JP2022068965A - 警報制御装置及び警報管理システム - Google Patents

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Munetoshi Unuma
洋 津久井
Hiroshi Tsukui
浩二 藤田
Koji Fujita
健一 安島
Kenichi AJIMA
増高 熊坂
Masutaka KUMASAKA
孝一郎 江尻
Koichiro Ejiri
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Abstract

【課題】オペレータへの警報を適正化し、報知すべき情報をオペレータに伝えつつ必要以上の報知を抑えて作業効率を向上させることができる警報制御装置及び警報管理システムを提供する。【解決手段】警報管理システムにおいて、警報制御装置は、複数の状態量センサと、オペレータに対して状況を報知する報知装置とを有する機械に設けられ、複数の状態量センサの出力に応じて報知装置に指令してオペレータへの警報を制御する。複数の状態量センサの出力である特徴ベクトルが、指定動作状態に紐付けされた指定領域又は準指定領域に属するかを判定し、特徴ベクトルが指定領域に属していれば第1報知動作を、特徴ベクトルが準指定領域に属し1サイクル前の特徴ベクトルより指定領域に近ければ第2報知動作を、特徴ベクトルが準指定領域に属し1サイクル前の特徴ベクトルより指定領域から遠ければ第3報知動作を、報知装置に指令する。【選択図】図10

Description

本発明は、油圧ショベル等の機械を操作するオペレータへの警報を制御する警報制御装置、及びこの警報制御装置を含んで構成された警報管理システムに関する。
操作データからドライバーのタイプを特定し、タイプに応じてドライバーの操作を支援する装置が特開2019-40244号公報(特許文献1)に開示されている。
特開2019-40244号公報
例えば油圧ショベル等の操作自由度の高い汎用的な機械では、オペレータの操作次第で必要以上に所定の部位に負荷が掛かる動作状態にも移行し得る。しかし、所定の部位に過負荷が掛かる動作状態は機械にとって過酷であり、こうした過酷な動作状態に陥らないような操作がオペレータに要求される。そこで、動作状態毎に機械各部の状態量のデータを予め学習させておくことで、各部の状態量の検出値を基に現在の動作状態が過酷な動作状態又はそれに近い状態にあることを機械自身に判定させることができる。この場合、例えば機械の動作状態が過酷な動作状態に近い状態にある場合に警報等でオペレータにその旨を報知する構成とすることで、オペレータに慎重な操作を促して機械が過酷な動作状態に陥ることを抑制することができる。
ただ、機械の動作状態が過酷な動作状態に近い状態にあるからといってその後過酷な動作状態に移行するとは必ずしも限らない。そのため、機械の動作状態が過酷な動作状態に近い状態でオペレータに対して一律に同様に警報を発すると、過度な警報によりオペレータの集中を妨げて作業効率を低下させる可能性がある。また、不必要な警報が多いと警報に対するオペレータの信頼性が低下し、真に重要な警報まで軽視され兼ねない。
本発明の目的は、オペレータへの警報を適正化し、報知すべき情報をオペレータに伝えつつ必要以上の報知を抑えて作業効率を向上させることができる警報制御装置及び警報管理システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、動作中に変化する状態量を検出する複数の状態量センサと、オペレータに対して状況を報知する報知装置とを有する機械に設けられ、前記複数の状態量センサの出力に応じて前記報知装置に指令し、前記機械を操作するオペレータへの警報を制御する警報制御装置であって、前記複数の状態量センサの出力をパラメータとする動作特徴量空間内で前記複数の状態量センサの出力で規定される特徴ベクトルについて前記機械の動作状態で分類した動作特徴データベースを格納した記憶装置と、前記動作特徴データベースを参照し前記複数の状態量センサの出力に基づいて所定のサイクルで前記警報について処理を実行する処理装置を含んで構成され、前記処理装置は、前記動作特徴量空間において、前記複数の状態量センサの出力で規定される現在の特徴ベクトルが、指定動作状態に紐付けされた指定領域に属するか、前記指定領域の外側で前記指定領域から設定距離内の準指定領域に属するかを判定し、現在の特徴ベクトルが前記指定領域に属する場合、第1報知動作の実行を前記報知装置に指令し、現在の特徴ベクトルが前記準指定領域に属する場合、1サイクル前の特徴ベクトルに対して前記現在の特徴ベクトルが前記指定領域に近ければ、前記第1報知動作と報知形態の異なる第2報知動作の実行を前記報知装置に指令し、現在の特徴ベクトルが前記準指定領域に属する場合、前記1サイクル前の特徴ベクトルに対して前記現在の特徴ベクトルが前記指定領域から遠ければ、前記第1報知動作及び前記第2報知動作とは報知形態の異なる第3報知動作の実行を前記報知装置に指令する警報制御装置を提供する。
本発明によれば、オペレータへの警報を適正化し、報知すべき情報をオペレータに伝えつつ必要以上の報知を抑えて作業効率を向上させることができる。
本発明の第1実施形態に係る警報制御装置を適用する機械の一例として油圧ショベルの外観を表す斜視図 図1の油圧ショベルに備わったブームシリンダ等の油圧アクチュエータを駆動する油圧システムを模式的に表した油圧回路図 図1の油圧ショベルに備わったコントローラのブロック図 本発明の第1実施形態に係る警報制御装置の機能ブロック図 図4の警報制御装置に備わった動作特徴データベースのデータセットの概要を表す模式図 動作状態判定等に用いる動作特徴量空間の領域区分の概念の説明図 図4の警報制御装置の処理装置が実行する動作状態判定の処理手順を表すフローチャート 図4の警報制御装置で生成される第1報知動作用のデータセットの概要を表す模式図 図4の警報制御装置で生成される判定用のデータセットの概要を表す模式図 図4の警報制御装置の処理装置が実行する動作傾向判定の処理手順を表すフローチャート 準指定領域の判定の概念の説明図である 油圧ショベルが指定動作状態に至る傾向の有無の判定概念の説明図である 図4の警報制御装置で生成される第2報知動作用のデータセットの概要を表す模式図 図4の警報制御装置で生成される第3報知動作用のデータセットの概要を表す模式図 報知装置による報知出力の実行手順を表すフローチャート 報知装置が実行する第1報知動作の一例の概念図 報知装置が実行する第2報知動作の一例の概念図 報知装置が実行する第3報知動作の一例の概念図 本発明の第2実施形態に係る警報制御装置の機能ブロック図 図19の警報制御装置で生成される設定距離のデータセットの概要を表す模式図 本発に係る警報管理システムの一例の機能ブロック図
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
(第1実施形態)
1.対象機械
図1は本発明の第1実施形態に係る警報制御装置を適用する機械の一例として油圧ショベルの外観を表す斜視図である。以下の説明において、運転室14の前方(図1中の左上側)を油圧ショベルの旋回体の前方とする。本実施形態では油圧ショベルを本発明の警報制御装置の適用対象として例示するが、例えばダンプトラックや風力発電機等の他の機械にも本発明の警報制御装置は適用され得る。
同図に示した油圧ショベルは、車体10及び作業装置20を備えている。車体10は、走行体11及び旋回体12を備えている。
走行体11は、本実施形態では無限軌道履帯を有する左右のクローラ(走行装置)13を備えており、左右の走行モータ(不図示)により左右のクローラ13をそれぞれ駆動することで走行する。走行モータには例えば油圧モータが用いられる。
