JP2022077285A - 表皮角化細胞増殖促進剤及び皮膚外用剤 - Google Patents

表皮角化細胞増殖促進剤及び皮膚外用剤 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有し、かつ安全性が高い表皮角化細胞増殖促進剤、及び優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有し、かつ安全性が高い皮膚外用剤の提供。【解決手段】ニコチン酸アミドと、シャクヤク抽出物、ゴールデンシルク抽出物、ノニ果汁、月桃抽出物、真珠タンパク質加水分解物、エンメイソウ抽出物、レイシ抽出物、及び油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種とを組み合わせた表皮角化細胞増殖促進剤である。【選択図】なし

Description

本発明は、表皮角化細胞増殖促進剤及び皮膚外用剤に関する。
表皮は、外部刺激を緩和し、水分等の体内成分の逸失を制御する働きをしており、最下層である基底層から始まって、有棘層、顆粒層、角質層へと連なる4層構造から構成されている。各層に存在する大部分の細胞は、基底層から分化した角化細胞である。基底層で分裂、増殖した角化細胞は、有棘層、顆粒層を通過しながら分化し角層細胞となって、強固な架橋結合をもったケラチン蛋白線維で構成された角質層を構成し、最終的には垢として角質層から脱落する。この角質層は、皮膚の最外殻に存在しており、外界からの刺激に対する物理的なバリアとしての役割を果たしている。皮膚ではこのバリア機能を持たせるため、角化細胞が基底層で産生されてから垢となって剥がれ落ちるまでのサイクル(角化)を通常4週間の周期で繰り返し、表皮の新陳代謝を行っている。
ところが、皮膚において紫外線、著しい空気の乾燥、過度の皮膚洗浄、喫煙等の外的因子の影響を受けたり、加齢が進んだりすると、表皮細胞の活動や増殖能が低下し、それに伴い表皮のターンオーバー速度が遅延するため、表皮の菲薄化や角質層の肥厚などの分化不全が引き起こされる。その結果、皮膚の保湿機能や弾力性が低下し、角質の異常剥離が起こり、また皮膚が老化してシワ、くすみ、きめの消失、弾力性の低下等の変化が生じる。
そのため、角化細胞の増殖を促進することができれば、皮膚のターンオーバーが促進され、肌の新陳代謝機能が回復するため、こじわ、くすみ、色素沈着等の皮膚の老化を改善できるものと考えられる。従来、表皮角化細胞増殖促進作用を有するものとして、タイソウからの抽出物(特許文献1参照)、土貝母からの抽出物(特許文献2参照)等が知られている。
しかしながら、従来の素材が有する表皮角化細胞増殖促進作用では十分とはいえず、より優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有し、かつ安全性が高い新たな表皮角化細胞増殖促進剤に対する要望は非常に強く、その速やかな開発が求められているのが現状である。
特開2006-316028号公報 特開2006-056854号公報
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有し、かつ安全性が高い表皮角化細胞増殖促進剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有し、かつ安全性が高い皮膚外用剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、(A)ニコチン酸アミドと、(B)シャクヤク抽出物、ゴールデンシルク抽出物、ノニ果汁、月桃抽出物、真珠タンパク質加水分解物、エンメイソウ抽出物、レイシ抽出物、及び油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種とを組み合わせると、より一層優れた表皮角化細胞増殖促進作用を奏することを知見し、本発明を完成したものである。
本発明は、本発明者らの前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> ニコチン酸アミドと、
シャクヤク抽出物、ゴールデンシルク抽出物、ノニ果汁、月桃抽出物、真珠タンパク質加水分解物、エンメイソウ抽出物、レイシ抽出物、及び油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種とを組み合わせたことを特徴とする表皮角化細胞増殖促進剤である。
<2> 前記<1>に記載の表皮角化細胞増殖促進剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
本発明の表皮角化細胞増殖促進剤によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有し、かつ安全性が高い表皮角化細胞増殖促進剤を提供することができる。
本発明の皮膚外用剤によると、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有し、かつ安全性が高い皮膚外用剤を提供することができる。
(表皮角化細胞増殖促進剤)
本発明の表皮角化細胞増殖促進剤は、(A)ニコチン酸アミド(以下、「(A)成分」と称することがある)と、(B)シャクヤク抽出物、ゴールデンシルク抽出物、ノニ果汁、月桃抽出物、真珠タンパク質加水分解物、エンメイソウ抽出物、レイシ抽出物、及び油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種(以下、「(B)成分」と称することがある)とを組み合わせてなり、必要に応じて、更にその他の成分を含む。
