JP2022093890A - 電線異常検出装置、電線異常検出方法、および、電線異常検出自走ロボット - Google Patents

電線異常検出装置、電線異常検出方法、および、電線異常検出自走ロボット Download PDF

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Sakae Taniguchi
隆久 小野
Takahisa Ono
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Abstract

【課題】電線の異常を容易かつ効率的に検出できるようにする。【解決手段】電線から所定の距離離れた位置であり、前記電線に対して所定の角度で配置される、前記電線までの距離を測定可能な測定器と、前記測定器からの測定結果に基づいて前記電線の形状変化による異常の有無を検出する異常検出部とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、電線異常検出装置、電線異常検出方法、および、電線異常検出自走ロボットに関し、例えば、架空送電線の異常を検出する電線異常検出装置、電線異常検出方法、および、電線異常検出自走ロボットに関する。
従来、架空送電線(以下、これを単に「電線」ともいう。)は、数十~数百メートル離れた鉄塔間に架空され、一旦架空されると長年厳しい日照や風雨に晒され続けることになる。このような環境下、架空送電線は、落雷、腐食、飛来物、電気的作用などによる異常がまれに発生するため、架空送電線の点検が定期的に行われている。
電線の点検方法としては、作業員が実際に電線に乗り出して撮影する方法、ヘリコプターからカメラにより電線を撮影する方法やドローンからカメラにより電線を撮影する方法、地上からの高倍率望遠鏡を使用して撮影する方法など様々な方法があるが、いずれも画像処理による異常判断である。
このような画像処理による電線の異常検出方法(例えば、特許文献1乃至6を参照。)としては、これまでも数多く提案されている。これは、従来から目視による点検が実施されてきたことや、他の点検方法が無かったことに起因している。
特開2012-21929号公報 特開2006-141952号公報 特開2007-298440号公報 特開2007-041730号公報 特開2007-24803号公報 特開2005-57956号公報
しかしながら、作業員が電線に乗り出して撮影する方法は危険が伴うと共に非効率であり、また作業員の高齢化が進み人材確保が困難になりつつある。また、ヘリコプターやドローンからカメラにより撮影する方法は、市街地において実施することが困難であり、また場所が限定され、撮影した画像から異常を発見するのに目視確認する人海戦術では非効率であり、時間を要する煩雑な画像処理が必要であった。
さらに、ロボットを活用した点検の効率化を図る開発が進められているが、あくまで異常の検出に対してカメラにより撮影した後に、画像処理を必要とする。電線の異常個所は稀であり、大量の画像処理を行っても、その大部分は異常がない場合が多く、電線の異常の検出には効率化が求められている。
本発明は上記問題に鑑みなされたものであって、電線の異常を容易かつ効率的に検出し得る電線異常検出装置、電線異常検出方法、および、電線異常検出自走ロボットを実現することを目的とする。
本発明の電線異常検出装置においては、電線から所定の距離離れた位置であり、前記電線に対して所定の角度で配置される、前記電線までの距離を測定可能な測定器と、前記測定器からの測定結果に基づいて前記電線の形状変化による異常の有無を検出する異常検出部とを備える。
電線異常検出装置において、前記測定器は、超音波センサであることが好ましい。
電線異常検出装置において、前記測定器は、前記電線からの距離が7cm以上10cm以下であることが好ましい。
電線異常検出装置において、前記測定器は、前記電線の周囲に90度間隔で4個配置されることが好ましい。
本発明の電線異常検出方法においては、電線から所定の距離離れた位置であり、前記電線に対して所定の角度で配置される測定器により前記電線までの距離を測定する測定ステップと、前記測定ステップによる測定結果に基づいて異常検出部により前記電線の形状変化による異常の有無を検出する異常検出ステップとを備える。
