はじめに、本明細書における各用語の意義について説明する。「入球」とは、賞球が払い出される入賞のみならず、賞球払い出しの無いゲートへの通過も含む。「開状態、開放状態」及び「閉状態、閉鎖状態」とは、例えば、一般的な大入賞口(いわゆる、アタッカー)の構成においては、開状態(大入賞口の蓋が開いている状態)=入賞容易状態であり、閉状態(大入賞口の蓋が閉まっている状態)=入賞非容易状態となる。また、例えば、遊技盤(遊技者側)から蓋(シャッタ)が突き出した状態(以下、進出状態と呼ぶことがある)と遊技盤内(遊技者側と反対側)に引っ込んだ状態(以下、退避状態と呼ぶことがある)とを採り得る構成(いわゆる、ベロ型アタッカー)においては、進出状態=入賞容易状態であり、退避状態=入賞非容易状態となる。「乱数」とは、ぱちんこ遊技機において何らかの遊技内容を決定するための抽選(電子計算機によるくじ)に使用される乱数であり、狭義の乱数の他に擬似乱数も含む(例えば、乱数としてはハード乱数、擬似乱数としてはソフト乱数)。例えば、遊技の結果に影響を与えるいわゆる「基本乱数」、具体的には、特別遊技の移行と関連した「当選乱数(当否抽選用乱数)」、識別情報の変動態様(又は変動時間)を決定するための「変動態様決定乱数」、停止図柄を決定する「図柄決定乱数」、特別遊技後に特定遊技(例えば確率変動遊技)に移行するか否かを決定する「当り図柄決定乱数」等を挙げることができる。尚、変動態様の内容や確定識別情報の内容等を決定する際、これらすべての乱数を使用する必要はなく、互いに同一又は相違する、少なくとも一つの乱数を使用すればよい。また、本明細書では、乱数の数とか複数個の乱数、といった形で乱数を個数表示していることがあるが、乱数取得の契機となる入球口(例えば始動口やゲート、一般入賞口)の一回の入球により取得された乱数を一個と称している(即ち、前記の例だと、当選乱数+変動態様決定乱数+図柄決定乱数・・・という乱数の束を一個の乱数と称している)。また、例えば、一種の乱数(例えば当選乱数)が、別種の乱数(例えば図柄決定乱数)を兼ねていてもよい。「遊技状態」とは、例えば、大入賞口が開放状態となり得る特別遊技状態、特別遊技状態への移行抽選確率が予め定められた値である非確率変動遊技状態(低確率状態)よりも特別遊技状態への移行抽選確率が高い確率変動遊技状態(高確率状態)、特別遊技への移行抽選契機となる始動口への入賞に対する補助が有る補助遊技状態(いわゆる、高ベース状態、例えば、始動口に可変部材が取り付けられている場合では、可変部材の開放期間を長くする、可変部材の開放当選確率を高くする、可変部材の開放抽選の結果報知の時間を短くすることが可能な状態であり、これらすべてを有効とする状態又は少なくとも1つを有効とする状態)、特別遊技への移行抽選契機となる始動口への入賞に対する補助が無い非補助遊技状態(低ベース状態)等の任意の一又は複数の組合せである。「変動表示停止時間」とは、識別情報の変動表示が停止した際に識別情報を停止した状態で保持する時間であり、変動表示の停止後に保留が残っている場合、この変動表示停止時間が経過した後に、残っている保留に係る変動が開始される(変動開始条件、当否判定許可条件が充足される)。また、本明細書においては「識別情報」を、主遊技図柄(特別図柄)や装飾図柄(演出用図柄、装図)と呼ぶことがある。主遊技図柄(特別図柄)は、主制御基板側にて表示制御される識別情報であり、装飾図柄(演出用図柄、装図)は、副制御基板側にて表示される演出としての識別情報である。「識別情報を表示可能」とは、表示方法には何ら限定されず、例えば、発光手段(例えば液晶、LED、7セグ)の発光(発光の有無だけでなく、色の違いも含む)、物理的な表示(例えば、リール帯に描かれた図柄を所定位置に停止表示する)等、を挙げることができる。「演出」とは、遊技の興趣性を高める表示内容を指し、例えば、識別情報の変動・停止や予告等をはじめ、アニメーションや実写等の動画像や絵、写真、文字等の静止画像又はこれらの組み合わせを挙げることができる。そして、「装飾図柄」は、五感(視覚、聴覚、触覚等)を通じて図柄の種類を識別可能であればどのような形態でもよいが、好適には、カード型やキャラクタ型等の画像オブジェクトに、視覚的なもの、例えば、数字(漢数字含む)、アルファベット、文字、記号、絵柄、図柄等の形状のあるものが記載されているものである。そして、この数字や記号が同一となる組み合わせにて当該画像オブジェクトを有効ライン上にて最終的に停止表示することで大当りが発生した旨が報知される。「第1装飾図柄(第一演出用図柄)」及び「第2装飾図柄(第二演出用図柄)」とは、その双方が「装飾図柄(演出用図柄、装図)」となるものであるが、夫々が独立して大当りの発生を報知可能に構成されているものが相当する(例えば、「第1装飾図柄(第一演出用図柄)」が「777」となって大当りの発生を報知可能でもあるし、「第2装飾図柄(第二演出用図柄)」が「777」となって大当りの発生を報知可能でもある)。「変動態様」とは、例えば、変動時間(主遊技図柄(特別図柄)の変動時間、装飾図柄(演出用図柄、装図)の変動時間、普通図柄の変動時間のいずれも含む)、装飾図柄(演出用図柄、装図)が上から下へスクロール表示(その他、下から上へ、左から右へ、右から左へのスクロール表示なども可能である)して遊技者が視認できる装飾図柄(演出用図柄、装図)の種類を切り替えること、装飾図柄(演出用図柄、装図)がその場で回転表示し半回転又は1回転することで遊技者が視認できる装飾図柄(演出用図柄、装図)の種類を切り替えること(このようなスクロール表示や回転表示などは「切替表示態様」と称することもある)等を含む。「装飾図柄(演出用図柄、装図)を暫定的に停止(或いは仮停止)する/しない」とは、「暫定的に停止させる→再変動させる」を1セットとし、この1セットを行う/行わないということと同義である。「再変動」とは、「装飾図柄(演出用図柄、装図)を暫定的に停止させる→再変動させる」といった状況、「変動開始→装飾図柄(演出用図柄、装図)を暫定的に停止させる」といった状況、「再変動開始→装飾図柄(演出用図柄、装図)を暫定的に停止させる(2回目以降の暫定的な停止)」といった状況を含む用語であり、擬似連演出における擬似変動や、復活演出における復活変動(例えば、スーパーリーチ演出中にはハズレを示す装飾図柄(演出用図柄、装図)の組合せを暫定的に停止させて、スーパーリーチ演出終了後に移行する演出ステージにて再変動を行ったうえで当りを示す装飾図柄へと暫定的に停止したうえで確定的に停止する変動)等を示す用語である。また、大当りの発生有無を報知する最終的な停止表示タイミング(典型的にはその後に、いわゆる主遊技図柄の停止表示とあわせて確定的に停止表示される)を除くこととも同義である。また、「装飾図柄(演出用図柄、装図)」は第2要素(例えば、数字)を基調としており、第1要素(キャラクタや「SUPER」等の付帯情報の有無/内容)や第3要素(例えば、色彩エフェクト)等を付帯して構成されていてもよい。また、「装飾図柄(演出用図柄、装図)」は、演出モードが異なる場合には、第2要素が同一(同じ数字、同じアルファベット、同じ文字、同じ記号など)であっても、第1要素及び/又は第3要素が異なるよう構成されていてもよい。また、第1要素及び/又は第3要素が異なることにより、リーチ変動が大当りとなる期待度、先読み演出実行時における特定の図柄組み合わせ停止時の当該先読み演出に係る図柄変動にて大当りとなる期待度、大当りした際のラウンド数や当該大当り終了後の遊技状態等の遊技者にとっての利益率が異なるよう構成してもよい。また、そのように構成した場合には、高確率状態かつ高ベース状態(高確高ベース状態)や低確率状態かつ高ベース状態(低確高ベース状態)、高確率状態かつ低ベース状態(高確低ベース状態)には、通常遊技状態である低確率状態かつ低ベース状態(低確低ベース状態)の場合に比べて、第1要素及び/又は第3要素が遊技者にとって有利な要素となるように構成してもよい。また、「情報表示部」とは、予告演出等を含む情報を表示するものであり、例えば、演出表示装置、7セグメントLED、LEDランプ、等であり、これら夫々の単体を示していてもよいし、演出表示装置+7セグメントLED+LEDランプといった複数の表示媒体の組み合わせ(ユニット全体)を示していてもよい。また、「演出表示部」とは、予告演出等を含む演出を表示するものであり、例えば、演出表示装置、7セグメントLED、LEDランプ、等であり、これら夫々の単体を示していてもよいし、演出表示装置+7セグメントLED+LEDランプといった複数の表示媒体の組み合わせ(ユニット全体)を示していてもよい。
以下の実施形態は、従来の第1種ぱちんこ遊技機を二つ混在させたような機種(第1種第1種複合機)である。但し、これには何ら限定されず、他の遊技機(例えば、従来の第1種、第2種、第3種、一般電役等のぱちんこ遊技機)に応用された場合も範囲内である。尚、本実施形態は、あくまで一例であり、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序、フラグのオン・オフのタイミング、各ステップの処理を担う手段名等に関し、以下の態様に限定されるものではない。また、上記した実施形態や変更例は、特定のものに対して適用されると限定的に解すべきでなく、どのような組み合わせであってもよい。例えば、ある実施形態についての変更例は、別の実施形態の変更例であると理解すべきであり、また、ある変更例と別の変更例が独立して記載されていたとしても、当該ある変更例と当該別の変更例を組み合わせたものも記載されていると理解すべきである。また、本実施形態では、各種テーブルに関し、抽選テーブルと参照テーブルとが存在するが、これらも限定的ではなく、抽選テーブルを参照テーブルとしたり或いはこの逆としたりしてもよい。
(本実施形態)
ここで、各構成要素について説明する前に、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の特徴(概略)を説明する。以下、図面を参照しながら、各要素について詳述する。
まず、図1を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の前面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。以下、これらを順に説明する。
はじめに、ぱちんこ遊技機の遊技機枠は、外枠D12、前枠D14、透明板D16、扉D18、上球皿D20、下球皿D22及び発射ハンドルD44を含む。まず、外枠D12は、ぱちんこ遊技機を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠D14は、外枠D12の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構を介して外枠D12に開閉可能に取り付けられる。前枠D14は、遊技球を発射する機構、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導又は回収するための機構等を含む。透明板D16は、ガラス等により形成され、扉D18により支持される。扉D18は、図示しないヒンジ機構を介して前枠D14に開閉可能に取り付けられる。上球皿D20は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿D22への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿D22は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。また、遊技機の上部左右等にはスピーカD24が設けられており、遊技状態等に応じた演出音(効果音)が出力される。
次に、遊技盤は、外レールD32と内レールD34とにより区画された遊技領域D30が形成されている。そして、当該遊技領域D30には、風車D49、図示しない複数の遊技釘や各種一般入賞口の他、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、補助遊技始動口H10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20、演出表示装置SG、補助遊技図柄表示装置H20、センター飾りD38及びアウト口D36が設置されている。以下、各要素を順番に詳述する。
次に、第1主遊技始動口A10は、第1主遊技に対応する始動口として設置されている。具体的構成としては、第1主遊技始動口A10は、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを備える。ここで、第1主遊技始動口入球検出装置A11sは、第1主遊技始動口A10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1主遊技始動口入球情報を生成する。
次に、第2主遊技始動口B10は、第2主遊技に対応する始動口として設置されている。具体的構成としては、第2主遊技始動口B10は、第2主遊技始動口入球検出装置B11sと、第2主遊技始動口電動役物B11dと、を備える。ここで、第2主遊技始動口入球検出装置B11sは、第2主遊技始動口B10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2主遊技始動口入球情報を生成する。次に、第2主遊技始動口電動役物B11dは、第2主遊技始動口B10に遊技球が入賞し難い閉鎖状態と当該通常状態よりも遊技球が入賞し易い開放状態に可変する。
ここで、本実施形態においては、第1主遊技始動口A10と第2主遊技始動口B10とが上下に重ねるように配置されており、且つ、第1主遊技始動口A10の存在により、第2主遊技始動口B10の上部が塞がれている。また、遊技領域D30の左側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球と、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球のどちらもが、第1主遊技始動口A10及び第2主遊技始動口B10に誘導されるよう構成されている。
尚、本実施形態では、第2主遊技始動口B10側に電動役物を設けるよう構成したが、これには限定されず、第1主遊技始動口A10側に電動役物を設けるよう構成してもよい。更には、本実施形態では、第1主遊技始動口A10と第2主遊技始動口B10とが、上下に重ねるように配置されているが、これにも限定されず、第1主遊技始動口A10と第2主遊技始動口B10とを離隔して配置するよう構成してもよい。そのように構成した場合、第2主遊技始動口電動役物B11dの上部を塞ぐ部材を設けてもよい。また、遊技領域D30の左側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球が、第1主遊技始動口A10に誘導され易い一方、第2主遊技始動口B10に誘導され難く、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球が、第1主遊技始動口A10に誘導され難い一方、第2主遊技始動口B10に誘導され易いよう構成してもよい。尚、「誘導され易い」及び「誘導され難い」は、例えば、遊技球を右側及び左側にそれぞれ10000球発射した際の、入球数の大小で決定するものとする。
次に、補助遊技始動口H10は、補助遊技始動口入球検出装置H11sを備える。ここで、補助遊技始動口入球検出装置H11sは、補助遊技始動口H10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す補助遊技始動口入球情報を生成する。尚、補助遊技始動口H10への遊技球の入球は、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口電動役物B11dを拡開させるための抽選の契機となる。
ここで、本実施形態においては、補助遊技始動口H10は、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球が、誘導され易く、遊技領域D30の左側を流下する遊技球が誘導され難いよう構成されている{但し、これには限定されず、遊技領域D30の左側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球が、補助遊技始動口H10に誘導され易いよう構成してもよい(例えば、遊技領域D30に左右に夫々、補助遊技始動口H10を設けてもよい)}。
次に、アウト口D36の右上方には、第1大入賞口C10と第2大入賞口C20とが重なるように配置されており、遊技領域D30の右側(遊技領域中央を基準)を流下する遊技球は、アウト口D36に到達する前に、第1大入賞口C10及び第2大入賞口C20が配置されている領域を通過し易いよう構成されている。
次に、第1大入賞口C10は、第1主遊技図柄(第1特別図柄)又は第2主遊技図柄(第2特別図柄)が大当り図柄にて停止した場合に開状態となる、横長方形状を成しアウト口D36の右上方、且つ、第2大入賞口C20の下方に位置した、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、第1大入賞口C10は、遊技球の入球を検出するための第1大入賞口入賞検出装置C11sと、第1大入賞口電動役物C11d(及び第1大入賞口ソレノイドC13)と、を備える。ここで、第1大入賞口入賞検出装置C11sは、第1大入賞口C10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入球情報を生成する。第1大入賞口電動役物C11dは、第1大入賞口C10に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態に第1大入賞口C10を可変させる(第1大入賞口ソレノイドC13を励磁して可変させる)。尚、本実施形態では、大入賞口の態様を、横長方形状を成し遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに可変させる態様としているが、これには限定されない。その場合には、例えば、大入賞口内に設けられたシャッタ(棒状部材)が遊技者側に突き出した状態である進出状態と遊技者側に対して引っ込んだ状態である退避状態とを採り得る態様(いわゆる、ベロ型アタッカー)としてもよく、大入賞口への入球数を所定数(例えば、10個)とすることを担保したい場合において好適である。
次に、第2大入賞口C20は、第1主遊技図柄(第1特別図柄)又は第2主遊技図柄(第2特別図柄)が大当り図柄で停止した場合に開状態となる、横長方形状を成しアウト口D36の右上方、且つ、第1大入賞口C10の上方に位置した、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、第2大入賞口C20は、遊技球の入球を検出するための第2大入賞口入賞検出装置C21sと、第2大入賞口電動役物C21d(及び第2大入賞口ソレノイドC23)と、を備える。ここで、第2大入賞口入賞検出装置C21sは、第2大入賞口C20への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入球情報を生成する。そして、第2大入賞口C20内に入球した遊技球は、第2大入賞口入賞検出装置C21sよって検出されるよう構成されている。次に、第2大入賞口電動役物C21dは、第2大入賞口C20に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに第2大入賞口C20を可変させる。尚、本実施形態では、大入賞口の態様を、横長方形状を成し遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに可変させる態様としているが、これには限定されない。その場合には、例えば、大入賞口内に設けられたシャッタが遊技者側に突き出した状態である進出状態と遊技者側に対して引っ込んだ状態である退避状態とを採り得る態様(いわゆる、ベロ型アタッカー)としてもよく、大入賞口への入球数を所定数(例えば、10個)とすることを担保したい場合において好適である。
次に、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)は、第1主遊技(第2主遊技)に対応する第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)に関連した表示等を実行する装置である。具体的構成としては、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)は、第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)と、第1主遊技図柄保留表示部A21h(第2主遊技図柄保留表示部B21h)とを備える。ここで、第1主遊技図柄保留表示部A21h(第2主遊技図柄保留表示部B21h)は、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が、第1主遊技(第2主遊技)に係る乱数の保留数(実行されていない主遊技図柄の変動数)に相当する。尚、第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)は、例えば7セグメントLEDで構成され、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)は、「0」~「9」の10種類の数字及びハズレの「-」で表示される{但し、これには限定されず、いずれの主遊技図柄が表示されたのかを遊技者が認識困難となるよう、7セグメントLEDを用いて記号等によって表示することが好適である。また、保留数表示においても、4個のランプから構成されていることには限定されず、最大4個分の保留数を表示可能に構成(例えば、1個のランプから構成されており、保留数1:点灯、保留数2:低速点滅、保留数3:中速点滅、保留数4:高速点滅、するよう構成)されていればよい}。
尚、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)は必ずしも演出的な役割を持つ必要が無いため、本実施形態では、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)の大きさは、目立たない程度に設定されている。しかしながら、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)自体に演出的な役割を持たせて第1主遊技側の装飾図柄(第2主遊技側の装飾図柄)を表示させないような手法を採用する場合には、後述する演出表示装置SGのような液晶ディスプレイに、第1主遊技図柄(第2主遊技図柄)を表示させるように構成してもよい。
次に、演出表示装置SGは、第1主遊技図柄・第2主遊技図柄と連動して変動・停止する装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)を含む演出画像の表示等を実行する装置である。ここで、具体的構成としては、演出表示装置SGは、装飾図柄の変動表示等を含めて演出が実行される表示領域SG10を備える。ここで、表示領域SG10は、主遊技保留情報を表示する第1保留表示領域SG12(及び第2保留表示領域SG13)と、例えば、スロットマシンのゲームを模した複数列の装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)変動の動画像を表示する装飾図柄表示領域SG11と、を有している。尚、演出表示装置SGは、本実施形態では液晶ディスプレイで構成されているが、機械式のドラムやLED等の他の表示手段で構成されていてもよい。次に、第1保留表示領域SG12(及び第2保留表示領域SG13)は、4個のランプから構成され、当該ランプは、主遊技図柄の保留ランプと連動している。
次に、補助遊技図柄表示装置H20は、補助遊技図柄に関する表示等を実行する装置である。具体的構成としては、補助遊技図柄表示装置H20は、補助遊技図柄表示部H21gと、補助遊技図柄保留表示部H21hとを備える。ここで、補助遊技図柄保留表示部H21hは、4個のランプから構成され、当該ランプの点灯個数が、補助遊技図柄変動の保留数(実行されていない補助遊技図柄変動の数)に相当する。
次に、センター飾りD38は、演出表示装置SGの周囲に設置され、遊技球の流路、演出表示装置SGの保護、装飾等の機能を有する。また、遊技効果ランプD26は、遊技領域D30又は遊技領域D30以外の領域に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
次に、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機の背面側における基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機は、ぱちんこ遊技機の全体動作を制御し、特に第1主遊技始動口A10(第2主遊技始動口B10)へ入球したときの抽選等、遊技動作全般の制御(即ち、遊技者の利益と直接関係する制御)を行う主制御基板Mと、遊技内容に興趣性を付与する演出表示装置SG上での各種演出に係る表示制御等を行うサブメイン制御部SMと、主に演出表示を実行するサブサブ制御部SSとを備え演出全般を制御する副制御基板Sと、賞球タンクKT、賞球レールKR及び各入賞口への入賞に応じて賞球タンクKTから供給される遊技球を上球皿D20へ払い出す払出ユニットKE10等を備える賞球払出装置(セット基盤)KEと、払出ユニットKE10による払出動作を制御する賞球払出制御基板KHと、上球皿D20の遊技球(貯留球)を遊技領域D30へ1球ずつ発射する発射装置D42と、発射装置D42の発射動作を制御する発射制御基板D40と、ぱちんこ遊技機の各部へ電力を供給する電源供給ユニットEと、ぱちんこ遊技機の電源をオン・オフするスイッチである電源スイッチEa等が、前枠D14裏面(遊技側と反対側)に設けられている。
次に、図3のブロック図を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の電気的な概略構成を説明する。はじめに、本実施形態に係るぱちんこ遊技機は、前述したように、遊技の進行を制御する主制御基板Mと、主制御基板Mからの情報(信号、コマンド等)に基づいて遊技球の払出を制御する賞球払出制御基板KHと、主制御基板Mからの情報(信号、コマンド等)に基づいて装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の変動・停止等の演出表示装置SG上での各種演出、スピーカD24からの音響、遊技効果ランプD26の点灯、エラー報知等の実行を制御する副制御基板S(本例では、サブメイン制御部SMとサブサブ制御部SSとが一つの基板上に配置されている)と、これらの制御基板を含む遊技機全体に電源を供給する電源供給ユニットEと、を主体として構成されている。ここで、副制御基板Sは、装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の変動・停止等の演出表示装置SG上での各種演出、スピーカD24からの音響、遊技効果ランプD26の点灯、エラー報知を制御するサブメイン制御部SMと、演出表示装置SG上での装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の変動表示・停止表示及び保留表示や予告表示等の表示処理を実行するサブサブ制御部SSの2つの制御部とを備えている。尚、主制御基板M、賞球払出制御基板KH、サブメイン制御部SM及びサブサブ制御部SSには、様々な演算処理を行うCPU、CPUの演算処理を規定したプログラムを予め記憶するROM、CPUが取り扱うデータ(遊技中に発生する各種データやROMから読み出されたコンピュータプログラム等)を一時的に記憶するRAMが搭載されている。ここで、特に図示していないが、主制御基板Mが搭載するROMに関しては、不正行為によって改造されたプログラム等を書き込まれることを防止するため、未使用の領域を設けないよう構成することが好適である(例えば、未使用領域を全て0によって充填、使用している領域を若い番地に詰めて書き込む、等)。また、ノイズや不正行為によって、通常時には参照しないデータを参照してしまうことを防止するため、未使用のデータ(例えば、スペック違いの遊技機において参照するデータや、開発段階でのテストにのみ使用するデータ等)を設けないよう構成することが好適である。また、RAMの領域を使用する際についても同様に、若い番地に詰めて領域を使用し、未使用のプログラム領域を設けないよう構成することが好適である。以下、各基板の概略構成及び各基板・装置間の電気的な接続態様について概説する。
まず、主制御基板Mは、入賞口センサNs{前述した第1主遊技始動口入球検出装置A11s、第2主遊技始動口入球検出装置B11s、補助遊技始動口入球検出装置H11s、第1大入賞口入賞検出装置C11s、第2大入賞口入賞検出装置C21s、一般入賞検出装置(不図示であるが、一般入球口とは、賞球はあるが図柄抽選を行わない入球口である)}、図示略する駆動ソレノイド(前述した、第1大入賞口ソレノイドC13、第2大入賞口ソレノイドC23等)、情報表示LED(不図示)等、遊技の進行に必須となる入出力装置と電気的に接続され、各入力装置からの入力信号に基づいて遊技の進行を制御している。更に、主制御基板Mは、賞球払出制御基板KHと、副制御基板S(サブメイン制御部SM・サブサブ制御部SS)とも電気的に接続されており、遊技進行に基づいて、賞球払出等に関する情報(コマンド)を賞球払出制御基板KHに、演出・遊技の進行状態等に関する情報(コマンド)を副制御基板Sにそれぞれ送信可能に構成されている。尚、主制御基板Mは、外部接続端子(不図示)を介してホールコンピュータHC等と接続可能となっており、外部接続端子を介してホールコンピュータHCと配線接続することで、主制御基板Mから外部の装置に対して遊技関連情報を出力できるよう構成されている。
また、本実施形態では、図3の矢印表記の通り、主制御基板Mと賞球払出制御基板KHとは、双方向通信が可能となるよう構成されている一方、主制御基板Mとサブメイン制御部SMとは、主制御基板Mからサブメイン制御部SMへの一方向通信が可能となるよう構成されている(通信方法は、シリアル通信、パラレル通信のいずれを用いてもよい)。尚、制御基板間(制御装置間)の通信については一方向通信でも双方向通信でもよい。
次に、賞球払出制御基板KHは、遊技球の払出を実行する賞球払出装置KEと、遊技者によって操作可能な装置であって遊技球の貸出要求を受付けて賞球払出制御基板KHに伝達する遊技球貸出装置Rとに接続されている。また、図示略するが、本実施形態では、賞球払出制御基板内に、発射装置の制御回路部が併設されており、賞球払出制御基板と発射装置(発射ハンドル・発射モータ・球送り装置等)とも接続されている。尚、本実施形態では、遊技球貸出装置Rを別体として遊技機に隣接する形態を採用しているが、遊技機と一体としてもよく、その場合には、賞球払出制御基板KHにより貸出制御及び電子マネー等貸出用の記録媒体の管理制御等を統括して行ってもよい。
次に、副制御基板Sは、前述したように装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)等を表示する演出表示装置SGと、スピーカD24と、遊技効果ランプD26と、その他演出用の駆動装置(不図示)と接続されている。本実施形態では、前述の通り、副制御基板S内にサブメイン制御部SMとサブサブ制御部SSとを有しており、サブメイン制御部SMによりスピーカD24から出力させる音声の制御、遊技効果(電飾)ランプD26の点灯制御並びに、演出表示装置上で表示する表示内容の決定制御が行われ、サブサブ制御部SSにより、演出表示装置上の表示制御(実体的な表示制御)が行われるように構成されている。尚、本実施形態では、サブメイン制御部SMとサブサブ制御部SSとを、副制御基板Sにて一体化されるよう構成されているが、これに限定されるわけではない(別基板として構成してもよいが、一体化するよう構成することでスペースメリットや配線等にノイズが混入してしまう事態を低減できるといったメリットが生ずる)。また、両制御部での作業分担についても、例えばサブサブ制御部SSにより音声制御を実行させる(VDPに音声制御回路が一体化されたものを採用する場合に好適)等、適宜変更できる。また、賞球として物理的な賞球を付与せずに電子的な価値を付与してもよい。
次に、図4のブロック図を参照しながら、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の各種機能について説明する。はじめに、主制御基板Mは、遊技に係る遊技周辺機器(第1主遊技周辺機器A、第2主遊技周辺機器B、第1・第2主遊技共用周辺機器C、補助遊技周辺機器H)、演出に係るサブメイン制御部SM(副遊技制御手段SM)、主制御基板Mからの払出指示に基づき所定数の賞球の払出制御を行う賞球払出制御基板KHと、情報伝達可能に接続されている。また、サブメイン制御部SM(副遊技制御手段SM)は、画像演出を実行するサブサブ制御部SS(演出表示手段SS)、各種遊技効果ランプD26(例えばサイドランプ)やスピーカD24等とも電気的に接続されている。更に、賞球払出制御基板KHは、ステッピングモータやスプロケット等を備えた賞球払出装置KEと電気的に接続されている。尚、主制御基板M、サブメイン制御部SM(副遊技制御手段SM)、サブサブ制御部SS(演出表示手段SS)、賞球払出制御基板KH等は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子等から構成される。尚、以下で主制御基板Mに含まれるとする各手段を周辺機器(例えば、遊技周辺機器)に搭載される形で構成してもよい。例えば、周辺機器(例えば、遊技周辺機器)に含まれるとする各手段を主制御基板Mに搭載される形で構成してもよい。以下、上記各手段(装置)の詳細を説明する。
まず、主制御基板Mは、遊技用の情報の取得を制御する遊技用情報制御手段MJと、遊技の内容を決定するための遊技内容決定手段MNと、特別遊技や特定遊技等の遊技の進行を司る遊技進行手段MPと、現在及び過去の遊技状態[例えば、主遊技に関する状態{通常遊技状態、特定遊技状態(確率変動遊技状態、時間短縮遊技状態)、特別遊技状態}、補助遊技に関する状態(易開放状態、非易開放状態)、主遊技図柄や補助遊技図柄に係る停止図柄及び変動態様情報、各種フラグのオン・オフ状況、特別遊技中の遊技状態(例えばラウンド数や入賞個数情報)]等を一時記憶するための遊技状態一時記憶手段MBと、遊技周辺機器側に各種遊技情報{例えば、停止図柄情報、停止図柄の属性情報{例えば、10R大当り、8R大当り、4R大当り、ハズレ}、変動態様に関する情報(例えば、変動時間)、特別遊技の開始信号・状態情報・終了信号、保留情報等}を送信するための情報送信制御手段MT(及び未送信コマンドを蓄積するコマンド送信用バッファMT10)と、各種入賞口への遊技球の入賞に基づき所定の賞球の払出を行うように賞球払出制御基板KHを制御する賞球払出決定手段MHと、を有している。
ここで、遊技用情報制御手段MJは、各入球口(始動口等)への遊技球の流入を判定するための入球判定手段MJ10と、各乱数の取得可否を判定し、当該判定結果に基づき当該各乱数を取得するための乱数取得判定実行手段MJ20と、変動表示中における各始動口への入球を保留球として上限個数以内で一時記憶するための保留制御手段MJ30と、を有している。また、遊技進行手段MPは、各図柄の変動及び停止表示する制御を行うための表示制御手段MP10と、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口電動役物B11dの開閉決定に直接関連する各種処理を行うための第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20‐Bと、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技に関する制御を司る特別遊技制御手段MP30と、第1主遊技及び第2主遊技並びに補助遊技に関し、現在の遊技状態をどの遊技状態に移行させるかの決定と、当該決定に基づき遊技状態を移行させる処理を行うための特定遊技制御手段MP50と、を有している。以下、各手段について詳述する。
まず、入球判定手段MJ10は、第1主遊技始動口A10に遊技球が入球したか否かを判定する第1主遊技始動口入球判定手段MJ11‐Aと、第2主遊技始動口B10に遊技球が入球したか否かを判定する第2主遊技始動口入球判定手段MJ11‐Bと、補助遊技始動口H10に遊技球が流入したか否かを判定する補助遊技始動口入球判定手段MJ11‐Hと、第1大入賞口C10に遊技球が入球したか否かを判定する、第1大入賞口入球判定手段MJ11‐C10と、第2大入賞口C20に遊技球が入球したか否かを判定する、第2大入賞口入球判定手段MJ11‐C20と、を有している。
次に、乱数取得判定実行手段MJ20は、第1主遊技始動口A10への遊技球の入球に基づき第1主遊技側乱数を取得するか否かを判定すると共に、判定結果に応じて当該乱数(例えば、第1当選乱数、第1変動態様決定乱数、第1主遊技図柄決定乱数等)を取得する第1主遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐Aと、第2主遊技始動口B10への遊技球の入球に基づき第2主遊技側乱数を取得するか否かを判定すると共に、判定結果に応じて当該乱数(例えば、第2当選乱数、第2変動態様決定乱数、第2主遊技図柄決定乱数等)を取得する第2主遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐Bと、補助遊技側選乱数の取得の可否を判定し、当該判定結果に基づき当該乱数を取得するための補助遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐Hと、を有している。
ここで、上記を含め本特許請求の範囲及び本明細書における「乱数」は、例えば、乱数の種類(例えば、当選乱数や変動態様決定乱数)により割り振られた「0」~「65535」や「0」~「255」といった所定範囲からランダムに選択された値である。また、乱数としては、数学的に発生させる乱数でなくともよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数等により発生させる擬似乱数でもよい。例えば、乱数にある夫々の値の発現方式が、乱数の数列に沿って順々に値を発現させる方式(プラスワン方式)、乱数の数列の最終値が発現したときの次の値(初期値)を偶然性のある値によって定める方式(初期値更新方式)、これらの組み合わせ等を挙げることができる。このような方法で乱数を取得することにより、遊技者に予想され難い、非周期的な乱数を発生させることが可能である。逆に、例えば、ある抽選に使用した乱数を使用して、次回の乱数を生成する方法の場合、当該次回の乱数を予想され易くなってしまう。そのため、乱数を発生させるに際し、前回の抽選で使用された乱数を用いることなく、新たな乱数を発生させることが好適である。
次に、保留制御手段MJ30は、保留消化及び変動開始に係る処理を制御する保留消化制御手段MJ31と、第1主遊技図柄変動許可が下りていない状況で取得した当該第1主遊技側乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき前記乱数を図柄変動許可が下りるまで第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Aに保留するための第1主遊技図柄保留手段MJ32‐Aと、第2主遊技図柄変動許可が下りていない状況で取得した当該第2主遊技側乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき前記乱数を図柄変動許可が下りるまで第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Bに保留するための第2主遊技図柄保留手段MJ32‐Bと、補助遊技図柄変動許可が下りていない状況で取得した補助遊技側乱数を一時記憶するか否かを判定し、当該判定結果に基づき当該乱数を図柄変動許可が下りるまで補助遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Hに保留するための補助遊技図柄保留手段MJ32‐Hと、を有している。
ここで、保留消化制御手段MJ31は、変動を開始する条件を充足したか否かを判定する変動開始条件充足判定手段MJ31jを有している。
次に、第1主遊技図柄保留手段MJ32‐A、第2主遊技図柄保留手段MJ32‐B及び補助遊技図柄保留手段MJ32‐Hは、最大4個まで記憶可能な、乱数を保留順序と結合した形で一時記憶するための、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐A、第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐B及び補助遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Hを夫々有している。
次に、遊技内容決定手段MNは、特別遊技の当否及び第2主遊技始動口電動役物B11dの開放可否を抽選する当否抽選手段MN10と、当否抽選の結果、当りである場合に特別遊技への移行決定をする(例えば、内部的に当りフラグをオンにする)特別遊技移行決定手段MN20と、各乱数に基づき、各図柄の停止図柄を決定するための図柄内容決定手段MN40と、各乱数に基づき、各図柄の変動態様(変動時間等)を決定するための変動態様決定手段MN50とを、有している。ここで、当否抽選手段MN10は、第1主遊技図柄に関しての当否抽選を行う第1主遊技当否抽選手段MN11‐Aと、第2主遊技図柄に関しての当否抽選を行う第2主遊技当否抽選手段MN11‐Bと、補助遊技図柄に関しての当否抽選を行う補助遊技当否抽選手段MN11‐Hとを、有している。ここで、第1主遊技当否抽選手段MN11‐A、第2主遊技当否抽選手段MN11‐B及び補助遊技当否抽選手段MN11‐Hは、第1主遊技図柄に関しての当否抽選を行う際に参照される第1主遊技用当否抽選テーブルMN11ta‐Aと、第2主遊技図柄に関しての当否抽選を行う際に参照される第2主遊技用当否抽選テーブルMN11ta‐Bと、補助遊技図柄に関しての当否抽選を行う際に参照される補助遊技用当否抽選テーブルMN11ta‐Hを夫々有している。尚、詳細なテーブル構成の一例については後述する。
ここで、主遊技乱数に基づいて当否抽選を実行する際、当否抽選手段MN10は、主遊技乱数値が、すべての当り乱数値のいずれかと同じ値であるか否かを判定する、又は、当り乱数値の一部又は全部が連続した数値である場合には、主遊技乱数値が当り乱数値の上限値以下であり下限値以上であるか否かを判定することにより、当否判定を実行する。このような当否判定を実行することで、正確な判定処理を実行できることとなる。逆に、当り乱数範囲の上限のみとの比較、又は下限のみとの比較によって当否判定を実行する場合、乱数範囲の端の値(例えば、乱数値の範囲が0~1023である場合、0又は1023)を当り乱数値とする必要があるため、不正(例えば、主制御基板Mに電流を流す不正行為であり、記憶領域のビットがすべて0又は1になり易い)に対して脆弱になってしまう危険性がある。また、本例では、一つの乱数を用いて1回の抽選を実行するよう構成している{1回の抽選に複数の乱数を用いる(いわゆる、2段階抽選を実行する)場合、二つの乱数が同期することを防ぐ必要があるため}。
次に、図柄内容決定手段MN40は、取得した遊技内容決定乱数(第1主遊技乱数)に基づき、第1主遊技図柄の停止図柄を決定する第1主遊技図柄決定手段MN41‐Aと、取得した遊技内容決定乱数(第2主遊技乱数)に基づき、第2主遊技図柄の停止図柄を決定する第2主遊技図柄決定手段MN41‐Bと、取得した補助遊技図柄当選乱数に基づき補助遊技図柄の停止図柄を決定する補助遊技図柄決定手段MN41‐Hと、を有している。
ここで、第1主遊技図柄決定手段MN41‐Aは、第1主遊技図柄に係る停止図柄を決定する際に参照される第1主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta‐Aを有しており、当該第1主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta‐Aは、当否結果・遊技状態に応じて異なる各種抽選テーブルを備えている(例えば、遊技状態に関しては、通常遊技→第1主遊技通常遊技状態用抽選テーブル、確率変動遊技→第1主遊技確率変動遊技状態用抽選テーブル、時間短縮遊技→第1主遊技時間短縮遊技状態用抽選テーブル)。また、第2主遊技図柄決定手段MN41‐Bは、第2主遊技図柄に係る停止図柄を決定する際に参照される第2主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta‐Bを有しており、当該第2主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta‐Bは、当否結果・遊技状態に応じて異なる各種抽選テーブルを備えている(例えば、遊技状態に関しては、通常遊技→第2主遊技通常遊技状態用抽選テーブル、確率変動遊技→第2主遊技確率変動遊技状態用抽選テーブル、時間短縮遊技→第2主遊技時間短縮遊技状態用抽選テーブル)。尚、詳細なテーブル構成の一例については後述する。更に、補助遊技図柄決定手段MN41‐Hは、補助遊技図柄に係る停止図柄を決定する際に参照される補助遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta‐Hを有しており、当該補助遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta‐Hは、遊技状態に応じて異なる各種当選テーブルを備えている(通常遊技→補助遊技通常用抽選テーブル、確率変動遊技及び時間短縮遊技→補助遊技時間短縮用抽選テーブル)。
次に、変動態様決定手段MN50は、取得した遊技内容決定乱数(第1主遊技乱数)に基づき、第1主遊技図柄の変動態様(変動時間等)を決定する第1主遊技変動態様決定手段MN51‐Aと、取得した遊技内容決定乱数(第2主遊技乱数)に基づき、第2主遊技図柄の変動態様(変動時間等)を決定する第2主遊技変動態様決定手段MN51‐Bと、取得した補助遊技図柄当選乱数に基づき補助遊技図柄の変動態様(変動時間等)を決定する補助遊技変動態様決定手段MN51‐Hと、を有している。
ここで、第1主遊技変動態様決定手段MN51‐Aは、第1主遊技図柄に係る変動態様を決定する際に参照される第1主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta‐Aを有しており、当該第1主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta‐Aは、当否結果・遊技状態に応じて異なる各種抽選テーブルを備えている(例えば、遊技状態に関しては、通常遊技→第1主遊技通常遊技状態用抽選テーブル、確率変動遊技→第1主遊技確率変動遊技状態用抽選テーブル、時間短縮遊技→第1主遊技時間短縮遊技状態用抽選テーブル)。また、第2主遊技変動態様決定手段MN51‐Bは、第2主遊技図柄に係る変動態様を決定する際に参照される第2主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta‐Bを有しており、当該第2主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta‐Bは、当否結果・遊技状態に応じて異なる各種抽選テーブルを備えている(例えば、遊技状態に関しては、通常遊技→第2主遊技通常遊技状態用抽選テーブル、確率変動遊技→第2主遊技確率変動遊技状態用抽選テーブル、時間短縮遊技→第2主遊技時間短縮遊技状態用抽選テーブル)。尚、詳細なテーブル構成の一例については後述する。更に、補助遊技変動態様決定手段MN51‐Hは、補助遊技図柄に係る変動態様を決定する際に参照される補助遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta‐Hを有しており、当該補助遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta‐Hは、遊技状態に応じて異なる各種当選テーブルを備えている(通常遊技→補助遊技通常用抽選テーブル、確率変動遊技及び時間短縮遊技→補助遊技時間短縮用抽選テーブル)。
次に、表示制御手段MP10は、第1主遊技図柄表示装置A20の第1主遊技図柄表示部A21g上及び第2主遊技図柄表示装置B20の第2主遊技図柄表示部B21g上で、所定時間第1主遊技図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う第1・第2主遊技図柄制御手段MP11‐Cと、補助遊技図柄表示装置H20の補助遊技図柄表示部H21g上で、所定時間補助遊技図柄を変動させた後に停止表示する制御を行う補助遊技図柄制御手段MP11‐Hとを有している。
ここで、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11‐Cは、ゼロクリア可能な第1・第2主遊技図柄変動管理用タイマMP11t‐C(デクリメントカウンタ)を有している。更に、補助遊技図柄制御手段MP11‐Hは、時間を計測可能な補助遊技図柄変動管理用タイマMP11t‐Hを更に備えている。
次に、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20‐Bは、第2主遊技始動口電動役物B11dを開閉する処理を行うための条件を充足しているか否かを判定するための第2主遊技始動口電動役物開閉条件判定手段MP21‐Bと、第2主遊技始動口電動役物B11dの駆動(開放)時間を計測する第2主遊技始動口電動役物開放タイマMP22t‐Bとを有している。
次に、特別遊技制御手段MP30は、特別遊技に移行するための条件を充足しているか否かを判定する条件判定手段MP31と、特別遊技移行条件を充足している場合、当該特別遊技の内容(具体的には、開状態となる大入賞口、ラウンド数、ラウンド間時間等)を決定し、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20b内にセットする特別遊技内容決定手段MP32と、第1大入賞口C10又は第2大入賞口C20を所定条件で開状態にする特別遊技(大当り)を実行するための特別遊技実行手段MP33と、特別遊技に関する各種処理の時間管理(例えば、第1大入賞口C10及び第2大入賞口C20の開閉時間)を行うための特別遊技時間管理手段MP34と、を有している。ここで、特別遊技実行手段MP33は、第1大入賞口電動役物C11dと第2大入賞口電動役物C21dを開閉させる第1・第2大入賞口電動役物開閉制御手段MP33‐Cと、第1大入賞口C10と第2大入賞口C20への入賞球を計測する入賞球カウンタMP33cを有している。特別遊技時間管理手段MP34は、ラウンド時間を管理する特別遊技用タイマMP34tを更に有している。また、特別遊技内容決定手段MP32は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bにセットされるべき前記特別遊技の内容を特定する際に参照される特別遊技内容参照テーブルMP32taを更に有している(テーブルの詳細については不図示)。
次に、特定遊技制御手段MP50は、確率変動遊技状態の終了条件を充足しているか否かを判定する確変遊技終了条件判定手段MP51と、時間短縮遊技状態の終了条件を充足しているか否かを判定する時短遊技終了条件判定手段MP52を有している。ここで、時短遊技終了条件判定手段MP52は、時短回数をカウント可能な時短回数カウンタMP52c、を有している。ここで、「特定遊技」とは、例えば、特別遊技への抽選確率が通常遊技時よりも高い確率変動遊技や、主遊技図柄の変動時間が通常遊技時よりも相対的に短い時間短縮遊技を指す。
ここで、本実施形態においては、時間短縮遊技中には、非時間短縮遊技中と比較して、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄の変動時間が相対的に短縮される(時間短縮機能)。更に、補助遊技図柄の変動時間も相対的に短縮されると共に、第2主遊技始動口電動役物B11dの開放延長時間が相対的に延長される(開放時間延長機能)。また、本実施形態における時間短縮遊技は、第1主遊技図柄の変動回数と第2主遊技図柄の変動回数の合計値が所定回数を超えた場合に終了する(時短回数制限無しの確率変動遊技を除く)。即ち、時短回数は、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄の変動(停止)毎に減算されるよう構成されている。尚、上記の確変遊技終了条件判定手段MP51及び時短遊技終了条件判定手段MP52は、例えば、図柄変動の度に所定確率で特定遊技(例えば確率変動遊技や時間短縮遊技)から通常遊技への移行抽選を行う機能を有していてもよい(いわゆる、転落抽選機能を有するぱちんこ遊技機の場合)。尚、本例に係る時間短縮遊技状態とは、主遊技時短フラグがオンであることであってもよいし、補助遊技時短フラグがオンであることであってもよい、即ち、時間短縮遊技状態は開放時間延長機能が作動している(高確高ベース状態、低確高ベース状態が含まれる)ことを示していてもよいし、非時間短縮遊技状態は開放時間延長機能が未作動である(低確低ベース状態が含まれる)ことを示していてもよい。尚、時間短縮遊技状態は特定遊技状態と称することがあり、非時間短縮遊技状態は通常遊技状態と称することがある。また、確率変動遊技状態は高確率抽選状態と称することがあり、非確率変動遊技状態は低確率抽選状態と称することがある。また、他の遊技状態としての高確低ベース状態は、主遊技図柄の変動時間が通常遊技状態時よりも相対的に短い時間短縮遊技を実行する場合は、時間短縮遊技状態とし、主遊技図柄の変動時間が通常遊技状態時よりも相対的に短い時間短縮遊技としない場合は、非時間短縮遊技状態とするのが好適である。
次に、遊技状態一時記憶手段MBは、第1主遊技(第1主遊技図柄の変動から停止に至るまでの遊技)及び第2主遊技(第2主遊技図柄の変動から停止に至るまでの遊技)における現在の遊技状態を一時記憶するための第1・第2主遊技状態一時記憶手段MB10‐Cと、補助遊技における現在の遊技状態を一時記憶するための補助遊技状態一時記憶手段MB10‐Hと、特別遊技における現在の遊技状態(例えば、ラウンド数、任意のラウンドにおける遊技球の入賞個数、特別遊技に関する各種フラグのオン・オフ等)を一時記憶するための特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bと、特定遊技における現在の遊技状態(例えば、時短の残り回数、特定遊技に関する各種フラグのオン・オフ等)を一時記憶するための特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bと、を有している。
ここで、第1・第2主遊技状態一時記憶手段MB10‐Cは、現在変動中の第1又は第2主遊技図柄(変動開始条件が成立した第1又は第2主遊技図柄)に係る停止図柄及び変動態様情報を一時記憶するための第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b‐Cを有している。
また、補助遊技状態一時記憶手段MB10‐Hは、現在変動中の補助遊技図柄(変動開始条件が成立した補助遊技図柄)に係る停止図柄等の情報を一時記憶するための補助遊技図柄情報一時記憶手段MB11b‐Hを有している。
次に、遊技周辺機器について説明する。尚、一部の周辺機器については既に詳細構成を述べたので、残る構成について簡潔に説明する。まず、遊技周辺機器は、第1主遊技側の周辺機器である第1主遊技周辺機器Aと、第2主遊技側の周辺機器である第2主遊技周辺機器Bと、第1主遊技側と第2主遊技側の共用周辺機器である第1・第2主遊技共用周辺機器Cと、補助遊技に関する補助遊技周辺機器Hと、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SM、サブサブ制御部SS(及び演出表示装置SG)等、を有している。ここで、サブメイン制御部SMにより制御される演出は、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄の変動と時間的に同期の取れた形での装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の変動を含め、遊技の結果に影響を与えない情報のみの表示に係るものである。以下、これらの周辺機器を順番に説明する。
まず、第1主遊技周辺機器Aは、特別遊技移行の契機となる第1主遊技始動口A10と、第1主遊技図柄の停止表示及び変動表示が可能な第1主遊技図柄表示装置A20と、を有している。
次に、第2主遊技周辺機器Bは、特別遊技移行の契機となる第2主遊技始動口B10と、第2主遊技図柄の停止表示及び変動表示が可能な第2主遊技図柄表示装置B20と、を有している。
次に、第1・第2主遊技共用周辺機器Cは、通常遊技の際には閉状態にあり、特別遊技(大当り)の際には所定条件下で開状態となる第1大入賞口C10及び第2大入賞口C20を有している。
次に、補助遊技周辺機器Hは、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口電動役物B11dの開放の契機となる補助遊技始動口H10と、補助遊技図柄の停止表示及び変動表示が可能な補助遊技図柄表示装置H20とを有している。
次に、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、主制御基板M側からの各種情報を受信するための表示情報受信手段SM10と、演出表示に係る演出内容の決定処理及び表示制御処理を司る演出表示制御手段SM20と、サブサブ制御部SS側との情報送受信を制御する情報送受信制御手段SM40と、を有している。以下、上記各手段を詳述する。
まず、表示情報受信手段SM10は、主制御基板M側からの第1主遊技及び第2主遊技に関する図柄情報や表示指示情報を一時記憶するためのメイン側情報一時記憶手段SM11bを有している。
次に、演出表示制御手段SM20は、装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の変動態様や停止図柄の決定処理及び表示制御処理を司る装飾図柄表示制御手段SM21と、装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の保留個数管理や保留表示処理を司る装図保留情報表示制御手段SM22と、背景画像の決定処理及び表示制御処理を司る背景演出表示制御手段SM23と、予告演出内容の決定処理及び表示制御処理を司る予告演出表示制御手段SM24と、リーチ演出内容の決定処理及び表示制御処理を司るリーチ演出表示制御手段SM25と、を有している。
