JP2022089626A - 干渉画像取得装置および干渉画像取得方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】対象物の干渉画像を取得する際に対象物におけるフォーカス面の位置を容易に安定して設定することができる装置を提供する。【解決手段】干渉画像取得装置1は、光源11、ビームスプリッタ12、参照側ミラー13、ピエゾ素子14、ステージ15、対物レンズ16、焦点可変レンズ17、撮像器18、筐体30、支持部31および演算部40を備える。焦点可変レンズ17は、ビームスプリッタ12から撮像器18の撮像面までの干渉光の光路上に設けられ、分岐部としてのビームスプリッタ12から合波部としてのビームスプリッタ12までの第1光束の光路上において撮像器18の撮像面に対して共役となるフォーカス面Fの位置を調整する。筐体30は、ビームスプリッタ12および支持部31の間の相対的位置関係を固定して、これらを機械的に一体化する。【選択図】図1
Description
本発明は、干渉画像取得装置および干渉画像取得方法に関するものである。
非特許文献1および非特許文献2に、対象物の干渉画像を取得することができる干渉画像取得装置の様々な構成例が紹介されている。干渉画像取得装置は、光源と、この光源から出力された光を二光束に分岐した後に該二光束を合波して干渉光を出力する二光束干渉計と、この二光束干渉計から出力された干渉光を受光する撮像面を有する撮像器とを備える。二光束干渉計において二光束のうちの何れか一方の光束の光路上に対象物が配置される。撮像器は、撮像面に対して共役となるフォーカス面における対象物の干渉画像を取得することができる。
また、この干渉画像取得装置は、対象物の干渉画像に基づいて、位相シフト法により対象物の位相画像等を求めることもできる。干渉画像取得装置は、二光束干渉計における二光束の間の光路長差を互いに異なる複数の設定値とした状態とし、各状態において対象物の干渉画像を撮像器により取得し、これら取得した複数の干渉画像に基づいて位相画像等を求める。
深津拡也、「光学式輪郭測定技術を用いた工業表面のトポグラフィ測定」、精密工学会誌、Vol.76, No.9, 2010
Timothy R. Corle, Gordon S. Kino,"Confocal Scanning Optical Microscopy and RelatedImaging Systems," Academic Press, 1996, Chapter2
従来の干渉画像取得装置は、対象物におけるフォーカス面の位置(すなわち、対象物とフォーカス面との間の相対的位置関係)を設定する為に、二光束干渉計と対象物との間の物理的な距離を調整する。二光束干渉計と対象物との間の物理的な距離の調整は、二光束干渉計を移動させることにより可能である。しかし、二光束干渉計を移動させる為のZステージは大きく高価であり、また、Zステージを駆動する為の消費電力は大きい。また、片持ち梁方式で二光束干渉計をZステージに取り付けて二光束干渉計を移動させる場合には、機械的振動が大きい。
干渉画像取得装置において、撮像器が干渉画像を取得する際に機械的振動があると、対象物に対するフォーカス面の相対的位置が変動して、取得される干渉画像がノイズを含むことになる。非特許文献1には、対象物に対するフォーカス面の相対的位置を安定化する為の構成については記載されていない。非特許文献2には、機械的振動による光路長差の変動を波長より小さくするように厳密に制御することが必要である旨が記載されているが、その為の具体的な構成については記載されていない。
また、干渉画像取得装置において、二光束干渉計を移動させることなく、対象物を移動させることも考えられる。しかし、この場合も、対象物を移動させる為のZステージは大きく高価であり、また、Zステージを駆動する為の消費電力は大きい。また、例えば、生細胞に薬液を注入しながら繰り返し生細胞の干渉画像を取得する場合や、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子の微細な動きを測定する為にMEMSの干渉画像を取得する場合のように、対象物(生細胞、MEMS素子)を移動させることが好ましくない場合がある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、対象物の干渉画像を取得する際に対象物におけるフォーカス面の位置を容易に安定して設定することができる装置および方法を提供することを目的とする。
本発明の干渉画像取得装置は、(1) 光源から出力されたインコヒーレントな光を分岐部により第1光束と第2光束とに分岐し、支持部により支持されて第1光束の光路上に配置された対象物で反射または透過した第1光束と、参照側ミラーで反射された第2光束とを合波部により合波して、干渉光を出力する二光束干渉計と、(2) 二光束干渉計から出力された干渉光を受光する撮像面を有し、対象物の干渉画像を取得する撮像器と、(3) 合波部から撮像面までの干渉光の光路上に設けられ、分岐部から合波部までの第1光束の光路上において撮像面に対して共役となるフォーカス面の位置を調整するフォーカス面位置調整部と、を備える。さらに、分岐部、合波部および支持部の間の相対的位置関係が固定されている。
本発明の干渉画像取得装置の一側面において、二光束干渉計は、フォーカス面の位置で反射される第1光束の光路長と、参照側ミラーで反射される第2光束の光路長との間の光路長差が、光源から出力される光のコヒーレント長以下であるのが好適である。或いは、二光束干渉計は、対象物を透過した第1光束を反射させる物体側ミラーが設けられ、物体側ミラーで反射される第1光束の光路長と、参照側ミラーで反射される第2光束の光路長との間の光路長差が、光源から出力される光のコヒーレント長以下であるのが好適である。
本発明の干渉画像取得装置の一側面において、フォーカス面位置調整部は、焦点距離が可変である焦点可変レンズを含むのが好適であり、合波部から撮像面までの干渉光の光路長を変化させる機構を含むのも好適であり、また、合波部から撮像面までの干渉光の光路上に配置された1または複数のレンズの位置を変化させる機構を含むのも好適である。
本発明の干渉画像取得装置の一側面において、干渉画像取得装置は、参照側ミラーの反射面に垂直な方向における参照側ミラーの位置を調整する参照側ミラー位置調整部を更に備えるのが好適である。また、フォーカス面位置調整部によりフォーカス面が一定の位置に調整された状態において、参照側ミラー位置調整部により参照側ミラーが複数の位置それぞれに調整されたときに撮像器により取得された干渉画像に基づいて対象物の位相画像または強度画像を求める演算部を更に備えるのが好適である。さらに、フォーカス面位置調整部は、第1光束の光路に沿ってフォーカス面の位置を走査し、撮像器は、フォーカス面の走査の各位置において干渉画像を取得し、演算部は、フォーカス面の走査の各位置において干渉画像に基づいて位相画像または強度画像を求め、これら位相画像または強度画像に基づいて対象物の3次元像を求めるのが好適である。