旋回体12は、走行体11の上部に旋回装置(不図示)を介して旋回可能に設けられている。旋回体12の前部(本実施形態では前部左側)には、オペレータが搭乗する運転室14が設けられている。旋回体12における運転室14の後側にはエンジンや油圧システム等を収容した動力室15が、後端には作業装置20との重量のバランスをとるカウンタウェイト16が搭載されている。旋回体12を走行体11に対して連結する旋回装置には旋回モータ(不図示)が含まれており、旋回モータによって走行体11に対して旋回体12が旋回駆動される。旋回モータ34には例えば油圧モータが用いられる。運転室14には、運転席から視認し易い位置に報知装置6(図4)が設けられており、報知装置6によりオペレータに対して運転中の状況等が報知される。
作業装置20は土砂の掘削等の作業を行うための多関節型の作業腕であり、旋回体12の前部(本実施形態では運転室14の右側)に取り付けられている。この作業装置20は、ブーム21、アーム22及びバケット23を含んで構成されている。ブーム21は、左右に延びるピン(不図示)によって旋回フレームと呼ばれる旋回体12のベースフレームに連結され、ブームシリンダ31で駆動されて旋回体12に対して上下に回動する。ブームシリンダ31の両端は、左右に延びるピン(不図示)を介してブーム21及び旋回体12に回動自在に連結されている。アーム22は、左右に延びるピン(不図示)によってブーム21の先端に連結され、アームシリンダ32で駆動されてブーム21に対して前後に回動する。アームシリンダ32の両端は、左右に延びるピン(不図示)を介してアーム22及びブーム21に回動自在に連結されている。バケット23は、水平左右に延びるピン(不図示)によってアーム22の先端に連結され、バケットシリンダ33で駆動されてアーム22に対して回動する。バケットシリンダ33の基端はアーム22に、先端はリンクを介してバケットに連結されている。
また、油圧ショベルには、動作中に変化する状態量を検出する複数の状態量センサが適所に設けられている。状態量センサの例として、ブーム21、アーム22及びバケット23の各回動支点にはそれぞれ角度センサA1(不図示),A2,A3が設けられている。旋回体12に対するブーム21の角度が角度センサA1により、ブーム21に対するアーム22の角度が角度センサA2により、アーム22に対するバケット23の回動角が角度センサA3によりそれぞれ検出される。その他、油圧ショベルには、傾斜センサ(不図示)、圧力センサ(図2の圧力センサP1,P2等)が備わっている。傾斜センサは、旋回体12の前後方向及び左右方向の少なくとも一方の傾斜を検出する。圧力センサは、ブームシリンダ31、アームシリンダ32及びバケットシリンダ33の各油室に対応して複数設けられている。ブームシリンダ31のボトム側及びロッド側の油室の圧力、アームシリンダ32のボトム側及びロッド側の油室の圧力、バケットシリンダ33の油室のボトム側及びロッド側の圧力が、それぞれ対応する圧力センサで検出される。
2.油圧システム
図2はブームシリンダ等の油圧アクチュエータを駆動する油圧システムを模式的に表した油圧回路図である。同図では、例えばブームシリンダ31に関する部分を抜き出して例示してあるが、他の油圧アクチュエータに関する部分も同様の構成である。
図2に示したように、操作レバー41にはパイロット弁42a,42bが備わっている。操作レバー41はブームシリンダ31の動作を指示する操作装置であり、運転室14の内部で運転席の周囲に設置されている。パイロット弁42a,42bは比例減圧弁であり、レバー操作によってプッシャ43が押下されると、パイロットポンプ45を発生源として押下量(レバー操作量)に対応する大きさの操作信号(パイロット圧)Sa,Sbを出力する機能を持つ。
パイロット弁42a,42bの出力は、ブーム21に対する圧油の流量及び方向を制御する方向流量制御弁46のそれぞれ入力ポート46a,46bに入力される。方向流量制御弁46には、Pポート、Tポート、Aポート、Bポートが備わっている。Pポート、Tポート、Aポート、Bポートは、それぞれ油圧ポンプ44、タンクT、ブームシリンダ31のボトム側油室、ロッド側油室に接続されている。ブームシリンダ31のボトム側油室の圧力は圧力センサP1で、ブームシリンダ31のロッド側油室の圧力は圧力センサP2で検出される。油圧ポンプ44及びパイロットポンプ4545は、原動機47で駆動される。本実施の形態において原動機47はエンジン(内燃機関)とする。
例えば、操作レバー41でブーム上げ動作を指示すると、操作量に応じた操作信号Saがパイロット弁42aから出力され、方向流量制御弁46の入力ポート46aに入力される。この間、反対側の操作信号Sbはタンク圧であり入力ポート46aの圧力は上がらないため、方向流量制御弁46のスプールがバネ(不図示)に抗して操作信号Saに応じた距離だけ図中の右側に移動する。これにより方向流量制御弁46のPポート及びAポートを介して油圧ポンプ44からの作動油がブームシリンダ31のボトム側油室に供給され、その結果ブームシリンダ31が伸びてブーム21が上がる。伸長動作に伴ってブームシリンダ31のロッド側油室から排出される作動油は、方向流量制御弁46のBポート及びTポートを経由してタンクTに戻る。同じ要領で、操作レバー41でブーム下げ動作を指示すると、ブームシリンダ31が収縮してブーム21が下がる。
なお、本実施形態では油圧信号を出力するパイロット操作式の操作レバーを例示しているが、電気信号を出力する電気レバー装置を適用することもできる。
3.コントローラ
図3はコントローラ100のブロック図である。コントローラ100は油圧ショベルに搭載された車載コンピュータであり、入力インターフェース101、ROM(例えばEPROM)102、RAM103、CPU104、タイマ105、及び出力インターフェース106が備わっている。このコントローラ100が本実施形態に係る警報制御装置を兼ねる。
入力インターフェース101には、状態量センサが電気的に接続しており、状態量センサの出力が入力される。状態量センサには、前述した角度センサA1~A3や圧力センサP1,P2の他、車載された各種センサ類が含まれ得る。例えば、対応するパイロット弁が出力する操作信号(パイロット圧)を検出する複数の圧力センサ(不図示)、エンジン回転数を検出する回転数センサ、作動油温度やエンジン冷却水温度を検出する温度センサ等がその他の状態量センサの例である。
ROM102は、警報制御に必要な演算式やプログラム、データを格納した記憶装置である。例えば後述する準指定領域の判定用の設定距離R(図11)や動作特徴データベース3(図4)も、このROM102に格納されている。CPU104は、ROM102からロードしたプログラムに従って、入力インターフェース101を介して入力された各信号に基づいて所定の処理を実行する処理装置である。RAM103は、演算途中の数値等を一時的に記憶する記憶装置である。このRAM103には、例えば、警報制御の過程で演算される距離データ等が記録される。
出力インターフェース106には、報知装置6等の信号の出力対象機器が電気的に接続している。報知装置6は運転室14の内部に設けられてオペレータに対して状況を報知する装置であり、音声出力装置(図16)及び表示出力装置(図16)を含んで構成されている。音声出力装置はスピーカ、ブザー等であり、出力インターフェース106を介してコントローラ100から出力される指令信号に応じ、音声(メッセージの読み上げや警報音等)でオペレータに状況を報知する。表示出力装置はモニタ、ランプ等であり、出力インターフェース106を介してコントローラ100から出力される指令信号に応じ、表示(メッセージ表示やランプの点灯や点滅等)でオペレータに状況を報知する。
