JP2022072130A - 水中油型乳化化粧料 - Google Patents

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Ryutaro Sobu
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Abstract

【課題】優れた紫外線防御効果を有し、乳化安定性に優れ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみが良好な水中油型乳化化粧料及び該水中油型乳化化粧料の製造方法を提供する。【解決手段】下記の成分(A)~成分(E)を含有し、且つ、ラメラ構造を有する、水中油型乳化化粧料及び該水中油型乳化化粧料の製造方法である。成分(A):HLB6.0以下のノニオン性界面活性剤成分(B):HLB6.0超のショ糖脂肪酸エステル成分(C):高級アルコール成分(D):紫外線吸収剤成分(E):水【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線防御効果に優れた水中油型乳化化粧料及び該水中油型乳化化粧料の製造方法に関する。
近年、日常生活における紫外線からの防御の重要性が高まる中、日焼け止め化粧料のニーズも拡大している。このような市場のニーズから、さっぱりとした使用感で連用しやすい、水中油型乳化型の日焼け止め化粧料が開発されてきている。これらの化粧料には、紫外線防御効果を高めるため、紫外線吸収剤が用いられている。
例えば、特許文献1では、紫外線防御効果に優れ、乳化安定性が良好で、べたつきがない水中油型乳化化粧料の提供を目的として、HLB6以下のノニオン性界面活性剤、HLB6超のショ糖脂肪酸エステル、未処理デンプン及び/又はエーテル化デンプン、高級アルコール、油溶性紫外線吸収剤、スルホン酸基を有する紫外線吸収剤又はその塩、及び水を含有する水中油型乳化化粧料が記載されている。
特開2018-118931号公報
しかしながら、特許文献1に記載された水中油型乳化化粧料は、紫外線防御効果に優れ、乳化安定性が良好であり、塗布時のべたつきを抑制することができるが、塗布時のみずみずしさや肌なじみが十分なものではなく、改善の余地がある。
本発明は、優れた紫外線防御効果を有し、乳化安定性に優れ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみが良好な水中油型乳化化粧料及び該水中油型乳化化粧料の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、HLBがそれぞれ所定の範囲であるノニオン性界面活性剤及びショ糖脂肪酸エステル、高級アルコール、紫外線吸収剤、並びに水を含有し、且つ、ラメラ構造を有することにより、高い乳化安定性が得られるともに、紫外線防御能に優れ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみが良好な水中油型乳化化粧料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の[1]及び[2]に関する。
[1]下記の成分(A)~成分(E)を含有し、且つ、ラメラ構造を有する、水中油型乳化化粧料。
成分(A):HLB6.0以下のノニオン性界面活性剤
成分(B):HLB6.0超のショ糖脂肪酸エステル
成分(C):高級アルコール
成分(D):紫外線吸収剤
成分(E):水
[2]下記の成分(A)~成分(F)を含有し、且つ、ラメラ構造を有する、水中油型乳化化粧料の製造方法であって、
成分(A):HLB6.0以下のノニオン性界面活性剤
成分(B):HLB6.0超のショ糖脂肪酸エステル
成分(C):高級アルコール
成分(D):紫外線吸収剤
成分(E):水
成分(F):水溶性増粘剤
成分(D)が、成分(D1)として非水溶性紫外線吸収剤と、成分(D2)としてスルホン酸基を有する紫外線吸収剤又はその塩との併用であり、
下記の工程1~工程5を含む、水中油型乳化化粧料の製造方法。
工程1:成分(D2)及び成分(E)の一部を混合し、溶解させて調製物(i)を得る工程
工程2:成分(A)、成分(B)、及び成分(E)の残りを含む水相成分を加熱し、溶解させて調製物(ii)を得る工程
工程3:成分(C)及び成分(D1)を含む油相成分を加熱し、溶解させて調製物(iii)を得る工程
工程4:工程2で得られた調製物(ii)と工程3で得られた調製物(iii)とを混合し、加熱しながら乳化して調製物(iv)を得る工程
工程5:工程4で得られた調製物(iv)を冷却した後、工程1で得られた調製物(i)及び成分(F)を添加及び混合し、水中油型乳化化粧料を得る工程
本発明は、優れた紫外線防御効果を有し、乳化安定性に優れ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみが良好な水中油型乳化化粧料及び該水中油型乳化化粧料の製造方法を提供することができる。
実施例2の水中油型乳化化粧料の偏光顕微鏡観察写真である。 比較例1の水中油型乳化化粧料の偏光顕微鏡観察写真である。
[水中油型乳化化粧料]
本発明の水中油型乳化化粧料は、下記の成分(A)~成分(E)を含有し、且つ、ラメラ構造を有する。
成分(A):HLB6.0以下のノニオン性界面活性剤
成分(B):HLB6.0超のショ糖脂肪酸エステル
成分(C):高級アルコール
成分(D):紫外線吸収剤
成分(E):水
なお、本発明において、「成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、及び成分(E)を含有する」とは、「成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、及び成分(E)を配合してなる」ことをも意味する。
本発明は、優れた紫外線防御効果を有し、乳化安定性に優れ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみが良好な水中油型乳化化粧料を提供することができる。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
本発明の水中油型乳化化粧料は、HLBがそれぞれ所定の範囲であるノニオン性界面活性剤及びショ糖脂肪酸エステル、並びに高級アルコールを含有することにより、連続相である水相中にラメラ構造を有する被膜で覆われた油相滴を形成することができる。
そして、この油相滴は強固なラメラ構造を有する被膜で覆われているため、油相滴の合一が抑制され、乳化安定性が向上すると考えられる。
また、本発明の水中油型乳化化粧料は肌へ塗布する際においても、油相滴を覆う被膜のラメラ構造が保持され、油相滴が崩壊し難いため、連続相である水相中に油相滴を含む塗膜を肌表面へ形成することができる。その結果、塗膜中に水相が十分に保持されることとなり、紫外線防御効果を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとすることができると考えられる。
<成分(A):HLB6.0以下のノニオン性界面活性剤>
本発明の水中油型乳化化粧料は、成分(A)としてHLB6.0以下のノニオン性界面活性剤を含有する。
成分(A)は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくはエステル型ノニオン性界面活性剤であり、より好ましくはグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、及びプロピレングリコール脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはソルビタン脂肪酸エステルであり、より更に好ましくはソルビタン脂肪酸モノエステル、ソルビタン脂肪酸ジエステル、及びソルビタン脂肪酸トリエステルからなる群から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはソルビタン脂肪酸モノエステルである。
成分(A)のノニオン性界面活性剤を構成する脂肪酸の炭素数は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは8以上24以下、より好ましくは12以上22以下である。
成分(A)のノニオン性界面活性剤を構成する脂肪酸としては、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、エライジン酸等の不飽和脂肪酸などが挙げられる。
成分(A)のHLBは、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、6.0以下であり、好ましくは5.5以下、より好ましくは5.0以下であり、そして、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.5以上、更に好ましくは4.0以上である。
ここで、成分(A)のHLB(親水性親油性バランス;Hydrophile-Lipophile Balance)は、油-水系で界面活性剤の両液体に対する相対的親和力の比を表す指標であり、グリフィン法(J. Soc. Cosm. Chem., 1954, 5:249-256)により次式から求めることができる。
