JP2022092491A - 情報処理装置、コンピュータプログラム、情報処理方法及びシミュレーション情報提供方法 - Google Patents

情報処理装置、コンピュータプログラム、情報処理方法及びシミュレーション情報提供方法 Download PDF

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Abstract

【課題】モデルパラメータの分布を推定することができる情報処理装置、コンピュータプログラム、情報処理方法及びシミュレーション情報提供方法を提供する。【解決手段】情報処理装置100は、製造物に関する第1パラメータの分布を表す分布情報を取得する分布情報取得部(入力部11)と、製造物に関する第2パラメータを用いて第1パラメータを表現するモデル情報に基づいて、分布情報が再現されるように第2パラメータの確率密度情報を生成する確率密度情報生成部13とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、情報処理装置、コンピュータプログラム、情報処理方法及びシミュレーション情報提供方法に関する。
人工物の製造には加工限界があり、加工限界に起因するばらつき(誤差)を回避することができない。このようなばらつきは、製造物や製造物を組み込んだ製品の特性に影響を及ぼす。このため、モデルパラメータを含むモデルを生成し、生成したモデルを用いて、ばらつきの影響を事前に評価するばらつき考慮シミュレーションが広く実施されている。
非特許文献1には、従来のモデルパラメータの抽出方法が、正規分布に従うモデルパラメータに限定されていることを指摘し、対数正規分布に従うモデルパラメータも抽出することができる統計的抽出方法が開示されている。
Hiroki Tsukamoto, Michihiro Shintani, Takashi Sato, "Statistical Extraction of Normally and Lognormally Distributed Model Parameters for Power MOSFETs", IEEE Transaction on Semiconductor Manufacturing, VOL. 14, NO. 8, AUGUST 2015
しかし、非特許文献1の方法は、モデルパラメータの分布が正規分布や対数正規分布に限定されているため、任意の分布に従うモデルパラメータ、あるいは、そもそも分布が分からないモデルパラメータを扱うことができないため、ばらつき考慮シミュレーションを行う場合の実用上の強い制約となっている。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、モデルパラメータの分布を推定することができる情報処理装置、コンピュータプログラム、情報処理方法及びシミュレーション情報提供方法を提供することを目的とする。
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、本実施形態の情報処理装置は、製造物に関する第1パラメータの分布を表す分布情報を取得する分布情報取得部と、前記製造物に関する第2パラメータを用いて前記第1パラメータを表現するモデル情報に基づいて、前記分布情報が再現されるように前記第2パラメータの確率密度情報を生成する確率密度情報生成部とを備える。
本発明によれば、モデルパラメータの分布を推定することができる。
第1実施形態の情報処理装置の構成の一例を示す説明図である。 MOSFETにおけるモデルパラメータの一例を示す説明図である。 特性パラメータの計測値の一例を示す模式図である。 特性パラメータの確率密度分布の一例を示す模式図である。 モデルパラメータpの確率密度関数P(p)の推定方法の概念を示す模式図である。 第1実施形態の情報処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態の情報処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態の情報処理装置の構成の一例を示す説明図である。 計測された特性パラメータのモデル式を用いたフィッティングの一例を示す模式図である。 モデルパラメータの確率密度分布の一例を示す模式図である。 第2実施形態の情報処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態の情報処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。 シミュレーション対象としてのSRAMセル回路の一例を示す回路図である。 SRAMセル回路のシミュレーション結果の一例を示す模式図である。 500個の仮想デバイスのモデルパラメータのばらつきを示す模式図である。 500個の仮想デバイスの特性パラメータである電流のばらつきの一例を示す模式図である。 比較例によるモデルパラメータの生成結果の一例を示す模式図である。 第1実施形態によるモデルパラメータの生成結果の一例を示す模式図である。 フィッティング対象の特性パラメータである電流のばらつきの一例を示す模式図である。 比較例による電流のばらつき結果の一例を示す模式図である。 第1実施形態による電流のばらつき結果の一例を示す模式図である。 第1実施形態の場合のばらつき考慮シミュレーションのユースケースの一例を示す模式図である。 第2実施形態の場合のばらつき考慮シミュレーションのユースケースの一例を示す模式図である。 比較例の場合のばらつき考慮シミュレーションのユースケースの一例を示す模式図である。 第1実施形態及び第2実施形態の情報処理装置の構成の他の例を示す説明図である。
(第1実施形態)
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は第1実施形態の情報処理装置100の構成の一例を示す説明図である。情報処理装置100は、装置全体を制御する制御部10、入力部11、分布情報生成部12、確率密度情報生成部13、出力部14、シミュレーション部15、記憶部16、表示パネル17、及び操作部18を備える。確率密度情報生成部13は、サンプリング部131、変換部132、及びモデルパラメータ生成部133を備える。
出願人は、製造物の加工時のばらつきをモデル化する際に必要となるモデルパラメータは、どのような分布に従うか不明となる場合が多く、モデルパラメータの分布の測定と比較すると、製造物の性能や特性の分布の測定は容易であるという点に着眼した。情報処理装置100は、測定が比較的容易な第1パラメータの分布(製造物の性能や特性の分布)に基づき、測定が困難(例えば、測定に時間がかかる場合、または製造物の内部でのみ観測される量である場合など)な第2パラメータの分布を推定することができる。第1パラメータは、特性パラメータとも称し、例えば、電流、電圧、電荷、周波数、インピーダンス、長さ、面積、体積、質量、圧力、速度、加速度、濃度、密度、光度など、いわゆる計測器によって比較的容易に計測することができる物理量とすることができる。一方、第2パラメータは、モデルパラメータとも称し、製造物の性能や特性を表現するモデル式の中において使用され、製造物の加工時の誤差によって製造物の性能や特性に影響を与えるパラメータとすることができる。
製造物は、人工的に製造される物であり、様々な分野の製品に使用される半導体デバイス、電子部品、電気部品、機械部品、光学部品などを含む。例えば、半導体デバイスには、MOSFET、バイポーラトランジスタ、ダイオード、発光デバイス、受光デバイス、メモリ、ロジックIC、アナログIC、センサなど様々なデバイスが含まれるが、本明細書では、製造物の一例としてMOSFET(以下、「デバイス」とも称する)を例に挙げて説明する。
