JP2022072146A - 作業支援情報作成システム、作業支援情報の生成方法及び作業支援情報生成プログラム - Google Patents

作業支援情報作成システム、作業支援情報の生成方法及び作業支援情報生成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】散布物の散布量を適切に設定しやすい作業支援情報作成システム、作業支援情報の生成方法及び作業支援情報生成プログラムを提供する。【解決手段】作業支援情報作成システムは、作業方法取得部135と、作成処理部12と、制限部18と、を備える。作業方法取得部135は、圃場への散布作業の方法に関する作業方法情報を取得する。作成処理部12は、散布物の散布量に基づいて散布作業を支援する作業支援情報を作成する。制限部18は、作業支援情報の作成に際して、散布物の散布量について入力される入力設定値を、作業方法情報に基づいて制限する。【選択図】図1

Description

本発明は、圃場での散布作業に用いられる作業支援情報を作成する作業支援情報作成システム、作業支援情報の生成方法及び作業支援情報生成プログラムに関する。
関連技術として、圃場における散布物の散布計画を作成するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。関連技術に係るシステムは、圃場選択部に表示された複数の圃場識別情報の中から、1つの圃場識別情報が選択されると、選択された圃場識別情報に対応する圃場(選択圃場)のエリア毎の散布量を含む作業マップ(散布情報)を作成する。この種のシステムの機能として、例えば収量マップ等の農業マップに基づいて、作業マップを作成する機能がある。
具体的に、関連技術では、圃場を示したフィールドを複数のエリアに分割して、エリアに収穫量のデータを割り当てたメッシュ型の収量マップを表示し、収量マップと同一画面上に、エリア毎の散布量を入力するための散布入力部を表示する。これにより、ユーザは、収量マップを見ながら、作業マップを作成することができる。あるいは、関連技術では、農業マップにおける各エリアのデータに対応して、エリア毎の散布量が自動的に設定される。例えば農業マップが生育マップである場合、各エリアのデータの値が小さい、つまり作物の生育が遅れていれば作物の生育が進むように、データの値に対応して、各エリアの散布物(肥料、農薬等)の散布量が多く設定される。
特開2019-187377号公報
上記関連技術の構成では、エリア毎の散布量は、ユーザが自由に設定するか、又は農業マップに応じて自動的に設定されるが、散布作業の方法によっては不適切となる散布量が設定され得る。一例として、散布物が肥料である場合、散布作業の方法(施肥方法)が元肥か追肥かによって適切な散布量が大幅に異なるが、このような散布作業の方法に応じた適切な散布量の見極めを誤るなどして、不適切な散布量が設定される可能性がある。
本発明の目的は、散布物の散布量を適切に設定しやすい作業支援情報作成システム、作業支援情報の生成方法及び作業支援情報生成プログラムを提供することにある。
本発明の一の局面に係る作業支援情報作成システムは、作業方法取得部と、作成処理部と、制限部と、を備える。前記作業方法取得部は、圃場への散布作業の方法に関する作業方法情報を取得する。前記作成処理部は、散布物の散布量に基づいて前記散布作業を支援する作業支援情報を作成する。前記制限部は、前記作業支援情報の作成に際して、前記散布物の散布量について入力される入力設定値を、前記作業方法情報に基づいて制限する。
本発明の他の局面に係る作業支援情報の生成方法は、圃場への散布作業の方法に関する作業方法情報を取得することと、散布物の散布量に基づいて前記散布作業を支援する作業支援情報を作成することと、前記作業支援情報の作成に際して、前記散布物の散布量について入力される入力設定値を、前記作業方法情報に基づいて制限することと、を有する。
本発明の他の局面に係る作業支援情報生成プログラムは、圃場への散布作業の方法に関する作業方法情報を取得することと、散布物の散布量に基づいて前記散布作業を支援する作業支援情報を作成することと、前記作業支援情報の作成に際して、前記散布物の散布量について入力される入力設定値を、前記作業方法情報に基づいて制限することと、を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、散布物の散布量を適切に設定しやすい作業支援情報作成システム、作業支援情報の生成方法及び作業支援情報生成プログラムを提供することができる。
図1は、実施形態1に係る作業マップ作成システムのシステム構成を示す図である。 図2は、実施形態1に係る作業マップ作成システムから作業機械に情報を移す例を示す説明図である。 図3は、実施形態1に係る作業マップ作成システムで用いる作業マップの一例を示す説明図である。 図4は、実施形態1に係る作業マップ作成システムにおける画面遷移の説明図である。 図5は、実施形態1に係る作業マップ作成システムの結果一覧画面の一例を示す図である。 図6は、実実施形態1に係る作業マップ作成システムの圃場設定画面の一例を示す図である。 図7は、実施形態1に係る作業マップ作成システムの優先順位設定画面の一例を示す図である。 図8は、実施形態1に係る作業マップ作成システムのパラメータ設定画面の一例を示す図である。 図9は、実施形態1に係る作業マップ作成システムの参照画面の一例を示す図である。 図10は、実施形態1に係る作業マップ作成システムのパラメータ設定画面の要部の一例を示す図である。 図11は、実施形態1に係る作業マップ作成システムの結果確認画面の一例を示す図である。 図12は、実施形態1に係る作業マップ作成システムの作成処理に係る一連の処理の一例を示すフローチャートである。 図13は、実施形態1に係る作業マップ作成システムの算出関連処理に係る一連の処理の一例を示すフローチャートである。 図14は、実施形態1に係る作業マップ作成システムの制限関連処理に係る一連の処理の一例を示すフローチャートである。 図15は、実施形態1に係る作業マップ作成システムの結果比較画面の一例を示す図である。 図16は、実施形態1に係る作業マップ作成システムの結果修正画面の一例を示す図である。 図17は、実施形態1に係る作業マップ作成システムの結果修正画面の一例を示す図である。 図18は、実施形態1に係る作業マップ作成システムの出力画面の一例を示す図である。 図19は、実施形態1の変形例に係る作業マップ作成システムの結果比較画面の一例を示す図である。 図20は、実施形態2に係る作業マップ作成システムのシステム構成を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
[1]全体構成
本実施形態に係る作業マップ作成システム10は、図1に示すように、管理サーバ2と、ユーザ端末3と、を備えている。作業マップ作成システム10は、圃場F1(図2参照)での作業に用いられる作業マップM1(図3参照)を作成する。本実施形態では一例として、作業マップM1は、圃場F1での肥料の散布作業(つまり施肥作業)に用いられる「施肥マップ」である。このような作業マップM1は、圃場F1での散布作業(施肥作業を含む)に用いられる作業支援情報D1(図2参照)の一種である。そのため、本実施形態に係る作業マップ作成システム10は、作業支援情報D1を作成する作業支援情報作成システムの一例である。
作業マップ作成システム10で作成される作業マップM1(作業支援情報D1)は、例えば、作業機械4に入力可能な形式で作業マップ作成システム10から出力され、作業機械4で使用される。本開示でいう「作業機械」は、圃場F1を移動する各種の作業用の機械を意味し、一例として、田植機、トラクタ、散布機、噴霧機、播種機、移植機及びコンバイン等の作業車両である。つまり、作業機械は作業車両を含む。作業機械4は、田植機及びトラクタ等の「車両」に限らず、例えば、施肥用又は農薬散布用のドローン又はマルチコプター等の作業飛翔体等であってもよい。さらに、作業機械4は農業機械(農機)に限らず、例えば、建設機械(建機)等であってもよい。本実施形態では、特に断りが無い限り、作業機械4が乗用タイプの田植機であって、少なくとも散布物としての「肥料」の散布作業、つまり施肥作業を作業として実行可能である場合を例に挙げて説明する。
また、本開示でいう「圃場」は、作業機械4が移動しながら、例えば、施肥、農薬散布、播種、植付け(田植え)又は収穫等の各種の作業を行う作業対象領域であって、農産物を育成する田んぼ、畑、果樹園及び牧草地等を含む。この場合、圃場F1で育成される作物は農産物である。さらに、植木畑で植木を育成している場合には植木畑が圃場F1となり、林業のように森林にて木材となる樹木を育成する場合には森林が圃場F1となる。この場合、圃場F1で育成される作物は植木又は樹木等である。このような圃場F1は、実空間(実在する空間)中の特定の場所であるので、例えば、地図上の住所、又は緯度及び経度等をもって、位置、形状及び大きさ等が表される。本実施形態では、このように実空間中において作業機械4が移動しながら各種の作業を行う作業対象領域が圃場F1である場合について説明するが、作業対象領域は、圃場F1以外であってもよい。例えば、作業機械4が建設機械であれば、建設機械が作業を行う現場が、作業対象領域となる。本実施形態では、特に断りが無い限り、圃場F1が屋外の田んぼである場合を例に挙げて説明する。
また、作業マップ作成システム10で作成される作業マップM1(作業支援情報D1)が作業機械4で使用されることは、必須ではない。つまり、作業マップ作成システム10で作成される作業マップM1にて支援される作業は、圃場F1での作物の栽培に関連する作業であればよく、作業機械4にて行われる作業に限らない。例えば、人が圃場F1を移動しながら行う作業のように、圃場F1における複数の位置で人により行われる作業に、作業マップ作成システム10で作成される作業マップM1が使用されてもよい。この種の作業の一例として、人が肥料又は薬剤(農薬)等を散布する散布作業(施肥作業を含む)等がある。このような散布作業等の作業は、作業機械4で行ってもよいが、人によって行われることもある。そして、人が散布作業等の作業を行う場合でも、作業マップM1を参照して、例えば、散布物(肥料又は薬剤等)の散布量等を調整可能である。ただし、本実施形態では、特に断りが無い限り、作業機械4にて使用される作業マップM1(作業支援情報D1)を作業マップ作成システム10で作成する場合について説明する。
本実施形態では、作業マップ作成システム10で作成される作業マップM1(作業支援情報D1)を使用する作業機械4は、作業マップ作成システム10の構成要素に含まれないこととするが、作業機械4が作業マップ作成システム10の構成要素に含まれてもよい。また、本実施形態では、ユーザ端末3は、作業マップ作成システム10の構成要素に含まれることとするが、ユーザ端末3が作業マップ作成システム10の構成要素に含まれることは必須ではない。つまり、作業マップ作成システム10は、作業機械4及びユーザ端末3の少なくとも一方を、構成要素に含んでもよいし、含まなくてもよい。作業マップ作成システム10が作業機械4及びユーザ端末3の両方を構成要素に含まない場合には、作業マップ作成システム10は、管理サーバ2のみを構成要素に含むことになる。
管理サーバ2及びユーザ端末3は、互いに通信可能である。本開示でいう「通信可能」とは、有線通信又は無線通信(電波又は光を媒体とする通信)の適宜の通信方式により、直接的、又は通信網(ネットワーク)N1若しくは中継器等を介して間接的に、情報を授受できることを意味する。管理サーバ2とユーザ端末3とは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、公衆電話回線、携帯電話回線網、パケット回線網又は無線LAN等を介して通信可能である。管理サーバ2及びユーザ端末3間の通信手段は、上記の例に限らず、適宜の通信手段によって実現される。また、管理サーバ2及びユーザ端末3が互いに通信可能であることは、作業マップ作成システム10において必須の構成ではない。例えば、管理サーバ2とユーザ端末3との間の通信機能がない場合でも、管理サーバ2にてコンピュータ読取可能な非一時的記録媒体に情報を記録し、ユーザ端末3にて記録媒体から情報を読み取ることで、オフラインでの情報の授受が可能となる。
一方、ユーザ端末3と作業機械4との間の情報の授受は、本実施形態では一例として、通信ではなくオフラインで行われる。つまり、ユーザ端末3にてコンピュータ読取可能な非一時的記録媒体に情報を記録し、作業機械4にて記録媒体から情報を読み取ることで、オフラインでの情報の授受が可能となる。具体的には、後述するユーザ端末3のデータ出力部36が、ユーザ端末3に接続された可搬型の記録媒体5(図2参照)に作業支援情報D1(作業マップM1を含む)を書き込み、この記録媒体5から作業機械4が作業支援情報D1を読み出す。これにより、作業マップ作成システム10で作成された作業マップM1(作業支援情報D1)を、作業機械4に入力することが可能である。また、例えば、ユーザ端末3と作業機械4とは互いに通信可能であってもよく、この場合、ユーザ端末3と作業機械4との間の情報の授受は通信にて行われてもよい。
本実施形態では、管理サーバ2は、作業マップ作成システム10の中核となる機能を有している。つまり、管理サーバ2は、作業マップM1(作業支援情報D1)を作成(生成)する機能を有している。ユーザ端末3は、ユーザにて使用される通信端末である。例えば、ユーザは、ユーザ端末3にて、管理サーバ2が提供する作業支援サービスのウェブサイト(一例として「作業支援サイト」)にアクセスして、作業マップM1(作業支援情報D1)を作成するための画面(ウェブページ)を表示させることが可能である。ユーザ端末3は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。
