JP2022103058A - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents

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【課題】本発明は、シリコーン化合物の配合量を抑制した化粧料基剤において、紫外線散乱剤と顔料を高配合することができる油中水型乳化化粧料を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の油中水型乳化化粧料は、(A)アミノ酸またはその塩を含む表面処理剤により表面処理された顔料、(B)油分、(C)疎水性紫外線散乱剤、および(D)油相増粘剤を含み、紫外線吸収剤の配合量が、化粧料全量に対して1質量%未満であり、シリコーン油が、化粧料全量に対して10質量%以下であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーン化合物の配合量を抑制した化粧料基剤において、紫外線散乱剤と顔料を高配合することができる油中水型乳化化粧料に関する。
シリコーン油等のシリコーン化合物は、撥水性が高い、べたつきがなく軽い使用感触がある、皮膚へののび広がりが良好であるという特徴を有し、それを配合した化粧料の耐水性、使用感および他の配合成分の分散性を向上させる効果がある。さらに、シリコーン化合物は粉末成分の表面処理剤としても広く用いられている。
シリコーン化合物は上記のような利点を有するが、その高い撥水性に起因して水で化粧料を落としにくくし、洗浄性が劣るという問題を有している。さらに、シリコーン化合物は通常生分解性ではないため、環境中に長期間蓄積され、環境を汚染し生態系を乱すリスクがあることが懸念されている。そこで近年、シリコーン化合物を配合しない「シリコーンフリー」と呼ばれる化粧料が注目されている。
しかしながら、従来の化粧料において粉末等の他の配合成分の分散性向上に寄与していたシリコーン化合物を除くと、化粧料の安定性を維持することが困難になる等の問題を生じる。
一方、化粧料には、紫外線の害から皮膚を守るために、紫外線吸収剤および紫外線散乱剤を配合することが一般的に行われている。通常、紫外線吸収剤としては、有機化合物、例えば、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルおよびオクトクリレンが用いられ、紫外線散乱剤としては、無機粉末成分、例えば、二酸化チタンおよび酸化亜鉛が用いられる。
紫外線吸収剤は、透明性が高い、肌へののび広がりが良い、汗で崩れにくいといった利点があるが、紫外線を熱エネルギーなどの別のエネルギーに変換することで紫外線の影響を防ぐため、敏感肌の使用者には刺激を感じる場合がある。そこで、紫外線吸収剤を用いず紫外線散乱剤により紫外線防御効果を得た、紫外線吸収剤フリー、いわゆる「ノンケミカル」の化粧料に対する需要がある。
例えば、特許文献1では、粉末の表面処理剤としてシリコーン化合物ではなくN-アシルアミノ酸を用いることにより洗浄性を改善した油中水型乳化化粧料が提案され、紫外線吸収剤を配合しない処方例も記載されている。
しかし、特許文献1に記載される化粧料は粉末の分散媒としてシリコーン化合物が用いられており、シリコーンフリーの化粧料には該当しない。特許文献1に記載された化粧料からシリコーン化合物を除いたシリコーンフリーの化粧料は、保存中に粉末が再凝集する傾向があるため、優れた粉末の分散性を得ることができないという問題があった。
特開2018-177736号公報
本発明は、シリコーン化合物の配合量を抑制した化粧料基剤において、紫外線散乱剤と顔料を高配合した場合であっても経時安定性および粉末分散性に優れた油中水型乳化基剤を提供することを目的とする。
発明者等は、前記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、油相に配合する顔料をアミノ酸またはその塩を含む表面処理剤により表面処理するとともに、油相増粘剤を配合することによって、シリコーン化合物を配合しなくとも、油相中に顔料と紫外線散乱剤を高配合することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(A)アミノ酸またはその塩を含む表面処理剤により表面処理された顔料、
(B)油分、
(C)疎水性紫外線散乱剤、および
(D)油相増粘剤
を含み、
紫外線吸収剤の配合量が、化粧料全量に対して1質量%未満であり、
シリコーン油が、化粧料全量に対して10質量%以下であることを特徴とする、油中水型乳化化粧料を提供する。
本発明に係る化粧料は、上記構成とすることにより、シリコーン化合物を配合しなくとも、顔料と紫外線散乱剤を高配合した乳化基剤の粉末分散性を向上することができる。よって、シリコーンフリーのメーキャップ化粧料を実現することができる。また、本発明によれば、紫外線吸収剤を配合しなくとも高配合した紫外線散乱剤により十分な紫外線防御効果を得ることができるので、ノンケミカルの化粧料を実現することができる。
