JP2022094440A - 流路切替バルブおよび液体クロマトグラフ - Google Patents

流路切替バルブおよび液体クロマトグラフ Download PDF

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Abstract

Figure 2022094440000001
【課題】ロータシールとステータとの摺動面における摩耗をより抑制できる流路切替バルブおよび液体クロマトグラフを提供する。
【解決手段】流路切替バルブ1は、ステータ11と、ステータ11に接触しながら回転するロータシール12,13と、ロータシール12,13を回転させるロータ14とを備える。ステータ11には、複数のステータ流路111~116が貫通孔によって形成され、ロータシール12,13は、接触面18を介してステータ11に接触する第1部材12と、第1部材12に接触する第2部材13とを備え、第1部材12には第1ロータ流路121~126が形成され、第2部材13には第2ロータ流路131~133が形成され、第1ロータ流路121~126の摺動面18における断面積は、第2ロータ流路131~133の摺動面18と平行な面における断面積よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、流路切替バルブおよび液体クロマトグラフに関する。
液体クロマトグラフなどの分析装置には、多数の流路を切り替える流路切替バルブが搭載されている。流路切替バルブは、配管を接続するステータ、ロータシール、ロータシールを回転させるロータ、それらを保持するハウジング、などから構成される。ロータシールはばねなどによってステータに押しつけられており、ロータシールに形成された流路とステータに形成された流路の間で液密性が保たれている。ロータシールはピンによってロータに固定され、ロータをモータにより回転させることでロータシールも回転し、ステータの流路に対してロータシールの流路が切り替わる。
ロータシールは、ステータに押しつけられながら回転し摺動する。そのため、ロータシールの回転時にロータシールとステータとの摺動面が摩耗し、摩耗が大きくなると液漏れが発生してバルブとしての機能を果たさなくなる。この摺動面の摩耗を抑制する構造を備えた流路切り替えバルブが特許文献1に示されている。
また、ステータとロータシールは平面で接触するため、ステータとロータシールが平行に且つ同一平面に方向付けるようにロータシールの下にコンプライアンスアセンブリを設けて、摺動面の摩耗を抑制する構造を備えた流路切り替えバルブが特許文献2に示されている。
特許文献1の流路切り替えバルブは、インジェクションからローディングへの切り替え時のバルブの損傷を、少なくとも三つの溝およびポート開口断面を設けると共に、その構成および選択した回転方向の結果として、インジェクション位置からローディング位置へのロータの回転時に、高圧下にある試料ループ圧力を解放することを特徴とする。
また、特許文献2の流路切り替えバルブは、実質平坦なロータ面をステータデバイスの実質平坦なステータ面に対して実質平行に且つ実質同一平面に方向付けるようにロータデバイスと協働するコンプライアンスアセンブリを備える。また、ロータデバイスは、ロータ面と反対を向いた基部側向き接触表面を画定し、コンプライアンスアセンブリは、ロータデバイスのこの接触表面に対して支持的に接合接触するコンプライアント要素を備えている。
特開2009-139376号公報 特表2012-533041号公報
しかしながら、従来の技術では、ロータシールとステータとの摺動面における摩耗を十分に抑制することが困難であるという課題があった。
たとえば特許文献1および特許文献2に記載された流路切り替えバルブは、別々のロータシール流路に高圧と低圧の溶液が同時に流れる。初期状態でステータとロータシールが平行に接触していても、ステータと接するロータシール流路は面積が大きいため、高圧の液圧によってステータとロータシールの接触面に大きな力(力=圧力×面積)を受ける。この力により、高圧となった流路の周辺でロータシールとステータとの間が押し広げられて、ロータシールが傾く。そして、高圧の流路に対向した領域の接触圧力が大きくなる。そのため、高圧の流路に対向した領域の摩耗が進み、摩耗を十分に抑制することが困難となる。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、ロータシールとステータとの摺動面における摩耗をより抑制できる流路切替バルブおよび液体クロマトグラフを提供することを目的とする。
本発明に係る流路切替バルブの一例は、
ステータと、前記ステータに接触しながら回転するロータシールと、前記ロータシールを回転させるロータとを備える、流路切替バルブであって、
