JP2022079441A - 樹脂組成物 - Google Patents

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猛 八月朔日
Takeshi Hozumi
純一 田部井
Junichi Tabei
光太郎 ▲杉▼原
Kotaro Sugihara
豊誠 高橋
Toyomasa Takahashi
剛 古川
Tsuyoshi Furukawa
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Abstract

【課題】フレキシブル性(柔軟性)、耐久性に優れたベイパーチャンバーの効率のよい製造に用いることができる樹脂組成物を提供すること。【解決手段】本発明の樹脂組成物は、内部に空洞部を有するコンテナと、前記空洞部に配置され前記コンテナの厚さ方向の変形を防止する機能を有する変形防止部材と、前記空洞部に配置された作動液とを有するベイパーチャンバーの変形防止部材の製造に用いられる樹脂組成物であり、フォトリソグラフィー後の熱処理により接着性を発現することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関するものである。
例えば、携帯端末やタブレット端末といったモバイル端末等で使用される中央演算処理装置(CPU)や発光ダイオード(LED)、パワー半導体等の発熱部材は、ヒートパイプ、ベイパーチャンバーによって冷却されている。
ベイパーチャンバー内(コンテナ内)には、作動液(作動流体)が封入されており、また、ベイパーチャンバーの不本意な変形を防止するためのピラー等の部材が、ろう付けでコンテナに固定されている(例えば、特許文献1参照)。作動液が発熱部材の熱を吸収して外部に放出することで、発熱部材の冷却を行っている。
より具体的には、ベイパーチャンバー内の作動液は、発熱部材に近接した部分(蒸発部)で発熱部材から熱を受けて蒸発して蒸気になり、その後蒸気が、蒸発部から離れた位置に移動して冷却され、凝縮して液状になる。
ベイパーチャンバー内には、毛細管構造(ウィック)としての液流路部が設けられており、液状になった作動液は、この液流路部を通過して蒸発部に向かって輸送され、再び蒸発部で熱を受けて蒸発する。
このようにして、作動液が、相変化、すなわち蒸発と凝縮とを繰り返しながらベイパーチャンバー内を還流することによりデバイスの熱を移動させ、放熱効率を高めている。
しかしながら、従来のベイパーチャンバーでは、フレキシブル性(柔軟性)が不足しており、発熱部材の形状等によっては、発熱部材との密着性を十分に優れたものとすることができないことがあった。また、従来では、ベイパーチャンバーの製造過程において、ピラー等の部材をろう付けで固定する工程が必要であるため、ベイパーチャンバーの生産性に劣るという問題があった。
WO2017/104819
本発明の目的は、フレキシブル性(柔軟性)、耐久性に優れたベイパーチャンバーの効率のよい製造に用いることができる樹脂組成物を提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(7)の本発明により達成される。
(1) 内部に空洞部を有するコンテナと、前記空洞部に配置され前記コンテナの厚さ方向の変形を防止する機能を有する変形防止部材と、前記空洞部に配置された作動液とを有するベイパーチャンバーの前記変形防止部材の製造に用いられる樹脂組成物であり、
フォトリソグラフィー後の熱処理により接着性を発現することを特徴とする樹脂組成物。
(2) 前記熱処理の加熱温度は、80℃以上250℃以下である上記(1)に記載の樹脂組成物。
(3) 樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性樹脂と、前記アルカリ可溶性樹脂とは異なる熱硬化性樹脂とを含むものである上記(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 前記アルカリ可溶性樹脂は、(メタ)アクリル基とフェノール性水酸基とを含むもの、または、(メタ)アクリル基とカルボキシル基とを含むものである上記(3)に記載の樹脂組成物。
(5) 前記変形防止部材は、ウィックとして機能する繊維と一体的に形成されるものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(6) 前記繊維は、ガラス繊維である上記(5)に記載の樹脂組成物。
(7) 前記コンテナは、少なくとも前記変形防止部材と接触する部位が、CuまたはCu合金で構成されたものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の樹脂組成物。
本発明によれば、フレキシブル性(柔軟性)、耐久性に優れたベイパーチャンバーの効率のよい製造に用いることができる樹脂組成物を提供することができる。
ベイパーチャンバーの一例を模式的に示す縦断面図である。 ベイパーチャンバーの他の一例を模式的に示す縦断面図である。 ベイパーチャンバーの他の一例を模式的に示す縦断面図である。 ベイパーチャンバーの他の一例を模式的に示す縦断面図である。 ベイパーチャンバーが備えるウィック構造体を模式的に示す平面図である。 ベイパーチャンバー製造用部材の一例を模式的に示す斜視図である。 ベイパーチャンバー製造用部材の一例を模式的に示す縦断面図である。 ベイパーチャンバー製造用部材の他の一例を模式的に示す縦断面図である。 ベイパーチャンバー製造用部材の他の一例を模式的に示す縦断面図である。 ベイパーチャンバーの製造方法の一例を模式的に示す縦断面図である。 ベイパーチャンバーの製造方法の一例を模式的に示す縦断面図である。
以下、添付図を参照しつつ、本発明について詳細に説明する。
[1]ベイパーチャンバー
まず、本発明の樹脂組成物を用いて製造されるベイパーチャンバーについて説明する。
図1は、ベイパーチャンバーの一例を模式的に示す縦断面図である。図2~図4は、それぞれ、ベイパーチャンバーの他の一例を模式的に示す縦断面図である。図5は、ベイパーチャンバーが備えるウィック構造体を模式的に示す平面図である。なお、図5中、繊維131の図示は省略した。以下の説明では、ベイパーチャンバー100は、図1~図4中の下側の面(第1のシート材21の表面)において、ベイパーチャンバー100が適用される部材(発熱部材)と接触する場合について中心的に説明するが、図1~図4中の上側の面において、ベイパーチャンバー100が適用される部材(発熱部材)と接触するようにして用いてもよい。また、図1~図4では、第1のシート材21が下側を向く状態を示しているが、ベイパーチャンバー100の使用時におけるベイパーチャンバー100の向きは、特に限定されず、例えば、第1のシート材21が上側を向く状態で用いてもよい。
ベイパーチャンバー100は、内部に空洞部を有するコンテナ20と、前記空洞部に配置され、コンテナ20の厚さ方向の変形を防止する機能を有する変形防止部材10と、前記空洞部に配置された作動液(作動流体)30とを有している。
そして、変形防止部材10は、後に詳述する本発明の樹脂組成物を用いて製造されたものである。
これにより、変形防止部材10とコンテナ20との密着性が優れたものとなり、ベイパーチャンバー100は、フレキシブル性(柔軟性)および耐久性に優れたものとなる。また、ベイパーチャンバー100のフレキシブル性(柔軟性)を優れたものとすることができるため、ベイパーチャンバー100が適用される部材や配置等によらず、ベイパーチャンバー100と前記部材との密着状態を良好なものとすることができ、実質的な熱輸送能力をより確実に優れたものとすることができる。
[1-1]コンテナ
コンテナ20は、変形防止部材10および作動液30を収納するものであり、主に、蒸発部においては、例えば、発熱部材のような冷却すべき部材と接触し、コンテナ20の内部に収納された作動液30に伝熱する機能を発揮し、凝縮部においては、気体状態から液体状態に相転移する作動液30から受け取った熱を放熱する機能を有している。
コンテナ20は、熱伝導性の高い材料で構成されているが、特に、金属材料で構成されたものであるのが好ましい。
金属材料は、一般に、高い熱伝導性を有するとともに、強度、延展性等にも優れている。したがって、例えば、ベイパーチャンバー100が適用される部材(例えば、発熱部材のような冷却すべき部材等)に対する形状追従性、密着性を特に優れたものとすることができ、ベイパーチャンバー100としての実質的な熱輸送能力を特に優れたものとすることができるとともに、ベイパーチャンバー100の耐久性を特に優れたものとすることができる。特に、金属製の比較的薄いシート材を用いてコンテナ20を好適に形成することができるため、ベイパーチャンバー100の薄型化、ベイパーチャンバー100の原料コストの低減等の観点からも有利である。
コンテナ20を構成する金属材料としては、例えば、Cu、Al、Mg、Znやこれらのうち少なくとも1種を含む合金等が挙げられる。
中でも、コンテナ20を構成する金属材料は、CuまたはCu合金であるのが好ましい。
これにより、金属材料で構成されたコンテナ20を備えることによる効果をより顕著に発揮させることができる。すなわち、CuまたはCu合金は、各種金属材料の中でも、比較的安価であるとともに、特に優れた熱伝導性、延展性を有しているため、ベイパーチャンバー100が適用される部材(例えば、発熱部材のような冷却すべき部材等)に対する形状追従性、密着性を特に優れたものとすることができ、ベイパーチャンバー100としての実質的な熱輸送能力をさらに優れたものとすることができる。また、ベイパーチャンバー100の耐久性をさらに優れたものとすることができる。
また、コンテナ20のうち少なくとも変形防止部材10と接触する部位が、CuまたはCu合金で構成されたものであると、変形防止部材10とコンテナ20との密着性、ベイパーチャンバー100の耐久性、信頼性をより優れたものとすることができる。
コンテナ20が金属製のシート材が接合して構成されるものである場合、当該シート材の厚さは、12μm以上70μm以下であるのが好ましく、18μm以上35μm以下であるのがより好ましい。
これにより、ベイパーチャンバー100の薄型化、フレキシブル性(柔軟性)や熱輸送能力のさらなる向上、ベイパーチャンバー100の原料コストの低減等の観点から特に有利であるとともに、ベイパーチャンバー100の耐久性、信頼性をより優れたものとすることができる。
図示の構成では、コンテナ20は、第1のシート材21および第2のシート材22を用いて形成されている。
第1のシート材21と第2のシート材22とは、同一の材料で構成されていてもよいし、異なる材料で構成されていてもよい。
また、第1のシート材21と第2のシート材22とは、同一の厚さのものであってもよいし、異なる厚さのものであってもよい。
第1のシート材21と第2のシート材22とは、これらの外周部において、封止部23により封止されている。これにより、変形防止部材10および作動液30が収納された空洞部が密封されており、液密状態、気密状態が保たれている。
封止部23は、例えば、第1のシート材21または第2のシート材22と同一の材料で構成されていてもよいし、第1のシート材21および第2のシート材22と異なる材料で構成されていてもよい。
封止部23は、例えば、メッキアップ、レーザー溶接、シーム溶接、冷間圧接、拡散接合、ろう付け、接着により形成することができる。
[1-2]変形防止部材
変形防止部材10は、コンテナ20の厚さ方向の変形(例えば、作動液30の沸点を下げるために空洞部を減圧する際の変形等)を防止する機能を有する部材である。
このような変形防止部材10がコンテナ20の空洞部に配置されていることにより、コンテナ20の空洞部に作動液30の流路を好適に確保することができ、コンテナ20の変形により空洞部における作動液30の流動が阻害されてしまうことを効果的に防止することができる。
