JP2022094924A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の液体吐出口から同時に液体を吐出する場合であっても、液体を正確に吐出することが可能な液体吐出装置を提供する。【解決手段】液体を吐出する複数の液体吐出口と、前記液体吐出口に対応して設けた複数の弁体と、前記弁体を駆動して前記液体吐出口を開閉する複数の駆動体とを備える液体吐出体と、前記液体吐出体に対して前記液体を加圧供給する液体供給手段と、前記複数の弁体のうち同時に駆動する弁体の数に応じて前記駆動体の印加電圧を制御する制御手段とを備える。【選択図】図8

Description

本発明は、液体吐出装置に関するものである。
特許文献1は、ノズル22に連通するキャビティ23に吐出液体を加圧供給すると共に、ピン24でノズル22を閉塞可能とし、このピン24をアクチュエータ25でノズル22に対して離接可能とし、このアクチュエータ25を制御装置12で制御する構成とすることで、ピン24がノズル22から離間している間だけ、加圧供給されている吐出液体がノズル22から液滴として吐出される液滴吐出ヘッドを開示している。
本発明の目的は、複数の液体吐出口から同時に液体を吐出する場合であっても、液体を正確に吐出することが可能な液体吐出装置を提供することにある。
本発明は、液体を吐出する複数の液体吐出口と、前記液体吐出口に対応して設けた複数の弁体と、前記弁体を駆動して前記液体吐出口を開閉する複数の駆動体とを備える液体吐出体と、前記液体吐出体に対して前記液体を加圧供給する液体供給手段と、前記複数の弁体のうち同時に駆動する弁体の数に応じて前記駆動体の印加電圧を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数の液体吐出口から同時に液体を吐出する場合であっても、液体を正確に吐出することが可能な液体吐出装置を提供することができる。
本発明の液体吐出装置の一例を示す全体斜視図。 液体吐出装置のキャリッジの全体斜視図。 液体吐出ヘッド単体の全体斜視図。 液体吐出ヘッド単体の全体断面図。 液体吐出モジュール単体の説明図。 液体供給手段の一例を示す概略構成図。 液体吐出動作の説明図。 圧電素子の印加電圧制御の説明図。 液体吐出装置の制御系ブロック図。 駆動波形生成部の他の実施例を示す構成図。 駆動波形テーブルの説明図。 同時駆動の低減を可能にする液体吐出ヘッド設置例の説明図。 ノズル開閉動作の説明図。 変形例1に係る液体吐出ヘッドによる液体吐出動作の説明図。 変形例2に係る液体吐出ヘッドの説明図。
本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の液体吐出装置の一例を示す全体斜視図である。
液体吐出装置1000は、対象物の一例である被描画物100に対向して設置している。液体吐出装置1000は、X軸レール101と、このX軸レール101と交差するY軸レール102と、X軸レール101およびY軸レール102と交差するZ軸レール103を備える。
Y軸レール102は、X軸レール101がY方向に移動可能なように、X軸レール101を保持する。また、X軸レール101は、Z軸レール103がX方向に移動可能なように、Z軸レール103を保持する。そして、Z軸レール103は、キャリッジ1がZ方向に移動可能なように、キャリッジ1を保持する。ここで、キャリッジ1は、液体吐出ユニットの一例である。
液体吐出装置1000は、キャリッジ1をZ軸レール103に沿ってZ方向に動かす第1のZ方向駆動部92と、Z軸レール103をX軸レール101に沿ってX方向に動かすX方向駆動部72を備える。また、液体吐出装置1000は、X軸レール101をY軸レール102に沿ってY方向に動かすY方向駆動部82を備える。さらに、液体吐出装置1000は、キャリッジ1に対してヘッド保持体70をZ方向に動かす第2のZ方向駆動部93を備える。ここで、ヘッド保持体70は、保持体の一例である。
上記構成の液体吐出装置1000は、キャリッジ1をX軸、Y軸およびZ軸の方向に動かしながら、ヘッド保持体70に設けたヘッドから液体の一例であるインクを吐出し、被描画物100に描画を行う。ここで、キャリッジ1およびヘッド保持体70のZ方向への移動は、Z方向と平行である必要はなく、少なくともZ方向の成分を含んでいれば斜めの移動であってもよい。
なお、図1において被描画物100の表面形状は平面として示しているが、被描画物100の表面形状は、車やトラックの車体、航空機の機体などのように鉛直に近い面、もしくは曲率半径の大きい面でもよい。
次に、キャリッジ1の構成を説明する。
図2は、液体吐出装置のキャリッジの全体斜視図である。
キャリッジ1は、ヘッド保持体70を備えている。また、キャリッジ1は、図1に示した第1のZ方向駆動部92からの動力によりZ軸レール103に沿ってZ方向へ移動可能である。ヘッド保持体70は、図1に示した第2のZ方向駆動部93からの動力によりキャリッジ1に対してZ方向へ移動可能である。
また、ヘッド保持体70は、液体吐出ヘッド300を取り付けるためのヘッド固定板70aを備えている。ここで、液体吐出ヘッド300は液体吐出体の一例である。
本実施形態では、ヘッド固定板70aに6個の液体吐出ヘッド300a~300fを積層状に並べて設けた構成を例示している。なお、以下の説明において、これらの液体吐出ヘッドを総称する場合は、液体吐出ヘッド300と記す。
液体吐出ヘッド300a~300fは、それぞれ複数のノズル302を備えている。なお、液体吐出ヘッド300a~300fで用いるインクの色は、ヘッド毎に異なる色としてもよいし、すべて同じ色としてもよい。また、液体吐出ヘッド300を構成するヘッドの数は、6個に限るものではない。6個より多くてもよく、また、6個より少なくてもよい。