ここで、装飾図柄表示制御手段SM21は、主制御基板M側からの情報に基づいて、装飾図柄{本実施形態では、2種類の装飾図柄(以下、第1装飾図柄、第2装飾図柄と呼ぶことがある)を有しており、第1装飾図柄と第2装飾図柄とは、夫々が独立しており、当該第1装飾図柄又は第2装飾図柄の数字図柄が3つ組み合わされることにより遊技結果を報知可能となっている}の停止図柄及び変動態様を決定する装図表示内容決定手段SM21nと、装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の図柄変動に係る各種情報(変動態様情報、停止図柄情報、各種フラグ等)を一時記憶するための装図表示関連情報一時記憶手段SM21bと、装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の変動時間を計時するための第1装図変動時間管理タイマSM21t‐1と、を有している。ここで、装図表示内容決定手段SM21nは、装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の停止図柄及び変動態様を決定する際に参照される装図変動内容決定用抽選(参照)テーブルSM21ta(テーブルの詳細については不図示)と、装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の演出内容、表示更新タイミング、表示更新内容を決定(又は、セット)する際に参照される装飾図柄演出テーブルSM21ta‐2と、を更に有している。尚、第1装飾図柄と第2装飾図柄とは共に、主制御基板M側からの情報に基づいて演出表示制御手段SM20側で、夫々が独立して表示制御されるものであり、この2種類の装飾図柄を上手く利用することで、演出上の興趣性を高めたり、遊技の進行状況を把握し易くしたりするよう構成されているのであるが、この点については後述する。
次に、装図保留情報表示制御手段SM22は、装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)に係る保留に関する情報を一時記憶するための装図保留情報一時記憶手段SM22bを有している。
次に、背景演出表示制御手段SM23は、主制御基板M側からの情報に基づいて、背景演出の表示内容を決定する背景演出表示内容決定手段SM23nと、背景演出表示に係る情報を一時記憶するための背景演出関連情報一時記憶手段SM23bと、を有している。
次に、予告演出表示制御手段SM24は、主制御基板M側からの情報に基づいて、予告演出の表示内容や表示タイミング等を決定する予告演出表示内容決定手段SM24nと、予告演出表示に係る情報を一時記憶するための予告演出関連情報一時記憶手段SM24bと、を有している。
次に、リーチ演出表示制御手段SM25は、主制御基板M側からの情報に基づいて、リーチ演出の表示内容や表示タイミング等を決定するリーチ演出表示内容決定手段SM25nと、リーチ演出表示に係る情報を一時記憶するためのリーチ演出関連情報一時記憶手段SM25bと、を有している。
また、演出表示手段(サブサブ制御部)SSは、サブメイン制御部SM側との情報送受信を制御する副情報送受信制御手段SS10と、演出表示装置SG上の表示領域SG10へ画像を表示する画像表示制御手段SS20と、を有している。ここで、画像表示制御手段SS20は、サブメイン制御部SM側から受信したコマンドや各種画像表示に係る情報を一時記憶するための画像表示関連情報一時記憶手段SS21bを更に有している。
また、演出表示手段(サブサブ制御部)SSは、演出表示手段(サブサブ制御部)SSからの情報に基づいて演出に係る画像を表示する演出表示装置SGと電気的に接続されている。ここで、演出表示装置SGは、画像を表示する表示領域SG10を有している。
ここで、表示領域SG10は、装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)を変動表示するための装飾図柄表示領域SG11と、主遊技保留情報を表示する第1保留表示領域SG12(及び第2保留表示領域SG13)と、を有している。
尚、第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20及び補助遊技図柄表示装置H20が、主制御基板Mと情報伝達可能に接続されており、残る演出表示手段(サブサブ制御部)SSが、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMと情報伝達可能に接続されている。即ち、第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20及び補助遊技図柄表示装置H20は、主制御基板Mにより制御され、演出表示手段(サブサブ制御部)SSは、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMにより制御されることを意味する。尚、主制御基板Mと片方向通信(一方向通信)により制御される他の周辺機器を介して、別の周辺機器を制御するように構成してもよい。
ここから、フローチャートを用いて、本実施形態に係る遊技機における一般的な処理の流れの一例について説明する。フローチャートは主に、処理ステップ(長方形にて図示)、判断(ひし形にて図示)、流れ線(矢印)、開始・終了・復帰等を示す端子(角丸長方形にて図示)によって構成されている。また、処理ステップの内、別のフローチャートにて詳細を図示している場合、当該別のフローチャートを参照するものをサブルーチン(左右の線が二重線である長方形にて図示)として図示している。ここで、遊技機の開発段階においては、スペック違いの遊技機を同時に開発することも行われているが、本例においては、メイン側の処理内に、スペック違いの遊技機で実行するサブルーチン(通常は使用しないサブルーチン)を残さないよう構成しており、ノイズや不正行為によって、通常時には実行されない未使用サブルーチンに係る処理が実行されることを防止している。
はじめに、図5は、主制御基板Mが行う一般的な処理の流れを示したメインフローチャートである。遊技機の電源投入後、同図(a)の処理が実行される。即ち、遊技機の電源投入後、初期設定を行った後(不図示)、ステップ1002で、主制御基板Mは、RAMクリアボタンの入力ポートを確認し、電源供給ユニットEのリセットボタン(RAMクリアボタン)が操作されたか否か、即ち、遊技場の管理者等によって意図的にRAMの内容をクリアさせる操作が行われたか否かを判定する。ステップ1002でYesの場合、ステップ1004で、主制御基板Mは、主制御基板M側のRAM内容(例えば、遊技状態一時記憶手段MB内の情報等)を全てクリアする。次に、ステップ1006で、情報送信制御手段MTは、主制御基板MのRAMをクリアしたことを示すラムクリア情報(コマンド)をサブメイン制御部SM側に送信し(当該タイミングにて送信してもよいし、当該タイミングではコマンドをセットしておき後述する制御コマンド送信処理にて送信するよう構成してもよい)、ステップ1016の処理に移行する。他方、ステップ1002でNoの場合は、ステップ1008で、主制御基板Mは、主制御基板MにおけるRAM領域の内容をチェックする(例えば、電断時に記録されたチェックサムとRAM領域に保存されている情報量との比較を行う)。次に、ステップ1010で、主制御基板Mは、当該チェック結果に基づきRAMの内容が正常でないか否か(正確に電断時の情報がRAMにバックアップされていないか否か)を判定する。ステップ1010でYes、即ちRAMにバックアップされていたデータが異常な場合には、ステップ1004の処理(前述したRAMクリア処理)に移行する。他方、ステップ1010でNo、即ちRAMにバックアップされていたデータが正常な場合、ステップ1012で、主制御基板Mは、主制御基板MにおけるRAM内に記憶(バックアップ)されている電断時の各種情報コマンドを取得し、ステップ1014で、取得した各種情報コマンドをサブメイン制御部SM側に送信し(当該タイミングにて送信してもよいし、当該タイミングではコマンドをセットしておき後述する制御コマンド送信処理にて送信するよう構成してもよい)、ステップ1016の処理に移行する。次に、ステップ1016で、主制御基板Mは、同図(b)によって示される主制御基板M側のメイン処理に係る実行定時割り込み(例えば、約4.0ms毎のハードウエア割り込みを契機とするが、本例では、当該割り込み周期をTとする)を許可し{その結果、当該実行定時割り込みタイミング到達時には、同図(b)が実行されることとなる}、ステップ1018の処理に移行する。尚、ステップ1018後は、次の定時割り込みタイミングに到達するまで、主制御基板Mは、各種乱数更新処理(例えば、乱数カウンタのインクリメント処理)を繰り返し実行することとなる。
尚、主制御基板Mが搭載する一時記憶領域(RAM等)の初期値は、特別遊技が実行される値とならないよう構成することが好適である(プログラムの処理開始直後に、ノイズや不正行為により、特別遊技の実行判定を行う処理を実行してしまった場合に特別遊技が誤って実行されることを防止するため)。
次に、タイマ割り込み処理について説明する。主制御基板Mは、定時割り込みタイミングに到達した場合に発生する割り込み要求に基づいて、同図(b)の処理を実行する。即ち、定時割り込み周期Tの到達時(例えば、約4.0ms毎のハードウエア割り込み)を契機として、ステップ1100で、主制御基板Mは、後述の補助遊技内容決定乱数取得処理を実行する。次に、ステップ1200で、主制御基板Mは、後述の電動役物駆動判定処理を実行する。次に、ステップ1300で、主制御基板Mは、後述の主遊技内容決定乱数取得処理を実行する。次に、ステップ1400で、主制御基板Mは、後述の主遊技図柄表示処理を実行する。次に、ステップ1500で、主制御基板Mは、後述の特別遊技作動条件判定処理を実行する。次に、ステップ1600で、主制御基板Mは、後述の特別遊技制御処理を実行する。次に、ステップ1997で、主制御基板M(特に賞球払出決定手段MH)は、遊技球が入賞した入賞口に基づき、賞球払出制御処理(賞球払出装置KEの駆動制御等を賞球払出制御基板KHに実行させ、その結果を管理するための処理等)を実行する。次に、ステップ1998で、主制御基板Mは、外部信号の出力処理(外部端子板、ホールコンピュータHC等への情報出力)を実行する。次に、ステップ1999で、主制御基板Mは、制御コマンド送信処理(前述の各処理でセットされたコマンドをサブメイン制御部側に送信する)を実行し、本割り込み処理の実行直前に実行されていた処理に復帰する。尚、制御コマンド送信処理においては、サブメイン制御部SM側でコマンドを受信する順序が重要である(例えば、あるコマンドを受信した後に他のコマンドを受信することで正常に処理が実行される)場合があるため、主制御基板M側でコマンドを送信することを決定した順(コマンドをセットした順)に、コマンドを送信するよう構成されている。
次に、NMI割り込み処理について説明する。前述の通り、主制御基板Mは、リセットICからの電断信号がCPUのNMI端子に入力されるように構成されており、遊技機における電源断時において、同図(c)の処理が実行される。即ち、遊技機の電源断時(本例では、NMI割り込み時)において、ステップ1020で、主制御基板Mは、RAM領域の情報に基づき電断時情報(例えば、チェックサム)をセットする。次に、ステップ1022で、主制御基板Mは、RAM領域への書き込みを禁止すると共に、タイマ割り込み処理を禁止し、電源断待ちループ処理に移行する。
次に、図6は、図5におけるステップ1100のサブルーチンに係る、補助遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1102で、補助遊技始動口入球判定手段MJ11‐Hは、補助遊技始動口H10に遊技球が入球(流入、ゲートの場合は通過)したか否かを判定する。ステップ1102でYesの場合、ステップ1104で、補助遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐Hは、補助遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Hを参照し、保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1104でYesの場合、ステップ1106で、補助遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐Hは、補助遊技内容決定乱数(例えば、補助遊技図柄当選乱数)を取得する。次に、ステップ1108で、補助遊技図柄保留手段MJ32‐Hは、何個目の保留であるかという情報と共に、当該乱数を補助遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Hにセットする形で保留球を1加算し、次の処理(ステップ1200の処理)に移行する。尚、ステップ1102又はステップ1104でNoの場合も、次の処理(ステップ1200の処理)に移行する。
次に、図7は、図5におけるステップ1200のサブルーチンに係る、電動役物駆動判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1202で、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20‐Bは、補助遊技状態一時記憶手段MB10‐Hのフラグエリアを参照して、電動役物開放中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1202でYesの場合、ステップ1204で、補助遊技図柄制御手段MP11‐Hは、補助遊技状態一時記憶手段MB10‐Hを参照して、補助遊技図柄変動中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1204でYesの場合、ステップ1206で、補助遊技図柄保留手段MJ32‐Hは、補助遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Hにアクセスし、補助遊技図柄に関する保留球があるか否かを判定する。ステップ1206でYesの場合、ステップ1216で、補助遊技図柄決定手段MN41‐Hは、補助遊技状態一時記憶手段MB10‐Hを参照して補助遊技側の遊技状態(補助遊技時短フラグのフラグ状態)を取得すると共に、補助遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta‐Hを参照し、当該取得した補助遊技側の遊技状態及び当該保留球に基づく補助遊技図柄乱数に基づき停止図柄を決定(例えば、補助遊技時短フラグがオンである場合には、オフである場合と比して高確率で当選図柄を選択)して補助遊技図柄情報一時記憶手段MB11b‐Hに一時記憶する。次に、ステップ1218で、補助遊技図柄制御手段MP11‐Hは、補助遊技側の遊技状態(補助遊技時短フラグのフラグ状態)に基づき、補助遊技図柄変動管理用タイマMP11t‐Cに補助遊技図柄の変動時間に係る所定時間(例えば、補助遊技時短フラグがオンの場合には5秒、補助遊技時短フラグがオフの場合には30秒)をセットする。そして、ステップ1220で、補助遊技図柄制御手段MP11‐Hは、補助遊技状態一時記憶手段MB10‐Hのフラグエリア内にある、補助遊技図柄変動中フラグをオンにする。次に、ステップ1222で、補助遊技図柄保留手段MJ32‐Hは、補助遊技図柄に関する当該保留球を1減算した上で補助遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Hに記録されている保留情報を更新すると共に、補助遊技図柄制御手段MP11‐Hは、補助遊技図柄変動管理用タイマMP11t‐Hをスタートした後、補助遊技図柄表示部H21g上で補助遊技図柄の変動表示を開始する。
次に、ステップ1224で、補助遊技図柄制御手段MP11‐Hは、補助遊技図柄変動管理用タイマMP11t‐Cを参照して、補助遊技図柄の変動時間に係る所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1224でYesの場合、ステップ1226で、補助遊技図柄制御手段MP11‐Hは、補助遊技図柄情報一時記憶手段MB11b‐Hを参照して補助遊技図柄の停止図柄を取得すると共に、当該取得した補助遊技図柄の停止図柄を補助遊技図柄表示部H21g上で確定表示する。そして、ステップ1228で、補助遊技図柄制御手段MP11‐Hは、補助遊技状態一時記憶手段MB10‐Hのフラグエリア内にある、補助遊技図柄変動中フラグをオフにする。次に、ステップ1230で、第2主遊技始動口電動役物開閉条件判定手段MP21‐Bは、当該補助遊技図柄の停止図柄が「当り」であるか否かを判定する。ステップ1230でYesの場合、ステップ1232で、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20‐Bは、補助遊技側の遊技状態(補助遊技時短フラグのフラグ状態)に基づき、第2主遊技始動口電動役物開放タイマMP22t‐Bに電動役物の開放時間に係る所定時間(例えば、補助遊技時短フラグがオンの場合には6秒、補助遊技時短フラグがオフの場合には0.5秒)をセットする。次に、ステップ1234で、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20‐Bは、補助遊技状態一時記憶手段MB10‐Hのフラグエリア内にある、電動役物開放中フラグをオンにする。そして、ステップ1236で、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20‐Bは、第2主遊技始動口電動役物B11dを開放する。次に、ステップ1238で、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20‐Bは、第2主遊技始動口電動役物開放タイマMP22t‐Bを参照して、電動役物の開放時間に係る所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1238でYesの場合、ステップ1240及びステップ1242で、第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20‐Bは、第2主遊技始動口電動役物B11dを閉鎖すると共に、補助遊技状態一時記憶手段MB10‐Hのフラグエリア内にある、電動役物開放中フラグをオフにし、次の処理(ステップ1300の処理)に移行する。
尚、ステップ1202でNoの場合にはステップ1238に移行し、ステップ1204でNoの場合にはステップ1224に移行し、ステップ1206、ステップ1224、ステップ1230又はステップ1238でNoの場合には次の処理(ステップ1300の処理)に移行する。
また、本フローチャートでは、便宜上、ステップ1226での停止図柄表示後、すぐに次のステップに移行しているが、これには限定されない。その場合には、500ms程度の停止表示固定時間を経てから次の処理に移行するよう構成してもよい(例えば、停止表示固定中フラグ及びタイマを利用して分岐処理を行うことによりこの処理を達成可能である)。
次に、図8は、図5におけるステップ1300のサブルーチンに係る、主遊技内容決定乱数取得処理のフローチャートである。まず、ステップ1302で、第1主遊技始動口入球判定手段MJ11‐Aは、第1主遊技始動口A10の第1主遊技始動口入球検出装置A11sから第1主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1302でYesの場合、ステップ1304で、第1主遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐Aは、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Aを参照し、主遊技(特に第1主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1304でYesの場合、ステップ1306で、第1主遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐Aは、第1主遊技内容決定乱数を取得する。尚、本実施形態では、第1主遊技内容決定乱数として、当否を決定するための当否抽選乱数、当り時の図柄を決定するための図柄抽選乱数、主遊技図柄(特別図柄)の変動パターン(変動時間)を決定するための変動態様抽選乱数の3つの乱数を取得している。ちなみに、これら3つの乱数は夫々更新周期・乱数範囲の異なる乱数生成手段から生成され、本タイミングで一連的に取得するようになっている。次に、ステップ1308で、第1主遊技図柄保留手段MJ32‐Aは、当該取得した第1主遊技内容決定乱数を第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Aに一時記憶(保留)する。次に、ステップ1310で、保留制御手段MJ30は、第1主遊技乱数が取得された旨の情報(第1主遊技保留発生コマンド)を、サブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)し、ステップ1312に移行する。尚、ステップ1302又はステップ1304でNoの場合にもステップ1312に移行する。
次に、ステップ1312で、第2主遊技始動口入球判定手段MJ11‐Bは、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口入球検出装置B11sから第2主遊技始動口入球情報を受信したか否かを判定する。ステップ1312でYesの場合、ステップ1314で、第2主遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐Bは、第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Bを参照し、主遊技(特に第2主遊技側)に関する保留球が上限(例えば4個)でないか否かを判定する。ステップ1314でYesの場合、ステップ1316で、第2主遊技乱数取得判定実行手段MJ21‐Bは、第2主遊技内容決定乱数を取得する。なお、本実施形態では、第2主遊技内容決定乱数として、第1主遊技内容決定手段と同様に当否抽選乱数、図柄抽選乱数、変動態様抽選乱数の3つの乱数を取得している。ちなみに、第1主遊技内容決定乱数の各乱数の取得範囲と第2主遊技内容決定乱数の各乱数の取得範囲(例えば第1主遊技用の当否抽選乱数と第2主遊技用の当否抽選乱数の取得範囲)を同じに設定している。次に、ステップ1318で、第2主遊技図柄保留手段MJ32‐Bは、当該取得した第2主遊技内容決定乱数を第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Bに一時記憶(保留)する。次に、ステップ1320で、保留制御手段MJ30は、第2主遊技乱数が取得された旨の情報(第2主遊技保留発生コマンド)を、サブメイン制御部SMへ送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)し、次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。尚、ステップ1312又はステップ1314でNoの場合にも次の処理(ステップ1400の処理)に移行する。
尚、本実施形態では、ステップ1310、ステップ1320にてサブメイン制御部SMへ送信する情報として、乱数が取得された旨の情報を送信しているが、当該乱数値の情報や主遊技図柄の保留数を付帯して送信してもよく、これらの情報により乱数が取得された旨の情報として代用することも可能である。
次に、図9は、図5におけるステップ1400のサブルーチンに係る、主遊技図柄表示処理のフローチャートである。まず、ステップ1401で、保留消化制御手段MJ31は、第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐Bを参照し、第2主遊技図柄の保留が存在していないか否かを確認する。ステップ1401でYesの場合、ステップ1400(1)で、遊技内容決定手段MNは、後述の第1主遊技図柄表示処理を実行し、次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。他方、ステップ1401でNoの場合、ステップ1400(2)で、遊技内容決定手段MNは、後述の第2主遊技図柄表示処理を実行し、次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。
このように、本実施形態においては、第2主遊技図柄の保留球が存在する場合には、第1主遊技図柄の保留球の存在に係らず(たとえ入賞順序が第1主遊技図柄の保留の方が先でも)、第2主遊技図柄の保留消化を優先して実行するよう構成されているが、これには限定されない(入賞順序に基づく保留消化や、双方の主遊技図柄を同時並行的に抽選する並列抽選を実行するよう構成してもよい)。
次に、図10は、図9におけるステップ1400(1){ステップ1400(2)}のサブルーチンに係る、第1主遊技図柄表示処理(第2主遊技図柄表示処理)のフローチャートである。尚、本処理は、第1主遊技図柄側と第2主遊技図柄とで略同一の処理となるため、第1主遊技図柄側について主に説明し、第2主遊技図柄側の処理については括弧書きとする。まず、ステップ1403で、保留消化制御手段MJ31は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する。ここで、当該変動開始条件は、特別遊技中(又は条件装置作動中)でない、且つ、主遊技図柄変動中でない、且つ、主遊技図柄の保留が存在することが条件となる。尚、本例では図示していないが、変動固定時間(主遊技図柄の確定表示後、当該確定表示図柄を停止表示する時間)を設ける場合、変動固定時間中には、次変動の変動開始条件を満たさないよう構成してもよい。
ステップ1403でYesの場合、ステップ1405及びステップ1406で、保留消化制御手段MJ31は、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐A(第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐B)に一時記憶されている、今回の図柄変動に係る第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)を読み出すと共に、第1主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐A(第2主遊技図柄保留情報一時記憶手段MJ32b‐B)から削除し、当該一時記憶されている残りの情報をシフトする(保留消化処理)。次に、ステップ1410‐1で、当否抽選手段MN10は、各遊技状態に対応する第1主遊技用当否抽選テーブルMN11ta‐A(第2主遊技用当否抽選テーブルMN11ta‐B)を参照し、第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、当選抽選乱数)に基づき、主遊技図柄当否抽選を実行する。
ここで、図11(主遊技テーブル1)は、第1主遊技用当否抽選テーブルMN11ta‐A(第2主遊技用当否抽選テーブルMN11ta‐B)の一例である。本例に示されるように、本実施形態においては、確率変動遊技状態時における大当り当選確率は、非確率変動遊技状態時における大当り当選確率よりも高確率となるよう構成されている。尚、当選確率はあくまでも一例であり、これには何ら限定されない。また、本実施形態においては、遊技状態を移行させ得ない当り(いわゆる小当り)については例示していないが、小当りが発生(小当りに当選)するよう構成してもよい。また、そのように構成した場合には、例えば、(1)小当りの当選確率は第1主遊技側と第2主遊技側とで異なる、第1主遊技側のほうが第2主遊技側よりも当選し易い(第2主遊技側は小当りを設けなくともよい)、(2)小当りに当選した場合、当該小当り終了後の遊技状態は、当該小当り開始前の遊技状態と同一のままである(大当りに当選した場合は、当該大当り終了後の遊技状態は、当該大当り開始前の遊技状態と相違し得る)、(3)大当りは第1主遊技側と第2主遊技側とで当選確率が同一であり、且つ、確率変動遊技状態となることで当該当選確率が高くなることに対し、小当りは第1主遊技側と第2主遊技側とで当選確率が相違し得る、且つ、確率変動遊技状態となることで当該当選確率は変更されない、(4)小当りに当選した図柄変動の装飾図柄の停止図柄として、小当り当選時専用の「特殊図柄」(例えば、「2★2」や「3★9」等の★が「特殊図柄」に該当)が停止し得る、(5)小当りに当選した図柄変動の装飾図柄の停止図柄として、同一図柄の3つ揃いではなく、且つ、一定の規則性をもった数字の組み合わせである特定出目(例えば、「234」等の順目や、「432」等逆目や、「357」等の奇数の順目等)が停止し得る、(6)遊技者から見て、小当りと同様の(又は、類似した)大入賞口の開放態様{視認性)となる大当り(2R以上であり、ラウンド数は異なるが遊技者から見た場合に同様の開放態様に見える(小当りは1ラウンドのみであり、当該1ラウンドにて大入賞口が複数回開放し、大当りは当該複数回と同一回数の開放を複数ラウンド内で実行する)}を設ける(そのように構成した場合には、小当りであるか大当りであるかを遊技者が見分け難い装飾図柄の組合せを停止表示することが好適である)、(8)第2装飾図柄では小当り専用の「特殊図柄」が停止しない(又は、停止しないことがある)、(9)小当りであるか大当りであるかを遊技者が見分け難い装飾図柄の組合せを停止表示される構成においても、当該遊技者が見分け難い装飾図柄の組合せの種類によって小当りであるか大当りであるかの割合が相違する(例えば、3つ揃いすることによって、大当り終了後に確率変動遊技状態に移行することが略確定的となる装飾図柄が停止図柄に含まれる場合には、含まれない場合よりも大当りである確率が高い)、のように構成してもよい。
次に、ステップ1410‐2で、第1主遊技図柄決定手段MN41‐A(第2主遊技図柄決定手段MN41‐B)は、第1主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta‐A(第2主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta‐B)を参照し、主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、図柄抽選乱数)に基づいて主遊技図柄に関する停止図柄を決定し、これらを第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b‐Cに一時記憶する。
ここで、図11(主遊技テーブル2)は、第1主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta‐A(第2主遊技図柄決定用抽選テーブルMN41ta‐B)の一例である。本例に示されるように、本実施形態においては、大当りに当選した場合、複数の主遊技図柄候補(本例では、「4A・5A・7A」及び「4B・5B・7B」)の内から一つの主遊技図柄が大当り図柄として決定されるよう構成されている。尚、当該主遊技図柄を参照して決定される特別遊技のラウンド数は、4A及び5Aが4R、4B及び5Bが8R、7A及び7Bが10Rとなっている。尚、乱数値や停止図柄の種類についても、あくまで一例であり、これには限定されない{例えば、ハズレ図柄は一種類の図柄であることには限定されず、複数種類の図柄を設けるよう構成してもよく、特定の図柄が停止表示された場合には当該特定の図柄が停止表示される前とは、主遊技図柄の変動態様の種類及び/又は選択率が異なる状態(限定頻度状態)へ移行するよう構成してもよい}。
次に、ステップ1410‐3で、第1主遊技変動態様決定手段MN51‐A(第2主遊技変動態様決定手段MN51‐B)は、各遊技状態に対応する第1主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta‐A(第2主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta‐B)を参照し、主遊技図柄当否抽選結果及び第1主遊技内容決定乱数(第2主遊技内容決定乱数)(特に、変動態様抽選乱数)に基づいて主遊技図柄の変動態様を決定し、これらを第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b‐Cに一時記憶して、ステップ1414に移行する。
ここで、図12及び図13(主遊技テーブル3)は、第1主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta‐A(第2主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta‐B)の一例である。本例に示されるように、本実施形態においては、第1主遊技側、第2主遊技側共に、主遊技図柄の当否抽選結果、主遊技時短フラグ状態及び変動開始時の保留数に基づき、主遊技図柄の変動態様(変動時間)が決定されるよう構成されている。即ち、主遊技図柄の当否抽選結果が当りの場合には相対的に変動時間が長時間となる変動態様が決定され易く、主遊技時短フラグがオンである場合(時間短縮遊技状態)には相対的に変動時間が短時間となる変動態様が決定され易く、保留数が2~3個の場合には保留数が0~1個の場合に比べて相対的に変動時間が短時間となる変動態様が決定され易い(ハズレ時のみ)よう構成されている。尚、本例はあくまでも一例であり、停止図柄の種類や選択率等には何ら限定されない。また、時間短縮遊技状態(主遊技時短フラグがオンの場合)における第1主遊技側の図柄変動時間が相対的に長時間となるよう構成してもよい{第2主遊技側での図柄変動が実行されることが遊技者にとって有利となるよう構成されていた際、第1主遊技側の図柄変動効率を低下させることで第2主遊技側の保留が生起し易い(遊技者にとって有利となる)状況を構築することを趣旨とするため、第1主遊技側の始動口と第2主遊技側の始動口とを打ち分けできない場合において特に効果を発揮する}。尚、「サブ側で実行される演出態様」に、各変動態様選択時に実行される演出の一例を示している。尚、サブ側で実行される演出態様として、後述する擬似連続変動(主遊技図柄の1回の変動表示中において、恰も複数回の図柄変動が発生しているようにみえる演出)が実行されるか否かを遊技者に対して煽った後に擬似連続変動が実行されないことを報知する演出である「擬似連失敗演出」を設けてもよく、そのように構成した場合、例えば、ハズレ時且つ同一の遊技状態において「擬似連失敗演出→ハズレ出目停止」の乱数振分(実行頻度)を、保留数が0~1個の場合のほうが、保留数が2~3個の場合よりも多くなるよう構成してもよい(非時間短縮遊技状態と時間短縮遊技状態とのどちらでもそのように構成してよい)、尚、「擬似連成功演出」が実行された場合には、後述する擬似連続変動が実行されるか否かを遊技者に対して煽った後に擬似連続変動が実行されることを報知するよう構成してもよい。また、「擬似連失敗演出」及び「擬似連成功演出」は後述する「特殊図柄」又は特定出目を用いた演出であり、例えば、「擬似連失敗演出」が実行される場合には、「特殊図柄」が中列に仮停止するか否かを遊技者に煽った後、「特殊図柄」の1コマ後の装飾図柄が中列に停止(仮停止)し、「擬似連成功演出」が実行される場合には、「特殊図柄」が中列に仮停止するか否かを遊技者に煽った後、「特殊図柄」が中列に停止(仮停止)するような演出態様となっている。また、イレギュラーな図柄変動である時間短縮遊技状態における第1主遊技図柄の変動中に第2主遊技保留を生起させるために、当該時間短縮遊技状態のハズレに係る第1主遊技図柄に係る変動態様決定テーブル内容を、保留数に拘らず短時間の変動態様が選択されない(例えば、すべて5秒以上の変動時間となる)よう構成してもよい。尚、同図に示される保留数とは、第1主遊技保留と第2主遊技保留との合計数ではなく、第1主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta‐Aの場合には第1主遊技保留数であり、第2主遊技変動態様決定用抽選テーブルMN51ta‐Bの場合には第2主遊技保留数である。
次に、ステップ1414で、遊技内容決定手段MNは、第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b‐Cに一時記憶された図柄変動表示開始指示コマンド(停止図柄情報、停止図柄の属性情報、変動態様情報等の決定した主遊技図柄に関する情報及び現在の遊技状態に係るコマンド等)を、サブメイン制御部SM側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1416で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11‐Cが、主遊技図柄の変動時間に係る所定時間を第1・第2主遊技図柄変動管理用タイマMP11t‐Cにセットする。次に、ステップ1417で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11‐Cは、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)の第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)上で、第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b‐Cに記憶された変動態様に従い、主遊技図柄の変動表示を開始する。次に、ステップ1418で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11‐Cは、第1・第2主遊技状態一時記憶手段MB10‐Cのフラグエリア内にある、変動中フラグをオンにし、ステップ1420に移行する。
他方、ステップ1403でNoの場合、ステップ1419で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11‐Cは、第1・第2主遊技状態一時記憶手段MB10‐Cのフラグエリアを参照し、変動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1419でYesの場合にはステップ1420に移行し、ステップ1419でNoの場合には次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。
次に、ステップ1420で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11‐Cは、主遊技図柄の変動時間に係る所定時間に到達したか否かを判定する。ステップ1420でYesの場合、ステップ1422で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11‐Cは、図柄変動が終了する旨の情報(図柄確定表示指示コマンド)を、サブメイン制御部SM側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理によってサブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1423で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11‐Cは、第1主遊技図柄表示装置A20(第2主遊技図柄表示装置B20)の第1主遊技図柄表示部A21g(第2主遊技図柄表示部B21g)上での主遊技図柄の変動表示を停止し、第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b‐Cに記憶されている停止図柄を確定停止図柄として表示制御する。次に、ステップ1428で、第1・第2主遊技図柄制御手段MP11‐Cは、第1・第2主遊技状態一時記憶手段MB10‐Cのフラグエリア内にある、変動中フラグをオフにする。
次に、ステップ1430で、遊技内容決定手段MNは、第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b‐Cを参照し、当該主遊技図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定する。ステップ1430でYesの場合、ステップ1432で、遊技内容決定手段MNは、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、条件装置作動フラグをオンにする。他方、ステップ1430でNoの場合には、ステップ1432をスキップする。
次に、ステップ1450で、特定遊技制御手段MP50は、後述の特定遊技終了判定処理を実行し、次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。尚、ステップ1420でNoの場合にも、次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。
次に、図14は、図10におけるステップ1450のサブルーチンに係る、特定遊技終了判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1452で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリアを参照し、主遊技確変フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ1452でYesの場合、ステップ1470で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cの値を参照し、当該カウンタ値が0よりも大きいか否かを判定する。ステップ1470でYesの場合、ステップ1472で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cのカウンタ値を1減算(デクリメント)する。次に、ステップ1474で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cの値を参照し、当該カウンタ値(残り時短回数)が0であるか否かを判定する。ステップ1474でYesの場合、ステップ1476及びステップ1478で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、主遊技時短フラグ及び補助遊技時短フラグをオフにし、次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。尚、ステップ1452、ステップ1470又はステップ1474でNoの場合にも、次の処理(ステップ1500の処理)に移行する。
次に、図15は、図5におけるステップ1500のサブルーチンに係る、特別遊技作動条件判定処理のフローチャートである。まず、ステップ1502で、条件判定手段MP31は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリアを参照し、条件装置作動フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1502でYesの場合、ステップ1514で、特別遊技制御手段MP30は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、特定遊技フラグ(主遊技確変フラグ・主遊技時短フラグ・補助遊技時短フラグ)をオフにする。次に、ステップ1518で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cの値をクリアする。次に、ステップ1520で、特別遊技制御手段MP30は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、特別遊技移行許可フラグをオンにする。次に、ステップ1522で、特別遊技制御手段MP30は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、条件装置作動フラグをオフにし、次の処理(ステップ1600の処理)に移行する。尚、ステップ1502でNoの場合も、次の処理(ステップ1600の処理)に移行する。
次に、図16は、図5におけるステップ1600のサブルーチンに係る、特別遊技制御処理のフローチャートである。まず、ステップ1602で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリアを参照し、特別遊技移行許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ1602でYesの場合、ステップ1604及びステップ1606で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、特別遊技移行許可フラグをオフにすると共に特別遊技実行フラグをオンにする。次に、ステップ1607で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20b内のラウンド数カウンタ(不図示)に初期値(本例では、1)をセットする。次に、ステップ1608で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技を開始する旨の情報(特別遊技開始表示指示コマンド)を、サブメイン制御部側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理にて、サブメイン制御部SM側に送信される)し、ステップ1612に移行する。
他方、ステップ1602でNoの場合、ステップ1610で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bを参照し、特別遊技実行フラグがオンであるか否かを判定する。そして、ステップ1610でYesの場合には、ステップ1612に移行する。尚、ステップ1610でNoの場合には、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技の許可が下りていないと判定し、次の処理(ステップ1997の処理)に移行する。
次に、ステップ1612で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリアを参照し、ラウンド継続フラグがオフであるか否か、換言すれば、各ラウンドの開始直前であるか否かを判定する。ステップ1612でYesの場合、即ち、各ラウンドの開始直前である場合、まず、ステップ1614で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bに開放パターンをセットする。次に、ステップ1616で、特別遊技実行手段MP33は、入賞球カウンタMP33cのカウンタ値をゼロクリアする。次に、ステップ1618で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、ラウンド継続フラグをオンにする。次に、ステップ1620で、特別遊技実行手段MP33は、第1大入賞口C10の第1大入賞口電動役物C11d(又は第2大入賞口電動役物C21d)を駆動して第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)を開放し、特別遊技用タイマMP34t(特に開放時間タイマ)に所定時間(例えば、30秒)をセットしてスタートし、ステップ1622に移行する。他方、ステップ1612でNoの場合、即ち、大入賞口が開放中である場合、ステップ1614~1620の処理を行うことなく、ステップ1622に移行する。
次に、ステップ1622で、特別遊技実行手段MP33は、現在の特別遊技中に係る遊技状態コマンド(例えば、現在のラウンド数や遊技球の入賞個数等)を、サブメイン制御部SM側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理にて、サブメイン制御部SM側に送信される)する。次に、ステップ1624で、特別遊技実行手段MP33は、入賞球カウンタMP33cのカウンタ値を参照し、当該ラウンドで第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)に所定個数(例えば、10球)の入賞球があったか否かを判定する。ステップ1624でYesの場合には、ステップ1628に移行する。他方、ステップ1624でNoの場合、ステップ1626で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技用タイマMP34t(特に開放時間タイマ)を参照して大入賞口開放に係る所定時間(例えば、30秒)が経過したか否かを判定する。ステップ1626でYesの場合にも、ステップ1628に移行する。尚、ステップ1626でNoの場合には、次の処理(ステップ1997の処理)に移行する。
次に、ステップ1628で、特別遊技実行手段MP33は、第1大入賞口C10の第1大入賞口電動役物C11d(又は第2大入賞口C20の第2大入賞口電動役物C21d)の駆動を停止して第1大入賞口C10(又は第2大入賞口C20)を閉鎖する。次に、ステップ1630で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技用タイマMP34t(特に開放時間タイマ)をリセットする。次に、ステップ1632で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、ラウンド継続フラグをオフにする。次に、ステップ1633で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20b内のラウンド数カウンタ(不図示)のカウンタ値に1を加算する。次に、ステップ1634で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bを参照し、最終ラウンドが終了したか否か(例えば、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20b内のラウンド数カウンタ(不図示)のカウンタ値が最大ラウンド数を超過したか否か)を判定する。ステップ1634でYesの場合、ステップ1636で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技関連情報一時記憶手段MB20bのフラグエリア内にある、特別遊技実行フラグをオフにする。次に、ステップ1638で、特別遊技実行手段MP33は、特別遊技を終了する旨の情報(特別遊技終了表示指示コマンド)を、サブメイン制御部SM側に送信するためのコマンド送信用バッファMT10にセット(ステップ1999の制御コマンド送信処理にて、サブメイン制御部SM側に送信される)する。そして、ステップ1650で、特定遊技制御手段MP50は、後述の特別遊技終了後の遊技状態決定処理を実行し、次の処理(ステップ1997の処理)に移行する。尚、ステップ1634でNoの場合にも、次の処理(ステップ1997の処理)に移行する。
次に、図17は、図16におけるステップ1650のサブルーチンに係る、特別遊技終了後の遊技状態決定処理のフローチャートである。まず、ステップ1652で、特定遊技制御手段MP50は、第1・第2主遊技図柄情報一時記憶手段MB11b‐Cを参照し、停止図柄が確変大当り図柄(特別遊技の実行終了後に確率変動遊技状態に移行する大当り図柄であり、本例では、5A・5B・7A・7B)であるか否かを判定する。ステップ1652でYesの場合、ステップ1654で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、主遊技確変フラグをオンにし、ステップ1658に移行する。他方、ステップ1652でNoの場合、即ち、停止図柄が非確変大当り図柄(特別遊技の実行終了後に確率変動遊技状態に移行しない大当り図柄であり、本例では、4A・4B)の場合、ステップ1656で、特定遊技制御手段MP50は、時短回数カウンタMP52cのカウンタ値に所定回数(本例では、100回)をセットし、ステップ1658に移行する。
次に、ステップ1658及びステップ1660で、特定遊技制御手段MP50は、特定遊技関連情報一時記憶手段MB30bのフラグエリア内にある、主遊技時短フラグ及び補助遊技時短フラグをオンにし、次の処理(ステップ1997の処理)に移行する。
次に、図18~図26を参照して、サブメイン制御部SM側で実行される制御処理を説明する。まず、図18は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機における、副制御基板S側(特に、サブメイン制御部SM側)のメインフローチャートである。ここで、同図(a)の処理は、遊技機への電源投入時等のリセット後に実行されるサブメイン制御部SM側での処理である。即ち、遊技機への電源投入時において、ステップ2002で、サブメイン制御部SMは、メイン側(主制御基板M側)から受信した情報に基づき、初期処理を実行する(例えば、RAMクリア情報を受信した場合→サブ側のRAMを初期化、各種情報コマンドを受信した場合→電断時の演出関連情報をサブ側のRAMに再セット)。次に、ステップ2003で、サブメイン制御部SMは、メイン側(主制御基板M側)から受信した情報に基づき、保留数(例えば、装図保留カウンタ値)を復元する。尚、実行中の演出等は復元されず、次変動の開始時までは「準備中」画面を表示する。その後、サブメイン制御部SMの繰り返し処理ルーチンである(b)を繰り返し実行するループ処理に移行する。ここで、(b)が実行された場合、同図(b)の処理に示されるように、まず、ステップ2100で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、後述する保留情報管理処理を実行する。次に、ステップ2200で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、後述する装飾図柄表示内容決定処理を実行する。次に、ステップ2300で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、後述する第1装飾図柄表示制御処理を実行する。次に、ステップ2350で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、後述する第2装飾図柄表示制御処理を実行する。次に、ステップ2400で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、後述する特別遊技関連表示制御処理を実行する。次に、ステップ2500で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、後述する背景演出制御処理を実行する。次に、ステップ2999で、副遊技制御手段(サブメイン制御部)SMは、表示コマンド送信制御処理(これら一連のサブルーチンでセットされたコマンドをサブサブ制御部SS側に送信する)を実行し、本繰り返し処理ルーチンを終了する。
以上のように、サブメイン制御部SMは、リセット後、サブメイン側ルーチン(S2100~S2999)をループ処理する形態を採用している。また、同図(c)の処理は、サブメイン制御部SMの割り込み処理であり、前述した主制御基板MにおけるSTB信号線からの信号がサブメイン制御部SMのCPUの一端子(本例では、NMI端子)に接続されていた場合における処理フロー(c)である。即ち、サブメイン制御部SMのCPUにおいてNMI割り込みが発生した場合(STB信号線がオンとなった場合)、ステップ2004で、サブメイン制御部SMは、主制御基板M側からのコマンド入力ポート(前述したデータ信号線の入力ポート)を確認する。そして、ステップ2006で、サブメイン制御部SMは、当該確認結果に基づき、サブメイン制御部SM側のRAM(例えば、メイン側情報一時記憶手段SM11b)に、主制御基板M側から送信されたコマンドを一時記憶し、本割り込み処理直前に実行されていた処理へ復帰する。
次に、図19は、図18におけるステップ2100のサブルーチンに係る、保留情報管理処理のフローチャートである。まず、ステップ2102で、装図保留情報表示制御手段SM22は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、主制御基板M側から新たな保留発生に係るコマンド(第1主遊技図柄又は第2主遊技図柄に係る保留情報)を受信したか否かを判定する。ステップ2102でYesの場合、ステップ2104で、装図保留情報表示制御手段SM22は、装図保留情報一時記憶手段SM22b内の装図保留カウンタ(本例では、第1主遊技用が最大4個、第2主遊技用が最大4個)に「1」を加算する。次に、ステップ2106で、装図保留情報表示制御手段SM22は、主制御基板M側から送信された保留発生コマンドに基づき、保留情報(特に、主遊技図柄抽選に係る乱数値及び保留先読みグループ情報)を、装図保留情報一時記憶手段SM22bに一時記憶し、ステップ2118に移行する。
他方、ステップ2102でNoの場合、ステップ2111で、装図保留情報表示制御手段SM22は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、主制御基板M側から図柄変動表示開始指示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2111でYesの場合、ステップ2112で、装図保留情報表示制御手段SM22は、装図保留情報一時記憶手段SM22b内の装図保留カウンタから「1」を減算する。次に、ステップ2114で、装図保留情報表示制御手段SM22は、当該図柄変動に係る保留情報(特に、主遊技図柄抽選に係る乱数値)を、装図保留情報一時記憶手段SM22bから削除すると共に、残りの保留情報をシフトする。次に、ステップ2116で、装図保留情報表示制御手段SM22は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、図柄内容決定許可フラグをオンにし、ステップ2118に移行する。尚、ステップ2111でNoの場合にもステップ2118に移行する。
次に、ステップ2118で、装図保留情報表示制御手段SM22は、演出表示手段SSを駆使して演出表示装置SG上(特に、第1保留表示領域SG12、第2保留表示領域SG13)に、装図保留情報一時記憶手段SM22b内の装図保留カウンタ値と同数の保留画像を点灯表示し、次の処理(ステップ2200の処理)に移行する。
