JP2022101086A - 電子線硬化型インクジェットインキ、及びその印刷物 - Google Patents

電子線硬化型インクジェットインキ、及びその印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化性、吐出性が良好であり、かつ、柔軟性、擦過性、画質が良好である電子線硬化型インクジェットインキを提供すること。【解決手段】着色剤、重合性化合物、およびロタキサン骨格を有する樹脂を含有する電子線硬化型インクジェットインキであって、重合性化合物が単官能モノマーおよび/または二官能モノマーを含有し、二官能モノマーがジプロピレングリコールジアクリレートを含有し、単官能モノマーおよび二官能モノマーの合計の含有量が電子線硬化型インクジェットインキの全質量%に対して70~90質量%であり、ジプロピレングリコールジアクリレートの含有量が電子線硬化型インクジェットインキの全質量に対して50~85質量%であり、ロタキサン骨格を有する樹脂の含有量が電子線硬化型インクジェットインキの全質量に対して0.1~5質量%であり、25℃における粘度が100mPa・s以下である電子線硬化型インクジェットインキ。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた耐久性を有する樹脂と広い色域を含む電子線硬化型インクジェットインキ、及びその製造方法、印刷物に関する。
インクジェット印刷は、近年、ヘッドの技術進展により、高周波数で微小の液滴を射出することができるようになってきた。これにより、生産性、画質の面で既存の印刷方式から劣っていたインクジェット印刷は、小ロット・短納期・低コストなどのデジタル化のメリットを併せ持ち、様々な分野で既存の印刷方式からの代替が進んでいる。
中でも、紫外線(UV)硬化型インクジェット印刷は、その他の溶剤型・水型と比較して、高速硬化・高精細・基材汎用性といった特徴を備えており、特にフィルムへの印刷に関しては、優れた特性を発揮するため、包装材料への使用が適していると言える。
しかし、一般的に知られるように、UV硬化反応に使用される開始剤やモノマーなどの低分子量成分の多くは人体・環境への毒性が高いことが年々明らかになっているうえに、UV硬化などのラジカル反応を利用した硬化は、その反応中に酸素などのさまざまな物質と競争反応しながら進行する極めて複雑な反応であるため、UV照射後の硬化膜中には、多量のモノマーや開始剤が反応しきれず残留し、これらがマイグレーションや臭気の原因となっている。
一方、電子線照射による硬化または架橋技術は、UV硬化と同様に地球的問題である環境問題の面から、省エネルギーかつ溶剤を放出しない環境に優しいプロセスとして注目を集めており、これまでに多くの検討がなされている。この方法は、真空中で電子を電圧にて加速し、この加速された電子を空気中等の常圧雰囲気中に取り出し、物体に対して電子線を照射する方法である。
電子線照射による硬化および架橋の利点としては、次のようなものが挙げられる。
(1)希釈剤として有機溶剤を多量に含有させる必要がないので環境に優しい。
(2)硬化速度が速く生産性が高く、冷却、エージング等が不要のため後加工がすぐにできる。
(3)熱乾燥よりも硬化作業面積が少なく、熱乾燥の際の温度管理などよりも作業管理しやすい。
(4)常温硬化のため基材の熱ダメージがない。
(5)開始剤、増感剤が不要のため、硬化膜の耐候性や安定性が向上し、低臭気である。
(6)顔料の濃度に関係なく硬化できるため、高濃度、広演色印刷が可能である。
上記のような電子線照射の利点は、食品・医薬品包装へのインクジェット印刷での展開を実現しうると考えられる。インクジェット印刷を食品・医薬品包装に展開するにあたり問題と考えられてきた、UV硬化型インキに含まれる開始剤や増感剤由来の臭気やマイグレーションをなくすことが可能であるからである。
従来より、このような電子線照射の利点を活かすため、電子線硬化型インクジェットインキの検討は行われてきた(特許文献1~3)。しかし、これらのインキは、電子線による硬化で3次元的に非常に強固な架橋構造をとり印刷物表面に傷が付き易く、これらのインキを使用した硬化膜はもろく、擦過性に欠ける。そのため食品・医薬品包装に展開するにあたり、低臭気・低マイグレーションと同時に必要な硬化膜の擦過性を持たず、軟包装への展開が難しかった。
特開2004-42465号公報 特開1997-314981号公報 特開2016-180072号公報
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、直鎖状分子や環状分子が所定の修飾基を備えるポリロタキサンを用いることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の課題は、硬化性、吐出性が良好であり、かつ、柔軟性、擦過性、画質が良好である電子線硬化型インクジェットインキを提供することである。
