JP2022100448A - 腫瘍組織への免疫細胞誘導装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温大気圧プラズマを噴射して腫瘍に対して非侵襲的に免疫細胞を誘導して局所免疫を賦活化し、低温大気圧プラズマ照射部位やその近傍で広範囲に腫瘍病巣でのアポトーシスを間接的に誘導して、簡便かつ短時間で有効に腫瘍の治療・悪化防止・予防に用いる簡素で汎用性の高い腫瘍組織への免疫細胞誘導装置を提供する。【解決手段】 腫瘍組織への免疫細胞誘導装置1は、管状誘電体13内でガス51を導通させるガス流路11と、管状誘電体13の外側を囲む管状の中電極12b並びに上流側接地電極12a及び下流側接地電極12cと、それら電極12b及び12a・12bの間でガスの導通下で大気圧下においてプラズマを室温にて発生させるために印加する電源31と、プラズマにより生成したプラズマ気流53をガス流路11の先端にて腫瘍組織62へ噴射するプラズマ気流噴出口15とを有し、プラズマ気流53で腫瘍組織62に免疫細胞を誘導させる。【選択図】図1

Description

本発明は、腫瘍組織へ低温大気圧プラズマを噴射することにより腫瘍に対して非侵襲的に免疫細胞を誘導し局所免疫を賦活化して、腫瘍の治療・悪化防止・予防に用いることができる、腫瘍組織への免疫細胞誘導装置に関するものである。
腫瘍、特に転移し易い悪性腫瘍、例えば胃癌、肺癌、大腸癌、乳癌などは、日本人の死因の第一位である。このような腫瘍の治療には、腫瘍原発巣やリンパ節例えば乳癌原発巣から微小腫瘍細胞が転移し又は転移しつつあるセンチネルリンパ節や、腫瘍原発巣のみならず転移した他の臓器の外科的な切除手術療法、抗癌剤や分子標的剤のような化学療法、ホルモン療法のような内分泌療法、X線・電子線・陽子線、重粒子線・α線・β線・γ線のような放射線を用いた放射線療法、若しくは薬物療法と手術とを併用した集学的治療が行われる。
切除手術療法は人体的・精神的ダメージが大きく、化学療法では腫瘍細胞のみならず正常細胞へのダメージのため吐き気や下痢や脱毛など重篤な副作用を惹起する可能性が高く、内分泌療法ではほてりや関節筋肉障害などの副作用を惹き起こし易く、放射線療法では骨髄抑制や発疹のような急性障害の他に味覚障害や呼吸障害や下血やリンパ浮腫などの晩期障害の恐れがある。
近年、新たな腫瘍治療法として低温大気圧プラズマ技術が試みられている。例えば特許文献1には、電極の対向面に凹部の形成された対向電極対と、前記対向電極対間のプラズマ発生領域を覆う筐体と、前記筐体にプラズマを発生させるガスを導入するガス導入口と、前記対向電極対により発生されたプラズマを前記筐体の外部に照射するための照射部とを有し、前記対向電極対はプラズマ密度が1×1014cm-3以上1×1017cm-3以下の範囲内のプラズマを発生させるものであり、前記照射部は、そのプラズマを卵巣腫瘍細胞に照射するものである卵巣癌治療装置が、開示されている。このような卵巣癌治療装置は、低温大気圧プラズマ照射部位で専ら、卵巣癌細胞が、低温大気圧プラズマによる直接的なアポトーシスにより、死滅するというものである。
また、プラズマを腫瘍細胞に直接照射するのではなく、照射された溶液に抗腫瘍効果が見出されている。例えば特許文献2には、腫瘍細胞を選択的に死滅させる抗腫瘍水溶液において、リン酸水素二ナトリウムと、炭酸水素ナトリウムと、L-グルタミンと、L-ヒスチジンと、L-チロシン二ナトリウム二水和物とのうちの少なくとも1種類を含む溶質を水に溶かした第1の水溶液に大気圧プラズマを照射して第2の水溶液とし、前記第2の水溶液を冷凍したものである抗腫瘍水溶液が開示されている。
さらに、特許文献3には、R-NHCHCOCHCHCOORで示される化合物またはその塩もしくはエステルを含む、プラズマ療法による癌または腫瘍の治療効果を増強するための医薬組成物が、開示されている。特許文献3には、この医薬組成物を用いた、プラズマ直接照射による腫瘍に対する直接的な殺細胞効果が、開示されている。
しかし、プラズマ照射した局所乃至やや深部にある腫瘍とりわけ腫瘍原発巣やそこからの転移部位で局所免疫を誘導することは、知られていない。
また、非特許文献1に、低温大気圧プラズマ照射による表面の皮膚の免疫について解析されている。この非特許文献1は、低温大気圧プラズマ照射による皮膚傷害を主に検討したものであり、照射部位の皮膚に炎症細胞浸潤を認め、有害事象としての照射部位の皮膚に直接的な炎症反応を惹起するというものであるが、治療効果を有する腫瘍免疫惹起や免疫誘導というよりは、照射部位の熱傷(96℃)のよる炎症反応の惹起である。
特開2013-153995号公報 特開2016-3184号公報 特開2019-123682号公報
PLOS ONE, 12(4): e0174966.:https://doi.org/10.1371/journal.pone.0174966
