JP2022070032A - 発光装置及び内視鏡システム - Google Patents

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Takashi Abe
真太郎 林
Shintaro Hayashi
省吾 茂手木
Shogo Motegi
史也 八木
Fumiya Yagi
俊明 竹中
Toshiaki Takenaka
菜月 木登
Natsuki Kido
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Abstract

【課題】複数種類の特殊観察に利用可能な複数の光を切り替えて照射する。【解決手段】発光装置は、第1の光L1を発する第1の光源10と、第1の光L1とは波長が異なる第2の光L2を発する第2の光源20と、第1の蛍光体31及び第2の蛍光体32を含む波長変換部30と、を備える。第1の蛍光体31は、第1の光L1の一部を吸収し、第1の光L1及び第2の光L2のいずれとも波長が異なる第3の光L3を発する。第2の蛍光体32は、第1の光L1の他の一部を吸収し、第1の光L1、第2の光L2及び第3の光L3のいずれとも波長が異なる第4の光L4を発する。波長変換部30は、第1の光L1の光路上に配置され、第1の光L1が入射した場合に、第1の光L1の他の一部、第3の光L3及び第4の光L4を出射する。第4の光L4は、700nm以上の波長帯域にピーク波長を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置及び内視鏡システムに関する。
内視鏡による観察では、白色光を照射して行う通常観察、及び、特定の波長の光を照射して行う特殊観察が行われている。特殊観察には、NBI(Narrow Band Imaging)と呼ばれる狭帯域の光を利用する観察が含まれる。例えば、特許文献1及び2には、白色光と特殊観察のための光とを選択的に出射可能な光源装置が開示されている。
特開2009-291347号公報 特開2017-225861号公報
特殊観察には、NBI以外に、ICG(インドシアニングリーン)蛍光撮像も含まれる。特殊観察の種類によって照射すべき光の波長が異なるため、各観察に適した波長の光を照射できる発光装置が求められている。
そこで、本発明は、複数種類の特殊観察に利用可能な複数の光を切り替えて照射することができる発光装置及び内視鏡システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る発光装置は、第1の光を発する第1の光源と、前記第1の光とは波長が異なる第2の光を発する第2の光源と、第1の蛍光体及び第2の蛍光体を含む波長変換部と、を備え、前記第1の蛍光体は、前記第1の光の一部を吸収し、前記第1の光及び前記第2の光のいずれとも波長が異なる第3の光を発し、前記第2の蛍光体は、前記第1の光の他の一部を吸収し、前記第1の光、前記第2の光及び前記第3の光のいずれとも波長が異なる第4の光を発し、前記波長変換部は、前記第1の光の光路上に配置され、前記第1の光が入射した場合に、前記第1の光の他の一部、前記第3の光及び前記第4の光を出射し、前記第4の光は、700nm以上の波長帯域にピーク波長を有する。
本発明の一態様に係る内視鏡システムは、上記一態様に係る発光装置を備える。
本発明によれば、複数種類の特殊観察に利用可能な複数の光を切り替えて照射することができる。
図1は、実施の形態1に係る発光装置及び内視鏡システムの構成を示す図である。 図2は、実施の形態1に係る発光装置の光源及び蛍光体が発する光の発光スペクトルを示す図である。 図3Aは、実施の形態1に係る発光装置の変形例を示す図である。 図3Bは、実施の形態1に係る発光装置の別の変形例を示す図である。 図4は、実施の形態1に係る発光装置の動作例を示す図である。 図5は、実施の形態1に係る波長変換部の変形例を示す図である。 図6は、実施の形態2に係る発光装置及び内視鏡システムの構成を示す図である。 図7は、実施の形態2に係る発光装置の光源及び蛍光体が発する光の発光スペクトルを示す図である。 図8は、実施の形態2に係る発光装置の動作例を示す図である。 図9は、実施の形態3に係る発光装置及び内視鏡システムの構成を示す図である。 図10は、実施の形態3に係る発光装置の光源及び蛍光体が発する光の発光スペクトルを示す図である。 図11は、実施の形態3に係る発光装置の動作例を示す図である。 図12は、実施の形態4に係る発光装置及び内視鏡システムの構成を示す図である。 図13は、実施の形態4に係る発光装置の光源及び蛍光体が発する光の発光スペクトルを示す図である。 図14は、実施の形態4に係る発光装置の動作例を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る発光装置及び内視鏡システムについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、平行などの要素間の関係性を示す用語、要素の形状を示す用語、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、本明細書において、「ピーク波長」とは、所定の波長帯域内において発光強度が最大になるときの波長である。また、ピーク波長における強度を「ピーク強度」と記載する。ピーク強度は、全波長帯域における最大の強度でなくてもよい。つまり、所定の波長帯域内のピーク強度よりも強度が高いピークが、当該所定の波長帯域以外の帯域に存在していてもよい。
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数または順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
(実施の形態1)
[構成]
まず、本実施の形態に係る発光装置及び内視鏡システムの構成について、図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る発光装置2及び内視鏡システム1の構成を示す図である。図1に示される内視鏡システム1は、被検体の体内の観察に使用される。被検体は、例えば人体又は動物の身体などの生体である。内視鏡システム1は、通常観察と複数種類の特殊観察とに利用される。
