JP2022081252A - 薄型フィルム、転写シート、薄型フィルム収容体、および、薄型フィルムの製造方法 - Google Patents

薄型フィルム、転写シート、薄型フィルム収容体、および、薄型フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄型フィルムの品質の低下を抑えつつ、薄型フィルムの柔軟性を高めることの可能な薄型フィルム、転写シート、薄型フィルム収容体、および、薄型フィルムの製造方法を提供する。【解決手段】薄型フィルム10は、0.1g/m2以上5.0g/m2以下の単位面積当たり質量を有する。薄型フィルム10は、高分子材料と、揮発性を有する柔軟性付与剤と、を含み、薄型フィルム10の総質量に対する前記柔軟性付与剤の質量割合が、2.5%以上である。【選択図】図1

Description

本発明は、薄型フィルム、転写シート、薄型フィルム収容体、および、薄型フィルムの製造方法に関する。
数μm以下の厚さを有する薄型フィルムは、生体の皮膚等の被着体の表面形状に対する高い追従性を有するため、接着剤や粘着剤を用いずとも被着体に密着する。それゆえ、こうした薄型フィルムの種々の用途が提案されている。例えば、特許文献1には、薄型フィルムを、スキンケアやメイクアップ等の美容用途に用いることが記載されている。また、非特許文献1には、薄型フィルムを、創傷の治癒等の医療用途に用いることが記載されている。
特開2017-19116号公報
T.Fujie et al.,Adv.Funct.Mater.,2009年,19巻,2560-2568頁
従来から、粘着層が積層された厚型フィルムを対象として、フィルムの伸び等の柔軟性を高めるための試みが種々行われてきた。一方で、上述の薄型フィルムは、膜厚が薄いが故に被着体の表面形状に沿う程度の柔軟性を自ずと有していることから、その柔軟性をさらに高めることについては着目されてこなかった。薄型フィルムの柔軟性が高められれば、皮膚の表面の凹凸であるキメ等、被着体の表面のより細かな形状に薄型フィルムが追従しやすくなるため、被着体に対するフィルムの密着性がより高められ、また、皮膚の表面のシワを伸ばすように、被着体を伸ばしながらフィルムを貼り付けることも容易となる。
薄型フィルムの柔軟性を高めるための手段の1つは、可塑剤等の添加剤を薄型フィルムの材料に加えることである。しかしながら、極めて薄い膜である薄型フィルムが、主成分の高分子材料以外の成分を含有することは、薄型フィルムにおける膜形状の経時劣化を引き起こすなど、薄型フィルムの品質を低下させる場合がある。
したがって、薄型フィルムの品質の低下を抑えつつ、薄型フィルムの柔軟性を高めることが望まれている。
上記課題を解決するための薄型フィルムは、0.1g/m以上5.0g/m以下の単位面積当たり質量を有する薄型フィルムであって、高分子材料と、揮発性を有する柔軟性付与剤と、を含み、前記薄型フィルムの総質量に対する前記柔軟性付与剤の質量割合が、2.5%以上である。
上記構成によれば、柔軟性付与剤の作用によって薄型フィルムの使用初期における柔軟性が高められるため、被着体の表面のより細かな形状に薄型フィルムが追従しやすくなる。したがって、被着体に対する薄型フィルムの密着性が高められる。一方で、柔軟性付与剤が揮発性を有しているため、時間の経過とともに柔軟性付与剤が薄型フィルムから離脱する。その結果、薄型フィルムの使用開始後に長期にわたって薄型フィルムに柔軟性付与剤が保持され続けることが避けられるため、柔軟性付与剤の作用による薄型フィルムの品質の低下が抑えられる。
また、柔軟性付与剤の離脱の結果、薄型フィルムの柔軟性は低下する。そのため、被着体を伸ばして薄型フィルムを貼り付けた後に、被着体が伸びた状態を保つことができる。さらに、使用後の薄型フィルムを被着体から剥がすことが容易になる。
上記構成において、前記柔軟性付与剤は、香料成分、および、抗菌成分の少なくとも一方を含んでもよい。
上記構成によれば、柔軟性の向上効果に加えて、薄型フィルムにおいて芳香作用や抗菌作用が得られる。
上記構成において、温度40℃相対湿度60%の環境に使用前の前記薄型フィルムを配置して24時間経過させたとき、前記薄型フィルムにおける破断強度[mN]の増加率が、3%以上90%以下であってもよい。
上記構成によれば、時間の経過とともに薄型フィルムの柔軟性が低下することによる効果が好適に得られる。特に、被着体からの薄型フィルムの剥離が容易になる。
上記構成において、温度40℃相対湿度60%の環境に使用前の前記薄型フィルムを配置して24時間経過させたとき、前記薄型フィルムにおける伸び[mm]の低下率が、1%以上90%以下であってもよい。
上記構成によれば、時間の経過とともに薄型フィルムの柔軟性が低下することによる効果が好適に得られる。特に、被着体の伸びた状態が好適に保たれる。
上記構成において、温度40℃相対湿度60%の環境に使用前の前記薄型フィルムを配置して24時間経過させたとき、前記薄型フィルムにおける軟らかさ[μm/mN]の低下率が、10%以上90%以下であってもよい。
上記構成によれば、時間の経過とともに薄型フィルムの柔軟性が低下することによる効果が好適に得られる。すなわち、被着体の伸びた状態が好適に保たれ、また、被着体からの薄型フィルムの剥離が容易になる。
上記構成において、前記薄型フィルムの総質量に対する前記柔軟性付与剤の質量割合が、40%以下であってもよい。
上記構成によれば、薄型フィルムの使用初期における柔軟性が高くなりすぎないため、薄型フィルムを被着体に貼り付ける際の薄型フィルムの取り扱いが容易になる。
上記構成において、前記薄型フィルムが配置された箇所での、ヒトの体温と等しい温度を有する水の蒸散量を、前記薄型フィルムが配置されていない場合の蒸散量に対して抑える割合である閉塞率が、5%以上70%以下であってもよい。
上記構成によれば、時間の経過とともに薄型フィルムからの柔軟性付与剤の離脱が的確に進む。したがって、使用初期に薄型フィルムの柔軟性が高められていることによる効果、および、時間の経過とともに柔軟性が低下することによる効果が好適に得られる。また、被着体が生体である場合に、薄型フィルムの貼り付けによって被着体表面の保湿が可能である。
上記構成において、前記高分子材料は、生体適合性材料を含んでもよい。
上記構成によれば、薄型フィルムにおける生体への貼り付けに対する適性が高められる。
上記課題を解決するための転写シートは、上記薄型フィルムと、前記薄型フィルムを支持する支持基材と、を備える。
上記構成によれば、薄型フィルムが支持基材に支持されていることにより、薄型フィルムの変形が抑えられるとともに、薄型フィルムが取り扱いやすくなる。
上記課題を解決するための薄型フィルム収容体は、上記薄型フィルムと、前記薄型フィルムを収容する包装体と、を備える。
上記構成によれば、薄型フィルムの使用前に柔軟性付与剤の外部への放散が進むことが抑えられる。
上記課題を解決するための薄型フィルムの製造方法は、高分子材料と、揮発性を有する柔軟性付与剤とを含む薄型フィルムの材料を、当該材料中における前記柔軟性付与剤の質量割合が2.5%以上となるように溶媒に混合して、塗液を生成することと、前記塗液を基材上に塗布して塗膜を形成し、前記塗膜を室温環境で乾燥させることと、を含む。
上記製法によれば、薄膜である薄型フィルムの製造が好適に可能であり、使用初期における柔軟性が高められた薄型フィルムが製造できる。
本発明によれば、薄型フィルムの品質の低下を抑えつつ、薄型フィルムの柔軟性を高めることができる。
一実施形態の薄型フィルムの断面構造を示す図。 一実施形態の転写シートの断面構造を示す図。 一実施形態の薄型フィルム収容体の斜視構造を示す図。 実施例における疑似使用試験前の薄型フィルムの破断強度を示す図。 実施例における疑似使用試験前の薄型フィルムの伸びを示す図。 実施例における疑似使用試験前の薄型フィルムの軟らかさを示す図。 実施例における疑似使用試験後の薄型フィルムの破断強度を示す図。 実施例における疑似使用試験後の薄型フィルムの伸びを示す図。 実施例における疑似使用試験後の薄型フィルムの軟らかさを示す図。
図面を参照して、薄型フィルム、転写シート、薄型フィルム収容体、および、薄型フィルムの製造方法の一実施形態を説明する。本実施形態の薄型フィルムが貼り付けられる対象である被着体は、特に限定されず、保湿作用や抗菌作用といった薄型フィルムが有する機能に応じて、当該作用が求められる被着体に薄型フィルムが貼り付けられればよい。例えば、被着体は、皮膚や臓器等の生体、死体やはく製や革製品等の過去に生体であった物体、衣類を含む布類、美術品、家電フィルター等である。特に、本実施形態の薄型フィルムは、生体の皮膚を被着体とする場合に好適に用いられる。
[薄型フィルムの構成]
図1が示すように、薄型フィルム10は、第1面11Fと、第1面11Fとは反対側の面である第2面11Rとを有している。薄型フィルム10が被着体に貼り付けられたとき、第1面11Fは被着体に接し、第2面11Rは、被着体とは反対側に位置する最外面となる。
