JP2022090835A - 波形観測装置、及び波形観測方法 - Google Patents

波形観測装置、及び波形観測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無入力に極力近い状態で高精度のキャリブレーションを煩雑な作業を必要とせずに実施でき、測定結果の確度向上が可能な波形観測装置、及び波形観測方法を提供する。【解決手段】サンプリングオシロスコープ1は、被測定信号を無入力とした状態でO/E3から出力される暗電流を検出し、該暗電流に基づき信号波形処理部43の波形解析処理に係るキャリブレーション制御を実行するキャリブレーション制御部5eと、O/E3におけるフォトダイオード31の受光部31aに対する光信号入力経路31bに設けられ、フォトダイオード31の受光部31aに対する光信号(被測定信号)の入力を妨げない開放状態、または上記入力を遮断する閉鎖状態に開閉可能な光シャッター2aを有する光シャッター部2と、キャリブレーション制御の実行中、光シャッター2aを開放状態から閉鎖状態に切り替え制御する光シャッター開閉制御部5e3と、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、被測定対象物から光信号として入力する被測定信号を電気信号に変換してその波形を観測する波形観測装置、及び波形観測方法に関する。
例えば、光トランシーバや光インターフェースなどの光デバイス(若しくは、光モジュール)の検査段階で使用する測定系として、図8に示すように、サンプリングオシロスコープ(Sampling Oscillo Scope)60を用いたシステム構成が知られている。このシステム構成おいて、被試験対象物(Device Under Test:DUT)70は、例えば光トランシーバであり、検査時には評価ボード70Aに装着(接続)して用いられる。
図8に示すシステム構成において、信号発生装置(Pulse Pattern Generator:PPG)67は、DUT70に対してデータ信号(Data)を送出する。DUT70は、PPG67からのデータ信号を入力し、そのデータ信号を光信号でサンプリングオシロスコープ60へ出力するとともに、トリガクロック(Trigger Clock)信号もサンプリングオシロスコープ60に合わせ送出する。サンプリングオシロスコープ60は、光信号として入力するデータ信号を光電変換器(Optical/Electrical Converter:O/E)61により電気信号に変換してサンプラー62に送出する一方で、DUT70から入力するトリガクロック信号に基づきサンプリングパルス生成部63でサンプリングパルスを生成し、サンプラー62に入力する。サンプラー62は、O/E61が送出するデータ信号を、サンプリングパルス生成部63からのサンプリングパルスに応じたサンプリングタイミングでサンプリングし、信号波形処理部64によりそのデータ信号の波形解析処理を行うとともに、該波形解析処理結果を表示部(図示せず)に表示することにより波形観測を行うようになっている。
光信号を電気信号に変換する光信号入力装置(光電変換器(O/E)に相当)を備え、この電気信号を増巾手段にて増巾しブラウン管に光信号波形として表示する光信号観測装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭56-90611号公報
特許文献1にも記載されるように(例えば、第2頁右上欄第2行目~第4行目)、光信号の波形観測を行う装置では、光信号を電気信号に変換する素子(光電変換素子)として、例えば、フォトダイオードを用いたものがある。図8に示すサンプリングオシロスコープを例に挙げれば、光入力部にO/E61が備わっており、該O/E61に採用されるフォトダイオード(Photo Diode)により光信号を電気信号に変換したのちに当該電気信号のサンプリングを行うようになっている。
光電変換器に用いられるフォトダイオードは、例えば、光信号の入力レベルに対応した電流を出力し、無入力時の電流(暗電流)が温度により変化することが知られている。暗電流の変化に起因する測定値変動に対する対策として、従来は、測定を開始する前にキャリブレーション(Calibration)動作を実行して光信号無入力の光電変換器の出力(L)の値を測定し、この測定値をその後の測定における測定値の計算時に加味することで、測定器起因の測定誤差を取り除くことが一般的である。
一方、光電変換器の暗電流は温度変化に伴い変化し測定結果に影響を及ぼしてしまうため、温度変化時には、都度、キャリブレーションを行うことが必須である。この場合において、温度は、光電変換器に搭載されたサーモメータ(Thermo meter:TM;図8では符号65を付している。)により測定される。
キャリブレーションを行う場合は、フォトダイオードの入力を無入力としなければならない。また、光源によっては無出力設定としても光が多少漏れ出ているケースがあり、キャリブレーション結果にずれが生じることがある。無出力にするべく完全に出力を取り去るにはコネクタを都度外す必要があり、手間や時間がかかる。
また、系の変更により光ケーブルの概形変化による影響やコネクタ端面の汚れや傷付きの影響などにより測定結果の再現性悪化の問題があった。また、温度変化のアラームを画面表示してもユーザがキャリブレーションを行わないこともあり、温度変化があった場合に測定結果が真値からずれる問題があった。
特許文献1においても、光電変換を行う受光素子(光電変換素子)が温度により変化し、測定確度が悪化すること、暗電流の変化が問題であること等に関する記載がある(例えば、第2頁右上欄第7行目~第10行目)。このことから、従来の波形観測装置においてはキャリブレーションを行っているものと推察される。
しかしながら、特許文献1においても、図8に示す従来のサンプリングオシロスコープにおける前述の問題点を解消し得る技術を示唆するものではなかった。結局、従来の波形観測装置では、キャリブレーションに際して光信号を完全に無入力とするにはコネクタを外すなどの煩雑な作業が必要で時間もかかる、系変更に際して上記の作業が必要であるため測定結果の再現性が悪化する、温度変化の警告に対してキャリブレーションを実行し忘れるなどにより測定結果の確度が低下することがある等の問題点があった。
特に、光デバイスの製造段階においてはプログラムを用いて自動化された測定が求められる。このため、コネクタを外すなどの煩雑な作業はぜひとも避けなければならず、これをなくすために光信号の出力レベルの設定機能を設けた場合でも、設定値を0レベルにしても光が漏れてしまうことがあるなど、フォトダイオードの受光部に対する光信号の入力を完全に遮断できないような状況も多く発生していた。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、無入力に極力近い状態で高精度のキャリブレーションを煩雑な作業を必要とせずに実施でき、測定結果の確度向上が可能な波形観測装置、及び波形観測方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る波形観測装置は、被測定対象物(50)から光信号として入力する被測定信号を電気信号に変換して出力する光電変換素子(31)を有する光電変換手段(3)と、前記光電変換手段から出力される前記被測定信号の波形解析処理を行う波形解析処理手段(43)と、前記被測定信号を無入力とした状態で前記光電変換手段から出力される暗電流を検出し、該暗電流に基づき前記波形解析処理手段の前記波形解析処理に係るキャリブレーション制御を実行するキャリブレーション制御手段(5e)と、前記光電変換素子の受光部(31a)に対する光入力経路(31b)に設けられ、前記受光部に対する前記光信号である前記被測定信号の入力を妨げない開放状態、または前記入力を遮断する閉鎖状態に開閉可能な光シャッター(2a)を有する光シャッター手段(2)と、前記キャリブレーション制御の実行中、前記光シャッターを、前記開放状態から前記閉鎖状態に切り替え制御する光シャッター開閉制御手段(5e3)と、を有することを特徴とする。
