JP2022093807A - 手足等型取り方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より容易かつ確実に型取りを実現することが可能な手足等型取り方法を提案することを目的とする。【解決手段】型枠内で所定厚を有する板状に維持された軽量ねんどに、人又はペットの手或いは足を押し付けて雌型を取得する工程と、軽量ねんどをその特性を維持した状態で、移送または保管可能に、所望期間だけ密封パック内で保持する工程と、密封パックから取り出した雌型を有する軽量ねんどの表面に、ワックスを塗布する工程と、雌型の周囲に、雌型を内包するように円筒状にした透明フィルムを、軽量ねんどの表面から立設させる工程と、透明フィルムの中に石膏を流し込んで乾燥させる工程と、透明フィルムを取り外して、軽量ねんどと石膏とを引き離す工程と、石膏に残留する軽量ねんどの残渣をブラシで除去する工程と、を有する手足等型取り方法とする。【選択図】図1
Description
本発明は、手足等型取り方法に関する。
従来、雄型の手形や足型等種々の、いわゆるスタンプのような、“型”の作製は、手間暇を要するものであり適切な材料も見つからないから作成困難であって、より容易に作製可能とするような改善の余地が指摘されている。
例えば、特許文献1には、子供の手形或いは足形又はペットの手形或いは足形等を、従来不可能とされていた実物と同様の粘土製雄型に形成することを、雄型用専門の粘土を用いて手工芸用として容易に作製することが開示されている。具体的には、“従来雄型用粘土を用いて雄型の手形或いは足形を作製するための大きな問題であった、細密充填性、雄型粘土の伸展性、手への付着性、雌型との付着の問題、雌型との完全剥離性、雄型の手形或いは足形としての軽量性及び保形性、雄型の手形或いは足形の表面外観が美麗で気泡等の無い平滑性及び着色性等の問題を解決する”ことを目的として、“雌型用可塑性材料を板状にしてこの上に、人又はペットの手或いは足を押し付けて雌型を取り自然乾燥又は強制乾燥させ、この雌型に構成組成物としてガラスマイクロバルーン或いは/又はプラスチックマイクロバルーンの一種又は二種含有する雄型用専門の粘土を細密充填して、手形或いは足形を作製し脱型した後自然乾燥又は強制乾燥して手形或いは足形を作製する”ことが記載されている。
また、下記特許文献2においても、雌型用粘土として、ポリ塩化ビニルの含有量が20重量%以下のオーブン粘土を板状にしてこの上に、人又はペットの手或いは足を押し付けて雌型を取りオーブンで焼成乾燥させ、この雌型に構成組成物としてガラスマイクロバルーン或いは/又はプラスチックマイクロバルーンの一種又は二種含有する粘土、又はポリ塩化ビニルの含有量が20重量%以下のオーブン粘土を細密充填して、手形或いは足形を作製し脱型した後自然乾燥又は焼成乾燥して手形或いは足形を作製することが開示されている。
しかし、雌型用可塑性材料と言っても非常に幅が広い素材が知られており、いわゆる油粘土のような素材材料であると、押圧した手や足等の型を取得するには硬すぎて、うまく型取りすることができず現実の使用に耐えられるものではない。また、足型等を取得した後のねんどに、例えば石膏を流し込むと、通常は石膏とねんどとが密着してしまい、乾燥後に両者を引き剥がすことが極めて困難となる。無理に引き剥がそうとすれば、求めるべき雄型スタンプとなる石膏共々、破損したり損傷したりすることとなる懸念が大きくなる。
本発明は、上述の問題点に鑑み為されたものであり、より容易かつ確実に型取りを実現することが可能な手足等型取り方法を提案することを目的とする。
本発明の手足等型取り方法は、型枠内で所定厚を有する板状に維持された軽量ねんどに、人又はペットの手或いは足を押し付けて雌型を取得する工程と、軽量ねんどをその特性を維持した状態で、移送または保管可能に、所望期間だけ密封パック内で保持する工程と、密封パックから取り出した雌型を有する軽量ねんどの表面に、ワックスを塗布する工程と、雌型の周囲に、雌型を内包するように円筒状にした透明フィルムを、軽量ねんどの表面から立設させる工程と、透明フィルムの中に石膏を流し込んで乾燥させる工程と、透明フィルムを取り外して、軽量ねんどと石膏とを引き離す工程と、石膏に残留する軽量ねんどの残渣をブラシで除去する工程と、を有する。