液体吐出ヘッド300は、図示のように各ヘッドのノズル列が水平面(X-Z面)と交差し、かつ複数のノズル302の配列方向をX軸に対して傾けた状態でヘッド固定板70aに固定する。この状態でノズル302は、重力方向と交差する方向(Z方向)にインクを吐出する。ここで、ノズル302は液体吐出口の一例である。
図3は、液体吐出ヘッド単体の全体斜視図である。
図2に示した液体吐出ヘッド300a~300fは、それぞれが図3に示すようにハウジング310を備える。ハウジング310は金属または樹脂からなる。また、ハウジング310は、その上部に電気信号の通信のためのコネクタ350を備える。また、ハウジング310の左右には、インクをヘッド内に供給するための供給ポート311と、インクをヘッドから排出するための回収ポート313を設けている。
図4は、液体吐出ヘッド単体の全体断面図(図3のA-A線矢視断面図)である。
ハウジング310は、インクを吐出するノズル302を備えたノズル板301を保持している。また、ハウジング310は、供給ポート311側からのインクをノズル板301上を経て回収ポート313側へ送る流路312を備えている。
供給ポート311と回収ポート313との間には、流路312内のインクをノズル302から吐出するための液体吐出モジュール330を配置している。液体吐出モジュール330の数はノズル302の数に対応しており、本例では1列に並べた8個のノズル302に対応する8個の液体吐出モジュール330を備えた構成を示している。なお、ノズル302および液体吐出モジュール330の数および配列は上記に限るものではない。例えば、ノズル302および液体吐出モジュール330の数は、複数ではなく1個であってもよい。また、ノズル302および液体吐出モジュール330の配列は、1列ではなく複数列で配置してもよい。
上記の構成により、供給ポート311は加圧した状態のインクを外部から取り込み、インクを矢印a1方向へ送り、インクを流路312に供給する。流路312は、供給ポート311からのインクを矢印a2方向へ送る。そして、回収ポート313は、流路312に沿って配置したノズル302から吐出しなかったインクを矢印a3方向へ排出する。
液体吐出モジュール330は、ノズル302を開閉するニードル弁331と、ニードル弁331を駆動する圧電素子332を備える。
ハウジング310は、圧電素子332の上端部と対向する位置に規制部材314を備えている。この規制部材314は、圧電素子332の上端部に当接しており、圧電素子332の固定点をなしている。ここで、ニードル弁331は弁体の一例であり、圧電素子332は駆動体の一例である。
上記の構成において、圧電素子332を作動してニードル弁331を上方向へ動かした場合は、ニードル弁331によって閉じていたノズル302が開いた状態になり、ノズル302からインクを吐出する。また、圧電素子332を作動してニードル弁331を下方向へ動かした場合は、ニードル弁331の先端部がノズル302に当接してノズル302が閉じた状態になり、ノズル302からインクは吐出しなくなる。なお、被描画物100(図1参照)に対してインクを吐出している期間は、ノズル302からのインクの吐出効率が低下しないようにするため、回収ポート313からのインクの排出を一時的に行わないようにしてもよい。
図5は、液体吐出ヘッドを構成する液体吐出モジュール単体の説明図である。図5(a)は液体吐出モジュールの全体断面図、図5(b)は図5(a)のB部の拡大図である。
液体吐出モジュール330は、ノズル302を開閉するニードル弁331と、ニードル弁331を駆動する圧電素子332とを備えている。ノズル板301はハウジング310に接合している。また、流路312はハウジング310に設けた複数の液体吐出モジュール330に共通の流路である。
ニードル弁331の先端には弾性部材331aを備えており、ニードル弁331の先端をノズル板301に押し付けた際にノズル302を確実に閉塞するようにしている。また、ニードル弁331とハウジング310との間には、軸受部321を設け、軸受部321とニードル弁331との間にはOリングなどのシール部材315を設けている。
ハウジング310の空間322内には圧電素子332を収容している。保持部材333の中央空間333aが圧電素子332を保持しており、圧電素子332とニードル弁331とは同軸上に保持部材333の先端部333bを介して連結している。すなわち、保持部材333は、圧電素子332を収容する中央空間333aを有し、先端部333b側はニードル弁331と連結し、後端部333c側はハウジング310に取り付けた規制部材314により固定してある。
ここで、圧電素子332は、電圧印加手段200によって電圧を印加したときに、ノズル302が開く方向にニードル弁331を駆動する。したがって、圧電素子332に電圧を印加していないときは、ニードル弁331がノズル302を閉塞しているので、流路312にインクが加圧供給されていても、ノズル302からインクが吐出することはない。そして、圧電素子332に電圧を印加することで、圧電素子332が収縮し、保持部材333を介してニードル弁331を引っ張るので、ニードル弁331がノズル302から離間してノズル302を開放する。これにより、流路312に加圧供給したインクをノズル302から吐出する。
図6は、液体供給手段の一例を示す概略構成図である。
液体吐出装置1000は、各液体吐出ヘッド300a~300dから吐出するインク30a~30dを収容した密閉容器としてのタンク105a~105dを備えている。なお、以下の説明において、これら各インクを総称する場合はインク30と記す。また、各タンクを総称する場合は、タンク105と記す。