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、腫瘍に対して低温大気圧プラズマを噴射して、非侵襲的に免疫細胞を誘導して局所免疫を賦活化し、低温大気圧プラズマ照射部位のみならずその近傍で広範囲に腫瘍病巣でのアポトーシスを間接的に誘導して、簡便かつ短時間で有効に腫瘍の治療・悪化防止・予防に用いる簡素で汎用性の高い腫瘍組織への免疫細胞誘導装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた腫瘍組織への免疫細胞誘導装置は、管状誘電体であるガラス管又は石英管内でガスを導通させるガス流路と、前記管状誘電体の外側を囲んでいる管状の中電極並びにその中電極よりも上流側に配置された上流側接地電極及びその中電極よりも下流側に配置された下流側接地電極と、それら電極の間で前記ガスの導通下で大気圧下においてプラズマを室温にて発生させるために印加する電源と、前記プラズマにより生成したプラズマ気流を前記ガス流路の先端にて腫瘍組織へ直接的に及び/又は間接的に噴射するための単一又は複数のプラズマ気流噴出口とを有し、前記プラズマで前記腫瘍組織に免疫細胞を誘導させるためのものである。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置は、前記プラズマ気流噴出口が口径を1mm以下にすることにより、活性酸素窒素種の生成効率を高めるとともに前記免疫細胞を誘導し局所免疫を賦活化するものであることが好ましい。これまでの実験ではプラズマ気流噴出口が口径を200~700μmとする場合、高い効果が得られた。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置は、前記ガスの流量が、生体組織を乾燥させないように、1.5L/分以下、好ましくは0.5~1.5L/分になるようにする。例えば、前記プラズマ気流噴出口が口径を650μmの場合1L/分であるというものである。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置は、前記プラズマが、例えばプラズマから腫瘍組織へ流れる平均電流を400μA以下に制限されたというものである。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置に用いられる前記ガスとしては、例えばヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、酸素ガス、又はこれら何れかの混合ガスが挙げられる。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置は、前記先端が先細りとなっており、及び/又は前記プラズマ気流噴出口が前記管状誘電体の管径よりも細径となっていることが好ましく、さらに前記プラズマ気流から腫瘍組織へ流れる平均電流を400μA以下に制限することが好ましい。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置は、ガラス又は石英管でプラズマが生成される誘電体バリアー放電である。前記誘電体によりプラズマの発生がパルス放電プラズマのように間欠に発生する。全ての電極が誘電体の外部に設置される完全な誘電体バリアー(放電空間に電極を設けない構造)を設けていることにより、プラズマの密度は、比較的に低いものの熱による影響を最低限にすることが可能とするものであると、一層好ましい。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置は、前記プラズマ気流噴出口が、内視鏡の先端、カテーテルの先端、又はプローブの先端に設けられているものであってもよい。
前記の目的を達成するためになされた前記腫瘍組織への免疫細胞誘導装置を使用する方法は、前記プラズマ気流をワンショット又はマルチショットで、前記腫瘍組織に前記一方向へ又は多方向へ噴射するというものである。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置の使用方法は、例えば高電圧電源の出力をスイッチング装置よって、前記ワンショット又はマルチショットを、ショット当たり数秒~十数分間噴射するように、使用するというものである。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置の使用方法は、前記腫瘍組織が、in vivoで、腫瘍原発巣、腫瘍細胞、微小腫瘍細胞、体表リンパ節、センチネルリンパ節、リンパ節、血管、播種性腫瘍組織、及び/又は転移組織であることが好ましい。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置の使用方法は、前記腫瘍組織に、Bリンパ球、マクロファージ、好中球、T細胞、NK細胞、樹状細胞、及び/又は形質細胞を増加させるために、前記プラズマ気流を局所的に噴射して使用するというものである。