薄型フィルム10は、当該フィルム単独で被着体に対する接着性を発現する程度に薄く、言い換えれば、上記接着性を発現する程度に、単位面積当たりの質量が小さい。具体的には、薄型フィルム10の単位面積当たり質量は、5.0g/m以下である。単位面積当たり質量が5.0g/m以下であれば、被着体の表面形状に対する薄型フィルム10の追従性が良好に得られるため、薄型フィルム10と被着体との密着性が高められる。また、薄型フィルム10と被着体との密着性が高められる結果、特に被着体が皮膚のように曲面を有していたり弾性を有していたりする場合であっても、薄型フィルム10の貼り付けの失敗が生じにくい。
また、薄型フィルム10の単位面積当たり質量は、0.1g/m以上である。単位面積当たり質量が0.1g/m以上であれば、薄型フィルム10の強度が良好に得られるため、薄型フィルム10に破れ等の欠陥が発生しにくくなる。また、単位面積当たり質量が0.1g/m以上であれば、連続した膜状に薄型フィルム10を形成することが容易である。
なお、上記単位面積当たり質量は、平面視にて1mの面積を有する部分あたりに換算した薄型フィルム10の質量である。単位面積当たり質量は、例えば、複数の測定領域で測定された質量の平均値から換算すること、あるいは、薄型フィルム10の膜厚の平均値に薄型フィルム10の密度を掛けることによって求められる。薄型フィルム10の密度は、例えば、1g/cm以上3g/cm以下である。また、薄型フィルム10の膜厚の平均値は、例えば、10nm以上5000nm以下であることが好ましく、100nm以上1000nm以下であることがより好ましい。
薄型フィルム10は、高分子材料と、揮発性を有する柔軟性付与剤とを含む。
薄型フィルム10が含む高分子材料は、上述した範囲の単位面積当たり質量に薄型フィルム10を形成可能な材料であればよい。被着体が皮膚である場合には、高分子材料は、毒性、皮膚刺激性、および、皮膚感作性の低い生体適合性材料であることが好ましい。
生体適合性を有する高分子材料としては、公知の材料が用いられる。高分子材料は、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリシロキサン類、セルロースやキチンやキトサン等の多糖類、カゼイン等の各種のタンパク質、ゴム、これらの高分子化合物の誘導体、変性体、共重合体、混合物である。
薄型フィルム10を構成する高分子材料は、柔軟性付与剤との親和性、柔軟性付与剤の保持能力、後述の閉塞率の向上機能等を考慮して選択されればよい。薄型フィルム10には、上述した高分子材料のうちの1種類のみが含まれてもよいし、複数種類が含まれてもよい。また、薄型フィルム10が含む高分子材料における分子量の制限は特になく、薄型フィルム10が含む高分子材料は、所定の平均分子量を有する1種類の材料であってもよいし、互いに異なる平均分子量を有する複数種類の材料を含んでもよい。
柔軟性付与剤は、薄型フィルム10が柔軟性付与剤を含んでいない場合と比較して、薄型フィルム10の柔軟性を高める機能を有する。こうした機能を有する柔軟性付与剤は、極性部分と非極性部分とを有する分子からなる化合物である。極性部分は、例えば、アルデヒド基等の極性基を含み、非極性部分は、例えば、ベンゼン環や炭素鎖等の極性の低い構造を含む。極性部分と非極性部分との作用により、柔軟性付与剤は、高分子材料における極性を有するポリマー分子間の隙間に入り込み、ポリマー分子同士の接近を妨げる。その結果、薄型フィルム10の柔軟性が高められるため、被着体の表面のより細かな形状に薄型フィルム10が追従しやすくなる。したがって、被着体に対する薄型フィルム10の密着性が高められ、また、被着体が皮膚である場合には、薄型フィルム10が貼り付けられていることに対する使用者の違和感も生じにくくなる。さらに、被着体を伸ばしながら薄型フィルム10を貼り付けることも容易となる。
一方で、柔軟性付与剤は、揮発性を有するため、薄型フィルム10が被着体に貼り付けられた後、時間が経過するにつれて薄型フィルム10から抜け出ていく。これにより、薄型フィルム10の使用開始後に長期にわたって薄型フィルム10に柔軟性付与剤が保持され続けることが避けられるため、孔の形成などによる膜形状の劣化等、柔軟性付与剤の作用による薄型フィルム10の品質の低下が抑えられる。特に、被着体が生体の皮膚である場合、被着体に貼り付けられた薄型フィルム10の周囲は、室温よりも高温かつ水分の多い環境となりやすい。こうした環境では、柔軟性付与剤の作用による膜形状の劣化が促進されやすいため、柔軟性付与剤が揮発性を有していることで、薄型フィルム10の品質の低下を抑える効果が高く得られる。
また、高分子材料への柔軟性付与剤の添加によって、高分子材料の中間点ガラス転移温度は室温程度まで低下するため、ポリマー分子が動きやすくなっており、柔軟性付与剤が薄型フィルム10から離脱した後には、柔軟性付与剤の抜けた隙間を埋めるようにポリマー分子が移動する。その結果、柔軟性付与剤が添加されていないフィルムと同程度にまで、薄型フィルム10の柔軟性が低下する。これにより、貼付時の形状を維持したまま、薄型フィルム10の硬さが増す。したがって、被着体を伸ばして薄型フィルム10を貼り付けた場合、被着体と薄型フィルム10とが伸びた状態で、薄型フィルム10が変形しにくくなる。それゆえ、被着体が伸びた状態を保つことができる。例えば、皮膚の表面のシワを伸ばしつつ皮膚に薄型フィルム10を貼り付けた場合、シワの伸びた状態が維持されやすくなる。
また、薄型フィルム10の硬さが増すことにより、薄型フィルムの10の柔軟性が高いままである場合と比較して、使用後の薄型フィルム10を被着体から剥がす際に薄型フィルム10の伸びや破れといった変形が抑えられるため、薄型フィルム10を容易に剥離することができる。これにより、例えば被着体が使用者の皮膚である場合、使用者は、薄型フィルム10を剥がしたという感覚をはっきりと得ることができるため、薄型フィルム10を用いた美容用途や医療用途におけるケアの完了を実感しやすい。
被着体が生体の皮膚である場合、上述のように、被着体に貼り付けられた薄型フィルム10の周囲は室温よりも高温になるため、薄型フィルム10からの柔軟性付与剤の離脱が進みやすい。したがって、薄型フィルム10の柔軟性が低下することによる上述の効果が好適に得られる。
薄型フィルム10の総質量に対して、薄型フィルム10が含有する柔軟性付与剤の質量割合は、2.5%以上である。薄型フィルム10における柔軟性付与剤の質量割合が2.5%以上であれば、薄型フィルム10の柔軟性を高める効果が好適に得られる。また、柔軟性の持続性も良好に得られる。
薄型フィルム10の総質量に対して、薄型フィルム10が含有する柔軟性付与剤の質量割合は、40%以下であることが好ましい。薄型フィルム10における柔軟性付与剤の質量割合が40%以下であれば、薄型フィルム10が柔らかくなりすぎることが抑えられるため、被着体に薄型フィルム10を貼り付ける際に薄型フィルム10の取り扱いが容易になる。
なお、薄型フィルム10は、柔軟性付与剤が添加されていない場合と比較して柔軟性が高められている期間において、柔軟性付与剤を上記質量割合で含有していればよい。例えば、薄型フィルム10の製造直後には、薄型フィルム10における柔軟性付与剤の質量割合は、上記範囲内、すなわち2.5%以上であり、かつ、好ましくは40%以下である。
薄型フィルム10の膜形状を維持しやすくする観点では、薄型フィルム10の総質量に対して、薄型フィルム10が含有する高分子材料の質量割合は、50%以上であることが好ましい。
薄型フィルム10の柔軟性は、破断強度Sb、伸びEn、軟らかさFeによって評価できる。破断強度Sbは、薄型フィルム10の破断に要する最小の圧縮荷重の大きさである。伸びEnは、圧縮荷重に対して薄型フィルム10が破断までに伸びる長さである。軟らかさFeは、圧縮荷重に対する薄型フィルム10の変形量であり、曲げ弾性率であるヤング率の逆数に近しい指標である。
使用前の薄型フィルム10と比較して、被着体に貼り付けられてから時間が経過した後の薄型フィルム10の破断強度Sbは、大きくなる。使用前の破断強度Sb1に対する時間経過後の破断強度Sb2の増加率(Sb2-Sb1/Sb1×100)、は、3%以上90%以下であることが好ましい。これにより、被着体からの薄型フィルム10の剥離が容易になる効果が好適に得られる。
使用前の薄型フィルム10と比較して、時間経過後の薄型フィルム10の伸びEnは、小さくなる。使用前の伸びEn1に対する時間経過後の伸びEn2の低下率(En1-En2/En1×100)、は、1%以上90%以下であることが好ましい。これにより、被着体が伸びた状態を保つことができる効果が好適に得られる。
使用前の薄型フィルム10と比較して、時間経過後の薄型フィルム10の軟らかさFeは、小さくなる。使用前の軟らかさFe1に対する時間経過後の軟らかさFe2の低下率(Fe1-Fe2/Fe1×100)、は、10%以上90%以下であることが好ましい。これにより、被着体からの薄型フィルム10の剥離が容易になる効果、および、被着体が伸びた状態を保つことができる効果が好適に得られる。
