JP2022074699A - リキッドインキ組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
そして、これらのウレタン樹脂、又はウレタンウレア樹脂は各々の特性を持たせるべく、種々の反応原料を用いて製造される。
例えば、ポリエチレングリコール(以下、PEGという)含有ポリウレタン樹脂及び塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を成分とする印刷インキ用バインダーであって、前記PEG含有ポリウレタン樹脂が、少なくとも(A)数平均分子量1000~6000のポリエステルポリオールと、(B)PEGと、(C)ジイソシアネート化合物と、(D)鎖伸長剤とを反応させて得られるものであり、(B)PEGの含有比率が、PEG含有ポリウレタン樹脂100質量部に対して、1~40質量部の範囲である印刷インキ用バインダーが例示されている(例えば、特許文献1)。
また、(A)数平均分子量2000~10000のポリエステルポリオール、(B)有機ジイソシアネート、及び(C)鎖伸長剤を反応させて得られるポリウレタン樹脂において、(A)が(a)グリコールと(b)二塩基酸を反応させて得られるポリエステルポリオールであり、(a)グリコールの少なくとも25質量%が、分子内にエーテル結合を有するグリコールである印刷インキ用バインダーが例示されている(例えば、特許文献2)。
更に、バインダー樹脂、着色剤および芳香族有機溶剤以外の有機溶剤を主成分とする軟包装用ラミネート用インキ組成物において、該バインダー樹脂として、ポリプロピレングリコール(以下PPG)含有ポリウレタン樹脂および水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を必須成分として含有し、該水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂の水酸基価が、50~200mg当量KOH/gで、かつ該共重合樹脂100重量部に対する塩化ビニル含有比率が80~95重量部である軟包装用ラミネート用インキ組成物が例示されている(例えば、特許文献3)。
また、これらの軟包装材への印刷物には美粧性も要求されるが、例えばグラビア刷版のセルにインキが詰まる「版詰まりの現象」によって起こる「転移不良」、画線部以外の箇所にドクターでインキが掻き切れない部分が「かぶり」となってフィルム基材に転移する「版かぶりの現象」、網点が急激に細ることにより発生するトーンジャンプ、印刷部の筋状のムラの発生等により、印刷適性を損なう問題がある。近年は、印刷物の高意匠性が更に要求されていることから、増加しつつある多種多様なフィルムに対して十分な密着特性を有しつつ、優れた印刷適性を有するインキとして、更なる改善が求められている。
本発明においてリキッドインキ組成物とは、グラビアインキまたはフレキソインキ等の、印刷版を使用する印刷方法に適用されるリキッド状の印刷用インキを指し、好ましくはグラビアインキまたはフレキソインキである。また本発明のリキッドインキは活性エネルギー硬化性の成分を含んでおらず、即ち活性エネルギー線非反応性のリキッドインキである。
なお以下の説明で用いる「インキ」とは全て「印刷インキ」を示す。また「部」とは全て「質量部」を示し、「インキ全量」とは、有機溶剤等の揮発性成分をすべて含んだインキの全量を示し、「インキ固形分全量」とは、揮発性成分を含まない、不揮発性成分のみの全量を示す。
ポリウレタン樹脂(A)において、ポリオール構造におけるNPGとMPOの質量割合をNPGが多くなるように調整することにより、印刷適性を向上させることができる。具体的には、NPG:MPOの質量割合は、具体的には51:49~99:1の範囲である。
ポリエステル型ジオール化合物は、上記のようにグリコール類と二塩基酸との反応により得られ、その数平均分子量は、1000~6000であることが好ましい。
ポリエステル型ジオール化合物の反応原料となるグリコール類として、NPGとMPO以外のグリコール類、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール等をNPG及びMPOとあわせて用いてもよい。印刷適性を向上させる観点からは、ポリエステル型ジオール化合物の原料となるグリコール総質量において、NPGとMPOの含有比率は高いほど好ましい。すなわち、ポリウレタン樹脂(A)のポリエステルポリオールの原料となるポリオールにおけるNPGとMPOの含有比率は高いほど好ましく、具体的には80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
また、反応停止を目的とした末端封鎖剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としてはたとえば、ジーnーブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L-アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。これらの末端封鎖剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