本発明の腫瘍組織への免疫細胞誘導装置は、室温下にて低温大気圧プラズマによるプラズマ気流を噴射(プラズマ直接照射)して、腫瘍組織に対して非侵襲的に免疫細胞を誘導して局所免疫を賦活化することができるというものである。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置を使用すれば、生体の腫瘍組織即ちin vivoでの低温大気圧プラズマによるプラズマ気流の噴射により、従来のようなプラズマ直接照射による腫瘍細胞の直接的な殺菌効果や直接的なアポトーシス誘導ではなく、免疫細胞誘導を介した免疫反応による間接的なアポトーシス誘導による効果によって、従来のプラズマ装置とは全く異なる作用機序を発現することができる。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置を使用すれば、腫瘍組織、とりわけ腫瘍原発巣や転移しつつある微小腫瘍細胞の他、転移した又は転移しつつある体表リンパ節・センチネルリンパ節・リンパ節・血管・播種性腫瘍組織や、転移した臓器のような転移組織に対して、簡便かつ短時間で、安全かつ有効に、正常組織を損傷することなく、腫瘍の治療・悪化防止・予防に用いることができる。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置は、前記プラズマ気流を腫瘍組織へ局所的に噴射して使用することにより、腫瘍組織内に、免疫細胞、とりわけBリンパ球、マクロファージ、好中球、T細胞、NK細胞、樹状細胞、及び/又は形質細胞を増加させることができ、その結果、腫瘍組織中の腫瘍細胞の壊死を誘導することによって、腫瘍の治療・悪化防止・予防を行うことができるというものである。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置によれば、腫瘍組織の全体に渡ってプラズマ気流を噴射しなくても、腫瘍組織の一部にプラズマ気流を所定時間照射するだけで、免疫細胞を誘導して局所免疫を賦活化させ、それによって患者自身の免疫作用を増強させる結果、腫瘍組織全体の腫瘍細胞を壊死に誘導させることができる。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置によれば、表皮の腫瘍組織の腫瘍細胞のみならず、皮下の腫瘍組織の腫瘍細胞を壊死に誘導できるので、非浸潤的な治療を行うことができる。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置は、簡素で汎用性の高いばかりか、複雑で大掛かりな装置としなくても、小型で持ち運び可能なポータブル性に優れ、様々な医療現場で簡便に使用することができる。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置は、簡素な構造であるので、安価で簡便に製造できる。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置の使用方法によれば、免疫細胞を誘導し、腫瘍組織を壊死に間接的に誘導でき、副作用をほとんど惹き起こさずに、腫瘍治療に用いることができる。
本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置の概要を示す模式図である。 本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置の一部についての別な態様を示す模式断面図である。 本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置の一部についての別な態様を示す斜視図である。 本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置のプラズマ気流の電流波形と腫瘍組織へ流れる電流波形を示す図である。 本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置の一部についての別な態様を示す斜視図である。 健常マウスの背部に異所移植して作製した腫瘍組織マウスの腫瘍組織に、本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置を用いてプラズマ気流を、照射したとき、及び本発明を適用外の装置で単にヘリウム気流を照射したときのルミノール染色の結果を示す図である。 健常マウスの背部に異所移植して作製した腫瘍組織マウスの腫瘍組織に、本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置を用いてプラズマ気流を腫瘍組織に照射したとき皮膚表面の温度分布の結果を示す図である。 本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置を用いてプラズマ気流を腫瘍組織に照射したときルミノール染色、HE染色、及びTUNEL染色の結果を示す図である。 健常マウスの背部に異所移植して作製した腫瘍組織マウスの腫瘍組織に、本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置を用いてプラズマ気流を腫瘍組織に照射したとき、皮下組織と腫瘍組織内のBリンパ球、マクロファージ、好中球の数を夫々見積もった結果を示す図である。