JP2022078886A - 粒子線監視システム、粒子線監視方法および粒子線治療システム - Google Patents

粒子線監視システム、粒子線監視方法および粒子線治療システム Download PDF

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Abstract

【課題】粒子線の到達位置を精度よく監視できるようにすること。【解決手段】被照射体6へ入射される粒子線21の到達位置を監視する粒子線監視システム4は、粒子線の進行方向に沿って設けられ、それぞれガンマ線を検出して検出信号を出力する検出素子71を複数配置してなる検出器7と、粒子線の照射軸と検出器との間に設けられ、ガンマ線の透過する透過部81を有する遮蔽体8と、粒子線を被照射体へ照射する際に検出器に到来するノイズ分布が事前に算出された所定データと、検出器の出力する検出信号とに基づいて、検出信号に含まれるノイズ成分を演算するノイズ演算部11と、複数の検出素子がそれぞれ検出するガンマ線の計数値とノイズ分布から算出される信号分布とに基づいて、粒子線のエネルギが最大となるブラックピークの位置を推定する粒子線到達位置演算部13と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、粒子線監視システム、粒子線監視方法および粒子線治療システムに関するものである。
粒子線監視システムは、例えば、粒子線を用いた治療システム等で使用される。粒子線治療は、陽子や炭素等の粒子線を患者の腫瘍に対して照射することにより、腫瘍を治療する。粒子線治療において、粒子線は、粒子線発生装置により粒子を加速することにより生成される。生成された粒子線は、ビーム輸送系によって治療室へ導かれ、治療室内の照射装置から患者の治療部位へ照射される。一般に、患者の体内に照射された陽子線や重粒子線等の荷電粒子線(以下、単に粒子線という)は、所定の深さで止まり、停止直前にエネルギが最大になるという性質を持つ。粒子線が到達する深さは、粒子線のエネルギに応じて定まる。
粒子線治療では、上述した粒子線の性質を生かし、粒子線のエネルギを変更することにより粒子線の到達位置を調整する。すなわち、粒子線が患部で止まるようにエネルギを調整して粒子線を患部へ照射し、停止直前に最大のエネルギを患部に与えて、患部の組織を破壊する。しかし、実際の粒子線の到達位置は、治療装置側の要因および患者側の要因により、設計された到達位置とは必ずしも一致しない。このため粒子線による患部の治療に際しては、粒子線の実際の到達位置を確認する必要がある。そこで、粒子線の到達位置の確認のため、荷電粒子の深さ方向(照射軸方向)への線量分布を計測する技術が提案されている。
特許文献1、特許文献2には、粒子線と照射対象との相互作用によって発生する放射線を計測することにより、深さ方向の線量分布を計測する技術が記載されている。すなわち、粒子線が照射対象内部を進行するとき、粒子線と照射対象内部の原子との衝突により即発ガンマ線が発生する。特許文献1では、ガンマ線ピンホールカメラを使用して、粒子線の照射により発生した即発ガンマ線の深さ方向への線量分布を計測することにより、ブラックピークを求める。
特許文献2では、即発ガンマ線が検出器に衝突して電子対生成が起きた位置と、電子と陽電子の進行方向と、電子と陽電子のエネルギの情報とから、粒子線の照射により発生した即発ガンマ線の深さ方向への線量分布を計測し、ブラッグピークを検出する。
ここで、ブラッグピークは、荷電粒子線のエネルギを深さ方向の線量分布で表したときに、その線量分布のピークとして定義される。ブラッグピークの位置が荷電粒子線の到達位置に相当する。
特表2011-526504号公報 特開2019-88597号公報
従来の粒子線システムでは、荷電粒子線の照射された位置を十分な精度で特定するための即発ガンマ線の測定量に対し、ノイズが多いため、粒子線の位置を高精度に測定することは難しい。ノイズ源は、粒子線照射に伴い体内で発生する中性子、および中性子が体内や検出装置と核反応することにより生成される粒子である。従来技術では、ノイズを低減することができなければ、粒子線の位置を高精度に測定することは難しい。
特許文献1に記載の技術では、即発ガンマ線と中性子とでは飛行時間差があることから、照射タイミングと同期したタイムゲートを設けた計測により、中性子由来の信号(ノイズ)を低減することが可能であることが記載されている。しかしながら、上述の飛行時間差以上の時間で、粒子線を一回で照射する場合、信号とノイズとを区別できない。
