JP2022100164A - 電磁誘導式電気伝導率検出器、および、この検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計 - Google Patents

電磁誘導式電気伝導率検出器、および、この検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計 Download PDF

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Abstract

【課題】組み込み先の配管や構成の影響を受けず(外部からの電気的な信号の影響を受けず)、被測定液体の濃度や電気抵抗にかかわらず、測定精度の高い電磁誘導式電気伝導率検出器、および、この検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計を提供する。【解決手段】電磁誘導式電気伝導率検出器20’の励磁用コイル27と検出用コイル28が設置された第一のループ回路(配管21c,電流i1)の外側に、電極24および電極25を設置し、その2つの電極を電気的に接続するショート線回路29により第二のループ回路(配管21b(第1の配管)と配管21d(第2の配管)とを含むバイパス液回路,電流i2)が形成された電磁誘導式電気伝導率検出器20’であって、電極24および電極25に生じる接触抵抗R5’およびR5の影響を低減するように、所定の計算式により算出された液回路抵抗となるよう、第1の配管21bと第2の配管21dを設計した。【選択図】図2

Description

この発明は、被測定液体の電気伝導率に応じた信号を出力する電磁誘導式電気伝導率検出器、および、この検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計に関するものである。
従来より、被測定液体の電気伝導率に応じた信号を出力する電気伝導率計が知られており、液体の純度の測定や液中の電解質の濃度の測定に広く使用されている。この電気伝導率計の検出器には、大きく分けて、電極式と電磁誘導式の2種類がある。電極式は、金属(電極)を2本、被測定液体の中に入れて電気を流すことにより、一方の電極からもう一方の電極にどれくらいの電気が流れたかを測定、すなわち、測定液に電極を浸して溶液抵抗を測定し、電気伝導率を求めるものである。
一方、電磁誘導式は、コイルを平行に2つ配置して、その間に液体が通る配管を通すと、コイルに流れた電気によって電磁誘導が発生して、配管の中に誘導電流が発生する。そして、一方のコイル(励磁用コイル)からもう一方のコイル(検出用コイル)に流れた誘導電流の量により、配管の中を流れている液体の電気の流れやすさを測定することができるものである。すなわち、測定液に電磁誘導によって交流電流を発生させ、その電流から発生する誘導電流を検出して、溶液の電気伝導率を求めるものである。
この電磁誘導式電気伝導率検出器では、接液部に電極のような金属部分がないため耐食性に優れていることや、電極式に見られる分極現象が起きにくいため高電気伝導率の液の測定が可能であること、構造が複雑でないためメンテナンス性がよいこと、などのメリットがあるが、例えば、人工透析装置等の医療機器で使用する場合や食品分野で使用する場合には、衛生面や安全面の観点から、測定用のコイルが接液しない非接触タイプ(非接液タイプ)の電気伝導率計が望ましい。
この際、人工透析装置等の医療機器として使用する場合には、安全性を高めるために制御用と監視用を分ける必要があるため、複数の電磁誘導式電気伝導率検出器を設置することになるが、このように、1つの被測定液体に対して複数の電磁誘導式電気伝導率検出器を設置して、より正確な測定や、制御用と監視用を分けることを求められる装置などで使用する場合には、それぞれの電磁誘導式電気伝導率検出器から発生する電気信号(誘導電流)を検出してしまうことがあり、お互いの測定値に影響を与えて測定精度が低下してしまうため、正確に電気伝導率を測定することができないという問題があった。
そこで、上記のような問題を解決するために、本願発明の出願人は、電磁誘導式電気伝導率検出器において、例えば図1に示すように、被測定液体Fが流れる配管(管路)21内に被測定液体Fに接触する第1の電極22、第2の電極23と、さらにその2つの電極22,23を間に挟む位置に第3の電極24と第4の電極25とを備え、第一のループ回路を形成する第1の電極22と第2の電極23とを接続する第一の導線26の外側に、第二のループ回路を形成する第3の電極24と第4の電極25とを接続する第二の導線29のようなショート線回路を設置することにより、制御用と監視用それぞれの検出器20から発生する電気信号が干渉せず、安定して精度の高い測定値(被測定液体Fの電気伝導率)を得ることができる非接触タイプ(非接液タイプ)の電磁誘導式電気伝導率検出器20を発明した(特許文献1参照)。
特開2016-186480号公報
しかしながら、例えば特許文献1等に記載されているような電磁誘導式電気伝導率検出器では、被測定液体である透析液原液の濃度によって測定値の精度にばらつきがあることが確認され、試行錯誤を繰り返した結果、被測定液体である透析液原液の濃度が低い場合(被測定液体の電気抵抗が高い場合)には、図1の構成において精度よく測定することができるが、透析液原液の濃度が高い場合(被測定液体の電気抵抗が低い場合)には、第一のループ回路から電極22と電極23を取り除き、液回路抵抗のみで第一のループ回路を構成した場合(後述する図2参照)においても、第二のループ回路の配管(21b、21d)の液抵抗の影響について何も考慮されていない場合(検出器の小型化のために当該配管の液抵抗が0.1オーム程度の場合)、第二のループ回路を形成するショート線回路29における電極24、電極25の液面と接触する金属表面に生じる接触抵抗R5’およびR5の影響を受けて、測定精度が低下してしまう、という課題があることがわかった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、被測定液体の電気伝導率を検出する電磁誘導式電気伝導率計において、組み込み先の配管や構成の影響を受けず(外部からの電気的な信号の影響を受けず)、被測定液体の濃度や電気抵抗にかかわらず、測定精度の高い電磁誘導式電気伝導率検出器、および、この検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明は、被測定液体の電気伝導率を測定する電磁誘導式電気伝導率計に用いられる電磁誘導式電気伝導率検出器において、絶縁体からなる管状の絶縁管で構成され、その内側に前記被測定液体が流れる管路であって、前記管路に設けられた環状の第一のループ回路と、前記第一のループ回路の入口側の配管に配置された前記被測定液体に接触する第1の電極と、前記第一のループ回路の出口側の配管に配置された前記被測定液体に接触する第2の電極と、前記第一のループ回路の入口側の配管であって、前記第1の電極と前記第一のループ回路の入口とを接続する第1の配管と、前記第一のループ回路の出口側の配管であって、前記第2の電極と前記第一のループ回路の出口とを接続する第2の配管と、円環状であって、その中心孔に前記第一のループ回路を構成する配管が通り、交流電源から交流電圧が印加されることで前記第一のループ回路内の前記被測定液体により形成されるループ経路に誘導電流を発生させる励磁用コイルと、円環状であって、その中心孔に前記第一のループ回路を構成する配管が通り、前記ループ経路に流れる誘導電流により起電力が生じる検出用コイルと、前記第1の電極と前記第2の電極が同電位となるように当該2つの電極を電気的に接続するショート線回路と、前記ショート線回路と前記第1の配管と前記第2の配管とにより形成されるバイパス液回路である第二のループ回路と、を備え、前記第1の配管の液抵抗と、前記第2の配管の液抵抗の合計の液抵抗が、所定の計算式により算出された液抵抗値以上となるように、前記第1の配管および前記第2の配管を設けることにより、前記第二のループ回路における前記第1の電極に生じる接触抵抗と前記第2の電極に生じる接触抵抗の影響を低減するように設計されたことを特徴とする。