本発明に係る化粧料は、(A)アミノ酸またはその塩を含む表面処理剤により表面処理された顔料、(B)油分、(C)疎水性紫外線散乱剤、および(D)油相増粘剤を含むことを特徴とする。以下、本発明の化粧料を構成する各成分について詳述する。
<(A)顔料>
本発明に係る化粧料に配合される(A)顔料(以下、単に「(A)成分」と称する場合がある)は、アミノ酸またはその塩を含む表面処理剤により表面処理された無機顔料を指す。表面処理剤として特定の化合物を用いることにより、粉末分散性に優れた化粧料となる。本発明の顔料の表面処理剤として下記のアミノ酸またはその塩のみが用いられてもよいし、あるいは下記のアミノ酸またはその塩に加えて、粉末の表面処理剤として一般的に用いられる他の化合物がさらに含まれてもよい。
顔料の具体例としては、赤酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄、γ-酸化鉄、黄酸化鉄、黄土、黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、紺青等が挙げられる。なかでも、本発明の顔料としては、黄酸化鉄、赤酸化鉄、黒酸化鉄等の顔料級酸化鉄、顔料級酸化チタン等を用いることが好ましい。ここで、顔料級とは平均粒子径が100nm~1μmのものをいう。
(A)成分の表面処理剤として用いる「アミノ酸」としては、グルタミン酸、アスパラギン酸およびリジン等が挙げられ、グルタミン酸およびアスパラギン酸が好ましい。また、「アミノ酸」は、アミノ酸のアミノ基にアシル基、好ましくは、炭素数12~20の飽和脂肪酸が縮合した「飽和脂肪酸によりアシル化されたアミノ酸」であってもよい。「アシル基」としては、ステアロイル基、ラウロイル基等を挙げることができる。「塩」は、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などから選択できるが、ナトリウム塩が好ましい。アシル化アミノ酸の具体例として、ステアロイルグルタミン酸2ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウムが挙げられる。
本発明の(A)成分の表面処理剤として、前記の「アミノ酸またはその塩」に、「エステル」をさらに加えることにより経時安定性を向上させることができる。「エステル」は、炭素数8~12の一価または二価の脂肪酸と、炭素数12~20の飽和脂肪族アルコールとがエステル結合を介して結合した化合物であり、前記脂肪酸および脂肪族アルコールのアルキル鎖は直鎖状でも分岐鎖状でもよい。特に、セバシン酸イソステアリルが好ましく用いられる。
本発明の(A)顔料は、常法により、顔料表面にアミノ酸またはその塩を吸着させることにより調製することができる。
本発明で用いられる(A)顔料の表面処理剤としては、ステアロイルグルタミン酸2ナトリウムおよびラウロイルグルタミン酸ナトリウムから選択されるアミノ酸を含む表面処理剤が好ましく、ステアロイルグルタミン酸2ナトリウムとセバシン酸イソステアリルとを含む表面処理剤(NHS処理剤)がさらに好ましい。
本発明の(A)顔料として市販品を使用することもでき、好ましい市販品としては、例えば、NHS-チタンCR-50、NHS-レッドR516PS、NHS-イエローLL-100P、NHS-ブラックBL-100P、NHS-マイカM-102、NHS-タルクJA-46RなどのNHS処理粉体(以上、三好化成工業社製)などが挙げられる。
本発明の化粧料は、前記の表面処理剤で処理された顔料を、1種または2種以上組み合わせて配合してよい。
(A)顔料の合計配合量は、所望の色彩を得る限りにおいて特に限定されないが、通常は化粧料全量に対して0.1質量%以上、例えば1~20質量%、好ましくは2~10質量%である。配合量が1質量%未満では十分な色彩が得られず、20質量%を超えると安定性が悪くなる傾向がある。
<(B)油分>
本発明に係る化粧料に配合される(B)油分(以下、単に「(B)成分」と称する場合がある)は、通常化粧料に配合される油分であれば特に限定されないが、例としては、炭化水素油、エステル油、炭素数12~22の高級アルコール、炭素数12~22の脂肪酸、油脂などが挙げられる。本発明の化粧料は、従来は乳化安定性を低下させると考えられていた極性油でさえも安定に配合することができる。
ただし、本発明の化粧料においては、シリコーン油の配合量は化粧料全量に対して10質量%以下であり、好ましくは5質量%以下であり、さらに好ましくは1質量%以下である。また、本発明の化粧料は、シリコーン油を実質的に配合しない態様も包含する。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、プリスタン、パラフィン、イソパラフィン、水添ポリイソブテン、オレフィンオリゴマー、揮発性炭化水素油(例えば、イソドデカン、イソヘキサデカン、ウンデカン、トリデカン等)等が挙げられる。