作業マップ作成システム10で作成される作業マップM1(作業支援情報D1)を使用する作業機械4についても、1台であってもよいし、複数台であってもよい。複数台の作業機械4がある場合、これら複数台の作業機械4は、例えば、1又は複数の圃場F1において、散布物(肥料又は薬剤等)を散布する散布作業を協働して実行する。さらに、作業マップM1(作業支援情報D1)を使用する複数台の作業機械4は、例えば、田植機、トラクタ及びドローン等の、互いに異なる種類の作業機械4を含んでいてもよい。
[2]作業機械
次に、作業機械4(本実施形態では乗用タイプの田植機)の構成について、図2を参照して説明する。
作業機械4は、圃場F1内を移動する走行ブロック41と、作業を実行するアタッチメントブロック42と、を有している。走行ブロック41は、動力源(エンジン、モータ等)、変速装置、操舵装置、操作装置、制御装置及びアクチュエータ等を有している。走行ブロック41は、動力源で発生する動力を利用して、圃場F1を走行可能に構成されている。アタッチメントブロック42は、走行ブロック41に連結(装着、搭載を含む)され、肥料の散布(施肥)、薬剤の散布(農薬散布)等の作業を行う。アタッチメントブロック42は、例えば、走行ブロック41の動力源で発生する動力を利用して動作する。
本実施形態では一例として、作業機械4は、自動運転により動作(自律走行)する。具体的には、作業機械4は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)等の衛星測位システムを用いて作業機械4の位置(緯度及び軽度)を検出する位置検出部、及び作業機械4の姿勢を検出する姿勢検出部等を、制御装置に含んでいる。一例として、位置検出部は、RKT(Real Time Kinematic)測位のように、比較的高精度で位置を検出する。
ここで、作業機械4の制御装置は、1以上のプロセッサと、不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)等の1以上の記憶メモリとを有するコンピュータシステムを含む。制御装置は、可搬型の記録媒体5を接続可能に構成されており、記録媒体5を接続することで、記録媒体5から作業支援情報D1(作業マップM1を含む)を読み出し可能である。制御装置は、現在の作業機械4の位置及び姿勢と、作業支援情報D1の作業マップM1とに基づいて、走行ブロック41及びアタッチメントブロック42を自動制御する。これにより、作業機械4は、作業支援情報D1に従い、自律的に、走行経路に沿って圃場F1内を走行しながら作業を行うことが可能である。
特に、本実施形態では、作業機械4は、少なくとも肥料の散布作業(施肥作業)を実行する。そのため、作業機械4は、作業マップM1にて指示される散布物(肥料)の散布量に従って、圃場F1の位置毎に散布量を変えながら散布作業を行うことで、作業マップM1に従って散布作業(施肥作業)を実行することができる。つまり、作業マップM1において圃場F1の各位置の散布量が指示されていれば、作業機械4により、この指示に従った分布で散布物(肥料)を散布することが可能となる。結果的に、同一圃場F1の中でも、位置毎に細かく散布量を調整しながらの散布作業が、自動的に実現可能となる。
ただし、作業機械4は、自動運転により動作する構成に限らず、人(オペレータ)の操作(遠隔操作を含む)により動作してもよい。この場合、人は、例えば、作業機械4の表示器又はユーザ端末3等に表示される作業マップM1を見ながら、作業マップM1に従って作業機械4を操作する。
[3]作業マップ
次に、作業マップ作成システム10で作成される作業マップM1(作業支援情報D1)について、図3を参照して説明する。
上述したように、本実施形態では、作業マップ作成システム10の生成物である作業マップM1は、散布作業に用いられる作業支援情報D1の一種である。具体的には、作業支援情報D1が作業マップM1を含む。作業マップM1は、複数の区画K(図3参照)を有し、かつ圃場F1に対応する。複数の区画Kは、それぞれ散布物の散布量を示す作業指数が設定される。このように散布作業に用いられる作業マップM1であって、散布物の散布量を各区画Kの作業指数とする作業マップM1を、「散布マップ」ともいう。特に、本実施形態のように、散布作業の中でも散布物として肥料を散布する施肥作業に用いられ、肥料の散布量(施肥量)を各区画Kの作業指数とする作業マップM1を、「施肥マップ」ともいう。
要するに、作業支援情報D1としての作業マップM1は、圃場F1における複数の区画Kに対応する各位置での散布物の散布量を作業指数とする散布マップを含む。さらにいえば、作業マップM1は、圃場F1における複数の区画Kに対応する各位置での施肥量、つまり散布物である肥料の散布量を作業指数とする施肥マップを含む。ここに、本実施形態では一例として、作業指数としての散布量は、単位面積当たりに散布される散布物(肥料)の量であることとして説明する。つまり、作業指数としての散布量は、各区画Kに散布される散布物(肥料)の総量ではなく、各区画Kにおける散布物の平均的な量(平均値)である。一例として、単位面積を「10a」とし、散布物(肥料)の量を重量(kg)で表すとすれば、作業指数としての散布量の単位は「kg/10a」となる。ただし、作業指数は、各区画Kにおける代表値であればよく、単位面積当たりの散布量のような平均値に限らず、各区画Kにおける合計値、中央値、最頻値、最大値又は最小値等の代表値であってもよい。一例として、作業指数としての散布量は、各区画Kに散布される散布物(肥料)の総量(合計値)等であってもよい。
より詳細には、作業マップM1における複数の区画Kは、圃場F1そのものではなく、圃場F1に対応する作業領域A1(図3参照)に対して設定される。作業マップM1は、このように作業領域A1に設定される複数の区画Kに、それぞれ散布量(施肥量)等の作業指数を割り当てたデータである。本開示でいう「作業領域」は、圃場F1に対応して仮想空間に設定される二次元領域であって、作業マップM1の作成に用いられる。つまり、実空間上に存在する圃場F1に対応して、作業マップM1の作成用に仮想空間上に設定される領域が作業領域A1である。
そのため、本開示でいう「区画」は、仮想空間上の作業領域A1を複数に分割したときの、仮想空間における分割後の個々の領域を意味する。複数の区画Kの各々は、例えば正方形状等の予め定められた形状の領域である。本実施形態に係る作業マップ作成システム10は、仮想空間上に作業領域A1を設定した上で、作業領域A1に複数の区画Kを設定し、さらに、複数の区画Kに作業指数(施肥量)を割り当てる(対応付ける)ことにより、作業マップM1を作成する。
作業マップM1は、一例として、図3に示すように、作業領域A1全体をメッシュ状に複数の区画Kに分割し、各区画Kに作業指数を割り当てて作成される。図3には、作業領域A1を複数の区画Kに分割した状態を模式的に示している。例えば、各区画Kは、対応する圃場F1における実寸換算で5m×5mの正方形の領域である。ただし、各区画Kの形状及び大きさ等は特に限定されない。図3の左側には、各区画Kの識別情報として、X座標(X軸)及びY座標(Y軸)の座標情報(区画番号)を付している。
より具体的には、作業マップM1は、作業領域A1の区画K毎に、対応する「区画番号」及び「作業指数」等の情報を含むマップデータである。区画番号は、区画Kの識別情報である。これにより、作業指数(散布量)は、区画K毎に登録されることになる。このような作業マップM1は、例えばユーザ端末3に表示されることにより、一例として図3の右側に示すような態様で可視化される。図3の例では、作業マップM1は、作業指数に対して、例えば、多階調の灰色濃淡(グレースケール)、又は各色を対応付けた態様を採用している。この例では、各区画Kについて、色が淡い程、散布量が少なく、色が濃い程、散布量が多いことを表している。また、作業領域A1における区画Kの数(分割数)が多くなれば、作業マップM1はより高精細となる。作業マップM1の各区画Kには、作業指数の「数値」を表示しなくてもよいし、表示してもよい。
上述のような作業マップM1は、作業領域A1における作業指数の分布を表すことで、この作業領域A1に対応する圃場F1全体における散布物(肥料)の散布量(施肥量)の分布を表すことになる。すなわち、作業マップM1に従って散布作業が実行されることで、圃場F1内での散布物の散布量を各区画Kに対応する位置毎に調整することができる。これにより、作業マップM1における作業指数の分布を、実際の圃場F1に対する散布物(肥料)の散布量(施肥量)の分布に反映することが可能となる。
ただし、作業マップM1が使用される作業は、散布作業(施肥作業を含む)に限らない。そのため、作業マップM1は、一般化すると、それぞれ作業指数が設定される複数の区画Kを有し、かつ圃場F1に対応するデータである、と言える。ここで、作業指数は、圃場F1における各区画Kに対応する位置毎での作業に係る何らか指数(値)であって、例えば、作業に用いる資源量、時間、工数、作業機械4の各種設定値等である。本実施形態では、作業マップM1で示される作業が散布物の散布作業であるので、圃場における各区画Kに対応する各位置での散布物の散布量、より詳細には施肥量、つまり散布物である肥料の散布量が「作業指数」となる。
[4]管理サーバ
次に、管理サーバ2の構成について、図1を参照して詳細に説明する。管理サーバ2は、情報処理部1、データ格納部21、操作受付部22及び(サーバ側)通信部23等を備えるサーバである。管理サーバ2は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、管理サーバ2で実行される各種の処理は、複数のプロセッサによって分散して実行されてもよい。
データ格納部21は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性のストレージデバイスを含む。データ格納部21には、情報処理部1に後述の作業マップM1の生成方法を実行させるための作業マップ生成プログラム等の制御プログラムが格納(記憶)されている。作業マップ生成プログラムは、例えば、コンピュータ読取可能な非一時的記録媒体に記録されて提供され、管理サーバ2の読取装置で非一時的記録媒体から読み取られて、データ格納部21に記憶される。作業マップ生成プログラムは、管理サーバ2以外のサーバから電気通信回線(通信網N1)を介して管理サーバ2に提供(ダウンロード)されて、データ格納部21に記憶されてもよい。
また、データ格納部21は、作業支援情報格納部211と取得情報格納部212とを含む。作業支援情報格納部211は、作業マップM1を含む作業支援情報D1を記憶する。つまり、作業マップ作成システム10で作成(生成)される作業支援情報D1(作業マップM1を含む)は、作業支援情報格納部211に記憶される。取得情報格納部212は、後述する情報取得部13が取得する種々の情報を記憶する。
操作受付部22は、ユーザの操作を受け付ける。具体的には、管理サーバ2はユーザ端末3と通信可能であるので、操作受付部22は、後述するユーザ端末3の操作部34に対するユーザの操作に応じた操作信号がユーザ端末3から送信されることで、ユーザの操作を間接的に受け付ける。つまり、ユーザ端末3をユーザが操作すると、ユーザ端末3では、ユーザの操作に応じた操作信号が発生し、操作信号がユーザ端末3から管理サーバ2に送信される。したがって、操作受付部22は、管理サーバ2がユーザ端末3から受信する操作信号によって、ユーザの操作を受け付けることができる。また、操作受付部22は、ユーザ端末3の操作部34に対するユーザの操作に限らず、ユーザ端末3以外の操作部に対するユーザ(管理サーバ2の管理者等)の操作を受け付けてもよい。この場合、操作部は、例えば、管理サーバ2に設けられる、又は管理サーバ2に付随する、タッチパネル、マウス若しくはキーボード等で実現される。
通信部23は、ユーザ端末3等の外部機器との通信機能を有する通信インターフェースである。具体的には、通信部23は、管理サーバ2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して1以上のユーザ端末3等との間で、所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
情報処理部1は、CPU(Central Processing Unit)等の1以上のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)及びRAM等の1以上のメモリとを有するコンピュータシステムであって、種々の処理(情報処理)を実行する。情報処理部1は、指定部11、作成処理部12、情報取得部13、参考情報指定部14、修正時算出部15、提示処理部16、算出部17及び制限部18等の機能部を有する。情報処理部1に含まれる、これら複数の機能部は、複数の筐体に分散して設けられていてもよいし、1つの筐体に設けられていてもよい。
指定部11は、対象圃場としての圃場F1を指定する指定処理を実行する。本開示でいう「対象圃場」は、圃場F1のうち、作業マップM1を作成する対象となる圃場F1である。つまり、作業マップ作成システム10は、指定部11で対象圃場として指定された圃場F1について、作業マップM1を作成する。本開示でいう「指定」は、人による任意の指定だけでなく、デフォルトとしての値が決まっている等、自動的に指定される態様も含む。本実施形態では、指定部11による対象圃場としての圃場F1の指定は、人による任意の指定であって、特に、ユーザ端末3に対するユーザ(人)の操作に応じて行われることとする。具体的には、指定部11は、操作受付部22が受け付ける、ユーザ端末3に対するユーザの操作に従って、いずれかの圃場F1を対象圃場として指定する。