HLB=20×[(界面活性剤中に含まれる親水基の分子量)/(界面活性剤の分子量)]
界面活性剤中に含まれる親水基としては、例えば、水酸基、エチレンオキシ基が挙げられる。
成分(A)としては、具体的には、ミリスチン酸グリセリル(HLB:3.5)、モノステアリン酸グリセリル(HLB:4.0)、イソステアリン酸グリセリル(HLB:4.0)、オレイン酸グリセリル(HLB:2.5)、モノステアリン酸ソルビタン(HLB:4.7)、モノオレイン酸ソルビタン(HLB:4.3)、モノイソステアリン酸ソルビタン(HLB:5.0)、トリステアリン酸ソルビタン(HLB:2.1)、トリオレイン酸ソルビタン(HLB:1.7)、モノステアリン酸ジグリセリル(HLB:5.0)、モノオレイン酸ジグリセリル(HLB:5.5)、イソステアリン酸ジグリセリル(HLB:5.5)、モノステアリン酸テトラグリセリル(HLB:6.0)、トリステアリン酸ヘキサグリセリル(HLB:2.5)、ペンタステアリン酸デカグリセリル(HLB:3.5)、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル(HLB:3.5)、ペンタオレイン酸デカグリセリル(HLB:3.5)、モノステアリン酸プロピレングリコール(HLB:3.5)等が挙げられる。
成分(A)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて含有させることができる。
これらの中でも、成分(A)は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは、ミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、ペンタステアリン酸デカグリセリル、ペンタイソステアリン酸デカグリセリル、ペンタオレイン酸デカグリセリル、及びモノステアリン酸プロピレングリコールからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくは、モノステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、及びモノステアリン酸ジグリセリルからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、及びモノイソステアリン酸ソルビタンからなる群から選ばれる1種以上であり、より更に好ましくはモノステアリン酸ソルビタンである。
成分(A)の市販品としては、花王(株)製のレオドールシリーズが挙げられる。また公知の方法で製造してもよい。
本発明の水中油型乳化化粧料中の成分(A)の含有量は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、より更に好ましくは0.7質量%以上、より更に好ましくは1質量%以上であり、そして、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは2質量%以下である。より具体的には、好ましくは0.1~6質量%、より好ましくは0.2~5質量%、更に好ましくは0.3~4質量%、より更に好ましくは0.7~3質量%、より更に好ましくは1~3質量%、より更に好ましくは1~2質量%である。
<成分(B):HLB6.0超のショ糖脂肪酸エステル>
本発明の水中油型乳化化粧料は、成分(B)としてHLB6.0超のショ糖脂肪酸エステルを含有する。
成分(B)は、食品、化粧料原料に一般に用いられるショ糖脂肪酸エステルであれば特に制限されないが、好ましくは脂肪酸の平均置換度が2以上であるショ糖脂肪酸エステルである。置換度が2以上であるショ糖脂肪酸エステルとは、ショ糖の水酸基の水素原子が2つ以上脂肪酸アシル基で置換されたエステルであり、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、より好ましくは脂肪酸の平均置換度が2以上6以下であるショ糖脂肪酸エステルである。
成分(B)のHLBは、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、6.0超であり、好ましくは8.0以上、より好ましくは10.0以上、更に好ましくは12.0以上、より更に好ましくは14.0以上であり、また、好ましくは20.0以下、より好ましくは18.0以下、更に好ましくは17.0以下である。
ここで、成分(B)のHLBは、前述のとおり、グリフィン法により前記式から求めることができる。
成分(B)のショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上であり、そして、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。
成分(B)としては、具体的には、ショ糖カプリル酸エステル、ショ糖カプリン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル等が挙げられる。
成分(B)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて含有させることができる。
これらの中でも、成分(B)は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、及びショ糖ステアリン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上を含み、より好ましくは、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、及びショ糖パルミチン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上を含み、更に好ましくはショ糖ラウリン酸エステル及びショ糖ミリスチン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上を含む。
成分(B)が、ショ糖ラウリン酸エステル及びショ糖ミリスチン酸エステルからなる群から選ばれる1種以上を含む場合、成分(B)中のショ糖ラウリン酸エステル及びショ糖ミリスチン酸エステルの合計含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。
また、成分(B)は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくはヤシ油、パーム油、パーム核油等の天然由来の脂肪酸から構成されてなり、より好ましくはヤシ油脂肪酸ショ糖エステルである。
成分(B)の市販品としては、「リョートーシュガーエステルL-1695」、「リョートーシュガーエステルM-1695」、「リョートーシュガーエステルP-1570」、「リョートーシュガーエステルP-1670」、「リョートーシュガーエステルS-1570」、「リョートーシュガーエステルS-1670」、「リョートーシュガーエステルO-1570」(以上、三菱ケミカルフーズ(株)製)等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化化粧料中の成分(B)の含有量は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.07質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上であり、そして、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.7質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.3質量%以下である。より具体的には、好ましくは0.01~1.5質量%、より好ましくは0.03~1質量%、更に好ましくは0.07~0.7質量%、より更に好ましくは0.1~0.5質量%、より更に好ましくは0.1~0.3質量%である。
本発明において、成分(A)及び(B)以外のノニオン性界面活性剤を含有することができるが、成分(A)及び(B)を含むノニオン性界面活性剤の混合HLBは、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは3.0以上、より好ましくは4.0以上、更に好ましくは5.0以上であり、そして、好ましくは12.0以下、より好ましくは9.0以下、更に好ましくは7.0以下である。
ここで、混合HLBは、各ノニオン性界面活性剤のHLBをその含有質量比率に基づいて加重平均したものであり、次式で求められる。
混合HLB=Σ(HLBx×Wx)/ΣWx
(HLBxは、ノニオン性界面活性剤XのHLBを示す。Wxは、ノニオン性界面活性剤Xの質量(g)を示す。)
