JP2022076477A - 医用情報処理装置、医用情報処理システム及び医用情報処理方法 - Google Patents

医用情報処理装置、医用情報処理システム及び医用情報処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】血流に関する指標値を利用し易くすること。【解決手段】実施形態の医用情報処理装置は、記憶部と、設定部と、算出部とを備える。記憶部は、計算条件、形状、性状及び流体のうち少なくともいずれかについての設定を複数記憶する。設定部は、複数の前記設定から少なくともいずれかを選び出して、解析条件として定める。算出部は、前記解析条件の下で算出される血流に関する指標値について、信頼度を算出する。【選択図】図1

Description

本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用情報処理装置、医用情報処理システム及び医用情報処理方法に関する。
従来、心臓や血管に関する疾患の診断や治療計画の策定等を支援するための技術として、血流に関する指標値を算出し、医師等のユーザに提示する技術が知られている。このような指標値の例としては、血管内の壁せん断応力(Wall Shear Stress:WSS)や、血流予備量比(Fractional Flow Reserve:FFR)等が挙げられる。
米国特許第6654628号明細書 米国特許第10658085号明細書 米国特許出願公開第2019/0082970号明細書
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、血流に関する指標値を利用し易くすることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
実施形態の医用情報処理装置は、記憶部と、設定部と、算出部とを備える。記憶部は、計算条件、形状、性状及び流体のうち少なくともいずれかについての設定を複数記憶する。設定部は、複数の前記設定から少なくともいずれかを選び出して、解析条件として定める。算出部は、前記解析条件の下で算出される血流に関する指標値について、信頼度を算出する。
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システム及び医用情報処理装置の構成例を示す図である。 図2は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置の処理回路が有する各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。 図3Aは、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図3Bは、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図5は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図6は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図7は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図8は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図9は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図10は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図11Aは、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図11Bは、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図12は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図13は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図14は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図15は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図16は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図17は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図18は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図19は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図20は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図21は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図22は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図23は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図24は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図25は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図26は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。 図27は、第2の実施形態に係る医用情報処理装置の処理回路が有する各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。 図28は、第2の実施形態に係る医用情報処理装置の処理回路が有する各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら、医用情報処理装置、医用情報処理システム及び医用情報処理方法の実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システム及び医用情報処理装置の構成例を示す図である。
例えば、図1に示すように、本実施形態に係る医用情報処理システム100は、X線CT(Computed Tomography)装置110と、医用画像保管装置120と、各部門システム130と、医用情報表示装置140と、医用情報処理装置150とを含む。ここで、各装置及びシステムは、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。
X線CT装置110は、被検体に関するCT画像を生成する。具体的には、X線CT装置110は、被検体を囲む円軌道上でX線管及びX線検出器を旋回移動させることで、被検体を透過したX線の分布を表す投影データを収集する。そして、X線CT装置110は、収集された投影データに基づいて、CT画像を生成する。
なお、図1においては、医用情報処理システム100がX線CT装置110を含む場合を例示するが、医用情報処理システム100はX線CT装置110と異なる種類のモダリティを含んでもよい。例えば、医用情報処理システム100は、X線CT装置110に代えて又は加えて、磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置や超音波診断装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置等の医用画像診断装置を含んでもよい。
医用画像保管装置120は、被検体に関する各種の医用画像を保管する。具体的には、医用画像保管装置120は、ネットワークNWを介してX線CT装置110からCT画像を取得し、当該CT画像を自装置内の記憶回路に記憶させて保管する。例えば、医用画像保管装置120は、サーバやワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。また、例えば、医用画像保管装置120は、PACS(Picture Archiving and Communication System)等によって実現され、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)に準拠した形式でCT画像を保管する。
各部門システム130には、病院情報システム(HIS:Hospital Information System)、放射線情報システム(RIS:Radiology Information System)、診断レポートシステム、臨床検査情報システム(LIS:Laboratory Information System)、リハビリ部門システム、透析部門システム、手術部門システムなどの種々のシステムが含まれる。医用情報処理システム100は、これらのシステムとそれぞれ接続され、種々の情報を相互に送受信する。例えば、医用情報処理システム100は、患者情報や、検査情報、治療情報、解析結果に関する情報等を、各部門システム130に含まれる各システムと相互に送受信する。
医用情報表示装置140は、被検体に関する各種の医用情報を表示する。具体的には、医用情報表示装置140は、ネットワークNWを介して、X線CT装置110によって被検体から収集されたCT画像や、医用情報処理装置150における解析処理の結果といった医用情報を取得して、自装置内のディスプレイに表示する。例えば、医用情報表示装置140は、ワークステーションやパーソナルコンピュータ、タブレット端末等のコンピュータ機器によって実現される。
医用情報処理装置150は、解析処理を行なって、被検体の血流に関する指標値を算出する解析装置である。例えば、医用情報処理装置150は、ネットワークNWを介して、X線CT装置110又は医用画像保管装置120からCT画像を取得する。また、医用情報処理装置150は、ネットワークNWを介して、各部門システム130から血液検査の結果やカルテといった種々の情報を取得する。そして、医用情報処理装置150は、ネットワークNWを介して取得した各種の医用情報に基づいて解析処理を実行し、WSSやFFRといった指標値を算出する。更に、医用情報処理装置150は、指標値についての信頼度を算出する。例えば、医用情報処理装置150は、サーバやワークステーション等のコンピュータ機器によって実現される。
例えば、医用情報処理装置150は、ネットワーク(NetWork:NW)インタフェース151と、メモリ152と、入力インタフェース153と、ディスプレイ154と、処理回路155とを備える。
NWインタフェース151は、医用情報処理装置150と、ネットワークNWを介して接続された他の装置との間で送受信される各種データの伝送及び通信を制御する。具体的には、NWインタフェース151は、処理回路155に接続されており、他の装置から受信したデータを処理回路155に出力、又は、処理回路155から出力されたデータを他の装置に送信する。例えば、NWインタフェース151は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
メモリ152は、各種データ及び各種プログラムを記憶する。具体的には、メモリ152は、処理回路155に接続されており、処理回路155から入力されたデータを記憶、又は、記憶しているデータを読み出して処理回路155に出力する。例えば、メモリ152は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。
例えば、メモリ152は、処理回路155によって実行される解析処理に関して、計算条件、形状、性状及び流体についての設定を記憶する。また、メモリ152は、ネットワークNWを介してX線CT装置110や医用画像保管装置120、各部門システム130等から取得された各種の医用情報を記憶する。また、メモリ152は、医用情報処理装置150に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。メモリ152は、記憶部の一例である。
入力インタフェース153は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路155に出力する。例えば、入力インタフェース153は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、入力インタフェース153は、医用情報処理装置150本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インタフェース153は、モーションキャプチャによりユーザからの入力操作を受け付ける回路であっても構わない。一例を挙げると、入力インタフェース153は、トラッカーを介して取得した信号やユーザについて収集された画像を処理することにより、ユーザの体動や視線等を入力操作として受け付けることができる。また、入力インタフェース153は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、医用情報処理装置150とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路155へ出力する電気信号の処理回路も、入力インタフェース153の例に含まれる。
ディスプレイ154は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ154は、入力インタフェース153を介してユーザからの指示を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。ディスプレイ154は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、タッチパネル等によって実現される。
なお、図1においては医用情報処理装置150がディスプレイ154を備えるものとして説明するが、医用情報処理装置150は、ディスプレイ154に代えて又は加えて、プロジェクタを備えてもよい。プロジェクタは、処理回路155による制御の下、スクリーンや壁、床、被検体の体表面等に対して投影を行なうことができる。一例を挙げると、プロジェクタは、プロジェクションマッピングによって、任意の平面や物体、空間等への投影を行なうこともできる。
処理回路155は、医用情報処理装置150の全体を制御する。例えば、処理回路155は、入力インタフェース153を介してユーザから受け付けた入力操作に応じて、各種処理を行う。例えば、処理回路155は、他の装置から送信されたデータをNWインタフェース151から入力し、入力したデータをメモリ152に記憶する。また、例えば、処理回路155は、メモリ152から入力したデータをNWインタフェース151に出力することで、当該データを他の装置に送信する。また、例えば、処理回路155は、メモリ152から入力したデータをディスプレイ154に表示する。