本発明の電線異常検出自走ロボットは、電線に沿って自走可能な自走ロボットと、前記電線から所定の距離離れた位置であり、前記電線に対して所定の角度で前記自走ロボットに装着される、前記電線までの距離を測定可能な測定器とを備える。
電線異常検出自走ロボットは、前記測定器からの測定結果を受け取り、前記測定結果に基づいて前記電線の形状変化による異常の有無を検出する異常検出部と、を備えることが好ましい。
本発明によれば、電線の異常を効率的に検出し得る電線異常検出装置、電線異常検出方法、および、電線異常検出自走ロボットを実現することができる。
本実施の形態に係る電線異常検出装置を搭載した電線異常検出自走ロボットの全体構成を示す図である。 本実施の形態に係る電線異常検出装置の機能ブロック構成を示す図である。 本実施の形態に係る電線異常検出装置の検出対象となる異常を有する電線のサンプルの外観を示す図である。 本実施の形態に係る電線異常検出装置による素線切れの測定結果を表す出力波形図である。 本実施の形態に係る電線異常検出装置による腐食の測定結果を表す出力波形図である。 本実施の形態に係る電線異常検出装置による溶痕aの測定結果を表す出力波形図である。 本実施の形態に係る電線異常検出装置による溶痕bの測定結果を表す出力波形図である。 本実施の形態に係る電線異常検出装置による錆の測定結果を表す出力波形図である。 本実施の形態に係る電ら線異常検出装置によるわらいの測定結果を表す出力波形図である。 本実施の形態に係る電線異常検出装置による傷の測定結果を表す出力波形図である。 本実施の形態に係る電線異常検出装置による腐食した電線の測定結果を表す出力波形図である。 本実施の形態に係る電線異常検出装置による異常を有する電線の測定結果をまとめた一覧表である。 本実施の形態に係る電線異常検出装置の超音波距離センサおよび電線間の測定距離と異常検出率を表すグラフである。 本実施の形態に係る電線の傷の角度と電線異常検出装置による異常検出率の関係を表す図である。 本実施の形態に係る電線の傷の角度と異常検出率の関係を表す図およびグラフである。 本実施の形態に係る電線異常検出装置による異常検出処理手順を示すフローチャートである。
〔1〕本発明における実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
[1] 代表的な実施の形態に係る電線異常検出装置(50)においては、電線(EC)から所定の距離離れた位置であり、電線(EC)に対して所定の角度で配置される、電線(EC)までの距離を測定可能な測定器(40)と、測定器(40)からの測定結果に基づいて電線(EC)の形状変化による異常の有無を検出する異常検出部(34)と、を備える。
[2] 上記[1]において、測定器(40)は、超音波センサ(40)であることが好ましい。
[3] 上記[1]において、前記測定器(40)は、電線(EC)からの距離が7cm以上10cm以下であることが好ましい。
[4] 上記[1]において、測定器(40)は、電線(EC)の周囲に90度間隔で4個配置されることが好ましい。
[5] 代表的な実施の形態に係る電線異常検出方法においては、電線(EC)から所定の距離離れた位置であり、電線(EC)に対して所定の角度で配置される測定器(40)により電線(EC)までの距離を測定する測定ステップと、測定ステップによる測定結果に基づいて異常検出部(34)により電線(EC)の形状変化による異常の有無を検出する異常検出ステップと、を備える。
[6] 代表的な実施の形態に係る電線異常検出自走ロボット(10)は、電線(EC)に沿って自走可能な自走ロボット(20)と、電線(EC)から所定の距離離れた位置であり、電線(EC)に対して所定の角度で自走ロボット(20)に装着される、電線(EC)までの距離を測定可能な測定器(40)とを備える。
[7] 電線異常検出自走ロボット(10)は、測定器(40)からの測定結果を受け取り、測定結果に基づいて電線(EC)の形状変化による異常の有無を検出する異常検出部(34)と、を備えることが好ましい。
〔2〕実施の形態の具体例
以下、本実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、本実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の配置、データの形式、通信方法などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。