図1に示されるように、内視鏡システム1は、発光装置2と、ロッドレンズ3と、光ファイバー4と、対物レンズ5と、を備える。
発光装置2は、出射光Lを出射する装置である。発光装置2の具体的な構成は、後で説明する。
ロッドレンズ3は、発光装置2から出射された出射光Lの照度分布を均一化する光学部品である。出射光Lは、ロッドレンズ3を通過することで照度分布が均一化された後、光ファイバー4の一端に入射する。
光ファイバー4は、少なくとも一部が被検体の体内に挿入され、出射光Lを被検体の体内まで導光する。出射光Lは、光ファイバー4の一端(基端)から入射され、他端(先端)から出射される。
対物レンズ5は、光ファイバー4の先端から出射される出射光Lを被検体の体内に照射する。
なお、光ファイバー4及び対物レンズ5は、管状の部材(図示せず)によって保持されている。内視鏡システム1において、ロッドレンズ3及び対物レンズ5は必須の構成ではない。
また、図1には示されていないが、内視鏡システム1は、体内に照射された出射光Lの反射光を受光する受光部を備える。受光部は、反射光のうち特定波長のみを抽出して、その強度を電気信号に変換することができる。例えば、受光部は、特定波長を通過させるフィルタと、フィルタを通過した光を光電変換するイメージセンサと、を含む。イメージセンサは、二次元状に並んだ複数の画素を含み、各画素は、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)及びIR(近赤外)の各々に対応するサブ画素を含んでいるが、これに限定されない。受光部は、例えば、光ファイバー4の先端部の近傍に配置される。
次に、発光装置2の構成及び光のスペクトルについて、図1及び図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係る発光装置2の光源及び蛍光体が発する光の発光スペクトルを示す図である。
発光装置2は、図1に示されるように、第1の光源10と、第2の光源20と、波長変換部30と、制御回路40と、を備える。
第1の光源10は、第1の光L1を発する。第1の光源10は、レーザ光源である。本実施の形態では、図2に示されるように、第1の光L1は、430nm以上495nm以下の波長帯域にピーク波長を有する青色光である。第1の光L1は、狭帯域光である。具体的には、第1の光L1の半値幅は、20nm以下であるが、10nm以下であってもよく、5nm以下であってもよい。例えば、第1の光源10は、ピーク波長が455nmの青色レーザ光源である。なお、第1の光L1は、380nm以上430nm未満の波長帯域にピーク波長を有する紫色光であってもよい。
第2の光源20は、第1の光L1とは波長が異なる第2の光L2を発する。第2の光源20は、レーザ光源である。本実施の形態では、図2に示されるように、第2の光L2のピーク波長は、第1の光L1のピーク波長よりも短波長である。具体的には、第2の光L2は、380nm以上430nm未満の波長帯域にピーク波長を有する紫色光である。第2の光L2は、狭帯域光である。具体的には、第2の光L2の半値幅は、20nm以下であるが、10nm以下であってもよく、5nm以下であってもよい。例えば、第2の光源20は、ピーク波長が415nmの紫色レーザ光源である。なお、第2の光L2は、510nm以上550nm以下の波長帯域にピーク波長を有する緑色光であってもよい。
本実施の形態では、第1の光源10及び第2の光源20は、互いの光軸が平行になるように並んで配置されている。なお、光源の光軸は、光源から出射される光の中心であり、光の出射方向に一致する。例えば、第1の光源10及び第2の光源20は、同一基板上に設けられている。第1の光源10から出射された第1の光L1及び第2の光源20から出射された第2の光L2はいずれも、他の光学素子(レンズ、ミラーなど)に入射することなく、波長変換部30に入射する。
なお、第1の光源10及び第2の光源20は、各々別の基板上に設けられていてもよい。また、第1の光源10から出射された第1の光L1及び第2の光源20から出射された第2の光L2の少なくとも一方は、例えば、図3Aに示される発光装置2Aのように、他の光学素子(レンズ、ミラーなど)を介して波長変換部30に入射してもよい。発光装置2Aは、ダイクロイックミラー50及びミラー51を備える。ダイクロイックミラー50は、第1の光源10と波長変換部30との間に配置されており、第1の光源10から出射された第1の光L1を通過させ、波長変換部30に入射させる。また、ダイクロイックミラー50は、第2の光源20から出射されてミラー51によって反射された後の第2の光L2を反射し、波長変換部30に入射させる。このような構成とすることで、第1の光L1及び第2の光L2のエネルギー分布の均一化、及び、波長変換部30における第1の光L1及び第2の光L2の照射位置の整合が可能になるため、出力光のムラが少ない発光装置を提供できる。
さらに、波長変換部30に入射する第1の光L1及び第2の光L2の光軸が平行であれば、図3Bに示される発光装置2Bのように、第1の光源10及び第2の光源20は、互いの光軸が平行になるように並んで配置されていなくてもよい。発光装置2Bは、ダイクロイックミラー50を備える。ダイクロイックミラー50は、第2の光源20から出射された第2の光L2が直接入射されて、入射した第2の光L2を反射して、波長変換部30に入射させる。このような構成とすることで、発光装置の設計自由度を高めることができる。
波長変換部30は、図1に示されるように、第1の蛍光体31と、第2の蛍光体32と、を含む。図1では、一点鎖線で囲まれた矩形の領域に、波長変換部30の一部を模式的に拡大して示している。例えば、第1の蛍光体31及び第2の蛍光体32はいずれも、粒子状物質である。