電気メスとの比較で、腫瘍組織で免疫細胞が誘導されている結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の腫瘍組織への免疫細胞誘導装置1は、その模式図である図1に示すように、低温大気圧プラズマ発生装置10と、ガスボンベ23を有するガス供給装置20と、プラズマ52を発生させる電圧印加装置30と、キャリアガス51の供給及びプラズマ52の発生を制御するパーソナルコンピュータ(PC)であるプラズマ発生制御装置40とを有している。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置1は、プラズマ気流噴出口15を細く設けることで、腫瘍組織へ流れるガス流量を0.5~1.5L/分に低くすることにより、腫瘍組織の乾燥を抑制することができる。さらに噴出口を細く設けることで、腫瘍組織へ流れる電流を抑制することもできる。その結果、腫瘍組織とその周辺の正常組織のジュール熱による熱的損傷を抑制することができる。
低温大気圧プラズマ発生装置10は、プラズマ52の発生によって生成されるプラズマ気流53を噴出させるためのものである。低温大気圧プラズマ発生装置10には、ガス流路11を形成する内管誘電体としてガラス製又は石英製の管状誘電体13が設けられ、その管状誘電体13の根元側で可撓性のガス配管21、並びに開閉弁22a・圧力調整器22b及びガス流量調整器22cを介してガスボンベ23に繋がり、管状誘電体13の他方の先端側がポリテトラフルオロエチレンのような誘電体製の円筒状であってプラズマ気流噴出口15だけ開いているノズル16で塞ぐように、管状誘電体13を取り巻きつつ被せられている。ノズル16に管状誘電体13の管径よりも細径のプラズマ気流53を噴出するプラズマ気流噴出口15が開けられている。
管状誘電体13には、ガス流路11を取り巻くように間隙を開けて設けられた円筒形状のポリテトラフルオロエチレン(テフロン;登録商標)製のような外筒誘電体である外筒ケース14が、設けられている。管状誘電体13と接するように筒状同軸の中電極12bが取り巻いている。管状誘電体13の上流側には、外筒ケース14と接するように筒状同軸の上流側電極12aが取り巻いている。また、管状誘電体13の下流側には、ノズル16と接するように筒状同軸の下流側電極12cが取り巻いている。12aと12bの距離は70mm、12bと12cの距離は40mmとなっている。ガラス管の厚さは1mmとなっている。
中電極12bと、上流側接地電極12a及び下流側接地電極12cとからなる電極12は、高電圧電源31に接続されている。上流側接地電極12a及び下流側接地電極12cは、接地されている。
高電圧電源31で電極12間に交流又はパルス電圧を印加すると誘電体バリア放電を生ずる結果、プラズマ52を発生するようになっている。プラズマ52によりガス流路11中のキャリアガス51の流れによってプラズマ気流53がプラズマ気流噴出口15から患者の腫瘍領域60へ向け噴出されるようになっている。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置1は、上流側接地電極12aと中電極12bの間で安定なプラズマを発生することとプラズマ気流を供給する下流側(中電極12bと下流側接地電極12cの間)を分ける二分化された構造であることから、従来のような二つの電極及び単電極プラスマを発生する装置よりも、低いガス流量下でも安定なプラズマを発生及び維持することができる。さらにプラズマ気流噴出口15を設けることでプラズマ気流に含まれている荷電粒子及び励起種の供給量を制御することができる。
管状誘電体13は、誘電体製の管状のもので例えばガラス管であっても石英管であってもよい。プラズマ気流噴出口15は、例えば管状誘電体13の先端側でノズル16で塞がれつつノズル16の中央に管状誘電体13と同軸状に小口径の噴出孔として設けられたものである。プラズマ気流噴出口15は、その口径を650μmとするものである。最大15分程度のプラズマ照射で生体組織が乾燥しないような適切な口径は数百μm程度である。口径がこの範囲よりも大き過ぎると安定にプラズマを維持するために大量のキャリアガスが必要となり、生体組織が乾燥しやすくなる。さらにプラズマ気流噴出口15が大きくなるとともに生体組織へ流れる電流も増加する。その結果、生体組織はジュール熱による損傷が起こる。
プラズマ気流噴出口15は、図1中、管状誘電体13の先端を塞いでいるノズル16に開けられた例を示したが、図2(a)に示すようにノズルを用いず、同径の管状誘電体13の先端がプラズマ気流噴出口15を兼ねていてもよい。プラズマ気流噴出口15は、同図(b)に示すように、管状誘電体13の先端がドーム状に塞がれ又は先細りに窄まった単孔であってもよい。プラズマ気流噴出口15は、同図(c)に示すように、ノズル16に開けられた複数の孔であってもよい。プラズマ気流噴出口15は、同図(d)に示すように、管状誘電体13の先端を塞ぐ円錐状乃至ドーム状のノズル16が先細りに窄まった先端に開けられたものであってもよい。