図1は、本実施の形態に係る電線異常検出装置を搭載した電線異常検出自走ロボット10の全体構成を示す図である。同図に示される電線異常検出自走ロボット10は、電線ECの上を自走するものであり、自走ロボット20および超音波距離センサ40を備えている。
自走ロボット20は、フレーム本体部21、2つのホイール24、バッテリ30、制御ユニット31および受令機32を有している。フレーム本体部21は、そのフレーム本体部21の両側端部から上方に延びた2本のアーム21aを有している。また、フレーム本体部21は、アーム21aの先端に対して、電線ECに沿って延びる支柱部22が一体に取り付けられている。
支柱部22の両側端部には、電線ECに沿って直列に並べられた2個のホイール24が取り付けられ、フレーム本体部21に内蔵された図示しないモータにより回転可能に軸支されている。ホイール24は、2枚の円盤が重ね合わされた形状であり、2枚の円盤の間に電線ECが係合される。
フレーム本体部21は、その内部にバッテリ30および制御ユニット31を有している。バッテリ30は、モータや制御ユニット31、受令機32および後述する超音波距離センサ40へ電力を供給する電力源である。
制御ユニット31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等を有するコンピュータ構成からなり、電線異常検出自走ロボット10を統括的に制御する。ROMには、基本プログラム、電線異常検出自走ロボット10の各種処理を実行させるアプリケーションプログラム等が予めインストールされている。CPUは、これらの基本プログラムおよびアプリケーションプログラムを起動し、RAM上で展開することにより、各種処理を実行する。
受令機32は、遠隔地に存在する作業者の持つリモートコントローラ(図示せず)と赤外線通信方式または高周波の電磁波を利用したRF(Radio frequency)方式により当該リモートコントローラからの命令を受信し、これを制御ユニット31へ出力する機能部である。
超音波距離センサ40は、定期的に高周波のパルスを電線ELの表面に向けて発信し、当該電線ELに衝突して反射された反射波を受信し、超音波の発信から受信までの時間に基づいて超音波距離センサ40と電線ELとの間の距離を測定する測定器である。この場合、超音波距離センサ40は、支柱部22の中央の下側であって、電線ECと一定の距離だけ離れた位置に当該電線ECと正対するように取り付けられている。超音波距離センサ40と電線ECとの間の距離については後述する。
ここで、超音波距離センサとしては、例えば、SainSmart社のUS-015を用いることができる。この超音波距離センサ40は、測定距離範囲:2~400cm、分解能:1mm、電源電圧:DC5.0V、動作電流:2.2mA、動作温度範囲0~70℃、基板サイズ:45×20mmである。ただし、これに限るものではなく、例えば、Max Bortix社のMB1013を用いることもできる。この場合の仕様は、電源:2.5V~5.5V (約3mA)、計測間隔:10Hz(50ms)、計測単位:ミリメートル、計測可能距離:300mm~5m、超音波出力周波数:42kHz、サイズ:19.9mm×22.1mmである。
制御ユニット31は、リモートコントローラを介して作業員からの命令(前進、後退、指定速度等の各種命令)を無線方式により受令機32が受け取ると、その命令にしたがってホイール24を所定の速度で回転駆動させることにより、電線異常検出自走ロボット10を電線EC上で移動させる。
また、制御ユニット31は、超音波距離センサ40から電線ECまでの距離を測定する際に、リモートコントローラを介して受け取った命令にしたがって、当該超音波距離センサ40から20kHzよりも高い高周波のパルス(以下、これを「超音波」ともいう。)の発信を制御する。
図2は、本実施の形態に係る電線異常検出装置50の機能ブロック構成を示す図である。図2に示すように、電線異常検出装置50は、制御ユニット31、バッテリ30、受令機32、および、超音波距離センサ40によって構築される。但し、電線異常検出装置50としては、電源の供給を外部から受けることができれば、制御ユニット31、受令機32および超音波距離センサ40を最小限有していればよい。