エステル油としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2-へプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸グリセリン、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、トリエチルヘキサノイン(トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル)、セチル2-エチルヘキサノエート、パルミチン酸2-エチルヘキシル、トリミリスチン酸グリセリン、トリ2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2-へプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシル、アジピン酸ジ2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、ジピバリン酸ポリプロピレングリコール、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等のトリエステル油等が挙げられる。
炭素数12~22の高級アルコールとしては、例えば、オレイルアルコール、2-デシルテトラデシノール、ドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。炭素数12~22の脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸等が挙げられる。
油脂としては、例えば、カカオ脂、アボカド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、米ヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等が挙げられる。
本発明の化粧料においては、油分の合計量に対する極性油の割合を、質量比にして40%以上とすると粉末の分散安定性が向上する。よって、本発明の化粧料においては、(B)油分の合計量に占める極性油の割合を40%以上とするのが好ましい。
極性油としては、IOB値が0.05~0.80である油分、特にエステル油が挙げられる。極性油の具体例には、イソステアリン酸、ホホバ油、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソノニル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、エチルヘキサン酸セチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル(トリエチルヘキサノイン)、セチルイソオクタノエート、セチル2-エチルヘキサノエート、パルミチン酸2-エチルヘキシル、安息香酸(炭素数12~15)アルキル、セテアリルイソノナノエート、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、(ジカプリル酸/カプリン酸)ブチレングリコール、トリミリスチン酸グリセリン、トリ2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸2-エチルヘキシル等が挙げられる。
(B)油分の配合量は、油相に顔料および紫外線散乱剤等の粉末を配合する上で通常用いられる量であれば特に限定されないが、例えば、化粧料全量に対して5~50質量%であることが好ましい。油分の配合量が5質量%未満であると安定性が低下し、50質量%を超えると安定性や使用性が低下する傾向がある。
<(C)疎水性紫外線散乱剤>
本発明に係る化粧料に配合される(C)疎水性紫外線散乱剤(以下、単に「(C)成分」と称する場合がある)は、化粧料に通常用いられるものから適宜選択することができ、特に限定されないが、粒子表面が疎水性であるものを指す。具体例としては、金属酸化物、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化セリウム、酸化タングステン等を挙げることができる。本発明においては、酸化チタン、酸化亜鉛が好ましい。また、平均粒子径が0.1μm以下の微粒子であることが好ましい。平均粒子径の下限は、特に限定されないが、通常は5nm程度である。
本発明に用いられる紫外線散乱剤は、粒子表面が疎水性である限りにおいて、表面無処理のもの、疎水化処理を施したもののいずれであってもよい。疎水化表面処理剤としては、特に限定されないが、シリコーン処理剤、フッ素化合物処理剤、アミノ酸処理剤、脂肪酸処理剤、脂肪酸石鹸処理剤、脂肪酸エステル処理剤、その他、レシチン処理剤、アルキルリン酸エステル処理等が挙げられる。