本発明の水中油型乳化化粧料中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、より更に好ましくは0.7質量%以上、より更に好ましくは1質量%以上であり、そして、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下である。より具体的には、好ましくは0.1~6質量%、より好ましくは0.2~5質量%、更に好ましくは0.3~4質量%、より更に好ましくは0.7~3質量%、より更に好ましくは1~3質量%である。
本発明の水中油型乳化化粧料中の成分(B)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比〔(A)/(B)〕は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは5.0以上、より更に好ましくは7.0以上であり、また、好ましくは20.0以下、より好ましくは16.0以下、更に好ましくは14.0以下、より更に好ましくは12.0以下、より更に好ましくは11.0以下である。より具体的には、好ましくは0.5~20.0、より好ましくは2.0~16.0、更に好ましくは5.0~14.0、より更に好ましくは7.0~12.0、より更に好ましくは7.0~11.0である。
<成分(C):高級アルコール>
本発明の水中油型乳化化粧料には、成分(C)として高級アルコールを含有する。
成分(C)である高級アルコールの炭素数は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは10以上24以下、より好ましくは12以上24以下、更に好ましくは14以上24以下、より更に好ましくは20以上24以下である。
成分(C)は、直鎖及び分岐鎖のいずれであってもよく、飽和及び不飽和のいずれであってもよいが、前記と同様の観点から、好ましくは直鎖又は分岐鎖の飽和高級アルコールであり、より好ましくは直鎖飽和高級アルコールである。
成分(C)は、具体的には、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナービルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。
成分(C)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて含有させることができる。
これらの中でも、成分(C)は、ラメラ構造を形成し、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとする観点から、好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、及びベヘニルアルコールからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはセチルアルコール、ステアリルアルコール、及びベヘニルアルコールからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはベヘニルアルコールである。
本発明の水中油型乳化化粧料中の成分(C)の含有量は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、より更に好ましくは0.7質量%以上、より更に好ましくは1質量%以上、より更に好ましくは2質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは13質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下、より更に好ましくは6質量%以下、より更に好ましくは4質量%以下ある。より具体的には、好ましくは0.05~15質量%、より好ましくは0.1~13質量%、更に好ましくは0.3~10質量%、より更に好ましくは0.7~8質量%、より更に好ましくは1~6質量%、より更に好ましくは2~4質量%である。
本発明の水中油型乳化化粧料中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量に対する成分(C)の含有量の質量比[(C)/〔(A)+(B)〕]は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは0.7以上、より更に好ましくは1.0以上、より更に好ましくは1.3以上であり、そして、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.0以下、より更に好ましくは3.0以下、より更に好ましくは2.0以下、より更に好ましくは1.7以下である。より具体的には、好ましくは0.3~6.0、より好ましくは0.5~5.0、更に好ましくは0.7~4.0、より更に好ましくは1.0~3.0、より更に好ましくは1.3~2.0、より更に好ましくは1.3~1.7である。
<成分(D):紫外線吸収剤>
本発明の水中油型乳化化粧料は、紫外線防御効果を向上させる点から、成分(D)として紫外線吸収剤を含有する。
成分(D)は、通常の化粧料に用いられるものが挙げられるが、中でも、下記の成分(D1)及び成分(D2)からなる群から選ばれる1種以上が好ましい。
成分(D1):非水溶性紫外線吸収剤
成分(D2):スルホン酸基を有する紫外線吸収剤又はその塩
本発明において、「非水溶性」とは、水への溶解度が1w/w%以下であることをいう。
〔成分(D1):非水溶性紫外線吸収剤〕
成分(D1)としては、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、及びその他の有機紫外線吸収剤のうち、非水溶性のものが挙げられる。
非水溶性のケイ皮酸系紫外線吸収剤としては、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル(例えば、BASF社製「UVINUL MC80」)、ジパラメトキシケイ皮酸モノ-2-エチルヘキサン酸グリセリル、2,5-ジイソプロピルケイ皮酸メチル、パラメトキシケイ皮酸2-エトキシエチル、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物等が挙げられる。
非水溶性のトリアジン系紫外線吸収剤としては、2,4,6-トリス[4-(2-エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン(以下、「エチルヘキシルトリアゾン」ともいう。例えば、BASF社製「UVINUL T-150」)、ビス(エチルヘキシルオキシフェノール)メトキシフェニルトリアジン(例えば、BASF社製「TINOSORB S」)等が挙げられる。
非水溶性のベンゾイルメタン系紫外線吸収剤としては、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン(例えば、DSM社製「PARSOL 1789」)等が挙げられる。
非水溶性のサリチル酸系紫外線吸収剤としては、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸2-エチルヘキシル(例えば、DSM社製「PARSOL EHS」)、サリチル酸ブチルオクチル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル(ホモサレート、例えばDSM社製「PARSOL HMS」)等が挙げられる
非水溶性のパラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、パラアミノ安息香酸グリセリル等が挙げられる。
非水溶性のベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、4-(2-β-グルコピラノシロキシ)プロポキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(例えば、BASG社製「UVINUL M40」)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-硫酸、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-N-オクトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
他の非水溶性の紫外線吸収剤としては、オクトクリレン(例えば、DSM社製「PARSOL 340」);ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(例えば、BASF社製「UVINUL A PLUS GRANULAR」;ジメチコジエチルベンザルマロネート(ポリシリコーン-15、例えばDSM社製「PARSOL SLX」);ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル(例えば、味の素(株)製)「ソフトシェードDH」);アジピン酸とネオペンチルグリコールとの共重合体の末端をオクチルドデカノール又はシアノジフェニルプロペン酸で封鎖したコポリマー(ポリエステル-8、Hall star社製「Polycrylene」);1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン;シノキサート;メチル-o-アミノベンゾエート、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル;メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール(例えば、BASF社製「TINOSORB M」);ドロメトリゾールトリシロキサン等が挙げられる。