制御ユニット31は、バッテリ30、受令機32、および、超音波距離センサ40と接続されている。制御ユニット31は、バッテリ30から供給される電力により動作し、図示しない制御部が受令機32からの命令にしたがってホイール24を回転駆動させる。制御ユニット31は、制御部の他に受信部33、異常検出部34および送信部35を有している。
制御ユニット31の異常検出部34は、電線ECの表面の形状変化による異常の有無を検出する機能部である。異常検出部34は、受令機32を介して受け取った命令にしたがい、超音波距離センサ40から超音波を電線ECへ向かって発信させる。
超音波距離センサ40は、超音波を電線ECへ向かって発信した後、その電線ECからの反射波を受信し、これを受信部33へ出力する。受信部33は、超音波距離センサ40が受信した反射波を受け取り、これを異常検出部34へ出力する。異常検出部34は、その反射波の信号レベルに基づいて電線ECの表面の形状変化による異常の有無を検出する。異常検出部34は、電線ECの表面に生じた各種の異常の有無を検出すると、その検出結果を内部メモリに記憶するとともに、送信部35から作業者の有するコンピュータへその検出結果を送信する。
図3は、本実施の形態に係る電線異常検出装置50の検出対象となる異常を有する電線のサンプルの外観を示す図である。本実施の形態において、電線異常検出装置50の異常検出部34は、例えば図3(A)乃至(H)に示すように、電線ECの表面に生じた「(A)素線切れ(素線の切断)」、「(B)腐食(白色ペイント)」、「(C)溶痕a(黒色ペイント)」、「(D)溶痕b(粘土付着)」、「(E)錆(赤色ペイント)」、「(F)わらい(緩み)」、「(G)傷」、「(H)実電線の腐食」について異常検出のシミュレートを行った。
ここで、「(A)素線切れ(素線の切断)」については、実際に素線を切断した電線を被検出対象として用いた。「(B)腐食(白色ペイント)」については、実際に腐食した電線ではなく、表面に白色ペイントを付した電線を被検出対象として用いた。「(C)溶痕a(黒色ペイント)」については、実際に溶痕のある電線ではなく、表面に黒色ペイントを付した電線を被検出対象として用いた。「(D)溶痕b(ねんど付着)」については、実際に溶痕のある電線ではなく、表面に粘土を付した電線を被検出対象として用いた。
「(E)錆(赤色ペイント)」については、実際に錆のある電線ではなく、表面に赤色ペイントを付した電線を被検出対象として用いた。「(F)わらい(緩み)」については、素線に緩みが生じた電線を被検出対象として用いた。「(G)傷」については、実際に素線に傷をつけた電線を被検出対象として用いた。「(H)実電線の腐食」については、実際に腐食のある電線を被検出対象として用いた。
図4は、本実施の形態に係る電線異常検出装置50の異常検出部34および超音波距離センサ40による素線切れの測定結果を表す出力波形図である。ここでは、電線:AC70架空地線、測定器速度(すなわち超音波距離センサ40の移動速度):4.5m/min、測定距離(電線ECと超音波距離センサ40との距離):12cmとした。異常検出部34は、「(A)素線切れ(素線の切断)」の場合、素線の切断された部分を含む13.5cmの測定範囲において、素線の切断された箇所の約5cmに渡って超音波距離センサ40による測定距離が大きく乱れた異常値を出力した。更に、その後の表面に白い傷のある部分においても異常値を出力した。このように、異常検出部34は、素線切れのない部分と素線切れのある部分とでは測定距離が10cm程度から25cm程度にまで跳ね上がっており、明らかな異常値を出力しているので、素線切れについては異常検出可能であると推定できる。
図5は、本実施の形態に係る電線異常検出装置50の異常検出部34および超音波距離センサ40による腐食の測定結果を表す出力波形図である。ここでは、電線:AC70架空地線、測定器速度(すなわち超音波距離センサ40の移動速度):2.6m/min、測定距離(電線ECと超音波距離センサ40との距離):12cmとした。異常検出部34は、「(B)腐食(白色ペイント)」の場合、白色ペイントされた部分(腐食に相当するであろう部分)を含む13cmの測定範囲において、測定距離が約12cmのまま異常値を出力することなく終始安定していた。また、異常検出部34は、この測定を数回繰り返した場合に一部異常値を出力した。したがって異常検出部34は、このような測定結果に基づいて、電線の形状に変化がない場合、すなわち表面が白色ペイントされていただけの場合には異常検出不可能であると推定できる。言い換えれば、異常検出部34では、腐食により電線の形状に変化が生じている場合には、異常検出可能であると推定できる。