変形防止部材10は、後に詳述する本発明の樹脂組成物を用いて製造されたものであり、樹脂硬化物を含む物である。
変形防止部材10は、作動液30の流路壁16として機能する部位を有するものであり、変形防止部材10の流路壁16が配されていない部位が作動液30の流路部分15となっている。
流路壁16の幅(流路壁16の長手方向に直交する断面での幅)は、特に限定されないが、10μm以上1000μm以下であるのが好ましく、20μm以上500μm以下であるのがより好ましい。
これにより、コンテナ20の厚さ方向の不本意な変形を十分に防止しつつ、ベイパーチャンバー100のフレキシブル性(柔軟性)を特に優れたものとすることができる。
図示の構成では、変形防止部材10は、その長手方向に延在する流路壁16として機能する部位を複数有している。
隣り合う流路壁16の間隔S(すなわち、流路部分15の幅)は、特に限定されないが、100μm以上1000μm以下であるのが好ましく、200μm以上800μm以下であるのがより好ましく、300μm以上700μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、変形防止部材10、ベイパーチャンバー100の大型化を抑制しつつ、作動液30(気体状の作動液30および液状の作動液30)の移動をより円滑に行わせることができる。また、コンテナ20の厚さ方向の不本意な変形を十分に防止しつつ、ベイパーチャンバー100のフレキシブル性(柔軟性)を特に優れたものとすることができる。
流路部分15の幅S[μm]に対する流路壁16の幅L[μm]の比率(L/S)は、特に限定されないが、0.05以上0.50以下であるのが好ましく、0.08以上0.40以下であるのがより好ましく、0.10以上0.35以下であるのがさらに好ましい。
これにより、コンテナ20の厚さ方向の不本意な変形を十分に防止しつつ、ベイパーチャンバー100のフレキシブル性(柔軟性)を特に優れたものとすることができる。また、変形防止部材10、ベイパーチャンバー100の大型化を抑制しつつ、ベイパーチャンバー100の熱輸送能力、ベイパーチャンバー100の耐久性等をより優れたものとすることができる。これに対し、L/Sの値が前記下限値未満であると、コンテナ20を構成するシート材の厚さ、構成材料等によっては、コンテナ20の厚さ方向の変形が発生しやすくなる。また、L/Sの値が前記上限値を超えると、熱輸送効率が低下する。
図示の構成では、流路部分15および流路壁16は、一定の幅を有するものであるが、これらは、幅が異なる部位を有するものであってもよい。
また、図示の構成では、流路部分15および流路壁16は、一方向に直線的に設けられているが、これらは、湾曲する部位や屈曲する部位を有していてもよい。
変形防止部材10の高さ(厚さ)は、10μm以上2000μm以下であるのが好ましく、20μm以上1000μm以下であるのがより好ましく、30μm以上500μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ベイパーチャンバー100が必要以上に厚型化することを防止しつつ、作動液30の流路部分(特に、気体状の作動液30の流路部分、および、液状の作動液30の流路部分)をより好適に確保することができる。
変形防止部材10は、後述する本発明の樹脂組成物による樹脂硬化物以外の成分を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、充填剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、カップリング剤、難燃剤、酸化防止剤等が挙げられる。
ただし、変形防止部材10中における樹脂硬化物以外の成分の含有率(複数種の成分を含む場合には、これらの含有率の総和)は、10.0質量%以下であるのが好ましく、7.0質量%以下であるのがより好ましく、5.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
図示の構成では、変形防止部材10は、その両面において、コンテナ20の内面と接触している(より具体的には、一方の面である第1の面11において、第1のシート材21と接触しており、他方の面である第2の面12において、第2のシート材22と接触している)が、変形防止部材10とコンテナ20との間には、他の部材が介在していてもよい。言い換えると、変形防止部材10は、例えば、他の部材を介して、コンテナ20の内面に固定されていてもよい。
[1-3]繊維
本実施形態では、変形防止部材10は、ウィックとして機能する繊維131と一体的に形成されたものである。言い換えると、変形防止部材10と繊維131との一体成型物は、コンテナの厚さ方向の変形を防止する機能を有する部材であるとともに、熱輸送に伴う作動液30の流動、特に、コンテナ20の蒸発部での受熱により気化した作動液30の流動や、コンテナ20の凝縮部での受熱により凝縮した作動液30の流動が行われる部材でもあるウィック構造体である。
特に、ウィック構造体は、変形防止部材10と繊維131とを含み、かつ、変形防止部材10が配されていない作動液30の流路部分15の一部に繊維131が配されている。
このように、変形防止部材10が、ウィックとして機能する繊維131と一体的に形成されたものであることにより、例えば、流路部分15を、気体状の作動液30の流路部分(流路部分15のうち繊維131が存在しない部分、または、繊維131の密度が低い部分)と、液状の作動液30の流路部分(流路部分15のうち、繊維131が存在する部分、または、繊維131の密度が高い部分)とを有するものとすることができ、液状の作動液30の流路と気体状の作動液30の流路とを機能上分離することができる。その結果、ベイパーチャンバー100の熱輸送能力を特に優れたものとすることができる。また、ベイパーチャンバー100の耐久性等もより優れたものとすることができる。特に、ベイパーチャンバー100の製造時において、後に詳述する本発明の樹脂組成物を用いることにより、当該樹脂組成物を繊維131同士の隙間に好適に浸透させることができ、ベイパーチャンバー100の耐久性等もより優れたものとすることができる。
繊維131は、いかなる材料で構成されたものであってもよく、繊維131の構成材料としては、例えば、コットン、麻、ウール、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、分子内に複素環を含有する芳香族系樹脂、ガラス、炭素、鉄、銀、銅等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
中でも、繊維131がガラス繊維であると、ベイパーチャンバー100の耐久性をより優れたものとすることができる。また、ガラス繊維は、一般に、紫外線を含む光の透過性に優れているため、後に詳述するようなベイパーチャンバー100の製造方法においては、露光工程での本発明の樹脂組成物の硬化反応が不本意に阻害されることを効果的に防止することができ、ベイパーチャンバー100の生産性、歩留まりを特に優れたものとすることができる。また、ガラス繊維は、後に詳述する本発明の樹脂組成物による樹脂硬化物との密着性にも優れている。
繊維131の太さは、特に限定されないが、1μm以上100μm以下であるのが好ましく、4μm以上30μm以下であるのがより好ましく、5μm以上15μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ウィック構造体が必要以上に厚型化することを防止しつつ、繊維131同士の隙間をより好適な状態で確保することができ、ベイパーチャンバー100における毛細管現象による液状の作動液30の輸送能力をより優れたものとすることができる。その結果、ベイパーチャンバー100の熱輸送能力をより優れたものとすることができる。
ウィック構造体やベイパーチャンバー100において、繊維131は、例えば、複数本の繊維131が束状にまとまった状態、すなわち、繊維束として含まれていてもよい。繊維束としては、例えば、諸撚糸状、片撚糸状、ラング撚糸状、組紐状等の形態が挙げられる。
これにより、ウィック構造体が必要以上に厚型化することを防止しつつ、繊維131同士の隙間をより好適な状態で確保することができ、ベイパーチャンバー100における毛細管現象による液状の作動液30の輸送能力をより優れたものとすることができる。その結果、ベイパーチャンバー100の熱輸送能力をより優れたものとすることができる。
図示の構成では、繊維131は、シート状の繊維基材(繊維シート)13を構成している。
これにより、例えば、ウィック構造体中において、繊維131が独立した状態のみで含まれるのではなく、複数の繊維131が絡み合った状態の繊維基材13を含むものとすることができ、例えば、ウィック構造体中における繊維131同士の隙間を、液状の作動液30を毛細管現象が生じやすい状態に調整しやすく、また、ウィック構造体中における繊維131の配置部位を調整しやすい。したがって、気体状の作動液30の流路部分と、液状の作動液30の流路部分とをより好適に併存させることができ、前述した効果をより確実に発揮させることができる。また、ウィック構造体の製造も容易となり、ウィック構造体中における繊維131の配置状態、分布を調整しやすく、例えば、ウィック構造体中の各部位における不本意な繊維131の分布むら(例えば、流路部分15となるべき部位に繊維131が十分に存在しないこと等)を好適に防止することができる。また、繊維基材13がシート状であることにより、ウィック構造体が必要以上に厚型化することを好適に防止することができるとともに、ベイパーチャンバー100(ウィック構造体)の製造時における繊維基材13の不本意な変形、ウィック構造体中における繊維131の不本意な移動をより好適に防止することができる。
繊維基材13は、例えば、不織布であってもよいし、織布であってもよい。
繊維基材13が織布である場合、当該織布としては、例えば、平織、綾織、朱子織、からみ織、模紗織、斜紋織、二重織等が挙げられる。
また、本実施形態では、繊維131で構成された繊維基材13が、変形防止部材10の流路壁16を貫通して配置されている。
これにより、ベイパーチャンバー100での繊維131の不本意な移動がより効果的に防止され、前述したような効果がより顕著に発揮される。また、変形防止部材10、ウィック構造体の形状の安定性が向上し、ベイパーチャンバー100の耐久性、信頼性をより優れたものとすることができる。また、後に詳述するようなベイパーチャンバー100の製造時におけるベイパーチャンバー製造用部材10’の取り扱いのしやすさ、変形防止部材10、ウィック構造体の取り扱いのしやすさが向上する。
繊維基材13の厚さは、10μm以上1000μm以下であるのが好ましく、20μm以上500μm以下であるのがより好ましく、30μm以上200μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ウィック構造体が必要以上に厚型化することを防止しつつ、繊維131同士の隙間をさらに好適な状態で確保することができ、ベイパーチャンバー100における毛細管現象による液状の作動液30の輸送能力をさらに優れたものとすることができる。その結果、ベイパーチャンバー100の熱輸送能力をさらに優れたものとすることができる。
繊維基材13は、繊維の密度が異なる部位を有していてもよい。例えば、繊維基材13は、その厚さ方向に繊維の密度が異なる部位を有していてもよい。
ウィック構造体は、複数の繊維基材13を含んでいてもよい。この場合、これらの繊維基材13は、同一の条件のものであってもよいし、異なる条件のものであってもよい。ウィック構造体が複数の繊維基材13を含む場合、例えば、ウィック構造体の厚さ方向に、複数の繊維基材13が積層されていてもよい。
ウィック構造体が繊維基材13を含むものであっても、繊維基材13から独立した繊維131をさらに含んでいてもよい。
