JP2022073961A - ポリアミド樹脂用改質剤 - Google Patents
ポリアミド樹脂用改質剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022073961A JP2022073961A JP2021149036A JP2021149036A JP2022073961A JP 2022073961 A JP2022073961 A JP 2022073961A JP 2021149036 A JP2021149036 A JP 2021149036A JP 2021149036 A JP2021149036 A JP 2021149036A JP 2022073961 A JP2022073961 A JP 2022073961A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polyamide
- polyamide resin
- acid
- modifier
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polyamides (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
【課題】 ポリアミド樹脂に、吸水時の優れた機械的強度、優れた寸法安定性と外観を与えるポリアミド樹脂用改質剤を提供する。【解決手段】 ポリアミド(am)にフルオロ炭化水素基を有する有機基を少なくとも1個有する有機フッ素変性ポリアミド(A)を含有してなるポリアミド樹脂用改質剤(Z);ポリアミド樹脂用改質剤(Z)とポリアミド樹脂(B)とを含有してなるポリアミド樹脂組成物(Y);ポリアミド樹脂組成物(Y)を成形してなる成形品。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアミド樹脂用改質剤に関する。
ポリアミド樹脂は、耐熱性、機械的強度(機械物性)に優れるため、エンジニアリングプラスチックとして、種々の用途に使用されている。
しかしながら、吸水時の機械的強度の低下や寸法変化が課題であり、例えば、カーボンナノファイバーを添加したポリアミド樹脂組成物が提案されている(特許文献1等)。
しかしながら、吸水時の機械的強度の低下や寸法変化が課題であり、例えば、カーボンナノファイバーを添加したポリアミド樹脂組成物が提案されている(特許文献1等)。
しかしながら、カーボンナノファイバー等のフィラーを添加する場合、成形品の外観を損なう場合があり、それを解決することが望まれていた。
本発明の目的は、ポリアミド樹脂に、吸水時の優れた機械的強度、優れた寸法安定性を与えるポリアミド樹脂用改質剤を提供することにある。
本発明の目的は、ポリアミド樹脂に、吸水時の優れた機械的強度、優れた寸法安定性を与えるポリアミド樹脂用改質剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、ポリアミド(am)にフルオロ炭化水素基を有する有機基を少なくとも1個有する有機フッ素変性ポリアミド(A)を含有してなるポリアミド樹脂用改質剤(Z)である。
本発明のポリアミド樹脂用改質剤(Z)は下記の効果を奏する。
(1)ポリアミド樹脂組成物の成形品の吸水性を小とし、優れた寸法安定性を付与する。
(2)成形品に優れた機械的強度(機械物性)を与える。
(3)成形品に優れた外観を与える。
(1)ポリアミド樹脂組成物の成形品の吸水性を小とし、優れた寸法安定性を付与する。
(2)成形品に優れた機械的強度(機械物性)を与える。
(3)成形品に優れた外観を与える。
<有機フッ素変性ポリアミド(A)>
本発明における有機フッ素変性ポリアミド(A)は、ポリアミド(am)にフルオロ炭化水素基を有する有機基を少なくとも1個有するものである。
本発明における有機フッ素変性ポリアミド(A)は、ポリアミド(am)にフルオロ炭化水素基を有する有機基を少なくとも1個有するものである。
(A)中のフッ素含有率は、寸法安定性および成形品の外観、機械的強度の観点から、(A)の重量に基づいて、好ましくは0.1~25重量%であり、さらに好ましくは1~20重量%であり、とくに好ましくは3~15重量%である。
本発明における(A)中のフッ素含有率は、蛍光X線測定装置を使用して、含有量が既知のフッ素含有化合物について作成した検量線に基づいて求めることができる。
蛍光X線測定装置としては、例えば[商品名「X-ray FluorescenceSpectrometer LAB CENTER XRF-1800」、(株)島津製作所製]が挙げられる。
なお、実施例における該フッ素含有率(重量%)は上記手法により求めた。
本発明における(A)中のフッ素含有率は、蛍光X線測定装置を使用して、含有量が既知のフッ素含有化合物について作成した検量線に基づいて求めることができる。
蛍光X線測定装置としては、例えば[商品名「X-ray FluorescenceSpectrometer LAB CENTER XRF-1800」、(株)島津製作所製]が挙げられる。
なお、実施例における該フッ素含有率(重量%)は上記手法により求めた。
(A)の数平均分子量(以下、Mnと略記することがある)は、機械的強度および成形品の外観の観点から、好ましくは500~20,000、さらに好ましくは1,000~15,000、とくに好ましくは2,000~10,000である。
(A)のMnは、例えば、後述のポリアミド(am)の水酸基価、アミン価、Mn、重量と、後述の有機フッ素化合物(b)のMn、重量と、反応条件により、適宜調整可能である。
(A)のMnは、例えば、後述のポリアミド(am)の水酸基価、アミン価、Mn、重量と、後述の有機フッ素化合物(b)のMn、重量と、反応条件により、適宜調整可能である。
本発明におけるポリマーのMn及び重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定することができる。
装置(一例) :「HLC-8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSKgelGMHXL」(2本)
「TSKgelMultiporeHXL-M」(1本)
試料溶液 :0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量 :100μl
流量 :1ml/分
測定温度 :135℃
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン
(TSKstandardPOLYSTYRENE)12点
(分子量:500、1,050、2,800、5,970、
9,100、18,100、37,900、96,400、
