JP2022086228A - 発光装置およびプロジェクター - Google Patents
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Abstract
【課題】 迷光の発生を低減することができる、発光装置およびプロジェクターを提供する。【解決手段】本発明の発光装置は、基体と、基体に設けられ、発光層を含む複数の柱状部を有する発光部と、発光部の光射出側に設けられる光吸収層と、を備え、発光部は発光領域と非発光領域とを有し、基体の法線に沿う方向から視て、光吸収層は非発光領域と重なるように設けられている。【選択図】図3
Description
本発明は、発光装置およびプロジェクターに関する。
下記特許文献1には、基板上に設けられた複数の柱状構造体からなる発光部を有する発光装置が開示されている。
しかしながら、上記発光装置では、各柱状構造体から発せられた光が柱状構造体間を伝搬することで迷光を生じさせるという課題があった。
上記の課題を解決するために、本発明の1つの態様によれば、基体と、基体に設けられ、発光層を含む複数の柱状部を有する発光部と、発光部の光射出側に設けられる光吸収層と、を備え、発光部は発光領域と非発光領域とを有し、基体の法線に沿う方向から視て、光吸収層は非発光領域と重なるように設けられている発光装置が提供される。
本発明の1つの態様によれば、上記態様の発光装置を備えるプロジェクターが提供される。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター100は、スクリーンSCRに画像を投射する投射型画像表示装置である。プロジェクター100は、発光装置1R,1G,1Bと、クロスダイクロイックプリズム3と、投射光学装置4と、を備えている。発光装置1R,1G,1Bの構成については後述する。
発光装置1R,1G,1Bは、それぞれ、赤色光、緑色光、青色光を射出する。発光装置1R,1G,1Bは、各々の発光部を映像の画素として画像情報に応じて変調することで、例えば液晶ライトバルブなどの光変調装置を用いることなく、直接的に映像を形成することができる。
発光装置1R,1G,1Bから射出された光は、クロスダイクロイックプリズム3に入射する。クロスダイクロイックプリズム3は、発光装置1R,1G,1Bから射出された光を合成して投射光学装置4に導く。投射光学装置4は、発光装置1R,1G,1Bによって形成された映像を拡大してスクリーンSCRに投射する。投射光学装置4は、一つまたは複数の投射レンズで構成されている。
具体的にクロスダイクロイックプリズム3は、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射光学系である投射光学装置4によりスクリーンSCR上に投射され、拡大された画像が表示される。
発光装置1R,1G,1Bは、赤色光LR、緑色光LGまたは青色光LBをそれぞれ射出する。なお、発光装置1R,1G,1Bの構成は、射出する光の波長帯が異なる以外、同様の基本構成を有している。以下では、発光装置1Bを例に挙げて、その構成について詳しく説明する。
図2は、発光装置1Bの構成を模式的に示した平面図である。
以下、XYZ直交座標系を用いて各部の構成を説明する。発光装置1Bを光軸方向から見た平面形状が矩形状の発光領域の一方の辺に平行な軸をX軸とし、発光領域の他方の辺に平行な軸をY軸とし、X軸とY軸とに垂直な軸をZ軸とする。Z軸と発光装置1Bの光軸とは平行である。
以下、XYZ直交座標系を用いて各部の構成を説明する。発光装置1Bを光軸方向から見た平面形状が矩形状の発光領域の一方の辺に平行な軸をX軸とし、発光領域の他方の辺に平行な軸をY軸とし、X軸とY軸とに垂直な軸をZ軸とする。Z軸と発光装置1Bの光軸とは平行である。
図2に示すように、発光装置1Bは、アレイ状に設けられた複数の発光部30を有している。本実施形態において、発光部30はX軸またはY軸に沿ってマトリックス状に設けられている。これにより、発光装置1Bでは、各発光部30を画素として映像を形成することができる自発光イメージャーを構成することができる。
図3は、発光装置1Bの要部構成を示す断面図である。なお、図3は図2のII-II線矢視による断面を示す図であり、発光装置1Bの断面を示している。
図3に示すように、発光装置1Bは、基体10と、半導体層20と、発光部30と、絶縁層40と、光吸収層50と、第1電極60と、第2電極70と、配線80と、ヒートシンク90と、を有する。ヒートシンク90は、発光部30で生じる熱を放出するため、基体10の下面10bに設けられている。ヒートシンク90は必要に応じて省略してもよい。