次に、図20は、図18におけるステップ2200のサブルーチンに係る、装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。まず、ステップ2202で、装図表示内容決定手段SM21nは、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリアを参照し、図柄内容決定許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2202でYesの場合、ステップ2204で、装図表示内容決定手段SM21nは、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、図柄内容決定許可フラグをオフにする。次に、ステップ2206で、装図表示内容決定手段SM21n(及び予告演出表示内容決定手段SM24n、リーチ演出表示内容決定手段SM25n)は、メイン側情報一時記憶手段SM11b内に一時記憶された図柄情報(主遊技図柄に係る停止図柄・変動態様)と、装図変動内容決定用抽選テーブルSM21taとを参照して、第1装飾図柄(前述したように、主制御基板M側からの情報に基づいて表示制御される、いわゆる装飾図柄であり、その表示サイズや動作内容についての詳細は後述する)の停止図柄{例えば、主遊技図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、「7・7・7」等の数字ゾロ目(当り出目)、ハズレ図柄である場合には、「1・3・5」等の数字バラケ目}及び変動態様{例えば、主遊技図柄に係る変動態様が短時間変動である場合には、非リーチ、長時間変動である場合には、ノーマルリーチやスーパーリーチ等}を決定し装図表示関連情報一時記憶手段SM21b(及び予告演出関連情報一時記憶手段SM24b、リーチ演出関連情報一時記憶手段SM25b)に一時記憶する。ここで、本実施形態においては、第1装飾図柄は、左列、中列、右列の3列で構成されており、有効ライン(数字図柄が3つ並ぶことによって当否結果を報知可能なライン)は1ラインであり、当該有効ラインに同一の数字図柄が揃えば大当りを意味する(逆に、当該有効ラインに同一の数字図柄が揃わなければハズレとなる)。また、左列、中列、右列には(又は、中列のみには)、数字図柄以外に「特殊図柄」(当該有効ラインに表示された場合、大当りを意味しないものの、その後においては大当りが発生し得る旨を予告する図柄であり、その表示サイズや動作内容についての詳細は後述する)が停止(仮停止)し得る、且つ、数字図柄についても図柄変動途中に仮停止し得るよう構成されている。尚、仮停止とは、主遊技図柄の変動表示開始から停止表示までの期間中に、全列の装飾図柄を暫定的に停止表示することであり、当該暫定的に停止表示された装飾図柄が、当該期間中において再び変動表示を開始可能な状態のことをいう(以下、同じ意味で使用する)。尚、詳細は後述することとなるが、擬似連続変動における「特殊図柄」は、仮停止(暫定停止)し得る、且つ、確定停止しない、且つ、大当りを報知する停止態様には含まれないよう構成されており、先読み演出実行時における「特殊図柄」は、仮停止(暫定停止)し得る、且つ、確定停止し得る、且つ、大当りを報知する停止態様には含まれないよう構成されている。
次に、ステップ2208で、装図表示内容決定手段SM21n(及び予告演出表示内容決定手段SM24n、リーチ演出表示内容決定手段SM25n)は、メイン側情報一時記憶手段SM11b内に一時記憶された図柄情報(主遊技図柄に係る停止図柄・変動態様)と、装図変動内容決定用抽選テーブルSM21taとを参照し、第2装飾図柄(前述したように、主制御基板M側からの情報に基づいて表示制御される、いわゆる装飾図柄であり、その表示サイズや動作内容についての詳細は後述する)の停止図柄{例えば、主遊技図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、「7・7・7」等の数字ゾロ目(当り出目)、ハズレ図柄である場合には、「1・3・5」等の数字バラケ目}及び変動態様{例えば、主遊技図柄に係る変動態様が短時間変動である場合には、非リーチ、長時間変動である場合には、ノーマルリーチやスーパーリーチ等}を決定し装図表示関連情報一時記憶手段SM21b(及び予告演出関連情報一時記憶手段SM24b、リーチ演出関連情報一時記憶手段SM25b)に一時記憶する。ここで、本実施形態においては、第2装飾図柄は、左列、中列、右列の3列で構成されており、有効ライン(同一の数字図柄並ぶことが有効となるライン)は1ラインであり、当該有効ラインに同一の数字図柄が揃えば大当りを意味する(逆に、当該有効ラインに同一の数字図柄が揃わなければハズレとなる)。また、左列、中列、右列には数字図柄のみが停止し得る(第1装飾図柄のように「特殊図柄」が停止しない)、且つ、図柄変動途中に仮停止しないよう構成されている。このように、第1装飾図柄と第2装飾図柄とは、主遊技図柄に係る当否を報知するための表示内容を独立して決定するよう構成されており、即ち、第1装飾図柄と第2装飾図柄とは、双方がその基本的な性質として、主遊技図柄に係る当否結果を独立して報知可能であるという性質を有している。
次に、ステップ2216で、装図表示内容決定手段SM21nは、メイン側情報一時記憶手段SM11b内に一時記憶された主遊技図柄の当否結果及び装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の変動態様に基づき、装図変動内容決定用抽選テーブルSM21ta内の装飾図柄演出テーブルSM21ta‐2(例えば、装飾図柄演出テーブル1~装飾図柄演出テーブル2)を参照して装飾図柄演出内容を決定し、表示更新タイミング、表示更新内容をセットすると共に、装図表示関連情報一時記憶手段SM21b内に一時記憶する。次に、ステップ2218で、装図表示内容決定手段SM21nは、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、図柄内容決定フラグをオンにし、次の処理(ステップ2300の処理)に移行する。尚、ステップ2202でNoの場合にも、次の処理(ステップ2300の処理)に移行する。
尚、前述した説明においては、主制御基板M側で表示制御されている主遊技図柄が、第1主遊技側のもの(第1主遊技図柄)であるか、第2主遊技側のもの(第2主遊技図柄)であるかについては言及していないが、基本的には、第1主遊技図柄と対応させて第1装飾図柄及び第2装飾図柄の双方の表示内容を決定してもよいし、第2主遊技図柄と対応させて第1装飾図柄及び第2装飾図柄の双方の表示内容を決定してもよく、即ち、第1主遊技図柄の変動表示及び第2主遊技図柄の変動表示のいずれが行われる場合であっても、それと連動させて第1装飾図柄及び第2装飾図柄の双方の変動表示を実行可能な状態としておいてよい。但し、時間短縮遊技状態時(いわゆる電サポ状態を伴う状態)においては、その限りではなく、例えば、時間短縮遊技状態時においては、第1主遊技図柄の変動表示及び第2主遊技図柄の変動表示のいずれが行われる場合であっても、それと連動させて第1装飾図柄及び第2装飾図柄のいずれか一方のみ変動表示を実行可能な状態としておくことを例示することができる。
ここで、図21及び図22(装飾図柄演出テーブル1、装飾図柄演出テーブル2)は、装飾図柄演出テーブルSM21ta‐2(装飾図柄演出テーブル1、特に、当否結果がハズレである場合の一部、及び、装飾図柄演出テーブル2、特に、当否結果が大当りである場合の一部)の一例である。尚、図中では簡易的に、第1装飾図柄を第1装図、第2装飾図柄を第2装図と記載している場合がある(以下同様)。本例に示されるように、本実施形態においては、主遊技図柄の当否結果(左端列にて図示されており、本例では、「ハズレ」又は「大当り」)及び装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の変動態様(左2列目にて図示されており、本例では「擬似連失敗(総演出時間30秒)」「スーパーリーチ(総演出時間60秒)」の場合のみ例示)と取得乱数値(サブメイン基板SM側で取得した乱数値であって、当該乱数値の一部を左3列目にて図示)とに基づき、装飾図柄演出内容(左4列目にて図示されており、本例では、「主演出A‐1(ハズレ)擬似連1」や「主演出B‐1(大当り)擬似連なし」等)を決定可能に構成されている。そして、装飾図柄演出内容が決定された場合には、「表示更新タイミング」と「表示更新内容」とを一義的に決定可能に構成されている。例えば、装飾図柄演出内容=「A‐1(ハズレ)擬似連1」であった場合には、「表示更新タイミング」=「変動開始時(0秒後)」において「表示更新内容」=「装図変動開始(第1装飾図柄及び第2装飾図柄の全列)」と決定され、「表示更新タイミング」=「変動開始12秒後」において「表示更新内容」=「第1装図仮停止表示(左列)、第2装図非表示」と決定される。そして、後述するように、装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の変動時間に係る経過時間に応じて、「表示更新タイミング」に到達した「表示更新内容」が第1装飾図柄と第2装飾図柄との夫々に対して順次実行されることとなる。即ち、「A‐1(ハズレ)擬似連1」が決定された場合、第1装飾図柄の全列及び第2装飾図柄の全列が変動表示された後、「表示更新タイミング」=「変動開始12秒後」に到達するまでにおいて、第1装飾図柄に関して、全列が非表示(変動表示されている様子をも表示されない)となるよう表示制御される場合には、第2装飾図柄に関しては、全列が変動表示される(変動表示されている様子が視認可能となる)よう表示制御され、「表示更新タイミング」=「変動開始12秒後」に到達した際には、第1装飾図柄に関しては、左列のみが停止するよう表示制御される一方で、第2装飾図柄に関しては、全列が非表示(変動表示されている様子をも表示されない)となるよう表示制御されるのである。このように、本例の例示での基本的な動作は、第1装飾図柄が遊技者に対して視認可能(視認容易)な状態である場合には、第2装飾図柄が遊技者に対して視認不能(視認困難)な状態となる一方で、第1装飾図柄が遊技者に対して視認不能(視認困難)な状態である場合には、第2装飾図柄が遊技者に対して視認可能(視認容易)な状態となり、即ち、図柄変動中である旨を遊技者に対して報知することを担保するため、第2装飾図柄が補完的に表示されるよう構成されているのである。尚、「A‐1(ハズレ)擬似連1」で定義される演出パターン(一連の表示内容)と他の装飾図柄演出内容の名称で定義される演出パターンとは異なる(即ち、表示内容が異なる)ものであることを補足しておく。また、乱数値の範囲はすべての変動態様で「0~1023」となっており、本図は装図変動態様における乱数範囲の一部を抜粋している(よって、ある装図変動態様に対応する取得乱数値の乱数範囲と、当該ある装図変動態様とは異なる装図変動態様に対応する取得乱数値の乱数範囲とは、夫々別個のものであるが、いずれも「0~1023」の範囲となる)。
ここで、本実施形態においては、いわゆる擬似連続変動を実行可能に構成されており、具体的には、本例における装飾図柄演出内容「A‐1(ハズレ)擬似連1」、「A‐2(ハズレ)擬似連2」、「B‐2(大当り)擬似連2」によって示されている。例えば、装飾図柄演出内容「A‐2(ハズレ)擬似連2」においては、「表示更新タイミング」=「変動開始時(0秒後)」において「表示更新内容」=「装図変動開始(第1装飾図柄及び第2装飾図柄の全列)」が実行された後、「表示更新タイミング」=「変動開始12秒後」、「変動開始13秒後」、「変動開始14秒後」において「表示更新内容」=「第1装図仮停止表示(左列)」(第1装飾図柄の左列が停止表示)、「第1装図仮停止表示(右列)」(第1装飾図柄の右列が停止表示)、「第1装図特殊図柄仮停止表示」(第1装飾図柄の中列が前述した「特殊図柄」にて停止表示)が順次実行される。そして、その後、「表示更新タイミング」=「変動開始15秒後」において「表示更新内容」=「第1装図変動開始(全列)」(第1装飾図柄のみ全列が再び変動表示)が実行された後、「表示更新タイミング」=「変動開始26秒後」、「変動開始27秒後」、「変動開始28秒後」において「表示更新内容」=「第1装図仮停止表示(左列)」(第1装飾図柄の左列が停止表示)、「第1装図仮停止表示(右列)」(第1装飾図柄の右列が停止表示)、「第1装図特殊図柄仮停止表示」(第1装飾図柄の中列が前述した「特殊図柄」にて停止表示)が順次実行されることで、遊技者にとっては、主遊技図柄の1回の変動表示中において、第1装飾図柄については恰も複数回の図柄変動が発生しているようにみえるのである。
また、本実施形態においては、第1装飾図柄が非表示(停止表示・変動表示されている様子が表示されない状態)の場合、及び、第1装飾図柄の中列が前述した「特殊図柄」にて仮停止している場合に、第2装飾図柄が変動表示され、その他の場合には、第2装飾図柄が非表示となるよう構成されている。即ち、遊技者が第1装飾図柄を視認し得る、又は、第1装飾図柄としてどの図柄が停止しているかが判別可能である場合には、第2装飾図柄が非表示となり(第1装飾図柄のみの表示で、遊技の進行に差支えがないため)、遊技者が第1装飾図柄を視認できない、又は、第1装飾図柄としてどの図柄が停止しているかが判別不可能である場合{例えば、「特殊図柄」が停止しており、中列(又は、全列)の数字が判別不可能である場合}には、第2装飾図柄が変動表示されることで、遊技者は常にいずれかの装飾図柄(第1装飾図柄と第2装飾図柄とのいずれか)を視認することができ、遊技の進行状況を把握容易に構成されている。尚、本実施形態においては、第2装飾図柄は「特殊図柄」が仮停止しないよう構成されているが、これは第1装飾図柄に関しては遊技の進行状況を把握困難にしつつ演出上の興趣性を高めることを主眼としているため、遊技の進行状況を把握容易にすることを担保するために設けている第2装飾図柄に関しては「特殊図柄」(即ち、有効ラインに表示された場合、大当りを意味しないものの、その後においては大当りが発生し得る旨を予告する図柄)のような遊技の進行状況を把握困難にしてしまう恐れのある図柄は表示しないよう構成されているためである。尚、前述した「非表示」(第1装飾図柄及び第2装飾図柄のどちらも含む)の場合には、高速で変動表示されている状態(残像が見える変動状態)を含めてもよく、前述した「表示」(第1装飾図柄及び第2装飾図柄のどちらも含む)の場合には、低速で変動表示されている状態(上から下へと変動する表示態様である場合は、上からゆっくりと(仮)停止予定位置に向かっていく変動状態)を含めてもよい。
また、本実施形態においては、第2装飾図柄は変動途中において仮停止しないよう(また、「特殊図柄」が停止しないよう)構成されているが、これには限定されず、第2装飾図柄も第1装飾図柄と同様に、変動途中において仮停止し得る(また、擬似変動が発生し得る)よう構成してもよい。即ち、このような構成とする場合、第1装飾図柄の全列と第2装飾図柄の全列とは、変動表示及び停止表示(仮停止を含む)の動作内容が略同一となり、停止表示される図柄の種類が異なるよう構成されることとなる。
また、第2装飾図柄に関しては、主遊技図柄の変動表示中において常時表示しておく必要はなく、第2装飾図柄の表示条件や表示態様は適宜変更してもよい。例えば、(1)特定の演出発生中(第1装飾図柄を視認不能とする代わりに、演出表示装置SG上の表示領域全域を用いてムービー動画像を再生するような演出であったり、いわゆる演出用の可動役物が演出表示装置SG上の表示領域を覆い隠す状態に進出するような演出を挙げることができる)において、第2装飾図柄を表示する、(2)特定のリーチ演出時(第1装飾図柄を視認不能とする代わりに、大当り期待度が著しく上昇するリーチ演出の実行時であり、例えば、演出表示装置SG上で行われていた演出の表示内容を強制的に一時停止させるような、いわゆるフリーズリーチ演出の実行時)のみ第2装飾図柄を表示し、その他のリーチ演出(特に、大当り期待度が低いリーチ演出の実行時)では、第2装飾図柄を非表示とする、(3)演出パターンに応じて演出表示装置SG上における第2装飾図柄の出現位置を相違させる(例えば、前述した演出用の可動役物が演出表示装置SG上の表示領域を覆い隠す状態に進出するような演出の場合、この演出用の可動役物によっては覆い隠されない演出表示装置SG上の表示領域へ移動させる)、(4)第1装飾図柄については移動・縮小・拡大表示が実行可能である一方、第2装飾図柄については移動・縮小・拡大表示が実行不可能である、又は、移動・縮小・拡大表示が実行される確率、移動幅、縮小率、拡大率等が第1装飾図柄よりも低い、等としてもよい。
なお、特定のリーチ演出時や第1装飾図柄がリーチ状態を形成している状況(例えば、左列と右列とが同一の図柄で仮停止している状況)において、第2装飾図柄が変動表示しているように構成してもよい。
次に、図23は、図18におけるステップ2300のサブルーチンに係る、第1装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ2302で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリアを参照し、図柄内容決定フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2302でYesの場合、ステップ2304で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、図柄内容決定フラグをオフにする。次に、ステップ2306で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、図柄変動中フラグをオンにする。次に、ステップ2309で、装飾図柄表示制御手段SM21は、第1装図変動時間管理タイマSM21t‐1をスタートし、ステップ2310に移行する。尚、ステップ2302でNoの場合にも、ステップ2310に移行する。
次に、ステップ2310で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリアを参照し、図柄変動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2310でYesの場合、ステップ2312で、装飾図柄表示制御手段SM21は、第1装図変動時間管理タイマSM21t‐1のタイマ値を確認する。次に、ステップ2314で、装飾図柄表示制御手段SM21は、第1装図変動時間管理タイマSM21t‐1と装図表示関連情報一時記憶手段SM21bに一時記憶された変動態様とに基づき、第1装飾図柄の変動開始タイミングに到達したか否かを判定する。ステップ2314でYesの場合、ステップ2316で、装飾図柄表示制御手段SM21は、第1装飾図柄の変動表示コマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にて、サブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2330に移行する。
他方、ステップ2314でNoの場合、ステップ2318で、装飾図柄表示制御手段SM21は、第1装図変動時間管理タイマSM21t‐1と装図表示関連情報一時記憶手段SM21bに一時記憶された変動態様とに基づき、第1装飾図柄の停止表示タイミング(仮停止表示タイミング)に到達したか否かを判定する。ステップ2318でYesの場合、ステップ2320で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bを参照し、前述した「特殊図柄」の停止タイミングであるか否かを判定する(本例では、「特殊図柄」は中図柄にのみ仮停止するよう構成されている)。ステップ2320でYesの場合、ステップ2322で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、天使ゾーンフラグ(大当り期待度が高まる旨を報知するための背景画像を表示する契機となるフラグ)をオンにしステップ2324に移行する。他方、ステップ2320でNoの場合にも、ステップ2324に移行する。次に、ステップ2324で、装飾図柄表示制御手段SM21は、第1装飾図柄の停止表示コマンド(仮停止表示コマンド)をセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にて、サブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2330に移行する。尚、本実施形態においては、天使ゾーンフラグがオンとなることによって、背景演出として「天使ゾーン背景」が表示されるよう構成されているが、当該天使ゾーンフラグがオンとなるタイミングとしては、例えば、(1)大当り期待度が相対的に高い図柄変動(例えば、リーチとなる図柄変動)中、(2)大当り期待度が高い図柄変動よりも先に消化予定の保留に係る図柄変動停止時、等が挙げられる。また、詳細は後述することとなるが、天使ゾーンフラグがオンとなる契機となる「特殊図柄」は、前述した(1)の場合に仮停止してもよいし、前述した(2)の場合に確定停止してもよい。
他方、ステップ2318でNoの場合、ステップ2326で、予告演出表示制御手段SM24(及びリーチ演出表示制御手段SM25)は、第1装図変動時間管理タイマSM21t‐1と予告演出関連情報一時記憶手段SM24b(及びリーチ演出関連情報一時記憶手段SM25b)に一時記憶された変動態様とに基づき、予告画像やリーチ画像の表示タイミングに到達したか否かを判定する。ステップ2326でYesの場合、ステップ2328で、予告演出表示制御手段SM24(及びリーチ演出表示制御手段SM25)は、当該予告画像やリーチ画像に係る画像表示コマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にて、サブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2330に移行する。尚、ステップ2326でNoの場合にも、ステップ2330に移行する。
次に、ステップ2330で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bを参照し、第1装飾図柄は通常表示中(前述した、遊技者が第1装飾図柄を視認し得る、又は、第1装飾図柄としてどの図柄が停止しているかが判別可能な場合であり、第2装飾図柄が非表示である場合)であるか否かを判定する。ステップ2330でYesの場合、ステップ2332で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある第2図柄表示フラグ(第2装飾図柄に関して、非表示状態とする=オフか、表示状態とする=オンか、を切り替えるためのフラグ)をオフにし、ステップ2336に移行する。他方、ステップ2330でNoの場合、ステップ2334で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある第2図柄表示フラグをオンにし、ステップ2336に移行する。
次に、ステップ2336で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bを参照し、主遊技図柄が停止表示されたか否かを判定する(例えば、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、主制御基板M側から主遊技図柄が停止表示される旨の情報を受信したか否かを判定する)。ステップ2336でYesの場合、ステップ2338で、装飾図柄表示制御手段SM21は、第1装飾図柄の停止表示コマンド(確定表示コマンド)をセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にてサブサブ制御部SS側に送信される)する。次に、ステップ2340で、装飾図柄表示制御手段SM21は、第1装図変動時間管理タイマSM21t‐1を停止すると共にリセット(ゼロクリア)する。次に、ステップ2342で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、図柄変動中フラグをオフにし、次の処理(ステップ2350の処理)に移行する。尚、ステップ2310又はステップ2336でNoの場合にも、次の処理(ステップ2350の処理)に移行する。
尚、本実施形態においては、サブメイン制御部SMによって、第1装図変動時間管理タイマSM21t‐1を用いて第1装飾図柄の変動表示に係るタイミングや背景演出の実行タイミング等を管理するよう構成したが、第1装飾図柄の変動に係るタイミングや背景演出の実行タイミング等の管理方法はこれには限定されず、ステップ2200の装飾図柄表示内容決定処理にて、第1装飾図柄の仮停止タイミング、予告画像・リーチ画像表示タイミング、背景演出表示タイミング(背景演出の表示切替タイミング)、等の内容をすべて決定してサブサブ制御部SSに送信し、サブサブ制御部SSが、受信した内容に沿ったタイミングにて演出を随時実行(表示)するよう構成してもよい(第2装飾図柄についても同様である)。
次に、図24は、図18におけるステップ2350のサブルーチンに係る、第2装飾図柄表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ2352で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリアを参照し、第1図柄変動中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2352でYesの場合、ステップ2354で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリアを参照し、第2図柄表示フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2354でYesの場合、ステップ2356で、装飾図柄表示制御手段SM21は、第2装飾図柄の変動表示実行コマンド(第2装飾図柄を変動表示するためのコマンド)をセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にてサブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2360に移行する。他方、ステップ2354でNoの場合、ステップ2358で、装飾図柄表示制御手段SM21は、第2装飾図柄の変動表示消去コマンド(第2装飾図柄を非表示とするためのコマンド)をセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にてサブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2360に移行する。
次に、ステップ2360で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bを参照し、主遊技図柄が停止表示されたか否かを判定する(例えば、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、主制御基板M側から主遊技図柄が停止表示される旨の情報を受信したか否かを判定する)。ステップ2360でYesの場合、ステップ2362で、装飾図柄表示制御手段SM21は、第2装飾図柄の停止表示コマンド(確定表示コマンド)をセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にてサブサブ制御部SS側に送信される)する。次に、ステップ2364で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、第2図柄表示フラグをオフにし、次の処理(ステップ2400の処理)に移行する。尚、ステップ2352又はステップ2360でNoの場合にも、次の処理(ステップ2400の処理)に移行する。
ここで、同図下段は装飾図柄表示領域イメージ図である。同図に示されるように、第1装飾図柄と第2装飾図柄と保留表示(第1主遊技図柄に関する保留と第2主遊技図柄に関する保留とを同時に表示してもよい)とが演出表示装置SG上にて表示され得るよう構成されており、本実施形態においては、確定表示タイミング(主遊技図柄が停止表示されるタイミング)では第1装飾図柄が停止表示される等、遊技の進行上、第1装飾図柄がメインの装飾図柄となるため、第1装飾図柄は第2装飾図柄よりも視認性が高くなっている(表示される領域が想定的に大きくなっている)。また、本実施形態においては、第1装飾図柄と第2装飾図柄との変動開始タイミング及び変動終了タイミング(確定表示タイミング)は同一タイミングとなっている。
次に、図25は、図18におけるステップ2400のサブルーチンに係る、特別遊技関連表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ2402で、背景演出表示制御手段SM23は、背景演出関連情報一時記憶手段SM23bのフラグエリアを参照し、特別遊技中フラグがオフであるか否かを判定する。ステップ2402でYesの場合、ステップ2404で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、メイン側から特別遊技開始表示指示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2404でYesの場合、ステップ2406及びステップ2408で、背景演出表示制御手段SM23は、背景演出関連情報一時記憶手段SM23bのフラグエリア内にある、特別遊技中フラグをオンにすると共に、演出表示装置SG上で大当り開始表示を行い(大当りの種類に基づき適宜表示を行う)、ステップ2412に移行する。尚、ステップ2402でNoの場合にも、ステップ2412に移行する。
次に、ステップ2412で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側から逐次送信されている遊技情報に基づき、演出表示装置SG上にてラウンド数と入賞個数を逐次表示する(遊技性や大当りの種類等に基づき、必要に応じて適宜実行すればよい)。
次に、ステップ2413で、背景演出表示制御手段SM23は、当該実行中の大当りの当選時の遊技状態と停止中の大当り図柄に基づき、実行中の特別遊技に係る演出を表示するコマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にてサブサブ制御部SS側に送信される)する(例えば、潜伏確変大当り図柄に係る特別遊技の場合には、特別遊技終了後に確率変動遊技状態に移行することを遊技者が認識できないような演出が実行される)。次に、ステップ2414で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、メイン側から特別遊技終了表示指示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2414でYesの場合、ステップ2416で、背景演出表示制御手段SM23は、演出表示装置SG上で、大当り終了表示を行う(大当りの種類に基づき適宜表示を行う)。次に、ステップ2418で、背景演出表示制御手段SM23は、背景演出関連情報一時記憶手段SM23bのフラグエリア内にある、特別遊技中フラグをオフにし、次の処理(ステップ2500の処理)に移行する。尚、ステップ2404又はステップ2414でNoの場合にも、次の処理(ステップ2500の処理)に移行する。
次に、図26は、図18におけるステップ2500のサブルーチンに係る、背景演出制御処理のフローチャートである。まず、ステップ2502で、背景演出表示制御手段SM23は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリアを参照し、天使ゾーンフラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2502でYesの場合、ステップ2504で、背景演出表示制御手段SM23は、背景演出として「天使ゾーン背景」(「特殊図柄」の仮停止を契機として表示し得る背景演出)をセットし、ステップ2506に移行する。次に、ステップ2506で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、「天使ゾーン」の移行契機となった変動(擬似連続変動の一部)が終了したか否かを判定する。ステップ2506でYesの場合、ステップ2508で、背景演出表示制御手段SM23は、装図表示関連情報一時記憶手段SM21bのフラグエリア内にある、天使ゾーンフラグをオフにする。次に、ステップ2509で、背景演出表示制御手段SM23は、所定の背景演出をセット(例えば、「天使ゾーン背景」がセットされる前にセットされていた背景演出をセット)し、ステップ2520に移行する。
他方、ステップ2502でNoの場合、ステップ2512で、背景演出表示制御手段SM23は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、メイン側から図柄変動表示開始指示コマンドを受信したか否かを判定する。ステップ2512で、Yesの場合、ステップ2514で、所定確率(本例では、1/20)で当選するステージ移行抽選を実行する(ステージ移行抽選は各変動の変動開始時に実行されることとなる)。次に、ステップ2516で、背景演出表示制御手段SM23は、ステップ2514の抽選結果を参照し、当該ステージ移行抽選に当選したか否かを判定する。ステップ2516でYesの場合、ステップ2518で、背景演出表示制御手段SM23は、所定のステージ移行パターン(例えば、平地ステージ→宇宙ステージ→火山ステージ→平地ステージの順に各ステージをループする用に移行していく)に基づき、背景演出をセットし、ステップ2520に移行する。尚、ステップ2506、ステップ2512又はステップ2516でNoの場合にもステップ2520に移行する。
次に、ステップ2520で、背景演出表示制御手段SM23は、セットされている背景演出を演出表示装置SGに表示するコマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にて、サブサブ制御部SS側に送信される)し、次の処理(ステップ2999の処理)に移行する。
以上のように構成することで、本実施形態に係るぱちんこ遊技機においては、装飾図柄として、第1装飾図柄と第2装飾図柄との2種類を設けて、第1装飾図柄が非表示(停止表示・変動表示されている様子が表示されない状態)、又は、視認し難い状況にて、第2装飾図柄を表示(変動表示)するよう構成することで、遊技者は常にいずれかの装飾図柄を視認することができ、停止している図柄や、大当り図柄が停止しているか否か等を正確に判別することができるというユーザーフレンドリーな遊技機とすることができる。
(本実施形態からの変更例1)
ここで、本実施形態では、擬似連続変動が実行される場合には、中列の仮停止図柄は必ず「特殊図柄」が停止する、且つ、第1装飾図柄の変動表示中には、常に第2装飾図柄が非表示となるよう構成したが、装飾図柄の表示制御方法はこれには限定されない。そこで、そのような構成の一例を本実施形態からの変更例1とし、以下、本実施形態からの変更点についてのみ、詳述する。
はじめに、図27及び図28(装飾図柄演出テーブル3、装飾図柄演出テーブル4)は、装飾図柄演出テーブルSM21ta‐2(装飾図柄演出テーブル3、特に、当否結果がハズレである場合の一部、及び、装飾図柄演出テーブル4、特に、当否結果が大当りである場合の一部)の一例である。本実施形態からの変更点を、まず、第1装飾図柄について詳述する。本実施形態からの変更例1においては、第1装飾図柄が変動中においても表示されるよう構成されている。また、例えば、「A‐6(ハズレ)擬似連2(特定出目)」等の擬似連続変動実行時において、中図柄の仮停止タイミングにて、「特殊図柄」以外に、特定出目が停止し得るよう構成されている。ここで、特定出目とは、「特殊図柄」とは異なり、全列(左列、中列、右列)が数字で停止するが、一定の規則に従った停止態様となっている出目(例えば、「345」等の順目)であり、当該特定出目が停止することにより遊技者に擬似連続変動が実行されていることを報知するよう構成されている。また、本実施形態からの変更例1においては、擬似連続変動実行時において、ハズレの場合には、中列の仮停止タイミングにて、「特殊図柄」よりも特定出目が停止し易くなっている一方、大当りの場合には、中列の仮停止タイミングにて、特定出目よりも「特殊図柄」が停止し易くなっている、即ち、特定出目が停止した場合よりも「特殊図柄」が停止した場合の方が大当りとなる期待度が高くなっている。尚、これには限定されず、「特殊図柄」が停止した場合よりも特定出目が停止した場合の方が大当りとなる期待度が高くなるよう構成しても何ら問題ない。また、擬似連続変動において擬似変動が実行される際には、すべての図柄が再変動、即ち3つの図柄が仮停止した後に当該3つの図柄が再変動することとなるが、そのような場合において、「特殊図柄」が中列に仮停止し、その後、中列が再変動した場合、当該再変動開始時の中列の装飾図柄は「特殊図柄」ではなくなっている{例えば、「6★7」(★=特殊図柄)で仮停止した場合は、「667」となった状態で再変動する(中図柄は、右図柄もしくは左図柄の「±1」コマの図柄であることが望ましい)}よう構成してもよいし、「特殊図柄」が中列に仮停止する際に「特殊図柄」の背後に「667」の3つの図柄を仮停止させ、その後、「特殊図柄」が再変動し消去される際に、左列の第1装飾図柄、中列の第1装飾図柄、右列の第1装飾図柄が再変動するよう構成してもよい。このような場合、中列の第1装飾図柄よりも中列の「特殊図柄」の画像の表示プライオリティを高く設定することで、特定出目を表示する擬似連変動の態様に「特殊図柄」を表示するだけでよいため、第1装飾図柄の決定方法が複雑化することを防止することができる。
次に、本実施形態からの変更点を、第2装飾図柄について詳述する。本実施形態からの変更例1においては、第2装飾図柄は主遊技図柄の変動中には、常に表示されるよう構成されている。また、リーチとなる場合には、第1装飾図柄の仮停止タイミングにおいても、第2装飾図柄も同時に仮停止し、第1装飾図柄の確定表示タイミングにおいても、第2装飾図柄も同時に確定表示されることとなる(第1装飾図柄と第2装飾図柄とで同一の図柄が停止表示されることとなる)。尚、第2装飾図柄の変動表示態様はこれには限定されず、例えば、第1装飾図柄が視認可能であり、且つ、遊技者が第1装飾図柄を視認することで遊技進行状況が把握容易となる場合には、第2装飾図柄を非表示とする、即ち、第1装飾図柄の変動表示中、左列と右列の仮停止中、中列の仮停止タイミングにて特定出目が停止中である場合においては、第2装飾図柄を非表示とする一方、中列の仮停止タイミングにて「特殊図柄」が停止中である場合においては、第2装飾図柄を変動表示(又は、仮停止表示)とするよう構成してもよい。また、第1装飾図柄の停止及び仮停止に合わせて、第2装飾図柄をすべて停止及び仮停止するよう構成してもよい。また、第2装飾図柄を、第1装飾図柄の変動状況に拘らず常に変動表示とし、第1装飾図柄が確定停止した場合のみ、第2装飾図柄も確定停止するよう構成してもよい。
以上のように構成することで、本実施形態からの変更例1に係る遊技機においては、中列の仮停止タイミングにて、特定出目が仮停止し得るよう構成することで、擬似連続変動実行時における、仮停止時の停止態様を複数種類設けることができると共に、当該停止態様により大当りとなる期待度を相違させることで、遊技者は、当該停止態様がいずれであるかに着目することとなり、遊技の興趣性が高まることとなる。
尚、本実施形態からの変更例1においては、第1装飾図柄を変動表示するよう構成したが、これには限定されず、リーチ演出中等の特定の演出の実行中には、第1装飾図柄を変動表示しない(非表示とする)よう構成してもよいし、特定の列(例えば、中列)のみを非表示とするよう構成してもよい。
尚、本実施形態からの変更例1においては、中列の仮停止タイミングにて特定出目(又は「特殊図柄」)が仮停止し得るよう構成したが、特定出目(又は「特殊図柄」)が表示される際の左列及び右列の表示態様等は変更してもよく、例えば、(1)左列と右列とを同一の数字として、中列を当該同一の数字の±1の数字とする(例えば、「4・5・4」或いは、中列の5の位置に「特殊図柄」が配されている)、(2)特定出目ではないハズレ目と同一の停止態様であるが、サウンドや色の変化によって特定出目であることを報知する、(3)全列同時に仮停止する、(4)左列及び/又は右列の数字が中列の仮停止タイミングにて変更される、(5)左列と右列の装飾図柄が「2」以上離れている数字である場合、中列の装飾図柄が、左列及び/又は右列と「2」以上離れた数字にてハズレで仮停止した場合、等としてもよい。また、特定出目の出現条件も変更してもよく、例えば、左列と右列の仮停止図柄(数字)が同一である場合に出現し易い(又は、同一である場合にのみ出現する)等として、「特殊図柄」の出現条件と相違させるよう構成してもよい。また、リーチ後に「特殊図柄」(又は、特定出目)が出現するほうが、リーチではない場合に「特殊図柄」(又は、特定出目)が出現した場合よりも大当り期待度が高い、又は、その後当該図柄変動中に「特殊図柄」が再度仮停止する可能性が高い{例えば、「7★8」(★=特殊図柄)よりも、「7★7」の方が大当り期待度が高い、又は、再度仮停止する可能性が高い}よう構成してもよい。なお、(1)に示したような左列と右列とを同一の数字として、中列を当該同一の数字の±1の数字とする場合や、中列、右列を左列の数字の±1や±2等の数字とする場合、つまり左列の数字を基準として中列、右列の数字を予め定めた数字とする場合においては、左列に表示する数字のみを抽選等によって決定すればよく、中列、右列に表示する数字については、抽選により決定された左列に表示する数字と同じ数字や抽選により決定された左列に表示する数字に対して±1や±2の数字と決定する(つまり、中列、右列に表示する数字を抽選等により決定するわけではなく、左列に表示する数字に対応した数字を決定する)だけでよい。例えば、左列をN(Nは、例えば1~8までの数字)、中列をN+1、右列をNとする場合、左列に表示する数字を1~8の中から抽選等によって決定する。左列の数字が、「4」に決定された場合、中列は4+1=「5」となり、右列は左列と同じ「4」となり、特定出目として、「4・5・4」が設定される。このように構成することにより、左列、中列、右列の組み合わせとなる特定出目を複数設定したテーブルを用いることなく、左列の数字のみを設定したテーブルを用いて特定出目の設定が可能となるため、ステップ2200の装飾図柄表示内容決定処理において特定出目の決定を容易とすることができるという効果を奏する。なお、左列の数字を抽選により決定して左列の数字に基づき中列、右列の数字が決定される場合を例示したが、中列又は右列の数字を抽選等によって決定し、中列の数字の場合は左列および右列の数字、右列の場合は左列および中列の数字を決定してもよい。
(本実施形態からの変更例2)
ここで、本実施形態及び本実施形態からの変更例1にて擬似連続変動時の第1装飾図柄の表示態様の構成を挙げたが、当該構成以外の擬似連続変動時の第1装飾図柄の表示態様の構成にて、新たな遊技性を創出することができる。そこで、そのような構成の一例を本実施形態からの変更例2とし、以下、本実施形態からの変更例1に対しての変更点についてのみ、詳述する。
はじめに、図29及び図30(装飾図柄演出テーブル5、装飾図柄演出テーブル6)は、装飾図柄演出テーブルSM21ta‐2(装飾図柄演出テーブル5、特に、当否結果がハズレである場合の一部、及び、装飾図柄演出テーブル6、特に、当否結果が大当りである場合の一部)の一例である。本実施形態からの変更例1に対しての変更点を、まず、第1装飾図柄について詳述する。本実施形態からの変更例2においては、第1装飾図柄が変動中に表示され、且つ、擬似連続変動における中列の仮停止タイミングにおいて停止し得る「特殊図柄」が「特殊図柄A」と「特殊図柄B」との2種類設けられている。ここで、「特殊図柄A」は、擬似連続変動における1回目の中列の仮停止タイミングから(当該タイミング以降も)仮停止し得るよう構成されている一方、「特殊図柄B」は、擬似連続変動における2回目の中列の仮停止タイミングから仮停止し得るよう構成されている。また、特定出目は、擬似連続変動における1回目の中列の仮停止タイミングから(当該タイミング以降も)仮停止し得るよう構成されている。即ち、擬似連続変動における1回目の中列の仮停止タイミングにおいては、停止態様として、「特殊図柄A」と特定出目の2種類が仮停止し得る一方、擬似連続変動における2回目の中列の仮停止タイミングにおいては、停止態様として、「特殊図柄A」と「特殊図柄B」と特定出目の3種類が仮停止し得るよう構成されており、擬似連続変動における1回目の中列の仮停止タイミングよりも、擬似連続変動における2回目の中列の仮停止タイミングの方が、停止し得る停止態様の種類が多くなっている。このように、擬似連続変動の中列の仮停止タイミングにおいては、後半の仮停止タイミングとなるほど停止態様の種類が多くなるよう構成してもよいし、後半の仮停止タイミングとなるほど停止態様の種類が少なくなるよう構成してもよい。また、後半の仮停止タイミングとなるほど停止態様の種類が多くなるような構成の場合には、擬似変動が実行される毎に選択候補の種類として当該変動が大当りとなる期待度が高い停止態様が新たに追加されるよう構成してもよく、そのように構成することにより、擬似変動が実行される毎に遊技者は注目することとなる。また、後半の仮停止タイミングとなるほど停止態様の種類が少なくなるような構成の場合には、擬似変動が実行される毎に選択候補の種類として当該変動が大当りとなる期待度が低い停止態様が削除されるよう構成してもよく、そのように構成することにより、擬似変動が実行される毎に当該変動が大当りとなる期待度の担保ができることとなる。尚、第2装飾図柄については、本実施形態からの変更例1と同様の構成となっているため説明は割愛する。
以上のように構成することで、本実施形態からの変更例2に係る遊技機においては、擬似連続変動における中列の仮停止タイミングにて、当該仮停止タイミングが後半となるほど、仮停止し得る停止態様が多くなるよう構成することで、遊技者は、中列が仮停止する回数及び仮停止時の停止態様に着目することとなり、遊技の興趣性が高まることとなる。
(本実施形態からの変更例3)
ここで、本実施形態においては、装飾図柄として、第1装飾図柄と第2装飾図柄との2種類を設けて、第1装飾図柄が非表示(停止表示・変動表示されている様子が表示されない状態)、又は、視認し難い状況にて、第2装飾図柄を表示(変動表示)するよう構成したが、第2装飾図柄を用いた構成は本実施形態の構成には限定されない。そこで、そのような構成の一例を本実施形態からの変更例3とし、以下、本実施形態からの変更点についてのみ、詳述する。
はじめに、図31は、本実施形態からの変更例3における、図18でのステップ2200のサブルーチンに係る、装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。本実施形態からの変更点は、ステップ2232(変3)~ステップ2236(変3)、ステップ2900(変3)、ステップ2246(変3)及びステップ2248(変3)であり、即ち、ステップ2204で、図柄内容決定許可フラグをオフにした後、ステップ2232(変3)で、装図表示内容決定手段SM21nは、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、現在の遊技状態が確率変動遊技状態であるか否かを判定する。ステップ2232(変3)でYesの場合、ステップ2234(変3)で、装図表示内容決定手段SM21nは、第1装飾図柄及び第2装飾図柄の表示態様を確変表示態様(確率変動遊技状態中に表示されることとなる装飾図柄の表示態様)に決定し、ステップ2900(変3)に移行する。他方、ステップ2232(変3)でNoの場合には、ステップ2236(変3)で、装図表示内容決定手段SM21nは、第1装飾図柄及び第2装飾図柄の表示態様を非確変表示態様(非確率変動遊技状態中に表示されることとなる装飾図柄の表示態様)に決定し、ステップ2900(変3)に移行する。このように、本実施形態からの変更例3においては、第1装飾図柄及び第2装飾図柄の表示態様は確率変動遊技状態であるか否かによって相違するよう構成されていると共に、第1装飾図柄の表示態様が変化する場合(例えば、非確率変動遊技状態から確率変動遊技状態に移行した場合)には、当該変化に伴って第2装飾図柄の表示態様も変化するよう構成されている。尚、第1装飾図柄及び第2装飾図柄の表示態様は確率変動遊技状態であるか否かによってのみ相違するような構成には限定されず、例えば、時間短縮遊技状態であるか否か、背景演出(演出ステージ)がいずれであるか、等によって相違するよう構成してもよい。
次に、ステップ2900(変3)で、装図表示内容決定手段SM21nは、後述する、装図停止図柄決定処理を実行する。次に、ステップ2246(変3)で、装図表示内容決定手段SM21nは、主遊技図柄の変動態様に関する情報に基づき、第1装飾図柄の変動態様を決定する。次に、ステップ2248(変3)で、装図表示内容決定手段SM21nは、主遊技図柄の変動態様に関する情報に基づき、第2装飾図柄の変動態様を決定し、ステップ2216に移行する。
次に、図32は、本実施形態からの変更例3における、図31でのステップ2900(変3)のサブルーチンに係る、装図停止図柄決定処理のフローチャートである。まず、ステップ2902で、装図表示内容決定手段SM21nは、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、当該図柄変動に係る主遊技図柄の停止図柄は大当り図柄であるか否かを判定する。ステップ2902でYesの場合、ステップ2904で、装図表示内容決定手段SM21nは、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、当該大当り図柄に係る特別遊技にて実行されるラウンド数が最大ラウンド数(本例では、10R)であるか否かを判定する。ステップ2904でYesの場合、ステップ2906で、装図表示内容決定手段SM21nは、第1装飾図柄及び第2装飾図柄の停止図柄を「白抜き」図柄の3つ揃い(例えば、「777」)及び「黒色」図柄の3つ揃い(例えば、「444」)のうちのいずれかに決定(「白抜き」図柄の3つ揃いが選択される合計の振分率と「黒色」図柄の3つ揃いが選択される合計の振分率とは1:1となっている)し、次の処理{ステップ2246(変3)の処理}に移行する。他方、ステップ2904でNoの場合、ステップ2908で、装図表示内容決定手段SM21nは、第1装飾図柄及び第2装飾図柄の停止図柄を「黒色」図柄の3つ揃い(例えば、「444」)のうちのいずれかに決定し、次の処理{ステップ2246(変3)の処理}に移行する。このように、本実施形態からの変更例3においては、「白抜き」図柄の3つ揃い(例えば、「777」)は、最大ラウンド数(本例では、10R)となる特別遊技の場合にのみ停止し得る、即ち、白抜き図柄の3つ揃いが停止した場合には、最大ラウンド数(本例では、10R)の特別遊技が実行されることが略確定的となるよう構成されている(「黒色」図柄の3つ揃いよりも遊技者にとって相対的に高利益としてもよい)。
他方、ステップ2902でNoの場合、ステップ2910で、装図表示内容決定手段SM1nは、主遊技図柄の停止図柄に関する情報に基づき、第1装飾図柄の停止図柄を決定する。次に、ステップ2912で、装図表示内容決定手段SM21nは、第2装飾図柄の停止図柄を所定のハズレ図柄(本例では、「345」であり、第2装飾図柄の停止図柄は1パターンのみとなっている)に決定し、次の処理{ステップ2246(変3)の処理}に移行する。尚、第2装飾図柄の停止図柄の種類は1パターンのみでなくてもよいが、第1装飾図柄の停止図柄の種類よりも少ないことが望ましい。また、第2装飾図柄のハズレ時の停止図柄は所定のハズレ図柄(本例では、「345」)であることに対して、第1装飾図柄のハズレ時の停止図柄は複数の候補から選択される(例えば、300種類の停止図柄候補からランダムに選択される)ため、ハズレ時に当該所定のハズレ図柄が停止する頻度は、第1装飾図柄よりも第2装飾図柄の方が高くなっている(第1装飾図柄の停止図柄として所定のハズレ図柄が停止しないよう構成してもよい)。また、第2装飾図柄の停止し得るすべてのハズレ図柄(例えば、「375」の1パターンのみでもよい)には、同一図柄が3つ揃った場合にいずれの遊技状態においても遊技者にとって最も高利益となる図柄(例えば、「7」図柄)が必ず1つ以上含まれるよう構成してもよい(例えば、「375」と「276」とが停止し得る)。
次に、図33は、本実施形態からの変更例3における、装飾図柄の表示態様に係るイメージ図である。同図に示されるように、本実施形態からの変更例3においては、遊技状態が非確率変動遊技状態である場合と確率変動遊技状態である場合とで第1装飾図柄及び第2装飾図柄の表示態様(本例では、表示色であり、配色パターン、形状、大きさ、等の表示属性である)が相違し得るよう構成されている。具体的には、非確率変動遊技状態である場合には、第1装飾図柄及び第2装飾図柄と共に「7」図柄のみが「白抜き」にて表示され、「7」以外の図柄はすべて「黒色」にて表示される(非確変表示態様となる)よう構成されている一方、確率変動遊技状態である場合には、第1装飾図柄及び第2装飾図柄と共に「3」図柄及び「7」図柄が「白抜き」にて表示され、「3」図柄及び「7」以外の図柄はすべて「黒色」にて表示されるよう構成されている。即ち、第1装飾図柄及び第2装飾図柄と共に、「3」図柄は遊技状態によって表示態様が相違し得る(確変表示態様となる)よう構成されている。表示態様が相違する条件は確率変動遊技状態であるか否かには限定されず、時間短縮遊技状態であるか否かとしてもよいし、どの背景演出(演出ステージ)が実行されているかによって相違し得るよう構成してもよい。尚、本実施形態からの変更例3においては、確率変動遊技状態であるか否かによって表示属性が変化し得る図柄は「3」図柄となっているが、当該「3」図柄は、前述したハズレ時に第2装飾図柄が停止することとなる所定のハズレ図柄(本例では、「345」)の組み合わせの中に含まれており(左列の停止図柄となる)、非確率変動遊技状態においては、ハズレ時の第2装飾図柄の停止図柄はすべて「黒色」にて表示される一方、確率変動遊技状態においては、ハズレ時の第2装飾図柄の停止図柄は左列から、「白抜き」、「黒色」、「黒色」にて表示されることとなる。なお、本図では非確率変動遊技状態と確率変動遊技状態とで比較したうえでの構成であるが、これについては、非時間短縮遊技状態と時間短縮遊技状態とで比較したうえでの構成であってもよく(本図における非確率変動遊技状態を非時間短縮遊技状態とし、確率変動遊技状態を時間短縮遊技状態としてもよく)、非時間短縮遊技状態且つ非確率変動遊技状態と時間短縮遊技状態且つ確率変動遊技状態とで比較したうえでの構成であってもよい(本図における非確率変動遊技状態を非時間短縮遊技状態且つ非確率変動遊技状態とし、確率変動遊技状態を時間短縮遊技状態且つ確率変動遊技状態としてもよい)。なお、このような比較の当て嵌めの置換は、本件のいずれの実施形態及び変形例などのすべての構成に適用可能であることを補足しておく。
次に、図34及び図35(装飾図柄演出テーブル7、装飾図柄演出テーブル8)は、装飾図柄演出テーブルSM21ta‐2(装飾図柄演出テーブル7、特に、当否結果がハズレである場合の一部、及び、装飾図柄演出テーブル8、特に、当否結果が大当りである場合の一部)の一例である。本実施形態からの変更点は、装飾図柄種別の項目を表示更新種別とし、「第1装飾図柄」と「第2装飾図柄」と「透過液晶」との3つの項目を設けたことであり、本実施形態からの変更例3においては、演出表示装置SGの表示領域SG10が透過することとなる透過演出を実行可能に構成されており、透過演出が実行されている期間は、第1装飾図柄は非表示となるが、第2装飾図柄は表示されている状態となる(表示更新タイミングの「33秒」を参照)。
次に、図36は、本実施形態からの変更例3における、図18でのステップ2200のサブルーチンに係る、装飾図柄表示内容決定処理のフローチャートである。本実施形態からの変更点は、ステップ2327‐1(変3)及びステップ2327‐2(変3)であり、即ち、ステップ2326で予告画像又はリーチ画像表示タイミングに到達した場合に、ステップ2327‐1(変3)で、予告演出表示制御手段SM24は、第1装図変動時間管理タイマSM21t‐1と予告演出関連情報一時記憶手段SM24bに一時記憶された変動態様とに基づき、透過演出(演出表示装置SGの表示領域SG10が透過することとなる演出)の実行タイミングであるか否かを判定する。ステップ2327‐1(変3)でYesの場合、ステップ2327‐2(変3)で、予告演出表示制御手段SM24は、透過演出に係る画像表示コマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にて、サブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2336に移行する。他方、ステップ2327‐1(変3)でNoの場合にはステップ2328に移行する。尚、透過演出が実行された場合には、演出表示装置SGの表示領域SG10が透過して、演出表示装置SG内の役物が駆動している状態が視認可能となると共に、第1装飾図柄の表示が消去され(非表示となり)、第2装飾図柄は演出表示装置SG内の第2装飾図柄表示装置によって継続して表示されることとなる(詳細は後述する)。また、本実施形態からの変更例3においては、演出表示装置SGの第2装飾図柄の表示と隣接し(遊技者から見て右方向)、保留数表示領域が設けられている。このように構成することにより、透過演出実行中においても遊技者は保留数を視認することができることとなる。
次に、図37は、本実施形態からの変更例3における、図18でのステップ2400のサブルーチンに係る、特別遊技関連表示制御処理のフローチャートである。本実施形態からの変更点は、ステップ2410(変3)であり、即ち、ステップ2408で大当り表示に係るコマンドをセットした後、又は、特別遊技中フラグがオンであった場合に、ステップ2410(変3)で、背景演出表示制御手段SM23は、第2装飾図柄を当該特別遊技に係る大当り図柄の停止時から継続して表示(例えば、「777」が停止し続ける)するコマンドをセット(ステップ2999の表示コマンド送信制御処理にて、サブサブ制御部SS側に送信される)し、ステップ2412に移行する。このように、本実施形態からの変更例3においては、特別遊技実行中においても第2装飾図柄は表示されることとなり、遊技者はどの装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)に係る特別遊技実行中であるかを特別遊技実行中においても判断することができることとなる。