この構成により、本発明の請求項1に係る波形観測装置は、光電変換手段の受光部に対する光入力経路に光シャッターを設け、光シャッターを閉鎖状態として受光部に対する光信号である被測定信号の入力を完全に遮断できるようにしたため、光電変換手段を無出力にすべく完全に出力を取り去るためにコネクタをいちいち外す必要がなく、手間や時間をかけずにキャリブレーションを実施して、精度の高い測定を行うことができる。また、コネクタをいちいち外す必要がなくなることで系変更が生じないため、測定結果の再現性を高めることが可能となる。
また、本発明の請求項2に係る波形観測装置は、所定のキャリブレーション開始条件が成立したか否かを判定する開始条件判定手段(5e1)を有し、前記光シャッター開閉制御手段は、前記キャリブレーション開始条件が成立したと判定されることにより、前記キャリブレーション制御の開始直前から当該キャリブレーション制御が終了するまでの期間、前記光シャッターを前記閉鎖状態に制御する構成としてもよい。
この構成により、本発明の請求項2に係る波形観測装置は、キャリブレーション開始条件を予め設定しておくことで、該キャリブレーション開始条件が成立するごとに、光シャッターを閉鎖状態にして完全無入力に近い状態での正確なキャリブレーションを実施でき、ユーザによる煩雑な作業を必要とせず、ユーザに対してキャリブレーションのし忘れを意識させることもなくなる。
また、本発明の請求項3に係る波形観測装置は、前記光電変換素子の近傍に設けられる温度計測手段(9a)をさらに有し、前記開始条件判定手段は、前記温度計測手段の計測温度が予め設定された所定の温度に達した場合に前記キャリブレーション開始条件が成立したと判定する構成としてもよい。
この構成により、請求項3に係る波形観測装置は、予め設定された所定の温度に達した場合に光シャッターにより光電変換素子の受光部を遮断した状態でのキャリブレーションが実施され、光電変換手段の温度変動による測定結果の変動が自動かつリアルタイムに補正されるため、ユーザがキャリブレーションを意識したり、忘れたりすることがないうえに、測定結果の確度を極めて高くすることが可能となる。
また、本発明の請求項4に係る波形観測装置において、前記開始条件判定手段は、前記温度計測手段の計測温度に基づいて温度変化量を算出し、前記温度変化量が予め設定された温度変化量に達した場合に前記キャリブレーション開始条件が成立したと判定する構成であってもよい。
この構成により、請求項4に係る波形観測装置は、予め設定された温度変化量に達した場合に、光シャッターで光電変換素子の受光部を閉鎖した状態にして該温度変化量に応じたキャリブレーションが自動で実施することができ、ユーザがキャリブレーションを意識したり、忘れたりすることがなくなり、しかも、測定結果の確度向上が見込める。
また、本発明の請求項5に係る波形観測装置は、時間の計測を行う計時手段(9b)を有し、前記開始条件判定手段は、前記計時手段により予め設定された所定の時間間隔が計時された場合に前記キャリブレーション開始条件が成立したと判定する構成であってもよい。
この構成により、本発明の請求項5に係る波形観測装置は、予め設定された時間間隔ごとに、光シャッターで光電変換素子の受光部を閉鎖した状態で該温度変化量に応じたキャリブレーションが自動で実施されるため、ユーザがキャリブレーションを意識したり、忘れたりすることがなくなり、しかも、測定結果の確度向上が見込める。
また、本発明の請求項6に係る波形観測装置において、前記開始条件判定手段は、手動によるキャリブレーション開始操作を受け付けることにより前記キャリブレーション開始条件が成立したと判定する構成としてもよい。
この構成により、請求項6に係る波形観測装置は、手動により、光シャッターで光電変換素子の受光部を閉鎖した状態でのキャリブレーションをリアルタイムで実施でき、測定結果の確度向上が見込める。
また、本発明の請求項7に係る波形観測装置において、前記光シャッターは、電界吸収(EA)光変調器、ニオブ酸リチウム(LN)光変調器、光可変アッテネータ、メカニカル光シャッターのいずれかによって構成されるようにしてもよい。
この構成により、請求項7に係る波形観測装置は、物理的な耐久性、反応速度、コスト等を指標にして最適な種別の光シャッターを選ぶことができ、いずれの光シャッターを搭載した場合でも、光シャッターを閉鎖状態としてキャリブレーションを実施でき、測定結果の確度向上が見込める。
上記課題を解決するために、本発明の請求項8に係る波形観測方法は、請求項1~7のいずれかに記載の波形観測装置を用いて前記被測定信号の波形観測を行う波形観測方法であって、所定のキャリブレーション開始条件が成立したか否かを判定する開始条件判定ステップ(S11、S15)と、前記キャリブレーション開始条件が成立したと判定されることにより、前記光シャッターを前記閉鎖状態に切り替え制御する光シャッター閉制御ステップ(S12)と、前記光シャッターが前記閉鎖状態に制御された状態で前記キャリブレーション制御を実行するキャリブレーション実行ステップ(S2、S5、S13)と、前記キャリブレーション制御が終了することにより、前記光シャッターを前記開放状態に切り替え制御する光シャッター開制御ステップ(S17)と、前記光シャッターが前記開放状態に制御された状態で、前記被測定対象物(50)から光信号として入力する前記被測定信号を前記光電変換素子(31)により電気信号に変換して前記光電変換手段(3)から出力し、該出力される前記被測定信号の波形解析処理を行う波形解析処理ステップ(S3)と、を含むことを特徴とする。
この構成により、本発明の請求項8に係る波形観測方法は、光電変換手段の受光部に対する光入力経路に設けた光シャッターを閉鎖状態として受光部に対する光信号である被測定信号の入力を完全に遮断できるようにしたため、光電変換手段を無出力にすべく完全に出力を取り去るためにコネクタをいちいち外す必要がなく、手間や時間をかけずにキャリブレーションを実施して、精度の高い測定を行うことができる。また、コネクタをいちいち外す必要がなくなることで系変更が生じず、測定結果の再現性を高めることが可能となる。
本発明は、無入力に極力近い状態で高精度のキャリブレーションを煩雑な作業を必要とせずに実施でき、測定結果の確度向上が可能な波形観測装置、及び波形観測方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るサンプリングオシロスコープの全体構成図である。 本発明の一実施形態に係るサンプリングオシロスコープの制御部の機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るサンプリングオシロスコープにおいて光シャッターとして採用される光可変ATTの機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るサンプリングオシロスコープの波形観測処理動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るサンプリングオシロスコープの図3のステップS2及びS5におけるキャリブレーション制御動作の詳細を示すフローチャートである。 波形観測装置のO/Eにおける暗電流の温度依存特性を示すグラフである。 波形観測装置における消光比の定義と温度依存について説明するための観測波形モデルを示す図である。 光デバイスの波形観測に用いる従来のサンプリングオシロスコープの構成を示す図である。
以下、本発明に係る波形観測装置、及び波形観測方法の実施形態について図面を用いて説明する。