ウィック構造体中における繊維131の含有率は、1質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、3質量%以上75質量%以下であるのがより好ましく、5質量%以上70質量%以下であるのがさらに好ましい。
特に、繊維131が無機材料で構成されたものである場合のウィック構造体中における繊維131の含有率は、40質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、45質量%以上75質量%以下であるのがより好ましく、50質量%以上70質量%以下であるのがさらに好ましい。
また、繊維131が有機材料で構成されたものである場合のウィック構造体中における繊維131の含有率は、1質量%以上40質量%以下であるのが好ましく、3質量%以上35質量%以下であるのがより好ましく、5質量%以上30質量%以下であるのがさらに好ましい。
上記のような含有率の条件を満足することにより、ベイパーチャンバー100(ウィック構造体)における、気体状の作動液30の流路部分と、液状の作動液30の流路部分との割合をより好適なものとすることができる。
上記のようなウィック構造体は、いかなる方法で形成されたものであってもよいが、後述するようなベイパーチャンバー製造用部材10’を用いて形成されたものであるのが好ましい。
これにより、例えば、後述するような方法により、ベイパーチャンバー100を高い生産性、高い歩留まりで製造することができ、ベイパーチャンバー100の信頼性をより優れたものとすることができる。
ウィック構造体が後述するようなベイパーチャンバー製造用部材10’を用いて形成されたものである場合、ウィック構造体は、1個のベイパーチャンバー製造用部材10’を用いて製造されたものであってもよいし、複数個のベイパーチャンバー製造用部材10’を用いて製造されたものであってもよい。複数個のベイパーチャンバー製造用部材10’を用いる場合、これらのベイパーチャンバー製造用部材10’は、ウィック構造体の面方向に配置して用いてもよいし、ウィック構造体の厚さ方向に配置(積層)して用いてもよい。
シート状の繊維基材13(繊維131)は、図1に示すように、ウィック構造体の厚さ方向のほぼ全体にわたって存在するものであってもよいし、図2に示すように、ウィック構造体の厚さ方向の中央付近に偏在するものであってもよいし、図3に示すように、ウィック構造体の第2の面12側に偏在するものであってもよいし、図4に示すように、ウィック構造体の第1の面11側に偏在するものであってもよい。また、シート状の繊維基材13(繊維131)は、ウィック構造体の両面側(第1の面11側および第2の面12側)に偏在しており、これらの部位に比べて、ウィック構造体の厚さ方向の中央付近の繊維131の含有率が低くなっていてもよい。
[1-4]作動液
コンテナ20の空洞部には、変形防止部材10(ウィック構造体)とともに、作動液30が配置されている。
作動液30は、主に、コンテナ20内部の空洞部における熱輸送を行う機能を有している。
作動液30としては、例えば、水、HCFC-22等のハイドロクロロフルオロカーボン、HFCR134a、HFCR407C、HFCR410A、HFC32等のハイドロフルオロカーボン、HFO1234yf等のハイドロフルオロオレフィン、ハイドロフルオロエーテル、エタノール、メタノール等のアルコール、アセトン、炭酸ガス、アンモニア、プロパン等が一例として挙げられる。
[1-5]ベイパーチャンバーの全体構成
ベイパーチャンバー100の厚さは、50μm以上2100μm以下であるのが好ましく、80μm以上1070μm以下であるのがより好ましく、100μm以上570μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ベイパーチャンバー100の厚型化を防止しつつ、作動液30(気体状の作動液30および液状の作動液30)の移動をより円滑に行わせることができる。その結果、ベイパーチャンバー100の熱輸送能力を特に優れたものとすることができる。また、ベイパーチャンバー100の耐久性をより優れたものとすることができる。
[1-6]ベイパーチャンバーの使用形態
次に、ベイパーチャンバーの使用形態の例について説明する。
ベイパーチャンバーは、例えば、発熱部材の熱を所定の場所へ移動させる目的で用いるものであってもよいし、発熱部材の局所的な高温部の熱を均熱する目的で用いるものであってもよい。
以下、ベイパーチャンバーを、所定の部材(発熱部材)の熱を移動する目的で使用する場合について中心的に説明する。
発熱部材(例えば、CPU等)を冷却する目的で使用する場合、ベイパーチャンバーは、その表面の一部(蒸発部)が、発熱部材そのものやそれに接触する高熱伝導材料で構成された部材(例えば、熱伝導シート等)(以下、これらを総称して「発熱部材等」とも言う。)に接触した状態で用いられる。
このとき、ベイパーチャンバーは、蒸発部とは異なる部位である凝縮部、すなわち、発熱部材から受け取った熱を放熱する部位において、放熱部材(例えば、ヒートシンク等)やそれに接触する高熱伝導材料で構成された部材(例えば、熱伝導シート等)(以下、これらを総称して「放熱部材等」とも言う。)に接触した状態であってもよい。
前述したように、本発明に係るベイパーチャンバー(本発明の樹脂組成物を用いて形成された変形防止部材を備えるベイパーチャンバー)は、フレキシブル性(柔軟性)に優れるとともに、変形防止部材とコンテナとの密着性に優れている。
したがって、発熱部材が設置された部位と放熱部材を設置すべき部位との間に段差がある場合、従来のヒートパイプやベイパーチャンバーとしてフレキシブル性(柔軟性)に劣るものを用いる場合には、前記の段差を解消・緩和するためのスペーサー(例えば、金属スペーサー等)を設置する必要があり、部品増によるコストアップや装置全体としての重量化等の問題を生じていた。これに対し、本発明に係るベイパーチャンバーは、フレキシブル性(柔軟性)に優れ、例えば、曲げ加工等を好適に行うことができるため、前記のスペーサーを省略した場合であっても、ベイパーチャンバー中における変形防止部材とコンテナとの密着性を保持しつつ、凝縮部および蒸発部における他の部材(発熱部材等および放熱部材等)との良好な密着状態を確保することができる。したがって、上記のような問題を好適に解消しつつ、良好な放熱性能を長期間にわたって安定的に発揮することができる。
また、本発明に係るベイパーチャンバーを用いた場合、ベイパーチャンバーを湾曲、屈曲させることにより、他の部材との干渉を好適に回避することができるため、発熱部材を備える装置についての各部品のレイアウトの自由度が増す。
また、本発明においては、ベイパーチャンバー(ウィック構造体)が備える流路部分や流路壁の形状等を好適に調整することができるため、例えば、長方形等の単純な形状だけでなく、切り欠き部を有する形状等の複雑な形状を有し、当該形状に対応した流路部分や流路壁を有するベイパーチャンバーであっても好適に製造することができる。したがって、例えば、発熱部材等や放熱部材等との接触面積を大きいものとしつつ、他の部材との干渉を好適に解消することができる。これにより、より良好な放熱性能を発揮することができる。
また、例えば、発熱部材としてのモーターが収納された筐体(例えば、多関節ロボットの関節部等)内においては、モーターからの発熱を、筐体を介して外部に逃がすために、筐体内において、アルミニウム成形体および熱伝導シートを組み合わせて用いることがあったが、この場合、筐体が大型化する問題があった。これに対し、本発明に係るベイパーチャンバーを用いる場合、アルミニウム成形体を用いる必要がないため、筐体の小型化、部品点数削減等の観点から有利である。
[2]樹脂組成物(ベイパーチャンバー製造用樹脂組成物)
次に、本発明の樹脂組成物(ベイパーチャンバー製造用樹脂組成物)について説明する。
本発明の樹脂組成物は、上述したような変形防止部材10の製造に用いられるものであり、フォトリソグラフィー(例えば、後に詳述するでの露光工程および現像工程)後の熱処理により接着性を発現するものである。
これにより、フレキシブル性(柔軟性)、耐久性に優れたベイパーチャンバーの製造に好適に用いることができる樹脂組成物を提供することができる。特に、変形防止部材10をコンテナ20に接合するのに、別途接着剤を用いた接着や、溶接、ろう付け等を行う必要がなく、ベイパーチャンバーの生産性を特に優れたものとすることができる。また、ベイパーチャンバー100のフレキシブル性(柔軟性)を優れたものとすることができるため、ベイパーチャンバー100が適用される部材や配置等によらず、ベイパーチャンバー100と前記部材との密着状態を良好なものとすることができ、実質的な熱輸送能力をより確実に優れたものとすることができる。
本発明の樹脂組成物は、未硬化の状態の硬化性樹脂を含み、フォトリソグラフィー後の熱処理により接着性を発現するものであればよく、一部硬化反応が進んだもの(例えば、Bステージの樹脂)であってもよいし、未硬化の状態の硬化性樹脂に加えて、熱可塑性樹脂を含むものであってもよい。
特に、本発明の樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性樹脂と、前記アルカリ可溶性樹脂とは異なる熱硬化性樹脂とを含むものであるのが好ましい。
これにより、後述するような方法において、露光工程、現像工程により、所定のパターンを好適に形成することができるとともに、現像工程では、現像液として広く用いられている有機溶媒ではなく、環境負荷がより少ないアルカリ水溶液を好適に用いることができる。また、後述するベイパーチャンバー100の製造過程においてより好適な粘着性を発現することができ、変形防止部材10(ウィック構造体)とコンテナ20(第1のシート材21、第2のシート材22)との接合強度、密着性をより優れたものとすることができるとともに、変形防止部材10(ウィック構造体)の強度、耐熱性をより優れたものとすることができる。
以下、アルカリ可溶性樹脂について説明する。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、クレゾール型、フェノール型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、カテコール型、レゾルシノール型、ピロガロール型等のノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹脂、水酸基、カルボキシル基等を含む環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂(具体的には、ポリベンゾオキサゾール構造およびポリイミド構造の少なくとも一方を有し、かつ主鎖または側鎖に水酸基、カルボキシル基、エーテル基またはエステル基を有する樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体構造を有する樹脂、ポリイミド前駆体構造を有する樹脂、ポリアミド酸エステル構造を有する樹脂等)、フェノール変性シリコーン系樹脂、カルボキシル変性シリコーン系樹脂等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂を好適に用いることができる。
これにより、現像処理時に二重結合部分が未反応の樹脂を除去する際に、現像液として通常用いられる有機溶剤の代わりに、環境に対する負荷のより少ないアルカリ水溶液を適用することができるとともに、二重結合部分が硬化反応に寄与することから、本発明の樹脂組成物による樹脂硬化物14の耐熱性が特に優れたものとなる。
アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂としては、例えば、光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂を挙げることができる。
