JP2022080749A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
また、有機スルホン酸金属塩を使用するガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物の場合も、フッ素樹脂等の滴下防止剤の併用なしでは十分な難燃性は困難である。
特許文献1には、ホスファゼン化合物と含フッ素滴下防止剤を配合することが提案されている。また、本出願人による特許文献2には、ミルドガラスファイバーにホスファゼン化合物、フルオロポリマーを含有するガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物が記載されている。このようにポリカーボネート樹脂の難燃剤としてホスファゼン化合物を配合する場合、滴下防止剤を併用することが必要である。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂(A)が、粘度平均分子量が50000以上の直鎖状ポリカーボネート樹脂(A1)を5質量%以上、及び/または分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)を15質量%以上含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
2.ポリカーボネート樹脂(A)が、ビスフェノールA由来のポリカーボネート樹脂を、全ポリカーボネート樹脂(A)100質量%中、90質量%超含む上記1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
3.ガラス充填材(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10~15質量部含み、1.2mm厚でのUL-94がV-0またはV-1の難燃性能を有する上記1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
4.ホスファゼン化合物(B)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10~25質量部含み、1.0mm厚でのUL-94がV-0の難燃性能を有する上記1~3のいずかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
5.ガラス充填材(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、15~60質量部含み、1.0mm厚でのUL-94がV-0の難燃性能を有する上記1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
なお、本明細書において、「~」とは、特に断りのない限り、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物において、ポリカーボネート樹脂(A)は、粘度平均分子量が50000以上の直鎖状ポリカーボネート樹脂(A1)を5質量%以上、及び/または、分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)を15質量%以上含む。
ポリカーボネート樹脂(A1)の粘度平均分子量Mvは、50000以上であり、好ましくは55000以上であり、より好ましくは60000以上であり、好ましくは90000以下、より好ましくは85000以下、さらに好ましくは80000以下である。ポリカーボネート樹脂(A1)の粘度平均分子量Mvが上記範囲にあることで、フッ素樹脂を必要とすることなく、樹脂組成物の難燃性と滴下防止性、並びに透明性を達成することができる。
分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)は、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂である。
分岐状ポリカーボネート樹脂を製造する好ましい方法の例としては、特開平8-259687号公報、特開平8-245782号公報等に記載の方法のように、溶融エステル交換法によりジヒドロキシ化合物と炭酸のジエステルとを反応させる際、触媒の条件または製造条件を選択することにより、分岐剤を使用することなく、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂を得ることができる。
そして、例えば特開2005-232442号公報に記載されているように、上記の式を誘導した、Logηa=〔(1-N)/N〕×Logγ+C によって表示することも可能である。ここで、式中、N:構造粘性指数、γ:剪断速度、C:定数、ηa:見かけの粘度を表す。この式から分かるように、粘度挙動が大きく異なる低剪断領域におけるγとηaからN値を評価することもできる。
ポリカーボネート樹脂(A3)は、粘度平均分子量Mvが50000未満の直鎖状ポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂(A3)は、界面重合法により、その際分岐剤を使用することなしに、重合されたポリカーボネート樹脂が好ましく、分岐構造指数Nが、好ましくは1.0~1.1程度であり、より好ましくは1.0~1.05であるものが好ましい。
1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
2,5-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフチル、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;
2,2’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテル、1,4-ビス(3-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、
1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)(4-プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,5-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-プロピル-5-メチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
本発明において、ポリカーボネート樹脂(A1)、(A2)及び(A3)が、ビスフェノールA由来の芳香族ポリカーボネート樹脂であることが好ましく、ポリカーボネート樹脂(A)が、ビスフェノールA由来のポリカーボネート樹脂が、全ポリカーボネート樹脂(A)100質量%中、90質量%超であることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A1)、(A2)(A3)の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。これらの中でも、界面重合法、溶融エステル交換法が好ましく、前述したように、ポリカーボネート樹脂(A1)は界面重合法により製造することが好ましく、ポリカーボネート樹脂(A2)は分岐剤の存在下での界面重合法或いは溶融エステル交換法により製造することが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物が含有するホスファゼン化合物(B)としては、下記一般式(1)および(2)で表されるホスファゼン化合物が好ましい。