タンク105と液体吐出ヘッド300の注入口(図3、図4に示した供給ポート311)とは、それぞれチューブ311aを介して接続している。一方、タンク105は、エアーレギュレータ106を含むパイプ107を介してコンプレッサ108に接続しており、コンプレッサ108は加圧空気を供給する。これにより、液体吐出ヘッド300内のインク30は加圧状態にあるため、前述のニードル弁を開けばノズル302からインク30が吐出する。ここで、コンプレッサ108、エアーレギュレータ106を含むパイプ107、タンク105、およびチューブ311aは、液体吐出ヘッド300に対してインク30を加圧供給する液体供給手段の一例である。
図7は、液体の吐出動作の説明図である。図7(a)は吐出時の概略構成およびそのときの圧電素子への印加電圧を示した説明図、図7(b)は非吐出時の概略構成およびそのときの圧電素子への印加電圧を示した説明図である。
図7(a)に示すように、圧電素子332は、所定電圧Vhの印加(すなわち相対的に大きな電圧の印加)により長手方向に収縮し、ニードル弁331を図において右側に動かす。これによりノズル302が開き、ノズル302からインク30が吐出する。
また、図7(b)に示すように、圧電素子332への印加電圧を0Vにすると(すなわち相対的に小さな電圧を印加すると)、圧電素子332は伸張してもとの位置に戻り、ニードル弁331を図において左側に動かす。これによりノズル302が閉じ、ノズル302からのインク30の吐出を抑止する。なお本実施例ではノズル302を閉じるときは電圧を0Vとしているが、所定電圧Vhよりも小さな電圧であれば0V以外としてもよい。
図8は、圧電素子の印加電圧制御の説明図である。
図4などで説明したように本発明の液体吐出装置における液体吐出ヘッド300は、供給ポート311と回収ポート313とをつなぐ流路312内を流れるインク30を、複数の液体吐出モジュール330で用いる構成としている。そのため、例えば1列に並べた8個のノズル302のうち、1個のノズルからインクを吐出する場合と、8個すべてのノズルからインクを吐出する場合とでは、インクが流れ出るノズルの総面積が変化することによって各ノズルにかかる圧力が変化する。
すなわち、複数のニードル弁331のうち同時に駆動するニードル弁331の数によって各ノズルにかかる圧力が変化するため、インク30の吐出量、吐出速度等の吐出特性にばらつきが生じてしまう。これは、供給ポート311から流路312に供給されるインクの流量および流速は、同時に駆動するニードル弁331の数によらずおよそ一定であるのに対し、ノズル302の1つあたりから吐出されるインクの流量および吐出流速は、同時に駆動するニードル弁331の数すなわち同時に開かれるノズル302の断面積の合計が多いほど減少するためである。特に、個別液室同士が流路で接続されている構造(直列でつながっている構造)では、この課題が顕著である。すなわち、流体的に直列でつながっている複数のノズル302のうち、流路312においてインクの流れる方向における下流側に位置するノズル302から吐出されるインクの流量および吐出流速が顕著に減少する。
そこで、本発明においては、図8に示すように、複数のニードル弁331のうち同時に駆動するニードル弁331の数の増加に応じて、圧電素子332の印加電圧が増大するように制御する。同時に駆動するニードル弁331の数が多いほど、基準の駆動電圧Vhに加算する補正量(すなわち増大量)ΔVhを大きくする。そして、圧電素子332の印加電圧VHは同時に駆動するニードル弁331の数が多いほど大きくなるように制御される。これにより、圧電素子332がより変位し、ニードル弁331の移動量が増加する。ニードル弁331の移動量が増加し、その変位が増えることでニードル弁331は流路312内でノズル302からより遠いところまで退避する。すると、供給ポート311からノズル302にインク30が流れる迄の間で、ニードル弁331がノズル302の近傍で流れを妨げることに起因する圧力損失が減少する。これにより、ノズル302の1つあたりから吐出されるインク30の流量および吐出流速が減少することを防止できる。その結果、ノズル302とニードル弁331との間の流体抵抗が減り、インク30の吐出特性が改善する。
図9は、液体吐出装置の制御構成の一例を示したブロック図である。
液体吐出装置1000は、コントローラ901、ヘッド駆動制御部902等を備えている。また、コントローラ901にはコンピュータ903を接続している。コンピュータ903は、RIP(Routing Information Protocol)部9031、レンダリング部9032等を備える。RIP部9031は、カラープロファイルやユーザの設定に応じて画像処理を行う機能を有する。レンダリング部9032は、被描画物100(図1参照)に描画する画像データを、スキャン毎(例えばキャリッジ1が1回のX方向への移動で描画する単位毎)の画像データに分解する機能を有する。また、コンピュータ903には、入力装置9033を接続している。入力装置9033はキーボード、マウス、タッチパネル等からなり、被描画物100に描画する画像データ、座標データの設定、描画モードの選択等、ユーザからの入力を受け付ける。
コントローラ901は、システム制御部9011、画像データ格納部9012、メモリ制御部9013、吐出周期信号生成部9014およびキャリッジ制御部9015等を備える。システム制御部9011は、コンピュータ903から画像データや指令を受信し、液体吐出装置1000の全体動作を制御する。画像データ格納部9012は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のメモリを備え、コンピュータ903から受信した画像データ等を格納する。メモリ制御部9013は、システム制御部9011からの指令に基づき、画像データ格納部9012への画像データ等の書き込み、画像データ格納部9012からの画像データ等の読み出しを行う。