また、本発明の手足等型取り方法は、好ましくは軽量ねんどが、土と油を含まずに、アクリル樹脂中空体とパルプ繊維と合成樹脂と水と防腐防カビ剤とを含むことを特徴とする。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは密封パック内で保持する工程は、軽量ねんどの雌型を有する表面を、カバーで被覆した状態で、密封パック内で保持する工程であることを特徴とする。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは透明フィルムの中に流し込む石膏は、原材料の石膏乾燥粉末と水を重量比で2:1.5~1.7として5乃至10分間混ぜて溶いた後、とろみが生じるまで5~15分放置した石膏であることを特徴とする。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくはワックスを塗布する工程が、ワックスを一回塗りの後、5分~15分間放置してワックスを乾燥させた状態にする工程であることを特徴とする。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは残渣を除去する工程において、ブラシは歯ブラシであることを特徴とする。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは型枠内で所定厚を有する板状に維持された軽量ねんどにおいて、型枠は、軽量ねんどの厚さに対応する高さの周囲壁を有するトレイであることを特徴とする。この場合の所定厚は1cm~2.5cmとし、周囲壁は3cm以内とすることがさらに好ましい。これにより、雄型ねんどの伸展性の維持と、型の取得時の“硬さ”の緩和(所定厚が薄いほうが型取り時に柔らかく感じる)と、レターパックへの封入できるサイズの利便性と等を考慮したものである。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは密封パック内で保持する工程は、軽量ねんどの雌型を有する表面を、トレイの蓋または台紙で被覆した状態で、密封パック内で保持する工程であることを特徴とする。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは上述のいずれかに記載の手足等型取り方法において、軽量ねんどに代えて、モデリングペーストを使用することを特徴とする。また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは上述のいずれかに記載の手足等型取り方法において、モデリングペースト(盛り上げ材)は、アクリルポリマーエマルジョンとグリコールと炭酸カルシウムとを含むことを特徴とする。
また、本発明の手足等の雄型は、上述のいずれかに記載の手足等型取り方法を用いて作成された石膏の雄型であることを特徴とする。
より容易かつ確実に型取りを実現することが可能な手足等型取り方法を提供できる。
本発明は、より容易かつ迅速にそして確実にペット等の手足等の型を取得して、好ましくはお皿や食器等の陶器などに型押しすることを可能にする手足等型取り方法を提案するものである。そこで、以下に図面に基づいてより詳細に説明する。また、陶器以外においてもアクセサリー、ハンコ、衣服(スタンプされたTシャツ)等へと本発明を展開することも可能である。
図1は、本発明の猫の手足刻印陶器にかかる型取り手順を説明する図面である。まず、猫の手足の型を取得するお客様の手元には準備段階として、予めトレイ付き型取り材(真空パック例えばカウチパックの真空状態に密封されているもの)と台紙とシールとレターパックが届けられている。具体的な型取りの手順としては、真空状態に保存されているカウチパック(真空パック)の中からトレイ付き型取り材を取り出して、ねんど上に貼付されている透明なフィルムシートを剥がし、その型取りねんど(軽量ねんど)表面に、手等型の深さが2mm~10mmとなる程度に押圧して型取りを行う。2mm~程度の刻印であれば、ペットの犬・猫等が嫌がった場合でも何とか刻印作業ができるものと思われる。