まず、本発明の一実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1の構成について図1及び図2を参照して説明する。サンプリングオシロスコープ1は、本発明に係る波形観測装置の一例であり、被測定対象物であるDUT50から被測定信号として出力される光信号(Optical Data)を入力し、該光信号を電気信号(Data)に変換してその波形解析(波形観測)処理を行うものである。被測定信号は、例えば、PRBSパターン信号(疑似ランダム信号)等の信号である。
上記波形観測に際し、PPG67からDUT50に対してデータ信号(被測定信号)を入力し、そのデータ信号をDUT50が光信号でサンプリングオシロスコープ60へ出力する点、DUT50がサンプリングオシロスコープ1に対してトリガクロック信号を送出する点、DUT50を評価ボード70Aに装着(接続)して用いる点は、図8に示す従来のシステム構成と同様である。
DUT50としては、光信号を受け渡す機能を有する光トランシーバ等の各種光デバイスが用いられる。DUT50は、それぞれの規格が割り振られた複数の伝送レートのうちのいずれかの伝送レート(規格レート)を有する光信号、あるいは任意の伝送レートを有する光信号を受け渡すことができる多種類のものが用意される。サンプリングオシロスコープ1は、例えば、IEEE802.3に規定される高速イーサネット(登録商標)規格に基づいて、各規格レートの光信号、あるいは任意の伝送レートの光信号をそれぞれ受け渡すことが可能な多種類のDUT50を選択的に接続(交換)して、該DUT50が出力する光信号(被測定信号)の観測(波形解析処理)を行うようになっている。光デバイスの規格としては、例えば、QSFP、QSFP-28、QSFP-56、QSFP-DD等が挙げられる。
上述した波形観測を行うために、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、図1に示すように、O/E3、波形観測部4、制御部5、記憶部6、操作部7、表示部8、サーモメータ(SM)9aを備えて構成される。
O/E3は、光シャッター部2、フォトダイオード31、アンプ32、を備えて構成されている。光シャッター部2は、フォトダイオード31の受光部31aに対する光信号入力経路31bに設けられる光シャッター2aを有している。O/E3は本発明の光電変換手段を構成し、光信号入力経路31bは本発明の光入力経路を構成する。
光シャッター2aは、フォトダイオード31の受光部31aに対する光信号の入力を妨げない開放状態、または上記光信号の入力を遮断する閉鎖状態に開閉可能な構成を有している。光シャッター2aに対する開放状態と閉鎖状態との間での開閉制御は、後述する光シャッター開閉制御部5e3によって行われる。ここで光シャッター2aが開放状態のときに受光部31aに入力される光信号は、波形観測時、PPG67からのデータ信号の入力に応じてDUT50から出力され、光信号入力端子Tin1から取り込まれて光信号入力経路31b経由で入力する被測定信号である。
光シャッター部2に採用される光シャッター2aは、例えば、半導体に電解を加えることで、光の吸収量を、光が透過する状態(上記開放状態に相当)または光が吸収される状態(上記閉鎖状態に相当)に制御可能な電界吸収(EA:Electro-Absorption)光変調器、レーザ光を入力して、印加する電圧に応じてレーザ光が出力されない状態(上記閉鎖状態に相当)または前記レーザ光が出力される状態(上記開放状態に相当)に制御可能なニオブ酸リチウム(LN)光変調器、光信号の減衰量を0または最大に制御して上記開放状態または閉鎖状態に切り替える光可変アッテネータ(ATT)で実現することが可能である。また、光シャッター2aは、光信号を遮蔽する光シャッター板を上記開放状態または上記閉鎖状態に切り替えるメカニカル光シャッターを適用することも可能である。これら各種別の光シャッター部2は、上記閉鎖状態において、当該サンプリングオシロスコープ1の受信感度以下のレベルまで光を減衰できることが望まれる。光シャッター部2は、本発明の光シャッター手段を構成する。
図3には、本実施形態に係る光シャッター部2の一例である光シャッター部2Bの機能構成を示している。光シャッター部2Bは、光シャッター2aとして光可変アッテネータ(ATT)2a1を採用しており、制御端子21を介して光シャッター開閉制御部5e3から、光信号入力端子Tin1より入力する光信号の減衰量を0または最大に制御することにより、光可変アッテネータ(ATT)2a1を上記開放状態または上記閉鎖状態に切り替える制御可能な構成を有している。
フォトダイオード31は、DUT50から光シャッター部2が設けられた光信号入力経路31bを経由して入力する光信号(被測定信号)を受光部31aで受光して該光信号を電気信号に変換する光電変換素子としての機能を果たす。アンプ32は、フォトダイオード31から出力される電気信号を増幅して波形観測部4に出力するものである。
波形観測部4は、サンプリングパルス生成部41、サンプラー42、信号波形処理部43を有している。サンプリングパルス生成部41は、DUT50から出力され、クロック入力端子Tin2から入力されるトリガクロック信号に基づき、サンプラー42が動作するサンプリングタイミングとし用いられるタイミング信号を生成する。生成されるタイミング信号は数100kHzの低速タイミング信号であり、サンプラー42と信号波形処理部43(後述するFPGA)に供給される。サンプラー42は、サンプリングパルス生成部41にて生成されるタイミング信号をサンプリングタイミングとして、例えば、数100kHzでスイッチング動作し、O/E3にて電気信号に変換された被測定信号(入力データ信号)のサンプリングを行う。
信号波形処理部43は、サンプラー42によってサンプリングされたデータ(サンプルデータ)信号の波形解析処理を行う。より詳しくは、信号波形処理部43は、サンプラー42からの出力信号レベルをIF(Intermediate Frequency)回路によって増幅し、ADC(Analog to Digital Converter)によってデジタルデータに変換する。デジタル変換されたデータは FPGA(Field-Programmable Gate Array)およびCPUによるソフトウェア処理により解析され、最終的な結果としてアイパターン解析結果が表示部8に表示される。信号波形処理部43は、本発明の波形解析処理手段を構成する。
制御部5は、サンプリングパルス生成部41でのタイミング信号(サンプリングパルス)の生成処理、サンプラー42でのデータ信号のサンプリング処理、波形観測部4における被測定信号の波形解析処理、及び後述するキャリブレーション制御等、サンプリングオシロスコープ1全体の動作を制御するものである。
制御部5は、図2に示すように、CPU5a、外部インターフェース(I/F)部5fを備えている。CPU5aは、例えば、記憶部6に記憶されているプログラムを実行することで設定制御部5b、測定制御部5c、表示制御部5d、キャリブレーション制御部5eなどの各機能部を実現する。
設定制御部5bは、DUT50の測定(波形観測)のためのシミュレーション・パラメータの設定、キャリブレーション制御に係るキャリブレーション開始条件等の各種の設定処理を行うものである。
測定制御部5cは、信号波形処理部43におけるサンプラー42からのサンプルデータに基づく被測定信号の波形の検出処理等、被測定信号の測定(観測)に係る各部の制御を行う。
表示制御部5dは、被測定信号の波形観測に係る各種情報を表示部8に表示させるための表示制御を行う。表示制御部5dは、例えば、サンプリングオシロスコープ1に対してDUT50からデータ信号(被測定信号)を入力する際のUI画面を表示部8に表示させるための表示制御を行う。UI画面としては、入力する信号(被測定信号)に関連付けて、規定の伝送レート、若しくは任意の伝送レートであること、並びに再入力に係る信号であることを入力可能な画面構成を有する入力画面が挙げられる。また、表示制御部5dは、波形観測部4(特に、信号波形処理部43)を対象として行うキャリブレーション制御に係る制御条件(キャリブレーション開始条件等)を入力可能なキャリブレーション用UI画面や、信号波形処理部43での被測定信号の波形解析処理結果の表示制御も実行可能となっている。