アルカリ可溶性基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基等が挙げられる。このアルカリ可溶性基は、熱硬化反応にも寄与することができる。
このような樹脂としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等の光反応基を有する熱硬化性樹脂や、フェノール性水酸基、アルコール性水酸基、カルボキシル基、酸無水物基等の熱反応基を有する光硬化性樹脂等が挙げられる。なお、光硬化性樹脂は、さらに、エポキシ基、アミノ基、シアネート基等の熱反応基を有していてもよい。具体的には、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂、(メタ)アクリロイル基含有アクリル酸重合体、カルボキシル基含有(エポキシ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、アルカリ可溶性樹脂としては、(メタ)アクリル基とフェノール性水酸基とを含むもの、または、(メタ)アクリル基とカルボキシル基とを含むものであるのが好ましく、(メタ)アクリル基とフェノール性水酸基とを含むものであるのがより好ましく、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂であるのがさらに好ましい。
これにより、アルカリ水溶液を用いた現像処理時における未反応の樹脂の除去をより好適に行うことができ、ベイパーチャンバー100の生産性、製造されるベイパーチャンバー100の信頼性をより優れたものとすることができる。
特に、アルカリ可溶性樹脂が、(メタ)アクリル基とフェノール性水酸基とを含むものであると、上記のような効果が得られるとともに、後述するようなベイパーチャンバー100の製造方法における樹脂材料14’の解像性、すなわち、露光工程におけるパターンの再現性をより優れたものとすることができる。このような効果は、(メタ)アクリル基とフェノール性水酸基とを含むアルカリ可溶性樹脂の中でも、(メタ)アクリル変性フェノール樹脂を用いた場合により顕著に発揮される。
(メタ)アクリル変性フェノール樹脂は、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック樹脂のフェノール性水酸基とアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のグリシジル基と(メタ)アクリル基を有する化合物を反応させることにより得ることができる。その中でも、フェノールノボラックとメタクリル酸グリシジルを反応させたメタクリル変性フェノール樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂とメタクリル酸グリシジルを反応させたメタクリル変性フェノール樹脂が好ましい。
これにより、上述したような効果がより顕著に発揮される。すなわち、アルカリ水溶液を用いた現像処理時における未反応の樹脂の除去をさらに好適に行うことができ、ベイパーチャンバー100の生産性、製造されるベイパーチャンバー100の信頼性をさらに優れたものとすることができ、また、露光工程におけるパターンの再現性をさらに優れたものとすることができる。
アルカリ可溶性樹脂として光反応基を有する熱硬化性樹脂を用いる場合、前記光反応基の変性率(置換率)は、特に限定されないが、前記アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂の反応基全体の20mol%以上80mol%以下であるのが好ましく、30mol%以上70mol%以下であるのがより好ましい。
これにより、後述するようなベイパーチャンバー100の製造方法における本発明の樹脂組成物(樹脂材料14’)の解像性、すなわち、露光工程におけるパターンの再現性をより優れたものとすることができる。その結果、微細なパターンを有する変形防止部材10(ウィック構造体)を備えるベイパーチャンバー100の製造により好適に適用することができる。
一方、熱反応基を有する光硬化性樹脂を用いる場合、前記熱反応基の変性率(置換率)は、特に限定されないが、前記アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂の反応基全体の20mol%以上80mol%以下であるのが好ましく、30mol%以上70mol%以下であるのがより好ましい。
これにより、後述するようなベイパーチャンバー100の製造方法における本発明の樹脂組成物(樹脂材料14’)の解像性、すなわち、露光工程におけるパターンの再現性をより優れたものとすることができる。その結果、微細なパターンを有する変形防止部材10(ウィック構造体)を備えるベイパーチャンバー100の製造により好適に適用することができる。
前記アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、300,000以下であるのが好ましく、5,000以上150,000以下であるのがより好ましい。
これにより、後に詳述するベイパーチャンバー製造用部材10’での樹脂材料14’の形状の安定性を十分に優れたものとしつつ、現像工程での樹脂材料14’の除去をより好適に行うことができる。
なお、重量平均分子量は、例えば、G.P.C.を用いて評価でき、予め、スチレン標準物質を用いて作成された検量線により重量平均分子量を算出することができる。特に、測定溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用い、40℃の温度条件下で測定することができる。なお、後述する実施例においても、この条件での測定により得られた値を重量平均分子量として示している。
本発明の樹脂組成物中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有率は、特に限定されないが、10質量%以上80質量%以下であるのが好ましく、15質量%以上70質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、後に詳述するベイパーチャンバー製造用部材10’での樹脂材料14’の形状の安定性を十分に優れたものとしつつ、露光工程における解像性、現像工程での現像性をより優れたものとすることができる。また、ベイパーチャンバー100の製造過程における加熱処理により、変形防止部材10(ウィック構造体)とコンテナ20(第1のシート材21、第2のシート材22)との接合強度、密着性をより優れたものとすることができる。
次に、光重合性樹脂について説明する。
本発明の樹脂組成物が前述したアルカリ可溶性樹脂とともに光重合性樹脂を含むことにより、パターニング性を向上させることができる。
光重合性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、アクリロイル基またはメタクリロイル基を、一分子中に少なくとも1個以上有するアクリル系モノマーやオリゴマー等のアクリル系化合物、スチレン等のビニル系化合物等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でもアクリル系化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂が好ましい。アクリル系化合物は、光(露光光)を照射した際の硬化速度が速く、比較的少量の露光量で本発明の樹脂組成物(後に詳述するベイパーチャンバー製造用部材10’での樹脂材料14’)を好適にパターニングすることができる。
アクリル系化合物としては、例えば、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルのモノマー等が挙げられ、より具体的には、ジアクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸1,6-ヘキサンジオール、ジメタクリル酸1,6-ヘキサンジオール、ジアクリル酸グリセリン、ジメタクリル酸グリセリン、ジアクリル酸1,10-デカンジオール、ジメタクリル酸1,10-デカンジオール等の2官能アクリレート、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、トリアクリル酸ペンタエリスリトール、トリメタクリル酸ペンタエリスリトール、ヘキサアクリル酸ジペンタエリスリトール、ヘキサメタクリル酸ジペンタエリスリトール等の多官能アクリレート等が挙げられる。
中でも、(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、エステル部位の炭素数が1以上15以下のアクリル酸エステル、メタクリル酸アルキルエステルがより好ましい。
これにより、反応性を向上させることができ、露光工程における感度が向上する。
また、光重合性樹脂は、特に限定されないが、室温(23℃)で液状をなすものであるのが好ましい。
これにより、露光光(特に、紫外線)による硬化反応性を向上させることができる。また、他の配合成分(例えば、アルカリ可溶性樹脂)との混合作業を容易にすることができる。室温で液状の光重合性樹脂としては、例えば、前述したアクリル化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。
光重合性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、5,000以下であるのが好ましく、150以上3,000以下であるのがより好ましい。
これにより、本発明の樹脂組成物(後に詳述するベイパーチャンバー製造用部材10’での樹脂材料14’)の反応性を向上させることができ、露光工程における感度が向上するとともに、本発明の樹脂組成物(後に詳述するベイパーチャンバー製造用部材10’での樹脂材料14’)の解像性を向上させることができる。
本発明の樹脂組成物中における光重合性樹脂の含有率は、特に限定されないが、9質量%以上40質量%以下であるのが好ましく、13質量%以上30質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、後に詳述するベイパーチャンバー製造用部材10’での樹脂材料14’(本発明の樹脂組成物である樹脂材料14’)が硬化してなる樹脂硬化物14の耐熱性と可撓性とをより高いレベルで両立することができる。また、後述するようなベイパーチャンバー100の製造方法における樹脂材料14’の解像性、すなわち、露光工程におけるパターンの再現性をより優れたものとすることができる。その結果、微細なパターンを有する変形防止部材10(ウィック構造体)を備えるベイパーチャンバー100の製造により好適に適用することができる。
本発明の樹脂組成物中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有率をXA[質量%]、本発明の樹脂組成物中における光重合性樹脂の含有率をXP[質量%]としたとき、0.15≦XP/XA≦0.90の関係を満たすのが好ましく、0.19≦XP/XA≦0.87の関係を満たすのがより好ましく、0.22≦XP/XA≦0.33の関係を満たすのがさらに好ましい。
これにより、後に詳述するベイパーチャンバー製造用部材10’での樹脂材料14’の形状の安定性を、露光工程における解像性、現像工程での現像性、変形防止部材10(ウィック構造体)とコンテナ20(第1のシート材21、第2のシート材22)との接合強度、密着性、樹脂材料14’が硬化してなる樹脂硬化物14の耐熱性、可撓性等のバランスをさらに優れたものとすることができる。
