JP2022071832A - 振動型アクチュエータの制御装置及びそれを有する振動型駆動装置、交換用レンズ、撮像装置、自動ステージ - Google Patents

振動型アクチュエータの制御装置及びそれを有する振動型駆動装置、交換用レンズ、撮像装置、自動ステージ Download PDF

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Abstract

【課題】 従来のPID制御器とは異なる制御量出力部を主たる制御量出力部として有する振動型アクチュエータの制御装置などを提供することを目的とする。【解決手段】 振動型アクチュエータの制御装置であって、接触体を振動子に対して相対的に移動させるための第1の制御量を出力するように機械学習された第1の学習済モデルを有する第1の制御量出力部と、第1の制御量によって接触体が振動子に対して相対的に移動された場合に検出された第2の速度が入力された場合に、第1の制御量と同じデータ形式のデータである第2の制御量を出力するように機械学習された第2の学習済モデルを有する第2の制御量出力部と、を有する制御部を備え、第1の学習済モデルのパラメータ及び第2の学習済モデルのパラメータは、第1の制御量と、第1の制御量と同じサンプリング周期内で出力された第2の制御量と、の差である制御偏差に基づいて更新されることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、振動型アクチュエータの制御装置及びそれを有する振動型駆動装置、交換用レンズ、撮像装置、自動ステージに関するものである。
振動型アクチュエータの一例として振動型モータについて説明する。振動型モータは、弾性体に結合された、圧電素子などの電気-機械エネルギー変換素子に交流電圧を印加することで、該電気-機械エネルギー変換素子に高周波振動を発生させる。そして、その振動エネルギーを連続的な機械運動として取り出すように構成された、非電磁駆動式のモータである。
振動型モータは、電磁駆動式のモータと比較して、小型軽量、高精度、低速駆動時に高トルクといった優れたモータ性能を有する。その一方で、非線形のモータ特性を有しているので、モデル化は難しく、駆動条件や温度環境に応じて制御性が変化するので、制御系に工夫が必要となる。また、周波数、位相差、電圧振幅といった制御パラメータも多く、調整も複雑となる。
図15(a)は、従来の一般的なPID制御による振動型駆動装置の制御ブロック図である(特許文献1参照)。後述する制御量が入力された駆動回路からは2相(A相、B相)の交流電圧(交流信号)が出力される。駆動回路から出力される2相の交流電圧の、周波数(1/周期)、位相差、電圧振幅(図15(b)参照)、を制御することで、振動型モータの検出速度を制御することができる。なお、電圧振幅は、後述する、PID制御器から駆動回路へ入力されるパルス幅によって可変である。また、図15(b)の(1)、(2)、(3)はそれぞれ、駆動回路から出力される2相の交流電圧の周期、位相差、電圧振幅を表す。
位置指令部によって生成さ目標位置と、位置検出部によって検出された、振動型モータの検出位置と、の差(目標位置-検出位置)である位置偏差が、PID制御器(制御量出力部)に入力される。そして、PID制御器に入力された位置偏差に応じてPID演算された制御量(周波数、位相差、及びパルス幅)が、PID制御器から制御サンプリング周期毎に逐次出力される制御量が駆動回路に入力される。そして、制御量が入力された駆動回路からは2相の交流電圧が出力され、駆動回路から出力された2相の交流電圧によって振動型アクチュエータの速度が制御される。そして、それらによって、位置フィードバック制御が行われる。なお、制御サンプリング周期を、以下、単に「サンプリング周期」という。
図15(c)は、振動型モータの周波数-速度特性を模式的に示した図である。図15(c)には、具体的には、高速域(低周波数範囲)の周波数(f1)では周波数-速度特性の傾きが大きく低速域(高周波数範囲)の周波数(f2)では周波数-速度特性の傾きが小さい様子が示されている。振動型モータは、使用する速度域によって速度カーブの傾きが異なり、PID制御ゲインの調整が難しくなる。例えば高速域の周波数f1と、低速域の周波数f2で傾きが異なる様子を示す。図15(d)は、振動型モータの位相差-速度特性を模式的に示した図であり、低速域(f2)と高速域(f1)での位相差-速度特性を比較した図である。
図15(c)や図15(d)に示したように、振動型アクチュエータは、使用する速度域によって周波数-速度特性の傾きや位相差-速度特性が異なるので、位相差によって制御性能が変化してしまう。また、環境温度による変化、例えば、常温から低温に変化した場合は、圧電素子の温度特性に基づき共振周波数が高周波数側にシフトする。その場合、同じ駆動周波数で駆動した場合の速度と傾きが異なるので、環境温度によっても制御性能が変化してしまう。また、振動型モータの個体差によっても速度と傾きが異なるので、個体によっても制御性能が変化してしまう。また、経時変化によっても制御性能が変化してしまう。これら全ての変化要因を考慮してPID制御ゲイン(PID制御の比例ゲイン、積分ゲイン、微分ゲイン)を調整し、ゲイン余裕と位相余裕を確保するように設計する必要がある。
特開2016-144262号公報
そこで、従来のPID制御器とは異なる制御量出力部を主たる制御量出力部として有する振動型アクチュエータの制御装置などが求められていた。本発明は、従来のPID制御器とは異なる制御量出力部を主たる制御量出力部として有する振動型アクチュエータの制御装置などを提供することを目的とする。
本発明の一様態は、振動子に発生させた振動によって、前記振動子と接触する接触体を前記振動子に対して相対的に移動させる振動型アクチュエータの制御装置であって、前記接触体を前記振動子に対して相対的に移動させるための第1の速度が入力された場合に、前記接触体を前記振動子に対して相対的に移動させるための第1の制御量を出力するように機械学習された第1の学習済モデルを有する第1の制御量出力部と、前記第1の制御量によって前記接触体が前記振動子に対して相対的に移動された場合に検出された第2の速度が入力された場合に、前記第1の制御量と同じデータ形式のデータである第2の制御量を出力するように機械学習された第2の学習済モデルを有する第2の制御量出力部と、を有する制御部を備え、前記第1の学習済モデルのパラメータ及び前記第2の学習済モデルのパラメータは、前記第1の制御量と、前記第1の制御量と同じサンプリング周期内で出力された前記第2の制御量と、の差である制御偏差に基づいて更新されることを特徴とする振動型アクチュエータの制御装置であることを特徴とする。
本発明によれば、従来のPID制御器とは異なる制御量出力部を主たる制御量出力部として有する振動型アクチュエータの制御装置などを提供することができる。