190,000、355,000、1,090,000、
2,890,000)[東ソー(株)製]
装置(一例) :「HLC-8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSKgelGMHXL」(2本)
「TSKgelMultiporeHXL-M」(1本)
試料溶液 :0.3重量%のオルトジクロロベンゼン溶液
溶液注入量 :100μl
流量 :1ml/分
測定温度 :135℃
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン
(TSKstandardPOLYSTYRENE)12点
(分子量:500、1,050、2,800、5,970、
9,100、18,100、37,900、96,400、
190,000、355,000、1,090,000、
2,890,000)[東ソー(株)製]
(A)は、例えば、ポリアミド(am)と、カルボキシル基と反応性を有する官能基又はアミノ基と反応性の官能基を有する有機フッ素化合物(b)との反応物が挙げられ、それぞれ公知の方法で製造できる。
カルボキシル基と反応性を有する官能基又はアミノ基と反応性の官能基を有する有機フッ素化合物(b)としては、例えば、水酸基を有する有機フッ素化合物(b1)、アミノ基を有する有機フッ素化合物(b2)、カルボキシル基を有する有機フッ素化合物(b3)が挙げられる。
すなわち、ポリアミド(am)がカルボキシル基を有する場合、好ましいのは水酸基を有する有機フッ素化合物(b1)、アミノ基を有する有機フッ素化合物(b2)との反応物であり、該(am)がアミノ基を有する場合、好ましいのはカルボキシル基を有する有機フッ素化合物(b3)との反応物である。
カルボキシル基と反応性を有する官能基又はアミノ基と反応性の官能基を有する有機フッ素化合物(b)としては、例えば、水酸基を有する有機フッ素化合物(b1)、アミノ基を有する有機フッ素化合物(b2)、カルボキシル基を有する有機フッ素化合物(b3)が挙げられる。
すなわち、ポリアミド(am)がカルボキシル基を有する場合、好ましいのは水酸基を有する有機フッ素化合物(b1)、アミノ基を有する有機フッ素化合物(b2)との反応物であり、該(am)がアミノ基を有する場合、好ましいのはカルボキシル基を有する有機フッ素化合物(b3)との反応物である。
<ポリアミド(am)>
ポリアミド(am)としては、ジカルボン酸又はそのアミド形成性誘導体とジアミンとを必須構成単量体とするポリアミド(am1)、水、ジアミン又はモノアミンにラクタムを開環重合させたポリアミド(am2)、アミノカルボン酸を重縮合させたポリアミド(am3)及び(am1)~(am3)の内の少なくとも2種以上をワンショットで合成して得られるポリアミド(am4)等が挙げられる。
ポリアミド(am)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリアミド(am)としては、ジカルボン酸又はそのアミド形成性誘導体とジアミンとを必須構成単量体とするポリアミド(am1)、水、ジアミン又はモノアミンにラクタムを開環重合させたポリアミド(am2)、アミノカルボン酸を重縮合させたポリアミド(am3)及び(am1)~(am3)の内の少なくとも2種以上をワンショットで合成して得られるポリアミド(am4)等が挙げられる。
ポリアミド(am)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリアミド(am1)に用いられるジカルボン酸としては、炭素数2~20のジカルボン酸[炭素数2~20の脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸等)、炭素数8~20の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、2,6-又は2,7-ナフタレンジカルボン酸、ジフェニル-4,4’-ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、トリレンジカルボン酸、キシリレンジカルボン酸及び5-スルホイソフタル酸等)及び炭素数5~20の脂環式ジカルボン酸(シクロプロパンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ビシクロヘキシル-4,4’-ジカルボン酸及びショウノウ酸等)等]等が挙げられる。
ジカルボン酸のアミド形成性誘導体としては、ジカルボン酸のアルキル(炭素数1~4)エステル(メチルエステル及びエチルエステル等)及びジカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。
ジカルボン酸及びそのアミド形成性誘導体は、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ジカルボン酸及びそのアミド形成性誘導体は、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリアミド(am1)に用いられるジカルボン酸及びそのアミド形成性誘導体の内、機械的強度、寸法安定性および外観の観点から、好ましいのは、炭素数2~20の脂肪族ジカルボン酸、炭素数8~20の芳香族ジカルボン酸及びこれらのアミド形成性誘導体であり、更に好ましいのは、炭素数2~20の脂肪族ジカルボン酸及びそのアミド形成性誘導体であり、特に好ましいのは炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸及びこれらのアミド形成性誘導体、とりわけ好ましいのは、アジピン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸及びこれらのアミド形成性誘導体、最も好ましいのは、アジピン酸及びそのアミド形成誘導体である。
ポリアミド(am1)及び(am2)に用いられるジアミンとしては、例えば炭素数2~12の脂肪族ジアミンが挙げられ、機械的強度および寸法安定性の観点から、好ましいのは、炭素数6及び炭素数10の脂肪族ジアミン、さらに好ましいのは、1,6-ジアミノヘキサン及び1,10-ジアミノデカン、とくに好ましいのは1,6-ジアミノヘキサンである。
ジアミンは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ジアミンは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリアミド(am2)に用いられるモノアミンとしては、炭素数1~20のモノアミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン及びドデシルアミン等)が挙げられる。