この場合に、カウチパックからトレイ付き型取り材を取り出した後、できるだけ速やかに時間を空けずに型取りをするとよりスムースに型取得が行える。カウチパックからトレイ付き型取り材を取り出した後、時間を空けてしまった場合には、軽量ねんどの表面から次第に硬化してしまう場合も生じ得るので、型取りが困難になる場合も想定される。その場合には、後述するようにねんどの再生手順にしたがって、軽量ねんどを再生させると良い。
型取りは、表面にスペースが存在する限り同一表面に複数個取得することも可能であり、取得個数は任意であるが、最も好ましいと思われる型については選択的にシール等でマーキングをしておくことができる。型取りが完了すれば、型が取得されている表面に台紙を載せて再度カウチパックの中に密封することで、乾燥を防ぎつつ型崩れも防止した状態で、保管ないし移送が可能となる。
通常、型を取得する者とその型取り場所とは、その後に取得された型に基づいて雄型を作製する者と作製場所とは異なるし、さらには作製した雄型を焼成前の陶器等に押圧してから焼成する者とは、それぞれ異なる場面が多いと考えられる。このため、それぞれの者や場所に移送する間の時間等に耐えられるだけの手当が必要となるところであるが、カウチパックと台紙の利用によりこのような問題は解消され得る。
台紙は、段ボールや厚紙はもちろん、木や合成樹脂の所望の厚さの板でも使用可能である。カウチパック内で密封されているので、レターパック等を用いて所望の場所に郵送や配送することも可能である。
図2は、軽量ねんど表面に取得された手足等型(雌型)に基づいて、石膏の雄型を作製するための手順を説明する図である。図2の1に示すように、まず型取りされた軽量ねんどの表面にワックスを塗布して、その後5分~15分程放置して自然乾燥させる。ワックスは、その後の軽量ねんどと石膏との剥離を容易にする効果がある。また、5分~15分間放置する間に自然乾燥とともに、または自然乾燥に代えてドライヤー等の風を当てて乾燥を促進させても良い。
次に図2の2に示すように、他の容器内で粉状態の石膏に水を加えて適宜かき混ぜながら石膏を作成する。大凡5~10分程度の間かき混ぜた後、とろみが観察されるまで5分~15分程度放置する。とろみは、石膏が自ら固まろうとするその間際に観察される状態である。石膏と水の重量比は、従来石膏2に対して水1.7~2.0であることが一般に知られているが、本発明においては石膏2に対して水1.5~1.7とする。すなわち、本発明では、従来一般に知られている石膏の加水量よりも若干少なめにして、その後とろみが観察されるまで放置してから、現実の雄型取りのための流し込みを行うことで、極めて良好な雄型取得が可能となる。
次に図2の3に示すように、クリアファイルを筒状にした中空円筒体を、ねんど表面の雌型を内包するように、軽量ねんどの表面に立設する。例えば、A4のクリアファイルをくるっと巻いてテープで係止することで筒状に維持した中空円筒体を作成・利用しても良いし、透明樹脂で予め筒状に形成された所望径を有するパイプ管を利用しても良いが、その内部に流し込まれる石膏の量や状態を外部から観察が可能な程度の透明特性を有していることが好ましい。
軽量ねんどの表面に立設させた円筒状クリアファイル内に、とろみ状態の石膏を高さが2~3cm程度になるように流し込む。その後、60分程放置して石膏が固化するまで待機するが、この間にドライヤーやヒーター等の熱風を石膏に適宜当てて固化を促進させることも可能である。
なお、粉末状の石膏は水を吸収する場合に発熱し、水を発散して固化する場合に吸熱することが知られている。すなわち、石膏を外部から観察したり経過時間をモニターするのみではなく、観察等とともにまたは観察等に代えて、石膏の固化時の温度状態を把握することで硬化の程度が把握できる。このため、筒状の樹脂にはシール状の温度センサーを貼付等備えるものとし、例えばその温度に対応するシールの表示色の変化で固化程度を把握するものとしても良い。温度モニターシールは、石膏の配置位置に対応するように、軽量ねんど表面から2~3cmの高さの間で中空円筒体の側面に貼付しても良い。温度モニター素材は、筒状の樹脂に一体的に備えるものとしても良い。