特許文献2に記載の技術では、到来する粒子のエネルギを10MeV以上とすることで、粒子線の照射軸上から発生したガンマ線信号のみを検出可能である。しかし、ガンマ線のエネルギが高くなるにつれ、検出器における相互作用の確率が低下するため、検出感度が低下する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的は、粒子線の到達位置を精度よく監視できるようにした粒子線監視システム、粒子線監視方法および粒子線治療システムを提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明に従う粒子線監視システムは、被照射体へ入射される粒子線の到達位置を監視する粒子線監視システムであって、粒子線の進行方向に沿って設けられ、それぞれガンマ線を検出して検出信号を出力する検出素子を複数配置してなる検出器と、粒子線の照射軸と検出器との間に設けられ、ガンマ線の透過する透過部を有する遮蔽体と、粒子線を被照射体へ照射する際に検出器に到来するノイズ分布が事前に算出された所定データと、検出器の出力する検出信号とに基づいて、検出信号に含まれるノイズ成分を演算するノイズ演算部と、複数の検出素子がそれぞれ検出するガンマ線の計数値とノイズ分布から算出される信号分布とに基づいて、粒子線のエネルギが最大となるブラックピークの位置を推定する粒子線到達位置演算部と、を備える。
本発明によれば、粒子線の到達位置を算出することができる。
粒子線監視システムを備える粒子線治療システムの全体構成図である。 粒子線の照射軸方向の線量分布を概念的に示す図である。 検出器におけるカウントプロファイルの概念図である。 粒子線の照射軸に沿って再構成したプロファイルの概念図である。 遮蔽体への中性子到来量を示す概念図である。 検出器によるガンマ線の検出確率を示す概念図である。 遮蔽体構造の一例を示す概念図である。 粒子線の到達位置を求める処理のフローチャートである。 第2実施例に係り、ノイズ分布推定におけるエネルギスペクトルを示す概念図である。 第3実施例に係る粒子線監視システムを備える粒子線治療システムの全体構成図である。 粒子線の到達位置を求める処理のフローチャートである。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、粒子線が被照射体へ入射した際の飛程(到達位置)を測定する。本実施形態に係る粒子線監視システムは、粒子線治療システムの一部として用いることができる。これに限らず、本実施形態に係る粒子線監視システムは、高エネルギ物理実験に用いる装置、中性子捕捉療法(BNCT:Boron Neutron Capture Therapy)に用いる装置などとして使用することもできる。
本実施形態では、荷電粒子線(以下、粒子線)と照射対象である被照射体との相互作用により発生するガンマ線を検出するガンマ線検出器と、粒子線の照射軸と検出器との間に配置され、ガンマ線を透過する透過部が形成されたガンマ線遮蔽体(以下、遮蔽体)と、治療計画時にノイズ分布を算出し、一つ以上の検出器信号から前述のノイズ分布を利用してノイズ成分を演算する演算部と、複数の検出素子がそれぞれ検出したガンマ線の計数値と前記ノイズ分布から算出した信号分布を用いて、粒子線のエネルギが最大となるブラッグピークの位置を推定する演算部とを備え、検出したガンマ線の計数分布に基づいて粒子線照射軸に再構成された分布から粒子線の到達位置を求める。
本実施形態によれば、粒子線の到達位置の測定感度と位置分解能とを向上でき、粒子線の照射位置を確認できる。したがって、本実施形態に係る粒子線監視システムを備える粒子線治療システムは、粒子線治療の適用部位の拡大および治療効率を向上させることができる。
本実施形態では、例えば、以下の構成が開示される。
粒子線治療システムにおいて、被照射体に照射された粒子粒子線の照射軸に沿って発生する即発ガンマ線を検出し、前記粒子粒子線の到達位置を監視する粒子線監視システムであって、前記粒子粒子線の進行方向に沿って配列し、それぞれガンマ線を検出する複数の検出素子を備えた検出器と、前記粒子粒子線の照射軸と前記検出器との間に配置され、ガンマ線を透過する透過部が形成された遮蔽体と、治療計画時にノイズ分布を算出し、一つ以上の検出器信号から前述のノイズ分布を利用してノイズ成分を演算するノイズ演算部と、前記複数の検出素子がそれぞれ検出したガンマ線の計数値と前記ノイズ分布から算出した信号分布を用いて、前記粒子粒子線のエネルギが最大となるブラッグピークの位置を推定する演算部と、を備える粒子線治療システム。
前記粒子線治療システムにおいて、前記遮蔽体と前記ガンマ線検出器を前記粒子線の照射軸方向に沿って移動させる移動機構を備え、前記粒子線の照射軸方向に沿って異なる位置で前記ガンマ線を検出する粒子線治療システム。
前記遮蔽体と前記ガンマ線検出器の組を複数備え、複数の前記センサが、前記粒子線の照射軸に対して垂直に異なる位置に配置されてもよい。
前記ノイズ演算部は、患者ごとの治療計画データに基づきあらかじめ粒子線の照射エネルギごとにシミュレーションを行って算出したノイズの分布から、照射ごとのノイズ分布を演算してもよい。
前記遮蔽体の透過部を通過したガンマ線を検出する前記ガンマ線センサで検出した計数値と、前記遮蔽体のうち前記透過部以外の非透過部を通過したガンマ線を検出する視野外に位置する1つ以上の前記ガンマ線センサで検出した計数値とから、ノイズ量を算出するノイズ演算部を備えることもできる。