ポリアミド(am2)に用いられるラクタムとしては、炭素数6~12のラクタムが挙げられ、合成の容易さおよび寸法安定性の観点から、好ましいのは、ε-カプロラクタム、11-ウンデカンラクタム、12-ラウロラクタムであり、更に好ましいのは、ε-カプロラクタムである。
ポリアミド(am3)に用いられるアミノカルボン酸としては、例えば、グリシン、ロイシン、8-アミノカプリル酸、11-アミノウンデカン酸及び12-アミノドデカン酸が挙げられ、合成の容易さおよび寸法安定性の観点から、好ましいのは、8-アミノカプリル酸、11-アミノウンデカン酸及び12-アミノドデカン酸、さらに好ましいのは11-アミノウンデカン酸及び12-アミノドデカン酸、とくに好ましいのは12-アミノドデカン酸である。
ポリアミド(am)が有するカルボキシル基は、酸価(mgKOH/g)で示され、該(am)が有するアミノ基は、アミン価(mgKOH/g)で示される。
また、片末端に1級アミノ基を有するポリアミド(以下ポリアミドモノアミンと記載する場合がある。)を用いることが好ましい。ポリアミドモノアミンは、ジカルボン酸とジアミンのモル比を調整することにより得る方法;モノアミン共存下でジカルボン酸とジアミンのモル比を調整することにより得る方法;モノアミンにラクタムを開環重合する方法;アミノカルボン酸を重縮合する方法等が挙げられる。
また、片末端に1級アミノ基を有するポリアミド(以下ポリアミドモノアミンと記載する場合がある。)を用いることが好ましい。ポリアミドモノアミンは、ジカルボン酸とジアミンのモル比を調整することにより得る方法;モノアミン共存下でジカルボン酸とジアミンのモル比を調整することにより得る方法;モノアミンにラクタムを開環重合する方法;アミノカルボン酸を重縮合する方法等が挙げられる。
また、ポリアミド(am)は、寸法安定性および機械的強度の観点から、1,6-ジアミノヘキサン、1,10-ジアミノデカン、ε-カプロラクタム、11-ウンデカンラクタム、12-ラウロラクタム、11-アミノウンデカン酸及び12-アミノドデカン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を必須構成単量体とするポリアミドであることが好ましい。
ポリアミド(am)の数平均分子量(Mn)は、機械的強度、寸法安定性および外観の観点から、好ましくは500~10,000であり、さらに好ましくは1,000~6,000、とくに好ましくは2,000~4,000である。
ポリアミド(am)の製法としては、一般的なポリアミドの製法がそのまま適用できる。ポリアミド化反応は、150~300℃の温度範囲で行われ、反応時間は好ましくは0.5~20時間である。また、必要により一般的にポリアミド化反応に用いられる触媒を用いてもよい。
<カルボキシル基と反応性を有する官能基又はアミノ基と反応性の官能基を有する有機フッ素化合物(b)>
本発明における前記有機フッ素化合物(b)としては、水酸基を有する有機フッ素化合物(b1)、アミノ基を有する有機フッ素化合物(b2)、カルボキシル基を有する有機フッ素化合物(b3)が挙げられる。
本発明における前記有機フッ素化合物(b)としては、水酸基を有する有機フッ素化合物(b1)、アミノ基を有する有機フッ素化合物(b2)、カルボキシル基を有する有機フッ素化合物(b3)が挙げられる。
水酸基を有する有機フッ素化合物(b1)としては、CF3CH2OH、CF3(CF2)nCH2OH[n=1~20]、CF3(CH2)2OH、CF3(CF2)n(CH2)2OH[n=1~20]、CF3(CH2)3OH、CF3(CF2)n(CH2)3OH[n=1~20]、CF3(CH2)4OH、CF3(CF2)n(CH2)4OH[n=1~20]、CF3(CH2)5OH、CF3(CF2)n(CH2)5OH[n=1~20]、CF3(CH2)6OH、CF3(CF2)n(CH2)6OH[n=1~20]、CF2HCH2OH、CF2H(CF2)nCH2OH[n=1~20]、CF2H(CH2)2OH、CF2H(CF2)n(CH2)2OH[n=1~20]、CF2H(CH2)3OH、CF2H(CF2)n(CH2)3OH[n=1~20]、CF2H(CH2)4OH、CF2H(CF2)n(CH2)4OH[n=1~20]、CF2H(CH2)5OH、CF2H(CF2)n(CH2)5OH[n=1~20]、CF2H(CH2)6OH、CF2H(CF2)n(CH2)6OH[n=1~20]、CF3(CF2)2OCF(CF3)CH2OH、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)CH2OH、(CF3)2CF(CH2)6OH、(CF3)2CHOH、CF3CHFCF2CH2OH、HOCH2(CF2)4CH2OH、HOCH2(CF2)6CH2OH、及び(CF3)2C(CH3)CH2OH等が挙げられる。
また、これらのアルキレンオキサイド(AOと略記、炭素数2~4)付加物も挙げられる。該AOとしては、1,2-エチレンオキサイド、1,2-又は1,3-プロピレンオキサイド、1,2-、1,3-、1,4-又は2,3-ブチレンオキサイドが挙げられる。
また、これらのアルキレンオキサイド(AOと略記、炭素数2~4)付加物も挙げられる。該AOとしては、1,2-エチレンオキサイド、1,2-又は1,3-プロピレンオキサイド、1,2-、1,3-、1,4-又は2,3-ブチレンオキサイドが挙げられる。
アミノ基を有する有機フッ素化合物(b2)としては、前記(b1)のうち、ヒドロキシル基をアミノ基に置き換えたもの(b21)、以下の(b22)等が挙げられる。
(b22)フッ素含有アルキル基を有するアミン[C6F13CH2CH2NH2、及び(C6F13CH2CH2)2NH等]。
(b22)フッ素含有アルキル基を有するアミン[C6F13CH2CH2NH2、及び(C6F13CH2CH2)2NH等]。
カルボキシル基を有する有機フッ素化合物(b3)としては、フッ素含有アルキル基を有するカルボン酸(C6F13COOH、2,3,3,3-テトラフルオロ-2-[1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-2-(ヘプタフルオロプロポキシ)プロポキシ]プロパン酸等)が挙げられる。
上記(b)のうち、機械的強度および寸法安定性の観点から、好ましいのは(b1)である。
<ポリアミド樹脂用改質剤(Z)>
本発明のポリアミド樹脂用改質剤(Z)は、前記有機フッ素変性ポリアミド(A)を含有してなる。ポリアミド樹脂用改質剤(Z)は、後述のポリアミド樹脂(B)用の改質剤として使用され、とりわけポリアミド樹脂用寸法安定剤として有用である。