成分(D1)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて含有させることができる。
これらの中でも、成分(D1)は、好ましくは非水溶性のケイ皮酸系紫外線吸収剤、非水溶性のトリアジン系紫外線吸収剤、及び非水溶性のベンゾイルメタン系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種以上を含み、より好ましくはパラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、ビス(エチルヘキシルオキシフェノール)メトキシフェニルトリアジン、4-tert-4’-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクトクリレン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ポリシリコーン-15、及びドロメトリゾールトリシロキサンからなる群から選ばれる1種以上を含み、更に好ましくはパラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、エチルヘキシルトリアゾン、ビス(エチルヘキシルオキシフェノール)メトキシフェニルトリアジン、4-tert-4’-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、及びジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルからなる群から選ばれる1種以上を含む。
本発明の水中油型乳化化粧料総量中の成分(D1)の含有量は、紫外線防御効果を向上させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは7質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは13質量%以下、より更に好ましくは11質量%以下である。より具体的には、好ましくは0.5~20質量%、より好ましくは1~15質量%、更に好ましくは3~15質量%、より更に好ましくは5~15質量%、より更に好ましくは5~13質量%、より更に好ましくは7~11質量%である。
〔成分(D2):スルホン酸基を有する紫外線吸収剤又はその塩〕
成分(D2)としては、具体的には、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸(例えば、BASF社製「UVINUL MS40」)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(例えば、Merck社製「EUSOLEX 232」、Symrise社製「Neo Heliopan Hydro」)、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸(例えば、Symrise社製「Neo Heliopan AP」)、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸(例えば、Chirochem社製「Solfilter-TDSA-H」)等のスルホン酸基を有する紫外線吸収剤が挙げられる。
スルホン酸基を有する紫外線吸収剤は、未中和の状態では水への溶解性が低い紫外線吸収剤であるが、塩基性化合物によって中和して塩とすることで水溶性の高いものとなる。当該観点から、成分(D2)は、スルホン酸基を有する紫外線吸収剤の塩を用いることが好ましい。
前記塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等の第2族元素の金属水酸化物;トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリエチルアミン、アミノメチルプロパノール、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(トロメタミン)等の有機アミン;アンモニア;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸などが挙げられる。
スルホン酸基を有する紫外線吸収剤の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等の第2族元素の金属塩;トリエタノールアミン塩、モノエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩、アミノメチルプロパノール塩、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(トロメタミン)塩等の有機アミン塩;アンモニウム塩;アルギニン塩、リジン塩等の塩基性アミノ酸塩などが挙げられる。
これらの中でも、成分(D2)は、市場での入手容易性、生体安全性、及び良好な紫外線防御効果が得られる観点から、好ましくはフェニルベンズイミダゾールスルホン酸、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を含み、より好ましくはフェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びテレフタリリデンジカンフルスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上の塩を含み、更に好ましくはフェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びテレフタリリデンジカンフルスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上のアルカリ金属塩又は有機アミン塩を含み、より更に好ましくはフェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びテレフタリリデンジカンフルスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上の有機アミン塩を含み、より更に好ましくはフェニルベンズイミダゾールスルホン酸及びテレフタリリデンジカンフルスルホン酸からなる群から選ばれる1種以上のトリエタノールアミン塩からなる群から選ばれる1種以上を含む。
なお、本発明の水中油型乳化化粧料は、成分(D2)として、スルホン酸基を有する紫外線吸収剤と塩基性化合物とを配合することにより該水中油型乳化化粧料中で塩を形成させてもよい。
本発明の水中油型乳化粧料中の成分(D2)の含有量(未中和量としての含有量)は、紫外線防御効果を向上させる観点から、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上、より更に好ましくは2質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下、より更に好ましくは4質量%以下である。より具体的には、好ましくは0.3~10質量%、より好ましくは1~8質量%、更に好ましくは1.5~6質量%、より更に好ましくは2~4質量%である。
成分(D)は、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、成分(D1)と成分(D2)との併用であることが好ましい。
成分(D1)と成分(D2)とを併用する場合、本発明の水中油型乳化化粧料中の成分(D1)及び成分(D2)の合計含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは17質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下である。より具体的には、好ましくは1~30質量%、より好ましくは2~20質量%、更に好ましくは3~17質量%、より更に好ましくは5~15質量%、より更に好ましくは10~15質量%である。
本発明の水中油型乳化化粧料中の成分(D2)の含有量(未中和量としての含有量)に対する成分(D1)の含有量の質量比〔(D1)/(D2)〕は、紫外線防御効果を向上させる観点から、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.0以上であり、また、好ましくは10.0以下、より好ましくは7.0以下、更に好ましくは5.0以下である。より具体的には、好ましくは1.0~10.0、より好ましくは1.5~7.0、更に好ましくは2.0~5.0である。
<成分(E):水>
本発明の水中油型乳化化粧料には、成分(E)として水を含有する。