第1の実施形態の振動型駆動装置の制御ブロック図である。 リニア駆動型の振動型アクチュエータの駆動原理を説明する図である。 レンズ鏡筒のレンズの駆動機構を説明する斜視図である。 第1の実施形態の第1の学習済モデル、第2の学習済モデル及び学習モデルが有するニューラルネットワーク構成を示す図である。 第1の実施形態での、機械学習と学習済モデルによる制御のフローチャートである。 ニューラルネットワークのパラメータの最適化手法としてAdamを用いた場合のフローチャートなどである。 (a)は、第1の実施形態の学習モデルと実測して得た学習データを用いて、Adam、RMSprop、Momentum、SGDの演算結果を比較したものである。(b)は、Adamによる制御量(位相差)の学習例である。 本発明の適応制御部で動作する適応制御のフローチャートである。 機械学習部における、(a)バッチ学習(a)と、(b)適応制御部(制御部)における適応制御と、を説明するタイミングチャートである。 未学習モデルを用いて所定の目標位置パターンでフィードバック制御を行った場合の結果であり、本発明の適応制御による効果を示すものである。 本発明と従来のPID制御において、所定の目標位置パターンでフィードバック制御を行った場合の結果を比較したものである。 第1の実施形態の他の形態における振動型駆動装置の制御ブロック図である。 第1の実施形態の他の形態における振動型駆動装置の制御ブロック図である。 第1の実施形態の他の形態における振動型駆動装置の制御ブロック図である。 従来の一般的なPID制御による振動型モータの制御装置を示す例である。 第2の実施形態(学習済モデルとPID制御器を併用した場合)における振動型駆動装置の制御ブロック図である。 第2の実施形態の他の形態における振動型駆動装置の制御ブロック図である。 第3の実施形態(学習済モデルとPID制御器を併用した場合)における振動型駆動装置の制御ブロック図である。 第3の実施形態の他の形態における振動型駆動装置の制御ブロック図である。 第5の実施形態の振動型アクチュエータの制御装置の適用例である撮像装置の、(a)外観を示す平面図及び(b)内部構成の概略図である。 第5の実施形態の他の形態における振動型アクチュエータの制御装置の適用例である顕微鏡の外観を示す斜視図である。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の振動型駆動装置17を示す図である。振動型駆動装置17は、制御装置15及び振動型モータ13(振動型アクチュエータ)を有する。制御装置15は、振動型アクチュエータを制御する適応制御部10(制御部)、機械学習部12、駆動部11、位置検出部14(位置検出手段)、速度検出部16(速度検出手段)を有する。図1においては、振動型駆動装置17から振動型アクチュエータ13を除いたものが、制御装置15である。
振動型アクチュエータ13は、振動子131及び接触体132を有する。位置検出部14は、接触体132の振動子131に対する相対的な位置(以下、「相対位置」という)を検出する。位置検出部14によって検出された相対位置のことを、以下、「検出位置」という。速度検出部16は、接触体132の振動子131に対する相対的な速度(以下、「相対速度」という)を検出する。速度検出部16によって検出された相対速度のことを、以下、「検出速度」という。
位置検出部14としては、いわゆるアブソリュート・エンコーダやインクリメント・エンコーダなどが用いられるがこれらに限られない。速度検出部16としては、直接速度情報を検出するもの(速度センサ)に限られず、位置情報を演算することにより速度情報を間接的に検出するものであってもよい。
制御部10は、前記振動子131の駆動(接触体132の振動子131に対する相対的な移動)を制御する信号を生成できるように構成される。すなわち、目標速度(第1の速度)と、位置偏差と、を学習済モデルに入力し、出力された位相差と周波数を、振動型アクチュエータ13の制御量(第1の制御量)として用いる。
目標速度(第1の速度)とは、接触体132を振動子131に対して相対的に移動させる際に、検出速度(第2の速度)が追従するように設定される速度である。位置偏差とは、目標位置(第1の位置)と検出位置(第2の位置)との差である。目標位置(第1の位置)とは、接触体132を振動子131に対して相対的に移動させる際に、検出位置(第2の位置)が追従するように設定される位置である。目標速度は、目標位置を時間毎に微分することで生成しても良い。目標位置は、目標速度を積分することで生成しても良い。
なお、制御量(第1の制御量や後述の第2の制御量)として、位相差や周波数の他に、電圧振幅を変更するためのパルス幅を用いても良い。後述のように、第1の制御量は、位相差と周波数の2つに限られない。位相差、周波数及び電圧振幅のうちの1つでも良いし、位相差、周波数及び電圧振幅のうちの2つの組み合わせでも良い。また、位相差、周波数及び電圧振幅の全てでも良い。また、位相差、周波数及び電圧振幅のうちの1つ以上と、位相差、周波数及び電圧振幅以外の制御量と、の組み合わせでも良い。
制御部10は、目標速度を生成し、目標速度を指令する速度指令部101(速度指令手段)、目標位置を生成し、目標位置を指令する位置指令部102(位置指令手段)を有する。また、制御部10は、第1の学習済モデル103、第2の学習済モデル107、適応学習部108を有する。
駆動部11は、交流信号生成部104(交流信号生成手段)及び昇圧回路105を有する。速度指令部101によって、時間毎の目標速度が生成される。また、位置指令部102によって、時間毎の目標位置が生成される。そして、目標位置と、位置検出部14によって検出された検出位置と、の差が位置偏差として演算される。
ここで、目標速度及び目標位置は、例えば、サンプリング周期毎に1つの指令値が各生成手段から出力される。サンプリング周期とは、図1における位置偏差の取得から、制御量の出力、振動子への交流電圧の印加、検出速度や検出位置の出力を経て、位置偏差の取得が始まる直前までの1サイクルのことをいう。前記サイクルで、振動型アクチュエータの位置又は速度がフィードバック制御される。
目標速度と位置偏差を用いて、第1の学習済モデル103で第1の制御量(位相差、周波数)が演算され、出力される。第1の学習済モデル103と第2の学習済モデル107、及び学習モデル106は、図4に示すニューラルネットワーク(以下、「NN」ともいう)構成を有する。NNは、入力層のX層、隠れ層のH層、出力層のZ層から成る。本実施形態では、入力データとして、目標速度を入力x1、位置偏差を入力x2に設定し、出力データとして、位相差を出力z1、周波数を出力z2に設定した。
入力層は2個のニューロン(X1、X2)、隠れ層は7個のニューロン(H1、H2、・・・、H7)、出力層は2個のニューロン(Z1、Z2)を有し、活性化関数として一般的なシグモイド関数(図4(b))を用いた。隠れ層のニューロンは7個に限られないが、3~20個の範囲が好ましい。隠れ層のニューロンの数が少ないほど学習精度は低下するが学習が速く収束し(学習速度が速くなり)、隠れ層のニューロンの数が多いほど学習精度は向上するが学習速度が遅くなり、学習精度と学習速度はトレードオフの関係にあるからである。また、出力層の活性化関数は、一般的にはシグモイド関数やReLU(ランプ関数)が用いられるが、制御量である位相差のマイナス符号にも対応させる為、線形関数(図4(c))を用いた。
入力層のニューロン(第1のニューロン)と隠れ層のニューロン(第2のニューロン)を結ぶ重み(第1の重み)をwhとした。また、隠れ層のニューロン(第2のニューロン)の閾値をθhとした。また、隠れ層のニューロン(第2のニューロン)と出力層のニューロン(第3のニューロン)を結ぶ重み(第2の重み)をwoとした。また、出力層のニューロン(第3のニューロン)の閾値をθoとした。重みと閾値は、後述の機械学習部12によって学習された値が適用される。学習済みのNNは、振動型アクチュエータの相対速度と制御量の時系列データから共通する特徴パターンを抽出した集合体と捉えることができる。したがって、出力は、重みと閾値を変数(パラメータ)とする関数によって得られる値となる。
第2の学習済モデル107は、入力データとして速度検出部16で検出された検出速度をx1、目標偏差(ゼロ)をx2に設定し、出力データとして位相差をz1、周波数をz2に設定する。なお、目標偏差はゼロ以外のオフセット値を与えても良い。第1の学習済モデル103から出力される制御量t(第1の制御量)を正解データとして、制御量tと、第2の学習モデル107から出力される制御量z(第2の制御量)と、の差が演算される。そして、この差である制御偏差(t-z)に基づく誤差データを適応学習部108に入力する。