なお、使用前の薄型フィルム10とは、薄型フィルム10を包装する包装体から取り出した直後の薄型フィルム10に相当する。また、時間経過後の薄型フィルム10は、使用前の薄型フィルム10を、温度40℃相対湿度60%の環境に配置して24時間経過させた後の薄型フィルム10に相当する。
本実施形態において、柔軟性付与剤が揮発性を有するとは、例えば、柔軟性付与剤の25℃における蒸気圧が0.01Pa以上であることを意味する。25℃において、柔軟性付与剤は、液体、または、粉状や結晶状の固体である。柔軟性付与剤の揮発性の大きさは、使用前の薄型フィルム10を、温度40℃相対湿度60%の環境に配置して24時間経過させた場合に、薄型フィルム10の破断強度Sb、伸びEn、軟らかさFeの少なくとも1つのパラメータが柔軟性付与剤の添加されていないフィルムと同程度になるまで、薄型フィルム10からの柔軟性付与剤の離脱が進む大きさであればよい。例えば、温度40℃相対湿度60%の環境に配置して24時間経過させた薄型フィルム10と、柔軟性付与剤が未添加であるフィルムとの上記パラメータの差が、柔軟性付与剤が未添加であるフィルムのパラメータの40%以内になればよい。
なお、薄型フィルム10は、単一の膜であってもよいし、複数の膜の積層体であってもよい。薄型フィルム10が複数の膜の積層体である場合、各膜の組成は同一であってもよいし、異なってもよい。さらに、複数の膜の一部が柔軟性付与剤を含んでいてもよいし、複数の膜の各々が柔軟性付与剤を含んでいてもよい。
柔軟性付与剤は、具体的には、抗菌成分、香料成分、可塑剤である。可塑剤は、例えば、化粧料に使用される可塑剤である。柔軟性付与剤は、これらのうちの2以上の性質を兼ね備えていてもよい。例えば、柔軟性付与剤は、抗菌成分かつ香料成分として機能してもよいし、香料成分としても可塑剤としても用いられ得る化合物であってもよい。また、柔軟性付与剤は、複数種類の成分を含んでいてもよい。
柔軟性付与剤が抗菌成分や香料成分を含む場合、少なくとも薄型フィルム10の柔軟性が高められている期間において、こうした成分による作用が得られる。すなわち、柔軟性付与剤が抗菌成分を含む場合、薄型フィルム10が抗菌作用を発揮するため、被着体表面における雑菌の繁殖が抑えられる。また、柔軟性付与剤が香料成分を含む場合、薄型フィルム10から香りが得られる。
被着体が生体である場合、柔軟性付与剤として機能する抗菌成分としては、例えば、溶剤に溶解するソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、3-メチル-4-イソプロピルフェノール、o-シメン-5-オール、サリチル酸フェニル、ジメチロールプロピオン酸ヘキシル、ラウリルイソキノリニウムブロミド、チアントール、パラオキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール、塩化クロルヘキシジン、サリチル酸、感光素101号、感光素201号、感光素401号、ヨウ化パラジメチルアミノスチリルヘプチルメチルチアゾリウム、水溶性のヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、N-ココイル-L-アルギニンエチルエステル・ピロリドンカルボン酸塩、安息香酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、カンジダボンビコラ/(グルコース/ナタネ油脂肪酸メチル)発酵物、グルコン酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン、ソルビン酸カリウム、3-メチル-1,3-ブタンジオール、レゾルシン、トリクロロカルバン等のカルバニリド化合物を用いることができる。
被着体が生体以外である場合、柔軟性付与剤として機能する抗菌成分としては、例えば、有機系抗菌成分であれば、アルコール系、フェノール系、アルデヒド系、カルボン酸系、エステル系、エーテル系、ニトリル系、過酸化物・エポキシ系、ハロゲン系、ピリジン・キノリン系、トリアジン系、イソチアゾロン系、イミダゾール・チアゾール系、アニリド系、ビグアナイド系、ジスルフィド系、チオカーバメート系、界面活性剤系、有機金属系の各材料を用いることができる。
アルコール系の抗菌成分は、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、2-プロパノール、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、N-(-2-ヒドロキシプロピル)-アミノメタノールである。フェノール系の抗菌成分は、例えば、フェノール、3-メチル-4-イソプロピルフェノール、2-イソプロピル-5-メチルフェノール、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、4-クロロ-2-(フェニルメチル)フェノール、モノクロロ-2-フェニルフェノールである。アルデヒド系の抗菌成分は、例えば、ホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、α-ブロムシンナムアルデヒドである。
カルボン酸系の抗菌成分は、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、10-ウンデシレン酸亜鉛、10-ウンデシレン酸モノエタノールアミド、オクタン酸、ヘキサジエン酸、ヘキサジエン酸カリウム、プロピオン酸、プロピオン酸カリウム、プロピオン酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウムである。エステル系の抗菌成分は、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、パラヒドロキシ安息香酸メチルエステル、パラヒドロキシ安息香酸エチルエステル、パラヒドロキシ安息香酸プロピルエステル、パラヒドロキシ安息香酸ブチルエステルである。エーテル系の抗菌成分は、例えば、2,4,4´-トリクロロ-2´-ヒドロキシジフェニールエーテルである。
ニトリル系の抗菌成分は、例えば、2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタンである。過酸化物・エポキシ系の抗菌成分は、例えば、過酸化水素、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、過酢酸である。ハロゲン系の抗菌成分は、例えば、ポリビニルピロリドンヨード、パラクロロフェニル-3-ヨードプロパギルフォルマール、3-ヨード-2-プロパギルブチルカーバメート、塩素化イソシアヌール酸、1-[(ジヨードメチル)スルホニル]-4-メチルベンゼン、N-(フルオロジクロロメチオ)-フタルイミド、N,N-ジメチル-N´(ジクロロフルオロメチルチオ)-N´フェニルスルファミド、1-ブロモ-3-エトキシカルボオキシ-1,2-ジヨード-1-プロペン2,3,3-トリヨードアリルアルコール、α-クロロナフタレンである。
ピリジン・キノリン系の抗菌成分は、例えば、8-オキシキノリン、2,3,5,6-テトラクロル-4-(メチルスルホニル)ピリジン、ビス(2-ピリジルチオ-1-オキシド)ナトリウムである。トリアジン系の抗菌成分は、例えば、N,N´,N´´-トリスヒドロキシエチルヘキサドロ-S-トリアジンである。イソチアゾロン系の抗菌成分は、例えば、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンゾチアゾロンである。イミダゾール・チアゾール系の抗菌成分は、例えば、2-(4-チオシアノメチルチオ)ベンツイミダゾール、2-(4´-チオゾリル)-ベンツイミダゾール、2-メトキシカルボニルアミノベンツイミダゾールである。
アニリド系の抗菌成分は、例えば、3,4,4´-トリクロロカルバニリド、3-トリフルオロメチル-4,4´-ジクロルカルバニリドである。ビグアナイド系の抗菌成分は、例えば、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、クロルヘキシジングルコン酸塩、クロルヘキシジン塩酸塩である。ジスルフィド系の抗菌成分は、例えば、ビス(ジメチルチオカーバモイル)ジスルフィドである。チオカーバメート系の抗菌成分は、例えば、アンモニウム-N-メチルジチオカーバメート、ソディウム-N-メチルジチオカーバメートである。