以上、本実施形態に係る医用情報処理システム100及び医用情報処理装置150の構成例について説明した。例えば、本実施形態に係る医用情報処理システム100及び医用情報処理装置150は、病院や診療所等の医療施設に設置され、医師等のユーザによって行われる心臓や血管の疾患に関する診断や、治療計画の策定等を支援する。
具体的には、医用情報処理装置150の処理回路155は、X線CT装置110や医用画像保管装置120、各部門システム130等から取得した各種の医用情報に基づいて解析処理を実行し、WSSやFFR等の血流に関する指標値を算出し、ユーザに提供する。例えば、処理回路155は、算出した指標値を医用情報表示装置140に送信し、医用情報表示装置140は、指標値の表示を行なう。或いは、処理回路155は、ディスプレイ154において、指標値の表示を行なうこともできる。ユーザは、診断や治療計画の策定等のための参考情報として、被検体の血流に関する指標値を参照することができる。
更に、処理回路155は、血流に関する指標値について信頼度を算出することにより、指標値をより利用し易いものとする。以下、処理回路155が備える機能について説明する。例えば、処理回路155は、図1に示すように、設定機能155aと、算出機能155bと、出力機能155cとを実行する。設定機能155aは、設定部の一例である。算出機能155bは、算出部の一例である。出力機能155cは、出力部の一例である。
設定機能155aは、解析条件を定める。算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件の下、解析処理を実行して、血流に関する指標値を算出する。また、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件の下で算出される指標値について、信頼度を算出する。出力機能155cは、算出機能155bによって算出された指標値及び信頼度を出力する。例えば、出力機能155cは、NWインタフェース151を制御して医用情報表示装置140に対して指標値及び信頼度を送信したり、ディスプレイ154に指標値及び信頼度を表示させたりする。
上述した処理回路155は、例えば、プロセッサによって実現される。その場合に、上述した各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ152に記憶される。そして、処理回路155は、メモリ152に記憶された各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、処理回路155は、各プログラムを読み出した状態で、図1に示した各処理機能を有することとなる。
なお、処理回路155は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサがプログラムを実行することによって各処理機能を実現するものとしてもよい。また、処理回路155が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、処理回路155が有する各処理機能は、回路等のハードウェアとソフトウェアとの混合によって実現されても構わない。また、ここでは、各処理機能に対応するプログラムが単一のメモリ152に記憶される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、各処理機能に対応するプログラムが複数の記憶回路が分散して記憶され、処理回路155が、各記憶回路から各プログラムを読み出して実行する構成としても構わない。
次に、医用情報処理装置150において行なわれる一連の処理の概要について、図2を用いて説明する。図2は、第1の実施形態に係る医用情報処理装置150の処理回路155が有する各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図2においては、血流に関する指標値として、WSSについて説明する。
まず、算出機能155bは、解析に用いる各種のデータを取得する(ステップS101)。例えば、算出機能155bは、NWインタフェース151を介して、X線CT装置110又は医用画像保管装置120から、被検体の冠動脈CT画像を取得する。
次に、設定機能155aは、解析条件を設定する(ステップS102)。例えば、WSSを算出するための解析条件は、計算条件、形状、性状及び流体についての設定である。計算条件とは、例えばメッシュの大きさや計算モデル等である。形状とは、例えば血管の輪郭や芯線の形状、或いはその取得方法である。性状とは、例えば心臓や、血管及びその周辺組織、血管内のプラーク等についての組成や硬さ等の情報、或いはその取得方法である。流体とは、例えば血液の流速や圧力などの流体情報、或いはその取得方法である。計算条件、形状、性状及び流体についての設定は、メモリ152において記憶される。設定機能155aは、メモリ152から設定を読み出すことにより、解析条件を定めることができる。
ここで、メモリ152は、計算条件、形状、性状及び流体のそれぞれについての設定を1つのみ記憶してもよいし、複数記憶してもよい。例えば、算出機能155bにおいて実行可能な計算モデルが1つのみである場合、メモリ152は、当該計算モデルを計算条件についての設定として記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152から読み出した当該計算モデルを、解析条件として定める。
一方で、算出機能155bが実行可能な計算モデルが複数ある場合、メモリ152は、複数の計算モデルを、計算条件についての設定として記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する複数の計算モデルからいずれかを選び出して、解析条件として定める。即ち、計算条件、形状、性状及び流体のうち少なくともいずれかについての設定をメモリ152が複数記憶している場合、設定機能155aは、複数の設定からいずれかを選び出して解析条件として定める。
次に、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件の下で、WSS及び信頼度を算出する(ステップS103)。即ち、算出機能155bは、解析条件に従って解析を実行し、WSSを算出する。例えば、算出機能155bは、被検体の冠動脈CT画像から、CFD(Computational Fluid Dynamics)に基づく有限要素法、機械学習等を用いた既知の手法によって、対象領域におけるWSSの値を算出する。例えば、CFDによって指標値を算出する場合、算出機能155bは、血液の物性値(例えば、ヘマトクリット、血液の粘性、密度など)、血管壁の弾性値、反復計算の条件(反復計算における最大反復回数、緩和係数、残差の許容値など)、解析の初期値(血流量、圧力、流体抵抗、圧力境界の初期値など)などの条件と、血管形状データとを用いた流体解析を実行して、冠動脈の各位置におけるWSSを算出する。また、算出機能155bは、解析条件を評価することにより、当該解析条件の下で算出されるWSSの信頼度を算出する。信頼度の算出についての詳細は後述する。
そして、出力機能155cは、算出機能155bによって算出されたWSS及び信頼度をディスプレイ154に表示させる(ステップS104)。例えば、出力機能155cは、冠動脈CT画像における冠動脈の血管領域を3次元的に再構成することで、冠動脈の3次元画像を生成する。一例を挙げると、出力機能155cは、VR(Volume rendering)画像、SR(Surface rendering)画像、CPR(Curved Planer Reconstruction)画像、MPR(Multi Planer Reconstruction)画像、SPR(Stretched Multi Planer Reconstruction)画像などを生成する。また、出力機能155cは、3次元画像の各位置にWSSの値を割り当てた表示画像を生成する。例えば、出力機能155cは、3次元画像の各位置にWSSの値に応じたカラーを割り当てたカラー画像を生成し、ディスプレイ154に表示させる。
更に、出力機能155cは、算出された信頼度を表示させる。例えば、出力機能155cは、信頼度を示す数値をディスプレイ154に表示させる。また、例えば、出力機能155cは、3次元画像の各位置に信頼度の値を割り当てた表示画像を生成し、ディスプレイ154に表示させる。
図2に示したように、WSS及び信頼度の表示を行なう場合、ユーザは、WSSを参考に、診断や治療計画の策定等を行なうことができる。更に、信頼度に基づいてWSSがどの程度信頼できるものなのかを判断することが可能となり、WSSを利用し易くなる。例えば、WSSの値が疾患の存在を示唆している場合であって、且つ、その信頼度が高い場合、ユーザは、当該疾患に対する治療の必要性をより明確に把握することができる。
次に、信頼度の算出方法について、図3A~図26を参照しながら、より詳細に説明する。図3A~図26は、第1の実施形態に係る信頼度の算出方法の一例を示す図である。
例えば、算出機能155bは、図3Aに示すように、メッシュの大きさに関わる信頼度A1、メッシュの形状に関わる信頼度A2、メッシュの品質に関わる信頼度A3、時間分解能に関わる信頼度A4、及び、計算モデルに関わる信頼度A5をそれぞれ算出し、信頼度A1~A5に基づいて計算条件の信頼度を算出する。また、算出機能155bは、図3Bに示すように、画像の種類に関わる信頼度B1、撮像条件に関わる信頼度B2、血管の種類に関わる信頼度B3、血管形状に関わる信頼度B4、血管内構造物に関わる信頼度B5、途中の計算結果に関わる信頼度B6、形状取得方法に関わる信頼度B7、位相に関わる信頼度B8、動きの大きさに関わる信頼度B9、及び、アーチファクトに関する信頼度B10を、形状がどの程度信頼できるかという観点でそれぞれ算出し、信頼度B1~B10に基づいて形状の信頼度を算出する。同様に、算出機能155bは、画像の種類に関わる信頼度C1、撮像条件に関わる信頼度C2、血管の種類に関わる信頼度C3、及び、位相に関わる信頼度C4を、性状がどの程度信頼できるかという観点でそれぞれ算出し、信頼度C1~C4に基づいて性状の信頼度を算出する。同様に、算出機能155bは、画像の種類に関わる信頼度D1、撮像条件に関わる信頼度D2、血管の種類に関わる信頼度D3、及び、位相に関わる信頼度D4を、流体情報がどの程度信頼できるかという観点でそれぞれ算出し、信頼度D1~D4に基づいて流体の信頼度を算出する。そして、算出機能155bは、計算条件の信頼度、形状の信頼度、性状の信頼度及び流体の信頼度に基づいて、WSSの信頼度(合計の信頼度)を算出する。
なお、図3Aに示した計算条件の信頼度は、計算条件に関する第1信頼度の一例である。また、図3Bに示した形状の信頼度は、形状に関する第2信頼度の一例である。また、図3Bに示した性状の信頼度は、性状に関する第3信頼度の一例である。また、図3Bに示した流体の信頼度は、流体に関する第4信頼度の一例である。
メッシュの大きさに関わる信頼度A1の算出方法の一例を図4に示す。例えば、有限要素法によってWSS等の算出を行なう場合には、まず、形状や流体をメッシュに分解する。メッシュの大きさを決める際には、メッシュの大きさの平均や分散を決めておき、その値に近くなるように分割を行なう場合が多い。ここで、一般的に、メッシュの大きさ(平均)が小さく、分散(ばらつき)が小さいほど、解析の精度は向上する。以上より、算出機能155bは、設定されたメッシュの大きさの平均や分散に基づいて、信頼度A1を算出することができる。
例えば、メモリ152は、計算条件についての設定として、メッシュの大きさの平均とばらつきとを組み合わせた設定を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図4に示すように、「平均:≦0.001mm3、歪度:>X、尤度:>Y」、「平均:≦0.001mm3、歪度:≦X、尤度:≦Y」、「平均:>0.001mm3、歪度:>X、尤度:>Y」、「平均:>0.001mm3、歪度:≦X、尤度:≦Y」、「平均:>0.1mm3、歪度:>X、尤度:>Y」、「平均:>0.1mm3、歪度:≦X、尤度:≦Y」といった6つの設定を記憶する。なお、図4におけるX及びYは、所定の閾値である。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する6つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度A1を算出する。例えば、メッシュの大きさの平均が0.001mm3よりも小さく、歪度がXより大きく、尤度がYより大きい場合、算出機能155bは、「信頼度A1=100」と算出する。
なお、図4においては一例としてメッシュの大きさを示したが、大きさに限らず、体積、表面積、重量、メッシュの一辺の長さ等で表してもよい。また、体積、表面積、重量に関しては、平均に限らず、全てのメッシュの最大値、全てのメッシュの最小値、全てのメッシュの中央値等にしてもよい。また、メッシュの一辺の長さに関しては、平均に限らず、各メッシュの最大値の平均値、各メッシュの最大値の中央値、各メッシュの最小値の平均値、各メッシュの最小値の中央値、各メッシュの平均値の平均値、各メッシュの平均値の中央値等にしてもよい。同様に、図4においてはメッシュの大きさのばらつきを歪度及び尤度で示しているが、メッシュの大きさのばらつきに関する指標であればこれに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、メッシュの大きさのばらつきとして、分散を用いてもよい。
その他、メッシュの大きさの設定に関しては種々の工夫が施される場合がある。かかる事情を考慮して、算出機能155bは、信頼度A1について加点を行なってもよい。
例えば、CT画像等の医用画像は、被検体の呼吸や拍動とった動きの影響を受けている場合がある。ここで、医用画像から複雑な動きをする領域を事前に検出しておき、当該領域に対しては細かいメッシュを設定する方法が考えられる。なお、複雑な動きをする領域とは、例えば、急激に圧縮されたり、急激に伸長されたり、急激に曲げられたりする領域である。例えば、経時的に撮像を行なって複数フレームのCT画像を取得し、フレーム間の比較を行なうことで、複雑な動きをする領域を検出することができる。即ち、算出機能155bは、時系列の医用画像に基づいて動きが大きい領域を検出し、検出結果に基づいて、メッシュの形状に関わる信頼度を算出してもよい。或いは、過去の知見に基づいて、複雑な動きをする血管枝や領域を予め設定しておくことも可能である。以下、かかるメッシュの設定方法を方法M11と記載する。方法M11でメッシュの設定を行なうことにより、解析時の計算量を抑制しつつ、解析の精度を向上させることが可能である。
また、医用画像から複雑な動きをする領域を検出するとともに、各位置における動きの複雑度を計算し、当該複雑度に応じてメッシュの大きさを変更する方法が考えられる。以下、かかるメッシュの設定方法を方法M12と記載する。方法M12でメッシュの設定を行なうことにより、解析時の計算量を抑制しつつ、解析の精度を向上させることが可能である。