前記ステータには、複数のステータ流路が貫通孔によって形成され、
前記ロータシールは、摺動面を介して前記ステータに接触する第1部材と、前記第1部材に接触する第2部材とを備え、
前記第1部材には第1ロータ流路が形成され、前記第2部材には第2ロータ流路が形成され、
前記第1ロータ流路の前記摺動面における断面積は、前記第2ロータ流路の前記摺動面と平行な面における断面積よりも小さい。
本発明に係る液体クロマトグラフの一例は、上述の流路切替バルブと、送液ポンプと、ニードルと、シリンジポンプと、分離カラムと、検出器とを備える。
本発明に係る流路切替バルブおよび液体クロマトグラフによれば、ロータシールとステータとの摺動面における摩耗がより抑制される。
本発明の実施例1に係る流路切替バルブの構成の例を示す図。 従来技術に係る流路切替バルブの動作を示す図。 本発明の実施例1に係る流路切替バルブを搭載した液体クロマトグラフの流路模式図。 実施例1に係る流路切替バルブの動作を示す図。 本発明の実施例2およびその変形例に係る流路切替バルブの構成の例を示す図。 本発明の実施例2の変形例に係る流路切替バルブにおけるロータシールの構成の例を示す図。 本発明の実施例3に係る流路切替バルブの構成の例を示す図。
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下に説
明する実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に、本発明の実施例1に係る流路切替バルブ1の構成の例を示す。流路切替バルブ1の、軸(たとえば回転軸、以下同じ)に平行な平面による断面図を図1(a)に示す。図1(a)は、とくに図1(d)の破線で示す断面19によるものである。
流路切替バルブ1は、図1(a)に示すようにステータ11およびロータ14を備える。また、流路切替バルブ1はロータシールを備える。ロータシールは、ロータシール12(ロータシールの第1部材)およびロータシール13(ロータシールの第2部材)を含む。ロータシール12は、接触面18を介してステータ11に接触する。この接触面18が摺動面となる。ロータシール13はロータシール12に接触する。また、流路切替バルブ1は、ステータ11およびロータ14を収容するハウジング15を備える。
ロータシール12および13は、ピン16および17を介してロータ14に結合されており、ロータ14はロータシール12および13を回転させる。ロータシール(この例ではロータシール12)は、ステータ11に接触しながら回転する。なお、ロータ14の回転角度は、例えば、モータ(図示せず)にエンコーダーを備えることにより測定される。
図1(b)は、ロータシール13の上面を上側から見た図である。図1(c)は、ロータシール12の上面(すなわちステータ11との接触面18に係る部分)を上側から見た図である。図1(d)は、ステータ11の下面(すなわちロータシール12との接触面18に係る部分)を上側から見た透視図である。図1(e)は、図1(d)の状態からロータシール12および13が摺動方向211に回転した状態を示す透視図である。
ステータ11には、複数のステータ流路111~116が貫通孔によって形成される。ロータシール12には、複数のロータシール流路121~126(第1ロータ流路)が形成される。ロータシール流路121~126はたとえば貫通孔によって形成される。ロータシール13には、複数のロータシール流路131~133(第2ロータ流路)が形成される。ロータシール流路131~133は、たとえばロータシール13の上面に形成された溝によって形成される。すなわち、ロータシール流路131~133の上面はロータシール12の面(下面)によって構成され、ロータシール流路131~133の側面および下面はロータシール13の溝によって構成されるということができる。
なお、図1では、各流路の接続関係を明確に図示するため、流路の径を実際とは異ならせて表す場合がある。たとえば、図1(d)において、ステータ流路111の断面はロータシール流路121の断面より小さく描かれているが、実際にはこれらの径は等しく構成することができる。後述の図3、4および図7においても同様である。
ステータ流路111~116には外部の配管が接続される。ロータシール12のロータシール流路121~126は、ロータシール12の回転に応じて、それぞれ異なるステータ流路111~116に接続される。たとえば、図1(d)の状態では、ロータシール流路121、122、123、124、125、126はそれぞれステータ流路111、112、113、114、115、116に接続されるが、図1(e)の状態では、ロータシール流路121、122、123、124、125、126はそれぞれステータ流路112、113、114、115、116、111に接続される。