(Z)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要により相溶化剤などの公知の樹脂用添加剤を含有させてもよい。(Z)中の樹脂用添加剤の含有量は、(Z)の重量に基づいて、成形品の機械的強度および外観の観点から、好ましくは0.1~20重量%、さらに好ましくは1~10重量%である。
本発明のポリアミド樹脂用改質剤(Z)は、前記有機フッ素変性ポリアミド(A)を含有してなる。ポリアミド樹脂用改質剤(Z)は、後述のポリアミド樹脂(B)用の改質剤として使用され、とりわけポリアミド樹脂用寸法安定剤として有用である。
(Z)には、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要により相溶化剤などの公知の樹脂用添加剤を含有させてもよい。(Z)中の樹脂用添加剤の含有量は、(Z)の重量に基づいて、成形品の機械的強度および外観の観点から、好ましくは0.1~20重量%、さらに好ましくは1~10重量%である。
<ポリアミド樹脂組成物(Y)>
本発明のポリアミド樹脂組成物(Y)は、前記ポリアミド樹脂用改質剤(Z)とポリアミド樹脂(B)とを含有してなる。
本発明のポリアミド樹脂組成物(Y)は、前記ポリアミド樹脂用改質剤(Z)とポリアミド樹脂(B)とを含有してなる。
本発明におけるポリアミド樹脂(B)としては、前記(A)以外の、公知のもの、例えば、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6/66及びナイロン6/12が挙げられる。
また、ポリアミド樹脂(B)のMnは、好ましくは11,000~30,000、さらに好ましくは12,000~25,000、とくに好ましくは13,000~20,000である。
また、ポリアミド樹脂(B)のMnは、好ましくは11,000~30,000、さらに好ましくは12,000~25,000、とくに好ましくは13,000~20,000である。
ポリアミド樹脂組成物(Y)におけるポリアミド樹脂改質剤(Z)とポリアミド樹脂(B)との重量比[(Z)/(B)]は、寸法安定性および外観の観点から、好ましくは0.5/99.5~15/85、さらに好ましくは1/99~10/90、とくに好ましくは2/98~7/93である。
ポリアミド樹脂組成物(Y)には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により、その他の添加剤(C)を含有させることができる。(C)としては、着色剤(C1)、離型剤(C2)、酸化防止剤(C3)、難燃剤(C4)、紫外線吸収剤(C5)、抗菌剤(C6)、及び充填剤(C7)等が挙げられる。(C)は2種以上を併用してもよい。
着色剤(C1)としては、無機顔料(白色顔料、コバルト化合物、鉄化合物及び硫化物等)、有機顔料(アゾ顔料及び多環式顔料等)及び染料(アゾ系、インジゴイド系、硫化系、アリザリン系、アクリジン系、チアゾール系、ニトロ系及びアニリン系等)等が挙げられる。
離型剤(C2)としては、炭素数12~18の脂肪酸のアルキル(炭素数1~4)エステル(ステアリン酸ブチル等)、炭素数2~18の脂肪酸のグリコール(炭素数2~8)エステル(エチレングリコールモノステアレート等)、炭素数2~18の脂肪酸の多価(3価以上)アルコールエステル(硬化ヒマシ油等)及び流動パラフィン等が挙げられる。
酸化防止剤(C3)としては、フェノール化合物〔単環フェノール(2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール等)、ビスフェノール[2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)等]及び多環フェノール[1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン等]等〕、硫黄化合物(ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート等)、リン化合物(トリフェニルホスファイト等)及びアミン化合物(オクチル化ジフェニルアミン等)等が挙げられる。
難燃剤(C4)としては、ハロゲン含有難燃剤、窒素含有難燃剤、硫黄含有難燃剤、珪素含有難燃剤及びリン含有難燃剤等が挙げられる。
紫外線吸収剤(C5)としては、ベンゾトリアゾール[2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等]、ベンゾフェノン(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等)、サリチレート(フェニルサリチレート等)及びアクリレート(2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3’1-ジフェニルアクリレート等)等が挙げられる。
抗菌剤(C6)としては、安息香酸、ソルビン酸、ハロゲン化フェノール、有機ヨウ素、ニトリル(2,4,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル等)、チオシアノ(メチレンビスチアノシアネート等)、N-ハロアルキルチオイミド、銅剤(8-オキシキノリン銅等)、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、トリハロアリル、トリアゾール、有機窒素硫黄化合物(スラオフ39等)、4級アンモニウム化合物及びピリジン系化合物等が挙げられる。
充填剤(C7)としては、無機充填剤(炭酸カルシウム、タルク及びクレー等)及び有機充填剤(尿素及びステアリン酸カルシウム等)等が挙げられる。
ポリアミド樹脂(B)の重量に基づく(C)の合計含有率は、成形品の機械的強度(機械物性)の観点から、好ましくは45重量%以下であり、更に好ましくは0.001~40重量%、特に好ましくは0.01~35重量%である。
ポリアミド樹脂(B)の重量に基づく(C1)の含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.1~3重量%であり、更に好ましくは0.2~2重量%である。
ポリアミド樹脂(B)の重量に基づく(C2)、(C3)、(C5)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.01~3重量%であり、更に好ましくは0.05~1重量%である。
ポリアミド樹脂(B)の重量に基づく(C4)、(C6)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.5~20重量%であり、更に好ましくは1~10重量%である。
ポリアミド樹脂(B)の重量に基づく(C7)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.5~10重量%であり、更に好ましくは1~5重量%である。
