JP2022079817A - 集中電圧制御装置、集中電圧制御装置の通信周期決定方法、集中電圧制御システム、分散電源システム - Google Patents

集中電圧制御装置、集中電圧制御装置の通信周期決定方法、集中電圧制御システム、分散電源システム Download PDF

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Abstract

【課題】配電系統上の通信量の増加を抑制しつつ、配電系統の電圧変動を抑制する集中電圧制御装置を提供する。【解決手段】配電系統に連系する一つ以上の電圧制御機器と一つ以上のセンサとから配電系統の電力に関連する計測値を収集し、電圧制御機器へ制御指令値を送信する集中電圧制御装置1であって、電圧制御機器とセンサから収集した計測値を用いて配電系統の電力に関連する状態を推定し、配電系統の電力に関連する系統状態推定値を出力する系統状態推定部11と、電圧制御機器とセンサから収集した計測値と系統状態推定部11で算出された系統状態推定値とを用いて電圧制御機器の制御指令値を計算する電圧制御機器指令計算部12と、電圧制御機器ごとの制御指令値の通信周期を決定する通信周期決定部13と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、配電系統における集中電圧制御装置、集中電圧制御装置の通信周期決定方法、集中電圧制御システム、および分散電源システムに関する。
電力は、発電所から送電線で変電所へ送電され、変電所で電圧の調整を行うなどして、配電線を通じて需要家に供給される。配電系統は、この電力ネットワークのうち、配電用変電所から需要家に至る設備であり、需要家に直接電力を供給している設備である。
一般的に配電系統は、高圧系統と低圧系統からなり、配電用変電所から高圧(6.6kV)で配電され、線路途中に並列接続された柱上変圧器で低圧(100Vもしくは200V)に降圧して需要家に電力が供給される。
電気事業法では、需要家の受電端電圧を適正範囲内(100Vなら101±6V、200Vなら202±20V)に収めることが規定されており、一般送配電事業は、需要家に供給される低圧の電圧が常に適正範囲内に収まるように、配電系統の設備設計および系統運用を行っている。
太陽光発電を中心とする分散電源が連系されていない場合、配電系統の電力潮流は配電用変電所から需要家側へ一定方向であり、系統電圧は配電用変電所の送り出し端から配電系統の末端に向けて下がるのみであった。そのため、一般送配電事業者は配電用変電所の送り出し電圧の調整(配電用変圧器のタップ調整)、柱上変圧器のタップ調整を行うことで、配電系統の電圧を管理していた。
また、配電線亘長が長く、配電線路による電圧降下が大きな配電系統においては自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)などの電圧制御機器を導入することで系統電圧を適正範囲内に収めている。
近年、太陽光発電や風力発電などの分散電源の大量導入による電圧変動の増加が懸念されている。分散電源が大量導入された配電系統では、負荷側から系統側に電気が流れる、逆潮流によって、系統末端の電圧上昇が発生するなど、需要家の受電電圧を適正範囲内に収めることが困難になってきている。
この対策として、自律分散的に電圧を制御する対策が取られている。例えば、太陽光発電事業者には、太陽光発電出力による電圧上昇対策として、太陽光発電出力に応じて進相無効電力を供給する、力率一定制御を要請している。また、SVRなどタップ切り替えにより電圧を制御する機器に対しては、逆潮流に対応可能な制御方式に変えるなどして、対策を講じている。
また、今後、さらなる分散電源の導入に対応するために、集中制御方式が提案されている。集中制御方式とは、配電系統に設置されたセンサや電圧制御機器の計測値を収集し、集中制御装置が各電圧制御機器の制御指令を決定および配信することで、配電系統全体の最適化を図る制御方式である。
この集中制御方式では、通信インフラを整備する必要があるものの、自律分散制御と比較して電圧制御性が高く、今後さらなる分散電源導入の対策として期待されている。
前記の通り、集中制御方式では通信インフラが必要になる。配電系統に接続される機器が多くなるとそれだけ通信量が増加し、必要な通信量が通信設備の能力を上回り、設備増強が必要になる場合がある。
前記の課題を解決するための技術として、特許文献1がある。
特許文献1の[要約]には、「[課題]集中制御を司る集中電圧制御装置から電圧調整機器へ電圧制御の指令値を配信する上での通信量を削減可能な、配電系統の集中電圧制御装置、集中電圧制御方法及び集中電圧制御システムを提供する。[解決手段]配電系統に接続する機器から計測値を収集し、配電系統に接続する電圧調整機器に制御指令を送信する集中電圧制御装置2は、計測値から所定のアルゴリズムに基づいて各電圧調整機器への制御指令値を演算する制御指令値演算部231と、電圧調整機器へ制御指令を送信する優先順位を決定する優先度決定部232と、優先度決定部で決定された優先順位の高いものから配電系統上の通信量の上限値内で電圧調整器を選択する指令値送信対象選択部233と、指令値送信対象選択部で選択された電圧調整機器へ制御指令値演算部で演算した制御指令を送信する送信部212と、を備える。」と記載され、集中電圧制御装置の技術が開示されている。このように、特許文献1では、集中電圧制御システムに備わる優先順位決定部にて、電圧制御機器へ制御指令を送信する優先順位を決定し、優先度決定部で決定された優先順位の高いものから配電系統上の通信量の上限値内で電圧制御機器を選択し、制御指令を送信することで、通信量の増加を抑制している。
特開2019-122135号公報
しかしながら、特許文献1の集中制御電圧システムでは、一通信周期における電圧制御機器への制御指令値送信の優先順位を変更する機能は、備わっているものの、通信周期自体は変化しないため、例えば通信周期が長いと、集中制御装置で用いる制御パラメータと実際の値との差分が大きくなって、電圧変動を抑制できない可能性があるという課題(問題)がある。
本発明は、前記課題に対応するために、配電系統上の通信量の増加を抑制しつつ、配電系統の電圧変動を抑制する集中電圧制御装置を提供することを課題(目的)とする。
前記の課題を解決するために、本発明を以下のように構成した。