次に図2の4に示すように、型取り後の軽量ねんどと石膏とを引き離す作業工程を遂行する。石膏が十分に固化していない場合には水分が抜けきれずに、型取り後の軽量ねんどが崩壊する場合もあるが、石膏の雄型それ自体には問題が生じることはあまりなく雄型が得られるものとなるのは、ワックスの効果がかなり有効であるものと考えられる。石膏の雄型の細かい隙間やヒダ等に軽量ねんどの残渣や残量物が存在する場合には、歯ブラシ等で軽くブラッシングして表面を掃いてやれば清浄な表面が得られる。また、万一 石膏に不要な凹凸が形成されてしまっている場合には、やすり等で削ることも可能である。
図3は、型取り材(軽量ねんど)が型取り前に硬くなってしまった場合の再生方法に関して説明する図である。例えば、カウチパックからトレイ付き型取り材を取り出して後、手足等の押圧型を取得する以前に一定程度時間が経過してしまった場合には、その表面が固くなってしまいその後の押圧型取りが困難になる場面が想定される。また、複数の押圧足型を軽量ねんどの表面全体に取得したが、どれも気に入らずにさらなる型取り押圧スペースは表面に無く、再度やりなおしたい場合もある。
このような場合には、トレイから型取り材(典型的には軽量ねんど)を取り出して、水で濡らして柔らかい状態に復元してから、改めてトレイに型取り材を敷き詰めて、再度 押圧型取り作業を進めることが可能である。水で濡らす場合に、霧吹きを使用して水を型取り材に吹きかけると加水作業が容易であるので好ましい。また、この場合に加水量は軽量ねんど概ね40gに対して5g程度(5ml程度)とすることができ、加水後に水が馴染むように揉み練ることで全体に均一に加水がいきわたるものとできる。
本発明の手足等型取り方法は、型枠内で所定厚を有する板状に維持された軽量ねんどに、人又はペットの手或いは足を押し付けて雌型を取得する工程と、軽量ねんどをその特性を維持した状態で、移送または保管可能に、所望期間だけ密封パック内で保持する工程と、密封パックから取り出した雌型を有する軽量ねんどの表面に、ワックスを塗布する工程と、雌型の周囲に、雌型を内包するように円筒状にした透明フィルムを、軽量ねんどの表面から立設させる工程と、透明フィルムの中に石膏を流し込んで乾燥させる工程と、透明フィルムを取り外して、軽量ねんどと石膏とを引き離す工程と、石膏に残留する軽量ねんどの残渣をブラシで除去する工程と、を有する。
型枠の中に軽量ねんどを保持することによって、移送中や保管中や型押し時の押圧力が印加された場合でも、軽量ねんどの形状と厚さが維持されるのでいわゆる型崩れを生じたり、厚さ(深さ2mm~10mm目安が好ましい)の予期せぬ不均一が生じたりする不具合を回避できる。軽量ねんどの板厚は、手型等の型取りに十分なだけの厚さとされることが好ましい。軽量ねんどは、例えば株式会社アーテックの“超軽量ねんど まいるどスーパーライト”を使用しても良い。これは、アクリル樹脂中空体とパルプ繊維と合成樹脂と水と防腐防カビ剤とを原材料としている極めて軽いねんどであって、いわゆる油粘土とは異なり土や油を含んでいない。
この超軽量ねんどは、軽くてふわっと伸びうすく伸ばして使うことができ、水性マーカー、サインペン等をつけてねり込むと手軽にカラー粘土ができる。ペットボトルやビンなどのあらゆる芯材との相性が良好で、乾燥後は弾力性がありソフトな仕上がりとなるので細かい表現が出来る。環境にやさしく、焼却処理ができ安全で、一般的な紙ねんどの約1/8の軽さとなる。水彩・アクリル絵具はもちろんのこと、水彩マーカー、サインペンなどでカラーねんどが作れる。乾燥後、弾力性がのこりソフトな仕上がりで、臭いがほとんどなく、手につかないので清潔感がある点などの特徴を有する。
密封パック内で保持することにより、予期せぬ乾燥による劣化を生じさせることなく品質を保持したまま、所望期間保存することも可能であるし、その間に任意の別の作業場所に移送したりすることも可能となる。また、密封パック内には適量の水(例えば数滴)を入れておいても乾燥を防ぐ観点からは好ましい。また、密封パック内で保持する場合には、トレイ上の軽量ねんどの上に透明なフィルムシート(クリアシート)を貼付して、これを真空パック内に封入して空気を抜き密封することが好ましい。透明なフィルムシートを貼付すると、軽量ねんどの表面に密着して水分の蒸発や蒸散を抑えることができる。このため、透明なフィルムシートと真空密封カウチパックとの相乗効果によって、乾燥や劣化を防ぐことが可能となる。
