JP2022076885A - 照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】照射領域と非照射領域とを明瞭に区別して均一に照らすことが可能で、さらに、軽量且つ小型な照明装置を提供する。【解決手段】本発明の照明装置1は、光源2と、前記光源2の光が入射するコリメータ3と、前記コリメータ3を通過した光が入射するフライアイレンズ4であって、光の入射側に二次元配列された複数のレンズセル40a、及び、入射側の前記レンズセルのそれぞれと対向して二次元配列された複数の出射側のレンズセル40bを備えるフライアイレンズ4と、を具備し、入射側及び出射側のそれぞれの前記レンズセル40は、一辺のサイズが500μm以下で、隣り合うレンズセル40間において、一方のレンズセル40のレンズ有効部と他方のレンズセル40のレンズ有効部との間の距離が10μm以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、照明装置に関する。
従来、光源と、平行光束化するコリメータ光学系と、光束の光強度分布を均一化するインテグレータ光学系と、アパーチャと、正のパワーを持つ光学系と、を有する照明装置が開示されている(特許文献1参照)。
この照明装置は、ポスタや看板、絵画やボード等、比較的大きな矩形形状等の被照明面の形状に応じた照明領域を照明できる照明装置である。この照明装置において、インテグレータ光学系は、フライアイレンズとコンデンサレンズとを有する。光源からの発散性の光束はコリメータ光学系により平行光束化されてフライアイレンズに入射し、個々のフライアイレンズにより独立した小径の光束となる。これら小径の光束はコンデンサレンズにより相互に重畳され、アパーチャの開口部の位置で、光強度が均一化された光束として合成される。上記照明装置によると、照射領域と非照射領域とを区別して均一に照らすことができる。
この照明装置は、ポスタや看板、絵画やボード等、比較的大きな矩形形状等の被照明面の形状に応じた照明領域を照明できる照明装置である。この照明装置において、インテグレータ光学系は、フライアイレンズとコンデンサレンズとを有する。光源からの発散性の光束はコリメータ光学系により平行光束化されてフライアイレンズに入射し、個々のフライアイレンズにより独立した小径の光束となる。これら小径の光束はコンデンサレンズにより相互に重畳され、アパーチャの開口部の位置で、光強度が均一化された光束として合成される。上記照明装置によると、照射領域と非照射領域とを区別して均一に照らすことができる。
しかし、近年、照射領域と非照射領域とをより明瞭に区別して均一に照らすことが可能で、さらに軽量且つ小型な照明装置が望まれている。
上記課題を解決するために、本発明は、光源と、前記光源の光が入射するコリメータと、前記コリメータを通過した光が入射するフライアイレンズであって、光の入射側に二次元配列された複数のレンズセル、及び、入射側の前記レンズセルのそれぞれと対向して二次元配列された複数の出射側のレンズセルを備えるフライアイレンズと、を具備し、入射側及び出射側のそれぞれの前記レンズセルは、一辺のサイズが500μm以下で、隣り合うレンズセル間において、一方のレンズセルのレンズ有効部と他方のレンズセルのレンズ有効部との間の距離が10μm以下である、照明装置を提供する。
一列に並ぶレンズセルと、前記一列と隣り合う列に並ぶレンズセルとの間の隙間は、前記列が並ぶ方向と直交する方向の位置のばらつきが3μm以下であることが好ましい。
前記レンズセルの配列ピッチが、不均一であってもよい。
前記レンズセルの一辺のサイズは、前記フライアイレンズの一辺の大きさの1/50~1/100であることが好ましい。
前記光源は、可視光を発生させる光源であってもよい。
前記光源は、赤外光を発生させる光源であってもよい。
前記光源は、紫外光を発生させる光源であってもよい。