すなわち、本発明は、着色剤、重合性化合物、およびロタキサン骨格を有する樹脂を含有する電子線硬化型インクジェットインキであって、
前記重合性化合物が単官能モノマーおよび/または二官能モノマーを含有し、前記二官能モノマーがジプロピレングリコールジアクリレートを含有し、
前記単官能モノマーおよび二官能モノマーの合計の含有量が電子線硬化型インクジェットインキの全質量%に対して70~90質量%であり、ジプロピレングリコールジアクリレートの含有量が電子線硬化型インクジェットインキの全質量に対して50~85質量%であり、ロタキサン骨格を有する樹脂の含有量が電子線硬化型インクジェットインキの全質量に対して0.1~5質量%であり、
25℃における粘度が100mPa・s以下であることを特徴とする、電子線硬化型インクジェットインキに関する。
また、本発明は、着色剤の含有量が、インクジェットインキの全質量に対して1~20質量%であることを特徴とする、前記電子線硬化型インクジェットインキに関する。
また、本発明は、基材上に、前記電子線硬化型インクジェットインキにより形成された印刷層を有する印刷物に関する。
本発明によれば、硬化性、吐出性が良好であり、かつ、柔軟性、擦過性、画質が良好である電子線硬化型インクジェットインキを提供することができた。これにより、インクジェットシステムによる低コスト、基材汎用性、高生産性などを兼ね備えつつ、低臭気、低マイグレーション、柔軟性、高画質、擦過性を両立し、食品・医薬品包装へ対応可能な電子線硬化型インクジェットインキを提供することができた。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に制限されるもので
はなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。また、特にことわりの
ない限り、「部」とは「質量部」、「%」とは「質量%」を表す。
(電子線硬化型インクジェットインキ)
本発明の電子線硬化型インクジェットインキは、顔料などの着色剤、重合性化合物、およびロタキサン骨格を有する樹脂を含有し、さらに顔料分散剤、添加剤等を含有することができる(以下、本実施形態の「電子線硬化型インクジェットインキ組成物」を、「インキ」又は「インキ組成物」と記載する場合がある。)。紫外線硬化型インクジェットインキと異なり、電子線のエネルギーが非常に強く重合性化合物自体を励起させることができるため、紫外線硬化型インクジェットインキの必須成分である開始剤や増感剤は含まなくてよい。以下、まず、本発明の電子線硬化型インクジェットインキについて述べる。
(重合性化合物)
本明細書で定義する「重合性化合物」とは、電子線が照射された後、直接重合反応を起こす化合物を使用することができる。以下、「重合性化合物」を単に「モノマー」とも言う。
重合性化合物として、具体的には、単官能モノマー、二官能モノマー、三官能以上の多官能モノマーが挙げられ、その中でも、アクリルモノマー、ビニルモノマー、ビニルエーテルモノマー、ビニルエステルモノマー、アクリルとビニルまたはアリルを分子内に包含する異種モノマー、アリルエーテルモノマー、アリルエステルモノマーなどが挙げられる。
本発明における重合性化合物としては、単官能モノマーおよび/または二官能モノマーを含有し、単官能モノマーおよび二官能モノマーの合計の含有量が、電子線硬化型インクジェットインキの全質量%に対して70~90質量%であり、75~85質量%が好ましい。単官能モノマー及び二官能モノマーは、インキの低粘度化や硬化膜の残留量低減といった効果が期待できる。さらに、三官能以上の多官能モノマーを含有することができる。
単官能モノマーは、分子内に重合性官能基を1つだけ有する化合物であり、具体的な化合物の例として、ベンジル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(オキシエチル)(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールPO変性アクリレート、o-フェニルフェノールEO変性アクリレート、2-エチルヘキシルEO変性アクリレート、β-カルボキシルエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンフォルマル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、アクリロイルモルホリン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、及びN-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用されてもよく、又は2種以上の組合せで使用されてもよい。