界面活性剤系の抗菌成分は、例えば、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルアミン酢酸塩、3-(テリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロライド、ポリ[ポリメチレン(ジメチルイミニオ)クロライド]、ポリ[オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド]、アルキル(ジアミノエチル)グリシン塩酸塩、塩化エチルピリジニウム、塩化ドデシルピリニジニウムである。有機金属系の抗菌成分は、例えば、10,10´-オキシビスフェノキサルシン、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸銅、8-オキシキノリン銅である。
また、被着体が生体以外である場合、柔軟性付与剤として機能する抗菌成分として、天然物由来抗菌成分を用いてもよい。
天然物由来抗菌成分としては、キチン、キトサン、プロポリス、プロタミン等の動物・魚由来材料、アミノ酸糖体化合物、ポリリジン等の微生物・放線菌由来材料、リゾチーム等の酵素由来材料、ヒノキチオール、ヨモギエキス、アロエエキス、シソの葉エキス、ドクダミ、甘草、お茶、緑茶、カラシ抽出物、ワサビ抽出物、竹抽出物等の植物由来材料、天然イオウ等の天然イオウ由来材料等が挙げられる。
香料成分は、芳香を発する化合物である。柔軟性付与剤として機能する香料成分としては、例えば、アセタール類、アルコール類、アルデヒド類、エーテル類、エステル類、カルボン酸類、グリコール類、ケトン類、窒素化合物、ニトロ化合物、フェニルプロパノイド類、フェノール類、ラクトン類、ハロゲン化炭化水素の各化合物を用いることができる。また、これら以外の芳香を発する脂肪族炭化水素や芳香族炭化水素が香料成分として用いられてもよい。
アセタール類の香料成分は、例えば、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、ヒドラトロプアルデヒドジメチルアセタール、[S,(-)]-7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールジメチルアセタールである。アルコール類の香料成分は、例えば、ネロール、ボルネオール、ゲラニオール、シトロネロール、ファルネソール、ネロリドール、フルフリルアルコール、フェンコール、2-オクタノール、2-ヘプタノール、リナロール、ベンジルアルコール、1-オクタノール、イソプレゴール、l-メントール、フェニルエチルアルコール、テルピネオール、ペラルゴール、ノナノール、3-フェニル-1-プロパノール、1-デカノール、フェノキシエタノール、サンタロール、10-ウンデセン-1-オール、1-ウンデカノール、シンナミルアルコール、セドロール、ビサボロール、1-ドデカノールである。
アルデヒド類の香料成分は、例えば、ヒドロキシシトロネラール、オクタナール、サリチルアルデヒド、ヘプタナール、フェニルエテナール、ノナナール、シトロネラール、2-フェニルプロピオンアルデヒド、デカナール、フェニルプロピオンアルデヒド、ウンデカナール、シトラール、2-メチルウンデカナール、アニスアルデヒド、シンナムアルデヒド、ドデカナール、シクラメンアルデヒド、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ピペロナール、α-へキシルシンナムアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、クミンアルデヒドである。エーテル類の香料成分は、例えば、ジフェニルエーテル、2-メトキシナフタレン、サフロール、イソサフロール、イソオイゲノールメチルエーテル、2-エトキシナフタレン、シネオール、ベンジルイソアミルエーテルである。
エステル類の香料成分は、例えば、酢酸ゲラニル、3-メチル-3-フェニルオキシラン-2-カルボン酸エチル、酪酸アミル、アセト酢酸エチル、ヘプタン酸エチル、ギ酸ヘプチル、ギ酸オクチル、安息香酸メチル、ギ酸ベンジル、ギ酸ボルニル、安息香酸エチル、酢酸フェニルエチル、コハク酸ジエチル、酢酸オクチル、ギ酸リナリル、フェニル酢酸エチル、ベンジルアセテート、ギ酸メチル、サリチル酸メチル、ギ酸フェニルエチル、2-オクチル酸メチル、酢酸p-トリル、リナリルアセテート、酢酸ノニル、酢酸ボルニル、酢酸イソボルニル、ノナン酸エチル、酢酸メンチル、イソボルニルプロピオネート、ボルニルプロピオネート、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジル、酢酸テルピニル、安息香酸イソブチル、酢酸フェネチル、リナリルプロピオナート、ギ酸ゲラニル、酢酸シトロネリル、ビシクロイソブチラート、ベルテネックス、フェネチルプロピオナート、イソ酪酸リナリル、シトロネリルプロピオナート、フェネチルイソブチレート、イソ酪酸ベンジル、フェニル酢酸イソブチル、ゲラニルプロピオナート、DL-リンゴ酸ジエチル、酢酸3-フェニルプロピル、安息香酸イソアミル、サリチル酸イソブチル、イソ吉草酸ベンジル、フェニル酢酸イソアミル、桂皮酸メチル、安息香酸アミル、酢酸4-メトキシベンジル、酢酸シンナミル、10-ウンデセン酸メチル、イソ酪酸3,7-ジメチル-6-オクテニル、桂皮酸エチル、ジメチルフタレート、l-(+)-酒石酸ジエチル、イソ酪酸ゲラニル、10-ウンデセン酸エチル、サリチル酸イソアミル、酢酸オイゲノール、桂皮酸イソブチル、フェニル酢酸ベンジル、チグリン酸ゲラニル、クエン酸トリエチル、フタル酸ジエチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸2-フェニルエチル、サリチル酸ベンジル、桂皮酸ベンジル、酢酸リナリル、フランカルボン酸エチルである。
カルボン酸類の香料成分は、例えば、フェニル酢酸、桂皮酸、安息香酸である。グリコール類の香料成分は、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールである。ケトン類の香料成分は、例えば、カルボン、α-ヨノン、β-ヨノン、2-ウンデカノン、2-ブタノン、D-フェンコン、ツジョン、メントン、アセトフェノン、樟脳、プレゴン、メチルアセトフェノン、アセトアニソール、ベンジリデンアセトン、α-メチルイオノン、エキサルトン、ムスコン、ベンゾフェノン、2´-アセトナフトン、cis-ジャスモン、セダノリドである。
窒素化合物である香料成分は、例えば、6-メチルキノリン、N-メチルアントラニル酸メチル、アントラニル酸メチル、インドール、スカトールである。ニトロ化合物である香料成分は、例えば、ムスクアンブレット、ムスクキシロール、ムスクケトンである。フェニルプロパノイド類の香料成分は、例えば、メチルオイゲノール、エストラゴール、アネトール、オイゲノール、イソオイゲノールである。フェノール類の香料成分は、例えば、チモール、ジメチルヒドロキノン、サリチル酸エチル、カルバクロールである。ラクトン類の香料成分は、例えば、γ-ウンデカラクトン、γ-ノナノラクトン、クマリン、6-メチルクマリン、シクロペンタデカノリドである。ハロゲン化炭化水素である香料成分は、例えば、ブロモスチロール、酢酸α-トリクロロメチルベンジルである。
上記以外の脂肪族炭化水素である香料成分としては、例えば、カリオフィレン、α-カジネン、リモネン、セドレンが挙げられる。また、上記以外の芳香族炭化水素である香料成分としては、例えば、ジフェニルメタンが挙げられる。
上記した成分のうち、安息香酸、チモール、カルバクロール等の化合物は、抗菌成分かつ香料成分として機能する。
なお、上記した抗菌成分および香料成分は、その化学構造の一部を化学修飾した変性体の状態で柔軟性付与剤として用いられてもよい。
薄型フィルム10は、柔軟性付与剤以外に、被着体において所定の機能を発揮する添加剤を含有していてもよい。添加剤は、例えば、薄型フィルム10の光学特性を調整するための高屈折率材料、低屈折率材料、光吸収剤、色素や、薄型フィルム10の濡れ性を調整するための改質剤、導電性材料、化粧料成分、薬効成分等である。薄型フィルム10に含有させる添加剤は、薄型フィルム10において発現させたい機能に応じて選択されればよい。
薄型フィルム10は、粘着層を介さずに被着体に貼り付けられるため、薄型フィルム10が、抗菌成分や各種の添加剤のように、被着体への作用を目的とする成分を含有する場合に、こうした成分の作用が被着体に及びやすい。したがって、薄型フィルム10が含有する成分をより有効に機能させることができる。
薄型フィルム10において、気体の透過性の低さを示すパラメータである閉塞率は、5%以上70%以下であることが好ましい。閉塞率は、薄型フィルム10が配置された箇所での、ヒトの体温と等しい温度を有する水の蒸散量を、薄型フィルム10が配置されない場合の蒸散量に対して抑える割合である。閉塞率が高いことは、薄型フィルム10内に気体分子の透過可能な経路が少ないことを意味する。