図2(e)に示すように、ノズル16には、プラズマ気流噴出口15から腫瘍領域60表面までの所定の距離を保てるように、サポータ16aが設けられていてもよい。具体的には、図3に示すように、ポリテトラフルオロエチレン製のノズルから、4本の爪状のサポータ16aが伸びて設けられ、4本のサポータ16aの先端が内側に曲がっていてもよい。サポータ16aは、プラズマ気流噴出口15から腫瘍領域60表面までの距離を、ガス流量及びプラズマジェットの長さに応じて10~20mmにするように、調整されていることが好ましい。
図2(c)~(e)のようなノズル16は、必要に応じて適宜付け替えることができる。例えば、図3に示すように、ノズル16の直径・形状、プラズマ気流噴出口15の口径、サポータ16aの長さを適宜調整したノズル16に付け替えるというものであってもよい。
なお、図を示していないが、管状誘電体13の外径が一定のまま内径のみが先細りとなって先端が開いた単孔であってもよく、管状誘電体13ごと先細りとなって先端が開いた単孔であってもよく、管状誘電体13自体が同径の細管となっていることによって先端が開いた単孔であってもよく、管状誘電体13の先端に多数の孔があいた複数孔であってもよく、前記口径の範囲内の楕円形状又は溝状であってもよい。
電圧印加装置30は、高電圧電源31として交流電源又はパルス電源を有し、数~数十kHz好ましくは10kHz程度の低周波で1~10kV好ましくは数k~10kV程度のパルス電圧を電極12に印加するものである。管状誘電体13にキャリアガスを流しながら電極12に印加すると、電子と分子温度が異なっている非平衡プラズマジェットとしてプラズマ気流53が、生成して噴出される。
誘電体バリアー放電方式を用いることにより、プラズマの生成が間欠的な状態にすることができる。プラズマ気流噴出口15から吹き出されているプラズマ気流の電流(放電電流)を図4に示す。休止期間のある間欠的なプラズマが大気中の酸素、窒素、及び水分と反応を起こして活性酸素窒素種を生成し、腫瘍組織への免疫細胞誘導を起こすことができる。さらに休止期間のある間欠的なプラズマを用いることでプラズマ気流の温度の増加を抑制することができる。誘電体バリアー放電方式を用いたとしても100kHz以上の周波数ではプラズマの休止期間が十分でなく、プラズマ気流の過熱を抑制することが困難である。
電圧印加装置30は、前記プラズマを誘電体バリアー放電方式により高電圧(10kV)低電流(1mA以下)で生成することができる。図4で示している電流値から求められた平均電流値は、正電流・負電流がともに400μA程度である。最大の電流値は、1mA以下である。結果、投入する平均電力は1W程度である。プラズマ生成のために投入する電力が小さく、さらに腫瘍領域60表面へ流れる電流が小さいことにより、プラズマ気流の過熱を抑制するとともに、腫瘍領域のジュール加熱を抑制し、熱的損傷を回避することができる。
ガス供給装置20は、ガスボンベ23からキャリアガス51を供給する。キャリアガス51は、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、酸素ガス及び/又はこれらの混合ガスが挙げられるが、周辺の大気(酸素、窒素、水分)を巻き込んで化学反応が起き易い点やプラズマ発生のための投入電力が少なくて済む点で、ヘリウムであると一層好ましい。大気圧プラズマから生成された反応性の高い活性種(酸素窒素種)は、プラズマ気流53によって腫瘍領域60表面まで輸送される。
ガス供給装置20は、プラズマ発生制御装置40で制御されて開閉弁22a・圧力調整器22b・ガス流量調整器22cでガスボンベ23から管状誘電体13へのキャリアガスの流量を調整する。キャリアガスの流量は、0.5~1.5L/分とすることが好ましい。この範囲より少ないとプラズマ気流53の流量が少なすぎ生成した活性酸素窒素種を腫瘍領域の表面まで十分に輸送することができない。この範囲より多いとプラズマ気流53によって腫瘍領域の表面が過度に乾燥してしまい、免疫細胞の誘導が困難になる。
プラズマ発生制御装置40は、ガスボンベ23から管状誘電体13へのキャリアガス51の供給(開閉及び流量)及びプラズマ52の発生のための電極12への電圧印加装置30の交流電源又はパルス電源の高電圧電源31での印加を制御するため、中央制御装置(CPU)と入力端末とを有している。CPUは、入力端末からの信号に応じて制御するためのもので、キャリアガス51の供給を制御するキャリアガス制御回路と電圧印加装置20の交流電源又はパルス電源の高電圧電源31の電圧・電流・パルスを制御する電圧印加制御回路とを有している(不図示)。