図3に示すように、発光装置1Bは、基体10と、半導体層20と、発光部30と、絶縁層40と、光吸収層50と、第1電極60と、第2電極70と、配線80と、ヒートシンク90と、を有する。ヒートシンク90は、発光部30で生じる熱を放出するため、基体10の下面10bに設けられている。ヒートシンク90は必要に応じて省略してもよい。
本実施形態において、Z軸方向において、基体10から発光部30を構成する積層体が積層される方向を「上」とし、基体10から発光部30と反対側に向かう方向を「下」として説明する。
基体10は、例えば、基板11と、反射層12と、を含む。基板11は、例えば、シリコン(Si)基板、窒化ガリウム(GaN)基板、サファイア基板などで構成されている。反射層12は基板11上に設けられている。反射層12は、例えばAlGaN層とGaN層とを交互に積層させた積層体、AlInN層とGaN層とを交互に積層させた積層体等で構成されている。反射層12は後述するナノコラムの発光層で発生した光を基板11と反対側に向けて反射させる。
半導体層20は、基体10上に設けられている。半導体層20は、例えば、n型のGaN層、具体的はSiがドープされたGaN層で構成されている。
発光装置1Bは複数の発光部30を有している。隣り合う発光部30は、半導体層20の周囲に設けられた素子分離層(図示略)によって電気的に分離されている。素子分離層は、例えば、i型のGaN層、酸化シリコン層、窒化シリコン層などで構成されている。
発光部30は、複数のナノコラム(柱状部)31と、光伝搬層36と、を有している。ナノコラム31は半導体層20上に突出して延びる柱状結晶構造体である。ナノコラム31の平面形状は、多角形、円、楕円などである。本実施形態では、図2に示すように、ナノコラム31の平面形状は、四角形である。ナノコラム31の径は、nmオーダーであり、具体的には、例えば10nm以上、500nm以下である。ナノコラム31の積層方向の寸法、いわゆるナノコラム31の高さは、例えば0.1μm以上、5μm以下である。
なお、「ナノコラム31の径」は、ナノコラム31の平面形状が円の場合には、円の直径であり、ナノコラム31の平面形状が円ではない場合には、最小包含円の直径である。例えばナノコラム31の平面形状が多角形の場合、ナノコラム31の径は、多角形を内部に含む最小の円の直径であり、ナノコラム31の平面形状が楕円の場合、ナノコラム31の径は、楕円を内部に含む最小の円の直径である。
「ナノコラム31の中心」は、ナノコラム31の平面形状が円の場合には、円の中心であり、ナノコラム31の平面形状が円ではない形状の場合には、最小包含円の中心である。例えばナノコラム31の平面形状が多角形の場合には、ナノコラム31の中心は、多角形を内部に含む最小の円の中心であり、ナノコラム31の平面形状が楕円の場合には、ナノコラム31の中心は、楕円を内部に含む最小の円の中心である。
複数のナノコラム31は、平面視において、所定の方向に所定のピッチで配列されている。ナノコラム31は、フォトニック結晶の効果を発現でき、発光層33が発する光を、基体10の面内方向に閉じ込め、積層方向に射出させる。「基体10の面内方向」とは、積層方向と直交する面に沿う方向である。
図3に示すように、ナノコラム31は、第1半導体層32と、発光層33と、第2半導体層34と、を有している。ナノコラム31を構成する各層は後述のようにエピタキシャル成長によって形成される。
第1半導体層32は、半導体層20上に設けられている。第1半導体層32は、基体10と発光層33との間に設けられている。第1半導体層32は、例えばSiがドープされたn型のGaN層で構成されている。本実施形態において、第1半導体層32は、半導体層20と同じ材料で構成されている。
発光層33は、第1半導体層32上に設けられている。発光層33は、第1半導体層32と第2半導体層34との間に設けられている。発光層33は、例えばGaN層とInGaN層とから構成された量子井戸構造を有している。発光層33は、第1半導体層32および第2半導体層34を介して電流が注入されることによって光を発する。なお、発光層33を構成するGaN層およびInGaN層の数は、特に限定されない。
本実施形態の場合、発光層33は、例えば、430nm~470nmの青色波長帯の青色光を射出する。
本実施形態の場合、発光層33は、例えば、430nm~470nmの青色波長帯の青色光を射出する。
第2半導体層34は、発光層33上に設けられている。第2半導体層34は、第1半導体層32とは導電型が異なる層である。第2半導体層34は、例えばMgがドープされたp型のGaN層で構成されている。第1半導体層32および第2半導体層34は、発光層33内に光を閉じ込める機能を有するクラッド層として機能する。