本発明の水中油型乳化化粧料中の水の含有量は、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとする観点から、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは55質量%以上、より更に好ましくは60質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下、更に好ましくは80質量%以下、より更に好ましくは75質量%以下である。より具体的には、好ましくは40~90質量%であり、より好ましくは45~85質量%、更に好ましくは50~80質量%、より更に好ましくは55~75質量%、より更に好ましくは60~75質量%である。
本発明の水中油型乳化化粧料には、成分(A)~成分(E)の他、化粧料の用途に応じて使用される任意成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜含有してもよい。当該任意成分としては、成分(A)~成分(E)以外の、界面活性剤、水溶性高分子、油剤、中和剤、pH調整剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、着色剤、キレート剤、美白剤、制汗剤、昆虫忌避剤、生理活性成分、塩類、酸化防止剤、香料等が挙げられる。
また、本発明においては、成分(E)以外の水性媒体として、例えば、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1以上3以下の飽和1価アルコールを更に含有してもよい。
<成分(F):水溶性増粘剤>
本発明の水中油型乳化化粧料は、良好な乳化安定性を得る観点から、成分(F)として、水溶性増粘剤を更に含有することが好ましい。
成分(F)は、好ましくは増粘作用を有する水溶性高分子であり、通常の化粧料に用いられるものであれば制限されず、天然高分子、半合成高分子、合成高分子のいずれも用いることができる。
天然高分子としては、例えば、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸が挙げられる。中でも、良好な乳化安定性を得る観点から、キサンタンガムが好ましい。
半合成高分子としては、例えば、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カチオン化セルロース等の変性多糖類が挙げられる。中でも、良好な乳化安定性を得る観点から、ヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
合成高分子としては、例えば、架橋ポリアクリル酸(カルボマー、カルボキシビニルポリマー)、ポリアクリル酸、(アクリル酸/メタクリル酸アルキル)共重合体及びこれらの塩、ポリアクリル酸アミド等の(メタ)アクリル酸由来の構成単位又は(メタ)アクリル酸誘導体由来の構成単位を含むビニル系ポリマー;ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カチオン化ポリビニルピロリドンが挙げられる。
これらの中でも、成分(F)は、良好な乳化安定性を得る観点から、好ましくは天然高分子、半合成高分子及び合成高分子からなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはキサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース及び(メタ)アクリル酸由来の構成単位又は(メタ)アクリル酸誘導体由来の構成単位を含むビニル系ポリマーからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは(メタ)アクリル酸由来の構成単位又は(メタ)アクリル酸誘導体由来の構成単位を含むビニル系ポリマーを含み、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとする観点からは、架橋ポリアクリル酸(カルボマー、カルボキシビニルポリマー)を含む。
ヒドロキシエチルセルロースの市販品としては、「HECダイセル SE400」、「HEC SE550」、「HEC SE600」、「HEC SE850」、「HECダイセル SE900」(以上、ダイセルミライズ(株))等が挙げられる。
カルボマーの市販品としては、「カーボポール910」、「カーボポール934」、「カーボポール940」、「カーボポール941」、「カーボポール980」、「カーボポール981」(以上、Lubrizol Advanced Materials社製)等が挙げられる。
ポリアクリル酸アミドの市販品としては、「SEPIGEL305」(SEPPIC社製)等が挙げられる。
(アクリル酸/メタクリル酸アルキル)共重合体の市販品としては、「カーボポール1382」、「カーボポールETD2020」、「PEMULEN TR-1」、「PEMULEN TR-2」(以上、Lubrizol Advanced Materials社製)等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化化粧料総量中の成分(F)の含有量は、良好な乳化安定性を得る観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、より更に好ましくは0.1質量%以上であり、そして、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとする観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.4質量%以下である。より具体的には、好ましくは0.01~1.0質量%、より好ましくは0.03~0.7質量%、更に好ましくは0.05~0.5質量%、より更に好ましくは0.1~0.4質量%である。
成分(F)が架橋ポリアクリル酸(カルボマー、カルボキシビニルポリマー)を含む場合、該成分(F)中の架橋ポリアクリル酸(カルボマー、カルボキシビニルポリマー)の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、より更に好ましくは65質量%以上である。
<成分(G):油剤>
本発明の水中油型乳化化粧料は、乳化安定性を良好なものとする観点から、好ましくは成分(G)として液体状油剤を更に含有する。
成分(G)は、1気圧下、25℃の環境下で流動性を有する油剤である。
成分(G)としては、好ましくは、エステル油、シリコーン油、炭化水素油、及び高級脂肪酸からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
成分(G)は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて含有させることができる。
エステル油としては、合成エステル油、天然油脂等が挙げられ、例えば、1価カルボン酸と1価アルコールとのエステル、1価カルボン酸と多価アルコールとのエステル、多価カルボン酸と1価アルコールとのエステルが挙げられる。
1価カルボン酸と1価アルコールとのエステルとして、下記一般式(1)で表されるエステルが挙げられる。
1-COO-R2 (1)
一般式(1)において、R1は、水酸基が置換していてもよく、炭素数1以上25以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、又は炭素数6以上24以下の芳香族含有炭化水素基を示し、R2は、炭素数1以上30以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示す。
1がアルキル基又はアルケニル基の場合、炭素数は、好ましくは7以上であり、そして、好ましくは23以下、より好ましくは21以下、更に好ましくは19以下、より更に好ましくは17以下である。
1が芳香族含有炭化水素基の場合、炭素数は、好ましくは6以上であり、そして、好ましくは22以下、より好ましくは20以下である。
2の炭素数は、好ましくは2以上であり、そして、好ましくは28以下、より好ましくは24以下、更に好ましくは20以下である。
一般式(1)で表されるエステルの具体例としては、イソオクタン酸セチル、イソオクタン酸ステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸2-ヘキシルデシル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、酢酸ラノリン、ヒマシ油脂肪酸メチル(リシノレイン酸メチル)、及び安息香酸アルキル(アルキルの炭素数12~15)からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
1価カルボン酸と1価アルコールとのエステルとして、下記一般式(2)で表されるエステルも挙げられる。
3-COO-(AO)n-R4 (2)
一般式(2)において、R3は、水酸基が置換していてもよく、炭素数1以上25以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、R4は炭素数6以上24以下の芳香族含有炭化水素基を示す。AOは、炭素数2以上4以下のアルキレンオキシ基を示し、nは1以上50以下の平均付加モル数を表す。