吐出周期信号生成部9014は、エンコーダセンサ109の出力信号と、コンピュータ903から受信した画像データの解像度を示す情報とに基づき、インクの吐出周期信号を生成する。
ここで、エンコーダセンサ109は、例えば液体吐出装置1000のX軸レール101に沿って設置したリニアエンコーダのスリットを光学的に検出して前述の出力信号を発生する。なお、エンコーダセンサ109は、キャリッジ1のX方向の位置を検知できる構成であればよく、リニアエンコーダ方式に限るものではない。リニアエンコーダ方式以外に、例えばX方向駆動部72の駆動モータの回転をカウントする方式に置き換えてもよい。
キャリッジ制御部9015は、エンコーダセンサ109の出力信号に基づきキャリッジ1の位置情報を算出して、X方向駆動部72の速度を制御する。なお、本例においては、システム制御部9011にてキャリッジ1の移動速度の変化量を算出している。そしてシステム制御部9011は、この変化量に基づきキャリッジ1の速度制御を行う。
以上のようにコントローラ901は、システム制御部9011、画像データ格納部9012、メモリ制御部9013、吐出周期信号生成部9014およびキャリッジ制御部9015等を備えている。コントローラ901は、演算処理装置および記憶装置を有し、記憶装置内に事前に記録されているプログラムを演算処理装置が実行することで、これら各機能部を実現する。
次にヘッド駆動制御部902を説明する。液体吐出ヘッド300の駆動を制御するヘッド駆動制御部902は、駆動波形データ格納部9021、駆動波形生成部9022、D/Aコンバータ9023、電圧増幅部9024および電流増幅部9025等を備える。駆動波形データ格納部9021は、液体吐出ヘッド300を駆動するための駆動波形を格納する。
駆動波形生成部9022は、駆動波形データ格納部9021から読み出した駆動波形データを、吐出周期信号生成部9014からの吐出周期信号を契機としてD/Aコンバータ9023に出力する。D/Aコンバータ9023は、駆動波形生成部9022から受信した駆動波形データをアナログデータに変換し、そのアナログデータを電圧増幅部9024に出力する。電圧増幅部9024は、D/Aコンバータ9023から受信したアナログデータの電圧を増幅する。また、電流増幅部9025は、電圧増幅部9024から受信したアナログデータの電流を増幅する。
以上のようにヘッド駆動制御部902は、駆動波形データ格納部9021、駆動波形生成部9022、D/Aコンバータ9023、電圧増幅部9024および電流増幅部9025等を備えている。ヘッド駆動制御部902で生成した駆動波形によって、液体吐出ヘッド300のノズル毎の駆動制御を実現する。
なお、図9に示した制御構成は一例であり、これに限るものではない。例えば、RIP部9031とレンダリング部9032は、コンピュータ903に設けるのではなく、コントローラ901のシステム制御部9011に設ける構成としてもよい。
上述のように、本実施形態は、インク30を吐出する複数のノズル302と、ノズル302に対応して設けた複数のニードル弁331と、ニードル弁331を駆動してノズル302を開閉する複数の圧電素子332とを備える液体吐出ヘッド300と、液体吐出ヘッド300に対してインク30を加圧供給する液体供給手段(コンプレッサ108、エアーレギュレータ106を含むパイプ107、タンク105およびチューブ311a)と、複数のニードル弁331のうち同時に駆動するニードル弁331の数に応じて圧電素子332の印加電圧Vhを制御する制御手段(コントローラ901、ヘッド駆動制御部902およびコンピュータ903)とを備える。
これにより、複数の液体吐出口から同時に液体を吐出する場合であっても、液体を正確に吐出することが可能な液体吐出装置を提供することができる。
図10は、駆動波形生成部の他の実施例を示す構成図である。
図9のヘッド駆動制御部902において、駆動波形生成部9022を図10の駆動波形生成部9026のように構成してもよい。駆動波形生成部9026は、画像データ出力部9026a、画素カウント部9026b、駆動波形補正値算出部9026c、駆動波形テーブル9026dおよび駆動波形補正部9026e等を備える。
画像データ出力部9026aは、コントローラ901から受信した画像データを基に、次の周期でインク吐出を行う画像データを特定する。そして、画像データ出力部9026aは、特定した画像データを画素カウント部9026bに出力する。画像データ出力部9026aは、所定の周期、例えば1スキャン毎に画像データを出力する。
画素カウント部9026bは、画像データ出力部9026aから受信した画像データに基づき、液体吐出ヘッド300において同時に駆動するノズルの数をカウントする。画素カウント部9026bは、同時に駆動するノズルの数をカウントした後に、当該ノズルの数を駆動波形補正値算出部9026cに出力する。
駆動波形テーブル9026dには、駆動ノズル数と駆動電圧補正量との関係を示すテーブルが予め格納してある(詳細は後述する)。駆動波形補正値算出部9026cは、画素カウント部9026bから受信した駆動ノズル数を示す情報と、駆動波形テーブル9026dのテーブル情報とに基づいて駆動波形補正値を取得する。駆動波形補正値算出部9026cは、ヘッド駆動電圧変化量(図8のΔVh)を算出し、取得した駆動波形補正値に対してさらに補正を行う。
駆動波形補正部9026eは、駆動波形補正値算出部9026cから受信した補正値と、駆動波形テーブル9026dに格納した駆動波形とに基づいて補正処理を行う。駆動波形補正部9026eによって補正処理した駆動波形を液体吐出ヘッド300に出力することで、液体吐出ヘッド300のノズル毎の駆動制御を実現する。
図11は、駆動波形テーブル9026dの一例を示す説明図である。
