JP2022104507A - 防水上衣 - Google Patents
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Abstract
【課題】生地は防水生地で濡れにくく、命綱(ワイヤー)引き出し開口部から水が侵入しても排出しやすい防水上衣を提供する。【解決手段】ハーネス15を装着し、ハーネス15の上から着用する防水上衣1であって、防水上衣1本体の生地は防水生地であり、防水上衣1本体の背中部及び/又は胸部には、ハーネス15に接続する命綱10を取り出すための生地製筒状開口部6を備え、生地製筒状開口部6を構成する下側の少なくとも一部の生地は、侵入水を除去するためのメッシュ生地16である。【選択図】図2
Description
本発明は、防水上衣に関する。さらに詳しくは、人体にハーネスを装着し、その上から着用する防水上衣に関する。
土木、建築工事などの作業現場では、作業者の安全を確保するため、作業者にハーネスを着用させ、このハーネスに命綱を接続してアンカーなどの構造物に固定することが行われている。特許文献1及び2には、前記ハーネスを作業着等の上着の内側に装着し、ハーネスに接続した命綱を外側へ引き出す開口部(開閉手段)に取出し筒部(命綱貫通手段)を衣服等に備え、このような衣服等を安全帯の上に重ねて着用することが提案されている。
しかし、特許文献1及び2の作業着は、雨降りの対応が考慮されておらず、生地が濡れたり、あるいは命綱引き出し開口部から水が伝わって作業着の内部に入ってしまう問題があった。特許文献1及び2には、開口部の先端に口紐を付けて縛ることが開示されているが、強く縛ると命綱の出し入れが困難となり、緩めておく必要があり、そうすると雨水が入りやすくなる問題があった。また、命綱は上に向けて固定する場合も多く、命綱を伝わって雨水が入りやすくなる問題があった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、生地は防水生地で濡れにくく、命綱(ワイヤー)引き出し開口部から水が侵入しても排出しやすい防水上衣を提供する。
本発明は、ハーネスを装着し、前記ハーネスの上から着用する防水上衣であって、前記防水上衣本体の生地は防水生地であり、前記防水上衣本体の背中部及び/又は胸部には、前記ハーネスに接続する命綱を取り出すための生地製筒状開口部を備え、前記生地製筒状開口部を構成する下側の少なくとも一部の生地は、侵入水を除去するためのメッシュ生地であることを特徴とする防水上衣である。
本発明の防水上衣は、防水上衣本体の生地は防水生地であり、前記防水上衣本体の背中部及び/又は胸部には、前記ハーネスに接続する命綱を取り出すための生地製筒状開口部を備え、前記生地製筒状開口部を構成する下側の少なくとも一部の生地は、侵入水を除去するためのメッシュ生地であることにより、防水上衣本体の内側は濡れにくく、命綱引き出し開口部から水が侵入しても排出しやすい防水上衣を提供できる。すなわち、防水上衣本体の生地は防水生地であるから内側は濡れにくく、生地製筒状開口部から命綱を伝わって入る水はメッシュ生地部分で外部に排出されるので、防水上衣内部に侵入しにくい。
本発明は、ハーネスを装着し、前記ハーネスの上から着用する防水上衣である。この防水上衣は、雨降りの時に着用するカッパである。防水上衣本体の生地は防水生地である。防水生地は、生地表面に樹脂フィルムをラミネートさせたり、ゴム引きしたり、防水透湿布であってもよい。これにより、雨が降っても内部は濡れにくい。
防水上衣本体の背中部及び/又は胸部には、ハーネスに接続する命綱を取り出すための生地製筒状開口部を備えている。命綱は金属製ワイヤーであってもよいし、合成繊維製ロープであってもよい。生地製筒状開口部を構成する下側の少なくとも一部の生地は、侵入水を除去するためのメッシュ生地を配置する。これにより、生地製筒状開口部から命綱を伝わって入る水はメッシュ生地部分で外部に排出されるので、防水上衣内部に侵入しにくい。