すなわち、本発明の集中電圧制御装置は、配電系統に連系する一つ以上の電圧制御機器と一つ以上のセンサとから配電系統の電力に関連する計測値を収集し、前記電圧制御機器へ制御指令値を送信する集中電圧制御装置であって、前記電圧制御機器と前記センサから収集した計測値を用いて前記配電系統の電力に関連する状態を推定し、前記配電系統の電力に関連する系統状態推定値を出力する系統状態推定部と、前記電圧制御機器と前記センサから収集した計測値と前記系統状態推定部で算出された系統状態推定値とを用いて前記電圧制御機器の制御指令値を計算する電圧制御機器指令計算部と、前記電圧制御機器ごとの制御指令値の通信周期を決定する通信周期決定部と、を備えることを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
本発明によれば、配電系統上の通信量の増加を抑制しつつ、配電系統の電圧変動を抑制する集中電圧制御装置を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る集中電圧制御装置の構成例と、この集中電圧制御装置を適用した配電系統の構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る集中電圧制御装置の機能構成例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る集中電圧制御装置の処理のフローチャート例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る集中電圧制御装置の表示部の表示例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る集中電圧制御装置の機能構成例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る集中電圧制御装置の処理のフローチャート例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る集中電圧制御装置の機能構成例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る集中電圧制御装置の処理のフローチャート例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る集中電圧制御装置の処理のフローチャート例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下においては「実施形態」と表記する)を、適宜、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は例であって、説明する具体的内容に発明自体が限定されるものではない。
≪第1実施形態≫
本発明の第1実施形態に係る集中電圧制御装置と集中電圧制御システムの構成について、図1~図4を参照して説明する。なお、以下においては、主として集中電圧制御装置について説明するが、集中電圧制御システムの説明を兼ねる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る集中電圧制御装置1の構成例と、この集中電圧制御装置1を適用した配電系統2の構成例を概念的に示す図である。
図1の上部には配電系統2の構成例を示し、図1の下部には集中電圧制御装置1の構成例を示している。また、図1の上部と図1の下部の間には、配電系統2と集中電圧制御装置1との間を介する通信ネットワーク3を模式的に示している。
<配電系統2の構成>
図1の上部には、配電系統2の構成が例示されている。
図1の上部に例示した配電系統2は、上位送電系統(図示せず)の上位高圧配電線20に配電用変圧器21と母線22を介して接続された高圧配電線31を備える。
高圧配電線31には、適宜、開閉器32、自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)61が設けられており、これらの装置(32,61)を介して高圧の電力(電圧)が配電されている。
また、高圧配電線31には、センサ33、分散電源(DG1)63、負荷(需要家1)71、静止型無効電力補償装置(SVC:Static Var Compensator)62、柱上変圧器41等が配備され、接続されている。
また、前記の柱上変圧器41を介して、低圧配電線42には、分散電源(DG2)64、負荷(需要家2)72等が配備され、接続されている。
上位送電系統の上位高圧配電線20から供給される電力は、配電用変圧器21で、例えば66kVから6.6kVに変圧され、母線22に配電される。
母線22に接続された高圧配電線31には、開閉器32が設けられている。開閉器32を介して、高圧配電線31は高圧の電力(電圧)を配電する。
センサ33は、高圧配電線31の例えば電流および電圧を計測する。なお、センサ33は、高圧配電線31の異なる箇所に複数台設置されてもよい。
また、高圧配電線31には、高圧受電の負荷(需要家1)71が接続され、高圧の電力が前記の負荷(需要家1、高圧需要家)71に配電される。
また、高圧配電線31には、分散電源(DG1)63から電力が供給される。
分散電源(DG1)63は、高圧配電線31に電力を供給するとともに、高圧配電線31の電圧に影響を与える。
また、分散電源(DG1)63は、例えば、太陽光発電や風力発電やマイクロ水力発電で構成する。そのため、自然環境の影響を受ける。すなわち、自然環境によって、分散電源(DG1)63が高圧配電線31に供給する電力や、高圧配電線31に影響を与える電圧が変化する。
また、高圧配電線31は、母線22の接続箇所から遠ざかるにつれ、電圧降下が起こることがある。そのため、高圧配電線31の所定範囲の電圧を保つために、自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)61を設けることがある。
また、高圧配電線31で配電された電力は、柱上変圧器41で100Vもしくは200Vに変圧され、低圧配電線42を介して低圧受電の負荷(需要家2、低圧需要家)72に配電される。
また、低圧配電線42に分散電源(DG2)64から電力が供給されることもある。
なお、分散電源63、64は、前記したように例えば太陽光発電や風力発電などといった再生可能エネルギー電源や蓄電池などであり、高圧配電線もしくは低圧配電線に複数台設置されていることがある。
また、図1においては、高圧配電線31に静止型無効電力補償装置(SVC:Static Var Compensator)62が設けられている。また、図示してはいないが、負荷時タップ切替装置(LRT:Load Ratio Control Transformer)が設けられることもある。