適応学習部108は、後述するように、逆誤差伝搬法の1つである確率的勾配降下法(SGD)によってNNのパラメータ(重みと閾値)の更新がサンプリング周期毎に行われる。なお、パラメータ(重みと閾値)の更新は、第1の学習済モデル103と第2の学習済モデル107の両モデルに対して行われ、同一パラメータが同一タイミングで適用される。
パラメータの更新後、次のサンプリング周期で更新されたパラメータに基づく制御量が出力され、振動型アクチュエータが制御される。なお、更新頻度は必ずしもサンプリング周期毎である必要はなく、例えばサンプリング周期の2倍、3倍といった所定の周期としても良い。
NNである第1の学習済モデル103から出力された第1の制御量(位相差、周波数)は、交流信号生成部104に入力され、振動型アクチュエータの速度、駆動方向が制御される。交流信号生成部104では、第1の制御量に基づいて、2相の交流信号が生成される。
昇圧回路105は、例えば、コイルやトランスなどを有し、昇圧回路105によって所望の駆動電圧に昇圧された交流電圧は、振動子131の圧電素子に印加され、接触体132を駆動する。本発明に適用できる振動型アクチュエータの一例について、図面を参照しながら説明する。本実施形態の振動型アクチュエータは、振動子、及び接触体を有する。
図2は、振動型アクチュエータの例として、リニア駆動型(直動型)の振動型アクチュエータの駆動原理を説明する図である。図2(a)に示す振動型アクチュエータ13は、弾性体203、及び弾性体203に接着された電気-機械エネルギー変換素子である圧電素子204を有する振動子131と、振動子131によって駆動される接触体132を有する。圧電素子204に交流電圧を印加することによって、図2(c)、(d)に示すような2つの振動モードを発生させ、突起部202に加圧接触する接触体132を矢印方向に移動させる。
図2(b)は、圧電素子204の電極パターンを示す図であり、例えば、振動子131の圧電素子204には、長手方向で2等分された電極領域が形成されている。また、各電極領域における分極方向は、同一方向(+)となっている。圧電素子204の2つの電極領域のうち図2(b)の右側に位置する電極領域には、交流電圧(VB)が印加され、左側に位置する電極領域には、交流電圧(VA)が印加される。
VBおよびVAを、第1の振動モードの共振周波数付近の周波数で、かつ同位相の交流電圧とすると、圧電素子204の全体(2つの電極領域)がある瞬間には伸び、また別の瞬間には縮むことになる。この結果、振動子131には図2(c)に示す第1の振動モードの振動(以下、「突上げ振動」という)が発生することになる。これによって、突起部202には、突上げ方向(Z方向)の変位が生じる。
また、VBおよびVAを、第2の振動モードの共振周波数付近の周波数で、かつ位相が180°ずれた交流電圧とすると、ある瞬間には、圧電素子204の右側の電極領域が縮むとともに、左側の電極領域が伸びる。また、別の瞬間には逆の関係となる。この結果、振動子131には図2(d)に示す第2の振動モードの振動(以下、「送り振動」という)が発生することになる。これによって、突起部202には、駆動方向(送り方向、X方向)の変位が生じる。
したがって、第1及び第2の振動モードの共振周波数付近の周波数を有する交流電圧を圧電素子204の電極に印加することで、第1及び第2の振動モードが合成された振動を励起することができる。
このように、2つの振動モードを合成することによって、突起部202は、図2(d)におけるY方向(X方向及びZ方向と直交する方向)に直交する断面において、楕円運動を行う。該楕円運動によって、接触体132が図2(a)の矢印方向に駆動される。この接触体132と振動子131が相対移動する方向、すなわち振動子131によって接触体132が駆動される方向(ここではX方向)を、駆動方向と示す。また、第2の振動モードの第1の振動モードに対する振幅比R(送り振動の振幅/突上げ振動の振幅)は、2等分された電極へ入力する2相の交流電圧の位相差を変えることによって変更可能である。
この振動型アクチュエータでは、振動の振幅比を変えることによって、接触体の速度を変更させることが可能となる。
なお、上記説明では、振動子131が静止し(固定され)、接触体132が移動する(駆動される)場合を例として説明したが、本発明はこの形態に限定されない。接触体と振動子は、互いの接触部の位置が相対的に変わっていればよい。例えば、接触体が静止し(固定され)、振動子が移動しても(駆動されても)良い。すなわち、本発明において、「駆動する」とは、接触体の振動子に対する相対的な位置を変化させることを意味し、必ずしも、接触体の絶対位置(たとえば、接触体と振動子とを内包する筐体の位置を基準とした場合の接触体の位置)が変化することを要しない。
なお、上記説明では、リニア駆動型(直動型)の振動型アクチュエータを例として説明した。つまり、振動子131又は接触体132が直線方向に移動する(駆動される)場合を例として説明したが、本発明はこの形態に限定されない。接触体と振動子は、互いの接触部の位置が相対的に変わっていればよい。例えば、振動子と接触体が回転方向に移動してもよい。振動子と接触体が回転方向に移動する振動型アクチュエータとしては、リング形状の振動子を有するリング型(回動型)の振動型アクチュエータなどがある。
振動型アクチュエータは、例えば、カメラのオートフォーカス駆動などに用いられている。
図3は、レンズ鏡筒のレンズの駆動機構を説明する斜視図である。振動型アクチュエータによるレンズホルダの駆動機構は、振動子と、レンズホルダと、このレンズホルダを摺動自在に保持する、平行に配された第1ガイドバー及び第2ガイドバーとを備えている。
本実施形態において、第2ガイドバーが接触体であり、第2ガイドバーは固定され、振動子とレンズホルダが一体となって移動する場合について説明する。
振動子は、電気-機械エネルギー変換素子に対する駆動電圧の印加によって生成された振動子の突起部の楕円運動によって、振動子と弾性体の突起部と接触する第2ガイドバーとの間に相対移動力を発生させる。これによって、振動子と一体に固定されたレンズホルダを第1及び第2ガイドバーに沿って移動可能に構成されている。
具体的には、接触体の駆動機構300は、主にレンズ保持部材であるレンズホルダ302、レンズ306、フレキシブルプリント基板が結合された振動子131、加圧磁石305、2つのガイドバー303、304及び不図示の基体を有する。ここでは、振動子として振動子131を例に説明する。
第1のガイドバー303、第2ガイドバー304は、互いに平行に配置されるようにそれらの各ガイドバーの両端が、不図示の基体によって保持固定されている。レンズホルダ302は、円筒状のホルダ部302a、振動子131及び加圧磁石305を保持固定する保持部302b、第1ガイドバー303と嵌合してガイドの作用をなす第1のガイド部302cを有する。
加圧手段を構成するための加圧磁石305は、永久磁石及び永久磁石の両端に配置される2つのヨークを有する。加圧磁石305と第2ガイドバー304との間に磁気回路が形成され、これら部材間に吸引力が発生する。加圧磁石305は第2ガイドバー304とは間隔を設けて配置されており、第2ガイドバー304は振動子131と接するように配置されている。
前記の吸引力によって、第2ガイドバー304と振動子131との間に加圧力が与えられる。弾性体の2箇所の突起部が第2ガイドバー304と加圧接触して第2のガイド部を形成する。第2のガイド部は、磁気による吸引力を利用してガイド機構を形成しており、外力を受けるなどによって振動子131と第2ガイドバー304が引き離される状態が生じるが、これに対しては、つぎのように対処されている。
すなわち、レンズホルダ302に備えられる脱落防止部302dが第2ガイドバー304に当たることで、レンズホルダ302が所望の位置に戻るように対応が施されている。
振動子131に所望の交流電圧信号を与えることで振動子131と第2ガイドバー304との間に駆動力が発生し、この駆動力によってレンズホルダ302の駆動が行われる。