4.警報制御装置
図4は本発明の第1実施形態に係る警報制御装置の機能ブロック図である。同図に示した警報制御装置2は、複数の状態量センサ1の出力に応じて報知装置6に指令し、油圧ショベルを操作するオペレータへの警報を制御する。前述した通り油圧ショベルには角度センサA1~A3や圧力センサP1,P2等といった複数の状態量センサが搭載されているが、図の簡単のため図4にはこれら複数の状態量センサをまとめて状態量センサ1として表してある。複数の状態量センサ1の各出力は、警報制御装置2に随時入力される。これにより、ブーム21、アーム22、バケット23の角度、ブームシリンダ31、アームシリンダ32、バケットシリンダ33の油室の圧力等の油圧ショベルの動作量や状態の時系列データが、警報制御装置2において動作状態の特徴ベクトルとして収集される。
図4に示す警報制御装置2は、記憶装置(本例ではROM102)と処理装置(本例ではCPU104)を含んで構成されている。ROM102には動作特徴データベース3が格納されている。CPU104は動作特徴データベース3を参照し複数の状態量センサ1の出力に基づいて所定のサイクルでオペレータへの警報について警報制御の処理を実行する。警報制御の処理として、CPU104は後述する動作状態判定4及び動作傾向判定5を実行し、油圧ショベルの動作状態や動作傾向に応じた報知動作を報知装置6に指令する。以下、動作特徴データベース3、動作状態判定4、動作傾向判定5について順番に説明する。
-動作特徴データベース-
動作特徴データベース3は、複数の状態量センサ1の出力をパラメータとする動作特徴量空間内で複数の状態量センサ1の出力で規定される特徴ベクトル(教示データ)についてまとめたものであり、特徴ベクトルは油圧ショベルの動作状態で分類されている。特徴ベクトルは、動作特徴量空間内の座標と同義である。動作特徴データベース3には、少なくとも警報対象に指定した指定動作状態について特徴ベクトルを含むデータセットが登録されている。「指定動作状態」は予め指定した特定の動作状態であり、典型的には所定の部位に過度な負荷が掛かり油圧ショベルにとって好ましくない動作状態である。指定動作状態には1つの動作状態を任意に指定することもできるが、複数の動作状態を指定することもできる。例えば油圧ショベルは掘削中に硬い土壌にバケット23が当たってブーム下げ動作の反作用でクローラ13の前部が地面から浮いた状態(以下、ジャッキアップ状態)に陥る場合があるが、このジャッキアップ状態を指定動作状態の一例として挙げることができる。ジャッキアップ状態では、ブームシリンダ31に強い引っ張り力が掛かるため同シリンダのボトム側油室の圧力が大きく下がる特徴がある。
動作特徴データベース3は、例えば学習により予め作成しておくことができる。動作特徴データベース3を作成するには、油圧ショベルが例えばジャッキアップ状態(特定の指定動作状態)に陥る操作を意図的に繰り返し、その動作中の各状態量センサ1の出力を収集してグルーピング処理する。そして、グルーピングされた特徴ベクトルのクラスタは、ジャッキアップ状態を表す教示データ群としてグループIDを与えられて動作特徴データベース3に登録される。特徴ベクトルのクラスタの中心値を演算し、この中心値の特徴ベクトルを対応する動作状態の特徴ベクトル(教示データ)として登録しても良い。グルーピング処理の手法としては、k-means等のクラスタリング手法が例示できる。但し、動作特徴データベース3の作成方法は学習によるものに限らず、実験やシミュレーションで指定動作状態の特徴ベクトルを得る方法も採用できる。
図5は動作特徴データベース3のデータセットの概要を表す模式図である。同図に示すように、動作特徴データベース3は、動作状態毎に特徴ベクトル(教示データ)が分類されている。「グループID」は識別すべき動作状態毎に与えられた識別子であり、同図では掘削動作中の動作状態にグループIDとして「1」を、ジャッキアップ状態の動作状態にグループIDとして「2」を与えた場合を例示している。「種類」は指定動作状態であるか否か等の動作状態の種類であり、同図では通常動作か指定動作状態の2クラス分類の例を示しているが、更に多数の分類をしても良い。「特徴ベクトル」は、各グループIDの動作状態に教示データとして紐付けされた特徴ベクトル(各状態量センサ1の出力)のデータ群(クラスタ)又はその中心値である。
-動作状態判定-
動作状態判定の処理について、まず概要を説明する。動作状態判定の処理ではまず、警報制御装置2は、動作特徴量空間において、各状態量センサ1の出力で規定される現在の動作状態を示す特徴ベクトルが、指定動作状態に紐付けされた指定領域(後述)に属するかをCPU104で判定する。つまり、油圧ショベルの現在の動作状態の種類(図5)が指定動作状態か否かが判定される。動作特徴量空間とは、前述した通り複数の状態量センサ1の各出力をパラメータとする特徴量空間(座標系)である。現在の特徴ベクトルが指定領域に属する場合、警報制御装置2は、CPU104により、油圧ショベルが現に指定動作状態(例えばジャッキアップ状態)にあることをオペレータに報知する第1報知動作(後述)の実行を報知装置6に指令する。現在の特徴ベクトルが指定領域に属さない場合、警報制御装置2は、CPU104により、現在の特徴ベクトルに基も近い指定動作状態を特定し、動作傾向判定5の処理に手順を移す。
図6は動作特徴量空間の領域区分の概念の説明図である。同図には、例えばブームシリンダ31のボトム側油室の圧力、旋回体12に対するブーム21の角度といった異なる2つの状態量A,Bを横軸及び縦軸にとった座標系が表してある。図の簡単のため同図には2次元の座標系を表しているが、特徴ベクトルを規定する値の数(状態量センサ1の数)をnとすれば、動作特徴量空間はn次元空間で定義される。図6の特徴量空間における領域αが指定動作状態を表す指定領域であるとする。指定領域αは、例えば図5のグループID=2のジャッキアップ状態の特徴ベクトルのクラスタ領域であるとする。この場合、状態量センサの出力(状態量A,Bの検出値)で規定される特徴ベクトル(座標)が指定領域αの値であれば、CPU104により油圧ショベルがジャッキアップ状態にあると判定される。
図7は警報制御装置2の処理装置が実行する動作状態判定の処理手順を表すフローチャートである。この図を用いて動作状態判定の処理の具体的処理内容を説明する。CPU104は、油圧ショベルの運転中(例えばコントローラ100に通電されている間)、所定の処理サイクルでプログラムに従って図7の手順を繰り返し実行する。所定の処理サイクルは、状態量センサ1の各出力が入力される都度(つまり状態量センサ1のサンプリング周期)、又は警報制御装置2に設定した設定周期(例えば0.1s)とすることができる。
ステップS11
CPU104は、図7の処理を開始するとまず、ステップS11においてROM102から動作特徴データベース3を読み込み、状態量センサ1から現在入力されている各状態量(現在の特徴ベクトル)を動作特徴量空間にマッピングする(図6のXマーク参照)。
ステップS12
ステップS12に手順を移すと、CPU104は、動作特徴量空間内においてステップS11でマッピングした現在の特徴ベクトルと最も近いグループIDを探索する。ここで探索されたグループIDに紐付けされた動作状態が、現在の特徴ベクトルが表す現在の動作状態として認識される。探索手法としては、例えば、動作特徴量空間において「特徴ベクトル」の欄(図5)に登録された中心値から現在の特徴ベクトルまでの距離が最短のグループIDを検索する手法を用いることができる。
ステップS13