SVR61およびSVC62、さらにLRTは、需要家に供給される電力の電圧を規定範囲に収めること目的として、高圧配電線31に直列もしくは並列に接続される。
なお、配電系統2において、前記の複数の機器のうち、一部が含まれていなくてもよく、構成も限定されるものではない。
SVR61、SVC62、(LRT)は、高圧配電線31の電圧を調整、制御する。また、分散電源63、64は、高圧配電線31または低圧配電線42に電力を供給することによって、高圧配電線31(低圧配電線42)の電圧に影響を与える。そのため、以下において、SVR61、SVC62、(LRT)、分散電源63、64を、適宜、電圧制御機器と呼称(表記)する。
電圧制御機器(61~64)には、通信ネットワーク3を介して集中電圧制御装置1と通信可能な外部コントローラ(図示せず)が併設されている。
外部コントローラは、電圧制御機器(61~64)の制御状態を集中電圧制御装置1へ送信するとともに、また集中電圧制御装置1から制御指令を受信する。外部コントローラが受信する制御指令によって、それぞれの電圧制御機器は動作する。
<集中電圧制御装置1の構成>
図1の下部に示すように、集中電圧制御装置1は、計算機システムで構成されており、表示部101、入力部102、通信部103、プロセッサ104、メモリ105、および各種データベースDB1~DB6を備えている。これらの装置(101~105、DB1~DB6)は、それぞれバス線(バス)106に接続されている。
表示部101は、例えば、ディスプレイ装置である。あるいは、ディスプレイ装置に代えて、またはディスプレイ装置と共に、プリンタ装置や音声出力装置等を用いる構成でもよい。
入力部102は、例えば、キーボードスイッチ、マウス等のポインティング装置、タッチパネル、音声指示装置等の少なくともいずれか一つを備えて構成される。
通信部103は、通信ネットワーク3に接続するための回路、および通信プロトコルを備える。
プロセッサ104は、計算プログラムを実行して、表示すべき画像データの指示や、各種データベース内のデータの検索等を行う。なお、プロセッサ104は、一つまたは複数の半導体チップとして構成してもよいし、または、計算サーバのようなコンピュータ装置として構成してもよい。
メモリ105は、例えば、RAM(Random Access Memory)、およびROM(Read Only Member)を搭載して構成される。例えば、ROMにコンピュータプログラムを記憶したり、RAMに各処理に必要な計算結果データや画像データや処理プログラム等を一時的に記憶したりする。
また、例えば、メモリ105に格納された画面データは、表示部101に送られて表示される。
データベース(DB1~DB6)としては、系統状態計測値データベース(系統状態計測値DB)DB1、系統構成データベースDB2、系統状態推定値データベースDB3、電圧制御機器特性データベースDB4、電圧制御機器制御指令データベースDB5、電圧制御機器通信周期データベースDB6を備える。なお、図1におけるデータベース(DB1~DB6)の名称を示す箇所における「DB」は、「データベース」の意味である。
これらのデータベース(DB1~DB6)に格納されたデータは、配電系統2に設置されたセンサ33および電圧制御機器(61~64)から直接得られた状態量、または状態量を用いた推定処理により二次的に得られた状態量、または集中電圧制御装置1での処理における中間生成物としての状態量、または集中電圧制御装置1での処理における最終生成物としての状態量である。
これらのデータベース(DB1~DB6)の詳細は、後記する。
また、前記の装置(101~105、DB1~DB6)は、互いの情報の信号のやりとりを、バス線(バス)106を介して行う。
<通信ネットワーク3について>
通信ネットワーク3は、図1の上部に例示した配電系統2の各部と、図1の下部に例示した集中電圧制御装置1とを通信回線で接続する。
例えば、センサ33および各電圧制御機器(61~64)で計測された系統状態計測値は、信号に変換され、通信ネットワーク3を介して集中電圧制御装置1の通信部103に送られる。
また、集中電圧制御装置1で算出された電圧制御機器(61~64)への制御指令は、通信ネットワーク3を介して集中電圧制御装置1の通信部103から電圧制御機器(61~64)に併設された外部コントローラ(図示せず)に送信される。
このようにして、センサ33および外部コントローラからは、配電系統2の各種状態量が集中電圧制御装置1に時系列的に収集され、集中電圧制御装置1により算出された各電圧制御機器(61~64)の制御指令が外部コントローラに配信される。
<集中電圧制御装置1の機能構成>
次に、本発明の第1実施形態に係る集中電圧制御装置1の構成および機能について、さらに説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る集中電圧制御装置の機能構成例を概念的に示す図である。
図2において、集中電圧制御装置1は、系統状態計測値データベースDB1、系統構成データベースDB2、系統状態推定値データベースDB3、電圧制御機器特性データベースDB4、電圧制御機器制御指令データベースDB5、電圧制御機器通信周期データベースDB6を備える。なお、図2における名称を示す箇所における「DB」は、前記したように、「データベース」の意味である。また、図2における各種のデータベース(DB1~DB6)は、図1における各種のデータベース(DB1~DB6)に対応する。
また、図2において、集中電圧制御装置1は、系統状態推定部11、電圧制御機器指令計算部12、通信周期決定部13を備える。
なお、図1におけるメモリ105に格納されプロセッサ104で演算を遂行されるプログラム(計算プログラム)の所定の領域に、図2に示す系統状態推定部11、電圧制御機器指令計算部12、通信周期決定部13は、仮想的に存在している。
系統状態推定部11、電圧制御機器指令計算部12、通信周期決定部13は、プロセッサ104による、それぞれの計算に必要なデータを、バス106を介して、系統状態計測値データベースDB1、系統構成データベースDB2、電圧制御機器特性データベースDB4から得る。
そして、プロセッサ104で演算された系統状態推定部11、電圧制御機器指令計算部12、通信周期決定部13のそれぞれの計算結果は、バス106を介して、系統状態推定値データベースDB3、電圧制御機器制御指令データベースDB5、電圧制御機器通信周期データベースDB6に送られる。
<各種のデータベースDB1~DB6>