本発明の干渉画像取得方法は、(1) 二光束干渉計において、光源から出力されたインコヒーレントな光を分岐部により第1光束と第2光束とに分岐し、支持部により支持されて第1光束の光路上に配置された対象物で反射または透過した第1光束と、参照側ミラーで反射された第2光束とを合波部により合波して、干渉光を出力する干渉ステップと、(2) 二光束干渉計から出力された干渉光を受光する撮像面を有する撮像器により、対象物の干渉画像を取得する撮像ステップと、(3) 合波部から撮像面までの干渉光の光路上に設けられたフォーカス面位置調整部により、分岐部から合波部までの第1光束の光路上において撮像面に対して共役となるフォーカス面の位置を調整するフォーカス面位置調整ステップと、を備える。さらに、分岐部、合波部および支持部の間の相対的位置関係を固定した状態で、干渉ステップ、撮像ステップおよびフォーカス面位置調整ステップを行う。
本発明の干渉画像取得方法の一側面において、干渉ステップは、二光束干渉計において、フォーカス面の位置で反射される第1光束の光路長と、参照側ミラーで反射される第2光束の光路長との間の光路長差を、光源から出力される光のコヒーレント長以下とするのが好適である。或いは、干渉ステップは、二光束干渉計において、対象物を透過した第1光束を反射させる物体側ミラーが設けられ、物体側ミラーで反射される第1光束の光路長と、参照側ミラーで反射される第2光束の光路長との間の光路長差を、光源から出力される光のコヒーレント長以下とするのが好適である。
本発明の干渉画像取得方法の一側面において、フォーカス面位置調整部は、焦点距離が可変である焦点可変レンズを含むのが好適であり、合波部から撮像面までの干渉光の光路長を変化させる機構を含むのも好適であり、また、合波部から撮像面までの干渉光の光路上に配置された1または複数のレンズの位置を変化させる機構を含むのも好適である。
本発明の干渉画像取得方法の一側面において、干渉画像取得方法は、参照側ミラーの反射面に垂直な方向における参照側ミラーの位置を調整する参照側ミラー位置調整ステップを更に備えるのが好適である。また、フォーカス面位置調整ステップでフォーカス面が一定の位置に調整された状態において、参照側ミラー位置調整ステップで参照側ミラーが複数の位置それぞれに調整されたときに撮像ステップで取得された干渉画像に基づいて対象物の位相画像または強度画像を求める演算ステップを更に備えるのが好適である。さらに、フォーカス面位置調整ステップは、第1光束の光路に沿ってフォーカス面の位置を走査し、撮像ステップは、フォーカス面の走査の各位置において干渉画像を取得し、演算ステップは、フォーカス面の走査の各位置において干渉画像に基づいて位相画像または強度画像を求め、これら位相画像または強度画像に基づいて対象物の3次元像を求めるのが好適である。
本発明によれば、対象物の干渉画像を取得する際に対象物におけるフォーカス面の位置を容易に安定して設定することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の干渉画像取得装置1の構成を示す図である。第1実施形態の干渉画像取得装置1は、光源11、ビームスプリッタ12、参照側ミラー13、ピエゾ素子14、ステージ15、対物レンズ16、焦点可変レンズ17、撮像器18、筐体30、支持部31および演算部40を備える。本実施形態の干渉画像取得装置1は、二光束干渉計としてマイケルソン干渉計を有し、対象物90の干渉画像を取得する。
図1は、第1実施形態の干渉画像取得装置1の構成を示す図である。第1実施形態の干渉画像取得装置1は、光源11、ビームスプリッタ12、参照側ミラー13、ピエゾ素子14、ステージ15、対物レンズ16、焦点可変レンズ17、撮像器18、筐体30、支持部31および演算部40を備える。本実施形態の干渉画像取得装置1は、二光束干渉計としてマイケルソン干渉計を有し、対象物90の干渉画像を取得する。
対象物90は、特定の細胞や生体サンプルに限定されるものではなく、任意である。例えば、対象物90として、培養細胞、不死化細胞、初代培養細胞、がん細胞、脂肪細胞、肝臓細胞、心筋細胞、神経細胞、グリア細胞、体性幹細胞、胚性幹細胞、多能性幹細胞、iPS細胞、および前記細胞をもとに作られた細胞塊(コロニーまたはスフェロイド)などが挙げられる。また、対象物90として、生体に限らず、工業サンプル、たとえばガラス、半導体素子、樹脂素材、液晶、高分子化合物、金属材料なども挙げられる。
光源11は、空間的または時間的にインコヒーレントな光を出力する。光源11は、例えばハロゲンランプなどのランプ系光源、LED(Light emitting diode)光源、SLD(Super luminescent diode)光源、ASE(Amplified spontaneous emission)光源等である。光源11が出力する光の波長帯域幅は1nm~3nm程度であるのが好適である。波長帯域が広すぎると、干渉を得るための装置の光学調整が困難となる。逆に、波長帯域が狭すぎると、多重反射や迷い光による干渉の悪影響が干渉画像に現れる。したがって、波長帯域幅を1nm~3nm程度に狭帯域化するのが好ましい。
ビームスプリッタ12は、光源11と光学的に結合され、二光束干渉計であるマイケルソン干渉計を構成する。ビームスプリッタ12は、透過率と反射率との比が1:1であるハーフミラーであってもよい。ビームスプリッタ12は、光源11から出力された光を第1光束と第2光束とに分岐する分岐部であり、また、第1光束と第2光束とを合波して干渉光を出力する合波部でもある。
分岐部としてのビームスプリッタ12は、光源11から出力された光を2分岐して、第1光束を対象物90へ向けて出力し、第2光束を参照側ミラー13へ向けて出力する。合波部としてのビームスプリッタ12は、対象物90から到達した第1光束を入力するとともに、参照側ミラー13で反射されて到達した第2光束を入力して、これら入力した第1光束と第2光束とを合波して、干渉光を対物レンズ16へ向けて出力する。
参照側ミラー13は、ビームスプリッタ12と光学的に結合され、ビームスプリッタ12から到達する第2光束に垂直な反射面を有する。ピエゾ素子14およびステージ15は、参照側ミラー13の反射面に垂直な方向における参照側ミラー13の位置を調整する参照側ミラー位置調整部である。ステージ15は、固定部に対して可動部が移動可能であり、固定部に対して可動部上の参照側ミラー13およびピエゾ素子14を同時に移動させる。ステージ15は参照側ミラー13およびピエゾ素子14を機械的に移動させることができればよいから、要求される耐荷重は5g程度である。したがって、ステージ15として、小型・安価・低消費電力・高安定性の物を用いることができる。ステージ15は、比較的、可動範囲が広く、位置調整精度が低い。ステージ15は参照側ミラー13の位置を粗調整するのに適している。
ピエゾ素子14は、比較的、可動範囲が狭く、位置調整精度が高い。ピエゾ素子14は、参照側ミラー13の位置を微調整するのに適している。ピエゾ素子14は、二光束干渉計における二光束の間の光路長差(すなわち位相差)を精密に調整することができる。ピエゾ素子14は、波長未満の分解能で参照側ミラー13の反射面の位置を決めることができる。二光束干渉計において二光束の間の光路長差は可変である。
対物レンズ16は、ビームスプリッタ12と光学的に接続され、ビームスプリッタ12から到達した干渉光を入力して、その干渉光を焦点可変レンズ17へ向けて出力する。
焦点可変レンズ17は、対物レンズ16と光学的に接続され、対物レンズ16から到達した干渉光を入力して、その干渉光を撮像器18へ向けて出力する。焦点可変レンズ17の焦点距離は可変である。焦点可変レンズ17は、合波部としてのビームスプリッタ12から撮像器18の撮像面までの干渉光の光路上に設けられたフォーカス面位置調整部であって、分岐部としてのビームスプリッタ12から合波部としてのビームスプリッタ12までの第1光束の光路上において撮像器18の撮像面に対して共役となるフォーカス面Fの位置を調整する。