例えば、波長変換部30は、板状の樹脂基材(図示せず)を有し、当該樹脂基材内に複数の第1の蛍光体31及び複数の第2の蛍光体32が混合されて分散している。あるいは、波長変換部30は、透明の板材を有し、当該板材の表面に塗布された透明樹脂内に複数の第1の蛍光体31及び複数の第2の蛍光体32が混合されて分散していてもよい。また、波長変換部30は、複数の第1の蛍光体31及び複数の第2の蛍光体32が凝集した集合体(例えば、セラミック焼結体)であってもよい。
第1の蛍光体31は、第1の光L1の一部を吸収し、第1の光L1及び第2の光L2のいずれとも波長が異なる第3の光L3を発する。すなわち、第1の光L1は、第1の蛍光体31に対する励起光として機能する。本実施の形態では、図2に示されるように、第3の光L3のピーク波長は、第1の光L1のピーク波長よりも長波長である。具体的には、第3の光L3は、525nm以上600nm以下の波長帯域にピーク波長を有する黄色光である。第3の光L3は、500nm以上600nm以下の波長帯域に亘って、ピーク強度の所定割合以上の強度を有する。所定割合は、例えば5%であるが、3%であってもよく、10%であってもよく、20%であってもよい。つまり、第3の光L3は、第1の光L1及び第2の光L2の各々よりも半値幅が大きくブロードな光である。例えば、第1の蛍光体31は、励起波長が455nmでピーク波長が545nmのYAl12:Ce3+蛍光体(YAG:Ce3+)である。なお、第1の蛍光体31は、YAG:Ce3+と同等の蛍光スペクトルを有する蛍光体であればよく、YAG:Ce3+の代わりに、又は、YAG:Ce3+に加えて他の黄色蛍光体が用いられてもよい。
第2の蛍光体32は、第1の光L1の他の一部(すなわち、第1の蛍光体31に吸収されなかった光)を吸収し、第1の光L1、第2の光L2及び第3の光L3のいずれとも波長が異なる第4の光L4を発する。すなわち、第1の光L1は、第2の蛍光体32に対する励起光として機能する。本実施の形態では、図2に示されるように、第4の光L4のピーク波長は、第1の光L1及び第3の光L3の各々のピーク波長よりも長波長である。具体的には、第4の光L4は、700nm以上の波長帯域にピーク波長を有する近赤外光である。第4の光L4は、700nm以上800nm以下の波長帯域に亘って、ピーク強度の所定割合以上の強度を有する。所定割合は、例えば5%であるが、3%であってもよく、10%であってもよく、20%であってもよい。つまり、第4の光L4は、第1の光L1及び第2の光L2の各々よりも半値幅が大きくブロードな光である。例えば、第2の蛍光体32は、励起波長が455nmでピーク波長が765nmの(Gd0.8La0.2(Ga0.47Sc0.50Cr0.03Ga12蛍光体(GGG)である。なお、第2の蛍光体32は、GGGと同等の蛍光スペクトルを有する蛍光体であればよく、GGGの代わりに、又は、GGGに加えて他の近赤外蛍光体が用いられてもよい。
波長変換部30は、第1の光L1の光路上、かつ、第2の光L2の光路上に配置されている。具体的には、波長変換部30は、光Lの出射側から見た場合に、第1の光源10及び第2の光源20の両方に重なっている。波長変換部30は、第1の光L1が入射した場合に、第1の光L1の他の一部(すなわち、各蛍光体に吸収されなかった光)と、第3の光L3と、第4の光L4と、を出射する。
また、波長変換部30は、第2の光L2が入射した場合、第2の光L2の少なくとも一部を出射する。なお、第2の光L2の一部は、第1の蛍光体31及び第2の蛍光体32の少なくとも一方に吸収されてもよい。つまり、第2の光L2は、第1の蛍光体31及び第2の蛍光体32の少なくとも一方に対する励起光として機能してもよい。この場合、波長変換部30は、第2の光L2が入射した場合、第2の光L2の他の一部と、第3の光L3及び第4の光L4の少なくとも一方と、を出射する。
制御回路40は、第1の光源10及び第2の光源20を制御する。制御回路40は、第1の光源10及び第2の光源20の各々の発光及び停止を制御する。例えば、制御回路40は、ユーザからの操作入力に基づいて所望の観察を行うのに適した光源を発光させる。
制御回路40は、例えば、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)によって実現される。なお、集積回路は、LSIに限られず、専用回路又は汎用プロセッサであってもよい。例えば、制御回路40は、マイクロコントローラであってもよい。マイクロコントローラは、例えば、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを含んでいる。また、制御回路40は、プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内の回路セルの接続及び設定が再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサであってもよい。制御回路40が実行する機能は、ソフトウェアで実現されてもよく、ハードウェアで実現されてもよい。
[動作]
次に、本実施の形態に係る発光装置2の動作、及び、内視鏡システム1を利用した観察の具体例について、図4を用いて説明する。
図4は、本実施の形態に係る発光装置2の動作例を示す図である。図4に示されるように、発光装置2を備える内視鏡システム1は、通常観察及び特殊観察に利用される。特殊観察には、NBIとICG蛍光撮像とが含まれる。
通常観察は、白色光を利用して体内の可視光画像を得ることである。通常観察を行う場合、制御回路40は、第1の光源10を発光させ、第2の光源20の発光を停止する。なお、図4では、光源の発光が“ON”で表され、発光の停止が“OFF”で表されている。この表記は、後述する図8、図11及び図14においても同様である。
第1の光源10が第1の光L1を発することで、第1の蛍光体31及び第2の蛍光体32がそれぞれ励起されて、第3の光L3及び第4の光L4を発する。これにより、波長変換部30からは、第1の光L1(青色光)、第3の光L3(黄色光)及び第4の光L4(近赤外光)の合成光が出射光Lとして出射される。通常観察では、出射光Lのうち第1の光L1(青色光)及び第3の光L3(黄色光)を利用する。具体的には、イメージセンサの各画素に含まれるR、G及びBの各サブ画素で生成される電気信号に基づいて、通常観察に適した可視光画像を得ることができる。なお、第4の光L4を除去するフィルタがイメージセンサの受光面に配置されてもよい。