本発明によれば、照射領域と非照射領域とを明瞭に区別して均一に照らすことが可能で、さらに軽量且つ小型な照明装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態の照明装置1について説明する。図1は照明装置1の基本光学系を示す概略図である。照明装置1は、例えば懐中電灯等の小型な照明装置1である。ただし、本発明の照明装置1は懐中電灯に限らず、他の照明装置であってもよい。照明装置1は、光源2と、コリメータ3と、フライアイレンズ4と、を備える。なお、実施形態の照明装置1は、全体として発散角が横40°、縦27°である。
(光源2)
光源2は、例えば、可視光、赤外線、紫外線等を発生させる光源であり、発光ダイオード等の固体光源やランプなどである。
光源2は、例えば、可視光、赤外線、紫外線等を発生させる光源であり、発光ダイオード等の固体光源やランプなどである。
(コリメータ3)
コリメータ3は、レンズまたはリフレクタであって、光源2から出射した光を概略平行光とする。実施形態でコリメータ3はリフレクタ兼レンズで、カップ状の鏡面を有し、光源2から出射した光を反射と集光を用いて、一定範囲の略平行光とする。
コリメータ3は、レンズまたはリフレクタであって、光源2から出射した光を概略平行光とする。実施形態でコリメータ3はリフレクタ兼レンズで、カップ状の鏡面を有し、光源2から出射した光を反射と集光を用いて、一定範囲の略平行光とする。
(フライアイレンズ4)
図2はフライアイレンズ4を説明する図であり、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図、図2(c)は図2(b)の部分Aの拡大図である。
図2(c)に示すように、フライアイレンズ4は、コリメータ3からの光の入射側に二次元配列された複数のレンズセル40aと、入射側のレンズセル40のそれぞれと対向して出射側に二次元配列された複数のレンズセル40bと、を備える。レンズセル40aとレンズセル40bとは、同形状であり、区別して説明する必要のない場合、レンズセル40として説明する。
図2はフライアイレンズ4を説明する図であり、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図、図2(c)は図2(b)の部分Aの拡大図である。
図2(c)に示すように、フライアイレンズ4は、コリメータ3からの光の入射側に二次元配列された複数のレンズセル40aと、入射側のレンズセル40のそれぞれと対向して出射側に二次元配列された複数のレンズセル40bと、を備える。レンズセル40aとレンズセル40bとは、同形状であり、区別して説明する必要のない場合、レンズセル40として説明する。
フライアイレンズ4は、入射側のレンズセル40aにより光束を分割し、出射側のレンズセル40bによりそれぞれの光束を照射領域に導くものである。フライアイレンズ4を用いることで、光源の輝度むらを分散させることができるので、照射面で一様な照度分布を得ることができる。また、照射領域での光束の形状は、レンズセル40の形状に対応した矩形形状となる。
フライアイレンズ4は、例えば、低融点ガラスのK-VC82で製造されている。実施形態においてフライアイレンズ4は、凹レンズのレンズ間ギャップが10μm以下の型を製作し、ガラスモールド成形装置で成形する。
(フライアイレンズ4のサイズ)
実施形態のフライアイレンズ4は、図2(a)で示すように全体形状として略矩形で、一辺の大きさは10mm~30mmであり、実施形態では20mmである。
以下、従来の一般的なフライアイレンズ4を比較形態として説明する。
比較形態のフライアイレンズ4も、一辺が20mm程度である。しかし、比較形態のセルサイズが1.2mm×0.7mmに対し、実施形態のフライアイレンズ4は、比較形態と比べてセルサイズが0.3mm×0.2mmと小さい。このため、20mm角に配置した場合、比較形態では448個、実施形態では6600個のセルを配置することができる。このように、同じサイズで10倍以上のセルを配置することができるので、実施形態のフライアイレンズ4は、懐中電灯等の小型の照明装置1に用いても十分な照度均一化を実現することができる。このとき、セルサイズは一辺の大きさに対して比較形態は1/15~1/30、実施形態は1/50~1/100の値をとることができる。