ポリアミド樹脂(B)の重量に基づく(C1)の含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.1~3重量%であり、更に好ましくは0.2~2重量%である。
ポリアミド樹脂(B)の重量に基づく(C2)、(C3)、(C5)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.01~3重量%であり、更に好ましくは0.05~1重量%である。
ポリアミド樹脂(B)の重量に基づく(C4)、(C6)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.5~20重量%であり、更に好ましくは1~10重量%である。
ポリアミド樹脂(B)の重量に基づく(C7)それぞれの含有率は、成形品の機械物性の観点から、好ましくは0.5~10重量%であり、更に好ましくは1~5重量%である。
本発明のポリアミド樹脂組成物(Y)は、ポリアミド樹脂用改質剤(Z)、ポリアミド樹脂(B)、必要により(C)を溶融混合することにより得ることができる。溶融混合する方法としては、一般的にはペレット状又は粉体状にした各成分を、適切な混合機(ヘンシェルミキサー等)で混合した後、押出機で溶融混合してペレット化する方法が適用できる。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に制限はないが、例えば、
[1](Z)を溶融混合した後、(B)、必要により(C)を一括投入して溶融混合する方法。
[2](Z)を溶融混合した後、(B)の一部をあらかじめ溶融混合して(Z)の高濃度組成物(マスターバッチ樹脂組成物)を作製した後、残りの(B)並びに必要に応じて(C)を溶融混合する方法(マスターバッチ法又はマスターペレット法)。
等が挙げられる。
[2]の方法におけるマスターバッチ樹脂組成物中の(Z)の濃度は、好ましくは40~80重量%であり、更に好ましくは50~70重量%である。
上記[1]及び[2]の方法のうち、(Z)を(B)に効率的に分散しやすいという観点から、[2]の方法が好ましい。
溶融混合時の各成分の添加順序には特に制限はないが、例えば、
[1](Z)を溶融混合した後、(B)、必要により(C)を一括投入して溶融混合する方法。
[2](Z)を溶融混合した後、(B)の一部をあらかじめ溶融混合して(Z)の高濃度組成物(マスターバッチ樹脂組成物)を作製した後、残りの(B)並びに必要に応じて(C)を溶融混合する方法(マスターバッチ法又はマスターペレット法)。
等が挙げられる。
[2]の方法におけるマスターバッチ樹脂組成物中の(Z)の濃度は、好ましくは40~80重量%であり、更に好ましくは50~70重量%である。
上記[1]及び[2]の方法のうち、(Z)を(B)に効率的に分散しやすいという観点から、[2]の方法が好ましい。
<成形品>
本発明の成形品は、前記ポリアミド樹脂組成物(Y)を成形して得られる。成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形又は発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。
本発明の成形品は、前記ポリアミド樹脂組成物(Y)を成形して得られる。成形方法としては、射出成形、圧縮成形、カレンダ成形、スラッシュ成形、回転成形、押出成形、ブロー成形、フィルム成形(キャスト法、テンター法及びインフレーション法等)等が挙げられ、目的に応じて単層成形、多層成形又は発泡成形等の手段も取り入れた任意の方法で成形できる。
本発明の成形品は、吸水性が小であるため、寸法安定性に優れる。また、機械的強度および外観に優れる。
本発明の樹脂用改質剤(Z)、該(Z)とポリアミド樹脂(B)とを含有してなるポリアミド樹脂組成物(Y)の成形品は、寸法安定性、機械的強度、外観に優れるため、種々の成形品用途、精密部品用途、自動車部品用途、日常用品用途に好適に使用できる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下において部は重量部を示す。
<製造例1>[片末端酸変性ポリアミド(am-1)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、アジピン酸295部、ヘキサメチレンジアミン400部及び酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]1.5部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2~0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端酸変性ポリアミド(am-1)を得た。
なお、(am-1)のアミン価は56mgKOH/g、酸価は56mgKOH/g、Mnは1,000であった。
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、アジピン酸295部、ヘキサメチレンジアミン400部及び酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]1.5部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2~0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端酸変性ポリアミド(am-1)を得た。
なお、(am-1)のアミン価は56mgKOH/g、酸価は56mgKOH/g、Mnは1,000であった。
<製造例2>[片末端酸変性ポリアミド(am-2)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ε-カプロラクタム440部、安息香酸13.5部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]1.5部及び水20部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2~0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端酸変性ポリアミド(am-2)を得た。
なお、(am-2)のアミン価は0mgKOH/g、酸価は14mgKOH/g、Mnは4,000であった。