NBIは、波長が異なる2つの狭帯域の光を利用し、特定の対象物を強調した画像を得ることである。特定の対象物は、例えば、被検体の血管である。NBIを行う場合、制御回路40は、第1の光源10及び第2の光源20の両方を発光させる。
通常観察の場合に比べてさらに、第2の光源20が第2の光L2を発するので、波長変換部30からは、第1の光L1(青色光)、第2の光L2(紫色光)、第3の光L3(黄色光)及び第4の光L4(近赤外光)の合成光が出射光Lとして出射される。NBIでは、出射光Lのうち第1の光L1(青色光)及び第2の光(紫色光)を利用する。
血管を流れる血液に含まれるヘモグロビンは、青色光、紫色光及び緑色光を強く吸収する。青色光は、粘膜表層の毛細血管の観察に使用される。緑色光及び紫色光は、深部の太い血管の観察、及び、毛細血管とのコントラストの強調に使用される。青色光及び紫色光の各々の強度に応じた電気信号を処理することによって、血管を強調した画像を得ることができる。
なお、青色光及び紫色光の各々の強度に応じた電気信号は、例えば、青色光及び紫色光の各々に感度を有するサブ画素をそれぞれが含む複数の画素を有するイメージセンサを用いて得ることができる。あるいは、少なくとも青色光及び紫色光を含む波長帯域に感度を有する複数の画素を有するイメージセンサを用いてもよい。第1の光源10と第2の光源20とを交互に発光させることによって、青色光の強度に応じた電気信号と紫色光の強度に応じた電気信号とを得ることができる。また、青色光以外を除去するフィルタ、及び、紫色光以外を除去するフィルタがイメージセンサの受光面に配置されてもよい。
ICG蛍光撮像は、近赤外光を利用し、特定の対象物を強調した画像を得ることである。特定の対象物は、例えば、被検体の腫瘍又はリンパ節である。具体的には、ICGを被検体に投与し、投与したICGに対して近赤外光を照射した場合、ICGは、照射された近赤外光よりも長波長の近赤外蛍光を発する。この近赤外蛍光を受光することにより、通常観察では観察が難しい対象物を観察することが可能になる。
ICG蛍光撮像では、通常観察の場合と同様に、制御回路40は、第1の光源10を発光させ、第2の光源20の発光を停止する。これにより、波長変換部30からは、第1の光L1(青色光)、第3の光L3(黄色光)及び第4の光L4(近赤外光)の合成光が出射光Lとして出射される。ICG蛍光撮像では、出射光Lのうち第4の光L4(近赤外光)を利用する。具体的には、イメージセンサの各画素に含まれるIRのサブ画素で生成される電気信号に基づいて、近赤外光画像を得ることができる。なお、可視光を除去するフィルタがイメージセンサの受光面に配置されてもよい。
なお、通常観察及びICG蛍光撮像において、制御回路40は、第2の光源20を発光させてもよい。つまり、制御回路40は、第1の光源10及び第2の光源20の発光及び停止を一体的に制御してもよい。この場合、各観察に不要な第2の光L2(紫色光)が出射光Lに含まれることになるが、例えば、フィルタによって第2の光L2を除去することで、各観察を適切に行うことができる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る発光装置2は、第1の光L1を発する第1の光源10と、第1の光L1とは波長が異なる第2の光L2を発する第2の光源20と、第1の蛍光体31及び第2の蛍光体32を含む波長変換部30と、を備える。第1の蛍光体31は、第1の光L1の一部を吸収し、第1の光L1及び第2の光L2のいずれとも波長が異なる第3の光L3を発する。第2の蛍光体32は、第1の光L1の他の一部を吸収し、第1の光L1、第2の光L2及び第3の光L3のいずれとも波長が異なる第4の光L4を発する。波長変換部30は、第1の光L1の光路上に配置され、第1の光L1が入射した場合に、第1の光L1の他の一部、第3の光L3及び第4の光L4を出射する。第4の光L4は、700nm以上の波長帯域にピーク波長を有する。
これにより、複数種類の特殊観察に利用可能な複数の光を切り替えて照射することができる。よって、発光装置2及び内視鏡システム1の汎用性を高めることができる。
また、例えば、第1の光源10及び第2の光源20は、互いの光軸が平行になるように並んで配置されている。波長変換部30は、第2の光L2の光路上に配置され、第2の光L2が入射した場合に、第2の光L2の少なくとも一部を出射する。
これにより、第1の光源10及び第2の光源20を近接させて配置することができる。また、第1の光L1と同様に、第2の光L2を、波長変換部30を通過させて光ファイバー4に導くことができるので、第2の光L2の光路を調整するための光学部品を設けなくて済む。これらのことから、発光装置2の小型化を実現することができる。
また、例えば、第4の光L4は、700nm以上800nm以下の波長帯域に亘って、ピーク波長の強度の5%以上の強度を有する。
これにより、広い波長帯域に十分な強度を有する近赤外光である第4の光L4を出射することができるので、ICGなどの薬剤の特性ばらつきに容易に対応することができる。つまり、発光装置2をICG蛍光撮像に有効に利用することができる。
また、例えば、第1の光L1は、430nm以上495nm以下の波長帯域にピーク波長を有する。第2の光L2は、380nm以上430nm未満の波長帯域にピーク波長を有する。第3の光L3は、525nm以上600nm以下の波長帯域にピーク波長を有する。
これにより、通常観察、並びに、NBI及びICG蛍光撮像などの特殊観察に発光装置2を利用することができる。
また、例えば、第1の光L1及び第2の光L2の各々の半値幅は、20nm以下である。
これにより、不要な波長成分(ノイズ)を減らすことができ、各観察の精度を高めることができる。