これらのうち、好ましくは、環状及び/又は鎖状フェノキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状C1-3アルキルC6-20アリールオキシホスファゼン、C6-20アリールオキシC1-3アルキルC6-20アリールオキシホスファゼン(例えば、環状及び/又は鎖状トリルオキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状フェノキシトリルフェノキシホスファゼン等)である。
このような環状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、塩化アンモニウムと五塩化リンとを120~130℃の温度で反応させて得られる環状及び直鎖状のクロロホスファゼン混合物から、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロロシクロテトラホスファゼン、デカクロロシクロペンタホスファゼン等の環状のクロルホスファゼンを取り出した後にフェノキシ基で置換して得られる、フェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン等の化合物が挙げられる。
このような鎖状フェノキシホスファゼン化合物は、例えば、上記の方法で得られるヘキサクロロシクロトリホスファゼンを220~250℃の温度で開還重合し、得られた重合度3~10,000の直鎖状ジクロロホスファゼンをフェノキシ基で置換することにより得られる化合物が挙げられる。
このような架橋ホスファゼン化合物としては、下記一般式(3)に示す架橋構造、例えば、4,4’-スルホニルジフェニレン(すなわち、ビスフェノールS残基)の架橋構造を有する化合物、2,2-(4,4’-ジフェニレン)イソプロピリデン基の架橋構造を有する化合物、4,4’-オキシジフェニレン基の架橋構造を有する化合物、4,4’-チオジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等の、4,4’-ジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等が挙げられる。
本発明で用いるガラス充填材(C)の形態には特に制限はなく、ガラス繊維、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ミルドファイバー、ガラスビーズなど様々な形態のものを用いることができ、これらの1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、透明性と補強効果の観点からガラス繊維又はガラスフレークを用いることが好ましく、ガラス繊維を用いることが特に好ましい。
ガラス繊維の平均繊維径は特に制限されないが、例えば1~100μmの範囲で選ぶことが好ましく、より好ましくは2~50μm、更に好ましくは3~30μm、特に好ましくは5~20μmである。
扁平断面ガラス繊維の断面の長径D2の平均値は、通常10~50μm、好ましくは15~40μm、より好ましくは20~35μm、さらに好ましくは24~30μmであり、特に好ましくは25~30μmである。
なお、扁平断面ガラス繊維の断面形状は、扁平状(略長方形状)の他、楕円状、繭状、三つ葉状、及びこれに類する形状の非円形形状が含まれるが、扁平状又は楕円状が好ましく、扁平状が特に好ましい。
また、表面処理剤として、ノボラック型等のエポキシ樹脂、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂等も好ましく挙げられる。中でもノボラック型のエポキシ樹脂がより好ましい。
シラン系表面処理剤とエポキシ樹脂は、それぞれ単独で用いても複数種で用いてもよく、両者を併用することも好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、フッ素樹脂(D)は含有しないか、含有する場合でもその含有量が0.1質量部以下であり、好ましくは0.05質量部以下、より好ましくは0.03質量部以下、さらに好ましくは0.01質量部未満、中でも0.005質量部未満、特に好ましくは0.001質量部未満である。本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、フッ素樹脂(D)の含有なし、または含有する場合でもごく微量とすることでも、樹脂組成物の溶融特性により、燃焼時の滴下防止性は良好であり、優れた難燃性を有する。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、安定剤を含有することが好ましく、安定剤としてはリン系安定剤やフェノール系安定剤が好ましい。
このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP-10」、城北化学工業社製「JP-351」、「JP-360」、「JP-3CP」、BASF社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
なお、フェノール系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、離型剤(滑剤)を含有することが好ましい。離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200~15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は、単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であることが好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記したもの以外に他の成分を含有していてもよい。他成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられる。
樹脂添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、染顔料、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造する方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)、ホスファゼン化合物(B)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、ガラス充填材(C)はサイドフィードすることが好ましい。
ガラス充填材(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10~15質量部含む場合であって、1.2mm厚でのUL-94がV-0またはV-1の難燃性能を有するポリカーボネート樹脂組成物。
ホスファゼン化合物(B)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10~25質量部含み、1.0mm厚でのUL-94がV-0の難燃性能を有するポリカーボネート樹脂組成物。