生地製筒状開口部の下側の生地は、上側の生地に比べて命綱の取り出し方向に長くしてもよい。これにより、メッシュ生地部分は下側に下がり、生地製筒状開口部から命綱を伝わって入る水は、さらにメッシュ生地部分で外部に排出されやすくなる。前記メッシュ生地は、下側の生地の中央部に配置されていてもよい。この場合の中央部は、生地製筒状開口部の命綱の取り出し方向及び生地製筒状開口部の幅方向中央部の一方又は両方を示す。生地製筒状開口部の下側の生地の中央部は水が溜まりやすいことから、この部分にメッシュ生地を配置するのが有効である。
メッシュ生地は、糸密度がタテ糸、ヨコ糸ともに20~70本/インチの生地が好ましく、より好ましくはタテ糸、ヨコ糸ともに30~60本/インチである。糸密度が前記の範囲であれば、水が浸入しても上衣の外側に落下し、外部に排除しやすい。
本発明の一実施形態として、身生地背中部の開口部は身幅方向に配置され、前記開口部周辺の身生地に生地製筒状開口部が接続され、前記開口部の上部にはカバー生地が配置され、前記カバー生地と身生地には固定具が設けられており、命綱を使わないときは前記生地製筒状開口部を防水上衣内に収納し、前記カバー生地を身生地に固定するのが好ましい。これにより、突出部はなくなり、安全な上衣となる。生地製筒状開口部が飛び出したままであると、引っ掛かったりして危険である。
別の実施形態としては、身生地背中部及び/又は胸部の開口部は身丈方向に配置され、前記開口部周辺の身生地に生地製筒状開口部が接続され、前記開口部は防水ファスナーによって開閉可能であり、命綱を使わないときは前記生地製筒状開口部を防水上衣内に収納し、前記防水ファスナーを閉めておくのが好ましい。この例においても突出部はなくなり、安全な上衣となる。
以下図面を用いて説明する。以下の図面において、同一符号は同一部材を示す。図1は本発明の一実施形態における防水上衣1の模式的背面図である。この防水上衣1は、前身頃2と後見頃3と袖部4a,4bを含む。フード5はあってもよいが、安全上から無くてもよい。この防水上衣1の後見頃3の背中部の身幅方向(ヨコ方向)には開口部が形成されており、開口部の周辺に生地製筒状開口部6の基端部が縫製、接着等で接続され、筒状開口部6を通して命綱10を取り出せる。生地製筒状開口部6の先端部には紐7がある。命綱10を使わないときは生地製筒状開口部6を防水上衣内に収納し、カバー生地8と後見頃3の生地をフック9aと9b、9cと9dによって固定する。
図2は同防水上衣1とハーネスとの関係を示す模式的説明図である。ハーネス15はベルト12とベルト固定部13とリング部14がある。命綱10の先端部には前記リング部14につなげるカラビナ11がある。
図3は同防水上衣の生地製筒状開口部の模式的拡大斜視図、図4は同模式的拡大側面図、図5は同模式的拡大斜視図である。生地製筒状開口部6の下側の中央部にはメッシュ生地16が配置されており、生地製筒状開口部6に入る水はメッシュ生地16で下に排出される。18は身生地に設けられた開口部であり、17は前記生地製筒状開口部の入り口である。
図6は別の実施形態のメッシュ生地16の配置位置を示す模式的拡大斜視図であり、生地製筒状開口部6の下側の中央部の一部にはメッシュ生地16が配置されており、生地製筒状開口部6に入る水はメッシュ生地16で下に排出される。メッシュ生地16の面積を小さくすることで、風の強いときなどメッシュ生地16から雨水が浸入するのを防ぐ効果がある。
図4~6においては、生地製筒状開口部6の下側の生地6bは、上側の生地6aに比べて命綱の取り出し方向に長くすることが好ましい。これにより、メッシュ生地16は下側に下がり、生地製筒状開口部6から命綱を伝わって入る水は、メッシュ生地16から上衣の外側に落下し、外部に排出されやすくなる。
図4~6においては、生地製筒状開口部6の下側の生地6bは、上側の生地6aに比べて命綱の取り出し方向に長くすることが好ましい。これにより、メッシュ生地16は下側に下がり、生地製筒状開口部6から命綱を伝わって入る水は、メッシュ生地16から上衣の外側に落下し、外部に排出されやすくなる。
図7Aは本発明の一実施形態における防水上衣の模式的正面図であり、図7Bは同背面図である。図7Bに示すように、命綱を使わないときは生地製筒状開口部を折り畳み、防水上衣内に収納し、カバー生地8と後ろ身頃3の生地をフック9aと9b、9cと9dによって固定する。これにより、生地製筒状開口部は防水上衣本体の背中部に一体化され、突出部もないことから、安全な上衣となる。