なお、腫瘍組織への免疫細胞誘導装置1は、図1に示すように、管状誘電体13を直接把持して腫瘍組織62へ直接的に又は表皮61を介して腫瘍組織62へ間接的にプラズマ気流53を噴出するものであってもよいが、細い管状誘電体13を直接把持する代わりに図5(a)に示すように内視鏡17aの先端、同図(b)に示すようにカテーテル17bの先端、若しくは同図(c)に示すように複数並んだ円形状又は溝状のプラズマ気流噴出口15を先端に有するプローブ18の先端に設けられていてもよく、同図(a-2)に示すように内視鏡やカテーテルには把持し易いように樹脂製のハウジングケース19が設けられていてもよい。
また、腫瘍組織への免疫細胞誘導装置1における大気圧プラズマの発生方法は、管状誘電体13の外側に設けた電極12により、安定な誘電体バリア放電を管状誘電体13内部に生成し、グロー状の放電プラズマ気流53をプラズマ気流噴出口15から吹き出すことができる。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置1は、以下のようにして使用される。
腫瘍組織への免疫細胞誘導装置1を駆動し、キャリアガス51を流しながら電極12間で所定の電圧を所定の正弦波又はパルス波で印加すると誘電体バリア放電によりプラズマ52を発生させ、プラズマ52の発生によって生成されるプラズマ気流53をプラズマ気流噴出口15から噴出させる。このプラズマ気流53が、腫瘍組織62へ直接的に又は表皮61を介して腫瘍組織62へ間接的に、腫瘍領域60に吹き付けられて照射される。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置1を用いた腫瘍の治療方法として、プラズマ気流53は、1秒間~1時間、好ましくは1~20分間、さらに好ましくは10~15分間、腫瘍領域60へ照射される。プラズマ気流53は、in vivoで腫瘍罹患患者又は腫瘍罹患動物の腫瘍領域60に万遍なく吹き付けられて照射されてもよいが、一箇所に集中していてもよい。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置1を用いた腫瘍の治療方法は、シングルショット又はマルチショットを1日1回~数回、好ましくは1~3回施し、単回のみ若しくは毎日若しくは1~7日間隔乃至1~4週間隔で、腫瘍組織が消滅乃至減少するまで又は腫瘍の病状が寛容するまで、1日~約1箇月に渡り、継続的に施すというものである。
このような腫瘍組織は、腫瘍原発巣であることが好ましいが、腫瘍原発巣の腫瘍細胞であってもよく、郭清すべき腫瘍原発巣とリンパ節であってもよい。腫瘍原発巣からリンパ流を最初に受ける局所リンパ節でありリンパ行性微小転移が最初に起こり得るセンチネルリンパ節であってもよく、微小転移腫瘍細胞(微小腫瘍細胞)に作用するセンチネルリンパ節内とそこに最も近接している輸入リンパ管や腋窩リンパ節のようなリンパ節であってもよく、体表リンパ節であってもよく、血管であってもよく、腫瘍が転移した組織であってもよい。
この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置1を用いた腫瘍の治療方法によれば、腫瘍組織内に、免疫細胞を誘導することができる。免疫細胞は、例えばBリンパ球(B細胞)、マクロファージ、好中球、T細胞、NK細胞、樹状細胞、及び/又は形質細胞である。
具体的には、抗体産生細胞の前駆細胞であってヘルパーT細胞と協力して抗体を作り出すBリンパ球や、ヘルパーT細胞によって刺激され抗原の情報を記憶するメモリーB細胞のようなBリンパ球(B細胞);
細胞質に富み結着し易く偽足を出して運動する大食細胞であって抗原(腫瘍)の情報をヘルパーT細胞に伝えるマクロファージ;
白血球の一種であり旺盛な食作用を有し偽足を伸ばして腫瘍細胞を取り込み酵素の働きで腫瘍細胞を死滅させる好中球;
サイトカインを産生してBリンパ球を活性化しBリンパ球と共に抗体産生を助けるヘルパーT細胞や、ヘルパーT細胞のもとで腫瘍細胞を殺傷・除去するキラーT細胞や、免疫が自己に対して働かないように抑制し免疫異常を起こさせないようにする制御性T細胞のようなT細胞;
腫瘍細胞のみならず異常と認識した細胞を傷害するNK細胞(ナチュラルキラー細胞);
腫瘍細胞などの抗原を取り込んでT細胞に抗原の情報を伝達し免疫反応を開始させる樹状細胞;
骨髄由来細胞が最終的に分化した形の細胞であって、抗体を分泌する形質細胞;
が挙げられる。
プラズマ気流53は、プラズマ気流噴出口15から噴出して表皮61又は腫瘍組織62である腫瘍領域60に照射される。プラズマ照射中の表皮61又は腫瘍組織62の温度は高々39~47℃であるから、腫瘍領域60が炎症を起こして免疫細胞が賦活化するのではない。
腫瘍領域60へのプラズマ気流53の照射による免疫細胞の増加・賦活化が誘導されることによって、腫瘍組織62全体に照射しなくとも一部に照射するだけで、腫瘍組織62が死滅へと誘導されるメカニズムの詳細は必ずしも明らかでないが、以下のように推察される。