前記検出器の素子ごとに計測した計数値から、ノイズ分布にしたがって算出されたノイズ値を減算することにより得られた分布に基づき、前記検出器の位置情報を用いて、前記照射軸に沿ったガンマ線計数値に変換して再構成プロファイルを作成する再構成部を備え、当該再構成部が作成した前記再構成プロファイルを用いて前記ブラッグピークを推定してもよい。
図1~図8を用いて第1実施例を説明する。図1は、本実施例の粒子線監視システム4を含む粒子線治療システム1の全体構成図である。粒子線治療システム1は、粒子線利用システムと呼ぶこともできる。
粒子線治療システム1は、図1に示すように、被照射体6(粒子線治療の対象である患者)に粒子線を照射する粒子線照射装置2と、被照射体6に照射された粒子線をモニタする粒子線監視システム4と、を備えている。
粒子線監視システム4は、ガンマ線検出器7と、遮蔽体8と、制御装置10とを含む。「検出器」としてのガンマ線検出器7は、粒子線21を被照射体6へ照射することにより発生する即発ガンマ線を検出する。遮蔽体8は、ガンマ線検出器7と被照射体6との間に配置され、透過部81を有する。制御装置10は、ガンマ線検出器7に接続され、その検出結果について演算すると共に、粒子線照射装置2を制御する。
粒子線照射装置2は、被照射体6に対して、粒子線21を照射する。粒子線照射装置2は、例えば、粒子線発生装置、粒子線輸送装置、照射部(いずれも図示せず)を含んでもよい。粒子線発生装置は、サイクロンやシンクロトロンなどを有し、陽子や炭素等の粒子線を発生する。粒子線輸送装置は、粒子線発生装置から出力された粒子線を照射部へ輸送する。照射部は、粒子線21の照射方向および粒子線径(照射野)を制御し、被照射体6内の標的、例えば腫瘍へ向けて粒子線を照射する。粒子線照射装置2は、粒子線監視システム4による監視結果に従って、粒子線発生装置の動作と照射装置の動作とを制御する照射制御部3をさらに備えてもよい。以下、標的61を対象領域61とも呼ぶ。
ガンマ線検出器7は、粒子線21を照射された被照射体6の体内組織から発生する即発ガンマ線22を検出する。ガンマ線検出器7がガンマ線を検出する手段は、例えば、シンチレータとシンチレータから発せられた光を電子信号に変換する光電変換器とから構成されてもよい。シンチレータとしては、例えば、LaBr3、GSO、LYSOおよびBGO等を用いてもよいし、これらとは異なる組成の放射線発光素子を用いてもよい。光電変換器としては、例えば、光電子増倍管、フォトダイオード等を用いることができる。また、シンチレータではなく、例えば、CdTeやCZT等の半導体検出器を用いてもよく、この場合、ガンマ線検出器7は、光電変換器の代わりに前置増幅器を用いる。
ガンマ線検出器7は、複数の検出素子71が少なくとも一次元方向に配列されたアレイ型の検出器である。ガンマ線検出器7は、検出素子71の配列方向が、粒子線21の照射軸とほぼ一致するように配置される。これにより、ガンマ線検出器7は、照射軸に対し角度をもって飛来する即発ガンマ線を捉えることができる。照射軸方向の位置は、治療計画で設定されている照射の目標位置が検出範囲に含まれるように設置すればよい。
ガンマ線検出器7は、少なくとも一つあればよい。後述の例に示すように、ガンマ線検出器7を、照射軸の周りに複数配置してもよい。これによりガンマ線の検出精度を高めることができる。ガンマ線検出器7の各検出素子71が検出したガンマ線の計数値が制御装置10に入力される。
遮蔽体8は、ガンマ線を実質的に透過しない材料によって形成される。実質的に透過しない材料としては、質量数が大きく、密度の高い物質を用いることができ、例えば、鉛または鉛を含む材料やタングステンなどでもよい。遮蔽体8は、ガンマ線検出器7の照射軸側に設置され、ガンマ線検出器7によるガンマ線検出の範囲を制限する。遮蔽体8は、照射軸に沿って1つ以上のガンマ線透過部81を有する。透過部81はガンマ線を透過する材料でもよいし、遮蔽体8に形成したスリットでもよい。以下、透過部はスリット81であるとして説明する。
粒子線21の照射軸に沿ったガンマ線発生源とガンマ線検出器7との間に、透過部としてのスリット81を有する遮蔽体8を配置する。これにより、ガンマ線検出器7の各検出素子71には、粒子線21の移動に伴って、スリット81からのガンマ線が飛来する。従って、ガンマ線検出器7の検出信号の出力(以下、検出出力とも呼ぶ)は、スリット81を経て各検出素子71に飛来した計数値の積算値となる。ここでは、検出器7の検出素子71の配列方向(検出器軸)に沿って検出器7の積算値をプロットしたものを、計数値のプロファイルあるいは単にプロファイルと定義する。このプロファイルは、粒子線21の線量分布を反映しているので、このプロファイルを解析することにより粒子線21の線量分布を推定できる。
移動機構9は、遮蔽体8および検出器7の組からなる所定のセンサを粒子線の照射軸方向と平行に移動させる機構である。
制御装置10は、ガンマ線検出器7の検出出力(プロファイル)を解析し、粒子線21の照射軸方向の線量分布において線量が最大となる点、すなわちブラッグピーク(BP)を推定する。このため、制御装置10は、ガンマ線検出器7の検出出力を解析する演算部11,12,13を備えている。検出出力の解析には、治療計画データベース5から、患者ごと照射ごとに、データを読み込む。治療計画データベース5は、事前の治療計画のデータと、治療計画データに基づきシミュレートされたデータとを格納する。