ステップS13に手順を移すと、CPU104は、ステップS12で検索したグループIDに紐付けされた動作状態を動作特徴データベース3(図5)から特定し、動作状態の識別結果を生成する。動作状態の識別結果には、少なくとも現在の特徴ベクトルと、検索されたグループIDと、このグループIDに紐付けされた動作状態とを含める。
ステップS14
続くステップS14において、CPU104は、動作特徴量空間において、ステップS12で特定した現在の特徴ベクトルが指定動作状態の特徴量を表す指定領域(図6)に属するかを、動作特徴データベース3に基づいて判定する。このことは、動作状態の識別結果で現在の動作状態と組にされたグループIDに紐付けされた動作状態の種類(図5)が指定動作状態か否かを判定することと同義である。現在の動作状態が指定動作状態である場合、CPU104はステップS14からステップS15に手順を移し、指定動作状態ではない場合、CPU104はステップS14からステップS16に手順を移す。
ステップS15
ステップS14からステップS15に手順を移した場合、つまり油圧ショベルが現に指定動作状態にある場合、CPU104は、第1報知動作用のデータセットを報知装置6に出力し、ステップS11に手順を戻して次の処理サイクルを実行する。第1報知動作用のデータセットとは、第1報知動作(後述)を実行するための基礎データのセットである。ステップS15で報知装置6に出力される第1報知動作用のデータセットには、少なくとも図8に示すように「データ種類」、「グループID」、グループIDに紐付けされた「動作状態」を含める。データ種類はデータの用途を表す標識であり、ステップS15で出力されるデータセット(図8)では「第1報知動作用データセット」である。グループID及び動作状態について、図8では図5に示した「2」と「ジャッキアップ状態」をそれぞれ例示してある。
ステップS16
ステップS14からステップS16に手順を移した場合、つまり油圧ショベルが現在のところ指定動作状態にない場合、CPU104は、現在の特徴ベクトルに最も近い指定動作状態を探索する。探索手法としては、ステップS12と同様、例えば、動作特徴量空間において「特徴ベクトル」の欄に登録された中心値(又はクラスタ領域の外縁)から現在の特徴ベクトルまでの距離が最短の指定動作状態のグループIDを検索する手法を用いることができる。
ステップS17
続くステップS17に手順を移すと、CPU104は、判定用のデータセットを生成して記憶装置(例えばRAM103)に記録し、ステップS11に手順を戻して次の処理サイクルを実行する。判定用のデータセットとは、第2報知動作(後述)を実行するか、第2報知動作(後述)を実行するか、報知動作を実行しないかを判定するための基礎データのセットである。判定用のデータセットには、少なくとも図9に示すように「データ種類」、「グループID」、「動作状態」、「特徴ベクトル」、「最近傍の指定動作状態のグループID」、「最近傍の指定動作状態」、「最近傍の指定動作状態の特徴ベクトル」を含める。ステップS17で生成されるデータセットの「データ種類」は「判定用データセット」である。図9では、「グループID」が「1」、「動作状態」が「掘削動作中」、「最近傍の指定動作状態」が「ジャッキアップ状態」、「最近傍の指定動作状態のグループID」が「2」である例を示してある。
-動作傾向判定-
以上の動作状態判定の処理で現在のところ油圧ショベルは指定動作状態にはないと判定した場合、警報制御装置2は動作状態判定の処理に続いて動作傾向判定の処理を実行する。ここではまず、動作傾向判定の処理の概要を説明する。動作傾向判定の処理ではまず、警報制御装置2は、現在の特徴ベクトルが指定領域の外側で指定領域から設定距離R内の準指定領域に属するかをCPU104により判定する。設定距離Rは指定動作領域毎に異なる値を設定することもできるが、本実施形態では全ての指定動作状態で設定距離Rの値を共用している。「準指定領域」とは、特徴量空間内で指定領域(例えば図6の指定領域α)からは外れているが指定領域に近い領域、具体的には指定領域の外側で指定領域の中心値から(又は指定領域の外縁から)設定距離R以内の領域として定義される。現在の特徴ベクトルが準指定領域の値であれば、油圧ショベルは指定動作状態ではないものの指定動作状態に近い状態にあるとCPU104で判断される。現在の特徴ベクトルが準指定領域の値である場合、警報制御装置2は、1サイクル前(動作状態判定における1つ前のサイクル)の特徴ベクトルと比較して現在の特徴ベクトルが指定領域に接近しているかをCPU104により判定する。以上の判定の結果により、警報制御装置2は、報知装置6に対して異なる報知動作の実行を指令する。
まず、現在の特徴ベクトルが指定領域にも準指定領域にも属さない場合、つまり現在のところ指定動作状態でもそれに近い状態でもない場合、報知装置6に対する報知動作の指令は実行されない。
現在の特徴ベクトルが準指定領域に属する場合、警報制御装置2は、1サイクル前の特徴ベクトルに対して現在の特徴ベクトルが指定領域に近ければ、CPU104により、後述する第1報知動作とは報知形態の異なる第2報知動作の実行を報知装置6に指令する。つまり、特徴ベクトルが準指定領域内で指定領域に接近中で、傾向として指定動作状態に移行中の状況である。この場合に、第2報知動作として、油圧ショベルが指定動作状態近づいている(例えば掘削作業中にジャッキアップ状態に近づいている)旨がオペレータに警告的に報知される。
また、現在の特徴ベクトルが準指定領域に属する場合、警報制御装置2は、1サイクル前の特徴ベクトルに対して現在の特徴ベクトルが指定領域から遠ければ、CPU104により、第1報知動作及び第2報知動作とは報知形態の異なる第3報知動作の実行を報知装置6に指令する。つまり、現在の特徴ベクトルが準指定領域にあって指定動作状態に近い状態ではあるが、傾向として指定動作状態から遠ざかっている状況である。この場合に、第3報知動作として、油圧ショベルが指定動作状態に近い状態である旨がオペレータに注意喚起的に報知される。
図10は警報制御装置2の処理装置が実行する動作傾向判定の処理手順を表すフローチャートである。同図を用いて動作傾向判定の処理の具体的処理内容を説明する。CPU104は、油圧ショベルの運転中(例えばコントローラ100に通電されている間)、動作状態判定で現在のところ油圧ショベルが指定動作状態にないとの判定がされる度にプログラムに従って図10の手順を実行する。本実施形態では、図の繁雑化を防ぐために動作状態判定と動作傾向判定の各処理を図7及び図10に分けて表しているが、これらは一連の処理である。具体的には、動作状態判定で油圧ショベルが現に指定動作状態にあると判定された場合、前述した通り、警報制御装置2は第1報知動作を指令し、動作傾向判定の処理を実行することなく動作状態判定の次のサイクルに手順を移行する。それに対し、動作状態判定で油圧ショベルが指定動作状態にないと判定された場合、警報制御装置2は動作状態判定に続けて動作傾向判定の処理を実行し、動作傾向判定の処理の実行後に動作状態判定の次のサイクルに手順を移行する。
ステップS21
図10の処理に移行するとまず、ステップS21において、CPU104はステップS17で生成された判定用のデータセット(図9)を記憶装置(例えばRAM103)から読み込み、ステップS22に手順を移す。
ステップS22
続くステップS22において、CPU104はステップS21で読み込んだ判定用のデータセットを基に現在の特徴ベクトルが準指定領域にあるかを判定する。CPU104は、現在の特徴ベクトルが準指定領域にある場合はステップS22からステップS23に手順を移し、準指定領域にない場合は報知動作を指令することなく動作傾向判定の現在のサイクルを終えて次の判定用のデータセットの生成を待つ。このステップS22では、例えば判定用のデータセットの「最近傍の指定動作の特徴ベクトル」と現在の特徴ベクトルとの距離Dを演算し、図11に示すように距離Dが予め設定された設定距離R以下であれば現在の特徴ベクトルが準指定領域にあると判定される。演算された距離Dが設定距離Rよりも大きければ、現在の特徴ベクトルは指定領域からも準指定領域からも外れていることになる。油圧ショベルの動作中、距離Dは時間変化する。図11では時間と共に距離Dが減少する様子を例示しており、設定距離Rを超えて指定動作状態に近付くことで現在の特徴ベクトルが準指定領域に進入する。