光伝搬層36は、平面視において、ナノコラム31を囲んで設けられている。光伝搬層36の屈折率は、発光層33の屈折率よりも低い。光伝搬層36は、例えば、GaN層、酸化チタン(TiO2)層である。光伝搬層36であるGaN層は、i型でもよいし、n型でもよいし、p型でもよい。光伝搬層36は、発光層33において生じた光を、平面方向に伝搬させることができる。
発光部30においては、p型の第2半導体層34、不純物がドーピングされていない発光層33、およびn型の第1半導体層32の積層体により、pinダイオードが構成される。第1半導体層32および第2半導体層34のバンドギャップは、発光層33のバンドギャップよりも大きい。発光部30において、第1電極60と第2電極70との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加して電流を注入すると、発光層33において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。
発光層33において発生した光は、第1半導体層32および第2半導体層34により基体10の面内方向に光伝搬層36を通って伝搬する。このとき、光は、ナノコラム31によるフォトニック結晶の効果により定在波を形成し、基体10の面内方向に閉じ込められる。閉じ込められた光は、発光層33において利得を受けてレーザー発振する。
すなわち、発光層33において発生した光は、ナノコラム31により基体10の面内方向に共振し、レーザー発振する。具体的には、発光層33において発生した光は、複数のナノコラム31で構成された共振部において基体10の面内方向に共振し、レーザー発振する。その後、共振により生じる+1次回折光および-1次回折光は、レーザー光として積層方向(Z軸方向)に進行する。
発光装置1Bでは、平面方向に伝搬している光の強度が、Z軸方向において、発光層33で最も大きくなるように、第1半導体層32、第2半導体層34および発光層33の屈折率および厚さが設計されている。
本実施形態において、積層方向に進行したレーザー光のうち、基体10側に向かって進んだレーザー光は、反射層12によって反射され、第2電極70側に向かって進む。これにより、発光部30は、第2電極70側から光を射出することができる。
図3に示すように、半導体層20上には、マスク層35が設けられている。マスク層35は、光伝搬層36と半導体層20との間に設けられている。マスク層35は、発光部30の製造工程において、ナノコラム31を構成する膜を成長させるためのマスクとして機能する。マスク層35は、例えば酸化シリコン層、窒化シリコン層などで構成されている。すなわち、ナノコラム31はマスク層35の開口35aに対応する位置に設けられている。
絶縁層40は、半導体層20上に設けられている。絶縁層40は、発光部30を覆って設けられている。絶縁層40は、例えば、酸化シリコン層である。絶縁層40は発光部30を衝撃などから保護する機能も有している。絶縁層40には、発光部30の上側を露出させるコンタクトホール41が設けられている。
第1電極60は、発光部30の側方において、半導体層20上に設けられている。第1電極60は発光部30に対応して設けられ、発光部30と電気的に接続される。第1電極60は、例えば、発光部30に対応して設けられるトランジスターTRの一部、例えばゲート電極を構成し、ナノコラム31に注入される電流量を制御可能である。
第1電極60は、半導体層20とオーミックコンタクトしていてもよい。図3の例では、第1電極60は、半導体層20を介して、第1半導体層32と電気的に接続されている。第1電極60は、発光層33に電流を注入するための一方側の電極である。第1電極60としては、Ni、Ti、Cr、PtあるいはAuなどの金属層、あるいはこれらを積層した積層金属膜などが用いられる。
第2電極70は、発光部30上に設けられている。第2電極70は、発光層33に電流を注入するための他方の電極である。
第2電極70は、発光部30の数に応じて、複数設けられている。第2電極70は、コンタクト層71と、透明導電層72と、を含む。コンタクト層71は、ナノコラム31および光伝搬層36の一部に接触するように設けられている。コンタクト層71は絶縁層40に設けられたコンタクトホール41内に露出している。
第2電極70は、発光部30の数に応じて、複数設けられている。第2電極70は、コンタクト層71と、透明導電層72と、を含む。コンタクト層71は、ナノコラム31および光伝搬層36の一部に接触するように設けられている。コンタクト層71は絶縁層40に設けられたコンタクトホール41内に露出している。