制御装置10は、演算結果を表示する表示部14と、解析に必要なデータや演算部11,12,13による解析結果等を格納するデータベース(不図示)を備えてもよい。演算部11,12,13が行う解析処理は後述する。
制御装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサと、メモリ(いずれも図示せず)とを備えたコンピュータ等によって構成できる。
CPUが、メモリに格納されたコンピュータプログラムを読み込んで実行することにより、演算部11,12,13の機能をソフトウエアにより実現する。演算部11,12,13は、その一部または全部の機能をハードウエアによって実現してもよい。例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のようなカスタムICや、FPGA(Field-Programmable Gate Array)のようなプログラマブルICを用いて、演算部11,12,13を構成し、その機能を実現するように回路設計を行ってもよい。
治療計画データベース5には、例えばRAM(Random access memory)、ROM(Read only memory)、ハードディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカード等が用いられてもよい。治療計画データベース5は、インターネット等の通信回線上にあるストレージに設けられてもよい。制御装置10が実行する処理のうちの一部は、外部のコンピュータが実行してもよい。
なお、制御装置10に記憶媒体MMを接続することもできる。記憶媒体MMは、例えば、USBメモリ、ハードディスク、光ディスク、磁気テープ、光磁気ディスクなどのように構成される。記憶媒体MMに格納されたコンピュータプログラムおよびデータを制御装置10内のメモリへ転送して記憶させることができる。制御装置10内のメモリに記憶されたコンピュータプログラムおよびデータを記憶媒体MMへ転送して記憶させることもできる。記憶媒体MMは、制御装置10に有線または無線で接続される。記憶媒体MMは、通信ネットワークを介して制御装置10に接続されてもよい。記憶媒体MMに固定されたコンピュータプログラムおよびデータは、市場を流通して、他のコンピュータに読み込まれてもよい。
本実施例の粒子線治療システム1では、治療計画において「被照射体」としての標的61(腫瘍等)の位置が定まると、粒子線21の照射軸方向に沿った線量分布が極大になるブラッグピークの位置が患部における照射の目標位置と一致するように、粒子線のエネルギが設定される。通常、粒子線の照射は、標的を複数の小領域に分け、照射位置を変えながら、各小領域をスポット状に照射することで行われる。
図2は、粒子線21の照射軸方向に沿った線量分布Gr1を概念的に示す。図中、横軸は粒子線21の照射軸zを示し、縦軸は線量を示す。線量分布Gr1は、治療計画で計算された粒子線21の照射位置に1回だけ粒子線を照射した場合において、粒子線照射軸方向zにおける各位置に線量を対応づけたものである。粒子線照射軸方向zの線量分布は、粒子線21のエネルギに応じた位置で極大となる。線量分布が極大になる位置がブラッグピークと定義される位置である。
次いで、粒子線照射装置2が粒子線21を目標位置(標的61)へ照射する。粒子線の照射開始とともに、粒子線監視システム4は即発ガンマ線の検出を開始する。粒子線監視システム4は、ガンマ線検出器7により検出されたガンマ線の計数値の積算値の分布(プロファイル)を解析して、ブラックピークの位置すなわち荷電粒子の到達位置を算出する。粒子線監視システム4により算出された粒子の到達位置は、表示部14に表示される。ユーザは、表示部14に表示された情報によって、照射の目標位置へ粒子線21が到達したか否かを確認することができる。
制御装置10が対象領域(標的)61に粒子線21が当たっていないと判定した場合、制御装置10は、粒子線照射装置2に制御信号を送り、粒子線の照射を中止する。さらに、制御装置10は、例えば、目標位置を変更するため調整する。あるいは、制御装置10は、照射制御部3を介して、粒子線照射装置2が被照射体6へ粒子線21を照射する位置を修正する制御を行うこともできる。さらに必要に応じて、制御装置10は、ガンマ線検出器7の配置位置を変更させる指示または示唆を、表示部14を介してユーザに与えてもよい。
本実施例によれば、粒子線21を、腫瘍等の対象領域61の外側に位置する正常組織62に照射する可能性を低減することができる。これにより、粒子線21の照射により損傷を受けやすい正常組織62の近傍に腫瘍が存在する場合であっても、粒子線治療を適用できる可能性を高めることができる。
また、本実施例の粒子線治療システム1は、粒子線21が腫瘍等の対象領域61に照射されていることを確認できるため、粒子線21の強度を大きく設定することができ、治療効率を向上させることができる。