この発明の電磁誘導式電気伝導率検出器によれば、励磁用コイルと検出用コイルが設置された第一のループ回路(環状管路)の外側に、電極を2箇所設置し、その2つの電極を電気的に接続することにより第二のループ回路が形成される測定系において、所定の計算式より算出された液回路抵抗を有する第二のループ回路(バイパス液回路)を設けることにより、組み込み先の配管や構成の影響を受けず(外部からの電気的な信号の影響を受けず)、被測定液体の濃度や電気抵抗にかかわらず、第二のループ回路(バイパス液回路)の電極に生じる接触抵抗の影響をほとんど受けず、測定精度の高い、安定した測定を実現することができ、単体の電磁誘導式電気伝導率検出器においても複数の電磁誘導式電気伝導率検出器においても正確な電気伝導率を測定することが可能となる。
従来の電磁誘導式電気伝導率計の一例を示す模式説明図である。 この発明の実施の形態1における電磁誘導式電気伝導率検出器の概略構成の一例を示す模式説明図である。 この発明の実施の形態1における電磁誘導式電気伝導率検出器の概略構成の別の例を示す模式説明図である。 従来の液ループ等価回路の一例を示す模式回路図である。 図3に示す電磁誘導式電気伝導率検出器における液ループ回路の一例を示す模式回路図である。 液ループ回路の抵抗と測定値の正確性との関係を検証するためのモデル回路図である。 図6に示すモデル回路において、被測定液体の電気伝導率と、液回路抵抗、バイパス液回路の液抵抗、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗による測定誤差を示す表である。 図6に示すモデル回路において、バイパス液回路の液抵抗RRを求める計算式の詳細、および、演算結果を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における液ループ回路の別の例を示す模式回路図である。 この発明の実施の形態1における液ループ回路のさらに別の例を示す模式回路図である。
この発明は、被測定液体の電気伝導率に応じた信号を出力する電磁誘導式電気伝導率検出器、および、この検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計に関するものである。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
例えば人工透析装置などの医療分野や、食品分野において、配管の中を流れる被測定液体(人工透析装置の場合であれば、透析液)の電気伝導率を測定する場合には、衛生面や安全面の観点から、測定用の電極やコイルが被測定液体に接液しない非接触タイプ(非接液タイプ)の電気伝導率計が望ましい。そのような要望に対処するものとして、被測定液体が流れる配管の外側にコイルを設置する非接触タイプ(非接液タイプ)の電磁誘導式電気伝導率計が知られている。
しかし、人工透析装置等の医療機器として使用する場合には、安全性を高めるために制御用と監視用を分ける必要があるため、複数の電磁誘導式電気伝導率検出器を設置することになるが、このように、1つの被測定液体に対して複数の電磁誘導式電気伝導率検出器を設置して、より正確な測定や、制御用と監視用を分けることを求められる装置などで使用する場合には、それぞれの電磁誘導式電気伝導率検出器から発生する電気信号(誘導電流)を検出してしまうことがあり、お互いの測定値に影響を与えて測定精度が低下してしまうため、正確に電気伝導率を測定することができないという問題があった。
そこで、上記のような問題を解決するために、本願発明の出願人は、電磁誘導式電気伝導率検出器において、例えば図1に示すように、被測定液体Fが流れる配管(管路)21内に被測定液体Fに接触する第1の電極22、第2の電極23と、さらにその2つの電極22,23を間に挟む位置に第3の電極24と第4の電極25とを備え、第一のループ回路を形成する第1の電極22と第2の電極23とを接続する第一の導線26の外側に、第二のループ回路を形成する第3の電極24と第4の電極25とを接続する第二の導線29のようなショート線回路を設置することにより、制御用と監視用それぞれの検出器20から発生する電気信号が干渉せず、安定して精度の高い測定値(被測定液体Fの電気伝導率)を得ることができる非接触タイプ(非接液タイプ)の電磁誘導式電気伝導率検出器20を発明した(特許文献1参照)。
ここで、図1は、従来の電磁誘導式電気伝導率計の一例を示す模式説明図であり、特許文献1の図1同様、電磁誘導式電気伝導率計の概略構成の一例を示すものである。この図において、第二のループ回路を形成する第二の導線(ショート線回路)29は、後述する図4における電極に生じる接触抵抗R9を有するショート線回路29に該当する。
しかしながら、例えば特許文献1等に記載されているような電磁誘導式電気伝導率検出器20では、被測定液体である透析液原液の濃度によって測定値の精度にばらつきがあることが確認され、試行錯誤を繰り返した結果、被測定液体である透析液原液の濃度が低い場合(被測定液体Fの電気抵抗が高い場合)には、精度よく測定することができるが、透析液原液の濃度が高い場合(被測定液体Fの電気抵抗が低い場合)には、測定精度が低下してしまう、という課題があることがわかってきた。
これについて、本願発明の出願人は、様々な条件により実験を繰り返し、後述する図2の測定系において、電極に生じる接触抵抗、液回路抵抗、透析液原液の濃度、測定精度などの因果関係について調査した。そして、図2の測定系において、第二のループ回路を構成する配管21bと配管21dの液抵抗の合計が、所定の計算式により算出された抵抗値より小さいとき、透析液原液の濃度が高い場合(被測定液体Fの電気抵抗が低い場合)には、バイパス液回路である第二のループ回路を形成するショート線回路29における電極24および電極25の液面と接触する金属表面に生じる接触抵抗R5’およびR5の影響を受けてしまうため、測定精度が低下してしまう、という因果関係があることを発見した。
そこで、この発明の実施の形態では、被測定液体Fの電気伝導率を検出する電磁誘導式電気伝導率検出器において、所定の計算式より算出された液回路抵抗を有する第二のループ回路(バイパス液回路)を設けることにより、組み込み先の配管や構成の影響を受けず(外部からの電気的な信号の影響を受けず)、また、被測定液体Fの種類には関係なく、すなわち、被測定液体Fの濃度や電気抵抗にかかわらず、第二のループ回路(バイパス液回路)を形成するショート線回路29の電極に生じる接触抵抗の影響をほとんど受けない、測定精度の高い電磁誘導式電気伝導率検出器、および、この検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計を提供することができるようにするものである。
実施の形態1.