ここでは、エアー圧力の設定値、同時に駆動するノズル数、および駆動電圧の補正量を対応づけたテーブルを例示している。エアー圧力設定値は、図示のように複数用意しておき、例えばカラーインク(C、M、Y、K等)は0.45に設定し、白インクは0.3に設定するなど、インク特性に応じてエアー圧力を使い分けてもよい。同時に駆動するノズル数が1のときの駆動電圧補正量A1およびA2はゼロボルトである。駆動電圧補正量は、A1からH1、A2からH2へ移るにしたがい大きい値となる。
この駆動波形テーブルを用いて基準の駆動電圧Vhに対し補正量ΔVhを加算した駆動電圧VHを導出する。
上述のように、液体吐出ヘッド300は、圧電素子332に電圧印加していないときはニードル弁331が閉じており、圧電素子332に電圧印加したときはニードル弁331が開いてノズル302よりインク30を吐出する。
これにより、非常事態等で電源を遮断した場合であっても、ニードル弁331がノズル302を閉じ、ノズル302からのインク30の吐出を確実に止めることができる。
また、上述のように、複数のニードル弁331のうち同時に駆動する弁体の数が多いときは、少ないときと比べて圧電素子332への印加電圧を大きくする(電圧Vhから電圧VHに補正する)。また、複数のニードル弁331のうち同時に駆動する弁体の数が多いときは、少ないときと比べてニードル弁331の移動量を大きくする。
さらに、上述のように、圧電素子332への印加電圧は、複数のニードル弁331のうち同時に駆動するニードル弁331の数と圧電素子332の印加電圧補正量とを対応づけた駆動波形テーブル9026dにしたがい制御する。
これにより、ノズル302とニードル弁331との間の流体抵抗が減り、インク30の吐出特性を改善することができる。
なお、同時に駆動するノズル数が2以上のときの駆動電圧補正量B1~H1およびB2~H2は、流体的に直列でつながっている複数のノズル302のうち流路312においてインクの流れる方向における下流側に位置するノズル302の駆動電圧補正量は、上流側に位置するノズル302の駆動電圧補正量よりも大きくしてもよい。たとえば、同時に駆動するノズル数が2のときの、図4に示す8つのノズル302の駆動電圧補正量を、上流側(図中左側)から順にB1(1)、B1(2)・・・B1(8)としたとき、B1(1)<B1(2)<・・・<B1(8)とする。8つのノズル302のうちで駆動する2つのノズルの駆動電圧補正量として、8つの補正量のうち対応する2つの補正量を用いる。
直列でつながっている複数のノズル302のうち下流側に位置するノズル302は、供給ポート311からノズル302にインクが流れる迄の間に当該ノズル302よりも上流側に位置するニードル弁331によってインクの流れが妨げられ、圧力損失が増える。これにより、下流側に位置するノズル302から吐出されるインクの流量および吐出流速は、上流側に位置するノズル302よりも顕著に減少する。そこで、下流側に位置するノズル302の駆動電圧補正量を上流側に位置するノズル302の駆動電圧補正量よりも大きくすることにより、下流側のノズル302から吐出されるインクの流量および吐出流速が減少することを防止できる。
図12は、同時駆動の低減を可能にする液体吐出ヘッド設置例の説明図である。なお、説明を簡単にする為ここでは液体吐出ヘッド300のノズル数が4個の場合で説明する。
ドット間ピッチをX(mm)とした場合、ノズル302-1に対するノズル302-2、302-3、302-4のX方向のずれ量がドット間ピッチXの1/4となるように液体吐出ヘッド300を角度θだけ傾けて設ける。なお、ドット間ピッチXは、X方向の解像度(dpi)によって決まる値である。
すなわち、液体吐出ヘッド300の各ノズル間隔をNPとすると、L=1/4・X=NP・sinθ(mm)となり、ノズル数がN個の場合は、L=1/N・X=NP・sinθ(但し、0°<θ<90°)となる。
液体吐出ヘッド300のX方向の移動速度をV(mm/s)とすると、1駆動周期T(s)は、T=X/V(s)となる。
液体吐出ヘッド300を上記のように取り付けることにより、各ノズルのヘッド駆動周期(吐出周期)が、隣り合うノズルに対して1/4・T(s)ずれた状態になる。これによりノズルの駆動タイミングが分散し、同時に駆動するノズル数を低減することが可能になる。
また、角度θは一つではなく、次の式を満たす規則性に伴い複数存在する。
L=(1/4+M)・X=NPsinθ(mm)(但し、0°<θ<90°)
但し、Mは正の整数であり、ノズル数がN個の場合は上記の式の(1/4+M)を(1/N+M)とする。
上述のように、液体吐出ヘッド300を、X方向の解像度(dpi)と各ノズル302の間隔NPとから求まる角度で傾けて設ける。
これにより、複数のノズル302の駆動タイミングが分散し、同時に駆動するノズル302の数、すなわち同時に駆動するニードル弁331の数を低減することができる。
図13は、ノズルの開閉動作の説明図であり、図13(a)はノズルのオープン時間が吐出周期Tに対して25%、つまり1/4Tのときの状態を示し、図13(b)はノズルのオープン時間が吐出周期Tに対して50%、つまり1/2Tのときの状態を示している。
図13(a)では、4個のノズル302-1~302-4すべてを駆動しているにも関わらず、各ノズルが同時に駆動することはない。従って前述の実施例と組み合わせた場合、圧電素子332の印加電圧の補正を行う必要がない。
図13(b)では、4個のノズル302-1~302-4すべてを駆動しているにも関わらず、同時駆動数は2個に低減できている。従って前述の実施例と組み合わせた場合、同時駆動ノズル数を2個として圧電素子332の印加電圧の補正を行う。
図14は、変形例1に係る液体吐出ヘッドによる液体の吐出動作の説明図である。図14(a)は吐出時の概略構成およびそのときの圧電素子への印加電圧を示した説明図、図14(b)は非吐出時の概略構成およびそのときの圧電素子への印加電圧を示した説明図、図14(c)は圧電素子の印加電圧制御の説明図である。