ガンマ線検出器7の検出結果であるガンマ線のプロファイルを利用した粒子線監視装置(粒子線監視システム)4によるブラックピークの位置の算出方法を説明する。
本実施例では、即発ガンマ線が検出器7で検出された信号と、粒子線照射により体内で発生した中性子に由来して検出器7で検出された信号(ノイズ)とを分離し、ガンマ線のプロファイルを算出する。
すなわち、粒子線21を対象領域61へ照射すると、ブラックピークの位置情報を有する即発ガンマ線が発生し、その即発ガンマ線は検出器7へ入射して検出される。一方、対象領域61へ粒子線が照射されると、体内で中性子が発生し、その中性子に由来するガンマ線も検出器7により検出される。中性子に由来するガンマ線は、ブラックピークの位置情報を持たないノイズであるため、即発ガンマ線による検出信号と区別する。
本実施例では、1つの照射目標位置に対し粒子線を複数回にわたって照射する場合の処理を例に挙げて説明する。
まず、治療計画の作成において、図示せぬ治療台に患者を載せ、実際の粒子線照射を模擬した状態で、患者の3D(three dimensions)データを、例えばX線CT(Computed Tomography)により撮像する。医師は、3Dデータに基づき、腫瘍の位置を特定し、粒子線の照射方向および照射エネルギを決定する。3Dデータおよび照射計画データは、治療計画データとして治療計画データベース5へ格納される。
制御装置10は、治療計画データの取得後から実際に粒子線を患者の患部へ照射するまでの間に、粒子線を患者へ照射する際の検出器7で得られる計数分布およびノイズ分布を計算する。制御装置10のノイズ演算部11は、治療計画データ中の3Dデータ、粒子線の照射方向、粒子線の照射エネルギ、粒子線の照射位置を読み込む。ノイズ演算部11は、読み込んだデータに基づき、実際の粒子線照射時に設置される遮蔽体8および検出器7を模擬したシミュレーション演算する。ノイズ演算部11は、シミュレーション演算の結果から、検出器7で得られる計数分布およびノイズ分布を計算する。ノイズ分布は、患者ごと、粒子線照射の位置ごとに、計算される。
実際の治療時には、治療計画であらかじめ定められた位置に、ガンマ線検出器7と遮蔽体8を設置する。各々の粒子線照射の目標位置に対し、粒子線照射軸と平行な検出器軸xにおける検出素子71の位置x=x1~xNをあらかじめ定める。
図3に、ガンマ線検出器7のそれぞれの位置xで検出されたカウントプロファイルを示す。図3中、横軸は検出器位置xを示し、縦軸は検出器の計数値を示す。
ガンマ線検出器7で計測される計数値のプロファイルGr2は、スリット81を通過した位置ではカウントが高く、遮蔽体8を通過した位置ではカウントが低くなる。計数値のプロファイルGr2は、体内で発生した即発ガンマ線22の発生分布に応じて、x軸方向へシフトする。
図4に、ブラックピークの位置情報をもつ即発ガンマ線22による計数分布Gr3と、中性子に由来する分布Gr4(ノイズ分布)を示す。計数分布Gr3は、粒子線21の到達位置によってシフトする。粒子線照射位置と遮蔽体8と検出器7との幾何学的な位置関係から、粒子線の照射軸上に発生した即発ガンマ線22の発生分布Gr3を再構成することにより、ブラックピークの位置を特定することができる。すなわち、即発ガンマ線22の発生分布を再構成した再構成分布のシフト量から、ブラックピークの位置を算出することができる。
このとき、中性子に由来する分布Gr4は、即発ガンマ線22の計数分布Gr3と比較して、粒子線21の到達位置に敏感でないため、前記再構成においてノイズとなる。中性子に由来する検出信号は、複数の成分を含む。一つの成分は、体内で発生した中性子が遮蔽体8へ入射し、遮蔽体8の内部でガンマ線に変換されて発生する成分である。他の一つの成分は、体内で発生した中性子が遮蔽体8もしくはスリット81を通過し、最終的に中性子として検出器7に入射し、検出器7の内部でガンマ線に変換される成分である。
遮蔽体8の内部で変換されたガンマ線の発生分布は、遮蔽体8の位置xにおける中性子の到来する空間分布と同等となる。図5に、遮蔽体8に到来する中性子の空間分布Gr5を示す。粒子線照射により体内で発生した中性子は、指向性を有し、粒子線照射軸との成す角度が小さい方向に多量に放出される。このため図5に示すように、粒子線照射軸の下流側で中性子の到来量が大きくなる。
検出器7内部で変換されたガンマ線の、検出器7における計数分布は、検出器7の内部で発生するガンマ線の空間分布に依存する。図6に、検出器7内で発生したガンマ線のアレイ化された検出器の各素子71における検出確率を示す。図6中、横軸は検出素子の位置を示し、縦軸はガンマ線の検出確率を示す。アレイ化された検出器7では、各素子71からみたガンマ線の発生量は、アレイの中心側ほど大きくなる。したがって、図6に示すように、アレイの両端側で検出確率が減少する分布Gr6となる。
ノイズ演算部11は、事前シミュレーションで求めた体内で発生した中性子に由来する検出信号の分布形状(ノイズ分布)と、位置情報を持つ即発ガンマ線が遮蔽される位置にある検出器7の計数値(実測値)とから、図7で述べるような各検出器におけるノイズ分布を算出し、計測された粒子線照射ごとの計数分布からノイズ分布を算出する。