従来、比較形態のフライアイレンズ4のようなものは、プロジェクターの光源用途として製作されているが、光学系の中に拡散板やライトトンネルを併用して光の均一度を向上させたり、アパーチャの稜線を結像させることで矩形外周のエッジを形成する使い方をされている。そのため、フライアイレンズ4のセルサイズはあまり小さくなくても機能的に十分であった。それに対し、実施形態の照明装置1では、セルサイズの小さいフライアイレンズ4を適用し、照射光の照度均一化とエッジ明瞭化を実現させる構成とした。これにより、所望の光学性能の照明装置を軽量且つ小型で実現できるようになった。
実施形態のフライアイレンズ4は、図2(a)で示すように全体形状として略矩形で、一辺の大きさは10mm~30mmであり、実施形態では20mmである。
以下、従来の一般的なフライアイレンズ4を比較形態として説明する。
比較形態のフライアイレンズ4も、一辺が20mm程度である。しかし、比較形態のセルサイズが1.2mm×0.7mmに対し、実施形態のフライアイレンズ4は、比較形態と比べてセルサイズが0.3mm×0.2mmと小さい。このため、20mm角に配置した場合、比較形態では448個、実施形態では6600個のセルを配置することができる。このように、同じサイズで10倍以上のセルを配置することができるので、実施形態のフライアイレンズ4は、懐中電灯等の小型の照明装置1に用いても十分な照度均一化を実現することができる。このとき、セルサイズは一辺の大きさに対して比較形態は1/15~1/30、実施形態は1/50~1/100の値をとることができる。
従来、比較形態のフライアイレンズ4のようなものは、プロジェクターの光源用途として製作されているが、光学系の中に拡散板やライトトンネルを併用して光の均一度を向上させたり、アパーチャの稜線を結像させることで矩形外周のエッジを形成する使い方をされている。そのため、フライアイレンズ4のセルサイズはあまり小さくなくても機能的に十分であった。それに対し、実施形態の照明装置1では、セルサイズの小さいフライアイレンズ4を適用し、照射光の照度均一化とエッジ明瞭化を実現させる構成とした。これにより、所望の光学性能の照明装置を軽量且つ小型で実現できるようになった。
図3(a)に実施形態のフライアイレンズ4、図3(b)に比較形態のフライアイレンズ4´の拡大写真を示す。実施形態のフライアイレンズ4及び比較形態のフライアイレンズ4´は、例えばアスペクト比6:4といった複数の矩形のレンズセル40,40‘が、縦横に二次元に整列配置されて構成されている。
(レンズセル40のサイズ)
実施形態のフライアイレンズ4のそれぞれのレンズセル40のサイズは、一辺が500μm以下であり、好ましくは400μm以下であり、実施形態では300μm×200μmである。そして、レンズセル40の一辺のサイズは、フライアイレンズ4の一辺の大きさの1/50~1/100である。
一方、比較形態のフライアイレンズ4´のそれぞれのレンズセル40´のサイズは、例えば1200μm×800μmといった少なくとも一辺が700mm以上である。
このように、実施形態ではそれぞれのレンズセル40のサイズが500μm以下であるので、懐中電灯等の小型の照明装置1に用いるために、フライアイレンズ4全体の大きさを小さくしても、多くのレンズセル40を搭載することができる。
実施形態のフライアイレンズ4のそれぞれのレンズセル40のサイズは、一辺が500μm以下であり、好ましくは400μm以下であり、実施形態では300μm×200μmである。そして、レンズセル40の一辺のサイズは、フライアイレンズ4の一辺の大きさの1/50~1/100である。
一方、比較形態のフライアイレンズ4´のそれぞれのレンズセル40´のサイズは、例えば1200μm×800μmといった少なくとも一辺が700mm以上である。
このように、実施形態ではそれぞれのレンズセル40のサイズが500μm以下であるので、懐中電灯等の小型の照明装置1に用いるために、フライアイレンズ4全体の大きさを小さくしても、多くのレンズセル40を搭載することができる。