ロータシール13のロータシール流路131~133は、それぞれロータシール流路121~126のうち2つを接続する。たとえば、ロータシール流路131はロータシール流路121とロータシール流路122とを接続する。これによって、図1(d)の状態では、流路切替バルブ1において、たとえばステータ流路111、ロータシール流路121、ロータシール流路131、ロータシール流路122、ステータ流路112、をこの順で経由する流路が形成される。同様の流路が他に2本形成される。
本実施例では、ロータシール12および13の位置関係は固定されているので、各流路の接続関係も固定される。なお、自動的に、または手動で、ロータシール流路131~133およびロータシール流路121~126の接続関係を変更できるようにしてもよい。
ステータ11は、たとえば金属またはセラミックからなる。ロータシール12、13は、たとえば金属、セラミック、または樹脂からなる。摺動面(すなわち接触面18)を形成するステータ11およびロータシール12には、耐摩耗性能を向上するためにダイヤモンドライクカーボンがコーティングされていてもよい。
ロータシール12、13は、ロータ14のバネ(図示せず)によりステータ11に押しつけられており、これによって通常は液密性が保たれる。
図2に、従来技術に係る流路切替バルブの動作を示す。図2(a)~(c)はいずれも図示しないステータの下面(すなわちロータシール222との接触面)を上側から見た透視図であり、図1(c)に対応する。なお図2の例では、ロータシール222は単一の部材によって構成されている。図2(a)の状態から、ロータシール222が摺動方向211に60度回転し、図2(b)の状態を経て、図2(c)の状態となる。
ロータシール流路241は、図2(a)の状態ではステータ流路31、32を連結していて、図2(c)の状態ではステータ流路32、33を連結している。同様に、ロータシール流路242は、図2(a)の状態ではステータ流路33、34を連結していて、図(c)ではステータ流路34、35を連結している。また、ロータシール流路243は、図2(a)の状態ではステータ流路35、36を連結していて、図2(c)の状態ではステータ流路36、31を連結している。
図2(a)の状態から図2(c)の状態に切り替わった後は、図2(c)の状態から摺動方向211と反対方向に60度回転し、図2(b)の状態を経て、図2(a)の状態に戻る。このように、摺動方向211(反時計回り)の60度回転と、摺動方向211と反対方向(時計回り)の60度回転とを繰り返すことにより、ロータシール222は往復動作をする。
図3に、本発明の実施例1に係る流路切替バルブ1を搭載した液体クロマトグラフ21の流路模式図を示す。液体クロマトグラフ21は、流路切替バルブ1と、送液ポンプ22と、ニードル23と、シリンジポンプ24と、分離カラム26と、検出器27と、これらを接続する配管210とを備える。
流路切替バルブ1のステータ流路111、112、113、114、115、116は、それぞれ、送液ポンプ22、配管2101、ニードル23、シリンジポンプ24、配管2101、分離カラム26接続されている。
まず、図3(a)の状態において、送液ポンプ22が溶離液29を送液する。溶離液29は、ステータ流路111、ロータシール流路121、131、122、ステータ流路112、配管2101、ステータ流路115、ロータシール流路125、133、126、ステータ流路116をこの順に通って、分離カラム26、検出器27、廃液タンク281に流れる。
また、ニードル23は、ステータ流路113、ロータシール流路123、132、124、ステータ流路114を介して、シリンジポンプ24および廃液タンク282に接続される。
その後、ロータシール12および13を摺動方向211に60度回転させて流路を切り替え、図3(b)の状態にする。図3(b)の状態において、シリンジポンプ24を駆動し、サンプル8を吸引する。サンプル8は、ニードル23、ステータ流路113、ロータシール流路122、131、121、ステータ流路112、配管2101、ステータ流路115、ロータシール流路124、132、123、ステータ流路114、をこの順に通って吸引され、サンプル8の少なくとも一部は配管2101内に保持される。
また、図3(b)の状態において、送液ポンプ22により送液される溶離液29は、ステータ流路111、ロータシール流路126、133、125、ステータ流路116をこの順に通って、分離カラム26、検出器27、廃液タンク281に流れる。
次に、図3(b)の状態からロータシール12および13を時計回り(逆摺動方向212)に60度回転させて、図3(a)の状態に戻す。