図2は、この発明の実施の形態1における電磁誘導式電気伝導率検出器の概略構成の一例を示す模式説明図である。図2においては、図1に示す従来の電磁誘導式電気伝導率計と対比しやすいように、図1で使用した符号と同様の符号を付して説明する。なお、図1に記載されている変換器は検出器には含まれないため、図示していない。すなわち、図2に示す電磁誘導式電気伝導率検出器20’は、被測定液体の電気伝導率を測定する電磁誘導式電気伝導率計に用いられる電磁誘導式電気伝導率検出器であり、この検出器20’を用いた電磁誘導式電気伝導率計は、電磁誘導式電気伝導率検出器20’と変換器(図示せず)を有するものである。
図2に示すように、この発明の実施の形態1における電磁誘導式電気伝導率検出器20’は、内側に被測定液体Fが流れる管路(配管)21に設けられた環状の第一のループ回路(環状管路)である管路(配管)21cと、第一のループ回路に設置された励磁用コイル27および検出用コイル28と、第一のループ回路の入口側の配管(第1の配管21bの端部)に配置された電極24と、第一のループ回路の出口側の配管(第2の配管21dの端部)に配置された電極25と、それら2つの電極24,25が同電位となるようにその2つの電極24と電極25を電気的に接続するショート線回路29と、そのショート線回路29と第1の配管21bと第2の配管21dとを含むバイパス液回路である第二のループ回路が形成される測定系と、を備えている。ここで、電極24は、被測定液体Fに接触する第1の電極であり、電極25は、被測定液体Fに接触する第2の電極である。
また、図2では、配管21について、21a~21eまでの符号が付されているが、第1の電極24までの部分を配管21a、第1の電極24と第一のループ回路の入口とを接続する部分を第1の配管21b、第一のループ回路を構成する環状部分を配管21c、第一のループ回路の出口と第2の電極25とを接続する部分を第2の配管21d、そして、第2の電極25以降の部分を配管21eとする。なお、配管(管路)21a~21eは、絶縁体からなる管状の絶縁管で構成され、その内側に被測定液体Fが流れる管路である。
また、励磁用コイル27は、図2に示すように円環状であって、その中心孔に第一のループ回路(環状管路)を構成する配管21cが通り、交流電源から交流電圧が印加されることで第一のループ回路21c内の被測定液体Fにより形成されるループ経路に誘導電流を発生させるものである。また、検出用コイル28は、同じく円環状であって、その中心孔に第一のループ回路(環状管路)を構成する配管21cが通り、第一のループ回路21c内の被測定液体Fにより形成されるループ経路に流れる誘導電流により起電力が生じるものである。
そして、図2における第二のループ回路を構成する配管21b(第1の配管)の液抵抗は、図1における抵抗r2aに該当し、後述する図4における抵抗Rb、および、後述する図5における抵抗Rb+R7に該当する。また、図2における第二のループ回路を構成する配管21d(第2の配管)の液抵抗は、図1における抵抗r2bに該当し、後述する図4および図5における抵抗Raに該当する。そして、図2における第一のループ回路を構成する配管21c(第一のループ回路)の液抵抗の合計は、図1における抵抗r1に該当し、後述する図4および図5における抵抗R1+R2に該当する。
なお、第1の配管21bおよび第2の配管21dは、第1の配管21bの液抵抗と第2の配管21dの液抵抗の合計の液抵抗が、所定の計算式により算出された液抵抗値以上となるように、設計された(設けられた)ものである。
図3は、この発明の実施の形態1における電磁誘導式電気伝導率検出器の概略構成の別の例を示す模式説明図である。図3は、図2に示す電磁誘導式電気伝導率検出器20’が2つ(電磁誘導式電気伝導率検出器100,200)設置されている場合の例である。図3においても、電磁誘導式電気伝導率検出器100,200は、被測定液体の電気伝導率を測定する電磁誘導式電気伝導率計に用いられる電磁誘導式電気伝導率検出器であり、この検出器100,200を用いた電磁誘導式電気伝導率計は、電磁誘導式電気伝導率検出器100,200と変換器(図示せず)を有するものである。なお、検出器100と変換器(図示せず)を備えた電磁誘導式電気伝導率計と、検出器200と変換器(図示せず)を備えた電磁誘導式電気伝導率計、というように、1つの検出器を備えた電磁誘導式電気伝導率計が複数存在する、という構成であってもよいし、2つ(複数)の検出器100,200と変換器(図示せず)を備えた電磁誘導式電気伝導率計が1つ存在する、という構成であってもよい。
図3に示すように、この発明の実施の形態1における制御用電磁誘導式電気伝導率検出器100は、内側に被測定液体Fが流れる管路101b(当該検出器100の第1の配管)、101c(当該検出器100の第一のループ回路)、101d(当該検出器100の第2の配管)と、管路(配管)101c(検出器100の第一のループ回路)に設置された励磁用コイル111および検出用コイル112と、管路(配管)101cの入口側の配管(第1の配管)101bに配置された電極24と、管路(配管)101cの出口側の配管(第2の配管)101dに配置された電極25と、2つの電極24,25が同電位となるようにその2つの電極24と電極25を電気的に接続するショート線回路29と、そのショート線回路29と管路(第1の配管)101bと管路(第2の配管)101dとを含む第二のループ回路(バイパス液回路)が形成される測定系を備えている。
すなわち、この電磁誘導式電気伝導率検出器100は、内側に被測定液体Fが流れる管路に設けられた環状の第一のループ回路101cと、第一のループ回路101cに設置された励磁用コイル111および検出用コイル112と、第一のループ回路101cの入口側の配管(第1の配管101bの端部)に配置された電極24と、第一のループ回路101cの出口側の配管(第2の配管101dの端部)に配置された電極25と、第一のループ回路101cの入口側の配管であって、第1の電極24と第一のループ回路101cの入口とを接続する第1の配管101bと、第一のループ回路101cの出口側の配管であって、第2の電極25と第一のループ回路101cの出口とを接続する第2の配管101dと、第1の電極24と第2の電極25が同電位となるようにその2つの電極を電気的に接続するショート線回路29と、そのショート線回路29と第1の配管101bと第2の配管101dとを含むバイパス液回路である第二のループ回路とを備えている。