撮像器18は、焦点可変レンズ17と光学的に結合され、焦点可変レンズ17から到達した干渉光を受光する撮像面を有し、対象物90の干渉画像を取得する。撮像器18は、例えば、CCDエリアイメージセンサおよびCMOSエリアイメージセンサなどのイメージセンサである。
支持部31は、対象物90を支持するものである。支持部31は、対象物90を載置する板形状のものであってもよく、また、対象物90が培養液中の生細胞である場合等には容器形状のものであるのが好ましい。また、支持部31は、筐体30の一部であってもよく、筐体30と一体化されていてもよい。筐体30は、ビームスプリッタ12(分岐部、合波部)および支持部31の間の相対的位置関係を固定して、これらを機械的に一体化する。また、筐体30は、ビームスプリッタ12および支持部31に加えて、光源11、ステージ15の固定部、対物レンズ16および焦点可変レンズ17を含めて、これらの間の相対的位置関係を固定するのが好適である。筐体30は、剛体であるのが好適であり、例えば金属からなるのが好適である。
演算部40は、撮像器18と電気的に接続されており、撮像器18に対して露光タイミング(すなわち、干渉画像取得のタイミング)を指示するとともに、撮像器18が取得した干渉画像のデータを受け取る。演算部40は、この干渉画像に基づいて、対象物90の位相画像または強度画像を求めることができる。
演算部40は、ピエゾ素子14とも電気的に接続されており、ピエゾ素子14に電気信号を与えることでピエゾ素子14を伸張させて、参照側ミラー13の位置を調整する。演算部40は、ステージ15とも電気的に接続されており、ステージ15に電気信号を与えることでステージ15を移動させて、ピエゾ素子14および参照側ミラー13の位置を調整する。また、演算部40は、焦点可変レンズ17とも電気的に接続されており、焦点可変レンズ17に電気信号を与えることで、焦点可変レンズ17の焦点距離を調整する。
演算部40は、コンピュータやタブレットであってよい。演算部40は、ピエゾ素子14、ステージ15、焦点可変レンズ17および撮像器18それぞれの間で電気信号を入力または出力する為のインターフェースを備える。演算部40は、干渉画像、位相画像および強度画像のほか測定条件や測定結果を表示する表示部(例えば液晶ディスプレイ等)を備える。演算部40は、測定条件等の入力を受け付ける入力部(例えばキーボード、マウス等)を備える。演算部40は、測定条件、測定結果、測定の為のプログラム等を記憶する記憶部(例えばハードディスクドライブ、ROM、RAM等)を備える。また、演算部40は、プログラムに従って所定の処理を行う制御部(例えばCPU等)を備える。
演算部40は、デジタル的なタイミング制御により、ピエゾ素子14の伸張の指示、ステージ15の移動の指示、焦点可変レンズ17の焦点距離調整の指示および撮像器18の露光の指示を行う。タイミング制御に用いられる素子は、好適には、多チャンネルのDA(Digital-to-analog)コンバータを内蔵するマイクロコントローラまたは信号発生ボードである。一般にDAコンバータの出力は低電力の電圧信号であるが、適切なパワーアンプを用いることで、十分な電力の電圧信号をピエゾ素子14またはステージ15に与えることができる。また、焦点可変レンズ17が入力電流値に応じて焦点距離を変化させるものである場合、DAコンバータとともに適切な電圧電流変換アンプを用いることで、この電圧電流変換アンプから出力される電流信号を焦点可変レンズ17への入力信号として用いることができる。
一般に、電圧電流変換アンプからの出力電流値(すなわち、焦点可変レンズへの入力電流値)は、電圧電流変換アンプへの入力電圧値(すなわち、DAコンバータからの出力電圧値)に比例する。焦点可変レンズの屈折量(ジオプター値)は、焦点可変レンズへの入力電流値に比例する。撮像器18の撮像面に対して共役となるフォーカス面Fの位置の変化量は、焦点可変レンズの屈折量(ジオプター値)の関数となる。したがって、これらの関係から、フォーカス面Fの位置は、DAコンバータからの出力電圧値の関数になる。
±1ジオプタ以上に亘って焦点距離調整が可能な焦点可変レンズが実用化され市販されている。図22に示すように、撮像器18の撮像面と対象物90との間に、焦点距離f1のチューブレンズ23、ΔDジオプタの屈折力を持つ焦点可変レンズ17および焦点距離f2の対物レンズ16が配置されている。また、撮像器18の撮像面とチューブレンズ23との間の距離をL1、チューブレンズ23と焦点可変レンズ17との間の距離をL2、焦点可変レンズ17と対物レンズ16との間の距離をL3、対物レンズ16と対象物90との間の距離をL4とする。このような光学系において、撮像器18の撮像面と共役となる対象物90の位置が、補正されたフォーカス位置となる。この補正されたフォーカス位置は、近似的に光線追跡計算によって求めることができる。
光線追跡計算においては、例えば、ABCD行列を用いた手法を用いることができる。入射面(図22の場合、撮像器18の撮像面から光線を逆にたどるため、便宜上、撮像器18の撮像面を入射面と呼ぶ)における光線の光軸高をr1とし、光線の角度をθ1とし、出射面である物体面における光線の光軸高をr2とし、光線の角度をθ2とすると、入射面と出射面とは下記(1)式によって関係づけられる。
ここで、上記(1)式のM1は、撮像器18の撮像面からチューブレンズ23への自由空間伝搬を表す伝搬行列である。M2は、チューブレンズ23での屈折を表す伝搬行列である。M3は、チューブレンズ23から焦点可変レンズ17への自由空間伝搬を表す伝搬行列である。M4は、焦点可変レンズ17での屈折を表す伝搬行列である。M5は、焦点可変レンズ17から対物レンズ16への自由空間伝搬を表す伝搬行列である。M6は、対物レンズ16での屈折を表す伝搬行列である。また、M7は、対物レンズ16から対象物90への自由空間伝搬を表す伝搬行列である。伝搬行列M1~M7はそれぞれ下記(2)式によって表される。
図23~図25は、上記(2)式の伝搬行列を計算し、対象物90近辺での近軸光線のふるまいを図示したものである。L1=200mm、L2=50mm、L3=150mm、f1=200mm、f2=9.0mmとして、焦点可変レンズ17の屈折力ΔDを±2ジオプタ(DP)の範囲で変化させた。図23は、焦点可変レンズ17の屈折力が-2DPである場合の近軸光線を表す図である。図24は、焦点可変レンズ17の屈折力が0DPである場合の近軸光線を表す図である。図25は、焦点可変レンズ17の屈折力が+2DPである場合の近軸光線を表す図である。これらの図において、横軸は光軸方向位置を表し、縦軸は径方向位置を表す。焦点可変レンズ17の屈折力が0である場合は、この光学系は無限遠系の結像光学系であるので、図24に示されるとおり、撮像器18の撮像面を出射した仮想的な光は対物レンズ16の焦点面に結像する。一方で、焦点可変レンズ17の屈折力が正(凸レンズ)である場合、図25に示されるとおり、その結像位置は対物レンズ16に近づく。逆に、焦点可変レンズ17の屈折力が負(凹レンズ)である場合、図23に示されるとおり、その結像位置は対物レンズ16から遠ざかる。