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ε-カプロラクタム440部、安息香酸13.5部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]1.5部及び水20部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2~0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端酸変性ポリアミド(am-2)を得た。
なお、(am-2)のアミン価は0mgKOH/g、酸価は14mgKOH/g、Mnは4,000であった。
<製造例3>[片末端酸変性ポリアミド(am-3)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、12-アミノドデカン酸440部、安息香酸5部及び酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]1.5部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2~0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端酸変性ポリアミド(am-3)を得た。
なお、(am-3)のアミン価は0mgKOH/g、酸価は6mgKOH/g、Mnは10,000であった。
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、12-アミノドデカン酸440部、安息香酸5部及び酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]1.5部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2~0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端酸変性ポリアミド(am-3)を得た。
なお、(am-3)のアミン価は0mgKOH/g、酸価は6mgKOH/g、Mnは10,000であった。
<製造例4>[片末端酸変性ポリアミド(am-4)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、12-ラウロラクタム440部、安息香酸2.6部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]1.5部及び水20部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2~0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端酸変性ポリアミド(am-4)を得た。
なお、(am-4)のアミン価は0mgKOH/g、酸価は3mgKOH/g、Mnは19,000であった。
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、12-ラウロラクタム440部、安息香酸2.6部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]1.5部及び水20部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2~0.5MPa)で4時間撹拌し、片末端酸変性ポリアミド(am-4)を得た。
なお、(am-4)のアミン価は0mgKOH/g、酸価は3mgKOH/g、Mnは19,000であった。
<製造例5>[両末端アミン変性ポリアミド(am-5)]
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ε-カプロラクタム440部、ヘキサメチレンジアミン10部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]1.5部及び水20部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2~0.5MPa)で4時間撹拌し、両末端アミン変性ポリアミド(am-5)を得た。
なお、(am-5)のアミン価は22mgKOH/g、酸価は0mgKOH/g、Mnは5,000であった。
撹拌機、温度計、加熱冷却装置、窒素導入管及び減圧装置を備えたステンレス製耐圧反応容器に、ε-カプロラクタム440部、ヘキサメチレンジアミン10部、酸化防止剤[「イルガノックス1010」、チバスペシャリティーケミカルズ(株)製]1.5部及び水20部を投入し、窒素置換後、密閉下、撹拌しながら250℃まで昇温し、同温度(圧力:0.2~0.5MPa)で4時間撹拌し、両末端アミン変性ポリアミド(am-5)を得た。
なお、(am-5)のアミン価は22mgKOH/g、酸価は0mgKOH/g、Mnは5,000であった。
<実施例1>
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、片末端酸変性ポリアミド(am-2)100部、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロ-1-デカノール(b-1)11部及び酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部を投入し、撹拌しながら210℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で5時間反応させて、有機フッ素変性ポリアミド(A-1)を含有してなるポリアミド樹脂用改質剤(Z-1)を得た。
なお、(A-1)はMn:4,500、(A)中のフッ素含有量:6.9重量%であった。
撹拌機、温度計及び加熱冷却装置を備えた反応容器に、片末端酸変性ポリアミド(am-2)100部、1H,1H,2H,2H-ヘプタデカフルオロ-1-デカノール(b-1)11部及び酸化防止剤「イルガノックス1010」0.3部を投入し、撹拌しながら210℃に昇温し、減圧下(0.013MPa以下)同温度で5時間反応させて、有機フッ素変性ポリアミド(A-1)を含有してなるポリアミド樹脂用改質剤(Z-1)を得た。
なお、(A-1)はMn:4,500、(A)中のフッ素含有量:6.9重量%であった。
<実施例2~5、比較例1>
使用原料及びその使用量を表1に記載のものに代えた以外は実施例1と同様に行い、各ポリアミド樹脂用改質剤(Z)を得た。
なお、比較のためのポリアミド樹脂用改質剤(比Z-1)として、市販の無水マレイン酸変性ポリプロピレン[Mn4000、酸価22mgKOH/g]を、そのまま使用した。結果を表1に示す。
使用原料及びその使用量を表1に記載のものに代えた以外は実施例1と同様に行い、各ポリアミド樹脂用改質剤(Z)を得た。