作成処理部12は、作業支援情報D1を作成する作成処理を実行する。作業支援情報D1は作業マップM1を含むので、作成処理部12は、対象圃場として指定される圃場F1について、マップ化条件に従って、作業マップM1を作成する。ここでいう「マップ化条件」は、作業マップM1の作成に際して定められた条件(ルール)であって、例えば、作業マップ生成プログラムに含めてデータ格納部21に予め記憶されている。詳しくは後述するが、マップ化条件は一例として、算出部17で算出される散布物の散布量に基づいて作業マップM1を作成すること、及び参考マップM2(図15参照)に基づいて作業マップM1を作成すること等を含む。
作成処理部12は、このようなマップ化条件に従うことにより、自動的に、作業マップM1を作成することが可能である。具体的には、作成処理部12は、対象圃場に対応する作業領域A1を設定し、マップ化条件に従って、作業領域A1全体をメッシュ状に複数の区画Kに分割し、区画K毎に「区画番号」及び「作業指数」等の情報を割り当てることにより、作業マップM1を作成する。そして、作成処理部12は、作成した作業マップM1を含む作業支援情報D1を、データ格納部21の作業支援情報格納部211に記憶する。
また、本実施形態では、作成処理部12は、新規作成モード及び修正モードを含む複数のモードを有しており、ユーザの操作に従って、これらのモードを切替可能である。そして、作成処理部12は、新規作成モードでは、対象圃場として指定された圃場F1について、新規に作業支援情報D1(作業マップM1)を作成する。一方、修正モードでは、作成処理部12は、新規作成モードで作成された作業支援情報D1について、修正を加えることにより、作業支援情報D1を作成し直す。つまり、本開示では、既存の作業支援情報D1(作業マップM1)を修正することにより新たな作業支援情報D1(作業マップM1)とすることも、作業支援情報D1(作業マップM1)の「作成」に含める。ただし、本実施形態において、マップ化条件に従った作業マップM1の作成は新規作成モードでのみ実行され、修正モードではユーザの修正操作に従って作業マップM1が作成される。
要するに、本実施形態では、操作受付部22が、作成処理部12にて作成された作業マップM1に対するユーザの修正操作を受け付ける。作成処理部12は、修正操作に従って、作業指数を修正して作業マップM1を作成し直す。一例として、作成処理部12にて作成された作業マップM1をユーザ端末3に表示させた状態で、当該作業マップM1に対するユーザの修正操作を操作受付部22が受け付ける。
より詳細には、本実施形態では、作成処理部12は、条件判定部121と、新規作成部122と、修正処理部123と、を有している。言い換えれば、本実施形態に係る作業マップ作成システム10は、条件判定部121、新規作成部122及び修正処理部123を備えている。条件判定部121は、マップ化条件の判定を行う。新規作成部122は、新規作成モードでの作業支援情報D1(作業マップM1)の作成を行う。修正処理部123は、修正モードでの作業支援情報D1(作業マップM1)の作成を行う。
ところで、関連技術として、例えば収量マップ等の農業マップに基づいて、圃場F1に対応する散布マップ等の作業マップM1を作成する技術がある。しかし、上記関連技術の構成では、1つの圃場F1が選択されると、当該1つの圃場F1についての作業マップM1が作成される。したがって、複数の圃場F1についての作業マップM1を作成する場合には、ユーザは、圃場F1の選択(指定)及び作業マップM1の作成を含む手順を、圃場F1の数だけ繰り返す必要があり、圃場F1が多数になると大きな負担となり得る。
これに対して、本実施形態に係る作業マップ作成システム10は、以下の構成により、作業マップM1の作成に係るユーザの負担の低減を図ることを可能とする。
すなわち、本実施形態では、指定部11は、2以上の圃場F1を対象圃場として指定可能に構成されている。要するに、指定部11は、1つの圃場F1を対象圃場として指定可能であるのはもちろんのこと、2以上、つまり複数の圃場F1についても対象圃場として指定できる。2以上の圃場F1が指定される場合、対象圃場は、これら2以上の圃場F1を含むことになる。そして、作成処理部12は、対象圃場として指定される2以上の圃場F1について、マップ化条件に従って、2以上の圃場F1の各々に対応する作業マップM1を、一括で作成する。各作業マップM1は、それぞれ作業指数が設定される複数の区画Kを有する。ここで、基本的には、1つの圃場F1に対して1つの作業マップM1が作成されるので、対象圃場として指定される圃場F1と同数の作業マップM1が、一括で作成される。つまり、例えば、2つの圃場F1が対象圃場として指定されていれば2つの作業マップM1が、5つの圃場F1が対象圃場として指定されていれば2つの作業マップM1が、それぞれ一括で作成される。
本開示でいう「一括で作成」は、同時に作成すること、及び同時でなくても一まとめにして作成することを意味する。一例として、対象圃場として2つの圃場F1が指定される場合、2つの圃場F1がまとめて指定された状態で、圃場F1を指定し直すことなく2つの圃場F1についての作業マップM1が作成されていれば、作業マップM1は「一括で作成」されていることになる。これに対して、対象圃場としての2以上の圃場F1について、1つずつ圃場F1を指定し、作業マップM1が作成される場合、作業マップM1は「一括で作成」されていないことになる。要するに、作業マップM1が「一括で作成」される場合には、2以上の圃場F1について、まとめて対象圃場として指定された状態で、対象圃場を指定し直すことなく、全ての対象圃場の作業マップM1が作成されることになる。
上記構成によれば、2以上の圃場F1について作業マップM1を作成する場合でも、これら2以上の圃場F1を対象圃場としてまとめて指定し、これら2以上の圃場F1について作業マップM1を一括で作成することが可能となる。したがって、ユーザは、圃場F1の選択(指定)及び作業マップM1の作成を含む手順を、圃場F1の数だけ繰り返す必要がない。結果的に、本実施形態に係る作業マップ作成システム10によれば、作業マップM1の作成に係るユーザの負担の低減を図ることができる。特に、近年、同一のユーザが、数十、数百にも及ぶ、多数の圃場F1を管理するケースが増えており、このようなユーザにとっては、作業マップM1の作成に係る負担の大幅な低減が期待できる。
情報取得部13は、種々の情報を取得する取得処理を実行する。情報取得部13は、管理サーバ2の内部から、又は管理サーバ2の外部から、種々の情報を取得する。管理サーバ2の内部から情報を取得する場合、情報取得部13は、例えば、操作受付部22が受け付ける、ユーザ端末3に対するユーザの操作により指定される情報を、操作受付部22から取得する。これにより、情報取得部13が取得する情報を、人(ユーザ)が任意に入力することが可能となる。管理サーバ2の外部から情報を取得する場合には、情報取得部13は、例えば、通信部23での通信を用いて情報を取得する。この場合、情報取得部13は、管理サーバ2の外部のデータベース等から、所定の情報を引用することが可能となる。情報取得部13は、取得した種々の情報を、データ格納部21の取得情報格納部212に記憶する。
より詳細には、本実施形態では、情報取得部13は、参考情報取得部131と、種別取得部132と、特定量取得部133と、散布量取得部134と、作業方法取得部135と、を有している。言い換えれば、本実施形態に係る作業マップ作成システム10は、参考情報取得部131、種別取得部132、特定量取得部133、散布量取得部134及び作業方法取得部135を備えている。
参考情報取得部131は、参考情報を取得する。参考情報は、作成処理部12が作業支援情報D1(作業マップM1)を作成する際に参考にする情報であって、一例として、参考マップM2等を含む。つまり、マップ化条件として、参考マップM2に基づいて作業マップM1を作成すること、が定められている場合には、参考情報取得部131が取得する参考マップM2に基づいて、作成処理部12が、作業マップM1を作成する。本実施形態では、参考情報については、管理サーバ2の外部から取得される。
種別取得部132は、種別情報を取得する。種別情報は、圃場F1への散布作業に使用する散布物の種別に関する情報である。本実施形態では、散布作業は施肥作業であって、散布物は肥料を含む。そのため、種別情報は肥料の種別に関する情報である。種別情報は、一例として、肥料名のように肥料を識別するための情報、散布物(肥料)における特定成分の含有率、及び1袋当たりの散布物(肥料)の重量等を含む。本実施形態では、種別情報については、管理サーバ2の内部から取得される。
特定量取得部133は、特定量情報を取得する。特定量情報は、散布物の特定成分について圃場F1の単位面積当たりの分量である特定量に関する情報である。ここでいう「特定成分」は、散布物に含まれる1以上の成分のうちの1以上の成分であって、基本的には、圃場F1への散布作業において、散布物の主成分として圃場F1への効果が期待される成分である。本実施形態では、散布物が肥料であるので、一例として、特定成分は窒素を含む。そして、このような特定成分の単位面積当たりの分量(散布量)が「特定量」であって、この特定量に関する特定量情報が、特定量取得部133で取得される。本実施形態では、特定量情報については、管理サーバ2の内部から取得される。
散布量取得部134は、散布量情報を取得する。散布量情報は、圃場F1の単位面積当たりの散布物の散布量に関する情報である。本実施形態では、散布物が肥料であるので、散布量方法は、圃場F1の単位面積当たりの肥料の散布量、つまり施肥量に関する情報である。一例として、散布量情報は標準施肥量を含む。ここでいう「標準施肥量」は、ある圃場F1について規定される標準的な単位面積当たりの施肥量である。本実施形態では、散布量情報については、管理サーバ2の内部から取得される。
作業方法取得部135は、作業方法情報を取得する。作業方法情報は、圃場F1への散布作業の方法に関する情報である。本開示でいう「散布作業の方法」は、散布作業の種別、手順、時期(季節等を含む)、使用する作業機械4の種別等を含む。本実施形態では、散布作業は施肥作業であるので、散布作業の方法は、元肥と追肥とを含む。そのため、作業方法情報は、散布作業(施肥作業)が「元肥」か「追肥」かを特定する情報を含む。さらに、「元肥」は「全層施肥」と「側条施肥」とを含む。つまり、作業方法情報は、一例として、「元肥」と「追肥」とを区別するための情報、さらに「元肥」の場合には「全層施肥」と「側条施肥」とを区別するための情報等を含む。本実施形態では、作業方法情報については、管理サーバ2の内部から取得される。
参考情報指定部14は、圃場F1に対応して参考マップM2等の参考情報を指定する参考情報指定処理を実行する。つまり、マップ化条件として、参考マップM2に基づいて作業マップM1を作成すること、が定められている場合には、参考情報指定部14が指定する参考マップM2に基づいて、作成処理部12が、作業マップM1を作成する。本実施形態では、参考情報指定部14による参考情報の指定は、人による任意の指定であって、特に、ユーザ端末3に対するユーザ(人)の操作に応じて行われることとする。具体的には、参考情報指定部14は、操作受付部22が受け付ける、ユーザ端末3に対するユーザの操作に従って、参考情報として使用する参考マップM2を指定する。
修正時算出部15は、修正後の作業マップM1に基づく圃場F1の作業に必要な総資源量を算出する修正時算出処理を実行する。本開示でいう「総資源量」は、作業に必要な特定の資源の総量を意味する。本実施形態では、作業マップM1が使用される圃場F1での作業は散布作業、特に施肥作業であるので、「総資源量」は一例として、総施肥量、つまり作業マップM1に対応する圃場F1全体での施肥作業に必要となる施肥量(肥料の量)である。要するに、作成処理部12が、新規作成モードで作成された作業支援情報D1について、修正モードで修正を行った場合、修正後の作業マップM1に基づく作業で必要になる総資源量は変化する。修正時算出部15は、このように修正によって変化した後(つまり修正後)の総資源量を再計算により求める。
提示処理部16は、ユーザに対して種々の情報を提示する提示処理を実行する。本実施形態では、提示処理部16は、少なくとも総資源量をユーザに提示可能に構成されている。つまり、修正時算出部15で修正後の総資源量が算出された場合には、この総資源量を提示処理部16にてユーザに提示することができる。
より詳細には、提示処理部16は、表示処理部161を有する。表示処理部161は、修正後の総資源量等を含む種々の情報を表示させる処理を実行する。本実施形態では、表示処理部161は、結果一覧画面P1(図5参照)及び圃場設定画面P2(図6参照)等の各種画面を生成し、これらの画面を、例えば、ユーザ端末3の表示部33に表示させる。本開示でいう結果一覧画面P1等の「画面」は、表示部に表示される映像(画像)を意味し、図像、図形、写真、テキスト及び動画等を含む。そのため、情報処理部1は、例えば、操作受付部22に対するユーザによる操作に応じて、データ格納部21に記憶されている作業マップM1等を表示又は送信することが可能である。
算出部17は、種別情報に基づいて、特定量から散布物の散布量を算出する算出処理を実行する。つまり、算出部17によれば、種別取得部132で取得される種別情報に基づいて、特定量取得部133にて取得される特定量情報で表される特定量から、散布物の散布量が算出される。具体的には、算出部17は、種別情報に含まれる散布物(肥料)における特定成分の含有率を用いて、特定成分の単位面積当たりの分量(散布量)である特定量から、散布物全体の散布量を算出する。
ところで、関連技術として、圃場F1を示したフィールドを複数のエリアに分割して、エリアに収穫量のデータを割り当てたメッシュ型の収量マップを表示し、収量マップと同一画面上に、エリア毎の散布量を入力するための散布入力部を表示する技術がある。これにより、ユーザは、収量マップを見ながら、作業マップM1(散布マップ)を作成することができる。しかし、上記関連技術では、ユーザがエリア毎の散布量を入力する場合、散布物の重量を入力するが、ユーザによっては、散布物の重量を逐一計算する必要があり、その結果、作業マップM1等の作業支援情報D1の作成が大きな負担となり得る。一例として、ユーザによっては、散布物が肥料である場合に作物ごとに肥料の特定成分に着目し、当該特定成分の重量をもって散布量を決めることがあり、このようなユーザにとっては散布量の入力が非常に面倒であり、作業支援情報D1の作成が大きな負担となり得る。