図7に、ノイズ分布を算出するための検出器構成の一例を示す。透過部のない遮蔽体8Rとガンマ線検出器7Rとの組を、粒子線の照射軸を中心として、遮蔽体8と検出器7の組と点対称となる位置に設ける。図8は、粒子線の到達位置を検出する処理を示すフローチャートである。図7および図8を参照して説明する。
制御装置10は、治療計画データベース5から治療計画データおよびノイズを計算するためのデータを読込む(S10)。その後、粒子線照射装置2から対象領域61へ粒子線22が照射され(S11)、即発ガンマ線22および中性子に由来するガンマ線が検出器7,7Rで検出される。
検出器7Rで得られる計数分布では、ブラックピークの位置情報をもつ即発ガンマ線が遮蔽されているため、検出信号はノイズ成分を検出している。検出器7に対して、粒子線照射軸を中心とする点対称の位置にある検出器7Rの計数値を、ノイズ分布におけるノイズ量とすることにより、ノイズ分布を求めることができる(S12)。
なお、ノイズ分布の算出方法は、前述の手法に限定されるものではない。ブラックピークの位置情報をもつ即発ガンマ線22が遮蔽される位置にある検出器7の計数値は、例えば、検出器7において、粒子線照射軸からスリット81を通して見通せる検出器領域の外側(視野外の領域)に位置する検出素子の計数値を用いてもよい。
本実施例では、即発ガンマ線22がスリット81を通過して検出器7へ入射する領域を第1領域(視野領域)と呼び、検出器7の全領域のうち第1領域以外の領域を第2領域(視野外の領域)と呼ぶ。
再構成演算部92は、ノイズ演算部11で算出されたノイズ分布を、実測された計数分布から減算した差分分布を算出し(S13)、粒子線照射軸と遮蔽体8とスリット81と検出器7との幾何学的な位置情報に基づいて、即発ガンマ線の発生分布を再構成する(S14)。
粒子線位置演算部93では、前記再構成分布または差分分布の最大値または所定の特徴点の位置を求める。再構成分布は、前述のように即発ガンマ線の位置情報をもつため、例えば再構成分布の極大値はブラックピーク位置情報を持つ。このようにして、粒子線の到達位置を求める(S15)。
なお、粒子線到達位置の算出方法は、前述の手法に限定されるものではない。例えば、事前シミュレーションにより粒子線到達位置と検出器7における差分分布とを算出し、これらを基準データとして保存する。そして、実測された計数分布から算出された差分分布の極大値または所定の特徴点の位置における基準データに対するシフト量を算出し、基準データにおける粒子線到達位置に前記シフト量を加算することにより、粒子線到達位置を算出してもよい。
制御装置10は、算出された粒子線21の到達位置を表示部14に表示させる。ユーザは、表示部14に表示された到達位置を確認することで、治療が適切に行われているか否かをその場で直ちに確認することができる。ユーザは、粒子線の照射位置を変更しながら、照射前に、実際の到達位置が目標位置となるように粒子線照射装置2を調整することもできる。
このように、本実施例に係る粒子線監視システム4は、治療計画データに基づくシミュレーションで求めたノイズ分布形状とスリット81を通過しない検出器の計数値とからノイズ分布を推定し、遮蔽体8のスリット81を通過するガンマ線を高精度に検出することができる。これにより、粒子線監視システム4は、粒子線のブラックピークの位置を十分な分解能で求めることができる。したがって、粒子線監視システム4を備える粒子線治療システム1では、粒子線照射中の患者の姿勢変化や患者の体形の変化等により、腫瘍の位置が治療計画とは異なる位置にある場合に、粒子線の照射位置を変更したり、粒子線の照射を中止したりすることができる。よって、粒子線治療システム1は、腫瘍の近傍に放射線感受性の高い臓器が存在するケースでも、粒子線治療を適用する可能性を高めることができる。
図9を用いて第2実施例を説明する。本実施例を含む以下の各実施例では、第1実施例との相違を中心に述べる。
第1実施例では、ノイズ演算部51でノイズ分布を推定する際に、ブラックピークの位置情報をもつ即発ガンマ線が遮蔽される位置にある検出器の計数値(実測値)を用いて、ノイズ量を算出した。これに対し、本実施例に係る粒子線監視システム4Aでは、計数値ではなく、検出器7で得られるエネルギスペクトルを用いる。
図9に、検出器7で検出されるエネルギスペクトルの概念図を示す。図9中、横軸は波高値を示し、縦軸は計数値を示す。
体内で発生した中性子に由来する成分が遮蔽体8または検出器7へ入射し、内部でガンマ線に変換されると、一般に、各々を構成する元素によりエネルギが離散的に決定される。そこで、本実施例では、人体から発生した即発ガンマ線22のエネルギピークと十分に分離可能な1つ以上のピークを対象として、あらかじめシミュレーションにより、中性子由来のガンマ線のエネルギピークの計数値を算出する。そして、シミュレーションで求めた中性子由来のガンマ線のエネルギピークの計数値と、エネルギスペクトルの計数値(実測値)とを比較することにより、ノイズ量を算出する。