上述の実施例に係る液体吐出ヘッドでは、印加電圧を大きくするほど長手方向の全長が縮む特性を有する圧電素子を用いたが、変形例1に係る液体吐出ヘッドでは、印加電圧を大きくするほど長手方向の全長が伸びる特性を有する圧電素子を用いる。図14(a)に示すように、圧電素子332は、印加電圧として小さな電圧Vl(すなわち相対的に小さな電圧)を印加することにより長手方向に収縮し、ニードル弁331を図において右側に動かす。これによりノズル302が開き、ノズル302からインク30が吐出する。
また、図14(b)に示すように、圧電素子332は、印加電圧として上述の電圧Vlよりも大きな電圧Vh(すなわち相対的に大きな電圧)を印加することにより長手方向に伸張し、ニードル弁331を図において左側に動かす。これによりノズル302が閉じ、ノズル302からのインク30の吐出を抑止する。
変形例1においては、図14(c)に示すように、複数のニードル弁331のうち同時に駆動するニードル弁331の数の増加に応じて、圧電素子332へ印加する電圧を小さくするように印加電圧が制御される。同時に駆動するニードル弁331の数が多いほど、基準の駆動電圧Vlから減算する補正量(すなわち減少量)ΔVlを大きくする。そして、圧電素子332の印加電圧VLは同時に駆動するニードル弁331の数が多いほど小さくなるように制御される。これにより、圧電素子332がより変位し、ニードル弁331の移動量が増加する。
ニードル弁331の移動量が増加し、その変位が増えることでニードル弁331は流路312内でノズル302からより遠いところまで退避する。すると、供給ポート311からノズル302にインクが流れる迄の間で、ニードル弁331がノズル302の近傍で流れを妨げることに起因する圧力損失が減少する。これにより、ノズル302の1つあたりから吐出されるインクの流量および吐出流速が減少することを防止できる。その結果、ノズル302とニードル弁331との間の流体抵抗が減り、インク30の吐出特性が改善する。
変形例1によれば、上述の実施例と同じく、複数の液体吐出口から同時に液体を吐出する場合であっても、液体を正確に吐出することが可能な液体吐出装置を提供することができる。
図15は、変形例2に係る液体吐出ヘッドの説明図である。図15(a)は吐出口を閉塞した状態を示す変形例2に係る弁型液体吐出ヘッドの一実施形態を示す断面図、図15(b)は吐出口を開口した状態を示す変形例2に係る弁型液体吐出ヘッドの一実施形態を示す断面図である。
図示された弁型液体吐出ヘッド500は、概略として、先端にインク(液体の一例)を吐出するノズル502が設けられると共に、ノズル502の近傍にインクを注入する注入口512が設けられた中空状のハウジング510と、ハウジング510に内蔵され、外部からの電圧の印加に応じて伸縮(図15(a),(b)の左右方向へ伸縮)する圧電素子532と、ノズル502を開閉するニードル弁531と、ニードル弁531と圧電素子532の間に配置された逆バネ機構533(移動機構の一例)と、ニードル弁531に外嵌されてインクが圧電素子532側へ流入することを阻止する封止部材515と、圧電素子532の電極に接続された電圧印加用の一対のリード線200a,200bを備えて構成されている。圧電素子532は、上述の変形例1で用いる圧電素子332と同じく、印加電圧を大きくするほど長手方向の全長が伸びる特性を有する。
ハウジング510は、全体として円筒状又は角筒状に形成され、ノズル502及び注入口512以外は閉塞されている。ノズル502はハウジング510の先端に穿設された小さな開口であり、インクD2が吐出されるようになっている。注入口512は、ノズル502の近傍のハウジング510の側面に設けられ、インクタンクと接続されると共に加圧手段によって連続的にインク(または塗料)が弁型液体吐出ヘッド500に供給されるようになっている。圧電素子532は、ジルコニアセラミックス等を用いて形成されており、吐出されるインクD2の量等に応じて適宜の外形及び厚みによって形成される。また、圧電素子532は、コントローラ901によって制御されるヘッド駆動制御部902から出力される電圧が連続的に印加される。封止部材515は、例えばパッキンやOリング等であり、封止部材515をニードル弁531に外嵌することで、注入口512側から圧電素子532側へインクが流入することを防止している。尚、弁型液体吐出ヘッド500を備えた塗装装置は、それぞれ異なる色のインクを吐出する弁型液体吐出ヘッド500を複数並列配置することによって構成される。
逆バネ機構533は、適宜に変形可能なゴムや軟質樹脂等又は薄い金属板等を成形加工することによって形成された弾性部材であり、ニードル弁531の基端側の面(図15(a)ではニードル弁531の右側端面)に当接するようにして形成された断面略台形状の変形部533aと、ハウジング510の内壁面に固定される固定部533bと、圧電素子532の端面と連結されるガイド部533cを備えており、台形状の変形部533aの長辺(台形の下底に相当)は固定部533bと連結された屈曲辺533dとされている。このような構造を備えた逆バネ機構533は、ヘッド駆動制御部902を介して圧電素子532に所定の電圧が印加されると圧電素子532が伸張することによりガイド部533cがノズル502側へ移動して変形部533aの屈曲辺533dの中央部付近を押圧すると共に、屈曲辺533dの周縁部側が圧電素子532側に引き込まれるように変形する。