次に、図38は、本実施形態からの変更例3における、演出表示装置の構成に係るイメージ図である。まず、演出表示装置の概念斜視図及び概念上面図に示すように、表示領域SG10から奥側(遊技者から見て)に第2装飾図柄表示装置が設けられており、当該装置が発光する(光が表示領域SG10の方向に出力される)ことにより表示領域SG10に第2装飾図柄及び保留数表示領域が表示されることとなる。また、光源から光を出力することにより表示領域SG10にて演出の表示が可能となるのだが、表示領域SG10のうちの第2装飾図柄表示装置に隣接する領域には演出が表示されず、第2装飾図柄表示装置による第2装飾図柄及び保留数表示領域の表示が遊技者に視認可能となるよう構成されている。また、透過演出が実行された際には、表示領域SG10における演出が表示されなくなり、演出表示装置SG内部の役物が視認可能となるよう構成されている。尚、透過演出の実行中も第2装飾図柄表示装置における演出表示は実行されているため、遊技者に視認可能となっている。このように構成することにより、透過演出が実行されている状況においても、遊技者は、第2装飾図柄表示装置における演出表示を視認することにより、装飾図柄の変動状況及び保留数を認識できることとなる。尚、当該保留数の表示は、遊技状態によって表示する保留の種類を相違させてもよいし(例えば、非時間短縮遊技状態においては第1主遊技保留数を表示し、時間短縮遊技状態においては第2主遊技保留数を表示する)、常に第1主遊技保留数と第2主遊技保留数とを表示してもよいし、第1主遊技保留数と第2主遊技保留数との合計の保留数を表示するよう構成してもよい。尚、表示領域SG10に演出を表示する構成は、これには限定されず、表示領域SG10が透過状態と非透過状態とに切り替えられるよう構成されていればよく、例えば、光源の位置を変更してもよいし(例えば、表示領域の斜め後方から光を出力する、等)、導光板(側面から入射した発光素子から発せられた光を垂直方向に散乱させる透過可能な板状の部材)を介して表示を行う表示領域(いわゆる、エッジライト型)、有機ELからなる表示領域、等としてもよい。尚、導光板を用いた構成例としては、遊技者側から見て、手前から「透過液晶(液晶シャッター)」、「導光板{透過液晶に近接配置(約5mm)されており、当該導光板の外周近傍には当該導光板に光を行き渡らせるための光源Aが配置されている}」、「表示領域SG10の左下に常時光を出力している光源B」、「役物」、「役物を強調して遊技者に見せるための光源C」の順に配置し、透過演出を実行する場合(役物を強調して遊技者に見せたい場合)には、光源Aの出力をOFF(光源Aの出力は透過演出非実行時よりも出力低減としてもよい)にして、光源B及び光源Cの出力をONにし、透過演出を実行しない場合(役物を遊技者に見せたくない、且つ、表示領域SG10での演出を遊技者に見せたい場合)には、光源A及び光源Bの出力をONにして、光源Cの出力をOFF(光源Cの出力は透過演出実行時よりも出力低減としてもよい)にするよう構成してもよい。また、第2装飾図柄及び保留数表示領域の表示は本例の構成には限定されず、例えば、第2装飾図柄表示装置が発光する(光が表示領域SG10の方向に出力される)ことにより、光源から表示領域SG10に向けて光が出力されることによって演出が表示される仕組みと同様の仕組みにて、表示領域SG10に第2装飾図柄及び保留数表示領域を表示可能とする、即ち、第2装飾図柄表示装置が光源の代わりになることにより、透過演出が実行されて光源が光を出力しなくなっても、第2装飾図柄表示装置が常時光を出力することにより、第2装飾図柄及び保留数表示領域の表示は常時視認可能となるよう構成してもよい(導光板は、透過液晶を透過させないために用いている)。
次に、図39は、本実施形態からの変更例3における、透過演出実行イメージ図である。本例においては、通常遊技状態(非確率変動遊技状態且つ非時間短縮遊技状態)にて擬似連続変動が2回実行されることとなる(擬似連2の変動)1回の図柄変動が実行された場合を例示している。まず、ある装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の変動が開始され、その後、1回目の中列仮停止図柄として特殊図柄が仮停止する。その後、再度ある装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の変動が開始され、その後、2回目の中列仮停止図柄として特殊図柄が再度仮停止する。その後、再度ある装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の変動が開始され、透過演出が実行されたことに起因して表示領域SG10が透過状態となり、当該表示領域SG10の奥(遊技者から見て)にある役物が駆動している状態が遊技者に視認可能となる。その後、透過演出が終了し(表示領域SG10が非透過状態となり)、当該表示領域SG10の奥(遊技者から見て)にある役物が視認不可能となり、再度第1装飾図柄の変動表示が視認可能となる(表示される)。その後、ハズレの場合には、第1装飾図柄と第2装飾図柄とがハズレ図柄にて停止する{第2装飾図柄は所定のハズレ図柄(「345」)にて停止し、第1装飾図柄のハズレ図柄(「787」)とは相違し得る停止図柄の組み合わせとなっている}。また、大当りの場合には、第1装飾図柄と第2装飾図柄とが大当り図柄にて停止する{第1装飾図柄の大当り図柄と第2装飾図柄の大当り図柄とは同様の停止図柄の組み合わせとなっている}。その後、特別遊技が実行され、当該特別遊技の実行中においても、第2装飾図柄は当該特別遊技の開始時と同様の大当り図柄にて停止表示され続けることとなる。尚、特別遊技実行中においても、透過演出を実行してもよく(表示領域SG10を透過状態にしてもよく)、例えば、特別遊技終了後に確率変動遊技状態となるか否かを報知する演出の実行直前に透過演出を実行し得るよう構成することで、遊技者は透過演出を視認することにより、当該特別遊技終了後に確率変動遊技状態に移行する期待を高めることができる。尚、特別遊技実行中に透過演出を実行したとしても、第2装飾図柄及び保留数表示領域の表示は維持されているため(視認可能となっているため)、遊技の進行を妨げることはないよう構成されている。特別遊技中の装飾図柄の表示例としては、例えば、特別遊技中は、どの装飾図柄が3つ揃って大当りとなったのかを遊技者に報知するため、当該揃った図柄を1つだけ表示しておく(例えば、「777」で大当りとなったら、「7」を表示)よう構成し、透過演出の実行時には、当該揃った図柄の表示が視認不能となるため、遊技者に当該揃った図柄を認識可能とするために特別遊技中においても第2装飾図柄及び保留数表示領域の表示を維持するよう構成してもよい。
以上のように構成することで、本実施形態からの変更例3に係る遊技機においては、演出表示装置SGの表示領域SG10が透過状態となり演出表示装置SG内の役物が視認可能となる透過演出を実行可能に構成し、当該透過演出の実行中に第1装飾図柄が非表示となっても第2装飾図柄表示装置における演出表示は実行されているため、遊技者は、第2装飾図柄表示装置における演出表示を視認することにより、装飾図柄の変動状況及び保留数を認識できることとなり、よりユーザーフレンドリーな遊技機とすることができる。また、第1主遊技始動口A10への入球に係る特別遊技終了後の遊技状態移行振分率と第2主遊技始動口B10への入球に係る特別遊技終了後の遊技状態移行振分率を相違させると共に、確率変動遊技状態であるか否かによって装飾図柄(第1装飾図柄及び第2装飾図柄)の表示属性を相違させ、遊技者に高利益である旨を示唆又は報知可能な図柄の種類数を相違させることにより、第1主遊技始動口A10へ遊技球を入球させて遊技を進行することとなる非確率変動遊技状態よりも、第2主遊技始動口B10へ遊技球を入球させて遊技を進行することとなる確率変動遊技状態の方が、特別遊技終了後に確率変動遊技状態への移行が略確定的となる大当り図柄の表示属性の種類数が多くなり、現在の遊技状態が遊技者とって高利益であるか否かを遊技者に対して適切に示唆又は報知可能に構成することができることとなる。
また、本実施形態からの変更例3においては、第1主遊技図柄及び第2主遊技図柄のいずれの変動であっても、現在の遊技状態や演出表示モード(背景演出、等)に対応した表示属性の装飾図柄を変動表示させ、且つ、第1主遊技図柄の変動に対応した装飾図柄と第2主遊技図柄の変動に対応した装飾図柄とは共通の表示(及び、表示属性)となる(第1主遊技図柄と第2主遊技図柄とで装飾図柄の表示属性や表示領域を差別化していない)よう構成している。
次に、図40を参照しながら、ぱちんこ遊技機の遊技盤D35における遊技部品(遊技盤前面部品ともいう)を説明する。まず、方向の説明をする。図40の(a)に示すように遊技盤D35を正面に見て、上下方向をY軸、左右方向をX軸とする。また、図40の(b)に示すように、遊技盤D35の遊技部品が取り付けられている面を左に向けた状態で見て、上下方向をY軸、左右方向をZ軸とする。そして、図40の(a)において、上をY方向+(プラス)、下をY方向-(マイナス)、右をX方向+(プラス)、左をX方向-(マイナス)とし、図40の(b)において、上をY方向+(プラス)、下をY方向-(マイナス)、前(図で見ると左)をZ方向+(プラス)、後(図で見ると右)をZ方向-(マイナス)とする。
図40の(a)に示すように、遊技部品としてのセンター飾りD38が、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビス(小ネジ)BS1、ビスBS2、ビスBS5、ビスBS8、ビスBS11、ビスBS12、ビスBS13等を用いて、遊技盤D35の前面の略中央に取り付けられている。なお、遊技盤D35の前面に取り付けられている遊技部品は、センター飾りD38に限定されず、第1主遊技始動口A10、第2主遊技始動口B10、補助遊技始動口H10、第1大入賞口C10、第2大入賞口C20、左一般入賞口P10、右一般入賞口P20、アウト口D36、外レールD32、内レールD34、球戻り防止部材D39、メイン表示装置MH20(第1主遊技図柄表示装置A20、第2主遊技図柄表示装置B20)、サブ表示装置SH20等でもよく、これらの遊技部品は、センター飾りD38と同様に遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスを用いて、遊技盤D35の前面に取り付けられている。また、遊技盤D35の後面には、可動役物YK、演出表示装置SGが取り付けられた裏ユニット(図示せず)、各種入賞口に入球した遊技球を外部に排出するための排出流路(図示せず)が取り付けられている。なお、排出流路は、裏ユニットに設けられていてもよい。また、センター飾りD38を、遊技盤D35に取り付ける例を示したが、遊技盤D35ではなく、裏ユニットに取り付けるように構成してもよく、センター飾りD38が遊技領域D30に配置されるように構成していればよい。
第1主遊技始動口A10は、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスBS9とビスBS14等を用いて遊技盤D35に取り付けられている。第2主遊技始動口B10は、図示していないが遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスを用いて遊技盤D35に取り付けられている。補助遊技始動口H10は、図示していないが遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスを用いて遊技盤D35に取り付けられている。第1大入賞口C10は、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスBS15とビスBS16等を用いて遊技盤D35に取り付けられている。第2大入賞口C20は、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスBS15とビスBS16等を用いて遊技盤D35に取り付けられている。左一般入賞口P10は、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスBS6とビスBS7等を用いて遊技盤D35に取り付けられている。右一般入賞口P20は、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスBS15とビスBS16等を用いて遊技盤D35に取り付けられている。アウト口D36は、図示していないが遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスを用いて遊技盤D35に取り付けられている。外レールD32は、図示していないが遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスを用いて遊技盤D35に取り付けられている。内レールD34は、図示していないが遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスを用いて遊技盤D35に取り付けられている。球戻り防止部材D39は、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスBS3とビスBS4等を用いて遊技盤D35に取り付けられている。メイン表示装置MH20は、図示していないが遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスを用いて遊技盤D35に取り付けられている。サブ表示装置SH20は、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれるビスBS6とビスBS7等を用いて遊技盤D35に取り付けられている。
図40の(b)は、図40の(a)のA-A断面の図である。この図で示すように、センター飾りD38は、正面視の上領域の上側の面(上面)に発射された遊技球が転動可能な庇部(所定部)D38-1を有している。庇部D38-1は、遊技領域D30のうち第一領域に位置しており、ぱちんこ遊技機の後側から前側へ向かって下がるような傾斜面(手前下方向に傾斜している)となっている。なお、庇部D38-1は、第一領域の範囲に位置するセンター飾りD38の正面視の上領域の上側の面(上面)であればよく、この上面の一部または全てが該当する。なお、庇部D38-1は、センター飾りD38の上面における最も手前下がりに傾斜している部分としてもよいし、センター飾りD38の上面の任意の範囲としてもよい。庇部D38-1の傾斜面の傾斜の角度は、図40の(b)に示すように遊技盤D35に対してα度(90度よりも大きい角度であって、例えば95度。後側から前側に向かって下る5度の傾斜。換言すると、Z方向+側のZ軸がZ軸とY軸の交点からY方向-のY軸に向けて5度変位している。)に構成されている。一方、庇部D38-1の下面の傾斜の角度は、図40の(b)に示すように遊技盤D35に対してβ度(90度よりも小さい角度であって、例えば85度。β度=180度-α度)に構成されている。そして、ぱちんこ遊技機自体は、前側から後側へ傾斜(例えば、前側から後側へ向かって下る1度の傾斜)するように遊技島に設置されているが、庇部D38-1の傾斜面の傾斜は、ぱちんこ遊技機自体の前側から後側への傾斜(例えば、前側から後側へ向かって下る1度の傾斜。換言すると、Z方向+側のZ軸がZ軸とY軸の交点からY方向+のY軸に向けて1度変位している。)を考慮しても後側から前側へ向かって下がるような傾斜(例えば、後側から前側へ向かって下る4度の傾斜。換言すると、Z方向+側のZ軸がZ軸とY軸の交点からY方向-のY軸に向けて4度変位している。)するように構成されている。したがって、遊技領域D30の第一領域を目標に発射された場合であって、遊技領域D30に発射された遊技球が庇部D38-1の傾斜面に載った場合は、遊技球が後側から前側へ向かって転動(流下)可能に構成されている。
ここで、センター飾りD38を遊技領域D30に設けたぱちんこ遊技機を前側から後側に向かって傾斜させた状態で遊技島に設置すると、遊技領域D30を流下する遊技球がセンター飾りD38上で滞留してしまう事態が生じて他の遊技球の流下を妨げてしまうと遊技ができない状態となってしまう為、遊技者の遊技の興趣を損なう一因となってしまう。
このような問題を解決するために、遊技球が流下可能な遊技領域D30が設けられた遊技盤D35の遊技領域D30の所定位置(略中央)にセンター飾りD38を設け、さらに、遊技盤D35に遊技釘を打ち込む(植設する)。また、遊技球の流路上に設けられる(ねじ込まれる)部品であって、遊技部品であるセンター飾りD38を遊技盤に取り付ける(螺設する、締結する、係止する)ビス(螺子、締結手段、係止手段、取付具)を設ける。センター飾りD38の正面視上領域の上面に庇部(所定部)D38-1を有し、後側から前側に向かって下がるように庇部(所定部)D38-1を構成する。
このように構成することにより、ぱちんこ遊技機を前側から後側に向かって傾斜させた状態で遊技島に設置した場合であっても、遊技球が遊技部品上に滞留してしまう事態を防止することができる。
また、図40の(a)に示すように、第一領域であってセンター飾りD38の庇部D38-1の近傍且つ左側には、遊技釘(例えば、遊技釘1)が遊技盤D35に打ち込まれている。この遊技釘は、図40の(b)に示すように遊技盤D35に対して90度に打ち込まれており、庇部D38-1の上面である傾斜面の遊技盤D35に対する角度であるα度よりも小さく構成されている。換言すると、庇部D38-1の上面である傾斜面の遊技盤D35に対する角度であるα度は、遊技釘の遊技盤D35に対する角度である90度よりも大きく構成されている。なお、ぱちんこ遊技機自体は、前側から後側へ傾斜(例えば、前側から後側へ向かって下る1度の傾斜)するように遊技島に設置されるため、遊技釘の角度は、遊技島に設置された状態では、ぱちんこ遊技機自体の前側から後側への傾斜の角度と同じ角度となるが、ぱちんこ遊技機が遊技島に設置された状態で水平となるように、予めぱちんこ遊技機が遊技島に設置される角度とは反対の角度で遊技盤D35に遊技釘を打ち込んでいてもよい。
庇部D38-1と、遊技釘との突出長さ(遊技盤D35から透明板D16方向に向かって突出する長さ)は、図40の(b)では同じ突出長さになっているが、遊技釘の方が庇部D38-1よりも突出長さを長く構成しても良いし、庇部D38-1の方が遊技釘よりも突出長さを長く構成しても良い。遊技釘と透明板D16との距離が、遊技球の直径よりも短くなるように構成するとともに、庇部D38-1と透明板D16との距離が、遊技球の直径よりも短くなるように構成してあればよい。このように構成することによって、遊技球が遊技釘と透明板D16との間及び庇部D38-1と透明板D16との間を通過不可能とする一方、後述するように遊技球がビスと透明板D16との間を通過可能とすることにより、意図した流路を遊技球が流下するよう構成することが可能となっている。
また、図40の(a)に示すように、センター飾りD38の正面視の左領域(第三領域)に流路(特定部)D38-2が設けられており、さらに、センター飾りD38の正面視の下領域に、流路(特定部)D38-2から流下してきた遊技球が左右に転動する部位であって、その後に第1主遊技始動口A10への入球するように落下させる転動部D38-3が設けられている。詳細には、流路D38-2は、転動部D38-3の左横であって、転動部D38-3よりも上側に位置しており、センター飾りD38の左領域に設けられたワープ入り口WPから入球した遊技球を転動部D38-3に流下させる流路となっている。流路D38-2の下面は、庇部D38-1のようにぱちんこ遊技機の後側から前側へ向かって下がるような傾斜となっておらず、ぱちんこ遊技機を遊技島に設置せずに自立させた状態で、水平(ぱちんこ遊技機の外枠D12の上面、下面と並行であり、遊技盤D35に対して90度である。Z方向+側のZ軸の傾斜が0度である。つまり、Z方向+側のZ軸がZ軸とY軸の交点からY方向+やY方向-のY軸に向けて変位していない。)になるように形成されている。なお、ぱちんこ遊技機自体は、前側から後側へ傾斜(例えば、前側から後側へ向かって下る1度の傾斜。)するように遊技島に設置されるため、流路D38-2の下面は、遊技島に設置された状態では、ぱちんこ遊技機自体の前側から後側への傾斜の角度と同じ傾斜の角度となるが、流路D38-2の下面を、ぱちんこ遊技機が遊技島に設置された状態で水平となるように、予めぱちんこ遊技機が遊技島に設置される傾斜の角度とは反対の傾斜の角度である後側から前側へ向かって下がるような傾斜となるように構成してもよい。なお、流路D38-2の下面は、正面視においてX軸が左側から右側へ向かって下がるような傾斜になっている。
また、センター飾りD38の正面視の右領域に流路D38-4が設けられている。流路D38-4は、転動部D38-3の右横であって、転動部D38-3よりも上側に位置しており、センター飾りD38の左領域に設けられたワープ入り口WPから入球した遊技球が転動部D38-3に流下した後に流下する流路となっている。流路D38-4の下面は、庇部D38-1のようにぱちんこ遊技機の後側から前側へ向かって下がるような傾斜となっておらず、ぱちんこ遊技機を遊技島に設置せずに自立させた状態で、水平(ぱちんこ遊技機の外枠D12の上面、下面と並行であり、遊技盤D35に対して90度である。Z方向+側のZ軸の傾斜が0度である。つまり、Z方向+側のZ軸がZ軸とY軸の交点からY方向+やY方向-のY軸に向けて変位していない。)になるように形成されている。なお、ぱちんこ遊技機自体は、前側から後側へ傾斜(例えば、前側から後側へ向かって下る1度の傾斜。)するように遊技島に設置されるため、流路D38-4の下面は、遊技島に設置された状態では、ぱちんこ遊技機自体の前側から後側への傾斜の角度と同じ傾斜の角度となるが、流路D38-4の下面を、ぱちんこ遊技機が遊技島に設置された状態で水平となるように、予めぱちんこ遊技機が遊技島に設置される傾斜の角度とは反対の傾斜の角度である後側から前側へ向かって下がるような傾斜となるように構成してもよい。なお、流路D38-4の下面は、正面視においてX軸が右側から左側へ向かって下がるような傾斜になっている。
また、流路(特定部)D38-2の下面を、ぱちんこ遊技機が遊技島に設置された状態で後側から前側へ向かって下がるような傾斜面(例えば、後側から前側に向かって下る1度の傾斜の角度)となるように構成してもよい。つまり、転動部D38-3の横であって、転動部D38-3よりも上側の位置に遊技球の流路としての流路(特定部)D38-2を設け、この流路D38-2の傾斜面(下面)の角度(例えば、1度)を、庇部D38-1の傾斜面の角度(例えば、5度)よりも小さく構成(庇部D38-1の傾斜面の角度は、流路D38-2の傾斜面の角度よりも大きく構成)する。このように構成することによって、転動部D38-3の左横に位置する流路D38-2については、庇部D38-1よりも傾斜面の角度を小さくすることにより、遊技球が手前に落ちにくくなり、転動部上に遊技球が滞留する機会を増加させることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
なお、遊技釘や流路D38-2のような庇部D38-1の傾斜面の角度よりも、後側から前側へ向かって下がるような傾斜面の角度が小さく構成される傾斜面は、発射レールの一部の傾斜面又は全部の傾斜面、前後にスライドするシャッタ(蓋)を有する大入賞口(第1大入賞口C10、第2大入賞口C20)の上面(大入賞口回りの遊技球が転動く可能な場所)の傾斜面、遊技領域D30の最下部の傾斜面(例えば、アウト口D36の底部の傾斜面)等がある。
また、庇部D38-1の近傍であって、遊技釘1の右側には、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれる部品であって、センター飾りD38を取り付けるビスBS1が設けられている。さらに、第一領域を流下した遊技球が流下する第二領域であって、球戻り防止部材D39(防止片D39-1)の近傍には、遊技釘2と、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれる部品であって、センター飾りD38を取り付けるビスBS2とが設けられている。また、第二領域には、球戻り防止部材D39と、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれる部品であって、球戻り防止部材D39を取り付けるビスBS3とが設けられている。そして、庇部D38-1は、図40の(a)で示したビスBS1付近を頂点として左側及び右側に傾斜するように構成されている。遊技領域D30の第一領域を目標に遊技球が発射された場合において、遊技領域D30に発射された遊技球は、左側の左打ち領域または右打ち領域に流下するようになっている。左打ち領域に流下した場合、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれる部品であって、センター飾りD38を取り付けるビスBS1、ビスBS2等の上(Z軸のZ方向+の方向、つまり、遊技者から見て手前方向を上と称している)を流下、又は、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれる部品であって、球戻り防止部材D39を取り付けるビスBS3上を流下する。一方、右打ち領域に流下した場合、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれる部品であって、センター飾りD38を取り付けるビスBS11等の上を流下する。
次に、図41の遊技盤D35の断面図を参照しながら、遊技球、ビス、遊技釘の長さについて説明する。ここで、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれる部品であって、遊技部品を取り付けるビスBS1乃至BS16等は、図41の(a)に示すように、ビスの長手方向の長さ(全長)をAmmとなるように構成している。また、遊技球の長さ(直径)をBmm(詳細には11mm)、遊技釘の長手方向の長さ(全長)をDmm(詳細には27mm)、遊技盤D35の前面から透明板D16の後面までの長さ(距離)をEmm(詳細には19mm)、遊技盤D35(詳細には、遊技板)の長さ(厚さ)をFmmとなるように構成している。このようにビス等の長さを構成した場合、E-A=Cと表す。
図41の(b)に示すように、遊技盤D35に埋もれておらず突き出ている遊技釘の長さをD1、遊技盤D35に埋もれている(植設されている)遊技釘の長さをD2とする。詳細には、遊技釘の長手方向の長さ(全長)であるDは27mm、D1は18mm、D2は9mmとなっており、遊技釘の長手方向の長さ(全長)の所定の割合である1/3の長さ(9mm)が遊技盤D35に埋もれている。そして、遊技釘が正常に遊技盤D35に打ち込まれて設置されている状況では、D1の18mmが遊技盤D35から突出している。つまり、遊技釘の全長27mmの2/3である18mm以上が遊技盤D35から突き出ていることになる。また、遊技釘が正常に遊技盤D35に打ち込まれ設置されている状況において、遊技盤D35から透明板D16までの長さ(距離)であるE(19mm)から遊技盤D35に埋もれておらず突き出ている遊技釘の長さであるD1(18mm)を減算した値(長さ)であるG(1mm)は、遊技球の直径であるB(11mm)よりも短くなるように構成されている。
遊技釘の長手方向の長さD(D1であってもよい)は、ビスの長手方向の長さAよりも長くなるように構成している。換言すると、ビスの長手方向の長さAは、遊技釘の長手方向の長さD(D1であってもよい)よりも短くなるように構成している。さらに、遊技盤D35の遊技領域D30に設置されたビスの本数は、遊技盤D35の遊技領域D30に設置された遊技釘の本数よりも少なくなるように構成している。さらに、遊技釘が遊技盤D35に打ち込まれている状態において、遊技釘の先端と透明板D16との距離である図41の(a)で示すGの長さが、遊技球の直径であるBよりも短くなるように構成(遊技釘と透明板D16との距離Gよりも遊技球の直径Bの方が長い構成)している。このように構成することによって、遊技球が遊技釘と透明板D16との間を通過不可能とする一方、遊技球がビスと透明板D16との間を通過可能とすることにより、意図した遊技球の流路を設計することが可能となる。
図41の(b)に示すように、遊技球が、遊技盤面上のビスBS1~BS16等が止められている位置である遊技部品の取付位置を流下し得るように構成されている。例えば、遊技領域D30の第一領域を目標に遊技球が発射された場合において、遊技領域D30に発射された遊技球は、左側の左打ち領域または右打ち領域に流下するようになっている。左打ち領域に流下した場合、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれる部品であって、センター飾りD38を取り付けるビスBS1、ビスBS2等の上や、球戻り防止部材D39を取り付けるビスBS3の上を流下する。一方、右打ち領域に流下した場合、遊技領域D30の遊技球の流路上にねじ込まれる部品であって、センター飾りD38を取り付けるビスBS11等の上を流下する。そして、流下する遊技球が、遊技盤D35に遊技部品(センター飾りD38、球戻り防止部材D39等)を取り付けているビスBS1、ビスBS2、ビスBS3、ビスBS11等に衝突や当接することによってビスが緩んでしまう場合がある。こうして、ビスが緩んでしまいビスが遊技部品から外れずにビスが緩んだ状態であると、ビスの緩んだ部位で遊技球が重なりあって遊技球の流下を妨げる状態、所謂ぶどうと呼ばれる状態となってしまい、遊技者が遊技をできない状態になってしまうという問題が生じる。そして、遊技者により遊技ができなくなってしまうと、遊技者の遊技の興趣を損なってしまうという問題も生じてくる。
このような問題を解決するために、遊技釘の長手方向の長さの所定の割合である1/3の長さである第一の長さが遊技盤D35に植設されており、ビスの長手方向の長さであるAの所定の割合(遊技釘が植設されている割合と同一の割合)である1/3の長さである第二の長さとしての1/3×Aが遊技盤内にねじ込まれた状態(螺入した状態)であって、ビスの第三の長さとしての2/3×Aが遊技盤D35に対して突出且つ自立(以下、突出状態という)している図41の(c)の突出状態において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、第三の長さである2/3×Aを減算した値としてのC3=E-2/3×Aが、遊技球の直径であるB以上となるように構成されている。なお、ビスの長手方向の長さ(全長)をAとしたが、ビスの全長はピッチであらわすと15ピッチであり、ビスの長手方向の長さであるAの2/3の部位が遊技盤D35から突出している図41の(c)の状態を10ピッチの突出状態となる。なお、1/3の長さが遊技盤D35にねじ込まれている所定のビスと遊技釘とを比較する場合、所定のビスと当該所定のビスの最も近傍に設けられた遊技釘とで比較してもよい。
また、ビスの長手方向の長さであるAの半分の部位が遊技盤D35にねじ込まれた状態(螺入した状態)であって、ビスの長手方向の長さであるAの半分の部位が遊技盤D35に対して突出且つ自立した突出状態において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、ビスの長手方向の長さAの半分の長さである1/2×Aを減算した値であるC2=E-1/2×Aが、遊技球の直径であるB以上となるように構成されている。なお、ビスの長手方向の長さ(全長)をAとしたが、ビスの全長はピッチであらわすと15ピッチであり、ビスの長手方向の長さであるAの半分の部位が遊技盤D35から突出している状態を8ピッチの突出状態としてもよい。
このように構成することにより、遊技部品を遊技盤D35に取り付けているビスが自立可能な状態のぎりぎりまで緩んでしまった場合においても、突出したビスの先端から透明板D16までの距離を遊技球の直径よりも大きく(長く)構成することにより、遊技球は遊技盤の遊技領域D30を流下(通過)することができるため、遊技ができない状態となることがないので、遊技者の興趣の低下を防止することが可能となる。なお、ビスは、ビスBS1~BS16を対象としているが、特に、庇部D38-1の近傍に設けられたビスBS1、球戻り防止部材D39(防止片D39-1)の近傍に設けられたビスBS2、球戻り防止部材D39を取り付けるために設けられたビスBS3、センター飾りD38を取り付けるために設けられたビスBS11が緩んでしまった場合において有効である。
庇部D38-1の近傍に設けられたビスBS1に対しては、庇部D38-1の傾斜面によって、透明板D16側に遊技球が流下するため、ビスBS1と透明板D16との間を確実に遊技球が流下できるので、緩んだビスによって遊技球の流下を妨げない構造としている。また、球戻り防止部材D39(防止片D39-1)の近傍に設けられたビスBS2、球戻り防止部材D39を取り付けるために設けられたビスBS3に対しては、左打ちした遊技球が通過する領域となっているため、緩んだビスによって遊技球の流下を妨げない構造としている。また、センター飾りD38を取り付けるために設けられたビスBS11に対しては、右打ちした遊技球が必ず通過する領域となっているため、緩んだビスによって遊技球の流下を妨げない構造としている。
ここで、ビスの種類は複数あり、取り付ける遊技部品や取付位置に応じて長さが異なるように構成されている。そして、使用する遊技部品や取付位置に対応したビスを用いて、遊技部品を取り付けるように構成されている。例えば、以下、7種類のビス(ビス1~7)を用いるように構成されており、ビス1~7の長さAは、以下の長さに構成されている。また、Cの長さ、A+Bの長さ、AとBとの関係、BとCとの関係も以下に示す。
(ビス1)A=10.2mm、C=8.8mm、A+C=19mm、A≦B、C≦B
(ビス2)A=10.1mm、C=8.9mm、A+C=19mm、A≦B、C≦B
(ビス3)A=7.6mm、C=11.4mm、A+C=19mm、A≦B、C≧B
(ビス4)A=12.4mm、C=6.6mm、A+C=19mm、A≧B、C≦B
(ビス5)A=8.4mm、C=10.6mm、A+C=19mm、A≦B、C≦B
(ビス6)A=9.4mm、C=9.6mm、A+C=19mm、A≦B、C≦B
(ビス7)A=10.3mm、C=8.7mm、A+C=19mm、A≦B、C≦B
ビスの長さAと遊技球の直径Bとの関係は、基本的には、A≦Bとなるが、A≧Bの関係を充足するビス(例えば、ビス4)を少なくとも1個有しており、そのようなビスを使用して遊技部品を取り付けている。そして、A≦Bの関係を充足するビスの方が、A≧Bの関係を充足するビスよりも多く使用している。また、遊技球の直径BとCとの関係は、基本的には、C≦Bとなるが、C≧Bの関係を充足するビス(例えば、ビス3)を少なくとも1個有しており、そのようなビスを使用して遊技部品を取り付けている。そして、C≦Bの関係を充足するビスの方が、C≧Bの関係を充足するビスよりも多く使用している。なお、遊技盤D35で使用されているビスの本数(72本)は、遊技盤D35で使用されている遊技釘の本数(182本)よりも少なく、ビスの長さAは遊技釘の長さDよりも短く構成されている。
次に、上述した7種類のビスの長手方向の長さであるAの半分の部位が遊技盤D35にねじ込まれた状態であって、ビスの長手方向の長さであるAの半分の部位が遊技盤D35に対して突出且つ自立した突出状態において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、ビスの長手方向の長さAの半分の長さである1/2×Aを減算した値であるC2の長さと、1/2×A+C2の長さと、1/2×AとBとの関係と、BとC2との関係とを以下に示す。
(ビス1)1/2×A=5.1mm、C2=13.9mm、1/2×A+C2=19mm、1/2×A≦B、C2≧B
(ビス2)1/2×A=5.1mm、C2=13.9mm、1/2×A+C2=19mm、1/2×A≦B、C2≧B
(ビス3)1/2×A=3.8mm、C2=15.2mm、1/2×A+C2=19mm、1/2×A≦B、C2≧B
(ビス4)1/2×A=6.2mm、C2=12.8mm、1/2×A+C2=19mm、1/2×A≦B、C2≧B
(ビス5)1/2×A=4.2mm、C2=14.8mm、1/2×A+C2=19mm、1/2×A≦B、C2≧B
(ビス6)1/2×A=4.7mm、C2=14.3mm、1/2×A+C2=19mm、1/2×A≦B、C2≧B
(ビス7)1/2×A=5.2mm、C2=13.8mm、1/2×A+C2=19mm、1/2×A≦B、C2≧B
1/2×A≦Bとなるように構成すること、つまり、ビスが半分緩んでしまった場合であっても、遊技球の直径がビスの半分の長さよりも長いため、遊技球の流下がビスによって止められることがないので、所謂ぶどうと呼ばれる状態となることもなく遊技球が遊技領域D30を流下(通過)することができるため、遊技者が遊技をできない状態になってしまうという問題を回避することができる。また、C2≧Bとなるように構成すること、つまり、ビスが半分緩んでしまった場合においても、ビスからガラス板までの距離が遊技球の直径よりも長くなるように構成することによって、遊技球の流下がビスによって止められることがないので、所謂ぶどうと呼ばれる状態となることもなく遊技球が遊技領域D30を流下(通過)することができるため、遊技者が遊技をできない状態になってしまうという問題を回避することができる。
次に、上述した7種類のビスの長手方向の長さであるAの1/3の部位が遊技盤D35にねじ込まれた状態であって、ビスの長手方向の長さであるAの2/3の部位が遊技盤D35に対して突出且つ自立した突出状態において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、ビスの長手方向の長さAの2/3の長さである2/3×Aを減算した値であるC3の長さと、2/3×A+C3の長さと、2/3×AとBとの関係と、BとC3との関係とを以下に示す。
(ビス1)2/3×A=6.8mm、C3=12.2mm、2/3×A+C=19mm、2/3×A≦B、C3≧B
(ビス2)2/3×A=6.7mm、C3=12.3mm、2/3×A+C=19mm、2/3×A≦B、C3≧B
(ビス3)2/3×A=5.1mm、C3=13.9mm、2/3×A+C=19mm、2/3×A≦B、C3≧B
(ビス4)2/3×A=8.3mm、C3=10.7mm、2/3×A+C=19mm、2/3×A≦B、C3≦B
(ビス5)2/3×A=5.6mm、C3=13.4mm、2/3×A+C=19mm、2/3×A≦B、C3≧B
(ビス6)2/3×A=6.3mm、C3=12.7mm、2/3×A+C=19mm、2/3×A≦B、C3≧B
(ビス7)2/3×A=6.9mm、C3=12.1mm、2/3×A+C=19mm、2/3×A≦B、C3≧B
2/3×A≦Bとなるように構成すること、つまり、ビスが自立できるぎりぎりの状態であっても、遊技球の直径がビスの2/3の長さよりも長いため、遊技球の流下がビスによって止められ難くなり、所謂ぶどうと呼ばれる状態とならずに遊技球が遊技領域D30を流下(通過)することができるため、遊技者が遊技をできない状態になってしまうという問題を回避することができる。また、ビス4以外のビスにおいて、C3≧Bとなるように構成すること、つまり、ビスの2/3の長さが緩んでしまった場合においても、ビスからガラス板までの距離が遊技球の直径よりも長くなるように構成することによって、遊技球の流下がビスによって止められ難くなり、所謂ぶどうと呼ばれる状態とならずに遊技球が遊技領域D30を流下(通過)することができるため、遊技者が遊技をできない状態になってしまうという問題を回避することができる。
なお、遊技領域D30の中心より右側の右打ち領域の方が、遊技領域D30の中心より左側の左打ち領域よりもビスの本数を多く使用するように構成している。これは、右打ち領域の方が遊技部品の数が多く、さらに、右打ち領域に発射された遊技球の勢いが非常に強いため遊技部品のビスに接触や当接することにより、ビスが緩みやすくなっているので、このように構成することによって、右打ち領域の遊技部品をより強固に遊技盤D35に取り付けることが可能となる。なお、右打ち領域の方が、左打ち領域よりもビスの本数を少なく使用するように構成してもよい。さらに、右打ち領域の方が、左打ち領域よりも遊技釘の本数を少なく使用するように構成しているが、右打ち領域の方が、左打ち領域よりも遊技釘の本数を多く使用するように構成してもよい。
また、右打ち領域の方が、左打ち領域よりもビスの本数を多く使用する一方、右打ち領域の方が、左打ち領域よりも遊技釘の本数を少なく使用する構成としても良い。また、右打ち領域の方が、左打ち領域よりもビスの本数を多く使用するとともに、右打ち領域の方が、左打ち領域よりも遊技釘の本数も多く使用する構成としても良い。また、右打ち領域の方が、左打ち領域よりもビスの本数を少なく使用する一方、右打ち領域の方が、左打ち領域よりも遊技釘の本数を多く使用する構成としても良い。また、右打ち領域の方が、左打ち領域よりもビスの本数を少なく使用するとともに、右打ち領域の方が、左打ち領域よりも遊技釘の本数も少なく使用する構成としても良い。
また、右打ち領域のビスの長手方向の長さが、左打ち領域のビスの長手方向の長さよりも長くなるように構成している(右打ち領域の複数のビスの長手方向の長さの平均が左打ち領域の複数のビスの長手方向の長さの平均よりも長くなるよう構成してもよいし、右打ち領域の所定のビスの長手方向の長さが左打ち領域の特定のビスの長手方向の長さよりも長くなるよう構成してもよい)。これは、右打ち領域に発射された遊技球の勢いが非常に強いため遊技部品のビスに接触や当接することにより、ビスが緩みやすくなっているので、このように構成することによって、右打ち領域の遊技部品をより強固に遊技盤D35に取り付けることが可能となる。さらに、前述したように右打ち領域の方が、左打ち領域よりもビスの本数を多く使用するように構成することで、さらに、右打ち領域の遊技部品をより強固に遊技盤D35に取り付けることが可能となる。なお、右打ち領域の方が、左打ち領域よりもビスの長手方向の長さを長くするように構成してもよい。
また、ビスには左ビスと右ビスがあるが、特に、ビスBS1~BS3、BS11については、時計回りにビスを回すとZ方向の後側の方向(Z軸のZ方向-の方向)に進む右ビスを用いることが好適である。なお、その他の位置に設けられるビスにおいても右ビスを用いても良い。このように適切な場所の遊技部品を遊技盤に取り付ける際に右ビスを用いることによって、遊技領域に発射された遊技球がビスにぶつかった場合に、時計周りの方向に力が加わりやすく、ビスが閉まる方向であるため、遊技中にビスが緩みにくくすることができる。
次に、図42を参照しながら、ぱちんこ遊技機の遊技盤D35における球戻り防止部材D39を説明する。図42に示すように、遊技盤D35には、外レールD32と内レールD34とにより区画された遊技領域D30が形成されている。また、遊技盤D35には、外レールD32の一部と内レールD34の一部とにより区画された案内レールD33が形成されている。なお、発射レールと、外レールD32の一部と、内レールD34の一部とによって、案内レールD33を形成してもよい。そして、遊技領域D30に流入した遊技球が案内レール内に戻ることを防止する防止片D39-1を備えた球戻り防止部材D39が、案内レールD33の出口近傍に設けられている。詳細には、内レールD34の先端に球戻り防止部材D39が設けられている。
防止片D39-1は、ベースD39-2に揺動可能に取り付けられており、図42の(a)に示すように、遊技領域D30に流入した遊技球が案内レール内に戻ることを防止する第二位置(初期位置)と、遊技領域D30に発射された遊技球を案内可能な第一位置(案内位置)との間で揺動可能となっている。なお、防止片D39-1は、初期位置から右側に揺動して案内位置へ揺動するが、初期位置から左側へは揺動せず規制されるように構成されている。つまり、初期位置から左側に揺動しないため、遊技領域へ案内された遊技球が案内レールへ戻ってくることを防止することができる構造となっている。
また、図42の(a)に示すように、防止片D39-1が初期位置にいる状態において、防止片D39-1は、上方向(略垂直方向)を向いており、先端が左上に向かって傾斜(左上から右下への傾斜)し、先端が鋭角な形状となっている。防止片D39-1の先端を左上に向かって傾斜するように形成することにより、図42の(b)に示すように、防止片D39-1の上側に遊技球が滞留しないようになっている。また、ベースD39-2は、図42の(c)に示すように、防止片D39-1の右側に遊技球が滞留しないように、防止片D39-1の右側の部位を丸く形成している。つまり、防止片D39-1が初期位置にいる状態においては、防止片D39-1が上方向に向いており、防止片D39-1の上側においても、防止片D39-1の右側においても遊技球が滞留しないように構成されている。
また、図42の(b)に示すように、防止片D39-1が初期位置にいる状態において、防止片D39-1の先端から外レールD32までの距離をLとする。そして、Lが、遊技球の直径であるBよりも小さく(L<B)なるように防止片D39-1をベースD39-2に取り付けている。このように構成することによって、防止片D39-1が初期位置にいる状態において、防止片D39-1の上側を遊技球が通過できないため、遊技領域D30へ案内された遊技球が案内レールD33へ戻ってくることを防止することができる。なお、図42の(b)は、防止片D39-1の左側の面から延長した線(図の一点鎖線)を引き、外レールD32との交点までの距離をLとしているが、防止片D39-1の先端から外レールD32までの距離が、最も短くなる距離をLとするのが好適である。
また、図42の(d)に示すように、防止片D39-1が初期位置にいる状態において、防止片D39-1の先端を右側(遊技領域側)に突出するように形成(突出部を形成)してもよい。このように構成することで、防止片D39-1の右側に位置する遊技釘に遊技球が衝突して防止片D39-1に向かって跳ね返ってきたとしても、突出部によって遊技球が案内レールへ戻ってくることを防止することができる。
ここで、従来の球戻り防止部材を遊技領域に設けた状態において、発射された遊技球が一旦遊技領域に流入した後に案内レール側へ逆流してしまう事態が生じたり、発射された遊技球が遊技領域に流入した際に、球戻り防止部材の先端で遊技球が滞留してしまう事態が生じたりして、以降に発射された遊技球の遊技領域への流入及び遊技の進行を妨げてしまう為、遊技者の遊技の興趣を損なう一因となってしまう。
このような問題を解決するために、遊技球が流下可能な遊技領域D30が設けられた遊技盤D35と、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(発射装置D42)と、発射手段によって発射された遊技球を遊技領域D30に案内する案内レールと、案内レールの出口近傍に設けられ、遊技領域D30に流入した遊技球が案内レール内に戻ることを防止する防止片D39-1とを備え、防止片は、発射された遊技球を遊技領域に案内可能な第一位置と、遊技領域に流入した遊技球が案内レール内に戻ることを防止する第二位置に変位可能であり、防止片が第二位置に位置している状態においては、防止片が上方向に向いており、防止片の右側に遊技球が滞留しないように構成されている。
このように構成することにより、発射された遊技球が一旦遊技領域に流入した後に案内レール側へ逆流することを防止しつつ、遊技球が遊技領域に滞留することも防止できる。
また、防止片D39-1の右側にビスBS1乃至3が設けられている。そして、このビスBS1乃至3が緩んでしまった場合を想定して対策を以下のように構成する。ビスBS1乃至3の長手方向の長さであるAの所定の割合である1/3の長さである第二の長さとしての1/3×Aが遊技盤内にねじ込まれた状態であって、ビスの第三の長さとしての2/3×Aが遊技盤D35に対して突出状態である場合において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、第三の長さである2/3×Aを減算した値としてのC3=E-2/3×Aが、遊技球の直径であるB以上となるように構成する。
また、ビスBS1乃至3が緩んでしまった場合のうち、ビスの長さの半分が緩んでしまった場合を想定した対策を以下のように構成する。ビスの長手方向の長さであるAの半分の長さが遊技盤D35にねじ込まれた状態であって、ビスが遊技盤D35に対して1/2×Aの突出状態である場合において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、ビスの長手方向の長さAの半分の長さである1/2×Aを減算した値としてのC2=E-1/2×Aが、遊技球の直径であるB以上となるように構成する。
このように構成することにより、遊技部品を遊技盤D35に取り付けているビスが自立可能な状態で緩んでしまった場合においても、突出したビスの先端から透明板D16までの距離を遊技球の直径よりも大きく(長く)構成することにより、遊技球は遊技盤の遊技領域D30を流下(通過)することができるため、遊技ができない状態となることがないので、遊技者の興趣の低下を防止することが可能となる。
次に、遊技盤D35に取り付けられた第1主遊技始動口A10の側面図である図43を参照しながら、第1主遊技始動口A10の入口に対する第1主遊技始動口入球検出装置A11sの取付位置について説明する。
図43の(a)は、第1主遊技始動口A10の入口から、第1主遊技始動口A10の内部を覗いた場合に、入球センサである第1主遊技始動口入球検出装置A11sが視認不可能な位置にあることを示す図である。なお、以下に第1主遊技始動口A10の例を示すが、その他の入賞口においても適用可能である。
まず、第1主遊技始動口A10は、遊技領域D30を流下する遊技球が入球可能な入口と、入口よりも下流であって入口から入球した遊技球が下方向に流下する流路(案内流路)である流路1と、流路1の下流の曲り角1で後方向に曲がる流路であって、遊技球が後方向に流下する流路(案内流路)である流路2と、流路2の下流の曲り角2で下方向に曲がる流路であって、遊技球が下方向に流下する流路(案内流路)である流路3と、流路3に取り付けられた第1主遊技始動口入球検出装置A11sと、を備えるように構成されている。なお、流路2について、図では水平な流路になっているが、前方向から後方向に下り傾斜になっている流路であることが好ましい。
流路1は、前面1である前側の案内流路構成部と、後面1である後側の案内流路構成部と、左側面である左側の案内流路構成部と、右側面である右側の案内流路構成部と、下面である下側の案内流路構成部と、から構成されている。なお、流路1は、遊技球が流下可能であれば良く、いずれかの面(案内流路構成部)が存在しない流路であっても良いし、矩形ではなく円形や楕円形の流路であっても良い。円形や楕円形の流路の場合は、円弧状の案内流路構成部である、前側、後側、左側、右側、下側の案内流路構成部から構成される。また、流路1は入口を含んで一の部材で構成されているが、複数の部材から構成されていても良い。
流路2は、前面1である前側の案内流路構成部と、後面2である後側の案内流路構成部と、左面である左側の案内流路構成部と、右面である右側の案内流路構成部と、上面である上側の案内流路構成部と、下面である下側の案内流路構成部と、から構成されている。なお、流路2は、遊技球が流下可能であれば良く、いずれかの面(案内流路構成部)が存在しない流路であっても良いし、矩形ではなく円形や楕円形の流路であっても良い。円形や楕円形の流路の場合は、円弧状の案内流路構成部である、前側、後側、左側、右側、上側、下側の案内流路構成部から構成される。また、流路2は、流路1と別体に構成されているが、流路1と一体に構成されていても良い。また、流路2は一の部材で構成されているが、複数の部材から構成されていても良い。
流路3は、前面2である前側の案内流路構成部と、後面2である後側の案内流路構成部と、左面である左側の案内流路構成部と、右面である右側の案内流路構成部と、上面である上側の案内流路構成部と、から構成されている。なお、流路3は、遊技球が流下可能であれば良く、いずれかの面(案内流路構成部)が存在しない流路であっても良いし、矩形ではなく円形や楕円形の流路であっても良い。円形や楕円形の流路の場合は、円弧状の案内流路構成部である、前側、後側、左側、右側、上側の案内流路構成部から構成される。また、流路3は、流路2と別体に構成されているが、流路2と一体に構成されていても良い。また、流路3は一の部材で構成されているが、複数の部材から構成されていても良い。さらに、流路1~3を一体に構成しても良いし、流路1~3を複数の部材で構成しても良い。
ここで、第1主遊技始動口A10の入口の任意の箇所と、第1主遊技始動口入球検出装置A11sの任意の箇所とを直線(図の2点鎖線1~3)で結ぶ。なお、第1主遊技始動口A10の入口の任意の箇所について、図43の(a)では、入口の最も前方向の位置を例示しているが、この位置に限定されず、入口を構成する面(換言すると、遊技球が通過可能な空間によって構成される面)のいずれの位置であって良い。また、第1主遊技始動口入球検出装置A11sの任意の箇所について、図43の(a)では、第1主遊技始動口入球検出装置A11sの上面の最も前方向の位置(2点鎖線1)と、最も後方向の位置(2点鎖線2)と、最も前方向と最も後方向との間(2点鎖線3)とを例示しているが、これらの位置に限定されず、第1主遊技始動口入球検出装置A11sの入口方向にある面のいずれの位置であっても良い。
そして、図43の(a)の2点鎖線1に沿って遊技者が第1主遊技始動口A10の入口から内部を覗いても、第1主遊技始動口A10の入口から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでに設けられる下側の案内流路構成部(下面)によって第1主遊技始動口入球検出装置A11sが視認不可能になっている。また、2点鎖線2に沿って遊技者が第1主遊技始動口A10の入口から内部を覗いても、第1主遊技始動口A10の入口から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでに設けられる後側の案内流路構成部(後面1)によって第1主遊技始動口入球検出装置A11sが視認不可能になっている。さらに、2点鎖線3に沿って遊技者が第1主遊技始動口A10の入口から内部を覗いても、第1主遊技始動口A10の入口から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでに設けられる下側の案内流路構成部(下面)によって第1主遊技始動口入球検出装置A11sが視認不可能になっている。このように、第1主遊技始動口A10の入口の任意の箇所と、第1主遊技始動口入球検出装置A11sの任意の箇所とを結んだ直線は、どのように直線を引いた場合においても、流路1、流路2及び流路3のいずれかの案内流路構成部とぶつかるようになっているため、第1主遊技始動口A10の入口から、第1主遊技始動口A10の内部を覗いた場合に、入球センサである第1主遊技始動口入球検出装置A11sが遊技者から視認不可能な位置にあるように構成されている。
ここで、第1主遊技始動口A10の入口の任意の箇所と、第1主遊技始動口入球検出装置A11sの任意の箇所とを結んだ直線ではないが、第1主遊技始動口A10の入口の最も後方向の箇所(後面1の位置)と、流路1を構成する後面1と流路2を構成する上面との交点の箇所とを直線(図43の2点鎖線4)で結び、2点鎖線4に沿って遊技者が第1主遊技始動口A10の入口から内部を覗いても、第1主遊技始動口A10の入口から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでに設けられる下側の案内流路構成部(下面)によって第1主遊技始動口入球検出装置A11sが視認不可能になっている。
なお、2点鎖線4は、第1主遊技始動口A10の入口の最も後方向の位置から下方向に覗き込む場合の線を示しているが、入口の位置はこの位置に限定されず、入口を構成する面(換言すると、遊技球が通過可能な空間によって構成される面)のいずれの位置であって良く、2点鎖線4は、その入口の位置から下方向に覗き込む場合の線であれば良い。
ここで、第1主遊技始動口A10を遊技盤D35に取り付けた状態であって、第1主遊技始動口A10を通過した遊技球を検出する第1主遊技始動口入球検出装置A11sが遊技者から視認可能な位置に取り付けられた状態であると、釣り糸を取り付けた遊技球を発射させて、第1主遊技始動口A10への不正な入球によって賞球を得たり、特別遊技を狙ったりする不正行為がなされてしまい遊技場において問題となってしまう。
このような問題を解決するために、遊技球が流下可能な遊技領域D30が設けられた遊技盤D35と、遊技盤D35の前面に設けられた透明板D16と、遊技盤D35に植設された複数の遊技釘と、遊技盤D35の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な第1主遊技始動口A10と、遊技球の流路上に設けられ、第1主遊技始動口A10を遊技盤に螺設する所定の螺子と、第1主遊技始動口A10に入球した遊技球が流下可能な案内流路(流路1~3)と、案内流路(例えば、流路3)の所定位置に設けられ、第1主遊技始動口A10に入球した遊技球を検出可能な第1主遊技始動口入球検出装置A11sとを備え、案内流路には、第1主遊技始動口A10に入球した遊技球を入球方向とは異なる方向に案内する案内流路構成部が設けられ、第1主遊技始動口A10の入口の所定箇所と第1主遊技始動口入球検出装置A11sの所定箇所とを結ぶ直線上に、案内流路を構成する案内流路構成部が介在するよう構成する。
また、第1主遊技始動口A10の入口から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでの流路には、第1主遊技始動口入球検出装置A11sの直前の曲り角2以外に少なくとも1つ曲り角(図43の曲り角1)を有するよう構成している。また、曲り角を2つ設けた流路(流路1、2、3)を例示したが、曲り角を3つ以上設けた流路としても良い。
このように構成することにより、釣り糸を取り付けた遊技球を発射させて、第1主遊技始動口A10への不正な入球によって賞球を得たり、特別遊技を狙ったりする不正行為を防止することができる。
また、2点鎖線1、3、4では、下面(流路2を構成する下側の案内流路構成部)によって第1主遊技始動口入球検出装置A11sが入口から視認不可能になっており、2点鎖線2では、後面1(流路1を構成する後側の案内流路構成部)によって第1主遊技始動口入球検出装置A11sが入口から視認不可能になっている例を示したが、これらの面(案内流路構成部)に限定されず、流路の形状に対応した面(案内流路構成部)によって、第1主遊技始動口入球検出装置A11sが入口から視認不可能になっていれば良い。また、1の面(案内流路構成部)によって第1主遊技始動口入球検出装置A11sが入口から視認不可能となっている例を示したが、2以上の面(案内流路構成部)によって第1主遊技始動口入球検出装置A11sが入口から視認不可能となるように構成しても良い。
次に、図43の(b)は、第1主遊技始動口A10の入口から遊技球が入球し、入球した遊技球が流路1、流路2、流路3を経由して流下し、第1主遊技始動口入球検出装置A11sで遊技球が検出される直前までを示す図である。なお、以下に第1主遊技始動口A10の例を示すが、その他の入賞口においても適用可能である。
図43の(b)に示すように、第1主遊技始動口A10の入口から入球した遊技球は、流路1を下方向に向かって流下する。その後、遊技球は、曲り角1まで流下すると、曲り角1によって後方向に流下し、そのまま流路2を流下する。その後、遊技球は、曲り角2まで流下すると、曲り角2によって下方向に流下し、そのまま流路3を流下する。なお、流路3には、遊技球を通過可能な球入口を有する入球センサである第1主遊技始動口入球検出装置A11sが設けられており、流路3を下方向に流下する遊技球が第1主遊技始動口入球検出装置A11sによって検出されるように構成されている。
ここで、流下する2個の遊技球の流下速度が非常に速くなってしまうような流路の場合、第1主遊技始動口A10の第1主遊技始動口入球検出装置A11sによって、連続して流下してきた2個の遊技球を1個の遊技球として誤検出してしまう場合がある。