本発明のリキッドインキ組成物で使用するポリウレタン樹脂(A)のインキにおける含有量は、インキの被印刷体への接着性を十分にする観点からインキの総質量に対して4質量%以上、適度なインキ粘度やインキ製造時・印刷時の作業効率の観点から40質量%以下が好ましく、更には6~30質量%の範囲が好ましい。また、インキ中の固形分質量比では、下限値が10質量%であることが好ましく、15質量%であることがより好ましく、20質量%であることがより好ましく、25質量%であることが更に好ましい。また、インキ中の固形分重量比の上限値は95質量%であることが好ましく、90質量%であることがより好ましく、80質量%であることがより好ましく、75質量%であることが更に好ましい。
本発明のリキッドインキ組成物は、上記ポリウレタン樹脂(A)以外に、リキッドインキ技術分野において併用可能な他のバインダー樹脂を含有することができる。リキッドインキ組成物に必要に応じて併用される樹脂の例としては、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂、繊維素系樹脂、ポリウレタン樹脂(A)以外のウレタン樹脂などを挙げることができる。
併用樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。併用樹脂の含有量は、インキの総質量に対して0.1~25質量%が好ましく、更に好ましくは2~15質量%である。
中でも、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、又は繊維素系樹脂を含有することが好ましい。
本発明のリキッドインキ組成物では、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を添加する事で、耐ブロッキング性や耐レトルト性が向上する。特に塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(B)が水酸基を含有する場合、耐レトルト性等の耐熱水性が格段に向上する。
塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂はインキ100質量%中に0.1~10質量%含有し、好ましくは0.2~5質量%である。
本発明において使用できる塩素化ポリオレフィン樹脂としては、水素原子の少なくとも一部が塩素原子により置換されたポリオレフィン樹脂であれば特に限定されない。塩素化ポリオレフィンの重量平均分子量は、5,000~100,000が好ましく5,000~70,000であることがなお好ましく7,000~50,000であることが更に好ましい。また、塩素化ポリオレフィン樹脂は基材への接着性向上するため、その塩素含有率が25~45質量%であることが好ましい。また有機溶剤への溶解性の観点から、塩素含有率は26~43質量%であることが更に好ましい。ここで、塩素含有率とは、塩素化ポリオレフィン樹脂100質量%中の塩素原子の含有質量%をいう。また、耐ブロッキング性とのバランスの観点から、塩素化ポリオレフィン樹脂はインキ100質量%中に0.1~10質量%含有し、好ましくは0.2~5質量%である。
繊維素系樹脂としては、例えばセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートその他のセルロースエステル樹脂、ニトロセルロース(硝化綿ともいう)、ヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキルセルロース等が挙げられる。セルロースエステル樹脂はアルキル基を有することが好ましく、当該アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していてもよい。 セルロース系樹脂としては、上記のうちセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、およびニトロセルロースが好ましい。分子量としては重量平均分子量で5,000~200,000のものが好ましく、10,000~50,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が120℃~180℃であるものが好ましい。本発明のポリウレタン樹脂(A)の併用では、耐ブロッキング性、耐擦傷性その他のインキ被膜物性が向上することが期待できる。
ニトロセルロース(硝化綿)は、天然セルロースと硝酸とを反応させて、天然セルロース中の無水グルコピラノース基の6員環中の3個の水酸基を、硝酸基に置換した硝酸エステルとして得られるものが好ましい。
繊維素系樹脂の添加量としては、インキ全量に対し0.1~25質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.3~10質量%である。
本発明のリキッドインキ組成物で使用する着色剤としては、着色顔料、白色顔料いずれでもよい。これら顔料を添加しなければオーバーコートニス用途として使用する事もできる。
