JP2022080749A - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた透明性と高度の難燃性を有し、剛性に優れ、且つ耐衝撃性、耐熱性、流動性にも優れるポリカーボネートガラス繊維強化樹脂組成物。
【解決手段】ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ホスファゼン化合物(B)を8~30質量部、ガラス充填材(C)を10~60質量部含み、フッ素樹脂(D)は含有しないか、含有する場合でも含有量が0.1質量部以下であり、
ポリカーボネート樹脂(A)が、粘度平均分子量が50000以上の直鎖状ポリカーボネート樹脂(A1)を5質量%以上、及び/または分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)を15質量%以上含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はポリカーボネート樹脂組成物に関し、詳しくは、優れた透明性と高度の難燃性を有し、剛性に優れたガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、機械的物性、電気的特性に優れた樹脂であり、例えば、電気電子機器の各種部品、自動車用部品、住宅関連部材、医療用途、雑貨等の分野で幅広く用いられている。
近年、例えば電子電気機器等は、小型化・薄肉化が進んでいるため、使用する材料には薄肉とした場合も高い難燃性を有し、さらに剛性にも優れる材料が求められている。ポリカーボネート樹脂の剛性を高めるには、ガラス繊維のような充填材を配合することが有効であり、特に薄肉高剛性の要求に対しては、ガラス充填材を含有するガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物が最も効果的である。
ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂には高い透明性が必要とされる場合がある。ガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂を透明にするためには、難燃剤と滴下防止剤を共に、樹脂組成物の透明性を損なわないものを選定する必要がある。
ポリカーボネート樹脂組成物が透明になる難燃剤としては、有機リン酸エステル系難燃剤、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム等の有機スルホン酸金属塩、或いはホスファゼン化合物が挙げられる。
有機リン酸エステル系難燃剤を配合したガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物では、近年要求されるような高度の薄肉難燃性に応えることが困難であり、高い難燃性を得ようと高配合にすると耐衝撃性や耐熱性が低下してしまい、また、滴下防止剤の併用が必要である。
また、有機スルホン酸金属塩を使用するガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物の場合も、フッ素樹脂等の滴下防止剤の併用なしでは十分な難燃性は困難である。
難燃剤として、ホスファゼン化合物を配合することも提案されている。
特許文献1には、ホスファゼン化合物と含フッ素滴下防止剤を配合することが提案されている。また、本出願人による特許文献2には、ミルドガラスファイバーにホスファゼン化合物、フルオロポリマーを含有するガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物が記載されている。このようにポリカーボネート樹脂の難燃剤としてホスファゼン化合物を配合する場合、滴下防止剤を併用することが必要である。
しかしながら、フッ素樹脂はポリカーボネート樹脂を白濁させるため、フッ素樹脂を含有することなしに、透明性を損なうことなく、薄肉でも高度の難燃性を有する高剛性のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物が求められている。
特開2013-001801号公報 特開2014-136749号公報
本発明は、上記課題に鑑みて創案されたもので、優れた透明性と高度の難燃性を有し、剛性に優れたガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記のような優れたガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物を開発するため鋭意検討を重ねた結果、フッ素樹脂を含有することなしに、あるいは含有する場合も極めて微量とし、粘度平均分子量が50000以上の直鎖状ポリカーボネート樹脂を特定量以上、及び/または、分岐状ポリカーボネート樹脂を特定量のホスファゼン化合物と共に含有することにより、上記課題を解決するガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物に関する。
1.ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ホスファゼン化合物(B)を8~30質量部、ガラス充填材(C)を10~60質量部含み、フッ素樹脂(D)は含有しないか、含有する場合でも含有量が0.1質量部以下であり、
ポリカーボネート樹脂(A)が、粘度平均分子量が50000以上の直鎖状ポリカーボネート樹脂(A1)を5質量%以上、及び/または分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)を15質量%以上含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
2.ポリカーボネート樹脂(A)が、ビスフェノールA由来のポリカーボネート樹脂を、全ポリカーボネート樹脂(A)100質量%中、90質量%超含む上記1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
3.ガラス充填材(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10~15質量部含み、1.2mm厚でのUL-94がV-0またはV-1の難燃性能を有する上記1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
4.ホスファゼン化合物(B)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10~25質量部含み、1.0mm厚でのUL-94がV-0の難燃性能を有する上記1~3のいずかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