図3(a)の状態で、送液ポンプ22を駆動して、ステータ流路111、ロータシール流路121、131、122、ステータ流路112、配管2101内のサンプル8を分離カラム26に送液する。サンプル8は、分離カラム26で分離された後、検出器27で検出される。その後、配管210を含む流路全体を洗浄するために、溶離液を送液する。その後、別のサンプルの分析のために図3(a)(b)を繰り返す。
分離カラム26は、内部に数マイクロメートルの粒子が充填されていて流体抵抗が大きい。また、分離カラム26のサンプル分離性能をよくするため、配管210の流路径は細く(たとえば0.1mm)、流体抵抗が大きい。そのため、送液ポンプ22は数十メガパスカルの高い圧力で溶離液を送液する。一方、シリンジポンプ24につながる流路には流体抵抗の大きい部材が接続されていないので、シリンジポンプ24の送液圧力は大気圧(0.1MPa)に近い。このように、実施例1に係る液体クロマトグラフ21の構成では、流路切替バルブ1において、別々のロータシール流路に高圧と低圧の溶液が同時に流れる。
次に、図2および図4を用いて、従来技術に係る流路切替バルブと、実施例1に係る流路切替バルブ1とにおける摩耗の相違について説明する。なお図2は上述のように従来技術に係る流路切替バルブの動作を示す。
図4に、実施例1に係る流路切替バルブ1の動作を示す。図4(a)~(c)はいずれもステータ11の下面(すなわちロータシール12との接触面18)を上側から見た透視図であり、図1(c)に対応する。図2と同様に、図4(a)の状態から、ロータシール12、13が摺動方向211に60度回転し、図4(b)の状態を経て、図4(c)の状態となる。
図2に示す従来技術では、ロータシール流路241~243がステータの下面に沿って延びているので、液圧によって受ける力(力=圧力×面積)がステータの下面に大きく影響する。ロータシール流路241、243には高圧の送液ポンプが接続され、ロータシール流路242には低圧のシリンジポンプが接続されるので、図2(a)に示すようにロータシール流路241、243で液圧が高く、ロータシール流路242内の液圧は低い状態となる。このため、ロータシール流路241、243付近において、液圧によってロータシール222とステータ(図示せず)との間が押し広げられて、ロータシール222が傾く。これによって、ロータシール流路241、243に対向した領域200の接触圧力が大きくなる。
図2(b)の状態では、直前の状態(たとえば図2(a)の状態)において発生した圧力が維持される。たとえば、ロータシール流路241、243内の液圧が高く、ロータシール流路242内の液圧は低い状態となる。すると、ロータシール流路241、243付近において、液圧によってロータシール222とステータ(図示せず)との間が押し広げられて、ロータシール222が傾く。これによって、ロータシール流路241、243に対向した領域200の接触圧力が大きくなる。
図2(c)の状態では、ロータシール流路243には高圧の送液ポンプが接続され、ロータシール流路241、242には低圧のシリンジポンプが接続されるので、ロータシール流路243内の液圧が高く、ロータシール流路241、242内の液圧は低い状態となる。このため、ロータシール流路243付近において、液圧によってロータシール222とステータ(図示せず)との間が押し広げられて、ロータシール222が傾く。これによって、ロータシール流路243に対向した領域200の接触圧力が大きくなる。
従来技術に係る流路切替バルブのロータシールでは、耐摩耗性の観点から、表面の硬い金属またはセラミックを用いている。金属およびセラミックは表面が硬く、図2(a)に示すような円弧状の流路を、細い流路幅で加工は難しい。そのため、ロータシール流路の流路幅2411が大きくなり、ステータと接するロータシール流路241の面積が大きいため、液圧によって受ける力が大きい。この力によって上述のようにロータシール222が傾き、一部の領域200で接触圧力が大きくなる。この状態でロータシール222が回転すると、接触面において摩耗が発生する。
上述したように、従来の流路切替バルブでは、図2(a)の状態と図2(c)の状態と間を往復動作する。これより、高圧の溶液が流れるロータシール流路に対向した領域の摩耗が進む。この結果、摩耗量が大きくなると液漏れが発生してバルブとしての機能を果たさなくなるので、流路切替バルブの寿命が短くなる可能性がある。
これに対し、実施例1に係る流路切替バルブ1の動作は以下のようになる。図4(a)の状態から、ロータシール12、13が摺動方向211に60度回転し、図4(b)を経て、図4(c)の状態となる。ロータシール流路121、131、122は、図4(a)ではステータ流路111、112と接続されているが、図4(c)ではステータ流路112、113との接続に切り替わる。ロータシール流路123、132、124は、図4(a)ではステータ流路113、114と接続されているが、図4(c)ではステータ流路114、115との接続に切り替わる。ロータシール流路125、133、126は、図4(a)ではステータ流路115、116と接続されているが、図4(c)ではステータ流路116、111との接続に切り替わる。