C.I.Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、42、74、83;
C.I.Pigment Orange 16;
C.I.Pigment Red 5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、81、101;
C.I.Pigment Violet 19、23;
C.I.Pigment Blue 23、15:1、15:3、15:4、17:1、18、27、29
C.I.Pigment Green 7、36、58、59;
C.I.Pigment Black 7;
C.I.Pigment White 4、6、18などが挙げられる。
尚、前記顔料の平均粒径は、10~200nmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50~150nm程度のものである。
また前記着色顔料の添加量としては、十分な画像濃度や印刷画像の耐光性を得るため、インキ全量の1~20質量%の範囲で含有させることが好ましい。
本発明のリキッドインキ組成物で使用する有機溶剤(E)としては、各種有機溶剤を使用することができ、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族有機溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、n-プロパノール、イノプロパノール、n-ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤があげられ、これらを単独または2種以上の混合物で用いることができる。近年、作業環境の観点から、トルエン、キシレンといった芳香族系溶剤やケトン系溶剤を用いないことがより好ましい。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えばポリウレタン樹脂、着色剤、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
三角フラスコ中に試料を、約20gを精密に量り採り、トルエン/メタノール(容積比:トルエン/メタノール=7/3)混合液30mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、溶液が淡紅色を呈するまで0.1mol/lアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。酸価(mgKOH/g)を次の式(1)により求めた。
(式1)酸価(mgKOH/g)=(5.611×V×F)/S
ただし、S:試料の採取量(g)
V:0.1mol/lアルコール性水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)
F:0.1mol/lアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
三角フラスコ中に試料、約5gを精密に量り採り、アセチル化剤(無水酢酸とピリジンを1:19(容積比)混合物)を正確に25ml加え、100℃にて1時間攪拌した。その後イオン交換水10mlを加え室温まで冷却する。冷却後アセトン100ml、n-ブタノール10ml、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、溶液が淡紅色を呈するまで0.5mol/lアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。水酸基価は次の(式2)により求めた。
(式2)水酸基価(mgKOH/g)=[{(B-T)×F×28.05}/S]+D
ただし、S:試料の採取量(g)
T:0.5mol/lアルコール性水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)
B:空実験の0.1mol/lアルコール性水酸化カリウム溶液の滴定量(ml)
F:0.5mol/lアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
三角フラスコ中に試料約40gを精密に量り採り、トルエン/メタノール(容積比:トルエン/メタノール=7/3)混合液200mlを加えて溶解した。これに、ブロムフェノールブルー試液を指示薬として加え、溶液が青色から黄色に変化するまで0.1mol/l塩酸水溶液で滴定した。アミン価は式(3)により求めた。
(式3) アミン価=(V×F×0.1×56.11)/S
ただし、S:試料の採取量(g)
V:0.1mol/l塩酸水溶液の滴定量(ml)
F:0.1mol/l塩酸水溶液の力価
数平均分子量(ポリスチレン換算)と重量平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR-Nを4本使用
カラム温度:40℃
移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
試料濃度:1.0重量%
試料注入量:100マイクロリットル
検出器:示差屈折計。
粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定した。
[合成実施例1-1]
攪拌棒、温度センサー、精留管および窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、ネオペンチルグリコール(以下NPGとも略す)314.4部、2-メチル-1,3-プロパンジオール(以下MPOとも略す)169.2部、アジピン酸684.9部、テトライソプロピルチタネート0.07部を仕込み、窒素気流下に220℃で、脱水縮合反応を行った。酸価が0.5mgKOH/gとなったところで反応を停止し、ポリエステルポリオールP1を得た。得られたポリエステルポリオールP1は、水酸基価が24mgKOH/g、酸価は0.5mgKOH/gであった。
攪拌棒、温度センサー、精留管および窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、NPG244.0部、MPO 234.3部、アジピン酸691.9部、テトライソプロピルチタネート0.07部を仕込み、窒素気流下に220℃で、脱水縮合反応を行った。酸価が0.5mgKOH/gとなったところで反応を停止し、ポリエステルポリオールP2を得た。得られたポリエステルポリオールP2は、水酸基価は24mgKOH/g、酸価は0.5mgKOH/gであった。
攪拌棒、温度センサー、精留管および窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、NPG218.8部、MPO 194.3部、3-メチル-1,5-ペンタンジオール(以下MPDとも略す)72.8部、アジピン酸681.8部、テトライソプロピルチタネート0.07部を仕込み、窒素気流下に220℃で、脱水縮合反応を行った。酸価が0.5mgKOH/gとなったところで反応を停止し、ポリエステルポリオールP3を得た。得られたポリエステルポリオールP3は、水酸基価は24mgKOH/g、酸価は0.5mgKOH/gであった。
攪拌棒、温度センサー、精留管および窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、NPG214.3部、MPO 261.8部、アジピン酸694.8部、テトライソプロピルチタネート0.07部を仕込み、窒素気流下に220℃で、脱水縮合反応を行った。酸価が0.5mgKOH/gとなったところで反応を停止し、ポリエステルポリオールP4を得た。得られたポリエステルポリオールP4は、水酸基価は24mgKOH/g、酸価は0.5mgKOH/gであった。
攪拌棒、温度センサー、精留管および窒素ガス導入管を備えた丸底フラスコに、NPG193.7部、MPO 217.8部、MPD 72.5部、アジピン酸684.3部、テトライソプロピルチタネート0.07部を仕込み、窒素気流下に220℃で、脱水縮合反応を行った。酸価が0.5mgKOH/gとなったところで反応を停止し、ポリエステルポリオールP5を得た。得られたポリエステルポリオールP5は、水酸基価は24mgKOH/g、酸価は0.5mgKOH/gであった。
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ポリエステルポリオール(P1)100.0部、イソホロンジイソシアネート11.0部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル90.8部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン4.84部、ジ-n-ブチルアミン0.35部、酢酸エチル85.4部およびイソプロピルアルコール94.9部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液A1を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液A1は、樹脂固形分濃度30.0質量%、樹脂固形分アミン価1.5mgKOH/g、樹脂固形分の重量平均分子量は77,000であった。
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ポリエステルポリオール(P2)100.0部、イソホロンジイソシアネート11.0部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル90.8部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン4.84部、ジ-n-ブチルアミン0.35部、酢酸エチル85.4部およびイソプロピルアルコール94.9部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液A2を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液A2は、樹脂固形分濃度30.0質量%、樹脂固形分アミン価1.5mgKOH/g、樹脂固形分の重量平均分子量は77,000であった。