図2はMOSFETにおけるモデルパラメータの一例を示す説明図である。代表的な回路素子の一つであるMOSFETの電圧・電流特性を表すデバイスモデル(「モデル」とも称する)は、例えば、(式1)で表すことができる。
Figure 2022092491000002
(式1)において、太字はモデルパラメータを表し、モデルパラメータKは、電流ゲインパラメータであり、キャリア移動度と絶縁膜容量との積で表される。モデルパラメータVTHは、しきい値電圧を表す。Wはチャネル幅を表し、Lはチャネル長を表す。MOSFETの寸法はチャネル長Lとチャネル幅Wによって反映される。
また、線形領域と飽和領域とを緩やかに接続するため、モデルパラメータDELTAを用いて、デバイスモデルを式(2)で表すことができる。さらに、モデルパラメータCLM(チャネル長変調効果係数)、モデルパラメータMD(移動度劣化係数)、モデルパラメータMDV(移動度劣化開始電圧)を用い、チャネル長変調効果とキャリア移動度のバイアス電圧依存性を考慮すると、デバイスモデルを式(3)で表すことができる。式(3)のとおり、ドレイン電流Idは、ゲート・ソース電圧Vgsとドレイン・ソース電圧Vdsの関数として表すことができる。式(1)~(3)は、モデル情報としてのデバイスモデル(モデル)を表現するモデル式である。なお、モデル式は、一例であって、製造物の種類に応じて異なる表現となる。以下、本明細書では、便宜上、モデルパラメータK(電流ゲインパラメータ)とVTH(しきい値電圧)に着目し、他のモデルパラメータCLM、MD、MDV、DELTAについては一定値と仮定して説明する。なお、モデルパラメータは、図2に例示するパラメータに限定されるものではない。
入力部11は、入力データを取得することができる。具体的には、入力部11は、計測値取得部としての機能を有し、特性パラメータIの計測値を取得することができる。また、入力部11は、分布情報取得部としての機能を有し、製造物に関する特性パラメータ(「第1パラメータ」とも称する)の分布を表す確率密度関数Q(I)を取得することができる。ここで、Iは特性パラメータを表す。入力部11が、特性パラメータIの計測値を取得するか、確率密度関数Q(I)を取得するかは、予め制御部10が決定しておくことができる。
図3は特性パラメータの計測値の一例を示す模式図である。図3に示すように、半導体ウェハから、M個のデバイス(MOSFET)#1、#2、…、#Mを製造したとする。図3には、デバイス#1~#Mそれぞれのドレイン電流Idとゲート・ソース電圧Vgsとの関係を示す電圧・電流特性が図示されている。電圧・電流特性は、実際の計測値であり、ドレイン・ソース電圧Vdsが、Vds=Vds1の場合とVds=Vds2の場合について図示されている。また、デバイス#1のモデルパラメータK、VTHは、それぞれK=K1、VTH=VTH1であるとし、デバイス#2のモデルパラメータK、VTHは、それぞれK=K2、VTH=VTH2であるとし、デバイス#MのモデルパラメータK、VTHは、それぞれK=Km、VTH=VTHmであるとする。すなわち、デバイス#1~#Mの電圧・電流特性のばらつきは、各デバイスのモデルパラメータK、VTHの相違によって表現される。
デバイス#1の電圧・電流特性において、Vgs=Vgs1及びVds=Vds1のとき、Id=Id1となり、Vgs=Vgs2及びVds=Vds2のとき、Id=Id2となる。他のデバイス#2、…#Mも同様である。各デバイスの電圧・電流特性は、Id1=(Vgs1、Vds1)、Id2=(Vgs2、Vds2)のように関連付けることができる。1つ目のバイアス条件(Vgs1、Vds1)での電流値をId1とし、2つ目のバイアス条件(Vgs2、Vds2)での電流値をId2とすると、各デバイスのドレイン電流の分布を、電流Id1とId2で構成される電流空間(「特性パラメータ空間」とも称する)における点の分布で表すことができる。図3の例では、特性パラメータの計測値の分布(すなわち、2個のバイアス点におけるドレイン電流の分布)を図示している。入力部11は、図3に模式的に示すような、特性パラメータI(Id1、Id2)の計測値を取得することができる。なお、バイアス点の数は2個に限定されるものではなく、3個以上でもよい。
分布情報生成部12は、入力部11を介して取得した計測値を用いて、特性パラメータI(Id1、Id2)の分布を表す確率密度関数Q(I)(「分布情報」とも称する)を生成することができる。
図4は特性パラメータの確率密度分布の一例を示す模式図である。分布情報生成部12は、例えば、カーネル密度推定(KDE:Kernel Density Estimation)を用いて、密度分布推定を行うことができる。カーネル関数、最適なバンド幅(平滑化パラメータ)は適宜設定することができる。例えば、カーネル関数として標準的なガウス関数を用いることができる。これにより、ある母集団の標本データが与えられたとき、カーネル密度推定を用いて母集団のデータを外挿することができる。すなわち、特性パラメータの計測値がない点でも確率密度を推定できる。図4は、特性パラメータI(Id1、Id2)についての確率密度分布を示し、便宜的に模様の違いによって密度の違いを表現している。例えば、楕円状の輪郭の中央部分が最も確率密度が大きいことを表している。なお、カーネル密度推定の使用は必須ではない。例えば、特性パラメータの計測値の密度を近似する別の方法により代替できる。
なお、入力部11が、製造物に関する特性パラメータの分布を表す確率密度関数Q(I)を取得する場合、分布情報生成部12で確率密度関数Q(I)を生成しなくてもよい。
確率密度情報生成部13は、製造物に関するモデルパラメータpを用いて特性パラメータIを表現するモデル式(「デバイスモデル」、「モデル情報」ともいう)に基づいて、特性パラメータIの分布を表す確率密度関数Q(I)が再現されるように、モデルパラメータpの確率密度関数P(p)(「確率密度情報」ともいう)を生成することができる。確率密度情報生成部13の詳細は後述する。
シミュレーション部15は、確率密度情報生成部13で生成したモデルパラメータpの確率密度関数P(p)及びモデル式を用いて、製造物を含むシミュレーション対象の性能を評価することができる。なお、図1では、シミュレーション部15は情報処理装置100に組み込まれた構成を示すが、シミュレーション部15を外部のシミュレータとして構成し、情報処理装置100から分離してもよい。シミュレーション部15の詳細は後述する。
出力部14は、出力データとして、モデルパラメータpの確率密度関数P(p)、シミュレーション部15が行ったシミュレーション結果を出力することができる。
記憶部16は、ハードディスク又は半導体メモリ等で構成することができ、所要の情報を記憶する。記憶部16は、入力部11を介して取得した入力データを記憶することができる。また、記憶部16は、情報処理装置100での各処理の処理結果や処理途中の情報を記憶することができる。また、記憶部16は、デバイスモデルを識別するモデルIDに対応付けて、1又は複数のモデル(モデル式)を記憶することができる。ここで、モデルIDは、同じ製造事業者の異なるデバイスモデルを識別することができ、あるいは異なる製造事業者が生成したデバイスモデルを識別することができる。