なお、比較のためのポリアミド樹脂用改質剤(比Z-1)として、市販の無水マレイン酸変性ポリプロピレン[Mn4000、酸価22mgKOH/g]を、そのまま使用した。結果を表1に示す。
<実施例6~17、比較例2~4>
表2に示す配合組成(部)に従って、各配合成分をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、220℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して、各ポリアミド樹脂組成物(Y)を得た。
表2に示す配合組成(部)に従って、各配合成分をヘンシェルミキサーで3分間ブレンドした後、ベント付き2軸押出機にて、100rpm、220℃、滞留時間5分の条件で溶融混練して、各ポリアミド樹脂組成物(Y)を得た。
表2に記載の配合成分は、以下の通りである。
ポリアミド樹脂(B-1):
ポリアミド6[商品名「UBE1013B」、宇部興産(株)製、Mn13,000]
ポリアミド樹脂(B-1):
ポリアミド6[商品名「UBE1013B」、宇部興産(株)製、Mn13,000]
得られた各樹脂組成物について、射出成形機[「PS40E5ASE」、日精樹脂工業(株)製]を用い、シリンダー温度240℃、金型温度50℃で成形試験片を作製し、下記の性能試験により評価した結果を表2に示す。
なお、評価(2)では、下記の恒温恒湿機を使用した。
・機器:低温恒温恒湿機[いすず製作所製、TPAV-48-20]
なお、評価(2)では、下記の恒温恒湿機を使用した。
・機器:低温恒温恒湿機[いすず製作所製、TPAV-48-20]
<性能試験>
(1)平衡吸水時間(hr)
JIS K7209に準拠して、試験片(80×80×1mm)の吸水率(%)が平衡状態になるまでの時間を測定した。
(1)平衡吸水時間(hr)
JIS K7209に準拠して、試験片(80×80×1mm)の吸水率(%)が平衡状態になるまでの時間を測定した。
(2)吸湿試験前後の寸法変化率(%)<平行、垂直>
JIS K7143に準拠して、70℃/62%RH雰囲気中における平板試験片(80×80×2mm)の吸湿促進試験を行った。
上記条件における平衡水分率(%)は、23℃/50%RH雰囲気中における吸湿平衡率(%)に近い値となる。乾燥状態の寸法(mm)と吸湿平衡時の寸法(mm)を測定し、寸法変化率(%)を計算した。
寸法変化率(%)=
[(寸法:吸湿試験後)-(寸法:乾燥状態)]×100/[寸法:乾燥状態]
なお、「平行」とは、射出成形における樹脂の流れと同じ方向を意味し、「垂直」とは、樹脂の流れに対して垂直な方向を意味する。
<評価基準>
☆: [寸法変化率]≦2.5
◎:2.5<[寸法変化率]≦3.5
○:3.5<[寸法変化率]≦4.5
△:4.5<[寸法変化率]≦5.0
×:5.0<[寸法変化率]
JIS K7143に準拠して、70℃/62%RH雰囲気中における平板試験片(80×80×2mm)の吸湿促進試験を行った。
上記条件における平衡水分率(%)は、23℃/50%RH雰囲気中における吸湿平衡率(%)に近い値となる。乾燥状態の寸法(mm)と吸湿平衡時の寸法(mm)を測定し、寸法変化率(%)を計算した。
寸法変化率(%)=
[(寸法:吸湿試験後)-(寸法:乾燥状態)]×100/[寸法:乾燥状態]
なお、「平行」とは、射出成形における樹脂の流れと同じ方向を意味し、「垂直」とは、樹脂の流れに対して垂直な方向を意味する。
<評価基準>
☆: [寸法変化率]≦2.5
◎:2.5<[寸法変化率]≦3.5
○:3.5<[寸法変化率]≦4.5
△:4.5<[寸法変化率]≦5.0
×:5.0<[寸法変化率]
(3)外観
試験片(80×80×1mm)の表面の外観を目視で観察して、以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:外観に、全く異常(表面荒れ、フクレ等)なく良好
○:外観に、ほとんど異常がない
△:外観に、異常が少しあり
×:外観に、異常がある
試験片(80×80×1mm)の表面の外観を目視で観察して、以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:外観に、全く異常(表面荒れ、フクレ等)なく良好
○:外観に、ほとんど異常がない
△:外観に、異常が少しあり
×:外観に、異常がある
(4)機械的強度(アイゾット衝撃強度)の低下率
ポリアミド樹脂(B)にポリアミド樹脂用改質剤(Z)を配合した際の機械的強度の低下率を、アイゾット衝撃強度について評価した。アイゾット衝撃強度(単位:J/m)
ASTM D256 Method A(ノッチ付き、3.2mm厚)に準拠して測定した。
なお、機械的強度の低下率は樹脂用改質剤(Z)の配合量によっても異なるので、改質剤(Y)の種類による低下率を明確にするため、特定の配合量での低下率をその際の改質剤(Y)の配合重量%で除した値を用いて評価した。
即ち、下式により求めた機械強度の低下率(%/重量%)を用いて以下の評価基準で評価した。
ポリアミド樹脂(B)にポリアミド樹脂用改質剤(Z)を配合した際の機械的強度の低下率を、アイゾット衝撃強度について評価した。アイゾット衝撃強度(単位:J/m)
ASTM D256 Method A(ノッチ付き、3.2mm厚)に準拠して測定した。
なお、機械的強度の低下率は樹脂用改質剤(Z)の配合量によっても異なるので、改質剤(Y)の種類による低下率を明確にするため、特定の配合量での低下率をその際の改質剤(Y)の配合重量%で除した値を用いて評価した。
即ち、下式により求めた機械強度の低下率(%/重量%)を用いて以下の評価基準で評価した。
[機械的強度の低下率(%/重量%)]=
{[配合前の機械的強度]-[配合後の機械的強度]}/[配合前の機械的強度]/[樹脂改質剤の配合重量]×100(%)
例えば、配合前の樹脂(アイゾット衝撃強度=2.0J/m)に改質剤(Z)を10重量%配合した場合で、配合後のアイゾット衝撃強度が1.8J/mである場合、計算式は以下の通りとなる。
[機械的強度の低下率(%/重量%)]=
[2.0(J/m)-1.8(J/m)]/2.0(J/m)/10(重量%)×100(%)=1.0(%/重量%)
{[配合前の機械的強度]-[配合後の機械的強度]}/[配合前の機械的強度]/[樹脂改質剤の配合重量]×100(%)
例えば、配合前の樹脂(アイゾット衝撃強度=2.0J/m)に改質剤(Z)を10重量%配合した場合で、配合後のアイゾット衝撃強度が1.8J/mである場合、計算式は以下の通りとなる。
[機械的強度の低下率(%/重量%)]=
[2.0(J/m)-1.8(J/m)]/2.0(J/m)/10(重量%)×100(%)=1.0(%/重量%)
<評価基準>
☆: [低下率]≦0.25
◎:0.25<[低下率]≦0.5
○: 0.5<[低下率]≦2.5