閉塞率が5%以上70%以下であれば、薄型フィルム10の外部への柔軟性付与剤の放散が適切な時間で生じるため、薄型フィルム10における柔軟性の変化が好適に起こる。すなわち、閉塞率が5%以上であることにより、柔軟性付与剤の離脱が速すぎないため、薄型フィルム10の貼り付けの初期において薄型フィルム10の柔軟性が高められていることによる効果が好適に得られる。具体的には、被着体の表面形状への薄型フィルム10の追従性が高められ、また、被着体を伸ばしつつ薄型フィルム10を被着体に貼付できる。一方、閉塞率が70%以下であることにより、柔軟性付与剤の離脱が遅すぎないため、薄型フィルム10の貼り付けから時間が経過した後に薄型フィルム10の柔軟性が低下することによる効果が好適に得られる。具体的には、被着体を伸ばした状態を保つことが可能であり、また、被着体からの薄型フィルム10の引き剥がしが容易になる。
ところで、皮膚は、身体の最表面を覆うことで外部環境から生体を守る機能を有しており、生体の恒常性を維持するための重要な器官である。一方で、物理的刺激や化学的刺激といった外部からの刺激を皮膚が受けることや、加齢や内臓疾患による皮膚の対応力や耐久性が低下することに起因して、皮膚の恒常性には異常が生じやすい。恒常性の異常が慢性化してしまうと、角層の減少や皮脂量の増減が生じ、かゆみや赤み、角層の剥がれによる痛み、シワとしての皮膚形状の変化等が生じる可能性がある。恒常性を正常に保つ対策の1つは、皮膚を保湿することである。皮膚の保湿は、角層内に水分を直接に保持させること、あるいは、皮膚から空気中へ蒸散していく水分量を抑えることによって可能である。以上のことから、被着体が皮膚の場合には、薄型フィルム10の貼り付けによって、保湿が可能であることが好ましい。
閉塞率が5%以上70%以下であれば、薄型フィルム10を皮膚に貼り付けた場合に、薄型フィルム10の貼付箇所で、良好な水分蒸散量が得られる。良好な水分蒸散量とは、健康であって肌荒れの可能性が低い前腕内側部における水分蒸散量と同等の量を意味する。水分蒸散量が適正に保たれることにより、角層水分量等の皮膚内の水分量が適正に保たれる。その結果、皮膚のバリア機能等が正常に機能しやすくなり、皮膚の恒常性が正常に保たれやすくなる。
閉塞率が高いほど、被着体の表面からの水の蒸散が抑えられ、被着体の表面付近に水分を留まらせることができる。例えば、美容用途に薄型フィルム10が用いられ、薄型フィルム10が皮膚に貼り付けられる場合、閉塞率が5%以上であれば、薄型フィルム10の貼り付けによって、皮膚の保湿効果が良好に得られる。また、医療用途において、湿潤によって創傷治癒環境を改善する湿潤療法や、皮膚への薬剤浸透を高める閉鎖密封法に薄型フィルム10が用いられる場合、閉塞率が30%以上であれば、薄型フィルム10を生体組織表面に貼り付けることによって、生体組織表面に水分過多の状態を好適に形成できる。そのため、湿潤環境での治癒促進効果や薬剤の浸透促進効果が良好に得られる。
閉塞率は、下記の方法によって測定される。
(1)37℃に加熱および保温したウォーターバスの温水をタイトボックス(サンプラテック社製)内に循環させる。タイトボックスにガラスサンプル瓶を入れ、ガラスサンプル瓶に、ガラスサンプル瓶の開口から垂直方向に4cm離れる位置まで、37℃の温水を入れる。
(2)上記(1)におけるガラスサンプル瓶の開口に、直径10mmの穴をあけたプラスチック板を置き、上記穴に、PTFEメンブレンフィルター(メルクミリポア社製、孔径:10μm、直径:25mm、白色無地)を被せて、5分間、放置する。
(3)経皮水分蒸散量測定器(ASCH JAPAN社製:VAPO SCAN AS-VT100RS)を用い、プローブを直径10mmに合わせて、上記(2)の操作後のプラスチック板の穴の位置での水分蒸散量を、メンブレンフィルター上にて測定する。測定した水分蒸散量を初期値とする。初期値は、薄型フィルム10が配置されない場合の水分蒸散量に相当する。
(4)上記(2)におけるメンブレンフィルター上に、薄型フィルム10を貼り付ける。すなわち、薄型フィルム10と支持基材とを備える転写シートをメンブレンフィルター上に乗せて指で転写シートを押さえることにより、メンブレンフィルターに薄型フィルム10を貼り付け、薄型フィルム10から支持基材を剥がす。その後、5分間、放置する。
(5)上記経皮水分蒸散量計測器を用い、上記(3)と同様に、上記(4)の操作後のプラスチック板の穴の位置での水分蒸散量を、薄型フィルム10上にて測定し、測定した値をサンプル値とする。サンプル値は、薄型フィルム10が配置されている場合の水分蒸散量に相当する。そして閉塞率を、下記(式1)により算出する。
閉塞率(%)=(初期値-サンプル値)/初期値×100 ・・・(式1)
[転写シートの構成]
転写シートは、薄型フィルム10を被着体に貼り付ける場合に用いられる。図2が示すように、転写シート20は、薄型フィルム10と、薄型フィルム10を支持する支持基材21とを備えている。支持基材21には、薄型フィルム10の第2面11Rが接する。
支持基材21は、薄型フィルム10の保管時や、薄型フィルム10の使用に際して被着体上まで薄型フィルム10を移動させるときに、薄型フィルム10の変形を抑える機能を有する。支持基材21に支持されていることにより、薄型フィルム10が取り扱いやすくなる。
支持基材21の材料は特に限定されない。支持基材21は、例えば、高分子フィルム、織物、編物、不織布、および、紙のいずれかであることが好ましい。
支持基材21に用いられる高分子フィルムの材料としては、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリシロキサン類、セルロース、カゼイン等の各種のたんぱく質、ゴム、これらの高分子化合物の誘導体、変性体、共重合体、混合物が挙げられる。支持基材21として用いられる高分子フィルムは、エンボス加工、穴あけ加工、発泡等による多孔質化等の加工が施されたフィルムであってもよい。
支持基材21に用いられる織物、編物、および、不織布は、天然繊維もしくは化学繊維から構成される。天然繊維としては、綿、麻、パルプ、毛、絹等を用いることができる。化学繊維としては、ポリエステル、ポリオレフィン、キュプラ、レーヨン、リヨセル、アセテート、ジアセテート、ナイロン、アラミド、アクリル等からなる繊維を用いることができる。また、支持基材21は、天然繊維と化学繊維とが混合された繊維材料から構成されていてもよい。こうした繊維材料からなる支持基材21には、エンボス加工、穴あけ加工、発泡等による繊維の多孔質化等の加工が施されていてもよい。
支持基材21が繊維材料からなる場合、支持基材21の目付けは、3g/m以上200g/m以下であることが好ましく、10g/m以上100g/m以下であることがより好ましい。支持基材21の目付けが上記下限値以上であれば、静電気や気流に起因して縒れ等の変形が生じ難くなる程度の剛性を支持基材21が有するため、薄型フィルム10が取り扱いやすくなる。また、支持基材21の目付けが上記上限値以下であれば、支持基材21において繊維が詰まりすぎないため、転写シート20の使用に際して支持基材21を湿潤させて薄型フィルム10から剥離する転写方法を用いる場合に、支持基材21の吸液が円滑に進み、転写を好適に行うことができる。
支持基材21が繊維材料からなる場合、繊維材料の製造方法は特に限定されない。例えば、湿式、もしくは、乾式で、スパンボンド法、メルトブローン法、エアレイド法、フラッシュ紡糸法等によって作製したウェブに対して、スパンレース法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法等を用いることにより製造された繊維材料を適宜選択して用いることができる。
また、転写シート20は、薄型フィルム10の第1面11Fを覆う保護層を備えていてもよい。保護層を備えることにより、薄型フィルム10の保管時において、薄型フィルム10が保護される。保護層としては、支持基材21として例示した上述の各種の基材を用いることができる。保護層と支持基材21との材料は一致していてもよいし、異なっていてもよい。
なお、平面視における薄型フィルム10および転写シート20の外形形状は、特に限定されない。薄型フィルム10および転写シート20の外形形状は、例えば、矩形等の多角形形状、円形状、楕円形状、これら以外の直線や曲線で囲まれた形状等である。平面視にて、薄型フィルム10と支持基材21の形状は一致していてもよいし、支持基材21は薄型フィルム10よりも大きくてもよい。
[薄型フィルム収容体の構成]
図3は、薄型フィルム10が収容された収容体を示す。薄型フィルム収容体30は、保護層を備える転写シート20と、転写シート20を収容する包装体31とを備える。
薄型フィルム10の使用前に柔軟性付与剤が外部に放散することを抑えるために、包装体31は、密封可能に構成されていることが好ましい。
包装体31は、例えば、高分子フィルムから形成された袋状を有する。高分子フィルムとしては、例えば、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ナイロン等からなる単層または複数の層からなるフィルムが用いられる。さらに、包装体31においては、高分子フィルムに有機物および無機物の少なくとも一方からなるガスバリア層が積層されていてもよい。ガスバリア層が設けられることによって、薄型フィルム10からの柔軟性付与剤の離脱が抑えられる。また、包装体31の材料には、柔軟性付与剤を吸着しにくい材料が用いられることが好ましい。