制御部10は、更新部としての機能を有し、記憶部16に記憶したモデルに対して、新しいモデルが提供され、入力部11を介して、新しいモデルを取得した場合、取得した新しいモデルで記憶部16に記憶したモデルを更新することができる。これにより、最新のモデルを用いることができる。
表示パネル17は、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等で構成することができる。
操作部18は、例えば、ハードウェアキーボード、マウスなどで構成され、表示パネル17に表示されたアイコンなどの操作、文字等の入力などを行うことができる。なお、操作部18は、タッチパネルで構成してもよい。
次に、モデルパラメータの推定方法について説明する。
確率密度情報生成部13は、サンプリング部131、変換部132、及びモデルパラメータ生成部133を備える。サンプリング部131は、マルコフ連鎖を用いてモデルパラメータpの候補をサンプリングする。マルコフ連鎖とは、未来の状態が現在の状態だけで決定され、過去の状態と無関係であり、とりうる状態が離散的な値であるという性質を有する確率過程である。変換部132は、モデル式を用いて、サンプリングされた候補を特性パラメータIの候補に変換する。モデルパラメータ生成部133は、変換された特性パラメータIの分布を表す確率密度関数Q(I)にモンテカルロ法を適用して、サンプリングされた候補からモデルパラメータpを生成する。モンテカルロ法は、数値計算手法の一つで、乱数を用いた試行を繰り返すことにより近似解を求める手法である。以下、モデルパラメータの生成方法について説明する。
図5はモデルパラメータpの確率密度関数P(p)の推定方法の概念を示す模式図である。製造物(例えば、MOSFETなど)のモデルパラメータ(例えば、電流ゲインパラメータK、しきい値電圧パラメータVTHなど)は直接の測定が困難であるため、各モデルパラメータが従う確率密度関数を知ることができない。一方、製造物の特性パラメータ(例えば、電流Iなど)は容易に測定することができ、電流分布の確率密度関数Q(I)を算出することができる。確率密度情報生成部13は、電流分布の確率密度関数Q(I)を用いてモデルパラメータの分布を再現する。すなわち、確率密度情報生成部13は、電流分布の確率密度が元となるモデルパラメータの分布を再現する処理を通じてランダムにモデルパラメータの集合を生成することにより、モデルパラメータの相関を含む分布を近似することができる。
図5に示すように、本実施の形態の手法は、モデルパラメータ空間と特性パラメータ空間とをモデルf(モデル式)を用いて対応付ける。本明細書では、便宜上、モデルパラメータ空間は、二つのモデルパラメータp1、p2からなり、特性パラメータ空間は、特性パラメータId1、Id2(ここでは、電流Id1、Id2)からなる、二次元空間としている。なお、モデルパラメータ空間及び特性パラメータ空間は、二次元に限定されるものではなく、より高次元であっても同様の手続きを用いることができる。また、モデルパラメータの密度分布をPとし、特性パラメータの測定結果の密度分布をQとする。
モデルパラメータ空間内の点p(i)は、一つのデバイスのモデルパラメータを表しており、特性パラメータ空間内の点I(i)に対応する。二つの空間の点p(i)と点I(i)とは、モデルfにより対応付けられる。モデルパラメータ空間内の点p(i)と点p′は二つの異なるモデルパラメータの組を表している。すなわち、これら2点は二つの異なるデバイスを表している。モデルパラメータの相違から、これら二つのデバイスの特性パラメータ(電流)I(i)、I′も異なっている。
多数のデバイスの特性パラメータ(電流)の測定により、特性パラメータ空間における特性パラメータの確率密度関数Qは既知である。本実施の形態は、モデルfの変換を介して、確率密度関数Qを再現するように、モデルパラメータ空間での確率密度関数Pを定めることができる。これは、特性パラメータのサンプルの密度関数が再現されるように、モデルf経由でモデルパラメータをサンプリングすることで達成することができる。以下、具体的な処理について説明する。
図6及び図7は第1実施形態の情報処理装置100の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、便宜上、処理の主体を制御部10として説明する。制御部10は、入力データが、特性パラメータIの確率密度関数Q(I)又は特性パラメータIの計測値のいずれであるかを判定する(S11)。入力データが計測値である場合(S11で計測値)、制御部10は、特性パラメータIの計測値(ここでは、MOSFETのドレイン電流の計測値)を取得する(S12)。
制御部10は、確率密度関数Q(I)を生成し(S13)、後述のステップS15の処理を行う。ここでは、J個のバイアス点での電流によって張られるJ次元の特性パラメータ空間(「電流空間」とも称する)におけるドレイン電流の計測値にカーネル密度推定(KDE)を適用して確率密度関数Q(I)を計算することができる。なお、電流測定を行うデバイス数Nが十分多く、特性パラメータ空間のある点における確率密度が測定結果から直接求められる場合には、KDEの提供を省略してもよい。また、KDE以外の適宜の方法を用いて確率密度を求めてもよい。
入力データが確率密度関数である場合(S11で確率密度関数)、制御部10は、確率密度関数Q(I)を取得し(S14)、モデルパラメータセットp(1)の初期値をセットする(S15)。制御部10は、カウンタi=1とし(S16)、モデルパラメータ空間における現在のモデルパラメータセットをp(i)とする(S17)。
制御部10は、モデル式を用いて、現在のモデルパラメータセットをp(i)に対応する現在の特性パラメータ(ドレイン電流)I(i)を算出する(S18)。制御部10は、モデルパラメータ空間における現在のサンプルであるモデルパラメータセットp(i)を、提案分布q(p′/p(i))を用いて移動して、次のサンプル候補である次の候補モデルパラメータセットp′を生成する(S19)。ここで、提案分布としては、例えば、現在のサンプルp(i) を中心とし、その分散がσpであるような正規分布を用いることができ、この正規分布からのサンプルxをp(i)からp′への移動距離とする。提案分布は正規分布に限られず、詳細つり合い条件を満たす様々な分布を用いることができる。詳細つり合い条件は、遷移確率に従って状態が遷移してもそれぞれの存在確率が等しいという条件である。ここでは、モデルパラメータ空間において、マルコフ連鎖を用いてモデルパラメータの候補をサンプリングしている。制御部10は、モデル式を用いて、候補モデルパラメータセットp′に対応する特性パラメータ(ドレイン電流)I′を算出する(S20)。
制御部10は、確率比rを、r=Q(I′)/Q(I(i))という式により算出する(S21)。ここで、Q(I′)/Q(I(i))によりP(p′)/P(p(i))を近似する。確率密度関数Qは、KDEなどによる密度推定により既知であることから即座に計算が可能であるのに対し、確率密度関数Pは、測定が困難であることによりP(p′)/P(p(i))を求めることが困難であるためである。特性パラメータ空間における確率比によりモデルパラメータ空間での確率比を近似することの妥当性は、モデル式fが単射(あるいは単写)であり(これは通常満たされる)、パラメータのばらつきが、fが線形とみなし得る程度に小さい場合には明らかである。ばらつきを考慮する範囲においてfが強い非線形性を持つ場合には、その補正を行う必要がある。制御部10は、一様乱数R(0≦R<1)を生成する(S22)。