プラズマ気流53の照射によって、組織変性領域の周囲を含めて、腫瘍組織62の広範囲に、好中球の浸潤が認められる。腫瘍巣内へリンパ球・マクロファージの浸潤が多く認められる。このことから、プラズマ気流53の照射により、皮下組織の腫瘍組織62内で広範囲に好中球を遊走させることができ、また腫瘍巣内へリンパ球・マクロファージの浸潤を増加させることができる。これによって、免疫細胞が増加することによって、腫瘍組織中の腫瘍細胞の壊死に誘導しアポトーシスによって腫瘍の治療・悪化防止・予防を行うことができる。
以下、本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置を使用した実施例と、本発明を適用外の比較例とについて、詳細に説明する。
(実施例1)
5週齢目の雄ヌードマウス(日本エスエルシー株式会社より購入)にヒト膀胱癌細胞株である253J-BV;4×10個/100μlを背部皮下に異所移植し、7-8週齢目で作製した担癌ヌードマウスに、本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置により1L/分のヘリウムガスに対して10kV正弦波を周波数33kHzの条件で生成したプラズマ気流を15分間の条件で照射した。その後、活性酸素種(ROS)で発光するルミノール反応によりIVIS spectrumを用いて蛍光強度を測定して抗腫瘍作用について検討とFLIR T530赤外線サーモグラフィカメラを用いて表皮の温度分布の検討も行った。活性酸素種(ROS)で発光するルミノール反応の結果を、図6(a)のグラフと、同図(b-2)の写真とで示す。図7中、上段のグラフは、分布の中の最高温度の時間変化を示し、下段の写真は、表皮の温度分布の結果を示す。
(比較例1)
腫瘍組織への免疫細胞誘導装置により生成したプラズマ気流に代えて、電圧を印加せずに非プラズマ処理のヘリウム気流にしたこと以外は、実施例1と同様にして、ヘリウムを照射した。その後、同様にルミノールで染色した。その結果を、図6(a)のグラフと、同図(b-1)の写真とで示す。
(実施例1と比較例1との染色対比結果)
図6から明らかな通り、実施例1のように腫瘍組織への免疫細胞誘導装置で生成したプラズマ気流の照射によって活性酸素種は、比較例1のようにヘリウム気流を照射した場合に比べて、約4倍近く有意に増加していた。このことから、この腫瘍組織への免疫細胞誘導装置を用いた低温大気圧プラズマ直接照射により照射部位に発生した活性酸素により、免疫細胞が活性化され腫瘍巣周囲から腫瘍巣内に誘導される事が分かった。
(実施例2)
5週齢目の雄ヌードマウス(日本エスエルシー株式会社より購入)の背部皮下にヒト膀胱癌細胞株である253J-BV;4×10個/100μlを移植し担癌モデルマウスを作製した。作製したヌードマウスの腫瘍領域で表皮を介して腫瘍組織に、本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置により1L/分のヘリウムガスに対して10kV正弦波を周波数33kHzの条件で生成したプラズマ気流を15分間で約1.5cm離した距離から直接照射した。実施例1と同様にしてルミノールで染色した。また、腫瘍領域で切片を切り出し、HE染色(ヘマトキシリン・エオジン染色)及びアポトーシスした組織・細胞を染色するTUNEL染色(TdT-mediateddUTPnickendlabeling染色)を行った。ルミノール染色の結果を (a)に示し、HE染色の結果を同図(b-1)に示し、TUNEL染色の結果を同図(b-2)に示す。
(実施例2の染色結果)
図8から明らかな通り、同図(a)のようにルミノール蛍光測定結果によって活性酸素種が在ることが示されていた。また。同図(b-1)のように正常上皮と正常上皮との間に変性上皮が形成されていたが、プラズマ気流の照射によって同図(b-2)の濃い部分のように膀胱癌細胞が一部壊死しアポトーシスされていた。同図(c)の黒枠のようにプラズマ照射部位の表層に免疫細胞および浸出液が増加している。ことから腫瘍組織にBリンパ球、マクロファージ、好中球が集積し免疫担当細胞が増加していた。このことから、プラズマ照射で発生したアポトーシスにより免疫担当細胞が活性化され、その部位に集積してくることが分かった。
(実施例3)
実施例2と同様にして、ヌードマウスの腫瘍領域で表皮を介して腫瘍組織に、本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置により1L/分のヘリウムガスに対して10kV正弦波を周波数33kHzの条件で生成したプラズマ気流を15分間で約1.5cm離した距離から直接照射した。皮下組織と腫瘍組織とについて、免疫細胞として、Bリンパ球および好中球HE染色して顕微鏡下でカウントし、マクロファージはCD68(KP-1)で染色することによりカウントした。
(比較例2)
腫瘍組織への免疫細胞誘導装置でのプラズマ気流の照射に代えて、電気メスにより腫瘍部位の表皮を焼灼したこと以外は、実施例3と同様にして、Bリンパ球、マクロファージ、好中球をカウントした。
(実施例3と比較例2との免疫細胞の病理学的解析の対比結果)