コンタクト層71としては、Ni、Ti、Cr、PtあるいはAuなどの金属層、あるいはこれらを積層した積層金属膜などが用いられる。コンタクト層71は、第2電極70と発光部30との導通性を向上させるための層である。なお、コンタクト層71は数10nm程度の薄膜であるため、光透過性を有している。
透明導電層72は、絶縁層40のコンタクトホール41内に設けられたコンタクト層71に接続される。透明導電層72は、コンタクトホール41を経由して絶縁層40の上面40aに引き回されている。
透明導電層72は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)層やIZO(Indium Zinc Oxide)層である。発光層33において生じた光は、コンタクト層71および透明導電層72を透過して射出される。
透明導電層72は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)層やIZO(Indium Zinc Oxide)層である。発光層33において生じた光は、コンタクト層71および透明導電層72を透過して射出される。
配線80は、透明導電層72に積層されている。配線80は、第2電極70を介して発光部30におけるナノコラム31の第2半導体層34と電気的に接続されている。配線80としては、例えば、Ni、Ti、Cr、PtあるいはAuなどの金属層、あるいはこれらを積層した積層金属膜などが用いられる。
配線80は、基体10上における不図示の領域に設けられた駆動回路に、例えばワイヤーを介して接続されている。上述の第1電極60は基体10上における不図示の領域に設けられた駆動回路に、例えばワイヤーを介して接続されている。このような構成に基づき、発光装置1Bは、駆動回路を駆動させることで第1電極60および第2電極70を介して発光層33に電流を注入することができる。
本実施形態の発光装置1Bでは、同一基板上に(1つの基体10上に)トランジスターTR(第1電極60)および発光部30を形成することができる。これにより、発光装置1Bでは、トランジスターTRおよび発光部30を別々の基板に設ける場合に比べて、小型化を図ることができる。
本実施形態の発光部30は、発光領域R1と非発光領域R2とを有している。発光領域R1は、第2電極70側に青色光LBを射出する領域である。非発光領域R2は、第2電極70側に青色光LBを射出しない領域である。
上述したように第2電極70を構成するコンタクト層71は、ナノコラム31および光伝搬層36の一部に接触している。そのため、発光部30において、ナノコラム31および光伝搬層36のうちコンタクト層71と接触している部分には電流が注入され、接触していない部分には電流が注入されない。
発光部30の発光領域R1とは、発光部30において第1電極60と第2電極70との間に電流が注入された際、実際に青色光LBを発光する領域に相当する。第2電極70は、コンタクト層71を介して発光部30の上側に電気的に接続されている。つまり、発光部30において、コンタクト層71が設けられることで第2電極70と電気的に接続される部分が発光領域R1として機能する。
一方、発光部30の非発光領域R2とは、第1電極60と第2電極70との間に電流が注入された場合においても青色光LBを発光しない領域に相当する。つまり、発光部30において、コンタクト層71が設けられておらず第2電極70と電気的に接続されない部分が非発光領域R2として機能する。
本実施形態の発光装置1Bの場合、発光部30は発光領域R1の発光層33において発生した光を上側(+Z側)に射出させるようにしている。しかしながら、発光領域R1の発光層33において発生した光の一部がナノコラム31間の伝播する間に取り出し方向と異なる方向に射出されてしまうとで装置内で迷光となってしまう。
発光装置1Bは、発光部30の光射出側(上側)に設けられた光吸収層50を備えている。光吸収層50は、発光部30を覆う絶縁層40上に設けられている。
本実施形態の発光装置1Bにおいて、光吸収層50は、基体10の法線に沿う方向である上側(+Z側)から視て(以下、単に平面視と称す)、発光部30の非発光領域R2と重なるように設けられている。光吸収層50は、発光部30の非発光領域R2のみならず、絶縁層40の上面40a全体を覆うように設けられている。
すなわち、光吸収層50は発光領域R1に設けられないため、発光領域R1から射出される光を吸収しない。そのため、光吸収層50は、発光領域R1からの発光を阻害することがない。光吸収層50は、発光部30から取り出し方向と異なる方向に射出された迷光の一部を吸収することで迷光による不具合の発生を低減させる。