制御部10は、r>Rであるか否かを判定する(S23)。r>Rである場合(S23でYES)、制御部10は、次の候補モデルパラメータセットp′を、次のモデルパラメータセットp(i+1)とし(p(i+1)←p′)(S24)、後述のステップS27の処理を行う。r>Rでない場合(S23でNO)、制御部10は、次の候補モデルパラメータセットp′を破棄し(S25)、現在のモデルパラメータセットp(i)を、次のモデルパラメータセットp(i+1)とする(p(i+1)←p(i))(S26)。ステップS23~S26の処理は、特性パラメータ空間において、特性パラメータの確率密度関数にモンテカルロ法を適用してモデルパラメータを生成するものである。
制御部10は、カウンタi≦(N-1)であるか否かを判定し(S27)、i≦(N-1)である場合(S27でYES)、すなわち、全てのデバイスについて処理が完了していない場合、カウンタiに1を加算し(S28)、ステップS24又はS26における次のモデルパラメータセットをステップS17における現在のモデルパラメータセットとし、ステップS17以降の処理を繰り返す。繰り返しの都度、モデルパラメータセットの組が一組生成される。
i≦(N-1)でない場合(S27でNO)、制御部10は、ランダムなモデルパラメータの集合{p(1)、p(2)、…、p(N)}を生成する(S29)。生成されたモデルパラメータの集合は、確率密度関数P(p)に従う。
制御部10は、モデル式及び生成したモデルパラメータを用いて、シミュレーション対象の性能評価を実施し(S30)、確率密度関数P(p)、シミュレーション結果を出力し(S31)、処理を終了する。
実用上は、バーンインと呼ばれる初期サンプルの棄却や、サンプルの間引きによる、アルゴリズムに起因する相関をなくす手続きを併用することがより望ましい。上述のように、本実施の形態によれば、モデルパラメータが従う分布を一切仮定することなく任意の分布のモデルパラメータセットの乱数を得ることができる。すなわち、モデルパラメータの分布を推定することができる。また、モデルパラメータ間の非線形の相関も考慮できる。上述の例では、電流分布を再現するようにモデルパラメータを生成したが、電流分布に限定されるものではなく、例えば、容量等の他の測定容易な電気的な特性のばらつきを再現するようにモデルパラメータを定めることができ、汎用性の高い手法を提供できる。
これまで述べた方法に加え、より直接的に、モデルパラメータの分布に従う乱数を生成することも可能である。以下、この点について説明する。
(第2実施形態)
図8は第2実施形態の情報処理装置100の構成の一例を示す説明図である。図1に例示した第1実施形態との相違点は、入力データが特性パラメータIの計測値であり、また、特性パラメータの確率密度関数Q(I)を生成するための分布情報生成部12が不要であり、フィッティング部19を備える点である。
図9は計測された特性パラメータのモデル式を用いたフィッティングの一例を示す模式図である。図9に示すように、半導体ウェハから、M個のデバイス(MOSFET)#1、#2、…、#Mを製造したとする。図9には、デバイス#1~#Mそれぞれのドレイン電流Idとゲート・ソース電圧Vgsとの関係を示す電圧・電流特性が図示されている。電圧・電流特性は、実際の計測値であり、ドレイン・ソース電圧Vdsが、Vds=Vds1の場合とVds=Vds2の場合について図示されている。
フィッティング部19は、各デバイス#1~#Mについて、モデル式を用いてモデルパラメータのフィッティングを行い、モデル式を構成するモデルパラメータp1、p2(図では、モデルパラメータpk1、pk2(ここで、k=1、2、…、m))を求める。フィッティングとは、計測された特性パラメータのデータ(曲線)に最もよく当てはまるような曲線を表すモデルパラメータを求めることである。複数のデバイスに対して、モデルパラメータp1、p2のフィッティングを行うことにより、モデルパラメータ空間内におけるフィッティング済みのモデルパラメータの分布を直接得ることができる。モデルパラメータp1、p2は、例えば、電流ゲインパラメータK、しきい値電圧パラメータVTHとすることができるが、これらに限定されない。なお、フィッティングは、大多数のパラメータを抽出する手法として有効である。一部のパラメータについては、破壊的測定を用いることが許容されるならば、フィッティングを行うことなく直接測定することも可能である。ただし、この場合、デバイス自体が破壊されてしまうので、フィッティングでパラメータを推測することが望ましい。
図10はモデルパラメータの確率密度分布の一例を示す模式図である。確率密度情報生成部13は、例えば、カーネル密度推定(KDE:Kernel Density Estimation)を用いて、密度分布推定を行うことができる。カーネル関数、最適なバンド幅(平滑化パラメータ)は適宜設定することができる。例えば、カーネル関数として標準的なガウス関数を用いることができる。これにより、ある母集団の標本データが与えられたとき、カーネル密度推定を用いて母集団のデータを外挿することができる。すなわち、モデルパラメータの算出値がない点でも確率密度を推定できる。図10は、モデルパラメータp1、p2についての確率密度分布を示し、便宜的に模様の違いによって密度の違いを表現している。例えば、楕円状の輪郭の中央部分が最も確率密度が大きいことを表している。上述のように、複数デバイスのモデルパラメータに対してKDEを実行すれば、モデルパラメータの従う確率密度関数P(p)を得ることができる。または、あるモデルパラメータpjの周囲のパラメータ数などをもって、pjにおける確率密度関数に比例する値を得ることができるなど、確率密度関数P(p)を別の方法で近似することも可能である。
図11及び図12は第2実施形態の情報処理装置100の処理手順の一例を示すフローチャートである。制御部10は、特性パラメータIの計測値(ここでは、MOSFETのドレイン電流の計測値)を取得する(S41)。制御部10は、モデル式を用いてモデルパラメータのフィッティングを実施する(S42)。制御部10は、他のデバイスの有無を判定し(S43)、他のデバイスがある場合(S43でYES)、ステップS41以降の処理を繰り返す。
他のデバイスがない場合(S43でNO)、制御部10は、モデルパラメータの確率密度関数P(p)を生成する(S44)。制御部10は、モデルパラメータセットp(1)の初期値をセットする(S45)。制御部10は、カウンタi=1とし(S46)、モデルパラメータ空間における現在のモデルパラメータセットをp(i)とする(S47)。
制御部10は、モデルパラメータ空間における現在のサンプルであるモデルパラメータセットp(i)を、提案分布q(p′/p(i))を用いて移動して、次のサンプル候補である次の候補モデルパラメータセットp′を生成する(S48)。ここで、提案分布としては、例えば、現在のサンプルp(i) を中心とし、その分散がσpであるような正規分布を用いることができ、この正規分布からのサンプルxをp(i)からp′への移動距離とする。提案分布は正規分布に限られず、詳細つり合い条件を満たす様々な分布を用いることができる。ここでは、モデルパラメータ空間において、マルコフ連鎖を用いてモデルパラメータの候補をサンプリングしている。
制御部10は、確率比rを、r=P(p′)/P(p(i))という式により算出する(S49)。制御部10は、一様乱数R(0≦R<1)を生成する(S50)。制御部10は、r>Rであるか否かを判定する(S51)。r>Rである場合(S51でYES)、制御部10は、次の候補モデルパラメータセットp′を、次のモデルパラメータセットp(i+1)とし(p(i+1)←p′)(S52)、後述のステップS55の処理を行う。