系統状態計測値データベースDB1には、配電系統2に設置されたセンサ33と電圧制御機器(61~64)から送信された電圧、電流、有効電力、無効電力等の系統状態計測値(電力に関連する計測値)が系列データとして格納されている。
系統構成データベースDB2には、対象とする配電系統の系統インピーダンスや設置されている電圧制御機器など系統構成に関する情報が格納されている。
系統状態推定値データベースDB3には、系統状態推定部11で計算された系統状態(電力に関連する状態)の推定値が時系列データとして格納される。
電圧制御機器特性データベースDB4には、電圧制御機器(61~64)の各種のパラメータが格納されている。例えば、分散電源の場合、定格容量、出力可能な力率範囲、電圧一定(AVR:Automatic Voltage Regulator)運転や、力率一定制御、無効電力出力一定制御などの制御モード情報が格納されている。また、SVRなどのタップ切替を行う電圧制御機器の場合、最大タップ位置、動作整定時間、目標電圧などの制御パラメータが格納されている。
なお、電圧制御機器特性データベースDB4において、電圧制御機器(61~64)の機器情報を格納する領域を「電圧制御機器特性記憶領域」とも呼称する。
電圧制御機器制御指令データベースDB5には、電圧制御機器指令計算部12で計算された電圧制御機器(61~64)の制御指令が時系列データとして格納される。
電圧制御機器通信周期データベースDB6には、通信周期決定部13で計算された電圧制御機器(61~64)の通信周期を時系列データとして格納される。
<系統状態推定部11、電圧制御機器指令計算部12、通信周期決定部13>
系統状態推定部11では、系統状態計測値データベースDB1に格納された電圧、電流、有効電力、無効電力等の系統状態計測値と、系統構成データベースDB2の系統構成データとを入力とし、配電系統の電圧分布および電流分布を演算により推定する。
そして、算出した「系統状態推定値」を系統状態推定値データベースDB3と、電圧制御機器指令計算部12とに送る。
電圧制御機器指令計算部12では、系統状態推定部11で算出された系統状態推定値と、系統構成データベースDB2の系統構成データと、電圧制御機器特性データベースDB4に格納されている電圧制御機器のパラメータを入力とし、電圧制御機器(61~64)の制御指令を計算する。
そして、計算した「電圧制御機器制御指令値」を電圧制御機器制御指令データベースDB5と、通信周期決定部13とに送る。
通信周期決定部13では、電圧制御機器指令計算部12で計算した電圧制御機器制御指令値と、電圧制御機器特性データベースDB4の電圧制御機器の特性データ(機器情報)を入力とし、電圧制御機器指令計算部12で算出された電圧制御機器(61~64)の制御指令値を送信する通信周期を決定する。
そして、決定した電圧制御機器の通信周期を電圧制御機器通信周期データベースDB6に格納する。
<集中電圧制御装置1の処理のフローチャート>
図3は、本発明の第1実施形態に係る集中電圧制御装置1の処理のフローチャート例を示す図である。
《処理ステップS1》
図3において、処理を「開始」すると処理ステップS1となる。
処理ステップS1では、センサ33(図1)および電圧制御機器(61~64:図1)から電圧、電流、有効電力、無効電力等の系統状態計測値を取得する。
取得した系統状態計測値は、適宜、系統状態計測値データベースDB1(図1)に格納される。
《処理ステップS2》
処理ステップS2では、系統状態推定部11(図2)にて、系統状態を推定する。
具体的には、系統状態推定部11で、例えばセンサ33および電圧制御機器(61~64)から取得する電圧、電流、有効電力、無効電力等の系統状態計測値(系統状態計測値データベースDB1参照)と、配電線の各区間における負荷(需要家)の負荷特性の推定値を基に配電線のすべての区間の電流・電圧を推定する状態推定手法を用いて、配電系統の電圧、電流、有効電力、無効電力等の分布(系統状態)を推定する。なお、系統構成データベースDB2の系統構成を参照して、前記の推定を行う。
また、系統状態の推定に用いられる計測値は、例えばセンサ33および電圧制御機器(61~64)の計測時刻が同期された同期時刻情報を用いてもよいし、センサおよび電圧制御機器から受信した最新の計測値を用いてもよい。
算出された推定値は、適宜、系統状態推定値データベースDB3(図1、図2)に格納される。
《処理ステップS3》
処理ステップS3では、電圧制御機器指令計算部12(図2)にて、電力制御機器(61~64)の制御指令値を計算(演算)する。
なお、この計算(演算)においては、系統状態推定部11の出力した系統状態推定値と、系統構成データベースDB2の系統構成と、電圧制御機器特性データベースDB4の電圧制御機器のパラメータと、を参照して実行する。
計算された電圧制御機器(61~64)の制御指令値は、適宜、電圧制御機器制御指令データベースDB5に格納される。
《処理ステップS4》
処理ステップS4では、通信周期決定部13(図2)にて、電圧制御機器(61~64)の通信周期を決定する。制御時定数や出力特性など電圧制御機器の特性に応じて通信周期を決定する。
なお、この通信周期を決定する演算は、電圧制御機器指令計算部12の出力した電圧制御機器制御指令と、電圧制御機器特性データベースDB4の電圧制御機器のパラメータと、を参照して実行する。
設定された各電圧制御機器(61~64)のそれぞれの通信周期は、適宜、電圧制御機器通信周期データベースDB6に格納される。
なお、通信周期を決定するにあたっては、以下の様々な場合と方法がある。
例えば、太陽光発電システムのようにPCS(Power Conditioning Subsystem)を介して系統連系する電圧制御機器の場合、秒オーダーで出力制御が可能なため、通信周期を短く設定することで、効果的に短周期電圧変動を抑制できる。
その逆の例として、集中電圧制御装置1から各電圧制御機器(61~64)への通信量が通信配電系統上の通信量の上限値内に収まるよう、例えばSVRのような制御時定数の長い電圧制御機器の通信周期を長くする場合もある。
《処理ステップS5》
処理ステップS5では、処理ステップS4で設定された電圧制御機器(61~64)のそれぞれの通信周期にしたがって、電圧制御機器(61~64)との通信を実行する。
そして、図3における集中電圧制御装置1のフローチャートの処理を「終了」する。
《処理ステップについての補足》
処理ステップS2では、配電系統の状態推定手法の例を説明し、処理ステップS3では、電圧制御機器の制御指令を算出する手法の例について説明したが、これらの例は、一例であって、これらの手法に限定されるものではない。