△: 2.5<[低下率]≦5.5
×: 5.5<[低下率]
☆: [低下率]≦0.25
◎:0.25<[低下率]≦0.5
○: 0.5<[低下率]≦2.5
△: 2.5<[低下率]≦5.5
×: 5.5<[低下率]
表1~2の結果から、本発明のポリアミド樹脂用改質剤(Z)は、比較のものと比べて、ポリアミド樹脂組成物の成形品の吸水性を小とし、優れた寸法安定性を付与する。
また、成形品に優れた機械的強度(機械物性)、優れた外観を与えることが分かる。
また、成形品に優れた機械的強度(機械物性)、優れた外観を与えることが分かる。
本発明のポリアミド樹脂用改質剤(Z)、該(Z)とポリアミド樹脂(B)とを含有してなるポリアミド樹脂組成物(Y)の成形品は、寸法安定性、機械的強度、外観に優れるため、種々の成形品用途、精密部品用途、自動車部品用途、日常用品用途に好適に使用できる。
Claims (7)
- ポリアミド(am)にフルオロ炭化水素基を有する有機基を少なくとも1個有する有機フッ素変性ポリアミド(A)を含有してなるポリアミド樹脂用改質剤(Z)。
- 前記有機フッ素変性ポリアミド(A)中のフッ素含有率が、(A)の重量に基づいて0.1~25重量%である請求項1記載のポリアミド樹脂用改質剤。
- 前記有機フッ素変性ポリアミド(A)の数平均分子量(Mn)が500~20,000である請求項1又は2記載のポリアミド樹脂用改質剤。
- 前記有機フッ素変性ポリアミド(A)が、ポリアミド(am)と、カルボキシル基と反応性を有する官能基又はアミノ基と反応性の官能基を有する有機フッ素化合物(b)との反応物である請求項1~3のいずれか記載のポリアミド樹脂用改質剤。
- 請求項1~4のいずれか記載のポリアミド樹脂用改質剤(Z)とポリアミド樹脂(B)とを含有してなるポリアミド樹脂組成物(Y)。
- 前記ポリアミド樹脂用改質剤(Z)とポリアミド樹脂(B)との重量比[(Z)/(B)]が、0.5/99.5~15/85である請求項5記載のポリアミド樹脂組成物。
- 請求項5又は6記載のポリアミド樹脂組成物(Y)を成形してなる成形品。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020181026 | 2020-10-29 | ||
JP2020181026 | 2020-10-29 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022073961A true JP2022073961A (ja) | 2022-05-17 |
Family
ID=81604695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021149036A Pending JP2022073961A (ja) | 2020-10-29 | 2021-09-14 | ポリアミド樹脂用改質剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022073961A (ja) |
-
2021
- 2021-09-14 JP JP2021149036A patent/JP2022073961A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2670805B1 (en) | Melt-blended thermoplastic composition | |
US8445575B2 (en) | Thermoplastic articles including polyhydroxy polymers | |
JP7150717B2 (ja) | ポリフェニレンスルフィド(pps)およびポリアミド6(pa6)を含有する充填組成物 | |
US20080269375A1 (en) | Polyamide resin composition and method of preparing same | |
JP6457062B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物の製造方法、及び成形品 | |
JP5708487B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JP2010248324A (ja) | ポリアミド組成物からなる自動車冷却系部品 | |
EP2528972A2 (en) | Polyamide compositions with improved salt resistance and heat stability | |
EP0392602A1 (en) | Polyamide resin composition | |
JP6174783B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物の製造方法、及び成形品 | |
JP6592253B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物の製造方法、及び成形品 | |
US20140066568A1 (en) | Polyamide resin blends | |
JP5709406B2 (ja) | ガラス強化ポリアミド樹脂組成物及び成形品 | |
JP3082754B2 (ja) | ポリエーテルエステルアミド、帯電防止剤および熱可塑性樹脂組成物 | |
JP2006176597A (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JP2022073961A (ja) | ポリアミド樹脂用改質剤 | |
JP6895322B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JP6895321B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物 | |
JP2505619B2 (ja) | 自動車用アンダ―フ―ド部品 | |
JP2515915B2 (ja) | ポリアミド樹脂の製造方法 | |
JP2022030403A (ja) | ポリアミド樹脂組成物及びその成形体 | |
JP2017039818A (ja) | ポリアミド樹脂組成物、ポリアミド樹脂組成物の製造方法、及び成形品 | |
JP2016138256A (ja) | ポリアミド樹脂組成物を含む成形体 | |
KR20190083364A (ko) | 폴리페닐렌 설파이드(pps)를 포함하는 중합체 조성물 중의 열-노화 안정화제로서의 폴리아미드 6(pa6)의 용도 | |
JP5977598B2 (ja) | ポリアミド樹脂組成物の流動性を改良する方法 |