図2(c)に示すように、入射側のレンズセル40aの凸部の頂点と、その入射側のレンズセル40aと対向する出射側のレンズセル40bの凸部頂点との間の距離(軸上厚)1000μm以下が好ましく、実施形態では800μmである。また、レンズの曲率半径Rは、344μmである。
一方、比較形態の入射側のレンズセルの凸部の頂点と、その入射側のレンズセルと対向する出射側のレンズセルの凸部頂点との間の距離は5mm(5,000μm)程度である。
一方、比較形態の入射側のレンズセルの凸部の頂点と、その入射側のレンズセルと対向する出射側のレンズセルの凸部頂点との間の距離は5mm(5,000μm)程度である。
図4は、図2(c)のB部の拡大図であり、図中実線は実施形態、点線は比較形態である。実施形態では、入射側又は出射側のそれぞれの面内で隣り合うレンズセル40間において、一方のレンズセル40のレンズ有効部と他方のレンズセル40のレンズ有効部との間の幅d、すなわちレンズ非有効部の幅dは10μm以下である。
レンズ有効部とは、レンズセル40における集光に寄与する部分で、レンズ非有効部とは、レンズ有効部の外周部でレンズセル40における集光に寄与せず、光が発散や散乱する部分である。
例えば、比較形態において幅d´は、図4に示すそれぞれのレンズセル40´の頂点を通る断面において、一つのレンズセル40´の輪郭が作るラインの変曲点Pと、その隣のレンズセル40´の輪郭が作るラインの変曲点Pとの間の幅d´(距離)となるが、実施形態は変曲点Pの存在が確認できないレベルであり、光が散乱する部分の幅は10μm以下である。
レンズ有効部とは、レンズセル40における集光に寄与する部分で、レンズ非有効部とは、レンズ有効部の外周部でレンズセル40における集光に寄与せず、光が発散や散乱する部分である。
例えば、比較形態において幅d´は、図4に示すそれぞれのレンズセル40´の頂点を通る断面において、一つのレンズセル40´の輪郭が作るラインの変曲点Pと、その隣のレンズセル40´の輪郭が作るラインの変曲点Pとの間の幅d´(距離)となるが、実施形態は変曲点Pの存在が確認できないレベルであり、光が散乱する部分の幅は10μm以下である。
(直進性)
図5は、図3に示すように、レンズセル40が並ぶ方向をXY方向としたときに、例えばY方向において隣り合うレンズセル40とレンズセル40との間のX方向に延びる隙間の、Y方向の位置のばらつき(直進性)を測定したグラフである。
図5の図中黒丸は図3(a)に示す実施形態のフライアイレンズ4のレンズセル40間の隙間DであるラインCの直進性であり、バツ印は図3(b)に示す比較形態のフライアイレンズ4´のレンズセル40´間の隙間であるラインC´の直進性である。図5の左側端部での隙間の位置をY座標のゼロとし、図中X方向において約1200μm右側へ向かったときの隙間DのY方向の位置をプロットしたものである。
図5は、図3に示すように、レンズセル40が並ぶ方向をXY方向としたときに、例えばY方向において隣り合うレンズセル40とレンズセル40との間のX方向に延びる隙間の、Y方向の位置のばらつき(直進性)を測定したグラフである。
図5の図中黒丸は図3(a)に示す実施形態のフライアイレンズ4のレンズセル40間の隙間DであるラインCの直進性であり、バツ印は図3(b)に示す比較形態のフライアイレンズ4´のレンズセル40´間の隙間であるラインC´の直進性である。図5の左側端部での隙間の位置をY座標のゼロとし、図中X方向において約1200μm右側へ向かったときの隙間DのY方向の位置をプロットしたものである。
グラフで示すように、比較形態では、隙間D´の位置は約マイナス1.0μm~+5.5μmの範囲にある。すなわち、Y方向の位置の振れ幅m´は約6.5μmである。
これに対して実施形態では、隙間Dの位置は約マイナス1.0~+0.5μmの範囲にある。すなわち、Y方向の位置の振れ幅mは1.5μmである。なお、実施形態では、1.5μmに限らず、3μm以下であればよく、2μm以下であればさらに好ましい。
これに対して実施形態では、隙間Dの位置は約マイナス1.0~+0.5μmの範囲にある。すなわち、Y方向の位置の振れ幅mは1.5μmである。なお、実施形態では、1.5μmに限らず、3μm以下であればよく、2μm以下であればさらに好ましい。