また、ワックスは、乾燥した軽量ねんどと石膏との剥離性を確保するために極めて有効であって、例えば株式会社リンレイの“床用樹脂ワックス all”等を使用することができる。このワックスは、合成樹脂(アクリル樹脂)と水を原材料としており、フローリング(樹脂塗装された木製の床)やビニール製の床が用途とされているものの、本発明の工程に良好に利用可能である。
透明フィルムは、いわゆるクリアファイル等を使用しても良い。内部に注がれる石膏を保持できるようにある程度の強度を有する透明フィルムを用いる。透明にしておくことで、内部に注がれる石膏の量や注がれている状態を外部から良好にその場観察できるので、不良状態の早期発見や予防が可能となって極めて好ましい。また、フィルムが半透明であってもこのような効果はかなり期待できる。
軽量ねんどが先の工程で密封パックで保持されていることから、手等の型取り後ある程度の時間経過があった場合でも、軽量ねんどが乾燥せずに柔らかい程度であって乾いていない状態で次の作業を継続可能である。このため、透明フィルムを軽量ねんどの手等の型周囲に容易に突き刺して作業性良く安定して立設することが可能となる。
この場合に、軽量ねんどの表面全体を全て石膏で覆うように流し込んでも型は取得できるが、必要な足等型の周りのみを透明フィルムで囲んでピンポイントで石膏を充填(好ましい石膏高さは2~3cm目安)することにより、石膏の無駄使いを減らし、その後の剥離作業で除去するべき石膏やねんどの量を低減することが可能となるので、省資源と作業効率向上の観点からも好ましい。
石膏は、工作用(美術工芸用)の石膏であって例えば家庭化学工業株式会社の“高級工作石こう”を用いることができる。石膏の乾燥にはドライヤー等を用いて熱風や放射熱等で加熱して乾燥を促進させることも作業効率の向上の観点からは好ましい。そして、石膏の乾燥工程が完了すれば、円筒状の透明フィルムは、容易に取り外しすることが可能である。フィルムは石膏が付着や殆ど固着しないだけではなく、円筒状に巻いて一周回ってフィルム同士を係止している箇所の係止を解除すれば、フィルムが容易に円筒状から平面状に戻ると同時に石膏から離間するので、石膏と軽量ねんどから離脱させることが可能である。
そして、石膏の例えば細かいヒダの隙間等に残留して付着している軽量ねんどの残渣がある場合には、歯ブラシ等のブラシを用いて軽く擦るように掃いてやることで軽量ねんどを石膏から除去することが可能である。なお、こうして得られた雄型の石膏の手足等型は、お皿やカップ等の焼き物陶器の焼成前にスタンプとして押圧押印して押型付け(刻印)に用いることができる。
また、本発明の手足等型取り方法は、好ましくは軽量ねんどが、土と油を含まずに、アクリル樹脂中空体とパルプ繊維と合成樹脂と水と防腐防カビ剤とを含むことを特徴とする。いわゆる油粘土に含まれる土と油は含まれないので、容易に型押しが可能であって、手足等に油が付着して汚れたり油でベトベトになったりすることが無く、取り扱いとメンテナンスが容易である。また、極めて軽量であるので取り扱いや搬送への負担が少ない点も有利である。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは密封パック内で保持する工程は、軽量ねんどの雌型を有する表面を、カバーで被覆した状態で、密封パック内で保持する工程であることを特徴とする。これにより、雌型の手足等の型が崩れることを防止して、これを保持・維持した状態で保管や搬送することも可能である。密封パック内で保管することにより乾燥を防いて予期せぬ硬化を防止できる。カバーは、例えば厚紙やダンボール紙や型紙等、そして樹脂製の平板等を使用しても良い。局所的な押圧等に対して型崩れを防止してこれを保持する効果がある程度見込める程度のカバーであれば使用できる。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは透明フィルムの中に流し込む石膏は、原材料の石膏乾燥粉末と水を重量比で2:1.5~1.7として5乃至10分間混ぜて溶いた後、とろみが生じるまで5~15分放置した石膏であることを特徴とする。