このような第1主遊技始動口A10に入球した遊技球の誤検出を解決するために、図43の(b)に示すように、第1主遊技始動口A10の入口から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでの案内流路(流路1~3)における第1主遊技始動口入球検出装置A11sの直前の曲り角2(例えば、流路2から流路3へ曲がる位置)から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでの距離であるKを、遊技球の直径であるB未満となるように構成する。換言すると、第1主遊技始動口入球検出装置A11sに最も近い曲り角である曲り角2の頂点から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでの最短の長さであるKが、遊技球の直径であるBよりも短くなるように、流路3に第1主遊技始動口入球検出装置A11sを設ける。つまり、K<Bの関係になるように、流路3に第1主遊技始動口入球検出装置A11sを配置するよう構成する。
曲り角2の角度(流路2の遊技球の流下方向と流路3の遊技球の流下方向とがなす角度)を直角の例で示したが、鋭角や鈍角でも良く、この場合は、第1主遊技始動口入球検出装置A11sから最も近い鋭角や鈍角の曲り角2の頂点までの最短の長さが、遊技球の直径であるBよりも短く構成されていれば良い。また、円弧状に曲がっていても良く、この場合は、第1主遊技始動口入球検出装置A11sから最も近い円弧状の曲り角2の中点までの最短の長さが、遊技球の直径であるBよりも短く構成されていれば良い。なお、流路3は、流路3の手前の流路である流路2の遊技球の流下方向とは異なる方向(または、異なる角度)に案内する流路であれば良い。
また、曲り角1の角度(流路1の遊技球の流下方向と流路2の遊技球の流下方向とがなす角度)を直角の例で示したが、鋭角や鈍角でも良く、また、円弧状に曲がっていても良い。なお、流路2は、流路2の手前の流路である流路1の遊技球の流下方向(第1主遊技始動口A10に入球する遊技球の入球方向)とは異なる方向(または、異なる角度)に案内する流路であれば良い。
また、第1主遊技始動口入球検出装置A11sの遊技球が入球する入口を構成する面に対面する上面から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでの距離であるJを、遊技球2個分の直径である2×B未満となるように構成する。換言すると、第1主遊技始動口入球検出装置A11sに最も近い曲り角である曲り角2を構成する面(案内流路構成部)であって、第1主遊技始動口入球検出装置A11sの遊技球が入球する入口を構成する面に対面する面である上面から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでの最短の長さであるJが、遊技球2個分の直径である2×B未満となるように、流路3に第1主遊技始動口入球検出装置A11sを設けるよう構成する。つまり、J<2×Bの関係になるように流路3に第1主遊技始動口入球検出装置A11sを配置するよう構成する。
このように構成することにより、流路3の後面2(流路構成部)に突き当たることで、遊技球の勢いがなくなった直後の状態にて第1主遊技始動口入球検出装置A11sで遊技球を検出することができ、遊技球の2個分が1個であると誤検知されることを防止することができる。なお、JやKを長くしすぎると、遊技球が加速して、第1主遊技始動口入球検出装置A11sに到達した時点での速度が速くなってしまい、遊技球の2個分が1個であると誤検知される可能性が増加してしまうことを補足しておく。
図43の(a)、図43の(b)の案内流路(流路1~3)では、流路1は遊技球が下方向に流下する流路、流路2は遊技球が後方向に流下する流路、流路3は遊技球が下方向に流下する流路、となる例を示したが、流路1は遊技球が左方向、右方向、後方向のいずれかの方向に流下する流路であっても良く、流路2は遊技球が下方向、左方向、右方向のいずれかの方向に流下する流路であっても良く、流路3は遊技球が左方向、右方向、後方向のいずれかの方向に流下する流路であっても良い。
例えば、流路1が下方向に流下する流路の場合、流路2、流路3を以下のように構成する。
(1)流路2は後方向に流下する流路、流路3は左方向に流下する流路。
(2)流路2は後方向に流下する流路、流路3は右方向に流下する流路。
(3)流路2は左方向に流下する流路、流路3は下方向に流下する流路。
(4)流路2は左方向に流下する流路、流路3は後方向に流下する流路。
(5)流路2は左方向に流下する流路、流路3は右方向に流下する流路。
(6)流路2は右方向に流下する流路、流路3は下方向に流下する流路。
(7)流路2は右方向に流下する流路、流路3は後方向に流下する流路。
(8)流路2は右方向に流下する流路、流路3は左方向に流下する流路。
例えば、流路1が後方向に流下する流路の場合、流路2、流路3を以下のように構成する。
(1)流路2は下方向に流下する流路、流路3は後方向に流下する流路。
(2)流路2は下方向に流下する流路、流路3は左方向に流下する流路。
(3)流路2は下方向に流下する流路、流路3は右方向に流下する流路。
(4)流路2は左方向に流下する流路、流路3は下方向に流下する流路。
(5)流路2は左方向に流下する流路、流路3は後方向に流下する流路。
(6)流路2は左方向に流下する流路、流路3は右方向に流下する流路。
(7)流路2は右方向に流下する流路、流路3は下方向に流下する流路。
(8)流路2は右方向に流下する流路、流路3は後方向に流下する流路。
(9)流路2は右方向に流下する流路、流路3は左方向に流下する流路。
例えば、流路1が左方向に流下する流路の場合、流路2、流路3を以下のように構成する。
(1)流路2は下方向に流下する流路、流路3は後方向に流下する流路。
(2)流路2は下方向に流下する流路、流路3は左方向に流下する流路。
(3)流路2は下方向に流下する流路、流路3は右方向に流下する流路。
(4)流路2は後方向に流下する流路、流路3は下方向に流下する流路。
(5)流路2は後方向に流下する流路、流路3は左方向に流下する流路。
(6)流路2は後方向に流下する流路、流路3は右方向に流下する流路。
(7)流路2は右方向に流下する流路、流路3は下方向に流下する流路。
(8)流路2は右方向に流下する流路、流路3は後方向に流下する流路。
(9)流路2は右方向に流下する流路、流路3は左方向に流下する流路。
例えば、流路1が右方向に流下する流路の場合、流路2、流路3を以下のように構成する。
(1)流路2は下方向に流下する流路、流路3は後方向に流下する流路。
(2)流路2は下方向に流下する流路、流路3は左方向に流下する流路。
(3)流路2は下方向に流下する流路、流路3は右方向に流下する流路。
(4)流路2は後方向に流下する流路、流路3は下方向に流下する流路。
(5)流路2は後方向に流下する流路、流路3は左方向に流下する流路。
(6)流路2は後方向に流下する流路、流路3は右方向に流下する流路。
(7)流路2は左方向に流下する流路、流路3は下方向に流下する流路。
(8)流路2は左方向に流下する流路、流路3は後方向に流下する流路。
(9)流路2は左方向に流下する流路、流路3は右方向に流下する流路。
このような流路1、流路2、流路3を構成した場合であっても、図43の(b)に示すように、第1主遊技始動口A10の入口から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでの案内流路(流路1~3)における第1主遊技始動口入球検出装置A11sの直前の曲り角2(例えば、流路2から流路3へ曲がる位置)から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでの距離であるKを、遊技球の直径であるB未満となるように構成する。換言すると、第1主遊技始動口入球検出装置A11sに最も近い曲り角である曲り角2の頂点から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでの最短の長さであるKが、遊技球の直径であるBよりも短くなるように、流路3に第1主遊技始動口入球検出装置A11sを設ける。つまり、K<Bの関係になるように、流路3に第1主遊技始動口入球検出装置A11sを配置するよう構成する。
また、このような流路1、流路2、流路3を構成した場合であっても、第1主遊技始動口入球検出装置A11sの遊技球が入球する入口を構成する面に対面する上面から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでの距離であるJを、遊技球2個分の直径である2×B未満となるように構成する。換言すると、第1主遊技始動口入球検出装置A11sに最も近い曲り角である曲り角2を構成する面(案内流路構成部)であって、第1主遊技始動口入球検出装置A11sの遊技球が入球する入口を構成する面に対面する面である上面から第1主遊技始動口入球検出装置A11sまでの最短の長さであるJが、遊技球2個分の直径である2×B未満となるように、流路3に第1主遊技始動口入球検出装置A11sを設けるよう構成する。つまり、J<2×Bの関係になるように流路3に第1主遊技始動口入球検出装置A11sを配置するよう構成する。
なお、左方向、右方向、後方向に流下する案内流路(流路1~3)については、流路の下流に遊技球が流下するように下方向の傾斜を設けることが好ましい。また、案内流路(流路1~3)は、第1主遊技始動口A10に入球した遊技球を入球方向とは異なる方向(または、異なる角度)に案内する流路であればよく、同じ方向(または、同じ角度)の流路(例えば、流路3)であっても手前の流路(例えば、流路2)が異なる方向(または、異なる角度)に案内する流路であれば良い。また、曲り角を2つ設けた流路(流路1、2、3)を例示したが、曲り角を3つ以上設けた流路としても良い。また、流路3に第1主遊技始動口入球検出装置A11sを設けるように構成したが、その他の流路に設けるように構成しても良い。さらに、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを水平に設けるような例を示したが、垂直や傾斜して設けるように構成しても良い。
また、第1主遊技始動口A10を遊技盤D35に取り付けるためにビスBS9及び14(図40参照)が設けられている。そして、このビスBS9及び14が緩んでしまった場合を想定して対策を以下のように構成する。ビスBS9及び14の長手方向の長さであるAの所定の割合である1/3の長さである第二の長さとしての1/3×Aが遊技盤内にねじ込まれた状態であって、ビスの第三の長さとしての2/3×Aが遊技盤D35に対して突出状態である場合において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、第三の長さである2/3×Aを減算した値としてのC3=E-2/3×Aが、遊技球の直径であるB以上となるように構成する。
また、ビスBS9及び14が緩んでしまった場合のうち、ビスの長さの半分が緩んでしまった場合を想定した対策を以下のように構成する。ビスの長手方向の長さであるAの半分の長さが遊技盤D35にねじ込まれた状態であって、ビスが遊技盤D35に対して1/2×Aの突出状態である場合において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、ビスの長手方向の長さAの半分の長さである1/2×Aを減算した値としてのC2=E-1/2×Aが、遊技球の直径であるB以上となるように構成する。
このように構成することにより、第1主遊技始動口A10を遊技盤D35に取り付けているビスが自立可能な状態で緩んでしまった場合においても、突出したビスの先端から透明板D16までの距離を遊技球の直径よりも大きく(長く)構成することにより、遊技球は遊技盤の遊技領域D30を流下(通過)することができるため、遊技ができない状態となることがないので、遊技者の興趣の低下を防止することが可能となる。
次に、図44を参照しながら、遊技球が発射された後に電源供給が遮断され、その後に電源供給が再開された際の遊技について説明する。図44は、遊技球が発射された後に電源供給が遮断され、その後に電源供給が再開された場合を示す図である。一般的に、通常の遊技では、発射装置D42によって遊技球が発射され、発射された遊技球が外レールD32の一部と内レールD34の一部とにより区画された案内レールD33に沿って移動し、遊技領域D30の第二領域(第一領域であっても良い)に到達するように構成されている。そして、第二領域に到達した遊技球は、複数の遊技釘や遊技球を所定方向に流下させる障害物D48、風車D49等に衝突しながら図44の2点鎖線で示す『遊技球の流下ルート』を流下し、第1主遊技始動口A10に入球するように構成されている。
ここで、遊技球を発射した後に意図的にぱちんこ遊技機の電源供給を遮断させ、その後に電源供給を再開させることによって、特別遊技に対応する乱数を取得して特別遊技を狙うような不正行為が問題となっている。また、何らかの要因により、刹那的な電断(電源供給の遮断)及び復帰(電源供給の再開)といった異常事態が発生することもある。
このような問題を解決するため、まず、図44の『電断復帰1』と示された位置に遊技球が存在するタイミングで電源供給が再開された場合を説明する。まず、発射装置D42によって遊技球が発射される。発射された遊技球が外レールD32の一部と内レールD34の一部とにより区画された案内レールD33の所定の位置(図44の『電断が発生』と示された位置)にあるタイミングで電源供給が遮断され、電源がオンからオフとなる。その直後、発射された遊技球が球戻り防止部材D39(防止片D39-1)に到達するまでの位置であって、案内レールD33の所定の位置(図44の『電断復帰1』と示された位置)にあるタイミングで電源供給が再開され電源がオフからオンとなる。その後、球戻り防止部材D39(防止片D39-1)を通過した遊技球が遊技領域D30の第二領域に到達する。ここで、第二領域は、発射装置D42の発射強度として、遊技領域D30に到達可能な最も弱い発射強度で発射された遊技球が到達する領域となっている。
第二領域に到達した遊技球は、複数の遊技釘や遊技球を所定方向に流下させる障害物D48、風車D49に衝突しながら図44の2点鎖線で示す『遊技球の流下ルート』を流下し、第1主遊技始動口A10に入球する。しかしながら、第1主遊技始動口A10内に入球した遊技球が第1主遊技始動口入球検出装置A11sを通過するタイミングにおいて、主制御基板Mのメインプログラムが起動していないため、第1主遊技始動口A10内に入球した遊技球が第1主遊技始動口入球検出装置A11sを通過しても、入球が検知されないように構成されている。
つまり、電源供給が再開し、主制御基板Mのメインプログラムが起動して第1主遊技始動口入球検出装置A11sによって遊技球の検出が可能となるまでの時間(図46で説明するta)は、電源供給が遮断される前に発射された遊技球が球戻り防止部材D39(防止片D39-1)に到達するまでの位置であって、案内レールD33の所定の位置を起点として遊技領域D30の『遊技球の流下ルート』を流下して第1主遊技始動口A10に入球し、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過するまでの時間(t5)よりも長時間となるように構成されている。つまり、ta>t5となるように構成されている。
ここで、電源供給が遮断される前に発射された遊技球が球戻り防止部材D39(防止片D39-1)に到達するまでの位置であって、案内レールD33の所定の位置を起点として遊技領域D30の『遊技球の流下ルート』を流下して第1主遊技始動口A10に入球し、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過するまでの時間であるt5は、遊技釘や障害物D48、風車D49の影響によりばらつきが生じる時間となるが、『遊技球の流下ルート』を流下した場合の最大の時間をt5とした場合であっても、ta>t5となるように構成されている。なお、センター飾りD38の左領域に設けられたワープ入り口WPに入球してから第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過する場合やぶどうと呼ばれる状態が発生した状態において第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過する場合については、ta>t5とならない場合がある。即ち、正常に遊技が進行している状況にて、左打ち領域を遊技球が流下する場合においては、遊技球の流下ルートに拘らず、ta>t5となるよう構成されている。
次に、図44の『電断復帰2』と示された位置に遊技球が存在するタイミングで電源供給が再開された場合を説明する。まず、発射装置D42によって遊技球が発射される。発射された遊技球が外レールD32の一部と内レールD34の一部とにより区画された案内レールD33の所定の位置(図44の『電断が発生』と示された位置)にあるタイミングで電源供給が遮断され、電源がオンからオフとなる。その直後、発射された遊技球が球戻り防止部材D39(防止片D39-1)を通過した直後の所定の位置(図44の『電断復帰2』と示された位置)にあるタイミングで電源供給が再開され電源がオフからオンとなる。その後、球戻り防止部材D39(防止片D39-1)を通過した遊技球が遊技領域D30の第二領域に到達する。ここで、第二領域は、発射装置D42の発射強度として、遊技領域D30に到達可能な最も弱い発射強度で発射された遊技球が到達する領域となっている。
第二領域に到達した遊技球は、複数の遊技釘や遊技球を所定方向に流下させる障害物D48、風車D49に衝突しながら図44の2点鎖線で示す『遊技球の流下ルート』を流下し、第1主遊技始動口A10に入球する。しかしながら、第1主遊技始動口A10内に入球した遊技球が第1主遊技始動口入球検出装置A11sを通過するタイミングにおいて、主制御基板Mのメインプログラムが起動していないため、第1主遊技始動口A10内に入球した遊技球が第1主遊技始動口入球検出装置A11sを通過しても、入球が検知されないように構成されている。
つまり、電源供給が再開し、主制御基板Mのメインプログラムが起動して第1主遊技始動口入球検出装置A11sによって遊技球の検出が可能となるまでの時間(図46で説明するta)は、電源供給が遮断される前に発射された遊技球が球戻り防止部材D39(防止片D39-1)を通過したタイミングの所定の位置を起点として遊技領域D30の『遊技球の流下ルート』を流下して第1主遊技始動口A10に入球し、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過するまでの時間(t4)よりも長時間となるように構成されている。つまり、ta>t4となるように構成されている。
ここで、電源供給が遮断される前に発射された遊技球が球戻り防止部材D39(防止片D39-1)を通過したタイミングの所定の位置を起点として遊技領域D30の『遊技球の流下ルート』を流下して第1主遊技始動口A10に入球し、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過するまでの時間であるt4は、遊技釘や障害物D48、風車D49の影響によりばらつきが生じる時間となるが、『遊技球の流下ルート』を流下した場合の最大の時間をt4とした場合であっても、ta>t4となるように構成されている。なお、センター飾りD38の左領域に設けられたワープ入り口WPに入球してから第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過する場合やぶどうと呼ばれる状態が発生した状態において第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過する場合については、ta>t4とならない場合がある。即ち、正常に遊技が進行している状況にて、左打ち領域を遊技球が流下する場合においては、遊技球の流下ルートに拘らず、ta>t4となるよう構成されている。
ここで、t5>t4との関係となっているため、『電断復帰1』の場合において以下のようにも構成できる。まず、発射装置D42によって遊技球が発射される。発射された遊技球が外レールD32の一部と内レールD34の一部とにより区画された案内レールD33の所定の位置(図44の『電断が発生』と示された位置)にあるタイミングで電源供給が遮断され、電源がオンからオフとなる。その直後、発射された遊技球が球戻り防止部材D39(防止片D39-1)に到達するまでの位置であって、案内レールD33の所定の位置(図44の『電断復帰1』と示された位置に遊技球が存在するタイミングで電源供給が再開され電源がオフからオンとなる。その後、球戻り防止部材D39(防止片D39-1)を通過した遊技球が遊技領域D30の第二領域に到達する。ここで、第二領域は、発射装置D42の発射強度として、遊技領域D30に到達可能な最も弱い発射強度で発射された遊技球が到達する領域となっている。
第二領域に到達した遊技球は、複数の遊技釘や遊技球を所定方向に流下させる障害物D48、風車D49に衝突しながら図44の2点鎖線で示す『遊技球の流下ルート』を流下し、第1主遊技始動口A10に入球する。しかしながら、第1主遊技始動口A10内に入球した遊技球が第1主遊技始動口入球検出装置A11sを通過するタイミングにおいて、主制御基板Mのメインプログラムが起動していないため、第1主遊技始動口A10内に入球した遊技球が第1主遊技始動口入球検出装置A11sを通過しても、入球が検知されないように構成されている。
つまり、電源供給が再開し、主制御基板Mのメインプログラムが起動して第1主遊技始動口入球検出装置A11sによって遊技球の検出が可能となるまでの時間(図46で説明するta)は、発射された遊技球が球戻り防止部材D39(防止片D39-1)を通過したタイミングの所定の位置を起点として遊技領域D30の『遊技球の流下ルート』を流下して第1主遊技始動口A10に入球し、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過するまでの時間(t4)よりも長時間となるように構成されている。つまり、『電断復帰1』の場合において、ta>t4となるように構成されている。
このように構成することにより、不正行為を防止することができる。また、異常な事態となった場合には第1主遊技始動口A10への入球を認めないようにすることができ、遊技場の意図しない不利益を防止することができる。
なお、主制御基板Mのメインプログラムが起動して第1主遊技始動口入球検出装置A11sによって遊技球の検出が可能となるのは、例えば、図5におけるステップ1016の実行後のタイマ割り込み処理の実行時としてもよい。
なお、電源供給が遮断される前に発射された遊技球が球戻り防止部材D39(防止片D39-1)に到達するまでの位置であって、案内レールD33の所定の位置を起点として、遊技領域D30の『遊技球の流下ルート』を流下して第1主遊技始動口A10に入球し、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過するまでの時間をt5としたが、電源供給が遮断される前に発射された遊技球が案内レールD33より下流の発射レールの所定の位置を起点として、遊技領域D30の『遊技球の流下ルート』を流下して第1主遊技始動口A10に入球し、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過するまでの時間をt6としても良い。この場合においても、ta>t6となるように構成されている。
なお、第1主遊技始動口A10における例を示したが、その他の入賞口においても適用可能である。なお、第二領域ではなく第一領域に到達するように発射するようにしても良く、この場合、第一領域に到達した遊技球が第二領域を流下して、『遊技球の流下ルート』を流下するように構成されていれば良い。また、遊技盤D35で使用されている遊技釘の本数は182本であるが、左打ち領域に117本の遊技釘が設けられ、右打ち領域に65本の遊技釘が設けられるように構成されている。なお、遊技釘の本数についてはあくまで一例であることを補足しておく。
また、防止片D39-1の右側にビスBS1乃至3が設けられている。そして、このビスBS1乃至3が緩んでしまった場合を想定して対策を以下のように構成する。ビスBS1乃至3の長手方向の長さであるAの所定の割合である1/3の長さである第二の長さとしての1/3×Aが遊技盤内にねじ込まれた状態であって、ビスの第三の長さとしての2/3×Aが遊技盤D35に対して突出状態である場合において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、第三の長さである2/3×Aを減算した値としてのC3=E-2/3×Aが、遊技球の直径であるB以上となるように構成する。
また、ビスBS1乃至3が緩んでしまった場合のうち、ビスの長さの半分が緩んでしまった場合を想定した対策を以下のように構成する。ビスの長手方向の長さであるAの半分の長さが遊技盤D35にねじ込まれた状態であって、ビスが遊技盤D35に対して1/2×Aの突出状態である場合において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、ビスの長手方向の長さAの半分の長さである1/2×Aを減算した値としてのC2=E-1/2×Aが、遊技球の直径であるB以上となるように構成する。
このように構成することにより、遊技部品を遊技盤D35に取り付けているビスが自立可能な状態で緩んでしまった場合においても、突出したビスの先端から透明板D16までの距離を遊技球の直径よりも大きく(長く)構成することにより、遊技球は遊技盤の遊技領域D30を流下(通過)することができるため、遊技ができない状態となることがないので、遊技者の興趣の低下を防止することが可能となる。
次に、図45を参照しながら、入球センサ及び排出センサを備えたぱちんこ遊技機における遊技球が発射された後に電源供給が遮断され、その後に電源供給が再開された際に遊技球が入球センサと排出センサとの間に位置する場合の遊技について説明する。
近年、第1主遊技始動口A10に入球した遊技球を検出する入球センサとしての第1主遊技始動口入球検出装置A11sと、この第1主遊技始動口入球検出装置A11sの下流側に位置した排出センサA12sとを設け、第1主遊技始動口A10に入球した遊技球の数と排出した遊技球の数との整合を取るように構成されたぱちんこ遊技機が普及してきている。このようなぱちんこ遊技機において、電源供給が遮断し、その後に電源供給が再開した際に、入球センサで遊技球の通過を検出せず排出センサA12sのみで遊技球の通過を検出してしまうと、入球した遊技球の数と排出した遊技球の数との整合が合わない不整合エラーとなってしまい、遊技ができなくなってしまうといった問題が生じている。
このような問題を解決するため、以下のように構成する。まず、発射装置D42によって遊技球が発射される。発射された遊技球が外レールD32の一部と内レールD34の一部とにより区画された案内レールD33の所定の位置(例えば、図44の『電断が発生』と示された位置)や遊技領域D30の所定の位置、図45の(a)の位置などにあるタイミングで電源供給が遮断され、電源がオンからオフとなる。その後、図45の(b)に示すように第1主遊技始動口入球検出装置A11sと排出センサA12sとの間の所定の位置に遊技球が存在しているタイミングで電源供給が再開され電源がオフからオンとなる。その後、排出センサA12sを遊技球が通過する。しかしながら、この遊技球が排出センサA12sを通過するタイミングにおいて、主制御基板Mのメインプログラムが起動していないため、排出センサA12sを遊技球が通過しても、入球が検知されないように構成されている。つまり、電源供給が再開し、主制御基板Mのメインプログラムが起動して排出センサA12sによって遊技球の検出が可能となるまでの時間(図46で説明するta)は、電源供給が遮断される前に発射された遊技球が第1主遊技始動口入球検出装置A11sを通過したタイミングにおける流路3の所定の位置(第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が完全に通過した直後の位置)を起点として排出センサA12sを遊技球が通過するまでの時間(t3)よりも長時間となるように構成されている。つまり、ta>t3となるように構成されている。なお、電源供給が再開したタイミングと、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過したタイミングとが同じタイミングであっても、異なるタイミングであっても良い。
なお、主制御基板Mのメインプログラムが起動して排出センサA12sによって遊技球の検出が可能となるのは、例えば、図5におけるステップ1016の実行後のタイマ割り込み処理の実行時としてもよい。
なお、発射された遊技球が外レールD32の一部と内レールD34の一部とにより区画された案内レールD33の所定の位置(例えば、図44の『電断が発生』と示された位置)や遊技領域D30の所定の位置、図45の(a)の位置などにあるタイミングで電源供給が遮断された例を示したが、これらに限定されず、発射された遊技球が第1主遊技始動口入球検出装置A11sによって検出される前に電源供給が遮断されるような場合であれば良い。また、排出センサA12sは、第1主遊技始動口入球検出装置A11sにのみ対応する排出センサとなるよう説明したが、複数の入賞口に対応する排出センサA12sとして機能させても良い。
このように構成することにより、異常な事態となった場合には排出センサA12sへの入球を認めないようにすることができるので、入賞口に入球した遊技球の数と排出した遊技球の数との不整合を防止することができる。
図46は、ぱちんこ遊技機への電源供給が開始されたタイミングと、電源供給が遮断される前に発射された遊技球が、電源供給が開始された後に入球センサによって検出されるタイミングとを示すタイミングチャートである。
まず、ぱちんこ遊技機への電源供給が遮断された(電源供給が停止した)とは、ぱちんこ遊技機の電源スイッチがオフになった状態のことや、電源ケーブルが抜けた状態のことや、電源ケーブルが断線した状態のことや、遊技場自体が停電になった状態のことをいう。なお、遊技場において意図せずに電源供給が遮断された場合なども含む。
時刻t1からぱちんこ遊技機への電源供給が開始される。ぱちんこ遊技機への電源供給により、電源供給ユニットEは、時刻t1から主制御基板Mに電源供給を開始する。電源供給ユニットEから主制御基板Mに供給される電源電圧は、オフレベル(時刻t1)から供給電圧レベル(時刻t2)まで増加し、時刻t2から供給電圧レベルで一定となる。尚、同図においては、主制御基板Mに電源供給を開始してから電源電圧が供給電圧レベルに到達するまでの時間が一定である場合を例示しているが、これには限定されず、主制御基板Mに電源供給を開始してから電源電圧が供給電圧レベルに到達するまでの時間にばらつきが生じ得るよう(ランダムとなるよう)構成してもよい。なお、ΔT1は、電源供給の開始から主制御基板Mへの電源供給のレベルが供給電圧レベルに達するまでの時間である。
主制御基板Mで実行されるメインプログラムは、電源電圧が一定になった時刻t2からΔT2まで経過した時刻taから起動する。このメインプログラムの実行により、図5に示した主制御基板側メイン処理のSTART(電源投入)の処理が実行される。図5のステップ1016の処理では、タイマ割り込みを許可し、タイマ割り込みが起動される。タイマ割り込みが起動された後には、所定の周期T毎に、図5に示すタイマ割り込み処理が呼び出されて実行される。タイマ割り込みが実行される周期Tは、4.0msecである。なお、ΔT2は、主制御基板Mへの供給電圧が供給電圧レベルに達してから主制御基板Mのメインプログラムが起動するまでの時間である。ここで、ΔT2>ΔT1という関係が成立する。
また、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過したタイミングにおける流路3の所定の位置を起点(ぱちんこ遊技機への電源供給が開始された時刻t1を起点)として、排出センサA12sを遊技球が通過する時刻がt3となる。
また、電源供給が遮断される前に発射された遊技球が球戻り防止部材D39(防止片D39-1)を通過したタイミングの所定の位置を起点(ぱちんこ遊技機への電源供給が開始された時刻t1を起点)として、遊技領域D30の『遊技球の流下ルート』を流下して第1主遊技始動口A10に入球し、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過する時刻がt4となる。
また、電源供給が遮断される前に発射された遊技球が球戻り防止部材D39(防止片D39-1)に到達するまでの位置であって、案内レールD33の所定の位置を起点(ぱちんこ遊技機への電源供給が開始された時刻t1を起点)として、遊技領域D30の『遊技球の流下ルート』を流下して第1主遊技始動口A10に入球し、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過する時刻がt5となる。
また、電源供給が遮断される前に発射された遊技球が案内レールD33より下流の発射レールの所定の位置を起点(ぱちんこ遊技機への電源供給が開始された時刻t1を起点)として、遊技領域D30の『遊技球の流下ルート』を流下して第1主遊技始動口A10に入球し、第1主遊技始動口入球検出装置A11sを遊技球が通過する時刻がt6となる。
次に、図47を参照しながら、センター飾りD38の取付部D38-6上を流下する遊技球と、取付部D38-6との重複関係について説明する。図47の(a)は、遊技領域D30の第一領域に位置する取付部D38-6上(図47において手前側)を流下する遊技球が遊技釘1に接触した状態を示す図である。
センター飾りD38は、図44に示すように、センター飾りD38に設けられた複数の取付部D38-6の取付孔に取付具であるビスをねじ込むことによって、遊技盤D35にセンター飾りD38を取り付けるように構成されている。センター飾りD38の取付部D38-6は、遊技球を平面視した際の遊技球の面積よりも面積が広くなるように構成されており、遊技球が取付部D38-6上を流下可能に構成されている。また、取付部D38-6の外縁には、図41に示すように外側に向かって徐々に取付部D38-6の厚みが薄くなる傾斜面(遊技領域側に下っている傾斜面)であるテーパー部D38-5が形成されている。テーパー部D38-5の幅は、遊技球の直径の半分よりも短く構成され、遊技球がテーパー部D38-5からはみ出すようにしてテーパー部D38-5上を流下可能に構成されている。そして、テーパー部D38-5上を流下する遊技球は、下方向に流下するだけではなく、テーパー部D38-5に接触することによって前後方向(図41に示す前、後方向を参照)に移動しながら下方向に流下するようになっている。また、センター飾りD38には、遊技領域D30を仕切る壁部D38-7が設けられており、図47の(a)では、壁部D38-7を基準として取付部D38-6側(図の左側)が、遊技球が流下可能な遊技領域D30となっており、演出表示装置SG側(図の右側)が、遊技球の流下が不可能な非遊技領域となっている。
図47の(a)は、遊技領域D30の第一領域に位置する取付部D38-6から最も近い遊技釘である遊技釘1の中心とビスBS1の中心とを結ぶ1点鎖線の直線1上に遊技球の中心が位置している状態であって、遊技球が遊技釘1に接触している状態を示している。なお、遊技釘と遊技球とが接触した状態を分かり易く表現するため、遊技釘は、遊技釘の胴部(胴部については図41を参照)の断面を示している。なお、遊技領域D30の第一領域に位置する取付部D38-6から最も近い遊技釘である遊技釘1の領域は、発射装置D42の発射強度として、遊技領域D30に到達可能な通常の発射強度で発射された遊技球が到達する領域であり、遊技釘1とこの遊技釘1の隣に位置する遊技釘との間に遊技球が通過可能な第一のぶっこみ領域と称されることもある。
この状態において、遊技球の直径であるBの50%以上の長さであるBaが取付部D38-6に対して重なった状態となるように、センター飾りD38の取付部D38-6を、壁部D38-7を起点として遊技領域D30側であって遊技釘1側に延設するとともに、遊技球の直径であるBの50%以上の長さであるBaが取付部D38-6に対して重なった状態となるように、遊技釘1をテーパー部D38-5の外縁から遊技球の直径であるBの50%未満の長さであるBbの位置に設ける。
このように構成することによって、センター飾りD38の取付部D38-6のテーパー部D38-5と遊技釘1によって遊技球を下方向に流下可能にするだけではなく、前後方向(図41に示す方向を参照)に移動しながら下方向に流下可能にすることで、遊技球の動きを不規則にすることができ、遊技の興趣性を向上させることができる。
なお、第一領域の取付部D38-6と遊技釘1とによって遊技球の動きを不規則にする例を示したが、図40、図44に示す第二領域に位置する取付部D38-6、テーパー部D38-5、壁部D38-7、第二領域に位置する取付部D38-6から最も近い遊技釘である遊技釘2、ビスBS2においても、同様に構成されている。また、図40、図44に示す第三領域に位置する取付部D38-6、テーパー部D38-5、壁部D38-7、第三領域に位置する取付部D38-6と連釘1のうち第三領域に位置する取付部D38-6から最も近い遊技釘、ビスBS5においても、同様に構成されている。なお、遊技領域D30の第二領域に位置する取付部D38-6から最も近い遊技釘である遊技釘2の領域は、発射装置D42の発射強度として、遊技領域D30に到達可能な最も弱い発射強度で発射された遊技球が到達する領域であり、遊技釘2とこの遊技釘2の隣に位置する遊技釘との間に遊技球が通過可能な第二のぶっこみ領域と称されることもある。
図47の(b)は、第一領域に位置する取付部D38-6から最も近い遊技釘である遊技釘1の中心とビスBS1の中心とを結ぶ1点鎖線の直線1上に遊技球の中心が位置している状態であって、遊技球がセンター飾りD38の壁部D38-7に接触している状態を示している。この状態において、遊技球の直径であるBが取付部D38-6に対して、正面視で100%重なった状態(完全に重なった状態)となるように、センター飾りD38の取付部D38-6を、壁部D38-7を基点として遊技領域D30側であって遊技釘1側にBcの長さだけ延設する。つまり、Bc>Bとなるように、センター飾りD38の取付部D38-6を、壁部D38-7を基点として遊技領域D30側であって遊技釘1側に延設する。また、この状態において、遊技球がテーパー部D38-5上には位置しないように取付部D38-6が構成されている。つまり、Bcの長さからテーパー部D38-5の幅を引いた長さが遊技球の直径であるBより長く構成されている。
このように構成することによって、センター飾りD38の壁部D38-7に衝突した遊技球が取付部D38-6からはみ出すことなく取付部D38-6上を流下可能とすることにより、前後方向(図41に示す前、後方向を参照)に移動しながら下方向に流下するような不規則な遊技球の動きではなく、前後方向に移動することなく安定した状態で下方向に遊技球を流下させることができる。したがって、センター飾りD38の壁部D38-7に沿って遊技球が流下する場合は、安定した遊技球の流下となり、テーパー部D38-5上を流下する不規則な遊技球の動きとは異なった遊技球の動きを遊技者に見せることができるため、遊技者の遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技釘は遊技球の動きを不規則にすることで遊技の興趣性を向上させることが目的であるため、遊技釘と取付部D38-6とによって遊技球の動きを不規則にし得るよう構成されている一方、センター飾りD38の壁部D38-7はセンター飾りD38の内部に遊技球が流入しないようにすることが目的であるため、壁部D38-7によっては必要以上に遊技球の動きを不規則にしないように構成されている。
なお、第一領域の取付部D38-6と壁部D38-7とによって遊技球の動きを安定させる例を示したが、図40、図44に示す第二領域に位置する取付部D38-6、壁部D38-7、第二領域に位置する取付部D38-6から最も近い遊技釘である遊技釘2、ビスBS2においても、同様に構成されている。また、図40、図44に示す第三領域に位置する取付部D38-6、壁部D38-7、第三領域に位置する取付部D38-6と連釘1のうち第三領域に位置する取付部D38-6から最も近い遊技釘、ビスBS5においても、同様に構成されている。
また、センター飾りD38には、ビスBS1、BS2、BS5等多数のビスが設けられている。そして、このビスBS1、2、5が緩んでしまった場合を想定して対策を以下のように構成する。ビスBS1、BS2、BS5の長手方向の長さであるAの所定の割合である1/3の長さである第二の長さとしての1/3×Aが遊技盤内にねじ込まれた状態であって、ビスの第三の長さとしての2/3×Aが遊技盤D35に対して突出状態である場合において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、第三の長さである2/3×Aを減算した値としてのC3=E-2/3×Aが、遊技球の直径であるB以上となるように構成する。
また、ビスBS1、BS2、BS5が緩んでしまった場合のうち、ビスの長さの半分が緩んでしまった場合を想定した対策を以下のように構成する。ビスの長手方向の長さであるAの半分の長さが遊技盤D35にねじ込まれた状態であって、ビスが遊技盤D35に対して1/2×Aの突出状態である場合において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、ビスの長手方向の長さAの半分の長さである1/2×Aを減算した値としてのC2=E-1/2×Aが、遊技球の直径であるB以上となるように構成する。
このように構成することにより、センター飾りD38を遊技盤D35に取り付けているビスが自立可能な状態で緩んでしまった場合においても、突出したビスの先端から透明板D16までの距離を遊技球の直径よりも大きく(長く)構成することにより、遊技球は遊技盤の遊技領域D30を流下(通過)することができるため、遊技ができない状態となることがないので、遊技者の興趣の低下を防止することが可能となる。
次に、図48を参照しながら、連釘を構成する一部の遊技釘が遊技盤D35から抜けてしまった場合にも、遊技球が滞留せずに流下可能であることについて説明する。図48の(a)は、連釘1を構成する遊技釘が抜けていない状態において、遊技球が連釘1の上を流下している状態を示す図である。なお、遊技釘と遊技球とが接触した状態を分かり易く表現するため、遊技釘は、遊技釘の胴部(胴部については図41を参照)の断面を示している。連釘は3本以上の遊技釘で構成されていれば良いが、図48の(a)では、第1の遊技釘、第2の遊技釘、第3の遊技釘、第4の遊技釘の4本の遊技釘で構成される連釘1を例示する。連釘1は、第三領域に設けられ、水平に対し右下方に傾斜する方向に略直線的に並ぶ4本の遊技釘で構成され、左から第1の遊技釘、第2の遊技釘、第3の遊技釘、第4の遊技釘の順に遊技盤D35に植設されている。なお、図44に図示するように、連釘1は連釘のうち正面視において最も左側に位置する連釘である。
連釘1の各遊技釘の正面視における高さ方向(上下方向)の配置については、遊技領域D30の上から下へ第1の遊技釘、第2の遊技釘、第3の遊技釘、第4の遊技釘の順に配置されている。つまり、正面視において、図48の(b)に示すように第4の遊技釘よりも第3の遊技釘の方が高い位置に設けられ、第3の遊技釘よりも第2の遊技釘の方が高い位置に設けられ、第2の遊技釘よりも第1の遊技釘の方が高い位置に設けられている。なお、高さの基準を各遊技釘の胴部の上端としたが、胴部の下端、胴部の中心、頭部(頭部については図41を参照)の上端、頭部の下端、頭部の中心(胴部の中心と同じである)を基準としても良い。なお、同図における、「高い」、「低い」とは、正面視における上下方向を示している。
また、図48の(b)に示すように、第1の遊技釘と第2の遊技釘との間隔1、第2の遊技釘と第3の遊技釘との間隔2、第3の遊技釘と第4の遊技釘との間隔3は、遊技球の直径であるBの半分の1/2×Bよりも短い間隔となっている。なお、間隔1、間隔2、間隔3は同じ間隔であっても良く、異なる間隔であっても良い。また、第1の遊技釘と第3の遊技釘との間隔4、第2の遊技釘と第4の遊技釘との間隔5は、遊技球の直径であるBよりも短い間隔となっている。なお、間隔4、間隔5は同じ間隔であっても良く、異なる間隔であっても良い。なお、間隔とは、一方の遊技釘の胴部と他方の遊技釘の胴部との距離を示している。
次に、図48の(c)は、連釘1を構成する遊技釘のうち第2の遊技釘が抜けた状態において、遊技球が連釘1の上を流下している状態を示す図である。このように連釘1の一部が抜けてしまった場合にも、遊技球が滞留せずに流下させることができることを説明する。連釘1を構成する遊技釘のうち第2の遊技釘が遊技盤D35から抜けた状態であって、第1の遊技釘と第3の遊技釘、第4の遊技釘が抜けずに遊技領域D30に設けられた状態において、遊技球が連釘1の上を流下する際、特に第1の遊技釘と第3の遊技釘との上を遊技球が流下する際、遊技球の中心は、第1の遊技釘と第3の遊技釘の遊技球との間に位置し、遊技球は、第1の遊技釘の胴部と第3の遊技釘の胴部とに接してから下流に流下するようになっている。
ここで、連釘1を構成する遊技釘のうち第2の遊技釘が遊技盤D35から抜けた状態であって、遊技球が第1の遊技釘の胴部と第3の遊技釘の胴部とに接している状態において、第1の遊技釘の上端よりも遊技球の中心の方が高い位置となるように、第1の遊技釘と第3の遊技釘とを遊技盤D35に植設するよう構成している。また、連釘1を構成する遊技釘のうち第2の遊技釘が遊技盤D35から抜けた状態であって、遊技球が第1の遊技釘の胴部と第3の遊技釘の胴部とに接している状態において、第1の遊技釘の左端を、遊技球の左端よりも左側に位置させ、第3の遊技釘の右端を、遊技球の右端よりも左側に位置させるように第1の遊技釘と第3の遊技釘とを遊技盤D35に植設するよう構成している。このように構成することによって、連釘1の一部が度重なる遊技球の衝突によって抜けてしまった場合にも、遊技球が滞留せずに第1主遊技始動口A10に向かって流下することができる。なお、第4の遊技釘の右端は、遊技球の右端よりも右側に位置するように遊技盤D35に植設するよう構成している。
また、連釘1を構成する遊技釘のうち第2の遊技釘が遊技盤D35から抜けた状態であって、遊技球が第1の遊技釘の胴部と第3の遊技釘の胴部とに接している状態において、第3の遊技釘の下端よりも遊技球の底部の方が高い位置となるように、第1の遊技釘と第3の遊技釘とを遊技盤D35に植設するよう構成している。ここで、遊技球の底部とは、図48の(c)に示す通り、遊技球の中心を通る上下の直線と、遊技球の外縁が交わる点である。このように構成することによって、連釘1の一部が抜けてしまった場合にも、遊技球が滞留せずに第1主遊技始動口A10に向かって流下することができる。
なお、第3の遊技釘の上端よりも遊技球の底部の方が低い位置となるように、第1の遊技釘と第3の遊技釘とを遊技盤D35に植設するよう構成している。また、第1の遊技釘と遊技球の底部との距離よりも第3の遊技釘と遊技球の底部との距離の方が短くなるように、第1の遊技釘と第3の遊技釘とを遊技盤D35に植設するよう構成している。このように構成することによって、連釘1の一部が抜けてしまった場合にも、遊技球が滞留せずに流下することができる。
本例では、連釘1を構成する遊技釘のうち第2の遊技釘が遊技盤D35から抜けた状態を説明したが、これに限定されず連釘1を構成する遊技釘のうち第3の遊技釘が遊技盤D35から抜けた状態であっても同様の関係となる(例えば、第2の遊技釘と第4の遊技釘と遊技球が接している状況にて同様の関係となる)。また、連釘を構成する遊技釘のうち両端を除く何れかの遊技釘が抜けた状態であっても同様の関係となる。
また、連釘1から最も近いセンター飾りD38の取付部D38-6には、ビスBS5が設けられている。そして、このビスBS5が緩んでしまった場合を想定して対策を以下のように構成する。ビスBS5の長手方向の長さであるAの所定の割合である1/3の長さである第二の長さとしての1/3×Aが遊技盤内にねじ込まれた状態であって、ビスの第三の長さとしての2/3×Aが遊技盤D35に対して突出状態である場合において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、第三の長さである2/3×Aを減算した値としてのC3=E-2/3×Aが、遊技球の直径であるB以上となるように構成する。
また、ビスBS5が緩んでしまった場合のうち、ビスの長さの半分が緩んでしまった場合を想定した対策を以下のように構成する。ビスの長手方向の長さであるAの半分の長さが遊技盤D35にねじ込まれた状態であって、ビスが遊技盤D35に対して1/2×Aの突出状態である場合において、遊技盤D35から透明板D16までの長さであるEから、ビスの長手方向の長さAの半分の長さである1/2×Aを減算した値としてのC2=E-1/2×Aが、遊技球の直径であるB以上となるように構成する。
このように構成することにより、センター飾りD38を遊技盤D35に取り付けているビスが自立可能な状態で緩んでしまった場合においても、突出したビスの先端から透明板D16までの距離を遊技球の直径よりも大きく(長く)構成することにより、遊技球は遊技盤の遊技領域D30を流下(通過)することができるため、遊技ができない状態となることがないので、遊技者の興趣の低下を防止することが可能となる。
以上の実施形態において示した構成に基づき、以下のような概念を抽出(列記)することができる。但し、以下に列記する概念はあくまで一例であり、これら列記した概念の結合や分離(上位概念化)は勿論のこと、以上の実施形態において示した更なる構成に基づく概念を、これら概念に付加してもよい。
ぱちんこ遊技機(A1)の背景技術、現在最も普及しているぱちんこ遊技機は、始動口に遊技球が入球したことを契機として、7セグ等の表示部上で「特別図柄」(或いは主遊技図柄)と称される図柄が変動表示され、当該特別図柄が特定態様(例えば「7」)となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態{通常時は閉状態にある大入賞口(いわゆるアタッカー)が所定条件で開放する内容の遊技}に移行するタイプの機種(いわゆる「第一種ぱちんこ遊技機」)である。ここで、遊技者の利益に直結する特別図柄の表示制御の負担を軽減するために、前記の「特別図柄」とは別に、遊技の興趣性を高めるための演出用の「装飾図柄」と称される演出用図柄が、前記特別図柄の変動とシンクロした形で、前記表示部よりもサイズが大きい液晶等のディスプレイ上で変動表示される。そして、特別図柄の変動が開始されると装飾図柄もこれに合わせて変動を開始し、特別図柄が特定態様(例えば「7」)で停止した場合、装飾図柄もこれに合わせて所定態様(例えば「777」)で停止することとなる。そして、遊技者は、装飾図柄が所定態様で停止したことにより、特別遊技へ移行が確定したことを認識する。ここで、当該仕組みはこの種のぱちんこ遊技機で共通するので、他種との差別化を図るためには、前記図柄の変動態様を含めた演出全般に対し、いかに工夫を凝らし高い興趣性を付与するかということに注力されている。例えば、変動表示している「装飾図柄」を一旦停止した後に再始動させたり、変動表示している「装飾図柄」を非表示にしておき、その代わりに興趣性の高い動画像を表示する、といった演出手法により遊技の興趣性を向上させる手法がその一つである。また、この種のぱちんこ遊技機においては、遊技盤にセンター飾り等の遊技部品を設けることで遊技の興趣性の向上の一助としている。
<<可動役物に関する構成>>
次に、本明細書に適用可能な、可動役物に関する構成について説明するが、上述の実施形態と同様な箇所には同一の符号を付することによって、その説明を省略又は簡略化するものとする。また、本実施形態では、既出ではあるが上述の実施形態では符号を付していない部材に対して新たに符号を付す等を行うが、この種の部材については本実施形態のみに存在するものではなく、上述の各実施形態にも同様に存在しているものであることは言うまでもない。なお、これについては、本実施形態に限らず、上述の各実施形態についても同様であることは言うまでもない。
図49は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の正面図であり、図50は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の遊技盤の斜視図であり、図51は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の大入賞口装置の分解斜視図であり、図52は、本実施形態に係る大入賞口装置の内部構造を示す図であり、(a)は大入賞口装置の内部構造を示す正面図、(b)は大入賞口装置の内部構造を示す斜視図である。図53は、本実施形態に係る大入賞口装置の前面カバー及び第1ベース部を示す図であり、(a)は前面カバーを背面側から見た正面図であり、(b)は第1ベース部の正面図である。図54は、本実施形態に係る変形例を説明するイメージ図である。
<本実施形態に係るぱちんこ遊技機の概略構成>
図49及び図50に示すように、遊技盤が取り付けられた前枠D14は、外枠D12に開閉自在に取り付けられており、この前枠D14には、透明板D16、上球皿D20及びスピーカD24等を有する扉D18が図示しないヒンジ機構を介して開閉自在に取り付けられている。遊技盤には、外レールD32と内レールD34とにより区画された遊技領域D30が形成されている。この遊技領域D30は、図示しない複数の遊技釘及び風車等の機構や各種一般入賞口の他、遊技領域D30下部の略中央に設けられた第1主遊技始動口A10、この第1主遊技始動口A10の右側に設けられた2つの第2主遊技始動口B12、B13(図52参照)及び大入賞口(第1入賞口)C30等を有する大入賞口装置C50、遊技領域D30の略中央でかつ遊技領域D30よりも一回り小さい範囲に亘って表示領域を有する演出表示装置SG、この演出表示装置SGの週縁に亘って設けられ、その外周面が遊技領域D30を流下する遊技球の通路を構成することで遊技領域D30の一部を形成した(遊技領域D30と演出表示装置SGの表示面とを区画した)センター飾り(センターフレーム)D38、遊技領域D30の上部に位置し、演出表示装置SGの前面側にて可動可能な可動役物装置YK1、この可動役物装置YK1の前面側に設けられた導光板DK1を含む導光板ユニットDK及び第1主遊技始動口A10の下方に設けられたアウト口D36等を有している。また、前述した実施形態と同様に、発射ハンドルD44と透明板D16とを有している。
<大入賞口装置C50の内部構造>
大入賞口装置C50を説明するにあたり、先ず、その内部構造から説明する。図52に示すように、大入賞口装置C50は、その右上端部に、矢印Aで示す方向に遊技球が通過する通過口B15が形成され、その左隣には矢印Bで示す方向に入球(通過)するゲートB14が形成され、このゲートB14の下方には、上述の第2主遊技始動口B12が形成されている。この第2主遊技始動口B12は、後述する第2シャッタ部材C30cの出没によって開閉されるようになっている。このゲートB14の左側において、大入賞口装置C50に形成された傾斜面C50Aには、上述の第2主遊技始動口B13が形成されており、矢印Cで示す方向に入球可能になっている。この遊技球のうち、第2主遊技始動口B13に入球しなかった遊技球は、矢印Dで示す方向に流下して、アウト通路OR1を介してアウト口D36にて回収されるようになっている。また、通過口B15又はゲートB14の下流側には、大入賞口C30が設けられており、この大入賞口C30は、後述する第1シャッタ部材C30bの出没によって開閉されるようになっている。
また、大入賞口装置C50には、通過口B15を通過した遊技球を大入賞口C30に向けて案内する第1通路SR1と、第2シャッタ部材C30cが退避位置に位置して第2主遊技始動口B12が開放状態にあるときに、ゲートB14を通過した遊技球や第1通路(流路)SR1を介して流下して第2主遊技始動口B12に入球した遊技球を下方に案内する第2通路SR2と、第2シャッタ部材C30cが閉鎖位置に位置して第2主遊技始動口B12が閉鎖状態にあるときに、第1通路SR1によって案内された遊技球又はゲートB14を通過した遊技球を、大入賞口C30に向けて案内する下り傾斜した後述する第4リブRB4を有する第3通路(案内通路)SR3と、この第3通路SR3の下流側に設けられ、遊技球を大入賞口C30に案内する入賞通路部S10、及び、その入口S12aが入賞通路部S10の入口S10aよりも上流側に設けられ、遊技球をアウト口D36に案内する他通路部S12を有する分岐通路SR4と、第1通路SR1の下流側及びゲートB14の下流側とが重なる部分において、第1通路SR1からの遊技球及びゲートB14を通過した遊技球が合流可能な合流通路SR5とが設けられている。
<大入賞口装置C50の全体構成>
次に、大入賞口装置C50の各構成を説明する。図51に示すように、大入賞口装置C50は、前面部C51と、この前面部C51の背後に設けられた背面部C53とを有しており、前面部C51は、遊技盤における遊技領域D30の右下部(図49参照)に固定されている。この前面部C51は、遊技領域D30におけるゲージ構成や意匠の一部を担うものであり、背面部C53は、遊技盤に形成された図示しない開口に挿通されて、その一部を遊技盤の背面から突出させるようになっている。
図51に示すように、前面部C51は、遊技盤の表面にビス止めされて固定される平板状の部材で、かつその中央部に後述する球通路部C30aが挿通された挿通孔C55Aが形成された第1ベース部C55、この第1ベース部C55を前面側から覆う前面カバーC57、この前面カバーC57の表面に貼付されたシールCL等を有している。この前面カバー57は、平板状の本体部C57Aと、この本体部C57Aの周縁から第1ベース部C55に向けて延びる周壁部C57Bとを有している。この前面カバーC57が第1ベース部C55の前面を覆うことで、遊技領域D30を流下する遊技球が通過可能な所定の内部空間が形成されるようになっている。また、前面カバーC57は、光透過性のある透明なプラスチックといった樹脂等によって形成されて、外側から内部空間を視認できるようになっており、この内部空間は、第1ベース部C55の下部に設けられたLEDユニットC55Bによって、光を照射されることにより、より視認性を高められるようになっている。
さらに、シールCLには、所定のキャラクタや文字等のデザイン(意匠)をあしらった意匠部CL1と、上述の各通路SR1乃至5を視認可能とするために、これらの通路SR1乃至5に沿った形状に透明にした透明部分CL2とを有しており、遊技者は、この透明部分CL2を介して、各通路SR1乃至5を通過する遊技球を視認できるようになっている。なお、LEDユニットC55Bによって内部空間を照らすタイミングとしては、例えば、上述の右打ち遊技時(例えば、大当り時、時短時等)といったように、この内部空間に遊技球が通過し得る遊技状態といったタイミングとしたり、常時照射するようにしたり、或いは、この内部空間を通過する遊技球を検知したタイミングとしても良く、そのタイミングについては適宜設定可能である。
