JP2022078544A - 点滴注射キット - Google Patents
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Abstract
Description
そして、このような課題は、特許文献1等の技術を用いても、解決することができなかった。
図1に示すように、点滴システム50は、主に、点滴袋20、点滴ライン10、点滴注射キット1などで構成されている。
点滴管11は、点滴袋20と点滴注射キット1とを中継する樹脂製チューブであって、その内部で点滴が流動することになる。
クレンメ12は、点滴管11を押し潰す量を増減できるように形成されていて、点滴管11を通る点滴のスピード(単位時間当たりの点滴投与量)を調整するためのものである。
点滴筒13は、クレンメ12によって調整された点滴のスピードを目視確認するためのものである。具体的に、点滴筒13内に落ちる点滴のスピードが速いほど、点滴管11を通る点滴のスピードが速くなる。
このように構成された点滴システム50によって、人体M(患者)に点滴が投与されることになる。
図2に示すように、点滴注射キット1には、血管K(図3参照)に刺し入れるための針3(内筒)と、針3を覆う外筒2(留置針)と、が設けられている。
詳しくは、血液検知センサ5(検知手段)は、血管K内の血液を検知するものであって、針3の刺入方向の先端(図2(A)の左端である。)に設置されている。針3の先端位置は、外筒2の先端位置と概ね一致するため、針3の先端位置に設置された血液検知センサ5によって、針3が外筒2とともに血管Kに刺し入れられた状態が検知されることになる。
その場合、血液検知センサ5は、図3(A)に示すように針3が人体Mに刺し入れられていないときや、図3(B)に示すように針3が皮膚Sに刺し入れられているときには、血液の流れを検知することなく、そのときのオフ信号出力によって針3(及び、外筒2)が血管Kに未挿入であること(未穿刺状態)が把握される。そして、血液検知センサ5は、図3(C)に示すように針3が血管Kに刺し入れられると、血液の流れを検知して、そのときのオン信号出力によって針3(及び、外筒2)が血管Kに挿入されたこと(穿刺状態)が把握される。
その場合、血液検知センサ5は、図3(A)に示すように針3が人体Mに刺し入れられていないときや、図3(B)に示すように針3が皮膚Sに刺し入れられているときには、血液の色(赤色)を検知することなく、そのときのオフ信号出力によって針3(及び、外筒2)が血管Kに未挿入であること(未穿刺状態)が把握される。そして、血液検知センサ5は、図3(C)に示すように針3が血管Kに刺し入れられると、血液の色(赤色)を検知して、そのときのオン信号出力によって針3(及び、外筒2)が血管Kに挿入されたこと(穿刺状態)が把握される。
その場合、血液検知センサ5は、図3(A)に示すように針3が人体Mに刺し入れられていないときや、図3(B)に示すように針3が皮膚Sに刺し入れられているときには、血液の温度を検知することなく、そのときのオフ信号出力によって針3(及び、外筒2)が血管Kに未挿入であること(未穿刺状態)が把握される。そして、血液検知センサ5は、図3(C)に示すように針3が血管Kに刺し入れられると、血液の温度(皮膚Sの温度からの変化)を検知して、そのときのオン信号出力によって針3(及び、外筒2)が血管Kに挿入されたこと(穿刺状態)が把握される。
その場合、血液検知センサ5は、図3(A)に示すように針3が人体Mに刺し入れられていないときや、図3(B)に示すように針3が皮膚Sに刺し入れられているときには、血液の映像を検知することなく、そのときのオフ信号出力によって針3(及び、外筒2)が血管Kに未挿入であること(未穿刺状態)が把握される。そして、血液検知センサ5は、図3(C)に示すように針3が血管Kに刺し入れられると、血液の映像(流体が流れる映像解析結果)を検知して、そのときのオン信号出力によって針3(及び、外筒2)が血管Kに挿入されたこと(穿刺状態)が把握される。
また、血液検知センサ5(検知手段)は、針3の先端から脱落して血管K内に混入されないように、針3に強固に接合されていることが好ましい。なお、これと同様の趣旨で、血液検知センサ5を含めて針3の外周全域を被覆する被覆層を針3に形成することもできる。
また、後述する針3の中空部(ケーブル6が挿通される部分であって、図2(A)参照)を介して血管K内に空気が混入しないように、その中空部の開口を血液検知センサ5によって塞ぐように配置することが好ましい。