5.ガラス充填材(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、15~60質量部含み、1.0mm厚でのUL-94がV-0の難燃性能を有する上記1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、優れた透明性と高度の難燃性を有し、剛性に優れたガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物であり、耐衝撃性、耐熱性、流動性にも優れる。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書において、「~」とは、特に断りのない限り、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ホスファゼン化合物(B)を8~30質量部、ガラス充填材(C)を10~60質量部含み、フッ素樹脂(D)は含有しないか、含有する場合でも含有量が0.1質量部以下であり、ポリカーボネート樹脂(A)が、粘度平均分子量が50000以上の直鎖状ポリカーボネート樹脂(A1)を5質量%以上、及び/または、分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)を15質量%以上含むことを特徴とする。
[ポリカーボネート樹脂(A)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物において、ポリカーボネート樹脂(A)は、粘度平均分子量が50000以上の直鎖状ポリカーボネート樹脂(A1)を5質量%以上、及び/または、分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)を15質量%以上含む。
[直鎖状ポリカーボネート樹脂(A1)]
ポリカーボネート樹脂(A1)の粘度平均分子量Mvは、50000以上であり、好ましくは55000以上であり、より好ましくは60000以上であり、好ましくは90000以下、より好ましくは85000以下、さらに好ましくは80000以下である。ポリカーボネート樹脂(A1)の粘度平均分子量Mvが上記範囲にあることで、フッ素樹脂を必要とすることなく、樹脂組成物の難燃性と滴下防止性、並びに透明性を達成することができる。
なお、本発明において、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量Mvは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度25℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10-4Mv0.83、から算出される値を意味する。また極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 2022080749000001
ポリカーボネート樹脂(A1)は、直鎖状のポリカーボネート樹脂である。本発明において、直鎖状ポリカーボネート樹脂とは、ポリカーボネート樹脂主鎖中に分岐構造を実質的に有さないものをいい、界面重合法により、その際分岐剤を使用することなしに、重合されたポリカーボネート樹脂が好ましい。また、後記する分岐構造指数Nでいうと、Nが1.0近傍にあるもの、好ましくは1.0~1.1程度であり、より好ましくは1.0~1.05である。
ポリカーボネート樹脂(A1)を含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量%中、5質量%以上であり、好ましくは6質量%以上であり、好ましくは50質量%以下であり、中でも40質量%以下、35質量%以下、特には30質量%以下が好ましい。このような範囲にあることで、フッ素樹脂を必要とすることなく、樹脂組成物の難燃性と滴下防止性、優れた透明性を可能とする。
[分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)]
分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)は、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂である。
分岐状ポリカーボネート樹脂を製造する好ましい方法の例としては、特開平8-259687号公報、特開平8-245782号公報等に記載の方法のように、溶融エステル交換法によりジヒドロキシ化合物と炭酸のジエステルとを反応させる際、触媒の条件または製造条件を選択することにより、分岐剤を使用することなく、分岐構造を有するポリカーボネート樹脂を得ることができる。
また、分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)を製造する他の好ましい方法として、ポリカーボネート樹脂の原料である、ジヒドロキシ化合物とカーボネート形成性化合物の他に、三官能以上の多官能性化合物(分岐剤)を用い、界面重合法又は溶融エステル交換法にて、これらを共重合する方法が挙げられる。
三官能以上の多官能性化合物としては、例えば、1,3,5-トリヒドロキシベンゼン(フロログルシン)、4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニル)ヘプテン-2,4,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6-ジメチル-2,4,6-トリ(4-ヒドロキシフェニル)ヘプテン-3、1,3,5-トリ(4-ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1-トリ(4-ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物類;3,3-ビス(4-ヒドロキシアリール)オキシインド-ル(即ち、イサチンビスフェノール)、5-クロロイサチン、5,7-ジクロロイサチン、5-ブロムイサチン等が挙げられる。なかでも1,1,1-トリ(4-ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。