図4(a)の状態では、ロータシール流路121、131、122およびロータシール流路125、133、126には高圧の送液ポンプ22が接続され、液圧が高くなる。一方、ロータシール流路123、132、124には低圧のシリンジポンプ24が接続され、液圧は低い状態となる。すると、ロータシール流路121、122、125、126付近において、液圧によってロータシール12とステータ11との間が押し広げられる。
ここで、従来技術とは異なり、各ロータシール流路はロータシール内部に形成されており、ステータ11の下面に沿って延びる構成ではないので、ステータ11の下面が液圧から受ける力は、従来技術より小さくなる。言い換えると、ロータシール流路121~126の、接触面18における断面積(図1(d)では6個の小径の円で示される)は、ロータシール流路131~133の、接触面18と平行な面における断面積(図1(d)では3個の有幅円弧状領域で示される)よりも小さい。とくに、図1(d)の例では、ロータシール流路121~126のいずれについても、その断面積は、ロータシール流路131~133いずれの断面積よりも小さくなっている。
このため、ロータシール12とステータ11との間を押し広げる力が小さくなる。そして、高圧の溶液が流れるロータシール流路に対向した領域201の接触圧力の増加を抑制できる。そのため、高圧の溶液が流れるロータシール流路に対向した領域201の摩耗の進みがおそくなり、流路切替バルブの寿命が長くなる。なお、図4では、領域201を図2の領域200と比較して狭く図示することによって、接触圧力がより小さいことを表している。
このように、実施例1に係る流路切替バルブ1では、図1(a)に示すように、ロータシール12、ロータシール13を備えることにより、ロータシール流路の一部(この例ではロータシール流路131~133)をロータシールの内部に配置することができるので、ステータ11の下面に沿ってロータシール流路を形成する必要がない。このため、ステータ11と接する部分におけるロータシール流路の面積が従来よりも小さくなり、液圧によってステータ11とロータシール12との間を押し広げる力が小さくなる。この結果、ロータシール12の傾きがより小さくなり、一部の領域における接触圧力の増加を抑制することができる。
なお、実施例1では、ロータシール13におけるロータシール流路131~133の構成(面積等)は、従来技術のロータシール222におけるロータシール流路241~243の構成と同一とすることができるが、その場合にはロータシール12とロータシール13との間が押し広げられ、ロータシール12に対してロータシール13が傾く場合がある。しかし、ロータシール13とステータ11との間にロータシール12が配置されるので、ロータシール12によって傾きが分散され、力を分散することができる。
さらに、図1に示すようにロータシール12とロータシール13の材質を異ならせることにより、さらに傾きを抑制することができる。たとえば、ロータシール12をロータシール13よりも硬い金属で作製することで、ロータシール13の変形をロータシール12が緩和し、ロータシール12の傾きを抑制することができる。
なお、ロータシール12の表面が硬い材料(たとえば金属またはセラミック)であっても、ロータシール12に微細な貫通穴を作製することは可能である。したがって、ロータシール12に微細な貫通穴のロータシール流路121~126を設けることで、ロータシール流路のうちステータ11と接する部分の面積を従来よりも小さくできる。
このように、本発明の実施例1に係る流路切替バルブ1によれば、一部の領域(たとえば高圧の溶液が流れるロータシール流路に対向した領域)の接触圧力の増加を抑制できる。このため、当該領域における摩耗の進みを抑制でき、流路切替バルブ1の寿命が長くなる。
[実施例2]
実施例2は、実施例1において、拡散接合等によりロータシールを一体化したものである。以下、実施例2について説明するが、実施例1と共通する部分については説明を省略する場合がある。
図5(a)に、本発明の実施例2に係る流路切替バルブ1の構成の例を示す。また、図5(b)に、本発明の実施例2の第1変形例に係る流路切替バルブ1の構成の例を示す。実施例2およびその第1変形例では、ロータシール12とロータシール13が拡散接合によって一体化される。
図5(a)のロータシール514は、ロータシール712、713が拡散接合で接着され一体化したロータシールである。ロータシール712、713に、ロータシール流路722、725、732、735、等が形成されている。