<集中電圧制御装置1の表示部>
図4は、本発明の第1実施形態に係る集中電圧制御装置1の表示部101(図1、図4)の表示例を示す図である。
図4において、図4の上の段に、「手動モード」と「自動モード」の表示がある。その下の段に、図1の配電系統2に対応する「配電系統」が、各配電構成要素における電圧と電流とともに表示されている。さらにその下の段に「タップ制御機器」に関する情報が表示されている。また、さらにその下の段に「その他電圧制御機器」に関する情報が表示されている。
前記の図4の上の段における「手動モード」と「自動モード」は、通信方法の選択、あるいは選択された通信方法を表示する。
「手動モード」とは、集中電圧制御装置1が各電圧制御機器との通信周期の設定あるいは変更を、手動で実施可能なモードである。
「自動モード」とは、図3に示す集中電圧制御装置1の処理フローチャートに従って算出された電圧制御機器の通信周期に従って、通信を行うモードである。
図4において、「手動モード」、「自動モード」の欄の下に、配電系統が模式的に示されている。
「配電系統」は、例えば、配電系統2に対応する配電系統を各配電構成要素(母線、高圧配電線、開閉器、センサ、分散電源DG1、需要家1、SVR、SVC、柱上変圧器、低圧配電線、分散電源DG2、需要家2等)が表示されている。また、所定の設備(母線、センサ、分散電源DG1、SVR、SVC、分散電源DG2等)における電圧と電流が表示されている。
また、「〇タップ制御機器」の項目が表示されている。
「タップ制御機器」としては、自動電圧調整器(SVR:Step Voltage Regulator)、負荷時タップ切替装置(LRT:Load Ratio Control Transformer)が例として表示されている。そして、「タップ制御機器」としてのSVR、LRTについて、それぞれ「最大タップ」、「現在タップ位置」、「出力電圧[V]」、「通信周期[秒]」の各値が表示されている。
また「〇その他電圧制御機器」の項目が表示されている。
「その他の電圧制御機器」における「電圧制御機器」としては、静止型無効電力補償装置(SVC:Static Var Compensator)、分散電源DG1、分散電源DG2が例として表示されている。
そして、「電圧制御機器」としてのSVC、DG1、DG2について、それぞれ「容量[kVA]」、「有効電力[kW]」、「無効電力[kVar]」、「通信周期[秒]」の各値が表示されている。
図4において、「〇タップ制御機器」における「タップ制御機器」としてのSVR、LRTの「通信周期[秒]」は、「〇その他電圧制御機器」における「電圧制御機器」としてのSVC、DG1、DG2の「通信周期[秒]」に比較して非常に長い。
なお、「〇その他電圧制御機器」における「電圧制御機器」の電圧に関する項目を省略している。その理由は、配電系統における電圧の配分が決まると、定格電圧としは、自明の項目であるので、図4における表示部101での表示を省略している。ただし、「配電系統」の表示においては、前記したように、電圧制御機器(DG1、SVR、DG2、SVC)の電圧と電流が表示されている。
また、図4の表示部101の表示例は一例であって、必要に応じて項目を追加、もしくは削除する。
以上のように、表示部101では、当該配電系統の電圧分布、電圧制御機器61~64への制御指令と通信周期が表示される。
また、図3に示す集中電圧制御装置1の処理のフローチャートで算出された電圧制御機器の通信周期に従って通信を行う自動モードと、手動で各電圧制御機器との通信周期を設定可能な手動モードとを変更できるようにしても良い。
<第1実施形態の総括>
以上のように、本発明の第1実施形態の集中電圧制御装置1では、電圧制御機器の特性や配電系統の系統状態(配電系統の電圧分布)に応じて、電圧制御機器への制御指令の通信周期を動的に変化させる(通信周期が動的に変化する)。
この制御方法をとることによって、配電系統2、および集中電圧制御装置1の通信量の増加を抑制しつつ、配電系統2における電圧変動を抑制する。
<第1実施形態の効果>
本発明の第1実施形態によれば、電圧制御機器の特性や配電系統の電圧分布に応じて、集中電圧制御装置1の電圧制御機器への制御指令の通信周期を変化させることで、通信量の増加を抑制しつつ、配電系統の電圧変動を抑制できる。すなわち、配電系統上の通信量の増加を抑制しつつ、配電系統の電圧変動を抑制する集中電圧制御装置を提供できる。
≪第2実施形態≫
本発明の第2実施形態に係る集中電圧制御装置1Bを、図5を参照して、説明する。なお、第1実施形態で説明した内容と重複する説明については省略する。
<集中電圧制御装置1Bの機能構成>
図5は、本発明の第2実施形態に係る集中電圧制御装置1Bの機能構成例を概念的に示す図である。
図5に示す第2実施形態の集中電圧制御装置1Bの機能構成が、図2に示した第1実施形態の集中電圧制御装置1の機能構成と異なるのは、電圧制御優先順位決定部14を更に備える点にある。
電圧制御優先順位決定部14は、系統状態推定部11で算出された系統電圧推定値を用いて電圧制御機器(61~64:図1)の優先順位を算出する。
より具体的には、系統状態推定部11で算出された配電系統の電圧分布と予め設定された基準電圧分布との差分を算出し、その差分に応じて電圧制御機器の通信優先順位を電圧制御優先順位決定部14が決定する。
そして、その「電圧制御機器優先順位」の情報を通信周期決定部13に送る。
図5に示す第2実施形態の集中電圧制御装置1Bの通信周期決定部13においては、図2で説明した電圧制御機器指令計算部12で計算した電圧制御機器制御指令値と、電圧制御機器特性データベースDB4の電圧制御機器の特性データと、さらに図5の電圧制御優先順位決定部14の「電圧制御機器優先順位」の情報と、を基に電圧制御機器指令計算部12で算出された電圧制御機器(61~64)の制御指令値を送信する通信周期を決定する。
そして、決定した電圧制御機器の通信周期を電圧制御機器通信周期データベースDB6に格納する。
なお、図5に示す機能構成が図2に示した機能構成と異なるのは、前記したように、電圧制御優先順位決定部14であって、他の機能構成は概ね同じであるので、重複する説明は省略する。
<集中電圧制御装置1Bの処理のフローチャート>
次に、図5に示す電圧制御優先順位決定部14の処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る集中電圧制御装置1Bの処理のフローチャート例を示す図である。