本実施例では、検出した事象のエネルギによって、ブラックピークの位置情報をもつ即発ガンマ線22なのか、それとも中性子に由来するガンマ線なのかを判断することができる。したがって、本実施例によれば、遮蔽体8により遮蔽される位置の検出素子71の信号のみならず、ブラックピークの位置情報をもつガンマ線がスリット81を通過して検出される位置にある視野内の検出素子71の信号を用いてもよい。
このようにして算出したノイズ量と治療計画に基づくノイズ分布形状とから、実測におけるノイズ分布を推定し、差分分布を作成し、例えば第1実施例に記載の方法で粒子線到達位置を算出してもよい。
図10および図11を用いて、第3実施例を説明する。図10は、粒子線監視システム4Bを備える粒子線治療システム1Bの全体構成図である。
本実施例に係る粒子線監視システム4Bでは、遮蔽体8の表面のうち粒子線21の照射軸に対面する表面に、検出器7S(以下、表面側検出器7Sという)を設置する。表面側検出器7Sは、遮蔽体8のスリット81に対応するスリット72を有する。表面側検出器7Sは、検出器7の材質と同様に、ガンマ線に対し感度の高い材質で形成される。
表面側検出器7Sは、複数の検出素子71Sが少なくとも一次元方向に配列したアレイ型の検出器であり、検出素子71Sの配列方向が、粒子線の照射軸とほぼ一致するように構成される。表面側検出器7Sの検出素子71Sの配列方向と遮蔽体8内の検出器7の検出素子71の配列方向とは平行である。
体内で発生し、表面側検出器7Sに到来した中性子の空間分布は、表面側検出器7Sの計数分布として検出される。治療計画データに基づく事前シミュレーションにおいて算出された、表面側検出器7Sにおける計数分布と、実際の治療時に実測された表面側検出器7Sの計数分布とから、ノイズ源となる中性子量を推定し、ノイズ源分布を算出することができる。そして、ノイズ演算部11は、前記ノイズ源分布と検出器7における計数分布とから、ノイズ量を推定する。検出素子ごとに検出信号からノイズ量を減算した差分分布を作成し、例えば第1実施例に記載の方法で粒子線到達位置を算出してもよい。このように構成される本実施例も第1実施例と同様の作用効果を奏する。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、粒子線をスキャニングする場合、粒子線と検出器との間の距離および角度が若干変化する。そこで、粒子線のスキャニングに合わせて、検出器の計数分布およびノイズ分布を補正してもよい。
上述した実施形態には、以下の発明が開示されている。
「被照射体へ入射される粒子線の到達位置を監視する粒子線監視システムをコンピュータにより制御する方法であって、前記粒子線の進行方向に沿って設けられ、それぞれガンマ線を検出して検出信号を出力する検出素子を複数配置してなる検出器と、前記粒子線の照射軸と前記検出器との間に設けられ、ガンマ線の透過する透過部を有する遮蔽体とを備え、前記コンピュータは、前記粒子線を前記被照射体へ照射する際に前記検出器に到来するノイズ分布が事前に算出された所定データと、前記検出器の出力する検出信号とに基づいて、前記検出信号に含まれるノイズ成分を演算し、前記複数の検出素子がそれぞれ検出するガンマ線の計数値と前記ノイズ分布から算出される信号分布とに基づいて、前記粒子線のエネルギが最大となるブラックピークの位置を推定する、粒子線監視方法。」
「コンピュータを、被照射体へ入射される粒子線の到達位置を監視する粒子線監視システムとして機能させるコンピュータプログラムであって、前記コンピュータは所定のセンサに接続されており、前記所定のセンサは、前記粒子線の進行方向に沿って設けられ、それぞれガンマ線を検出して検出信号を出力する検出素子を複数配置してなる検出器と、前記粒子線の照射軸と前記検出器との間に設けられ、ガンマ線の透過する透過部を有する遮蔽体とを備えており、前記コンピュータに、前記粒子線を前記被照射体へ照射する際に前記検出器に到来するノイズ分布が事前に算出された所定データと、前記検出器の出力する検出信号とに基づいて、前記検出信号に含まれるノイズ成分を演算させ、前記複数の検出素子がそれぞれ検出するガンマ線の計数値と前記ノイズ分布から算出される信号分布とに基づいて、前記粒子線のエネルギが最大となるブラックピークの位置を推定させる、コンピュータプログラム。」
1,1B:粒子線治療システム、2:粒子線照射装置、3:照射制御部、4,4A,4B:粒子線監視システム、5:治療計画データベース、6:被照射体、7,7R,7S:検出器、8,8R:遮蔽体、10:制御装置、11:ノイズ演算部、12:再構成演算部、13:粒子線位置演算部、14:表示部、21:粒子線、22:即発ガンマ線、61:被照射体、71,71S:検出素子、81:スリット

Claims (11)

  1. 被照射体へ入射される粒子線の到達位置を監視する粒子線監視システムであって、
    前記粒子線の進行方向に沿って設けられ、それぞれガンマ線を検出して検出信号を出力する検出素子を複数配置してなる検出器と、