これに対して、本実施形態に係る作業マップ作成システム10(作業支援情報作成システム)は、以下の構成により、幅広いユーザについて、作業支援情報D1の作成に係るユーザの負担の低減を図ることを可能とする。
すなわち、本実施形態では、作成処理部12は、算出部17で算出される散布物の散布量に基づいて作業支援情報D1を作成する。つまり、作成処理部12は、圃場F1の単位面積当たりの散布物の散布量に関する散布量情報を直接的に用いなくても、特定量取得部133が取得する特定量情報から、算出部17が算出した散布量を用いることでも、作業支援情報D1を作成可能である。
上記構成によれば、例えば、散布物が肥料である場合に作物ごとに肥料の特定成分に着目し、当該特定成分の重量をもって散布量を決めるようなユーザであっても、比較的簡単に、作業支援情報D1の作成が可能となる。要するに、このようなユーザにおいては、散布物(肥料)の散布量(施肥量)に代えて、肥料の特定成分についての圃場F1の単位面積当たりの分量である「特定量」を入力すればよい。したがって、ユーザによっては、作業支援情報D1の作成に必要な散布物の散布量を直接的に入力せず、特定成分についての特定量を入力することで、作業支援情報D1の作成に必要な情報の入力が可能となる。結果的に、例えば、肥料の特定成分に着目し、当該特定成分の重量をもって散布量を決めるようなユーザであっても、散布物の重量を逐一計算する必要がなく、作業マップM1等の作業支援情報D1の作成に係る負担を大幅に低減できる。よって、本実施形態に係る作業マップ作成システム10(作業支援情報作成システム)によれば、幅広いユーザについて、作業支援情報D1の作成に係るユーザの負担の低減を図ることが可能となる。
また、制限部18は、作業支援情報D1の作成に際して、散布物の散布量について入力される入力設定値を制限する制限処理を実行する。つまり、本実施形態では、作成処理部12が散布物の散布量に基づいて作業支援情報D1を作成するところ、この散布量について入力される入力設定値は、制限部18にて制限されることがある。作業支援情報D1は、散布作業を支援する情報である。本開示でいう「制限」は、入力設定値の入力を積極的に制限する積極的な制限と、入力設定値の入力を消極的に制限する消極的な制限との両方を含む。積極的な制限は、例えば、入力設定値の入力を無効化する、又は入力設定値を入力するための選択肢及び画面等への移行を禁止することで具現化される。消極的な制限は、例えば、入力設定値の入力時に「上限は100kg/10aです」等の注意文を表示することで具現化される。本実施形態では、入力設定値について、上限、下限及び範囲の少なくとも1つを制限することにより制限する。
ところで、上記関連技術の構成では、エリア毎の散布量は、ユーザが自由に設定するか、又は農業マップに応じて自動的に設定されるが、散布作業の方法によっては不適切となる散布量が設定され得る。一例として、散布物が肥料である場合、散布作業の方法(施肥方法)が元肥か追肥かによって適切な散布量が大幅に異なるが、このような散布作業の方法に応じた適切な散布量の見極めを誤るなどして、不適切な散布量が設定される可能性がある。
これに対して、本実施形態に係る作業マップ作成システム10(作業支援情報作成システム)は、以下の構成により、散布物の散布量を適切に設定しやすくする。
すなわち、本実施形態では、制限部18は、作業支援情報D1の作成に際して、散布物の散布量について入力される入力設定値を、作業方法情報に基づいて制限する。要するに、制限部18は、散布物の散布量について入力される値(入力設定値)を制限する場合、作業方法取得部135が取得する作業方法情報に基づいて、制限を行う。また、制限部18により入力設定値が制限されるタイミングは、作業支援情報D1の作成時であるので、作成処理部12が新規作成モードで作業マップM1を作成する際、修正モードで作業マップM1を作成する際のいずれも含み得る。
上記構成によれば、散布作業の方法に応じた適切な散布量が入力されやすくなるように、制限部18が入力設定値を制限することが可能である。例えば、一例として、散布物が肥料である場合、散布作業の方法(施肥方法)が元肥か追肥かによって適切な散布量が大幅に異なるので、散布作業の方法に関する作業方法情報に基づいて、制限部18が入力設定値を制限する。これにより、たとえユーザが散布作業の方法に応じた適切な散布量の見極めを誤るなどした場合でも、制限部18が誤った散布量の入力を制限し、結果的に、適切な散布量が設定されやすくなる。よって、本実施形態に係る作業マップ作成システム10(作業支援情報作成システム)によれば、散布物の散布量を適切に設定しやすくなる。
情報処理部1は、CPU(Central Processing Unit)で作業マップ生成プログラムに従った各種の処理を実行することによって、上記各種の機能部(処理部)として機能する。また、情報処理部1における上記各種の機能部の少なくとも一部は、電子回路で構成されていてもよい。さらに、作業マップ生成プログラムは、複数のプロセッサを機能部として機能させるためのプログラムであってもよい。各機能部の動作について詳しくは、「[6]作業マップの生成方法」の欄で説明する。
[5]ユーザ端末
次に、ユーザ端末3の構成について、図1を参照して詳細に説明する。ユーザ端末3は、制御部31、記憶部32、表示部33、操作部34、通信部35及びデータ出力部36等を備える。ユーザ端末3は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン又は携帯電話等の情報処理装置(通信端末)である。
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルに従って、管理サーバ2等の外部装置との間で通信処理を制御部31に実行させるための制御プログラムである。また、制御プログラムは、管理サーバ2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであってもよい。
表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような、ユーザに情報を出力(提示)するためのユーザインターフェースである。表示部33は、例えば、ユーザに対して各種の情報を表示により提示する。特に本実施形態では、ユーザ端末3は、ブラウザ機能を有しており、表示部33には、各種のウェブページ等の情報を表示可能である。
操作部34は、タッチパネル、マウス又はキーボードのような、ユーザによる操作入力を受け付けるためのユーザインターフェースである。操作部34は、例えば、ユーザの操作に応じた電気信号を出力することにより、ユーザによる各種の操作を受け付ける。特に本実施形態では、ユーザ端末3は、ブラウザ機能を有しており、操作部34は、表示部33に表示されるウェブページ上での各種の操作を受付可能である。
通信部35は、管理サーバ2等の外部機器との通信機能を有する通信インターフェースである。具体的には、通信部35は、ユーザ端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバ2等との間で、所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行する。
データ出力部36は、データをユーザ端末3の外部装置に出力するためのインターフェースである。データ出力部36は、少なくとも作業支援情報D1(作業マップM1を含む)を、作業機械4に入力可能な形式で出力可能に構成されている。一例として、データ出力部36は、USBメモリからなる記録媒体5を取外可能に接続するUSBコネクタを含み、記録媒体5が接続された状態で、記録媒体5へのデータ(作業支援情報D1等)の書き込みを行う。
制御部31は、CPU等の1以上のプロセッサと、ROM及びRAM等の1以上のメモリとを有するコンピュータシステムである。CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサである。ROMは、CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS(Basic Input Output System)及びOS(Operating System)等の制御プログラムが予め記憶された不揮発性のメモリである。RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性のメモリであり、CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムをCPUで実行することによりユーザ端末3を制御する。
具体的には、制御部31は、記憶部32に記憶されているブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部311として機能する。ブラウザ処理部311は、管理サーバ2から通信網N1を介して提供されるウェブページを表示部33に表示させ、操作部34に対する操作を管理サーバ2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、ユーザ端末3は、制御部31によってブラウザプログラムが実行されることにより、管理サーバ2の操作用端末(ユーザインターフェース)として機能することが可能である。
より詳細に説明すると、ユーザ端末3では、管理サーバ2で提供される作業支援サービスのウェブサイト(作業支援サイト)に対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザによる操作が行われることで、以下の動作を開始する。すなわち、ユーザ端末3は、上記操作が行われた場合に、制御部31にて、管理サーバ2から作業支援サイトのウェブページのデータを取得する。このとき、例えば、ユーザが、ユーザ端末3に表示される作業支援サイトにおいて、各種画面(結果一覧画面P1及び圃場設定画面P2等)の表示指示を行うことで、ユーザ端末3は、指示された各種画面を表示部33に表示させる。各種画面は、ユーザ端末3において作業支援サイトにログインすることによりユーザ端末3にて表示可能となる。
ここで、上記所定のURLへのアクセス要求のための操作は、例えば、ユーザによる、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、又はテキスト入力操作等によって実現される。また、ユーザ端末3に管理サーバ2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、ユーザが専用アプリケーションを起動する操作を行うことで、所定のURLへのアクセス要求がなされ、表示部33に作業支援サイトが表示される。
ユーザ端末3が管理サーバ2と通信可能である限り、ユーザは、どこからでもユーザ端末3にて作業支援サイトを利用することができ、作業支援情報D1(作業マップM1)の作成、確認及び出力(記録媒体5への書き込み)を行うことが可能である。
ここにおいて、ユーザ端末3を使用するユーザは、作業機械4を操作(運転)するオペレータと同一人であってもよいし、同一人でなくてもよい。また、ユーザ端末3を使用するユーザに関して、例えば、圃場F1のオーナのように1つの圃場F1に対して単一のユーザが設定されてもよいし、1つの圃場F1に対して複数のユーザが設定されてもよい。後者の場合、例えば、1つの圃場F1であっても、作業毎に異なるユーザを設定することも可能である。さらに、ユーザは、個人と法人とのいずれであってもよいし、複数の個人又は法人の集合からなる団体(組織)であってもよい。また、ユーザ端末3は、1ユーザに対して1台設けられてもよいし、複数のユーザに対して1台設けられてもよいし、1ユーザに対して複数台設けられてもよい。複数のユーザに対して1台のユーザ端末3が設けられる場合、例えば、ユーザID等によって、複数のユーザの各々を識別可能である。
[6]作業マップの生成方法
以下、図4~図18を参照しつつ、主として管理サーバ2の情報処理部1によって実行される作業マップM1の生成方法の一例について説明する。以下、特に断りがない限り、圃場F1での肥料の散布作業(つまり施肥作業)に用いられる施肥マップを、作業マップM1の生成方法による生成物(作業マップM1)の例として説明する。
また、本実施形態に係る作業マップM1の生成方法は、コンピュータシステムを主構成とする情報処理部1にて実行されるので、言い換えれば、作業マップ生成プログラムにて具現化される。つまり、本実施形態に係る作業マップ生成プログラムは、作業マップM1の生成方法に係る各処理を1以上のプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムである。このような作業マップ生成プログラムは、例えば、管理サーバ2の情報処理部1及びユーザ端末3の制御部31によって協働して実行されてもよい。
ここで、作業マップ作成システム10は、作業マップ生成プログラムを実行させるための予め設定された特定の開始操作がユーザ端末3に対して行われた場合に、作業マップM1の生成方法に係る下記の各種処理を実行する。開始操作は、例えば、管理サーバ2に対するユーザ端末3の接続(アプリケーションソフトウェアの起動)、並びにユーザID及びパスワードの入力を伴う作業支援サイトへのログイン等を含む。一方、作業マップ作成システム10は、予め設定された特定の終了操作がユーザ端末3に対して行われた場合に、作業マップM1の生成方法に係る下記の各種処理を終了する。終了操作は、例えば、ログアウト、及び管理サーバ2とユーザ端末3との間の接続切断等を含む。