また、例えば、第1の光源10及び第2の光源20はそれぞれ、レーザ光源である。
これにより、不要な波長成分(ノイズ)を減らすことができ、かつ、強い光を照射することができるので、各観察の精度を高めることができる。
また、本実施の形態に係る内視鏡システム1は、発光装置2を備える。
これにより、通常観察、並びに、NBI及びICG蛍光撮像などの複数種類の特殊観察を行うことができる。
[変形例]
次に、実施の形態に係る発光装置の波長変換部の変形例について、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態に係る波長変換部の変形例を示す図である。
図5に示される波長変換部130は、第1の部分131と、第1の部分131とは異なる第2の部分132と、を含む。
第1の部分131は、第1の蛍光体31を含んでいる。例えば、第1の部分131は、板状の樹脂基材を有し、当該樹脂基材内に複数の第1の蛍光体31が分散されている。第1の部分131には、第2の蛍光体32は含まれていない。第1の部分131は、複数の第1の蛍光体31が凝集した集合体であってもよい。
第2の部分132は、第2の蛍光体32を含んでいる。例えば、第2の部分132は、板状の樹脂基材を有し、当該樹脂基材内に第2の蛍光体32が分散されている。第2の部分132には、第1の蛍光体31は含まれていない。第2の部分132は、複数の第2の蛍光体32が凝集した集合体であってもよい。
第1の部分131は、第2の部分132よりも第1の光L1の入射側に位置している。つまり、第1の光L1は、第1の部分131に入射した後、第2の部分132に入射し、第2の部分132から出射される。第1の部分131では、第1の光L1が入射することにより、第1の光L1の一部が吸収され、第3の光L3が出射される。
第2の部分132では、第1の部分131を通過した第1の光L1の一部が入射し、第1の光L1の一部が吸収され、第4の光L4が出射される。また、第1の部分131から出射された第3の光L3も第2の部分132に入射する。第3の光L3は、第2の部分132を通過する。
以上のように、本変形例に係る発光装置では、波長変換部130は、第1の部分131と、第1の部分131とは異なる第2の部分132と、を含む。第1の部分131は、第2の部分132よりも第1の光L1の入射側に位置する。第1の蛍光体31は、第1の部分131に含まれる。第2の蛍光体32は、第2の部分132に含まれている。
これにより、複数種類の特殊観察に利用可能な複数の光を切り替えて照射することができる。
なお、第1の部分131と第2の部分132とは、分離していてもよい。つまり、第1の部分131と第2の部分132とは、互いに接触せずに、間を空けて配置されていてもよい。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1と比較して、発光装置が第3の光源を備える点が相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
[構成]
まず、本実施の形態に係る発光装置及び内視鏡システムの構成について、図6及び図7を用いて説明する。
図6は、本実施の形態に係る発光装置202及び内視鏡システム201の構成を示す図である。図7は、本実施の形態に係る発光装置202の光源及び蛍光体が発する光の発光スペクトルを示す図である。
図6に示されるように、内視鏡システム201は、実施の形態1に係る内視鏡システム1と比較して、発光装置2の代わりに発光装置202を備える。発光装置202は、実施の形態1に係る発光装置2と比較して、第3の光源250をさらに備える。また、発光装置202は、制御回路40の代わりに制御回路240を備える。
第3の光源250は、第5の光L5を発する。第3の光源250は、レーザ光源である。本実施の形態では、図6に示されるように、第5の光L5は、620nm以上750nm以下の波長帯域にピーク波長を有する赤色光である。第5の光L5は、狭帯域光である。具体的には、第5の光L5の半値幅は、20nm以下であるが、10nm以下であってもよく、5nm以下であってもよい。例えば、第3の光源250は、ピーク波長が660nmの赤色レーザ光源である。
なお、第2の蛍光体32は、第5の光L5の一部を吸収し、第4の光L4を発する。すなわち、第5の光L5は、第2の蛍光体32に対する励起光として機能する。
本実施の形態では、第1の光源10、第2の光源20及び第3の光源250は、互いの光軸が平行になるように並んで配置されている。例えば、第1の光源10、第2の光源20及び第3の光源250は、同一基板上に設けられている。第1の光源10から出射された第1の光L1、第2の光源20から出射された第2の光L2及び第3の光源250から出射された第5の光L5はいずれも、他の光学素子(レンズ、ミラーなど)に入射することなく、波長変換部30に入射する。つまり、波長変換部30は、第5の光L5の光路上に配置されている。
なお、第1の光源10、第2の光源20及び第3の光源250は、各々別の基板上に設けられていてもよい。また、第1の光源10から出射された第1の光L1、第2の光源20から出射された第2の光L2及び第3の光源250から出射された第5の光L5のうち少なくとも一つは、他の光学素子(レンズ、ミラーなど)を介して波長変換部30に入射してもよい。例えば、図3Aに示されるダイクロイックミラー50又はミラー51などを複数配置すればよい。このような構成とすることで、第1の光L1、第2の光L2及び第5の光L5のエネルギー分布の均一化、及び、波長変換部30における第1の光L1、第2の光L2及び第5の光L5の照射位置の整合が可能になるため、出力光のムラが少ない発光装置を提供できる。さらに、波長変換部30に入射する第1の光L1、第2の光L2及び第5の光L5の光軸が平行であれば、第1の光源10、第2の光源20及び第3の光源250は、互いの光軸が平行になるように並んで配置されていなくてもよい。例えば、図3Bに示されるダイクロイックミラー50を複数配置する、あるいは、ミラー51などの他の光学素子を更に組み合わせて配置すればよい。このような構成とすることで、発光装置の設計自由度を高めることができる。