前記熱硬化性樹脂(アルカリ可溶性樹脂とは異なる熱硬化性樹脂)としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールF、ビスフェノールA、4,4’-エチリデン-ビスフェノール、4,4’-シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’,4’’-エチリジントリスフェノール等のビスフェノール類、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、前記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスフェノール類が特に好ましい。これにより、後に詳述するベイパーチャンバー製造用部材10’での樹脂材料14’(本発明の樹脂組成物である樹脂材料14’)が硬化してなる樹脂硬化物14の耐熱性や、樹脂材料14’が硬化してなる樹脂硬化物14の繊維131、第1のシート材21、第2のシート材22に対する密着性をより優れたものとすることができる。
本発明の樹脂組成物中における前記熱硬化性樹脂の含有率は、特に限定されないが、10質量%以上60質量%以下であるのが好ましく、15質量%以上55質量%以下であるのがより好ましい。
これにより、後に詳述するベイパーチャンバー製造用部材10’での樹脂材料14’(本発明の樹脂組成物である樹脂材料14’)が硬化してなる樹脂硬化物14の耐熱性と靭性とをより高いレベルで両立することができる。
本発明の樹脂組成物中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有率をXA[質量%]、本発明の樹脂組成物中における前記熱硬化性樹脂の含有率をXT[質量%]としたとき、0.20≦XT/XA≦1.5の関係を満たすのが好ましく、0.30≦XT/XA≦1.2の関係を満たすのがより好ましく、0.55≦XT/XA≦0.80の関係を満たすのがさらに好ましい。
これにより、後に詳述するベイパーチャンバー製造用部材10’での樹脂材料14’(本発明の樹脂組成物である樹脂材料14’)の形状の安定性、露光工程における解像性、現像工程での現像性、樹脂材料14’が硬化してなる樹脂硬化物14の耐熱性、靭性、変形防止部材10(ウィック構造体)とコンテナ20(第1のシート材21、第2のシート材22)との接合強度、密着性等のバランスをさらに優れたものとすることができる。
[3]ベイパーチャンバー製造用部材
次に、本発明に係るベイパーチャンバーの製造、特に、ベイパーチャンバーが備える変形防止部材(ウィック構造体)の製造に、好適に用いることができるベイパーチャンバー製造用部材について説明する。
図6は、ベイパーチャンバー製造用部材の一例を模式的に示す斜視図である。図7は、ベイパーチャンバー製造用部材の一例を模式的に示す縦断面図である。図8、図9は、それぞれ、ベイパーチャンバー製造用部材の他の一例を模式的に示す縦断面図である。
ベイパーチャンバー製造用部材10’は、未硬化状態の樹脂材料14’を含むものである。樹脂材料14’は、前述した本発明の樹脂組成物で構成されたものである。
これにより、フレキシブル性(柔軟性)、耐久性に優れたベイパーチャンバー100の製造に好適に用いることができるベイパーチャンバー製造用部材10’を提供することができる。特に、変形防止部材をコンテナに接合するのに、別途接着剤を用いた接着や、溶接、ろう付け等を行う必要がなく、ベイパーチャンバー100の生産性を特に優れたものとすることができる。また、ベイパーチャンバー100のフレキシブル性(柔軟性)を優れたものとすることができるため、ベイパーチャンバー100が適用される部材や配置等によらず、ベイパーチャンバー100と前記部材との密着状態を良好なものとすることができ、実質的な熱輸送能力をより確実に優れたものとすることができる。
また、例えば、後述するような方法において、所定のパターンで光(露光光)を照射することにより、ベイパーチャンバー製造用部材10’を用いて製造されるベイパーチャンバー100(ウィック構造体、変形防止部材10)が備える流路部分15や流路壁16の形状等を、ベイパーチャンバー100の用途、適用部位等に応じて好適に調整することができる。言い換えると、オンデマンド性に優れている。また、光照射、熱処理等の一般的な処理によりベイパーチャンバー100(ウィック構造体、変形防止部材10)を好適に製造することができ、煩雑な金属加工等を行わなくても、上記のような優れた特性のベイパーチャンバー100を製造することができる。
また、本実施形態のベイパーチャンバー製造用部材10’は、未硬化状態の樹脂材料14’とともに、繊維131を含んでいる。
これにより、例えば、後述するような方法において、所定のパターンで光(露光光)を照射することにより、ベイパーチャンバー100における作動液30の流路部分15、特に、気体状の作動液30の流路部分(流路部分15のうち繊維131が存在しない部分、または、繊維131の密度が低い部分)と、液状の作動液30の流路部分(流路部分15のうち、繊維131が存在する部分、または、繊維131の密度が高い部分)とを好適に形成することができる。より具体的には、気体状の作動液30を移動させる構造と、液状の作動液30を毛細管現象によって移動させる構造とを、好適な配置で形成することができる。その結果、作動液30の蒸発・凝縮のサイクルを速めることができ、ベイパーチャンバー100全体としての熱輸送能力を特に優れたものとすることができる。また、気体状の作動液30の流路部分と、液状の作動液30の流路部分とを、共通の工程で形成することができ、これらの部分の位置合わせ等が不要であるため、ベイパーチャンバー100の製造における高い生産性、高い歩留まりを実現することができる。ただし、前記の気体状の作動液30の流路部分(流路部分15のうち繊維131が存在しない部分、または、繊維131の密度が低い部分)において、一部の液状の作動液30が流通してもよいし、前記の液状の作動液30の流路部分(流路部分15のうち、繊維131が存在する部分、または、繊維131の密度が高い部分)において、一部の気体状の作動液30が流通してもよい。
特に、図示の構成では、ベイパーチャンバー製造用部材10’は、繊維131で構成された繊維基材13と、繊維基材13に含侵している未硬化状態の樹脂材料14’とを含むものである。
これにより、上記のような効果がより顕著に発揮される。例えば、繊維131が独立した状態のみで含まれるのではなく、複数の繊維131が絡み合った状態の繊維基材13を含むことにより、例えば、ベイパーチャンバー製造用部材10’中における繊維131同士の隙間を、液状の作動液30を毛細管現象が生じやすい状態に調整しやすく、また、ベイパーチャンバー製造用部材10’中における繊維131の配置部位を調整しやすい。したがって、ベイパーチャンバー製造用部材10’を用いて形成されるウィック構造体において、気体状の作動液30の流路部分と、液状の作動液30の流路部分とをより好適に形成することができ、前述した効果をより確実に発揮させることができる。また、ベイパーチャンバー製造用部材10’の製造も容易となり、ベイパーチャンバー製造用部材10’中における繊維131の配置状態、分布を調整しやすく、例えば、ベイパーチャンバー製造用部材10’中の各部位における不本意な繊維131の分布むら(例えば、流路部分15となるべき部位に繊維131が十分に存在しないこと等)を好適に防止することができる。
図示の構成では、繊維基材13は、シート状をなすものであるが、繊維基材13の形状は、特に限定されない。
また、図示の構成では、ベイパーチャンバー製造用部材10’は、シート状をなすもの、特に、シート状の繊維基材13に対応する形状を有するものであるが、ベイパーチャンバー製造用部材10’の形状は、特に限定されない。
[3-1]樹脂材料
ベイパーチャンバー製造用部材10’は、未硬化状態の樹脂材料14’として本発明の樹脂組成物を含んでいる。
ベイパーチャンバー製造用部材10’中における樹脂材料14’の含有率は、10質量%以上95質量%以下であるのが好ましく、15質量%以上90質量%以下であるのがより好ましく、20質量%以上85質量%以下であるのがさらに好ましい。
特に、繊維131が無機材料で構成されたものである場合のベイパーチャンバー製造用部材10’中における樹脂材料14’の含有率は、10質量%以上50質量%以下であるのが好ましく、15質量%以上45質量%以下であるのがより好ましく、20質量%以上40質量%以下であるのがさらに好ましい。
また、繊維131が有機材料で構成されたものである場合のベイパーチャンバー製造用部材10’中における樹脂材料14’の含有率は、50質量%以上95質量%以下であるのが好ましく、55質量%以上90質量%以下であるのがより好ましく、60質量%以上85質量%以下であるのがさらに好ましい。
上記のような含有率の条件を満足することにより、ベイパーチャンバー製造用部材10’を用いて製造されるベイパーチャンバー100(ウィック構造体)における、気体状の作動液30の流路部分と、液状の作動液30の流路部分との割合をより好適なものとすることができる。
ベイパーチャンバー製造用部材10’中における、繊維131の含有率をXf[質量%]、樹脂材料14’の含有率をXr[質量%]としたとき、0.01≦Xf/Xr≦8.0の関係を満たすのが好ましく、0.1≦Xf/Xr≦5.0の関係を満たすのがより好ましく、0.3≦Xf/Xr≦3.0の関係を満たすのがさらに好ましい。
特に、繊維131が無機材料で構成されたものである場合、0.8≦Xf/Xr≦8.0の関係を満たすのが好ましく、1.0≦Xf/Xr≦7.0の関係を満たすのがより好ましく、2.0≦Xf/Xr≦6.0の関係を満たすのがさらに好ましい。
また、繊維131が有機材料で構成されたものである場合、0.01≦Xf/Xr≦0.8の関係を満たすのが好ましく、0.05≦Xf/Xr≦0.6の関係を満たすのがより好ましく、0.10≦Xf/Xr≦0.4の関係を満たすのがさらに好ましい。
上記のような含有率の関係を満足することにより、ベイパーチャンバー製造用部材10’を用いて製造されるベイパーチャンバー100(ウィック構造体)における、気体状の作動液30の流路部分と、液状の作動液30の流路部分との割合をより好適なものとすることができる。
[3-2]繊維
本実施形態のベイパーチャンバー製造用部材10’は、繊維131を含んでいる。
ベイパーチャンバー製造用部材10’中に含まれる繊維131は、前述したウィック構造体(ベイパーチャンバー100)の構成材料として説明した繊維131と同様の条件を満足するものであるのが好ましい。
これにより、前述したのと同様の効果が得られる。
[3-3]硬化剤(感光剤)
ベイパーチャンバー製造用部材10’は、さらに硬化剤を含んでいてもよい。
硬化剤(感光剤)としては、樹脂材料14’を硬化させるものであれば特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルフェニルサルファイド、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ベイパーチャンバー製造用部材10’中における硬化剤(感光剤)の含有率は、特に限定されないが、0.1質量%以上50質量%以下であるのが好ましく、0.5質量%以上40質量%以下であるのがより好ましく、1.0質量%以上30質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ベイパーチャンバー製造用部材10’の保存安定性を十分に優れたものとしつつ、後述するベイパーチャンバー100の製造時には、光重合反応をより好適に開始・進行させることができる。
[3-4]熱硬化性樹脂の硬化触媒
ベイパーチャンバー製造用部材10’は、さらに熱硬化性樹脂の硬化触媒を含んでいてもよい。