ここで、図53(b)の符号YGは、遊技釘であり、この遊技釘YGと大入賞口装置C50との位置関係を模式的に示している)。この図53(b)に示すように、前面カバーC57の上端(換言すれば、大入賞口装置C50の上端)は、ゲートB14に遊技球を導くための一対の遊技釘YGに近接(例えば、遊技釘YGと前面カバーC57との間隔が、遊技釘YGの先端部の径よりも小さい等)するように設けられ、遊技釘YGを少しでも前面カバーC57に向けて曲げると、この遊技釘YGが前面カバーC57に当たってそれ以上曲がらないようにしている。すなわち、遊技釘YGを曲げるために工具を用いて遊技釘YGを叩こうとしても、遊技釘YGと前面カバーC57が近接しているため(換言すれば、遊技釘YGを叩く際において、その工具と前面カバーC57が近接した位置関係となっているため)、その工具が前面カバーC57に接触して、前面カバーC57が破損し易くなるので、前面カバーC57を破損しないように遊技釘YGを工具で叩くことが困難となる。この結果、上述の工具を用いて遊技釘YGを叩いて曲げることを防止することができる。このように、前面カバーC57を遊技釘YGに近接するように配置することで、不正行為による遊技釘YGの調整を行い難くすることができる。なお、本実施形態では、前面カバーC57を遊技釘YGに近接するように設けたが、これに代えて、センター飾りD38の一部を遊技領域D30のいずれかの遊技釘に近接するような形状にすることで、遊技釘への調整を行い難くするようにしても良い。要は、センター飾りD38や上述の前面カバーC57等といった遊技領域D30に設けられる構造物を遊技釘に近接させたり、或いは、構造物の少なくとも一部の形状を遊技釘の近傍まで延ばしたり等、構造物が遊技釘に近接するような形状や配置にして、遊技釘の調整を行い難くするようにすれば良い。
背面部C53は、第1ベース部C55の背面側に位置する第2ベース部C59、シャッタ駆動ユニット61等を有している。第2ベース部B59の前面側には、ゲートB14を通過する遊技球を検知するゲート通過センサC60aと、このゲート通過センサC60bの下方に位置して第2主遊技始動口B12を通過する遊技球を検知する入賞検知センサC60bと、ゲート通過センサC60aの左側に位置して、第2主遊技始動口B13を通過する遊技球を検知する入賞検知センサC60cとが取り付けられ、第2ベース部C59の背面側にはシャッタ駆動ユニットC61が取り付けられている。シャッタ駆動ユニットC61は、図示しないソレノイド等の駆動部の駆動によって、大入賞口C30を閉鎖する閉鎖位置及びこの閉鎖位置から退避して大入賞口C30を開放する開放位置に進退可能に設けられた大入賞口シャッタ部材C30bと、図示しないソレノイド等の駆動部の駆動によって、第2主遊技始動口B12を閉鎖する閉鎖位置及びこの閉鎖位置から退避して第2主遊技始動口B12を開放する開放位置に進退可能な始動口シャッタ部材C30cとを有している。なお、大入賞口C30の入賞センサ(図示せず)は、大入賞口C30の内部に設けられている。
<前面カバー及び第1ベース部B55の構成>
図53(a)に示すように、前面カバーC57の上端部には、上述の通過口B15、ゲートB14、第2主遊技始動口B13が形成されている。図53(a)に示すように、前面カバーC57の裏面には、通過口B15を通過した遊技球をスムーズに下流側に案内できるように湾曲した第1リブRB1と、この第1リブRB1の下端から下方に延びた第2リブRB2と、この第2リブRB2に遊技球よりも大きい間隔をあけて対向するとともに下方に延びた第3リブRB3と、この第3リブRB3の上端から下り傾斜するように延びた第4リブRB4と、この第4リブRB4の上方において略水平に延びる水平部分rb1、この水平部分の図53で見て右端部から下方に延びるとともに、その途中から図53で見て右側に下り傾斜して第3通路SR3に案内された遊技球が突き当たる突き当て部rb2を有する連結部分rb3、この連結部分rb3の下端から下り傾斜するように延びる下り傾斜部分rb4を有する第5リブRB5、第3リブRBの右方において下方に延びた第6リブRB6、及びこの第6リブRB6に遊技球よりも大きい間隔をあけて対向するとともに下方に延びた第7リブRB7等といった球通路を構成するための複数のリブが、前面カバーC57の裏面から第1ベース部C55に向けて突出して設けられている。この突出量は、遊技球が通過可能なように遊技球の直径よりも大きくなっている。
図52及び図53で示すように、前面カバーC57が第1ベース部C55を覆った状態(以後、単に、「被覆状態」という。)において、第1リブRB1と、前面カバーC57の裏面のうち、第1リブRB1の上方に対応する部分と、この部分と対向する第1ベース部C55の表面とで、第1通路部SR1が構成されている。また、被覆状態において、第2リブRB2と、第3リブRB3と、前面カバーC57の裏面のうち、これらの第2及び第3リブRB2、3との間に対応する部分と、この部分と対向する第1ベース部C55の表面とで、第2通路部SR2が構成されている。さらに、被覆状態において、第4リブRB4と、第5リブRB5の水平部分rb1と、前面カバーC57の裏面のうち、第4リブRB4と水平部分rb1との間に対応する部分と、この部分と対向する第1ベース部C55の表面とで、第3通路SR3が構成されている。また、被覆状態において、第6リブRB6と、第7リブRB7と、前面カバーC57の裏面のうち、これらの第6及び第7リブRB6、7の間に対応する部分と、この部分に対向する第1ベース部C55の表面とで、分岐通路SR4の他通路部S12が構成されている。さらに、被覆状態において、第5リブRB5の下り傾斜部分rb4と、閉鎖位置にある第1シャッタ部材C30bと、前面カバーC57の裏面のうち、下り傾斜部分rb4及び第1シャッタ部材C30bの間に対応する部分と、この部分に対向する第1ベース部C55の表面とで、分岐通路SR4の入賞通路部S10が構成されている。また、被覆状態において、閉鎖位置にある第2シャッタ部材C30cと、前面カバーC57の裏面のうち、第2シャッタ部材C30cの上側に対応する部分と、この部分に対向する第1ベース部C55の表面とで、第5通路SR5を構成している。
本実施形態では、第3通路SR3を通過した(第3通路SR3を抜けた)遊技球は、その勢いて、突き当て部rb2に突き当てられることがあり、この突き当て部rb2に突き当たった遊技球は、突き当たった際の勢いに応じて下方に落下したり、跳ね返ったりする。また、この突き当て部rb2の下方には、分岐通路SR4の入賞通路部S10の入口S10aが位置しているとともに、この入口S10aの上流側には、分岐通路SR4の他通路部S12の入口S12aが位置している。このため、突き当て部rb2に突き当たって下方に落下した遊技球は、入賞通路部S10内に流入するようになる。また、突き当て部rb2に突き当たって跳ね返った遊技球は、入賞通路部S10の入口10aよりも上流側に位置する他通路部S12の入口S12aに向かい、この入口S12aを介して他通路部S12内を流下することがある。さらに、突き当て部rb2に突き当たって跳ね返った遊技球は、他通路部S12の入口S12aの縁部に当たって再度跳ね返されて入賞通路部S10内に流入することもある。また、突き当て部rb2に突き当たって跳ね返った遊技球は、再び、第3流路SR3に戻されることもある。
第1通路SR1には、この第1通路SR1を通過する遊技球に干渉することによってその速度を減速(低下)させるための第1減速部GS1が設けられている。この第1減速部GS1は、第1通路SR1を構成する前面カバーC57の裏面及び第1ベース部C55の表面にそれぞれ2つずつ設けられたリブ状の突起C57a、C55aにより構成されている。すなわち、第1通路SR1を構成する前面カバーC57の裏面における2つの突起C57a、57aは、第1ベース部C55の表面に向けて突出し、第1通路SR1を構成する第1ベース部C55の表面における2つの突起C55aは、前面カバーC57の裏面に向けて突出している。これらの突起C55aと、突起C57aとは、互いに交互でかつ互いに間隔をあけるように配置されている。また、これらの突起C55a、C57aはそれぞれ、湾曲形状の第1通路SR1を通過する遊技球が略垂直に突き当たる(干渉する)ように、湾曲形状の第1リブRBに対して略垂直に延びるように互いに角度を変えて配置されている。
第3通路SR3にも、この第3通路SR3を通過する遊技球の速度を減速させるための第2減速部GS2が設けられている。この第2減速部GS2は、第3通路SR3を構成する前面カバーC57の裏面から第1ベース部C55の表面に向けて突出したリブ状の突起C57bと、第1ベース部C55の表面から前面カバーC57の裏面に向けて突出したリブ状の突起C55bとにより構成されている。また、突起C57bは、第3通路SR3を構成する第4リブRB4の先端部の上方に配置されており、突起C55bは、この突起C57bと第2シャッタ部材C30cの間に位置するように配置されている。これらの突起C55b、C57bもそれぞれ、第3通路SR3を通過する遊技球、換言すれば、第4リブRB4上を転動するように流下する遊技球が略垂直に突き当たるように、下り傾斜した第4リブRB4に対して垂直方向に延びるように配置されている。
また、第4通路SR4にも、この第4通路SR4を通過する遊技球の速度を減速させるための第3減速部GS3が設けられている。この第3減速部GS3は、第4通路SR4を構成する前面カバーC57の裏面から第1ベース部C55の表面に向けて突出した3つのリブ状の突起C57cと、第1ベース部C55の表面から前面カバーC57の裏面に向けて突出した4つのリブ状の突起C55cとにより構成されている。これらの突起C57c、C55cは、それぞれ等間隔でかつ互いに交互になるように配置されている。これらの突起C57c、C55cもそれぞれ、第4通路SR4を通過する遊技球、換言すれば、第1シャッタ部材C30b上を転動するように流下する遊技球が略垂直に突き当たるように、下り傾斜した第1シャッタ部材C30bに対して略垂直方向に延びるように配置されている。
さらに、第5通路SR5にも、この第5通路SR5を通過する遊技球の速度を減速させるための第4減速部GS4が設けられている。この第4減速部GS4は、第5通路SR5を構成する第1ベース部C55の表面に形成された減速凹部C55dと、第5通路SR5を構成する前面カバーC57の裏面から上述の減速凹部C55dの底面に向けて突出した3つのリブ状の突起C57dとにより構成されている。減速凹部C55dは、第1ベース部C55の表面に形成され、この表面側の面積よりも底面側の面積の方が小さい略四角錐台状をなした凹部であり、その深さは遊技球の外径よりも小さくなっている。また、第4減速部GSの突起C57dは、左右方向に略等間隔で並べられているとともに、第5通路SR5を通過する遊技球、換言すれば、第1通路SR1を抜けて図52における左方向に投げ出された遊技球が略垂直に突き当たるように、略鉛直方向に延びるように配置されている。
ここで、図52(b)及び図53(a)に示すように、大入賞口装置C50の側端部には、第2主遊技始動口13に入球せずに矢印D方向に流下する遊技球が通過する上述のアウト通路OR1が形成されている。このアウト通路OR1は、第2主始動遊技口13から斜め傾斜した傾斜通路部SR14と、この傾斜通路部SR14の下端部から略鉛直に延びる垂下通路部SR16とで構成されている。すなわち、被覆状態において、前面カバーC57の裏面側の側端部には、下り傾斜して傾斜通路部SR14の底面部とされている第8リブRB8と、このリブRB8に対して遊技球の外径よりも大きい間隔をあけているとともにこのリブRB8と略平行に設けられて傾斜通路部SR14の上面部とされている第9リブRB9と、第8リブRB8の下端から下方に延びて垂下通路部SR16の右側面部とされた第10リブRB10「と、第9リブRB9の下端から下方に延びて垂下通路部SR16の左側面部とされた第11リブRB11とが設けられている。これらのリブRB8乃至11と、前面カバーC57のうち、これらのリブRB8乃至11で囲まれた部分と、この部分に対向する第1ベース部C55の表面とで、アウト通路OR1が形成されている。本実施形態では、第11リブRB11には、遊技球が通過可能な通過口RB11aが形成されて、アウト通路OR1を通過した遊技球は、通過口RB11aを介してアウト口D36に向けて流下するようになっている。
このアウト通路OR1においても、このアウト通路OR1を通過する遊技球の速度を減速させるための第5減速部GS5が設けられている。この第5減速部GS5は、アウト通路OR1を構成する前面カバーC57の裏面から第1ベース部C55の表面に向けて突出したリブ状の突起C57eと、第1ベース部C55の表面から前面カバーC57の裏面に向けて突出した3つのリブ状の突起C55eとにより構成されている。これらの突起C55eもそれぞれ、アウト通路OR1を流下する遊技球が略垂直に突き当たるように、傾斜通路部S14に設けられた突起C55eは傾斜通路部S14を構成する第8及び第9リブRB8、9に対して略垂直に延び、垂下通路部S16の上部に設けられた突起C55eは、第10リブRB10に対して略垂直に延び、垂下通路部S16の下端部であって、遊技球が図52で見て左側に抜ける通過口RB11aの近傍に設けられた突起C55eは、第10リブRBに対して略平行に延びるように配置されている。本実施形態では、通過口RB11aは、図53(b)にも示すように、その上端が第1シャッタ部材C30bと略同じ高さにあり、その下端が球通路部C30aの下端部と略同一平面状にあって、上下に長く伸びる形状をなしている。このため、この通過口RB11aの近傍に設けられた突起C55eは、この通過口RB11aの高さ方向よりも長く(換言すれば、他の突起C55eよりも長く)形成されて、通過口RB11aに向かう遊技球がどの位置にあっても、突起C55eに干渉し得るようになっている。
<本実施形態に係る大入賞口装置C50の作用>
右打ち時において、遊技領域D30を流下して大入賞口装置C50に到達した遊技球は、図52(a)の矢印A方向又は矢印Bに流下して、通過口B15又はゲートB14を通過し、第2主遊技始動口B12が閉鎖状態にあるときは、第2主遊技始動口B12を閉鎖している第2シャッタ部材C30c上を転動して第3通路SR3に向かう。また、第2主遊技始動口B12が開放状態にあるときは、第2主遊技始動口B12に入球するか、或いは、第2主遊技始動口B12を乗り越えて第3通路SR3に向かう。また、第1通路SR1又は第5通路SR5を遊技球が通過する際に、第1又は第4減速部GS1、GS4のいずれかの突起C55a、C57a、C55d又は減速凹部55dに遊技球が干渉すると、遊技球はその勢いが低下した状態となって下流側に向けて流下する。
このように、第1及び第4減速部GS1、GS4を設けることにより、第1又は第5通路SR1、SR5を流下する遊技球の勢いを低下させることができるので、第2主遊技始動口B12が開放状態にあるときにおいて、第1及び第4減速部GS1、GS4によって減速されなかった場合に比して、第2主遊技始動口B12に遊技球を入賞しやすくすることができる。また、第1及び第4減速部GS1、GS4にて遊技球の勢いを低下することによって、遊技球が暴れ難くなってその挙動を安定させることができる。その結果、第2主遊技始動口B12を通過した遊技球の挙動も安定し、この遊技球を検知する入賞検知センサC60cのチャタリングの発生や破損等を防止することができる。
第5通路SR5を通過した遊技球は、第3通路SR3に沿って流下し、この第3通路SR3を抜けた遊技球は、そのまま落下するか、或いは、突き当て部rb2に突き当たる。この突き当て部rbに突き当たって跳ね返った遊技球が、他通路部S12の入口S12aに入ると、他通路部S12内を流下する。また、突き当て部rbに突き当たって跳ね返った遊技球が、他通路部S12の入口12aの周縁等に当たる等によって入らなかった場合には、入賞通路部S10内を流下する。この第3通路SR3を遊技球が通過している際に、第2減速部GS2の突起C55b、C55bに遊技球が干渉すると、遊技球はその勢いが低下した状態となって下流側に向けて流下する。
このように、第2減速部GS2を設けることにより、第3通路SR3を流下する遊技球の勢いを低下させることができるので、第3通路SR3を抜けた遊技球がそのまま下方に落下し易くなる。また、勢いが低下した状態で突き当て部rb2に突き当たった場合も、そのまま下方に落下し易くなる。したがって、第2減速部GS2によって減速されなかった場合に比して、流下経路中に大入賞口30が位置している分岐通路SR4の入賞通路部S10に遊技球を流下させ易くすることができ、アウト口D36に遊技球を案内する他通路部S12に遊技球を導き難くすることができる。この結果、分岐通路SR4において、他通路部S12を通過する遊技球の割合よりも、入賞通路部S10を通過する遊技球の割合を高くすることができ、遊技の興趣を損なわずに遊技の興趣の向上を図ることができる。しかも、第2減速部GS2の上流側に、第1又は第4減速部GS1、GS4が設けられているので、上流側の第1又は第4減速部GS1、GS4によって勢いを低下した後に、さらに第2減速部GS2によってその勢いを弱めることができ、この場合、他通路部S12を通過する遊技球の割合よりも、入賞通路部S10を通過する遊技球の割合をさらに高くすることができる。
第3通路SR3を介して、分岐通路SR4の入賞通路部S10を流下する遊技球は、大入賞口C30が開放状態にあるときには、大入賞口C30に入球し、大入賞口C30が閉鎖状態にあるときには、第1シャッタ部材C30b上を転動する。このとき、第3減速部GS3の突起C55c、C57dに遊技球が干渉すると、遊技球はその勢いが低下した状態となって下流側に向けて流下する。
このように、第3減速部GS3を設けることにより、入賞通路部S10を流下する遊技球の勢いを低下させることができるので、第1シャッタ部材C30b上を遊技球が転動する時間を長くすることができ、第1シャッタ部材C30b上において遊技球を滞留させ易くなる。これにより、大当り時において、1ラウンドの規定数(例えば、9個)よりも多くの遊技球を入球させるといった、いわゆる超過入賞を発生しやすくすることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。ここで、本実施形態のように、小当たりラッシュを搭載しているぱちんこ遊技機においては、上述のように、本実施形態の小当りは、1ラウンドのみであり、また、大当りに比して大入賞口C30の開放時間が短いため、一般的に、小当りの1ラウンドにおいて大入賞口C30に入球する遊技球の数が、大当りの1ラウンドにおいて大入賞口C30に入球する数よりも少なくなる。しかしながら、本実施形態では、上述のように超過入賞を発生し易くすることができるので、上述の減速部SG1乃至4を有していないぱちんこ遊技機に比して、小当りラッシュの遊技の興趣を向上させることができる。
<前面カバーC57等の変形例>
本実施形態においては、前面カバーC57の上端部を遊技釘YGに近接させたが、これに代えて、前面カバーC57の上端部を上方に延ばして、この上端部が遊技釘YGの手前側に位置するように設けるとともに、この上端部を透明にした上で、図54(a)に示すように、この上端部に縦横に等間隔に直交する複数のグリット線を付すようにしても良い。この場合、このグリット線によって、遊技盤の盤面に対する遊技釘YGの位置が明確になるため、図54(b)に示すように、遊技釘YGを不正行為等によって曲げた(遊技釘の調整を行った)としても、この曲げた状態が一目瞭然となり、この種の不正行為を防止することができる。
なお、上述の例では、前面カバーC57に直接グリット線を付したが、これに代えて、例えば、前面カバーC57に貼付されるシールCLの該当部分にグリット線を付すようにしても良い。また、グリット線を配置する個所は、上述のように前面カバーC57に限定されず、例えば、センター飾りD38の一部を遊技領域D30内のいずれかの遊技釘の手前側に位置するように延ばし、この部分に直接グリット線を付したり、この部分にグリット線を付した透明シールを貼付するようにしたり、或いは、透明板16の裏面側において、チェックしたい遊技釘に対応する個所に、グリット線を付した透明シールを貼付するようにしたり等しても良い。要は、遊技領域D30のいずれかの遊技釘の手前側にグリット線といった、遊技釘の位置の基準となる目印を付すようにすれば良い。
また、本実施形態では、各減速部SG1乃至4における突起C55a、C57a等においては、リブ状に形成していたが、その形状については、これに限定されず、適宜の形状を採用することが可能であるし、また、これらの突起の数や配置個所についても適宜設定可能であることは言うまでもない。さらに、本実施形態では、上述の突起C55a、C57a等においては、前面カバーC57や第1ベース部C55に対して略垂直に延びるように形成したが、これに限定されず、例えば、突起C55a、C57a等の先端部がその基端部よりも上流側或いは下流側に向けて傾斜するように形成しても良い。要は、流下する遊技球と干渉することが可能であれば、その形状、大きさ、数、傾斜角度、配置位置等については、仕様などに応じて適宜設定可能である。さらに、各減速部SG1乃至4の配置個所については、大入賞口装置C50内に限定されず、遊技球の通路(流路)において、減速が必要な箇所に配置されていれば良い。
<可動役物装置YK1の構成>
次に、可動役物装置YK1について説明する。図55は、本実施形態に係る可動役物装置YK1を示す斜視図であり、図56は、本実施形態に係る可動役物装置のロゴ役物と導光板との位置関係を説明するための図であり、図57は、本実施形態に係る可動役物装置の分解斜視図であり、図58は、本実施形態に係る可動役物装置の駆動部を示す斜視図であり、図59は、本実施形態に係る可動役物装置の動作を説明する図であり、図60は、本実施形態に係る可動役物装置のロゴ役物の可動可能な範囲を説明する正面図であり、図61は、本実施形態に係る可動役物装置のロゴ役物の位置を検知するセンサ及びこのセンサの検知状態を説明する図であり、図62は、本実施形態に係る可動役物装置のロゴ役物の初期動作処理の流れを示すフローチャートであり、図63は、本実施形態に係る可動役物装置のガイド部材を説明する斜視図であり、図64は、本実施形態に係るガイド部材の作用を説明するイメージ図である。
図55に示すように、可動役物装置YK1は、枠状をなす枠状ベース部YK3、枠状ベース部YK3の前面側に設けられ、枠状ベース部YK3の左右の縦枠部YK5に沿って上下に移動可能でかつ左右に延びる長板状の可動ベース部YK10、及びこの可動ベース部YK10の前面側に位置して可動ベース部YK10の長手方向に沿って移動可能でかつ左右に延びる長板状のロゴ役物(可動演出部)YK12等を有している。なお、ロゴ役物を可動役物と称することがある。
枠状ベース部YK3の左右の縦枠部YK5の正面側にはそれぞれ、キャラクタや文字等の意匠が施された装飾部YK4が設けられている。また、縦枠部YK5にはそれぞれ、それぞれの装飾部YK4の裏面側に、スパイラルシャフト(寸切りボルト)YK6が、枠状ベース部YK3の上下の横枠部YK7間に亘って上下に延びるように設けられている。
この枠状ベース部YK3は、センター飾り(センターフレーム)D38の背面側に設けられている。すなわち、本実施形態では、図56に示すように、ぱちんこ遊技機の前面側から、透明板D16、導光板DK1、センター飾りD38、可動役物装置YK1の順に配置されている。この図56に示すように、可動役物装置YK1のロゴ役物YK12の前面は、センター飾りD38の最前面と最背面との間に位置している(換言すれば、ロゴ役物YK12の両側面とセンター飾りD38の内側面とが対峙する位置関係にある)とともに、導光板DK1と近接した位置関係(例えば、ロゴ役物YK12が振動すると導光板DK1と干渉するぐらいに近接した位置関係)となっている。なお、図56の右図は、上記位置関係を模式的に示し、図56の左図については、上記右図のどこから見た位置関係であるのかを分かりやすくするために簡略的に示している(左図においては、右図のロゴ役物等の記載は省略している)。
図57に示すように、可動ベース部YK10の両端部にはそれぞれ、枠状ベース部YK3の一対のスパイラルシャフトYK6に螺合する螺合部YK10aが設けられており、図示しないモータ等の駆動源からの動力を伝達されたスパイラルシャフトYK6の回転によって、可動ベース部YK10がスパイラルシャフトYK6に沿って上下動するようになっている。また、可動ベース部YK10の中央部左寄りの部分には、正面視で略矩形状の挿通口YK10bが形成されている。なお、本実施形態では、可動ベース部YK10は、スパイラルシャフトYK6及び螺合部YK10aによって上下動したが、これに代えて、例えば、可動ベース部YK10にラックギアを設け、このラックギアに歯合するピニオンギアの駆動によって上下動するようにしても良く、可動ベース部YK10の上下動させるための駆動部や動力伝達機構等については特に限定されないことは言うまでもない。
この可動ベース部YK10に取り付けられたロゴ役物YK12の表面には、ぱちんこ遊技機のキャラクタや文字等のロゴがあしらわれている。このロゴ役物YKの裏面には、可動ベース部YK10の挿通口YK10bに挿通された図示しない挿通片が設けられている。この挿通片は、図58にも示すように、可動ベース部YK10の背面側に設けられたラックギアRG1に固定されており、このラックギアRG1に歯合したピニオンギアPN1の回転によって、ラックギアRG1とともに、ロゴ役物YK12が可動ベース部YK10に対して左右に移動するようになっている。
したがって、ロゴ役物YK12の挿通片が、可動ベース部YK10の挿通口YK10bの左端又は右端に突き当たるまで移動可能であり(換言すれば、これらの挿通口YK10bの左端及び右端はそれぞれ、ロゴ役物YK12のそれ以上の移動を阻止する左ストッパ及び右ストッパとなっている)、この挿通片が挿通口YK10bの左端又は右端に突き当たった位置の間が、可動ベース部YK10に対するロゴ役物YK12の最大移動範囲(最大可動範囲)となっている。本実施形態では、ロゴ役物YK12は、図60に破線にて模式的に示すように、左方向においては、略円形の遊技領域D30の内側の仕切りを形成するセンター飾りD38よりも左側に、右方向においてはセンター飾りD38よりも右側にそれぞれ移動可能となっており、ロゴ役物YK12がセンター飾りD38に突き当たり得る(干渉し得る)構造となっている。
なお、本実施形態では、ロゴ役物YK12の最大移動範囲として、センター飾りD38よりも左側及び右側の範囲としていたが、これに限定されず、例えば、左方向においては、センター飾りD38よりも右側(センター飾りD38の左内側)、右方向においては、センター飾りD38よりも左側(センター飾りD38の右内側)の範囲を最大移動範囲としても良い。この場合においては、ロゴ役物YK12が、センター飾りD38の内側において、上下方向の中央部に位置している(例えば、図59(b)の位置)場合においては、左右方向に最大限に移動したとしても、センター飾りD38に干渉し得ないが、ロゴ役物YK12が、図60で示す初期位置(センター飾りD38の内側において、上下方向の上部。以後、ここをセンター飾りD38の上端内側という。)に位置している場合においては、センター飾りD38の内側における左右方向の内径が、上述の上下方向の中央部よりも上部の方が狭いため、ロゴ役物YK12が左右方向に最大限に移動すると、センター飾りD38に干渉し得ることとなる。
図57に示すように、上述のピニオンギアPN1は、枠状ベース部YK3に固定された固定ベース部YK16に取り付けられたモータYK17の駆動によって、そのギア軸を中心に左右方向(時計回り方向(以後、単に「CW方向」と言う。)及び反時計回り方向(以後、単に、「CCW方向」と言う。)に回転可能となっている。本実施形態では、モータTK17がCCW方向に駆動した場合には、ロゴ役物YK12が左方向に移動し、モータYK17がCW方向に駆動した場合には、ロゴ役物YK12が右方向に移動するようになっている(図61参照)。本実施形態では、上述のピニオンギアPN1、ラックギアRG1、モータYK17、スパイラルシャフトYK6、可動ベース部YK10の螺合部YK10a等によって、ロゴ役物YK12の駆動部を構成している。
図58に示すように、固定ベース部YK16は、左右に延びる板状をなしており、その表面側に左右に延びる角柱状のレールRL1が設けられている。そして、挿通片を介してロゴ役物YK12が固定されたYK12ラックギアGR1が、レールRL1に沿って左右方向に移動自在に取り付けられている。また、固定ベース部YK16には、レールRL1に沿った凹溝条YK16aが形成されており、この溝条16a内には、ラックギアGR1の左端部から固定ベース部YK16に向けて突出した検知片GR1aが挿入され、この検知片GR1aは、ラックギアGR1の左右の移動に伴って、凹溝条YK16aに沿って左右に移動するようになっている。
固定ベース部YK16の表面において、レールRL1の左端部に対応する個所には、ロゴ役物YK12が可動ベース部YK10に対して左側に位置していることを検知する左可動位置センサSN1が設けられ、この左可動位置センサSN1から右方に沿って、ロゴ役物YK12が初期位置に位置していることを検知する初期位置センサSN2、ロゴ役物YK12が可動ベース部に対して右側に位置していることを検知する右可動位置センサSN3、ロゴ役物YK12の可動方向(左右方向のいずれか)を確認するための可動方向確認センサSN4が、互いに間隔をあけてこの順に配置されている。これらのセンサSN1乃至4のうち、センサSN1乃至3については、上述の検知片GR1aがこれらのセンサSN1乃至3を遮光状態及び受光状態にすることによってロゴ役物YK12の左右方向の位置を検知し、可動方向確認センサSN4については、ラックギアGR1の右端部GR1bが、センサSN4を遮光状態及び受光状態とすることによってロゴ役物YK12の可動方向を検知するようになっている。すなわち、本実施形態では、ラックギアGR1の右端部GR1bは、可動方向確認センサSN4によって検知される検知片として機能している。
左可動位置センサSN1は、凹溝条YK16aの上下にそれぞれ配置された発光素子HK及び受光素子JKを有するフォトセンサを用いている。また、初期位置センサSN2及び右位置センサSN3も、上述の左可動位置センサSN1と同様に発行素子及び受光素子を有するフォトセンサを用いている。一方、可動方向確認センサSN4は、その内側にラックギアGR1の右端部が通過可能なフック部材FKの内面に設けられた発光素子(図示せず)と、固定ベース部YK16の表面において、この発光素子に対応する位置に設けられた受光素子とを有するフォトセンサを用いている。なお、本実施形態では、各センサSN1乃至4として、上述のようなフォトセンサを用いているが、これに代えて、例えば、反射センサ、磁気センサ等の適宜のセンサを用いても良く、要は、ロゴ役物YK12の位置を検知可能なセンサを用いれば良いことは言うまでもない。また、本実施形態における他のセンサ類についても同様であることも言うまでもない。
ロゴ役物YK12は、通常状態においては、図59(a)で示すように、枠状ベース部YK3の上部で且つ略中央の位置である初期位置に位置しており、上述の小当りラッシュ時においては、図59(c)に示すように、枠状ベース部YK3の下部である可動位置に位置するようになっている。また、図59(b)及び(c)に示すように、初期位置から可動位置(最下段位置)に向けて落下している際において、ロゴ役物YK12が左右に移動するようになっている。なお、上記ロゴ役物YK12の位置については、例えば、通常状態においては図59(c)に示す位置を初期位置とし、小当りラッシュの際には図59(a)や(b)に示す位置を可動位置としても良いし、また、上述の初期位置や可動位置に対応した遊技状態としては、通常時や小当りラッシュ時の他、大当たり時やリーチ時等であっても良いことは言うまでもない。要は、どの遊技状態において、ロゴ役物YK12をどの位置に位置させるのかは適宜変更可能であり、ロゴ役物は、所定の遊技状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態、大当り遊技状態(単に、「大当り」と言うこともある。)、小当り遊技状態(単に、「小当り」と言うこともある。)、主遊技の時短フラグがオンの遊技状態、リーチの状態等)に対応した所定の位置(上下左右のいずれかの位置)に位置するようにしていれば良い。さらに、ロゴ役物YK12については、図168の(a)乃至(n2)のタイミングで移動可能とすることができる。このように構成することによって、演出表示装置SGに表示された第1装飾図柄や第2装飾図柄の各種アクションがより一層強調されるため、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、ロゴ役物YK12は、演出動作を行う際においては、図59(a)で示すように、可動ベース部YK10の略中央の初期位置に対して、図59(b)で示す左可動位置と、図59(c)で示す右可動位置とのいずれかの位置に移動するようになっている。本実施形態では、演出動作を行う際のロゴ役物YK12の左右方向の移動については、図59(b)で示す左可動位置、換言すれば、左可動位置センサSN1に検知されている状態が最も左側に位置している状態であり、図59(c)で示す右可動位置、換言すれば、右可動位置センサSN3に検知されている状態が最も左側に位置している状態となっている。すなわち、ロゴ役物YK12は、上述のように、左方向においては、センター飾りD38よりも左側に、右方向においてはセンター飾りD38よりも右側にそれぞれ移動可能な構造とはなっているが、演出動作を行う際においては、左可動位置においてはセンター飾りD38よりも右側に、右可動位置においてはセンター飾りD38よりも左側に位置するようになっており、連出動作を行う際において、ロゴ役物はこの左可動位置及び右可動位置の範囲内で左右に移動するようになっている。
なお、本実施形態におけるロゴ役物YK12の演出動作としては例えば、可動ベース部YK10とともに下方に移動しつつ、可動ベース部YK12に対して左右に移動したり、図59(a)の初期位置にあるときに、可動ベース部YK10に対して左右に微少量の往復動作(左右のガタガタ動作)をしたり、或いは、可動ベース部YK10が上下に微少量の往復動作することでロゴ役物YK12が上下に往復動作(上下のガタガタ動作)するように見えるようにしたり等を挙げられるが、演出動作としてはこれに限定されないし、また、どのタイミングで行うのかも適宜設定可能であることは言うまでもない。
また、ロゴ役物YK12は、可動ベース部YK10によって上下に移動可能であるとともに、可動ベース部YK10に対して左右に移動可能としているが、これに代えて、ロゴ役物YK12が可動ベース部YK10によって左右に移動可能であるとともに、可動ベース部YK10に対して上下に移動可能に設けても良いし、弧を描くように移動するようにしても良く、要は、ロゴ役物YK12や可動ベース部YK10においては、センター飾りD38内を可動可能であれば、その移動方向については特に限定しない。さらに、本実施形態では、可動演出部としてロゴ役物YK12を適用したが、これに代えて、例えば、上述の演出表示装置SGを移動可能にした可動演出表示装置(この場合、大きさとしては本実施形態のロゴ役物YK12程度の大きさ或いはこれよりも小さいことが、その可動範囲を大きくする観点で好ましい。)や、後述する導光板DK1等、移動可能な役物であれば、ぱちんこ遊技機の仕様等に応じて適宜適用可能であることは言うまでもない。
<ロゴ役物YK12の検知>
次に、上述の各センサSN1乃至SN4に係るロゴ役物YKの検知について説明する。本実施形態では、ロゴ役物YK12が固定されたラックギアGR1の検知片GR1aおよびラックギアGR1の右端部GR1bが、いずれかのセンサSN1乃至4を遮光状態としているときには、ロゴ役物YK12がそのセンサに対応した位置にいることを検知している検知状態とされ、上述の検知片GR1aがいずれかのセンサSN1乃至4を遮光していない受光状態であるときには、センサSN1乃至4がロゴ役物YK12を検知していない非検知状態とされている。なお、検知状態及び非検知状態としては、遮光状態を非検知状態、受光状態を非検知状態とするように設定しても良いことは言うまでもない。要は、ロゴ役物YK12がどこにいるのかを判断することができれば、そのセンサの配置個所や、そのセンサの遮光状態及び受光状態のいずれかを検知状態或いは非検知状態とするのかについては適宜設定可能である。
ここで、各センサに対する検知片GR1aおよびラックギアGR1の右端部GR1bの遮光状態及び受光状態について説明する。図61(a)は、可動ベース部YK10設けられたロゴ役物YK12を検知する各センサSN1乃至4の位置関係を模式的に示した図であり、(b)はロゴ役物YK12が固定されたラックギアGR1の検知片GR1aの移動範囲を示す図であり、(c)は各センサSN1乃至4の検知状態及び非検知状態を示す図であり、(d)はロゴ役物YK12が左可動位置及び右可動位置に位置している状態を示す図である。
図61(b)は、上述のように検知片GR1aの左右方向の移動範囲(換言すれば、ロゴ役物YK12の左右方向の移動範囲)を示す図であり、この図では、検知片GR1aの左右方向の移動範囲を区間(1)乃至(9)に区分けしている。すなわち、検知片GR1aの左右方向の移動範囲としては、検知片GR1aが固定ベース部YK16の凹溝条YK16a(図58参照)の左端(左ストッパ)に突き当たった位置(換言すれば、左方向における最大移動範囲の位置。このときにおいて、左可動位置センサSN1は遮光状態かつロゴ役物YK12は左可動位置の左側に位置している)から少し右方向に移動した位置(このときにおいても、左可動位置センサSN1は遮光状態であり、ロゴ役物YK12は図61(d)に示す左可動位置に位置している)までの区間(1)、検知片GR1aがこの区間(1)の最終位置から左可動位置センサSN1を抜ける直前まで移動した区間(2)、検知片GR1aがこの区間(2)の最終位置から初期位置センサSN2の手前の位置まで移動した区間(3)、検知片GR1aがこの区間(3)の最終位置から初期位置センサSN2を遮光する位置まで移動したとともに、ラックギアGR1の右端部GR1bが可動方向確認センサSN4を遮光する直前の位置まで移動した区間(4)、検知片GR1aがこの区間(4)の最終位置から少し右方向に移動した(このときにおいては、初期位置センサSN2は遮光状態であり、ロゴ役物YK12は図61(a)に示す初期位置に位置している。)とともに、ラックギアGR1の右端部1bが可動方向確認センサSN4を遮光する位置(これ以降の区間(6)乃至(9)においては、可動方向確認センサSN4は遮光状態を維持し続ける)まで移動した区間(5)、検知片GR1aがこの区間(5)の最終位置から初期位置センサSN2を抜ける直前まで移動した区間(6)、検知片GR1aがこの区間(6)の最終位置から右可動位置センサSN3の直前まで移動した区間(7)、検知片GR1aがこの区間(7)の最終位置から少し右方向に移動した(このときにおいては、右可動位置センサSN3は遮光位置であり、ロゴ役物YK12は図61(d)に示す右可動位置に位置している)区間(8)、及び検知片GR1aがこの区間(8)の最終位置から凹溝条YK16aの右端(右ストッパ)に突き当たった位置(換言すれば、右方向における最大移動範囲の位置)までの区間(9)といった9つの区間に区分けしている。
また、上記各区間(1)乃至(9)において、各センサSN1乃至4の検知状況は図61(c)に示す通りである。すなわち、区間(1)では、左可動位置センサSN1のみが検知状態(左可動位置センサSN1が検知片GR1aによって遮光状態)であり、初期位置センサSN2、右可動位置センサSN3及び可動方向位置センサSN4はそれぞれ非検知状態(それぞれのセンサSN2乃至3が検知片GR1aやラックギアGR1の右端部GR1bによって遮光されていない受光状態)という検知パターンとなっている。区間(2)においても、左可動位置センサSN1のみが検知状態という検知パターンであり、これらの区間(1)及び(2)では、ロゴ役物YK12が左可動位置に位置していることを検知している状態となっている。区間(3)では、どのセンサSN1乃至4においても非検知状態という検知パターンとなっており、センサSN1乃至4からは、ロゴ役物YK12がどこにいるのかが把握できないが、可動方向確認センサSN4が非検知状態であることによって、ロゴ役物YK12が初期位置よりも左寄りに位置していることが把握できる状態となっている。
また、区間(4)では、初期位置センサSN3のみが検知状態という検知パターンであり、区間(5)及び(6)では、初期位置センサSN3及び可動方向確認センサSN4が検知状態という検知パターンであり、これらの区間(5)乃至(6)では、ロゴ役物YK12が初期位置に位置していることを検知している状態となっている。区間(7)では、可動方向確認センサSN4のみが検知状態という検知パターンであり、これ以外の各センサSN1乃至3ではロゴ役物YK12がどこにいるのかが把握できないが、検知状態にある可動方向確認センサSN4によって、ロゴ役物YK12が初期位置よりも右寄りに位置していることが把握できている状態となっている。
さらに、区間(8)及び(9)では、右可動位置センサSN3及び可動方向確認センサSN4が検知状態という検知パターンであり、これらの区間(8)及び(9)では、ロゴ役物YK12が右可動位置に位置していることを検知している状態となっている。
ここで、上記区間(3)及び(7)においては、左可動位置センサSN1、初期位置センサSN1及び右可動位置センサSN3がいずれも非検知状態という検知パターンであり、これらのセンサSN1乃至3では、ロゴ役物YK12がどこにいるのかが精確に把握できない状態となっている。しかしながら、上記区間(7)では、上述のように右可動位置センサSN4が検知状態となっており、ロゴ役物YK12が初期位置よりも右寄りに位置していることが把握できる。これに対応するように、上記区間(3)では、可動方向確認センサSN4が非検知状態となっているため、この状態では、ロゴ役物YK12は、初期位置よりも左寄りに位置していることを把握することができる。すなわち、区間(3)における各センサSN1乃至4の検知・非検知のパターンは、「×、×、×、×」である一方、区間(7)における各センサSN1乃至4の検知・非検知のパターンは、「×、×、×、〇」であり、それぞれの検知パターンが異なっているため、このパターンの相違によって、左可動位置センサSN1、初期位置センサSN1及び右可動位置センサSN3がいずれも非検知状態であっても、ロゴ役物TK12のおおよその位置(初期位置よりも左寄りか右寄りか)を把握することができる。換言すれば、本実施形態では、全てのセンサSN1乃至4が非検知状態のときには、ロゴ役物(可動役物)YK12が、初期位置よりも左寄りの位置(全てのセンサが非検知状態であることに対応した所定の位置)に位置していると判定(判断)するようになっている。
このように、可動方向確認センサSN4を設けることで、ロゴ役物YK12の位置を検知するそれぞれのセンサSN1乃至3が全て非検知状態であっても、ロゴ役物YKのおおよその位置を把握することができる。また、可動方向確認センサSN4によってロゴ役物YKのおおよその位置を把握することができるため、ロゴ役物YKの位置を検知するセンサSN1乃至3の全てのセンサが非検知状態とならないように、この種のセンサを多く設けたり、検知片1aの長さを長くしたり、或いは検知片を増やしたり等する必要がなくなるので、部品点数の削減を図ることができる。また、必要以上のセンサを設けなくても済むので、センサの増加に伴う制御の複雑化を防止することができる。
次に、副制御基板(駆動制御部でもある)Sによるロゴ役物YK12の初期動作処理(初期位置に戻す処理)について説明する。本実施形態では、副制御基板Sにおいて、客待ちデモ時、大当たり時、変動開始時、変動停止時等の遊技の節目に行われるロゴ役物YK12の位置を確認するポジションチェックのとき、ロゴ役物YK12が初期位置に位置しているべき状況(例えば、通常状態等)において、所定時間(例えば、5秒)経過しても初期位置にいない(初期位置センサSN3が非検知状態)にあるとき、及び電断復帰のとき、といった所定の状況において、図62に示すようなロゴ役物YK12の初期動作処理を行うようにしている。
すなわち、副制御基板Sは、先ず、各センサSN1乃至4の検知パターンによって区間(4)乃至(6)のいずれかに(初期位置のいずれかに)ロゴ役物YK12が位置しているかどうか判定し、ロゴ役物YK12が初期位置にいない場合には(ステップ3551でNo)、ロゴ役物YK12が左位置にいるか否かを判定する。ロゴ役物YK12が左端位置、換言すれば、各センサSN1乃至4の検知パターンによって区間(1)又は(2)にロゴ役物YK12が位置していると判定した場合には(ステップ3552でYes)、副制御基板Sは、区間(1)又は(2)から初期位置まで(例えば区間(4)まで。以下同様。)に必要なモータYK17の第1ステップ数を算出し、この値だけモータYK17をCW方向に駆動する旨のコマンド(ロゴ役物YKの動作リクエスト)を決定する。このコマンドを受けたモータYK17がCW方向に上記所定ステップ数だけ駆動することによって、ロゴ役物YK12が右方向に移動して初期位置に戻る(ステップ3553)。
また、ロゴ役物YK12が左端位置にいない場合には(ステップ3552でN0)、副制御基板Sは、ロゴ役物YK12が右端位置、換言すれば、各センサSN1乃至4の検知パターンによって、区間(8)又は(9)にロゴ役物YK12が位置していると判定した場合には(ステップ3554でYes)、副制御基板Sは、区間(8)又は(9)から初期位置までに必要なモータYK17の第2ステップ数を算出し、この値だけモータYK17をCCW方向に駆動する旨のコマンドを決定する。このコマンドを受けたモータYK17がCCW方向に上記所定ステップ数だけ駆動することによって、ロゴ役物YK12が左方向に移動して初期位置に戻る(ステップ3555)。なお、本実施形態では、区間(4)乃至(6)のいずれかにロゴ役物YK12が位置していれば初期位置に位置しているという扱いをしているが、可動方向確認センサSN4が検知状態であり、初期位置よりも若干右寄りに位置している区間(5)及び(6)においては、右端位置と判定して、ステップ3555と同様に制御するようにしても良い。このようにした場合、初期位置のズレを防止することができ、初期位置の微調整を行うことができる。
ステップ3554においても、ロゴ役物YK12が右端位置に位置していない場合、すなわち、ここまでの判定結果、ロゴ役物YK12が初期位置にも、左端位置にも、右端位置にも位置していない場合には、副制御基板Sは、ロゴ役物YK12がセンサ外(左寄り)か否かを判定する。ロゴ役物YK12がセンサ外(左寄り)、換言すれば、各センサSN1乃至4の検知パターンによって区間(3)にロゴ役物YK12が位置していると判定した場合には(ステップ3557でYes)、副制御基板Sは、区間(3)から初期位置までに必要なモータYK17の第3ステップ数を算出し、この値だけモータYK17をCW方向に駆動する旨のコマンドを決定する。このコマンドを受けたモータYK17がCW方向に上記所定ステップ数だけ駆動することによって、ロゴ役物YK12が右方向に移動して初期位置に戻る(ステップ3557)。
一方、ロゴ役物YK12がセンサ外(左寄り)でない場合(ステップ3556でNo)には、ロゴ役物YK12がセンサ外(右寄り)ということ、換言すえば、各センサSN1乃至4の検知パターンによって区間(7)にロゴ役物YK12が位置していることということになるので、副制御基板Sは、区間(7)から初期位置までに必要なモータYK17の第4ステップ数を算出し、この値だけモータYK17をCCW方向に駆動する旨のコマンドを決定する。このコマンドを受けたモータYK17がCCW方向に上記所定ステップ数だけ駆動することによって、ロゴ役物YK12が左方向に移動して初期位置に戻る(ステップ3558)。なお、上述の実施形態では、ロゴ役物YK12を初期位置に戻す際には、滞在している区間から初期位置までの必要なステップ数だけモータYK17を駆動するという制御を行っていたが、これに代えて、ステップ数を算出せずに、初期位置センサSN3が検知片GR1aを検知するまでモータYK17を駆動し続ける制御を行うようにしても良いことは言うまでもない。
ここで、本実施形態のように可動方向確認センサSN4を設けていない場合には、上述の区間(3)や(7)のように、ロゴ役物YK12の位置を検知する各センサSN1乃至3がその位置を検知できず、おおよその位置も把握できない状態では、例えば、ロゴ役物YK12を左方向或いは右方向のいずれかの方向に、その上述の最大移動範囲だけ移動させて、ロゴ役物YK12が左右端のいずれかに位置していることを確実に担保した後、そこから初期位置に戻すという制御が必要となる。この場合、ロゴ役物YK12の移動距離が長くなるため、これに伴って初期位置に復帰する時間も長くなることとなるとともに、モータYK17の駆動時間も長くなる(状況1)。これに対し、本実施形態では、可動方向位置センサSN4を設けているので、初期動作処理を行う際に、ロゴ役物YK12の位置を検知する各センサSN1乃至3が、その位置を検知できない状態であっても、初期位置から左寄りなのか右寄りなのかを把握することができ、その位置から初期位置までという最短距離だけモータYK17を駆動すれば足りるので、初期位置から外れたロゴ役物YK12を最小時間で初期位置に戻すことができ、モータYK17の負担も軽減することができる。
また、本実施形態では、ロゴ役物YK12が最大移動範囲だけ移動した場合には、上述のようにロゴ役物YK12がセンター飾りD38と干渉してしまう仕様となっており、上記状況1では、初期動作処理を行う際に、ロゴ役物YK12を最大移動範囲だけ移動させると、可動ベース部YK10の動作状況(上下位置)によっては、ロゴ役物YK12がセンター飾りD38に干渉するという事態が発生するのに対し、本実施形態では、上述のようにロゴ役物YK12を最大移動範囲移動させる必要がないため、そのような事態を防止することができる。これにより、可動ベース部YK10に対するロゴ役物YK12の可動範囲を設定するにあたり、センター飾りD38との干渉を考慮しなくても済むので、その可動範囲の設計の自由度の向上を図ることができる。
次に、可動役物装置YK1のガイド部材について説明する。図63に示すように、可動ベース部YK10の右側端部の前面側には、可動ベース部YK10に向けて突出したガイド部材YK20が設けられている。このガイド部材YK20における上述の可動ベース部YK10に対向する対向面YK20aは、その上下方向の途中から下の部分において、下方に向かうにつれて次第にその肉厚が狭くなるようなテーパ面部YK20bとされており、このテーパ面部YK20bが初期位置に戻ろうとする可動ベース部YK10の前面のうち、右側端部に接触することで、この可動ベース部YK10を背面方向に押し戻すように押さえつけるようになっている。
すなわち、図64に模式的に示すように、ガイド部材YK20の下方に位置した可動ベース部YK10が初期位置(センター飾り(センターフレーム)D38の上端内側にロゴ役物YK12が位置する高さ)に戻るために上昇すると、ガイド部材YK20のテーパ面部YK20bに接触することで、可動ベース部YK10の右側端部はこのテーパ面部YK20bに沿って摺動する。これによって、初期位置に復帰したロゴ役物YK12及び可動ベース部YK10が、背面方向に押し付けられつつ押さえられるようになっている。なお、本実施形態では、ガイド部材YK20は、可動ベース部YK10の前面のうち、右側端部に接触したが、これに限定されず、例えば、ガイド部材YK20が可動ベース部YK10の前面のうち、左側端部等に接触するようにしても良く、要は、可動ベース部YK10の前面においてロゴ役物YK12を回避した個所であれば、その接触位置は特に限定しない。また、設置スペースの問題で、可動ベース部YK10の前面のいずれかにガイド部材YK20を接触させられない場合には、ロゴ役物YK12の前面等にガイド部材YK20を接触させるようにしても同様の作用効果を奏するが、ガイド部材YK20と接触するのは可動ベース部YK10の前面であることが好ましい。
このように、上述のガイド部材YK20を設けることで、このガイド部材YK20がロゴ役物YK12及び可動ベース部YK10の初期位置において、ロゴ役物YK12及び可動ベース部YK10を背面側に向けて押さえつけるので、ロゴ役物YK12及び可動ベース部YK10を安定して初期位置に位置させることができる。しかも、本実施形態のように、ロゴ役物YK12と導光板DK1とが近接している仕様(図56参照)であって、ロゴ役物YK12及び可動ベース部YK10が上述のように左右上下のガタガタ動作等の演出動作を行ったとしても、ロゴ役物YK12が導光板DK1とが干渉することを防止することができる。
<<可動役物の裏側に関する構成>>
次に、本明細書に適用可能な、可動役物の裏側に関する構成を以下に詳述する。以下に詳述する構成は、演出表示装置SGの前面側に位置し得る可動役物であれば、どのような形状のものであっても適用可能である。なお、以下に詳述する実施形態においては、上述の実施形態と同様な箇所には同一の符号を付することによって、その説明を省略又は簡略化するものとする。また、本実施形態では、既出ではあるが上述の実施形態では符号を付していない部材に対して新たに符号を付す等を行うが、この種の部材については本実施形態のみに存在するものではなく、上述の各実施形態にも同様に存在しているものであることは言うまでもない。なお、これについては、本実施形態に限らず、他の実施形態についても同様であることは言うまでもない。
はじめに、図65は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機が有する可動役物装置YK1の一部に関する表側と裏側の図である。同図では、図57にて前述した可動役物装置YK1の一部であり、ロゴ役物YK12と可動ベース部YK10とについて図示している。ロゴ役物YK12と可動ベース部YK10と(可動役物装置YK1における図65にて図示する部分)を総称して可動役物と称することがある。
<表側表面部YK30>
まず、同図上段の(a)は、可動役物の表側を示す図である。同図においては、可動役物における遊技者から見て手前側(正面視で視認できる部分)を表側と称している。可動役物の表側は、ロゴ役物YK12と可動ベース部YK10とが主に視認可能となっており、(a)に図示している表面部全体を表側表面部YK30と称している。また、可動ベース部YK10には、点灯可能な役物ランプYK21を複数有しており、電源投入後の初期動作時や演出動作時(役物演出の実行時とも称することがある)に点灯するよう構成されている。なお、本実施形態に係る可動役物は、電源投入後に初期動作として駆動する場合と、図柄変動の実行に対応した役物演出(演出動作)として駆動する場合とを有しており、初期動作として実行され得る役物ランプYK21の点灯パターンは、役物演出としては実行されないよう構成してもよいし、初期動作として実行され得る役物ランプYK21の点灯パターンが、役物演出としては実行され得るように構成してもよい。
なお、役物ランプYK21における「点灯・点滅・消灯」の組み合わせや「点灯・消灯」の組み合わせを点灯パターンと称することがあり、具体的には、以下を点灯パターンと称することがある。
(1)あるタイミングにおける、複数のランプの点灯・点滅・消灯の組み合わせ
(2)1のランプにおける、時系列で変化していく点灯・点滅・消灯のパターン
(3)複数のランプにおける、時系列で変化していく点灯・点滅・消灯のパターン
なお、上記(1)~(3)には、点滅を含んでいなくともよい。
また、ロゴ役物YK12の表側(ロゴ役物YK12に対応した表側表面部YK30)にも、複数の役物ランプYK21を有するよう構成してもよい。また、可動ベース部YK10の表側(可動ベース部YK10に対応した表側表面部YK30)には、可動役物の各種部材等を固定する複数の皿ネジYK22が用いられている。皿ネジYK22に関する詳細は後述することとする。
<裏側表面部YK40>
次に、同図下段の(b)は、可動役物の裏側を示す図である。同図においては、可動役物における遊技者から見て奥側(正面視で視認できない部分)を裏側と称している。
(b)に図示している表面部全体を裏側表面部YK40と称している。換言すると、裏側表面部YK40は、表側表面部YK30の反対側の表面部であり、演出表示装置SGの表示領域SG10と対向している。また、可動役物の裏側にはモータYK17が設けられている。また、可動ベース部YK10に対応した裏側表面部YK40とロゴ役物YK12に対応した裏側表面部YK40とには、可動役物の各種部材等を固定する複数の皿ネジYK22が用いられている。
ここで、本実施形態においては、図60にて前述したように、ロゴ役物YK12が動作した場合(電源投入後の初期動作または役物演出の実行時)には、演出表示装置SGの表示領域SG10の前方に位置するタイミングを有するよう構成されている。ロゴ役物YK12が演出表示装置SGの表示領域SG10の前方に位置した場合には、ロゴ役物YK12の後方に位置する表示領域SG10を遊技者が視認できなくなる。また、遊技効果ランプD26などが発する光が裏側表面部YK40に反射して、演出表示装置SGに映り込んでしまう虞がある。
そこで、本実施形態においては、裏側表面部YK40は、演出表示装置SGが表示を行っていない状況(遊技機に電源が供給されていない状況など)における表示領域SG10の色(遊技者が正面から視認した際の見た目上の色)である黒色と同様(または略同一)の色となっている。なお、遊技機に電源が供給されている状況においても演出表示装置SGの表示領域SG10は黒色の表示を行う場合を有している(このような場合を、黒色の表示を実行していると称してもよいし表示を実行していないと称してもよい)。このように構成することで、演出表示装置SGが黒色で表示を行っている状況(または、表示を行っていない状況)にて、演出表示装置SGの前方を可動役物が動作した場合においても、演出表示装置SGに可動役物が映り込んでしまうことを防止することができ、遊技効果ランプD26が発する光が裏側表面部YK40に反射することによって表示領域SG10における表示の視認性を低下させ難くすることができ、可動役物の駆動によって遊技者がストレスを抱えることを防止することができる。
なお、裏側表面部YK40の色については、以下のように構成してもよい。
(1)表示領域SG10の色と同様の色である
(2)表示領域SG10の色と類似した色または同系統の色である
(3)表示領域SG10の色と同様の色が表面積の半分以上を占めている
(4)表示領域SG10の色と類似した色または同系統の色が表面積の半分以上を占めている
上記のように構成してもよい。このように、裏側表面部YK40の色のうち、最も広い面積を占める色(複数の色で構成されている場合が前提であるが、1色しかない場合には、裏側表面部YK40全体の色となる)が、上記のようになっていればよい。
なお、不図示であるが、ロゴ役物YK12のみではなく、可動ベース部YK10も、演出表示装置SGの表示領域SGの前方に位置する場合を有しており、可動ベース部YK10に対応した裏側表面部YK40も黒色となっているため、ロゴ役物YK12と同様に、可動役物が動作した場合においても、演出表示装置SGや遊技効果ランプD26が発する光が裏側表面部YK40に反射することによって表示領域SG10における表示の視認性を低下させ難くすることができ、可動役物の駆動によって遊技者がストレスを抱えることを防止することができる。