図6は、本実施の形態に係る異常検出部34は、異常検出装置50の異常検出部34および超音波距離センサ40による溶痕aの測定結果を表す出力波形図である。ここでは、電線:AC70架空地線、測定器速度(すなわち超音波距離センサ40の移動速度):2.6m/min、測定距離(電線ECと超音波距離センサ40との距離):12cmとした。異常検出部34は、「(C)溶痕a(黒色ペイント)」については、黒色ペイントが付された3cmの部分を含む11cmの測定範囲において、測定距離が約12cmのまま異常値を出力することなく終始安定していた。したがって異常検出部34は、このような測定結果に基づいて、電線の形状に変化がない場合、すなわち表面が黒色ペイントされていただけの場合には異常検出不可能であると推定できる。
図7は、本実施の形態に係る電線異常検出装置50の異常検出部34および超音波距離センサ40による溶痕bの測定結果を表す出力波形図である。ここでは、電線:AC70架空地線、測定器速度(すなわち超音波距離センサ40の移動速度):4.5m/min、測定距離(電線ECと超音波距離センサ40との距離):10cmとした。異常検出部34は、「(D)溶痕b(ねんど付着)」の場合、粘土の付着された部分を含む10cmの測定範囲において、粘土の付着された2cmの範囲に渡って超音波距離センサ40による測定距離が大きく乱れた異常値を出力した。したがって、異常検出部34は、粘土の付着されていない部分と粘土の付着された部分とでは測定距離が10cm程度から25cm程度にまで跳ね上がっており、明らかな異常値を出力しているので、溶痕bについては異常検出可能であると推定できる。
図8は、本実施の形態に係る電線異常検出装置50の異常検出部34および超音波距離センサ40による錆の測定結果を表す出力波形図である。ここでは、電線:AC70架空地線、測定器速度(すなわち超音波距離センサ40の移動速度):2.6m/min、測定距離(電線ECと超音波距離センサ40との距離):12cmとした。異常検出部34は、「(E)錆(赤色ペイント)」の場合、赤色ペイントの付された部分を含む13cmの測定範囲において、赤色ペイントの付された5cmの範囲に渡って超音波距離センサ40による測定距離が大きく乱れた異常値を出力した。したがって、異常検出部34は、赤色ペイントの付されていない部分と赤色ペイントの付された部分とでは測定距離が12cm程度から25cm程度にまで跳ね上がっており、明らかな異常値を出力しているので、錆については異常検出可能であると推定できる。
図9は、本実施の形態に係る電線異常検出装置50の異常検出部34および超音波距離センサ40によるわらいの測定結果を表す出力波形図である。ここでは、電線:OPGW60架空地線、測定器速度(すなわち超音波距離センサ40の移動速度):4.5m/min、測定距離(電線ECと超音波距離センサ40との距離):10cmとした。異常検出部34は、「(F)わらい(緩み)」の場合、12.5cmの測定範囲のうち、最も左側の測定範囲0.5cmの部分は「わらい」無しであり、それ以降の右側の測定範囲12cmの部分は「わらい」有りであるが、「わらい」有りの部分で測定距離が大きく乱れた異常値を出力した。したがって、異常検出部34は、「わらい」無しと「わらい」有りの部分とでは測定距離が10cm程度から25cm程度にまで跳ね上がっており、明らかな異常値を出力しているので、「わらい」については異常検出可能であると推定できる。ただし、「わらい」有りの部分であるにも拘わらず異常値を出力していない部分があり、また、正常な「わらい」無しの部分が非常に短いため、新たなサンプルによる再測定の必要性も検討すべきである。
図10は、本実施の形態に係る電線異常検出装置50の異常検出部34および超音波距離センサ40による傷の測定結果を表す出力波形図である。ここでは、電線:OPGW60架空地線、測定器速度(すなわち超音波距離センサ40の移動速度):4.5m/min、測定距離(電線ECと超音波距離センサ40との距離):10cmとした。異常検出部34は、「(E)傷」の場合、素線に切り込みが入れられた箇所を含む前後8.45cmの測定範囲において、素線に切り込みが入れられた0.45cmの範囲に渡って超音波距離センサ40による測定距離が大きく乱れた異常値を出力した。したがって、異常検出部34は、素線に切り込みが入れられた部分とそれ以外の部分とでは測定距離が10cm程度から25cm程度にまで跳ね上がっており、明らかな異常値を出力しているので、傷については異常検出可能であると推定できる。