これにより、ニードル弁531と連結されている変形部533aの頂部(台形の上底に相当)が圧電素子532側に移動する(図15(b)参照)。これにより、ニードル弁531は図15に示す距離dだけ圧電素子532側に引き寄せられることでノズル502が開口する。そして、このような逆バネ機構533の変形部533aにおけるニードル弁531との連結部である頂部と屈曲辺533dとの距離や屈曲辺533dの長さを適宜に調整することにより圧電素子532が伸張する長さよりもニードル弁531が移動する長さを長くすることが可能となる。すなわち、逆バネ機構533は圧電素子532の僅かな伸張を増幅することが可能となる。例えば、ニードル弁531の移動距離を圧電素子532の端面の移動距離の2倍とすれば圧電素子532の長さを従来の約1/2にすることが可能となる。
このように、圧電素子532に印加される電圧が0Vの状態(すなわち相対的に小さな電圧が印加される状態)においては、圧電素子532は原型に戻るので逆バネ機構533には外部から力が加わらない状態となり、図15(a)に示すように変形は生じない。一方、圧電素子532に+Vhの電圧が印加されると(すなわち相対的に大きな電圧が印加されると)圧電素子532が伸張し、これに応じて逆バネ機構533のガイド部533cがノズル502方向(軸方向)へ移動するため、変形部533aが軸方向の変形を受け、図15(b)に示すように押し潰されたように変形する。
[弁型液体吐出ヘッド500の動作]
次に、上述した弁型液体吐出ヘッド500の動作について説明する。圧電素子532に電圧が印加されていない状態、すなわち、印加電圧=0V(すなわち相対的に小さな電圧が印加される状態)のときには、逆バネ機構533の変形部533aは膨らんだ状態(通常状態)になっており、ニードル弁531は変形部533aの弾性力によってノズル502方向に付勢され、図15(a)に示すように、ノズル502はニードル弁531の端面によって閉塞されている。したがって、ノズル502からインクD2が吐出されることはない。
圧電素子532に電圧(+Vh)が印加されると(すなわち相対的に大きな電圧が印加されると)、圧電素子532は図15(b)に示す軸方向に先端(図15では左端)が伸長してガイド部533cがノズル502方向(軸方向)へ移動する。これに伴い、変形部533aの屈曲辺533dの中央部付近がノズル502側(図15(b)の矢印a方向)へ押し込まれると共に、ハウジング510の内壁側近くの屈曲辺533dの周縁部が圧電素子532側(図15(b)の矢印b方向)へ後退し、変形部533aが圧縮された状態となり、変形部533aの屈曲辺533dとニードル弁531との連結面までの長さが縮まり、ニードル弁531が図15に示す距離dだけ圧電素子532側に引き寄せられる。その結果、ニードル弁531の先端面とノズル502との間に図15(b)に示すような空隙が生じ、ノズル502が開口される。これにより、注入口512とノズル502が連通してノズル502からインクD2が吐出する。
変形例2に係る弁型液体吐出ヘッド500は、圧電素子532として印加される電圧が大きいほど長手方向に伸張する特性を有する圧電素子を用いる。また、圧電素子とニードル弁の間に移動機構を介在させ、圧電素子に相対的に大きな電圧を印加することにより移動機構によって吐出口(ノズル)を開口するようにニードル弁を移動させ、吐出口からインクを吐出する。また、圧電素子に印加する電圧を相対的に小さくすることにより移動機構によって吐出口を閉じる。また、上述の実施例と同様に、すなわち図7及び図8で示したのと同様の方法で、複数のニードル弁のうち同時に駆動するニードル弁の数に応じて圧電素子の印加電圧を制御する。
変形例2においては、複数のニードル弁531のうち同時に駆動するニードル弁531の数の増加に応じて、圧電素子532の印加電圧が増大するように制御する。同時に駆動するニードル弁531の数が多いほど、基準の駆動電圧Vhに加算する補正量(すなわち増大量)ΔVhを大きくする。そして、圧電素子532の印加電圧VHは同時に駆動するニードル弁531の数が多いほど大きくなるように制御される。これにより、圧電素子532がより変位し、ニードル弁531の移動量が増加する。ニードル弁531の移動量が増加し、その変位が増えることでニードル弁531は注入口512内でノズル502からより遠いところまで退避する。すると、供給ポートからノズル502にインクが流れる迄の間で、ニードル弁531がノズル502の近傍で流れを妨げることに起因する圧力損失が減少する。これにより、ノズル502の1つあたりから吐出されるインクの流量および吐出流速が減少することを防止できる。その結果、ノズル502とニードル弁531との間の流体抵抗が減り、インクD2の吐出特性が改善する。
なお、変形例2では、変形例1に係る液体吐出ヘッドすなわち印加電圧を大きくするほど長手方向の全長が伸びる特性を有する圧電素子を有する液体吐出ヘッドに移動機構を組み合わせた構成としたが、これに替えて、印加電圧を大きくするほど長手方向の全長が縮む特性を有する圧電素子を有する液体吐出ヘッドに移動機構を組み合わせて構成してもよい。
なお、本発明において、液体は、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどでもよい。これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
以上説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
態様1は、液体(例えばインク30)を吐出する複数の液体吐出口(例えばノズル302)と、前記液体吐出口に対応して設けた複数の弁体(例えばニードル弁331)と、前記弁体を駆動して前記液体吐出口を開閉する複数の駆動体(例えば圧電素子332)とを備える液体吐出体(例えば液体吐出ヘッド300)と、前記液体吐出体に対して前記液体を加圧供給する液体供給手段(例えばコンプレッサ108、エアーレギュレータ106を含むパイプ107、タンク105およびチューブ311a)と、前記複数の弁体のうち同時に駆動する弁体の数に応じて前記駆動体の印加電圧(例えば印加電圧Vh)を制御する制御手段(例えばコントローラ901、ヘッド駆動制御部902およびコンピュータ903)とを備えることを特徴とするものである。