    前記粒子線の照射軸と前記検出器との間に設けられ、ガンマ線の透過する透過部を有する遮蔽体と、
    前記粒子線を前記被照射体へ照射する際に前記検出器に到来するノイズ分布が事前に算出された所定データと、前記検出器の出力する検出信号とに基づいて、前記検出信号に含まれるノイズ成分を演算するノイズ演算部と、
    前記複数の検出素子がそれぞれ検出するガンマ線の計数値と前記ノイズ分布から算出される信号分布とに基づいて、前記粒子線のエネルギが最大となるブラックピークの位置を推定する粒子線到達位置演算部と、
    を備える粒子線監視システム。
  2. 請求項1に記載の粒子線監視システムにおいて、
    前記遮蔽体と前記検出器とを前記粒子線の照射軸方向に沿って移動させることにより、前記照射軸方向に沿った異なる位置で、前記検出器に前記ガンマ線を検出させる
    粒子線監視システム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の粒子線監視システムにおいて、
    前記遮蔽体と前記検出器の組を複数備え、
    前記複数の組が、前記粒子線の照射軸を中心軸とする周方向に離間して配置される
    粒子線監視システム。
  4. 請求項1に記載の粒子線監視システムにおいて、
    前記ノイズ演算部は、前記粒子線の照射計画に基づき、前記粒子線の照射エネルギごとに、シミュレーションされたノイズ分布から前記粒子線の照射ごとのノイズ分布を演算する
    粒子線監視システム。
  5. 請求項1の粒子線監視システムにおいて、
    前記ノイズ演算部は、
    前記複数の検出素子のうち前記透過部を通過したガンマ線を検出する第1領域内の検出素子の計数値と、前記複数の検出素子のうち前記透過部以外で前記遮蔽体へ入射した中性子に由来するガンマ線を検出する第2領域の検出素子の計数値とに基づき、ノイズ量を算出する
    粒子線監視システム。
  6. 請求項1に記載の粒子線監視システムにおいて、
    再構成演算部をさらに備え、
    前記再構成演算部は、
    前記検出器の検出素子ごとに計測された計数値の分布から前記ノイズ演算部で算出されたノイズ分布を減算することにより差分分布を算出し、
    前記算出された差分分布と前記検出器の位置情報および前記検出器の構成情報とに基づいて、前記粒子線の照射軸に沿った計数値に変換することにより、信号分布の再構成プロファイルを生成し、
    前記粒子線到達位置演算部は、前記再構成演算部により生成された再構成プロファイルに基づいて、前記ブラックピークの位置を推定する
    粒子線監視システム。
  7. 請求項1に記載の粒子線監視システムにおいて、
    前記複数の検出素子は、前記透過部を通過したガンマ線を検出する第1領域内の検出素子と、前記透過部以外で前記遮蔽体へ入射した中性子に由来するガンマ線を検出する第2領域の検出素子とを含み、
    前記第2領域に位置する検出素子の計数値に基づいて前記複数の検出素子それぞれのノイズ量を演算する演算部を備える
    粒子線監視システム。
  8. 請求項1~7に記載の粒子線監視システムにおいて、
    前記粒子線の照射計画を作成するときに、シミュレーションにより前記検出器におけるエネルギスペクトルを算出し、前記粒子線を前記被照射体へ照射する際に、前記検出器のエネルギスペクトルの相関値から前記複数の検出素子のノイズ量を演算する
    粒子線監視システム。
  9. 請求項1~7に記載の粒子線監視システムにおいて、
    前記遮蔽体の表面に、ガンマ線との相互作用で検出信号を生成する複数の検出素子を備えた表面側検出器をさらに設け、
    前記表面側検出器で得られた計数値に基づいて、前記検出器の複数の検出素子のノイズ量を演算する
    粒子線監視システム。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の粒子線監視システムを備える
    粒子線治療システム。
  11. 被照射体へ照射される粒子線の照射軸に沿って発生する即発ガンマ線を検出し、前記粒子線の飛程を監視する粒子線監視方法であって、
    ガンマ線を検出する複数の検出素子を備えた検出器を、前記検出素子の配列方向が前記照射軸と略一致するように前記被照射体の近傍に配置し、
    前記粒子線と前記検出器との間に、前記粒子線の照射軸に沿って前記ガンマ線を透過する透過部が形成された遮蔽体を配置し、
    あらかじめノイズ分布をシミュレーションにより算出し、
    前記検出器で検出された計数分布のうち、前記ガンマ線の透過部以外で前記遮蔽体へ入射した中性子に由来するガンマ線を検出する検出素子の計数値分布を用いて、前記ノイズ分布から各検出素子ごとのノイズ量を演算し、
    検出素子ごとに前記ノイズ量を減算した計数分布を作成し、
    前記作成した計数分布を用いて前記粒子線のエネルギが最大となるブラッグピークを推定する
    粒子線監視方法。
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