また、血液等の流体に対して設定されるメッシュについては、流れの状態を考慮して、メッシュの大きさを変更する方法が考えられる。例えば、血管の太さ等の血管形状や、血液の粘性、流速等の流体情報に基づいて血管内の各位置における乱流の発生確率を計算し、乱流が生じる可能性が高い領域については細かいメッシュを設定することが考えられる。即ち、算出機能155bは、乱流が発生しやすい領域を検出し、検出結果に基づいて、メッシュの大きさに関わる信頼度を算出してもよい。以下、かかるメッシュの設定方法を方法M13と記載する。方法M13でメッシュの設定を行なうことにより、解析時の計算量を抑制しつつ、解析の精度を向上させることが可能である。
また、解析結果が収束するまで、メッシュを繰り返し設定する方法が考えられる。例えば、まずは粗いメッシュを設定して解析を行なった後、徐々にメッシュを細かくしながら繰り返し解析を行ない、繰り返しごとの解析結果の差が任意の閾値よりも少なくなるまでメッシュを細かくする。具体的には、メッシュの再設定及び解析を行なってWSSを算出するごとに、直前に算出されたWSSとの差を算出し、差が閾値を下回るまでメッシュの再設定及び解析を繰り返す。以下、かかるメッシュの設定方法を方法M14と記載する。方法M14でメッシュの設定を行なうことにより、解析の精度を向上させることが可能である。なお、メッシュを繰り返し設定する方法を用いる場合、解析系全体に対してメッシュの再設定や繰り返し解析を行ない続ける必要はない。例えばメッシュの再設定および繰り返し解析を行なっていった場合に、繰り返し毎の解析結果の差が任意の閾値よりも少なくなった領域を特定する。特定した解析結果の差が小さい、つまり収束した領域についてはメッシュの再設定を行わず、収束した領域以外の領域についてのみ次の繰り返し演算にてメッシュの再設定を行うこととしてもよい。
例えば、算出機能155bは、図4に示すように、メッシュの大きさの設定に関して方法M11が追加されている場合には「+10」の加点を行ない、方法M12が追加されている場合には「+10」の加点を行ない、方法M13が追加されている場合には「+50」の加点を行ない、方法M14が追加されている場合には「+50」の加点を行なう。例えば、メモリ152は、計算条件についての設定として、「方法M11を追加した」、「方法M12を追加した」、「方法M13を追加した」、「方法M14を追加した」、「追加の方法無し」といった5つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する5つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度A1を算出する。例えば、メッシュの大きさの平均が0.1mm3より大きく、歪度がXより大きく、尤度がYより大きく、方法M13が追加されている場合、算出機能155bは、「信頼度A1=10+50=60」と算出する。
なお、算出機能155bは、信頼度A1について上限を設定してもよい。例えば、算出機能155bは、上限を「100」とし、方法M11~M14の加点によって合計値が「100」を超えた場合、信頼度A1は「100」とする。即ち、算出機能155bは、信頼度A1として、「0~100」の値を算出する。
また、図4では、各設定に対応する信頼度を具体的な数値で説明しているが、これらの数値はあくまで一例であり、任意に調整が可能である。各設定に対応する信頼度は、経験側的に決定することもできるし、論文の数やインパクトファクター等から決定することもできるし、その他の手法で事前に設定しておくこともできる。また、各設定に対応する信頼度は、ユーザからの入力操作や機械学習の手法によって、適宜調整することとしても構わない。また、信頼度は、数値でなくてもよい。例えば、信頼度は、「高/中/低」や「十分/不十分」のようなランク又は分類であってもよい。
また、算出機能155bは、対象領域の各位置について信頼度を算出してもよいし、対象領域全体に対して単一の信頼度を算出してもよい。各位置について信頼度を算出する場合、算出機能155bは、例えば、CT画像に含まれる血管領域における信頼度A1の空間分布を算出する。単一の信頼度を算出する場合、算出機能155bは、例えば、CT画像に含まれる血管領域の各位置について信頼度を算出し、その平均値や最低値といった代表値を、信頼度A1として算出する。
メッシュの形状に関わる信頼度A2の算出方法の一例を図5に示す。例えば、3次元のメッシュを設定する場合には、4面体メッシュや6面体メッシュなどの選択が可能である。また、例えば、2次元のメッシュを設定する場合には、3角形メッシュや長方形メッシュなどの選択が可能である。なお、CT画像(ボリュームデータ)に対して2次元のメッシュが設定される場合もある。例えば、CT画像から血管をセグメンテーションし、血管内壁に沿って2次元のメッシュを設定して解析を行なう場合がある。そして、このようなメッシュの形状に応じて、解析の精度が異なることが知られている。従って、算出機能155bは、設定されたメッシュの形状に基づいて、信頼度A2を算出することができる。
例えば、メモリ152は、計算条件についての設定として、メッシュの形状を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図5に示すように、「4面体」、「6面体」、「3角形」、「8面体」、「12面体」、「長方形」といった4つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する4つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度A2を算出する。例えば、解析条件として「長方形」が定められている場合、算出機能155bは、「信頼度A2=90」と算出する。
また、算出機能155bは、信頼度A2について加点を行なってもよい。例えば、領域ごとにメッシュを変化させている場合、算出機能155bは、「+10」の加点を行なう。具体的には、複雑な動きをする領域や、乱流が生じる可能性が高い領域等については解析の精度が高いメッシュ形状を選択し、他の領域については計算負荷の小さいメッシュ形状を選択することが考えられる。複雑な動きをする領域は、例えば、CT画像を時系列で撮影し、単位時間あたりの血管壁の位置の移動量や移動方向の変化分が大きい領域として検出することができる。即ち、算出機能155bは、時系列の医用画像に基づいて動きが大きい領域を検出し、検出結果に基づいて、メッシュの形状に関わる信頼度を算出してもよい。他方、乱流が生じる可能性が高い領域とは、例えば血流方向に対して直行するような壁面を持つ、血管分岐部分やプラーク部分などがある。乱流が生じる可能性が高い領域の形状モデルを事前に記憶しておき、血管を各部分に区切った際に各部分と事前記憶された形状モデルとの類似度が高い領域を乱流が生じる可能性が高い領域として検出することができる。即ち、算出機能155bは、乱流が発生しやすい領域を検出し、検出結果に基づいて、メッシュの形状に関わる信頼度を算出してもよい。また、算出機能155bは、同じ形状のメッシュであっても、血管等の形状に対して設定されている場合と血液等の流体に対して設定されている場合とで、それぞれ異なる信頼度を設定してもよい。
なお、算出機能155bは、信頼度A1の場合と同様、信頼度A2について上限を設定してもよい。また、図4の場合と同様、図5では各設定に対応する信頼度を具体的な数値で説明しているが、これらの数値はあくまで一例であり、種々の変形が可能である。また、算出機能155bは、対象領域の各位置について信頼度A2を算出してもよいし、対象領域全体に対して単一の信頼度A2を算出してもよい。後述する各種の信頼度についても同様である。
メッシュの品質に関わる信頼度A3の算出方法の一例を図6に示す。例えば、メッシュの品質として、1次メッシュと、2次以上のメッシュとが知られている。例えば、4面体の1次メッシュは、4面体における4つの頂点を計算点とするものである。一方で、4面体の2次メッシュは、4面体における4つの頂点の他に、4面体における辺や面の上に更に計算点を設け、より詳細に計算することを可能にしたものである。そして、このようなメッシュの品質に応じて、解析の精度が異なることが知られている。従って、算出機能155bは、設定されたメッシュの品質に基づいて、信頼度A3を算出することができる。
例えば、メモリ152は、計算条件についての設定として、メッシュの品質を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図6に示すように、「1次」、「2次」といった2つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する2つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度A3を算出する。例えば、解析条件として「1次」が定められている場合、算出機能155bは、「信頼度A3=80」と算出する。また、算出機能155bは、信頼度A3について加点を行なってもよい。例えば、複雑な動きをする領域や、乱流が生じる可能性が高い領域等についてメッシュを変化させている場合、算出機能155bは、「+10」の加点を行なう。即ち、算出機能155bは、乱流が発生しやすい領域を検出し、検出結果に基づいて、メッシュの品質に関わる信頼度を算出してもよい。また、算出機能155bは、時系列の医用画像に基づいて動きが大きい領域を検出し、検出結果に基づいて、メッシュの品質に関わる信頼度を算出してもよい。
時間分解能に関わる信頼度A4の算出方法の一例を図7に示す。一般に、WSS等を算出するための流体解析は、空間方向の3軸に時間軸を加えた4次元解析となる。そして、より細かい時間分解能で解析を行なうことにより、解析の精度が向上することが知られている。以上より、算出機能155bは、設定された時間分解能に基づいて、信頼度A4を算出することができる。
なお、時間分解能を細かくしていくと、ある段階で解析精度は上限に達し、更に時間分解能を細かく設定しても計算量が増加するのみで、解析の精度は向上しなくなる。従って、時間分解能については、計算量と解析精度とのバランスを考慮して適切に設定することが好ましい。
また、時間分解能は、原理上は上限なく、任意の値を設定することができる。例えば、解析に用いるCT画像等の医用画像の収集時におけるフレームレートよりも細かく、時間分解能を設定することも可能である。即ち、あるフレームレートで収集された時系列の医用画像を境界条件として利用して、フレーム間の補間を行なうように解析を行なうことが可能である。但し、医用画像のフレームレートと比較して過度に細かい時間分解能を設定しても、計算量が増加する一方で解析精度の向上は期待できないため、医用画像のフレームレートに応じて適切な時間分解能を設定することが好ましい。
例えば、メモリ152は、計算条件についての設定として、時間分解能ΔTの設定を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図7に示すように、「>1.0×10-1sec」、「≦1.0×10-1sec,>1.0×10-4sec」、「≦1.0×10-4sec」といった3つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する3つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度A4を算出する。例えば、解析条件として「1.0×10-1sec」よりも粗い時間分解能が定められている場合、算出機能155bは、「信頼度A4=10」と算出する。
また、算出機能155bは、信頼度A4について加点を行なってもよい。例えば、血管内の流速は一定ではなく、位置や時間ごとに異なっている。また、呼吸や拍動等の影響で血管自体が動く場合もあり、血管の移動速度も一定ではない。そして、解析の精度を維持するためには、血流や血管の速度が大きいほど時間分解能を細かく設定することが好ましい。但し、一律に時間分解能を細かく設定すると、解析における計算量が増加する。そこで、血管内の流速や血管の移動速度に応じて時間分解能を可変にすることで、計算量を抑制しつつ、解析の精度を向上させることができる。
例えば、時系列のCT画像を用いて、血管や血管内を流れる血流をモニタリングし、これらが一定の速度を上回った位置及び時間についてのみ、時間分解能を細かく設定することが考えられる。以下、かかる時間分解能の設定方法を方法M21と記載する。
また、冠動脈等の各血管を流れる血液速度のプロファイルは、臨床的に概ね決まっている。例えば、心位相における拡張初期が最も血流速度が速いことが知られている。そこで、心電計や時系列のCT画像等を用いて心位相の情報を取得し、拡張初期についてのみ、時間分解能を細かく設定することが考えられる。以下、かかる時間分解能の設定方法を方法M22と記載する。
例えば、算出機能155bは、図7に示すように、時間分解能の設定に関して方法M21が追加されている場合には「+10」の加点を行ない、方法M22が追加されている場合には「+1」の加点を行なう。例えば、メモリ152は、計算条件についての設定として、「方法M21」、「方法M22」、「追加の方法無し」といった3つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する3つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度A4を算出する。例えば、「1.0×10-1sec」よりも粗い時間分解能が定められるとともに方法M21が追加されている場合、算出機能155bは、「信頼度A4=10+10=20」と算出する。
計算モデルに関わる信頼度A5の算出方法の一例を図8に示す。流体解析を行なってWSSを取得するために使用できる種々の計算モデルが知られているが、一般に、複雑で計算量の多い計算モデルほど、解析の精度も高いことが知られている。そこで、算出機能155bは、設定された計算モデルに基づいて、信頼度A5を算出することができる。
WSSを取得するために使用できる計算モデルの一例として、0Dモデルを挙げることができる。0Dモデルは、流体の流れにくさ等を基に血管を回路とみなして解析を行なう手法であり、等価回路モデルや、Lumped Modelと呼ばれる場合もある。また、0Dモデルの中でも、全身をモデル化した回路の場合と、対象血管のみをモデル化した回路の場合とでは解析の精度が異なる。0Dモデルによれば、比較的少ない計算量で、精度の良い解析結果を得ることが可能である。
計算モデルの別の例として、流体構造連成(Fluid-Structure-Interaction:FSI)に基づくシミュレーションモデルを挙げることができる。また、FSIの中でも、Arbitrary-Lagrangian-Eulerian(ALE)法を用いるか、Immerce-Boundary(IB)法を用いるかといった違いによって、解析の精度は異なる。0Dモデル及びFSIの他にも種々の計算モデルが知られており、例えば、構造のみの計算モデルや流体のみの計算モデルを使用することも可能である。