前記(A)成分と前記(B)成分とを併用することにより、飛躍的に向上した表皮角化細胞増殖促進作用を発揮する詳細については不明であるが、前記(A)成分と前記(B)成分との組合せがこのような優れた作用を有し、表皮角化細胞増殖促進剤として非常に有用であることは、従来は全く知られておらず、本発明者らによる新たな知見である。
前記表皮角化細胞増殖促進剤は、有効成分である前記(A)成分と前記(B)成分とが同一の組成物中に含まれる態様であってもよいし、前記(A)成分と前記(B)成分とが別々の組成物中に含まれ、使用時に両者を併用する態様であってもよい。また、前記(B)成分を複数用いる場合は、使用する(B)成分の全てが同一組成物中に含まれる態様であってもよいし、使用する(B)成分が2以上の組成物中に分けて含まれ、使用時に併用する態様であってもよい。
<(A)成分>
前記ニコチン酸アミドは下記構造式で表される化合物であり、ナイアシンアミド、ビタミンB3とも称される。ニコチン酸アミドは、化粧品や医薬部外品、医薬品などの素材として市販されている。
Figure 2022077285000001
前記ニコチン酸アミドは、合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記表皮角化細胞増殖促進剤における前記ニコチン酸アミドの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<(B)成分>
前記(B)成分は、シャクヤク抽出物、ゴールデンシルク抽出物、ノニ果汁、月桃抽出物、真珠タンパク質加水分解物、エンメイソウ抽出物、レイシ抽出物、及び油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種である。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-シャクヤク抽出物-
シャクヤク(学名:Paeonia lactiflora)は、ボタン科の多年草であり、アジア大陸北東部の地域から容易に入手可能である。
前記シャクヤク抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記シャクヤクの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、根部などが挙げられる。
前記シャクヤクの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表皮角化細胞増殖促進剤における前記シャクヤク抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-月桃抽出物-
月桃(学名:Alpinia zerumbet又はAlpinia speciosa (Wendl.) K. Schum.)は、ショウガ科ハナミョウガ属に属する多年生常緑草本であり、九州南部からインドにまで分布しており、これらの地域から容易に入手することができる。
前記月桃抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記月桃の抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、葉部が好ましい。
前記月桃の抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表皮角化細胞増殖促進剤における前記月桃抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-エンメイソウ抽出物-
エンメイソウ(別名:ヒキオコシ)は、北海道から四国、九州にかけて分布している多年草であるシソ科ヤマハッカ属に属するエンメイソウ(学名:Isodon japonica)の全草であり、これらの地域から容易に入手することができる。
前記エンメイソウ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記エンメイソウの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、全草、地上部などが挙げられる。
前記エンメイソウの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表皮角化細胞増殖促進剤における前記エンメイソウ抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-レイシ抽出物-
レイシ(学名:Ganoderma lucidum(Fr.)Karst.)(別名:マンネンタケ)は、サルノコシカケ科(Polyporaceae)の担子菌類である。
前記レイシ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記レイシの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、子実体などが挙げられる。
前記レイシの抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表皮角化細胞増殖促進剤における前記レイシ抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-抽出-