キャリブレーション制御部5eは、例えば、被測定信号の波形観測に先立って実施するキャリブレーションに係る動作制御を行う機能部である。具体的に、キャリブレーション制御部5eは、上述したキャリブレーション用UI画面を用いたキャリブレーションの制御条件の設定操作を受け付けて当該制御条件を設定し、制御条件の1つであるキャリブレーション開始条件が成立した場合に、その都度、設定されたキャリブレーション制御条件に基づいてキャリブレーション制御を実行させる。
キャリブレーション制御部5eは、開始条件判定部5e1、キャリブレーション実行制御部5e2、光シャッター開閉制御部5e3を有している。
開始条件判定部5e1は、予め設定されているキャリブレーション開始条件が成立したか否かを判定する処理を行う。キャリブレーション開始条件は、操作部7での操作入力に応じて設定制御部5bにより設定することができる。具体的なキャリブレーション開始条件としては、操作部7でキャリブレーション開始操作が行われたことをはじめとして、例えば、時間(開始する時刻、時間間隔)や温度(開始する温度、温度変化量)に関するパラメータを用いて設定することができる。開始条件判定部5e1は、本発明の開始条件判定手段を構成する。
なお、温度(開始時刻、時間間隔)に関するパラメータを用いたキャリブレーション開始条件の判定機能を実現すべく、フォトダイオード31の近傍位置には、周囲温度を検出するサーモメータ9aが設けられている。サーモメータ9aは、本発明における温度計測手段を構成する。
また、時間(開始する時刻、時間間隔)に関するパラメータを用いたキャリブレーション開始条件の判定機能を実現すべく、制御部5は、時間の計時を行う計時回路(TK)9bを備えている。計時回路9bは、本発明における計時手段を構成する。
キャリブレーション実行制御部5e2は、波形観測部4の信号波形処理部43での波形解析処理に係るキャリブレーションを実行する制御機能を有している。具体的に、キャリブレーション実行制御部5e2は、開始条件判定部5e1によりキャリブレーション開始条件が成立したと判定されることにより、被測定信号である光信号を無入力とした状態でO/E3から出力される電流(暗電流)を検出し、該暗電流に基づいて波形観測部4の信号波形処理部43での波形解析処理に係るキャリブレーション制御を実行する。キャリブレーション実行制御部5e2は、キャリブレーション制御部5eとともに、本発明のキャリブレーション制御手段を構成する。
光シャッター開閉制御部5e3は、光シャッター部2の光シャッター2aを、フォトダイオード31の受光部31aに対する光信号である被測定信号の入力を妨げない開放状態、または上記入力を遮断する閉鎖状態に開閉制御する機能部である。光シャッター開閉制御部5e3は、例えば、通常は光シャッター2aを上記開放状態に切り替えており、開始条件判定部5e1によりキャリブレーション開始条件が成立したと判定されることにより、波形観測部4に対するキャリブレーション制御が終了するまでの期間、光シャッター2aを上記閉鎖状態に切り替え制御するようになっている。光シャッター開閉制御部5e3は、本発明の光シャッター開閉制御手段を構成する。
外部I/F部5fは、ネットワーク10を介して外部機器にアクセスする際のインターフェース機能を有し、本実施形態では、サンプリングオシロスコープ1と外部の制御装置11(図1参照)間でネットワーク10を介して信号を送受する際のインターフェース機能も提供している。本実施形態において、サンプリングオシロスコープ1は、自装置の制御部5による制御による動作の他、ネットワーク10を介して外部の制御装置11からの指令で動作するシステム構成とすることもできる。この場合のシステム動作は、制御装置11の制御部(図示せず)に制御部5と同等の機能部を設けた構成とすることで実現可能である。
記憶部6は、CPU5aが設定制御部5b、測定制御部5c、表示制御部5d、キャリブレーション制御部5eなどの各機能部を実現するために必要なプログラムに加えて、各種の制御に用いる制御データテーブル6aを記憶している。制御データテーブル6aには、少なくとも上述したキャリブレーション開始条件を示す情報が格納されている。
操作部7は、例えばスイッチやボタンなどの操作パネルで構成される。操作パネルはタッチパネル機能を有するものであってもよい。操作部7は、DUT50の波形観測前に実施されるキャリブレーションの開始や停止の指示、その後におけるDUT50の波形観測の開始や停止の指示、表示部8に所望の表示を行うために必要な各種情報の設定を含め、DUT50の波形測定に必要な各種設定を選択的に実行可能な構成となっている。
表示部8は、液晶パネルなどの表示器で構成され、DUT50の波形測定に係る種々の情報を表示するものである。本実施形態において、表示部8は、表示制御部5dの制御により上述したキャリブレーション用UI画面、キャリブレーション測定結果を表示する表示画面を表示するようになっている。
次に、サンプリングオシロスコープ1の動作について説明する。このサンプリングオシロスコープ1は、テーブル設定モード、キャリブレーション実行モード、及び波形観測モードを有する。テーブル設定モードに設定されると、表示制御部5dにより、キャリブレーション開始条件を設定するためのキャリブレーション用UI画面が表示部8に表示される。ユーザは、キャリブレーション用UI画面上で、例えば、操作部7での設定操作に応じて、上述した種々のキャリブレーション開始条件を制御データテーブル6aに対して設定することができる。テーブル設定モードでは、この他、被測定信号の規格及び伝送レートを設定するためのUI画面を表示部8に表示させたうえで、ユーザが操作部7から被測定信号の規格及び伝送レートなどの設定を行うこともできるようになっている。
キャリブレーション実行モードは、例えば、ユーザが操作部7にて所定のキャリブレーション開始操作を行うことにより手動で設定することができる。この他、キャリブレーション実行モードは、テーブル設定モードで事前に設定しておいたキャリブレーション開始条件が成立したことが開始条件判定部5e1により判定されたときに、キャリブレーション実行制御部5e2によって自動設定することも可能である。
キャリブレーション実行モードが設定されると、キャリブレーション実行制御部5e2の制御によりキャリブレーション制御が開始される。ここで、キャリブレーション実行モードが手動で設定された場合、及び波形観測開始操作の受け付けを契機に設定された場合には、例えば、表示制御部5dにより実行モード画面が表示部8に表示され、キャリブレーション制御の進行に合わせて実行モード画面の更新表示が行われる。キャリブレーション実行モードが自動で設定された場合、実行モード画面は必ずしも表示する必要はない。
波形観測モードは、例えば、ユーザが操作部7にて所定の波形観測開始操作を行うことにより手動で設定することができる。波形観測モードが設定されると、表示制御部5dにより波形観測画面が表示部8に表示され、測定制御部5cの制御により波形観測処理動作が開始される。波形観測画面は、波形観測動作の進行に合わせて更新して表示される。
以下、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1の波形観測動作について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。この波形観測に際しては、キャリブレーション開始条件として、例えば、「波形観測開始操作受付時」、所定の「温度変化量」、所定の「時間間隔」が設定されているものとする。「波形観測開始操作受付時」はステップS2でのキャリブレーション制御の開始条件として利用され、「温度変化量」、「時間間隔」は、ステップS6での自動キャリブレーションの開始条件として利用される。