多官能性芳香族化合物の使用量は、原料の全ジヒドロキシ化合物に対して、通常0.01モル%以上、好ましくは0.1モル%以上であり、また、通常10モル%以下、好ましくは3モル%以下である。多官能性化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)は、構造粘性指数Nが好ましくは1.2以上、より好ましくは1.25以上、さらに好ましくは1.28以上であり、また、好ましくは2.0以下、1.9以下であることがより好ましい。
構造粘性指数Nは、溶融体の流動特性を評価する指標である。通常、ポリカーボネート樹脂の溶融特性は、数式:γ=a・σにより表示することができる。ここで、式中、γ:剪断速度、a:定数、σ:応力、N:構造粘性指数を表す。
そして、例えば特開2005-232442号公報に記載されているように、上記の式を誘導した、Logη=〔(1-N)/N〕×Logγ+C によって表示することも可能である。ここで、式中、N:構造粘性指数、γ:剪断速度、C:定数、η:見かけの粘度を表す。この式から分かるように、粘度挙動が大きく異なる低剪断領域におけるγとηからN値を評価することもできる。
分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)の粘度平均分子量Mvは、ポリカーボネート樹脂(A1)の粘度平均分子量Mvの下限である50000未満であれば制限はないが、好ましくは15000以上であり、より好ましくは16000以上であり、好ましくは45000以下、より好ましくは40000以下、さらに好ましくは38000以下、特には37000以下であることが好ましい。
分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)を含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量%中、15質量%以上であり、好ましくは17質量%以上であり、好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは70質量%以下である。このような範囲にあることで、フッ素樹脂を必要とすることなく、樹脂組成物の難燃性、滴下防止性と透明性を向上させるができる。
ポリカーボネート樹脂(A)は、直鎖状ポリカーボネート樹脂(A1)を5質量%以上、及び/または分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)を15質量%以上含むが、(A1)及び(A2)以外のポリカーボネート樹脂(A3)が残りの量として含有される。
ポリカーボネート樹脂(A3)は、粘度平均分子量Mvが50000未満の直鎖状ポリカーボネート樹脂である。ポリカーボネート樹脂(A3)は、界面重合法により、その際分岐剤を使用することなしに、重合されたポリカーボネート樹脂が好ましく、分岐構造指数Nが、好ましくは1.0~1.1程度であり、より好ましくは1.0~1.05であるものが好ましい。
ポリカーボネート樹脂(A3)の粘度平均分子量Mvは、好ましくは14000以上であり、より好ましくは15000以上であり、好ましくは45000以下、より好ましくは40000以下、さらに好ましくは38000以下、特には37000以下であることが好ましい。粘度平均分子量Mvがこのような範囲にあることで、樹脂組成物の流動性(成形性)、耐衝撃性、強度、及び耐熱性を良好にすることができる。
ポリカーボネート樹脂(A3)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量%中、5質量%以上であり、好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、中でも20質量%以上、特には23質量%以上であり、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、中でも85質量%以下、特には83質量%以下が好ましい。このような範囲にあることで、フッ素樹脂を必要とすることなく、樹脂組成物の流動性(成形性)、耐衝撃性、強度、及び耐熱性を向上させることができる。
ポリカーボネート樹脂(A1)、(A2)及び(A3)の種類に制限はないが、耐熱性、機械的物性、電気的特性等の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、芳香族ジヒドロキシ化合物の例としては、
1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
2,5-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフチル、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;
2,2’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテル、1,4-ビス(3-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、
1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)(4-プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,5-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-プロピル-5-メチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、
9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
これらの中でもビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましく、中でもビス(4-ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性、耐熱性の点から2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、即ち、ビスフェノールAが好ましい。
本発明において、ポリカーボネート樹脂(A1)、(A2)及び(A3)が、ビスフェノールA由来の芳香族ポリカーボネート樹脂であることが好ましく、ポリカーボネート樹脂(A)が、ビスフェノールA由来のポリカーボネート樹脂が、全ポリカーボネート樹脂(A)100質量%中、90質量%超であることが好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、カーボネート前駆体の例を挙げると、カルボニルハライド、カーボネートエステル等が使用される。なお、カーボネート前駆体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