(実施形態の効果)
このように実施形態では、一方のレンズセル40のレンズ有効部と他方のレンズセル40のレンズ有効部との間の幅d、すなわちレンズ非有効部の幅dは10μ以下と、比較形態の50μmと比べてかなり小さい。
さらに、一方向に延びる隙間Dの、その一方向と直交する方向の位置ずれが1.5μmで比較形態の6.5μmと比べてかなり小さい。すなわち、隣り合うレンズセル40間の隙間Dの直進性が高い。
このため、実施形態では、フライアイレンズ4の隙間Dの影響で発生する散乱光の発生が比較形態と比べて非常に小さく抑えられる。これにより、照明装置1の照射光の最外周部の照度低下を急峻にすることができる。
このように実施形態では、一方のレンズセル40のレンズ有効部と他方のレンズセル40のレンズ有効部との間の幅d、すなわちレンズ非有効部の幅dは10μ以下と、比較形態の50μmと比べてかなり小さい。
さらに、一方向に延びる隙間Dの、その一方向と直交する方向の位置ずれが1.5μmで比較形態の6.5μmと比べてかなり小さい。すなわち、隣り合うレンズセル40間の隙間Dの直進性が高い。
このため、実施形態では、フライアイレンズ4の隙間Dの影響で発生する散乱光の発生が比較形態と比べて非常に小さく抑えられる。これにより、照明装置1の照射光の最外周部の照度低下を急峻にすることができる。
図6は、照明装置1から距離2mの位置にスクリーンを配置したときのスクリーンに照射された光の照度パターンの写真であり、(a)は実施形態の照明装置1、(b)は比較形態の照明装置を用いた場合である。図7は図6の照度パターンの写真の長手方向中央部の輝度を256諧調で示したグラフであり、太線は実施形態、細線は比較形態である。
図6の写真で示すように、図6(b)の比較形態の場合は、周囲の輪郭がぼやけている。しかし、図6(a)の実施形態の場合は、比較形態と比べて周囲の輪郭が明瞭である。
図7の図中、中央部の高輝度領域において、比較形態では輝度の変動があり、特に符号31で示す位置では輝度ムラが生じている。しかし、実施形態では、高輝度領域において、比較形態と比べて輝度の変動が少なく略均一である。
図7の図中、高輝度領域の右端部において、比較形態では、略一定の高輝度領域から一旦、輝度がさらに上昇するエッジ部異常集光部分32が存在している。しかし、実施形態では、略一定の高輝度領域から一気に輝度が低下している。
図7の図中、右側における図中右から左への輝度の立ち上がり部分において、比較形態では、符号33の部分に示すように、輝度の立ち上がりが緩やかである。しかし、実施形態では、比較形態と比べて輝度の上昇が急峻である。
以上のように、比較形態では、照明範囲の輪郭が実施形態よりぼやけている。これは、隣り合うレンズセル40間の隙間の幅が広く且つ直進性が低いので、散乱光が発生しやすいからであると考えられる。ゆえに、このような比較形態においては照明範囲の輪郭を明瞭にしたい場合、アパーチャ等が配置されていた。
しかし、実施形態では、隣り合うレンズセル40間の隙間Dが狭く、直進性が高い。
したがって、散乱光が発生しにくく、照明範囲の輪郭が明瞭である。ゆえに、アパーチャを設ける必要がない。したがって、照明装置1の軽量化が可能で、コストも削減可能である。
さらに、フライアイレンズの1個1個のレンズの稜線が明瞭であり、アパーチャの輪郭を結像させる必要が無いのでフォーカスフリーが達成可能である。
したがって、散乱光が発生しにくく、照明範囲の輪郭が明瞭である。ゆえに、アパーチャを設ける必要がない。したがって、照明装置1の軽量化が可能で、コストも削減可能である。
さらに、フライアイレンズの1個1個のレンズの稜線が明瞭であり、アパーチャの輪郭を結像させる必要が無いのでフォーカスフリーが達成可能である。
ゆえに、実施形態の照明装置1を、例えば懐中電灯に用いることで、均一な照度分布より利用者の視認性を向上させることができる。また照射範囲最外周部の照度低下が急峻なことを利用して、対向する人の顔から下だけを照らすことが可能になり、対向する人が眩しくない状態を確保しつつ、人の存在をはっきりと確認することが可能になる。