波長変換部30は、第5の光L5が入射した場合に、第5の光L5の他の一部及び第4の光L4を出射する。
制御回路240は、第1の光源10、第2の光源20及び第3の光源250を制御する。制御回路240は、第1の光源10、第2の光源20及び第3の光源250の各々の発光及び停止を制御する。例えば、制御回路240は、ユーザからの操作入力に基づいて所望の観察を行うのに適した光源を発光させる。
[動作]
次に、本実施の形態に係る発光装置202の動作、及び、内視鏡システム201を利用した観察の具体例について、図8を用いて説明する。
図8は、本実施の形態に係る発光装置202の動作例を示す図である。図8に示されるように、発光装置202を備える内視鏡システム201は、通常観察及び特殊観察、並びに、光線力学的療法(PDT)に利用される。つまり、内視鏡システム201は、被検体内の観察だけでなく、被検体の治療にも利用される。
PDTは、赤色光を利用して行われる。具体的には、治療目的に合わせて適切な薬剤(光増感剤)を被検体に投与する。薬剤が病理組織に集積されるまで被検体を暗室で待機させた後、発光装置202(内視鏡システム201)が患部に赤色光を照射する。具体的には、制御回路240は、第3の光源250を発光させることで、第5の光L5(赤色光)を出射させる。赤色光によって励起された薬剤が酸素と反応し、高い酸化力を持つ活性酸素種が生成される。これにより、有害組織を消去することができる。
図8に示されるように、制御回路240は、PDTを行う場合、第1の光源10及び第2の光源20の発光を停止する。これにより、PDTに不要な光が照射されるのを抑制することができ、消費電力の低減にも貢献できる。
また、第3の光源250は、PDT以外に、ICG蛍光撮像にも利用することができる。図8に示されるように、内視鏡システム201では、ICG蛍光撮像の場合、制御回路240は、第1の光源10だけでなく、第3の光源250を発光させる。第3の光源250から発せられた第5の光L5は、波長変換部30に入射した場合に、第2の蛍光体32を励起させる。これにより、第5の光L5の他の一部(赤色光)と第4の光L4(近赤外光)とが波長変換部30から出射される。これにより、近赤外光の光量を増やすことができるので、ICG蛍光撮像の精度を高めることができる。
なお、内視鏡システム201では、通常観察及びNBIは、実施の形態1に係る内視鏡システム1と同様に行われる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る内視鏡システム201では、発光装置202は、第1の光L1及び第2の光L2とは波長が異なる第5の光L5を発する第3の光源250を備える。第5の光L5は、620nm以上750nm以下の波長帯域にピーク波長を有する。
これにより、通常観察及び特殊観察などの観察だけでなく、PDTなどの治療にも利用することができる。よって、発光装置202及び内視鏡システム201の汎用性を高めることができる。
また、例えば、第2の蛍光体32は、第5の光L5の一部を吸収し、第4の光L4を発する。第1の光源10及び第3の光源250は、互いの光軸が平行になるように並んで配置されている。波長変換部30は、第5の光L5の光路上に配置され、第5の光L5が入射した場合に、第5の光L5の他の一部及び第4の光L4を出射する。
これにより、第3の光源250が発する第5の光L5によって、第4の光L4(近赤外光)を効率良く出射させることができる。
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、実施の形態1と比較して、波長変換部が第3の蛍光体を含む点が相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
[構成]
まず、本実施の形態に係る発光装置及び内視鏡システムについて、図9及び図10を用いて説明する。
図9は、本実施の形態に係る発光装置302及び内視鏡システム301の構成を示す図である。図10は、本実施の形態に係る発光装置302の光源及び蛍光体が発する光の発光スペクトルを示す図である。
図9に示されるように、内視鏡システム301は、実施の形態1に係る内視鏡システム1と比較して、発光装置2の代わりに発光装置302を備える。発光装置302は、実施の形態1に係る発光装置2と比較して、波長変換部30の代わりに波長変換部330を備える。波長変換部330は、さらに、第3の蛍光体333を含んでいる。
波長変換部330は、板状の樹脂基材(図示せず)を有し、当該樹脂基材内に複数の第1の蛍光体31、複数の第2の蛍光体32及び複数の第3の蛍光体333が混合されて分散している。あるいは、波長変換部330は、実施の形態1の変形例に係る波長変換部130と同様に、第1の部分131及び第2の部分132に加えて、複数の第3の蛍光体333のみが分散された第3の部分を含んでもよい。第3の部分は、例えば、第1の部分131よりも光入射側に配置されるが、これに限らない。あるいは、複数の第3の蛍光体333は、第1の部分131及び第2の部分132の少なくとも一方に、第1の蛍光体31又は第2の蛍光体32と混合されて分散されていてもよい。
第3の蛍光体333は、第1の光L1の一部を吸収し、第1の光L1、第2の光L2、第3の光L3及び第4の光L4のいずれとも波長が異なる第6の光L6を発する。すなわち、第1の光L1は、第3の蛍光体333に対する励起光として機能する。本実施の形態では、図10に示されるように、第6の光L6のピーク波長は、第1の光L1及び第2の光L2の各々のピーク波長より長波長であり、第3の光L3及び第4の光L4の各々のピーク波長より短波長である。具体的には、第6の光L6は、505nm以上525nm未満の波長帯域にピーク波長を有する緑色光である。第6の光L6は、500nm以上600nm以下の波長帯域に亘って、ピーク強度の所定割合以上の強度を有する。所定割合は、例えば5%であるが、3%であってもよく、10%であってもよく、20%であってもよい。つまり、第6の光L6は、第1の光L1及び第2の光L2の各々よりも半値幅が大きくブロードな光である。例えば、第3の蛍光体333は、励起波長が455nmでピーク波長が512nmのLuAl12:Ce3+蛍光体(LuAG:Ce3+)である。なお、第3の蛍光体333は、LuAG:Ce3+と同等の蛍光スペクトルを有する蛍光体であればよく、LuAG:Ce3+の代わりに、又は、LuAG:Ce3+に加えて他の緑色蛍光体が用いられてもよい。他の緑色蛍光体としては、CaScSi12:Ce3+、Ca(Sc,Lu):Ce3+、β-SiAlON:Eu2+、及び、BaMgAl1017:Eu2+,Mn2+などを利用することができる。