r>Rでない場合(S51でNO)、制御部10は、次の候補モデルパラメータセットp′を破棄し(S53)、現在のモデルパラメータセットp(i)を、次のモデルパラメータセットp(i+1)とする(p(i+1)←p(i))(S54)。制御部10は、カウンタi≦(N-1)であるか否かを判定し(S55)、i≦(N-1)である場合(S55でYES)、すなわち、全てのデバイスについて処理が完了していない場合、カウンタiに1を加算し(S56)、ステップS52又はS54における次のモデルパラメータセットをステップS47における現在のモデルパラメータセットとし、ステップS47以降の処理を繰り返す。繰り返しの都度、モデルパラメータセットの組が一組生成される。
i≦(N-1)でない場合(S55でNO)、制御部10は、ランダムなモデルパラメータの集合{p(1)、p(2)、…、p(N)}を生成する(S57)。生成されたモデルパラメータの集合は、確率密度関数P(p)に従う。制御部10は、モデル式及び生成したモデルパラメータを用いて、シミュレーション対象の性能評価を実施し(S58)、確率密度関数P(p)、シミュレーション結果を出力し(S59)、処理を終了する。
確率密度関数P(p)やその近似値を用いれば、モデルパラメータ空間内の任意の2点(p(i)およびp′)における確率比r=P(p′)/P(p(i))が得られるから、提案分布を用いてpを移動しながら確率比rを評価し、その採択と棄却を繰り返すマルコフ連鎖をもちいてモデルパラメータの候補をサンプリングできる。
上述のように、第2実施形態の情報処理装置100は、製造物に関する第1パラメータ(製造物の特性を示す特性パラメータ)の計測値を取得し、取得した第1パラメータの計測値に、当該製造物に関する第2パラメータ(製造物のモデルパラメータ)を用いて第1パラメータを表現するモデル情報を当てはめて、第2パラメータの分布情報を求めることができる。情報処理装置100は、第2パラメータの分布情報に基づいて第2パラメータの確率密度情報(確率密度関数)を生成することができる。より具体的には、情報処理装置100は、マルコフ連鎖を用いて第2パラメータの候補をサンプリングし、第2パラメータの分布を表す分布情報にモンテカルロ法を適用して、サンプリングされた候補から第2パラメータを生成することができる。生成した第2パラメータは、確率密度関数に従う。
次に、シミュレーション部15が行う回路シミュレーションについて説明する。
図13はシミュレーション対象としてのSRAMセル回路の一例を示す回路図である。図13に示すSRAMセル回路は、前述のMOSFET及びそのデバイスモデルを用いる。SRAMセル回路において、L1、L2はpMOSFETであり、D1、D2、A1、A2はnMOSFETである。回路を製造する際に用いるpMOSFETとnMOSFETそれぞれの特性を表すデバイスモデルPMOS1、NMOS1を用意し、L1、L2にはPMOS1を、D1、D2、A1、A2にはNMOS1を用いる。ここで、SRAMセル回路の対称性から、L1、L2は同寸法で、同じMOSFETを用いて設計する。すなわち、回路図上では、モデルパラメータを含めて全く同じモデルが用いられることとなる。同様に、D1、D2は互いに寸法が同じであり、A1、A2も互いに寸法が同じである。なお、回路シミュレーションを行う際には、モデル定義文、素子定義文を含むネットリストを生成しておく。
図14はSRAMセル回路のシミュレーション結果の一例を示す模式図である。図14は、SRAMセル回路の回路特性の一つである静的ノイズマージン(SNM)についての評価結果を示す。SNMは、節点N0 、N1 の電圧が変動するときに、メモリセルが記憶している値の反転に必要な電圧変動量を表し、メモリセルに記憶した値の安定性を評価する指標の一つである。図14Aは正常動作の状態を示す。すなわち、バタフライカーブと呼ばれる2つの曲線に二つの隙間(一辺の長さがSNM0 、SNM1 である最大の正方形を内包するように示している)が存在する状態が、0/1のいずれをも安定して記憶できる正常動作状態を表している。メモリセルの設計においては、min(SNM0 、SNM1)の最大化が図られる。
これに対して、図14Bは動作不良の状態を示す。モデルパラメータのばらつきによって、例えば、しきい値電圧が異なれば回路特性も異なることになる。図14Bは、モデルパラメータのばらつきが大きいために回路が正常動作しない例を示している。この例では、SNM0 、すなわち、バタフライカーブの左側の隙間が存在しない状態となっている。このようなシミュレーションを、モデルパラメータのばらつきに対応させて多数回繰り返してシミュレーションを行うことで、静的ノイズマージンを指標とするSRAMセル回路の歩留まりを求めることができる。
次に、第1実施形態の情報処理装置100によるモデルパラメータの確率密度関数の生成に対する評価結果について説明する。しきい値に代表されるモデルパラメータは直接測定することが困難な場合が多い。そこで、評価方法として2つの方法を用いる。第1の評価方法は、仮想デバイスを想定し、仮想デバイスのモデルパラメータのばらつきに対して、どの程度精度良く推定できるかを示す。第2の評価方法は、実際に測定したデバイスの電流特性パラメータに対して、どの程度精度良く推定できるかを示す。まず、第1の評価方法について説明する。
図15は500個の仮想デバイスのモデルパラメータのばらつきを示す模式図である。図において、縦軸はしきい値電圧VTHを示し、横軸は電流ゲインKを示す。仮想デバイスは、2つのロットが混在し、モデルパラメータが2つのクラスタに分かれている状況を想定した。以下では、デバイスモデルとして、前述の式(1)~(3)を用い、モデルパラメータのうち、しきい値電圧VTH、電流ゲインKの2つのモデルパラメータのばらつきを考慮する。
いずれのモデルパラメータについても、2つのピークを持つ正規分布に従うものとして、疑似乱数を用いてパラメータを生成する。これら2つ以外のモデルパラメータは、一定値に固定する。乱数を用いてモデルパラメータを生成する際、それぞれのモデルパラメータK、VTHについての平均値、分散、相関は適宜設定すればよい。500個の仮想デバイスのモデルパラメータとする2変量正規乱数を500個生成した。500個のうち、70%の350個が一方のクラスタ、30%の150個が他方のクラスタである。
図16は500個の仮想デバイスの特性パラメータである電流のばらつきの一例を示す模式図である。図15に例示した、生成した500個のモデルパラメータについて、モデル式を用いてデバイスのドレイン電流を計算する。ここでは、500個の仮想デバイスの電圧電流特性データを計算した。図16Aは、2つのバイアス条件(バイアス電圧)におけるドレイン電流の分布を示す。特性パラメータ空間を構成する電流データのバイアス条件として、ここでは(Vgs、Vds)=(10V、1V)、(18V、5V)の2点を選択している。これらはそれぞれ図16AのId1、Id2に相当する。
図16Bは、ドレイン電流のばらつきに対して、KDEを用いて推定された仮想デバイス500個のドレイン電流の確率密度分布を示す。
図17は比較例によるモデルパラメータの生成結果の一例を示す模式図である。図17は、比較例によって生成されたモデルパラメータK、VTHの散布図、パラメータK、VTHごとのヒストグラムを示す。図中、黒丸はモデルパラメータの真値を示し、◇は比較例によって生成されたモデルパラメータを示す。比較例によって生成されたパラメータは1つの正規分布しか仮定していないため、与えたパラメータのばらつきを再現できず誤差が大きくなっている事がわかる。この状況は、モデルパラメータごとのヒストグラムでも明らかである。実線で表されている真の分布が2つのピークを持つのに対し、比較例ではこれを正規分布で近似しているため、モデルパラメータのうち頻度の高い部分が完全に異なっている。ここで、以下に比較例による手法について説明する。