前記シャクヤク抽出物、前記月桃抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記レイシ抽出物は、植物の抽出に一般に用いられる方法により容易に得ることができる。前記抽出物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出液そのもの、抽出液の希釈液、抽出液の濃縮液、これらの乾燥物、粗精製物、精製物などが挙げられる。
前記シャクヤク、前記月桃、前記エンメイソウ、及び前記レイシの抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出部位を乾燥させた後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供する方法などが挙げられる。前記乾燥は、天日で行ってもよいし、通常使用されている乾燥機を用いて行ってもよい。
前記抽出の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、室温又は還流加熱下で、任意の抽出装置を用いて抽出する方法などが挙げられ、より具体的には、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料である抽出部位を投入し、必要に応じて適宜撹拌しながら、例えば、30分間~4時間静置して可溶性成分を溶出した後、濾過して抽出残渣を除くことにより抽出液を得る方法などが挙げられる。前記抽出液は、更に、抽出溶媒を留去し、乾燥してもよい。
また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
前記抽出における条件(抽出時間及び抽出温度)、抽出溶媒及び抽出溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記抽出溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、親水性溶媒、又はこれらの混合溶媒などが挙げられる。
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水などの他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。なお、前記抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水なども含まれる。前記水は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記親水性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記混合溶媒における前記水に対する前記親水性溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低級アルコールを使用する場合は、水10容量部に対して1容量部~90容量部、低級脂肪族ケトンを使用する場合は、水10容量部に対して1容量部~40容量部、多価アルコールを使用する場合は、水10容量部に対して1容量部~90容量部添加することが好ましい。
前記抽出溶媒の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、室温乃至溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
得られた前記シャクヤク抽出物、前記月桃抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記レイシ抽出物は、前記シャクヤク抽出物、前記月桃抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記レイシ抽出物の希釈物、濃縮物、乾燥物、粗精製物、精製物などを得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製などの処理を施してもよい。
前記シャクヤク抽出物、前記月桃抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記レイシ抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液-液分配抽出、各種クロマトグラフィー、膜分離などの精製方法が挙げられる。
得られた前記シャクヤク抽出物、前記月桃抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記レイシ抽出物は、そのままでも前記表皮角化細胞増殖促進剤の有効成分として使用することができるが、利用しやすい点で、前記濃縮液、前記乾燥物が好ましい。前記乾燥物を得るに当たって、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリンなどのキャリアーを加えてもよい。
-ノニ果汁-
前記ノニ(学名:Morinda citrifolia)は、日本名をヤエヤマアオキといい、アカネ科の植物であり、沖縄~小笠原諸島、台湾~中国、インドの沿岸部等に分布しており、これらの地域から容易に入手可能である。
前記ノニの果実を搾り器などで搾って得られるのがノニ果汁である。得られたノニ果汁は乾燥させて用いられ、凍結乾燥品が好ましい。なお、ノニ果汁を抽出処理した抽出物を用いることもできる。前記抽出物は、植物の抽出に一般に用いられる方法により容易に得ることができ、例えば、上記した前記シャクヤク抽出物、前記月桃抽出物、前記エンメイソウ抽出物、及び前記レイシ抽出物と同様にして抽出することができる。