ステップS23
ステップS23に手順を移した場合、CPU104は、ステップS21で読み込んだ判定用のデータセットに基づいて、現在の特徴ベクトルと最近傍の指定動作状態の特徴ベクトルとの距離D1を演算し、ステップS24に手順を移す。
ステップS24
ステップS24に手順を移したら、CPU104は、RAM103を参照し、1つ前のサイクルにおいてステップS23で演算されてステップS28で記録された距離D0があるかを判定する。なお、距離D0は、現在のサイクルの1つ前のサイクルにおける特徴ベクトルと最近傍の指定動作状態の特徴ベクトルとの距離である。CPU104は、1サイクル前の距離D0のデータがある場合はステップS24からステップS25に手順を移し、距離D0のデータがない場合はステップS24からステップS27に手順を移す。
ステップS25
ステップS25に手順を移した場合、CPU104は、D1<D0であるかを判定する。D1<D0の場合、図12に示すように現在の特徴ベクトルが1サイクル前の特徴ベクトルに対して指定動作状態に近付いており、指定動作状態に移行する傾向が伺える。この場合、CPU104はステップS25からステップS26に手順を移す。反対にD1≧D0の場合、現在の特徴ベクトルが1サイクル前の特徴ベクトルに対して指定動作状態から等距離か若しくは遠ざかっており、指定動作状態から遠ざかる傾向にある。この場合、CPU104はステップS25からステップS27に手順を移す。
ステップS26
ステップS24又はS25からステップS26に手順を移した場合、CPU104は、ステップS21で読み込んだ判定用のデータセットを基に、第2報知動作用のデータセットを生成する。第2報知動作用のデータセットとは、第2報知動作(後述)を実行するための基礎データのセットである。ステップS26で報知装置6に出力される第2報知動作用のデータセットには、少なくとも図13に示すように「データ種類」、「グループID」、「動作状態」、「最近傍の指定動作状態のグループID」、「最近傍の指定動作状態」を含める。図13では、データ種類が「第2報知動作用データセット」、グループIDが「1」、動作状態が「掘削動作中」、最近傍の指定動作状態が「ジャッキアップ状態」、最近傍の指定動作状態のグループIDが「2」である例を示してある。
ステップS27
一方、ステップS24又はS25からステップS27に手順を移した場合、CPU104は、ステップS21で読み込んだ判定用のデータセットを基に、第3報知動作用のデータセットを生成する。第3報知動作用のデータセットとは、第3報知動作(後述)を実行するための基礎データのセットである。ステップS27で報知装置6に出力される第3報知動作用のデータセットには、少なくとも図14に示すように「データ種類」、「グループID」、「動作状態」、「最近傍の指定動作状態のグループID」、「最近傍の指定動作状態」を含める。図14では、データ種類が「第3報知動作用データセット」、グループIDが「1」、動作状態が「掘削動作中」、最近傍の指定動作状態が「ジャッキアップ状態」、最近傍の指定動作状態のグループIDが「2」である例を示してある。
ステップS28
ステップS26又はS27の処理の実行後、CPU104は、ステップS28に手順を移し、ステップS23で演算した距離D1を記憶装置(例えばRAM103)に保存する。保存された距離D1は、現在のサイクルの1つ後のサイクルで特徴ベクトルが引き続き準指定領域にある場合にステップS24の処理で1サイクル前の距離D0として読み出される。なお、本ステップは、ステップS23の実行後、ステップS26又はS27の処理の実行前に実行されるようにしても良い。
ステップS29
続くステップS29に手順を移すと、CPU104は、ステップS26で生成した第2報知動作用のデータセット又はステップS27で生成した第3報知動作用のデータセットを報知装置6に出力する。第2報知動作用のデータセット又はステップS27で生成した第3報知動作用のデータセットを出力したら、CPU104は、動作傾向判定の現在のサイクルを終えて次の判定用のデータセットの生成を待つ。
5.報知装置
報知装置6は、警報制御装置2から報知動作用のデータセットを入力して報知出力をし、油圧ショベルの動作状態等の状況をオペレータに知らせる。報知装置6は、表示出力装置6a,6b(図16)、音声出力装置6c(同)、及びこれらを制御するコントローラ(不図示)を備えており、入力された報知動作用のデータセットに応じて異なる形態で報知動作を出力するように構成されている。報知装置のコントローラには、予めデータセットに応じた報知動作がプログラムされており、入力されたデータセットに応じて表示出力装置6a,6bや音声出力装置6cが動作する。報知装置6によるオペレータへの報知動作の形態には、第1報知動作、第2報知動作、第3報知動作の3種類があり、本実施形態では3種類の報知動作でオペレータへの報知形態が異なる。報知装置6による報知出力の実行手順を説明し、各報知動作の形態の例を後で紹介する。
-報知出力-
図15は報知装置による報知出力の実行手順を表すフローチャートである。同図の処理は、警報制御装置2から報知動作用のデータセットが入力される度に報知装置6で実行される。
ステップS31
図15の処理を開始すると、報知装置6は、まずステップS31で警報制御装置2から報知動作用のデータセットを入力する。
ステップS32
報知動作用のデータセットが入力されたら、報知装置6はステップS32に手順を移し、入力されたデータセットが第1報知動作用のデータセットであるかを判定する。報知装置6は、入力されたデータセットが第1報知動作用のデータセットであればステップS32からステップS34に手順を移し、第1報知動作用のデータセットでなければステップS32からステップS33に手順を移す。
ステップS33
ステップS33に手順を移した場合、報知装置6は、入力されたデータセットが第2報知動作用のデータセットであるかを判定する。報知装置6は、入力されたデータセットが第2報知動作用のデータセットであればステップS33からステップS35に手順を移し、第2報知動作用のデータセットでなければステップS33からステップS36に手順を移す。
ステップS34
判定の結果、入力されたデータセットが第1報知動作用であれば、報知装置6はステップS32からステップS34に手順を移し、第1報知動作用のデータセットに応じて第1報知動作を実行する。第1報知動作は、油圧ショベルが現に指定動作状態にあることをオペレータに警告的に知らせる動作であり、高い確実性でリアルタイムにオペレータが知覚できる形態であることが望ましい。第1報知動作を実行したら、報知装置6はステップS31に手順を戻して次の報知動作用のデータセットの入力を待つ。
ステップS35
入力されたデータセットが第2報知動作用であれば、報知装置6はステップS33からステップS35に手順を移し、第2報知動作用のデータセットに応じて第2報知動作を実行する。第2報知動作は、油圧ショベルが指定動作状態に近い状態にあって指定動作状態に移行しつつあることをオペレータに警告的に知らせる動作であり、やはり高い確実性でリアルタイムにオペレータが知覚できる形態であることが望ましい。第2報知動作を実行したら、報知装置6はステップS31に手順を戻して次の報知動作用のデータセットの入力を待つ。