[薄型フィルムおよび転写シートの製造方法]
薄型フィルム10は、公知の薄膜形成方法によって形成される。例えば、薄型フィルム10の材料を含む塗液を薄膜状に基材に塗布した後に溶媒を蒸発させる溶液キャスト法や、溶融した材料を押し出して薄膜状に成形する溶融押出法を用いることができる。このうち、溶液キャスト法が好適に用いられる。
溶液キャスト法では、薄型フィルム10の材料を溶媒に溶解もしくは分散させることにより塗液を生成する。薄型フィルム10の材料は、上述のように、高分子材料と柔軟性付与剤とを含む。薄型フィルム10の材料は、当該材料中における柔軟性付与剤の質量割合が2.5%以上となるように、溶媒に混合される。さらに、溶媒に混合された薄型フィルム10の材料中における柔軟性付与剤の質量割合は、40%以下であることが好ましい。
塗液が成膜用基材の表面に塗布されることにより塗膜が形成され、塗膜が乾燥されることによって、薄型フィルム10が形成される。成膜用基材としては、例えば、樹脂フィルムが用いられる。薄型フィルム10が複数の層を備える場合には、層ごとに塗液が生成され、塗膜の形成と乾燥とが繰り返されることによって、薄型フィルム10が形成される。柔軟性付与剤を含む塗膜の乾燥は、柔軟性付与剤の揮発を抑えるために、室温環境で行われる。室温は、例えば、20℃以上30℃以下である。
塗液の溶媒は、薄型フィルム10の材料の特性に応じて選択されればよい。溶媒は、例えば、水、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、エチルメチルケトン、アセトン、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、ヘキサン等である。
塗液の塗布方法は、所望の厚さに塗膜を形成可能な方法であれば特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ダイレクトグラビア、リバースグラビア、小径リバースグラビア、マイヤーコート、ダイ、カーテン、スプレー、スピンコート、スクリーン印刷、コンマ、ナイフ、グラビアオフセット、ロールコート等の各種のコーティング方法が使用可能である。
転写シート20は、例えば、成膜用基材上に形成された薄型フィルム10が支持基材21上に転写されることによって形成される。成膜用基材から支持基材21への薄型フィルム10の転写方法としては、吸引による剥離を利用する方法や犠牲膜を利用する方法等、公知の転写方法が用いられればよい。あるいは、成膜用基材が支持基材21として用いられてもよい。すなわち、成膜用基材としての支持基材21上に薄型フィルム10が成膜されることにより、転写シート20が形成されてもよい。
保護層を設ける場合には、支持基材21上に配置された薄型フィルム10の表面に、保護層が重ねられる。
[転写シートの使用方法]
転写シート20の使用に際しては、まず、被着体と薄型フィルム10の第1面11Fとが接するように、被着体上に転写シート20が配置される。そして、薄型フィルム10から支持基材21が剥離される。これにより、薄型フィルム10が被着体に転写される。
転写シート20を貼り付ける前の被着体の表面や、転写シート20を貼り付けた後の支持基材21上に、水やローション等の液状体が供給されてもよい。この場合、転写シート20に液状体が浸透することにより、薄型フィルム10と支持基材21との剥離が促進される。
本実施形態の薄型フィルム10においては、柔軟性付与剤の添加によって使用初期の柔軟性が高められており、かつ、薄型フィルム10からの柔軟性付与剤の離脱により、時間の経過とともに柔軟性が低下する。したがって、上述のように、被着体の表面形状に対する薄型フィルム10の追従性がより高められ、被着体と薄型フィルム10との間の密着性がより高められる。本実施形態の薄型フィルム10は、粘着層を介さずに被着体に貼り付けられるため、薄型フィルム10の柔軟性の向上によって、被着体に対する薄型フィルム10の追従性が好適に高められる。
そして、薄型フィルム10の柔軟性が低下することにより、被着体を伸ばしながら薄型フィルム10を貼り付けた後、被着体が伸びた状態を保つことが可能であり、さらに、使用後の薄型フィルム10を被着体から容易に剥がすことができる。また、閉塞率の調整によって、薄型フィルム10の貼り付けによる被着体の保湿も可能である。
これらのことから、本実施形態の薄型フィルム10は、生体の皮膚を被着体とする場合に好適に用いられる。皮膚には、加齢に伴う変形が生じ、こうした変形の多くがシワとして顕在化する。シワには、表皮上に生じる浅いシワと、真皮の変形により生じる深いシワとの2つの種類がある。浅いシワの原因は、乾燥であり、浅いシワは、肌の保湿やターンオーバーによって改善する。深いシワの原因は、真皮に存在している膠原線維や弾性線維が経年変化および光老化により減少することである。減少した繊維の回復は困難であるため、形成された深いシワそのものを消失させることは難しい。本実施形態の薄型フィルム10を用いることで、深いシワを伸ばして目立たなくし、かつ、保湿により浅いシワを改善することが可能である。
また、本実施形態の薄型フィルム10であれば、粘着層を介さずに被着体に貼り付けられるため、粘着層に起因した皮膚のかぶれの発生が抑えられる。また、粘着層に起因した膜厚の増大により閉塞率が高くなりすぎて、被着体の表面にふやけや赤みが発生することも抑えられる。
また、薄型フィルム10はフィルム状であるため、従来のクリーム状や液体状の保湿用の製品と比較して、使用した箇所におけるべたつきや衣服等への成分の付着も抑えられる。
ただし、薄型フィルム10の用途は、シワを隠す用途等の美容用途に限定されず、薄型フィルム10は、美容用途および医療用途を含む種々の用途に利用できる。
[実施例]
上述した薄型フィルムおよび転写シートについて、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。
(実施例1)
ポリ-DL-乳酸(武蔵野化学研究所社製)と、柔軟性付与剤であるバニリン(Vanillin)とを、酢酸エチルに溶解して、薄型フィルムの形成のための塗液を作製した。ポリ-DL-乳酸の平均分子量は10万である。バニリンは、揮発性を有する香料成分である。塗液中における溶質成分の質量割合は10%であり、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は5%である。
成膜用基材としてのPETシート上に、上記塗液を、ワイヤーバーを用いて塗布し、乾燥後の膜厚が600nmになるよう塗膜を形成した。そして、塗膜を室温環境で乾燥させることにより、薄型フィルムを形成した。
続いて、成膜用基材上の薄型フィルムの上に、支持基材として不織布(フタムラ化学社製)を積層し、成膜用基材を剥離して、薄型フィルムを成膜用基材から支持基材に転写した。支持基材に用いた不織布の主成分はパルプを原料とするセルロースであり、不織布の目付けは20g/mであった。これにより、支持基材と薄型フィルムとを備える実施例1の転写シートを得た。
(実施例2)
柔軟性付与剤の添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、実施例2の転写シートを得た。実施例2の塗液において、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は10%である。
(実施例3)
柔軟性付与剤の添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、実施例3の転写シートを得た。実施例3の塗液において、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は20%である。
(実施例4)
柔軟性付与剤の添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、実施例4の転写シートを得た。実施例4の塗液において、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は30%である。
(実施例5)
柔軟性付与剤の添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、実施例5の転写シートを得た。実施例5の塗液において、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は40%である。
(実施例6)
柔軟性付与剤の添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、実施例6の転写シートを得た。実施例6の塗液において、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は50%である。