前記ノニ果汁は、ノニの果実から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記表皮角化細胞増殖促進剤における前記ノニ果汁の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-真珠タンパク質加水分解物-
前記真珠タンパク質加水分解物(「真珠たん白抽出物」と称することもある)は、真珠層を有する貝の貝殻及び/又は真珠を脱灰処理に付し、これにより得られる真珠タンパク質(コンキオリン)を加水分解してなるものである。
前記真珠タンパク質加水分解物は、真珠層を有する貝の貝殻及び/又は真珠から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
真珠層を有する貝としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウグイスガイ科に属するアコヤ貝(学名:Pinctada fucata);イガイ科に属するイガイ(学名:Mytilus coruscum)、ムラサキイガイ(学名:Mytilus edulis);イシガイ科に属するイケチョウガイ(学名:Hyriopsis schlegelii)、カラスガイ(学名:Cristaria plicata)などが挙げられる。これらの中でも、アコヤ貝を用いるのが好ましい。
真珠層を有する貝の貝殻及び/又は真珠は、そのまま、または粉砕して脱灰処理に付せられる。貝殻及び/又は真珠の脱灰処理は、常法により行えばよく、例えば、貝殻及び/又は真珠に酸又はその水溶液を添加して攪拌する。
脱灰処理に使用し得る酸としては、貝殻及び/又は真珠に含まれる炭酸カルシウム等の無機成分を十分に溶出させ得るものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等の無機酸;シュウ酸、炭酸、クエン酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、酢酸、ギ酸等の有機酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸又はその水溶液の添加量としては、貝殻及び/又は真珠に含まれる炭酸カルシウム等の無機成分を十分に溶出させ得る量であれば特に制限はなく、使用する酸の種類等に応じて適宜選択することができる。
脱灰処理により得られた処理液を遠心分離、濾過、デカンテーション等の固液分離手段に付して不溶物を回収し、必要に応じて回収した不溶物に精製水を添加して再度遠心分離、濾過等の洗浄操作を繰り返し、不溶物を回収する。そして、得られる不溶物を、所望により粉砕機等を用いて微粉砕し、常法により乾燥して真珠タンパク質(コンキオリン)を得ることができる。
そして、得られた真珠タンパク質(コンキオリン)を酸又はアルカリの水溶液を用いて加水分解する。
真珠タンパク質(コンキオリン)の加水分解処理に使用し得る酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸、硫酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、真珠タンパク質(コンキオリン)の加水分解処理に使用し得るアルカリとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸又はアルカリの水溶液を使用して加水分解する場合、酸又はアルカリの水溶液の添加量や当該水溶液における酸又はアルカリの濃度としては、特に制限はなく、貝殻及び/又は真珠に含まれる真珠タンパク質(コンキオリン)を加水分解し得るが、完全にアミノ酸にまで分解し得ない量であれば特に制限はなく、使用する酸又はアルカリの種類等に応じて、適宜選択することができる。
前記加水分解処理の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0~130℃、好ましくは50~110℃の温度条件の下、30分~10日間程度、好ましくは5時間~5日間程度とすることができる。
前記加水分解処理により得られた溶液から酸又はアルカリを除去し、必要に応じて限外濾過処理に付して高分子ペプチドを除去し、さらに濃縮、乾燥等の処理に付することで、真珠タンパク質加水分解物を得ることができる。
酸又はアルカリは、加水分解処理により得られた溶液から常法により除去することができ、例えば、凍結乾燥、溶液中の酸又はアルカリを中和して脱塩する方法などが挙げられる。
前記真珠タンパク質加水分解物には、分解条件や精製条件によって種々の分子量を持つ分子が存在するが、前記分子量の範囲としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表皮角化細胞増殖促進剤における前記真珠タンパク質加水分解物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-ゴールデンシルク抽出物-
前記ゴールデンシルク抽出物(「ゴールデンシルク加水分解物」と称することもある)は、ゴールデンシルクを酸又はアルカリの水溶液を用いて加水分解してなるものである。
前記ゴールデンシルク抽出物は、ゴールデンシルクから調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