単官能モノマーとして好ましくは、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミドが挙げられる。
二官能モノマーは、分子内に2つの重合性官能基を有する化合物であり、具体的には、二官能の(メタ)アクリレート、分子内にビニル基を含有する二官能モノマー、アクリルとビニルを分子内に包含する異種二官能モノマー、アクリルとアリルを分子内に包含する異種二官能モノマーが挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体的な化合物の例として、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ネオペンチルグリコール変性)トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能モノマーとして好ましくは、1,9-ノナンジオールアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(エトキシ(またはプロポキシ)化)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
分子内にビニル基を含有するモノマーの具体的な化合物の例として、ブタンジオールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテル等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
アクリルとビニルを分子内に包含する異種二官能モノマー、アクリルとアリルを分子内に包含する異種二官能モノマーの具体的な化合物の例として、VEEA(アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル)、VEEM(アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)メチル)、アクリル酸-2-ヒドロキシ-3-アリルオキシプロピル、アクリル酸-2-ヒドロキシ-3-ビニルオキシプロピル、アクリル酸-2-ヒドロキシ-3-(2-ビニロキシエトキシ)エチル等が挙げられる。
本発明においては、二官能モノマーは、硬化性、吐出安定性の点から、ジプロピレングリコールジアクリレートを含み、ジプロピレングリコールジアクリレートの含有量が、電子線硬化型インクジェットインキの全質量に対して50~85質量%であり、60~85質量%が好ましく、70~85%がより好ましい。
ジプロピレングリコールジアクリレート以外のモノマーとしては、上述のモノマーの中でも単官能アクリルモノマー、二官能アクリルモノマー、アクリルとビニルを分子内に包含する異種二官能モノマー、アクリルとアリルを分子内に包含する異種二官能モノマー等がより好ましく用いられる。
インキ中のモノマーの含有量は、硬化性、吐出安定性の点から、インキ全量中の50~97質量%で使用されるのが好ましい。より好ましくは、60~97質量%、さらに好ましくは、70~97質量%である。
(インキの粘度)
本発明で使用されるインキの25℃での粘度は、100mPa・s以下であり、好ましくは40mPa・s以下である。インクジェットインキは液滴を吐出して画像を描画するため、微小な圧力によりノズルから微小液滴を吐出させなければならない。吐出時に加温することで一時的にインキ粘度を下げることで、この吐出を可能としているが、100mPa・s以下の粘度にすることで安定的に吐出することが可能である。またインキの粘度を40mPa・s以下にコントロールすることで、吐出速度が上昇し、着弾制度を高めることができるため、着弾不良により発生するビーディング(ドット間の融着)を改善し、画質を大きく向上することができる。さらに25℃での粘度が、5~30mPa・sであることが好ましい。5mPa・s以上だと、吐出が安定し、30mPa・s以下だと、吐
出精度が優れ、画質に優れるためである。
なお、粘度の測定は、東機産業社製 TVE25L型粘度計を用いて、25℃環境下で、の粘度を読み取ることにより測定することができる。
(ロタキサン骨格を有する樹脂)
ロタキサン骨格を有する樹脂(以下、ロタキサン樹脂と記載する場合がある)とは、環状分子と、両末端に封鎖基を持つ直鎖状分子を有する。また、直鎖状分子は、環状分子の開口部を串刺し状に貫通しており、更に、その両末端に配置された封鎖基が環状分子の脱離を防止している。
ロタキサン骨格を有する樹脂は、環状分子が直鎖状分子上を自由に動く滑車効果を有し、これにより、樹脂塗膜内での架橋点の移動が容易となり、柔軟性と擦過性が高いインキを得ることができる。