比較例では、概ね以下の手順でモデルパラメータを生成している。(1)製造物の性能を、加工時のパラメータ(モデルパラメータ)の関数等により表現するモデル式を生成する、(2)製造物の測定値(例えば、電流など)がモデル式にフィッティングするようにモデル式中のパラメータのばらつきを正規分布等で表す、(3)正規分布等で表されたパラメータの実現値を、その正規分布に従う乱数として生成する。さらに、製造物の性能を評価する場合には、生成した実現値とモデル式を用いてシミュレーションを行う。
比較例では、モデルパラメータを正規分布として表しているが、実際には、正規分布に従わない場合も多い。さらに、モデルパラメータのばらつきを直接測定することが困難な場合がある。測定困難で分布が不明なパラメータを、正規分布に従うと仮定するので、生成したモデルパラメータは、十分な精度が得られない場合がある。
図18は第1実施形態によるモデルパラメータの生成結果の一例を示す模式図である。図18は、前述の本実施の形態によって生成されたモデルパラメータK、VTHの散布図、パラメータK、VTHごとのヒストグラムを示す。図中、黒丸はモデルパラメータの真値を示し、△は本実施の形態によって生成されたモデルパラメータを示す。なお、本実施の形態の手法において、現サンプルから次サンプル候補を作る時の乱数(提案分布)として、平均が0、分散が(0.2)2 の2次元正規分布から作成した乱数を用いた。すなわち、ΔK、ΔVTH ~N(0、0.22)とすると、次サンプル候補は、現サンプルから次のように生成することができる。
(K′、VTH′)T =(K(i) 、VTH(i) T +(ΔK、ΔVTHT
サンプル数は55,000個である。ただし、最初の5000サンプルはバーインとして捨て、50,000個を残した。さらに、100サンプル間隔でサンプルを間引いて、最終的に500サンプルを得た。
図18に示すように、本実施の形態の手法で生成されたモデルパラメータのヒストグラムでは、モデルパラメータの分布を仮定していないが、結果として2つのピークを良く再現していることが分かる。これにより、本実施の形態は、誤差の小さいばらつき考慮シミュレーションに有用であることがわかる。
次に、第2の評価方法について説明する。
図19はフィッティング対象の特性パラメータである電流のばらつきの一例を示す模式図である。第1の評価方法の場合と同様、簡単のために、モデルパラメータのうち、しきい値電圧VTH、電流ゲインKの2つのモデルパラメータのばらつきを考慮する。フィッティング対象とするバイアス条件は(Vgs、Vds)=(18V、1V)、(12V、3V)の2点とし、それぞれId1、Id2とする。図19Aは、このバイアス条件の電流の実測データ(電流ばらつきデータ)を示す。図19Bは、KDEを用いて得られた電流の確率密度を示す。
図20は比較例による電流のばらつき結果の一例を示す模式図である。図20は、電流特性ばらつきをシミュレーションにより再現して計測値(実測データ)と比較して評価したものである。図17において説明した比較例によって生成されたモデルパラメータを用いた電流シミュレーションは、モデルパラメータが正規分布に従うという仮定がされているので、計測値に現れる電流分布の歪みを再現できていないことが分かる。
図21は第1実施形態による電流のばらつき結果の一例を示す模式図である。本実施の形態の場合、生成されたモデルパラメータによる電流特性ばらつきシミュレーションは、計測値(実測データ)を十分に再現できていることが分かる。すなわち、本実施の形態では、モデルパラメータの分布を仮定せずに、より正確な電流シミュレーションが可能であることが分かる。なお、第2実施形態においても第1実施形態と同様の評価結果を得ることができる。
次に、第1実施形態及び第2実施形態の情報処理装置100を用いた場合のばらつき考慮シミュレーションのユースケースについて説明する。
図22は第1実施形態の場合のばらつき考慮シミュレーションのユースケースの一例を示す模式図である。第1実施形態の情報処理装置100を用いる場合、ばらつき考慮シミュレーションは、図22に示すように、次のように行うことができる。
(1)製造事業者(回路を製造する企業(FAB))が多数のデバイス(例えば、MOSFETなど)を製造し、製造したデバイスの特性パラメータ(例えば、電圧・電流特性)を測定する。
(2)製造事業者は、製造するデバイスのデバイスモデル(モデル式)を決定するとともに、測定した特性パラメータに対して、例えば、カーネル密度推定を適用して、特性パラメータの確率密度関数を生成する。
(3)製造事業者は、デバイスモデル及び生成した特性パラメータの確率密度関数をユーザに提供する。なお、特性パラメータの確率密度関数に代えて、特性パラメータの計測値を提供してもよい。
(4)ユーザは、製造事業者から提供されたデバイスモデル、及び特性パラメータの確率密度関数を用いて、本実施の形態の手法(すなわち、モデルパラメータ空間でのマルコフ連鎖、及び特性パラメータ空間でのモンテカルロ法に基づくモデルパラメータの生成手法)を用いて、モデルパラメータを生成する。なお、ユーザは、製造事業者から特性パラメータの計測値を取得する場合、取得した計測値を用いて特性パラメータの確率密度関数を生成することができる。
(5)ユーザは、提供されたデバイスモデル、及び生成したモデルパラメータを用いて、ばらつき考慮の回路シミュレーションを行う。
ここでは、製造事業者は、以下のようなシミュレーション情報提供方法を行うことができる。すなわち、シミュレーション情報提供方法を実現するサーバは、ユーザ側の端末から、シミュレーション対象(例えば、メモリセル回路など)に関する情報を取得し、シミュレーション対象に含まれる製造物(例えば、MOSFETなど)の特性を示す特性パラメータの分布を表す分布情報(確率密度関数)をユーザ側の端末に出力し、製造物のモデルパラメータを用いて特性パラメータを表現するモデル情報(例えば、デバイスモデル、モデル式など)をユーザ側の端末に出力することができる。ここで、シミュレーション情報は、シミュレーションを実行するのに必要となる情報であり、前述の分布情報(確率密度関数)、モデル情報を含む。
図23は第2実施形態の場合のばらつき考慮シミュレーションのユースケースの一例を示す模式図である。第2実施形態の情報処理装置100を用いる場合、ばらつき考慮シミュレーションは、図23に示すように、次のように行うことができる。
(1)製造事業者(例えば、回路を製造する企業(FAB))は、デバイス(例えば、MOSFET)を作製し、デバイスの電圧・電流特性を計測し、計測データを収集する。
(2)製造事業者は、使用するデバイスのモデル式を決定し、計測した電圧・電流特性を近似するよう(フィッティング)、モデルパラメータを抽出する。これにより、モデルパラメータの分布を得ることができる。
(3)製造事業者は、モデル式、及び当該モデル式を用いて抽出したモデルパラメータの分布をユーザに提供する。
(4)ユーザは、モデルパラメータに対して、例えば、カーネル密度推定を適用して、モデルパラメータの確率密度関数を生成する。