態様1によれば、複数の液体吐出口から同時に液体を吐出する場合であっても、液体を正確に吐出することが可能な液体吐出装置を提供することができる。
(態様2)
態様2は、態様1において、前記液体吐出体(例えば液体吐出ヘッド300、500)は、前記駆動体(例えば圧電素子332、532)に印加される前記印加電圧が相対的に小さいときは前記弁体(例えばニードル弁331、531)が閉じており、前記駆動体に印加される前記印加電圧が相対的に大きいときは前記弁体が開いて前記液体吐出口(例えばノズル302、502)より前記液体(例えばインク30、D2)を吐出することを特徴とするものである。
態様2によれば、非常事態等で電源を遮断した場合であっても、弁体が液体吐出口を閉じ、液体吐出口からの液体の吐出を確実に止めることができる。
(態様3)
態様3は、態様2において、前記複数の弁体(例えばニードル弁331、531)のうち同時に駆動する弁体の数が多いときは、少ないときと比べて前記印加電圧(例えば印加電圧Vh)を大きくすることを特徴とするものである。
(態様4)
態様4は、態様1において、前記液体吐出体(例えば液体吐出ヘッド300)は、前記駆動体(例えば圧電素子332)に印加される前記印加電圧が相対的に大きいときは前記弁体(例えばニードル弁331)が閉じており、前記駆動体に印加される前記印加電圧が相対的に小さいときは前記弁体が開いて前記液体吐出口(例えばノズル302)より前記液体(例えばインク30)を吐出することを特徴とするものである。
(態様5)
態様5は、態様4において、前記複数の弁体(例えばニードル弁331)のうち同時に駆動する弁体の数が多いときは、少ないときと比べて前記印加電圧(例えば印加電圧Vh)を小さくすることを特徴とするものである。
(態様6)
態様6は、態様1乃至5のいずれかにおいて、前記複数の弁体(例えばニードル弁331、531)のうち同時に駆動する弁体の数が多いときは、少ないときと比べて前記弁体の移動量を大きくすることを特徴とするものである。
(態様7)
態様7は、態様1乃至6のいずれかにおいて、前記印加電圧(例えば印加電圧Vh)は、前記複数の弁体(例えばニードル弁331、531)のうち同時に駆動する弁体の数と前記駆動体(例えば圧電素子332、532)の印加電圧補正量(例えば印加電圧補正量ΔVh)とを対応づけた制御テーブル(例えば駆動波形テーブル9026d)にしたがい制御することを特徴とするものである。
態様3乃至態様7によれば、液体吐出口と弁体との間の流体抵抗が減り、液体の吐出特性を改善することができる。
(態様8)
態様8は、態様1乃至7のいずれかにおいて、前記液体吐出体(例えば液体吐出ヘッド300、500)を、解像度(例えばX方向の解像度(dpi))と前記各液体吐出口の間隔(例えばノズル間隔NP)とから求まる角度で傾けて設けることを特徴とするものである。
態様8によれば、複数の液体吐出口の駆動タイミングが分散し、同時に駆動する液体吐出口の数、すなわち同時に駆動する弁体の数を低減することができる。
30 インク(液体)
105 タンク
106 エアーレギュレータ
107 パイプ
108 コンプレッサ
300 液体吐出ヘッド(液体吐出体)
302 ノズル(液体吐出口)
311a チューブ
331 ニードル弁(弁体)
332 圧電素子(駆動体)
901 コントローラ
902 ヘッド駆動制御部
903 コンピュータ
1000 液体吐出装置
特開2010-241003号公報

Claims (8)

  1. 液体を吐出する複数の液体吐出口と、前記液体吐出口に対応して設けた複数の弁体と、前記弁体を駆動して前記液体吐出口を開閉する複数の駆動体とを備える液体吐出体と、
    前記液体吐出体に対して前記液体を加圧供給する液体供給手段と、
    前記複数の弁体のうち同時に駆動する弁体の数に応じて前記駆動体の印加電圧を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記液体吐出体は、前記駆動体に印加される前記印加電圧が相対的に小さいときは前記弁体が閉じており、前記駆動体に印加される前記印加電圧が相対的に大きいときは前記弁体が開いて前記液体吐出口より前記液体を吐出することを特徴とする請求項1記載の液体吐出装置。
  3. 前記複数の弁体のうち同時に駆動する弁体の数が多いときは、少ないときと比べて前記印加電圧を大きくすることを特徴とする請求項2記載の液体吐出装置。
  4. 前記液体吐出体は、前記駆動体に印加される前記印加電圧が相対的に大きいときは前記弁体が閉じており、前記駆動体に印加される前記印加電圧が相対的に小さいときは前記弁体が開いて前記液体吐出口より前記液体を吐出することを特徴とする請求項1記載の液体吐出装置。
  5. 前記複数の弁体のうち同時に駆動する弁体の数が多いときは、少ないときと比べて前記印加電圧を小さくすることを特徴とする請求項4記載の液体吐出装置。
  6. 前記複数の弁体のうち同時に駆動する弁体の数が多いときは、少ないときと比べて前記弁体の移動量を大きくすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記印加電圧は、前記複数の弁体のうち同時に駆動する弁体の数と前記駆動体の印加電圧補正量とを対応づけた制御テーブルにしたがい制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記液体吐出体を、解像度と前記各液体吐出口の間隔とから求まる角度で傾けて設けることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
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