図4に示すように、サンプリングオシロスコープ1は、手動による波形観測開始操作を受け付けることにより(ステップS1)、キャリブレーション制御を実行する(ステップS2)。このとき、制御部5のキャリブレーション制御部5eでは、開始条件判定部5e1が上記波形観測開始操作の受け付けによりキャリブレーション開始条件が成立したことを検出し、キャリブレーション実行制御部5e2がキャリブレーション制御を開始させるようになっている。
ステップS2でのキャリブレーション制御が開始されると、まず、光シャッター開閉制御部5e3によって、光シャッター部2の光シャッター2aがフォトダイオード31の受光部31aに対する光信号の入力を遮断する閉鎖状態に切り替え制御される。その状態のまま、キャリブレーション実行制御部5e2は、被測定信号を無入力とした状態でO/E3から出力される暗電流を検出し、該暗電流に基づいて信号波形処理部43の波形解析処理機能に関する補正値を取得するキャリブレーション制御を実行する。ステップS2におけるキャリブレーション制御については、ステップS6における自動キャリブレーション制御とともに、図5を参照して後で詳しく説明する。
ステップS2でのキャリブレーション制御が終了すると、被測定信号の波形観測処理が行われる(ステップS3)。その際、制御部5ではまず、光シャッター開閉制御部5e3が、光シャッター2aをフォトダイオード31の受光部31aに対する光信号の入力を妨げない開放状態に切り替え制御する。次いで、測定制御部5cが、被測定信号をPPG67からDUT50に送出して該DUT50から光信号を送出させO/E3に入力させるように制御する。
O/E3では、入力された光信号がフォトダイオード31により電気信号に変換され、アンプ32により増幅されてO/E3から波形観測部4へ出力される。波形観測部4では、O/E3から入力される被測定信号をサンプラー42でサンプリングし、該サンプリングされた被測定信号を信号波形処理部43で波形解析処理したうえで、該波形解析結果を表示部8に表示させるように制御する。
ステップS3における波形観測処理の実行中、測定制御部5cは、波形観測終了操作が行われたか否かを監視する(ステップS4)。ここで波形観測終了操作が行われていないと判定された場合(ステップS4でNO)、測定制御部5cは、ステップS3における波形観測制御を続行するように制御する。
これに対し、波形観測終了操作が行われたと判定された場合(ステップS4でYES)、制御部5は、サンプリングオシロスコープ1を待機状態に制御する(ステップS5)。
待機状態において、キャリブレーション実行制御部5e2は、事前に設定したキャリブレーション開始条件に基づく自動キャリブレーション制御を実行する(ステップS6)。ここで開始条件判定部5e2が事前に設定されているキャリブレーション開始条件(「温度変化量」、「時間間隔」等、自動キャリブレーションの開始条件)が成立したか否かを監視する。キャリブレーション開始条件が成立したと判定されることにより、キャリブレーション実行制御部5e2はキャリブレーション制御を自動的に起動し、以後、キャリブレーションが終了するまで当該キャリブレーション制御を続行する。
ステップS6での自動キャリブレーション制御は、キャリブレーション開始条件が成立したと判定されたことを条件に自動で行われる以外は、ステップS2におけるキャリブレーション制御と同様の制御によって実現される。これによりステップS6においては、例えば、サーモメータ9aにより計測された温度の変化量が予め設定された所定の「温度変化量」となったとき、あるいは、計時回路9bにより計時された時間間隔が予め設定された所定の「時間間隔」となったときに自動キャリブレーションが実行される。
ステップS6での自動キャリブレーション制御が終了すると、測定制御部5cは、波形観測開始操作がなされたか否かを監視する(ステップS7)。ここで波形観測開始操作がなされていないと判定された場合(ステップS7でNO)、測定制御部5cは待機状態を維持しつつ自動キャリブレーション制御を実行し、かつ、波形観測開始操作の監視を行う(ステップS5、S6、S7)。
この間に波形観測開始操作がなされたと判定された場合(ステップS7でYES)、ステップS1に戻り、以後、ステップS1以降の制御を実施する。
次に、図4のステップS2、S6におけるキャリブレーション制御動作(ステップS6は自動で起動)について、図5に示すフローチャートを参照して詳しく説明する。
図5に示すように、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1では、待機中、開始条件判定部5e1が、事前に設定されているキャリブレーション開始条件が成立したか否かを監視している(ステップS11)。ここでキャリブレーション開始条件が成立していないと判定された場合(ステップS11でNO)、上記監視を続行する。
これに対し、キャリブレーション開始条件が成立したことが開始条件判定部5e1により判定された場合(ステップS11でYES)、次いで光シャッター開閉制御部5e3は、フォトダイオード31の受光部31aに対する光信号の入力を遮断する閉鎖状態となるように光シャッター2aを閉じる制御を行う(ステップS12)。
光シャッター2aの閉制御を行った後、キャリブレーション実行制御部5e2は、DUT50から光信号である被測定信号を無入力とした状態でO/E3の暗電流を検出する。引き続きキャリブレーション実行制御部5e2は、検出された暗電流に基づいて信号波形処理部43の波形解析処理に係る補正値を取得するキャリブレーション制御を実行する(ステップS13)。
さらにキャリブレーション実行制御部5e2は、キャリブレーション制御が終了したか否かをチェックする(ステップS14)。ここで、キャリブレーション制御が終了したと判定された場合(ステップS14でYES)、光シャッター開閉制御部5e3は、フォトダイオード31の受光部31aに対する光信号の入力を妨げない開放状態となるように光シャッター2aを開く制御を行う(ステップS15)。
次いで制御部5では、処理をステップS11に戻し、以後、ステップS11~S15のキャリブレーション制御を繰り返し実行するように制御する。この間、制御部5において、測定制御部5cは、図4に示すように手動での波形観測開始操作を受け付け、キャリブレーション制御を行った後、波形観測処理を実行する(ステップS1~S3参照)ことができる。以後、制御部5では、波形観測終了操作を受け付けて(図4のステップS4参照)、一連の波形観測処理を終了するように制御する。
なお、図4に示す波形観測処理において、待機中に自動キャリブレーション(ステップS6参照)が実行されている場合には、状況によっては、波形観測開始操作の受け付け後、ステップS2でのキャリブレーション制御は行わないようにしてもよい。
図4に示す波形観測処理では、波形観測の妨げとなることを避けるために、波形観測中はキャリブレーション制御を実施しないことが前提となっている。図4に示す波形観測処理の変形例として、波形観測の妨げとならない範囲で波形観測処理中にキャリブレーション制御を実施するようにしてもよい。この場合、例えば、波形観測中にキャリブレーション開始条件が成立したことを契機にキャリブレーションが特に必要とされる状況か否かを監視し、キャリブレーションが特に必要とされる状況のときには、その旨を警告した後、ユーザが許可を受け付けてキャリブレーションを実施するようにしてもよい。ここで、キャリブレーションが特に必要とされる状況としては、温度変化量が予め設定した閾値(例えば、5℃)となった場合などが挙げられる。
このように、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1では、例えば、波形観測開始操作を受け付けてキャリブレーション制御を実行する(図4のステップS2参照)こと、待機中に自動でキャリブレーション制御を実行する(図4のステップS5参照)ことが可能であり、当該キャリブレーション制御期間中、フォトダイオード31の受光部31aに光信号が入力しないように光シャッター2aを閉鎖状態に駆動制御する。