例えば、メモリ152は、計算条件についての設定として、計算モデルを複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図8に示すように、「全身をモデル化した回路による0Dモデル」、「対象血管のみをモデル化した回路による0Dモデル」、「ALEによるFSI」、「IBによるFSI」、「構造のみの計算モデル」、「流体のみの計算モデル」といった6つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する6つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度A5を算出する。
なお、いずれの計算モデルにおいても、境界条件を設けて、計算精度の向上を図る場合が多い。流体解析の場合の境界条件は、例えば、被検体の画像から測定できる種類の条件F1、被検体の画像から得られる情報をもとに更に計算を行なって得られる種類の条件F2、被検体の画像以外の値の種類の条件F3、普遍的な条件F4、及び、被検体が属するグループに関して得られる種類の条件F5に大別することができる。
ここで、被検体の画像から測定できる種類の条件F1とは、例えば、血管径などの画像測定値や、血液の流速、流量などの血流測定値である。また、被検体の画像以外の値の種類の条件F3とは、例えば、血液検査や問診などによって得られる情報である。また、普遍的な条件F4とは、例えば、万人又は大衆の平均値などである。また、被検体が属するグループに関して得られる種類の条件F5とは、例えば、被検体と同じ又は類似の症例を有する者の中での平均値などである。
被検体の画像から得られる情報をもとに更に計算を行なって得られる種類の条件F2は、例えば、画像測定値又は血流測定値に基づいて得られるパラメータである。例えば、血管径や流速、流量等を測定した場合には、二次的に、エネルギーや通過血液量(mass)、せん断応力、心室の変化率、駆出率(Ejection Fraction:EF)などのパラメータを計算することができる。以下、画像測定値又は血流測定値に基づいて得られるパラメータを、第1パラメータとも記載する。
また、条件F2の他の例としては、パフュージョン(潅流計算)から得られる潅流面積、潅流堆積、潅流速度、潅流量、血管枝ごとの分布などのパラメータを挙げることができる。以下、パフュージョンに基づいて得られるパラメータを、第2パラメータとも記載する。
また、条件F2の他の例として、複数時相の医用画像から得られるパラメータが挙げられる。このようなパラメータの例としては、例えば、時間変化、時間積分、時間微分、時間差分、時空間微積分、平均変動、分散ばらつきの時間変動などを挙げることができる。以下、複数時相の医用画像に基づいて得られるパラメータを、第3パラメータとも記載する。
条件F2の計算に関しては他にもいくつもの方法が考えられる。例えば、画像から得られるパラメータや、画像から得られるパラメータに計算を施して得られるパラメータ等をまずは取得し、これらパラメータ同士を更に掛け合わせた別種のパラメータを条件F2として用いることもできる。このような別種のパラメータとしては、例えば、解析系の端点における通過血液量を血管断面積で割ったパラメータを挙げることができる。
算出機能155bは、このような境界条件に基づいて、信頼度A5について加点を行なってもよい。即ち、メモリ152は、計算条件についての設定として、境界条件の種類を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、条件F1~条件F5を、複数の設定として記憶する。別の例を挙げると、メモリ152は、第1パラメータ、第2パラメータ及び第3パラメータを、複数の設定として記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する複数の設定から少なくともいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度A5を算出する。例えば、算出機能155bは、図8に示す複数の計算モデルのうち解析条件として定められた設定と、第1パラメータ、第2パラメータ及び第3パラメータのうち解析条件として定められた設定とに基づいて、信頼度A5を算出する。
信頼度A1~A5を算出した後、算出機能155bは、信頼度A1~A5に基づいて計算条件の信頼度を算出する。例えば、算出機能155bは、信頼度A1~A5のそれぞれを「0~100」の数値範囲の中で算出し、信頼度A1~A5の平均を、計算条件の信頼度として算出する。また、算出機能155bは、信頼度A1~A5に基づく重み付き平均(加重平均)を、計算条件の信頼度として算出してもよい。例えば、メッシュの大きさが他の指標に比べて信頼度に大きく関わる場合、算出機能155bは、信頼度A1に大きな重みを付して算出した平均値を、計算条件の信頼度とする。
計算条件の信頼度は、血管領域の全体に対して算出された単一の値であってもよいし、血管の種類ごとに算出された値であってもよい。或いは、計算条件の信頼度は、位置ごと(例えば画素ごと)に算出された値であってもよい。即ち、計算条件の信頼度は、信頼度の空間分布として算出されてもよい。
次に、信頼度B1~B10に基づく形状の信頼度について説明する。まず、画像の種類に関わる信頼度B1の算出方法について説明する。
これまでの説明では、X線CT装置110によって収集されるCT画像について主に説明したが、血管形状を取得するに当たっては種々の医用画像を利用することができる。例えば、血管形状は、CT画像の他、MR画像、X線アンギオ画像、血管内超音波(IntraVascular UltraSound:IVUS)画像、光干渉断層(Optical Coherence Tomography:OCT)画像、心腔内エコー(IntraCardiac Echocardiography:ICE)画像といった医用画像から取得することもできる。また、血管形状は、カルテに含まれる画像や、パフュージョン画像のような解析画像から取得することもできる。具体的には、これらの医用画像に基づく血管セグメンテーションを実行することにより、血管形状を取得することができる。
なお、X線アンギオ画像は、通常は2次元画像であり、X線アンギオ画像から取得される血管形状も2次元の情報となる。但し、被検体の周囲でX線管及び検出器を回転移動させて撮影角度の異なる複数の画像を収集したり、バイプレーンのシステムにおいて撮影角度の異なる2つの画像を収集したりすることで、3次元の血管形状を取得することも可能である。
また、医用画像を使わずに血管形状を取得する場合もある。例えば、体重や身長、部位などの条件ごとに、文献値等に基づく一般的な血管形状を事前に定義する。そして、各部門システム130から取得した患者情報等に基づいて、定義された血管形状のうちいずれかを選択し、解析に使用する。
画像の種類に関わる信頼度B1の算出方法の一例を図9に示す。例えば、メモリ152は、形状についての設定として、血管形状の取得方法を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図9に示すように、「CT」、「MRI」、「IVUS」、「OCT」、「X線アンギオ装置(2D)」、「X線アンギオ装置(3D)」、「画像を使わない」といった7つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する7つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B1を算出する。例えば、IVUSに基づいて血管形状を取得する場合、算出機能155bは、「信頼度B1=30」と算出する。
また、算出機能155bは、信頼度B1について加点を行なってもよい。例えば、医用画像から血管をセグメンテーションする際、医用画像における各画素(ボクセル又はピクセル)を「流体(血液等)」と「固体(血管等)」との2つに排他的に分類するのではなく、各画素に対して「流体らしさ」及び「固体らしさ」の割合設定する方法が知られている。以下、かかる血管形状の取得方法を、方法M31と記載する。方法M31は、例えば、各画素に粘性係数や弾性係数を定義することで実現される。
方法M31により、1つの画素内に流体と固体とが共存する状態を表現することが可能となる。即ち、医用画像における空間分解能は有限であり、1つの画素内に流体と固体との双方が含まれてしまう場合がある。方法M31によれば、このような流体と固体との共存状態を表現し、解析の精度を向上させることができる。なお、方法M31は、計算モデルとしてIBを使用する際に使用されることが多い。
また、複数種類の医用画像を使用して、血管形状を取得する方法が知られている。例えば、IVUS画像によれば、他の種類の医用画像と比較してより細かい形状を取得することができるが、IVUSカテーテルを挿入した血管以外の形状は取得できないという性質がある。例えば、冠動脈にIVUSカテーテルを挿入した場合、冠動脈以外の形状をIVUS画像から取得することはできない。そこで、CT画像等に基づいて血管の全体形状を取得し、IVUS画像から取得した形状を合成する方法が考えられる。以下、かかる血管形状の取得方法を、方法M32と記載する。方法M32によれば、収集された医用画像を有効に活用して、広範囲且つ高精度の血管形状を取得し、ひいては解析の精度を向上させることができる。
血管形状を合成する方法については特に限定されるものではないが、例えば、医用画像に現れた特徴的な部分を基準として位置合わせすることが考えられる。このような特徴的な部分の具体例としては、例えば、血管内におけるプラークや石灰化、血管の湾曲部、分岐部などが挙げられる。位置合わせの精度を向上させるため、種類の異なる医用画像のそれぞれに明瞭に現れている部分を基準とすることが好ましい。なお、各医用画像からセグメンテーションした血管形状の間で合成を行なってもよいし、医用画像間の合成を行なった後に血管形状をセグメンテーションしてもよい。
例えば、算出機能155bは、図9に示すように、血管形状の取得方法に関して方法M31が追加されている場合には「+10」の加点を行ない、方法M32が追加されている場合には「+10」の加点を行なう。例えば、メモリ152は、形状についての設定として、「方法M31」、「方法M32」、「追加の方法無し」といった3つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する3つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B1を算出する。例えば、血管形状を取得するためにCT画像が使用されており、且つ、方法M31が追加されている場合、算出機能155bは、「信頼度B1=80+10=90」と算出する。
撮像条件に関わる信頼度B2の算出方法の一例を図10に示す。図10においては、医用画像として「CT」、「MR」、「IVUS」、「OCT」の4例を示す。即ち、同種の医用画像であっても撮像条件によって画質は変化し、医用画像に基づいて取得される形状の精度も変化する。従って、算出機能155bは、設定された撮像条件に基づいて、信頼度B2を算出することができる。
例えば、CT画像の場合、信頼度B2の算出に関わる撮像条件として、「装置」、「撮像時間」、「フィルタ」、「再構成間数」などが挙げられる。「装置」は、例えばメーカや型番などによる違いである。「撮像時間」については、一般的に、長くなるほど画質が向上する。但し、胸部のような動きのある部位については、短時間で撮像を完了した方が好ましい場合もある。「フィルタ」は、例えば、フィルタ補正逆投影(Filtered Back-Projection:FBP)によってCT画像を再構成する場合において、投影データの補正に使用するフィルタの種類である。「再構成間数」は、例えば、逐次近似再構成(Iterative Reconstruction:IR)によってCT画像を再構成する場合に使用するアルゴリズムの種類である。
例えば、メモリ152は、形状についての設定として、CT画像の収集時における撮像条件を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、「装置Q11」及び「装置Q12」の2つの設定を記憶し、設定機能155aは、これら2つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。また、メモリ152は、「撮像時間:>125msec」及び「撮像時間:≦125msec」の2つの設定を記憶し、設定機能155aは、これら2つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B2を算出する。例えば、解析条件として「装置Q11」及び「撮像時間:>125msec」が定められている場合、算出機能155bは、「信頼度B2=30+10=40」と算出する。また、算出機能155bは、「フィルタ」として所定のフィルタR1が使用される場合には「+5」の加点を行なう。また、算出機能155bは、「再構成間数」として所定の関数T1が使用される場合には「+1」の加点を行なう。
なお、図10はあくまで一例である。例えば、CT画像の場合、撮像時の線量(曝射量)が多いほど、SNR等の画質が改善する。そこで、算出機能155bは、線量が高いほど信頼度B2が高くなるように算出を行なってもよい。その他、例えば被検体の体厚や、撮像対象部位、ヘリカルスキャン/ノンヘリカルスキャンといった撮像方式、ヘリカルピッチなど、様々な撮像条件に応じてCT画像の画質は変化する。算出機能155bは、これらの撮像条件も考慮して、信頼度B2を算出してもよい。
また、MR画像の場合、信頼度B2の算出に関わる撮像条件として、「装置」、「撮像時間」、「静磁場」などが挙げられる。「装置」は、例えばメーカや型番などによる違いである。「撮像時間」については、一般的に、長くなるほど画質が向上する。但し、長い撮像時間は被検体の負担となるため、適切な長さの撮像時間が設定されることが好ましい。「静磁場」は、撮像に用いる磁場の強度であり、一般に磁場が強力であるほど画質は向上する。
例えば、メモリ152は、形状についての設定として、MR画像の収集時における撮像条件を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、「装置Q21」及び「装置Q22」の2つの設定を記憶し、設定機能155aは、これら2つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。また、メモリ152は、「撮像時間:>30min」及び「撮像時間:≦30min」の2つの設定を記憶し、設定機能155aは、これら2つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B2を算出する。例えば、解析条件として「装置Q21」及び「撮像時間:>30min」が定められている場合、算出機能155bは、「信頼度B2=30+10=40」と算出する。また、算出機能155bは、「静磁場」として「8T」以上の磁場が設定される場合には「+1」の加点を行なう。
また、IVUS画像及びOCT画像の場合、信頼度B2の算出に関わる撮像条件として、「装置」、「引き抜き速度」、「回転速度」などが挙げられる。「装置」は、例えばメーカや型番などによる違いである。「引き抜き速度」は、IVUSカテーテル又はOCTカテーテルが、血管の芯線に沿って移動する速度である。一般に、引き抜き速度が遅いほど画質は向上するが、撮像時間が長くなる。