第2ガイドバー304または振動子131に取り付けられた、図3には不図示の位置センサによって、振動子131または第2ガイドバー304の、第2ガイドバー304または振動子131に対する相対位置及び相対速度が検出される。そして、当該位置センサから、検出位置及び検出速度が出力される。検出位置は、制御部10に位置偏差としてフィードバックされることで、単位時間毎の目標位置に追従するように振動型アクチュエータはフィードバック制御される。検出速度は、機械学習部12に入力されて、制御部10から出力される制御量(位相差、周波数)と共に学習データとして使用される。学習データとは、入力データ及び出力データ(正解データ)のペアで構成されるデータのことである。
なお、本実施形態は、電気-機械エネルギー変換素子である圧電素子を2相に分けて駆動する2相駆動の制御装置を例にとり説明するが、本発明は2相駆動に限定されるものではなく、2相以上の振動型アクチュエータにも適用できる。
次に、機械学習部12を詳細に説明する。学習モデル106は、速度検出部16からの検出速度と、目標偏差と、を入力とし、位相差及び周波数を出力とするニューラルネットワーク構成(NN構成)(図4参照)を有する。目標偏差とは、接触体132を振動子131に対して相対的に移動させる際に、位置偏差が追従するように設定される値である。
目標偏差は、ここでは、位置偏差と同じ次元(データ形式)の値である。目標偏差は、例えば、ゼロと設定されるが、メカ系のガタを補償するようにオフセット値を与えても良い。
また、学習モデル106は、目標偏差に代えて、目標速度と検出速度との差分である速度偏差を入力としても良い。速度偏差を与えた場合、従来では取得できなかったモータ特性を副次的に学習することができることを発見した。具体的には、速度偏差を与えた場合、速度偏差に含まれる多様な振動成分と制御量の関係に基づき、振動型アクチュエータの周波数応答(所謂、伝達特性)に相当する特徴が学習されていた。そして、入力とする位置偏差に係るNNの重み値と閾値は適切な値に学習され、制御系を補償することができる。
制御部10から出力される制御量(位相差、周波数)は正解データとして用いられ、未学習または学習中の学習モデル106から出力される制御量と比較し、誤差が算出される。なお、本例は、位相差と周波数を制御量としたが、これ以外にも、パルス幅と周波数、パルス幅と位相差、の組み合わせも制御量とすることができる。また、NNの出力層のニューロンを1つ又は3つ以上としても良く、位相差、周波数、及びパルス幅のうちから自由に組み合わせて選択するように設計しても良い。
図5は、本実施形態での、機械学習と学習済モデルによる適応制御のフローチャートである。ステップ1(S1)で、制御部10の第1の学習済モデル103と第2の学習済モデル107の重みと閾値に初期値が、ランダム関数に基づいて設定される(未学習状態)。ステップ2(S2)で、前記2つの未学習モデル(未学習のNN)によって振動型アクチュエータの制御が行われる。
ステップ3(S3)で、振動型アクチュエータの駆動中に、第1の学習済モデル103から出力された第1の制御量(位相差、周波数)と、速度検出部16によって検出された相対速度(検出速度)と、の時系列データが、学習データとして取得される。ステップ4(S4)で、前記学習データの制御量を正解データとして、学習モデル106を用いた機械学習による最適化演算が行われる。最適化とは、NNへの入力によるNNからの出力が、学習データに近づくように、NNのパラメータを調整することであり、NNへの入力によるNNからの出力が、学習データと一致するように、NNのパラメータを調整することに限られない。なお、学習モデル106は、適応制御に用いる第1の学習済モデル103及び第2の学習済モデル107と同じNN構成を有する。機械学習によってNNの重みと閾値が最適化され、制御部10の第1の学習済モデル103と第2の学習済モデルのパラメータが更新される。ステップ5(S5)で、重みと閾値が更新された第1の学習済モデル103と第2の学習済モデルを用いた振動型アクチュエータの適応制御が行われる。
適応制御後は、駆動条件や温度環境の変化に対応するため、ステップ3(S3)に戻り、学習データの取得が行われる。学習データの取得方法として、駆動停止中に学習を行うバッチ学習が実施される。
図9は、機械学習部12における、バッチ学習と、制御部における適応制御を説明するタイミングチャートである。横軸は時間を示し、縦軸は振動型アクチュエータをフィードバック制御するために指令値として与える目標位置パターンを示す。
図9(a)は、振動型アクチュエータの駆動停止中(接触体を振動子に対して相対的に移動させる場合以外の場合)に学習を行うバッチ学習の例を示す。本例は、振動型アクチュエータの駆動期間において検出した相対速度(検出速度)と制御量の時系列データを学習データとして取得し、停止期間を利用して機械学習とNNのパラメータ(重み、閾値)を更新するものである。なお、停止期間毎に必ずしも機械学習を行う必要はなく、例えば、温度環境や駆動条件の変化を検出した場合のみ学習する方法も可能である。
図9(b)は、振動型アクチュエータの駆動中(接触体を振動子に対して相対的に移動させる場合)に、サンプリング周期で第1の学習済モデル103と第2の学習済モデルのNNのパラメータを更新しながら制御を行う適応制御の例を示す。本発明は通常のバッチ学習とは異なり、2つの学習済モデルを同時に用いることで、温度環境や負荷変動などでモデルと実機特性が合わない場合においても、サンプリング周期で自動的にモデル自体が変化に適応できる。
前述のステップ4(S4)の機械学習について、図6を用いて更に説明する。
図6は、NNパラメータの最適化演算手法(最適化アルゴリズム)としてAdamを用いた場合のフローチャートなどである。ステップ1~2(S1~2)は、NNから出力された制御量が位相差のみである点以外は、前述の図5で説明した通りである。
ステップ3(S3)で、図6(b)に示す時系列の学習データである第1の制御量(n)と速度(n)を取得する。第1の制御量(n)と速度(n)は、未学習モデルによって振動型アクチュエータ13を制御した場合の測定データであり、第1の制御量(n)によって振動型アクチュエータ13が駆動されたときに速度検出部16によって検出された速度が速度(n)である。第1の制御量(位相差)と速度の各サンプル数nは3400個である。これは、制御サンプリングレート(以下、単に「サンプリングレート」という)(1/サンプリング周期)10kHzで0.34sec駆動した場合の実測データである。
なお、学習データは必ずしもサンプリングレートで取得する必要はなく、間引くことでメモリの節約と学習時間の短縮が可能である。
本発明は、速度(n)を学習モデル106の入力とし、学習モデル106によって演算(導出)され出力された結果である出力z(n)を、学習データの正解データにあたる第1の制御量(n)であるt(n)と比較する。そして、誤差e(n)を算出する。具体的には、誤差e(n)は、誤差e(n)=(t(n)-z(n))とした。ステップ4(S4)で、3400個分の誤差E(=Σe(n)=Σ(t(n)-z(n)))が1回目のループで算出され、重み(wh、wo)と閾値(θh、θo)の誤差勾配∇Eがそれぞれ演算される。
次に、誤差勾配∇Eを用いて、最適化演算手法(最適化アルゴリズム)の1つであるAdamを用いて下記のようにパラメータの最適化が行われる。
Figure 2022071832000002
wtはパラメータ更新量、∇Eは誤差勾配、vtは誤差勾配の移動平均、stは誤差勾配の二乗の移動平均、ηは学習率、εはゼロ割防止定数である。
各パラメータは、η=0.001、β1=0.9、β2=0.999、ε=10e-12を用いた。最適化演算を繰り返す毎に重みと閾値が更新され、学習モデルの出力z(n)は、正解データの制御量(n)に近づいていくので、誤差Eは小さくなっていく。