<ポリカーボネート樹脂の製造方法>
ポリカーボネート樹脂(A1)、(A2)(A3)の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。これらの中でも、界面重合法、溶融エステル交換法が好ましく、前述したように、ポリカーボネート樹脂(A1)は界面重合法により製造することが好ましく、ポリカーボネート樹脂(A2)は分岐剤の存在下での界面重合法或いは溶融エステル交換法により製造することが好ましい。
[ホスファゼン化合物(B)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物が含有するホスファゼン化合物(B)としては、下記一般式(1)および(2)で表されるホスファゼン化合物が好ましい。
Figure 2022080749000002
Figure 2022080749000003
上記一般式(1)及び(2)で表されるホスファゼン化合物としては、例えば、フェノキシホスファゼン、(ポリ)トリルオキシホスファゼン(例えば、o-トリルオキシホスファゼン、m-トリルオキシホスファゼン、p-トリルオキシホスファゼン、o,m-トリルオキシホスファゼン、o,p-トリルオキシホスファゼン、m,p-トリルオキシホスファゼン、o,m,p-トリルオキシホスファゼン等)、(ポリ)キシリルオキシホスファゼン等の環状及び/又は鎖状C1-6アルキルC6-20アリールオキシホスファゼンや、(ポリ)フェノキシトリルオキシホスファゼン(例えば、フェノキシo-トリルオキシホスファゼン、フェノキシm-トリルオキシホスファゼン、フェノキシp-トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m-トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,p-トリルオキシホスファゼン、フェノキシm,p-トリルオキシホスファゼン、フェノキシo,m,p-トリルオキシホスファゼン等)、(ポリ)フェノキシキシリルオキシホスファゼン、(ポリ)フェノキシトリルオキシキシリルオキシホスファゼン等の環状及び/又は鎖状C6-20アリールC1-10アルキルC6-20アリールオキシホスファゼン等が例示できる。
これらのうち、好ましくは、環状及び/又は鎖状フェノキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状C1-3アルキルC6-20アリールオキシホスファゼン、C6-20アリールオキシC1-3アルキルC6-20アリールオキシホスファゼン(例えば、環状及び/又は鎖状トリルオキシホスファゼン、環状及び/又は鎖状フェノキシトリルフェノキシホスファゼン等)である。
一般式(1)で表される環状ホスファゼン化合物としては、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、アリール基又はアルキルアリール基を示す。このようなアリール基又はアルキルアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、ベンジル基等が挙げられるが、なかでもR及びRがフェニル基である環状フェノキシホスファゼンが特に好ましい。
このような環状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、塩化アンモニウムと五塩化リンとを120~130℃の温度で反応させて得られる環状及び直鎖状のクロロホスファゼン混合物から、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロロシクロテトラホスファゼン、デカクロロシクロペンタホスファゼン等の環状のクロルホスファゼンを取り出した後にフェノキシ基で置換して得られる、フェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン等の化合物が挙げられる。
また、一般式(1)中、aは3~25の整数を表すが、なかでもaが3~8の整数である化合物が好ましく、aの異なる化合物の混合物であってもよい。なかでも、a=3のものが50質量%以上、a=4のものが10~40質量%、a=5以上のものが合わせて30質量%以下である化合物の混合物が好ましい。
一般式(2)中、R及びRは、同一又は異なっていてもよく、アリール基又はアルキルアリール基を示す。このようなアリール基又はアルキルアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、ベンジル基等が挙げられるが、R及びRがフェニル基である鎖状フェノキシホスファゼンが特に好ましい。
このような鎖状フェノキシホスファゼン化合物は、例えば、上記の方法で得られるヘキサクロロシクロトリホスファゼンを220~250℃の温度で開還重合し、得られた重合度3~10,000の直鎖状ジクロロホスファゼンをフェノキシ基で置換することにより得られる化合物が挙げられる。
また、Rは、-N=P(OR基、-N=P(OR基、-N=P(O)OR基、-N=P(O)OR基から選ばれる少なくとも1種を示し、Rは、-P(OR基、-P(OR基、-P(O)(OR基、-P(O)(OR基から選ばれる少なくとも1種を示す。
また、一般式(2)中、bは3~10,000の整数を示し、好ましくは3~1,000、より好ましくは3~100、さらに好ましくは3~25である。
また、ホスファゼン化合物(B)は、その一部が架橋された架橋ホスファゼン化合物であってもよい。このような架橋構造を有することで耐熱性が向上する傾向にある。
このような架橋ホスファゼン化合物としては、下記一般式(3)に示す架橋構造、例えば、4,4’-スルホニルジフェニレン(すなわち、ビスフェノールS残基)の架橋構造を有する化合物、2,2-(4,4’-ジフェニレン)イソプロピリデン基の架橋構造を有する化合物、4,4’-オキシジフェニレン基の架橋構造を有する化合物、4,4’-チオジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等の、4,4’-ジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等が挙げられる。
Figure 2022080749000004
[式(3)中、Xは-C(CH-、-SO-、-S-、又は-O-であり、vは0又は1である。]