3は、好ましくは炭素数が7以上であり、そして、好ましくは23以下、より好ましくは21以下、更に好ましくは19以下のアルキル基である。
4は、好ましくは炭素数が6以上であり、そして、好ましくは22以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下の芳香族含有炭化水素基、より更に好ましくはベンジル基である。
AO基は、好ましくはプロピレンオキシ基であり、nは、好ましくは1以上10以下、より好ましくは1以上5以下である。
一般式(2)で表されるエステルの具体例としては、ミリスチン酸とベンジルアルコールのプロピレンオキシド3モル付加体とのエステル(クローダ社製:クロダモルSTS)、2-エチルヘキサン酸とベンジルアルコールのプロピレンオキシド3モル付加体とのエステル(クローダ社製:クロダモルSFX)等が挙げられる。
1価カルボン酸と多価アルコールとのエステルとして、下記一般式(3)で表されるエステルが挙げられる。
5-(OCOR6p (3)
一般式(3)において、R5は多価アルコール残基を示し、好ましくは炭素数2以上10以下の炭化水素基であり、R6は炭素数1以上25以下の1価カルボン酸残基を示し、pは2以上10以下の整数を示す。
なお、R5はエーテル結合を有してもよいが、好ましくは炭素数2以上10以下の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基である。また、pは前記多価アルコールが有するヒドロキシ基と同じ数である。
6は、好ましくは炭素数が7以上であり、そして、前記と同様の観点から、好ましくは23以下、より好ましくは21以下、更に好ましくは19以下のアルキル基である。
一般式(3)で表されるエステルとして、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール、ジイソステアリン酸プロパンジオール、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキシル酸グリセリル、トリ2-ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、天然油脂が挙げられる。
天然油脂としてはアボカド油、オリーブ油、ゴマ油、コメヌカ油、サフラワー油、ダイズ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマシ油、綿実油、ミンク油等のトリグリセリドが挙げられる。
多価カルボン酸と1価アルコールとのエステルとしては、下記一般式(4)で表されるエステルも挙げられる。
7-(COOR8q (4)
一般式(4)において、R7は炭素数2以上10以下の多価カルボン酸残基であり、R8は炭素数1以上25以下の1価アルコール残基を示し、qは2以上10以下の整数である。また、qは前記多価カルボン酸が有するカルボキシ基と同じ数である。
8は、好ましくは3以上であり、そして、前記と同様の観点から、好ましくは23以下、より好ましくは21以下、更に好ましくは19以下である。
具体的には、リンゴ酸ジイソステアリル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2-ヘプチルウンデシル、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、トリメリット酸トリ2-エチルヘキシル等が挙げられる。
これらの中でも、前記エステル油は、乳化安定性を良好なものとする観点から、好ましくは一般式(1)、一般式(3)又は一般式(4)で表されるエステルであり、より好ましくは、炭素数8以上18以下の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸と炭素数2以上24以下の直鎖又は分岐鎖の1価アルコールとのモノエステル、炭素数6以上18以下の分岐鎖脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、炭素数6以上18以下の分岐鎖脂肪酸とペンタエリスリトールとのテトラエステル、炭素数6以上18以下の分岐鎖の1価アルコールとトリメリット酸とのトリエステル、及び安息香酸アルキル(C12~15)(例えば、「フィンソルブTN」(Innospec Active Chemicals LLC製))からなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは、2-エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、セバシン酸ジイソプロピル、トリメリット酸トリ2-エチルヘキシル、及び安息香酸アルキル(C12~15)からなる群から選ばれる1種以上である。
前記シリコーン油は、乳化安定性を良好なものとする観点から、好ましくはジメチルシリコーン及び変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上であり、より好ましくはジメチルポリシロキサン及びフェニル変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくは25℃における動粘度が5,000mm2/s以下のジメチルポリシロキサン及びフェニル変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上である。
フェニル変性シリコーンとしては、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、フェニルメチコン等が挙げられる。
前記シリコーン油の25℃における動粘度は、ASTM D 445-46T又はJIS Z 8803に準じて、ウベローデ粘度計により測定することができる。
シリコーン油の市販品としては、信越化学工業(株)製の「KF-96A-6cs」(ジメチルポリシロキサン)、「KF-96A-10cs」(ジメチルポリシロキサン)、「KF-96A-20cs」(ジメチルポリシロキサン)、「KF-96A-100cs」(ジメチルポリシロキサン);ダウ・ケミカル日本(株)製の「DOWSIL SH 556 Fluid」(フェニルトリメチコン)、ダウ・ケミカル日本(株)「DOWSIL FZ-209」(ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン)等が挙げられる。
前記炭化水素油の具体例としては、流動パラフィン、水添ポリイソブテン(流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン)、シクロパラフィン、流動オゾケライト、スクワレン、スクワラン、プリスタン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、イソヘキサデカン等が挙げられる。
成分(G)は、乳化安定性を良好なものとする観点から、好ましくはエステル油及びシリコーン油からなる群から選ばれる1種以上を含み、より好ましくは一般式(1)、一般式(3)又は一般式(4)で表されるエステル、ジメチルポリシロキサン、及びフェニル変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上を含み、更に好ましくは、炭素数8以上18以下の直鎖又は分岐鎖の脂肪酸と炭素数2以上24以下の直鎖又は分岐鎖の1価アルコールとのモノエステル、炭素数6以上18以下の分岐鎖脂肪酸とグリセリンとのトリエステル、炭素数6以上18以下の分岐鎖脂肪酸とペンタエリスリトールとのテトラエステル、炭素数6以上18以下の分岐鎖の1価アルコールとトリメリット酸とのトリエステル、安息香酸アルキル(C12~15)、並びに、25℃における動粘度が5000mm2/s以下のジメチルポリシロキサン及びフェニル変性シリコーンからなる群から選ばれる1種以上を含み、より更に好ましくは、2-エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、セバシン酸ジイソプロピル、トリメリット酸トリ2-エチルヘキシル、安息香酸アルキル(C12~15)、並びに、25℃における動粘度が5000mm2/s以下のジメチルポリシロキサン及びフェニルトリメチコンからなる群から選ばれる1種以上を含む。
本発明の水中油型乳化化粧料総量中の成分(G)の含有量は、乳化安定性を良好なものとする観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、より更に好ましくは15質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下である。より具体的には、好ましくは1~30質量%、より好ましくは3~25質量%、更に好ましくは5~20質量%、より更に好ましくは5~15質量%、より更に好ましくは5~10質量%である。
<成分(H):多価アルコール>
本発明の水中油型乳化化粧料は、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとする観点から、成分(H)として多価アルコールを更に含有することが好ましい。