ゴールデンシルク(Golden Silk)は、カイコガ(Bonbix mori)の繭糸であって、濃黄色を呈する繭糸である。主に、タイ王国ランプン県トンフォアチャン地方(Thunghuachang Lamphun Thailand)等で生産されている特殊な黄金繭であり、商業的にも入手可能である。
ゴールデンシルクの加水分解処理に使用し得る酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塩酸、硫酸などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、ゴールデンシルクの加水分解処理に使用し得るアルカリとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸又はアルカリの水溶液を使用して加水分解する場合、酸又はアルカリの水溶液の添加量や当該水溶液における酸又はアルカリの濃度としては、ゴールデンシルクを加水分解し得る量であれば特に制限はなく、使用する酸又はアルカリの種類等に応じて適宜選択することができる。
前記加水分解処理の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0~130℃、好ましくは50~120℃の温度条件の下、30分~10日間程度、好ましくは1時間~5日間程度とすることができる。
前記加水分解処理により得られた溶液から酸又はアルカリを除去し、必要に応じて限外濾過処理に付して高分子ペプタイドを除去し、さらに濃縮、乾燥等の処理に付することで、ゴールデンシルク抽出物を得ることができる。
酸又はアルカリは、加水分解処理により得られた溶液から常法により除去することができ、例えば、凍結乾燥、溶液中の酸又はアルカリを中和して脱塩する方法などが挙げられる。
前記表皮角化細胞増殖促進剤における前記ゴールデンシルク抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-油溶性甘草抽出物-
前記油溶性甘草抽出物は、マメ科グリチルリーザ(Glycyrrhiza)属に属する多年生草本であるグリチルリーザ・グラブラ(Glycyrrhiza glabra)を抽出原料として使用し、抽出溶媒として有機溶媒を使用して得られる抽出物である。
前記油溶性甘草抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記甘草の抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、蕾部、果実部、根部、ストロン部又はこれらの混合物などが挙げられる。これらの中でも根部及びストロン部が好ましい。
前記甘草の抽出原料の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
--抽出--
前記油溶性甘草抽出物は、抽出溶媒として有機溶媒を使用する植物の抽出に一般に用いられる方法により容易に得ることができる。前記抽出物の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出液そのもの、抽出液の希釈液、抽出液の濃縮液、これらの乾燥物、粗精製物、精製物などが挙げられる。
前記甘草の抽出部位の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出部位を乾燥させた後、そのまま又は粗砕機を用い粉砕して溶媒抽出に供する方法などが挙げられる。前記乾燥は、天日で行ってもよいし、通常使用されている乾燥機を用いて行ってもよい。また、抽出原料としては、工業的に製造されているグリチルリチンの抽出原料となっている乾燥根部及び乾燥根茎部、又はグリチルリチン等を得るために水で抽出した後の水抽出残渣を原料として使用することもできる。
前記抽出の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出原料に対し2~10倍量の有機溶媒を加え、攪拌しながら常温で抽出する方法、加熱還流して抽出する方法等が挙げられる。
前記抽出における条件(抽出時間及び抽出温度)、抽出溶媒及び抽出溶媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記抽出溶媒として使用し得る有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、含水メタノール、含水エタノール、含水プロパノールなどが挙げられる。さらには、超臨界流体として二酸化炭素を用いることもできる。これらの有機溶媒の中では、エタノール又は含水エタノールを使用するのが食品衛生法上の問題が少なく、好ましい。
前記抽出溶媒の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
得られた前記油溶性甘草抽出物は、前記油溶性甘草抽出物の希釈物、濃縮物、乾燥物、粗精製物、精製物などを得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製などの処理を施してもよい。
前記油溶性甘草抽出物の精製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液-液分配抽出、各種クロマトグラフィー、膜分離などの精製方法が挙げられる。
得られた前記油溶性甘草抽出物は、そのままでも前記表皮角化細胞増殖促進剤の有効成分として使用することができるが、利用しやすい点で、前記濃縮液、前記乾燥物が好ましい。前記乾燥物を得るに当たって、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリンなどのキャリアーを加えてもよい。