また、架橋ホスファゼン化合物としては、一般式(1)においてR及びRがフェニル基である環状フェノキシホスファゼン化合物が上記一般式(3)で表される架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物、又は、前記一般式(2)においてR及びRがフェニル基である鎖状フェノキシホスファゼン化合物が上記一般式(3)で表される架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物が難燃性の点から好ましく、環状フェノキシホスファゼン化合物が上記一般式(3)で表される架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物がより好ましい。
また、架橋フェノキシホスファゼン化合物中のフェニレン基の含有量は、一般式(1)で表される環状ホスファゼン化合物及び/又は一般式(2)で表される鎖状フェノキシホスファゼン化合物中の全フェニル基及びフェニレン基数を基準として、通常50~99.9%、好ましくは70~90%である。また、該架橋フェノキシホスファゼン化合物は、その分子内にフリーの水酸基を有しない化合物であることが特に好ましい。
本発明においては、ホスファゼン化合物(B)は、前記一般式(1)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物、及び、前記一般式(1)で表される環状フェノキシホスファゼン化合物が架橋基によって架橋されてなる架橋フェノキシホスファゼン化合物が、難燃性及び機械的特性の点から好ましい。
ホスファゼン化合物(B)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、8~30質量部であり、9質量部以上が好ましく、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは11質量部以上、中でも12質量部以上であり、28質量部以下が好ましく、さらに好ましくは25質量部以下、中でも好ましくは24質量部以下、22質量部以下、20質量部以下、18質量部以下、特には17質量部以下が好ましい。このような量で含有することにより、難燃性、透明性、および高い耐熱性を発現させることができる。
[ガラス充填材(C)]
本発明で用いるガラス充填材(C)の形態には特に制限はなく、ガラス繊維、ガラスパウダー、ガラスフレーク、ミルドファイバー、ガラスビーズなど様々な形態のものを用いることができ、これらの1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、透明性と補強効果の観点からガラス繊維又はガラスフレークを用いることが好ましく、ガラス繊維を用いることが特に好ましい。
なお、ガラス充填材(C)は、無アルカリガラス(Eガラス)を用いてもよいが、ガラス充填材(C)の屈折率がポリカーボネート樹脂(A)の屈折率に近似していることが、より好ましい。具体的には589nmにおける屈折率が1.565~1.605が好ましく、1.570~1.600がより好ましく、中でも1.575~1.595が好ましい。ガラス充填材(C)の屈折率がこのような範囲にあることで、樹脂組成物の透明性をより向上させることができ、より低ヘイズのものにすることができる。
ガラス繊維の平均繊維長は特に限定されないが、例えば0.1~20mmの範囲で選ぶことが好ましく、0.3~5mmであることがより好ましい。平均繊維長がこのような範囲にあることで、補強効果がより十分であり、ポリカーボネート樹脂組成物の成形が容易である。
ガラス繊維の平均繊維径は特に制限されないが、例えば1~100μmの範囲で選ぶことが好ましく、より好ましくは2~50μm、更に好ましくは3~30μm、特に好ましくは5~20μmである。
ガラス繊維は、断面(ガラス繊維の繊維長さ方向に直交する断面)形状が、円形のものよりも、断面形状が扁平のガラス繊維(以下、「扁平断面ガラス繊維」ともいう。)の方が、成形時の配向性に優れ、寸法安定性等の向上効果に優れる上に、成形品の透明性の向上にも有効であるので好ましい。
ここで、ガラス繊維の断面形状は、繊維の長さ方向に直交する断面の長径をD2、短径をD1とするときの長径/短径比(D2/D1)で示される扁平率で表すことができ、ガラス繊維の扁平率はその平均値で1.5~8であることが好ましく、3~8であることがより好ましい。
扁平断面ガラス繊維の断面の長径D2の平均値は、通常10~50μm、好ましくは15~40μm、より好ましくは20~35μm、さらに好ましくは24~30μmであり、特に好ましくは25~30μmである。
なお、扁平断面ガラス繊維の断面形状は、扁平状(略長方形状)の他、楕円状、繭状、三つ葉状、及びこれに類する形状の非円形形状が含まれるが、扁平状又は楕円状が好ましく、扁平状が特に好ましい。
また、ガラス繊維の平均繊維長と平均繊維径の比(アスペクト比)は、通常2~1000であり、好ましくは2.5~700、より好ましくは3~600である。ガラス繊維のアスペクト比が2以上であれば、機械的強度の向上効果に優れ、1000以下であれば、ソリや異方性を抑え、成形品外観の低下を防止することができる。
なお、ガラス繊維の平均繊維径(直径)とは、円形断面のガラス繊維であれば、その直径が該当するが、その他の断面形状のガラス繊維では、その断面形状を同一面積の真円形に換算したときの数平均繊維径(直径)をいう。また、ガラス繊維の平均繊維長とは、繊維の長軸方向の長さの数平均値をいう。なお、ガラス繊維の平均繊維長、平均繊維径は、SEM(走査型電子顕微鏡)観察により任意に選択した100個程度のガラス繊維について測定した繊維長と繊維径の平均値として求めることができるが、市販品についてはカタログ値を採用することができる。
ガラスフレークとは、通常、平均粒径が10~4000μm、平均厚みが0.1~10μmで、アスペクト比(平均最大径/平均厚みの比)が2~1000程度の鱗片状のガラス粉末である。本発明で用いるガラスフレークは、平均粒径2000μm以下、特に100~1500μmで、平均厚みが0.1~10μm、特に0.4~6μmで、アスペクト比が10~800、特に50~600のものが好ましい。
ガラス充填材(C)は、樹脂マトリクスとの接着性を改良すると共に、ポリカーボネート樹脂(A)の分解を抑制するために、シランカップリング剤等の表面処理剤で表面処理したものを用いてもよい。ただし、市販のガラス繊維やガラスフレークは、予め表面処理剤で表面処理されているものが多いため、表面処理品を用いる場合は、表面処理剤を更に用いる必要はない。