「回転速度」は、IVUSカテーテル又はOCTカテーテルが、血管の芯線を回転軸として、回転する速度である。ここで、回転速度が過度に大きい場合には画質が低下する。一方で、回転速度が過度に小さい場合には、拍動等の影響で血管が動いてしまうため、特定時相における正しい血管形状を捉えられない場合がある。また、回転速度が低く、引き抜き速度が速い場合には、画像の空間分解能が低下する。従って、回転速度は、引き抜き速度に応じて適切な値が設定されることが好ましい。なお、引き抜き速度の値それぞれに対して、所定の回転速度を紐付けておくこととしても構わない。
例えば、メモリ152は、形状についての設定として、IVUS画像の収集時における撮像条件を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、「装置Q31」及び「装置Q32」の2つの設定を記憶し、設定機能155aは、これら2つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。また、メモリ152は、「引き抜き速度:<1.5mm/sec」及び「引き抜き速度:≧1.5mm/sec」の2つの設定を記憶し、設定機能155aは、これら2つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。また、メモリ152は、「回転速度:>20frames/sec」、「回転速度:<20frames/sec,≧10frames/sec」及び「回転速度:<10frames/sec」の3つの設定を記憶し、設定機能155aは、これら3つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B2を算出する。例えば、解析条件として「装置Q31」が定められており、引き抜き速度が「1.5mm/sec」より小さく、回転速度が「10frames/sec」より小さい場合、算出機能155bは、「信頼度B2=30+10+0=40」と算出する。
例えば、メモリ152は、形状についての設定として、OCT画像の収集時における撮像条件を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、「装置Q41」及び「装置Q42」の2つの設定を記憶し、設定機能155aは、これら2つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。また、メモリ152は、「引き抜き速度:<20mm/sec」及び「引き抜き速度:≧20mm/sec」の2つの設定を記憶し、設定機能155aは、これら2つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。また、メモリ152は、「回転速度:>100frames/sec」、「回転速度:<100frames/sec,≧50frames/sec」及び「回転速度:<50frames/sec」の3つの設定を記憶し、設定機能155aは、これら3つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B2を算出する。例えば、解析条件として「装置Q41」が定められており、引き抜き速度が「20mm/sec」より小さく、回転速度が「50frames/sec」より小さい場合、算出機能155bは、「信頼度B2=30+15+0=45」と算出する。
次に、血管の種類に関わる信頼度B3の算出方法について説明する。例えば、冠動脈の場合、図11Aに示すように、AHA分類に従って血管を分類することができる。また、血管の種類に応じて血管の太さや動きの大きさには傾向があり、血管形状を取得し易い血管及び血管形状を取得し難い血管が概ね決まっている。従って、算出機能155bは、設定された血管の種類に基づいて、信頼度B3を算出することができる。
なお、冠動脈の全体が解析対象とされる場合もあるが、一部の血管を選択して解析を実行する場合も多い。例えば、図11Aに示す「♯5(LMT)」など、狭窄が生じた場合に重い症状が生じる血管のみを選択して、解析を実行する場合がある。また、例えば、医用画像によって石灰化やプラークが確認されている血管のみを選択して、解析を実行する場合がある。また、例えば、過去の知見から動きが大きいことが予想される血管については除外して、解析を実行する場合がある。
血管の種類に関わる信頼度B3の算出方法の一例を図11Bに示す。例えば、メモリ152は、形状についての設定として、血管の種類を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図11Bに示すように、「#1」、「#2」、「#3」、「#4」、「#5」、「#6」、「#7」、「#8」、「#9」、「#10」、「#11」、「#12」、「#13」、「#14」、「#15」といった複数の設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する複数の設定から少なくともいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B3を算出する。
なお、解析条件として複数種類の血管が定められている場合、算出機能155bは、各種の血管に対して別個に信頼度を算出してもよいし、単一の信頼度を算出してもよい。例えば、解析条件として「#1」と「#2」とが定められている場合、算出機能155bは、「#1」についての信頼度B3と、「#2」についての信頼度B3とをそれぞれ算出する。或いは、解析条件として「#1」と「#2」とが定められている場合、算出機能155bは、「#1及び#2」についての信頼度B3のみを算出する。例えば、図11Bに示す場合、算出機能155bは、「#1及び#2」についての信頼度B3を、「信頼度B3=(10+20)/2=15」と算出する。
次に、血管形状に関わる信頼度B4の算出方法について説明する。一般に、血管が細いほど、血管形状を取得することは難しくなる。例えば、CT画像に基づいて冠動脈の形状を取得する場合において、CT画像の空間分解能に対して血管径が小さいほど、取得される血管形状の精度は低下する。特に、CT画像の空間分解能と同程度の太さの血管について、血管形状を取得することは困難である。以上より、算出機能155bは、設定された血管形状に基づいて、信頼度B4を算出することができる。
例えば、メモリ152は、形状についての設定として、血管形状を示すパラメータを複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図12に示すように、「血管形状:>30[mm]」、「血管形状:≦30[mm],>10[mm]」、「血管形状:≦10[mm],>2.5[mm]」、「血管形状:≦2.5[mm]」といった4つの設定を記憶する。即ち、メモリ152は、形状についての設定として、血管の太さの分類を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する複数の設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B4を算出する。
なお、血管の太さは位置によって異なるところ、算出機能155bは、血管の各位置について信頼度B4を算出してもよいし、各位置における血管の太さの平均値等に基づいて、血管全体に対して単一の信頼度B4を算出してもよい。また、算出機能155bは、血管の種類ごとに、信頼度B4を算出してもよい。また、分岐や湾曲の多い複雑な血管形状の場合にも、CT画像等に基づいて取得される血管形状の精度は低下する。そこで、算出機能155bは、血管の太さに加えて、分岐部の数や血管の曲率等を考慮して、信頼度B4を算出してもよい。
次に、血管内構造物に関わる信頼度B5の算出方法について説明する。血管内構造物は、血管内の石灰化やプラークといった非人工物、及び、血管内に留置されたステント等の人工物を含む。このような血管内構造物が血管内に存在している場合、取得される形状の精度が低下することが知られている。即ち、血管内構造物が存在することによって血管内の形状が複雑になり、正確な形状を取得することが難しくなる。また、CT画像に基づいて血管形状を取得する場合に撮像範囲に血管内構造物が含まれると、金属アーチファクトが生じることによって、取得される形状の精度が低下する場合がある。
例えば、メモリ152は、形状についての設定として、血管内構造物の有無や種類についての状態を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図13に示すように、「無し」、「石灰化」、「プラーク」、「人工物」といった4つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する4つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B5を算出する。
なお、プラーク等の血管内構造物が存在する場合において、血管内構造物は無いものとして血管形状を取得する方法と、血管内構造物の形状についても検出をする方法とが知られている。また、血管内構造物の形状を検出する場合、検出のためのアルゴリズムを実行する必要が生じる点で計算量は増加するものの、解析の精度は向上する。以下、血管内構造物の形状を検出する方法を、方法M41と記載する。方法M41が追加されている場合、算出機能155bは、例えば図13に示すように、「+10」の加点を行なってもよい。
また、算出機能155bは、信頼度B5を位置ごとに算出してもよい。例えば、算出機能155bは、血管内構造物近傍についての信頼度B5と、他の領域の信頼度B5とをそれぞれ算出してもよい。また、例えば、算出機能155bは、血管内構造物を画素ごとに算出してもよい。即ち、算出機能155bは、血管内構造物の位置とその種類を検出し、血管内構造物の種類に応じて、血管内構造物に関わる信頼度を位置ごとに算出することとしてもよい。
途中の計算結果に関わる信頼度B6の算出方法の一例を図14に示す。CFDによってWSS等の指標値を算出する際には、一般に、最終的な結果を求めるまでに繰り返し計算が行われる。ここで、最終的な結果が妥当な値となっていても、適切な解析結果とは限らない。即ち、適切な解析の結果として妥当な値が算出されたのではなく、偶然に妥当な値が算出された可能性がある。
適切な解析においては、繰り返しの計算において初期値が徐々に調整され、最終的な結果に収束する。従って、算出機能155bは、途中の計算結果を評価することにより、信頼度B6を算出することができる。
例えば、途中の計算結果は、CFDに関わる各種のパラメータを文献値と比較することで評価できる。例えば、まず、図11Aに示した#8の血管における血管圧力や血管硬さ、血流速、血管の動き等について、文献値の平均値を取得する。次に、途中の計算結果のうち文献値の平均値と最も差の大きい計算結果について、文献値の平均値に対する割合を算出する。そして、算出された割合が「100%」に近ければ、適切な解析が行なわれていると評価することができる。
例えば、メモリ152は、形状についての設定として、文献値の平均値に対する、途中の計算結果の割合を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図14に示すように、「文献値の平均値の500%以上」、「文献値の平均値の150%~500%」、「文献値の平均値の75%~150%」、「文献値の平均値の20%~75%」、「文献値の平均値の20%以下」といった5つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する5つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。例えば、設定機能155aは、WSSを算出するための解析が行なわれた後、当該解析の途中の計算結果を取得し、当該5つの設定のうちいずれに該当するかを判定して、判定の結果を解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B6を算出する。
なお、図14に示す場合において、算出機能155bは、血管圧力、血管硬さ、血流速及び血管の動きの各々について信頼度B6を算出してもよいし、単一の信頼度B6を算出してもよい。例えば、設定機能155aは、血管圧力、血管硬さ、血流速、血管の動きのうち文献値の平均値との差が最も大きかったパラメータを特定して解析条件を定め、算出機能155bは、当該パラメータについてのみ信頼度B6を算出してもよい。
形状取得方法に関わる信頼度B7の算出方法の一例を図15に示す。血管形状については、医用画像から血管をセグメンテーションすることによって取得する場合が多い。ここで、セグメンテーションの手法ごとに、取得される血管形状の精度は異なる。従って、算出機能155bは、設定されたセグメンテーションの手法に基づいて、信頼度B7を算出することができる。
セグメンテーションの手法の一例として、Pixel-wiseやモデルベースを挙げることができる。Pixel-wiseは、画像のピクセルごと又はボクセルごとに、当該ピクセル又はボクセルが血管であるか否かの分類を行なう手法である。モデルベースは、事前に血管の大まかな形状を表した3Dモデルを準備しておき、被検体から収集された医用画像に当てはめるように3Dモデルを変形することで、血管の3D形状を取得する手法である。
例えば、メモリ152は、形状についての設定として、セグメンテーションの手法を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図15に示すように、「Pixel-wise」、「モデルベース」といった2つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する2つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B7を算出する。
位相に関わる信頼度B8の算出方法の一例を図16に示す。呼吸や拍動といった周期的な動きの影響を受ける血管の形状を取得する場合、呼吸や拍動におけるどの位相の医用画像を用いるかによって、取得される血管形状の精度は変化する。例えば、冠動脈の形状を取得する場合において、心臓の収縮期よりも拡張期の方が動きは少ないことから、拡張期の画像を用いた方がより正確な血管形状を取得することができる。従って、算出機能155bは、血管形状の取得に用いる医用画像の収集時における位相に基づいて、信頼度B8を算出することができる。
なお、医用画像の種類によって、呼吸や拍動等の動きの影響の程度は異なる。具体的には、撮像時間が短いほど、動きの影響は小さくなる。また、心電同期等によって補正を行なうことができる場合には、動きの影響は軽減される。そこで、算出機能155bは、医用画像の種類を更に考慮して、信頼度B8を算出してもよい。