ここで、上記直鎖状分子は、実質的に直鎖であればよく、環状分子が回転子として回動可能で滑車効果を発揮できる限り、分岐鎖を有していてもよい。また、環状分子の大きさにも影響を受けるが、その長さも環状分子が滑車効果を発揮できる限り特に限定されない。
ロタキサン樹脂は、重合性化合物への可溶性及び混和性の観点から、直鎖状分子、環状分子のいずれか一方又は双方は、疎水性の修飾基を有していることが好ましい。修飾基は、疎水基又は疎水基と親水基を有し、全体として疎水性であればよい。
かかる疎水基としては、例えば、アルキル基、ベンジル基( ベンゼン環) 及びベンゼン誘導体含有基、アシル基、シリル基、トリチル基、硝酸エステル基、トシル基などがある。
かかる親水基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基、アミノ基(一級~三級)、四級アンモニウム塩基、ヒドロキシアルキル基などがある。
上記直鎖状分子としては、特に限定されるものではなく、ポリアルキル類、ポリカプロラクトンなどのポリエステル類、ポリエーテル類、ポリアミド類、ポリアクリル類及びベンゼン環を有する直鎖状分子を挙げることができる。
具体的には、ポリエチレングリコール、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフラン、ポリジメチルシロキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
また、上記直鎖状分子の分子量は、1,000~35,000とすることが望ましく、10,000~35,000が好ましく、20,000~35,000が更に好ましい。
分子量が1,000未満では、滑車効果が低下することで塗膜の伸び率が低下し、擦過性が低下することがある。35,000を超えると、溶解性が低下し、また表面の膜形成のためにクリアとしての平滑性や艶のような外観が低下することがある。
なお、上記直鎖状分子としては、その両末端に反応基を有するものが好ましく、これにより、上記封鎖基と容易に反応させることができるようになる。
かかる反応基としては、採用する封鎖基の種類などに応じて適宜変更することができるが、水酸基、アミノ基、カルボキシル基及びチオール基などを例示できる。
上記環状分子としては、上述の如き直鎖状分子に包接されて滑車効果を奏するものである限り特に限定されるものではなく、種々の環状物質を挙げることができる。なお、環状分子としては、水酸基を有するものが多い。
また、環状分子は実質的に環状であれば十分であり、「C」字状のように完全な閉環ではないものも含まれる。
また、上記環状分子は、反応基を有するものが好ましく、これにより、重合性化合物との架橋及び修飾基との結合が行い易くなる。
かかる反応基は、適宜変更することができるが、(メタ)アクリロイル基等の重合性官能基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、及びアルデヒド基などを例示できる。
また、反応基としては、後述する封鎖基を形成する(ブロック化反応)際に、この封鎖基と反応しない基が好ましい。
更に、上記環状分子の具体例としては、種々のシクロデキストリン類、例えばα-シクロデキストリン(グルコース数:6個)、β-シクロデキストリン(グルコース数:7個)、γ-シクロデキストリン(グルコース数:8個)、ジメチルシクロデキストリン、グルコシルシクロデキストリン及びこれらの誘導体又は変性体、並びにクラウンエーテル類、ベンゾクラウン類、ジベンゾクラウン類、ジシクロヘキサノクラウン類及びこれらの誘導体又は変性体を挙げることができる。
上述のシクロデキストリン等の環状分子は、その1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
特に、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンが良好であり、被包接性の観点からはα-シクロデキストリンが好ましい。
また、シクロデキストリンの水酸基に疎水性の修飾基を導入することで、上記ロタキサン樹脂の重合性化合物への可溶性を更に向上させることができる。
上記疎水性修飾基の導入方法としては、以下の方法を採用できる。
第1の方法としては、例えば、ロタキサン樹脂の環状分子としてシクロデキストリンを用い、当該シクロデキストリンの水酸基をプロピレンオキシドを用いてヒドロキシプロピル化し、その後、ε‐カプロラクトンを添加し、2‐エチルへキサン酸スズを添加する。
このときのε‐カプロラクトンの添加量を変更することで修飾率を任意に制御できる。
疎水性修飾基及び/又は反応基を有するロタキサン樹脂は、例えば以下のように製造できる。
(1)環状分子と直鎖状分子とを混合し、環状分子の開口部を直鎖状分子で串刺し状に