成分(H)としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量650未満)、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール(プロパンジオール)、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(平均分子量650未満)、イソプレングリコール、1,3-ブチレングリコール等のグリコール類;グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコールが挙げられる。これらの中でも、成分(H)は、好ましくは炭素数2以上12以下の多価アルコールであり、より好ましくはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3-プロパンジオール(プロパンジオール)、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びグリセリンからなる群から選ばれる1種以上であり、更に好ましくはプロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、及びグリセリンからなる群から選ばれる1種以上である。これらのアルコールは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の水中油型乳化化粧料総量中の成分(H)の含有量は、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとする観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは13質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
本発明の水中油型乳化化粧料中の油相成分の含有量は、紫外線防御効果を高める観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、そして、乳化安定性を良好なものとし、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとする観点から、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは25質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下である。より具体的には、好ましくは3~35質量%であり、より好ましくは5~30質量%、更に好ましくは10~25質量%、より更に好ましくは10~20質量%である。
本発明の水中油型乳化化粧料は、シャンプー、リンス、コンディショナー等の毛髪化粧料;洗顔料、クレンジング化粧料、日焼け止め化粧料、パック、マッサージ化粧料等の皮膚化粧料として好適に利用できる。これらの中でも、本発明の水中油型乳化化粧料は、紫外線防御効果に優れるため、日焼け止め用途として、日焼け止め化粧料(化粧水、クリーム、乳液、美容液等)、サンタン、化粧下地化粧料、ファンデーション等に適用することが好ましい。
本発明の水中油型乳化化粧料の剤形としては、液状、乳液状、クリーム状、ペースト状、固形状等に適応が可能であり、さらにシート剤、スプレー剤、ムース剤としても適用できる。
[水中油型乳化化粧料の製造方法]
本発明の水中油型乳化化粧料の製造方法は、ラメラ構造を形成し、乳化安定性を向上させ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみを良好なものとし、紫外線防御効果を高める観点から、少なくとも成分(A)及び成分(B)を含む水相成分の調製物と、少なくとも成分(C)を含む油相成分の調製物とを低い剪断力で乳化する工程を含む方法が好ましい。
乳化に用いられる撹拌手段としては、低い剪断力を与えることができるものであれば特に制限はないが、例えば、ホモミキサー、「ディスパー」(商品名、プライミクス(株)製)、「クレアミックス」(商品名、エムテクニック(株)製)、「キャビトロン」(商品名、大平洋機工(株)製)等が挙げられる。これらの中でも、低い剪断力で乳化することができる観点から、ホモミキサーが好ましい。
ホモミキサーを用いる場合、ホモミキサーの回転数は、好ましくは500rpm以上、より好ましくは1,000rpm以上、更に好ましくは1,500rpm以上であり、そして、好ましくは8,000rpm以下、より好ましくは7,000rpm以下、更に好ましくは6,000rpm以下である。
本発明の製造方法において、低い剪断力で乳化する観点から、前記水中油型乳化化粧料の各成分の配合順序を調整することにより、水相成分の調製物と油相成分の調製物との混合物の粘度を調整して行うことが好ましい。
本発明の製造方法において、例えば、前記水中油型乳化化粧料が成分(F)を更に含有する場合には、成分(F)は水相成分の調製物と油相成分の調製物の乳化後に添加することが好ましい。
また、本発明の製造方法において、例えば、成分(D)が成分(D1)と成分(D2)との併用であり、成分(F)を更に含有する場合には、下記の工程1~工程5を含むことが好ましい。
工程1:成分(D2)及び成分(E)の一部を混合し、溶解させて調製物(i)を得る工程
工程2:成分(A)、成分(B)、及び成分(E)の残りを含む水相成分を加熱し、溶解させて調製物(ii)を得る工程
工程3:成分(C)及び成分(D1)を含む油相成分を加熱し、溶解させて調製物(iii)を得る工程
工程4:工程2で得られた調製物(ii)と工程3で得られた調製物(iii)とを混合し、加熱しながら乳化して調製物(iv)を得る工程
工程5:工程4で得られた調製物(iv)を冷却した後、工程1で得られた調製物(i)及び成分(F)を添加及び混合し、水中油型乳化化粧料を得る工程
工程1において、成分(E)の配合量は、成分(D2)の未中和量としての配合量100質量部に対して、好ましくは100質量部以上、より好ましくは200質量部以上、更に好ましくは300質量部以上であり、そして、好ましくは1,000質量部以下、より好ましくは800質量部以下、更に好ましくは700質量部以下である。
工程4において、低い剪断力で乳化する観点から、調製物(ii)及び調製物(iii)の混合物の粘度が、好ましくは10mPa・s以上、より好ましくは50mPa・s以上であり、そして、好ましくは20,000mPa・s以下、より好ましくは10,000mPa・s以下となるように調整して、乳化を行うことが好ましい。
工程2~工程4における加熱温度は、好ましくは30℃以上90℃以下、より好ましくは50℃以上90℃以下、更に好ましくは70℃以上90℃以下である。
工程5において、工程4で得られた調製物(iv)は、好ましくは15℃以上35℃以下の温度範囲に冷却した後、工程1で得られた調製物(i)及び成分(F)を添加することが好ましい。
工程5において、成分(F)は予め水と混合して溶解又は分散させた後、工程1で得られた調製物(i)と共に添加及び混合し、水中油型乳化化粧料を得ることが好ましい。すなわち、本発明においては、更に上記工程1~5に加えて、工程5より前に下記の工程1-1を含むことが好ましい。
工程1-1:成分(F)及び成分(E)の一部を混合し、成分(F)の調製物(i-1)を得る工程
調製物(i-1)における成分(F)の濃度は、成分(F)の分子量にもよるが、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であり、そして、好ましくは3質量%以下である。
以下、実施例及び比較例にて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1~16
表1~表2に示した配合に従い、以下の方法により各水中油型乳化化粧料を得た。
(工程1-1)
成分17,18及び成分36の一部を混合し、成分17及び18の濃度が2質量%となる調製物(i-1)を得た。
(工程1)
成分13~16及び成分36の一部(成分13及び成分14の合計配合量100質量部に対して500質量部)を混合し、溶解させて、調製物(i)を得た。
(工程2)
成分1,29~32及び成分36の残りを混合し、80℃に加熱し、溶解させて、調製物(ii)を得た。
(工程3)
成分2~12,22~27を混合し、80℃に加熱し、溶解させて、調製物(iii)を得た。
(工程4)
工程2で得られた調製物(ii)及び工程3で得られた調整物(iii)を混合し、80℃に保持しながらホモミキサー(プライミクス社製、モデル:T.K.ロボミックス、回転数5,000rpm)で乳化させて、調製物(iv)を得た。
(工程5)
工程4で得られた調製物(iv)を35℃まで冷却した後、工程1-1で得られた調製物(i-1)、工程1で得られた調製物(i)、及び成分33,34を添加及び混合し、各水中油型乳化化粧料を得た。
実施例17
実施例1において、工程1-1を行わずに、工程5において調製物(i-1)に代えて、市販の増粘剤「SEPIGEL305」(ポリアクリル酸アミド40質量%、軽質流動イソパラフィン30質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB 12.5)24質量%、精製水6質量%含有)(SEPPIC社製)を用いた以外は同様にして、水中油型乳化化粧料を得た。