前記表皮角化細胞増殖促進剤における前記油溶性甘草抽出物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記(B)成分を2種以上用いる場合におけるシャクヤク抽出物、ゴールデンシルク抽出物、ノニ果汁、月桃抽出物、真珠タンパク質加水分解物、エンメイソウ抽出物、レイシ抽出物、及び油溶性甘草抽出物の各成分の配合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記(B)成分の前記表皮角化細胞増殖促進剤における合計含有量としては、特に制限はなく、前記各成分の生理活性等によって適宜調整することができる。
前記表皮角化細胞増殖促進剤における前記(A)成分と前記(B)成分との質量比((A)成分:(B)成分)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、100:0.01~100:100などが挙げられる。
なお、前記(A)成分と前記(B)成分との質量比は、固形分換算した値である。
前記表皮角化細胞増殖促進剤におけるは、前記(A)成分及び前記(B)成分のみからなるものであってもよい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、前記表皮角化細胞増殖促進剤の利用形態に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、着色料、香料、美白剤、保湿剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、皮膚栄養剤等が挙げられる。また、必要に応じて、前記(A)成分及び前記(B)成分以外の、表皮角化細胞増殖促進作用を有する物質を用いてもよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記表皮角化細胞増殖促進剤における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表皮角化細胞増殖促進剤は、上記した各成分を組み合わせた混合物としてもよいし、上記した各成分の組合せを製剤化してもよい。製剤化する場合は、デキストリン、シクロデキストリン等の薬学的に許容し得るキャリアーその他任意の助剤を用いて、常法に従い、粉末状、顆粒状、錠剤状、液状等の任意の剤形に製剤化することができる。この際、助剤としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味・矯臭剤等を用いることができる。
<用途>
前記表皮角化細胞増殖促進剤の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品などが挙げられる。
前記表皮角化細胞増殖促進剤の用法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、経口、非経口、外用などの用法が挙げられる。これらの中でも外用が好ましい。前記表皮角化細胞増殖促進剤は、後述する皮膚外用剤の有効成分として、好適に用いることができる。
前記表皮角化細胞増殖促進剤の投与部位、投与量、用法、及び剤型としては、その使用目的に応じて適宜選択することができる。
前記表皮角化細胞増殖促進剤の剤型としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錠剤、粉剤、カプセル剤、顆粒剤、エキス剤、シロップ剤等の経口投与剤;注射剤、点滴剤、坐剤等の非経口投与剤;化粧水、乳液、クリーム、軟膏、美容液、ローション、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、ファンデーション、入浴剤、石鹸、ボディーソープ、アストリンゼント、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、ヘアリキッド、ポマード、シャンプー、リンス、コンディショナー等の外用剤などが挙げられる。
前記各剤型の表皮角化細胞増殖促進剤の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
本発明の表皮角化細胞増殖促進剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サルなど)に対して適用することもできる。
上述したように、本発明の表皮角化細胞増殖促進剤は、優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有する。したがって、本発明は、個体に前記表皮角化細胞増殖促進剤を投与することを特徴とする、表皮角化細胞の増殖促進方法にも関する。
また、本発明の表皮角化細胞増殖促進剤は、表皮角化細胞増殖促進作用の作用機構に関する研究のための試薬としても用いることができる。
(皮膚外用剤)
本発明の皮膚外用剤は、本発明の表皮角化細胞増殖促進剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記皮膚外用剤は、非常に優れた表皮角化細胞増殖促進作用を有するので、皮膚ターンオーバー促進用皮膚外用剤として好適に用いることができる。
<表皮角化細胞増殖促進剤>
前記表皮角化細胞増殖促進剤は、上述した本発明の表皮角化細胞増殖促進剤である。