上記(2)式の伝搬行列計算をもとにして、焦点可変レンズ17の屈折力と対象物90側の結像位置との関係をグラフにしたものが図26である。図26では、計算結果が実線で表され、また、図22の光学系(L1=200mm、L2=50mm、L3=150mm、f1=200mm、f2=9.0mm)において結像位置の変動量を実測した結果が黒丸で表されている。このように、図22の光学系において、f2=9mmの対物レンズ16および±2DPの焦点可変レンズ17を用いると、対象物90側の結像位置を+0.12mm~-0.22mmの範囲で変化させられることが確認できる。また、焦点可変レンズ17の屈折力の変調範囲が微小量である場合は、屈折力と対象物90側のフォーカス位置との関係は比例的に近似できる。
二光束干渉計において、フォーカス面Fの位置で反射される第1光束の光路長と、参照側ミラー13で反射される第2光束の光路長との間の光路長差は、光源11から出力される光のコヒーレント長以下とされる。このような条件が満たされる場合に、合波部としてのビームスプリッタ12に入力される第1光束と第2光束との干渉により、撮像器18は、フォーカス面Fの位置における対象物90の明瞭な干渉画像を取得することができる。例えば、光源11として用いられ得るハロゲンランプから出力される光のコヒーレント長は約1μmであり、LED光源から出力される光のコヒーレント長は約3μmであり、SLD光源またはASE光源から出力される光のコヒーレント長は10~50μmである。
参照側ミラー位置調整部(ピエゾ素子14またはステージ15)は、焦点可変レンズ17の焦点距離の変更によるフォーカス面Fの位置の変化に応じて参照側ミラー13の位置を調整することで、光路長差をコヒーレント長以下とする。参照側ミラー13の位置調整に際して、必要とされる調整幅がピエゾ素子14の可動距離よりも大きい場合(例えば、対象物90の3次元像を求めるためにフォーカス面Fの走査範囲が大きい場合)は、ステージ15を用いるのが好適である。
次に、本実施形態の干渉画像取得装置1を用いた干渉画像取得方法について説明する。本実施形態の干渉画像取得方法は、干渉ステップ、撮像ステップおよびフォーカス面位置調整ステップを備える。
干渉ステップでは、二光束干渉計において、光源11から出力されたインコヒーレントな光がビームスプリッタ12(分岐部)により第1光束と第2光束とに分岐され、支持部31により支持されて第1光束の光路上に配置された対象物90から到達した第1光束と、参照側ミラー13から到達した第2光束とがビームスプリッタ12(合波部)により合波されて、ビームスプリッタ12から干渉光が出力される。撮像ステップでは、二光束干渉計から出力された干渉光を受光する撮像面を有する撮像器18により、対象物90の干渉画像が取得される。フォーカス面位置調整ステップでは、合波部としてのビームスプリッタ12から撮像器18の撮像面までの干渉光の光路上に設けられた焦点可変レンズ17により、分岐部としてのビームスプリッタ12から合波部としてのビームスプリッタ12までの第1光束の光路上において撮像器18の撮像面に対して共役となるフォーカス面Fの位置が調整される。本実施形態の干渉画像取得方法は、ビームスプリッタ12(分岐部、合波部)および支持部31の間の相対的位置関係が固定された状態で干渉ステップおよび撮像ステップを行う。
また、本実施形態の干渉画像取得方法は参照側ミラー位置調整ステップをも備える。参照側ミラー位置調整ステップでは、参照側ミラー位置調整部(ピエゾ素子14またはステージ15)により、参照側ミラー13の反射面に垂直な方向における参照側ミラー13の位置が調整される。また、本実施形態の干渉画像取得方法は演算ステップをも備える。演算ステップでは、演算部40により、撮像ステップで取得された干渉画像に基づいて対象物90の位相画像または強度画像が求められ、さらに対象物90の3次元像が求められる。
図2は、第1実施形態の干渉画像取得装置1の動作例を説明するタイミングチャートである。この図は、対象物90の3次元像を求める場合の動作を説明するものである。この図には、上から順に、ピエゾ素子14の伸張量、撮像器18への露光指示信号、フォーカス面Fの位置およびステージ15の可動部の位置が示されている。
演算部40から焦点可変レンズ17へ与えられる信号により、焦点可変レンズ17の焦点距離は一定周期でステップ的に変更され、これにより、フォーカス面Fの位置は一定周期でステップ的に変更される(フォーカス面位置調整ステップ)。また、演算部40からステージ15へ与えられる信号により、ステージ15の可動部は一定周期でステップ的に移動し、これにより、参照側ミラー13の位置は一定周期でステップ的に変更される(参照側ミラー位置調整ステップ)。これらのフォーカス面Fの位置および参照側ミラー13の位置それぞれのステップ的な変更は互いに協調して行われる。
これにより、フォーカス面Fの位置で反射される第1光束の光路長と、参照側ミラー13で反射される第2光束の光路長との間の光路長差は、光源11から出力される光のコヒーレント長以下とされる。ビームスプリッタ12(分岐部、合波部)および支持部31の間では、相対的位置関係が筐体30により固定されており、機械的可動部がない。したがって、二光束干渉計は極めて安定であり、1秒間の光路長差の変動量は数nm以下とすることができる。
フォーカス面Fおよび参照側ミラー13それぞれが各位置に設定されて安定化された期間において、演算部40からピエゾ素子14へ与えられる信号により、ピエゾ素子14の伸張量はステップ的に4段階に設定され、これにより、参照側ミラー13の位置はステップ的に4段階に設定される(参照側ミラー位置調整ステップ)。このとき、ピエゾ素子14により参照側ミラー13の位置はλ/8ずつ異なるように設定され、合波時の第1光束と第2光束との間の位相差はπ/2ずつ異なるように設定される。λは、光源11から出力される光の波長である。
フォーカス面Fおよび参照側ミラー13それぞれが各位置に設定された期間であって、合波時の第1光束と第2光束との間の位相差がピエゾ素子14により各値に設定されて安定している期間において、合波部としてのビームスプリッタ12により第1光束と第2光束とが合波されて干渉光が出力される(干渉ステップ)。そして、演算部40から撮像器18へ与えられる露光指示信号により、フォーカス面Fにおける対象物の干渉画像が撮像器18により取得される(撮像ステップ)。
焦点可変レンズ17の焦点距離変更によるフォーカス面Fの位置のステップ的な変更、および、ステージ15の移動による参照側ミラー13の位置のステップ的な変更は、ピエゾ素子14の伸張量変更および撮像器18の露光と同期して行われ、ステップ的に4段階の位相差を設定するピエゾ素子14の伸張サイクルの合間(図2中の縦破線)に行われる。撮像器18へ与えられる露光指示信号は、ピエゾ素子14の伸張量変更に同期している。焦点可変レンズ17の焦点距離変更によるフォーカス面Fの位置のステップ的な変更、ステージ15の移動による参照側ミラー13の位置のステップ的な変更、および、ピエゾ素子14による位相差のステップ的な変更は、撮像器18が露光していない期間に行われる。
参照側ミラー13の位置がステップ的に4段階に設定されて、合波時の第1光束と第2光束との間の位相差が初期位相であるときに取得される干渉画像をI0とし、位相差が“初期位相+π/2”であるときに取得される干渉画像をI1とし、位相差が“初期位相+π”であるときに取得される干渉画像をI2とし、また、位相差が“初期位相+3π/2”であるときに取得される干渉画像をI3とする。フォーカス面Fおよび参照側ミラー13それぞれが各位置に設定されて安定化された期間において、撮像器18により4枚の干渉画像I0~I3が取得される。これらの干渉画像のデータは、撮像器18から演算部40へ送られる。