ロータシール514は拡散接合によって一体化されているので、流路切替バルブ1の組み立て工程数を少なくすることができる。また、ロータシール514全体の上下方向寸法を小さくすることができ、ピン16、17を短くすることができる。これより、たとえば流路切替バルブ1の組み立て性がよくなる。
図5(b)の第1変形例では、ロータシール外側部材714の内部にロータシール712、713が配置される。この例でも、ロータシール712、713は拡散接合によって一体化されている。ロータシール712、713は、ロータシール外側部材714に対してピン161、171により結合されている。なお、ピン161、171を用いず、ロータシール712、713、714が拡散接合されていてもよい。図5(b)の構造とすることで、図5(a)の構造と比較して拡散接合する面積を小さくでき、コストを少なくすることができる。
図6に、本発明の実施例2の変形例に係る流路切替バルブにおけるロータシール514の構成の例を示す。図6(a)は実施例2の第2変形例を示し、図6(b)は実施例2の第3変形例を示し、図6(c)は実施例2の第4変形例を示す。
実施例1の図1(a)では、ロータシール12、13の間の液密性を保つ観点から、ロータシール12、13の接触面18の面積を大きくすると製作が困難となる場合がある。これに対し、実施例2では拡散接合によって液密性を確保できるので、接触面20の面積をより大きくすることができる。このため、図6(a)~(c)にそれぞれ示すように、ロータシール712、713の形状をより自由に設計可能である。
図6(a)の例では、ロータシール712、713の径が同一であり、ロータシール712に側溝601が形成される。側溝601は、ロータシール712の径方向外周において周方向に延びる回転溝である。側溝601の部分では圧力が上下方向に伝わらないので、ロータシール712を傾ける力を中央領域に集中させることができ、ロータシール712を傾ける回転モーメント(たとえば流路切替バルブ1軸と垂直に発生する)を抑制して傾きを小さくすることができる。
図6(b)の例では、ロータシール712、713の径が同一であり、ロータシール713に側溝601が形成される。この例でも、ロータシール712を傾ける力を中央領域に集中させて傾きを小さくすることができる。
図6(c)の例では、ロータシール713に底面溝602が形成されている。
なお、図6(a)~(c)いずれの例でも、ロータシール712、713は拡散接合等で一体化されているので、流路切替バルブ1の組み立て工程数を少なくすることができる。また、ロータシール514全体の上下方向寸法を小さくすることができ、ピンを短くすることができる。これより、たとえば流路切替バルブの組み立て性がよくなる。
[実施例3]
実施例3は、実施例1において、ロータシール流路131~133のピッチ円直径をより小さくするものである。以下、実施例3について説明するが、実施例1と共通する部分については説明を省略する場合がある。
図7に、本発明の実施例3に係る流路切替バルブ1の構成の例を示す。図7(a)~(e)はそれぞれ実施例1における図1(a)~(e)に対応する。図7(a)は、図7(d)の破線で示す断面83によるものである。
実施例3に係る流路切替バルブ1は、ロータシール流路の構造、ロータシール流路の流路径、ロータシール流路に係るピッチ円直径において、実施例1と異なる。
実施例3に係る流路切替バルブ1は、実施例1のステータ11に代えてステータ61を備える。また、実施例3に係る流路切替バルブ1は、実施例1のロータシール12、13に代えてロータシール812、813を備える。
図7(a)に示すように、ロータシール812は、ステータ61との接触面18に対して角度82をなして延びるロータシール流路121~126を備える(ただし図7(a)にはロータシール流路122および125のみが表れている)。その角度82は、流路切替バルブ1の中心線80(軸線)と、各ステータ流路111~116の中心線81とがなす角度である。すなわち、ステータ流路111~116とロータシール流路121~126は、それぞれ接続される組が互いに平行となるよう構成される。このように、ステータ61およびロータシール812において、各流路が上から下に向かって互いに接近するよう、傾きをもって構成される。
図7(b)(c)に示すように、ロータシール812のロータシール流路121~126は、接触面18側の端部(第1端)と、接触面18とは反対側の端部(第2端)とを備える。接触面18側の端部は、ピッチ円85(第1円)上に形成され、接触面18とは反対側の端部は、ピッチ円84(第2円)上に形成される。ピッチ円85の直径は、ピッチ円84の直径よりも大きい。ロータシール813のロータシール流路131~133は、ロータシール流路121~126を接続するように構成されるので、ピッチ円84(第2円)上に形成されることになる。