なお、この検出器100の第1の配管101bおよび第2の配管101dは、第1の配管101bの液抵抗と第2の配管101dの液抵抗の合計の液抵抗が、所定の計算式により算出された液抵抗値以上となるように、設計された(設けられた)ものである。
また、監視用電磁誘導式電気伝導率検出器200は、内側に被測定液体Fが流れる管路201b(当該検出器200の第1の配管)、201c(当該検出器200の第一のループ回路)、201d(当該検出器200の第2の配管)と、管路(配管)201c(検出器200の第一のループ回路)に設置された励磁用コイル211および検出用コイル212と、を備え、管路(配管)201cの入口側の配管(第1の配管)201bは、電極25に接続され、管路(配管)201cの出口側の配管(第2の配管)201dは、電極24に接続されている。
なお、この検出器200の第1の配管201bおよび第2の配管201dは、第1の配管201bの液抵抗と第2の配管201dの液抵抗の合計の液抵抗が、所定の計算式により算出された液抵抗値以上となるように、設計された(設けられた)ものである。
なお、電極24と電極25は、それぞれの電極に生じる接触抵抗R5’およびR5を有する状態で電気的に接続され、各検出器100,200の第二のループ回路を形成するショート線回路29は、各検出器100,200の第二のループ回路の一部として共用されている。
すなわち、この発明の実施の形態1における電磁誘導式電気伝導率検出器100,200は、それぞれ第一のループ回路(配管101c,201c)と、第一のループ回路の入口側の配管(第1の配管)101b,201bと、第一のループ回路の出口側の配管(第2の配管)101d,201dと、第一のループ回路に設置された励磁用コイル111,211および検出用コイル112,212と、配管101bと配管201dの接続部に配置された電極24と、配管101dと配管201bの接続部に配置された電極25とを備え、電極24と電極25は、それぞれの電極に生じる接触抵抗R5’およびR5を有する状態で電気的に接続され、各検出器100,200の第二のループ回路を形成するショート線回路29は、各検出器100,200の第二のループ回路の一部として共用されており、被測定液体Fの電気伝導率に応じた信号を出力する電磁誘導式電気伝導率検出器が、被測定液体Fに対して2台設置されている測定系であることを前提とするものである。また、各検出器100,200の第1の配管101b,201bと、第2の配管101d,201dは、第1の配管101b,201bの液抵抗と第2の配管101d,201dの液抵抗の合計の液抵抗が、所定の計算式により算出された液抵抗値以上となるように、設計された(設けられた)ものである。なお、配管(管路)101b,101c,101d,201b,201c,201dは、絶縁体からなる管状の絶縁管で構成され、その内側に被測定液体Fが流れる管路である。
また、励磁用コイル111,211は、図3に示すように円環状であって、その中心孔に第一のループ回路(環状管路)を構成する配管101c,201cが通り、交流電源から交流電圧が印加されることで第一のループ回路101c,201c内の被測定液体Fにより形成されるループ経路に誘導電流を発生させるものである。また、検出用コイル112,212は、同じく円環状であって、その中心孔に第一のループ回路(環状管路)を構成する配管101c,201cが通り、第一のループ回路101c,201c内の被測定液体Fにより形成されるループ経路に流れる誘導電流により起電力が生じるものである。
図4は、従来の液ループ等価回路の一例を示す模式回路図である。従来は、この図4に示すように、制御用検出器100と監視用検出器200から発生する電気信号が干渉しないように、それぞれの検出器の第一のループ回路の外側に第二のループ回路を形成するショート線回路29(ショート線)を設けたが、第二のループ回路の液抵抗RaとRbの合計およびRcとRdの合計が、それぞれ所定の計算式で得られる液抵抗の値よりも小さかったことにより、第二のループ回路に設けた電極(24と25の組み合わせと、25と24’の組み合わせ)に生じる接触抵抗(それぞれ接触抵抗R9,接触抵抗R10)の影響を受け、電気伝導率が精度よく測定できなかった。
図5は、図3に示す電磁誘導式電気伝導率検出器における液ループ回路の一例を示す模式回路図である。図4に示す従来の模式回路図との違いは、2つのショート線(接触抵抗R9,接触抵抗R10)をなくし、各電磁誘導式電気伝導率検出器100,200の第一のループ回路の外側に、それぞれの電磁誘導式電気伝導率検出器の第二のループ回路の液抵抗がある程度大きくなるように、第1の電極(電極に生じる接触抵抗R5’を有する)24と、第2の電極(電極に生じる接触抵抗R5を有する)25を配置し、第1の電極24と第2の電極25が同電位となるように、その2つの電極を電気的に接続するショート線回路29を共用する形態で設けたことである。
具体的には、図3および図5に示すように、検出器100の励磁用コイル111と検出用コイル112が設置された第一のループ回路(環状管路)101cの入口側の配管101b(検出器100の第1の配管)と、検出器200の励磁用コイル211と検出用コイル212が設置された第一のループ回路(環状管路)201cの出口側の配管201d(検出器200の第2の配管)との接続部に第1の電極(電極に生じる接触抵抗R5’を有する)24を配置し、検出器100の第一のループ回路(環状管路)101cの出口側の配管101d(検出器100の第2の配管)と、検出器200の第一のループ回路(環状管路)201cの入口側の配管201b(検出器200の第1の配管)との接続部に第2の電極(電極に生じる接触抵抗R5を有する)25を配置し、これら2つの電極24,25が同電位となるように、その2つの電極24と電極25を電気的に接続するショート線回路29により、それぞれの検出器に対して第二のループ回路(バイパス液回路)が形成される測定系である。これら第二のループ回路を形成するショート線回路29の電極24および電極25に生じる接触抵抗R5’およびR5の影響を低減するために、所定の計算式により算出された液抵抗値以上となるように設計した、液回路抵抗R7を有するバイパス液回路(A)および液回路抵抗R8を有するバイパス液回路(B)を設けた。この構成により、それぞれの電磁誘導式電気伝導率検出器から発生する電気信号が干渉することなく、かつ、被測定液体の濃度や電気抵抗にかかわらず、バイパス液回路(A)およびバイパス液回路(B)を形成するショート線回路29の電極に生じる接触抵抗R5およびR5’の影響をほとんど受けず、安定した測定を実現することができ、単体の電磁誘導式電気伝導率検出器においても複数の電磁誘導式電気伝導率検出器においても正確な電気伝導率を測定することが可能となる。