実施例18
実施例1の工程1-1において、成分17,18に代えて成分20を用いた以外は同様にして、水中油型乳化化粧料を得た。
実施例19
実施例1の工程1-1において、成分17,18に代えて成分21を用いた以外は同様にして、水中油型乳化化粧料を得た。
比較例1
表2に示した配合に従い、以下の方法により水中油型乳化化粧料を得た。
(工程1-1)
成分17,18及び成分36の一部を混合し、成分17及び18の濃度が2質量%となる調製物(i-1)を得た。
(工程1)
成分13~16及び成分36の一部(成分13及び成分14の合計配合量100質量部に対して500質量部)を混合し、溶解させて、調製物(i)を得た。
(工程2)
工程1-1で得られた調製物(i-1)、成分1,29~32及び成分36の残りを混合し、80℃に加熱し、溶解させて、調製物(ii’)を得た。
(工程3)
成分2~12,22~27を混合し、80℃に加熱し、溶解させて、調製物(iii)を得た。
(工程4)
工程2で得られた調製物(ii’)及び工程3で得られた調整物(iii)を混合し、80℃に保持しながらホモミキサー(プライミクス社製、モデル:T.K.ロボミックス、回転数10,000rpm)で乳化させて、調製物(iv’)を得た。
(工程5)
工程4で得られた調製物(iv’)を35℃まで冷却した後、工程1で得られた調製物(i)、及び成分33,34を添加及び混合し、水中油型乳化化粧料を得た。
比較例2
表2に示した配合に従い、実施例1の工程3において成分2~4を添加しないこと以外は実施例1と同様にして水中油型乳化化粧料を得た。
実施例及び比較例で得られた水中油型乳化化粧料を用いて、下記に示す(1)ラメラ構造の確認、(2)紫外線防御能、(3)乳化安定性、及び(4)使用感(塗布時のみずみずしさ、塗布時の肌なじみ)を評価した。結果を表1~表2に示す。
(1)ラメラ構造の確認
ラメラ構造の確認は、偏光顕微鏡「ECLIPSE LV100 POL」((株)ニコン社製)を用いて偏光観察することによって行った。なお、偏光観察において、ラメラ構造が確認されたものを「有り」、ラメラ構造が確認されなかったものを「無し」とした。実施例2及び比較例1の偏光顕微鏡による観察写真をそれぞれ図1及び図2に示す。
実施例2では、図1に示すように、ラメラ構造が形成されていることを示すマルタ十字像(Maltese Cross)が確認されたが、比較例1では、図2に示すように、マルタ十字像を確認することはできなかった。
(2)紫外線防御能
特開2017-146211号公報に記載の実施例1に準じて、in vitro SPF値を求めた。
(3)乳化安定性
各水中油型乳化化粧料を60℃で1カ月静置し、乳化状態について目視による外観観察を行い、下記の判定基準により評価を行った。
〔判定基準〕
5:凝視しても外観に変化が全くない。
4:凝視しても外観にほとんど変化がない。
3:凝視すると外観にわずかな変化が認められるものの、一見しただけでは変化はない。
2:乳化滴の合一が起こり、外観が粗く見える。
1:油相と水相とが分離し、外観が不均一に見える。
(4)使用感(塗布時のみずみずしさ、塗布時の肌なじみ)
各水中油型乳化化粧料について、化粧品評価専門パネラー10名による使用テストを行った。専門パネラー各人が各化粧料を使用し、「塗布時のみずみずしさ」、及び「塗布時の肌なじみ」を下記評価基準に基づき5段階で評価して評点を付け、該化粧料について専門パネラー10名の評点の合計から平均値を算出した。
〔評価基準〕
5:良好
4:やや良好
3:普通
2:やや不良
1:不良
各評価の平均値をそれぞれ表1~表2に示す。前記平均値が高いほどその効果に優れていることを示し、該平均値が4.0超であれば非常に良好、該平均値が4.0以下3.0超であれば良好、該平均値が3.0以下2.0超であればやや不良、該平均値が2.0以下であれば不良である。
Figure 2022072130000001
Figure 2022072130000002
表1~表2において用いた成分の詳細を以下に示す。
*1:クローダ社製「SP アラセル 2121 MBAL-FL-(MV)」(モノステアリン酸ソルビタン及びヤシ油脂肪酸ショ糖エステルの混合物、質量比(モノステアリン酸ソルビタン/ヤシ油脂肪酸ショ糖エステル)=9)
*2:BASF社製「UVINUL MC80」
*3:BASF社製「UVINUL T-150」
*4:BASF社製「TINOSORB S」
*5:DSM社製「PARSOL 340」
*6:BASF社製「UVINUL A PLUS GRANULAR」
*7:DSM社製「PARSOL SLX」
*8:DSM社製「PARSOL 1789」
*9:Merck社製「EUSOLEX 232」
*10:Chirochem社製「Solfilter-TDSA-H」
*11:3V SIGMA社製「シンタレンL」
*12:DSP五協フード&ケミカル社製「エコーガム」
*13:SEPPIC社製「SEPIGEL305」
*14:Lubrizol Advanced Materials社製「PEMULEN TR-1」
*15:ダイセルミライズ(株)製「HECダイセル SE400」
*16:信越化学工業(株)式会社製「KF-96-10cs」
*17:ダウ・ケミカル日本(株)製の「DOWSIL FZ-209」
表1~表2から、本発明の実施例に係る水中油型乳化化粧料は、比較例の水中油型乳化化粧料と比べて、優れた紫外線防御能を有し、乳化安定性に優れ、塗布時のみずみずしさ及び肌なじみが良好であることがわかる。

Claims (10)

  1. 下記の成分(A)~成分(E)を含有し、且つ、ラメラ構造を有する、水中油型乳化化粧料。
    成分(A):HLB6.0以下のノニオン性界面活性剤
    成分(B):HLB6.0超のショ糖脂肪酸エステル
    成分(C):高級アルコール
    成分(D):紫外線吸収剤
    成分(E):水
  2. 成分(D)が、下記の成分(D1)及び成分(D2)からなる群から選ばれる1種以上である、請求項1に記載の水中油型乳化化粧料。
    成分(D1):非水溶性紫外線吸収剤
    成分(D2):スルホン酸基を有する紫外線吸収剤又はその塩
  3. 成分(D)が、成分(D1)と成分(D2)との併用である、請求項2に記載の水中油型乳化化粧料。
  4. 成分(D2)が、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項2又は3に記載の水中油型乳化化粧料。
  5. 成分(A)がモノステアリン酸ソルビタンであり、成分(B)がヤシ油脂肪酸ショ糖エステルである、請求項1~4のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
  6. 成分(F)として水溶性増粘剤を更に含有する、請求項1~5のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
  7. 成分(A)及び成分(B)の合計含有量に対する成分(C)の含有量の質量比[(C)/〔(A)+(B)〕]が0.5以上5.0以下である、請求項1~6のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
  8. 油相成分の含有量が5質量%以上30質量%以下である、請求項1~7のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
  9. 日焼け止め用途に用いる、請求項1~8のいずれかに記載の水中油型乳化化粧料。
  10. 下記の成分(A)~成分(F)を含有し、且つ、ラメラ構造を有する、水中油型乳化化粧料の製造方法であって、
    成分(A):HLB6.0以下のノニオン性界面活性剤
    成分(B):HLB6.0超のショ糖脂肪酸エステル
    成分(C):高級アルコール
    成分(D):紫外線吸収剤
    成分(E):水
    成分(F):水溶性増粘剤
    成分(D)が、成分(D1)として非水溶性紫外線吸収剤と、成分(D2)としてスルホン酸基を有する紫外線吸収剤又はその塩との併用であり、
    下記の工程1~工程5を含む、水中油型乳化化粧料の製造方法。
    工程1:成分(D2)及び成分(E)の一部を混合し、溶解させて調製物(i)を得る工程
    工程2:成分(A)、成分(B)、及び成分(E)の残りを含む水相成分を加熱し、溶解させて調製物(ii)を得る工程
    工程3:成分(C)及び成分(D1)を含む油相成分を加熱し、溶解させて調製物(iii)を得る工程
    工程4:工程2で得られた調製物(ii)と工程3で得られた調製物(iii)とを混合し、加熱しながら乳化して調製物(iv)を得る工程
    工程5:工程4で得られた調製物(iv)を冷却した後、工程1で得られた調製物(i)及び成分(F)を添加及び混合し、水中油型乳化化粧料を得る工程
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