(5)ユーザは、モデルパラメータの確率密度関数、及びモデルパラメータ空間でのマルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC:Markov chain Monte Carlo)に基づくモデルパラメータの生成手法を用いて、モデルパラメータを生成する。ここで、生成されるモデルパラメータは、製造事業者から提供されたモデルパラメータの分布と同じ分布に従うが、サンプル点は異なる。
(6)ユーザは、提供されたデバイスモデル、及び生成したモデルパラメータを用いて、ばらつき考慮の回路シミュレーションを行う。
図24は比較例の場合のばらつき考慮シミュレーションのユースケースの一例を示す模式図である。比較例は、例えば、本実施の形態の情報処理装置100を用いない場合の例を示す。比較例の場合、ばらつき考慮シミュレーションは、図24に示すように、次のように行うことができる。
(1)製造事業者(例えば、回路を製造する企業(FAB))は、デバイス(例えば、MOSFET)を作製し、デバイスの電圧・電流特性を計測し、計測データを収集する。
(2)製造事業者は、使用するデバイスのモデル式を決定し、計測した電圧・電流特性を近似するよう(フィッティング)、モデルパラメータを抽出する。製造事業者は、抽出したモデルパラメータの分布を正規分布で近似して、その平均値と標準偏差を算出する。
(3)製造事業者は、モデル式、及び当該モデル式を用いて抽出したモデルパラメータの分布(正規分布と近似したときの平均値と標準偏差)を、統計的デバイスモデルとしてユーザに提供する。
(4)ユーザは、提供されたモデル式及びモデルパラメータの分布を用いて回路シミュレーションを行う。
上述の比較例の場合、ユーザが用いる回路シミュレータでは、製造事業者から提供されたモデル式を読み込む必要があり、モデル式とモデルパラメータはセットとして用いる必要がある。例えば、モデル式が使用できない場合は、モデルパラメータを提供されても、ユーザは、回路シミュレーションを実行することができない。また、特性のばらつきがモデルパラメータの分布として表現されることから、モデル式毎にモデルパラメータの分布を求める必要がある。このため、異なるモデル式を用いて回路シミュレーションを行う必要が生じた場合には、モデル式に合わせてモデルパラメータの再抽出を行う必要があり、ばらつきの表現がモデル式から独立していること、すなわち、モデル式とモデルパラメータとが分離していることが望ましい。第1実施形態によれば、図22に例示するように、特性のばらつきを、そのモデルパラメータのばらつきとして要約することができ、ばらつきがない場合と同様の手続きで回路シミュレーションを行うことを可能にしている。また、第2実施形態によれば、製造事業者から提供されるモデルパラメータに関する計測データ数よりも多くの新たなモデルパラメータを多数生成することができ、実質的にモデル式とモデルパラメータとの分離を行うことができる。
図25は第1実施形態及び第2実施形態の情報処理装置の構成の他の例を示す説明図である。図25において、符号200は、コンピュータである。コンピュータ200は、制御部30、入力部40、出力部50、外部I/F(インタフェース)部60、表示パネル70、及び操作部80などを備える。制御部30は、CPU31、ROM32、RAM33、I/F(インタフェース)34などを備える。
入力部40は、入力データを取得する。出力部50は、出力データを出力する。I/F34は、制御部30と、入力部40、出力部50、外部I/F部60、表示パネル70、及び操作部80それぞれとの間のインタフェース機能を有する。
外部I/F部60は、コンピュータプログラムを記録した記録媒体M(例えば、DVDなどのメディア)からコンピュータプログラムを読み取ることが可能である。
なお、図示していないが、記録媒体Mに記録されたコンピュータプログラムは、持ち運びが自由なメディアに記録されたものに限定されるものではなく、インターネット又は他の通信回線を通じて伝送されるコンピュータプログラムも含めることができる。また、コンピュータには、複数のプロセッサを搭載した1台のコンピュータ、あるいは、通信ネットワークを介して接続された複数台のコンピュータで構成されるコンピュータシステムも含まれる。
上述のとおり、本実施の形態によれば、比較的測定が容易な、製造物の性能などの特性パラメータの分布から、モデル(モデル式)に使用されているモデルパラメータの分布を精度よく推定することができる。モデルパラメータの分布を推定できるので、モデルパラメータ及びモデル式を用いて、より正確なばらつき考慮シミュレーションを行うことができる。また、製造物の性能分布をもとに、モデルパラメータの分布をシミュレータに陽に与えることなく、製造物の性能評価を可能とする。
また、本実施の形態によれば、以下のような、ばらつき考慮シミュレーションの精度劣化の原因を解決することができる。すなわち、
(1)ばらつきを表す分布の自由度:通常、乱数生成の容易さや統計的な扱いの容易さから、正規分布が仮定される。しかし、各モデルパラメータが従う分布は必ずしも明らかでない場合があり、正規分布に従わない場合もしばしばある。本実施の形態によれば、モデルパラメータの分布として任意の分布が表現できる。
(2)モデルパラメータ間の相関の扱い:モデルパラメータ間には統計的な相関が見られる場合が多いが、ピアソンの積率相関係数に代表される線形相関のみしか扱うことができない。本実施の形態によれば、モデルパラメータ間の任意の相関を表現できる。
(3)フィッティングによって抽出されたモデルパラメータの分布に歪みがある場合、あるいは電流モデルが測定された電流特性を正しく表現できない場合には、統計的デバイスモデルが(しばしば大きな)誤差を含む場合がある。本実施の形態ではフィッティングによって抽出されたモデルパラメータを使用する必要はない。
(4)ばらつきがモデルパラメータの分布として表現されているので、デバイスモデルごとにモデルパラメータの分布を求める必要がある。ユーザが使用する回路シミュレータが、製造事業者等から提供されるデバイスモデルをサポートしない場合や、異なるデバイスモデルを用いてシミュレーションを行う必要が生じた場合には、モデル式に合わせてモデルパラメータの再抽出を行って、その分布を求める必要がある。本実施の形態によれば、ばらつきの表現をデバイスモデルから独立させることができる。
前述のとおり、本実施の形態のモデルパラメータ生成方法は、例えば、以下のとおりとすることができる。製造物のモデル式を、I=f(p)とする。ここで、pは、比較的測定が困難な第2パラメータの集合を表す。第2パラメータは、製造物のモデルパラメータとも称する。Iは、測定が容易な第1パラメータの集合を表す。第1パラメータは、製造物の特性を示す特性パラメータとも称する。ここで、2つの空間を観念することができる。1つはモデルパラメータ空間であり、モデルパラメータpが分布する空間である。他の1つは特性パラメータ空間であり、電流などの特性パラメータIが分布する空間である。本実施の形態のモデルパラメータ生成方法は、モデル式を経由して、2つの空間でマルコフ連鎖とモンテカルロ法とを交互に行う処理を繰り返すことにより、モデルパラメータ空間におけるモデルパラメータの集合を生成するものである。一般的なマルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)は、確率変数xの密度分布をf(x)としたときに、マルコフ連鎖を用いて確率変数xをサンプリング(xt+1 =xt +Δ)し、密度分布のf(x)の確率比、例えば、{f(xt+1 )/f(xt )}に基づいて、確率変数の集合を生成するものであるが、本実施の形態とは全く相違する。