この際、図3における検出器100の第二のループ回路となる配管101b(第1の配管)は、図5に示す抵抗Rb+R7に該当し、配管101d(第2の配管)は、図5に示す抵抗Raに該当する。同様に、検出器200の第二のループ回路となる配管201b(第1の配管)は、図5に示す抵抗Rcに該当し、配管201d(第2の配管)は、図5に示す抵抗Rd+R8に該当する。
ここで、従来のように第二のループ回路の液抵抗の値を考慮せずに、ショート線回路の電極が配置されていた場合、被測定液体Fの電気伝導率がショート線回路の電極に生じる接触抵抗の影響をどのように受けるのか、ということについて、図6および図7を用いて説明する。図6は、液ループ回路の抵抗と測定値の正確性との関係を検証するためのモデル回路図であり、図2の検出器20’に対応するものである。また、図7は、図6に示すモデル回路において、被測定液体の電気伝導率と、液回路抵抗、バイパス液回路(第二のループ回路)の液抵抗RR、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxによる測定誤差を示す表である。なお、ここでは、図2の検出器20’の第一のループ回路の配管(環状管路)21cの内径は0.8cm、長さは12cmと仮定して計算している。また、図2のショート線回路29の電極24と電極25に生じる接触抵抗R5’とR5の合計が、図6と図7の接触抵抗Rxに該当する。
図6および図7において、RAは第一のループ回路(環状管路)の液抵抗[オーム]、RRはバイパス液回路(第一のループ回路の外側に設けられた第二のループ回路の液回路)の液抵抗[オーム]、Rxはショート線回路の電極(第二のループ回路に設けられた2つの電極)に生じる接触抵抗[オーム]、RXは測定部の合成抵抗[オーム]である。そして、被測定液体Fの電気伝導率が200[mS/cm]の場合(図7(a)の場合)、50[mS/cm]の場合(図7(b)の場合)、14.2[mS/cm]の場合(図7(c)の場合)の3種類について、バイパス液回路の液抵抗RRと、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxを変化させて、実際に測定された電気伝導率を調べることにより、被測定液体Fの濃度(電気抵抗)と測定誤差との関係を検証してみた。この際、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxとしては、経験上、0[オーム]から4[オーム]の間くらいであると推測して値を決めて変化させる。
この結果、図7(a)に示すように、被測定液体Fの電気伝導率が200[mS/cm]の場合、すなわち、被測定液体Fの濃度が高い場合(電気抵抗が低い場合)、RRが0.1[オーム]だとすると、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxが0のときには誤差0であるが、Rxが0.5、1.0、2.0と大きくなるにしたがって、測定誤差も-2.42、-4.76、-9.24と大きくなってしまうことがわかった。また、RRが130[オーム]だとすると、Rxが0.5、1.0、2.0のときの測定誤差は-0.27、-0.54、-1.08であり、RRが660[オーム]だとすると、Rxが0.5、1.0、2.0のときの測定誤差は-0.02、-0.05、-0.09であった。このことから、被測定液体Fの電気伝導率が200[mS/cm]の場合には、RRを660[オーム]にすれば、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxの影響をほとんど受けず、精度よく測定できることが検証された。
同様に、図7(b)に示すように、被測定液体Fの電気伝導率が50[mS/cm]の場合、RRが0.1[オーム]だとすると、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxが0.5、1.0、2.0のときの測定誤差は-0.15、-0.31、-0.61、RRが180[オーム]だとすると、Rxが0.5、1.0、2.0のときの測定誤差は-0.05、-0.10、-0.20であり、RRが520[オーム]だとすると、Rxが0.5、1.0、2.0のときの測定誤差は-0.02、-0.03、-0.07であった。このことから、被測定液体Fの電気伝導率が50[mS/cm]の場合には、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxの影響をあまり受けないが、RRを520[オーム]にすれば、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxの影響をさらに受けず、精度よく測定できることが検証された。
また、図7(c)に示すように、被測定液体Fの電気伝導率が14.2[mS/cm]の場合、すなわち、被測定液体Fの濃度が低い場合(電気抵抗が高い場合)、RRが0.1[オーム]だとすると、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxが1.0、2.0、4.0のときの測定誤差は-0.012、-0.025、-0.049、RRが1830[オーム]だとすると、Rxが1.0、2.0、4.0のときの測定誤差は-0.003、-0.006、-0.012であり、RRが3660[オーム]だとすると、Rxが1.0、2.0、4.0のときの測定誤差は-0.001、-0.003、-0.006であった。このことから、被測定液体Fの電気伝導率が14.2[mS/cm]の場合には、RRの値が0.1[オーム]程度の小さな値でも、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxの影響をほとんど受けず、精度よく測定できることが検証された。