演算部40では、受け取った干渉画像I0~I3に基づく所定の計算により、フォーカス面Fにおける対象物90の振幅画像Aおよび位相画像φが求められる(演算ステップ)。振幅画像Aは下記(3)式で表される。位相画像φは下記(4)式で表される。argは複素数の偏角を取得する演算子である。iは虚数単位である。また、これら振幅画像および位相画像から、フォーカス面Fにおける対象物90の複素振幅画像も求められる。さらに、光軸方向に走査されるフォーカス面Fの各位置において求められた振幅画像または位相画像から、対象物90の3次元像が求められる。なお、これらの画像は画素位置の関数であり、演算は画素毎に行われる(演算ステップ)。
例えば、ピエゾ素子14の伸張量変更の時間間隔を10msとし、ピエゾ素子14の伸張量変更時点から安定するまでの待ち時間を3msとし、撮像器18の露光時間を3msとすることができる。この場合、1秒間に100枚の干渉画像を取得することができる。4枚の干渉画像から1組の振幅画像および位相画像を求める場合、1秒間に25組の振幅画像および位相画像を求めることができる。
本実施形態では、ビームスプリッタ12(分岐部、合波部)および支持部31の間では、相対的位置関係が固定されており、機械的可動部がない。したがって、二光束干渉計は極めて安定であり、1秒間の光路長差の変動量を小さく抑えることができる。対象物の干渉画像を取得する際に対象物におけるフォーカス面Fの位置を容易に安定して設定することができる。また、従来では合波時における第1光束と第2光束との間の位相差を一定値に維持するためにフィードバック制御が必要であったが、本実施形態では、フィードバック制御を不要とすることができるので、装置を安価に構成することができ、装置の操作を容易化することができる。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態の干渉画像取得装置2の構成を示す図である。図1に示された第1実施形態の干渉画像取得装置1の構成と比較すると、図3に示される第2実施形態の干渉画像取得装置2は、対物レンズ21,22を備える点で相違し、対物レンズ16に替えてチューブレンズ23を備える点で相違する。本実施形態の干渉画像取得装置2は、二光束干渉計としてマイケルソン干渉計の一種であるリニック干渉計を有し、対象物90の干渉画像を取得する。
図3は、第2実施形態の干渉画像取得装置2の構成を示す図である。図1に示された第1実施形態の干渉画像取得装置1の構成と比較すると、図3に示される第2実施形態の干渉画像取得装置2は、対物レンズ21,22を備える点で相違し、対物レンズ16に替えてチューブレンズ23を備える点で相違する。本実施形態の干渉画像取得装置2は、二光束干渉計としてマイケルソン干渉計の一種であるリニック干渉計を有し、対象物90の干渉画像を取得する。
対物レンズ21は、ビームスプリッタ12と対象物90との間の第1光束の光路上に設けられている。対物レンズ21は、ビームスプリッタ12と光学的に結合され、対象物90とも光学的に結合されている。対物レンズ21は、ビームスプリッタ12から到達した第1光束を対象物90へ向けて出力するとともに、対象物90から到達した第1光束をビームスプリッタ12へ向けて出力する。
対物レンズ22は、ビームスプリッタ12と参照側ミラー13との間の第2光束の光路上に設けられている。対物レンズ22は、ビームスプリッタ12と光学的に結合され、参照側ミラー13とも光学的に結合されている。対物レンズ22は、ビームスプリッタ12から到達した第2光束を参照側ミラー13へ向けて出力するとともに、参照側ミラー13から到達した第2光束をビームスプリッタ12へ向けて出力する。
焦点可変レンズ17は、ビームスプリッタ12とチューブレンズ23との間の干渉光の光路上に設けられている。焦点可変レンズ17は、ビームスプリッタ12と光学的に結合され、チューブレンズ23とも光学的に結合されている。焦点可変レンズ17は、ビームスプリッタ12から到達した干渉光をチューブレンズ23へ向けて出力する。
焦点可変レンズ17のジオプタ調整可能範囲を±ΔDとし、チューブレンズ23の焦点距離をf0(1/f0ジオプタ)とし、これら二つのレンズが近接して配置されているとする。実際には、焦点可変レンズ17およびその周辺冶具の厚みがあるため、チューブレンズ23と焦点可変レンズ17との間の距離は50mm程度となる。このとき、前述の通り、焦点可変レンズ17の屈折力の変化によってフォーカス面Fの位置を走査することができる。例えば、f2=9mm、f1=200mm、ΔD=2m-1とすると、図26に示されるとおり、フォーカス面Fの位置を+0.12mm~-0.22mmの範囲で光軸方向に走査することができる。
焦点可変レンズと他のレンズとが一体化されたものを用いてもよい。比較的低倍の領域においてチューブレンズを用いない有限遠の対物レンズに焦点可変レンズを組み合わせたレンズが市販されている。例えば、倍率が2倍のものであってワーキングディスタンスを数mm幅で調整できるレンズが市販されている。
本実施形態でも、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。加えて、本実施形態では、リニック干渉計の構成であることから、高NAの対物レンズを用いることができ、分解能が高い干渉画像を取得することができる。
(第3実施形態)
図4は、第3実施形態の干渉画像取得装置3の構成を示す図である。図3に示された第2実施形態の干渉画像取得装置2の構成と比較すると、図4に示される第3実施形態の干渉画像取得装置3は、ステージ24を備える点で相違し、対象物90を支持する支持部の構成の点で相違する。本実施形態の干渉画像取得装置3は、二光束干渉計としてマイケルソン干渉計の一種であるリニック干渉計を有し、対象物90の干渉画像を取得する。
図4は、第3実施形態の干渉画像取得装置3の構成を示す図である。図3に示された第2実施形態の干渉画像取得装置2の構成と比較すると、図4に示される第3実施形態の干渉画像取得装置3は、ステージ24を備える点で相違し、対象物90を支持する支持部の構成の点で相違する。本実施形態の干渉画像取得装置3は、二光束干渉計としてマイケルソン干渉計の一種であるリニック干渉計を有し、対象物90の干渉画像を取得する。
ステージ24は、ビームスプリッタ12と参照側ミラー13との間の第2光束の光路上に設けられた対物レンズ22を該光路に沿って移動させるものである。ステージ24は、対物レンズ22の位置を適切に設定することにより、撮像器18の撮像面に対して共役となる位置を参照側ミラー13の反射面に一致させることができる。演算部40は、ステージ24と電気的に結合されており、ステージ24に電気信号を与えることでステージ24を移動させて、対物レンズ22の位置を調整する。
対象物90は、図5に示されるように、例えば培養液とともに容器80の中に入れられた生細胞である。図5は、第3実施形態の干渉画像取得装置3における対象物90の支持の態様を説明する図である。対象物90を支持する支持部としての容器80の上に蓋81が置かれることで、容器80の内部空間は密閉される。また、容器80の底部の外側に物体側ミラー82が配置されている。容器80の底部および蓋81は、光源11から出力される光の波長において透明である。例えば、容器80の底部および蓋81は石英ガラスからなる。