表面処理剤としては、従来公知の任意のものを使用でき、具体的には、例えば、アミノシラン系、エポキシシラン系、アリルシラン系、ビニルシラン系等のシラン系カップリング剤が好ましく挙げられる。これらの中では、アミノシラン系表面処理剤が好ましく、具体的には例えば、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン及びγ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい例として挙げられる。
また、表面処理剤として、ノボラック型等のエポキシ樹脂、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂等も好ましく挙げられる。中でもノボラック型のエポキシ樹脂がより好ましい。
シラン系表面処理剤とエポキシ樹脂は、それぞれ単独で用いても複数種で用いてもよく、両者を併用することも好ましい。
ガラス充填材(C)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して10~60質量部である。好ましい態様は10~15質量部であり、また、好ましい態様は15~60質量部であり、中でも20~50質量部、25~45質量部、25~40質量部である。このような範囲にあることで、剛性等を十分に向上させることができ、ガラス充填材の表面浮きによる透明性や成形品外観の低下、耐衝撃性の低下がなく、樹脂組成物の溶融押出(ペレット化)が容易である。
[フッ素樹脂(D)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、フッ素樹脂(D)は含有しないか、含有する場合でもその含有量が0.1質量部以下であり、好ましくは0.05質量部以下、より好ましくは0.03質量部以下、さらに好ましくは0.01質量部未満、中でも0.005質量部未満、特に好ましくは0.001質量部未満である。本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、フッ素樹脂(D)の含有なし、または含有する場合でもごく微量とすることでも、樹脂組成物の溶融特性により、燃焼時の滴下防止性は良好であり、優れた難燃性を有する。
[安定剤]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、安定剤を含有することが好ましく、安定剤としてはリン系安定剤やフェノール系安定剤が好ましい。
リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられるが、有機ホスファイト化合物が特に好ましい。
有機ホスファイト化合物としては、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト等が挙げられる。
このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には、例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、「アデカスタブ2112」、「アデカスタブHP-10」、城北化学工業社製「JP-351」、「JP-360」、「JP-3CP」、BASF社製「イルガフォス168」等が挙げられる。
なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
リン系安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.7質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下である。このような量でリン系安定剤を含有することで、十分な熱安定効果を発揮できる。
フェノール系安定剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’-ヘキサン-1,6-ジイルビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナミド]、2,4-ジメチル-6-(1-メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3”,5,5’,5”-ヘキサ-tert-ブチル-a,a’,a”-(メシチレン-2,4,6-トリイル)トリ-p-クレゾール、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン,2,6-ジ-tert-ブチル-4-(4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イルアミノ)フェノール、2-[1-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ペンチルフェニル)エチル]-4,6-ジ-tert-ペンチルフェニルアクリレート等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。このようなフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、例えば、BASF社製「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」、ADEKA社製「アデカスタブAO-50」、「アデカスタブAO-60」等が挙げられる。
なお、フェノール系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
フェノール系安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下である。フェノール系安定剤をこのような量で含有することで、安定剤としての効果を十分得ることができる。
[離型剤]