熱硬化性樹脂の硬化触媒としては、樹脂材料14’を構成する熱硬化性樹脂の硬化反応を触媒するものであれば特に限定されず、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等の3級アミン類、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-エチル-4-エチルイミダゾール、2-フェニル-4-エチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-1H-イミダゾール4、5-ジメタノール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール等のイミダゾール類等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ベイパーチャンバー製造用部材10’中における熱硬化性樹脂の硬化触媒の含有率は、特に限定されないが、0.01質量%以上10質量%以下であるのが好ましく、0.04質量%以上5.0質量%以下であるのがより好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ベイパーチャンバー製造用部材10’の保存安定性を十分に優れたものとしつつ、後述するベイパーチャンバー100の製造時には、熱硬化反応をより好適に開始・進行させることができる。
[3-5]その他の成分
ベイパーチャンバー製造用部材10’は、前述した成分以外の成分(以下、「その他の成分」ともいう。)を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、充填剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、カップリング剤、難燃剤、酸化防止剤等が挙げられ、これらから選択される1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ただし、ベイパーチャンバー製造用部材10’中におけるその他の成分の含有率は、7.0質量%以下であるのが好ましく、5.0質量%以下であるのがより好ましく、3.0質量%以下であるのがさらに好ましい。
[3-6]ベイパーチャンバー製造用部材の全体構成
ベイパーチャンバー製造用部材10’の形状は特に限定されないが、図示の構成では、シート状である。
これにより、シート状のベイパーチャンバー100(ウィック構造体)を好適に製造することができる。また、ベイパーチャンバー100(ウィック構造体)の製造時におけるベイパーチャンバー製造用部材10’の不本意な変形、ベイパーチャンバー製造用部材10’(ウィック構造体)中における繊維131の不本意な移動をより好適に防止することができる。
ベイパーチャンバー製造用部材10’がシート状をなすものである場合、シート状の繊維基材13(繊維131)は、図7に示すように、ベイパーチャンバー製造用部材10’の厚さ方向のほぼ全体にわたって存在するものであってもよいし、図8に示すように、ベイパーチャンバー製造用部材10’の厚さ方向の中央付近に偏在するものであってもよいし、図9に示すように、ベイパーチャンバー製造用部材10’の一方の面側に偏在するものであってもよい。また、シート状の繊維基材13(繊維131)は、ベイパーチャンバー製造用部材10’の両面側に偏在しており、これらの部位に比べて、ベイパーチャンバー製造用部材10’の厚さ方向の中央付近の繊維131の含有率が低くなっていてもよい。
ベイパーチャンバー製造用部材10’の厚さは、10μm以上2000μm以下であるのが好ましく、20μm以上1000μm以下であるのがより好ましく、30μm以上500μm以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ベイパーチャンバー製造用部材10’を用いて製造されるベイパーチャンバー100が必要以上に厚型化することを防止しつつ、気体状の作動液30の流路部分と、液状の作動液30の流路部分とをより好適に形成することができる。
[4]ベイパーチャンバーの製造方法
次に、本発明に係るベイパーチャンバーの製造方法について説明する。
図10、図11は、ベイパーチャンバーの製造方法の一例を模式的に示す縦断面図である。
本実施形態のベイパーチャンバー100の製造方法は、未硬化状態の樹脂材料14’(本発明の樹脂組成物)を含む材料で構成されたベイパーチャンバー製造用部材10’を用意するベイパーチャンバー製造用部材用意工程(1a)と、ベイパーチャンバー製造用部材10’を、その一方の面である第1の面11において、第1のシート材21に接合する第1の接合工程(1b)と、第1のシート材21に接合されたベイパーチャンバー製造用部材10’に対して、所定のパターンで光(露光光)Eを照射する露光工程(1c)と、露光工程で光Eが照射されなかった部位の未硬化状態の樹脂材料14’を除去する現像工程(1d)と、現像工程を経たベイパーチャンバー製造用部材10’を、第1の面11とは反対側の面である第2の面12において、第2のシート材22に接合する第2の接合工程(1e)と、第1のシート材21と第2のシート材22との間の空間に作動液30を注入するとともに、当該空間を密封する作動液供給・密封工程(1f)とを有する。
これにより、フレキシブル性(柔軟性)、耐久性に優れたベイパーチャンバー100を効率よく製造することができる。また、製造されるベイパーチャンバー100のフレキシブル性(柔軟性)を優れたものとすることができるため、ベイパーチャンバー100が適用される部材や配置等によらず、ベイパーチャンバー100と前記部材との密着状態を良好なものとすることができ、優れた熱輸送能力をより確実に発揮することができる。
[4-1]ベイパーチャンバー製造用部材用意工程
ベイパーチャンバー製造用部材用意工程では、未硬化状態の樹脂材料14’を含む材料で構成されたベイパーチャンバー製造用部材10’、特に、前述したような未硬化状態の樹脂材料14’とともに繊維131を含むベイパーチャンバー製造用部材10’を用意する(1a)。
ベイパーチャンバー製造用部材10’は、例えば、繊維基材13に、未硬化状態の樹脂材料14’(本発明の樹脂組成物)を含む組成物を含侵させることにより得ることができる。
前記組成物は、例えば、樹脂材料14’に加えて、前述したその他の成分を含んでいてもよい。また、前記組成物は、溶媒を含んでいてもよい。前記組成物が溶媒を含む場合、繊維基材13に前記組成物を含侵させた後に溶媒を揮発させることにより、ベイパーチャンバー製造用部材10’を得ることができる。
前記組成物は、例えば、繊維基材13の第1の面11に対応する面側から付与してもよいし、繊維基材13の第2の面12に対応する面側から付与してもよいし、繊維基材13の第1の面11に対応する面および第2の面12に対応する面の両側から付与してもよい。
繊維基材13に前記組成物を付与する方法としては、例えば、塗布法、噴霧法、浸漬法等が挙げられる。
[4-2]第1の接合工程
第1の接合工程では、ベイパーチャンバー製造用部材10’を、その一方の面である第1の面11において、第1のシート材21に接合する(1b)。
ベイパーチャンバー製造用部材10’を構成する未硬化状態の樹脂材料14’を第1のシート材21と接触させ、さらに、圧力をかけることにより、好適に接合することができる。圧力に加えて、加熱することにより、さらに好適に接合することができる。
[4-3]露光工程
露光工程では、第1のシート材21に接合されたベイパーチャンバー製造用部材10’に対して、所定のパターンで光Eを照射する(1c)。
これにより、樹脂材料14’のうち光Eが照射された部位が、選択的に硬化し、樹脂硬化物14となる。すなわち、光Eの照射パターンに対応するパターンで、樹脂硬化物14で構成された流路壁16となるべき部位に対応する硬化部を形成することができる。
なお、本工程での硬化反応は、後の現像工程で、樹脂硬化物14を残存させつつ、未硬化の樹脂材料14’を除去することができる程度に進行させればよく、完全に進行させなくてもよい。
本工程で照射する光Eの種類は、樹脂材料14’の種類に応じて決定されるが、紫外線であるのが好ましい。
これにより比較的短時間の露光処理で好適に樹脂材料14’を硬化させることができ、ベイパーチャンバー100の生産性をより優れたものとすることができる。
露光工程は、例えば、レーザー光等の光を所定のパターンで走査することにより行ってもよいが、フォトマスクMを用いることにより好適に行うことができる。
[4-4]現像工程
現像工程では、露光工程で光Eが照射されなかった部位の未硬化状態の樹脂材料14’を除去する(1d)。
これにより、樹脂硬化物14および繊維131を残存させつつ、樹脂材料14’を除去することができる。これにより、所定のパターン、すなわち、光Eの照射パターンに対応するパターンの流路壁16となるべき部位を出現することができる。
現像工程は、樹脂材料14’を選択的に溶解し、樹脂硬化物14を溶解しない現像液を用いることにより、好適に行うことができる。
現像液の組成は、樹脂材料14’、樹脂硬化物14等により異なるが、例えば、樹脂材料14’が前述したようなアルカリ可溶性樹脂を含む物である場合、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ水溶液を好適に用いることができる。
[4-5]第2の接合工程
第2の接合工程では、現像工程を経たベイパーチャンバー製造用部材10’を、第1の面11とは反対側の面である第2の面12において、第2のシート材22に接合する(1e)。
本工程での第2のシート材22とベイパーチャンバー製造用部材10’との接合は、ベイパーチャンバー製造用部材10’と第2のシート材22とを接触させた後に加熱することにより、まず、前記熱硬化性樹脂の熱硬化の過程で接着性(粘着性)を発現させ、その後、さらに加熱を行うことにより、前記熱硬化性樹脂の硬化反応を進行させ、樹脂硬化物14の硬度、形状の安定性を高めることにより行う。本工程終了時には、通常、樹脂硬化物14の粘着性は失われている。上記のような接着性(粘着性)を発現する段階を経て、第2のシート材22とベイパーチャンバー製造用部材10’とを接合することにより、第2のシート材22とベイパーチャンバー製造用部材10’(ウィック構造体)との密着性、接合強度を特に優れたものとすることができる。また、同様に、第1のシート材21とベイパーチャンバー製造用部材10’(ウィック構造体)との密着性、接合強度も特に優れたものとすることができる。また、ベイパーチャンバー製造用部材10’を構成する変形防止部材10(ウィック構造体)の強度、耐熱性を特に優れたものとすることができ、ベイパーチャンバー100全体としての耐久性、信頼性を特に優れたものとすることができる。
露光工程、現像工程後、樹脂材料中の熱硬化樹脂はほとんど反応せずに存在しているため、樹脂材料を加熱することにより、樹脂材料中の熱硬化性樹脂の粘度が低下する。これにより、樹脂材料の第2のシート材22の表面への濡れ性が向上する。さらに、加熱をすることで、樹脂材料中の熱硬化性樹脂が硬化するため、樹脂材料と第2のシート材22の表面の接着性を高めることができる。
本工程での加熱温度は、80℃以上250℃以下であるのが好ましく、90℃以上220℃以下であるのがより好ましく、100℃以上200℃以下であるのがさらに好ましい。
これにより、ベイパーチャンバー100の構成材料の不本意な劣化等をより効果的に防止しつつ、前述したような効果がより顕著に発揮される。また、ベイパーチャンバー100の生産性をより優れたものとすることができる。
また、本工程では、異なる条件での加熱を組み合わせて行ってもよい。具体的には、例えば、加圧状態での加熱処理(熱圧着)と、その後の加圧状態を解除した状態での加熱処理(ポストキュア)とを組み合わせて行ってもよい。
また、本工程での加熱時間は、0.1分間以上600分間以下であるのが好ましい。
これにより、ベイパーチャンバー100の構成材料の不本意な劣化等をより効果的に防止しつつ、前述したような効果がより顕著に発揮される。また、ベイパーチャンバー100の生産性をより優れたものとすることができる。
上記のように、加圧状態での加熱処理(熱圧着)と、その後の加圧状態を解除した状態での加熱処理(ポストキュア)とを組み合わせて行う場合、加圧状態での加熱処理(熱圧着)の処理時間は、0.1分間以上10分間以下であるのが好ましく、加圧状態を解除した状態での加熱処理(ポストキュア)での処理時間は、20分間以上480分間以下であるのが好ましい。