上述の実施の形態では、製造物として半導体デバイスの一素子であるMOSFETを例に挙げて説明したが、製造物はMOSFETに限定されるものではなく、上述のように、I=f(p)というモデル式で表現できるものであれば、様々な分野の製造物であってもよい。
本実施の形態の情報処理装置は、製造物に関する第1パラメータの分布を表す分布情報を取得する分布情報取得部と、前記製造物に関する第2パラメータを用いて前記第1パラメータを表現するモデル情報に基づいて、前記分布情報が再現されるように前記第2パラメータの確率密度情報を生成する確率密度情報生成部とを備える。
本実施の形態のコンピュータプログラムは、コンピュータに、製造物に関する第1パラメータの分布を表す分布情報を取得し、前記製造物に関する第2パラメータを用いて前記第1パラメータを表現するモデル情報に基づいて、前記分布情報が再現されるように前記第2パラメータの確率密度情報を生成する、処理を実行させる。
本実施の形態の情報処理方法は、製造物に関する第1パラメータの分布を表す分布情報を取得し、前記製造物に関する第2パラメータを用いて前記第1パラメータが表現されるモデル情報に基づいて、前記分布情報が再現されるように前記第2パラメータの確率密度情報を生成する。
本実施の形態のシミュレーション情報提供方法は、シミュレーション対象に関する情報を取得し、前記シミュレーション対象に含まれる製造物の特性を示す特性パラメータの分布を表す分布情報を出力し、前記製造物のモデルパラメータを用いて前記特性パラメータを表現するモデル情報を出力する。
本実施の形態の情報処理装置は、前記確率密度情報生成部で生成した第2パラメータの確率密度情報及び前記モデル情報を用いて、前記製造物を含むシミュレーション対象の性能を評価する評価部を備える。
本実施の形態の情報処理装置は、前記第1パラメータの計測値を取得する計測値取得部と、取得した計測値を用いて前記第1パラメータの分布を表す分布情報を生成する分布情報生成部とを備える。
本実施の形態の情報処理装置は、前記モデル情報を取得するモデル情報取得部と、取得したモデル情報を記憶する記憶部とを備える。
本実施の形態の情報処理装置は、取得したモデル情報で前記記憶部に記憶したモデル情報を更新する更新部を備える。
本実施の形態の情報処理装置において、前記確率密度情報生成部は、マルコフ連鎖を用いて前記第2パラメータの候補をサンプリングするサンプリング部と、前記モデル情報を用いて、サンプリングされた候補を第1パラメータの候補に変換する変換部と、変換された第1パラメータの分布を表す分布情報にモンテカルロ法を適用して、サンプリングされた候補から第2パラメータを生成するパラメータ生成部とを備える。
本実施の形態の情報処理装置において、前記第1パラメータは、前記製造物の特性を示す特性パラメータを含み、前記第2パラメータは、前記製造物のモデルパラメータを含む。
10、30 制御部
11、40 入力部
12 分布情報生成部
13 確率密度情報生成部
131 サンプリング部
132 変換部
133 モデルパラメータ生成部
14、50 出力部
15 シミュレーション部
16 記憶部
17、70 表示パネル
18、80 操作部
19 フィッティング部
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 I/F
60 外部I/F部
100 情報処理装置
200 コンピュータ

Claims (12)

  1. 製造物に関する第1パラメータの分布を表す分布情報を取得する分布情報取得部と、
    前記製造物に関する第2パラメータを用いて前記第1パラメータを表現するモデル情報に基づいて、前記分布情報が再現されるように前記第2パラメータの確率密度情報を生成する確率密度情報生成部と
    を備える情報処理装置。
  2. 前記第1パラメータの計測値を取得する計測値取得部と、
    取得した計測値を用いて前記第1パラメータの分布を表す分布情報を生成する分布情報生成部と
    を備える請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記確率密度情報生成部は、
    マルコフ連鎖を用いて前記第2パラメータの候補をサンプリングするサンプリング部と、
    前記モデル情報を用いて、サンプリングされた候補を第1パラメータの候補に変換する変換部と、
    変換された第1パラメータの分布を表す分布情報にモンテカルロ法を適用して、サンプリングされた候補から第2パラメータを生成するパラメータ生成部と
    を備える、
    請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 製造物に関する第1パラメータの計測値を取得する計測値取得部と、
    取得した第1パラメータの計測値に、前記製造物に関する第2パラメータを用いて前記第1パラメータを表現するモデル情報を当てはめて前記第2パラメータの確率密度情報を生成する確率密度情報生成部と
    を備える情報処理装置。
  5. 前記確率密度情報生成部は、
    マルコフ連鎖を用いて前記第2パラメータの候補をサンプリングするサンプリング部と、
    前記第2パラメータの分布を表す分布情報にモンテカルロ法を適用して、サンプリングされた候補から第2パラメータを生成するパラメータ生成部と
    を備える、
    請求項4に記載の情報処理装置。
  6. 前記確率密度情報生成部で生成した第2パラメータの確率密度情報及び前記モデル情報を用いて、前記製造物を含むシミュレーション対象の性能を評価する評価部を備える、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  7. 前記モデル情報を取得するモデル情報取得部と、
    取得したモデル情報を記憶する記憶部と
    を備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  8. 取得したモデル情報で前記記憶部に記憶したモデル情報を更新する更新部を備える、
    請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記第1パラメータは、前記製造物の特性を示す特性パラメータを含み、
    前記第2パラメータは、前記製造物のモデルパラメータを含む、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  10. コンピュータに、
    製造物に関する第1パラメータの分布を表す分布情報を取得し、
    前記製造物に関する第2パラメータを用いて前記第1パラメータを表現するモデル情報に基づいて、前記分布情報が再現されるように前記第2パラメータの確率密度情報を生成する、
    処理を実行させるコンピュータプログラム。
  11. 製造物に関する第1パラメータの分布を表す分布情報を取得し、
    前記製造物に関する第2パラメータを用いて前記第1パラメータが表現されるモデル情報に基づいて、前記分布情報が再現されるように前記第2パラメータの確率密度情報を生成する、
    情報処理方法。
  12. シミュレーション対象に関する情報を取得し、
    前記シミュレーション対象に含まれる製造物の特性を示す特性パラメータの分布を表す分布情報を出力し、
    前記製造物のモデルパラメータを用いて前記特性パラメータを表現するモデル情報を出力する、
    シミュレーション情報提供方法。
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