとも1つ以上である、請求項14に記載の吸水性樹脂。
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