図6において処理ステップS1~S3、S5は、図3における処理ステップS1~S3、S5と同一である。
図3における処理ステップS4の代りに、図6においては、処理ステップS3B~S4Bを設けた。この図6における処理ステップS3B~S4Bが、図5における電圧制御優先順位決定部14の処理動作に関わっている。
《処理ステップS1~S3》
図6において、前記したように、処理ステップS1~S3は、図3と同一であるので、重複する説明は省略する。
処理ステップS3が終了すると、次の処理ステップS3Bに進む。
《処理ステップS3B》
図6において、処理ステップS3Bでは、系統状態推定部11(図5)で算出された配電系統の電圧分布(系統状態)の推定値を用いて、各電圧制御機器の連系点電圧と予め設定された電圧基準値との差分を算出し、算出した差分が大きい順に並べ、電圧制御機器の電圧制御優先順位を決定する。
処理ステップS3Bが終了すると次の処理ステップS4Bに進む。
《処理ステップS4B》
図6において、処理ステップS4Bでは、電圧制御機器の特性(特性データ)に加え、ステップS3Bで算出された電圧制御優先順位を参照し、各電圧制御機器の通信周期を決定する。
処理ステップS4Bが終了すると、処理ステップS5に進む。
《処理ステップS5》
処理ステップS5は、前記したように、図3と同一であるので、重複する説明は省略する。
<第2実施形態の効果>
第1実施形態では、電圧制御機器の特性のみで通信周期を決定したが、第2実施形態では系統状態(電圧分布)も考慮して通信周期を決定する。そのため、集中電圧制御装置1Bの電圧変動抑制効果の向上に貢献できる。
≪第3実施形態≫
本発明の第3実施形態に係る集中電圧制御装置1Cを、図7を参照して、説明する。なお、第1実施形態で説明した内容と重複する説明については省略する。
<集中電圧制御装置1Cの機能構成>
図7は、本発明の第3実施形態に係る集中電圧制御装置1Cの機能構成例を概念的に示す図である。
図7に示す第3実施形態の集中電圧制御装置1Cの機能構成が、第1実施形態の集中電圧制御装置1の機能構成と異なるのは、発電予測値データベースDB7を更に備える点にある。
発電予測値データベースDB7には、分散電源の発電予測値が格納されている。なお、この分散電源の発電予測値が格納されている領域を発電予測値記憶領域とも呼称する。
その上で通信周期決定部13(図7)は、通信周期決定の際に電圧制御機器の特性データの他に分散電源の発電予測値を併用することで、今後の動向を含めた通信周期の決定を実現する。
例えば電圧制御機器として分散電源である太陽光発電を対象とした場合、晴れと曇りを繰り返すことで発電電力が急峻に変化する時間帯において、太陽光発電との通信周期を短くすることによって、太陽光発電が配電系統に及ぼす影響を最小化できる。
<集中電圧制御装置1Cの処理のフローチャート>
図8は、本発明の第3実施形態に係る集中電圧制御装置1Cの処理のフローチャート例を示す図である。
図8において処理ステップS1~S3、S5は、図3における処理ステップS1~S3、S5と同一である。
図3における処理ステップS4の代りに、図8においては、処理ステップS4Cを設けた。この図8における処理ステップS4Cが、図7における発電予測値データベースDB7を参照する処理動作に関わっている。
《処理ステップS1~S3》
図8において、前記したように、処理ステップS1~S3は、図3と同一であるので、重複する説明は省略する。
処理ステップS3が終了すると次の処理ステップS4Cに進む。
《処理ステップS4C》
図8において、処理ステップS4Cでは、電圧制御機器の特性データに加え、分散電源の発電予測値を用いて、電圧制御機器の通信周期を決定する。
発電予測値を用いた通信周期決定方法として、例えば、電圧制御機器として太陽光発電を対象とした場合、現在の有効電力出力値と一通信周期後の発電予測値との差分を算出し、この差分が大きい太陽光発電の通信周期を優先して短くするなど現在値と予測値との二点データを用いた通信周期の決定方法がある。
この他にも、例えば30分間の発電予測値における標準偏差を算出し、この標準偏差の大きい太陽光発電の通信周期を優先して短くするなど、発電予測の複数データを用いた通信周期の決定方法がある。
処理ステップS4Cが終了すると、処理ステップS5に進む。
《処理ステップS5》
図8における処理ステップS5は、前記したように、図3における処理ステップS5と同じであるので、重複する説明は省略する。
<第3実施形態の効果>
以上のように、分散電源の発電予測値を考慮した電圧制御機器の通信周期を決定することで、通信量の増加を抑制しつつ、集中電圧制御装置の電圧変動抑制効果を向上できる。
≪第4実施形態≫
本発明の第4実施形態に係る集中電圧制御装置1の処理のフローチャート例を、図9を参照して説明する。なお、集中電圧制御装置1の機能構成例は、図2に示す第1実施形態に係る集中電圧制御装置1の機能構成例と同じであり、第1実施形態で説明した内容と重複する説明については省略する。
<集中電圧制御装置1の変形例の処理のフローチャート>
図9は、本発明の第4実施形態に係る集中電圧制御装置1の処理のフローチャート例を示す図である。
図9において処理ステップS1~S5は、図3における処理ステップS1~S5と同一である。図9において、処理ステップS0A、S0Bが新たに設けられている。
《処理ステップS0A》
図9において、新たに設けられた処理ステップS0Aでは、対象の配電系統2(図1)の系統構成に変化があるかどうか判別する。
系統構成に変化がある場合(Yes)は、処理ステップS0Bへ進む。
系統構成に変化がない場合(No)は、処理ステップS1へ進む。
なお、対象の配電系統2(図1)の系統構成に変化があるかどうか判別するにあたっては、集中電圧制御装置1(図2)における系統構成データベースDB2を参照するが、系統構成データベースDB2(系統構成記憶領域)には、配電系統の系統構成が変更された際に、変更後の系統構成を新たに記憶する機能と領域(系統構成記憶領域)がある。
《処理ステップS0B》
図9において、新たに設けられた処理ステップS0Bでは、変更後の系統構成(図1)を系統構成データベースDB2(図1)に反映する。
例えば、配電系統線路の一部区間で永久故障が発生し、故障点近傍の区分開閉器を開放することで故障区間が除去された場合、故障前後で系統構成が変化する。
このとき、故障後の系統構成を系統構成データベースDB2に反映することによって、例えば、故障区間近隣に設置されている電圧制御機器の通信周期を短くすることで、故障後の不安定化しやすい配電系統においても、集中電圧制御装置が配電系統の安定運用に貢献できる。