特に、自動キャリブレーションのキャリブレーション開始条件として、例えば、温度、温度変化量、時間間隔等を設定しておくことで、サンプリングオシロスコープ1では以下に示す動作制御1~5に係るパターンによるキャリブレーション制御を実現できる。
動作制御1:
キャリブレーション開始条件として、「キャリブレーション開始操作受付時」を設定しておくことで、ユーザが任意のタイミングで手動によりキャリブレーション開始操作を行うことで、その都度、キャリブレーション制御を実行することができる。
動作制御2:
キャリブレーション開始条件として、所定の「温度(例えば、25度(℃))」を設定しておくことで、サーモメータ9aの検出温度が所定の温度となったときに自動でキャリブレーション制御を実行することができる。キャリブレーション制御を実行する前に、キャリブレーション制御を実行する旨の報知を行うようにしてもよい。
動作制御3:
キャリブレーション開始条件として、「温度変化量」を設定しておくことで、サーモメータ9aによって検出される温度に基づき、設定した温度変化量変化に達したと認識されたときに自動でキャリブレーション制御を実行することができる。温度変化量の値としては、例えば、1℃、あるいは1ミリボルト(mV)を設定する例が挙げられる。ここで1mVは、入力光レベル=-3dBm、消光比=4dBの波形を想定した際、光電変換利得(Conversion Gain)=170V/WのO/E3で波形を観測した際に消光比の変化が0.1dB未満と十分小さくなるスパンを考慮に入れて決定された値である。
動作制御4:
キャリブレーション開始条件として、所定の「時間間隔(例えば、1秒)」を設定しておくことで、計時回路9bによって上記時間間隔が計時されるごとに自動でキャリブレーション制御を実行することができる。所定の時間間隔の値は、環境温度の変化に測定精度が十分追従できる点を考慮に入れて設定することが望ましい。
動作制御5:
キャリブレーション開始条件として、「波形観測開始操作受付時」を設定しておくことで、波形観測を開始する直前に、キャリブレーション制御を確実に実行可能となる。
(光シャッター2a、その動作特性、及び開閉制御機能について)
光シャッター部2の光シャッター2aとしては、上述したように、メカニカル光シャッターの他、EA光変調器、LN光変調器、光可変ATTなどが適用可能である。
メカニカル光シャッターは、フォトダイオード31の受光部31aに対する光信号入力経路31bを塞ぐように配置される物理的に動く不透明な光シャッター板と、光シャッター板を駆動するモータ等の駆動源と、を有して構成される。メカニカル光シャッターに対応する光シャッター開閉制御部5e3は、光シャッター板を、フォトダイオード31の受光部31aに対して光信号(被測定信号)を入力可能な開放状態と光信号を遮断する閉鎖状態とに切り替えるように駆動源を駆動制御するものによって実現できる。
EA光変調器は、半導体の微細構造(量子井戸)に電界を加えることで、伝導体と荷電子帯のエネルギー準位差(バンドギャップ)が変化し、光の吸収量が変化する現象(半導体の電界吸収効果)を利用して光が吸収される状態、または光の吸収が少ない状態を選択的に確立し得るものである。光変調式シャッターに対応する光シャッター開閉制御部5e3は、EA光変調器に対してバンドギャップを大きくしたり、小さくしたりする制御を行い得るもので構成される。ここで、バンドギャップを大きくすることで、光吸収が少なく(そのまま透過する)透明な状態(本実施形態における開放状態に相当)とすることができ、バンドギャップを小さくすることで光が吸収される(光が遮断される)状態(同、閉鎖状態に相当)にすることができる。
LN光変調器(光強度変調器)は、LN基板に分岐導波路と電極を形成して構成され、電極に印加する電圧に応じて外部からのレーザ光が出力されない状態またはレーザ光が出力される状態に制御可能な構成を有している。LN光変調器に対応する光シャッター開閉制御部5e3は、LN光変調器を、レーザ光が出力されない状態(本実施形態における閉鎖状態に相当)またはレーザ光が出力される状態(同、開放状態に相当)に制御し得る制御機能を有したもので実現することができる。
光可変ATT2a1は、VOA(Variable Optical Attenuator)で構成され、図3に示すように、フォトダイオード31の受光部31aに対する光信号入力経路31bに配置されて光シャッター部2Bを構成する。光シャッター部2Bに対応する光シャッター開閉制御部5e3は、光可変ATT2a1を、光信号の減衰量を1(フォトダイオード31の受光部31aに対して光信号を入給可能な開放状態)か、0(フォトダイオード31の受光部31aに対する光信号の入力を遮断する閉鎖状態)かのいずれかの減衰量に切り替える減衰量切り替え制御機能を有するもので実現可能である。
図3に示す構成を有する光シャッター部2Bに対し、光シャッター開閉制御部5e3は、制御端子21を介して光可変ATT2a1の減衰量を0または1に制御することにより上記開放状態または閉鎖状態を確立するようになっている。なお、光可変ATTは減衰量を手動により調整可能なものも存在するため、光シャッター部2Bは手動調整型の光可変ATTを用いた構成とすることもできる。
光シャッター部2Bに搭載される光可変ATT2a1は、メカニカル光シャッターに比べ物理的な耐久性が高く、メンテナンスのサイクルを延ばせるという利点を有する。光可変ATT2a1は反応速度が良好であるという利点も有している。物理的に動くメカニカルな光シャッターや光スイッチでは、数十Hzの動作までしか対応できないが、光可変ATT2a1では、MHz程度の応答速度を有し、高速動作に対応で可能となっている。応答速度は、キャリブレーション制御時間の短縮化に直結するものでもあり、光可変ATT2a1搭載の光シャッター部2Bを用いるサンプリングオシロスコープ1によれば、より短時間でのキャリブレーション制御を実現できるという利点を有する。
(光シャッター部2を設けた構成によるメリットについて)
次に、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1におけるキャリブレーションに係る動作特性について、既存の波形観測装置からの改善点を主体に詳しく説明する。
まず、既存の波形観測装置のO/Eにおける暗電流の温度依存特性について図6を参照して説明する。図6のグラフに示されるように、光信号が無入力の状態のときにO/Eから出力される電流、すなわち、O/Eの暗電流Lは、温度が上昇するにつれて次第に大きな値となる特性を有している。図6のグラフは、特に、TIA(トランスインピーダンスアンプ(Transimpedance Amplifier))を介して暗電流Lを電圧に換算した観測電圧に関する温度依存特性を示している。
次に、図7に示す観測波形モデルを参照して、既存の波形観測装置における消光比の定義と温度依存について説明する。図7に示す観測波形モデルにおいて、符号L1で示されるレベルを1レベル(mV)、符号L0で示されるレベルを0(零)レベル(mV)、符号LDで示されるレベルを光入力が無いときのレベル(mV)とするものとした場合、光入力があるときのレベル(mV)と光入力が無いときのレベル(mV)の比、すなわち、消光比(dB)は下式(1)で表すことができる。
消光比=10log10{(L1-LD)/(L0-LD)} ・・・ (1)
図7において、光入力が無いときのレベルLは、理想的にはL=0(零)であるが、実際には、測定機の影響でL分オフセットがかかり、真値からのずれが生じる。このずれを補正するために、通常は、光信号が無入力のときのLを保持しておき、実際の測定、計算時には、実測値から保持しておいたLの値を差し引くことによって真値に極力近い測定値を算出するようになっている。しかしながら、この場合には、図6に示すO/Eの暗電流(観測電圧)の温度依存特性によって、温度変化に伴う観測電圧の変化の影響が出てしまう。