なお、ロータシール813におけるロータシール流路131~133の形成は微細な加工であるが、仮にその加工が困難な場合には、ロータシール813をロータシール812よりも柔らかい材料で構成することにより、流路の加工をより容易とすることができる。その場合には、さらに、ロータシール流路131~133の流路幅1311(図7(b))と、ロータシール流路121~126の流路径1211(図7(c))を小さくすることができ、ステータ61と接するロータシール流路の面積をさらに小さくすることができる。
また、ピッチ円84をより小さく形成することで、ロータシール流路131~133をより中央に近い位置に形成することができるので、ロータシール812とロータシール813の間の押し広がりを抑制し、ロータシール812に対するロータシール813の傾きを抑えることができる。これにより、ロータシール813が傾くことに起因するロータシール12の傾きを抑えることができる。したがって、接触面18における接触圧力の増加を抑制することができる。
本発明の上記各実施例によれば、ロータシールとステータが押し広がらず、高圧の溶液が流れるロータシール流路に対向した領域の接触圧力の増加を抑制することができる。これより一部の領域における摩耗の進みが遅くなり、流路切替バルブの寿命が長くなる。なお、ロータシール流路の流路幅や流路径は小さく作製可能であり、分析性能は高く維持される。
1…流路切替バルブ
11,61…ステータ
12,712,812…ロータシール(第1部材)
13,713,813…ロータシール(第2部材)
14…ロータ
15…ハウジング
16,17,161,171…ピン
18,20…接触面(摺動面)
21…液体クロマトグラフ
22…送液ポンプ
23…ニードル
24…シリンジポンプ
26…分離カラム
27…検出器
29…溶離液
84…ピッチ円(第2円)
85…ピッチ円(第1円)
111~116…ステータ流路
121~126,722,725…ロータシール流路(第1ロータ流路)
131~133,732,735…ロータシール流路(第2ロータ流路)
514…ロータシール
601…側溝
602…底面溝

Claims (10)

  1. ステータと、前記ステータに接触しながら回転するロータシールと、前記ロータシールを回転させるロータとを備える、流路切替バルブであって、
    前記ステータには、複数のステータ流路が貫通孔によって形成され、
    前記ロータシールは、摺動面を介して前記ステータに接触する第1部材と、前記第1部材に接触する第2部材とを備え、
    前記第1部材には第1ロータ流路が形成され、前記第2部材には第2ロータ流路が形成され、
    前記第1ロータ流路の前記摺動面における断面積は、前記第2ロータ流路の前記摺動面と平行な面における断面積よりも小さい、
    流路切替バルブ。
  2. 請求項1に記載の流路切替バルブであって、前記第1部材と前記第2部材の材質が異なる、流路切替バルブ。
  3. 請求項1に記載の流路切替バルブであって、前記第1部材と前記第2部材とは一体化されている、流路切替バルブ。
  4. 請求項1に記載の流路切替バルブであって、
    前記第1ロータ流路は貫通孔によって形成され、
    前記第2ロータ流路は、前記第1部材の面と、前記第2部材に形成された溝とによって構成される、
    流路切替バルブ。
  5. 請求項1に記載の流路切替バルブであって、前記第1部材には複数の前記第1ロータ流路が形成され、前記第2部材には複数の前記第2ロータ流路が形成される、流路切替バルブ。
  6. 請求項5に記載の流路切替バルブであって、
    複数の前記第1ロータ流路それぞれは、前記摺動面側の第1端と、前記摺動面と反対側の第2端とを備え、
    前記第1端は第1円上に形成され、前記第2端は第2円上に形成され、前記第1円の直径は、前記第2円の直径より大きい、
    流路切替バルブ。
  7. 請求項5に記載の流路切替バルブであって、いずれの前記第1ロータ流路の前記摺動面における前記断面積も、いずれの前記第2ロータ流路の前記摺動面と平行な面における前記断面積よりも小さい、流路切替バルブ。
  8. 請求項5に記載の流路切替バルブであって、各前記第1ロータ流路は、回転に応じてそれぞれ異なる前記ステータ流路に接続される、流路切替バルブ。
  9. 請求項5に記載の流路切替バルブであって、各前記第2ロータ流路は2つの前記第1ロータ流路を接続する、流路切替バルブ。
  10. 請求項1に記載の流路切替バルブと、送液ポンプと、ニードルと、シリンジポンプと、分離カラムと、検出器とを備える、液体クロマトグラフ。
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