実施例3のプラズマ気流照射処置と比較例2の電気メス処置とについて、皮下組織と腫瘍組織とにおける、Bリンパ球、マクロファージ、好中球の単位面積当たりの数を、比較した。その結果を図9に示す。
図9(a)から明らかな通り、皮下組織では、電気メス処置でマクロファージの増加がメインでBリンパ球や好中球は僅かにしか認められなかったのに対し、プラズマ気流照射処置で好中球の増加がメインでBリンパ球は僅かにしか増加していなかった。一方、腫瘍細胞では、電気メス処置でBリンパ球やマクロファージの浸潤が少ないのに対し、プラズマ気流照射処置でBリンパ球やマクロファージの浸潤が多かった。
これらの結果から、このようにプラズマ治療群では、電気メスによる治療群とは異なり、照射部位よりやや深部にある腫瘍巣内にリンパ球・マクロファージを誘導し、これによって腫瘍組織を壊死させていることが示唆された。
本発明を適用する腫瘍組織への免疫細胞誘導装置、及びそれを用いた使用方法によれば、
腫瘍組織へ大気圧プラズマを噴射することにより免疫細胞を誘導し、局所免疫を賦活化することにより、腫瘍組織を壊死させアポトーシスによって、腫瘍の治療・悪化防止・予防に利用することができる。
1は腫瘍組織への免疫細胞誘導装置、10は低温大気圧プラズマ発生装置、11はガス流路、12は電極、12aは上流側接地電極、12bは中電極、12cは下流側接地電極、13は管状誘電体、14は外筒ケース、15はプラズマ気流噴出口、16はノズル、16aはサポータ、17aは内視鏡、17bはカテーテル、18はプローブ、19はハウジングケース、20はガス供給装置、21はガス配管、22aは開閉弁、22bは圧力調整器、22cはガス流量調整器、23はガスボンベ、30は電圧印加装置、31は電源、40はプラズマ発生制御装置、51はキャリアガス、52はプラズマ、53はプラズマ気流、60は腫瘍領域、61は表皮、62は腫瘍組織である。

Claims (10)

  1. 管状誘電体であるガラス管又は石英管内でガスを導通させるガス流路と、前記管状誘電体の外側を囲んでいる管状の中電極並びにその中電極よりも上流側に配置された上流側接地電極及びその中電極よりも下流側に配置された下流側接地電極と、それら電極の間で前記ガスの導通下で大気圧下においてプラズマを室温にて発生させるために印加する電源と、前記プラズマにより生成したプラズマ気流を前記ガス流路の先端にて腫瘍組織へ直接的に及び/又は間接的に噴射するための単一又は複数のプラズマ気流噴出口とを有し、前記プラズマで前記腫瘍組織に免疫細胞を誘導させるためのものであることを特徴とする腫瘍組織への免疫細胞誘導装置。
  2. 前記プラズマ気流噴出口が口径を200~700μmとすることにより、前記免疫細胞を誘導し局所免疫を賦活化するものであることを特徴とする請求項1に記載の腫瘍組織への免疫細胞誘導装置。
  3. 前記ガスの流量が、0.5~1.5L/分とすることにより、腫瘍組織の乾燥を抑制することを特徴とする請求項1~2の何れかに記載の腫瘍組織への免疫細胞誘導装置。
  4. 前記プラズマから腫瘍組織へ流れる平均電流を400μA以下とすることにより腫瘍組織のジュール熱による損傷を抑制することを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の腫瘍組織への免疫細胞誘導装置。
  5. 前記ガスが、ヘリウムガス、アルゴンガス、窒素ガス、酸素ガス、又はこれら何れかの混合ガスであることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の腫瘍組織への免疫細胞誘導装置。
  6. 前記先端が、先細りとなっており、及び/又は前記プラズマ気流噴出口が前記管状誘電体の管径よりも細径となっていることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の腫瘍組織への免疫細胞誘導装置。
  7. 前記プラズマ気流噴出口が、内視鏡の先端、カテーテルの先端、又はプローブの先端に設けられていることを特徴とする請求項1~6の何れかに記載の腫瘍組織への免疫細胞誘導装置。
  8. 請求項1~7の何れかに記載の腫瘍組織への免疫細胞誘導装置を使用する方法であって、前記プラズマ気流をワンショット又はマルチショットで、前記腫瘍組織に前記一方向へ又は多方向へ噴射することを特徴とする腫瘍組織への免疫細胞誘導装置の使用方法。
  9. 前記腫瘍組織が、in vivoで、腫瘍原発巣、腫瘍細胞、微小腫瘍細胞、体表リンパ節、センチネルリンパ節、リンパ節、血管、播種性腫瘍組織、及び/又は転移組織であることを特徴とする請求項8に記載の腫瘍組織への免疫細胞誘導装置の使用方法。
  10. 前記腫瘍組織に、Bリンパ球、マクロファージ、好中球、T細胞、NK細胞、樹状細胞、及び/又は形質細胞を増加させるために、前記プラズマ気流を局所的に噴射して使用することを特徴とする請求項8~9の何れかに記載の腫瘍組織への免疫細胞誘導装置の使用方法。
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