前記皮膚外用剤に配合する前記表皮角化細胞増殖促進剤は、前記(A)成分及び前記(B)成分の混合物をそのまま配合してもよいし、前記混合物を製剤化したものを配合してもよいし、前記(A)成分及び前記(B)成分を異なる皮膚外用剤に配合し、使用時に前記各皮膚外用剤組み合わせて使用してもよい。
前記皮膚外用剤における前記表皮角化細胞増殖促進剤の含有量としては、特に制限はなく、皮膚外用剤の形態や前記表皮角化細胞増殖促進剤における有効成分(前記(A)成分及び前記(B)成分)の生理活性等によって適宜調整することができるが、前記(A)成分及び前記(B)成分の合計含有量(固形分換算した値)に換算して、0.0001質量%~20質量%が好ましく、0.0001質量%~10質量%がより好ましい。前記皮膚外用剤は、前記表皮角化細胞増殖促進剤のみからなるものであってもよい。
<その他の成分>
前記皮膚外用剤におけるその他の成分としては、特に制限はなく、前記皮膚外用剤の利用形態に応じて適宜選択することができ、例えば、通常化粧料の製造に用いられる主剤、助剤又はその他の成分などが挙げられる。前記通常化粧料の製造に用いられる主剤、助剤又はその他の成分としては、例えば、収斂剤、殺菌・抗菌剤、美白剤、紫外線吸収剤、保湿剤、細胞賦活剤、消炎・抗アレルギー剤、抗酸化・活性酸素除去剤、油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、香料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記皮膚外用剤におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記皮膚外用剤としては、その区分に制限はなく、経皮的に使用される皮膚化粧料、医薬部外品、医薬品などを幅広く含むものである。
前記皮膚外用剤の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、化粧水、乳液、クリーム、軟膏、美容液、ローション、ジェル、美容オイル、パック、ゼリー、リップクリーム、口紅、ファンデーション、入浴剤、石鹸、ボディーソープ、アストリンゼント、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、ヘアリキッド、ポマード、シャンプー、リンス、コンディショナーなどが挙げられる。
前記各皮膚外用剤の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができる。
前記皮膚外用剤の投与部位、投与量、用法、及び剤型としては、その使用目的に応じて適宜選択することができる。
前記皮膚外用剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、その作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、サルなど)に対して適用することもできる。
前記皮膚外用剤は、安全性が高いので、日常的に使用することが可能であり、非常に優れた表皮角化細胞増殖促進作用を通じて、皮膚のターンオーバーを促進するなどの作用を効果的に発揮させることができる。したがって、本発明は、個体に前記皮膚外用剤を投与することを特徴とする、皮膚のターンオーバーの促進方法にも関する。
また、本発明の皮膚外用剤は、皮膚のターンオーバーの作用機構に関する研究のための試薬としても用いることができる。
以下、本発明の試験例、配合例を説明するが、本発明は、これらの試験例、配合例に何ら限定されるものではない。
(試験例1:表皮角化細胞増殖促進作用試験)
下記のものを被験試料として用い、下記の試験方法により、表皮角化細胞増殖促進作用を試験した。
<被験試料>
(1) ニコチン酸アミド(DSM社製)
(2) シャクヤク抽出物
シャクヤクの根100gに80容量%エタノール溶液1,500mLを加えて、2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、シャクヤク抽出物(8g)を得た。
(3) ゴールデンシルク抽出物(ゴールデンシルク抽出液BG30、丸善製薬株式会社製、ゴールデンシルクを加水分解し得られたもの)
(4) ノニ果汁
ノニ(ヤエヤマアオキ)の果汁100gにブチレングリコール及び精製水を添加し、調整した。得られた抽出液を乾燥し、ノニ抽出物(5g)を得た。
(5) 月桃抽出物
月桃の葉100gに80容量%エタノール溶液1,500mLを加えて2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、月桃葉抽出物(1g)を得た。
(6) 真珠タンパク質加水分解物(真珠たん白抽出液BG-JC<NP>、丸善製薬株式会社製、真珠母貝(アコヤガイ)の真珠層に含まれる硬たん白質であるコンキオリンを加水分解し得られたもの)
(7) エンメイソウ抽出物
ヒキオコシの地上部100gに80%容量エタノール溶液1,500mLを加えて2時間還流抽出を行い熱時ろ過した。得られた抽出液を乾燥し、エンメイソウ抽出物(11g)を得た。
(8) レイシ抽出物
マンネンタケの子実体の乾燥物100gに精製水1,500mLを加えて、80~90℃にて2時間加熱抽出を行い熱時濾過した。得られた抽出液を乾燥し、レイシ抽出物(1g)を得た。
(9)油溶性甘草抽出物(油溶性甘草エキスHG、丸善製薬株式会社製、甘草根フラボノイドをエタノールで抽出し、精製したもの)