また、作業マップM1の生成方法は、基本的に、表示処理部161によるユーザ端末3の表示部33への各種の画面の表示処理を伴う。ユーザ端末3の表示部33に表示される主な画面としては、結果一覧画面P1、圃場設定画面P2、パラメータ設定画面P3(図8参照)、結果確認画面P4(図11参照)、結果比較画面P5(図15参照)、結果修正画面P6(図16参照)及び出力画面P7(図18参照)等がある。本実施形態では一例として、表示処理部161は、図4に示すように、結果一覧画面P1をホーム画面とし、ユーザの操作に応じて、表示部33に表示される画面を他の画面へ遷移させる。
すなわち、図4に示すように、開始操作により、まずユーザ端末3の表示部33には、ホーム画面である結果一覧画面P1が表示される。そして、結果一覧画面P1中の新規作成ボタンB11が操作されると、結果一覧画面P1から圃場設定画面P2に遷移する。また、圃場設定画面P2中のパラメータ設定ボタンB21が操作されると、圃場設定画面P2からパラメータ設定画面P3に遷移する。一方、結果一覧画面P1中の結果確認ボタンB12が操作されると、結果一覧画面P1から結果確認画面P4に遷移する。また、結果確認画面P4中の比較ボタンB41が操作されると、結果確認画面P4から結果比較画面P5に遷移する。結果確認画面P4中の修正ボタンB42が操作されると、結果確認画面P4から結果修正画面P6に遷移する。また、結果一覧画面P1中の出力ボタンB13が操作されると、結果一覧画面P1から出力画面P7に遷移する。そして、出力画面P7中の書き込みボタンB71が操作されると、作業支援情報D1(作業マップM1)が、作業機械4にて読み取り可能な形式で記録媒体5に書き込まれる。
新規作成ボタンB11等の画面中の「ボタン」は、ユーザ端末3の表示部33に表示される画面中に含まれるオブジェクトであって、当該ボタンの操作は、当該ボタンを選択するようなユーザ端末3の操作部34に対する操作を意味する。例えば、ユーザは、結果一覧画面P1中の新規作成ボタンB11にカーソルを合わせてクリックする、又は結果一覧画面P1中の新規作成ボタンB11をタッチする等の操作を操作部34で行うことにより、新規作成ボタンB11を操作できる。また、図5等の表示部33に表示される画面を示す図面において、領域を表す一点鎖線、引出線及び参照符号は、いずれも説明のために付しているに過ぎず、実際に表示部33に表示される訳ではない。
[6.1]結果一覧画面
まず、ホーム画面である結果一覧画面P1について説明する。結果一覧画面P1は、シミュレーション結果の一覧を表示する画面である。本実施形態においては、作業マップM1の作成を「シミュレーション」とも呼ぶ。つまり、結果一覧画面P1は、シミュレーション結果として、作業マップM1の生成方法で作成(生成)された作業マップM1の一覧を表示する。ただし、本実施形態では、作成処理部12は、上述したように2以上の圃場F1について一括で作業マップM1を作成することが可能であるので、これら2以上の圃場F1に対応する2以上の作業マップM1が、1つのシミュレーション結果に含まれることがある。
結果一覧画面P1は、図5に示すように、一覧表示領域R11と、操作領域R12と、を含む。一覧表示領域R11には、シミュレーション結果、つまり作成された作業マップM1に関する情報が一覧表示される。
具体的には、一覧表示領域R11は、一例として、各行が個々のシミュレーション結果(作業マップM1)に対応するように、複数のシミュレーション結果を縦方向(上下方向)に並べて表示する。そして、一覧表示領域R11は、横方向(左右方向)に複数の項目に区分されており、各シミュレーション結果に関する情報が複数の項目に分かれて表示される。図5の例では、左から順に、選択用のチェックボックス、識別番号、年度、グループ名、シミュレーション名、施肥方法、総施肥量、実施日、ステータスの項目が表示されている。選択用のチェックボックスは、いずれかのシミュレーション結果の出力(記録媒体5への書き込み)又は削除の際に、当該シミュレーション結果を選択するために用いられる。グループ名には、一例として、作物の品種が入力される。また、ステータスの項目には、シミュレーション結果の現在の状況が表示される。
図5の例では、ステータスとしては、「計算中」、「結果確認」又は「結果修正」の文字(テキスト)が表示される。「計算中」は、作業マップM1を作成するためのシミュレーション演算の実行中である状態を表す。「結果確認」は、作業マップM1を作成するためのシミュレーション演算が完了して、シミュレーション結果としての作業マップM1を確認可能な状態を表す。「結果修正」は、作業マップM1の修正が行われた状態、つまり作業マップM1が作成し直された状態を表す。ここで、「計算中」以外の状態、つまり「結果確認」及び「結果修正」については、それぞれ操作可能な結果確認ボタンB12のオブジェクトとして兼用される。また、「結果確認」については、例えば、オブジェクト(結果確認ボタンB12)表示色にて更に2つの状態に区分され、一方の色(一例として赤色)が未確認の状態、他方の色(一例として緑色)が確認済みの状態を示す。一覧表示領域R11には、スライドバー又はカーソルが表示され、一覧表示領域R11の表示内容を縦方向又は横方向にスクロール可能であってもよい。
操作領域R12には、一例として、一覧表示領域R11に表示するシミュレーション結果(作業マップM1)について、様々な検索条件で検索を行うための入力欄が表示される。さらに、操作領域R12には、新規作成ボタンB11、出力ボタンB13、検索ボタンB14及び削除ボタンB15等、ユーザの操作対象となる複数のボタンが表示される。具体的に、入力欄には、年度、施肥方法及び実施日等の検索条件を入力可能であって、これらの検索条件が入力された状態で、検索ボタンB14が操作されると、検索条件を満たすシミュレーション結果が一覧表示領域R11に表示される。実施日に関しては、シミュレーションの実施期間を検索条件として指定できるように、例えば、実施期間の開始(実施期間の始期)及び終了(実施期間の終期)を入力可能である。ここで、情報処理部1は、データ格納部21の作業支援情報格納部211から、一覧表示領域R11に表示するシミュレーション結果を検索する。削除ボタンB15は、一覧表示領域R11に表示されているシミュレーション結果のうち、チェックボックスで選択中のシミュレーション結果を削除するためのボタンである。
[6.2]指定処理
次に、作業マップM1の作成対象となる対象圃場としての圃場F1を指定するための「指定処理」について説明する。指定処理は、作成処理部12が新規作成モードで作業マップM1を新規に作成する作成処理に際して実行される。
指定処理では、表示処理部161は、圃場設定画面P2をユーザ端末3の表示部33に表示させる。つまり、結果一覧画面P1において、新規作成ボタンB11が操作されることをもって、指定処理が開始し、表示部33に表示される画面は、結果一覧画面P1から圃場設定画面P2に遷移する。
圃場設定画面P2は、対象圃場としての圃場F1を指定するための画面である。本実施形態では、ユーザに対応付けて予め登録されている複数の登録圃場の中から、対象圃場としての圃場F1を指定する場合を例に説明する。ここで、登録圃場の登録方法としては、例えば作業機械4の稼働情報(走行経路を含む)等から圃場F1を自動的に特定(抽出)して登録する自動登録と、地図等においてユーザが手動で圃場F1を選択して登録する手動登録と、の2種類の方法がある。いずれの方法であっても、登録圃場の登録は、圃場F1に関する情報を、例えばデータ格納部21に記憶することをもって行われる。具体的には、圃場名及び住所等の圃場F1を識別するための圃場識別情報、並びに、圃場F1の位置、形状及び大きさ等を特定する情報、一例として圃場F1の外形線の座標情報等が、登録圃場に関する情報としてデータ格納部21に記憶される。座標情報は、例えば、緯度及び経度等で表される。
さらに、登録圃場には、登録圃場としての圃場F1で行われた作業に関する作業情報が対応付けて記憶される。作業情報は、例えば、作業の種別(播種、田植、施肥、収穫等を含む)、作業に用いられる作業機械4の稼働情報(走行経路を含む)、作業時間、作業効率(面積/作業時間)、施肥量、植付け深さ、土壌特性(土壌硬度及び硬盤深さ等を含む)、耕耘深さ及びリフト角等の情報を含む。さらに、作業の結果、圃場F1で生育された作物の収穫量(収量)、作物の食味(タンパク質含有量又は水分含有量等を含む)、及び作物の生育状況等の情報についても、作業情報として登録圃場に対応付けて記憶される。これらの作業情報に基づいて生成される、収量マップ、食味マップ、生育マップ、土壌マップ及び実績施肥マップ等の各種の実績マップもまた、作業情報として登録圃場に対応付けて記憶される。
収量マップは、圃場F1を複数のエリアに分割した場合に、エリア毎の収量(単位面積当たりの平均収穫量等)が各エリアに割り当てられたマップデータである。食味マップは、圃場F1を複数のエリアに分割した場合に、エリア毎のタンパク質含有量又は水分含有量等の食味が各エリアに割り当てられたマップデータである。生育マップは、圃場F1を複数のエリアに分割した場合に、エリア毎の作物の生育状況が各エリアに割り当てられたマップデータである。作物の生育状況は、一例として、作物を作付けした圃場F1をドローン等で上空から撮像し、撮像した撮像画像をNDVI、DVI、RVI、GNDVI、SAVI、TSAVI、CAI、MTCI、REP、PRI又はRSI等の、各種の植生指標で解析して得られる。特に、正規化植生指数(NDVI:Normalized Difference Vegetation Index)により得られる生育マップを、「NDVIマップ」ともいう。土壌マップは、圃場F1を複数のエリアに分割した場合に、エリア毎の土壌硬度及び硬盤深さ等を含む土壌特性が各エリアに割り当てられたマップデータである。実績施肥マップは、圃場F1を複数のエリアに分割した場合に、エリア毎の施肥量(肥料の散布量)が各エリアに割り当てられたマップデータであって、過去の施肥作業に使用されたマップデータ、つまり過去の施肥作業の実績を示すマップデータである。本実施形態では、登録圃場としての圃場F1に対応付けられているこれらの実績マップが、参考情報の一例である参考マップM2として利用される。
さらに、上述したような作業情報は、作業に関する時刻情報(一例として開始日時及び終了日時)等も含んでいる。これにより、収量マップ、食味マップ及び生育マップ等の実績マップについて、いつの作業による実績であるのかを、特定可能な態様で作業情報が記憶されることになる。例えば、同一の圃場F1についても、年度毎に、収量マップ、食味マップ及び生育マップ等を登録することが可能である。
圃場設定画面P2は、図6に示すように、圃場指定領域R21と、操作領域R22と、を含む。圃場指定領域R21には、対象圃場としての圃場F1を指定するための情報が表示される。つまり、ユーザは、ユーザ端末3の表示部33に表示される圃場設定画面P2の圃場指定領域R21において、登録圃場として登録されている複数の圃場F1の中から、任意の圃場F1を選択して対象圃場として指定する。
具体的には、圃場指定領域R21は、一例として、圃場F1を指定するための地図又は航空写真等の画像Im2と、対象圃場として指定された圃場F1の一覧と、を含んでいる。そのため、指定部11は、画像Im2上での圃場F1を指定するユーザの操作に従って、対象圃場を指定する。画像Im2は、少なくとも1つの圃場F1を含んでおり、この画像Im2上で、ユーザは、例えば、カーソル等により任意の圃場F1を選択する操作を行うことで、当該任意の圃場F1を対象圃場として指定する。
図6の例では、画像Im2内に5つの圃場F11~F15が表示されており、ユーザは、これら5つの圃場F11~F15を全て対象圃場として指定している。そのため、圃場指定領域R21における画像Im2の右側には、圃場F11である「ほ場6」、圃場F12である「ほ場10」、圃場F13である「ほ場3」、圃場F14である「ほ場4」、圃場F15である「ほ場8」が並べて表示されている。ここでは、圃場設定画面P2は、各行が個々の圃場F1に対応するように、指定された対象圃場を縦方向(上下方向)に並べて表示する。
そして、各対象圃場には、指定されている参考マップM2の情報が並べて表示されている。ここで、対象圃場として指定された圃場F1に、複数の実績マップが対応付けられている場合には、参考マップM2として指定する実績マップを、他の実績マップに切り替えることが可能である。一方、対象圃場として指定された圃場F1について、実績マップが対応付けられていない等の理由で、参考マップM2が指定されていない場合には、参考マップM2の情報は「なし」と表示される。図6の例では、「ほ場6」(圃場F11)及び「ほ場10」(圃場F12)については、参考マップM2として2019年6月の生育マップ(NDVIマップ)が指定されている。その他の圃場F13~F15については、参考マップM2が指定されていない。
また、対象圃場としての圃場F1の指定の具体的な手段は、上記の例に限らない。例えば、ユーザが、カーソル等により画像Im2上で任意の範囲を指定する操作を行うことで、当該任意の範囲に含まれる圃場F1を対象圃場として指定してもよい。この場合、当該任意の範囲に複数の圃場F1が含まれていれば、これら複数の圃場F1が一括で対象圃場として指定される。さらに、ユーザは、例えば、圃場名、住所、又は緯度及び経度等の圃場F1を特定し得る情報を入力することによって、対象圃場としての圃場F1を指定してもよい。さらに、画像Im2においては、ユーザの操作に従って、例えば、地図/航空写真の切替、スクロール、拡大/縮小及びページ切替等の動作も可能である。