図11は、本実施の形態に係る電線異常検出装置50の異常検出部34および超音波距離センサ40による腐食した電線の測定結果を表す出力波形図である。ここでは、電線:AC架空地線、測定距離(電線ECと超音波距離センサ40との距離):10cmとした。異常検出部34は、「(H)実電線の腐食」の場合、腐食した部分を含む23cmの測定範囲において、正常な電線の部分である最初の4cmの部分以降のガムテープにより補修された8cmの部分、および、それ以降の腐食した11cmの部分において超音波距離センサ40による測定距離が大きく乱れた異常値を出力した。したがって、異常検出部34は、腐食した部分とそれ以外の部分とでは測定距離が10cm程度から25cm程度にまで跳ね上がっており、明らかな異常値を出力しているので、腐食については異常検出可能であると推定できる。
図12は、本実施の形態に係る電線異常検出装置50による異常を有する電線の測定結果をまとめた一覧表である。すなわち、電線異常検出装置50の異常検出部34は、図12に示すように、「(A)素線切れ(素線の切断)」、「(D)溶痕b(粘土付着)」、「(E)錆(赤色ペイント)」、「(F)わらい(緩み)」、「(G)傷」、「(H)実電線の腐食」については、電線ECの異常検出可能であるが、「(C)溶痕a(黒色ペイント)」については電線ECの表面に形状の変化がないため異常検出不可能であり、「(B)腐食(白色ペイント)」については、腐食により電線ECの表面に形状の変化が生じている場合には、異常検出可能である。
実際に、上述したように異常検出部34は、電線ECまでの距離を超音波距離センサ40で測定した結果、8事例中6事例の異常値を検出した。ここで、異常値を検出できなかった電線ECは、ペイントで異常を模擬した電線ECであり、電線ECの表面に形状の変化が生じていない場合であるため、特に問題は生じないと考えられる。電線ECの表面の形状が変化しているものについては、超音波距離センサ40から発信される超音波が電線ECの表面に生じた形状の変化によって乱反射し、異常値を出力したと推定することができる。
このように、異常検出部34では、測定距離が10cmまたは12cmに設定しているにも拘わらず、6事例においては電線ECの異常個所において25cmという異常値を出力する。したがって、異常検出部34は、この性質を利用して電線ECの表面に形状の変化が生じている場合には異常を判定することができるといえる。
次に、電線異常検出自走ロボット10に取り付けられた超音波距離センサ40と、電線ECとの間の測定距離が異常検出部34による異常検出の結果にどのように影響するかを調べた。図13は、本実施の形態に係る電線異常検出装置50の超音波距離センサ40および電線EC間の測定距離と異常検出率(エラー率)との関係を表すグラフである。
実際上、発明者らは、超音波距離センサ40と電線ECとの間の測定距離が6cm、7cm、8cm、9cm、10cm、11cm、25cm、50cm、75cm、1m、2m、3m、4mとした場合の異常の検出割合(異常検出率)を調べた。
その結果、測定距離が6cmの場合に異常検出率0パーセント、7cmの場合に異常検出率50パーセント、8cmの場合に異常検出率100パーセント、9cmおよび10cmの場合に異常検出率50パーセント、11cm以上の測定距離では全て異常検出率0パーセントであった。なお、測定距離が3m、4mの場合、電線ECが細く、超音波距離センサ40が電線ECの存在を認識しないため測定不可であった。
したがって、電線異常検出自走ロボット10においては、超音波距離センサ40と電線ECとの間の測定距離を7cm以上10cm以下に設定することが好ましく、さらに望ましくは測定距離を8cmに設定することが最適であることを判明した。但し、この測定距離は、超音波距離センサ40として上述したSainSmart社のUS-015を用いた場合の結果であり、これ以外の他社の超音波距離センサ40を用いた場合には、他の測定距離を設定すべきとなろう。