貫通して直鎖状分子に環状分子を包接させる工程と、(2)得られた擬ロタキサン樹脂の両末端(直鎖状分子の両末端)を封鎖基で封鎖して、環状分子が串刺し状態から脱離しないように調製する工程と、(3)得られたロタキサン樹脂の環状分子が有する水酸基を疎水性修飾基及び/又は反応基で修飾する工程、で処理することにより得られる。
本発明で使用されるインキに用いるロタキサン樹脂の含有率は、吐出安定性、塗膜柔軟性、擦過性の点から、インキ全量中の0.1~5質量%で使用され、好ましくは、0.5~4質量%、より好ましくは、1~3質量%である。
(着色剤)
着色剤としては、一般的に知られる溶解性または増塩染料または顔料などを用いることができる。中でも着色剤自身のマイクレーションの抑制と耐久性から顔料が好適に選択できる。さらに顔料としては一般的に印刷用途、塗料用途のインク組成物に使用される顔料を用いることができる。具体的にはカーボンブラック、酸化チタン、炭酸カルシウム等の無機系顔料または有機顔料が使用できる。
特に非マイグレーション性と色再現性を両立する顔料成分としては、例えば、マゼンタインキに使用する着色剤として、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド81系、C.I.ピグメントレッド122、176、185、169、202、269等が挙げられ、
例えば、イエローインキに使用する着色剤として、C.I.ピグメントイエロー120、139、150、151、155、180、185等が挙げられ、
例えば、シアンインキに使用する着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、
例えば、その他のカラーインキに使用する着色剤として、C.I.ピグメントグリーン7、36、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントバイオレット23、
更にその他のインキに使用する着色剤として、C.I.ピグメントブラック7、表面処理
酸化チタン、表面処理カーボンブラックが好適に用いることができる。
本発明で使用されるインキに用いる着色剤の含有率は、食品・医薬品などの包装材として使用するにあたり、所望の発色性、吐出安定性の観点からインキ全量中の1~20質量%で使用されるのが好ましい。
(顔料分散剤)
顔料分散剤としては、大きく分けて顔料分散助剤と樹脂型顔料分散剤があげられる。
顔料分散助剤は、有機顔料を母体骨格とし、側鎖にスルホン酸、スルホンアミド基、アミノメチル基、フタルイミドメチル基等の置換基を導入して得られる化合物、ないしは金属塩化合物である。
樹脂型顔料分散剤の主鎖骨格は、特に制限はないが、ポリウレタン骨格、ポリアクリル骨格、ポリエステル骨格、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリウレア骨格等が挙げられる。中でも、インキ組成物の保存安定性の点で、ポリウレタン骨格、ポリアクリル骨格、ポリエステル骨格が好ましい。また、その構造に関しても特に制限はないが、ランダム構造、ブロック構造、くし型構造、星型構造等が挙げられ、インキの低粘度化、保存安定性、の点で、ブロック構造又はくし型構造が好ましい。
例示した中でも、塩基性官能基を有する樹脂型顔料分散剤が好ましく、市販品を使用してもよい。塩基性官能基を有する樹脂型顔料分散剤と使用可能な例として、ルーブリゾール社製のソルスパース24000GR、32000、33000、35000、39000、41000、53000、及びJ180が挙げられる。また、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPB821、822、824、827、及び711が挙げられる。
樹脂型顔料分散剤の添加量は、所望の安定性を確保する上で任意に選択される。インキの流動特性に優れるのは、顔料100質量%に対し樹脂型顔料分散剤の有効成分(つまり、樹脂型顔料分散剤の固形分(不揮発分)が20~150質量%の場合である。この範囲内ではインキの分散安定性が良好となり、長期経時後も初期と同等の品質を示す。さらに顔料100質量%に対し樹脂型顔料分散剤の有効成分が30質量%~100質量%の場合、分散が非常に安定となり、かつ20kHz以上の高周波数領域でも安定した吐出性を示すため、高精度・高生産性を実現することができる。さらに好ましくは、30質量%~70質量%である。
(添加剤)
本実施形態のインキに必要に応じて、表面張力調整剤を加えてもよい。
(表面張力調整剤)
基材への均一な濡れ広がり性を向上させるために、表面張力調整剤を加えることが好ましい。表面張力調整剤は、シリコーン系ないしはアクリル系であることが、相溶性による弾き防止の点から好ましい。さらに好ましくは、アクリル系表面張力調整剤を使用することで、基材へのインキの過剰な拡がりによるインキ間の滲みを抑制する点から、仮硬化を行うことのない電子線照射装置において好ましい。さらに好ましくは、アクリロイル基などの反応性を有する表面張力調整剤を使用することで、硬化膜の残留率を低減することができる。