物体側ミラー82は、対象物90を透過した第1光束を反射させる。物体側ミラー82は、容器80の底部の内面に設けられてもよいが、容器80の底部の外側に設けられるのが好ましい。この場合、物体側ミラー82の反射面と対象物90との間に容器80の底部が存在する。すなわち、物体側ミラー82は、対象物90に対して離間した位置に反射面を有する。物体側ミラー82は、容器80の底部外側に固定されていてもよいし、容器80とは別体であってもよい。また、物体側ミラー82は、筐体30に固定されていてもよい。
分岐部としてのビームスプリッタ12から出力された第1光束は、対物レンズ21、蓋81および容器80の底部を経て、物体側ミラー82で反射される。物体側ミラー82で反射された第1光束は、容器80の底部、蓋81および対物レンズ21を経て、合波部としてのビームスプリッタ12に到達する。この第1光束の光路上においてフォーカス面Fが対象物90が存在する範囲に位置することで、対象物90の干渉画像を撮像器18により取得することができる。
二光束干渉計において、物体側ミラー82で反射される第1光束の光路長と、参照側ミラー13で反射される第2光束の光路長との間の光路長差は、光源11から出力される光のコヒーレント長以下とされる。このような条件が満たされる場合に、合波部としてのビームスプリッタ12に入力される第1光束と第2光束との干渉により、撮像器18は対象物90の明瞭な干渉画像を取得することができる。
図6は、第3実施形態の干渉画像取得装置3の動作例を説明するタイミングチャートである。この図は、対象物90の3次元像を求める場合の動作を説明するものである。この図には、上から順に、ピエゾ素子14の伸張量、撮像器18への露光指示信号およびフォーカス面Fの位置が示されている。
時刻t0前の期間に、演算部40から焦点可変レンズ17へ与えられる信号により、焦点可変レンズ17の焦点距離が調整され、これにより、物体側ミラー82の反射面にフォーカス面Fが位置するようにされる。また、演算部40からステージ15へ与えられる信号により参照側ミラー13の位置が調整されて、これにより、物体側ミラー82で反射される第1光束の光路長と、参照側ミラー13で反射される第2光束の光路長との間の光路長差は、光源11から出力される光のコヒーレント長以下とされる。これにより、適切なコントラストの鮮明な干渉画像が撮像器18により取得される。
時刻t0に、演算部40から焦点可変レンズ17へ与えられる信号により、焦点可変レンズ17の焦点距離が調整され、これにより、容器80の底部の内面にフォーカス面Fが位置するようにされる。これ以降、第1実施形態で説明した動作と同様の動作が行われる。ただし、本実施形態では、時刻t0以降、ステージ15,24は移動しない。このような動作により、光軸方向に走査されるフォーカス面Fの各位置における対象物90の振幅画像および位相画像が求められ、さらに、対象物90の3次元画像が求められる。
本実施形態でも、第2実施形態と同様の作用効果を奏する。加えて、本実施形態では、光軸方向にフォーカス面Fの位置を走査する際に、焦点可変レンズ17の焦点距離をステップ的に変更するだけであるので、更に信頼性が高く、更に安価であり、軽量化が可能である。また、本実施形態では、対象物90が生細胞である場合に、その生細胞の培養に適した環境で生細胞を培養しつつ、その生細胞の干渉画像等を取得することができる。
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、二光束干渉計は、マイケルソン干渉計やリニック干渉計に限られるものではなく、他の型の干渉計(例えばミロー型など)であってもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、二光束干渉計は、マイケルソン干渉計やリニック干渉計に限られるものではなく、他の型の干渉計(例えばミロー型など)であってもよい。
合波部としてのビームスプリッタ12から撮像器18の撮像面までの干渉光の光路上に設けられるフォーカス面位置調整部は、焦点可変レンズ17に限られず、分岐部としてのビームスプリッタ12から合波部としてのビームスプリッタ12までの第1光束の光路上においてフォーカス面Fの位置を調整することができるものであれば任意でよい。また、複数のフォーカス面位置調整部が設けられていてもよい。
例えば、フォーカス面位置調整部は、ビームスプリッタ12から撮像器18の撮像面までの干渉光の光路長を変化させる機構を含んでいてもよい。このような干渉光路長変更機構としては、干渉光の光路に沿って撮像器18を移動させる機構や、与えられる電気信号に応じて屈折率が変化する電気光学素子が挙げられる。
また、例えば、フォーカス面位置調整部は、干渉光の光路上に配置された1または複数のレンズ(例えば、第1実施形態における対物レンズ16または焦点可変レンズ17、第2または第3の実施形態におけるチューブレンズ23または焦点可変レンズ17)の位置を干渉光の光路に沿って変化させる機構を含んでいてもよい。干渉光の光路上にテレセントリック光学系が構成されている場合には、そのテレセントリック光学系を構成する複数のレンズを一体的に干渉光の光路に沿って移動させてもよい。
光源11は、筐体30内に設けられていなくてもよく、これとは別体であってもよい。後者の場合、例えば、別に設けられた光源から出力された光を光ファイバにより導光し、その光ファイバの光出射端に設けられたコリメータから平行光をビームスプリッタ12へ向けて出力する構成であってもよい。
(第1実施例)
第1実施例では、図1に示された第1実施形態の干渉画像取得装置1と同等の構成のものを用いた。用いた光源11は、中心波長630nmで波長帯域幅30nmの光を出力するLEDであり、これから出力される光を中心波長632nmで波長帯域幅1nmに狭帯域化した。用いた焦点可変レンズ17は、倍率が2倍のものであってワーキングディスタンスを数mm幅で調整できるレンズであった。
第1実施例では、図1に示された第1実施形態の干渉画像取得装置1と同等の構成のものを用いた。用いた光源11は、中心波長630nmで波長帯域幅30nmの光を出力するLEDであり、これから出力される光を中心波長632nmで波長帯域幅1nmに狭帯域化した。用いた焦点可変レンズ17は、倍率が2倍のものであってワーキングディスタンスを数mm幅で調整できるレンズであった。
図7は、第1実施例で用いた対象物の写真である。日本国の百円硬貨の上に金属製ワッシャを載せたものを対象物とし、この対象物の表面で反射される第1光束と参照側ミラー13で反射される第2光束とを合波して、この写真中の白色矩形枠で囲まれた範囲の干渉画像を取得した。白色矩形枠で囲まれた範囲には、百円硬貨に刻印されている一つの漢字、および、これの周囲の金属製ワッシャの一部が含まれている。
最初に、焦点可変レンズ17により対象物の底面(百円硬貨のうち漢字が刻印されていない領域の面)にフォーカス面Fを一致させ、ステージ15により参照側ミラー13の位置を調整して撮像器18により干渉縞が得られるようにすることで、第1光束の光路長と第2光束の光路長との間の光路長差を光のコヒーレント長以下とした。
その後、図2に示されたタイミングチャートに従って、焦点可変レンズ17により第1光束の光路に沿ってフォーカス面Fの位置を走査し、これに協調してステージ15により参照側ミラー13の位置を走査した。その走査の際のフォーカス面Fの各位置において、ピエゾ素子14により合波時の第1光束と第2光束との間の位相差を4段階に変化させて、撮像器18により4枚の干渉画像I0~I3を取得した。フォーカス面Fの位置の走査を1000μmの距離に亘って2μmステップで行い、500組の干渉画像I0~I3を取得した。