操作領域R22には、一例として、年度、作物、品種及びグループ名等、様々な検索条件で登録圃場の検索を行うための入力欄が表示される。この入力欄で入力された年度及び作物等により、画像Im2に表示される圃場F1が絞り込まれることになる。さらに、操作領域R22には、パラメータ設定ボタンB21、圃場数を設定するための圃場数設定ボタンB22,B23、施肥方法(散布作業の方法)を設定するための方法設定ボタンB24、戻るボタンB25等、ユーザの操作対象となる複数のボタンが表示される。圃場数設定ボタンB22,B23は、作業マップM1の作成を行う対象圃場として、複数の圃場F1を指定するか、単一の圃場F1を指定するかを選択するためのラジオボタンである。圃場数設定ボタンB22が選択されることで、対象圃場として複数の圃場F1を指定可能となり、圃場数設定ボタンB23が選択されることで、対象圃場として単一の圃場F1を指定可能となる。方法設定ボタンB24は、全層施肥、側条施肥、及び追肥の3つの中から、いずれかの施肥方法を選択するためのラジオボタンである。全層施肥及び側条施肥は、「元肥」に含まれる。戻るボタンB25は、1つ前の画面、つまり結果一覧画面P1に戻るためのボタンである。
ところで、本実施形態では、参考マップM2に対して優先順位が設定される。そして、複数の参考マップM2が指定されている圃場F1については、この優先順位に従って、いずれの参考マップM2を作業マップM1の作成に用いるかが決定される。そのため、複数の参考マップM2が指定されている圃場F1については、その中で優先順位が最も高い(第1優先の)参考マップM2が、圃場設定画面P2における圃場指定領域R21にデフォルトで表示される。すなわち、作成処理部12は、複数の参考マップM2が指定されている圃場F1については、複数の参考マップM2のうち、優先順位に従って選択される1以上の参考マップM2に基づいて作業マップM1を作成する。具体的には、作成処理部12の条件判定部121が、優先順位を参照することで、作業マップM1の作成に使用する参考マップM2を決定する。これにより、作成処理部12は、優先順位が高い参考マップM2から順に使用し、優先順位が高い参考マップM2が対応付けられていない圃場F1については、その次に優先順位が高い参考マップM2を使用して作業マップM1を作成する。
このような優先順位は、例えば、図7に示すような優先順位設定画面P21上で、ユーザによって任意に設定される。図7では一例として、優先順位設定画面P21は、施肥方法(散布作業の方法)毎に、第1優先、第2優先及び第3優先としての参考マップM2を設定可能である。図7の例では、「全層施肥」については、前年秋の生育マップ(NDVIマップ)が第1優先に、前年の収量マップが第2優先に、地力マップが第3優先に設定されている。そのため、全層施肥が行われる圃場F1においては、前年秋の生育マップが対応付けられていれば当該生育マップが、前年秋の生育マップが対応付けられていなければ前年の収量マップが、それぞれ参考マップM2として作業マップM1の作成に用いられる。また、第1優先、第2優先及び第3優先のいずれにも参考マップM2を設定しない場合には、参考マップM2が指定されていないこととみなされる。優先順位は、例えば、ユーザ毎に設定される。
[6.3]パラメータ設定処理
次に、作業マップM1の作成に用いられるパラメータを設定するための「パラメータ設定処理」について説明する。パラメータ設定処理は、作成処理部12が新規作成モードで作業マップM1を新規に作成する作成処理に際して実行される。
パラメータ設定処理では、表示処理部161は、パラメータ設定画面P3をユーザ端末3の表示部33に表示させる。つまり、圃場設定画面P2において、パラメータ設定ボタンB21が操作されることをもって、パラメータ設定処理が開始し、表示部33に表示される画面は、圃場設定画面P2からパラメータ設定画面P3に遷移する。
パラメータ設定画面P3は、作業マップM1の作成に用いられるパラメータを設定するための画面である。ここでいう「パラメータ」は、散布作業で散布される散布物(肥料)に関する情報を含み、一例として標準施肥量を含む。「標準施肥量」は、ある圃場F1について規定される標準的な単位面積当たりの施肥量であって、例えば、「kg/10a」の単位で表される。つまり、パラメータ設定画面P3で設定されるパラメータは、少なくとも散布物の散布量(施肥量)を含んでいる。
パラメータ設定画面P3は、図8に示すように、設定領域R31と、参照領域R32と、を含む。設定領域R31には、パラメータを設定するための情報が表示される。つまり、ユーザは、ユーザ端末3の表示部33に表示されるパラメータ設定画面P3の設定領域R31において、作業マップM1の作成に用いられるパラメータを入力する。また、参照領域R32には、参照用に、対象圃場として指定されている圃場F1についてのNDVI値の「最大値」、「最頻値」及び「最小値」が表示される。
具体的には、設定領域R31は、一例として、複数の入力欄C31~C38と、作成ボタンB31、戻るボタンB32及び参照ボタンB33等、ユーザの操作対象となる複数のボタンと、を含んでいる。入力欄C31は肥料名を、入力欄C32は窒素含有率を、入力欄C33は一袋当たりの重量を、入力欄C34は標準施肥量を、入力欄C35は窒素重量を、例えばそれぞれフリーテキストで入力するための領域である。入力欄C36には、標準施肥量として入力可能な最大施肥量が自動挿入され、入力欄C37には、標準施肥量として入力可能な最小施肥量が自動挿入される。入力欄C38は、作業マップM1のメッシュサイズ、つまり区画Kのサイズを、例えば選択方式で入力するための領域である。戻るボタンB32は、1つ前の画面、つまり圃場設定画面P2に戻るためのボタンである。参照ボタンB33は、過去のパラメータの入力履歴を参照し、入力履歴からパラメータを引用するためのボタンである。
例えば、参照ボタンB33が操作されると、図9に示すような、参照画面P31が表示部33に表示される。参照画面P31は、パラメータ設定画面P3での入力履歴に基づく画面であって、過去に入力された肥料名、窒素含有率、及び一袋当たりの重量等の項目が表示されている。この参照画面P31において、任意の肥料を選択して、反映ボタンB311が操作されると、選択された肥料の情報が、入力欄C31~C33に自動挿入される。参照画面P31中の削除ボタンB312を操作することで、不要な入力履歴を削除することも可能である。図9の例では、参照画面P31は、ポップアップウィンドウとして、パラメータ設定画面P3上に重ねて表示されるが、この例に限らず、パラメータ設定画面P3から参照画面P31に切り替わってもよい。
ところで、本実施形態では、パラメータ設定画面P3の表示中に、算出部17が算出処理を実行する。すなわち、作成処理部12は、算出部17で算出される散布物の散布量に基づいて作業支援情報D1を作成するので、散布物の散布量(標準施肥量)を入力するパラメータ設定画面P3の表示中に、算出部17による算出処理が実行される。算出部17は、種別取得部132で取得される種別情報に基づいて、特定量取得部133にて取得される特定量情報で表される特定量から、散布物の散布量を算出する。具体的には、算出部17は、入力欄C32に入力される窒素含有率を含む種別情報に基づいて、入力欄C35に入力される窒素重量から、標準施肥量を算出する。そして、算出部17で算出される標準施肥量は、入力欄C34に自動挿入される。
これにより、例えば、図10の上段に示すように、ユーザが入力欄C35に窒素重量を入力すると、図10の下段に示すように、入力欄C34に標準施肥量が自動的に入力されることになる。図10の例では、窒素重量として「33.00kg/10a」が入力されているので、算出部17は、種別情報中の窒素含有率で「33.00」を除することにより、散布物(肥料)の散布量を算出する。このようにして算出される散布量(図10の例では「73.33kg/10a」)が、標準施肥量として入力欄C34に自動的に入力される。したがって、作物ごとに肥料の特定成分(例えば窒素)に着目し、当該特定成分の重量をもって散布量を決めるようなユーザであっても、比較的簡単に、標準施肥量を入力可能となる。
ここで、本実施形態では、作業支援情報D1は複数の区画Kを有する作業マップM1を含んでいる。そのため、算出部17で算出される標準施肥量は、作業マップM1における複数の区画Kの作業指数に反映される。言い換えれば、作成処理部12は、算出部17で算出される散布物の散布量に基づいて、作業マップM1における複数の区画Kの各々の作業指数を設定する。
また、本実施形態では、ユーザは、入力欄C34に対して直接的に標準施肥量を入力することも可能である。入力欄C34に対して直接的に標準施肥量が入力されると、この標準施肥量が散布量取得部134にて散布量情報として取得される。そして、作成処理部12は、散布量取得部134にて散布量情報が取得されると、算出部17で算出される散布物の散布量に代えて、散布量情報に基づいて作業支援情報D1を作成する。すなわち、入力欄C34に対して直接的に標準施肥量が入力されると、当該標準施肥量が、算出部17で算出される標準施肥量に代えて、作業マップM1の作成に用いられる。これにより、特定量ではなく施肥量(標準施肥量)をもって散布量を決めるようなユーザであっても、簡単に、標準施肥量を入力可能となる。
さらに、算出部17は、散布量取得部134にて散布量情報が取得されると、種別情報に基づいて、散布物の散布量から特定量を算出する。具体的には、算出部17は、散布量取得部134で取得された散布量(標準施肥量)に、情報中の窒素含有率を乗じることにより、特定量としての窒素重量を算出する。要するに、算出部17は、特定量(窒素重量)から散布量(標準施肥量)を算出するだけでなく、反対に、散布量(標準施肥量)から特定量(窒素重量)を算出することも可能である。よって、特定量(窒素重量)と散布量(標準施肥量)とは、算出部17にて相互に変換可能な関係となる。
さらに、本実施形態では、表示処理部161は、特定量と散布物の散布量との両方を一画面に表示する。具体的には、図10に例示するように、パラメータ設定画面P3中において、入力欄C35には特定量(窒素重量)、入力欄C34には散布物の散布量(標準施肥量)が表示される。これにより、特定量と散布物の散布量とを目視で対比しやすくなる。
また、本実施形態では、パラメータ設定画面P3の表示中に、制限部18は制限処理を実行する。すなわち、作成処理部12は、制限部18にて入力設定値が制限される散布物の散布量に基づいて作業支援情報D1を作成するので、散布物の散布量(標準施肥量)を入力するパラメータ設定画面P3の表示中に、制限部18による制限処理が実行される。制限部18は、作業支援情報D1の作成に際して、散布物の散布量について入力される入力設定値を、作業方法情報に基づいて制限する。具体的には、制限部18は、圃場設定画面P2で選択された施肥方法(全層施肥、側条施肥又は追肥)に基づいて、入力欄C34に入力される標準施肥量の入力設定値を制限する。よって、施肥方法の種別により必要となる肥料量に相違があることを考慮して、無駄な肥料量の入力を事前に抑制できる。
本実施形態では一例として、制限部18は、入力設定値の入力の積極的な制限と、消極的な制限との両方を実施する。積極的な制限としては、制限部18は、例えば、入力設定値の上限値を制限する場合、入力欄C34に入力される標準施肥量について、その上限値以上の値の入力を禁止する。消極的な制限としては、制限部18は、例えば、入力設定値の上限値を制限する場合、その上限値を入力欄C36に自動挿入し、入力設定値の下限値を制限する場合、その下限値を入力欄C37に自動挿入する。これにより、ユーザは、入力欄C36及び入力欄C37の表示により、入力可能な標準施肥量を把握した上で標準施肥量を入力でき、さらに入力を誤った場合には当該誤った入力が禁止される。本実施形態では、算出部17により窒素重量から算出される標準施肥量が入力される場合もあるので、この場合においては、制限部18は、窒素重量の入力設定値を制限することにより、標準施肥量の入力設定値を間接的に制限する。また、後述する可変施肥マップにおいては、上限値及び下限値だけでなく、その施肥量のばらつきの範囲等についても、制限部18にて入力設定値を制限可能である。
より詳細には、本実施形態では、散布作業の方法(施肥方法)は、元肥と追肥とを含むので、制限部18は、施肥方法が元肥か追肥かによって、入力設定値の制限を変更する。特に、制限部18は、追肥については元肥の場合に比べて、入力設定値の上限値を小さく制限する。これにより、ユーザがパラメータ設定画面P3において標準施肥量を設定する際に、施肥方法が追肥であれば、元肥の場合に比べて、入力可能な標準施肥量の上限値が小さく制限される。したがって、追肥での過度な施肥量の設定が自動的に抑制される。
さらに、本実施形態では、元肥は、全層施肥と側条施肥とを含むので、制限部18は、施肥方法が全層施肥か側条施肥かによって、入力設定値の制限を変更する。特に、制限部18は、側条施肥については全層施肥の場合に比べて、入力設定値の上限値を小さく制限する。これにより、ユーザがパラメータ設定画面P3において標準施肥量を設定する際に、施肥方法が側条施肥であれば、全層施肥の場合に比べて、入力可能な標準施肥量の上限値が小さく制限される。したがって、元肥施肥でも、必要な施肥量に明確な差異が原理的に生じる場合に、区別して過度な施肥量の設定が自動的に抑制される。ここで、追肥の場合は、側条施肥の場合に比べて、入力設定値の上限値は更に小さく制限される。
また、作業方法情報は、散布作業に使用する作業機械4の種別を含んでいる。そのため、制限部18は、一例として、作業機械4の種別が全層施肥用の散布機か側条施肥用の散布機かによって、入力設定値の制限を変更してもよい。さらに、作業機械4の種別には、例えば、田植機、トラクタ、ドローンのような種別もあるので、制限部18は、一例として、作業機械4の種別が田植機かトラクタかドローンかによって、入力設定値の制限を変更してもよい。
[6.4]作成処理
次に、作業マップM1を作成する「作成処理」について説明する。ここではまず、作成処理部12が新規作成モードで作業マップM1を新規に作成する作成処理について説明する。