[4-6]作動液供給・密封工程
作動液供給・密封工程では、第1のシート材21と第2のシート材22との間の空間に作動液30を注入するとともに、当該空間を密封する(1f)。
作動液30の注入は、例えば、第1のシート材21と第2のシート材22との間の空間を、真空引きにより減圧した状態で好適に行うことができる。
第1のシート材21と第2のシート材22との間の空間を減圧することで、作動液30の沸点を低下させることができ、作動液30の蒸発、凝縮のサイクルをより効率良く行うことができるため、熱輸送効果、均熱効果をさらに高めることができる。
作動液30の注入後、作動液30の注入部が封止され、変形防止部材10(ウィック構造体)、作動液30が収納された空間が、液密的、気密的に密封される。
変形防止部材10(ウィック構造体)、作動液30が収納された空間の密封は、封止部23の形成により行われる。
封止部23の形成方法としては、例えば、メッキアップ、レーザー溶接、シーム溶接、冷間圧接、拡散接合、ロウ付け、接着等が挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述したものに限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、本発明の樹脂組成物は、ベイパーチャンバーの製造に用いられるものであればよく、前述したベイパーチャンバーの製造方法以外の方法、前述した構成のベイパーチャンバー以外のベイパーチャンバーに適用されるものであってもよい。
より具体的には、例えば、本発明の樹脂組成物を用いたベイパーチャンバーの製造方法では、前述した工程に加えて、他の工程をさらに有していてもよい。
また、例えば、前述した実施形態では、2枚のシート材(第1のシート材および第2のシート材)を用いて、コンテナを形成する場合について説明したが、コンテナは、1枚のシート材を用いて形成されたものであってもよいし、3枚以上のシート材を用いて形成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、ベイパーチャンバーを構成するウィック構造体が、本発明の樹脂組成物とともに繊維を含むものである場合について代表的に説明したが、ウィック構造体は、繊維を含まないものであってもよい。言い換えると、変形防止部材は、繊維と一体的に形成されたものでなくてもよい。
また、前述した実施形態では、ベイパーチャンバーが、発熱部材の熱を所定の場所へ移動させる目的で用いるものである場合について中心的に説明したが、ベイパーチャンバーは、例えば、発熱部材の局所的な高温部の熱を均熱する目的で用いるものであってもよい。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[5]樹脂組成物の調製
(実施例1)
1.アルカリ可溶性樹脂(アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂(光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂:メタクリル変性ビスフェノールAノボラック樹脂:MPN)の合成)
フェノールノボラック樹脂(フェノライトLF-4871、DIC社製)の固形分60%メチルエチルケトン(MEK)溶液:500gを、2Lフラスコ中に投入し、これに触媒としてのトリブチルアミン:1.5g、および、重合禁止剤としてハイドロキノン:0.15gを添加し、100℃に加温した。
その後、上記の混合物中にグリシジルメタクリレート:162.6gを30分間かけて滴下し、100℃で5時間攪拌して反応させることにより、不揮発分:69.9%のメタクリル変性フェノールノボラック樹脂を得た。このようにして得られたアルカリ可溶性樹脂としてのメタクリル変性フェノールノボラック樹脂は、分子内に、(メタ)アクリル基とフェノール性水酸基とを含むものである。また、このようにして得られたメタクリル変性フェノールノボラック樹脂(アルカリ可溶性樹脂)の変性率は45%であった。
2.樹脂ワニスの調製(樹脂組成物)
アルカリ可溶性樹脂(光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂)としての上記のようにして合成したメタクリル変性フェノールノボラック樹脂(MPN):45質量部、光重合性樹脂としての室温で液状のメタクリルモノマー(新中村化学社製、NKエステル 3G):13質量部、熱硬化性樹脂としてのフェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、エピクロンN-770):30質量部、熱硬化性樹脂としてのビスフェノールF(本州化学工業社製、Bis-F):10質量部を秤量し、さらにメチルエチルケトン(MEK)を添加し、樹脂成分濃度が71質量%となるように調整した。そして、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(N-770)が溶解するまで攪拌した。
その後、さらに、硬化剤(感光剤)(IGM Resins B.V.社製、Irgacure651):1.7質量部、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシイミダゾール(四国化成工業社製、2PHZ-PW):0.3質量部を添加し、攪拌羽根(450rpm)にて、1時間攪拌することにより、樹脂組成物としての樹脂ワニスを得た。
(実施例2~8)
アルカリ可溶性樹脂、光重合性樹脂および熱硬化性樹脂の種類、含有量を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして樹脂組成物としての樹脂ワニスを得た。
(実施例9)
1.アルカリ可溶性樹脂(アルカリ可溶性基および二重結合を有する樹脂(光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂:メタクリル変性フェノールノボラック樹脂MPN2)の合成)
フェノールノボラック(大日本インキ化学工業社製、フェノライトTD-2090-60M)の不揮発分70%MEK溶液600g(OH約4当量)を、2Lのフラスコ中に投入し、これにトリブチルアミン1g、およびハイドロキノン0.2gを添加し、110℃に加温した。その中へ、グリシジルメタクリレート284g(2モル)を30分間で滴下した後、110℃で5時間攪拌反応させることにより、不揮発分80%メタクリロイル基含有フェノールノボラック樹脂(メタクリロイル基変性率50%)を得た。
2.樹脂ワニスの調製(樹脂組成物)
アルカリ可溶性樹脂(光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂)としての上記のようにして合成したメタクリル変性フェノールノボラック樹脂:45質量部、光重合性樹脂としての室温で液状のメタクリルモノマー(新中村化学社製、NKエステル 3G):13質量部、熱硬化性樹脂としてのフェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、エピクロンN-770):30質量部、熱硬化性樹脂としてのビスフェノールF(本州化学工業社製、Bis-F):10質量部を秤量し、さらにメチルエチルケトン(MEK)を添加し、樹脂成分濃度が71質量%となるように調整した。そして、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(N-770)が溶解するまで攪拌した。
その後、さらに、硬化剤(感光剤)(IGM Resins B.V.社製、Irgacure651):1.7質量部、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシイミダゾール(四国化成工業社製、2PHZ-PW):0.3質量部を添加し、攪拌羽根(450rpm)にて、1時間攪拌することにより、樹脂組成物としての樹脂ワニスを得た。
(実施例10)
1.樹脂ワニスの調製(樹脂組成物)
アルカリ可溶性樹脂(光および熱の両方で硬化可能な硬化性樹脂)としてサイクロマーP(ACA)Z250:45質量部、光重合性樹脂としての室温で液状のメタクリルモノマー(新中村化学社製、NKエステル 3G):13質量部、熱硬化性樹脂としてのフェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、エピクロンN-770):30質量部、熱硬化性樹脂としてのビスフェノールF(本州化学工業社製、Bis-F):10質量部を秤量し、さらにメチルエチルケトン(MEK)を添加し、樹脂成分濃度が71質量%となるように調整した。そして、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(N-770)が溶解するまで攪拌した。
その後、さらに、硬化剤(感光剤)(IGM Resins B.V.社製、Irgacure651):1.7質量部、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシイミダゾール(四国化成工業社製、2PHZ-PW):0.3質量部を添加し、攪拌羽根(450rpm)にて、1時間攪拌することにより、樹脂組成物としての樹脂ワニスを得た。
(比較例1)
前記熱硬化性樹脂を用いず、アルカリ可溶性樹脂の含有量、光重合性樹脂の種類、含有量を表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして樹脂組成物としての樹脂ワニスを得た。
前記各実施例および比較例の樹脂組成物の構成を表1にまとめて示す。なお、表1中、実施例1で合成したアルカリ可溶性樹脂((メタ)アクリル基およびフェノール性水酸基を有する樹脂)としてのメタクリル変性ビスフェノールAノボラック樹脂を「MPN」、実施例9で合成したアルカリ可溶性樹脂((メタ)アクリル基およびフェノール性水酸基を有する樹脂)としてのメタクリル変性フェノールノボラック樹脂を「MPN2」、フェノール性水酸基を有し、(メタ)アクリル基を有していないアルカリ可溶性樹脂としてのクレゾールノボラック(DIC社製、PHENOLITEKA-1160)を「K1160」、実施例10で用いたアルカリ可溶性樹脂((メタ)アクリル基およびカルボキシル基を有する樹脂)としてのサイクロマーP (ACA)Z250(ダイセル・オルネクス社製)を「Z250」、光重合性樹脂としてのメタアクリルモノマー(トリエチレングリコールジメタクリレート 新中村化学工業社製、NKエステル 3G)を「NKE-3G」、光重合性樹脂としてのメタアクリルモノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート 新中村化学工業社製、NKエステル A-TMP)を「A-TMP」、光重合性樹脂としての脂肪族酸変性エポキシアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EBECRYL3702)を「E3702」、光重合性樹脂としての変性エポキシアクリレート(ダイセル・オルネクス社製、EBECRYL3708)を「E3708」、熱硬化性樹脂としてのフェノールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、EPICRON N-770)を「N-770」、熱硬化性樹脂としてのクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、エピクロンN-665)を「N-665」、熱硬化性樹脂としてのビスフェノールF(本州化学工業社製、Bis-F)を「Bis-F」、熱硬化性樹脂としてのビスフェノールA(日鉄ケミカル&マテリアル社製、ビスフェノールA)を「Bis-A」、硬化剤(感光剤)としてのIGB Resin B.V.社製、Irgacure651を「I651」、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシイミダゾール(四国化成工業社製、2PHZ-PW)を「2PHZ-PW」と示した。また、表1中には、樹脂組成物中におけるアルカリ可溶性樹脂の含有率をXA[質量%]、樹脂組成物中における光重合性樹脂の含有率をXP[質量%]、樹脂組成物中における熱硬化性樹脂の含有率をXT[質量%]としたときの、XP/XAの値、XT/XAの値も併せて示した。