また、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、離型剤(滑剤)を含有することが好ましい。離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200~15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6~36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6~36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。なお、ここで脂肪族とは、脂環式化合物も包含する用語として使用される。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2-ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/またはアルコールを含有していてもよい。また、上記のエステルは、純物質であってもよいが、複数の化合物の混合物であってもよい。さらに、結合して一つのエステルを構成する脂肪族カルボン酸及びアルコールは、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200~15000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ-トロプシュワックス、炭素数3~12のα-オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素は部分酸化されていてもよい。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は、単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であることが好ましい。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーンオイル等が挙げられる。
なお、上述した離型剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。離型剤の含有量を前記範囲の下限値以上とすることにより離型性の効果が十分に得られやすく、離型剤の含有量が前記範囲の上限値以下とすることにより、十分な耐加水分解性が得られ、また射出成形時の金型汚染などが生じにくくなる。
[その他の成分]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、所望の諸物性を著しく損なわない限り、必要に応じて、上記したもの以外に他の成分を含有していてもよい。他成分の例を挙げると、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂、各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
<その他の樹脂>
その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられる。
なお、ポリカーボネート樹脂(A)以外のその他の樹脂を含有する場合、その含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10質量部以下とすることが好ましく、5質量部以下がより好ましく、さらには3質量部以下、なかでも2質量部以下、特には1質量部以下とすることが好ましい。
<樹脂添加剤>
樹脂添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、染顔料、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
[ポリカーボネート樹脂組成物の製造]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を製造する方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)、ホスファゼン化合物(B)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、ガラス充填材(C)はサイドフィードすることが好ましい。
本発明のガラス繊維強化ポリカーボネート樹脂組成物は、特に薄肉での難燃性に優れる。本発明における好ましい態様を挙げると、以下の通りである。
ガラス充填材(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10~15質量部含む場合であって、1.2mm厚でのUL-94がV-0またはV-1の難燃性能を有するポリカーボネート樹脂組成物。
ホスファゼン化合物(B)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10~25質量部含み、1.0mm厚でのUL-94がV-0の難燃性能を有するポリカーボネート樹脂組成物。
ガラス充填材(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、15~60質量部含む場合であって、1.0mm厚でのUL-94がV-0の難燃性能を有するポリカーボネート樹脂組成物。
[成形品]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、成形して成形品とされる。
成形品を製造する方法は、ポリカーボネート樹脂組成物について一般に採用されている成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法などが挙げられ、また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることもできる。
これらのなかでも、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法などの射出成形法が好ましい。
成形品の例を挙げると、電気電子機器、OA機器、情報端末機器、機械部品、カメラ機器、自動車部品、家電製品、建築部材、各種容器、レジャー用品・雑貨類、照明機器等の部品が挙げられる。本発明の樹脂組成物は、高剛性で難燃性、透明性に優れるので、特に中が透けて見えることが求められる部品や筐体等に好適である。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
実施例および比較例に使用した各成分は、以下の表1の通りである。
Figure 2022080749000005
(実施例1~20、比較例1~6)
<ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造>
表1に記したガラス充填剤(C)以外の各成分を、下記表3以下に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた芝浦機械社製二軸押出機(TEM26SX)に上流のフィーダーより供給し、さらにガラス充填剤(C)をバレルの途中、押出機の上流(ホッパー部位)から、バレル長さLの3/5の下流位置より供給して、回転数250rpm、吐出量25kg/時間、バレル温度290℃の条件で混練した。押出機からストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化してポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