具体的に本実施形態の光吸収層50は、例えば、DBR(distribution Bragg reflector)層で構成されている。光吸収層50は、発光層33から発光される430nm~470nmの青色波長帯を有する青色光(所定波長帯を有する光)を反射し、青色波長帯と異なる波長帯を有する光を吸収する波長選択性を有する。
ここで、発光部30を構成するナノコラム31は後述のようにエピタキシャル成長によって形成される。通常、ナノコラム31に含まれる発光層33は青色波長帯の青色光LBを射出するが、結晶成長時の個体差によって一部の発光層33は青色波長帯と異なる波長帯の光を射出する場合もあり得る。そのため、迷光は青色光LBと異なる波長帯の光も含んでいる。
本実施形態の光吸収層50は、発光層33から発光される主波長帯である青色光LBを反射させ、それ以外の波長帯の光を吸収する。本実施形態の場合、発光層33から発光された光のうち青色光LBは光吸収層50で反射され、発光層33から発光された光のうち青色波長帯以外の光は光吸収層50で吸収される。
光吸収層50によって反射されることで絶縁層40内に戻された青色光LBは発光部30に戻され、やがて、発光領域R1から発光される。すなわち、本実施形態の光吸収層50によれば、発光層33から発光される主波長帯の青色光LBを反射して発光領域R1から射出させることができる。これにより、発光部30から射出された青色光LBを効率良く発光領域R1から射出させることができる。
また、本実施形態の発光装置1Bにおいて、発光領域R1の外縁部R1aには、コンタクト層71上に透明導電層72が形成されていない。上述のようにコンタクト層71は透明導電層72と電気的に接続される。
そのため、コンタクト層71が設けられた部分の全域において発光部30は発光するものの、コンタクト層71のみが形成された部分はコンタクト層71および透明導電層72が積層された部分に比べて注入される電流が小さく、発光領域R1の外縁部の輝度は相対的に低くなる。本実施形態の場合、光吸収層50は、平面視した状態で発光領域R1の外縁部R1aと重なるように設けられている。
そのため、コンタクト層71が設けられた部分の全域において発光部30は発光するものの、コンタクト層71のみが形成された部分はコンタクト層71および透明導電層72が積層された部分に比べて注入される電流が小さく、発光領域R1の外縁部の輝度は相対的に低くなる。本実施形態の場合、光吸収層50は、平面視した状態で発光領域R1の外縁部R1aと重なるように設けられている。
本実施形態の発光装置1Bでは、基体10上に発光部30および発光部30の駆動を制御するトランジスターTRが形成されている。ここで、トランジスターTRのゲート電極として機能する第1電極60に発光部30で発生した迷光が入射すると、トランジスターTRが誤作動するおそれがある。
これに対して本実施形態の発光装置1Bでは、光吸収層50によって迷光を吸収するため、絶縁層40内を伝搬して第1電極60に到達する迷光を低減させることができる。したがって、本実施形態の発光装置1Bによれば、発光部30で発生した迷光によるトランジスターTRの誤作動を低減することができる。
続いて、本実施形態の発光装置1Bの製造方法を説明する。
図4A~図4Cは発光装置1Bの製造工程の要部を示す図である。
まず、図4Aに示すように、基体10上に発光部30を形成する工程を行う。
発光部30の形成工程では、はじめに、半導体層20をエピタキシャル成長させた後、半導体層20上の所定領域に開口35aを形成したマスク層35を形成する。
図4A~図4Cは発光装置1Bの製造工程の要部を示す図である。
まず、図4Aに示すように、基体10上に発光部30を形成する工程を行う。
発光部30の形成工程では、はじめに、半導体層20をエピタキシャル成長させた後、半導体層20上の所定領域に開口35aを形成したマスク層35を形成する。
エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などが挙げられる。マスク層35は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法やスパッタ法による成膜、およびフォトリソグラフィーおよびエッチングによるパターニング(以下、単に「パターニング」ともいう)によって形成される。
続いて、マスク層35をマスクとして、例えば、MOCVD法やMBE法などにより、半導体層20上に設けられたマスク層35の開口35a内に、第1半導体層32、発光層33、第2半導体層34をこの順でエピタキシャル成長させる。このようにしてマスク層35の開口35aに対応する位置にナノコラム31を形成することができる。
続いて、ナノコラム31の周囲、すなわちマスク層35上に光伝搬層36を形成する。光伝搬層36は、例えば、MOCVD法やMBE法などによるELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)法によって形成される。