Figure 2022079441000001
[6]ベイパーチャンバー製造用部材の製造
前記各実施例および比較例の樹脂組成物(樹脂ワニス)を用いて、それぞれ、以下のようにして、ベイパーチャンバー製造用部材を製造した。
繊維基材を、上記のようにして得られた樹脂ワニス中に浸漬することにより、繊維基材を構成する繊維同士の隙間に樹脂ワニスを含侵させた。
ここで、繊維基材としては、ガラスクロス(ユニチカ社製、#2116)95μm厚の織布を用いた。
その後、80℃で15分間、加熱・乾燥することにより、ベイパーチャンバー製造用部材を得た。
このようにして得られたベイパーチャンバー製造用部材は、その厚さが150μmのシート状をなすものであり、図8に示すように、その厚さ方向の中心付近に繊維基材が存在し、ベイパーチャンバー製造用部材の両面には、繊維は存在していなかった。
[7]ベイパーチャンバーの製造
まず、上記のようにして得られた前記実施例1に係るベイパーチャンバー製造用部材を用意し(ベイパーチャンバー製造用部材用意工程)、その一方の面である第1の面において、ベイパーチャンバー製造用部材を構成する未硬化状態の樹脂材料(樹脂組成物)の粘着性を利用して、第1のシート材としての銅製のシート材(厚さ:35μm)に接合した(第1の接合工程)。
次に、第1のシート材に接合されたベイパーチャンバー製造用部材に対して、形成すべき流路壁に対応するパターンで開口部(光透過部)が設けられたフォトマスクを用いて、光の照射(露光)を行った(露光工程)。露光は、365nmを主波長とする水銀ランプを用い、露光量:700mJ/cmという条件で行った。
次に、アルカリ水溶液である3質量%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を現像液として用いて、現像液圧力:0.2MPa、現像時間:150秒間という条件で処理を行い、露光工程で光が照射されなかった部位の未硬化状態の樹脂材料を除去した(現像工程)。
次に、現像工程を経たベイパーチャンバー製造用部材を、第1の面とは反対側の面である第2の面において、第2のシート材としての銅製のシート材(厚さ:35μm)に接触させ、1MPaの圧力で押圧した。この状態で、170℃×1分間の熱圧着を行い、次いで、オーブンで、180℃×90分間の熱処理(ポストキュア)を行うことにより、ベイパーチャンバー製造用部材と第2のシート材とを強固に密着させ、その後、硬化反応が完了することにより、ベイパーチャンバー製造用部材を用いて形成されたウィック構造体が、第1の面で第1のシート材とが強固に結合し、第2の面で第2のシート材と強固に接合した接合体が得られた(第2の接合工程)。すなわち、第2の接合工程では、ベイパーチャンバー製造用部材と第2のシート材とを接触させた状態で加熱することにより、まず、熱硬化性樹脂の熱硬化の過程で接着性(粘着性)が発現し、その後、さらに加熱を行うことにより、熱硬化性樹脂の硬化反応が完了した。
その後、銅メッキにより第1のシート材と第2のシート材の周縁部を接合し第1のシート材と第2のシート材との間の空間を密封し、さらに、第1のシート材と第2のシート材との間の空間に、作動液としての純水を注入した。さらに、純水を注入する口を半田により封止した(作動液供給・密封工程)。これにより、図6に示すようなベイパーチャンバーが得られた。
このようにして得られたベイパーチャンバーが備えるウィック構造体は、厚さが200μmで、図5に示すような構造を有するものであり、その長手方向に延在し、樹脂硬化物を含む材料で構成され、作動液の流路壁として機能する部位を複数有するものであり、隣り合う流路壁の間隔(すなわち、流路部分の幅)が500μm、流路壁の幅が100μmのものであった。
前記実施例1以外の各実施例および比較例に係るベイパーチャンバー製造用部材についても、前記と同様の処理を施すことにより、ベイパーチャンバーの製造を試みた。各実施例では、ベイパーチャンバーを製造することができたが、比較例では、ベイパーチャンバー製造用部材と第2のシート材とを接触させた状態での加熱でも接着性(粘着性)が発現せず、第2のシート材とベイパーチャンバー製造用部材(ウィック構造体)とを接合することができず、ベイパーチャンバーを製造することができなかった。
[8]評価
[8-1]現像性
前記各実施例および比較例の樹脂組成物を使用したベイパーチャンバー製造用部材を現像後、流路壁を観察し、以下の基準で判定した。すなわち、上記[7]での現像工程を経たベイパーチャンバー製造用部材であって、第2のシート材を接触させる前のベイパーチャンバー製造用部材について、流路壁を観察し、以下の基準で判定した。
◎:ガラスクロス両面の流路壁が所望の形状に作製できていた。
〇:ガラスクロスの第1のシート材側の流路壁が所望のサイズよりも細く形成されていた。
×:ガラスクロスの第1のシート材側の流路壁が形成されていなかった。
[8-2]曲げ性
前記各実施例および比較例の樹脂組成物を使用して、上記[6]で製造したベイパーチャンバー製造用部材を、それぞれ、離型性の基材上に載置し、形成すべき流路壁に対応するパターンで開口部(光透過部)が設けられたフォトマスクを用いて、光の照射(露光)を行った(露光工程)。露光は、365nmを主波長とする水銀ランプを用い、露光量:700mJ/cmという条件で行った。
次に、アルカリ水溶液である3質量%水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を現像液として用いて、現像液圧力:0.2MPa、現像時間:150秒間という条件で処理を行い、露光工程で光が照射されなかった部位の未硬化状態の樹脂材料を除去した(現像工程)。
このようにして現像処理が施されたベイパーチャンバー製造用部材を、卓上型屈曲試験機(ユアサシステム機器社製)を用い曲げR10で試験を実施後、ベイパーチャンバー製造用部材の流路壁を観察、以下の基準で判定した。
◎:流路壁にクラック無し。
△:流路壁の表面が白化。
×:流路壁にクラックが発生。
[8-3]再接着性
前記各実施例および比較例の樹脂組成物を使用したウィック構造体に第2のシート材を接合させた後、ダイシェア強度をダイシェア測定器(レスカ社製)で測定、以下の基準で判定した。すなわち、上記[7]での第2の接合工程を経たベイパーチャンバー製造用部材であって、第1のシート材と第2のシート材の周縁部を接合しておらず、作動液としての純水を注入していない状態のものについて、ダイシェア強度をダイシェア測定器(レスカ社製)で測定、以下の基準で判定した。
◎:ダイシェア強度が25MPa以上。
〇:接着したがダイシェア強度が25MPa以下。
×:接着できない。
これらの結果を表2にまとめて示す。
Figure 2022079441000002
表2から明らかなように、前記各実施例に係るベイパーチャンバーは、フレキシブル性(柔軟性)、耐久性に優れていることが確認された。また、上記[7]で得られた各ベイパーチャンバーについて、手で湾曲させたところ、前記各実施例に係るベイパーチャンバーでは、いずれも優れたフレキシブル性(柔軟性)を示し、また、湾曲の操作を繰り返しても破損等は生ぜず、優れた耐久性を有していることが確認された。これに対し、比較例では、満足の行く結果が得られなかった。
また、前記各実施例および比較例の樹脂組成物を用いて、第2のシート材として厚さが1mmのものを用いるとともに、熱圧着を80℃×1分間、ポストキュアを80℃×12時間とする条件(条件1)、熱圧着を150℃×1分間、ポストキュアを150℃×2時間とする条件(条件2)、熱圧着を250℃×1分間、ポストキュアを250℃×10分間とする条件(条件3)とした以外は、上記[7]と同様にしてベイパーチャンバーを製造し、上記[8-3]と同様の評価を行った。
ただし、評価基準は、以下の通りとした。
A:ダイシェア強度が40MPa以上。
B:ダイシェア強度が30MPa以上40MPa未満。
C:ダイシェア強度が20MPa以上30MPa未満。
D:ダイシェア強度が10MPa以上20MPa未満。
E:ダイシェア強度が10MPa未満、または、接着できない。
その結果を表3に示す。
Figure 2022079441000003
また、ベイパーチャンバー製造用部材を構成する繊維基材の厚さを、10μm以上1000μm以下の範囲内で種々変更し、ベイパーチャンバー製造用部材の厚さを、10μm以上2000μm以下の範囲内で種々変更し、ベイパーチャンバー製造用部材中における、繊維の含有率をXf[質量%]、樹脂材料(樹脂組成物)の含有率をXr[質量%]としたときのXf/Xrの値を0.01以上8.0以下の範囲内で種々変更した以外は、前記実施例と同様にしてベイパーチャンバーを製造し、前記と同様に評価を行ったところ、前記と同様に優れた効果が得られた。
また、繊維基材への樹脂ワニスの付与方法を変更することにより、ベイパーチャンバー製造用部材を図7、図9で示されるようなものとして製造し、これらのベイパーチャンバー製造用部材を用いて、図1、図3、図4に示すような断面構造となるようにした以外は、前記実施例と同様にしてベイパーチャンバーを製造し、前記と同様に評価を行ったところ、前記と同様に優れた効果が得られた。
100 :ベイパーチャンバー
10 :変形防止部材
10’ :ベイパーチャンバー製造用部材
11 :第1の面
12 :第2の面
13 :繊維基材(繊維シート)
131 :繊維
14’ :樹脂材料
14 :樹脂硬化物
15 :流路部分
16 :流路壁
20 :コンテナ
21 :第1のシート材
22 :第2のシート材
23 :封止部
30 :作動液(作動流体)
S :間隔
L :幅
E :光(露光光)
M :フォトマスク

Claims (7)

  1. 内部に空洞部を有するコンテナと、前記空洞部に配置され前記コンテナの厚さ方向の変形を防止する機能を有する変形防止部材と、前記空洞部に配置された作動液とを有するベイパーチャンバーの前記変形防止部材の製造に用いられる樹脂組成物であり、
    フォトリソグラフィー後の熱処理により接着性を発現することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記熱処理の加熱温度は、80℃以上250℃以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂と、光重合性樹脂と、前記アルカリ可溶性樹脂とは異なる熱硬化性樹脂とを含むものである請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記アルカリ可溶性樹脂は、(メタ)アクリル基とフェノール性水酸基とを含むもの、または、(メタ)アクリル基とカルボキシル基とを含むものである請求項3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記変形防止部材は、ウィックとして機能する繊維と一体的に形成されるものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記繊維は、ガラス繊維である請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 前記コンテナは、少なくとも前記変形防止部材と接触する部位が、CuまたはCu合金で構成されたものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
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