図6(c)は、演算ループ回数に基づく誤差Eの推移を示したものである。なお、最適化手法として、これ以外の手法を用いても良い。
図7(a)は、本実施形態の学習モデルと実測した学習データを用いて、Adam、RMSprop、Momentum、SGDによる演算結果を比較したものである。演算回数と安定性、最終的な誤差、の観点から、Adamで最も優秀な結果が得られた。
図7(b)は、Adamによる制御量(位相差)の学習例である。ループ1回目の学習モデルの出力zは、正解データの制御量tと大きく異なる様子がわかる。演算を繰り返し、ループ5000回目の学習モデルの出力zは、正解データの制御量tとほぼ一致している。本学習例は、ループ回数を5000回として最適化を行ったが、収束率に応じて回数は適宜調整するのが望ましい。
続いて、本発明の特徴であるステップ5(S5)の適応制御について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の制御部で動作する適応制御のフローチャートを示すものである。ステップ4(S4)は、機械学習部で学習されたNNの重みと閾値が第1の学習済モデル103と第2の学習済モデル107の初期値として設定される。ステップ5(S5)は、振動型アクチュエータの駆動中にサンプリング周期毎に行われる適応制御を示し、S5では、2つの学習済モデルを用いてパラメータの更新が行われる。
第1の学習済モデル103には、目標速度と位置偏差が入力される。第2の学習済モデル107には、検出された検出速度と目標偏差が入力される。ここでは、目標偏差は0(ゼロ)とするが、これ以外にもオフセット値や速度偏差を入力しても良い。次に、第1の学習済モデル103で演算された制御量t(第1の制御量)を用いて、1サンプリング周期分(Δt)の振動型アクチュエータの制御が実行される(S5-1)。
第1の制御量tを正解データとして、第1の制御量tと、第2の学習済モデル107で演算された、第1の制御量tと同じデータ形式の制御量z(第2の制御量)と、の差である制御偏差(t-z)が算出され、誤差データe(t)が取得される(S5-2)。ここで、第2の制御量zは、第1の制御量tと同じサンプリング周期内で第2の学習済モデル107から出力された制御量である。次に、取得された誤差データe(t)=(t(t)-z(t))を用いて誤差勾配∇eが算出される(S5-3)。
なお、(t)の「t」は所定のタイミングを表し、第1の制御量tとは異なる。誤差勾配∇eは、NNの隠れ層及び出力層の活性化関数の微分値と各層の入出力値を用いて求められる。次に、逆誤差伝搬法の1つである確率的勾配降下法(SGD)によってNNの重みと閾値が演算される(S5-4)。なお、最適化アルゴリズムとしては、SGD以外にも、例えば、最急降下法やニュートン法を用いても良い。
最後に、演算結果の重みと閾値の更新がサンプリング周期毎に行われる(S5-5)。
なお、重みと閾値の更新は、第1の学習済モデル103と第2の学習済モデル107の両モデルに対して行われ、同一パラメータが同一タイミングで適用される。その後、次のサンプリング周期で再びS5-1に戻り、駆動中はこの制御ループが常に繰り返される。第1の学習済モデルのパラメータ及び第2の学習済モデルのパラメータは、サンプリング周期ではなく、サンプリング周期よりも長い周期、たとえば、サンプリング周期の整数倍の周期で更新されてもよい。
図10は、未学習モデルを用いて所定の目標位置パターンでフィードバック制御を行った場合の結果であり、本発明の適応制御による効果を示すものである。所定の目標位置パターンでフィードバック制御を行い、目標速度は最大50mm/sの台形駆動で、位置決め動作を含む5mmストロークの往復動作を行うパターンである。横軸は時間(sec)、縦軸はエンコーダのパルス単位での目標位置(左軸)、μm単位での位置偏差(右軸)を示す。
図10(a)は適応制御無しでの制御結果を示す。どちらもランダム関数でNNの重みと閾値を設定した未学習モデルを用いている。本発明は、適応制御を行うことによって未学習モデルの制御性を大幅に改善することができる。適応制御を用いない場合、未学習モデルなので当然の如く、目標速度に追従することはできない。検出位置は目標位置に対して大幅にずれてしまい、位置偏差も大きく、制御不能の状態である。従って、完全なる未学習モデルを用いて良質な学習データを取得することは難しく、従来はある程度性能が保証された学習モデルを用いるか、PID制御のような異なる制御器を用いて学習データを取得する必要があった。この問題に対して、本発明の適応制御は解決することができ、未学習モデルを用いても問題なく学習データを取得することができる。
図10(b)は本発明の適応制御による制御結果を示す。駆動直後は目標速度に対して検出速度が変動しているが、僅か30ms後には追従している様子がわかる。これは、前述の通り、サンプリング周期毎(0.1ms)に適応学習部によって2つ学習済モデルのパラメータ(重み、閾値)が更新され、目標速度及び目標位置に近づくように適応制御が行われる為である。
図11は、本発明の制御とPID制御において、所定の目標位置パターンでフィードバック制御を行った場合の結果を比較したものである。目標速度は最大50mm/sの台形駆動で、位置決め動作を含む5mmストロークの往復動作を行うパターンである。
横軸は時間(sec)、縦軸は上から順に位相差制御量(deg)、検出速度(mm/s)と速度偏差(mm/s)、目標位置(エンコーダパルス数:1mmあたり8000pls)と位置偏差(μm)を示す。
図11(a)は、PID制御による結果である。ここで、振動型アクチュエータ13に印加する交流信号の周波数(駆動周波数)は93kHzに固定し、位相差のみで制御した。速度偏差及び位置偏差のうち、特に位置偏差が加減速領域で大きくなる傾向がある。これは、振動型アクチュエータが駆動する被駆動体のイナーシャが影響する為である。また、停止整定までに長時間を要している様子が分かる。なお、PIDゲインを更に大きくすれば位置偏差を低減することは可能だが、駆動条件(使用する周波数範囲91kHz~95kHz)や環境温度の変化に対するロバスト性を確保するため、一定のゲイン余裕と位相余裕を有するPID制御ゲインを適用した。
図11(b)は、本発明の学習済モデル(第1の学習済モデル103及び第2の学習済モデル107)を用いた適応制御による結果である。同様に、振動型アクチュエータに与える交流信号の駆動周波数は93kHzに固定し、位相差を出力する学習済モデルによって適応制御した。本発明の適用によって、位置偏差は加減速及び停止整定時の全ての領域において改善することが分かった。
図11(c)は、位相差と周波数を出力する学習済モデルによる適応制御の結果である。駆動周波数は93kHzを起点とし、位相差と併行して制御量が操作される。なお、周波数の制御量は符号なし絶対値であり、駆動周波数は常に93kHzを基準として低域側に操作される。本例のように制御量が2つ以上ある場合、機械学習において所定の速度が得られる位相差と周波数の組み合わせは無数に考えられる。従って、取得する学習データの特徴によって、学習結果は変わることになる。
本実施例では、NNのパラメータをランダム関数で設定し、複数の学習結果を比較することで、位置偏差と電力が最も良好な結果を示すNNのパラメータを選択した。これ以外にも、例えば周波数と位相差の比を規定してから学習を行っても良い。制御量を位相差と周波数を用いることによって、振動型アクチュエータの速度レンジを拡大することができ、位置偏差はPID制御よって改善することが分かった。なお、図11(b)と図11(c)において、仮想的なPID制御の位相差の変化を表示している(図11(b)の最上段の図、図11(c)の最上段の図)。これは、振動型アクチュエータの制御には直接使用されないが、位置偏差に基づき観測器としてPID演算を行った制御量の出力である。