例えば、メモリ152は、形状についての設定として、呼吸や拍動といった周期的な動きの位相を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図16に示すように、「拡張期(CT)」、「収縮期(CT)」、「拡張期(IVUS)」、「収縮期(IVUS)」といった4つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する4つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B8を算出する。
なお、血管の位置によって、呼吸や拍動等の動きの影響の程度は異なる。そこで、算出機能155bは、血管の位置を考慮して、信頼度B8を算出してもよい。例えば、冠動脈の形状を取得する場合において、算出機能155bは、図11Aに示したように血管を分類し、当該分類に応じて信頼度B8を算出してもよい。
動きの大きさに関わる信頼度B9の算出方法の一例を図17に示す。呼吸や拍動といった周期的な動き、或いは、撮像時における被検体の体動等の影響によって、取得される血管形状の精度は変化する。そこで、算出機能155bは、血管形状の取得に用いる医用画像の収集時における動きの大きさに基づいて、信頼度B9を算出することができる。なお、動きの大きさの取得方法は特に限定されるものではない。例えば、経時的に撮像を行なって複数フレームの医用画像を取得し、フレーム間の比較を行なうことで、動きの大きさを取得することができる。また、血管の種類や位相ごとに、動きの大きさを事前に設定しておくこととしてもよい。
例えば、メモリ152は、形状についての設定として、血管の動きの大きさの設定を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図17に示すように、「<X1」、「≧X1,<X2」、「≧X2」といった3つの設定を記憶する。なお、X1及びX2は、動きの大きさについての所定の閾値である。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する3つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B9を算出する。なお、算出機能155bは、位置ごとに、信頼度B9を算出してもよい。例えば、算出機能155bは、「<X1」の領域、「≧X1,<X2」の領域、「≧X2」の領域をそれぞれ特定し、領域ごとに信頼度B9を算出してもよい。
アーチファクトに関する信頼度B10の算出方法の一例を図18に示す。例えば、医用画像に基づいて血管形状を取得する場合において、医用画像はアーチファクトを有している場合がある。例えば、撮像時に被検体の体動があることで、医用画像にモーションアーチファクトが生じる場合がある。また、例えば、CT画像の撮像時において、検出器の一部の検出素子に不具合が生じたり、特定の照射角度においてX線の出力に不具合が生じたりすることで、CT画像にアーチファクトが生じる場合がある。そして、このようなアーチファクトが生じることによって、取得される血管形状の精度が低下する場合がある。
例えば、メモリ152は、形状についての設定として、アーチファクトの有無や種類についての状態を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図18に示すように、「無し」及び「有り」2つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する2つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度B10を算出する。なお、アーチファクトの有無及び種類に応じて信頼度を割り当てる例を述べたがこれに限らず、更にアーチファクトが占める領域の大きさを算出し、その大きさが大きくなるほど信頼度が下がるように信頼度を算出してもよい。例えば、算出機能155bは、アーチファクトの種類及びアーチファクトの量の少なくとも一方を検出し、検出結果に基づいて、アーチファクトに関する信頼度B10を算出する。例えばCT画像を撮影する際に特定のビューでいずれかの検出器が信号検出をしなかった場合、CT画像中に筋状のストリークアーチファクトが現れることがある。ここで算出機能155bは、作成した血管形状メッシュに対応する領域の内側に発生しているストリークアーチファクト部分の体積を算出し、血管形状メッシュに対するアーチファクト部分の体積が大きいほど信頼度が下がるように信頼度B10を算出してもよい。信頼度を血管形状メッシュの各箇所について算出する場合は、血管形状メッシュ全体に対するストリークアーチファクト部分の体積ではなく、信頼度を算出しようとする血管形状メッシュのセグメント部分におけるストリークアーチファクト部分の体積を算出すればよい。
なお、アーチファクトについては、様々な補正方法が知られている。例えば、アーチファクトの種類ごとに、フィルタを用いた画像処理や、機械学習の手法によるノイズ除去等が実行可能である。補正によってアーチファクトを除去又は軽減できる場合には、血管形状の精度の向上が期待される。以下、アーチファクトに対する補正処理を、方法M51と記載する。方法M51が追加されている場合、算出機能155bは、例えば図18に示すように、信頼度B10について「+10」の加点を行なってもよい。また更に、アーチファクトの補正方法には種々の補正方法があるものの、画像処理により除去又は軽減できる度合いは、アーチファクトの種類によって異なる。例えば先述したストリークアーチファクトや、特定の検出器が全ビューにおいて検出信号を出力しない場合に発生するリングアーチファクトのような装置由来のアーチファクトについては、CT画像内に幾何学的なパターンで発生するため画像処理による補正が確度良く行える。一方で、撮影中に被検体が予期せぬ方向に動いた、痙攣した、不整脈を生じたなどの想定外の動きにより発生したモーションアーチファクトは、「動きが無かった」場合にどのような位置にあったかを推定することはできてもそれが真値とは限らないため、補正を行ったとしてもその補正の確度は完全ではない。このように、補正を施すアーチファクトの種類によって加点の幅を変更することも可能である。
計算条件の信頼度の場合と同様、算出機能155bは、信頼度B1~B10に基づいて、形状の信頼度を算出する。形状の信頼度は、血管領域の全体に対して算出された単一の値であってもよいし、血管の種類ごとに算出された値であってもよいし、位置ごと(例えば画素ごと)に算出された値であってもよい。
次に、信頼度C1~C4に基づく性状の信頼度について説明する。なお、性状とは、例えば、血管やその周辺組織の物性や状態などである。まず、画像の種類に関わる信頼度C1の算出方法について説明する。
血管の性状は、例えば、CT画像やMR画像、X線アンギオ画像、IVUS画像、OCT画像、ICE画像といった医用画像から取得することができる。また、性状は、カルテに含まれる情報や、パフュージョン画像のような解析画像から取得することもできる。
例えば、CT画像における輝度値に基づいて血管内の石灰化やプラークの分布を取得し、所定の性状を割り当てることができる。一例を挙げると、石灰化やプラークの位置に対しては、文献値に基づく所定の硬さを割り当てることができる。また、光子計数(Photon counting)型の撮影や、デュアルエナジーでの撮影を行なった場合には、物質弁別の処理によって成分の分布を取得し、各位置の性状を推定することもできる。
また、石灰化やプラークの成分を評価し、成分に応じた性状を割り当てることも可能である。例えば、IVUS画像やOCT画像によれば、プラークの中でも脂質リッチの領域を特定し、脂質の量に応じた性状を割り当てることができる。また、IVUS画像やOCT画像によれば、組織の異方性を評価することもできる。その他、体積圧縮率や粘性、摩擦係数、炎症、表面粗さ等を評価することもできる。
また、MR画像によれば、瘢痕(scar)領域を計測することができる。例えば、心筋において、scar領域は、他の正常組織と比較して変形しにくいことが知られている。従って、MR画像に基づいてscar領域を特定することにより、性状を取得することができる。
なお、医用画像に基づいて性状を取得することができないケースも想定される。かかる場合には、性状として文献値を利用したり、ガウス推定法等の統計学的モデルに基づいて性状を推定したりすることができる。
画像の種類に関わる信頼度C1の算出方法の一例を図19に示す。例えば、メモリ152は、性状についての設定として、性状の取得方法を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図19に示すように、「CT」、「Photon counting CT(PCCT)」、「MRI」、「IVUS」、「OCT」、「X線アンギオ装置」、「文献値」、「ガウス推定法」といった8つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する8つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度C1を算出する。
なお、対象患者の医用画像は収集されていないものの、似た症例を有する別の患者の医用画像を利用できる場合がある。かかる場合には、当該別の患者の医用画像に基づく性状を流用することが考えられる。但し、あくまでも別の患者の情報であるため、算出機能155bは、別の患者の医用画像に基づく性状を流用する場合、対象患者の医用画像に基づいて性状を取得する場合と比較して、信頼度C1について減点を行なってもよい。
また、複数の医用画像を使用して、性状を取得する方法が考えられる。例えば、LADの血管にIVUSカテーテルを挿入して撮像を行なっていた場合、LADの性状はIVUS画像に基づいて取得し、他の血管の性状はCT画像に基づいて取得することが考えられる。また、例えば、時系列のCT画像を撮像していた場合において、領域ごとに最も動きが小さくなるCT画像を特定し、各CT画像から各領域の性状を取得することが考えられる。一例を挙げると、図11Aに示した#8の血管については心位相77%のCT画像から性状を取得し、他の血管については心位相99%のCT画像から性状を取得することが考えられる。このような方法が追加されている場合、算出機能155bは、信頼度C1について加点を行なってもよい。
撮像条件に関わる信頼度C2の算出方法の一例を図20に示す。図20においては、医用画像として「CT」、「MR」、「IVUS」、「OCT」の4例を示す。即ち、同種の医用画像であっても撮像条件によって画質は変化し、医用画像に基づいて取得される性状の精度も変化する。従って、算出機能155bは、設定された撮像条件に基づいて、信頼度C2を算出することができる。
例えば、CT画像やMR画像の場合、信頼度C2の算出に関わる撮像条件として、「装置」、「撮像時間」などが挙げられる。また、「フィルタ」として所定のフィルタR1が使用される場合や、「静磁場」として「8T」以上の磁場が設定される場合等に加点を行なうこととしてもよい。また、通常のCT画像の場合と比較し、光子計数型の撮影や、デュアルエナジーでの撮影を行なった場合には、性状に関する追加の情報を得ることができる。従って、例えば検出器として「PCCT」を用いている場合には加点を行なうこととしてもよい。
また、IVUS画像及びOCT画像の場合、信頼度C2の算出に関わる撮像条件として、「装置」、「引き抜き速度」、「回転速度」などが挙げられる。なお、IVUS画像及びOCT画像の場合、通常のCT画像の場合と比較して、血管内部の性状に関する詳細な情報を得ることができる。このような画像の種類による違いを考慮して、例えばIVUS画像及びOCT画像の場合には信頼度C2を高めに算出するよう調整してもよい。
血管の種類に関わる信頼度C3の算出方法の一例を図21に示す。例えば、メモリ152は、性状についての設定として血管の種類を複数記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する複数の設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度C3を算出する。
位相に関わる信頼度C4の算出方法の一例を図22に示す。例えば、メモリ152は、性状についての設定として、呼吸や拍動といった周期的な動きの位相を複数記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する複数の設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度C4を算出する。
なお、血管の各位置について性状を取得するためには、血管の形状が取得できていることが前提となる。従って、血管の形状を取得しにくい血管については、性状を取得することはより難しい場合が多い。このような違いを考慮し、信頼度C3や信頼度C4を算出する際には、例えば図11Bや図16の場合と比較して、血管の種類や位相の違いによる変化をより大きくすることとしてもよい。
計算条件の信頼度及び形状の信頼度の場合と同様、算出機能155bは、信頼度C1~C4に基づいて、性状の信頼度を算出する。性状の信頼度は、血管領域の全体に対して算出された単一の値であってもよいし、血管の種類ごとに算出された値であってもよいし、位置ごと(例えば画素ごと)に算出された値であってもよい。
次に、信頼度D1~D4に基づく流体の信頼度について説明する。なお、流体とは、例えば、血管内における血液の流速や圧力などの流体情報である。CFDにおいて流体情報が利用できる場合、計算領域の境界に対する流体条件(境界条件)として流体情報を用いて、より精度良く解析を実行することができる。その他の流体情報の例としては、血液の粘性やレイノルズ数、ヘマトクリット値、FFR、WSS、血糖値、温度などが挙げられる。
流体情報は、例えば、IVUS画像、OCT画像、MR画像、PET画像、SPECT画像、ICE画像、X線アンギオ画像、デュアルエナジーや光子計数型検出器によるCT画像、超音波ドプラ画像といった医用画像から取得することができる。また、流体情報は、カルテに含まれる画像や、パフュージョン画像のような解析画像から取得することもできる。また、流体情報は、被検体の血液検査によって取得することもできる。
或いは、流体情報として文献値を利用したり、ガウス推定法等の統計学的モデルに基づいて流体情報を推定することもできる。或いは、似た症例を有する別の患者から取得された流体情報を流用したり、ランダムな値を設定したりすることもできる。更に、解析結果に基づいて流体情報を再調整し、妥当な解析結果が得られるまで処理を繰り返すことも考えられる。
画像の種類に関わる信頼度D1の算出方法の一例を図23に示す。例えば、メモリ152は、流体についての設定として、流体の取得方法を複数記憶する。一例を挙げると、メモリ152は、図23に示すように、「Photon counting CT(PCCT)」、「MRI」、「IVUS」、「OCT」、「X線アンギオ装置」、「文献値」、「ガウス推定法」、「血液検査」といった8つの設定を記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する8つの設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度D1を算出する。