図8は本発明の別の実施形態における防水上衣20の模式的正面図である。この防水上衣20は、胸部の開口部は身丈方向(タテ方向)に配置されており、開口部の周辺に生地製筒状開口部6の基端部が縫製、接着等で接続され、開口部は防水ファスナー(止水ファスナー)21によって開閉可能であり、命綱を使わないときは前記生地製筒状開口部31を防水上衣内に収納し、前記防水ファスナー(止水ファスナー)21を閉めておく。身丈方向(タテ方向)に配置された胸部の生地製筒状開口部の説明は後記する図9A-Bで説明する。図8において、再帰反射テープ23a-23dがそれぞれ頭部フード部の前面、両袖の外側部、首から首下部に配置されている。両胸上部にはDカン22a,22bが固定されている。腹部前面にはポケット24a,24bが配置されている。また、両袖口部には面ファスナーループ25a,26aと袖口タブの面ファスナーフック25b,26bが配置されている。
図9Aは同防水上衣の生地製筒状開口部31の模式的拡大側面図、図9Bは同模式的拡大正面図である。この筒状開口部31は、上部が防水生地27a、下部の先端側が防水生地27b、下部の身体側がメッシュ生地28であり、先端部にはストッパー29とゴムスピンドル30がある。
図10は本発明のさらに別の実施形態における防水上衣32の模式的背面図である。図7Bと変わる点は、背中部の開口部を身丈方向(タテ方向)にした点である。構造は図9A-Bと同様である。背中部の左側の身丈方向に再帰反射テープ23eが配置されている。また、フード背面には面ファスナーループ34aと袖口タブの面ファスナーフック34bが配置され、フードの深さを調整できるようになっている。33は筒状開口部入り口の防水ファスナー(止水ファスナー)である。
以下実施例を用いてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
市販の防水生地を使用して図1~5に示す防水上衣を作成した。生地製筒状開口部6の幅は220mm、取り出し長さは130mm、生地製筒状開口部6の下側の中央部のメッシュ生地16の幅は220mm、取り出し長さは50mmとした。メッシュ生地は、ポリエステル製織物であり、糸密度がタテ糸、ヨコ糸ともに40本/インチの生地とした。
図1-2に示すように作業者の身体にハーネスを装着し、防水上衣を着用し、前記ハーネスに命綱10を繋ぎ、命綱10は鉄柵に固定した状態で、雨降りの中で作業した。
この結果、雨水はメッシュ生地16で上衣の外側に落下して排除され、防水上衣内には侵入しなかった。
市販の防水生地を使用して図1~5に示す防水上衣を作成した。生地製筒状開口部6の幅は220mm、取り出し長さは130mm、生地製筒状開口部6の下側の中央部のメッシュ生地16の幅は220mm、取り出し長さは50mmとした。メッシュ生地は、ポリエステル製織物であり、糸密度がタテ糸、ヨコ糸ともに40本/インチの生地とした。
図1-2に示すように作業者の身体にハーネスを装着し、防水上衣を着用し、前記ハーネスに命綱10を繋ぎ、命綱10は鉄柵に固定した状態で、雨降りの中で作業した。
この結果、雨水はメッシュ生地16で上衣の外側に落下して排除され、防水上衣内には侵入しなかった。
(実施例2)
図8~10に示すように、防水上衣本体の胸部及び背中部に、ハーネスに接続する命綱を取り出すための身丈方向(タテ方向)に開口部を形成し、生地製筒状開口部を接続した。作業者の身体にハーネスを装着し、防水上衣を着用し、前記ハーネスに命綱を繋ぎ、命綱は鉄柵に固定した状態で、雨降りの中で作業した。
この結果、雨水はメッシュ生地で上衣の外側に落下して排除され、防水上衣内には侵入しなかった。
図8~10に示すように、防水上衣本体の胸部及び背中部に、ハーネスに接続する命綱を取り出すための身丈方向(タテ方向)に開口部を形成し、生地製筒状開口部を接続した。作業者の身体にハーネスを装着し、防水上衣を着用し、前記ハーネスに命綱を繋ぎ、命綱は鉄柵に固定した状態で、雨降りの中で作業した。
この結果、雨水はメッシュ生地で上衣の外側に落下して排除され、防水上衣内には侵入しなかった。