そこで、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxの影響をほとんど受けないような、バイパス液回路の液抵抗RRを計算式により求めて、配管(管路)の内径から配管の長さを決定して、それに基づいて設計された電磁誘導式電気伝導率検出器にすれば、被測定液体Fの濃度や電気抵抗にかかわらず、第二のループ回路を形成するショート線回路の電極に生じる接触抵抗の影響をほとんど受けず、他の電磁誘導式電気伝導率検出器から発生する電気信号が干渉することなく、測定精度の高い、安定した測定を実現することができ、単体の電磁誘導式電気伝導率検出器においても複数の電磁誘導式電気伝導率検出器においても正確な電気伝導率を測定することが可能となるはずである。すなわち、この場合のRRは、第二のループ回路の液回路抵抗の期待値となる。
図8は、第一のループ回路(環状管路)の液抵抗をRA[オーム]、バイパス液回路の液抵抗をRR[オーム]、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗をRx[オーム]、測定部の合成抵抗をRX[オーム]とした場合の、バイパス液回路の液抵抗RRを求める計算式の詳細、および、演算結果を示す説明図である。図8(a)に示すように、i1の抵抗RA’=2RA、i2の抵抗RB=RR+Rx+RA/2なので、測定部の合成抵抗、すなわち、i1の抵抗とi2の抵抗の合成抵抗をRXとすると、1/RX=1/RA’+1/RBより、RX=(2RA・RR+2RA・Rx+RA)/(2.5RA+RR+Rx)となる。
また、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗(Rx)がゼロのときの電気伝導率をCond1[mS/cm]、Cond1の合成抵抗をRX、接触抵抗がRx(ゼロ以外)のときの電気伝導率をCond2[mS/cm]、Cond2の合成抵抗をRX’、Cond1とCond2の差をd[mS/cm]、Cond1とRXから得られるセル定数をCとすると、図8(b)に示すように、Cond1-Cond2=d=(1/RX)・C・1000―(1/RX’)・C・1000なので、これにC=Cond1・RX/1000を代入すると、下記(1)式が得られる。
RX0/RX’-1+d/Cond1=0 ・・・ (1)
ここで、図8(c)に示すように、-1+d/Cond1をPとすると、上記(1)式はRX0/RX’+P=0となる。また、前述のRXの式より、RXおよびRX’は、
RX0=(2RA・RR+RA)/(2.5RA+RR)・・・(2)
RX’=(2RA・RR+2RA・Rx+RA)/(2.5RA+RR+Rx)
・・・(3)
である。
これらの式(2)、式(3)より、
2RA・(1+P)・RR+(1+P)・(6RA+2RA・Rx)・RR+2.5RA・(1+P)+RA・Rx・(1+5P)=0・・・(4)
という二次方程式が得られる。したがって、RRはこの二次方程式(4)の解の公式より、下記(5)式のとおりとなる。

Figure 2022100164000002
この結果、図8(d)の計算例に示すように、被測定液体Fの電気伝導率が200[mS/cm]の場合には、測定誤差dを0.1[mS/cm]におさえるためには、第一のループ回路(環状管路)の液抵抗RAを65[オーム]とすると、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxが1[オーム]ならば、バイパス液回路の液抵抗(液回路抵抗の期待値)RRは415.07[オーム]、Rxが2[オーム]ならば、RRは625.44[オーム]、Rxが3[オーム]ならば、RRは786.46[オーム]になるように、バイパス液回路の長さを決定して、そのような構成の電磁誘導式電気伝導率検出器とすれば、第二のループ回路を形成するショート線回路の電極に生じる接触抵抗の影響をほとんど受けず、他の電磁誘導式電気伝導率検出器から発生する電気信号が干渉することなく、測定精度の高い、安定した測定を実現することができ、単体の電磁誘導式電気伝導率検出器においても複数の電磁誘導式電気伝導率検出器においても正確な電気伝導率を測定することができる。
また、被測定液体Fの電気伝導率が50[mS/cm]の場合には、測定誤差dを0.1[mS/cm]におさえるためには、第一のループ回路(環状管路)の液抵抗RAを260[オーム]とすると、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxが1[オーム]ならば、バイパス液回路の液抵抗(液回路抵抗の期待値)RRは181.64[オーム]、Rxが2[オーム]ならば、RRは375.21[オーム]、Rxが3[オーム]ならば、RRは528.73[オーム]になるように、バイパス液回路の長さを決定して、そのような構成の電磁誘導式電気伝導率検出器とすれば、第二のループ回路を形成するショート線回路の電極に生じる接触抵抗の影響をほとんど受けず、他の電磁誘導式電気伝導率検出器から発生する電気信号が干渉することなく、測定精度の高い、安定した測定を実現することができ、単体の電磁誘導式電気伝導率検出器においても複数の電磁誘導式電気伝導率検出器においても正確な電気伝導率を測定することができる。
また、被測定液体Fの電気伝導率が14.2057[mS/cm]の場合には、電極に生じる接触抵抗の影響をほとんど受けないが、測定誤差dを0.01[mS/cm]におさえるためには、第一のループ回路(環状管路)の液抵抗RAを915.126[オーム]とすると、ショート線回路の電極に生じる接触抵抗Rxが1[オーム]ならば、バイパス液回路の液抵抗(液回路抵抗の期待値)RRは480.60[オーム]、Rxが2[オーム]ならば、RRは1083.06[オーム]、Rxが3[オーム]ならば、RRは1564.30[オーム]になるように、バイパス液回路の長さを決定して、そのような構成の電磁誘導式電気伝導率検出器とすれば、第二のループ回路を形成するショート線回路の電極に生じる接触抵抗の影響をさらに受けず、他の電磁誘導式電気伝導率検出器から発生する電気信号が干渉することなく、測定精度の高い、安定した測定を実現することができ、単体の電磁誘導式電気伝導率検出器においても複数の電磁誘導式電気伝導率検出器においても正確な電気伝導率を測定することができる。