上記表面張力調整剤の添加量は、インキ中0.01~5質量%が好ましく、0.01~3質量%がより好ましく、0.1~2質量%が特に好ましい。0.01質量%以上だとインキの濡れ広がりを均一にすることができ、5質量%以下だと、表面張力調整剤がインキ界面に十分に配向し、十分な効果を発現する。表面張力調整剤は、一種または必要に応じて二種以上用いてもよい。
(インキの製造方法)
インキは、重合性化合物、顔料分散剤及び顔料をサンドミル等の通常の分散機を用いて分散した顔料分散体に、重合性化合物及びロタキサン樹脂その他添加剤を添加することにより作製することが好ましい。この方法により、通常の分散機を用いて充分な分散が可能であるので、過剰な分散エネルギーがかからず、多大な分散時間を必要としない。そのため、インキ成分の分散時の変質を招きにくく、安定性に優れたインキを調製することが出来る。
顔料分散体作製時の条件としては、微小ビーズを使用することが好ましい。具体的に0.1mm~2mmの微小ビーズを用いることが、低粘度で安定した分散体を作製するために好ましい。さらには0.1mm~1mmの微小ビーズを用いることが生産性向上とインクジェット吐出性の良好な分散体を作製できるために好ましい。
インキは、分散機による分散の後、フィルターにて濾過することが好ましい。インクジェットの吐出安定性の点から、フィルターの孔径は、3μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下が好ましい。
(電子線硬化方法)
本発明でいう「電子線」とは、人工的に電子を加速し、ビームとして利用するものである。加速させるために高電圧をかけるが、この加速電圧が高すぎると熱電子はインキ塗膜を通過して下地の基材まで到達し、基材を劣化させ、さらには基材中の成分の分解により有害な低分子成分を発生させ、臭気やマイグレーションにつながってしまう恐れがある。
そのため、本発明に使用する電子線の加速電圧は10~150kVであることが好ましい。さらには60~100kVが、基材の分解を防ぎつつ、インキ塗膜の硬化を十分に行うことができ、臭気やマイグレーションを最小にすることができることから、さらに好ましい。
(印刷基材)
本発明では、包装材料に一般的に用いられるフィルム(PP、OPP、BOPP、PE、PET)や紙基材を用いることができる。アルミ蒸着フィルムなどのガスや液体をバリアする機能を有する基材を用いることも可能であるが、本発明では、インキ原料の残留率低下を目的とするため、残留物質が基材中を浸透して混入する可能性の高い一般的なコート紙やフィルムに対しても特に有効に用いることが可能である。
本発明のインキは、硬化後の柔軟性が良好であるため、基材の膜厚は、2~20μmでも使用できる。
また、インキの浸透性を制御するために、アンカーコートやコロナ処理など、基材表面の改質を行うことも有効である。特にコロナ処理は、一般的には基材表面を極性化することで、インキの濡れ性を向上させるため、浸透が促進されると考えられがちである。しかし実際は、その表面状態だけを変えることは、コート層を有する基材であればそのコート層表面だけを改質し、浸透を抑制することもできるため、好適に用いることができる。
以下、本発明について実施例によってより具体的に説明するが、本発明の態様がこれらの例に限定されるものではない。
1.顔料分散体の調製
インキ組成物の調製に先立ち、以下のようにして各種顔料分散体を調製した(表1)。なお、表中に記載した成分の配合量は、全て「質量部」である。
(顔料分散体1の調製)
下記材料をハイスピードミキサー等で均一になるまで撹拌した後、得られたミルベースを横型サンドミルで約1時間分散することで、顔料分散体1を調製した。
顔料:フタロシアニン顔料(トーヨーカラー社製)
「LIONOL BLUE FG-7400-G」 20.0部
顔料分散剤: ソルスパース32000(ルーブリゾール社製) 10.0部
モノマー: ジプロピレングリコールジアクリレート(DPGDA) 70.0部
(顔料分散体2の調製)
顔料分散体1と同様に、下記組成の顔料分散体2を調製した。
顔料:キナクリドン顔料(クラリアント社製)
「Inkjet Magenta E5B02」 20.0部
顔料分散剤: ソルスパース32000(ルーブリゾール社製) 10.0部
モノマー: ジプロピレングリコールジアクリレート 70.0部
(顔料分散体3の調製)
顔料分散体1と同様に、下記組成の顔料分散体3を調製した。
顔料:ベンズイミダゾロン顔料(クラリアント社製)
「Noveperm Yellow P-HG」 20.0部
顔料分散剤: ソルスパース32000(ルーブリゾール社製) 10.0部