ステップS36
入力されたデータセットが第3報知動作用であれば(ステップS33の判定が不満足であれば)、報知装置6はステップS33からステップS36に手順を移し、第3報知動作用のデータセットに応じて第3報知動作を実行する。第3報知動作は、油圧ショベルの動作状態が指定動作状態から遠ざかりつつあるものの指定動作状態に近い状態にあることをオペレータに注意喚起的に知らせる動作であり、操作の邪魔にならない範囲でオペレータが確認できる形態であることが望ましい。第3報知動作を実行したら、報知装置6はステップS31に手順を戻して次の報知動作用のデータセットの入力を待つ。
-第1報知動作-
図16は報知装置が実行する第1報知動作の一例の概念図である。同図は概念図であり報知装置6の外観を表すものではない。第1報知動作については、警報制御装置2により表示出力装置6a,6b及び音声出力装置6cの双方の実行が指令される。図16において、表示出力装置6aはLCD等のモニタであり、油圧ショベルの現在の動作状態を表すグラフィックやメッセージを表示することができる。同図では「ジャッキアップ状態」及び「フロント損傷可能性あり」というメッセージをモニタ表示し、油圧ショベルが現にジャッキアップ状態にあり、作業装置20の損傷に繋がる可能性がある旨をオペレータに知らせる例を示している。第1報知動作で知らせる事象は緊急性が高いため、視界の隅でも目に留まり易いように、例えば画面の背景色やメッセージの背景色を警告色にしたり画面表示を明滅させたりすることも考えられる。
また図16に示した表示出力装置6bはランプ等の表示灯であり、点灯、消灯、点滅等の動作が可能である。点灯色が変えられるランプを表示出力装置6bに採用することもできる。第1報知動作では、例えば表示出力装置6bを目立つように点灯又は点滅させる。目立つ点灯色を採用しても良い。
音声出力装置6cは例えばスピーカ又はブザーであり、警報音やメッセージを音声出力する。第1報知動作では、例えば「ジャッキアップ中」「フロント損傷可能性あり」といった状況や発生し得る不具合を知らせる音声を出力することが考えられる。
-第2報知動作-
図17は報知装置が実行する第2報知動作の一例の概念図である。図17において、図16と同様の要素には図16と同符号を付してある。第2報知動作についても、警報制御装置2により表示出力装置6a,6b及び音声出力装置6cの双方の実行が指令される。図17では「ジャッキアップに接近中」というメッセージをモニタ表示し、現在のところ油圧ショベルの動作状態はジャッキアップ状態ではないが、ジャッキアップ状態に近付いている旨をオペレータに知らせる例を示している。また「ジャッキアップに至りフロント損傷可能性あり」というメッセージをモニタ表示することで、作業装置20の損傷に繋がる可能性がある状態である旨をオペレータに知らせている。第2報知動作で知らせる事象も緊急性が高いため、表示出力装置6bを点灯させると共に、音声出力装置6cにより「ジャッキアップに接近中、フロント損傷可能性あり」といった音声が流れる。第1報知動作と同様に、表示出力装置6aの画面の背景色やメッセージの背景色を警告色にしたり画面表示を明滅させたりすることもできるし、表示出力装置6bの点灯パターンや点灯色に変化を付けることもできる。
-第3報知動作-
図18は報知装置が実行する第3報知動作の一例の概念図である。図18において、図16と同様の要素には図16と同符号を付してある。第3報知動作については、警報制御装置2により表示出力装置6a,6b及び音声出力装置6cのうち表示出力装置6a,6bの少なくとも一方のみの実行が指令される。図18では「ジャッキアップ注意」というメッセージをモニタ表示し、ジャッキアップ状態に近付く傾向はないが油圧ショベルの動作状態がジャッキアップ状態に近い旨をオペレータに知らせる例を示している。また「ジャッキアップに至りフロント損傷可能性あり」というメッセージをモニタ表示することで、作業装置20の損傷に繋がる可能性がある状態である旨をオペレータに知らせている。但し、第1報知動作や第2報知動作のように目立つ表示形態でなくて良い。第3報知動作で知らせる事象は通常動作状態への復帰が見込まれる事象であるため対応する必要が低く、事象の知覚又は確認をオペレータに無理強いする必要がない。そのため、オペレータの集中を妨げないように、第3報知動作は音声出力を伴わずに表示出力のみで実行する。第3報知動作時、表示出力装置6bが点灯するようにしても良いが、本実施形態では消灯状態となるようにしてある。
なお、報知動作の態様は表示出力又は音声出力に限られるものではなく、緊急性の順に応じ、例えば「故障リスク:3(高)」、「故障リスク:2(中)」、「故障リスク:1(低)」というように、報知装置6の任意の領域に数字で表示してもよい。ここでは故障リスクの程度を一例として1から3で示したが、3段階に限られるものではなく、故障リスクの程度は任意に設定され得るものであって5段階でも良い(少なくとも2段階あれば良い)。
さらに、報知出力先は報知装置6に限られるものではなく、予め登録した外部の端末等にメールを送信するような形態でも良い。また、外部の端末への報知を含める場合、例えば故障リスク3の場合のみ報知装置6と外部端末に通知し、故障リスク1の場合は報知装置6のみに通知する等、任意に設定できるようにすることができる。これにより、緊急性が高まったことを閲覧者に報知することができ、所定の動作の回数を低減するように注意喚起することができる。
また、報知の緊急性を概念図と対応付けても良い。その際、対象の部位が特定できるように概念図において丸等の図形で対象の部位を囲んで表示しても良い。この場合、例えば故障リスクの高い部位(故障リスク3の部位)のみを赤い丸で囲って明示したり、複数色で故障リスク毎に色分けして表示したりしても良い。こうすることで閲覧者は機械の概念図からどの部位の損傷度が高くなっているかを、直感的かつ視覚的に把握することができる。
6.効果
(1)本実施形態によれば、現在の動作状態が指定動作状態であれば第1報知動作、指定動作状態に至る傾向があれば第2報知動作、指定動作状態に近いが指定動作状態に至る傾向がなければ第3報知動作が実行される。このように動作状態のみならず動作傾向により警報の形態を変えことができるので、上記のように第3実施形態については音声を用いずに表示のみで報知することで、緊急性の低い事象を五月蝿くオペレータに知らせて操作の邪魔になることを抑制できる。その一方で、現に指定動作状態にある場合や指定動作状態に移行しつつある状態のように真に緊急性の高い事象については、表示出力と併せて音声出力を実行することで高い確実性でオペレータに状況を知らせることができる。また表示出力を合わせて行うことで、音声により緊急性を近くしたオペレータが表示確認のために作業を中断することで、早期に指定動作状態を脱することにもつながる。第1報知動作と第2報知動作が通知する事象は原則として早急に対処すべき事象であり、緊急性の低い事象(第3報知動作)と区別できるため、警報としての信頼性が向上しオペレータに軽視されることも抑制できる。このように、オペレータへの警報を適正化し、報知すべき情報をオペレータに伝えつつ必要以上の報知を抑えて作業効率を向上させることができる。
(2)操作自由度の低い機械、或いは汎用性の低い機械であれば、単純に特定の動作状態にならないようにプログラムしておけば、過酷な動作状態に陥ることを防止することは比較的容易である。それに対し、油圧ショベルは建設や解体等の様々な現場で汎用的に使用され、様々な用途に耐えるように高い操作自由度が与えられていることから、オペレータの操作によっては油圧ショベルにとって過酷な動作状態にも不測に陥り得る。そのため、過酷な指定動作状態をオペレータに伝えることが重要である一方で、必要以上の状況通知は過度な操作中断を招いて作業効率を低下させる。こうした特徴的事情から、油圧ショベルへの警報制御装置2の適用は特に有意義である。