ガラス充填材(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、15~60質量部含む場合であって、1.0mm厚でのUL-94がV-0の難燃性能を有するポリカーボネート樹脂組成物。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、成形して成形品とされる。
成形品を製造する方法は、ポリカーボネート樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法などが挙げられ、また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることもできる。
これらのなかでも、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法などの射出成形法が好ましい。
<ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造>
表1に記したガラス充填剤(C)以外の各成分を、下記表3以下に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた芝浦機械社製二軸押出機(TEM26SX)に上流のフィーダーより供給し、さらにガラス充填剤(C)をバレルの途中、押出機の上流(ホッパー部位)から、バレル長さLの3/5の下流位置より供給して、回転数250rpm、吐出量25kg/時間、バレル温度290℃の条件で混練した。押出機からストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化してポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
なお、比較例2については、ストランドの振動が大きく、引き取りが困難であったため、ペレットを得ることができなかった。
上記で得られた樹脂組成物ペレットを90℃で5時間乾燥後、日精樹脂工業社製射出成形機(NEX80III型)を用い、シリンダー設定温度280℃、金型温度70℃、射出時間2秒、成形サイクル50秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片(4mm厚)を射出成形した。
上述の方法で得られたISO多目的試験片を用い、ISO1183に準拠して、密度(単位:g/cm3)を測定した。
上述の方法で得られたISO多目的試験片を用い、ISO179-1およびISO179-2に準拠して、ノッチ無しシャルピー衝撃強度(単位:kJ/m2)を測定した。
上述の方法で得られたISO多目的試験片を用い、ISO178に準拠して、曲げ強度(単位:MPa)および曲げ弾性率(単位:MPa)を測定した。
上述の方法で得られたISO多目的試験片を用い、ISO75-1およびISO75-2に準拠して荷重1.80MPaの条件で荷重たわみ温度(単位:℃)を測定した。
実施例及び比較例で得られたペレットを、90℃で5時間乾燥させた後、日精樹脂工業社製NEX80III(型締力80トン)を用いて、シリンダー温度300℃、金型温度70℃、射出圧力150MPa、成形サイクル40秒の条件で、幅20mm、厚さ2mm
のバーフロー成形品を射出成形し、その流動長(単位:mm)を評価した。
上述の製造方法で得られたペレットを90℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業社製射出成形機(SE50DUZ型)を用いて、シリンダー温度300℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、長さ80mm、幅40mm、厚さ1mmの平板を成形した。金型として、固定側キャビティ及び可動側キャビティ表面に、80mm×40mm×3mmの酸化ジルコニウム(ZrO2)の板を備えた断熱金型を使用した。
日本電色工業社製SH7000を用い、上述の方法で得られた平板のヘイズ(%)を測定した。ヘイズが小さい程透明性が優れることを意味している。
上述の製造方法で得られたペレットを90℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業社製射出成形機(SE50DUZ型)を用いて、シリンダー温度270℃、金型温度70℃の条件で射出成形し、長さ127mm、幅12.7mm、肉厚1.0mmまたは1.2mmのUL試験用試験片をそれぞれ成形した。
得られたUL試験用試験片を、温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して行なった。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、V-0、V-1及びV-2の難燃性を有するためには、以下の表2に示す基準を満たすことが必要となる。
表中、「実n」は「実施例n」を、「比n」は「比較例n」を表す。
Claims (5)
- ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ホスファゼン化合物(B)を8~30質量部、ガラス充填材(C)を10~60質量部含み、フッ素樹脂(D)は含有しないか、含有する場合でも含有量が0.1質量部以下であり、
ポリカーボネート樹脂(A)が、粘度平均分子量が50000以上の直鎖状ポリカーボネート樹脂(A1)を5質量%以上、及び/または分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)を15質量%以上含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。 - ポリカーボネート樹脂(A)が、ビスフェノールA由来のポリカーボネート樹脂を、全ポリカーボネート樹脂(A)100質量%中、90質量%超含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- ガラス充填材(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10~15質量部含み、1.2mm厚でのUL-94がV-0またはV-1の難燃性能を有する請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- ホスファゼン化合物(B)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10~25質量部含み、1.0mm厚でのUL-94がV-0の難燃性能を有する請求項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- ガラス充填材(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、15~60質量部含み、1.0mm厚でのUL-94がV-0の難燃性能を有する請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
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WO2024117159A1 (ja) | 2022-11-29 | 2024-06-06 | 三菱ケミカル株式会社 | 樹脂組成物、ペレット、成形品、および、樹脂組成物の製造方法 |
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