なお、ナノコラム31および光伝搬層36は半導体層20上の全面に亘って形成した後、発光部30の形成領域以外に形成されたナノコラム31および光伝搬層36をエッチングによって除去し、発光部30の形成領域のみにナノコラム31および光伝搬層36を選択的に形成する。あるいは、発光部30の非形成領域にマスクを形成することで、発光部30の形成領域のみにナノコラム31および光伝搬層36を選択的に形成するようにしてもよい。以上の工程により発光部30を形成することができる。
発光部30を形成した後、発光部30上に第2電極70の一部であるコンタクト層71を形成する。コンタクト層71は、例えば、スパッタ法や真空蒸着法による成膜、およびパターニングによって形成される。
続いて、図4Bに示すように、発光部30を覆うように基体10の全面に絶縁層40および光吸収層50を形成した後、所定の形状にパターニングする。絶縁層40は、例えば、例えば、スピンコートによる成膜、およびパターニングによって形成される。光吸収層50は、例えば、スパッタ法や真空蒸着法による成膜、およびパターニングによって形成される。具体的に、パターニングによって発光部30上に形成せたコンタクト層71を露出させるコンタクトホール41を形成する。
続いて、図4Cに示すように、コンタクトホール41内に露出するコンタクト層71に接続される透明導電層72を成膜することで第2電極70を形成する。透明導電層72は、例えば、スパッタ法や真空蒸着法による成膜およびパターニングによって形成される。これにより、発光部30に電気的に接続された第2電極70が形成される。
続いて、発光部30の側方における半導体層20上に第1電極60を形成する。第1電極60は、例えば、スパッタ法や真空蒸着法による成膜、およびパターニングによって形成される。なお、第2電極70を形成する工程と第1電極60を形成する工程との順番は、特に限定されない。
最後に、例えば、接合部材(図示せず)を用いて基板11上に駆動回路を搭載し、駆動回路と各発光部30の第1電極60および第2電極70とをワイヤー等によって電気的に接続する。そして、基体10の下面10bにヒートシンク90を取り付けることで、本実施形態の発光装置1Bが製造される。
(第1実施形態の効果)
以上のように本実施形態の発光装置1Bは、基体10と、基体10に設けられ、発光層33を含む複数のナノコラム31を有する発光部30と、発光部30の光射出側に設けられる光吸収層50と、を備え、発光部30は発光領域R1と非発光領域R2とを有し、基体10の法線に沿う方向から視て、光吸収層50は非発光領域R2と重なるように設けられている。
以上のように本実施形態の発光装置1Bは、基体10と、基体10に設けられ、発光層33を含む複数のナノコラム31を有する発光部30と、発光部30の光射出側に設けられる光吸収層50と、を備え、発光部30は発光領域R1と非発光領域R2とを有し、基体10の法線に沿う方向から視て、光吸収層50は非発光領域R2と重なるように設けられている。
本実施形態の発光装置1Bによれば、非発光領域R2と重なるように設けられた光吸収層50によって迷光の一部を吸収することで迷光による不具合の発生を低減させることができる。
本実施形態の発光装置1Bにおいて、基体10の法線に沿う方向から視て、光吸収層50は、発光領域R1の外縁部と重なるように設けられている構成としてもよい。
これにより、相対的に輝度が低くなる発光領域R1の外縁部R1aからの発光を抑えることで発光装置1Bの各発光部30の輝度ムラを低減することができる。よって、本実施形態の発光装置1Bは、より高精細な映像を形成することができる。
これにより、相対的に輝度が低くなる発光領域R1の外縁部R1aからの発光を抑えることで発光装置1Bの各発光部30の輝度ムラを低減することができる。よって、本実施形態の発光装置1Bは、より高精細な映像を形成することができる。
本実施形態の発光装置1Bにおいて、光吸収層50は、発光層33から発光される青色波長帯を有する青色光を反射し、青色波長帯と異なる波長帯を有する光を吸収する構成としてもよい。
これにより、発光層33から迷光として射出された青色光を反射して発光領域R1から射出させることができる。よって、発光部30の光利用効率を向上させることができる。
これにより、発光層33から迷光として射出された青色光を反射して発光領域R1から射出させることができる。よって、発光部30の光利用効率を向上させることができる。
本実施形態の発光装置1Bにおいて、発光部30は絶縁層40で覆われており、光吸収層50は、絶縁層40に積層されている構成としてもよい。