温度変化に伴う観測電圧の変化の影響を考慮した測定値の許容範囲の計算例について説明する。ここでは、Average=3dBm、消光比=4dBの波形に対し、O/Eにおける光電変換利得(Conversion Gain)が170V/W(5.88uW/mV)の場合を想定する。この想定下において温度が1℃変化した場合、1℃あたり約1mV(=6uW)のずれが生じ、Lずれを加味した消光比は4.07dBと計算され、真値との誤差は0.1dB 以内に収まる。
上述した暗電流の温度依存(図6参照)、消光比とその温度依存の存在(図7参照)を考慮したうえで、温度変化時には、Lを測り直すキャリブレーション制御を行うことが不可欠となる。また、キャリブレーション制御を実行する際には、光信号が無入力でないと計算がずれてしまうことから、光信号を確実に無入力とすることが重要となる。この点について、既存の波形観測装置では、O/Eに対するDUT50からの光信号の出力が無出力に設定されていながらも、若干の出力が漏れてO/Eに入力していることがあり、当該微少な入力によって測定値にずれが発生することもあった。このための対策として、既存の波形観測装置では、上述した若干の漏れを防ぐために、コネクタをいちいち取り外す等の作業を行うことで対処していた。
このように、図6、図7の説明から、温度変化時にはO/Eの暗電流Lの変化の影響を避けるためにキャリブレーションを行う必要があり、また、キャリブレーション制御を行うためには光信号が無入力でないと正確な計算が望めないことが理解できる。
このような要請に対し、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、O/E3のフォトダイオード31の受光部31aに対する光信号の入力を妨げない開放状態、または光信号の入力を遮断する閉鎖状態に切り替える光シャッター2aと、キャリブレーション制御の実行期間中、上記開放状態または閉鎖状態に光シャッター2aを切り替える光シャッター開閉制御機能と、を有している。この構成によれば、キャリブレーション制御の実行期間中、上述した若干の出力漏れに起因するO/Eに対する微少な入力を確実にシャットアウトすることができる。これにより、既存の波形観測装置で実施していた、コネクタをいちいち取り外す等の手間をかけることなく正確な測定値を得ることが可能になる。
上述したように、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、DUT50から光信号として入力する被測定信号を電気信号に変換して出力するフォトダイオード31を有するO/E3と、O/E3から出力される被測定信号の波形解析処理を行う信号波形処理部43と、被測定信号を無入力とした状態でO/E3から出力される暗電流を検出し、該暗電流に基づき信号波形処理部43の波形解析処理に係るキャリブレーション制御を実行するキャリブレーション制御部5eと、フォトダイオード31の受光部31aに対する光信号入力経路31bに設けられ、受光部31aに対する光信号である被測定信号の入力を妨げない開放状態、または上記入力を遮断する閉鎖状態に開閉可能な光シャッター2aを有する光シャッター部2と、キャリブレーション制御の実行中、光シャッター2aを、開放状態から閉鎖状態に切り替え制御する光シャッター開閉制御部5e3と、を有する。
この構成により、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、O/E3の受光部31aに対する光信号入力経路31bに光シャッター2aを設け、光シャッター2aを閉鎖状態として受光部31aに対する光信号である被測定信号の入力を完全に遮断できるようにしたため、O/E3を無出力にすべく完全に出力を取り去るためにコネクタをいちいち外す必要がなく、手間や時間をかけずにキャリブレーションを実施して、精度の高い測定を行うことができる。また、コネクタをいちいち外す必要がなくなることで系変更が生じないため、測定結果の再現性を高めることが可能となる。
また、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、所定のキャリブレーション開始条件が成立したか否かを判定する開始条件判定部5e1を有し、光シャッター開閉制御部5e3は、キャリブレーション開始条件が成立したと判定されることにより、キャリブレーション制御の開始直前から当該キャリブレーション制御が終了するまでの期間、光シャッター2aを閉鎖状態に制御する構成を有する。
この構成により、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、キャリブレーション開始条件を予め設定しておくことで、該キャリブレーション開始条件が成立するごとに、光シャッター2aを閉鎖状態にして完全無入力に近い状態での正確なキャリブレーションを実施でき、ユーザによる煩雑な作業を必要とせず、ユーザに対してキャリブレーションのし忘れを意識させることもなくなる。
また、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、フォトダイオード31の近傍に設けられるサーモメータ9aをさらに有し、開始条件判定部5e1は、サーモメータ9aの計測温度が予め設定された所定の温度に達した場合にキャリブレーション開始条件が成立したと判定する構成を有している。
この構成により、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、予め設定された所定の温度に達した場合に光シャッター2aによりフォトダイオード31の受光部31aを遮断した状態でのキャリブレーションが実施され、O/E3の温度変動による測定結果の変動が自動かつリアルタイムに補正されるため、ユーザがキャリブレーションを意識したり、忘れたりすることがないうえに、測定結果の確度を極めて高くすることが可能となる。
また、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1において、開始条件判定部5e1は、サーモメータ9aの計測温度に基づいて温度変化量を算出し、温度変化量が予め設定された温度変化量に達した場合にキャリブレーション開始条件が成立したと判定する構成である。
この構成により、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、予め設定された温度変化量に達した場合に、光シャッター2aでフォトダイオード31の受光部31aを閉鎖した状態にして該温度変化量に応じたキャリブレーションが自動で実施することができ、ユーザがキャリブレーションを意識したり、忘れたりすることがなくなり、しかも、測定結果の確度向上が見込める。
また、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、時間の計測を行う計時回路9bを有し、開始条件判定部5e1は、計時回路9bにより予め設定された所定の時間間隔が計時された場合にキャリブレーション開始条件が成立したと判定する構成である。
この構成により、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、予め設定された時間間隔ごとに、光シャッター2aでフォトダイオード31の受光部31aを閉鎖した状態で該温度変化量に応じたキャリブレーションが自動で実施されるため、ユーザがキャリブレーションを意識したり、忘れたりすることがなくなり、しかも、測定結果の確度向上が見込める。
また、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、開始条件判定部5e1は、手動によるキャリブレーション開始操作を受け付けることによりキャリブレーション開始条件が成立したと判定する構成である。
この構成により、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、手動により、光シャッター2aでフォトダイオード31の受光部31aを閉鎖した状態でのキャリブレーションをリアルタイムで実施でき、測定結果の確度向上が見込める。