正常ヒト新生児表皮角化細胞(NHEK)を、正常ヒト表皮角化細胞増殖培地(KGM)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を3.0×10cells/mLの濃度にKGMで希釈した後、コラーゲンコートした96ウェルプレートに1ウェル当たり100μLずつ播種し、37℃、5%CO下で一晩培養した。培養終了後、KGMで溶解した被験試料を各ウェルに100μL添加し(被験試料の濃度は下記表1~表8を参照)、37℃、5%CO下で3日間培養した。
表皮角化細胞増殖促進作用は、MTTアッセイ法を用いて測定した。
具体的には、前記培養終了後、培地を抜き、終濃度0.4mg/mLでPBS(-)に溶解したMTTを各ウェルに100μLずつ添加した。37℃、5%CO下で2時間培養した後に、細胞内に生成したブルーホルマザンを2-プロパノール100μLで抽出した。抽出後、波長570nmにおける吸光度を測定した。同時に濁度として波長650nmにおける吸光度を測定し、両者の差をもってブルーホルマザン生成量とした。また、被験試料無添加の場合についても同様にして試験を行った。
表皮角化細胞増殖促進率の計算方法は以下のとおりである。
表皮角化細胞増殖促進率(%)=(A/B)×100
A : 被験試料添加時の細胞でのブルーホルマザン生成量
B : 被験試料無添加時の細胞でのブルーホルマザン生成量
Figure 2022077285000002
Figure 2022077285000003
Figure 2022077285000004
Figure 2022077285000005
Figure 2022077285000006
Figure 2022077285000007
Figure 2022077285000008
Figure 2022077285000009
表1~表8の結果から、シャクヤク抽出物、ゴールデンシルク抽出物、ノニ果汁、月桃抽出物、真珠タンパク質加水分解物、エンメイソウ抽出物、レイシ抽出物、及び油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種と、ニコチン酸アミドとを併用することで、非常に優れた表皮角化細胞増殖促進作用を示すことが確認された。
(配合例1)
下記組成の乳液を常法により製造した。
・ ニコチン酸アミド(試験例1で用いたものと同じ) 0.10g
・ シャクヤク抽出物(試験例1で用いたものと同じ) 0.05g
・ ホホバオイル 4.00g
・ 1,3-ブチレングリコール 3.00g
・ アルブチン 3.00g
・ ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 2.50g
・ オリーブオイル 2.00g
・ スクワラン 2.00g
・ セタノール 2.00g
・ モノステアリン酸グリセリル 2.00g
・ オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 2.00g
・ パラオキシ安息香酸メチル 0.15g
・ グリチルレチン酸ステアリル 0.10g
・ 黄杞エキス 0.10g
・ グリチルリチン酸ジカリウム 0.10g
・ イチョウ葉エキス 0.10g
・ コンキオリン 0.10g
・ オウバクエキス 0.10g
・ カミツレエキス 0.10g
・ 香料 0.05g
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
(配合例2)
下記組成のクリームを常法により製造した。
・ ニコチン酸アミド(試験例1で用いたものと同じ) 1.0g
・ ゴールデンシルク抽出物(試験例1で用いたものと同じ) 0.2g
・ クジンエキス 0.1g
・ オウゴンエキス 0.1g
・ 流動パラフィン 5.0g
・ サラシミツロウ 4.0g
・ スクワラン 10.0g
・ セタノール 3.0g
・ ラノリン 2.0g
・ ステアリン酸 1.0g
・ オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.5g
・ モノステアリン酸グリセリル 3.0g
・ 油溶性甘草抽出物(試験例1で用いたものと同じ) 0.1g
・ 1,3-ブチレングリコール 6.0g
・ パラオキシ安息香酸メチル 1.5g
・ 香料 0.1g
・ 精製水 残部(全量を100gとする)
(配合例3)
下記組成の美容液を常法により製造した。
・ ニコチン酸アミド(試験例1で用いたものと同じ) 2.0g
・ ノニ果汁(試験例1で用いたものと同じ) 0.2g
・ カミツレエキス 0.1g
・ ニンジンエキス 0.1g
・ キサンタンガム 0.3g
・ ヒドロキシエチルセルロース 0.1g
・ カルボキシビニルポリマー 0.1g
・ 1,3-ブチレングリコール 4.0g
・ グリチルリチン酸ジカリウム 0.1g
・ グリセリン 2.0g
・ 水酸化カリウム 0.25g
・ 香料 0.01g
・ 防腐剤(パラオキシ安息香酸メチル) 0.15g
・ エタノール 2.0g
・ 精製水 残部(全量を100gとする)

Claims (2)

  1. ニコチン酸アミドと、
    シャクヤク抽出物、ゴールデンシルク抽出物、ノニ果汁、月桃抽出物、真珠タンパク質加水分解物、エンメイソウ抽出物、レイシ抽出物、及び油溶性甘草抽出物からなる群から選択される少なくとも1種とを組み合わせたことを特徴とする表皮角化細胞増殖促進剤。
  2. 請求項1に記載の表皮角化細胞増殖促進剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
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