これにより、発光部30を覆う絶縁層40内に入り込んだ迷光を光吸収層50によって吸収することができる。
これにより、発光部30を覆う絶縁層40内に入り込んだ迷光を光吸収層50によって吸収することができる。
なお、上記説明では、発光装置1Bを例に挙げたが、発光装置1Bと同様の構成を有する発光装置1R,1Gについても同様の効果を奏することができる。すなわち、本実施形態の発光装置1R,1Gにおいても光吸収層50によって迷光の一部を吸収することで迷光による不具合の発生を低減させることができる。
本実施形態のプロジェクター100は、発光装置1R,1G,1Bを備える。
本実施形態のプロジェクター100によれば、上記の効果を奏する発光装置1R,1G,1Bを備えているため、迷光による不具合を低減することで、信頼性に優れ、明るい映像を表示することができる。
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態の発光装置について説明する。なお、第1実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
図5は、本実施形態の発光装置101の要部構成を示す断面図である。
図5に示すように、本実施形態の発光装置101において、光吸収層50は、絶縁層40の上面40aとともに側面40bを覆っている。
続いて、第2実施形態の発光装置について説明する。なお、第1実施形態と共通の構成については同じ符号を付し、詳細については説明を省略する。
図5は、本実施形態の発光装置101の要部構成を示す断面図である。
図5に示すように、本実施形態の発光装置101において、光吸収層50は、絶縁層40の上面40aとともに側面40bを覆っている。
本実施形態の発光装置101によれば、発光部30を覆う絶縁層40の上面40aおよび側面40bが光吸収層50で覆われるため、絶縁層40の外部への迷光の漏れ出しを抑制することができる。これにより、本実施形態の発光装置101によれば、発光部30で発生した迷光が仮に絶縁層40の側面40bまで到達した場合であっても光吸収層50によって吸収または反射することができる。
よって、本実施形態の発光装置101によれば、第1電極60への迷光の入射を抑制することで、迷光によるトランジスターTRの誤作動をより確実に低減することができる。
よって、本実施形態の発光装置101によれば、第1電極60への迷光の入射を抑制することで、迷光によるトランジスターTRの誤作動をより確実に低減することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、赤色光LRを射出する発光部と、緑色光LGを射出する発光部と、青色光LBを射出する発光部と、が同一の基体10に設けられた発光装置を用いる場合は、発光装置から射出された光は、クロスダイクロイックプリズムに入射せず、直接、投射光学装置4に入射する。この場合、1つの発光装置で、フルカラーの像表示が可能となり、装置構成の小型化を図ることができる。
また、上記実施形態において、光吸収層50は非発光領域R2の全域と重なるように設けられていたが、例えば、漏れ光が発生し易い特性部分である非発光領域R2の一部に光吸収層50を設けてもよい。すなわち、光吸収層50は非発光領域R2の少なくとも一部に設けられてもよい。
また、上記実施形態では、光吸収層50として、発光層33から発光される青色波長帯を反射し、青色波長帯と異なる波長帯の光を吸収する波長選択性を有するDBR層を用いる場合を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、光吸収層として、全波長帯の光を吸収する黒色層を用いてもよい。
また、上記実施形態では、InGaN系材料からなる発光層について説明したが、発光層として、射出される光の波長に応じて、種々の半導体材料を用いることができる。例えばAlGaN系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、InP系、GaP系、AlGaP系などの半導体材料を用いることができる。また、射出される光の波長に応じて、フォトニック結晶構造体の径または配列のピッチを適宜変更してもよい。
また、上記実施形態では、フォトニック結晶構造体は、基板上に突出した柱状構造体で構成されていたが、フォトニック結晶効果を発現させるために一定のピッチで設けられた複数の孔部を有していてもよい。すなわち、発光領域は、柱状の構造体、孔部にかかわらず、周期構造を有するフォトニック結晶構造体を含んでいればよい。