本発明の防水上衣は、雨天時の作業用防水上衣として有用であるほか、寒い時期の作業用防水上衣としても有用である。
1,20,32 防水上衣
2 前身頃
3 後見頃
4a,4b 袖部
5 フード
6,31 筒状開口部
6a 筒状開口部上側生地
6b 筒状開口部下側生地
7 紐
8 カバー生地
9a-9d フック
10 命綱
11 カラビナ
12 ベルト部
13 ベルト固定部
14 リング部
15 ハーネス
16 メッシュ生地
17 筒状開口部入り口
18 身生地に設けられた開口部
21,33 筒状開口部入り口の防水ファスナー(止水ファスナー)
22a,22b Dカン
23a-23e 再帰反射テープ
24a,24b ポケット
25a,26a,34a 面ファスナーループ
25b,26b,34b 面ファスナーフック
27a,27b 筒状開口部の防水生地
28 筒状開口部の下部メッシュ生地
29 ストッパー
30 ゴムスピンドル
2 前身頃
3 後見頃
4a,4b 袖部
5 フード
6,31 筒状開口部
6a 筒状開口部上側生地
6b 筒状開口部下側生地
7 紐
8 カバー生地
9a-9d フック
10 命綱
11 カラビナ
12 ベルト部
13 ベルト固定部
14 リング部
15 ハーネス
16 メッシュ生地
17 筒状開口部入り口
18 身生地に設けられた開口部
21,33 筒状開口部入り口の防水ファスナー(止水ファスナー)
22a,22b Dカン
23a-23e 再帰反射テープ
24a,24b ポケット
25a,26a,34a 面ファスナーループ
25b,26b,34b 面ファスナーフック
27a,27b 筒状開口部の防水生地
28 筒状開口部の下部メッシュ生地
29 ストッパー
30 ゴムスピンドル
Claims (6)
- ハーネスを装着し、前記ハーネスの上から着用する防水上衣であって、
前記防水上衣本体の生地は防水生地であり、
前記防水上衣本体の身生地背中部及び/又は胸部には、前記ハーネスに接続する命綱を取り出すための開口部及び生地製筒状開口部を備え、
前記生地製筒状開口部を構成する下側の少なくとも一部の生地は、侵入水を除去するためのメッシュ生地であることを特徴とする防水上衣。 - 前記生地製筒状開口部の下側の生地は、上側の生地に比べて命綱の取り出し方向に長い請求項1に記載の防水上衣。
- 前記メッシュ生地は、下側の生地の中央部に配置されている請求項1又は2に記載の防水上衣。
- 前記メッシュ生地は、糸密度がタテ糸、ヨコ糸ともに20~70本/インチの生地である請求項1~3のいずれか1項に記載の防水上衣。
- 前記身生地背中部の開口部は身幅方向に配置され、
前記開口部の入り口の上部にはカバー生地が配置され、
前記開口部周辺の身生地に生地製筒状開口部が接続され、
前記カバー生地と前記身生地には固定具が設けられており、
命綱を使わないときは前記生地製筒状開口部を防水上衣内に収納し、前記カバー生地を身生地に固定する請求項1~4のいずれか1項に記載の防水上衣。 - 前記身頃背中部及び/又は身頃胸部の開口部は身丈方向に配置され、
前記開口部の入り口は防水ファスナーによって開閉可能であり、
命綱を使わないときは前記生地製筒状開口部を防水上衣内に収納し、前記防水ファスナーを閉める請求項1~4のいずれか1項に記載の防水上衣。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020219522 | 2020-12-28 | ||
JP2020219522 | 2020-12-28 |
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JP2022104507A true JP2022104507A (ja) | 2022-07-08 |
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- 2021-06-29 JP JP2021107894A patent/JP2022104507A/ja active Pending
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