撮像条件に関わる信頼度D2の算出方法の一例を図24に示す。図24においては、医用画像として「MR」、「IVUS」、「OCT」の3例を示す。即ち、同種の医用画像であっても撮像条件によって画質は変化し、医用画像に基づいて取得される流体の精度も変化する。従って、算出機能155bは、設定された撮像条件に基づいて、信頼度D2を算出することができる。
なお、粘性等の血液自体の情報については、血液検査によって取得するのが最も直接的である。これに対し、図24は、画像に基づいて流体情報を取得することを前提としての評価であるため、信頼度D2は低めに算出することとしてもよい。或いは、血液検査における検査条件の欄を設け、血液検査が実施される場合には検査条件に応じて信頼度D2を算出してもよい。
血管の種類に関わる信頼度C4の算出方法の一例を図25に示す。例えば、メモリ152は、流体についての設定として血管の種類を複数記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する複数の設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度D3を算出する。
位相に関わる信頼度D4の算出方法の一例を図26に示す。例えば、メモリ152は、性状についての設定として、呼吸や拍動といった周期的な動きの位相を複数記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する複数の設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。そして、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件に基づいて、信頼度D4を算出する。
計算条件の信頼度、形状の信頼度及び性状の信頼度の場合と同様、算出機能155bは、信頼度D1~D4に基づいて、性状の信頼度を算出する。流体の信頼度は、血管領域の全体に対して算出された単一の値であってもよいし、血管の種類ごとに算出された値であってもよいし、位置ごと(例えば画素ごと)に算出された値であってもよい。
上述したように、メモリ152は、計算条件、形状、性状及び流体それぞれについての設定を複数記憶する。また、設定機能155aは、メモリ152が記憶する複数の設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。また、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件の下で、WSSを算出する。また、算出機能155bは、計算条件の信頼度、形状の信頼度、性状の信頼度及び流体の信頼度を算出し、これら各種の信頼度に基づいて、設定機能155aによって定められた解析条件の下で算出されるWSSについての信頼度を算出する。
例えば、算出機能155bは、計算条件の信頼度、形状の信頼度、性状の信頼度及び流体の信頼度のそれぞれを「0~100」の数値範囲の中で算出し、これら各種の信頼度の平均を、WSSについての信頼度として算出する。また、算出機能155bは、重み付き平均(加重平均)を、WSSについての信頼度として算出してもよい。例えば、計算条件の信頼度の影響が他より大きい場合、算出機能155bは、計算条件の信頼度に大きな重みを付して算出した平均値を、WSSについての信頼度とする。WSSについての信頼度は、血管領域の全体に対して算出された単一の値であってもよいし、血管の種類ごとに算出された値であってもよいし、位置ごと(例えば画素ごと)に算出された値であってもよい。
算出機能155bが算出した信頼度は、出力機能155cによって出力され、ユーザに提供される。例えば、出力機能155cは、WSSの表示を行なうとともに、WSSに対応付けてその信頼度を表示させる。例えば、出力機能155cは、3次元画像の各位置にWSSの値を割り当てた表示画像を表示させるとともに、信頼度を示す数値を表示させる。また、例えば、出力機能155cは、3次元画像の各位置にWSSの値を割り当てた表示画像を表示させるとともに、3次元画像の各位置に信頼度の値を割り当てた表示画像を表示させる。或いは、出力機能155cは、算出機能155bが算出した信頼度を、医用情報表示装置140等の外部装置に送信してもよい。この場合、当該外部装置において信頼度の表示が行われ、ユーザに提供される。
WSS及び信頼度の提示を受けたユーザは、これらの情報を参考に、診断や治療計画の策定等を行なうことができる。例えば、WSSによれば、冠動脈疾患が悪化するかどうかを非侵襲的に判断し、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)等の治療が必要か否かを判断することもできる。
但し、血管内の状態は直接視認できるようなものではなく、解析結果であるWSSがどの程度信頼できるものなのか、通常はユーザには判断できない。また、解析に用いる情報は医用画像から収集できるが、医用画像自体にも、分解能の限界やアーチファクト等による誤差が含まれている。また、解析に必要な全ての情報を収集できるとは限らず、文献値や仮定を基に解析を行なわなければならない場合も多い。その他にも、解析の精度は様々な事情によって変動する。そして、WSSの提示を受けても、その信頼度が不明であれば、判断の根拠として利用することは難しい。
これに対し、第1の実施形態に係る医用情報処理装置150によれば、ユーザは、WSSと共に、その信頼度を参照することができる。例えば、被検体の冠動脈疾患が悪化することをWSSの値が示しており、且つ、その信頼度が高い場合、ユーザは、PCI等の治療が必要であると判断することができる。一方、信頼度が低い場合、ユーザは、例えば、より信頼度の高いWSSをもって適切な判断を行なうため、追加の画像収集や血液検査等が必要であると判断することができる。このように、医用情報処理装置150は、信頼度を算出してユーザに提供することで、WSSをユーザにとってより利用し易いものとすることができる。
なお、計算条件、形状、性状及び流体それぞれについての設定が複数記憶される場合について説明したが、メモリ152は、計算条件、形状、性状及び流体の一部についての設定を、1つのみ記憶することとしてもよい。例えば、メッシュの大きさ、メッシュの形状、メッシュの品質、時間分解能、計算モデルといった計算条件を固定値としてもよい。言い換えると、メモリ152は、計算条件についての設定を1つのみ記憶してもよい。この場合、設定機能155aは、メモリ152に記憶されている設定を読み出し、解析条件として定めることができる。形状、性状及び流体についての設定も同様である。
また、信頼度A1~A5に基づいて計算条件の信頼度を算出する場合について説明したが、算出機能155bは、信頼度A1~A5のうち一部の使用を適宜省略して、計算条件の信頼度を算出してもよい。言い換えると、算出機能155bは、信頼度A1~A5のうち少なくともいずれかに基づいて、計算条件の信頼度を算出する。形状の信頼度、性状の信頼度及び流体の信頼度についても同様である。
また、計算条件の信頼度、形状の信頼度、性状の信頼度及び流体の信頼度に基づいてWSSの信頼度(合計の信頼度)を算出する場合について説明したが、算出機能155bは、計算条件の信頼度、形状の信頼度、性状の信頼度及び流体の信頼度のうち一部の使用を適宜省略して、WSSの信頼度を算出してもよい。言い換えると、算出機能155bは、計算条件の信頼度、形状の信頼度、性状の信頼度及び流体の信頼度のうち少なくともいずれかに基づいて、WSSの信頼度を算出する。
また、計算条件の信頼度、形状の信頼度、性状の信頼度及び流体の信頼度のうち少なくともいずれかに基づいてWSSの信頼度を算出する場合について説明したが、算出機能155bは、他のデータを更に用いてWSSの信頼度を算出してもよい。
例えば、メモリ152は、更に、患者情報を記憶する。患者情報とは、例えば、被検体の年齢や身長、体重、地域、人種といった各種の情報である。このような患者情報は、例えば、各部門システム130から取得することができる。また、算出機能155bは、計算条件、形状、性状及び流体の設定から少なくともいずれかを選び出して、解析条件として定める。また、算出機能155bは、定めた解析条件と、被検体の患者情報とに基づいて、信頼度を算出する。
例えば、信頼度の算出においては、上述した通り、文献値が用いられる場合がある。例えば、図23に示した通り、被検体について血液検査や画像収集が行なわれていない場合、流体情報として文献値を利用する場合がある。しかしながら、文献値の信頼度は一定ではなく、被検体ごとに変化する。具体的には、被検体が属する母集団が大きいほど、文献値の信頼度は向上する。例えば、脳梗塞等の疾患は、年齢の上昇に応じて罹患率が上昇する。このため、年齢の上昇に応じて、血液検査や画像収集が行なわれる割合も増加する。従って、被検体の年齢が高いほど、文献値の信頼度も向上すると言える。
そこで、算出機能155bは、被検体の患者情報に基づいて信頼度を補正してもよい。例えば、算出機能155bは、まず、上述した通り、計算条件の信頼度、形状の信頼度、性状の信頼度及び流体の信頼度のうち少なくともいずれかに基づいて、WSSの信頼度を算出する。そして、算出機能155bは、算出したWSSの信頼度を、被検体の患者情報に基づいて補正する。例えば、算出機能155bは、算出したWSSの信頼度を、被検体の年齢に応じて増減させたり、所定の係数を乗じたりする。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、例えば図2に示したように、WSSと信頼度との双方を算出して表示する場合について説明した。これに対して、第2の実施形態では、まず信頼度を算出し、信頼度に基づいてWSSを算出する場合について説明する。なお、第2の実施形態では、WSSのみ表示を行ない、信頼度については表示しないこととしてもよい。以下、第1の実施形態において説明した点については同一の符号を付して、説明を省略する。
第2の実施形態に係る処理の一例について、図27を用いて説明する。図27は、第2の実施形態に係る医用情報処理装置150の処理回路155が有する各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、算出機能155bは、解析に用いる各種のデータを取得する(ステップS201)。例えば、算出機能155bは、NWインタフェース151を介して、X線CT装置110又は医用画像保管装置120から、被検体の冠動脈CT画像を取得する。
次に、算出機能155bは、他の解析結果の有無を判定する(ステップS202)。ここで、他の解析結果とは、被検体に関する解析結果であって、後述するステップS208で算出されるWSSとは異なる解析結果である。例えば、過去に被検体についての解析が行なわれていた場合、算出機能155bは、他の解析結果があると判定する(ステップS202肯定)。他の解析結果は、例えば医用画像保管装置120や各部門システム130において保管される。また、算出機能155bは、NWインタフェース151を介して他の解析結果を取得し、計算対象としない領域を設定する(ステップS203)。
例えば、WSSは、冠動脈の潅流機能が落ちているか否かを判断するために使用される。従って、冠動脈の潅流機能が落ちていないことが明らかな領域について、WSSを計算する必要性は低い。そこで、算出機能155bは、例えば他の解析結果として、過去に実施されたCTパフュージョンの結果を取得し、潅流機能が落ちていない領域については計算対象から除外する。具体的には、算出機能155bは、パフュージョン画像に基づいて心筋に供給される血液の量(又は造影剤の量)の分布を取得し、閾値を上回る領域については疾患が無いものとして、計算対象から除外する。
或いは、算出機能155bは、ステップS203において、計算対象の領域を設定するようにしてもよい。例えば、算出機能155bは、疾患がありそうな領域のみを計算対象の領域として設定する。一例を挙げると、算出機能155bは、他の解析結果として、過去に収集された医用画像に基づいて特定された石灰化やプラークのある領域を取得し、当該領域を、計算対象の領域として設定する。また、例えば、算出機能155bは、WSSが高くなりそうな領域のみを計算対象の領域として設定する。一例を挙げると、算出機能155bは、他の解析結果として、血流速度や血管径、血管径の変化量等を取得する。そして、算出機能155bは、血流速度が大きい領域や、血管が細い領域、血管径変化が大きい領域等を、計算対象の領域として設定する。なお、他の解析結果が無い場合(ステップS202否定)、ステップS203は省略される。
次に、設定機能155aは、解析条件を設定する(ステップS204)。例えば、メモリ152は、計算条件、形状、性状及び流体のうち少なくともいずれかについての設定を複数記憶し、設定機能155aは、メモリ152が記憶する複数の設定からいずれかを選び出して、解析条件として定める。
次に、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件の下で算出されるWSSについての信頼度を算出する(ステップS205)。なお、算出機能155bは、解析条件が定められていれば、実際にWSSが算出されていなくても、その解析条件の下で算出されるWSSについて信頼度を算出することが可能である。但し、途中の計算結果に関わる信頼度B6等、WSSを算出した後でないと算出できない項目もある。このような項目については、算出機能155bは、WSSの算出において適宜省略することとして構わない。また、ステップS203において計算対象としない領域を設定した場合、算出機能155bは、当該領域については信頼度の算出を省略することができる。
次に、算出機能155bは、算出した信頼度が閾値以上か否かを判定する(ステップS206)。ここで、信頼度が閾値よりも低い場合(ステップS206否定)、算出機能155bは、計算対象としない領域を設定する(ステップS207)。即ち、信頼度の低いWSSを算出しても用途は限られるため、算出機能155bは、信頼度が低い領域についてはWSSの計算対象から除外する。例えば、算出機能155bは、冠動脈における主要3肢のそれぞれについて信頼度を算出し、信頼度が閾値を上回った血管のみを、WSSを計算する対象領域として設定する。なお、全ての血管において信頼度が閾値を上回る場合(ステップS206肯定)、ステップS207は省略される。
次に、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件の下で解析を実行し、WSSを算出する(ステップS208)。なお、ステップS203又はステップS207において計算対象としない領域を設定した場合、算出機能155bは、当該領域についてはWSSの算出を省略することができる。そして、出力機能155cは、算出されたWSS及び信頼度をディスプレイ154に表示させる(ステップS209)。