これらのことは、後述の変形例1において外筒5に設置される検知手段(血液検知センサ)や、後述の変形例3における検知手段としての圧力センサについても、同様に適用することが好ましい。
詳しくは、針用キャップ8には、血液検知センサ5によって穿刺状態が検知されていないときには未点灯で、血液検知センサ5によって穿刺状態が検知されると点灯する表示ランプ9(報知手段)が設けられている。表示ランプ9は、針3に形成された中空部に挿通されたケーブル6を介して血液検知センサ5に有線で受信可能に接続されている。このような構成により、点滴注射キット1を扱う看護師などの作業者は、針3及び外筒2が非穿刺状態から穿刺状態に変化したことを、表示ランプ9の未点灯から点灯への変化を視認して把握することができる。
しかし、表示に基づいて報知する手段は、これに限定されることなく、文字、記号、画像などによるものであっても良い。
また、報知手段は、血液検知センサ5(検知手段)によって穿刺状態が検知されたことを、音(例えば、ブザーなどである。)に基づいて報知するものであっても良いし、音と表示とに基づいて報知するものであっても良い。
まず、図3(A)に示すように、点滴注射キット1が人体M(腕などである。)に向けて白矢印方向に移動される。そして、図3(B)に示すように、点滴注射キット1の針3及び外筒2が人体Mの皮膚Sに刺し入れられる。ここまで、血液検知センサ5は、針3及び外筒2が血管Kに刺し入れた状態を検知することなく、表示ランプ9は未点灯であるので、作業者は針3及び外筒2を刺し入れる動作を中断することなく進めることになる。
そして、図3(C)に示すように、針3及び外筒2が血管Kに刺し入れられると、血液検知センサ5は、針3及び外筒2が血管Kに刺し入れた状態を検知して、表示ランプ9が点灯する。これにより、作業者は、針3及び外筒2が無事に血管Kに刺し入れられたことを認識して、その刺し入れ動作を終了することになる。
その後、図3(D)に示すように、点滴注射キット1から針3を黒矢印方向に抜き取り、外筒2のみを血管Kに刺さった状態で留置させる。その後、留置された外筒2(外筒用キャップ7)に、点滴管11(図1参照)が接続されて、人体Mへの点滴投与がおこなわれることになる。
図4に示すように、変形例1における点滴注射キット1は、検知手段としての血液検知センサ5が、針3ではなくて、外筒2の刺入方向の先端に設置されている。
このように構成した場合にも、患者の血管Kにミスなく針3及び外筒2を刺し入れることができる。
特に、変形例1では、血液検知センサ5(検知手段)を外筒2に設置しているため、針3のみが血管Kに刺し入れられて、外筒2が血管Kに刺し入れられていないような状態を誤検知してしまう不具合を確実に防止することができる。
また、点滴投与時に人体Mに留置される外筒2に設置された血液検知センサ5によって、外筒2が血管Kから外れてしまった状態を検知することも可能になる。具体的に、患者によって外筒2が血管Kから外されてしまったときなど、血液検知センサ5による穿刺状態から非穿刺状態への検知によって、表示ランプ9(報知手段)にその状態を報知する。これにより、看護師などが外筒2の外れを把握して、再び先に図3を用いて説明した点滴注射キット1のセット作業がおこなわれることになる。
図5に示すように、変形例2における点滴注射キット1は、血液検知センサ5の検知結果を報知する報知手段が、有線ではなくて、無線で血液検知センサ5と通信可能に構成されている。
また、変形例2における報知手段としての報知装置15は、血液検知センサ5によって穿刺状態が検知されたことを、文字表示によって報知する液晶パネル16や、音声で報知するスピーカ17や、点灯表示で報知する表示ランプ9が設けられている。
このように構成した場合にも、患者の血管Kにミスなく針3及び外筒2を刺し入れることができる。
特に、変形例2では、無線の報知装置15を設けているため、点滴注射キット1の本体の構成を簡略化することができる。
変形例3における点滴注射キット1は、針3及び外筒2が血管Kに刺し入れられた状態を検知する検知手段として、血液検知センサの代わりに、圧力センサが設置されている。
この検知手段としての圧力センサ5は、図2又は図4のものと同様に、針3又は外筒2の先端に設置されている。そして、圧力センサ5(検出手段)は、血管K内に針3又は外筒2が刺し入れられたときの圧力の変化に基づいて上述した穿刺状態を検知する。