このPID制御量を利用することで、学習済モデルの制御の異常検出を行うことができる。すなわち、学習済モデルが出力する制御量とPID制御量を比較することで、所定の範囲から大きくずれることがあればNNのパラメータが正常値から外れていることを予測でき、パラメータをリセットする事ができる。本機能は本発明の効果を得る上で必須の構成ではないが、学習済モデルを用いた適応制御の性能保証という観点で信頼性を上げることができる。
以上が本発明の制御装置の構成である。なお、制御部10と機械学習部12は、例えばCPU、PLD(ASICを含む)などのデジタルデバイスや、A/D変換器などの素子から構成される。また、駆動部11の交流信号生成部104は、例えばCPUや関数発生器とスイッチング回路を有し、昇圧回路は、例えばコイルや、トランス、コンデンサから構成される。なお、制御部及び駆動部は、1つの素子や回路から構成されるだけではなく、複数の素子や回路から構成されていてもよい。また、各処理をいずれの素子や回路が実行してもよい。
CPUは、フローチャートに記載されているような動作を実行するための命令を実行するプロセッサ又はデバイスがあり得る。命令は、メモリ又は回路(図示せず)に格納され得る。メモリは、揮発性又は不揮発性があり得る。メモリの例としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、またはフラッシュデバイスがある。
図12は、本発明の他の形態における振動型アクチュエータの制御装置を示す図である。図1の構成と異なる点は、機械学習部を備えず、制御部10のみで制御を行う点である。もちろん、機械学習部によって環境温度や駆動条件の変化に応じてバッチ学習を行うことで、よってロバスト性の高い良好な制御性能を得ることができる。但し、本形態のように制御部のみで制御しても、図10で示した結果のように、ある程度の目標速度及び目標位置に追従した制御を行うことが可能である。
図13は、本発明の他の形態における振動型モータアクチュエータの制御装置を示す図である。図12の構成と異なる点は、第1の学習済モデル103への入力が、目標速度及び位置偏差ではなく、目標速度及び速度偏差であるという点である。
図14は、本発明の他の形態における振動型モータアクチュエータの制御装置を示す図である。図13の構成と異なる点は、第1の学習済モデル103への入力が、目標速度のみであるという点である。
(第2の実施形態)
本発明の図1で示した制御部の他の実施形態について説明する。図16は、第2の実施形態(学習済モデルとPID制御器を併用した場合)における振動型駆動装置の制御ブロック図である。本制御ブロックにおいて、振動型アクチュエータ13の位置フィードバック制御は、PID制御器1401、第1の学習済モデル103及び第2の学習済モデル107などを用いて行われる。PID制御器1401には位置偏差が入力され、PID演算された結果が、PID制御器1401から出力される。なお、PID制御器に代えて、例えばP制御器、PI制御器、PD制御器なども適用できる。第1の学習済モデル103には、目標速度と、PID演算された位置偏差と、が入力される。
本実施例を適用することによって、第1の学習済モデル103に入力する位置偏差のゲイン調整を行うことができるので、より細かな制御系の調整を行うことができる。
図17は、第2の実施形態の他の形態おける振動型駆動装置の制御ブロック図である。
本制御ブロックにおいて、振動型アクチュエータ13の速度フィードバック制御は、PID制御器1401、第1の学習済モデル103及び第2の学習済モデル107などを用いて行われる。PID制御器1401には速度偏差が入力され、PID演算された結果が、PID制御器1401から出力される。なお、PID制御器に代えて、例えばP制御器、PI制御器、PD制御器なども適用できる。第1の学習済モデル103には、目標速度と、PID演算された速度偏差と、が入力される。
本実施例を適用することによりよって、第1の学習済モデル103に入力する速度偏差のゲイン調整を行うことができるので、より細かな制御系の調整を行うことができる。
(第3の実施形態)
本発明の図1で示した制御部の他の実施形態について説明する。
図18は、第3の実施形態(学習済モデルとPID制御器を併用した場合)の制御ブロック図である。本制御ブロック図において、振動型アクチュエータ13の位置フィードバック制御は、PID制御器1501からの出力と、第1の学習済モデル103から出力された制御量(第1の制御量)と、を加算して行われる。PID制御器1501には位置偏差が入力され、PID演算された位相差と周波数が出力される。
なお、PID制御器以外の構成でも良く、例えばP制御、PI制御、PD制御なども適用できる。また、PID制御器の後段に位相補償器を配しても良い。第1の学習済モデル103には、目標速度と位置偏差とが入力されるが、位置偏差はゼロとしても良い。第1の学習済モデル103から位相差と周波数が出力され、PID演算器1501から出力された位相差と周波数が各々加算される。なお、機械学習部12を設けて、加算された制御量と、速度検出部16で検出された検出速度を用いて機械学習を行っても良い。
本実施例を適用することによって、位置偏差のPID制御によるゲイン調整を行うことができるので、より細かな制御系の調整を行うことができる。また、PID制御器による制御結果と比較できるので、適応制御の異常検出をすることができ、制御装置の信頼性を保証することができる。
図19は、第3の実施形態の他の形態における振動型駆動装置の制御ブロック図である。本制御ブロック図において、振動型アクチュエータ13の速度フィードバック制御は、PID制御器1501からの出力と、第1の学習済モデル103から出力された制御量(第1の制御量)と、を加算して行われる。PID制御器1501には速度偏差が入力され、PID演算された位相差と周波数が出力される。
なお、PID制御器以外の構成でも良く、例えばP制御、PI制御、PD制御なども適用できる。また、PID制御器の後段に位相補償器を配しても良い。第1の学習済モデル103には、目標速度と速度偏差とが入力されるが、速度偏差はゼロとしても良い。第1の学習済モデル103から位相差と周波数が出力され、PID演算器1501から出力された位相差と周波数が各々加算される。
なお、機械学習部12を設けて、加算された制御量と、速度検出部16で検出された検出速度を用いて機械学習を行っても良い。
本実施例を適用することによって、速度偏差のPID制御によるゲイン調整を行うことができるので、より細かな制御系の調整を行うことができる。また、PID制御器による制御結果と比較できるので、適応制御の異常検出をすることができ、制御装置の信頼性を保証することができる。
(第4の実施形態)
これまでの実施形態において、第1の学習済モデルを有する第1の制御量出力部及び第2の学習済モデルを有する第2の制御量出力部を制御装置が有しているならば、制御装置から機械学習部を除いても良い。このような制御装置では第1の学習済モデル及び第2の学習済モデルは再び機械学習ができないというデメリットが存在するものの、再び機械学習を行う必要性が低いような振動型駆動装置においては、学習部が除かれた分、構成が簡素になるというメリットがある。
これまでの実施形態において、学習済モデルが有していたパラメータ(第1の重み、第2の重み、第2のニューロンの閾値、及び第3のニューロンの閾値)を記憶する記憶部を有するようにしてもよい。そして、学習済モデルは、記憶手段が記憶するパラメータによって、学習済モデルが有するパラメータが置換されることによって機械学習されてもよい。
また、これまでの実施形態において、環境状態を検知する環境センサを有するようにしてもよい。そして、学習済モデルは、前記環境センサによって環境の変化を検知した場合に、機械学習されてもよい。環境センサは、温度センサ及び湿度センサのうちの少なくとも1つであるようにしてもよい。
(第5の実施形態)