シリコーン処理剤としては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油や、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のアルキルシランや、トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン等が挙げられる。フッ素化合物処理剤としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等が挙げられる。アミノ酸処理剤としては、N-アシルグルタミン酸、N-アシルアスパラギン酸、N-アシルリジン等が挙げられる。脂肪酸処理剤としては、例えば、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ロジン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。脂肪酸石鹸処理剤としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、12-ヒドロキシステアリン酸アルミニウム等が挙げられる。脂肪酸エステル処理剤としては、例えば、デキストリン脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらの疎水化処理は、常法に従って行うことができる。
本発明の化粧料によれば、紫外線散乱剤を油相に高配合することができるので、紫外線吸収剤を配合しなくとも十分な紫外線防御効果を達成することができる。よって、本発明の化粧料においては、紫外線吸収剤の配合量は化粧料全量に対して3質量%以下であり、好ましくは1質量%以下である。また、本発明の化粧料は、紫外線吸収剤を実質的に配合しない態様も包含する。紫外線吸収剤を実質的に配合しない態様とすることにより、「ノンケミカル」の化粧料とすることができる。
「ノンケミカル」化粧料とは、有機紫外線吸収剤ではなく無機紫外線散乱剤を含有することによって、紫外線からの皮膚保護効果を発揮する化粧料をいう。
(C)疎水性紫外線散乱剤の配合量は所望の紫外線防御効果を得るために必要とされる量であって、特に限定されないが、通常は化粧料全量に対して1質量%以上、例えば5~30質量%、好ましくは10~30質量%である。配合量が5質量%未満では十分な紫外線防御効果が得られにくく、30質量%を超えると安定性が悪くなる傾向がある。本発明の化粧料をノンケミカル化粧料として調製する場合には、紫外線散乱剤の合計含有量を10質量%以上とすることが好ましい。
<(D)油相増粘剤>
本発明に係る化粧料に配合される(D)油相増粘剤(以下、単に「(D)成分」と称する場合がある)は、通常の乳化型化粧料等において油分に溶解または油分で膨潤することにより油相を増粘する効果を発揮する成分として使用されている物質から適宜選択できる。例えば、デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、固形または半固形の炭化水素油、有機変性粘土鉱物、あるいは脂肪酸またはその塩等が挙げられる。
デキストリン脂肪酸エステルは、デキストリンまたは還元デキストリンと高級脂肪酸とのエステルであり、化粧料に一般的に使用されているものであれば特に制限されず使用することができる。デキストリンまたは還元デキストリンは平均糖重合度が3~100のものを用いるのが好ましい。また、デキストリン脂肪酸エステルの構成脂肪酸としては、炭素数8~22の飽和脂肪酸を用いるのが好ましい。具体的には、パルミチン酸デキストリン、オレイン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、(パルミチン酸/2-エチルヘキサン酸)デキストリン等を挙げることができる。
ショ糖脂肪酸エステルは、その脂肪酸が直鎖状あるいは分岐鎖状の、飽和あるいは不飽和の、炭素数12~22のものを好ましく用いることができる。具体的には、ショ糖カプリル酸エステル、ショ糖カプリン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル等を挙げることができる。
固形または半固形の炭化水素油は、常温(25℃)で固形または半固形の炭化水素であり、具体例として、オゾケライト、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、水添パーム油、パーム核硬化油、硬化ヒマシ油、水添ピーナッツ(落花生)油、水添ナタネ種子油、水添ツバキ油、水添大豆油、水添オリーブ油、水添マカダミアナッツ油、水添ヒマワリ油、水添小麦胚芽油、水添米胚芽油、水添米ヌカ油、水添綿実油、水添アボカド油、ロウ類(カルナウバロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、ホホバロウ、モクロウ等)等を挙げることができる。
有機変性粘土鉱物は、三層構造を有するコロイド性含水ケイ酸アルミニウムの一種で、下記一般式(I)で表される粘土鉱物を第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤で変性したものが代表的である。
(X,Y)2―3(Si,Al)10(OH)1/3・nHO (I)
(ただし、X=Al、Fe(III)、Mn(III)、Cr(III)、Y=Mg、Fe(II)、Ni、Zn、Li、Z=K、Na、Ca)