作成処理の実行中は、表示処理部161は、結果一覧画面P1をユーザ端末3の表示部33に表示させる。具体的には、パラメータ設定画面P3において、作成ボタンB31が操作されることをもって、作成処理が開始し、表示部33に表示される画面は、パラメータ設定画面P3から結果一覧画面P1に遷移する。そして、作成処理の実行中においては、結果一覧画面P1のステータスは「計算中」となる。作成処理が完了すると、表示処理部161は、結果確認画面P4をユーザ端末3の表示部33に表示可能となる。つまり、結果一覧画面P1のステータスは「結果確認」となり、この状態で、結果確認ボタンB12が操作されることをもって、表示部33に表示される画面は、結果一覧画面P1から結果確認画面P4に遷移する。
結果確認画面P4は、作成された作業マップM1を確認するための画面である。結果確認画面P4は、図11に示すように、作業マップM1を表示するための地図又は航空写真等の画像Im4と、比較ボタンB41、修正ボタンB42、戻るボタンB43及び保存ボタンB44等、ユーザの操作対象となる複数のボタンとを含んでいる。さらに、結果確認画面P4は、画像Im4の下方に、総施肥量(総資源量)を表示するための表示欄C41を有している。戻るボタンB43は、結果一覧画面P1に戻るためのボタンである。保存ボタンB44は、シミュレーション結果(作業マップM1)を保存するためのボタンである。
画像Im4は、少なくとも1つの作業マップM1を含んでおり、この画像Im4上で、ユーザは、作業マップM1の確認を行う。図11の例では、画像Im4内に5つの圃場F11~F15にそれぞれ対応する5つの作業マップM11~M15が表示されている。ここで、圃場F11に対応する作業マップM11、及び圃場F12に対応する作業マップM12は、可変施肥マップであって、その他の作業マップM13~M15は、一様施肥マップである。本開示でいう「可変施肥マップ」は、圃場F1に対応する作業領域A1に設定される複数の区画K間で、作業指数(施肥量)にばらつきを持つ作業マップM1である。本開示でいう「一様施肥マップ」は、圃場F1に対応する作業領域A1に設定される複数の区画K間で、作業指数(施肥量)にばらつきを持たない、つまり複数の区画Kについて均一に作業指数が設定された作業マップM1である。そのため、一様施肥マップである作業マップM13~M15は、作業領域A1を一様に塗り潰した「ベタ塗」に表示される。
可変施肥マップと一様施肥マップとは、画像Im4上で容易に区別できるが、より区別しやすくなるように、可変施肥マップと一様施肥マップとで表示態様が変えられてもよい。例えば、表示処理部161は、図11に示すように、作業マップM1の外周の線種又は色等を、可変施肥マップと一様施肥マップとを異ならせることにより、両者をより区別しやすくできる。
ここにおいて、可変施肥マップと、一様施肥マップとのいずれを作成するかは、マップ化条件によって決定される。具体的には、圃場F1に対応して参考マップM2が指定されているか否かによって、可変施肥マップと一様施肥マップとのいずれかが選択的に作成される。そして、参考マップM2が指定されている場合には、可変施肥マップが作成されるように、マップ化条件が規定されている。要するに、マップ化条件は、圃場F1に対応して参考マップM2が指定されていれば、参考マップM2に基づいて、作業指数を複数の区画Kについて個別に設定する作業マップM1(可変施肥マップ)を作成すること、を含む。また、マップ化条件は、圃場F1に対応して参考マップM2が指定されていなければ、作業指数を複数の区画Kについて均一に設定すること、を含む。
このようなマップ化条件に従うことによって、参考マップM2が指定されている圃場F1については、可変施肥マップが作成され、参考マップM2が指定されていない圃場F1については、一様施肥マップが作成される。よって、図11の例では、参考マップM2が指定されている圃場F11,F12についてのみ、可変施肥マップが作成されている。つまり、圃場F11,F12は、いずれも参考マップM2として2019年6月の生育マップ(NDVIマップ)が指定されている。そのため、圃場F11,F12の作業マップM11,M12については、生育マップに基づいて作成された可変施肥マップである。より詳細には、作成処理部12は、生育マップに基づいて、圃場F1の中でも作物の生育が遅れていると判断される位置に関しては、施肥量が多くして生育を促進するように、作業マップM1を作成する。そのため、基本的には、生育マップを反転したような作業マップM1が生成されることになる。
ここで、本実施形態では、上述したように収量マップ、食味マップ、生育マップ、土壌マップ及び実績施肥マップ等の各種の実績マップが、参考マップM2として利用される。
要するに、参考マップM2は、圃場F1内での作物の生育状況の分布を示す生育マップを含む。これにより、作物の生育が遅れている場合には生育を促進するような、作業マップM1を作成可能となる。そして、生育マップは、圃場F1における複数の小領域(エリア)毎の生育状況を示す。このような生育マップに基づいて作成される作業マップM1は、複数の小領域(エリア)に対応する複数の区画Kを有する。これにより、区画K毎の生育状況を反映した精緻な作業マップM1が作成可能となる。
また、参考マップM2は、圃場F1内での作物の収穫量の分布を示す収量マップを含む。これにより、作物の収穫量が少ない場合には生育を促進するような、作業マップM1を作成可能となる。そして、収量マップは、圃場F1における複数の小領域(エリア)毎の収穫量を示す。このような収量マップに基づいて作成される作業マップM1は、複数の小領域(エリア)に対応する複数の区画Kを有する。これにより、区画K毎の収穫量を反映した精緻な作業マップM1が作成可能となる。
次に、図12~図14を参照しつつ、作成処理に係る管理サーバ2の処理の手順の一例について説明する。図12中の算出関連処理(S7)は、算出処理に関する一連の処理を含む、その詳細を図13のフローチャートに示す。図12中の制限関連処理(S8)は、制限処理に関する一連の処理を含む、その詳細を図14のフローチャートに示す。
図12に示すように、管理サーバ2の情報処理部1は、結果一覧画面P1中の新規作成ボタンB11が操作されると(S1:Yes)、指定処理(S2)を開始する。具体的に、管理サーバ2の情報処理部1は、ユーザ端末3の表示部33に圃場設定画面P2を表示させる(S3)。この状態で、管理サーバ2の情報処理部1は、対象圃場としての圃場F1の指定を受け付ける。
ステップS4において、圃場設定画面P2中のパラメータ設定ボタンB21が操作されると(S4:Yes)、管理サーバ2の情報処理部1は、パラメータ設定処理(S5)を開始する。具体的に、管理サーバ2の情報処理部1は、ユーザ端末3の表示部33にパラメータ設定画面P3を表示させる(S6)。この状態で、管理サーバ2の情報処理部1は、算出関連処理(S7)及び制限関連処理(S8)を実行しつつ、作業マップM1の作成のためのパラメータの入力を受け付ける。
ステップS9において、パラメータ設定画面P3中の作成ボタンB31が操作されると(S9:Yes)、管理サーバ2の情報処理部1は、対象圃場としての圃場F1について参考マップM2が指定されているか否かを判断する(S10)。参考マップM2が指定されている圃場F1については(S10:Yes)、管理サーバ2の情報処理部1は、参考マップM2に関する参考情報を取得し(S11)、参考マップM2に基づいて可変施肥マップを作成する(S12)。一方、参考マップM2が指定されていない圃場F1については(S10:No)、管理サーバ2の情報処理部1は、一様施肥マップを作成する(S13)。
ステップS14において、管理サーバ2の情報処理部1は、対象圃場として指定されている全ての圃場F1について、作業マップM1の作成処理が終了したか否かを判断する。つまり、指定処理(S2)において、2以上の圃場F1が対象圃場として指定されている場合、管理サーバ2の情報処理部1は、これら2以上の圃場F1の全てについて、ステップS10~S14を実行する。これにより、作成処理部12は、対象圃場として指定される2以上の圃場F1について、マップ化条件に従って、2以上の圃場F1の各々に対応する作業マップM1を、一括で作成することになる。対象圃場として指定されている全ての圃場F1について、作業マップM1の作成処理が終了すれば(S14:Yes)、管理サーバ2の情報処理部1は、作業マップM1を登録し(S15)、作成処理を終了する。
また、算出関連処理においては、図13に示すように、ステップS71において、管理サーバ2の情報処理部1は、特定量の入力の有無を判断する。このとき、情報処理部1は、パラメータ設定画面P3の入力欄C35にデータ(値)が入力されることもって、特定量としての窒素重量が入力されたと判断し(S71:Yes)、処理をステップS72に移行させる。
ステップS72においては、情報処理部1の種別取得部132は、種別情報を取得する。このとき、種別取得部132は、入力欄C32に入力された窒素含有率等を種別情報として取得する。そして、ステップS73においては、情報処理部1の特定量取得部133は、特定量情報を取得する。このとき、特定量取得部133は、入力欄C35に入力された窒素重量を特定量情報として取得する。
ステップS73においては、情報処理部1の算出部17は、特定量から散布量を算出する算出処理を実行する。具体的には、算出部17は、特定量としての窒素重量から散布量としての標準施肥量を算出する。算出部17で算出された標準施肥量は、入力欄C34に自動挿入される。
また、制限関連処理においては、図14に示すように、ステップS81において、情報処理部1の作業方法取得部135は、作業方法情報を取得する。このとき、作業方法取得部135は、圃場設定画面P2の方法設定ボタンB24で、全層施肥、側条施肥、及び追肥の3つの中から選択された施肥方法を、作業方法情報として取得する。
ステップS82においては、管理サーバ2の情報処理部1は、作業方法が追肥か否かを判断する。圃場設定画面P2の方法設定ボタンB24で追肥が選択されている場合、情報処理部1は、作業方法が追肥である(S82:Yes)と判断し、制限部18が入力設定値の上限値をV1に設定する(S84)。一方、圃場設定画面P2の方法設定ボタンB24で元肥(全層施肥又は側条施肥)が選択されている場合、情報処理部1は、作業方法が追肥でない(S82:No)と判断し、処理をステップS83に移行する。
ステップS83においては、管理サーバ2の情報処理部1は、作業方法が側条施肥か否かを判断する。圃場設定画面P2の方法設定ボタンB24で側条施肥が選択されている場合、情報処理部1は、作業方法が側条施肥である(S83:Yes)と判断し、制限部18が入力設定値の上限値をV2に設定する(S85)。一方、圃場設定画面P2の方法設定ボタンB24で全層施肥が選択されている場合、情報処理部1は、作業方法が側条施肥でない(S83:No)と判断し、処理をステップS86に移行する。
ステップS86においては、情報処理部1の制限部18は、入力設定値の上限値をV3に設定する。ここで、上限値としての「V1」、「V2」、「V3」は、「V1」が最も小さく「V2」、「V3」の順に大きくなる(V1<V2<V3)。このように上限値が設定される入力設定値に従って、制限部18は、パラメータ設定画面P3の入力欄C34への標準施肥量の入力を制限する。
ただし、図12~図14に示すフローチャートは一例に過ぎず、処理が適宜追加又は省略されてもよいし、処理の順番が適宜入れ替わってもよい。
ところで、作成処理により作業マップM1が作成されると、図15に例示するような結果比較画面P5が表示可能となる。つまり、結果確認画面P4において、比較ボタンB41が操作されると、表示部33に表示される画面は、結果確認画面P4から結果比較画面P5に遷移する。
結果比較画面P5は、図15に示すように、比較領域R51と、情報領域R52と、を有している。情報領域R52には、ユーザ(オーナ)、圃場F1、及び施肥作業等に関する種々の情報が表示される。比較領域R51には、作成された作業マップM1と、この作業マップM1の作成に用いられた参考マップM2と、が並べて表示される。これにより、ユーザは、結果比較画面P5上で、作業マップM1と共に、作業マップM1の作成の根拠となった参考マップM2を確認することが可能である。そのため、ユーザは、作業マップM1の評価をしやすくなる。
[6.5]修正処理
次に、作業マップM1を修正するための「修正処理」について説明する。修正処理は、作成処理部12が修正モードで作業マップM1を作成し直す処理であって、新規作成モードで作業マップM1が作成された以降に実行可能となる。
修正処理では、表示処理部161は、結果修正画面P6をユーザ端末3の表示部33に表示させる。つまり、結果確認画面P4において、修正ボタンB42が操作されることをもって、表示部33に表示される画面は、結果確認画面P4から結果修正画面P6に遷移する。
結果修正画面P6は、図16に示すように、作業マップM1を含む画像Im6と、操作領域R61と、を含む。操作領域R61には、一例として、修正方法選択ボタンB61,B62、スライドバーB63、修正ボタンB64、再計算ボタンB65及び保存ボタンB66等、ユーザの操作対象となる複数のボタンが表示される。修正方法選択ボタンB61,B62は、作業マップM1の修正を行う対象を、圃場F1全体とするか、結果修正画面P6上で指定される修正範囲Z61内とするかを選択するためのラジオボタンである。修正方法選択ボタンB61が選択されることで、圃場F1全体を単位として修正可能となり、修正方法選択ボタンB62が選択されることで、圃場F1単位ではなく修正範囲Z61で修正範囲を自由に指定可能となる。
すなわち、修正方法選択ボタンB62が選択されると、画像Im6には、図16に示すように、修正範囲Z61を表す枠が表示される。ユーザは、この修正範囲Z61を、画像Im6上においてカーソル等で任意の形状及び大きさに設定する。これにより、作業マップM1の複数の区画Kのうち、修正範囲Z61に含まれる区画Kを作業指数の修正の対象とすることができる。要するに、作成処理部12は、作業マップM1を含む結果修正画面P6上で指定される修正範囲Z61について作業指数の修正を行う。