この他にも系統構成が変化する例として、過負荷回避や系統電流の調整など配電系統を適切に運用するために、常時開放されている開閉器を投入し、系統切替を実施するなどがあげられる。
このとき、系統切替後の系統構成を系統構成データベースDB2に反映することによって、例えば、系統切替された区間近隣に設置された電圧制御機器の通信周期を短くすることで、集中電圧制御装置は、系統切替の目的である配電系統の適正運用効果を高めることができる。
以上の処理ステップS0Bが完了すると、処理ステップS1に進む。
《処理ステップS1~S5》
前記したように、図9のフローチャートにおいて、処理ステップS1~S5は、図3のフローチャートにおける処理ステップS1~S5と同一であるので、重複する説明は省略する。
<第4実施形態の効果>
系統変化の有無を、集中電圧制御装置1の処理のフローチャートの冒頭に実施することにより、最新の系統構成を系統構成データベースDB2に反映し、適正な電圧制御機器の通信周期を決定できる。
例えば配電系統線路の一部区間で永久故障が発生した場合、故障区間近隣に設置されている電圧制御機器の通信周期を短くすることで、故障後の不安定化しやすい配電系統においても、集中電圧制御装置が配電系統の安定運用に貢献できる。
また、例えば系統切替された区間近隣に設置された電圧制御機器の通信周期を短くすることで、集中電圧制御装置は系統切替の目的である配電系統の適正運用効果を高めることができる。
≪その他の実施形態≫
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものでなく、さらに様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、本発明を分かりやすく説明するために、詳細に説明したものであり、必ずしも説明したすべての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成の一部で置き換えることが可能であり、さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成の一部または全部を追加・削除・置換をすることも可能である。
以下に、その他の実施形態や変形例について、さらに説明する。
《集中電圧制御装置1の処理のフローチャートの処理ステップ》
図3に示した集中電圧制御装置1の処理のフローチャートの処理ステップS4においては、制御時定数や出力特性などの電圧制御機器の特性に応じて通信周期を決定することを説明した。
しかし、この決定方法に限定されない。
この他にも、PCS(Power Conditioning System)を介し系統連系する電圧制御機器の制御モードに応じて、通信周期を決定してもよい。
例えば、PCSが有効電力出力に応じて進相無効電力を供給する力率一定制御を行っている場合に、無効電力出力が急峻に変動し、電圧変動を誘起する可能性がある。そのため、通信周期を短くし、電圧変動を抑制する。
一方で、PCSが無効電力出力一定制御を行っている場合、有効電力出力に係らず無効電力出力は一定のため、通信周期を長くすることで通信量を削減可能である。
《集中電圧制御装置1の処理のフローチャートの処理ステップの処理位置》
図3に示した処理のフローチャートの処理ステップにおいては、処理ステップS3の後に、処理ステップS4を実施する例を示した。しかし、この順に限定される訳ではない。
処理ステップS4の処理を、処理ステップS2および処理ステップS3の前に実施してもよい。また、処理ステップS2および処理ステップS3と並列で実行してもよい。
また、図6に示した処理のフローチャートの処理ステップにおいては、処理ステップS3の後に、処理ステップS3B~S4Bを実施する例を示した。しかし、この順に限定される訳ではない。
処理ステップS3B~S4Bの処理を、処理ステップS2および処理ステップS3の前に実施してもよい。
《集中電圧制御装置の演算方法の組み合わせ》
第1実施形態の集中電圧制御装置1では、図2に示すように、電圧制御機器特性データベースDB4(電圧制御機器特性記憶領域)に電圧制御機器(61~64)の各種のパラメータが格納されており、このデータを参照して、電圧制御機器の通信周期を算出していることを説明した。
また、第2実施形態の集中電圧制御装置1Bでは、図5に示すように、第1実施形態の集中電圧制御装置1の構成例に対して、新たに電圧制御優先順位決定部14を設ける構成例を説明した。
また、第3実施形態の集中電圧制御装置1Cでは、図7に示すように、第1実施形態の集中電圧制御装置1の構成例に対して、新たに発電予測値データベースDB7を設ける構成例を説明した。
また、第4実施形態の集中電圧制御装置1の処理のフローチャート例では、図9の説明でしたように、系統構成データベースDB2(系統構成記憶領域)には、配電系統の系統構成が変更された際に、変更後の系統構成を新たに記憶する機能と領域(系統構成記憶領域)があり、図9において、新たに設けられた処理ステップS0Bでは、変更後の系統構成(図1)を系統構成データベースDB2(図1)に反映し、この変更後の系統構成で電圧制御機器の通信周期を算出していることを説明した。
しかし、これらに限定されない。第2実施形態の集中電圧制御装置1Bで説明した図5における電圧制御優先順位決定部14と、第3実施形態の集中電圧制御装置1Cで説明した図7における発電予測値データベースDB7とを、共に、図1における集中電圧制御装置1に新たに設けてもよい。
また、第4実施形態の集中電圧制御装置1の処理のフローチャート例(図9)で説明した、変更後の系統構成を新たに記憶する機能と領域(系統構成記憶領域)を系統構成データベースDB2に設ける方法を、前記した第2実施形態の集中電圧制御装置1Bの図5における電圧制御優先順位決定部14を設ける方法や、前記した第3実施形態の集中電圧制御装置1Cの図7における発電予測値データベースDB7を設ける方法と組み合わせてもよい。
また、基本的な第1実施形態の集中電圧制御装置1における電圧制御機器特性データベースDB4(電圧制御機器特性記憶領域)に電圧制御機器(61~64)の各種のパラメータを参照して、電圧制御機器の通信周期を算出している方法を、以上の組み合わせに加えることも当然可能である。
また、以上の4手段の方法をすべて組み合わせてもよい。
これら各種の方法の組み合わせによって、通信周期を決定すれば、電圧変動の抑制と、通信量の削減が、より効果的になる。
《配電系統の系統構成変更の情報入力》