具体例として、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト(ジステアルジモニウムヘクトライト)、ジメチルアルキルアンモニウムヘクトライト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム処理ケイ酸アルミニウムマグネシウム等が挙げられる。市販品としては、ベントン27(ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド処理ヘクトライト:エレメンティスジャパン社製)およびベントン38(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド処理ヘクトライト:エレメンティスジャパン社製)が好ましい。
脂肪酸としては、化粧料等に使用できるものであれば特に限定されるものではなく、直鎖状または分岐鎖状の飽和または不飽和の炭化水素基を有する脂肪酸から選択できる。特に、常温で固体であり、かつ、炭素数8~22の高級脂肪酸、たとえば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸(ベヘン酸)、オレイン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸等が挙げられる。なかでも、ステアリン酸、パルミチン酸およびベヘニン酸から選択される1種または2種以上を用いるのが特に好ましい。脂肪酸の塩としては、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等の金属塩を挙げることができる。また、脂肪酸のアミド誘導体やエステル誘導体を用いることもできる。
本発明の(D)油相増粘剤としては、デキストリン脂肪酸エステルおよび有機変性粘土鉱物から選択するのが好ましく、さらには有機変性粘土鉱物から選択するのが好ましい。
本発明の油相増粘剤として、上記物質から選択される1種または2種以上を配合して用いてもよい。
(D)油相増粘剤の配合量は、化粧料全量に対して0.01~10質量%、好ましくは0.1~5質量%、より好ましくは0.1~2質量%とすることができる。配合量が0.01質量%未満では十分な乳化安定性が得られず、10質量%を超えて配合しても効果のさらなる増大は得られ難い傾向がある。
本発明の化粧料によれば、シリコーン化合物を含まない「シリコーンフリー」の化粧料を実現することができる。
本明細書における「シリコーン化合物」とは、分子内にシロキサン(-Si-O-Si-)構造を持つ化合物(例えば、シリコーン類およびシロキサン類)およびシラン類(モノシラン、オリゴシラン、ポリシラン、およびシラン誘導体、例えば、アルキルシラン、アルコキシシラン等)を意味し、シリコーン油、シリコーンエラストマー、シリコーン系界面活性剤、さらにはシリコーン化合物で表面処理された粉体を包含する。なお、二酸化ケイ素(シリカ)は、本発明における「シリコーン化合物」には含まれない。
本発明の化粧料は、上記特定の表面処理剤で処理された顔料と、上記特定の油相増粘剤とを組み合わせることで、シリコーンフリー化粧料としても、粉末の分散性および安定性に優れる。
本発明に係る化粧料には、上記成分の他に、本発明の目的・効果を損なわない範囲で、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる他の任意成分を必要に応じて適宜配合してもよい。他の任意成分としては、例えば、前記(A)および(C)成分以外の粉体、界面活性剤、高分子化合物、キレート剤、低級アルコール、多価アルコール、pH調整剤、酸化防止剤、香料、防腐剤、殺菌剤、各種薬剤等が挙げられる。ただし、これら例示に限定されるものではない。
本発明の化粧料は、通常の方法に従って製造することができ、液状、乳液状、ペースト状、クリーム状、ジェル状、固形状等の剤型にすることができる。
本発明の化粧料は、化粧下地、ファンデーション、コンシーラー、ほお紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、オーバーコート剤、口紅等のメーキャップ化粧料;日焼け止め等のスキンケア化粧料として提供できるが、メーキャップ化粧料、特に化粧下地、リキッドファンデーションとするのに適している。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。各実施例について具体的に説明する前に、採用した評価方法について説明する。
1.調製直後の粉末分散性の評価
調製直後に、試料の外観を目視にて観察し、粉末の分散性について以下の基準に基づいて評価した。色縞が少ないほど、粉末が均一に分散していることを示す。
A:色縞が全く認められない。
B:色縞がわずかに認められるが使用上問題のない程度であった。
C:色縞が明らかに認められる。
D:色縞がみられ、化粧料としての使用に耐えない。
2.経時的な粉末分散性の評価(ローリング試験)
経時的な粉末分散性の評価を行うために、ローリング試験を行った。具体的には、円筒型の容器に試料を半量充填し、ローリングテスター(濁川理化工業社製)により室温にて試料に45rpmで4時間回転運動を与えた。