[動作]
次に、本実施の形態に係る発光装置302の動作、及び、内視鏡システム301を利用した観察の具体例について、図11を用いて説明する。
図11は、本実施の形態に係る発光装置302の動作例を示す図である。図11に示されるように、発光装置302を備える内視鏡システム301は、通常観察及び特殊観察、並びに、PDTに利用される。
本実施の形態では、PDTは、赤色光の代わりに緑色光を利用して行われる。使用される薬剤は、緑色光で励起する薬剤である。
制御回路40は、PDTを行う場合、第1の光源10を発光させ、第2の光源20の発光を停止する。これにより、波長変換部330からは、第1の光L1(青色光)、第6の光L6(緑色光)、第3の光L3(黄色光)及び第4の光L4(近赤外光)の合成光が出射光Lとして出射される。このうちの第6の光L6(緑色光)を利用して、PDTを行うことができる。なお、波長変換部330から対物レンズ5までの光路上に、緑色光以外の光を除去する可動式のフィルタが配置されてもよい。
内視鏡システム301では、通常観察及び特殊観察は、実施の形態1に係る内視鏡システム1と同様に行われる。緑色光が含まれることによって、通常観察の精度を高めることもできる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る内視鏡システム301では、波長変換部330は、さらに、第3の蛍光体333を含む。第3の蛍光体333は、第1の光L1の他の一部を吸収し、第1の光L1、第2の光L2、第3の光L3及び第4の光L4のいずれとも波長が異なる第6の光L6を発する。第6の光L6は、505nm以上525nm未満の波長帯域にピーク波長を有する。
これにより、通常観察及び特殊観察に加えて、緑色光を利用したPDTを行うことができる。
なお、第3の蛍光体333は、第2の光L2の他の一部を吸収し、第6の光L6を発してもよい。すなわち、第2の光L2は、第3の蛍光体333に対する励起光として機能してもよい。この場合、制御回路40は、PDTを行う場合に、第2の光源20をさらに発光させる。これにより、緑色光の強度を強くすることができるので、PDTをより効率良く行うことができる。
(実施の形態4)
続いて、実施の形態4について説明する。実施の形態4では、実施の形態1と比較して、第2の光源が発する光の波長が相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
[構成]
まず、本実施の形態に係る発光装置及び内視鏡システムについて、図12及び図13を用いて説明する。
図12は、本実施の形態に係る発光装置402及び内視鏡システム401の構成を示す図である。図13は、本実施の形態に係る発光装置402の光源及び蛍光体が発する光の発光スペクトルを示す図である。
図12に示されるように、内視鏡システム401は、実施の形態1に係る内視鏡システム1と比較して、発光装置2の代わりに発光装置402を備える。発光装置402は、実施の形態1に係る発光装置2と比較して、第2の光源20の代わりに第2の光源420を備える。
第2の光源420は、第1の光L1とは波長が異なる第2の光L7を発する。第2の光源420は、レーザ光源である。本実施の形態では、図13に示されるように、第2の光L7のピーク波長は、第1の光L1のピーク波長よりも長波長である。具体的には、第2の光L7は、505nm以上525nm未満の波長帯域にピーク波長を有する緑色光である。第2の光L7は、狭帯域光である。具体的には、第2の光L7の半値幅は、20nm以下であるが、10nm以下であってもよく、5nm以下であってもよい。例えば、第2の光源420は、ピーク波長が515nmの緑色レーザ光源である。
[動作]
次に、本実施の形態に係る発光装置402の動作、及び、内視鏡システム401を利用した観察の具体例について、図14を用いて説明する。
図14は、本実施の形態に係る発光装置402の動作例を示す図である。図14に示されるように、発光装置402を備える内視鏡システム401は、通常観察及び特殊観察、並びに、PDTに利用される。
本実施の形態では、NBIは、青色光と緑色光とを利用する。NBIを行う場合、制御回路40は、第1の光源10及び第2の光源20の両方を発光させる。紫色光を利用しないので、一般的なRGBのサブ画素を含むイメージセンサによって容易にNBIを行うことができる。
また、PDTは、赤色光の代わりに緑色光を利用して行われる。使用される薬剤は、緑色光で励起する薬剤である。制御回路40は、PDTを行う場合、第2の光源20を発光させ、第1の光源10の発光を停止する。これにより、波長変換部30からは、第2の光L7(緑色光)が出射光Lとして出射される。よって、第2の光L7(緑色光)を利用して、PDTを行うことができる。なお、波長変換部30から対物レンズ5までの光路上に、緑色光以外の光を除去する可動式のフィルタが配置されてもよい。
内視鏡システム401では、通常観察及びICG蛍光撮像は、実施の形態1に係る内視鏡システム1と同様に行われる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る内視鏡システム401では、第1の光L1は、430nm以上495nm以下の波長帯域にピーク波長を有する。第2の光L2は、505nm以上525nm未満の波長帯域にピーク波長を有する。第3の光L3は、525nm以上600nm以下の波長帯域にピーク波長を有する。