本発明者は、従来知られている型取り時の石膏:水の重量比であるところの2:1.7~2.0に対して、これよりも小さい石膏2:水1.5~1.7の重量比とすることで、最適な型押しが可能になることを見出した。また、石膏と水を上記のように従来より少し水を減らして5~10分程度かき混ぜた後、5~15分程度の間放置して“とろみ”がでるまで待機する。5~15分程度の間放置することで、石膏が少し固まりかけ始める状態となって、外観上“とろみ”が生じていることが目視で観察可能となる。この“とろみ”観察状態が、石膏を流し込むためのベストなタイミングとなることを本発明者は見出した。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくはワックスを塗布する工程が、ワックスを一回塗りの後、5分~15分間放置してワックスを乾燥させた状態にする工程であることを特徴とする。ワックスは過剰に塗布し過ぎても好ましくなく、サッと一回ハケで塗布する程度が良い。そしてその後約5分~15分放置してワックスを乾燥させるのであるが、この場合にドライヤーを当てて乾燥を促進させても良い。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは残渣を除去する工程において、ブラシは歯ブラシであることを特徴とする。作業用の工具ブラシを用いることも可能であるが、歯ブラシを利用することも良好である。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは型枠内で所定厚を有する板状に維持された軽量ねんどにおいて、型枠は、軽量ねんどの厚さに対応する高さの周囲壁を有するトレイであることを特徴とする。型枠は、軽量ねんど全体の大きさを規定する枠であり、この枠内に所望量の軽量ねんどが保持されていればねんどの板厚は維持される。したがって、型枠としてトレイや矩形や円形状のタッパーウェアを利用しても良い。タッパーを利用する場合には、タッパーの蓋をカバーとして使用することも可能である。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは密封パック内で保持する工程は、軽量ねんどの雌型を有する表面を、トレイの蓋または台紙で被覆した状態で、密封パック内で保持する工程であることを特徴とする。これにより、取得した型の型崩れを防止して、予期せぬ局所的な押圧力等に対してもある程度 型を保護することが可能となる。
また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは上述のいずれかに記載の手足等型取り方法において、軽量ねんどに代えて、モデリングペーストを使用することを特徴とする。また、本発明の手足等型取り方法は、さらに好ましくは上述のいずれかに記載の手足等型取り方法において、モデリングペースト(盛り上げ材)は、アクリルポリマーエマルジョンとグリコールと炭酸カルシウムとを含むことを特徴とする。
軽量ねんどは優れた特性を有しているが、一方モデリングペーストを軽量ねんどの代替品として使用しても良好である。ホイップクリームや生クリームのような態様を呈するモデリングペーストであるが、上記ワックスを練り込んで混成することで“型押し取り”に適する特性となることを本発明者は見出している。例えば、ホルベイン工業株式会社製のモデリングペーストを利用可能であって、これはアクリルポリマーエマルション、グリコール類、炭酸カルシウム(天然品)を原材料としている。その特徴として、きめ細かく滑らかな表面になる盛り上げ地塗り材であって、乾燥後は彫刻刀やナイフで削ってレリーフ表現が出来、アクリル絵具を混ぜて色のある盛り上げも可能であり、乾燥後アクリル絵具で着色することもできる。また、クリームのような柔らかな素材となるので、「型」を取る際、例えば猫や犬の手足への負担が極めて少ない点で有利である。
本実施形態で説明した上述の態様はあくまで説明の便宜上例示した具体例に過ぎず、記載内容に限定されることなく当業者に自明な範囲で、かつ本発明の技術思想に齟齬のない範囲で、適宜 素材や原材料・工程・方法・構造・作業手順等を変更しアレンジし、また追加し・削除し・修正することが可能である。