作業マップM1の修正は、作業指数の修正によって行われる。つまり、作業指数の値を、変更することにより、作業マップM1の修正が行われる。ここで、作業指数の変更は、スライドバーB63又は修正ボタンB64の操作によって行われる。そして、本実施形態では、可変施肥マップのように作業指数が複数の区画Kでばらつきを持つ場合、このばらつきを維持した状態で、作業指数の修正が行われる。図16の例では、修正範囲Z61内の区画Kの作業指数が、分布を維持したまま、一律で変更される。要するに、本実施形態では、作成処理部12は、複数の区画Kについて個別に作業指数が設定されている場合、作業指数の分布を維持しつつ作業指数を修正する。ただし、この構成は必須ではなく、例えば、可変施肥マップが修正により、一様施肥マップのように作業指数の分布を持たない作業マップM1に変更されてもよい。
さらに、結果修正画面P6は、画像Im6の下方に、総施肥量(総資源量)を表示するための表示欄C61を有している。この表示欄C61には、修正時算出部15が、修正後の作業マップM1についての総資源量を再計算した結果が、表示される。具体的には、再計算ボタンB65が操作されると、修正時算出部15が、修正後の作業マップM1に基づいて総施肥量(総資源量)を再計算し、表示欄C61に表示する。これにより、ユーザは、作業マップM1の修正により、使用予定の総施肥量が当初の想定量と大幅に異なることを容易に把握可能となる。
すなわち、本実施形態では、操作受付部22が、作成処理部12にて作成された作業マップM1に対するユーザの修正操作を受け付ける。そして、作成処理部12は、修正操作に従って、作業指数を修正して作業マップM1を作成し直すことが可能である。ここで、制限部18は、作成処理部12が作業指数を修正するときの作業マップM1の作成に際しても、入力設定値を制限する。要するに、本実施形態では、制限部18は、作成処理部12が作業支援情報D1を作成し直すときの作業支援情報D1の作成に際して、入力設定値を制限する。具体的には、作業指数の修正可能な範囲を、制限部18が入力設定値を制限することにより制限する。このように、作成処理部12が新規作成モードと修正モードとのいずれであっても、制限部18によるパラメータ(標準施肥量)の入力支援が行われる。保存ボタンB66は、修正後のシミュレーション結果(作業マップM1)を保存するためのボタンである。
ところで、本実施形態では、結果修正画面P6において、複数の圃場F1を修正対象として選択すれば、これら複数の圃場F1について一括で修正することも可能である。すなわち、図17に示すように、修正範囲Z61が複数の作業マップM1に跨って設定されることで、これら複数の作業マップM1を一括で修正可能である。要するに、作成処理部12は、複数の圃場F1に跨って修正範囲Z61が指定される場合、複数の圃場F1について一括で作業指数の修正を行う。これにより、例えば、複数の圃場F1について、北側の範囲について一律で施肥量を増加させるといった、複数の圃場F1に跨る修正をする場合、ユーザの負担が大幅に軽減される。
[6.6]出力処理
次に、作業マップM1を出力するための「出力処理」について説明する。
出力処理では、表示処理部161は、出力画面P7をユーザ端末3の表示部33に表示させる。つまり、結果一覧画面P1において、出力ボタンB13が操作されることをもって、表示部33に表示される画面は、結果一覧画面P1から出力画面P7に遷移する。
出力画面P7は、図18に示すように、任意のシミュレーション結果(作業マップM1)を検索するための入力欄等を含む。出力画面P7は、書き込みボタンB71を含み、書き込みボタンB71が操作されると、作業支援情報D1(作業マップM1)が、作業機械4にて読み取り可能な形式で記録媒体5に書き込まれる。
[7]変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における作業マップ作成システム10は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしての1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における作業マップ作成システム10としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
また、管理サーバ2又はユーザ端末3に含まれる一部又は全部の機能部は電子回路で構成されていてもよい。
また、作業マップ作成システム10の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは作業マップ作成システム10に必須の構成ではなく、作業マップ作成システム10の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。例えば、情報処理部1のうちの一部の機能が、管理サーバ2とは別の筐体に設けられていてもよい。さらに、作業マップ作成システム10の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
反対に、実施形態1において、複数の装置に分散されている作業マップ作成システム10の機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。例えば、管理サーバ2とユーザ端末3とに分散して設けられている機能の少なくとも一部が、管理サーバ2に集約されていてもよいし、ユーザ端末3に集約されていてもよい。
ところで、図19に示すように、結果比較画面P5は、参考マップM2を変更可能に構成されていてもよい。図19に例示する結果比較画面P5は、参考マップM2を変更するためのマップ選択ボタンB51、及び再計算ボタンB52を有している。これにより、例えば、参考マップM2を生育マップ(NDVIマップ)から収量マップ等の他の実績マップに変更して、作業マップM1を再計算することが容易になる。
また、2以上の圃場F1について一括で作業マップM1を作成する機能、算出処理に係る機能、及び制限処理に係る機能を実現するための作業マップ作成システム10の構成については、それぞれ単独でも採用可能である。さらに、修正処理に係る作業マップ作成システム10の構成についても、それ単独で採用可能である。例えば、作成処理部12は、2以上の圃場F1について一括で作業マップM1を作成する機能を採用せず、修正操作に従って、作業指数を修正して作業マップM1を作成し直す機能を採用してもよい。
また、作業マップM1の複数の区画Kは、メッシュ(正方形)分割に限らず、任意の図形等で区切ることにより、設定されてもよい。
また、ユーザ端末3の表示部33及び操作部34は、ユーザインターフェースとしての機能を有していればよく、情報の出力の態様及び情報の入力(操作)の態様は、上述した態様に限らない。一例として、表示部33は、情報の出力の態様として、プロジェクタによる投影、音声出力又は印刷等の態様を採用してもよい。この場合、各種の画面は、例えば、プロジェクタによる投影されてもよいし、印刷によってシートに表示されてもよい。また、操作部34は、情報の入力の態様として、音声入力、ジェスチャ入力又は他の端末からの操作信号の入力等の態様を採用してもよい。さらに、ユーザ端末3以外の操作部に関しても、音声入力、ジェスチャ入力又は他の端末からの操作信号の入力等の態様を採用してもよい。
また、作業支援情報D1は、圃場への散布作業を支援する情報であればよく、作業マップM1に限らない。作業支援情報D1は、圃場F1全体で適用される散布量(単位面積当たりの散布量)等の情報(散布情報)等であってもよい。すなわち、作業マップ作成システム10は作業支援情報作成システムの一例であるため、その生成物は、作業マップM1に限らず、広義の作業支援情報D1であればよい。同様に、作業マップM1の生成方法は作業支援情報D1の生成方法の一例であって、作業マップ生成プログラムは作業支援情報生成プログラムの一例である。
また、実施形態1では、散布物が肥料であって、散布物に含まれる特定成分が窒素である場合を例に説明しているが、特定成分は窒素に限らない。例えば、散布物が肥料である場合に、肥料の三要素として知られている、窒素、リン酸及びカリウム等が、散布物の特定成分となり得る。つまり、窒素以外にも、例えば、リン酸又はカリウム等が特定成分として用いられてもよく、この場合、窒素重量に代えて、リン酸又はカリウム等について圃場F1の単位面積当たりの分量が、「特定量」となる。
(実施形態2)
本実施形態に係る作業マップ作成システム10Aは、図20に示すように、管理サーバ2に加えて、管理サーバ2と連携する別サーバ6を備える点で、実施形態1に係る作業マップ作成システム10と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
本開示でいう「別サーバ」は、管理サーバ2とは別のサーバであって、例えば、別サーバ6の運用主体(管理主体)が管理サーバ2とは別である。別サーバ6は、通信網N1に接続され、管理サーバ2とは通信網N1を介して通信可能である。本実施形態では、作成処理部12のうち、「修正処理部」の機能が、管理サーバ2に代えて別サーバ6に実装されている。
本実施形態では一例として、別サーバ6は、API(Application Programming Interface)を有している。別サーバ6は、管理サーバ2から通信網N1を介してAPIが呼び出されることにより、修正処理部61の機能を、管理サーバ2に提供する。このように、管理サーバ2は、別サーバ6と連携して、作業マップ作成システム10Aとしての機能を具現化する。
すなわち、本実施形態に係る別サーバ6は、修正処理部61と、修正時算出部62と、提示処理部63と、管理サーバ2からの情報の入力を受け付けるインターフェース部53と、を備えている。そのため、本実施形態では、管理サーバ2から、修正処理部123(図1参照)及び修正時算出部15(図1参照)が省略されている。
実施形態2の変形例として、別サーバ6における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは必須の構成ではなく、別サーバ6の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、別サーバ6の少なくとも一部の機能は、クラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
10,10A 作業マップ作成システム(作業支援情報作成システム)
2 管理サーバ
3 ユーザ端末
4 作業機械
12 作成処理部
18 制限部
22 操作受付部
135 作業方法取得部
F1 圃場
K 区画
M1 作業マップ

Claims (9)

  1. 圃場への散布作業の方法に関する作業方法情報を取得する作業方法取得部と、
    散布物の散布量に基づいて前記散布作業を支援する作業支援情報を作成する作成処理部と、
    前記作業支援情報の作成に際して、前記散布物の散布量について入力される入力設定値を、前記作業方法情報に基づいて制限する制限部と、を備える、
    作業支援情報作成システム。
  2. 前記散布物は肥料を含む、
    請求項1に記載の作業支援情報作成システム。
  3. 前記散布作業の方法は、元肥と追肥とを含み、
    前記制限部は、前記追肥については前記元肥の場合に比べて、前記入力設定値の上限値を小さく制限する、
    請求項2に記載の作業支援情報作成システム。
  4. 前記元肥は、全層施肥と側条施肥とを含み、
    前記制限部は、前記側条施肥については前記全層施肥の場合に比べて、前記入力設定値の上限値を小さく制限する、
    請求項3に記載の作業支援情報作成システム。
  5. 前記作業方法情報は、前記散布作業に使用する作業機械の種別を含む、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の作業支援情報作成システム。
  6. 前記作業支援情報は、それぞれ前記散布物の散布量を示す作業指数が設定される複数の区画を有し、かつ前記圃場に対応する作業マップを含む、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の作業支援情報作成システム。
  7. 前記作成処理部にて作成された前記作業支援情報に対するユーザの修正操作を受け付ける操作受付部を更に備え、
    前記作成処理部は、前記修正操作に従って、前記作業支援情報を作成し直し、
    前記制限部は、前記作成処理部が前記作業支援情報を作成し直すときの前記作業支援情報の作成に際して、前記入力設定値を制限する、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の作業支援情報作成システム。
  8. 圃場への散布作業の方法に関する作業方法情報を取得することと、
    散布物の散布量に基づいて前記散布作業を支援する作業支援情報を作成することと、
    前記作業支援情報の作成に際して、前記散布物の散布量について入力される入力設定値を、前記作業方法情報に基づいて制限することと、を有する、
    作業支援情報の生成方法。
  9. 圃場への散布作業の方法に関する作業方法情報を取得することと、
    散布物の散布量に基づいて前記散布作業を支援する作業支援情報を作成することと、
    前記作業支援情報の作成に際して、前記散布物の散布量について入力される入力設定値を、前記作業方法情報に基づいて制限することと、
    を1以上のプロセッサに実行させるための作業支援情報生成プログラム。
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