さらには照射光の発散角を横30°から40°、縦20°から30°の矩形にすることで、人間が視野範囲として脳内で一括処理できる範囲と照射範囲を一致させることができる。これにより、警備業務や捜索活動に有効な照明をつくることができる。
また、標識や看板の照明に利用した場合、被照射物の視認性向上と同時に、被照射物の外に配光される光がほとんどないことから、漏れ光の低減による光害の低減やエネルギーの利用効率向上に寄与する。
セルサイズが500μm以下であることから、内視鏡のような出射端が数ミリとなる超小型サイズの照明にも適用可能となる。
さらには赤外線に利用範囲を広げることで、例えば赤外線カメラの視野内の光量分布均一化を実現し、ダイナミックレンジが小さいカメラでも、ハレーションを起こさず、高解像画像を得ることができる。
紫外線に利用範囲を広げることにより、例えば均一な殺菌や工業用途では露光や接着工程でのUV照度均一化を簡便な光学系で実現することが可能になる。特に紫外線は照射されたものを劣化させるため、明瞭な被照射領域で照射箇所周辺の劣化を防ぐことができる。
紫外線に利用範囲を広げることにより、例えば均一な殺菌や工業用途では露光や接着工程でのUV照度均一化を簡便な光学系で実現することが可能になる。特に紫外線は照射されたものを劣化させるため、明瞭な被照射領域で照射箇所周辺の劣化を防ぐことができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば以下のような変形例が可能である。
(第1変形例)
実施形態ではレンズセル40の形を一定形状とした。しかし、これに限らず、レンズセル40の形状や配列ピッチを不均一にしてもよい。図8は、実施形態の第1変形例を説明する図であり、図8(a)はレンズセル40の形状や配列ピッチが、横330μm、縦220μmの矩形で均一の場合、図8(b)はレンズセル40の形状や配列ピッチを、横330μm、縦220μmをベースとしつつ±10%ランダムに再配列させた第1変形形態を示す図であり、図8(c)は図8(b)の部分Cの拡大図である。ランダムに再配列させた各レンズセル40の形状は4角形から8角形の形状となり、図8(c)で示すレンズセル40は8角形である。
図9は、照明装置1から出射された光の長手方向をX、短手方向をYとしたときの、XY方向それぞれの輝度(W/mm2)を示したグラフであり、図9(a)は図8(a)の場合、図9(b)は図8(b)の場合である。
図示するように、図8(b)のようにレンズセル40の形状や配列ピッチを不均一にしてランダム性を持たせることで、照射範囲外周のエッジをぼかすことができる。
実施形態ではレンズセル40の形を一定形状とした。しかし、これに限らず、レンズセル40の形状や配列ピッチを不均一にしてもよい。図8は、実施形態の第1変形例を説明する図であり、図8(a)はレンズセル40の形状や配列ピッチが、横330μm、縦220μmの矩形で均一の場合、図8(b)はレンズセル40の形状や配列ピッチを、横330μm、縦220μmをベースとしつつ±10%ランダムに再配列させた第1変形形態を示す図であり、図8(c)は図8(b)の部分Cの拡大図である。ランダムに再配列させた各レンズセル40の形状は4角形から8角形の形状となり、図8(c)で示すレンズセル40は8角形である。
図9は、照明装置1から出射された光の長手方向をX、短手方向をYとしたときの、XY方向それぞれの輝度(W/mm2)を示したグラフであり、図9(a)は図8(a)の場合、図9(b)は図8(b)の場合である。
図示するように、図8(b)のようにレンズセル40の形状や配列ピッチを不均一にしてランダム性を持たせることで、照射範囲外周のエッジをぼかすことができる。
(第2変形例)
図10は実施形態の第2変形例を説明する図であり、図10(a)はレンズセル40の配列を均一の6角稠密配列の形状にした場合、図10(b)はレンズセル40の形状を均一の6角稠密配列をベースとしつつ±10%ランダムに再配列させた第2変形例を示す図である。