本発明は、各種の手足等型取り方法に適用可能である。取得した石膏等の雄型は、焼成させる前にスタンプとして焼き物のお皿やカップに型押しして刻印として残すことが可能である。また、陶器以外においてもアクセサリー、ハンコ、衣服(スタンプされたTシャツ)等へと本発明を展開することも可能である。
Claims (12)
- 型枠内で所定厚を有する板状に維持された軽量ねんどに、人又はペットの手或いは足を押し付けて雌型を取得する工程と、
前記軽量ねんどをその特性を維持した状態で、移送または保管可能に、所望期間だけ密封パック内で保持する工程と、
前記密封パックから取り出した前記雌型を有する前記軽量ねんどの表面に、ワックスを塗布する工程と、
前記雌型の周囲に、前記雌型を内包するように円筒状にした透明フィルムを、前記軽量ねんどの表面から立設させる工程と、
前記透明フィルムの中に石膏を流し込んで乾燥させる工程と、
前記透明フィルムを取り外して、前記軽量ねんどと前記石膏とを引き離す工程と、
前記石膏に残留する前記軽量ねんどの残渣をブラシで除去する工程と、を有する
ことを特徴とする手足等型取り方法。 - 請求項1に記載の手足等型取り方法において、
前記軽量ねんどは、土と油を含まずに、アクリル樹脂中空体とパルプ繊維と合成樹脂と水と防腐防カビ剤とを含む
ことを特徴とする手足等型取り方法。 - 請求項1または請求項2に記載の手足等型取り方法において、
前記密封パック内で保持する工程は、前記軽量ねんどの前記雌型を有する表面を、カバーで被覆した状態で、前記密封パック内で保持する工程である
ことを特徴とする手足等型取り方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の手足等型取り方法において、
前記透明フィルムの中に流し込む石膏は、
原材料の石膏乾燥粉末と水を重量比で2:1.5~1.7として5乃至10分間混ぜて溶いた後、とろみが生じるまで5~15分放置した石膏である
ことを特徴とする手足等型取り方法。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の手足等型取り方法において、
前記ワックスを塗布する工程は、ワックスを一回塗りの後、5分~15分間放置してワックスを乾燥させた状態にする工程である
ことを特徴とする手足等型取り方法。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の手足等型取り方法において、
前記残渣を除去する工程において、前記ブラシは歯ブラシである
ことを特徴とする手足等型取り方法。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の手足等型取り方法において、
前記型枠内で所定厚を有する板状に維持された軽量ねんどにおいて、前記型枠は、前記軽量ねんどの厚さに対応する高さの周囲壁を有するトレイである
ことを特徴とする手足等型取り方法。 - 請求項7に記載の手足等型取り方法において、
前記密封パック内で保持する工程は、前記軽量ねんどの前記雌型を有する表面を、前記トレイの蓋または台紙で被覆した状態で、前記密封パック内で保持する工程である
ことを特徴とする手足等型取り方法。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の手足等型取り方法において、
前記軽量ねんどに代えて、モデリングペーストを使用する
ことを特徴とする手足等型取り方法。 - 請求項9に記載の手足等型取り方法において、
前記モデリングペーストは、アクリルポリマーエマルジョンとグリコールと炭酸カルシウムとを含む
ことを特徴とする手足等型取り方法。 - 請求項8に記載の手足等型取り方法において、
前記密封パック内で保持する工程は、前記軽量ねんどの前記雌型を有する表面に、透明なフィルムシートを貼付した状態で、さらに前記トレイの蓋または台紙で被覆し、前記密封パック内で保持する工程である
ことを特徴とする手足等型取り方法。 - 請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載の手足等型取り方法を用いて作成された石膏の手足等の雄型。
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