さらに、発明者は、超音波距離センサ40と電線ECの傷とが向かい合う場合の傷の角度と異常検出率の関係を調べた。図14(A)乃至(C)は、電線ECの傷X1、X2の角度と電線異常検出装置50による異常検出率の関係を表す図である。
ここで、図14(A)乃至(C)に示すように超音波距離センサ40と電線ECとが互いに正対するように配置された状態において、電線ECの表面に2つの傷X1および傷X2が互いに90度(直角)の角度をもって存在する場合(図14(A))、傷X1および傷X2が60度の角度をもって存在する場合(図14(B))、傷X1および傷X2が120度の角度をもって存在する場合(図14(C))について、異常検出率を調べた。
この場合、傷X1および傷X2の為す角度が互いに60度~90度であれば、超音波距離センサ40から傷X1、X2までの距離を測定し易いが、傷X1および傷X2の為す角度が90度を超えて例えば120度になると超音波距離センサ40から傷X1、X2までの距離を測定し難くなる。図示しないが、傷X1および傷X2の為す角度が180度を超えると超音波距離センサ40から見えない状態となり、距離の測定はできなくなる。
図15は、本実施の形態に係る電線の傷の角度と異常検出率の関係を表す図およびグラフである。ここでは、電線ECの表面の傷X1、X2が大きなサンプルa、b、cを用いた。この場合、電線ECの表面の傷X1、X2の度合いは、サンプルa>サンプルb>サンプルcの順で大きいものとする。図15のグラフから明らかなように、電線ECの表面の傷X1、X2が60度の場合と、90度の場合とでは異常検出率の変化は小さく、電線ECまでの距離の測定において異常検出率に大きな影響はないといえる。ここで、相対角度が90度の場合、サンプルcよりもサンプルbの異常検出率が高くなっているが、これは、サンプルbとサンプルcとでは損傷(傷)X1、X2の形状が完全に同じではないことや、測定誤差が理由として考えられる。
一方、電線ECの表面の傷X1、X2が120度の場合、相対角度が60度や90度の場合と比べて異常検出率が大きく低下しており、サンプルbの傷(損傷)X1、X2の大きさであっても異常検出率は65パーセントであり、異常検出率に不安が残る結果となっている。また、電線ECの表面の傷X1、X2が90度を超えるに連れて異常検出率が大きく低下する傾向がある。
したがって、電線ECに対して1個の超音波距離センサ40を取り付ける際、超音波距離センサ40からみて傷X1、X2が約60度前後から90度以下となるように配置することが理想的である。したがって、電線ECの全周囲の異常を検出するには最低でも4個の超音波距離センサ40が必要となる。
以上の構成における電線異常検出自走ロボット10において、電線ECの異常を検出する処理手順について次に説明する。図16は、本実施の形態に係る電線異常検出装置50による異常検出処理手順を示すフローチャートである。電線異常検出装置50では、ステップSP1において、電線ECに対して最適な測定距離(この実施の形態では8cm)および最適な相対角度となるように超音波距離センサ40を自走ロボット20の支柱部22に取り付けることにより設定する。本実施の形態では、電線ECに対して1個の超音波距離センサ40を設定するため、電線ECの全周にわたって異常を検出するには、相対角度を変えて4回測定してもよい。
ステップSP2において、電線異常検出装置50は、自走ロボット20を所定の速度で電線EC上を走行させながら、異常検出部34により超音波距離センサ40から電線ECの表面に向かって超音波を発信させながら電線ECまでの距離を測定し、次のステップSP3へ移る。
ステップSP3において、電線異常検出装置50の異常検出部34は、超音波距離センサ40が受信した電線ECからの反射波を受信部33から受け取ると、超音波の発信から受信までの時間に基づいて電線ECまでの距離を算出し、その測定結果が所定の閾値を超えたか否かを判定する。ここで、超音波距離センサ40と電線ECとの距離は8cmに設定されているため、測定結果が例えば約2倍ほどとなる15cmの閾値を超える場合に異常と判断する。因みに、この閾値は任意に設定可能であり、測定環境や測定条件に応じて変更することができる。
このステップSP3において否定結果が得られると(ステップSP3:NO)、測定結果が閾値を超えていないこと、すなわち異常検出部34は異常値を検出していないことを表しており、このときステップSP2に戻って測定を継続する。これに対して、ステップSP3において肯定結果が得られると、異常検出部34は次のステップSP4に移り、そのときの測定結果は異常であると判断し、次のステップSP5へ移る。