また、前述したように、ロゴ役物YK12が動作した場合(電源投入後の初期動作または役物演出の実行時)には、演出表示装置SGの表示領域SG10の前方に位置するタイミングを有するよう構成されているため、動作するロゴ役物YK12が表示領域SG10に接触してしまわないように構成することが好適である。
ここで、不図示であるが、可動ベース部YK10の内部には、役物ランプYK21を点灯させるために所定の電子部品が実装された役物ランプ基板(電子部品の実装については、いわゆる片面実装、或いは両面実装のいずれであってもよい)を有しており、役物ランプ基板にはコネクタ(複数有していてもよい)を有している。役物ランプ基板は裏側表面部YK40から突出しないよう構成されており、役物ランプYK21は裏側表面部YK40から突出しないよう構成されている。このように構成されていることにより、可動役物が動作する場合に不具合が生じたとしても、可動役物の役物ランプ基板やコネクタと演出表示装置SGの表示領域SG10とが接触してしまう事態を防止することができるし、遊技機を遊技場に出荷するために輸送している最中における振動によっても、可動役物の役物ランプ基板やコネクタと演出表示装置SGの表示領域SG10とが接触してしまう事態を防止することができる。
また、近年の遊技機に設けられた可動役物は、片持ちで構成(例えば、正面視で演出表示装置SGの右側に設けられた1本のアームで支えられている構成を片持ちと称している)されていることが多く、片持ちで構成されている可動役物においては、駆動機構の異常により可動役物が前後に揺れてしまい、可動役物の役物ランプ基板やコネクタと演出表示装置SGの表示領域SG10とが接触してしまう事態が発生することが増加している。ここで、上述した構成は片持ちで構成されている可動役物にも適用可能であり、すなわち、役物ランプ基板を裏側表面部YK40から突出しないよう構成し、役物ランプYK21を裏側表面部YK40から突出しないよう構成することで、片持ちで構成されている可動役物においても、可動役物の役物ランプ基板やコネクタと演出表示装置SGの表示領域SG10とが接触してしまう事態を防止することができる。なお、片持ちで構成されている可動役物を、演出表示装置SGの左右一方側から片持ち支持された可動役物と称することがある。
また、裏側表面部YK40は略平面状となるよう構成してもよい。より具体的には、裏側表面部YK40が有する最大の段差の高さ(高さ方向の長さと称することがある)は、遊技球の半径よりも短くしてもよいし、遊技メダルの厚さ(厚さ方向の長さと称することがある)よりも短くしてもよいし、可動役物と表示領域SG10との距離よりも短くしてもよい。なお、一例として、遊技球の直径は11mmとなっている。
また、不図示であるが、裏側表面部YK40は、透過性を有していないよう構成されており、裏側表面部YK40の外部からは、役物ランプ基板及びコネクタを視認できない(または、視認し難い)ように構成されている。
<皿ネジ>
次に、図66は、本実施形態に係るぱちんこ遊技機に用いられるネジの一例である。(a)は皿ネジYK22であり、皿ネジYK22は、上面が平らになっており、接地面から頭部(ネジのネジ頭)が突出しないように構成されている(図66においては、皿ネジYK22の上面と接地面とが面一となっているが、皿ネジYK22の上面が、接地面よりも低くても良い)。前述した可動役物に使用されており、表側表面部YK30や裏側表面部YK40から突出しないように構成されており、このように構成することにより、可動役物に使用するネジのネジ頭と演出表示装置SGの表示領域SG10とが接触してしまう事態を防止することができる。
<ナベネジ>
次に、図66の(b)は、ナベネジであり、ナベネジは、頭部(ネジのネジ頭)が鍋底に似た形状となっているネジで、接地面から頭部が突出するように構成されている。
また、頭部の形状がR半径の小さい曲面形状となっているナベネジ等のネジを可動役物に使用した場合、当該曲面形状の頭部によって演出表示装置SGから出力した光が変色して反射し、演出表示装置SGに映り込んでしまう虞がある。そこで、本実施形態に係る遊技機においては、可動役物に使用するネジを全て皿ネジYK22とすることで、変色した光が演出表示装置SGに映り込む事態を防止することができる。
また、可動役物に使用されているネジによる光の乱反射を防止するために、可動役物に使用する皿ネジYK22は、黒色クロメートめっき等の黒色のめっき処理を行っているネジとすることが好適である。
また、遊技盤に取り付けられたネジは、全て皿ネジYK22となっている、または、皿ネジYK22の方がナベネジよりも多くなっているように構成してもよい。なお、図47などで前述したビスBS1も皿ネジである。このように、遊技球が流下し得る領域には、ナベネジではなく皿ネジを使用することで、遊技球の流下を妨げないように構成することができる。
<<演出表示装置SGの構成>>
次に、本明細書に適用可能な、演出表示装置SGに関する構成を以下に詳述する。なお、以下に詳述する実施形態においては、上述の実施形態と同様な箇所には同一の符号を付することによって、その説明を省略又は簡略化するものとする。また、本実施形態では、既出ではあるが上述の実施形態では符号を付していない部材に対して新たに符号を付す等を行うが、この種の部材については本実施形態のみに存在するものではなく、上述の各実施形態にも同様に存在しているものであることは言うまでもない。なお、これについては、本実施形態に限らず、他の実施形態についても同様であることは言うまでもない。
<表示領域SG10>
本実施形態に係るぱちんこ遊技機が有する演出表示装置SGの表示領域SG10は、TFT(Thin Film Transistor)液晶ディスプレイとなっている。なお、TFTは薄膜トランジスタのことである。また、以降における液晶ディスプレイの構成は、すべて表示領域SG10に適用可能である。
<TFT液晶ディスプレイの構造>
まず、図67を参照してTFT液晶ディスプレイの構造の概要について詳述する。図67においては、図示するように、上側から下側に向かってバックライトが照射され、遊技者の視線は下側から上側に向かっているものとする。
各構成要素の役割について詳述する。偏光フィルターは、出入りする光をコントロールすることができる。次に、ガラス基板は、電気を漏れないようにする。次に、透明電極は、液晶ディスプレイを駆動するための電極であり、表示を妨げないように透明度の高い材料で構成することが好適である。次に、配向膜は、液晶層の分子を一定方向に並べるための膜である。次に、カラーフィルターは色を表示するためのものであり、R(赤)、G(緑)、B(青)の3つの色のフィルターを有している。
次に、TFT液晶ディスプレイの表示の仕組みを詳述する。バックライトから照射された光は、偏光フィルターを通ることで一部の光(特定の方向の振幅成分を持つ光)のみが通過することとなり、当該通過した光は液晶層に到達する。
ここで、2つの配向膜は直線状の溝を有しており、2つの配向膜の溝は90度方向が異なっている。当該溝を有していることで、液晶層の液晶分子は溝に沿って配列されるようになる。2つの配向膜の溝は90度方向が異なっていることから、透明電極間に電圧がかかっていない時には、1の配向膜から他の配向膜に向かって、液晶層の液晶分子は90度捻れて配列されることとなる。この状態で、バックライトから照射された光が液晶層に到達すると、当該光は液晶分子の並ぶ隙間に沿って90度捻れて進んでいき、液晶層の先の偏光フィルターを通過することができる。
他方、透明電極間に電圧がかかっている時には、液晶層の液晶分子は垂直方向に並び方を変えて(電界に沿って)配列されることとなる。この状態で、バックライトから照射された光が液晶層に到達すると、当該光は液晶分子の並ぶ隙間に沿って直進することとなり、液晶層の先の偏光フィルターを通過することができない。
表示領域SG10は、上述した電圧をかけるか否かによって偏光フィルターを光が通過できるか否かを調整できる構成を、カラーフィルターR、カラーフィルターG、カラーフィルターBのそれぞれに対応して有している。このように構成されているため、例えば、カラーフィルターRに向けた光は偏光フィルターを通過させ、カラーフィルターG及びカラーフィルターBに向けた光は偏光フィルターを通過させないことで、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBに対応した液晶ディスプレイは赤色に表示されることとなり、カラーフィルターGに向けた光は偏光フィルターを通過させ、カラーフィルターR及びカラーフィルターBに向けた光は偏光フィルターを通過させないことで、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBに対応した液晶ディスプレイは緑色に表示されることとなり、カラーフィルターBに向けた光は偏光フィルターを通過させ、カラーフィルターR及びカラーフィルターGに向けた光は偏光フィルターを通過させないことで、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBに対応した液晶ディスプレイは青色に表示されることとなる。
また、一例として、カラーフィルターR及びカラーフィルターBに向けた光は偏光フィルターを通過させ、カラーフィルターGに向けた光は偏光フィルターを通過させないことで、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBに対応した液晶ディスプレイは、赤色と青色が混ざった紫色に表示されることとなる。
このように、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとの光の通過を組み合わせることで様々な色を液晶ディスプレイに表示することができる。このような、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとの組み合わせを1画素や1ピクセルと称することがある。なお、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとの3つのフィルターの組み合わせを1画素(1ピクセル)としてもよいし、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとの所定の組み合わせ(フィルターの数や配置などの組み合わせ)を1画素(1ピクセル)としてもよい。
また、カラーフィルターR及びカラーフィルターBに向けた光を通過させて紫色を表示し、そのカラーフィルターの近傍のカラーフィルターにおいては、カラーフィルターRに向けた光を通過させて赤色を表示することで、見た目上は紫色と赤色が混ざることとなり、紫色よりも赤色が強くなった色を表現することができる。このように、1画素(1ピクセル)あたりのフィルターの数を増やすことにより、より多彩な表示色を表現することができることとなる。
前述したように、本実施形態における演出表示装置SGの表示領域SG10は、TFT液晶ディスプレイとなっており、前述した画素を所定数(例えば、1000万個)有している(画素が所定数配列されている)。
また、1画素に対応した液晶ディスプレイに表示される色を、赤色、緑色、青色の明度として表現することもできる。換言すると、赤色、緑色、青色の各要素がどれだけ含まれているかで表現することもできる。例えば、赤色、緑色、青色の明度をそれぞれ0~255の256段階として表現できる。具体例としては、(255,0,0)は赤色、(0,255,0)は緑色、(0,0,255)は青色、(0,0,0)は黒色、(255,255,255)は白色となる。すなわち、左からR、G、Bの順に表すことができる。このように、R、G、Bの各要素が最小の場合に表示される色は黒色となり、R、G、Bの各要素が最小の場合に表示される色は白色となる。なお、(0,0,0)のように液晶ディスプレイに表示される色を表す場合においては、最も左の数字を、Rの値、Rに対応する値、赤色に対応する値、カラーフィルターRに対応する値などと称することがあり、左から2番目の数字を、Gの値、Gに対応する値、緑色に対応する値、カラーフィルターGに対応する値などと称することがあり、最も右の数字を、Bの値、Bに対応する値、青色に対応する値、カラーフィルターBに対応する値などと称することがある。また、(255,0,0)のように、赤色、緑色、青色の明度をそれぞれ0~255の256段階として表現したものをRGB階調値と称することがある。
<待機デモ画面>
ここで、本実施形態に係るぱちんこ遊技機は、演出表示装置SGに待機デモ画面を表示可能に構成されている。待機デモ画面とは、遊技者に対して、図柄変動の実行中でない(遊技が進行していない)ことを報知する動画像であり、待機デモ画面を表示することにより、空き台となっており新たに遊技可能である遊技機を報知することができ、稼働率の向上に貢献することができる。なお、待機デモ画面を、待機デモ、待機デモ演出、待機デモ表示、デモ画面、デモ演出、デモ表示、などと称することがある。なお、待機デモ画面を表示している状況を待機中状態と称することがあり、主遊技図柄が変動している状況を遊技中状態と称することがある。
また、ハズレ図柄が停止し、且つ保留が存在していない状態となってから、新たに図柄変動が実行されず、且つ新たに保留が生起しない状態が所定時間継続した場合に、待機デモ画面が表示されることとなる。なお、大当り図柄(または、小当り図柄)が停止した場合には、保留が存在していなくとも、その後デモ画面は表示されず、大当りが実行開始する(または、小当りが実行開始する)こととなる。また、ハズレ図柄が停止し、且つ保留が存在している場合は、その後変動固定時間が経過すると新たな図柄変動が開始することとなり、他方、大当り図柄(または、小当り図柄)が停止し、且つ保留が存在している場合は、その後変動固定時間が経過すると大当りが実行開始される(または、小当りが実行開始される)こととなる。
<待機デモ画面表示イメージ>
次に、図68は、待機画面表示イメージである。同図においては、本実施形態に係るぱちんこ遊技機において待機デモ画面が表示される場合の一例を図示している。
また、同図(a)にて、主遊技図柄の変動中であり、演出表示装置SGの表示領域SG10にて、装飾図柄が変動表示されている。また、表示領域SG10には背景画像なども表示されており、表示領域SG10には様々な色彩が使用されている。なお、前述したように、表示領域SG10は、TFT液晶ディスプレイである。
次に、同図(b)にて、主遊技図柄の変動が終了し、演出表示装置SGの表示領域SG10にて、装飾図柄が停止表示される。また、背景画像は継続して表示されている。なお、保留が存在していないため、同図(b)のタイミングから待機デモ画面の表示に係るタイマ計測が開始することとなる。
次に、同図(b)のタイミングから、保留が新たに生起しないまま待機デモ画面に係る所定時間(例えば、180秒)が経過した(待機デモ画面の表示に係るタイマ値が所定時間を計時した)ことにより、同図(c)にて演出表示装置SGに待機デモ画面が表示開始される。なお、本実施形態においては、主遊技図柄の停止から所定時間が経過すると待機デモ画面が表示されるよう構成したが、待機デモ画面の表示開始前に他の画面を表示するよう構成してもよい。一例としては、主遊技図柄が停止し、且つ保留が生起していない状態から、新たに保留が生起しないまま60秒が経過すると、第1待機状態となる。第1待機状態においては、装飾図柄の絵柄(例えば、装飾図柄に付帯するキャラクタ画像)が揺れるようなアクションをする画像、音量調整に係る画像、光量調整に係る画像、等が表示領域SG10に表示される。第1待機状態となってから120秒(主遊技図柄の停止から180秒)が経過すると第2待機状態となる。第2待機状態においては、待機デモ画面が表示され、装飾図柄が非表示となる(保留画像も非表示である)。
図68の説明に戻ると、同図(c)にて、待機デモ画面が表示され、装飾図柄が非表示となる(保留画像も非表示である)。また、表示領域SG10には様々な色彩が使用されている。その後、同図(d)にて、表示領域SG10のすべての領域が黒色のみにて表示され、その後、同図(e)にて、同図(c)とは異なる動画像が表示されることとなる。このように、本実施形態においては、待機デモ画面の表示中にて、表示領域SG10のすべての領域が黒色のみとなるタイミングを有している。なお、表示領域SG10のすべての領域が黒色のみにて表示される(黒色のみとなる)ことを、表示領域SG10のすべての領域が非表示、表示領域SG10のすべての領域が表示オフと称することがある。
その後、同図(f)にて、表示領域SG10のすべての領域が白色のみにて表示される。このように、本実施形態においては、待機デモ画面の表示中にて、表示領域SG10のすべての領域が白色のみとなるタイミングを有している。なお、図68においては、同図(c)から同図(f)までが待機デモ画面であり、同図(f)の後においても待機デモ画面の表示は継続する。なお、不図示であるが、待機デモ画面の表示は、特定時間(例えば、30秒)の動画像がループするよう構成されており、一例としては、図68における「(c)→(d)→(e)→(f)→(c)→(d)→・・」のように表示されることとなる。この場合における「(c)→(d)→(e)→(f)を待機デモ画面の1周期と称することがある。
同図(a)、(b)、(c)、(e)においては、表示領域SG10には様々な色彩が使用されているため、演出表示装置SGが有する画素には、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとのすべてに光が通過する画素もあれば、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとのすべてに光が通過しない画素もあれば、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとの一部のカラーフィルターにのみ光が通過する画素もあるよう構成されている。換言すると、赤色、緑色、青色の明度として表現した場合、(0,0,0)で表示されている画素もあれば、(255,255,255)で表示されている画素もあれば、(120,0,90)などで表示されている画素もあるよう構成されている。
なお、本実施形態においては、演出表示装置SGにおける1つの画素は、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとをそれぞれ複数有しており、一部のカラーフィルターにのみ光が通過する画素とは、複数のカラーフィルターRのすべてに光が通過しないなどの1種類のカラーフィルターのすべてに光が通過しない場合を含み、複数のカラーフィルターRの一部には光が通過するが、一部には光が通過しないなどの1種類のカラーフィルターの一部にのみ光が通過する場合を含んでいる。
また、同図(d)においては、表示領域SG10のすべての領域が黒色のみにて表示されているため、演出表示装置SGが有する画素には、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとのすべてに光が通過しない画素のみとなるよう構成されている。換言すると、赤色、緑色、青色の明度として表現した場合、(0,0,0)で表示されている画素のみとなるよう構成されている。このように構成することで、遊技場の管理者は遊技を実行しなくとも待機デモ画面を表示させることによって、演出表示装置SGの表示領域SG10の不具合(主に輝点の有無)を確認することができ、複数台の遊技機が設置されている遊技場においても簡易的に演出表示装置SGの管理を行うことができる。なお、輝点とは、常に所定の色(白色)などで表示され続けてしまう不具合を生じている画素である。なお、同図(d)においては、すべての画素において赤色に対応する値が0であり、すべての画素において緑色に対応する値が0であり、すべての画素において青色に対応する値が0となっている。
また、前述したように、裏側表面部YK40の色は、表示領域SG10のすべての領域(画素)が(0,0,0)で表示されている場合の黒色と同様の色となるよう構成してもよい。
また、同図(f)においては、表示領域SG10のすべての領域が白色のみにて表示されているため、演出表示装置SGが有する画素には、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとのすべてに光が通過する画素のみとなるよう構成されている。換言すると、赤色、緑色、青色の明度として表現した場合、(255,255,255)で表示されている画素のみとなるよう構成されている。このように構成することで、遊技場の管理者は遊技を実行しなくとも待機デモ画面を表示させることによって、演出表示装置SGの表示領域SG10の不具合(主に滅点の有無)を確認することができ、複数台の遊技機が設置されている遊技場においても簡易的に演出表示装置SGの管理を行うことができる。なお、滅点とは、常に黒色で表示され続けてしまう(非表示となってしまう)不具合を生じている画素である。なお、同図(f)においては、すべての画素において赤色に対応する値が1以上であり、すべての画素において緑色に対応する値が1以上であり、すべての画素において青色に対応する値が1以上となっている。なお、同図においては、すべての画素において赤色に対応する値が1以上であり、すべての画素において緑色に対応する値が1以上であり、すべての画素において青色に対応する値が1以上である状況の一例として、表示領域SG10が黒色で表示される場合を例示したが、これには限定されず、待機デモ画面の表示中においては、黒色以外の色で、すべての画素において緑色に対応する値が1以上であり、すべての画素において青色に対応する値が1以上である状況を有するよう構成してもよい。
このように、本実施形態における待機デモ画面においては、表示領域SG10のすべての領域が黒色のみにて表示されているタイミングと表示領域SG10のすべての領域が白色のみにて表示されているタイミングとを有するように構成されている。このように構成することで、遊技場の管理者は遊技を実行しなくとも待機デモ画面を表示させることによって、演出表示装置SGの表示領域SG10の不具合(主に滅点の有無)を確認することができ、複数台の遊技機が設置されている遊技場においても簡易的に演出表示装置SGの管理を行うことができる。
なお、本実施形態における演出表示装置SGの表示領域SG10は、待機デモ画面の表示中において以下のように構成してもよい。
(1)待機デモ画面の1周期において、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとのすべてに光が通過しない画素のみとなるタイミングを有する。
(2)待機デモ画面の1周期において、赤色、緑色、青色の明度として表現した場合、(0,0,0)で表示されている画素のみとなるタイミングを有する。
(3)待機デモ画面の1周期において、すべての画素において赤色に対応する値が0であり、すべての画素において緑色に対応する値が0であり、すべての画素において青色に対応する値が0となるタイミングを有する。
(4)待機デモ画面の1周期において、すべての画素において赤色に対応する値が0となるタイミングを有する。
(5)待機デモ画面の1周期において、すべての画素において緑色に対応する値が0となるタイミングを有する。
(6)待機デモ画面の1周期において、すべての画素において青色に対応する値が0となるタイミングを有する。
(7)待機デモ画面の1周期において、すべてのカラーフィルターRに光が通過しない画素のみとなるタイミングを有する。
(8)待機デモ画面の1周期において、すべてのカラーフィルターGに光が通過しない画素のみとなるタイミングを有する。
(9)待機デモ画面の1周期において、すべてのカラーフィルターBに光が通過しない画素のみとなるタイミングを有する。
(10)待機デモ画面の1周期において、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとのすべてに光が通過する画素のみとなるタイミングを有する。
(11)待機デモ画面の1周期において、赤色、緑色、青色の明度として表現した場合、(255,255,255)で表示されている画素のみとなるタイミングを有する。
(12)待機デモ画面の1周期において、すべての画素において赤色に対応する値が1以上となるタイミングを有する。
(13)待機デモ画面の1周期において、すべての画素において緑色に対応する値が1以上となるタイミングを有する。
(14)待機デモ画面の1周期において、すべての画素において青色に対応する値が1以上となるタイミングを有する。
(15)待機デモ画面の1周期において、すべてのカラーフィルターRに光が通過する画素のみとなるタイミングを有する。
(16)待機デモ画面の1周期において、すべてのカラーフィルターGに光が通過する画素のみとなるタイミングを有する。
(17)待機デモ画面の1周期において、すべてのカラーフィルターBに光が通過する画素のみとなるタイミングを有する。
なお、上記(1)~(17)の構成は、待機デモ画面の表示中における構成であるが、上記(1)~(17)の構成は他の状況にも適用可能である。一例としては、所定の大当りの実行中における演出、所定の小当りの実行中における演出、所定のリーチ演出の実行中、などに上記(1)~(17)の構成を適用してもよい。また、待機デモ画面を複数種類有するように構成してもよく、このように構成した場合には、所定の待機デモ画面のみ上記(1)~(17)の構成を適用してもよい。
<<上面部の構成>>
次に、本明細書に係るぱちんこ遊技機に適用可能な、ぱちんこ遊技機の上面部に関する構成を以下に詳述する。なお、以下に詳述する実施形態においては、上述の実施形態と同様な箇所には同一の符号を付することによって、その説明を省略又は簡略化するものとする。また、本実施形態では、既出ではあるが上述の実施形態では符号を付していない部材に対して新たに符号を付す等を行うが、この種の部材については本実施形態のみに存在するものではなく、上述の各実施形態にも同様に存在しているものであることは言うまでもない。なお、これについては、本実施形態に限らず、他の実施形態についても同様であることは言うまでもない。
<ぱちんこ遊技機の正面図>
はじめに、図69は、本明細書に適用可能なぱちんこ遊技機の正面図である。図69に係るぱちんこ遊技機は、図1に係るぱちんこ遊技機と同様の構成であるため、前述した構成についての説明は省略することとする。
まず、本実施形態に係るぱちんこ遊技機は、外枠D12と前枠D14との上面側である上面部D50を有している。本実施形態に係るぱちんこ遊技機における上面部D50の構成について以下に詳述する。
<上面部D50の斜視図>
次に、図70は、本明細書に適用可能なぱちんこ遊技機の上面部D50の斜視図である。図示するように、同図における右上方向が遊技者から見た奥方向であり、同図における左下方向が遊技者から見た手前方向であり、同図における右下方向が遊技者から見た右方向であり、同図における左上方向が遊技者から見た左方向となっている。
図示するように、上面部D50は、外枠D12と前枠D14とで構成されている。前枠上面D52は前枠D14の上面であり、外枠上面D53は外枠D12の上面である。上面部D50においては、外枠D12と前枠D14とで段差を有しており、当該段差となっている外枠D12の前面を段差面D51と称している。なお、段差面D51を段差部と称することがあり、外枠D12を基体部と称することがあり、前枠D14を扉部と称することがある。
なお、段差面D51は、正面視において前枠D14に対して外枠D12のうち上方に突出している突出部における、外枠D12の前面としてもよい。また、段差面D51は、外枠D12の前面のうち前枠上面D52よりも高い部分としてもよい。また、段差面D51は、外枠D12の前面における上部のうち前枠D14の背面と当接(または近接)していない部分としてもよい。
<上面部D50の側面図>
次に、図71は、本明細書に適用可能なぱちんこ遊技機の上面部D50の側面図である。図示するように、同図における右方向が遊技者から見た奥方向であり、同図における左方向が遊技者から見た手前方向であり、同図における上方向が遊技者から見た上方向であり、同図における下方向が遊技者から見た下方向となっている。なお、上方向と下方向とを鉛直方向と称することがある。
図示するように、前枠上面D52は遊技者から見て手前から奥に向かって下方向になるよう傾斜している(下り傾斜になっている)。このように構成しているため、図示するように、遊技球が段差面D51に接するように載置した場合においても、遊技球が手前方向に転動しないこととなり、このように構成することにより、前枠上面D52に遊技球が載ってしまった場合にも、遊技者に向かって落下しないように構成することができる。なお、前枠上面D52上であれば、遊技球をどこに載置したとしても、外枠D12の方向に転動していくように構成されている。
なお、図70及び図71で詳述した構成は、遊技場に遊技機を設置した状態における構成であり、例えば、遊技機を水平な面に設置した場合には、前枠上面D52は遊技者から見て奥から手前に向かって下方向になるよう構成されていてもよいし、水平に構成されていてもよい。このように構成した場合には、遊技場に設置する際には遊技者から見て手前から奥に向かって傾斜して設置されることとなる。
また、同図右下部には、段差面D51と遊技球の周辺を拡大した構成を図示している。図示するように、段差面D51の高さ(鉛直方向の高さであり、高さ方向の長さと称することがある)をAとし、遊技球の半径をBとした場合に、A<Bとなっている。すなわち、段差面D51の高さ方向の長さは遊技球の半径よりも短いように構成されている。このように構成することにより、遊技機を遊技場に出荷するために輸送している最中に前枠上面D52に遊技球が載ってしまっていた場合において、他の遊技機や壁面などによって当該遊技球に奥方向の圧力がかかった場合であっても、当該遊技球は外枠上面D53に乗り上げることとなり、遊技球によって外枠D12が圧迫されることを防止することができる。
なお、不図示であるが、段差面D51の高さ(高さ方向の長さ)Aは、回胴式遊技機などで使用する遊技メダルの厚さ(厚さ方向の長さ)よりも長いように構成されている。この場合の遊技メダルの厚さは、φ25の遊技メダルの厚さであってもよいし、φ30の遊技メダルの厚さであってもよい。なお、一例として、φ25の遊技メダルの厚さは約1.6mm、φ30の遊技メダルの厚さは約1.7mmとなっている。このように構成することで、ぱちんこ遊技機と回胴式遊技機とが設置されている遊技場において、前枠上面D52に遊技メダルが載ってしまった場合にも、遊技者に向かって落下しないように構成することができる。また、ぱちんこ遊技機の奥側にはアウト口に流入した遊技球が流下する球タンクなどが設けられており、遊技メダルがぱちんこ遊技機の奥側に落下してしまうと、遊技場の設備に不具合が発生する虞が生じてしまう。当該構成によれば、前枠上面D52に遊技メダルが載ってしまった場合にも、遊技メダルは外枠上面D53に乗り上げないこととなり、遊技機の奥側に遊技メダルが落下してしまうことを防止することができる。
<<上面部D50の構成の変更例>>
次に、本実施形態に係るぱちんこ遊技機に適用可能な上面部D50の変更例を以下に詳述する。
<上面部D50の斜視図>
次に、図72は、本明細書に適用可能なぱちんこ遊技機の上面部D50の変更例の斜視図である。図示するように、同図における右上方向が遊技者から見た奥方向であり、同図における左下方向が遊技者から見た手前方向であり、同図における右下方向が遊技者から見た右方向であり、同図における左上方向が遊技者から見た左方向となっている。
図示するように、上面部D50は、外枠D12と前枠D14とで構成されている。前枠上面D52は前枠D14の上面であり、外枠上面D53は外枠D12の上面である。上面部D50においては、外枠D12と前枠D14とで段差を有しており、当該段差となっている外枠D12の前面を段差面D51と称している。また、上面部D50における前枠D14側には(前枠上面D52には)溝部D54を有している。
<上面部D50の側面図>
次に、図73は、本明細書に適用可能なぱちんこ遊技機の上面部D50の変更例の側面図である。図示するように、同図における右方向が遊技者から見た奥方向であり、同図における左方向が遊技者から見た手前方向であり、同図における上方向が遊技者から見た上方向であり、同図における下方向が遊技者から見た下方向となっている。なお、上方向と下方向とを鉛直方向と称することがある。また、溝部D54の底となる面を溝部底面D55と称しており、溝部D54の側面を溝部側面D56と称している。
図示するように、前枠上面D52は遊技者から見て手前から奥に向かって下方向になるよう傾斜している(下り傾斜になっている)。また、図示するように、溝部D54に遊技球が保持され得るよう構成されている。すなわち、前枠上面D52における溝部D54よりも手前方向に遊技球が載置した場合には、遊技球が手前方向に転動せずに奥方向に転動し、溝部D54に保持される、もしくは溝部D54を超えて段差面D51に接して停止するよう構成されている。このように構成することにより、前枠上面D52に遊技球が載ってしまった場合にも、遊技者に向かって落下しないように構成することができる。さらに、段差面D51に接して載置されている遊技球においては、遊技機が遊技者側に傾いた場合においても、溝部D54にて保持され得るよう構成されているため、遊技者に向かって落下することを防止できる。
また、同図右下部には、溝部D54と遊技球の周辺を拡大した構成を図示している。図示するように、溝部D54に遊技球が保持されており、溝部D54における溝部底面D55に対して垂直方向の高さ(高さ方向の長さ)をAとし、遊技球の半径をBとした場合に、A<Bとなっている。すなわち、溝部D54の溝部底面D55に対して垂直方向の高さ(高さ方向の長さ)は遊技球の半径よりも短いように構成されている。また、溝部D54における溝部側面D56の高さ(溝部D54の鉛直方向の高さ)をCとし、遊技球の半径をBとした場合に、C<Bとなっている。すなわち、溝部D54の鉛直方向の高さ(高さ方向の長さ)は遊技球の半径よりも短いように構成されている。このように構成することにより、遊技機を遊技場に出荷するために輸送している最中に溝部D54に遊技球が保持されてしまった場合において、他の遊技機や壁面などによって当該遊技球に奥方向の圧力がかかった場合であっても、当該遊技球は溝部D54から外枠上面D53に乗り上げることとなり、遊技球によって溝部D54に圧力がかからないように構成することができる。
なお、図72及び図73で詳述した、本明細書に適用可能なぱちんこ遊技機の上面部D50の変更例においては、前枠上面D52は傾斜を有しておらず、水平になるように構成してもよいし、遊技者から見て奥から手前に向かって下方向に傾斜しているように構成してもよい。このように構成した場合にも上述した構成と同様に、溝部D54に遊技球が保持され得ることとなる。
なお、図72及び図73で詳述した構成は、遊技場に遊技機を設置した状態における構成であり、例えば、遊技機を水平な面に設置した場合には、前枠上面D52は遊技者から見て奥から手前に向かって下方向になるよう構成されていてもよいし、水平に構成されていてもよい。このように構成した場合には、遊技場に設置する際には遊技者から見て手前から奥に向かって傾斜して設置されることとなる。
なお、段差部を、上面部D50以外の部分に有しているよう構成してもよく、例えば、図1における、遊技機下部の外枠D12と内枠D16との間にも段差部を有するように構成してもよい。なお、当該段差部は、外枠D12側に設けてもよい(外枠D12が遊技者から見て手前側にせり出していてもよい)し、内枠D16側に設けてもよい(内枠D16が遊技者から見て手前側にせり出していてもよい)。また、当該段差部の高さ(遊技者から見て手前側方向の高さ)は、遊技球の半径未満となるよう構成してもよい。
<<のめり込み防止表示に関する構成>>
次に、本明細書に係るぱちんこ遊技機に適用可能な構成として、のめり込み防止表示を表示する構成を以下に詳述する。なお、以下に詳述する実施形態においては、上述の実施形態と同様な箇所には同一の符号を付することによって、その説明を省略又は簡略化するものとする。また、本実施形態では、既出ではあるが上述の実施形態では符号を付していない部材に対して新たに符号を付す等を行うが、この種の部材については本実施形態のみに存在するものではなく、上述の各実施形態にも同様に存在しているものであることは言うまでもない。なお、これについては、本実施形態に限らず、他の実施形態についても同様であることは言うまでもない。
以下においては、一例として、回胴式遊技機における演出表示装置に注意喚起画像(のめり込み防止表示)を表示する構成について詳述するが、注意喚起画像を演出表示装置に表示する構成は、本明細書に係るぱちんこ遊技機に適用可能であることを補足しておく。
遊技機では、従来からのめり込み対策(自身の資力を超えて遊技を行う遊技者を減らすための策)として、待機デモ画面の表示中に注意喚起を行っている。しかしながら、待機デモ期間で演出表示装置S40(ぱちんこ遊技機においては、演出表示装置SG)に表示される待機デモ画面を見ている遊技者の大半は、すでにのめり込んでいる(自身の資力を超えて遊技を行っている)遊技者ではなく、これから遊技を開始しようとしている遊技者であるため、のめり込み対策として期待されている効果を発揮することができず、自身の資力を超えて遊技を行う遊技者が減ることはなかった。
のめり込みは、遊技者が冷静な判断ができなくなった結果として生じると考えられる。冷静な判断ができなくなる可能性が高いタイミングとしては、以下のタイミングが挙げられる。
(1)AT中状態の終了等のタイミング
ATに関する状態がAT中状態であるときには、多くの遊技メダルが付与される場合があるため、遊技者の分別がつかなくなり、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。また、さらなるAT中状態が潜伏しているのではないか(AT抽選に当選しているのではないか)という期待を持ってしまい易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高い状況といえる。さらに、AT中状態が終了するときには、AT中状態で付与された遊技メダルの総数などが演出表示装置S40に表示される。その際、その時点までに遊技をするために使用した金額に対応する遊技メダルの数よりもAT中状態で付与された遊技メダルの数が少なければ、取り返そう(AT抽選に当選させよう)という気持ちに陥り易く、冷静は判断ができなくなる可能性が高いといえる。尚、この現象は、AT中状態が実際に終了するときのみならず、ATカウンタ値が0となったとき場合や、押し順ナビが終了した場合や、AT中状態が実際に終了していない状態であるが、副制御基板Sの制御によってAT中状態が終了したかのように示唆する画面が演出表示装置S40に表示されるときなどにも発生する。
(2)ボーナス遊技が終了するタイミング
ボーナス遊技中は、多くの遊技メダルが付与される場合があるため、遊技者の分別がつかなくなり、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。また、遊技を開始してからその時点までの間にボーナス役に当選した回数が多ければ、高設定(例えば、設定値が5以上)ではないかという期待を持ってしまい易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。さらに、ボーナス遊技終了時には、ボーナス遊技中に付与された遊技メダルの総数などが演出表示装置S40に表示される。その際、遊技を開始してからその時点までに使った金額に対応する遊技メダルの数よりもボーナス遊技中に付与された遊技メダルの数が少なければ、取り返そう(ボーナス役に当選させよう)という気持ちに陥り易く、冷静は判断ができなくなる可能性が高いといえる。
そこで、本実施形態では、AT中状態やボーナス遊技といった多くの遊技メダルが付与され得る遊技者に有利な遊技(以下では、遊技者に有利な遊技を有利遊技と称することがある)が終了するタイミングにおいて、注意喚起を行うようにした。尚、以下では、有利遊技は、ボーナス遊技又はAT中状態のいずれ一方を意味する場合のほか、ボーナス遊技及びAT中状態の双方を意味する場合もある。
次に、図74は、有利遊技の終了時において、演出表示装置S40で表示されるボーナス遊技の終了画面やAT中状態の終了画面と注意喚起を行うための画像(以下、「注意喚起画像」と称することがある)の一例である。終了画面は、少なくとも有利遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)と背景(・・・)を示す画像である。なお、有利遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)を示す画像を、背景を示す画像(以下、「背景画像」と称することがある)と別の画像として表示してもよい。また、注意喚起画像は、演出表示装置S40にて表示される、上述したのめり込みを防止するための画像であり、「のめり込みに注意しましょう。パチスロは適度に楽しむ遊びです。」と明記された画像である。
「注意喚起画像」は、遊技者に対して注意を喚起させるための画像であるが故に、遊技の画面よりも優先して演出表示装置S40に表示するのが好ましい。すなわち、演出用の画面よりも最前面となるように表示するのが好ましく、例えば、複数のグラフィックレイヤを重ね合わせて各種の画像を演出表示装置S40に表示する場合には、最表(最前面)のグラフィックレイヤに「注意喚起画像」に表示する。具体的には、最表のグラフィックレイヤに「注意喚起画像」に表示するようにし、押し順ナビ演出を「注意喚起画像」のグラフィックレイヤよりも背面側のグラフィックレイヤに表示するようにし、背景画像を押し順ナビ演出のグラフィックレイヤよりも背面側のグラフィックレイヤに表示するように構成するのが好ましい。このようにすることで、「注意喚起画像」は、常に、遊技者に向かった最前面側に表示されることになり、演出用の画面に妨げられることなく表示され、「注意喚起画像」を遊技者に視認させることができる。
次に、図75を参照し、有利遊技の終了時において、演出表示装置S40に表示する注意喚起画像の表示領域の大きさについて説明する。注意喚起画像は、表示領域が小さすぎると、遊技者が認識し難いためにのめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。他方、表示領域が大きすぎると、演出表示装置S40における他の画像を視認する際の妨げになる可能性がある。換言すると、注意喚起画像によって遊技者に不快感を与える可能性がある。そこで、本実施形態では、注意喚起画像を表示する演出表示装置S40の表示領域の大きさが7インチ未満の場合には(換言すると、小型の演出表示装置の場合には)、注意喚起画像の大きさを縦が10,00mm以上とし、横が64,12mmとするのが好ましい。また、注意喚起画像を表示する演出表示装置S40の表示領域の大きさが7インチ以上の場合には(換言すると、大型の演出表示装置S40の場合には)、注意喚起画像の大きさを縦が30,00mm、横が192,37mmとしている。
次に、図76を参照して、演出表示装置S40に終了画面と注意喚起画像とを表示するタイミングについて説明する。図76における(a)及び(b)は、いずれも有利遊技の最終遊技について例示しており、有利遊技の最終遊技において遊技メダルが付与される場合(小役が入賞した場合)は、クレジット数として加算した後または遊技メダルを払い出した後に演出表示装置S40にて終了画面と注意喚起画像との双方を表示する(図76(a))。また、有利遊技の最終遊技において遊技メダルが付与されない場合(リプレイ役が入賞した場合など)は、有利遊技の最終遊技におけるすべてのリールM50の回転が停止した後に演出表示装置S40に終了画面と注意喚起画像との双方を表示する(図76(b))。
次に、演出表示装置S40にて終了画面を非表示とするタイミングについて説明する。終了画面を表示する理由の1つは、有利遊技中に付与された遊技メダルの総枚数を遊技者に報知するためである。すなわち、遊技者が有利遊技中に付与された遊技メダルの総枚数を認識するために十分な時間終了画面を表示していれば終了画面を非表示としても問題ないため、終了画面を非表示とするタイミングとしては、最終遊技の次ゲームに係るスタートレバーD50の操作タイミング、最終遊技の次ゲームに係る遊技メダル投入タイミング、採取遊技の次ゲームに係るベットボタン操作タイミング、等としてもよい。
また、本実施形態では、スタートレバーD50が操作されたときに、そのときの遊技状況に応じた演出画面を演出表示装置S40で表示する。例えば、AT中状態が終了して遊技区間が通常区間となったときに、小役の1つであるチェリーに当選したのであれば、図77(a)に示すようなチェリー役に当選したことを示唆する演出画面が表示可能である。また、ボーナス遊技の終了後に、AT準備状態1に移行し、小役の1つである押し順ベル役に当選したのであれば、図77(b)に示すような如何なる順番で停止ボタンを操作すべきかを示す押し順画像(以下、「押し順ナビ演出」又は「押し順ナビ表示」とも称する)とAT準備状態1の演出画面が表示可能である(AT準備状態2についても同様)。
次に、注意喚起画像を表示し続ける時間について説明する。注意喚起画像を表示する時間が短すぎると、遊技者が注意喚起画像を十分に認識できずにのめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。また、注意喚起画像を認識できたとしてもさほど気にかけずにのめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。他方、注意喚起画像を表示する時間が長すぎると、他の画像を視認する際の妨げになる可能性がある。換言すると、遊技に対して気が削がれることによって、遊技者に不快感を与える可能性がある。そこで、本実施形態では、のめり込み対策として期待されている効果(のめり込んでいると遊技者に自覚させる)を発揮でき、かつ遊技者に不快感を与えない時間だけ、注意喚起画像を表示し続けるようにしている。注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間については、以下、順を追って説明していく。
まず、図78を参照して、遊技者が最短時間で遊技した場合に費やす時間について説明する。スタートレバーD50が操作された後、リールM50の回転が開始してからリールM50の回転速度が一定となるまでに費やす時間が約180msである。また、停止ボタンが操作されてからリールM50の回転が停止するまでに費やす時間が最大でも190msである(遊技機の認定及び型式の検討等に関する規則第六条(遊技機の型式に関する技術上の規格)に示された別表第五(1)イ(ト)において定められている)。さらに、付与される遊技メダルをクレジット数として加算するのに費やす時間又は実際に遊技メダルを払い出すのに費やす時間が1枚当たり約40msである。すなわち、遊技者が最短時間で遊技した場合に費やす時間は、付与される遊技メダルの枚数によって変化するものの、複数の停止ボタンが同時に操作できない(複数のリールM50を同時に停止制御できない)仕様であれば約750ms~約1070ms(付与される遊技メダルが0枚~8枚のとき)であり、複数の停止ボタンが同時に操作できる(複数のリールM50を同時に停止制御できる)仕様であれば約370ms~約690ms(付与される遊技メダルが0枚~8枚のとき)であるといえる。
尚、遊技者が最短時間で遊技した場合であっても、最小遊技時間(本実施形態にて前述したように1回の遊技に要する最小の時間は、4100ms以上)未満で1回の遊技を終了することはできない。これは、遊技機の認定及び型式の検討等に関する規則第六条(遊技機の型式に関する技術上の規格)に示された別表第五(1)リ(イ)とその技術上の規格の解釈基準において定められている。そこで、本実施形態では、図79に示すように前回の遊技が最短時間で遊技され、且つ、前回の遊技終了直後に今回の遊技に係るスタートレバーD50が操作されたときであっても、今回の遊技に係るリールM50の回転が開始するのは、前回の遊技に係るリールM50の回転が開始したときから4100msが経過した後とすることで、最小遊技時間未満で1回の遊技が終了してしまうことがないようになっている。
一般的に、ボーナス遊技の1つであるBB遊技では、目押しが不要な小役(停止ボタンの操作タイミングに拘らず入賞可能な小役)が高確率で当選する(必ず当選する仕様としてもよい)。また、AT中状態では、停止ボタンを特定の順番で操作することが必要な押し順ベル(前述した入賞‐A1~入賞‐A6のいずれか)や押し順再遊技(前述した再遊技‐D1~D3、再遊技‐E1~E3、再遊技‐F1~F3)が当選した場合に、どの順番で操作すべきかを報知している。さらに、ボーナス遊技中やAT中状態は、遊技者は達成感を感じている状態にある。そのため、少なくともボーナス遊技中やAT中状態などの有利遊技中(遊技者にとって相対的に有利な遊技状態)は、多くの遊技者が有利遊技中でない場合よりも相対的に短時間で遊技を進行している。
尚、上述したように、遊技者が最短時間で遊技した場合であっても、最小遊技時間未満で1回の遊技を終了することはできない。すなわち、図80に示すように有利遊技の最終遊技が最短時間で遊技された場合、すぐにスタートレバーD50が操作されたとしても、リールM50の回転を開始するまでにはある程度の時間がある。また、リールM50の回転が開始してもリールM50の回転速度が一定となるまでにもある程度の時間がある。これらの時間は、遊技者による如何なる操作も無効であるため、注意喚起画像を表示し続けていても、遊技者に不快感を与えることはないが、これらの時間を超えても注意喚起画像を表示し続けていると、遊技者に不快感を与える可能性がある。なぜなら、これらの時間を超えると、少なくとも停止ボタンの操作は有効となるが、図77(a)に示すようなチェリー役に当選したことの示唆と注意喚起画像が重なっているせいで、停止ボタンD40を操作できなかったり(遊技者はどの役を狙えばよいのかを視認できないため)、注意喚起画像が最前面のグラフィックレイヤに表示されているため、停止ボタンD40を操作してはいけないのではないかという不安感が生じたりするからである。ゆえに、注意喚起画像を表示し続ける時間は、これらの時間を超えないことが好ましいといえる。
そこで、本実施形態では、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間を3000ms以上、3210ms以下としている。なお、3000ms以上としているのは、注意喚起画像を表示し続ける時間が長ければ長い程注意喚起画像による注意喚起を遊技者がしっかりと認識し、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できると考えられるからである。
図81に示すように、有利遊技中において、最短時間で遊技せずに時間をかけて遊技を行う遊技者も僅かながらいると思われる。その場合、注意喚起画像を3210ms表示し続けると、注意喚起画像の表示中に少なくとも有利遊技終了後のゲームに係る停止ボタンの操作が有効になるため、遊技者に不快感を与える可能性はある。ただし、有利遊技中も時間をかけて遊技を行う遊技者は、最短時間で遊技を行う遊技者よりは不快感に思わない可能性が高い。ちなみに、注意喚起画像を非表示とした後に最短時間で遊技を行えば、最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができる。そのため、本来であれば最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができるのに、注意喚起画像が表示され続けていたせいで、最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができなかった(損をした)というような不満を遊技者に感じさせにくくすることができる。
次に、演出表示装置S40に注意喚起画像を表示する位置について説明する。基本的には、遊技者が認識し易い位置に表示されることが好ましい。遊技者が認識し易い位置の1つとして、筐体の中央より上側の位置が挙げられる。これは、遊技者の目の高さが筺体の中央より上側にあるからである。
本実施形態では、本実施形態の図1に示すように演出表示装置S40を筺体の中央より上側(遊技者から見た場合)に位置づけられており、図74に示すように演出表示装置S40の中央より上側に注意喚起画像を表示するようにしている。もちろん、演出表示装置S40が筺体の中央より上側に備えられているのであれば、演出表示装置S40の中央より上側、中央より上側右隅(遊技者から見た場合)、中央より上側左隅(遊技者から見た場合)、中央より下側(遊技者から見た場合)、中央より下側右隅(遊技者から見た場合)、中央より下側左隅(遊技者から見た場合)に注意喚起画像を表示してもよい。即ち、演出表示装置S40が配置された位置に応じて、注意喚起画像を遊技者に的確に視認させるべく、注意喚起画像の演出表示装置S40における表示位置を適宜に定めればよい。
また、注意喚起画像以外の画像が表示される位置を考慮して、演出表示装置S40における注意喚起画像を表示する位置を決めることが好ましい。たとえば、有利遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)やチェリー役に当選したことの示唆などの画像とは、可能な限り重ならない位置に注意喚起画像を表示することが好ましい。また、押し順ナビ演出とは、可能な限り重ならない位置に注意喚起画像を表示することが好ましい。前述したように、最表のグラフィックレイヤに「注意喚起画像」に表示するのが好ましいが、演出用の画像を表示するためのグラフィックレイヤに「注意喚起画像」を表示する構成の場合には、押し順ナビ演出と重ならない位置に表示するのが好ましい。また、最表のグラフィックレイヤに「注意喚起画像」に表示する構成として場合であっても、押し順ナビ演出のタイミングと「注意喚起画像」に表示するタイミングとが重なることが想定される場合には、押し順ナビ演出と重ならない位置に「注意喚起画像」を表示するのが好ましい。
更に、本実施形態では、待機デモ画面の表示中においても、注意喚起を行う(注意喚起画像を表示する)ようにしている。図82に、演出表示装置S40で表示される待機デモ画面の一例を示す。尚、前述したように、待機デモ画面の表示中とは、所定期間遊技を実行していない場合に表示される。
待機デモ画面の表示中になると、最初に遊技機の製造業者を示す画像が表示される(図82(a))。そして、所定時間の経過後は、注意喚起画像が表示される(図82(b))。その後、所定時間が経過すると、回胴式遊技機の演出に登場するキャラクタやオブジェクトなどを含み、演出の主題や背景などを紹介する画像(以下、デモ画面と称する)が動画形式で表示される(図82(c))。このように、待機デモ画面の表示中は、演出表示装置S40に図82(a)から図82(c)が繰り返し表示されるようになっている。
上述したように、デモ画面を見ている遊技者の大半は、現にのめり込んでいる遊技者ではなく、これから遊技を始めようとしている遊技者である。のめり込み対策として、遊技を始めようとする遊技者に、予めのめり込んではいけないということを印象づけるという方法も考えられるが、過度な注意喚起を行ってしまうと、遊技意欲を低下させてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、待機デモ画面の表示中に注意喚起を行うための画像(注意喚起画像)が表示され続ける時間を、有利遊技の終了時に注意喚起を行うための画像(注意喚起画像)が表示され続ける時間よりも短くしている。換言すると、3000ms未満としている。具体的には、最長でも2000ms以下とするのが好ましい。ただし、これに限られるものではない。
尚、待機デモ画面の表示中に注意喚起画像を表示する場合の注意喚起画像の位置及び大きさは、有利遊技の終了時に注意喚起画像を表示する場合の位置及び大きさと同一としている。これは、表示する位置を状況によって変更するようにすると、副制御基板Sの負担が増大する可能性があるためである。また、状況によって大きさを変更するようにすると、複数の画像を用意する必要があるためである。
尚、副制御基板Sの処理の負担に影響しない範囲で、演出表示装置S40に表示する注意喚起画像の大きさは、有利遊技終了時の大きさを待機デモ中における大きさよりも大きくしてもよい。待機デモ中よりも有利遊技終了時の方が、のめり込みを遊技者に自覚させる必要性が高くなっている可能性があるからである。
次に、図86を参照して、有利遊技の最終遊技でエラーが発生した場合について説明する。本実施形態では、スタートレバーD50が操作されてからすべてのリールM50の回転が停止するまでの間にエラーが発生しても、すべてのリールM50の回転が停止するまでは、遊技の進行を停止しないようになっている。これは、スタートレバーD50が操作されてからすべてのリールM50の回転が停止するまでの間におけるエラー発生時に遊技の進行を停止してしまうと、遊技者の集中力が切れ、停止ボタンを操作する際に操作ミス(任意のタイミングで停止ボタンを操作できない等)が起きやすくなってしまう可能性があるからである。なお、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようになっている。
その後、すべてのリールM50の回転が停止すると(遊技の進行が停止すると)、演出表示装置S40にエラー画像を表示する。これは、エラーが発生したときにエラー画像を表示してしまうと、遊技者が驚いた拍子に操作ミス(任意のタイミングで停止ボタンを操作できない等)をしてしまう可能性があるからである。その後、エラーが解除されると、遊技の進行が再開され(遊技メダルの付与がある場合は、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に遊技メダルが払い出される)、演出表示装置S40に終了画面と注意喚起画像が表示される。
エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるが、予め定められた時間(3000ms以上、且つ、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。もちろん、停止ボタンの操作が有効となった後も注意喚起画像は表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるため停止ボタンの操作が有効となった後も注意喚起画像が表示し続けるよう構成している。また、エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるので、停止ボタンの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることぐらいでは、不快感があると思わない可能性が高いためである。
次に、図87を参照して、有利遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合について説明する。本実施形態では、ある遊技が終了してから次回の遊技に係るスタートレバーD50が操作されるまでの間にエラーが発生した場合には遊技の進行が停止するようになっている。なお、エラーの発生によって遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようになっている。