なお、比較例2については、ストランドの振動が大きく、引き取りが困難であったため、ペレットを得ることができなかった。
<ISO多目的試験片(4mm)の作成>
上記で得られた樹脂組成物ペレットを90℃で5時間乾燥後、日精樹脂工業社製射出成形機(NEX80III型)を用い、シリンダー設定温度280℃、金型温度70℃、射出時間2秒、成形サイクル50秒の条件で射出成形を行い、ISO多目的試験片(4mm厚)を射出成形した。
<密度の測定>
上述の方法で得られたISO多目的試験片を用い、ISO1183に準拠して、密度(単位:g/cm)を測定した。
<ノッチ無しシャルピー衝撃強度の測定>
上述の方法で得られたISO多目的試験片を用い、ISO179-1およびISO179-2に準拠して、ノッチ無しシャルピー衝撃強度(単位:kJ/m)を測定した。
<曲げ強度および曲げ弾性率の測定>
上述の方法で得られたISO多目的試験片を用い、ISO178に準拠して、曲げ強度(単位:MPa)および曲げ弾性率(単位:MPa)を測定した。
<荷重たわみ温度(DTUL)の測定>
上述の方法で得られたISO多目的試験片を用い、ISO75-1およびISO75-2に準拠して荷重1.80MPaの条件で荷重たわみ温度(単位:℃)を測定した。
<バーフロー流動長の測定>
実施例及び比較例で得られたペレットを、90℃で5時間乾燥させた後、日精樹脂工業社製NEX80III(型締力80トン)を用いて、シリンダー温度300℃、金型温度70℃、射出圧力150MPa、成形サイクル40秒の条件で、幅20mm、厚さ2mm
のバーフロー成形品を射出成形し、その流動長(単位:mm)を評価した。
<ヘイズの測定>
上述の製造方法で得られたペレットを90℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業社製射出成形機(SE50DUZ型)を用いて、シリンダー温度300℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、長さ80mm、幅40mm、厚さ1mmの平板を成形した。金型として、固定側キャビティ及び可動側キャビティ表面に、80mm×40mm×3mmの酸化ジルコニウム(ZrO)の板を備えた断熱金型を使用した。
日本電色工業社製SH7000を用い、上述の方法で得られた平板のヘイズ(%)を測定した。ヘイズが小さい程透明性が優れることを意味している。
<1.2mmおよび1.0mmUL試験>
上述の製造方法で得られたペレットを90℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業社製射出成形機(SE50DUZ型)を用いて、シリンダー温度270℃、金型温度70℃の条件で射出成形し、長さ127mm、幅12.7mm、肉厚1.0mmまたは1.2mmのUL試験用試験片をそれぞれ成形した。
得られたUL試験用試験片を、温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して行なった。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、V-0、V-1及びV-2の難燃性を有するためには、以下の表2に示す基準を満たすことが必要となる。
Figure 2022080749000006
ここで残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の、試験片の有炎燃焼を続ける時間の長さである。また、ドリップによる綿着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。さらに、5試料のうち、1つでも上記基準を満たさないものがある場合、V-2を満足しないとしてNR(not rated)と評価した。
以上の結果を、以下の表3-6に示す。
表中、「実n」は「実施例n」を、「比n」は「比較例n」を表す。
Figure 2022080749000007
Figure 2022080749000008
Figure 2022080749000009
Figure 2022080749000010
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、高剛性で難燃性、透明性に優れるので、例えば電気電子機器、OA機器、情報端末機器、家電製品、照明機器等の部品等に広く好適に利用でき、産業上の利用性は非常に高い。

Claims (5)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ホスファゼン化合物(B)を8~30質量部、ガラス充填材(C)を10~60質量部含み、フッ素樹脂(D)は含有しないか、含有する場合でも含有量が0.1質量部以下であり、
    ポリカーボネート樹脂(A)が、粘度平均分子量が50000以上の直鎖状ポリカーボネート樹脂(A1)を5質量%以上、及び/または分岐状ポリカーボネート樹脂(A2)を15質量%以上含むことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
  2. ポリカーボネート樹脂(A)が、ビスフェノールA由来のポリカーボネート樹脂を、全ポリカーボネート樹脂(A)100質量%中、90質量%超含む請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. ガラス充填材(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10~15質量部含み、1.2mm厚でのUL-94がV-0またはV-1の難燃性能を有する請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  4. ホスファゼン化合物(B)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、10~25質量部含み、1.0mm厚でのUL-94がV-0の難燃性能を有する請求項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. ガラス充填材(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、15~60質量部含み、1.0mm厚でのUL-94がV-0の難燃性能を有する請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
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