第1の実施形態では、振動型アクチュエータの制御装置は、撮像装置のオートフォーカス用のレンズ(被駆動体)の駆動に用いる例を説明したが、本発明の適用例はこれに限定されない。例えば、図20に示すように、手ぶれ補正時のレンズ(被駆動体)や撮像素子(被駆動体)の駆動に用いることもできる。図20(a)は、撮像装置60の外観を示す平面図(上面図)である。また、図20(b)は、撮像装置60の内部構成の概略図である。
撮像装置60は、大略的に、本体61と、本体61に対して着脱自在なレンズ鏡筒62とで構成されている。本体61は、レンズ鏡筒62を通過した光が結像した光学像を画像信号に変換するCCDセンサやCMOSセンサなどの撮像素子63と、撮像装置60の全体的な動作を制御するカメラ制御マイコン64を備える。レンズ鏡筒62には、フォーカスレンズやズームレンズなどの複数のレンズLが所定位置に配置されている。また、レンズ鏡筒62には、像ぶれ補正装置50が内蔵されており、像ぶれ補正装置50は、円板部材56、円板部材56に設けられた振動子131を有し、円板部材56の中央に形成されている穴部に、像ぶれ補正レンズ65が配置されている。像ぶれ補正装置50は、レンズ鏡筒62の光軸と直交する面内で像ぶれ補正レンズ65を移動させることができるように配置される。この場合、本発明の制御装置15を用いて振動子131を駆動することで、鏡筒に固定されている接触体132に対し、振動子131や円板部材56が相対移動し、像ぶれ補正レンズ65(被駆動体)が駆動される。
また、本願発明の制御装置は、ズーム用レンズの移動のためのレンズホルダ(被駆動体)の駆動に用いることもできる。したがって、本願発明の制御装置は、レンズ(被駆動体)の駆動用に、撮像装置に加えて、交換用レンズにも搭載することができる。
また、第1の実施形態に示した、振動型アクチュエータの制御装置は、ステージ(被駆動体)の駆動にも用いることができる。例えば、図21に示すように、顕微鏡の自動ステージにも搭載することができる。
図21の顕微鏡は、撮像素子と光学系を内蔵する撮像部70と、基台上に設けられ、振動型アクチュエータによって移動されるステージ72(被駆動体)を有する自動ステージ71と、を有する。被観察物をステージ72上に置いて、拡大画像を撮像部70で撮影する。観察範囲が広範囲に有る場合には、第1または第2の実施形態の制御装置15を用いて振動型駆アクチュエータを駆動することで、ステージ72を移動させる。これによって、被観察物を図中のX方向やY方向に移動させて、多数の撮影画像を取得する。不図示のコンピュータにて、撮影画像を結合し、観察範囲が広範囲で、かつ、高精細な1枚の画像を取得できる。
10 適応制御部(制御部)
11 駆動部
12 機械学習部
13 振動型アクチュエータ(振動型モータ)
14 位置検出部(位置検出手段)
15 制御装置
16 速度検出部(速度検出手段)
101 速度指令部(速度指令手段)
102 位置指令部(位置指令手段)
103 第1の学習済モデル(第1の制御量出力部)
104 交流信号生成部(交流信号生成手段)
105 昇圧回路
106 学習モデル(第3の制御量出力部)
107 第2の学習済モデル(第2の制御量出力部)
108 適応学習部
131 振動子
132 接触体

Claims (29)

  1. 振動子に発生させた振動によって、前記振動子と接触する接触体を前記振動子に対して相対的に移動させる振動型アクチュエータの制御装置であって、
    前記接触体を前記振動子に対して相対的に移動させるための第1の速度が入力された場合に、前記接触体を前記振動子に対して相対的に移動させるための第1の制御量を出力するように機械学習された第1の学習済モデルを有する第1の制御量出力部と、
    前記第1の制御量によって前記接触体が前記振動子に対して相対的に移動された場合に検出された第2の速度が入力された場合に、前記第1の制御量と同じデータ形式のデータである第2の制御量を出力するように機械学習された第2の学習済モデルを有する第2の制御量出力部と、を有する制御部を備え、
    前記第1の学習済モデルのパラメータ及び前記第2の学習済モデルのパラメータは、前記第1の制御量と、前記第1の制御量と同じサンプリング周期内で出力された前記第2の制御量と、の差である制御偏差に基づいて更新されることを特徴とする振動型アクチュエータの制御装置。
  2. 前記第1の学習済モデルは、
    前記第1の速度と、
    前記接触体を前記振動子に対して相対的に移動させるための第1の位置と、前記第1の制御量によって前記接触体が前記振動子に対して相対的に移動された場合に検出された第2の位置と、の差である位置偏差に基づく値と、が入力された場合に、前記第1の制御量を出力するように機械学習され、
    前記第2の学習済モデルは、
    前記第2の速度と、
    前記位置偏差に基づく値と同じデータ形式のデータである第1の目標偏差と、が入力された場合に、前記第2の制御量を出力するように機械学習されたことを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  3. 前記第1の学習済モデルは、
    前記第1の速度と、
    前記第1の速度と、前記第2の速度と、の差である速度偏差に基づく値と、が入力された場合に、前記第1の制御量を出力するように機械学習され、
    前記第2の学習済モデルは、
    前記第2の速度と、
    前記速度偏差に基づく値と同じデータ形式のデータである第2の目標偏差と、が入力された場合に、前記第2の制御量を出力するように機械学習されたことを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  4. 前記第1の学習済モデルのパラメータ及び前記第2の学習済モデルのパラメータは、前記制御偏差を取得し、前記制御偏差に基づいて誤差勾配を取得し、前記誤差勾配と最適化アルゴリズムに基づいて更新されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  5. 前記第1の学習済モデルのパラメータ及び前記第2の学習済モデルのパラメータは、前記サンプリング周期の整数倍の周期で更新されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  6. PID制御器を有し、
    前記位置偏差に基づく値は、前記位置偏差、又は前記位置偏差が前記PID制御器に入力された場合における前記PID制御器からの出力であることを特徴とする請求項2に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  7. PID制御器を有し、
    前記速度偏差に基づく値は、前記速度偏差、又は前記速度偏差が前記PID制御器に入力された場合における前記PID制御器からの出力であることを特徴とする請求項3に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  8. 前記第1の学習済モデル、前記第2の学習済モデルは、1つ又は複数の第1のニューロンを有する入力層と、複数の第2のニューロンを有する隠れ層と、及び1つ又は複数の第3のニューロンを有する出力層と、を有するニューラルネットワーク構成を有し、
    前記第1の学習済モデルのパラメータ及び前記第2の学習済モデルのパラメータは、前記第1のニューロンと前記第2のニューロンを結ぶ複数の第1の重みと、前記第2のニューロンと前記第3のニューロンを結ぶ複数の第2の重みと、前記第2のニューロンの閾値と、前記第3のニューロンの閾値と、を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  9. 前記第2の速度が入力された場合に、前記第1の制御量と同じデータ形式の第3の制御量を出力する学習モデルを有する第3の制御量出力部を有する機械学習部を備え、