詳しくは、先に図3を用いて説明したように、針3及び外筒2は皮膚Sに刺し入れられた後に血管Kに刺し入れられることになる。このとき、針3及び外筒2が受ける圧力は、皮膚Sを通過するときの圧力W1と、血管Kに達したときの圧力W2と、で変化する。そのような圧力変化は、看護師などの作業者にとっては手感覚として把握しにくいものであるが、高感度の圧力センサ5(検知手段)によって、図6に示すように、明確な圧力差ΔWとして把握することができる。このような圧力差ΔWの大きさは、個人差があるものの、単位時間当たりに大きな圧力差ΔWが生じる傾向は個人差なく生じるため、圧力センサ5(検出手段)によって血管Kの穿刺状態を検知することが可能になる。
このように構成した場合にも、患者の血管Kにミスなく針3及び外筒2を刺し入れることができる。
変形例4のものは、点滴注射キット1ではなくて、血管注射キット100である。
図7に示すように、血管注射キット100は、点滴注射キット1のように外筒2が設置されておらず、血管Kに穿刺するための針3が設けられている。
このような血管注射キット100は、翼状点滴をおこなうときのキットとして用いることもできるし、採血をおこなうときのキットとしても用いることもできるし、血管注射をおこなうときのキットとしても用いることもできる。
そして、図7に示すように、血管注射キット100は、針3の刺入方向の先端に、針3が血管Kに刺し入れられた穿刺状態を検知する検知手段としての血液検知センサ5(又は圧力センサ)が設けられている。この検知手段としての血液検知センサ5(又は圧力センサ)として、先に図2(又は、図4~図6)を用いて説明したものと同様のものを用いることができる。ただし、血液検知センサ5(又は圧力センサ)は、針3に形成された中空部を介して血管Kに輸液(又は、製剤)が流入されるのを妨げないように構成されることになる。
このように構成した場合には、患者の血管Kにミスなく針3を刺し入れることができる。
これにより、患者の血管Kにミスなく針3(及び外筒2)を刺し入れることができる。
そして、そのような場合であっても、本実施の形態や変形例1~4のものと同様の効果を得ることができる。
2 外筒(留置針、カテーテル)、
3 針(内筒)、
5 血液検知センサ(検知手段)、
6 ケーブル、
9 表示ランプ(報知手段)、
50 点滴システム、
100 血管注射キット、
M 人体、 S 皮膚、 K 血管。
Claims (9)
- 血管に刺し入れるための針と、
前記針を覆う外筒と、
前記針が前記外筒とともに前記血管に刺し入れられた穿刺状態を検知する検知手段と、
を備えたことを特徴とする点滴注射キット。 - 前記検知手段は、前記針又は前記外筒の刺入方向の先端に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の点滴注射キット。
- 前記検知手段は、前記血管内の血液を検知する血液検知センサであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の点滴注射キット。
- 前記血液センサは、前記血管内の血液の流れ、色、温度、映像のいずれかに基づいて前記血管内の血液を検知することを特徴とする請求項3に記載の点滴注射キット。
- 前記検知手段は、前記血管内に前記針又は前記外筒が刺し入れられたときの圧力の変化に基づいて前記穿刺状態を検知する圧力センサであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の点滴注射キット。
- 前記検知手段によって前記穿刺状態が検知されたことを報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の点滴注射キット。
- 前記報知手段は、前記検知手段によって前記穿刺状態が検知されたことを、音と表示とのうち少なくとも1つに基づいて報知することを特徴とする請求項6に記載の点滴注射キット。
- 血管に穿刺するための針と、
前記針が前記血管に刺し入れられた穿刺状態を検知する検知手段と、
を備えたことを特徴とする血管注射キット。 - 前記検知手段は、前記針の刺入方向の先端に設置されたことを特徴とする請求項1に記載の血管注射キット。
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