そして、この図8において説明した計算式を今回の電磁誘導式電気伝導率検出器に適用することにより、図5における液ループ回路におけるバイパス液回路の抵抗R7,R8をいくつにすれば、測定精度の高い電気伝導率を得ることができるかを求めることができるので、その求められた抵抗R7,R8以上の抵抗になるように、バイパス液回路の配管の径から、バイパス液回路の配管長を決定して、電磁誘導式電気伝導率計を設計することにより、他の電磁誘導式電気伝導率検出器から発生する電気信号が干渉することなく、測定精度の高い、安定した測定を実現することができる電磁誘導式電気伝導率検出器、および、この検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計を提供することができる。
すなわち、図5のように、第二のループ回路の電極24および電極25に生じる接触抵抗R5’およびR5の影響を低減するように設計した、液回路抵抗R7を有するバイパス液回路(A)および液回路抵抗R8を有するバイパス液回路(B)を設け、上記の計算式によりバイパス液回路(A)の液回路抵抗がR7以上になるように、バイパス液回路(B)の液回路抵抗がR8以上になるように、バイパス液回路の配管の径からバイパス液回路の配管長を決定することにより、それぞれの電磁誘導式電気伝導率検出器から発生する電気信号が干渉することなく、かつ、被測定液体の濃度や電気抵抗にかかわらず、バイパス液回路(A)およびバイパス液回路(B)のショート線回路29の電極に生じる接触抵抗R5およびR5’の影響をほとんど受けない、測定精度の高い電磁誘導式電気伝導率検出器、および、この検出器を用いた電磁誘導式電気伝導率計を提供することができる。
このようにして、図3に示す電磁誘導式電気伝導率検出器100においては、バイパス液回路(管路101b,101d)の長さを求め、電磁誘導式電気伝導率検出器200においては、バイパス液回路(管路201b,201d)の長さを求め、そのような構成の電磁誘導式電気伝導率検出器とすることにより、被測定液体に対して複数の電磁誘導式電気伝導率検出器が設置される場合であっても、前記(5)式により得られた液回路抵抗RR(液回路抵抗の期待値RR)以上となるバイパス液回路を設けることにより、それぞれの電磁誘導式電気伝導率検出器から発生する電気信号が干渉することなく、かつ、被測定液体の濃度や電気抵抗にかかわらず、バイパス液回路のショート線回路29の電極に生じる接触抵抗の影響をほとんど受けず、測定精度の高い、安定した測定を実現することができ、単体の電磁誘導式電気伝導率検出器においても複数の電磁誘導式電気伝導率検出器においても正確な電気伝導率を測定することが可能となる。
なお、この発明の実施の形態1(図3)では、内部に被測定液体Fが流れている1つの配管に2つの電磁誘導式電気伝導率検出器を設置する場合であって、第一のループ回路の外側にバイパス液回路としての第二のループ回路を設け、第1の電極24と第2の電極25を電気的に接続したショート線回路29を、それぞれの検出器で共用した場合を例に説明したが、例えば、図9に示すように、それぞれの検出器が、各検出器の第一のループ回路の外側にバイパス液回路としての第二のループ回路を形成する液アース回路を設けるようにしてもよい。図9は、この発明の実施の形態1における液ループ回路の別の例を示す模式回路図である。
この図9に示す場合には、センサー回路1の抵抗R7aとR7bの合計の抵抗、および、センサー回路2の抵抗R7aとR7bの合計の抵抗をいくつにすれば、測定精度の高い電気伝導率を得ることができるかを求めることができるので、抵抗R7aと抵抗R7bの合計が、所定の計算式で算出された抵抗になるように、バイパス液回路の配管の径から、バイパス液回路の配管長を決定することができる。なお、センサー回路1の抵抗R7aとセンサー回路2の抵抗R7aは必ずしも同じ値でなくてもよい。R7bについても同様である。
以上のように、この発明の実施の形態1の電磁誘導式電気伝導率検出器によれば、励磁用コイルと検出用コイルが設置された第一のループ回路(環状管路)の外側に、電極を2箇所設置し、その2つの電極を電気的に接続することにより第二のループ回路が形成される測定系において、所定の計算式より算出された液回路抵抗を有する第二のループ回路(第1の配管と第2の配管とを含むバイパス液回路)を設けることにより、組み込み先の配管や構成の影響を受けず(外部からの電気的な信号の影響を受けず)、被測定液体の濃度や電気抵抗にかかわらず、第二のループ回路(バイパス液回路)を形成するショート線回路の電極に生じる接触抵抗の影響をほとんど受けず、測定精度の高い、安定した測定を実現することができ、単体の電磁誘導式電気伝導率検出器においても複数の電磁誘導式電気伝導率検出器においても正確な電気伝導率を測定することが可能となる。
また、その結果、例えば、図2に示す電磁誘導式電気伝導率検出器20’と変換器(図示せず)とから成る電磁誘導式電気伝導率計のように、1つの電磁誘導式電気伝導率検出器を備えた電磁誘導式電気伝導率計であっても、図3~図5等に示す電磁誘導式電気伝導率検出器100と電磁誘導式電気伝導率検出器200と変換器(図示せず)とから成る電磁誘導式電気伝導率計のように、複数の電磁誘導式電気伝導率検出器を備えた電磁誘導式電気伝導率計の場合であっても、同様に、組み込み先の配管や構成の影響を受けず(外部からの電気的な信号の影響を受けず)、被測定液体の濃度や電気抵抗にかかわらず、第二のループ回路(バイパス液回路)を形成するショート線回路の電極に生じる接触抵抗の影響をほとんど受けず、測定精度の高い、安定した測定を実現することができ、正確な電気伝導率を測定することが可能となる。