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ポリエステルポリオール(P3)100.0部、イソホロンジイソシアネート11.0部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル90.8部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン4.84部、ジ-n-ブチルアミン0.35部、酢酸エチル85.4部およびイソプロピルアルコール94.9部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液A3を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液A3は、樹脂固形分濃度30.0質量%、樹脂固形分アミン価1.5mgKOH/g、樹脂固形分の重量平均分子量は77,000であった。
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ポリエステルポリオール(P4)100.0部、イソホロンジイソシアネート11.0部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル90.8部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン4.84部、ジ-n-ブチルアミン0.35部、酢酸エチル85.4部およびイソプロピルアルコール94.9部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液H1を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液H1は、樹脂固形分濃度30.0質量%、樹脂固形分アミン価1.5mgKOH/g、樹脂固形分の重量平均分子量は77,000であった。
攪拌機、温度計、環流冷却器および窒素ガス導入管を備えた4つ口フラスコに、ポリエステルポリオール(P5)100.0部、イソホロンジイソシアネート11.0部を仕込み、窒素気流下に90℃で10時間反応させ、ウレタンプレポリマーを製造した後、これに酢酸エチル90.8部を加えてウレタンプレポリマーの均一溶液とした。次いで、イソホロンジアミン4.84部、ジ-n-ブチルアミン0.35部、酢酸エチル85.4部およびイソプロピルアルコール94.9部からなる混合物に、前記ウレタンプレポリマー溶液を添加し、45℃で5時間撹拌反応させて、ポリウレタン樹脂溶液H2を得た。得られたポリウレタン樹脂溶液H2は、樹脂固形分濃度30.0質量%、樹脂固形分アミン価1.5mgKOH/g、樹脂固形分の重量平均分子量は77,000であった。
ポリウレタン樹脂と併用して用いる水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂(樹脂モノマー組成が質量%で塩化ビニル/酢酸ビニル/ビニルアルコール=92/3/5、水酸基価(mgKOH)=64)を酢酸エチルで15%溶液とし、これを塩酢ビ樹脂溶液Vとした。
日本製紙株式会社製の「スーパークロン 814HS」を酢酸エチルで固形分30%溶液とし、これを塩素化ポリオレフィン溶液PPとした。
巴工業株式会社製の「SMA 3000P」を、IPA 20%、酢酸エチル 50%、SMA 3000P 30%の配合で固形分30%溶液として十分撹拌し、マレイン酸樹脂溶液Mを作成した。
セルロースアセテートプロピオネートCAP482-0.5(Eastman Chemical社製)20部に、イソプロピルアルコール/酢酸エチル/酢酸ノルマルプロピル/メチルシクロヘキサン(重量比で25/25/13/10の比率)の混合液を80部加え、充分混合しセルロースエステル樹脂溶液Caを作製した。
ポリウレタン樹脂溶液A1(固形分濃度30.0質量%)を25部、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂溶液V(固形分15%)1.5部、塩素化ポリオレフィン樹脂溶液PP(固形分30%)2部、マレイン酸樹脂溶液M(固形分30%)0.5部、酸化チタン顔料R-780(テイカ(株)製))36部、酢酸エチル14部、イソプロピルアルコール8部、N-プロピルアセテート13部の計100部からなる混合物をダイノーミル(ウィリー・エ・バッコーフェノン社製)を用いて混練し、本発明のリキッド印刷白インキを作成した。
表~表2に示す組成配合により実施例2~7、比較例1~6を、実施例1と同様にしてリキッド印刷インキを作成した。
得られた印刷インキの粘度を酢酸エチルでザーンカップ#3(離合社製)で16秒(25℃)に調整し、版深35μmグラビア版を備えたグラビア校正機により、表1~Xに示す各種フィルム(OPP、PET、NY、透明蒸着フィルム)及びコロナ処理ポリエステルフィルム(以下PETフィルム:東洋紡製(株)製 商品名 エステルE5102 厚さ12μm)に印刷して40~50℃で乾燥し、印刷物を得た。
得られた印刷物について、各種フィルムへの密着性とPETフィルム/アルミニウム/無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、R-CPP:東レ合成フィルム社製 ZK-75 50μm)構成でのラミネート強度とレトルト処理後の印刷適性評価を行い評価した。その結果を表1~表2に示す。なお、評価は下記の試験方法にて行った。