また、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1において、光シャッター2aは、電界吸収(EA)光変調器、ニオブ酸リチウム(LN)光変調器、光可変アッテネータ2a1、メカニカル光シャッターのいずれかによって構成される。
この構成により、本実施形態に係るサンプリングオシロスコープ1は、物理的な耐久性、反応速度、コスト等を指標にして最適な種別の光シャッター2aを選ぶことができ、いずれの光シャッター2aを搭載した場合でも、光シャッター2aを閉鎖状態としてキャリブレーションを実施でき、測定結果の確度向上が見込める。
また、本実施形態に係る波形観測方法は、上述した構成を有するサンプリングオシロスコープ1を用いて被測定信号の波形観測を行う波形観測方法であって、所定のキャリブレーション開始条件が成立したか否かを判定する開始条件判定ステップ(S11、S15)と、キャリブレーション開始条件が成立したと判定されることにより、光シャッター2aを上記閉鎖状態に切り替え制御する光シャッター閉制御ステップ(S12)と、光シャッター2aが上記閉鎖状態に制御された状態でキャリブレーション制御を実行するキャリブレーション実行ステップ(S2、S5、S13)と、キャリブレーション制御が終了することにより、光シャッター2aを上記開放状態に切り替え制御する光シャッター開制御ステップ(S17)と、光シャッター2aが上記開放状態に制御された状態で、DUT50から光信号として入力する被測定信号をフォトダイオード31により電気信号に変換してO/E3から出力し、該出力される被測定信号の波形解析処理を行う波形解析処理ステップ(S3)と、を含んでいる。
この構成により、本実施形態に係る波形観測方法は、フォトダイオード31の受光部31aに対する光信号入力経路31bに設けた光シャッター2aを閉鎖状態として受光部31aに対する光信号である被測定信号の入力を完全に遮断できるようにしたため、O/E3を無出力にすべく完全に出力を取り去るためにコネクタをいちいち外す必要がなく、手間や時間をかけずにキャリブレーションを実施して、精度の高い測定を行うことができる。また、コネクタをいちいち外す必要がなくなることで系変更が生じず、測定結果の再現性を高めることが可能となる。
以上のように、本発明に係る波形観測装置、及び波形観測方法は、無入力に極力近い状態で高精度のキャリブレーションを煩雑な作業を必要とせずに実施でき、測定結果の確度向上が可能であるという効果を奏し、被測定対象物から入力する被測定信号を光信号から電気信号に変換して解析し、該解析結果を表示部に表示して波形観測を行う波形観測装置、及び波形観測方法全般に有用である。
1 サンプリングオシロスコープ(波形観測装置)
2 光シャッター部(光シャッター手段)
2a 光シャッター
3 光電変換器(O/E)(光電変換手段)
4 波形観測部
5 制御部
5e キャリブレーション制御部(キャリブレーション制御手段)
5e1 開始条件判定部(開始条件判定手段)
5e2 キャリブレーション実行制御部(キャリブレーション制御手段)
5e3 光シャッター開閉制御部(光シャッター開閉制御手段)
9a サーモメータ(SM)(温度計測手段)
9b 計時回路(TK)(計時手段)
31 フォトダイオード(光電変換素子)
31a 受光部
31b 光信号入力経路(光入力経路)
43 信号波形処理部(波形解析処理手段)
50 DUT(被測定対象物)

Claims (8)

  1. 被測定対象物(50)から光信号として入力する被測定信号を電気信号に変換して出力する光電変換素子(31)を有する光電変換手段(3)と、
    前記光電変換手段から出力される前記被測定信号の波形解析処理を行う波形解析処理手段(43)と、
    前記被測定信号を無入力とした状態で前記光電変換手段から出力される暗電流を検出し、該暗電流に基づき前記波形解析処理手段の前記波形解析処理に係るキャリブレーション制御を実行するキャリブレーション制御手段(5e)と、
    前記光電変換素子の受光部(31a)に対する光入力経路(31b)に設けられ、前記受光部に対する前記光信号である前記被測定信号の入力を妨げない開放状態、または前記入力を遮断する閉鎖状態に開閉可能な光シャッター(2a)を有する光シャッター手段(2)と、
    前記キャリブレーション制御の実行中、前記光シャッターを、前記開放状態から前記閉鎖状態に切り替え制御する光シャッター開閉制御手段(5e3)と、
    を有することを特徴とする波形観測装置。
  2. 所定のキャリブレーション開始条件が成立したか否かを判定する開始条件判定手段(5e1)を有し、
    前記光シャッター開閉制御手段は、前記キャリブレーション開始条件が成立したと判定されることにより、前記キャリブレーション制御の開始直前から当該キャリブレーション制御が終了するまでの期間、前記光シャッターを前記閉鎖状態に制御することを特徴とする請求項1に記載の波形観測装置。
  3. 前記光電変換素子の近傍に設けられる温度計測手段(9a)をさらに有し、
    前記開始条件判定手段は、前記温度計測手段の計測温度が予め設定された所定の温度に達した場合に前記キャリブレーション開始条件が成立したと判定することを特徴とする請求項2に記載の波形観測装置。
  4. 前記開始条件判定手段は、前記温度計測手段の計測温度に基づいて温度変化量を算出し、前記温度変化量が予め設定された温度変化量に達した場合に前記キャリブレーション開始条件が成立したと判定することを特徴とする請求項3に記載の波形観測装置。
  5. 時間の計測を行う計時手段(9b)を有し、
    前記開始条件判定手段は、前記計時手段により予め設定された所定の時間間隔が計時された場合に前記キャリブレーション開始条件が成立したと判定することを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の波形観測装置。
  6. 前記開始条件判定手段は、手動によるキャリブレーション開始操作を受け付けることにより前記キャリブレーション開始条件が成立したと判定することを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の波形観測装置。
  7. 前記光シャッターは、電界吸収(EA)光変調器、ニオブ酸リチウム(LN)光変調器、光可変アッテネータ、メカニカル光シャッターのいずれかによって構成されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の波形観測装置。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の波形観測装置を用いて前記被測定信号の波形観測を行う波形観測方法であって、
    所定のキャリブレーション開始条件が成立したか否かを判定する開始条件判定ステップ(S11、S15)と、
    前記キャリブレーション開始条件が成立したと判定されることにより、前記光シャッターを前記閉鎖状態に切り替え制御する光シャッター閉制御ステップ(S12)と、
    前記光シャッターが前記閉鎖状態に制御された状態で前記キャリブレーション制御を実行するキャリブレーション実行ステップ(S2、S5、S13)と、
    前記キャリブレーション制御が終了することにより、前記光シャッターを前記開放状態に切り替え制御する光シャッター開制御ステップ(S17)と、
    前記光シャッターが前記開放状態に制御された状態で、前記被測定対象物(50)から光信号として入力する前記被測定信号を前記光電変換素子(31)により電気信号に変換して前記光電変換手段(3)から出力し、該出力される前記被測定信号の波形解析処理を行う波形解析処理ステップ(S3)と、
    を含むことを特徴とする波形観測方法。
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