これにより、通常観察及びICG蛍光撮像に加えて、青色光と緑色光とを利用したNBI、及び、緑色光を利用したPDTを行うことができる。
(その他)
以上、本発明に係る発光装置及び内視鏡システムについて、上記の実施の形態などに基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、第1の光源、第2の光源及び第3の光源の少なくとも1つは、LED(Light emitting Diode)であってもよい。
また、第1の光源、第2の光源及び第3の光源の少なくとも1つと波長変換部との光路上には、ミラー又はレンズなどの光学素子が配置されていてもよい。例えば、ミラーによって各光の光路を曲げることができるので、発光装置内で各素子の配置の自由度を高めることができる。
また、波長変換部は、第2の光源が発する第2の光の光路上に配置されていなくてもよい。また、波長変換部は、第3の光源が発する第5の光の光路上に配置されていなくてもよい。つまり、第2の光及び第5の光は、波長変換部に入射されなくてもよい。
また、第3の光源が発する第5の光は、第2の蛍光体の励起光として機能しなくてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1、201、301、401 内視鏡システム
2、2A、2B、202、302、402 発光装置
10 第1の光源
20、420 第2の光源
30、130、330 波長変換部
31 第1の蛍光体
32 第2の蛍光体
131 第1の部分
132 第2の部分
250 第3の光源
333 第3の蛍光体
L 出射光
L1 第1の光
L2、L7 第2の光
L3 第3の光
L4 第4の光
L5 第5の光
L6 第6の光

Claims (12)

  1. 第1の光を発する第1の光源と、
    前記第1の光とは波長が異なる第2の光を発する第2の光源と、
    第1の蛍光体及び第2の蛍光体を含む波長変換部と、を備え、
    前記第1の蛍光体は、前記第1の光の一部を吸収し、前記第1の光及び前記第2の光のいずれとも波長が異なる第3の光を発し、
    前記第2の蛍光体は、前記第1の光の他の一部を吸収し、前記第1の光、前記第2の光及び前記第3の光のいずれとも波長が異なる第4の光を発し、
    前記波長変換部は、前記第1の光の光路上に配置され、前記第1の光が入射した場合に、前記第1の光の他の一部、前記第3の光及び前記第4の光を出射し、
    前記第4の光は、700nm以上の波長帯域にピーク波長を有する、
    発光装置。
  2. 前記第1の光源及び前記第2の光源は、互いの光軸が平行になるように並んで配置され、
    前記波長変換部は、前記第2の光の光路上に配置され、前記第2の光が入射した場合に、前記第2の光の少なくとも一部を出射する、
    請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第4の光は、700nm以上800nm以下の波長帯域に亘って、前記ピーク波長の強度の5%以上の強度を有する、
    請求項1又は2に記載の発光装置。
  4. 前記第1の光は、430nm以上495nm以下の波長帯域にピーク波長を有し、
    前記第2の光は、380nm以上430nm未満の波長帯域にピーク波長を有し、
    前記第3の光は、525nm以上600nm以下の波長帯域にピーク波長を有する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. さらに、前記第1の光及び前記第2の光とは波長が異なる第5の光を発する第3の光源を備え、
    前記第5の光は、620nm以上750nm以下の波長帯域にピーク波長を有する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記第2の蛍光体は、前記第5の光の一部を吸収し、前記第4の光を発し、
    前記第1の光源及び前記第3の光源は、互いの光軸が平行になるように並んで配置され、
    前記波長変換部は、前記第5の光の光路上に配置され、前記第5の光が入射した場合に、前記第5の光の他の一部及び前記第4の光を出射する、
    請求項5に記載の発光装置。
  7. 前記波長変換部は、さらに、第3の蛍光体を含み、
    前記第3の蛍光体は、前記第1の光の他の一部を吸収し、前記第1の光、前記第2の光、前記第3の光及び前記第4の光のいずれとも波長が異なる第6の光を発し、
    前記第6の光は、505nm以上525nm未満の波長帯域にピーク波長を有する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記第1の光は、430nm以上495nm以下の波長帯域にピーク波長を有し、
    前記第2の光は、505nm以上525nm未満の波長帯域にピーク波長を有し、
    前記第3の光は、525nm以上600nm以下の波長帯域にピーク波長を有する、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. 前記波長変換部は、
    第1の部分と、
    前記第1の部分とは異なる第2の部分と、を含み、
    前記第1の部分は、前記第2の部分よりも前記第1の光の入射側に位置し、
    前記第1の蛍光体は、前記第1の部分に含まれ、
    前記第2の蛍光体は、前記第2の部分に含まれている、
    請求項1~8のいずれか1項に記載の発光装置。
  10. 前記第1の光及び前記第2の光の各々の半値幅は、20nm以下である、
    請求項1~9のいずれか1項に記載の発光装置。
  11. 前記第1の光源及び前記第2の光源はそれぞれ、レーザ光源である、
    請求項1~10のいずれか1項に記載の発光装置。
  12. 請求項1~11のいずれか1項に記載の発光装置を備える、
    内視鏡システム。
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