図9に示す第4実施形態の処理のフローチャートの処理ステップにおいては、処理ステップS0Aによって、対象の配電系統2(図1)の系統構成に変化があるかどうか判別し、処理ステップS0Bによって、変更後の系統構成(図1)を系統構成データベースDB2(図1)に反映していた。
しかし、対象の配電系統2(図1)の系統構成に変化についての把握方法は、前記の方法に限定されない。
例えば、系統構成変更後の新たな系統構成は、入力部102から入力してもよい。
また、配電系統運用に係る別システムから自動的に入力されるようにしてもよい。
《集中電圧制御システムによる集中電圧制御装置の構成》
前記した実施形態では、1台の計算機としての集中電圧制御装置1の例を示したが、系統状態推定部を有する計算装置と、電圧制御機器指令計算部を有する計算装置と、通信周期決定部を有する計算装置とが、ネットワークを介して接続された態様の集中電圧制御システムと構成してもよい。また、各種DBも、ネットワークを介して接続される態様のものでもよい。
1、1B、1C 集中電圧制御装置
2 配電系統
3 通信ネットワーク
11 系統状態推定部
12 電圧制御機器指令計算部
13 通信周期決定部
14 電圧制御優先順位決定部
20 上位高圧配電線
21 配電用変圧器
22 母線
31 高圧配電線
32 開閉器
33 センサ
41 柱上変圧器
42 低圧配電線
61 自動電圧調整器(SVR)、電圧制御機器
62 静止型無効電力補償装置(SVC)、電圧制御機器
63、64 分散電源(DG1、DG2)、電圧制御機器
71 負荷(需要家1、高圧需要家)
72 負荷(需要家2、低圧需要家)
101 表示部
102 入力部
103 通信部
104 プロセッサ
105 メモリ
106 バス線(バス)
DB1 系統状態計測値データベース(系統状態計測値DB)
DB2 系統構成データベース(系統構成DB)、系統構成記憶領域
DB3 系統状態推定値データベース(系統状態推定値DB)
DB4 電圧制御機器特性データベース(電圧制御機器特性DB)、電圧制御機器特性記憶領域
DB5 電圧制御機器制御指令データベース(電圧制御機器制御指令DB)
DB6 電圧制御機器通信周期データベース(電圧制御機器通信周期DB)
DB7 発電予測値データベース(発電予測値DB)、発電予測値記憶領域

Claims (10)

  1. 配電系統に連系する一つ以上の電圧制御機器と一つ以上のセンサとから配電系統の電力に関連する計測値を収集し、前記電圧制御機器へ制御指令値を送信する集中電圧制御装置であって、
    前記電圧制御機器と前記センサから収集した計測値を用いて前記配電系統の電力に関連する状態を推定し、前記配電系統の電力に関連する系統状態推定値を出力する系統状態推定部と、
    前記電圧制御機器と前記センサから収集した計測値と前記系統状態推定部で算出された系統状態推定値とを用いて前記電圧制御機器の制御指令値を計算する電圧制御機器指令計算部と、
    前記電圧制御機器ごとの制御指令値の通信周期を決定する通信周期決定部と、
    を備える、
    ことを特徴とする集中電圧制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記通信周期決定部で決定される制御指令値の通信周期は、動的に変化する、
    ことを特徴とする集中電圧制御装置。
  3. 請求項2において、
    前記通信周期は、前記電圧制御機器の特性や前記配電系統の電圧分布に応じて、動的に変化する、
    ことを特徴とする集中電圧制御装置。
  4. 請求項2において、
    前記集中電圧制御装置は、前記電圧制御機器の機器情報を格納する電圧制御機器特性記憶領域を備え、
    前記通信周期決定部は、前記電圧制御機器特性記憶領域に格納された電圧制御機器の機器情報に応じて通信周期を決定する、
    ことを特徴とする集中電圧制御装置。
  5. 請求項2において、
    前記集中電圧制御装置は、前記系統状態推定部で算出された前記配電系統の電圧分布と予め設定された基準電圧分布との差分を算出し、その差分に応じて電圧制御機器の通信優先順位を決定する電圧制御優先順位決定部を備え、
    前記通信周期決定部で決定される通信周期は、前記電圧制御優先順位決定部で決定された電圧制御機器の通信優先順位に応じて通信周期を設定する、
    ことを特徴とする集中電圧制御装置。
  6. 請求項2において、
    前記集中電圧制御装置は、電圧制御機器として分散電源が含まれる際に、前記の分散電源の発電予測値を格納する発電予測値記憶領域を備え、
    前記通信周期決定部は、前記発電予測値記憶領域に格納された前記分散電源の発電予測値に応じて通信周期を決定する、
    ことを特徴とする集中電圧制御装置。
  7. 請求項2において、
    前記集中電圧制御装置は、前記配電系統の系統構成を記憶する系統構成記憶領域を備え、
    前記系統構成記憶領域は、前記配電系統の系統構成が変更された際に、変更後の配電系統の系統構成を新たに記憶し、
    前記通信周期決定部は、変更後の配電系統の系統構成を参照して通信周期を決定する、
    ことを特徴とする集中電圧制御装置。
  8. 集中電圧制御装置の通信周期決定方法であって、
    請求項4から請求項7のいずれか一項に記載の集中電圧制御装置における通信周期を決定する方法を複数組み合わせる、
    ことを特徴とする集中電圧制御装置の通信周期決定方法。
  9. 配電系統に連系する一つ以上の電圧制御機器と一つ以上のセンサとから配電系統の電力に関連する計測値を収集し、前記電圧制御機器へ制御指令値を送信する集中電圧制御システムであって、
    前記電圧制御機器と前記センサから収集した計測値を用いて前記配電系統の電力に関連する状態を推定し、前記配電系統の電力に関連する系統状態推定値を出力する系統状態推定部を有する計算装置と、
    前記電圧制御機器と前記センサから収集した計測値と前記系統状態推定部を有する計算装置で算出された系統状態推定値を用いて前記電圧制御機器の制御指令値を計算する電圧制御機器指令計算部を有する計算装置と、
    前記電圧制御機器ごとの制御指令値の通信周期を決定する通信周期決定部を有する計算装置と、
    を備える、
    ことを特徴とする集中電圧制御システム。
  10. 請求項1に記載の集中電圧制御装置を備える配電系統の分散電源システムであって、
    さらに、分散電源を備える、
    ことを特徴とする分散電源システム。
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