上記印刷物を1日放置後、印刷面にセロハンテープ(ニチバン製12mm幅)を貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜の外観の状態を目視判定した。なお判定基準は次の通りとした。
5:印刷皮膜が全く剥がれなかった。
4:印刷皮膜の90%以上がフィルムに残った。
3:印刷皮膜の80%以上90%未満がフィルムに残った。
2:印刷皮膜の60%以上80%未満がフィルムに残った。
1:印刷皮膜の60%未満がフィルムに残った。
上記PETフィルム印刷物にウレタン系のドライラミネート接着剤ディックドライLX-500/KW-75(DIC製)を塗膜量が3.5g/m2となるように塗布、乾燥後、ドライラミネート機(DICエンジニアリング製)によってアルミニウム箔(以下、AL:東洋アルミニウム工業(株)製 アルミ箔C、15μm)をラミネートし、2層のラミネート物1を得た。次にラミネート物1のAL上に接着剤を同様に塗布し、無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、R-CPP:東レ合成フィルム社製 ZK-75 50μm)を積層し、40℃で5日間エージング施し、3層の複合ラミネート物2を得た。その後、ラミネート強度の測定を行った。数値が大きい方がラミネート強度が強い。
5:ラミネート強度が400(g/15mm)以上であり強度充分。
4:ラミネート強度が300以上~400(g/15mm)未満でありやや強度不足。
3:ラミネート強度が200以上~300(g/15mm)未満であり強度不足。
2:ラミネート強度が100以上~200(g/15mm)未満であり強度不充分
1:ラミネート強度が100未満であり強度不充分
上記PETフィルム印刷物の印刷部分へのインキの転移度(カスレ度)を評価した。なお、グラビア版の円周600mmφで300m/minの印刷速度での評価を行った。
5:カスレなし
4:ごく僅かにカスレ発生
3:少しカスレ発生、実用範囲
2:カスレが顕著に確認できる
1:カスレが多発している
上記PETフィルム印刷物の中で、非印刷部の汚れ具合(版かぶり度)を評価した。
5:印刷汚れ 無し
4:印刷汚れ ごく僅かに確認できる
3:印刷汚れ 僅かに確認できる、実用範囲
2:印刷汚れ 顕著に発生している
1:印刷汚れ 甚だしい
上記PETフィルム印刷物の印刷部分へのインキの筋状汚れ(ムラ)の発生を評価した。
5:筋状汚れ 無し
4:筋状汚れ ごく僅かに確認できる
3:筋状汚れ 僅かに確認できる、実用範囲
2:筋状汚れ 顕著に発生している
1:筋状汚れ 甚だしい
上記PETフィルム印刷物の印刷部分において、網点が細り、急激にカラーが変化することにより生じるトーンジャンプの発生を評価した。
5:トーンジャンプ 無し
4:トーンジャンプ ごく僅かに確認できる
3:トーンジャンプ 僅かに確認できる、実用範囲
2:トーンジャンプ 顕著に発生している
1:トーンジャンプ 甚だしい
OPP:東洋紡(株)製 P2161 (20μm)
PET:東洋紡(株)製 E5100 (12μm)
NY :ユニチカ(株)製 ON-RT (15μm)
透明蒸着フィルム:大日本印刷(株)製 IB-PET-PUB (12μm)
シリカ:サイリシア350D、平均粒子径3.9μm
また、空欄は未配合であることを示す。
Claims (8)
- ネオペンチルグリコールと2-メチル-1,3-プロパンジオールを反応原料とするポリオール構造を有し、該ポリオール構造におけるネオペンチルグリコールと2-メチル-1,3-プロパンジオールの質量割合がネオペンチルグリコールの方が多いポリウレタン樹脂(A)を含有するリキッドインキ組成物。
- 更に、着色剤および有機溶剤を含有する請求項1に記載のリキッドインキ組成物。
- 前記ポリオールがポリエステルポリオールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のリキッドインキ組成物。
- 前記ポリエステルポリオールの原料となるポリオールにおけるネオペンチルグリコールと2-メチル-1,3-プロパンジオールの含有比率が80質量%以上の範囲である請求項3に記載のリキッドインキ組成物。
- 更に、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリオレフィン、マレイン酸樹脂及び/又は繊維素系樹脂から選ばれる少なくとも1つ以上の樹脂を含有する請求項1~4のいずれかに記載のリキッドインキ組成物。
- 前記有機溶剤として芳香族有機溶剤及び/又はケトン系溶剤を含まない請求項1~5の何れか1つに記載のリキッドインキ組成物。
- 請求項1~6のいずれか1つに記載のリキッドインキ組成物を印刷してなる印刷物。
- 請求項1~6の何れか一つに記載のリキッドインキ組成物を印刷してなる印刷層を有するラミネート積層体。
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