モノマー:ジプロピレングリコールジアクリレート 70.0部
(顔料分散体4の調製)
顔料分散体1と同様に、下記組成の顔料分散体4を調製した。
顔料:カーボンブラック顔料(デグサ社製)
「Special Black350」 15.0部
:ケッチェンブラック顔料(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
「ケッチェンブラック EC300J 」 5.0部
顔料分散剤:ソルスパース32000(ルーブリゾール社製)10.0部
モノマー:ジプロピレングリコールジアクリレート 70.0部
(顔料分散体5の調製)
顔料分散体1と同様に、下記組成の顔料分散体5を調製した。
顔料:フタロシアニン顔料(トーヨーカラー社製)
「LIONOL BLUE FG-7400-G」 20.0部
顔料分散剤: ソルスパース32000(ルーブリゾール社製) 10.0部
モノマー: 1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA) 70.0部
Figure 2022101086000001

2.ロタキサン樹脂の合成
特許第5386702号公報の実施例1に記載の方法に従い、メタクリロイル化ロタキサン樹脂を得た。詳細には、特許第3475252号公報に記載のポリロタキサンの製法により、α―シクロデキストリン、PEG、およびアダマンタンから構成されるポリロタキサンを調整し、次いで、前記α―シクロデキストリンの水酸基の一部をグリシジルメタクリレートによって変性し、メタクリロイル基を有するポリロタキサンを調整した。
(実施例1~実施例16、比較例1~7)
3.インキ組成物の調製
先に調製した1~5の各色顔料分散体を使用し、表2及び表3に示したインキ処方になるように、重合性化合物、ロタキサン樹脂、表面張力調整剤を順次撹拌しながら添加し、均一になるまで穏やかに混合させた。その後、得られた混合液について1μmのメンブランフィルターで濾過を行い、粗大粒子を除去することでインクジェットインキ組成物を得た。
表2及び表3に記載したインキの原料成分は、以下のとおりである。
(1)単官能モノマー
・IBXA:イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製)
・アロニックスM-140:N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド(東亜合成社製)
・ビスコート#192:フェノキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業社製)
・VCAP/RC:N-ビニルカプロラクタム(アイエスピー・ジャパン社製)
(2)二官能モノマー
・DPGDA:ジプロピレングリコールジアクリレート(BASF社製)
・VEEA:アクリル酸2-(2-ビニロキシエトキシ)エチル(日本触媒社製)
・ビスコート#230:1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(大阪有機化学工業社製)
・EBECRYL600:ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート(ダイセル・オルネクス社製)
・KAYARADHX220:カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート(日本化薬社製)
(3)表面張力調整剤
・BYK-UV3510:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(BYKChemie社製)
・BYK361N:アクリルポリマー(BYKChemie社製)
Figure 2022101086000002

Figure 2022101086000003

(粘度測定)
作成したインキの粘度は、東機産業社製TVE25L型粘度計を用いた。測定条件は、25℃の循環チラー環境にて、適宜測定に適する回転数(20mPa・s以下のインキは回転数20rpm、20~60mPa・sのインキは回転数10rpm、60mPa・s以上の粘度のインキは回転数5rpm)に合わせた後、3分後の測定値を粘度として用いた。
4.インクジェット印刷
次に、先に調製したインクジェットインキ組成物を用い、調整したインキをトライテック社製OnePassJETにて印刷した。調整したインキを、シリンジにより京セラ社製のインクジェットヘッドに注入し、印刷速度50m/分、ヘッド温度40℃、にて100%ベタ印刷画像(膜厚6μ相当)を出力した。印刷基材はAvery社製のセミグロス紙(60#)を使用した。
インキ着弾後、岩崎電気社製電子線照射装置を用いて、加速電圧80kV、線量50kGyでコンベア速度25m/min、1Passで電子線硬化させ、硬化膜を得た。