    前記学習モデルのパラメータは、前記第1の制御量と、前記第1の制御量と同じサンプリング周期内で検出された前記第2の制御量と、の差である制御偏差の時系列データに基づく機械学習によって更新され、
    前記第1の学習済モデルのパラメータ及び前記第2の学習済モデルのパラメータは、前記学習モデルのパラメータによって更新されることを特徴とする請求項1に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  10. 前記第2の速度と、前記位置偏差と同じデータ形式である第3の目標偏差と、が入力された場合に、前記第1の制御量と同じデータ形式の第3の制御量を出力する学習モデルを有する機械学習部を備え、
    前記学習モデルのパラメータは、前記第1の制御量と、前記第1の制御量と同じサンプリング周期内で検出された前記第2の制御量と、の差である制御偏差の時系列データに基づく機械学習によって更新され、
    前記第1の学習済モデルのパラメータ及び前記第2の学習済モデルのパラメータは、前記学習モデルのパラメータによって更新されることを特徴とする請求項2に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  11. 前記第2の速度と、前記速度偏差と同じデータ形式である第4の目標偏差と、が入力された場合に、前記第1の制御量と同じデータ形式の第3の制御量を出力する学習モデルを有する機械学習部を備え、
    前記学習モデルのパラメータは、前記第1の制御量と、前記第1の制御量と同じサンプリング周期内で検出された前記第2の制御量と、の差である制御偏差の時系列データに基づく機械学習によって更新され、
    前記第1の学習済モデルのパラメータ及び前記第2の学習済モデルのパラメータは、前記学習モデルのパラメータによって更新されることを特徴とする請求項3に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  12. 前記学習モデルのパラメータは、前記制御偏差の時系列データを取得し、前記制御偏差の時系列データから誤差勾配の時系列データを取得し、前記誤差勾配の時系列データと最適化アルゴリズムに基づいて機械学習されることを特徴とする請求項9に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  13. 前記学習モデルのパラメータは、前記接触体を前記振動子に対して相対的に移動させる場合以外の場合に、機械学習によって更新されることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  14. 前記学習モデルのパラメータは、前記接触体を前記振動子に対して相対的に移動させる場合に、機械学習によって更新されることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  15. 環境状態を検出する環境センサを有し、
    前記学習モデルのパラメータは、前記環境センサによって前記環境の変化を検出した場合に、機械学習によって更新されることを特徴とする請求項9乃至14のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  16. 前記環境センサは、温度センサ及び湿度センサの少なくとも1つであることを特徴とする請求項15に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  17. 前記学習モデルのパラメータを記憶する記憶部を有し、
    前記学習モデルのパラメータは、前記記憶手段が記憶する、機械学習によって更新された前記学習モデルのパラメータによって置換されることによって、機械学習によって更新されることを特徴とする請求項9乃至16のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  18. 前記学習モデルは、1つ又は複数の第1のニューロンを有する入力層と、複数の第2のニューロンを有する隠れ層と、及び1つ又は複数の第3のニューロンを有する出力層と、を有するニューラルネットワーク構成を有し、
    前記学習モデルのパラメータは、前記第1のニューロンと前記第2のニューロンを結ぶ複数の第1の重みと、前記第2のニューロンと前記第3のニューロンを結ぶ複数の第2の重みと、前記第2のニューロンの閾値と、前記第3のニューロンの閾値と、を有することを特徴とする請求項9乃至17のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  19. 前記最適化アルゴリズムは、Adam、Momentum、RMSprop、及びSGDのいずれか1つであることを特徴とする請求項4又は12に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  20. 前記第1の制御量は、位相差、周波数、及びパルス幅のうちの少なくとも1つを有することを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  21. 前記第1の速度を指令する速度指令部と、
    前記第2の速度を検出する速度検出部と、を有することを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  22. 前記第1の位置を指令する位置指令部と、
    前記第2の位置を検出する位置検出部と、を有することを特徴とする請求項2に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  23. 前記振動子に振動を発生させる交流電圧が出力される駆動部を有し、
    前記駆動部には、前記第1の制御量が入力されることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  24. 前記振動子に振動を発生させる交流電圧が出力される駆動部と、
    PID制御器と、を有し、
    前記駆動部には、前記第1の制御量と、前記位置偏差が前記PID制御器に入力された場合における前記PID制御器から出力と、の和が入力されることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  25. 前記振動子に振動を発生させる交流電圧が出力される駆動部と、
    PID制御器と、を有し、
    前記駆動部には、前記第1の制御量と、前記速度偏差が前記PID制御器に入力された場合における前記PID制御器から出力と、の和が入力されることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置。
  26. 振動子に発生させた振動によって、前記振動子と接触する接触体を前記振動子に対して相対的に移動させる振動型アクチュエータと、
    請求項1乃至25のいずれか1項に記載の振動型アクチュエータの制御装置と、を有することを特徴とする振動型駆動装置。
  27. 請求項26に記載の振動型駆動装置と、
    前記接触体を前記振動子に対して相対的に移動させることによって駆動されるレンズと、を有することを特徴とする交換用レンズ。
  28. 請求項26に記載の振動型駆動装置と、
    前記接触体を前記振動子に対して相対的に移動させることによって駆動される撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
  29. 請求項26に記載の振動型駆動装置と、
    前記接触体を前記振動子に対して相対的に移動させることによって駆動されるステージと、を有することを特徴とする自動ステージ。
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