また、エラーの発生によって遊技の進行が停止すると、演出表示装置S40では注意喚起画像に重ねてエラー画像を表示する。ちなみに、エラーが発生したことを速やかに遊技者や遊技店員などに報知する必要があるため、エラー画像は注意喚起画像よりも優先度が高く設定されている。尚、前述したように、最表のグラフィックレイヤに「注意喚起画像」に表示するようにしているが、最表のグラフィックレイヤにエラー画像を表示し、「注意喚起画像」をエラー画像よりも背面側のグラフィックレイヤに表示するようにすることができる。また、「注意喚起画像」とエラー画像とをともに最表のグラフィックレイヤに表示するように構成してもよい。その後、エラーが解除されると、遊技の進行が再開され(遊技メダルの付与がある場合は、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に遊技払い出される)、演出表示装置S40ではエラー画像を非表示とする。
エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるが、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含めず、予め定められた時間(3000ms以上、且つ、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。なお、エラー画像を表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間は含めており、エラー解除後に残りの時間の分だけ注意喚起画像を表示する。もちろん、停止ボタンの操作が有効となった後も注意喚起画像は表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるため停止ボタンの操作が有効となった後も注意喚起画像が表示し続けるよう構成している。また、エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるので、停止ボタンの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることぐらいでは、不快感があると思わない可能性が高いためである。
次に、図88を参照して、有利遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下で電力の供給が停止した場合について説明する。本実施形態では、電力の供給が停止すると、最小遊技時間(4100ms)の計測も停止(一時停止)し、電力の供給が再開されると、最小遊技時間(4100ms)の計測も再開する。
また、電力の供給が停止すると、演出表示装置S40における表示も停止し(非表示となり)、電力の供給が再開されると、演出表示装置S40における表示を再開する。なお、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含め、予め定められた時間(3000ms以上、且つ、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。これにより、最短時間で遊技していれば、停止ボタンの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
電力の供給が再開されると、常に演出表示装置S40にデモ画面を表示するようにしてもよい。デモ画面においても、注意喚起画像を表示するようにしているため、問題がない。
次に、図89を参照して、有利遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下で演出スイッチが操作された場合について説明する。本実施形態では、遊技メダルが付与される場合、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されてから遊技メダルが投入(ベットボタンが操作、投入口より投入)されるまでの間に、サブ入力ボタンが操作されると、演出表示装置S40にメニュー画面を表示するようにしている。また、演出表示装置S40にメニュー画面が表示されているときは、パスワード入力、QRコード表示、配当表といた項目が十字キーの操作によって選択できるようになっている。具体的には、十字キー及びサブ入力ボタンを操作することで、各項目を選択できるようになっている。
サブ入力ボタンが操作されてメニュー画面が表示されても、予め定められた時間(3000ms以上、且つ、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。これは、メニュー画面が表示されたときに、注意喚起画像を非表示としてしまうと、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞があるからである。
ただし、メニュー画面が表示されている状況における注意喚起画像を表示する位置は、選択されている項目が分かるような位置(選択されている項目の視認性を妨げない位置)としている。換言すると、選択されている項目が分かる範囲であれば、重ねて表示してもよい。また、注意喚起画像を表示する位置は、QRコード表示が選択された際に表示されるQRコードと可能な限り重ならない位置としている。これは、注意喚起画像が表示され続けることにより、遊技を終えようとする遊技者が、すぐに遊技を終えることができなくなることを防止するためである。
本実施形態では、有利遊技の終了時において、終了画面とともに注意喚起画像を演出表示装置S40に表示するようにしたが、有利遊技中に付与された遊技メダルが極端に少ない場合は、有利遊技の終了時において、注意喚起画像を演出表示装置S40で表示しないようにしてもよい。
これは、有利遊技中に付与される遊技メダルが極端に少なければ、遊技者の分別がつかなくなることもないし、これまでに使用した金額に対応する遊技メダルの数よりも有利遊技中に付与された遊技メダルの数が少なくても、取り返そうという気持ちに陥り難い(取り返すことが不可能に近いため)からである。
有利遊技中に付与された遊技メダルが極端に少ない場合の一例としては、AT中状態であれば300枚未満の場合、ボーナス遊技中であれば50枚未満の場合などが挙げられる。
本実施形態では、有利遊技の終了時において、終了画面とともに注意喚起画像を演出表示装置S40に表示するようにしたが、終了画面を表示しないときは、注意喚起画像も表示しないようにしてもよい。たとえば、AT中状態でゲームが20回連続で行われるときは、AT中状態の20回目のゲームに演出表示装置S40で動画像を表示するようになっている。そして、AT中状態の20回目のゲームでボーナス役が当選しても、ボーナス遊技中でも、ボーナス遊技の終了時にも、演出表示装置S40では動画像を表示し続けたいため、ボーナス遊技の終了時に演出表示装置S40で終了画面を表示しないようになっている。このようなときには、表示されている動画像を視認する際の妨げにもなるため、注意喚起画像も表示しないようにしてもよい。ただし、AT中状態の20回目のゲームの終了時には、演出表示装置S40で終了画面を表示するとともに注意喚起画像を表示することが好ましい。
本実施形態では、注意喚起画像の大きさを図75に示す大きさとしたが、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できる大きさであればよく、図75に示す大きさよりも大きい注意喚起画像であってもよい。
また、有利遊技の終了時に表示する注意喚起画像の大きさを状況によって変更するようにしてもよい。たとえば、有利遊技の終了画面とともに表示するときの大きさと、演出画面とともに表示するときの大きさは異なる大きさであってもよい。例えば、有利区間においては多量の遊技メダルが付与された可能性があるため、遊技区間が有利区間から通常区間に戻るタイミングでは、注意喚起画像の大きさを最も大きく表示したり他のタイミングよりも長い時間で表示したりするのが好ましい。
本実施形態では、遊技メダルが付与される場合は、クレジット数として加算または遊技のメダルの払い出し後に演出表示装置S40で終了画面と注意喚起画像を表示するようにしたが、すべてのリールM50の回転が停止した後に演出表示装置S40で表示するようにしてもよいし、最後の停止ボタンD40が離されたときに演出表示装置S40で表示するようにしてもよい。また、遊技メダルが付与されない場合は、すべてのリールM50の回転が停止した後に演出表示装置S40で終了画面と注意喚起画像を表示するようにしたが、最後の停止ボタンD40が離されたとき演出表示装置S40で表示するようにしてもよい。
本実施形態では、終了画面と注意喚起画像を同じタイミングで演出表示装置S40に表示するようにしたが、終了画面を表示した後に注意喚起画像を表示するようにしてもよい。さらには、終了画面を表示してから所定時間の経過後に注意喚起画像を表示するようにしてもよい。
本実施形態では、最終遊技において遊技メダルが付与されるか否かに関わらず、次ゲームに係る遊技メダル投入後にスタートレバーD50が操作されたときに終了画面を非表示とするようにしたが、最終遊技において遊技メダルが付与される場合は、次ゲームに係る遊技メダルが投入(ベットボタンD220が操作されたときや、メダル投入口D170から遊技メダルが投入されたとき)されたときに終了画面を非表示としてもよい。
また、終了画面を表示してから所定時間が経過したときに注意喚起画像を非表示としてもよい。これは、演出表示装置S40には、終了画面だけでなく注意喚起画像も表示されているため、不安を感じた遊技者がスタートレバーD50を操作しない可能性があるからである。
本実施形態では、演出表示装置S40を筺体の中央より上側に備えるようにしたが、演出表示装置S40は筺体の中央付近に備えてもよい。その場合、演出表示装置S40の中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、又は中央に注意喚起画像を表示すれば、遊技者の目の高さに近い位置に表示されることになる。なお、1つの演出表示装置S40しか備えないのであれば、遊技者の視線はそこに集まるのだから、中央より下側、中央より下側右隅、又は中央より下側左隅に注意喚起画像を表示しても問題ない。
また、筐体のデザインなどの影響により演出表示装置S40が筺体の中央より下側に備えられることがある。なお、1つの演出表示装置S40しか備えないのであれば、遊技者の視線はそこに集まるのだから、中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央、中央より下側、中央より下側右隅、又は中央より下側左隅に注意喚起画像を表示してもよい。
また、有利遊技の終了時に表示する注意喚起画像の位置を状況によって変更するようにしてもよい。たとえば、終了画面とともに注意喚起画像を表示するときの位置と、終了画面以外の演出画面(例えば、予告演出画面)とともに表示するときの位置は異なる位置であってもよい。
本実施形態では、待機デモ画面の表示中に図82(a)から図82(c)が繰り返し表示されるようにしたが、表示する順番は入れ替えてもよい。たとえば、図83(a)から図83(c)が繰り返し表示されるようにしてもよい。遊技者が遊技を始める前にデモ画面を見るのは、遊技を始めようとする回胴式遊技機の題材が如何なるものであるかを確認するためである。本実施形態のように回胴式遊技機の題材を紹介する画像が表示される前に、注意喚起を行うための画像が表示されることにより、遊技意欲が著しく低下する虞がある場合には、表示する順番を入れ替えることが好ましい。なお、入れ替える順番は、これに限られるものではない。
本実施形態では、待機デモ画面の表示中に注意喚起画像を表示し続ける時間を3000ms未満にしたが、遊技を始めようとする遊技者にも、予めのめり込んではいけないということを印象づける必要があれば、3000ms以上表示し続けるようにしてもよい。
本実施形態では、待機デモ画面の表示中に表示される注意喚起画像の位置と大きさを、有利遊技の終了時に表示されるときの位置と大きさと同じにしたが、表示する位置や大きさを状況によって、変更するようにしてもよい。たとえば、図84に示すように、待機デモ画面の表示中に注意喚起画像を常時表示する場合には、演出表示装置S40の中央より上側右隅に小さく表示してもよい。これは、注意喚起画像が表示され続ける時間が長くなるため、少しでも過度な注意喚起とならないようにするための工夫である。なお、表示する位置と大きさは、これに限られるものではない。
本実施形態では、スタートレバーD50が操作されてからすべてのリールM50の回転が停止するまでの間にエラーが発生しても、すべてのリールM50の回転が停止するまでは、遊技の進行を停止しないようにしたが、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されるまでは、遊技の進行を停止しないようにしてもよい(遊技メダルが付与されない場合は除く)。
本実施形態では、スタートレバーD50が操作されてからすべてのリールM50の回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、遊技の進行が停止すると、演出表示装置S40にエラー画像を表示するようにしたが、エラーが発生したときにエラー画像を表示するようにしてもよい。これにより、遊技店員が駆けつけることができ、遊技の進行が停止後すぐにエラーを解除することができる。
本実施形態では、スタートレバーD50が操作されてからすべてのリールM50の回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、遊技の進行が停止している間も最小遊技時間(4100ms)の計測を続行するようにしたが、最小遊技時間の計測を一時的に停止させるようにしてもよい。これにより、最短時間で遊技していれば、停止ボタンの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
本実施形態では、スタートレバーD50が操作されてからすべてのリールM50の回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、エラーの解除までに費やした時間に関わらず、予め定められた時間(3000ms以上、且つ、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしたが、エラーの解除までに費やした時間またはその時間に対応する時間だけ、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くしてもよい。たとえば、エラーの解除までに60000ms以上費やしたときは、注意喚起画像を1000ms表示し続けるようにしてもよい。
本実施形態では、有利遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、注意喚起画像に重ねてエラー画像を表示するようにしたが、有利遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合には、注意喚起画像を非表示とし、エラー画像を表示するようにしてもよい。そして、エラーが解除されたときは、エラー画像を非表示とし、注意喚起画像を表示するようにしてもよい(注意喚起画像を表示し続ける時間は予め定められた時間(3000ms以上、且つ、3210ms以下)としてもよい)。これは、エラー画像と注意喚起画像の優先度を同じにしたい場合に好適である。
本実施形態では、有利遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含めず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしたが、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。エラー画像を表示しているか否か(エラーが発生したか否か)に関わらず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)だけ注意喚起画像を表示し続ければよいので、副制御基板S側の負担を増大させなくて済む。
本実施形態では、有利遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画像を表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間を含めるようにしているが、エラー画像を表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。これは、エラー画像が表示されることにより、遊技者の意識が注意喚起画像から逸れる可能性が高い場合に好適である。
本実施形態では、有利遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようにしたが、最小遊技時間の計測を一時的に停止させるようにしてもよい。これにより、最短時間で遊技していれば、停止ボタンの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
本実施形態では、有利遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画像の優先度(表示優先度、表示プライオリティ、とも称する)を注意喚起画像よりも高く設定したが、注意喚起画像の優先度をエラー画像よりも高く設定してもよい。ただし、注意喚起画像によって、発生したエラーの種類が特定できなくなることは好ましくないため、注意喚起画像を表示する位置は、発生したエラーの種類が明記される位置と重ならない位置にすることが好ましい。なお、発生したエラーの種類が特定できる程度であれば、エラー画像と注意喚起画像とが重なっていても構わない。
また、この場合は、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含め、予め定められた時間(3000ms以上、且つ、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。
本実施形態では、有利遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下で電力の供給が停止した場合、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めるようにしているが、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めず、電力の供給が再開した後に、再度予め定められた時間(3000ms以上、且つ、3210ms以下)注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。これは、電力の供給が停止したことにより、遊技者の意識が注意喚起画像から逸れる可能性が高い場合に好適である。
本実施形態では、電力の供給が再開すると、すぐに起動(表示を再開)する演出表示装置S40を用いたが、起動するまでに時間がかかる演出表示装置S40を用いる場合も、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含め、予め定められた時間(3000ms以上、且つ、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。起動するまでの時間によっては、停止ボタンの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。ただし、遊技者に多大なる不快感を与える可能性があれば、起動するまでの時間またはその時間に対応する所定の時間だけ、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くしてもよい。なお、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を、注意喚起画像を表示し続ける時間に含めないようにしてもよい。
本実施形態では、遊技メダルが付与される場合、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されてから遊技メダルが投入(ベットボタンD220が操作されたときや、メダル投入口D170から遊技メダルが投入されたとき)されるまでの間に、サブ入力ボタンSBが操作されると、演出表示装置S40にメニュー画面を表示するようにしたが、遊技メダルが付与されるか否かに関わらず、スタートレバーD50が操作されるまでの間に、サブ入力ボタンSBが操作されると、演出表示装置S40にメニュー画面を表示するようにしてもよい。尚、メニュー画面は、スピーカS20から出力される音量や演出表示装置S40の輝度などの遊技環境を遊技者の好みに合わせた設定をするための画面などである。
本実施形態では、注意喚起画像を表示する位置を、前述したメニュー画面が表示されたときに、選択されている項目が分かるような位置にしたが、選択されている項目が分からなくなるような位置にしてもよい。このようにすることで、遊技者の意識を注意喚起画像に積極的に向けさせ、のめり込みを認識させることができる。
本実施形態では、図80や図81に示すように、注意喚起画像が表示され続けていても、スタートレバーD50などの操作が有効となっている(遊技が進行する)が、これには限定されず、注意喚起画像が表示され続けている間は、前述したフリーズ演出と同様のフリーズを実行してもよい。換言すると、スタートレバーD50などの操作が無効となる(遊技の進行を停止させる)ようにしてもよい。遊技者に不快感を与えることになるが、のめり込み対策として期待される効果を最大限発揮することができる。具体的には、長時間に亘って遊技の進行が停止するため、遊技意欲をある程低下させることができる。この場合の注意喚起画像が表示され続ける時間は、遊技意欲をある程度低下させることができる時間であることが適当である。しかし、過度に長すぎる(たとえば、最小遊技時間以上の時間である)と、遊技者が遊技を終了する可能性がでてくる。ゆえに、注意喚起画像が表示され続ける時間は3000ms以上、且つ、4100ms未満であることが好ましい。
また、フリーズさせる場合であれば、図85に示すように、演出表示装置S40に終了画面を表示させた後、終了画面を非表示とするとともに注意喚起画像のみ表示するようにしてもよい。注意喚起画像のみ表示することで、遊技者の意識を確実に注意喚起画像に向けさせることができるため、のめり込み対策として期待される効果をより発揮することができる。なお、注意喚起画像を表示してから所定時間(3000ms以上、且つ、4100未満のうち、予め定めた時間)が経過した後、注意喚起画像を非表示とするとともに再び終了画面を表示するようにしてもよいし、注意喚起画像のみを表示し続けてもよい。
まず、待機デモ画面は図82(b)、図82(a)、図82(c)の順番で表示されるようにしたうえで、図85(b)を表示するタイミングのときに、図82(b)を表示し続けるようにしてもよい。これにより、図85(b)を表示するための画像を用意する必要がなくなる。
本実施形態では、演出表示装置S40で注意喚起を行うようにしたが、演出表示装置S40以外でも注意喚起を行うようにしてもよい。たとえば、遊技者が認識し易い位置にある筐体のパネル部分に注意喚起画像と同等の内容の画像を表示してもよい。
注意喚起画像は、例示したものに限られるものではない。たとえば、「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」や「のめり込みに注意しましょう。パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」が明記された画像(表示)であってもよい。
なお、文字の色やフォントは、遊技者が認識し難いものでなければ自由である。たとえば、注意喚起画像を表示する際の背景画像と色が似ていると、遊技者が認識し難くなる虞があるため、背景画像(演出表示装置S40の表示領域)の大部分を占める色とは異なる色である方が好ましい。特に、色相環で正反対に位置する色(以下、「反対色」とも称する)または反対色に近しい色である方が、色が引き立つため好ましい。
本実施形態では、有利遊技中に付与される遊技メダルが最大で8枚のときを例に、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間を算出したが、有利遊技中に付与される遊技メダルが最大で9枚以上15以下のときも、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間は、3000ms以上、且つ、3210ms以下であることが好ましい。たしかに、15枚の遊技メダルが付与されるときは、8枚の遊技メダルが付与されるときよりも、払い出しに費やす時間が約280ms増えるため、その分だけ、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間を短くすれば、停止ボタンの操作が有効になる前に、注意喚起画像を非表示とすることはできる。ただし、停止ボタンの操作が有効になってから約280ms後に、注意喚起画像を非表示としても、遊技者がそれに気づく可能性は著しく低いといえる。であれば、長ければ長い程、のめり込み対策として期待される効果を発揮することができるため、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間は、3000ms以上、且つ、3210ms以下であることが好ましい。
<待機デモ画面における注意喚起画像>
図82にて前述したように、待機デモ画面が表示されると、最初に遊技機の製造業者を示す画像が表示される(図82(a))。そして、所定時間の経過後は、注意喚起画像が表示される(図82(b))。その後、所定時間が経過すると、遊技機の演出に登場するキャラクタやオブジェクトなどを含み、演出の主題や背景などを紹介する画像(待機デモ画面と称することがある)が動画形式で表示される(図82(c))。このように、待機デモ画面の表示中は、演出表示装置S40に図82(a)から図82(c)が繰り返し表示されるようになっている。
ここで、図82(b)においては、待機デモ画面の表示中に注意喚起画像が表示されており、注意喚起画像の色彩としては、例えば、黄色と黒色とを主体とした色彩となっている。他方、注意喚起画像以外の表示領域においては、すべて白色にて表示されており、注意喚起画像と背景画像の大部分を占める色とは反対色または反対色に近しい色となっている。
すなわち、待機デモ画面における注意喚起画像の表示中の背景画像(注意喚起画像以外の表示領域に表示されている画像)は、すべての画素が白色にて表示されており、換言すると、カラーフィルターRとカラーフィルターGとカラーフィルターBとのすべてに光が通過する画素のみとなっており、赤色、緑色、青色の明度として表現した場合、(255,255,255)で表示されている画素のみとなるよう構成されている。このように構成することで、遊技者が注意喚起画像に注目し易くなるとともに、注意喚起画像の視認性(特に文字情報の視認性)も向上することとなる。
なお、待機デモ画面の表示中に注意喚起画像が表示されている状況における背景画像は、すべて白色でなくてもよく、背景画像を構成する画素のうち半分以上の画素が白色となるよう構成してもよいし、背景画像を構成するすべての画素が白色に類似する色で表示されるよう構成してもよい。また、このような背景画像に関する構成は、注意喚起画像が表示されている期間にて常に適用するよう構成してもよいし、注意喚起画像が表示されている期間の所定タイミング(所定期間)に適用するよう構成してもよい。
<注意喚起画像と遊技効果ランプの関係>
前述したように、図82(b)のような、待機デモ画面の表示中に注意喚起画像が表示されている状況においては、背景画像は白色にて表示されるよう構成したが、このような状況においては、遊技効果ランプD26のLEDも演出表示装置の背景画像と同一の白色で点灯するように構成してもよい。このように構成する場合には、遊技効果ランプD26のすべてのLEDが白色で点灯するタイミングを有するよう構成してもよいし、遊技効果ランプD26の半分以上のLEDが白色で点灯するタイミングを有するよう構成してもよいし、遊技効果ランプD26のすべてのLEDが白色に類似する色で点灯するタイミングを有するよう構成してもよいし、遊技効果ランプD26の半分以上のLEDが白色に類似する色で点灯するタイミングを有するよう構成してもよい。また、このような遊技効果ランプD26に関する構成は、注意喚起画像が表示されている期間にて常に適用するよう構成してもよいし、注意喚起画像が表示されている期間の所定タイミング(所定期間)に適用するよう構成してもよい。
また、図82(b)のような、待機デモ画面の表示中に注意喚起画像が表示されている状況において、背景画像を白色に類似する色で表示するタイミングにて遊技効果ランプD26の半分以上のLEDを白色に類似する色で表示するよう構成してもよい。
このように構成することにより、遊技者が注意喚起画像に注目し易くなるとともに、注意喚起画像の視認性(特に文字情報の視認性)も向上することとなる。
なお、前述したが、演出表示装置における待機デモ画面の表示中に注意喚起画像を表示する構成については、ぱちんこ遊技機にも回胴式遊技機にも適用することが可能である。
<<透明板D16に関する構成>>
次に、本明細書に係るぱちんこ遊技機に適用可能な構成として、透明板D16に関する構成を以下に詳述する。なお、以下に詳述する実施形態においては、上述の実施形態と同様な箇所には同一の符号を付することによって、その説明を省略又は簡略化するものとする。また、本実施形態では、既出ではあるが上述の実施形態では符号を付していない部材に対して新たに符号を付す等を行うが、この種の部材については本実施形態のみに存在するものではなく、上述の各実施形態にも同様に存在しているものであることは言うまでもない。なお、これについては、本実施形態に限らず、他の実施形態についても同様であることは言うまでもない。
はじめに、図90は、本明細書に係るぱちんこ遊技機に適用可能な透明板D16に関する図である。同図における透明板D16は遊技機から取り外した状態を図示している。
図90の(a)は、透明板D16の正面図である。透明板D16は、ガラス板D60と透明板枠部D61とから構成されている。ガラス板D60は透明板D16の大部分を占めるガラスの板であり、透明板枠部D61はガラス板の周囲に設けられたプラスチックなどで構成される部材である。透明板D16に透明板枠部D61を設けることにより、ガラス板D60が衝撃や振動等によって破損してしまうことを防止している。
次に、図90の(b)は、透明板D16のA-A断面図である。同図における上方向が遊技者から見て手前側方向であり、同図における下方向が遊技者から見て奥側方向である。
図示するように、透明板枠部D61にはガラス板D60との段差である、枠段差部D62を有している。また、枠段差部D62は、遊技者から見て奥側方向のみに設けられており、手前側方向には設けられていない。なお、同図はあくまで一例であり、枠段差部D62が、遊技者から見て手前側方向のみに設けられており、奥側方向には設けられていないよう構成してもよい。また、枠段差部D62の高さ方向の最大の長さは、遊技球の半径よりも短いように構成してもよいし、φ25の遊技メダルの厚さよりも短いように構成してもよいし、φ30の遊技メダルの厚さよりも短いように構成してもよい。
このように、透明板枠部D61の片側のみに枠段差部D62を設けることにより、透明板D16を扉D18に取り付ける際に、向きを間違ってしまうことを防止することができる。
次に、図90の(c)は、透明板D16のB-B断面図である。同図における上方向が遊技者から見て手前側方向であり、同図における下方向が遊技者から見て奥側方向である。
図示するように、透明板枠部D61とガラス板D60との間には、透明板間隙D63が遊技者から見て奥側にのみ設けられている。また、A-A断面図には透明板間隙D63が図示されていないように、遊技者から見て奥側方向におけるガラス板D60の外周には、一部のみ透明板間隙D63が設けられており、不図示であるが、透明板間隙D63におけるガラス板D60の遊技者から見て奥側の面と透明板枠部D61との距離(隙間幅と称することがある)は、均一ではなく複数種類の隙間幅を有している。なお、隙間幅の最大の長さは遊技球の直径よりも短くなっており、このように構成することにより、遊技領域を流下する遊技球が遊技機外に飛び出してしまう事態を防止することができる。
なお、同図における透明板間隙D63の構成はあくまで一例であり、ガラス板D60における透明板間隙D63の位置は図90の位置には限定されず、ガラス板D60の外周の一部に透明板間隙D63を有しており、ガラス板D60の外周におけるその他の部分には透明板間隙D63を有していないように構成していれば、どのように構成してもよい。
このように、ガラス板D60における透明板間隙D63を、遊技者から見て奥側に設ける一方、遊技者から見て手前側には設けないことにより、透明板D16を扉D18に取り付ける際に、向きを間違ってしまうことを防止することができる。なお、透明板間隙D63は遊技者から見て手前側のみに設けるよう構成してもよい。
また、透明板間隙D63におけるガラス板D60の遊技者から見て奥側の面と透明板枠部D61との距離(隙間幅と称することがある)は、均一ではなく複数種類の隙間幅を有しているように構成することにより、透明板D16の強度を低くし過ぎることなく、遊技領域の換気を行うことができ、遊技領域に熱がこもって変形してしまうなどの不具合が発生し難くなり、遊技機の寿命を長くすることができる。
また、前述した枠段差部D62の高さに関する構成については、透明板間隙D63を有していない箇所における枠段差部D62の高さ(高さ方向の長さ)を、遊技球の直径よりも短いように構成してもよいし、遊技球の半径よりも短いように構成してもよいし、φ25の遊技メダルの厚さよりも短いように構成してもよいし、φ30の遊技メダルの厚さよりも短いように構成してもよいし、透明板間隙D63を有していない箇所も含めて最も高くなる枠段差部D62の高さ(高さ方向の長さ)を、遊技球の直径よりも短いように構成してもよいし、遊技球の半径よりも短いように構成してもよいし、φ25の遊技メダルの厚さよりも短いように構成してもよいし、φ30の遊技メダルの厚さよりも短いように構成してもよい。
<<演出表示装置SGに関する構成>>
また、本明細書におけるぱちんこ遊技機における演出表示装置SGの構成として、以下の構成を適用してもよい。
演出表示装置SGにおける表示領域SG10の外周には、遊技者から見て手前方向にせり出した外周面を設けてもよい。このように構成した場合には、以下のように構成してもよい。
(1)外周面における表示領域SG10側の面は黒色(または、黒色と略同一の色)になっている
(2)外周面における表示領域SG10側の面には基板が実装されていない
(3)外周面における表示領域SG10側の面における少なくとも一部の面は黒色(または、黒色と略同一の色)になっている
(4)外周面を遊技者が見ても基板が視認できないように構成されている
上記の1または複数の構成を適用してもよく、このように構成することにより、演出表示装置SGが発する光が外周面に反射して、演出表示装置SGに映り込んでしまうことを防止(または、軽減)することができる。
<<間隙に関する構成>>
また、本明細書におけるぱちんこ遊技機に適用可能な構成として、外枠D12と扉D18との間の一部に間隙を有するよう構成してもよい。このように構成する場合には、当該間隙の最大の幅の長さは、遊技球の直径未満の長さとすることが好適である。このように構成することにより、遊技球が誤って扉D18の内側に入り込むことがなく、遊技機外からの不正行為を防止することができるとともに、遊技領域の換気を行うことができ、遊技領域に熱がこもって変形してしまうなどの不具合が発生し難くなり、遊技機の寿命を長くすることができる。
<<案内レールD33を転動する遊技球>>
図42にて前述したように、本明細書におけるぱちんこ遊技機においては、発射装置D42によって遊技球が発射された場合、当該発射された遊技球は、外レールD32の一部と内レールD34の一部とにより区画された案内レールD33に沿って移動し、球戻り防止部材D39(防止片D39-1)を通過して、遊技領域D30を流下していくように構成されている。
このように遊技球が発射される場合において、遊技領域D30に到達する遊技球(防止片D39-1を通過する遊技球)が、発射強度に拘らず透明板D16(ガラス板D60)に接触しないように構成してもよい。具体例としては、外レールD32の一部(例えば、外レールD32全体における防止片D39-1よりも発射装置D42に近い部分)が遊技者から見て手前から奥に下方向に傾いているように構成することにより、遊技盤D35に接触し続けて(または、接触し易い)遊技領域に到達するように構成する、発射装置D42が遊技球を発射する方向を、所定角度(例えば、5度)だけ遊技者から見て奥方向(遊技盤D35方向)に発射するように構成するなどとしてもよい。
ぱちんこ遊技機(A1)の課題、このような遊技部品を遊技盤に取り付けた状態において、遊技盤を流下する遊技球が遊技部品を取り付けているビスに衝突したりすることによって、ビスが緩んでしまう場合がある。こうして、ビスが緩んだ状態であると、ビスの緩んだ部位で遊技球が重なりあって遊技球の流下を妨げてしまい、遊技ができない状態となってしまう為、遊技者の遊技の興趣を損なう一因となってしまう。このため、遊技者の遊技の興趣を損なうのを防止することができるぱちんこ遊技機の提供が要望されている。
態様(1)に係るぱちんこ遊技機(A1)は、
遊技球が流下可能な遊技盤と、
遊技盤の前面に設けられた透明板と、
遊技盤に植設された複数の遊技釘と、
遊技球の流路上に設けられ、遊技部品(例えば、センター飾りD38)を遊技盤に螺設する所定の螺子と
を備え、
前記所定の螺子と最も近い位置に植設された所定の遊技釘の長手方向の長さ(例えば、D)の所定の割合(例えば、1/3)の長さである第一の長さ(例えば、D2)が遊技盤に植設されており、
前記所定の螺子の長手方向の長さ(例えば、A)の前記所定の割合(例えば、1/3)の長さである第二の長さ(例えば、1/3×A)が遊技盤内に螺入した状態であって、前記所定の螺子の第三の長さ(例えば、2/3×A)が遊技盤に対して突出した状態において、
遊技盤から透明板までの長さ(例えば、E)から前記第三の長さを減算した値(例えば、C3)が、遊技球の直径(例えば、B)以上となるよう構成する
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
ぱちんこ遊技機(A1)の効果、本態様に係るぱちんこ遊技機によれば、遊技部品を遊技盤に取り付けているビスが緩んでしまった場合であっても、遊技球の流下を妨げることがないようにすることができるという効果を奏する。
ぱちんこ遊技機(A2)の背景技術、現在最も普及しているぱちんこ遊技機は、始動口に遊技球が入球したことを契機として、7セグ等の表示部上で「特別図柄」(或いは主遊技図柄)と称される図柄が変動表示され、当該特別図柄が特定態様(例えば「7」)となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態{通常時は閉状態にある大入賞口(いわゆるアタッカー)が所定条件で開放する内容の遊技}に移行するタイプの機種(いわゆる「第一種ぱちんこ遊技機」)である。ここで、遊技者の利益に直結する特別図柄の表示制御の負担を軽減するために、前記の「特別図柄」とは別に、遊技の興趣性を高めるための演出用の「装飾図柄」と称される演出用図柄が、前記特別図柄の変動とシンクロした形で、前記表示部よりもサイズが大きい液晶等のディスプレイ上で変動表示される。そして、特別図柄の変動が開始されると装飾図柄もこれに合わせて変動を開始し、特別図柄が特定態様(例えば「7」)で停止した場合、装飾図柄もこれに合わせて所定態様(例えば「777」)で停止することとなる。そして、遊技者は、装飾図柄が所定態様で停止したことにより、特別遊技へ移行が確定したことを認識する。ここで、当該仕組みはこの種のぱちんこ遊技機で共通するので、他種との差別化を図るためには、前記図柄の変動態様を含めた演出全般に対し、いかに工夫を凝らし高い興趣性を付与するかということに注力されている。例えば、変動表示している「装飾図柄」を一旦停止した後に再始動させたり、変動表示している「装飾図柄」を非表示にしておき、その代わりに興趣性の高い動画像を表示する、といった演出手法により遊技の興趣性を向上させる手法がその一つである。また、この種のぱちんこ遊技機においては、遊技盤にセンター飾り等の遊技部品を設けることで遊技の興趣性の向上の一助としている。
ぱちんこ遊技機(A2)の課題、このような遊技部品を遊技盤に設けたぱちんこ遊技機を前側から後側に向かって傾斜させた状態で遊技島に設置すると、遊技領域を流下する或る遊技球が遊技部品上で滞留してしまう事態が生じて他の遊技球の流下を妨げてしまい遊技ができない状態となってしまう為、遊技者の遊技の興趣を損なう一因となってしまう。このため、遊技者の遊技の興趣を損なうのを防止することができるぱちんこ遊技機の提供が要望されている。
態様(2)に係るぱちんこ遊技機(A2)は、
遊技球が流下可能な遊技領域が設けられた遊技盤と、
遊技盤の前面に設けられた透明板と、
遊技盤に植設された複数の遊技釘と、
遊技盤の所定位置に設けられ、上面で遊技球が転動可能な遊技部品(例えば、センター飾りD38)と、
遊技球の流路上に設けられ、前記遊技部品を遊技盤に螺設する所定の螺子と
を備え、
前記遊技部品の上面に所定部(例えば、庇部D38-1)を有し、
前記所定部は、手前下方向に傾斜している
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
ぱちんこ遊技機(A2)の効果、本態様に係るぱちんこ遊技機によれば、ぱちんこ遊技機を前側から後側に向かって傾斜させた状態で遊技島に設置した場合であっても、遊技球が遊技部品上に滞留してしまう事態を防止することができるという効果を奏する。
ぱちんこ遊技機(A3)の背景技術、現在最も普及しているぱちんこ遊技機は、始動口に遊技球が入球したことを契機として、7セグ等の表示部上で「特別図柄」(或いは主遊技図柄)と称される図柄が変動表示され、当該特別図柄が特定態様(例えば「7」)となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態{通常時は閉状態にある大入賞口(いわゆるアタッカー)が所定条件で開放する内容の遊技}に移行するタイプの機種(いわゆる「第一種ぱちんこ遊技機」)である。ここで、遊技者の利益に直結する特別図柄の表示制御の負担を軽減するために、前記の「特別図柄」とは別に、遊技の興趣性を高めるための演出用の「装飾図柄」と称される演出用図柄が、前記特別図柄の変動とシンクロした形で、前記表示部よりもサイズが大きい液晶等のディスプレイ上で変動表示される。そして、特別図柄の変動が開始されると装飾図柄もこれに合わせて変動を開始し、特別図柄が特定態様(例えば「7」)で停止した場合、装飾図柄もこれに合わせて所定態様(例えば「777」)で停止することとなる。そして、遊技者は、装飾図柄が所定態様で停止したことにより、特別遊技へ移行が確定したことを認識する。ここで、当該仕組みはこの種のぱちんこ遊技機で共通するので、他種との差別化を図るためには、前記図柄の変動態様を含めた演出全般に対し、いかに工夫を凝らし高い興趣性を付与するかということに注力されている。例えば、変動表示している「装飾図柄」を一旦停止した後に再始動させたり、変動表示している「装飾図柄」を非表示にしておき、その代わりに興趣性の高い動画像を表示する、といった演出手法により遊技の興趣性を向上させる手法がその一つである。また、この種のぱちんこ遊技機においては、遊技盤に球戻り防止部材等の遊技部品を設けることで遊技の興趣性の向上の一助としている。
ぱちんこ遊技機(A3)の課題、このような球戻り防止部材を遊技領域に設けた状態において、発射された遊技球が一旦遊技領域に流入した後に案内レール側へ逆流してしまう事態が生じたり、発射された遊技球が遊技領域に流入した際に、球戻り防止部材の先端で遊技球が滞留してしまう事態が生じたりして、以降に発射された遊技球の遊技領域への流入及び遊技の進行を妨げてしまう為、遊技者の遊技の興趣を損なう一因となってしまう。このため、遊技者の遊技の興趣を損なうのを防止することができるぱちんこ遊技機の提供が要望されている。
態様(3)に係るぱちんこ遊技機(A3)は、
遊技球が流下可能な遊技領域が設けられた遊技盤と、
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
発射手段によって発射された遊技球を遊技領域に案内する案内レールと、
案内レールの出口近傍に設けられ、遊技領域に流入した遊技球が案内レール内に戻ることを防止する防止片(例えば、防止片D39-1)と
を備え、
前記防止片は、遊技領域に発射された遊技球を案内可能な第一位置(例えば、案内位置)と、遊技領域に流入した遊技球が案内レール内に戻ることを防止する第二位置(例えば、初期位置)に変位可能であり、
前記防止片が第二位置に位置している状態においては、前記防止片が上方向を向いており、前記防止片の右側に遊技球が滞留しない
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
ぱちんこ遊技機(A3)の効果、本態様に係るぱちんこ遊技機によれば、発射された遊技球が一旦遊技領域に流入した後に案内レール側へ逆流することを防止しつつ、遊技球が遊技領域に滞留することも防止できるという効果を奏する。
ぱちんこ遊技機(B1)の背景技術、現在最も普及しているぱちんこ遊技機は、始動口に遊技球が入球したことを契機として、7セグ等の表示部上で「特別図柄」(或いは主遊技図柄)と称される図柄が変動表示され、当該特別図柄が特定態様(例えば「7」)となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態{通常時は閉状態にある大入賞口(いわゆるアタッカー)が所定条件で開放する内容の遊技}に移行するタイプの機種(いわゆる「第一種ぱちんこ遊技機」)である。ここで、遊技者の利益に直結する特別図柄の表示制御の負担を軽減するために、前記の「特別図柄」とは別に、遊技の興趣性を高めるための演出用の「装飾図柄」と称される演出用図柄が、前記特別図柄の変動とシンクロした形で、前記表示部よりもサイズが大きい液晶等のディスプレイ上で変動表示される。そして、特別図柄の変動が開始されると装飾図柄もこれに合わせて変動を開始し、特別図柄が特定態様(例えば「7」)で停止した場合、装飾図柄もこれに合わせて所定態様(例えば「777」)で停止することとなる。そして、遊技者は、装飾図柄が所定態様で停止したことにより、特別遊技へ移行が確定したことを認識する。ここで、当該仕組みはこの種のぱちんこ遊技機で共通するので、他種との差別化を図るためには、前記図柄の変動態様を含めた演出全般に対し、いかに工夫を凝らし高い興趣性を付与するかということに注力されている。例えば、変動表示している「装飾図柄」を一旦停止した後に再始動させたり、変動表示している「装飾図柄」を非表示にしておき、その代わりに興趣性の高い動画像を表示する、といった演出手法により遊技の興趣性を向上させる手法がその一つである。また、この種のぱちんこ遊技機においては、遊技盤に始動口等の入賞口を設け、始動口に遊技球が入球することに基づいて遊技者に賞球や特別遊技を付与している。
ぱちんこ遊技機(B1)の課題、このような始動口等の入賞口の遊技部品を遊技盤に取り付けた状態であって、始動口を通過した遊技球を検出する入球センサが遊技者から視認可能な位置に取り付けられた状態において、釣り糸を取り付けた遊技球を発射させて、始動口への不正な入球によって賞球を得たり、特別遊技を狙ったりする不正行為が問題となっている。このため、このような不正行為を防止することができるぱちんこ遊技機の提供が要望されている。
態様(4)に係るぱちんこ遊技機(B1)は、
遊技球が流下可能な遊技領域が設けられた遊技盤と、
遊技盤の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な主遊技始動口と、
主遊技始動口に入球した遊技球が流下可能な案内流路と、
主遊技始動口に入球した遊技球を検出可能な遊技球検出装置と
を備え、
案内流路には、主遊技始動口に入球した遊技球を入球方向とは異なる方向に案内する案内流路構成部が設けられ、
主遊技始動口の入口の所定箇所と遊技球検出装置の所定箇所とを結ぶ直線上に、案内流路構成部が介在している
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
ぱちんこ遊技機(B1)の効果、本態様に係るぱちんこ遊技機によれば、不正行為を防止することができるという効果を奏する。
ぱちんこ遊技機(B2)の背景技術、現在最も普及しているぱちんこ遊技機は、始動口に遊技球が入球したことを契機として、7セグ等の表示部上で「特別図柄」(或いは主遊技図柄)と称される図柄が変動表示され、当該特別図柄が特定態様(例えば「7」)となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態{通常時は閉状態にある大入賞口(いわゆるアタッカー)が所定条件で開放する内容の遊技}に移行するタイプの機種(いわゆる「第一種ぱちんこ遊技機」)である。ここで、遊技者の利益に直結する特別図柄の表示制御の負担を軽減するために、前記の「特別図柄」とは別に、遊技の興趣性を高めるための演出用の「装飾図柄」と称される演出用図柄が、前記特別図柄の変動とシンクロした形で、前記表示部よりもサイズが大きい液晶等のディスプレイ上で変動表示される。そして、特別図柄の変動が開始されると装飾図柄もこれに合わせて変動を開始し、特別図柄が特定態様(例えば「7」)で停止した場合、装飾図柄もこれに合わせて所定態様(例えば「777」)で停止することとなる。そして、遊技者は、装飾図柄が所定態様で停止したことにより、特別遊技へ移行が確定したことを認識する。ここで、当該仕組みはこの種のぱちんこ遊技機で共通するので、他種との差別化を図るためには、前記図柄の変動態様を含めた演出全般に対し、いかに工夫を凝らし高い興趣性を付与するかということに注力されている。例えば、変動表示している「装飾図柄」を一旦停止した後に再始動させたり、変動表示している「装飾図柄」を非表示にしておき、その代わりに興趣性の高い動画像を表示する、といった演出手法により遊技の興趣性を向上させる手法がその一つである。
ぱちんこ遊技機(B2)の課題、このようなぱちんこ遊技機において、始動口に遊技球が入球したことを契機として、特別遊技に移行させるか否かを決定する乱数を取得するように構成されている。そして、意図的にぱちんこ遊技機の電源供給を遮断させ、その後に電源供給を再開させることによって、特別遊技に対応する乱数を狙う不正行為が問題となっている。このため、このような不正行為を防止することができるぱちんこ遊技機の提供が要望されている。
態様(5)に係るぱちんこ遊技機(B2)は、
遊技球が流下可能な遊技領域が設けられた遊技盤と、
遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
発射手段によって発射された遊技球を遊技領域に案内する案内レールと、
案内レールの出口近傍に設けられ、遊技領域に流入した遊技球が案内レール内に戻ることを防止する防止片と、
遊技盤の所定位置に設けられ、遊技球が入球可能な主遊技始動口と、
主遊技始動口に入球した遊技球を検出可能な遊技球検出装置と
を備え、
発射装置によって遊技球が発射され、遊技球が案内レールに沿って移動している状況にてぱちんこ遊技機への電源供給が遮断され、遊技球が案内レールに沿って移動している状況にて電源供給が再開され、前記発射された遊技球が防止片を通過してから主遊技始動口を介して遊技球検出装置を通過する場合、電源供給が再開されてから遊技球検出装置によって遊技球の検出が可能となるまでの時間(例えば、ta)が、前記発射された遊技球が防止片を通過してから主遊技始動口を介して遊技球検出装置を通過するまでの時間(例えば、t4)よりも長時間であるよう構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
ぱちんこ遊技機(B2)の効果、本態様に係るぱちんこ遊技機によれば、不正行為を防止することができるという効果を奏する。
ぱちんこ遊技機(B3)の背景技術、現在最も普及しているぱちんこ遊技機は、始動口に遊技球が入球したことを契機として、7セグ等の表示部上で「特別図柄」(或いは主遊技図柄)と称される図柄が変動表示され、当該特別図柄が特定態様(例えば「7」)となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態{通常時は閉状態にある大入賞口(いわゆるアタッカー)が所定条件で開放する内容の遊技}に移行するタイプの機種(いわゆる「第一種ぱちんこ遊技機」)である。ここで、遊技者の利益に直結する特別図柄の表示制御の負担を軽減するために、前記の「特別図柄」とは別に、遊技の興趣性を高めるための演出用の「装飾図柄」と称される演出用図柄が、前記特別図柄の変動とシンクロした形で、前記表示部よりもサイズが大きい液晶等のディスプレイ上で変動表示される。そして、特別図柄の変動が開始されると装飾図柄もこれに合わせて変動を開始し、特別図柄が特定態様(例えば「7」)で停止した場合、装飾図柄もこれに合わせて所定態様(例えば「777」)で停止することとなる。そして、遊技者は、装飾図柄が所定態様で停止したことにより、特別遊技へ移行が確定したことを認識する。ここで、当該仕組みはこの種のぱちんこ遊技機で共通するので、他種との差別化を図るためには、前記図柄の変動態様を含めた演出全般に対し、いかに工夫を凝らし高い興趣性を付与するかということに注力されている。例えば、変動表示している「装飾図柄」を一旦停止した後に再始動させたり、変動表示している「装飾図柄」を非表示にしておき、その代わりに興趣性の高い動画像を表示する、といった演出手法により遊技の興趣性を向上させる手法がその一つである。また、この種のぱちんこ遊技機においては、遊技盤にセンター飾り等の遊技部品を設けることで遊技の興趣性の向上の一助としている。
ぱちんこ遊技機(B3)の課題、このような遊技部品を遊技盤に取り付けた状態において、遊技盤を流下する遊技球が遊技釘や遊技部品に衝突したりすることによって、遊技球の流下を不規則にしているが、遊技部品の内部の保護する役割である遊技部品の保護壁に遊技球が衝突した後においても遊技球の流下が不規則になってしまうと意図した領域に遊技球を流下させることができないため、遊技者の遊技の興趣を損なう一因となってしまう。このため、遊技者の遊技の興趣を損なうのを防止することができるぱちんこ遊技機の提供が要望されている。
態様(6)に係るぱちんこ遊技機(B3)は、
遊技球が流下可能な遊技領域が設けられた遊技盤と、
遊技盤に植設された複数の遊技釘と、
遊技盤の所定位置に取り付けられ、遊技領域を仕切る壁部(例えば、壁部D38-7)と、取付部(例えば、第一領域の取付部D38-6)とを少なくとも有するセンター飾り(例えば、センター飾りD38)と
を備え、
所定の取付具(例えば、ビスBS1)によって、遊技盤と取付部とが取り付けられるよう構成され、
取付部から最も近い遊技釘の中心と所定の取付具の中心とを結ぶ直線上に遊技球の中心が位置している状態であって、壁部に遊技球が接触している状態において、正面視にて遊技球の全体が取付部に対して重なった状態となるよう構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
ぱちんこ遊技機(B3)の効果、本態様に係るぱちんこ遊技機によれば、遊技者の遊技の興趣を損なうのを防止することができるという効果を奏する。
ぱちんこ遊技機(B4)の背景技術、現在最も普及しているぱちんこ遊技機は、始動口に遊技球が入球したことを契機として、7セグ等の表示部上で「特別図柄」(或いは主遊技図柄)と称される図柄が変動表示され、当該特別図柄が特定態様(例えば「7」)となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態{通常時は閉状態にある大入賞口(いわゆるアタッカー)が所定条件で開放する内容の遊技}に移行するタイプの機種(いわゆる「第一種ぱちんこ遊技機」)である。ここで、遊技者の利益に直結する特別図柄の表示制御の負担を軽減するために、前記の「特別図柄」とは別に、遊技の興趣性を高めるための演出用の「装飾図柄」と称される演出用図柄が、前記特別図柄の変動とシンクロした形で、前記表示部よりもサイズが大きい液晶等のディスプレイ上で変動表示される。そして、特別図柄の変動が開始されると装飾図柄もこれに合わせて変動を開始し、特別図柄が特定態様(例えば「7」)で停止した場合、装飾図柄もこれに合わせて所定態様(例えば「777」)で停止することとなる。そして、遊技者は、装飾図柄が所定態様で停止したことにより、特別遊技へ移行が確定したことを認識する。
ここで、当該仕組みはこの種のぱちんこ遊技機で共通するので、他種との差別化を図るためには、前記図柄の変動態様を含めた演出全般に対し、いかに工夫を凝らし高い興趣性を付与するかということに注力されている。例えば、変動表示している「装飾図柄」を一旦停止した後に再始動させたり、変動表示している「装飾図柄」を非表示にしておき、その代わりに興趣性の高い動画像を表示する、といった演出手法により遊技の興趣性を向上させる手法がその一つである。また、この種のぱちんこ遊技機においては、遊技盤に遊技釘を設けることで遊技の興趣性の向上の一助としている。
ぱちんこ遊技機(B4)の課題、このような遊技釘を遊技盤に設けた状態において、遊技盤を流下する遊技球が遊技釘に衝突したりすることによって、遊技釘が遊技盤から抜けてしまう場合がある。こうして、遊技釘が抜けた状態であると、遊技釘が抜けた部位の両隣の遊技釘の間に遊技球が挟まった後、遊技球が重なりあって遊技球の流下を妨げてしまい、遊技ができない状態となってしまう為、遊技者の遊技の興趣を損なう一因となってしまう。このため、遊技者の遊技の興趣を損なうのを防止することができるぱちんこ遊技機の提供が要望されている。
態様(7)に係るぱちんこ遊技機(B4)は、
遊技球が流下可能な遊技領域が設けられた遊技盤と、
遊技盤に設けられる複数の遊技釘が並んで構成される連釘と
を備え、
連釘は、
少なくとも第1の遊技釘、第2の遊技釘、第3の遊技釘の順に並ぶよう設けられており、
正面視において、第3の遊技釘よりも第2の遊技釘の方が高い位置に設けられるとともに、第2の遊技釘よりも第1の遊技釘の方が高い位置に設けられており、
第2の遊技釘が遊技盤から抜けた状態であって、遊技球が第1の遊技釘と第3の遊技釘とに接している状態において、第1の遊技釘の上端よりも遊技球の中心の方が正面視にて高い位置となるよう構成されている
ことを特徴とするぱちんこ遊技機である。
ぱちんこ遊技機(B4)の効果、本態様に係るぱちんこ遊技機によれば、遊技釘が遊技盤から抜けてしまった場合であっても、遊技球の流下を妨げることがないようにすることができるという効果を奏する。