第2の実施形態に係る処理について、図28を用いて別の例を説明する。図28は、第2の実施形態に係る医用情報処理装置150の処理回路155が有する各処理機能によって行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、算出機能155bは、解析に用いる各種のデータを取得する(ステップS301)。例えば、算出機能155bは、NWインタフェース151を介して、X線CT装置110又は医用画像保管装置120から、被検体の冠動脈CT画像を取得する。次に、算出機能155bは、他の解析結果の有無を判定する(ステップS302)。他の解析結果がある場合(ステップS302肯定)、算出機能155bは、他の解析結果に基づいて計算対象としない領域を設定する(ステップS303)。なお、他の解析結果が無い場合(ステップS302否定)、ステップS303は省略される。次に、設定機能155aは、解析条件を設定する(ステップS304)。また、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件の下で算出されるWSSについての信頼度を算出する(ステップS305)。
次に、設定機能155aは、算出した信頼度が閾値以上か否かを判定する(ステップS306)。ここで、信頼度が閾値よりも低い場合(ステップS306否定)、設定機能155aは、解析条件を再設定する(ステップS307)。具体的には、設定機能155aは、信頼度が上昇するように、解析条件を再度定める。
例えば、設定機能155aは、CT画像に基づいて形状等を取得していた場合に、より高線量のCT画像や、IVUS画像等の別種の医用画像に設定を変更することで、算出される信頼度を上昇させることができる。ここで、出力機能155cは、より高線量のCT画像や別種の医用画像の収集を行なうことをユーザに提案したり、検査オーダの発行を行なったりしてもよい。
また、例えば、設定機能155aは、メッシュを細かくしたり、メッシュの形状を変更したり、メッシュの品質を1次メッシュから2次メッシュに変更したり、より複雑な計算モデルに変更したりすることで、算出される信頼度を上昇させることができる。このように、信頼度に応じて設定を順次調整していくことで、必要な精度を担保しつつ計算時間の短縮を図ることができる。
なお、信頼度が上昇するように解析条件を再設定すると、解析における計算量が増加する場合が多い。例えば、計算モデルの選択においては、通常、計算精度と計算時間とがトレードオフとなる。また、撮像時間や被ばく量等の観点から、広範囲の医用画像を収集することは被検体の負担が大きい。そこで、設定機能155aは、一部の領域についてのみ、信頼度が上昇するように解析条件を再設定してもよい。例えば、設定機能155aは、狭窄が生じた場合に重い症状が生じる血管や、症例数の多い領域など、特定の血管や領域についてのみ、解析条件を再設定することとしてもよい。
解析条件が再設定された後、算出機能155bは、再設定された解析条件の下で算出されるWSSについて、信頼度を再算出する。また、算出された信頼度が閾値を上回る場合には(ステップS306肯定)、算出機能155bは、最後に設定された解析条件の下で、WSSを算出する(ステップS308)。なお、ステップS303において計算対象としない領域を設定した場合、算出機能155bは、当該領域についてはWSSの算出を省略することができる。そして、出力機能155cは、算出されたWSS及び信頼度をディスプレイ154に表示させる(ステップS309)。
なお、ステップS209及びステップS309において、出力機能155cは、算出機能155bが算出した信頼度を医用情報表示装置140等の外部装置に送信してもよい。この場合、当該外部装置において信頼度の表示が行われ、ユーザに提供される。また、例えばステップS202及びステップS203等、図27に示す処理の一部は適宜省略することができる。同様に、例えばステップS302及びステップS303等、図28に示す処理の一部は適宜省略することができる。
また、ステップS209及びステップS309において、出力機能155cは、信頼度の表示を省略し、WSSのみ表示することとしてもよい。図27に示す場合、ステップS206及びステップS207の処理によって、信頼度が閾値を上回る領域についてのみWSSが算出されている。また、図28に示す場合、ステップS306及びステップS307の処理によって、信頼度が閾値を上回るように、解析条件が再設定されている。即ち、図27及び図28に示す場合に算出されるWSSは、信頼度が担保されている。従って、ユーザとしては、信頼度の表示が行なわれなくても、WSSを信頼して利用することができる。即ち、第2の実施形態に係る医用情報処理装置150は、信頼度の表示を行なうか否かに関わらず、WSSをユーザにとってより利用し易いものとすることができる。
(他の実施形態)
上述した実施形態では、WSSや信頼度を医用情報処理装置150が算出する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、サーバークライアント型のコンピュータ構成をとることにより、一部の計算をサーバ側で実施してもよい。例えば、WSSを算出するための流体シミュレーション等、計算量の多い処理はサーバ側で実施し、他の処理はクライアント側で実施してもよい。
なお、血管の構造情報は、構造ごとに同じ値を設定して、座標と対応付けたデータを送信することで、データ圧縮によりデータサイズを極めて小さくすることができる。例えば、構造を血管壁と血管壁以外の2種類とした場合、構造を0か1の2値で表現することができる。同様に、構造が10種の場合には、0~9の10値を用いて構造を表現することができる。なお、このように計算に必要なデータのみをサーバ側とクライアント側で通信することにより、転送速度やサーバ側での計算コストを削減することができる。また、ユーザの指示に基づいてサーバ側で計算する血管枝を特定し、当該血管枝のみのWSSを算出するように構成してもよい。
また、上述した実施形態では、血流に関する指標値としてWSSについて説明したが、他の指標値についても同様に適用が可能である。例えば、算出機能155bは、設定機能155aによって定められた解析条件の下で算出されるFFR(Fractional Flow Reserve、冠血流脳予備能比)、iFR(Instantaneous wave-Free Ratio)、血流量、血圧、これら指標値の時間変化、またはこれら指標値同士を組み合わせた指標値、血流に関する指標値と血管の幾何学形状の指標値を組み合わせた指標値、血流に関する指標値と血流を供給する対象組織の機能指標を組み合わせることによって得られる指標値など、他の指標値についての信頼度を算出することもでき、それら指標値についても同様に上述した実施形態を適用することができる。
また、上述した実施形態では、血流に関する指標値を医用情報処理装置150が算出するものとして説明したが、血流に関する指標値については、他の装置において算出されることとしても構わない。例えば、出力機能155cは、他の装置において算出されたWSSをNWインタフェース151を介して取得し、算出機能155bが算出した信頼度と対応付けて、ディスプレイ154に表示させることができる。
また、上述した実施形態では、本明細書における設定部、算出部及び出力部を、それぞれ、処理回路の設定機能、算出機能及び出力機能によって実現する場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、本明細書における設定部、算出部及び出力部は、実施形態で述べた設定機能、算出機能及び出力機能によって実現する他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって同機能を実現するものであっても構わない。
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
また、図1においては、単一のメモリ152が処理回路155の各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、複数のメモリ152を分散して配置し、処理回路155は、個別のメモリ152から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。また、メモリ152にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
例えば、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。なお、このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各処理機能を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
また、上述した実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、血流に関する指標値を利用し易くすることができる。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 医用情報処理システム
110 X線CT装置
120 医用画像保管装置
130 各部門システム
140 医用情報表示装置
150 医用情報処理装置
151 NWインタフェース
152 メモリ
153 入力インタフェース
154 ディスプレイ
155 処理回路
155a 設定機能
155b 算出機能
155c 出力機能

Claims (22)

  1. 計算条件、形状、性状及び流体のうち少なくともいずれかについての設定を複数記憶する記憶部と、
    複数の前記設定から少なくともいずれかを選び出して、解析条件として定める設定部と、
    前記解析条件の下で算出される血流に関する指標値について、信頼度を算出する算出部と
    を備える、医用情報処理装置。
  2. 前記算出部は、更に、前記解析条件の下で前記指標値を算出する、請求項1に記載の医用情報処理装置。
  3. 前記信頼度の出力を行なう出力部を更に備える、請求項1又は2に記載の医用情報処理装置。
  4. 前記出力部は、前記指標値に対応付けて前記信頼度を表示させる、請求項3に記載の医用情報処理装置。
  5. 前記算出部は、前記信頼度に基づいて設定された対象領域について、前記指標値を算出する、請求項1~4のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
  6. 前記算出部は、前記指標値とは異なる解析結果に基づいて対象領域を定め、当該対象領域について前記指標値を算出する、請求項1~4のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
  7. 前記設定部は、前記信頼度に基づいて前記解析条件を再度定め、
    前記算出部は、前記設定部によって再度定められた前記解析条件の下で前記指標値を算出する、請求項1~6のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
  8. 前記設定部は、前記信頼度が上昇するように、前記解析条件を再度定める、請求項7に記載の医用情報処理装置。
  9. 前記算出部は、前記解析条件に基づいて、計算条件に関する第1信頼度、形状に関する第2信頼度、性状に関する第3信頼度及び流体に関する第4信頼度のうち少なくともいずれかを算出し、前記第1信頼度、前記第2信頼度、前記第3信頼度及び前記第4信頼度のうち少なくともいずれかに基づいて、前記指標値についての前記信頼度を算出する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
  10. 前記算出部は、メッシュの大きさに関わる信頼度、メッシュの形状に関わる信頼度、メッシュの品質に関わる信頼度、時間分解能に関わる信頼度、及び、計算モデルに関わる信頼度のうち少なくとも1つに基づいて、前記第1信頼度を算出する、請求項9に記載の医用情報処理装置。
  11. 前記算出部は、血管形状及び血液の流体情報の少なくとも一方に基づいて乱流が発生しやすい領域を検出し、検出結果に基づいて、メッシュの大きさに関わる信頼度、メッシュの形状に関わる信頼度、及び、メッシュの品質に関わる信頼度のうち少なくとも1つを算出する、請求項10に記載の医用情報処理装置。
  12. 前記算出部は、時系列の医用画像に基づいて動きが大きい領域を検出し、検出結果に基づいて、メッシュの大きさに関わる信頼度、メッシュの形状に関わる信頼度、及び、メッシュの品質に関わる信頼度のうち少なくとも1つを算出する、請求項10に記載の医用情報処理装置。
  13. 前記算出部は、境界条件の種類に基づいて、前記計算モデルに関わる信頼度を算出する、請求項10に記載の医用情報処理装置。
  14. 前記境界条件の種類には、被検体の画像から得られる情報をもとに更に計算を行なって得られる種類の条件が含まれる、請求項13に記載の医用情報処理装置。
  15. 前記算出部は、画像の種類に関わる信頼度、撮像条件に関わる信頼度、血管の種類に関わる信頼度、血管形状に関わる信頼度、血管内構造物に関わる信頼度、アーチファクトに関する信頼度、途中の計算結果に関わる信頼度、形状取得方法に関わる信頼度、位相に関わる信頼度、動きの大きさに関わる信頼度のうち少なくとも1つに基づいて、前記第2信頼度を算出する、請求項9~14のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
  16. 前記算出部は、血管内構造物の位置とその種類を検出し、血管内構造物の種類に応じて、血管内構造物に関わる信頼度を位置ごとに算出する、請求項15に記載の医用情報処理装置。
  17. 前記算出部は、アーチファクトの種類及びアーチファクトの量の少なくとも一方を検出し、検出結果に基づいて、前記アーチファクトに関する信頼度を算出する、請求項15に記載の医用情報処理装置。
  18. 前記算出部は、画像の種類に関わる信頼度、撮像条件に関わる信頼度、血管の種類に関わる信頼度、及び、位相に関わる信頼度のうち少なくとも1つに基づいて、前記第3信頼度を算出する、請求項9~17のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
  19. 前記算出部は、画像の種類に関わる信頼度、撮像条件に関わる信頼度、血管の種類に関わる信頼度、及び、位相に関わる信頼度のうち少なくとも1つに基づいて、前記第4信頼度を算出する、請求項9~18のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
  20. 前記記憶部は、更に、患者情報を記憶し、
    前記算出部は、前記解析条件と前記患者情報とに基づいて、前記信頼度を算出する、請求項1~19のいずれか一項に記載の医用情報処理装置。
  21. 計算条件、形状、性状及び流体のうち少なくともいずれかについての設定を複数記憶する記憶部と、
    複数の前記設定から少なくともいずれかを選び出して、解析条件として定める設定部と、
    前記解析条件の下で算出される血流に関する指標値について、信頼度を算出する算出部と
    を備える、医用情報処理システム。
  22. 計算条件、形状、性状及び流体のうち少なくともいずれかについての複数の設定から少なくともいずれかを選び出して、解析条件として定め、
    前記解析条件の下で算出される血流に関する指標値について、信頼度を算出する
    ことを含む、医用情報処理方法。
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