(実施例7)
柔軟性付与剤の添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、実施例7の転写シートを得た。実施例7の塗液において、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は60%である。
(実施例8)
柔軟性付与剤の添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、実施例8の転写シートを得た。実施例8の塗液において、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は70%である。
(実施例9)
柔軟性付与剤の種類および添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、実施例9の転写シートを得た。実施例9では、柔軟性付与剤として、揮発性を有する香料成分であるカルバクロール(Carvacrol)を用いた。実施例9の塗液において、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は30%である。
(実施例10)
柔軟性付与剤の種類および添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、実施例10の転写シートを得た。実施例10では、柔軟性付与剤として、揮発性を有する抗菌成分であるイソプロピルメチルフェノール(IPMP:Isopropyl Methylphenol)を用いた。実施例10の塗液において、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は30%である。
(実施例11)
柔軟性付与剤の種類および添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、実施例11の転写シートを得た。実施例11では、柔軟性付与剤として、揮発性を有する香料成分である樟脳(Camphor)を用いた。樟脳は、化粧料の可塑剤としても用いられる。実施例11の塗液において、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は30%である。
(比較例1)
柔軟性付与剤を添加しないこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、比較例1の転写シートを得た。
(比較例2)
柔軟性付与剤の添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、比較例2の転写シートを得た。比較例2の塗液において、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は0.5%である。
(比較例3)
柔軟性付与剤の種類および添加量を変更したこと以外は、実施例1と同様の材料および工程によって、比較例3の転写シートを得た。比較例3では、柔軟性付与剤として、揮発性を有さない可塑剤であるアセチルクエン酸トリブチル(ATBC:Acetyl Tributyl Citrate)を用いた。比較例3の塗液において、溶質成分中における柔軟性付与剤の質量割合は30%である。
(疑似使用試験)
各実施例および各比較例に対し、疑似的な使用環境に薄型フィルムを配置して時間を経過させる疑似使用試験を行った。まず、一辺が10mmの正方形状の穴を有する厚紙に、転写シートを貼り付け、支持基材を剥離した。これにより、上記正方形状の領域に単独の薄型フィルムが配置された試験片が作製された。疑似使用試験として、試験片を、温度40℃、相対湿度60%に設定されたチャンバー内に配置して、24時間経過させた。チャンバー内の環境は、ヒトの皮膚に薄型フィルムが貼り付けられた場合の薄型フィルムの周囲の環境を疑似的に形成したものである。
(柔軟性の評価)
各実施例および各比較例について、疑似使用試験が未実施である作製直後の試験片と、疑似使用試験が実施された後の試験片とに対し、下記の方法で、破断強度Sb、伸びEn、軟らかさFeを測定した。
(1)試験片を、卓上圧縮・引張試験機(島津製作所社製:EZ-Test、ロードセル:100N、型番:130825200255)に設置した。
(2)試験片における薄型フィルムが配置された正方形領域に対し、直径3mmの円柱状を有する測定圧子を、圧縮速度10mm/minで差し込み、薄型フィルムが破断したときの荷重(mN)および差し込みの距離(mm)を測定した。測定された荷重を破断強度Sb、距離を伸びEnとした。また、測定結果から、荷重-距離曲線における初期の傾き、すなわち、距離0.1mm~0.25mmの荷重変化量を、軟らかさFeとした。
(評価結果)
表1に、各実施例および各比較例にて用いた柔軟性付与剤とその添加割合を示す。表2および図4~図9に、疑似使用試験の前後の試験片に対する破断強度Sb、伸びEn、軟らかさFeの測定結果を示す。図4は、試験前の破断強度Sbを示し、図5は、試験前の伸びEnを示し、図6は、試験前の軟らかさFeを示す。図7は、試験後の破断強度Sbを示し、図8は、試験後の伸びEnを示し、図9は、試験後の軟らかさFeを示す。
表3に、疑似使用試験の前後での破断強度Sb、伸びEn、軟らかさFeの変化率、および、柔軟性の総合評価を示す。破断強度Sbの変化率は、試験前の破断強度Sb1に対する試験後の破断強度Sb2の増加率(Sb2-Sb1/Sb1×100)である。伸びEnの変化率は、試験前の伸びEn1に対する試験後の伸びEn2の低下率(En1-En2/En1×100)である。軟らかさFeの変化率は、試験前の軟らかさFe1に対する試験後の軟らかさFe2の低下率(Fe1-Fe2/Fe1×100)である。
総合評価においては、破断強度Sb、伸びEn、軟らかさFeの少なくとも1つのパラメータについて、疑似使用試験の前後で有意な変化が認められた場合を「○」、上記パラメータのいずれについても疑似使用試験の前後で有意な変化が認められなかった場合、および、試験後に上記パラメータの測定ができない程度に膜形状の劣化が生じた場合を「×」、疑似使用試験の前後で柔軟性の変化が認められるが、疑似使用試験の前において柔軟性が高すぎて上記パラメータの測定ができなかった場合を「△」とした。
Figure 2022081252000002
Figure 2022081252000003
Figure 2022081252000004
表1が示すように、実施例1~8では、柔軟性付与剤であるバニリンの添加割合を段階的に増やしている。表2が示すように、バニリンを5%以上40%以下の範囲で加えた実施例1~5では、バニリンを添加していない比較例1と比べて、疑似使用試験前において柔軟性の向上、すなわち、破断強度Sb、伸びEn、軟らかさFeの少なくとも1つの有意な差が確認された。図4~図6が示すように、大まかには、バニリンの添加量が増えるにつれて柔軟性が高くなる傾向が認められる。そして、表2および表3が示すように、疑似使用試験の前後で、比較例1では各パラメータの有意な変化は認められないことに対し、実施例1~5では、少なくとも1つのパラメータの有意な変化が認められ、柔軟性が低下していることが確認された。図7~図9が示すように、実施例1~5の疑似使用試験後の各パラメータの値は、比較例1と同程度となっており、実施例1~5の疑似使用試験後の柔軟性が、柔軟性付与剤が添加されていないフィルムと同程度まで低下していると言える。
バニリンを50%以上加えた実施例6~8では、薄型フィルムの柔軟性が顕著に大きくなり、試験片を作製する際の支持基材の剥離時にフィルムが伸びて、各パラメータを測定できる膜状態を薄型フィルムが維持した状態に試験片を作製することができなかった。支持基材を剥離しないまま試験片に対して疑似使用試験を実施したところ、試験後には、支持基材を剥離して各パラメータを測定することが可能となった。実施例6~8の疑似使用試験後の各パラメータの値は、比較例1と同程度となっており、実施例6~8の疑似使用試験後の柔軟性が、柔軟性付与剤が添加されていないフィルムと同程度まで低下していると言える。
実施例6~8の薄型フィルムにおいては、例えば、支持基材の材料の調整によって薄型フィルムと支持基材との密着性を調整すること、支持基材の剥離時に薄型フィルムにかかる力が分散されるように支持基材を予め分割すること、薄型フィルムを複数の膜の積層体とすること等によって、薄型フィルムの被着体への貼り付けに際して薄型フィルムの膜形状が崩れすぎないように支持基材を剥離可能とすることができる。ただし、こうした調整が不要であって、被着体の貼り付けに際しての薄型フィルムの取り扱いが容易である観点からは、実施例1~5のように、柔軟性付与剤の添加量は40%以下であることが好ましいと言える。