(硬化性)
上記印刷を行った硬化膜を綿棒で擦って、塗膜の硬化性を評価した。
〇:綿棒にインキの移りもなく、塗膜に傷もない。
△:塗膜上に傷があり、綿棒にインキが移る。
×:塗膜が剥がれ基材が見え、綿棒にインキが移る。
(吐出評価)
吐出評価は、調整したインキを(株)トライテック社製Dotviewを使用した。調整したインキを、シリンジにより京セラ社ヘッド(20Khz)に注入し、ヘッド温度40℃にて吐出させ、インキの吐出速度とインキ飛翔時の液滴を観察した。評価基準は以下の通りとし、〇以上を実用レベルと判断した。
◎:吐出速度8m/分以上、分滴・サテライトともになし
〇:吐出速度7~8m/分、分滴ないがサテライトあり
△:吐出速度6~7m/分、分滴ないがサテライトあり
×:吐出速度6~7m/分、分滴、サテライトともにあり
(柔軟性)
上記印刷を行った硬化膜を、基材ごと90°/180°折り曲げ、硬化膜が割れるか目視で評価した。評価基準は以下の通りであり、△以上を良好とする。
○:基材を180°折り曲げても硬化膜が割れない
△:基材を90°折り曲げても硬化膜が割れない
×:基材を90°折り曲げると硬化膜が割れる
(擦過性)
磨耗試験機の摺動子にダストネル(摩擦布)を両面テープで貼り付け0.22g/cmの荷重下、上記印刷を行った硬化膜を、基材ごと貼り付け、50回往復させ、傷の有無を評価した。
○:殆ど傷がない。
△:少し傷がある。
×:目立つほど多くの傷がある。
(濃度)
CYAN/MAGENTA/YELLOWインキに関しては、上記印刷を行った硬化膜を分光光度計(X-rite社製)を用いて測色し、L*a*b*色空間における色再現領域をプロットすることで濃度の評価を行った。得られた色再現領域と枚葉印刷用ジャパンカラー2007によって定められているマゼンタの色相を比較し、ジャパンカラー2007のマゼンタが再現可能かで評価を行った。評価基準は下記の通りである。
○:ジャパンカラーと同等以上の色域を示す
△:ジャパンカラーと同等程度の色域を示す
×:ジャパンカラーよりも狭い色域を示す
BLACKインキに関しては、上記印刷を行った硬化膜を分光光度計(X-rite社製)を用いて測色し、L*a*b*色空間におけるL値の値による評価を行った。評価基準は下記の通りである。
○:L値が1以下の色域を示す
△:L値が1以上3以下の色域を示す
×:L値が3以上の色域を示す
表2に示す通り、実施例1~実施例16では、柔軟性と擦過性、吐出性などを両立し、食品・医薬品包装に使用するための実用品位を満たすものであった。
一方、表3に示す通り、比較例1、2ではロタキサン樹脂が含まれないことにより、印刷物の電子線硬化塗膜は柔軟性がなく曲げると塗膜がわれてしまい、食品・医薬品などの軟包装に使用するための実用品位には成りえなかった。また、比較例3ではロタキサン樹脂が多く、インクジェット印刷適正を示さず、印刷物もロタキサン樹脂の粗粒が目立ち、色域も悪化した。比較例4、5では、単官能モノマーおよび二官能モノマーの合計の含有量が90質量%を超え、着色剤の量が少ないため、色域は好適な色域を示さなかった。比較例6では、単官能モノマーおよび二官能モノマーの合計の含有量が90質量%を超え、ジプロピレングリコールジアクリレートの含有量が少なく、実用品位には成りえなかった。比較例7では、ジプロピレングリコールジアクリレートの含有量が少なく、硬化性が悪く吐出安定性も悪化した。

Claims (3)

  1. 着色剤、重合性化合物、およびロタキサン骨格を有する樹脂を含有する電子線硬化型インクジェットインキであって、
    前記重合性化合物が単官能モノマーおよび/または二官能モノマーを含有し、前記二官能モノマーがジプロピレングリコールジアクリレートを含有し、
    前記単官能モノマーおよび二官能モノマーの合計の含有量が電子線硬化型インクジェットインキの全質量%に対して70~90質量%であり、ジプロピレングリコールジアクリレートの含有量が電子線硬化型インクジェットインキの全質量に対して50~85質量%であり、ロタキサン骨格を有する樹脂の含有量が電子線硬化型インクジェットインキの全質量に対して0.1~5質量%であり、
    25℃における粘度が100mPa・s以下であることを特徴とする、電子線硬化型インクジェットインキ。
  2. 着色剤の含有量が、インクジェットインキの全質量に対して1~20質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の電子線硬化型インクジェットインキ。
  3. 基材上に、請求項1または2に記載の電子線硬化型インクジェットインキにより形成された印刷層を有する印刷物。

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