図8(a)は、第1実施例で取得された対象物の底面付近の干渉画像I0を示す図である。図8(b)は、第1実施例で取得された対象物の底面付近の干渉画像I0と干渉画像I2との差を表す画像を示す図である。図9(a)は、第1実施例で取得された対象物の上面付近の干渉画像I0を示す図である。図9(b)は、第1実施例で取得された対象物の上面付近の干渉画像I0と干渉画像I2との差を表す画像を示す図である。干渉画像I0と干渉画像I2とは位相差がπだけ異なるので、両者の差は干渉縞を強調した画像となる。
図10(a)は、第1実施例で得られた対象物の底面付近の振幅画像を示す図である。図10(b)は、第1実施例で得られた対象物の上面付近の振幅画像を示す図である。これらの対象物の振幅画像は、4枚の干渉画像I0~I3から上記(1)式で求めた。
図11は、第1実施例で得られた対象物の3次元像を或る一方向から見たときの画像を示す図である。フォーカス面Fの走査の各位置における振幅画像をZスタック画像とし、このZスタック画像を3Dレンダリングソフトウェアにより立体表示することで、対象物の3次元像を求めた。
図12(a)は、第1実施例で得られた対象物の底面付近の位相画像を示す図である。図12(b)は、図12(a)中の矩形枠で示した領域の位相画像を拡大して示す図である。この対象物の位相画像は、4枚の干渉画像I0~I3から上記(2)式で求めた。
これらの図に示されるように、対象物の底面(百円硬貨のうち漢字が刻印されていない領域の面)から上面(金属製ワッシャの上面)に至るまで走査方向各位置において対象物の高精度な干渉画像、振幅画像および位相画像が得られ、対象物の3次元形状を可視化することができた。
また、図12の位相画像に示されるように、半波長(315nm)周期の位相の等高線を明瞭に確認することができる。この等高線を解析することで、走査全体としては1mmに亘ってフォーカス面Fを動かしていながらも、対象物におけるナノスケールの微細な凹凸を定量することができた。このように、機械的な安定性が非常に高いことから、ピエゾ素子の伸長量を変えるだけで十分な精度で位相シフト法を実現することができ、従来では必要であった位相差安定化の為のフィードバック制御を不要とすることができる。
(第2実施例)
第2実施例では、第1実施例と同じ装置を用い、日本製紙クレシア株式会社製のキムワイプ(登録商標)を対象物として、フォーカス面Fの走査の各位置において対象物の干渉画像を取得して振幅画像および位相画像を求め、対象物の3次元像を求めた。
第2実施例では、第1実施例と同じ装置を用い、日本製紙クレシア株式会社製のキムワイプ(登録商標)を対象物として、フォーカス面Fの走査の各位置において対象物の干渉画像を取得して振幅画像および位相画像を求め、対象物の3次元像を求めた。
第2実施例では、フォーカス面Fの位置の走査を200μmの距離に亘って1μmステップで行い、200組の干渉画像I0~I3を取得し、各組の干渉画像I0~I3から振幅画像を求めて、対象物の3次元像を求めた。
図13及び図14は、第2実施例で得られた対象物の走査方向各位置の振幅画像を示す図である。走査開始からのフォーカス面Fの移動量をzとすると、図13(a)はz=40μmの位置での振幅画像を示し、図13(b)はz=70μmの位置での振幅画像を示す。図14(a)はz=100μmの位置での振幅画像を示し、図14(b)はz=130μmの位置での振幅画像を示す。
図15は、第2実施例で得られた対象物の3次元像を或る一方向から見たときの画像を示す図である。フォーカス面Fの走査の各位置における振幅画像をZスタック画像とし、このZスタック画像を3Dレンダリングソフトウェアにより立体表示することで、対象物の3次元像を求めた。
これらの図に示されるように、第1実施例の対象物の金属のような反射面だけでなく、第2実施例の対象物のキムワイプのような粗面に対しても、走査方向各位置において高精度な干渉画像、振幅画像および位相画像が得られ、対象物の3次元形状を可視化することができた。
(第3実施例)
第3実施例では、図4に示された第3実施形態の干渉画像取得装置3と同等の構成のものを用いた。用いた光源11は、中心波長532nmの光を出力するLEDであり、これから出力される光を波長帯域幅3nmに狭帯域化した。用いた焦点可変レンズ17は、最大で±2ジオプタの範囲で屈折力を変調できるものであった。用いた対物レンズ21は、焦点距離9mmのものであった。チューブレンズ23は焦点距離200mmのものを用いた。チューブレンズ23と撮像器18との間の距離を200mmとした。チューブレンズ23と焦点可変レンズ17との間の距離を50mmとした。焦点可変レンズ17と対物レンズ21との間の距離を150mmとした。
第3実施例では、図4に示された第3実施形態の干渉画像取得装置3と同等の構成のものを用いた。用いた光源11は、中心波長532nmの光を出力するLEDであり、これから出力される光を波長帯域幅3nmに狭帯域化した。用いた焦点可変レンズ17は、最大で±2ジオプタの範囲で屈折力を変調できるものであった。用いた対物レンズ21は、焦点距離9mmのものであった。チューブレンズ23は焦点距離200mmのものを用いた。チューブレンズ23と撮像器18との間の距離を200mmとした。チューブレンズ23と焦点可変レンズ17との間の距離を50mmとした。焦点可変レンズ17と対物レンズ21との間の距離を150mmとした。
対象物は、図5に示されたように、容器80に入れられた10%ゼラチン溶液に直径1μmの樹脂ビーズを分散させたものであった。これは培養液中の浮遊細胞を模擬するものである。蓋81は厚さ170μmのカバーガラスであり、容器80の底部の厚さは400μmであり、容器80の内部空間の深さは150μmであった。
この対象物に対して、図6に示されたタイミングチャートに従って、先ず、焦点可変レンズ17の焦点距離を調整して物体側ミラー82の反射面にフォーカス面Fが位置するようにし、参照側ミラー13の位置を調整して、適切なコントラストの鮮明な干渉画像が撮像器18により取得されるようにした。その後、焦点可変レンズ17により第1光束の光路に沿ってフォーカス面Fの位置を容器80の底部内面位置(z=0)から上方へ走査した。その走査の際のフォーカス面Fの各位置において、ピエゾ素子14により合波時の第1光束と第2光束との間の位相差を4段階に変化させて、撮像器18により4枚の干渉画像I0~I3を取得した。フォーカス面Fの位置の走査を20μmの距離に亘って0.5μmステップで行い、40組の干渉画像I0~I3を取得した。
図16及び図17は、第3実施例で取得された対象物のz=7.0μmの位置での干渉画像を示す図である。図16(a)は干渉画像I0を示し、図16(b)は干渉画像I1を示す。図17(a)は干渉画像I2を示し、図17(b)は干渉画像I3を示す。図18は、第3実施例で得られた対象物のz=7.0μmの位置での位相画像を示す図である。グレースケールは位相値(-0.4ラジアン~+2.0ラジアン)に対応している。
図19及び図20は、第3実施例で取得された対象物のz=10.0μmの位置での干渉画像を示す図である。図19(a)は干渉画像I0を示し、図19(b)は干渉画像I1を示す。図20(a)は干渉画像I2を示し、図20(b)は干渉画像I3を示す。図21は、第3実施例で得られた対象物のz=10.0μmの位置での位相画像を示す図である。グレースケールは位相値(-0.4ラジアン~+2.0ラジアン)に対応している。