なお、実施の形態1では、図2に示すように電磁誘導式電気伝導率検出器が1つの場合、図3~図5、図9等に示すように電磁誘導式電気伝導率検出器が2つの場合(センサー回路が2つ設置される場合)について説明したが、3つの電磁誘導式電気伝導率検出器(センサー回路)が設置される場合であっても、実施の形態1と同様にバイパス液回路の抵抗を計算することにより、第二のループ回路(バイパス液回路)を形成する液アース回路の電極に生じる接触抵抗(R5)の影響をほとんど受けず、他の電磁誘導式電気伝導率検出器から発生する電気信号が干渉することなく、測定精度の高い、安定した測定を実現することができることが検証できたので、この場合についても簡単に説明する。
図10は、この発明の実施の形態1における液ループ回路のさらに別の例を示す模式回路図である。この図10(a)は、図9のセンサー回路1を直列に3つ接続した場合の一例である。この場合にも、3つのセンサー回路のR7aおよびR7bは必ずしも同じ値でなくてもよい。また、図10(b)は、図9のセンサー回路1を並列に3つ接続した場合の例である。この場合も、3つのセンサー回路のR7aおよびR7bは必ずしも同じ値でなくてもよい。
ここでは、図10(a)や図10(b)に示す液ループ回路のような構成であった場合の、実際の計算値およびその説明については省略するが、図10に示す液ループ回路のような構成であっても、前述の説明と同様に、バイパス液回路を形成する液アース回路の電極に生じる接触抵抗(R5)の影響をほとんど受けず、測定精度の高い電気伝導率を得るための、センサー回路の抵抗R7aおよびR7bの合計の抵抗を所定の計算式により求めて、バイパス液回路の長さを決定することができることが検証できた。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
10 電磁誘導式電気伝導率計(検出器20と変換器を含む)
20 電磁誘導式電気伝導率計10の検出器(変換器は含まない)
20’ 電磁誘導式電気伝導率検出器
21 検出器20,20’の配管(管路)
21a,21e 検出器20’ の配管(管路)
21b 検出器20’の第1の配管(管路)
21c 検出器20’の第一のループ回路(環状管路)
21d 検出器20’の第2の配管(管路)
22 第1の電極(第一のループ回路の第1の電極)
23 第2の電極(第一のループ回路の第2の電極)
24,24’ 第3の電極(第二のループ回路の第1の電極)
25 第4の電極(第二のループ回路の第2の電極)
26 検出器20の第一のループ回路を形成するショート線回路(第一の導線)
27,111,211 励磁用コイル
28,112,212 検出用コイル
29 検出器20,20’,100,200の第二のループ回路を形成するショート線回路(第二の導線)
100 電磁誘導式電気伝導率検出器(制御用検出器)
200 電磁誘導式電気伝導率検出器(監視用検出器)
101b 検出器100の第1の配管(管路)
101c 検出器100の第一のループ回路(環状管路)
101d 検出器100の第2の配管(管路)
201b 検出器200の第1の配管(管路)
201c 検出器200の第一のループ回路(環状管路)
201d 検出器200の第2の配管(管路)

Claims (3)

  1. 被測定液体の電気伝導率を測定する電磁誘導式電気伝導率計に用いられる電磁誘導式電気伝導率検出器において、
    絶縁体からなる管状の絶縁管で構成され、その内側に前記被測定液体が流れる管路であって、前記管路に設けられた環状の第一のループ回路と、
    前記第一のループ回路の入口側の配管に配置された前記被測定液体に接触する第1の電極と、
    前記第一のループ回路の出口側の配管に配置された前記被測定液体に接触する第2の電極と、
    前記第一のループ回路の入口側の配管であって、前記第1の電極と前記第一のループ回路の入口とを接続する第1の配管と、
    前記第一のループ回路の出口側の配管であって、前記第2の電極と前記第一のループ回路の出口とを接続する第2の配管と、
    円環状であって、その中心孔に前記第一のループ回路を構成する配管が通り、交流電源から交流電圧が印加されることで前記第一のループ回路内の前記被測定液体により形成されるループ経路に誘導電流を発生させる励磁用コイルと、
    円環状であって、その中心孔に前記第一のループ回路を構成する配管が通り、前記ループ経路に流れる誘導電流により起電力が生じる検出用コイルと、
    前記第1の電極と前記第2の電極が同電位となるように当該2つの電極を電気的に接続するショート線回路と、前記ショート線回路と前記第1の配管と前記第2の配管とにより形成されるバイパス液回路である第二のループ回路と、
    を備え、
    前記第1の配管の液抵抗と、前記第2の配管の液抵抗の合計の液抵抗が、所定の計算式により算出された液抵抗値以上となるように、前記第1の配管および前記第2の配管を設けることにより、前記第二のループ回路における前記第1の電極に生じる接触抵抗と前記第2の電極に生じる接触抵抗の影響を低減するように設計された
    ことを特徴とする電磁誘導式電気伝導率検出器。
  2. 前記所定の計算式は、前記第二のループ回路の前記電極それぞれに生じると推定される接触抵抗の合計をRx[オーム]、前記接触抵抗の合計Rxにおける電気伝導率の要求測定誤差をd[mS/cm]、前記接触抵抗の合計Rxがゼロのときの電気伝導率をCond1[mS/cm]、前記第一のループ回路のCond1における液回路抵抗をRA[オーム]、電気伝導率がCond1における前記第1の配管と前記第2の配管の液回路抵抗の合計、すなわち、前記第二のループ回路の液回路抵抗の期待値をRR[オーム]とすると、前記第二のループ回路の液回路抵抗の期待値RRは下記[数1]に記載の計算式によって示され、
    当該計算式によって、前記第二のループ回路の液回路抵抗の期待値RRを求め、前記第二のループ回路の液回路抵抗が前記求められた期待値RR以上の液回路抵抗になるように、前記第二のループ回路の配管長、すなわち、前記第1の配管と前記第2の配管の長さを決定して設計されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電磁誘導式電気伝導率検出器。
    Figure 2022100164000003
  3. 請求項1または請求項2記載の電磁誘導式電気伝導率検出器を有することを特徴とする電磁誘導式電気伝導率計。
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