その他、発光装置、およびプロジェクターの各構成要素の形状、数、配置、材料等の具体的な記載については、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。上記実施形態では、本発明による発光装置を、透過型の液晶表示素子を光変調装置として用いたプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明による発光装置を、光変調装置として反射型の液晶表示素子、またはデジタルマイクロミラーデバイスを用いたプロジェクターに搭載してもよい。
上記実施形態では、本発明による発光装置をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。例えば、本発明による発光装置を、マイクロ-LEDディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ或いはスマートウォッチの表示装置に適用することができる。また、本発明による発光装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
本発明の態様の発光装置は、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一つの態様の発光装置は、基体と、基体に設けられ、発光層を含む複数の柱状部を有する発光部と、発光部の光射出側に設けられる光吸収層と、を備え、発光部は発光領域と非発光領域とを有し、基体の法線に沿う方向から視て、光吸収層は非発光領域と重なるように設けられている。
本発明の一つの態様の発光装置は、基体と、基体に設けられ、発光層を含む複数の柱状部を有する発光部と、発光部の光射出側に設けられる光吸収層と、を備え、発光部は発光領域と非発光領域とを有し、基体の法線に沿う方向から視て、光吸収層は非発光領域と重なるように設けられている。
本発明の一つの態様の発光装置において、基体の法線に沿う方向から視て、光吸収層は、発光領域の外縁部と重なるように設けられている構成としてもよい。
本発明の一つの態様の発光装置において、光吸収層は、発光層から発光される所定波長帯を有する光を反射し、所定波長帯と異なる波長帯を有する光を吸収する構成としてもよい。
本発明の一つの態様の発光装置において、発光部は絶縁層で覆われており、光吸収層は、絶縁層に積層されている構成としてもよい。
本発明の一つの態様の発光装置において、光吸収層は、絶縁層の側面を覆っている構成としてもよい。
本発明の一つの態様の発光装置において、基体上に設けられ、発光部に対応して設けられるトランジスターをさらに備える構成としてもよい。
本発明の一つの態様のプロジェクターは、以下の構成を有していてもよい。
本発明の一つの態様のプロジェクターは、本発明の上記態様の発光装置を備える。
本発明の一つの態様のプロジェクターは、本発明の上記態様の発光装置を備える。
1R,1G,1B…発光装置、10…基体、30…発光部、31…ナノコラム(柱状部)、33…発光層、40…絶縁層、40b…側面、50…光吸収層、100…プロジェクター、R1…発光領域、R2…非発光領域、R1a…外縁部、TR…トランジスター。
Claims (7)
- 基体と、
前記基体に設けられ、発光層を含む複数の柱状部を有する発光部と、
前記発光部の光射出側に設けられる光吸収層と、を備え、
前記発光部は発光領域と非発光領域とを有し、
前記基体の法線に沿う方向から視て、前記光吸収層は前記非発光領域と重なるように設けられている
発光装置。 - 前記基体の法線に沿う方向から視て、前記光吸収層は、前記発光領域の外縁部と重なるように設けられている
請求項1に記載の発光装置。 - 前記光吸収層は、前記発光層から発光される所定波長帯を有する光を反射し、前記所定波長帯と異なる波長帯を有する光を吸収する
請求項1または請求項2に記載の発光装置。 - 前記発光部は絶縁層で覆われており、
前記光吸収層は、前記絶縁層に積層されている
請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の発光装置。 - 前記光吸収層は、前記絶縁層の側面を覆っている
請求項4に記載の発光装置。 - 前記基体上に設けられ、前記発光部に対応して設けられるトランジスターをさらに備える
請求項5に記載の発光装置。 - 請求項1から請求項6までのうちのいずれか一項に記載の発光装置を備える
プロジェクター。
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- 2020-11-30 JP JP2020198133A patent/JP2022086228A/ja active Pending
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