ステップSP5において異常検出部34は、電線ECの測定範囲を全て測定し終えたか否かを判定し、予め設定した測定範囲まで自走ロボット20が走行し終えていない場合、測定が終了していないので、ステップSP2に戻って測定を継続する。一方、測定範囲を全て測定し終わった場合には処理を終了する。
この場合、異常検出部34は、自走ロボットの走行速度を認識しており、測定開始位置からの距離を把握することができるので、電線ECのどの位置に異常が存在するかを正確に検出することができる。
以上の本実施の形態によれば、電線異常検出装置50は、自走ロボット20が電線EC上を走行している間に、超音波距離センサ40により電線ECまでの距離を測定することにより、その測定結果として異常値を出力した電線ECの位置に異常が存在することを容易かつ効率的に判別することができる。したがって、作業者はその電線ECの位置の異常をその後に詳細に調査すればよい。このように電線異常検出自走ロボット10の電線異常検出装置50は、電線の異常を容易かつ効率的に検出することができる。
〔3〕他の実施の形態
以上の本実施の形態においては、超音波距離センサ40としてSainSmart社のUS-015を用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限定されず、超音波距離センサの代わりに電線ECまでの距離を測定可能であれば赤外線を利用したラインセンサー等その他種々の測定器を用いるようにしてもよい。
さらに、電線異常検出装置50上述のフローチャートは、電線ECの異常を検出する処理の流れを説明するための一例を示すものであって、これに限定されない。すなわち、電線異常検出装置50によるフローチャートの各ステップは具体例であって、このフローに限定されるものではない。例えば、一部のステップの順番が変更されてもよいし、各ステップの処理間に他の処理が挿入されてもよいし、場合によっては一部のステップの処理が並列に行われてもよい。
10……電線異常検出自走ロボット、20……自走ロボット、21……フレーム本体部、21a……アーム、22……支柱部、24……ホイール、30……バッテリ、31……制御ユニット、32……受令機、33……受信部、34……異常検出部、35……送信部、40……超音波距離センサ、50……電線異常検出装置、EC……電線。

Claims (7)

  1. 電線から所定の距離離れた位置であり、前記電線に対して所定の角度で配置される、前記電線までの距離を測定可能な測定器と、
    前記測定器からの測定結果に基づいて前記電線の形状変化による異常の有無を検出する異常検出部と
    を備える電線異常検出装置。
  2. 請求項1に記載の電線異常検出装置において、
    前記測定器は、超音波センサである
    電線異常検出装置。
  3. 請求項1に記載の電線異常検出装置において、
    前記測定器は、前記電線からの距離が7cm以上10cm以下である
    電線異常検出装置。
  4. 請求項1に記載の電線異常検出装置において、
    前記測定器は、前記電線の周囲に90度間隔で4個配置される
    電線異常検出装置。
  5. 電線から所定の距離離れた位置であり、前記電線に対して所定の角度で配置される測定器により前記電線までの距離を測定する測定ステップと、
    前記測定ステップによる測定結果に基づいて異常検出部により前記電線の形状変化による異常の有無を検出する異常検出ステップと
    を備える電線異常検出方法。
  6. 電線に沿って自走可能な自走ロボットと、
    前記電線から所定の距離離れた位置であり、前記電線に対して所定の角度で前記自走ロボットに装着される、前記電線までの距離を測定可能な測定器と
    を備える電線異常検出自走ロボット。
  7. 請求項6に記載の電線異常検出自走ロボットにおいて、
    前記測定器からの測定結果を受け取り、前記測定結果に基づいて前記電線の形状変化による異常の有無を検出する異常検出部と
    を備える電線異常検出自走ロボット。
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