(第2実施形態)
7.構成
図19は本発明の第2実施形態に係る警報制御装置の機能ブロック図である。図19は第1実施形態の図4に対応している。第1実施形態と同様の要素には図19において既出図面と同符号を付して説明を省略する。
第1実施形態では、動作傾向判定5で準指定領域を設定するために用いる設定距離Rに、全ての指定動作状態で共通の設定値を用いた。それに対し、本実施形態では、指定動作状態で油圧ショベルに与えられるダメージの評価値に基づき、準指定領域についての設定距離Rを警報制御装置2で演算し設定する点で第1実施形態と相違する。その他の点において本実施形態は第1実施形態と同様である。
同図に示した警報制御装置2’においては、動作特徴データベース3の他、ダメージデータベース3a及び設定距離データベース3bが例えばROM102(記憶装置)に格納されている。CPU104は、動作状態判定4及び動作傾向判定5の他、ダメージ程度設定7と設定距離演算8の処理の実行機能を持つ。但し、ダメージ程度設定7と設定距離演算8の処理は、動作状態判定4や動作傾向判定5のように油圧ショベルの運手中に実行される処理ではない。これらの処理は、油圧ショベルの出荷後に運転中に実行される動作状態判定4や動作傾向判定5の処理に先行して、動作傾向判定5に要する設定距離Rを予め設定する際に製造元の技術者やメンテナンス担当者等の操作に応じて実行される処理である。典型的な場面としては、例えば油圧ショベルの出荷前に設定距離Rを設定する際に実行される。以下、ダメージデータベース3a、ダメージ程度設定7、設定距離演算8、設定距離データベース3bについて順番に説明する。
-ダメージデータベース-
ダメージデータベース3aは、油圧ショベルが指定動作状態で受けるダメージの評価値を指定動作状態毎にまとめたものである。ダメージの評価値は、例えばシミュレーションにより油圧ショベルの各部(又は特定箇所)に作用する応力や圧力を指定動作状態毎に計算し、これらの計算結果から求めることができる。また、油圧ショベルの適宜の箇所に歪ゲージや圧力計を設置し、試験時(例えば動作特徴データベース3を作成するためのデータ収集時)に計測される応力や圧力からダメージの評価値を求めることもできる。
-ダメージ程度設定-
ダメージ程度設定7は、各指定動作状態で油圧ショベルに与えられるダメージの程度をダメージデータベース3aに登録された各指定動作状態のダメージの評価値に応じて異なる区分に設定する処理である。ダメージの程度を2区分に分ける場合、第1の指定動作状態(例えばジャッキアップ状態)についてはダメージの程度を“ダメージ大”、第2の指定動作状態についてはダメージの程度を“ダメージ小”…というように設定する例が挙げられる。
-設定距離演算-
設定距離演算8は、ダメージ程度設定7で設定されたダメージの程度に応じて指定動作状態毎に異なる設定距離Rを演算し設定する処理である。例えばダメージの程度の設定が大きな指定動作状態については、ダメージ程度の設定が小さな指定動作状態に比べて、準指定領域を判定するための設定距離Rが大きく設定される。
-設定距離データベース-
設定距離データベース3bは、設定距離演算8で演算し設定した指定動作状態毎の設定距離Rをまとめたものである。設定距離データベース3bには、例えば、図20に示すように、「指定動作状態のグループID」、「ダメージ程度」、「設定距離」のデータセットが指定動作状態毎に登録される。図20では、グループID=2の指定動作状態についてダメージ程度が「ダメージ大」、設定距離が「R1」と設定され、グループID=5の指定動作状態についてダメージ程度が「ダメージ小」、設定距離が「R2」と設定された例を示してある。グループID=2の指定動作状態とグループID=5の指定動作状態との比較では、グループID=2の指定動作状態の方がダメージの程度が大きいためR1>R2となる。本実施形態において、動作傾向判定5のステップS22(図10)で用いられる設定距離Rは、この設定距離データベース3bから読み込まれる。
8.効果
本実施形態においても、動作状態判定4と動作傾向判定5の実行により第1実施形態と同様の効果が得られる。これに加え、本実施形態では、動作傾向判定5で使用する設定距離Rが指定動作状態により異なり、例えばダメージ程度の大きな指定動作領域については設定距離Rが大きく設定される。これにより、ダメージ程度の大きい指定動作状態について、範囲の大きな準指定領域が設定され、指定動作に移行する傾向をより早期にオペレータに知らせることができる。よって油圧ショベルの動作状態がダメージの大きな指定動作状態に陥ることを特に効果的に抑制できる。油圧ショベルが受けたダメージを評価することもできる。
(第3実施形態)
9.警報管理システム
図21は本発に係る警報管理システムの一例の機能ブロック図である。図21は第1実施形態の図4に対応している。第1実施形態と同様の要素には図21において既出図面と同符号を付して説明を省略する。
本実施形態が第1実施形態と相違する点は、オペレータの操作を評価する機能が付加されている点である。その他の点について、本実施形態は第1実施形態と同様であるため説明を省略する。なお、本実施形態を第2実施形態に組み合わせること、つまり以下に説明する構成を第2実施形態に適用することも当然に可能である。
図21に示した警報管理システムは、対象機械である油圧ショベル又はそのオペレータの操作技能を評価し管理するシステムであり、油圧ショベルに搭載された警報制御装置2の他、サーバ200を含んで構成されている。本実施形態において、油圧ショベルには通信装置9が備わっており、無線通信回線を介し(必要に応じて中継器を介し)油圧ショベルとサーバ200との間でデータが授受されるように構成されている。また、オペレータを識別する必要がある場合には、オペレータを認識する認識装置1Aを油圧ショベル(例えば運転室14)に搭載する。認識装置1Aの種類は限定されないが、例えばオペレータ毎にIDカードを用意した場合にはIDカードリーダを認識装置1Aとして採用することができる。またオペレータ毎に与えられたIDを入力する場合には入力装置を認識装置1Aとして採用することもできる。認識装置1Aで認識されたオペレータのIDは、前述した第1報知動作用、第2報知動作用、第3報知動作用のデータセットに付加される。
10.サーバ
サーバ200は所定場所に設置されたコンピュータであり、通信装置201、演算装置202、メモリ203を含んで構成されている。このサーバ200は、現場で稼働する複数の油圧ショベル(又はダンプトラック等の油圧ショベル以外の機械)との間でデータ(第1~第3報知動作のデータセット等)の授受をすることができる。サーバ200が管理する油圧ショベル等の対象機械が複数ある場合、機械の個体を識別するために、警報制御装置2からサーバ200に送信される第1~第3報知動作のデータセットに機械の個体IDを含めるようにする。サーバ200の設置場所は、例えば警報制御装置2を搭載した油圧ショベルの稼働現場の管理事務所である。但し、サーバ200の設置場所は限定されず、例えば管理事務所の通信端末(不図示)を中継しインターネット回線を通じて接続された管理センタにサーバ200を設置することもできる。この場合、複数の現場の各機械又は各オペレータのデータを一元管理することができる。以下に、通信装置201、演算装置202、メモリ203について順番に説明する。
-通信装置-
通信装置201は各油圧ショベルに備わった通信装置9との間でデータを授受する装置である。各油圧ショベルの警報制御装置2は、第1報知動作用、第2報知動作用、第3報知動作用の各データセットを、生成する度に又は所定の時間間隔で通信装置9を介して送信する。サーバ200においては、各油圧ショベルの警報制御装置2から送信された各データセットが通信装置201により受信される。