図11は、照明装置1から出射された光の長手方向をX、短手方向をYとしたときの、XY方向それぞれの輝度(W/mm2)を示したグラフであり、図11(a)は図10(a)の場合、図11(b)は図10(b)の場合である。
図10(a)のように、レンズセル40の配列を6角稠密配列とした例を示した図である。このようにレンズセル40の配列を6角稠密配列とすることで、照射範囲を6角形にすることができる。また、図10(b)のように、第1変形例と同様に。レンズセル40の形状や配列ピッチを不均一にしてランダム性を持たせることで、照射範囲外周のエッジをぼかすことができる。
図10は実施形態の第2変形例を説明する図であり、図10(a)はレンズセル40の配列を均一の6角稠密配列の形状にした場合、図10(b)はレンズセル40の形状を均一の6角稠密配列をベースとしつつ±10%ランダムに再配列させた第2変形例を示す図である。
図11は、照明装置1から出射された光の長手方向をX、短手方向をYとしたときの、XY方向それぞれの輝度(W/mm2)を示したグラフであり、図11(a)は図10(a)の場合、図11(b)は図10(b)の場合である。
図10(a)のように、レンズセル40の配列を6角稠密配列とした例を示した図である。このようにレンズセル40の配列を6角稠密配列とすることで、照射範囲を6角形にすることができる。また、図10(b)のように、第1変形例と同様に。レンズセル40の形状や配列ピッチを不均一にしてランダム性を持たせることで、照射範囲外周のエッジをぼかすことができる。
第1変形例や第2変形例は景観や鑑賞用途の場合、照射範囲にエッジがあることで違和感を、照射範囲と被照射範囲が滑らかにながる照明が望ましい場合に用いる。この場合、図8(b)や図10(b)に示すように、レンズセル40の形状や配列ピッチを不均一にしてランダム性を持たせることにより、外周のボケ具合を調整することができ、景観照明や鑑賞用途等の用途に好適な照明装置1を提供することが可能となる。
1 照明装置
2 光源
3 コリメータ
4 フライアイレンズ
40 レンズセル
40a 入射側レンズセル
40b 出射側レンズセル
2 光源
3 コリメータ
4 フライアイレンズ
40 レンズセル
40a 入射側レンズセル
40b 出射側レンズセル
Claims (7)
- 光源と、
前記光源の光が入射するコリメータと、
前記コリメータを通過した光が入射するフライアイレンズであって、
光の入射側に二次元配列された複数のレンズセル、及び、入射側の前記レンズセルのそれぞれと対向して二次元配列された複数の出射側のレンズセルを備えるフライアイレンズと、を具備し、
入射側及び出射側のそれぞれの前記レンズセルは、一辺のサイズが500μm以下で、隣り合うレンズセル間において、一方のレンズセルのレンズ有効部と他方のレンズセルのレンズ有効部との間の距離が10μm以下である、
照明装置。 - 一列に並ぶレンズセルと、前記一列と隣り合う列に並ぶレンズセルとの間の隙間は、
前記列が並ぶ方向と直交する方向の位置のばらつきが3μm以下である、
請求項1に記載の照明装置。 - 前記レンズセルの配列ピッチが、不均一である、
請求項1または請求項2に記載の照明装置。 - 前記レンズセルの一辺のサイズが、前記フライアイレンズの一辺の大きさの1/50~1/100である、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置。 - 前記光源は、可視光を発生させる光源である、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の照明装置。 - 前記光源は、赤外光を発生させる光源である、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の照明装置。 - 前記光源は、紫外光を発生させる光源である、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の照明装置。
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