回転運動後、容器に充填した試料を、容器の壁面に色縞が生じるか否かについて、目視にて観察し、粉末の分散性について以下の基準に基づいて評価した。色縞が少ないほど、粉末が均一に分散していることを示す。
A:色縞が全く認められない。
B:色縞がわずかに認められるが使用上問題のない程度であった。
C:色縞が明らかに認められる。
D:色縞がみられ、化粧料としての使用に耐えない。
3.経時安定性の評価
スクリュー管(50ml)に試料を充填し、50℃の恒温槽に2週間静置した。静置の前後に回転式粘度計(ビスメトロン回転式粘度計)を用いて粘度変化を測定するとともに、乳化粒子、外観の観測を行い、以下の基準に基づいて評価した。
A:粘度変化がなく、乳化粒子・外観に問題がない。
B:若干の粘度変化や乳化粒子・外観の変化が見られるが使用上問題のない程度であった。
C:粘度変化や乳化粒子・外観の変化が見られる。
D:粘度変化や乳化粒子・外観の変化が見られ、化粧料としての使用に耐えない。
次頁の表に掲げた組成を有する油中水型乳化化粧料を常法により調製した。調製した試料について、前記した評価方法に従って安定性および粉末分散性を評価した。結果は表中に示す。
Figure 2022103058000001
*1:NHS-チタンCR-50(三好化成工業社製)
*2:NHS-イエローLL-100P(三好化成工業社製)
*3:NHS-レッドR516PS(三好化成工業社製)
*4:ASL-1 TiO2 CR-50(大東化成工業社製)
*5:ASL-イエローLL-100P(大東化成工業社製)
*6:ASL-レッドR516P(大東化成工業社製)
*7:ASI TiO2 CR-50(大東化成工業社製)
*8:ASI-イエローLL-100P(大東化成工業社製)
*9:ASI-レッドR516P(大東化成工業社製)
*10:NAI-チタンCR-50(三好化成工業社製)
*11:NAI-イエローLL-100P(三好化成工業社製)
*12:NAI-レッドR516PS(三好化成工業社製)
*13:LL TiO2 CR-50(大東化成工業社製)
*14:LL―イエローLL-100P(大東化成工業社製)
*15:LL-レッドR516P(大東化成工業社製)
*16:MI-チタンCR-50(三好化成工業社製)
*17:MI-イエローLL-100P(三好化成工業社製)
*18:MI-レッドR516PS(三好化成工業社製)
*19:ST-485SA(チタン工業社製)
*20:WSX-MZ-500(テイカ社製)
表に示すように、本発明の(D)油相増粘剤を配合しない比較例1の化粧料では、経時的な粉末分散性が不良であった。また、脂肪酸石鹸処理剤(MI処理)、シリコーン処理剤(EP1処理)を用いて疎水化処理を施した顔料を含む比較例2および3の化粧料は、調製直後から色縞が顕著に見られ、経時的な粉末分散性・安定性も不良であった。
一方、アシル化アミノ酸金属塩とアミノ酸とを含む表面処理剤(ASL処理)、アシル化アミノ酸金属塩とエステル金属錯体とを含む表面処理剤(ASI処理)、アシル化アミノ酸処理剤(NAI処理、LL処理)を用いて疎水化処理を施した顔料を配合する実施例5~8の化粧料は、経時的な粉末分散性・安定性が劣るものの、十分に粉末が分散された化粧料を調製することができた。
本発明の(A)成分として飽和脂肪酸によりアシル化されたアミノ酸塩とエステルとを含む表面処理剤(NHS処理)を用いて疎水化処理を施した顔料を配合する実施例1~4の化粧料は、調製直後およびローリング試験後のいずれにおいても色縞が見られないか、わずかであり、さらに経時安定性にも優れていた。

Claims (7)

  1. (A)アミノ酸またはその塩を含む表面処理剤により表面処理された顔料、
    (B)油分、
    (C)疎水性紫外線散乱剤、および
    (D)油相増粘剤
    を含み、
    紫外線吸収剤の配合量が、化粧料全量に対して1質量%未満であり、
    シリコーン油が、化粧料全量に対して10質量%以下である、油中水型乳化化粧料。
  2. 前記(A)成分のアミノ酸が、グルタミン酸またはアスパラギン酸である、請求項1に記載の油中水型乳化化粧料。
  3. 前記(A)成分が、飽和脂肪酸によりアシル化されたアミノ酸またはその塩およびエステルを含む表面処理剤により表面処理された顔料である、請求項1又は2に記載の油中水型乳化化粧料。
  4. 前記(C)疎水性紫外線散乱剤の配合量が、化粧料全量に対して10質量%以上である、請求項1から3のいずれか一項に記載の油中水型乳化化粧料。
  5. 前記(B)油分に占める極性油の割合が、質量比にして40%以上を占める、請求項1から4のいずれか一項に記載の油中水型乳化化粧料。
  6. 前記(D)油相増粘剤が、有機変性粘土鉱物である、請求項1から5のいずれか一項に記載の油中水型乳化化粧料。
  7. 前記(D)油相増粘剤が、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライトである、請求項1から5のいずれか一項に記載の油中水型乳化化粧料。
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