これらの図に示されるように、走査方向各位置において対象物の高精度な干渉画像および位相画像が得られた。また、対象物の3次元位相画像も得られた。
1,2,3…干渉画像取得装置、11…光源、12…ビームスプリッタ、13…参照側ミラー、14…ピエゾ素子、15…ステージ、16…対物レンズ、17…焦点可変レンズ、18…撮像器、21,22…対物レンズ、23…チューブレンズ、24…ステージ、30…筐体、31…支持部、40…演算部、80…容器、81…蓋、82…物体側ミラー、90…対象物、F…フォーカス面。
Claims (18)
- 光源から出力されたインコヒーレントな光を分岐部により第1光束と第2光束とに分岐し、支持部により支持されて前記第1光束の光路上に配置された対象物で反射または透過した前記第1光束と、参照側ミラーで反射された前記第2光束とを合波部により合波して、干渉光を出力する二光束干渉計と、
前記二光束干渉計から出力された干渉光を受光する撮像面を有し、前記対象物の干渉画像を取得する撮像器と、
前記合波部から前記撮像面までの前記干渉光の光路上に設けられ、前記分岐部から前記合波部までの前記第1光束の光路上において前記撮像面に対して共役となるフォーカス面の位置を調整するフォーカス面位置調整部と、
を備え、
前記分岐部、前記合波部および前記支持部の間の相対的位置関係が固定されている、
干渉画像取得装置。 - 前記二光束干渉計は、前記フォーカス面の位置で反射される前記第1光束の光路長と、前記参照側ミラーで反射される前記第2光束の光路長との間の光路長差が、前記光源から出力される光のコヒーレント長以下である、
請求項1に記載の干渉画像取得装置。 - 前記二光束干渉計は、前記対象物を透過した前記第1光束を反射させる物体側ミラーが設けられ、前記物体側ミラーで反射される前記第1光束の光路長と、前記参照側ミラーで反射される前記第2光束の光路長との間の光路長差が、前記光源から出力される光のコヒーレント長以下である、
請求項1に記載の干渉画像取得装置。 - 前記フォーカス面位置調整部は、焦点距離が可変である焦点可変レンズを含む、
請求項1~3の何れか1項に記載の干渉画像取得装置。 - 前記フォーカス面位置調整部は、前記合波部から前記撮像面までの前記干渉光の光路長を変化させる機構を含む、
請求項1~4の何れか1項に記載の干渉画像取得装置。 - 前記フォーカス面位置調整部は、前記合波部から前記撮像面までの前記干渉光の光路上に配置された1または複数のレンズの位置を変化させる機構を含む、
請求項1~5の何れか1項に記載の干渉画像取得装置。 - 前記参照側ミラーの反射面に垂直な方向における前記参照側ミラーの位置を調整する参照側ミラー位置調整部を更に備える、
請求項1~6の何れか1項に記載の干渉画像取得装置。 - 前記フォーカス面位置調整部により前記フォーカス面が一定の位置に調整された状態において、前記参照側ミラー位置調整部により前記参照側ミラーが複数の位置それぞれに調整されたときに前記撮像器により取得された干渉画像に基づいて前記対象物の位相画像または強度画像を求める演算部を更に備える、
請求項7に記載の干渉画像取得装置。 - 前記フォーカス面位置調整部は、前記第1光束の光路に沿って前記フォーカス面の位置を走査し、
前記撮像器は、前記フォーカス面の走査の各位置において干渉画像を取得し、
前記演算部は、前記フォーカス面の走査の各位置において前記干渉画像に基づいて位相画像または強度画像を求め、これら位相画像または強度画像に基づいて前記対象物の3次元像を求める、
請求項8に記載の干渉画像取得装置。 - 二光束干渉計において、光源から出力されたインコヒーレントな光を分岐部により第1光束と第2光束とに分岐し、支持部により支持されて前記第1光束の光路上に配置された対象物で反射または透過した前記第1光束と、参照側ミラーで反射された前記第2光束とを合波部により合波して、干渉光を出力する干渉ステップと、
前記二光束干渉計から出力された干渉光を受光する撮像面を有する撮像器により、前記対象物の干渉画像を取得する撮像ステップと、
前記合波部から前記撮像面までの前記干渉光の光路上に設けられたフォーカス面位置調整部により、前記分岐部から前記合波部までの前記第1光束の光路上において前記撮像面に対して共役となるフォーカス面の位置を調整するフォーカス面位置調整ステップと、
を備え、
前記分岐部、前記合波部および前記支持部の間の相対的位置関係を固定した状態で、前記干渉ステップ、前記撮像ステップおよび前記フォーカス面位置調整ステップを行う、
干渉画像取得方法。 - 前記干渉ステップは、前記二光束干渉計において、前記フォーカス面の位置で反射される前記第1光束の光路長と、前記参照側ミラーで反射される前記第2光束の光路長との間の光路長差を、前記光源から出力される光のコヒーレント長以下とする、
請求項10に記載の干渉画像取得方法。 - 前記干渉ステップは、前記二光束干渉計において、前記対象物を透過した前記第1光束を反射させる物体側ミラーが設けられ、前記物体側ミラーで反射される前記第1光束の光路長と、前記参照側ミラーで反射される前記第2光束の光路長との間の光路長差を、前記光源から出力される光のコヒーレント長以下とする、
請求項10に記載の干渉画像取得方法。 - 前記フォーカス面位置調整部は、焦点距離が可変である焦点可変レンズを含む、
請求項10~12の何れか1項に記載の干渉画像取得方法。 - 前記フォーカス面位置調整部は、前記合波部から前記撮像面までの前記干渉光の光路長を変化させる機構を含む、
請求項10~13の何れか1項に記載の干渉画像取得方法。 - 前記フォーカス面位置調整部は、前記合波部から前記撮像面までの前記干渉光の光路上に配置された1または複数のレンズの位置を変化させる機構を含む、
請求項10~14の何れか1項に記載の干渉画像取得方法。 - 前記参照側ミラーの反射面に垂直な方向における前記参照側ミラーの位置を調整する参照側ミラー位置調整ステップを更に備える、
請求項10~15の何れか1項に記載の干渉画像取得方法。 - 前記フォーカス面位置調整ステップで前記フォーカス面が一定の位置に調整された状態において、前記参照側ミラー位置調整ステップで前記参照側ミラーが複数の位置それぞれに調整されたときに前記撮像ステップで取得された干渉画像に基づいて前記対象物の位相画像または強度画像を求める演算ステップを更に備える、
請求項16に記載の干渉画像取得方法。 - 前記フォーカス面位置調整ステップは、前記第1光束の光路に沿って前記フォーカス面の位置を走査し、
前記撮像ステップは、前記フォーカス面の走査の各位置において干渉画像を取得し、
前記演算ステップは、前記フォーカス面の走査の各位置において前記干渉画像に基づいて位相画像または強度画像を求め、これら位相画像または強度画像に基づいて前記対象物の3次元像を求める、
請求項17に記載の干渉画像取得方法。
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JP2020202168A JP2022089626A (ja) | 2020-12-04 | 2020-12-04 | 干渉画像取得装置および干渉画像取得方法 |
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