実施例9~11では、揮発性を有する柔軟性付与剤として、バニリンとは異なる化合物を用いている。いずれの場合も、バニリンを用いた場合と同様に、疑似使用試験前においては比較例1と比べて柔軟性が向上し、疑似使用試験の後には比較例1と同程度にまで柔軟性が低下することが確認された。
比較例2は、実施例よりも柔軟性付与剤であるバニリンの添加割合が少ない。比較例2では、各パラメータについて、疑似使用試験前における比較例1との有意な差、および、疑似使用試験前後での有意な変化は認められなかった。したがって、実施例1~11のように、柔軟性付与剤を2.5%以上添加することで、柔軟性付与剤を添加しない場合と比べて薄型フィルムの使用初期における柔軟性の向上、および、時間経過に伴う柔軟性の低下が実現されることが確認された。
比較例3は、揮発性を有さない柔軟性付与剤を添加している。比較例3では、疑似使用試験前においては比較例1と比べて柔軟性の向上が確認された。しかしながら、疑似使用試験後には、薄型フィルムに孔が形成されて膜形状が劣化しており、各パラメータの測定ができなかった。比較例3においては、室内よりも温度および湿度が高い疑似的な使用環境にて、薄型フィルムに柔軟性付与剤が保持され続けていたため、ポリマー分子の絡まりに対する柔軟性付与剤の作用が、膜形状が維持できなくなるまでに及んだと考えられる。
なお、実施例の薄型フィルムにて柔軟性が変化する要因を解析するため、比較例1の柔軟性付与剤を添加していない薄型フィルムと、実施例4の柔軟性付与剤としてバニリンを30%添加した薄型フィルムとに対して、-20℃から100℃の間の示差走査熱量測定(DSC:Differential Scanning Calorimeter)を行った。その結果、比較例1の薄型フィルムの中間点ガラス転移温度は50.7℃であったことに対し、実施例4の薄型フィルムの中間点ガラス転移温度は23.9℃と、およそ室温まで低下していた。実施例4の薄型フィルムにおいては、中間点ガラス転移温度が室温程度に低下したことにより、柔軟性付与剤の離脱により生じた隙間を埋めるようにポリマー分子が移動可能となり、こうしたポリマー分子の移動の結果、疑似使用試験後の柔軟性が、柔軟性付与剤を添加していないフィルムと同程度にまで変化すると推測される。
以上、実施形態および実施例にて説明したように、上記薄型フィルム、転写シート、薄型フィルム収容体、および、薄型フィルムの製造方法によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
(1)薄型フィルム10が、2.5%以上の質量割合で、揮発性を有する柔軟性付与剤を含有している。これにより、薄型フィルム10の使用初期における柔軟性が高められるため、被着体の表面のより細かな形状に薄型フィルム10が追従しやすくなる。したがって、被着体に対する薄型フィルム10の密着性が高められる。一方で、柔軟性付与剤が揮発性を有しているため、時間の経過とともに柔軟性付与剤が薄型フィルム10から離脱する。その結果、薄型フィルム10の使用開始後に長期にわたって薄型フィルム10に柔軟性付与剤が保持され続けることが避けられるため、柔軟性付与剤の作用による薄型フィルム10の品質の低下が抑えられる。
(2)時間の経過に伴う薄型フィルム10からの柔軟性付与剤の離脱の結果、薄型フィルム10の柔軟性は低下する。そのため、被着体を伸ばして薄型フィルム10を貼り付けた後に、被着体が伸びた状態を保つことができる。さらに、使用後の薄型フィルム10を被着体から剥がすことが容易になる。
(3)柔軟性付与剤が、香料成分、および、抗菌成分の少なくとも一方を含むことにより、柔軟性の向上効果に加えて、薄型フィルム10において芳香作用や抗菌作用が得られる。
(4)薄型フィルム10における時間経過後の破断強度Sbの増加率が、3%以上90%以下であることにより、時間の経過とともに薄型フィルム10の柔軟性が低下することによる効果が好適に得られる。特に、被着体からの薄型フィルム10の剥離が容易になる。
(5)薄型フィルム10における時間経過後の伸びEnの低下率が、1%以上90%以下であることにより、時間の経過とともに薄型フィルム10の柔軟性が低下することによる効果が好適に得られる。特に、被着体の伸びた状態が好適に保たれる。
(6)薄型フィルム10における時間経過後の軟らかさFeの低下率が、10%以上90%以下であることにより、時間の経過とともに薄型フィルム10の柔軟性が低下することによる効果が好適に得られる。すなわち、被着体の伸びた状態が好適に保たれ、また、被着体からの薄型フィルム10の剥離が容易になる。
(7)薄型フィルム10の総質量に対する柔軟性付与剤の質量割合が、40%以下であれば、薄型フィルム10の使用初期における柔軟性が高くなりすぎないため、薄型フィルム10を被着体に貼り付ける際の薄型フィルム10の取り扱いが容易になる。
(8)薄型フィルム10の閉塞率が5%以上70%以下であることにより、時間の経過とともに薄型フィルム10からの柔軟性付与剤の離脱が的確に進む。したがって、使用初期に薄型フィルム10の柔軟性が高められていることによる効果、および、時間の経過とともに柔軟性が低下することによる効果が好適に得られる。また、被着体が生体である場合に、薄型フィルム10の貼り付けによって被着体表面の保湿が可能である。
(9)薄型フィルム10が含む高分子材料が生体適合性を有する材料であれば、薄型フィルム10における生体への貼り付けに対する適性が高められる。
(10)転写シート20において、薄型フィルム10が支持基材21に支持されていることにより、薄型フィルム10の変形が抑えられるとともに、薄型フィルム10が取り扱いやすくなる。
(11)薄型フィルム収容体30において、薄型フィルム10が包装体31に収容されていることにより、薄型フィルム10の使用前に柔軟性付与剤の外部への放散が進むことが抑えられる。
(12)高分子材料と柔軟性付与剤とを溶媒に混合した塗液を成膜用基材上に塗布して塗膜を形成し、室温環境で塗膜を乾燥することにより薄型フィルム10を形成する方法であれば、薄膜である薄型フィルム10を好適に製造することができる。
10…薄型フィルム
11F…第1面
11R…第2面
20…転写シート
21…支持基材
30…薄型フィルム収容体
31…包装体

Claims (11)

  1. 0.1g/m以上5.0g/m以下の単位面積当たり質量を有する薄型フィルムであって、
    高分子材料と、揮発性を有する柔軟性付与剤と、を含み、
    前記薄型フィルムの総質量に対する前記柔軟性付与剤の質量割合が、2.5%以上である
    薄型フィルム。
  2. 前記柔軟性付与剤は、香料成分、および、抗菌成分の少なくとも一方を含む
    請求項1に記載の薄型フィルム。
  3. 温度40℃相対湿度60%の環境に使用前の前記薄型フィルムを配置して24時間経過させたとき、前記薄型フィルムにおける破断強度[mN]の増加率が、3%以上90%以下である
    請求項1または2に記載の薄型フィルム。
  4. 温度40℃相対湿度60%の環境に使用前の前記薄型フィルムを配置して24時間経過させたとき、前記薄型フィルムにおける伸び[mm]の低下率が、1%以上90%以下である
    請求項1~3のいずれか一項に記載の薄型フィルム。
  5. 温度40℃相対湿度60%の環境に使用前の前記薄型フィルムを配置して24時間経過させたとき、前記薄型フィルムにおける軟らかさ[μm/mN]の低下率が、10%以上90%以下である
    請求項1~4のいずれか一項に記載の薄型フィルム。
  6. 前記薄型フィルムの総質量に対する前記柔軟性付与剤の質量割合が、40%以下である
    請求項1~5のいずれか一項に記載の薄型フィルム。
  7. 前記薄型フィルムが配置された箇所での、ヒトの体温と等しい温度を有する水の蒸散量を、前記薄型フィルムが配置されていない場合の蒸散量に対して抑える割合である閉塞率が、5%以上70%以下である
    請求項1~6のいずれか一項に記載の薄型フィルム。
  8. 前記高分子材料は、生体適合性材料を含む
    請求項1~7のいずれか一項に記載の薄型フィルム。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の薄型フィルムと、
    前記薄型フィルムを支持する支持基材と、
    を備える転写シート。
  10. 請求項1~8のいずれか一項に記載の薄型フィルムと、
    前記薄型フィルムを収容する包装体と、
    を備える薄型フィルム収容体。
  11. 高分子材料と、揮発性を有する柔軟性付与剤とを含む薄型フィルムの材料を、当該材料中における前記柔軟性付与剤の質量割合が2.5%以上となるように溶媒に混合して、塗液を生成することと、
    前記塗液を基材上に塗布して塗膜を形成し、前記塗膜を室温環境で乾燥させることと、
    を含む薄型フィルムの製造方法。
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