-演算装置-
演算装置202は例えばサーバ200のCPUであり、プログラムに従って操作評価の処理を実行する。操作評価の処理は、設定期間(例えば1日)に第1報知動作が指令された回数、同期間に第2報知動作が指令された回数、及び同期間に第3報知動作が指令された回数を基に、油圧ショベルの操作について評価値を演算する処理である。操作評価の一例として、第1~第3報知動作について各々基準回数を予め設定しておき、第1~第3報知動作の設定時間当たりの各指令回数を対応する基準回数と比較し、少なくとも2段階にレベル分けすることが挙げられる。この場合、1日当たりの指令回数の月間平均値について第1報知動作が基準回数以上、又は第1報知動作が基準未満でも第2報知動作若しくは第3報知動作が基準回数以上であれば評価値を“要研修”、それ以外の場合に評価値を“優良”とする例が挙げられる。演算装置202で演算された評価値は、第1~第3報知動作のデータセットに付加された油圧ショベル等の機械の固定ID(オペレータのIDが付加されている場合は併せてオペレータのID)と共にメモリ203に出力される。
-メモリ-
メモリ203には評価データベースが格納されている。評価データベースは、演算装置202で演算された評価値を収集したものであり、油圧ショベル等の個体IDに、また第1~第3報知動作のデータセットにオペレータのIDが含まれている場合はオペレータのIDに、操作の評価値が紐付けされている。
11.効果
本実施形態においても、動作状態判定4と動作傾向判定5の実行により第1実施形態と同様の効果が得られる。これに加え、本実施形態では、オペレータの油圧ショベルの操作技能を評価することができる。これにより、評価結果に応じた措置、例えば評価技能が低い又は運転が荒いと思われるオペレータに油圧ショベルの技能講習の受講を勧告するといった措置をとることができ、現場の運営管理や油圧ショベル等の機械の保全に役立つ。また、油圧ショベルが受けたダメージの回数も把握でき、個体毎にダメージの蓄積状況を管理することもできる。
(変形例)
第1実施形態や第2実施形態において、動作特徴データベース3、ダメージデータベース3a、設定距離データベース3bをROM102に格納した構成を例示したが、これらデータベースを格納する記憶装置はROM102に限定されない。HDDやコントローラ100に接続した外付けの記憶装置、有線又は無線のネットワークを介してコントローラ100と通信可能なコンピュータ等に各データベースを格納する構成としても良い。この場合、これら記憶装置は警報制御装置2の構成要素となる。また、動作特徴データベース3、ダメージデータベース3a、設定距離データベース3bは同一の記憶装置に格納されている必要はなく、複数の記憶装置に分けて格納されていても良い。この場合、警報制御装置2を構成する記憶装置は複数になる。
また、第2実施形態においてダメージ程度設定7や設定距離演算8の処理を油圧ショベルのコントローラ100のCPU104で実行する構成を例示したが、ダメージ程度設定7や設定距離演算8の処理を実行する処理装置はCPU104に限定されない。ダメージ程度設定7及び設定距離演算8の少なくとも一方の処理については、コントローラ100と通信可能な車外のコンピュータで実行し、有線又は無線のネットワークを介して設定距離がコントローラ100に読み込まれる構成としても良い。
また、第1実施形態の冒頭でも述べたが、図21にダンプトラックや風力発電機のイラストを示したように、警報制御装置2やこれを含む警報管理システムは、油圧ショベル以外にもオペレータの操作技量が運用効率や保守に影響する種々の機械に有意義に適用できる。
2…警報制御装置、3…動作特徴データベース、3a…ダメージデータベース、3b…設定距離データベース、4…動作状態判定処理、5…動作傾向判定処理、6…報知装置、6a,6b…表示出力装置、6c…音声出力装置、7…ダメージ程度設定処理、8…設定距離演算処理、11…走行体、12…旋回体、21…ブーム、22…アーム、23…バケット、31…ブームシリンダ、32…アームシリンダ、33…バケットシリンダ、20…作業装置、102…ROM(記憶装置)、104…CPU(処理装置)、200…サーバ、202…演算装置、203…メモリ、A1~A3…角度センサ(状態量センサ)、P1,P2…圧力センサ(状態量センサ)、R,R1,R2…設定距離、α…指定領域

Claims (5)

  1. 動作中に変化する状態量を検出する複数の状態量センサと、オペレータに対して状況を報知する報知装置とを有する機械に設けられ、前記複数の状態量センサの出力に応じて前記報知装置に指令し、前記機械を操作するオペレータへの警報を制御する警報制御装置であって、
    前記複数の状態量センサの出力をパラメータとする動作特徴量空間内で前記複数の状態量センサの出力で規定される特徴ベクトルについて前記機械の動作状態で分類した動作特徴データベースを格納した記憶装置と、
    前記動作特徴データベースを参照し前記複数の状態量センサの出力に基づいて所定のサイクルで前記警報について処理を実行する処理装置を含んで構成され、
    前記処理装置は、
    前記動作特徴量空間において、前記複数の状態量センサの出力で規定される現在の特徴ベクトルが、指定動作状態に紐付けされた指定領域に属するか、前記指定領域の外側で前記指定領域から設定距離内の準指定領域に属するかを判定し、
    現在の特徴ベクトルが前記指定領域に属する場合、第1報知動作の実行を前記報知装置に指令し、
    現在の特徴ベクトルが前記準指定領域に属する場合、1サイクル前の特徴ベクトルに対して前記現在の特徴ベクトルが前記指定領域に近ければ、前記第1報知動作と報知形態の異なる第2報知動作の実行を前記報知装置に指令し、
    現在の特徴ベクトルが前記準指定領域に属する場合、前記1サイクル前の特徴ベクトルに対して前記現在の特徴ベクトルが前記指定領域から遠ければ、前記第1報知動作及び前記第2報知動作とは報知形態の異なる第3報知動作の実行を前記報知装置に指令する
    ことを特徴とする警報制御装置。
  2. 請求項1に記載の警報制御装置において、
    前記報知装置は、音声出力装置及び表示出力装置を含んでおり、
    前記処理装置は、前記第1報知動作及び前記第2報知動作については前記音声出力装置及び前記表示出力装置の双方に実行を指令し、前記第3報知動作については前記音声出力装置及び前記表示出力装置のうち前記表示出力装置のみに実行を指令する
    ことを特徴とする警報制御装置。
  3. 請求項1に記載の警報制御装置において、
    前記指定動作状態で前記機械に与えられるダメージの評価値に基づいて前記準指定領域についての前記設定距離を演算し設定する
    ことを特徴とする警報制御装置。
  4. 請求項1に記載の警報制御装置において、
    前記機械は、走行体と、前記走行体の上部に旋回可能に設けた旋回体と、前記旋回体に連結したブーム、前記ブームに連結したアーム、前記アームに連結したバケット、前記ブームを駆動するブームシリンダ、前記アームを駆動するアームシリンダ、及び前記バケットを駆動するバケットシリンダを有する作業装置とを備えた油圧ショベルであり、
    前記状態量センサには、前記旋回体に対する前記ブームの角度、前記ブームに対する前記アームの角度、前記アームに対する前記バケットの角度、前記ブームシリンダの油室の圧力、前記アームシリンダの油室の圧力、前記バケットシリンダの油室の圧力をそれぞれ検出する複数のセンサが含まれている
    ことを特徴とする警報制御装置。
  5. 請求項1に記載の警報制御装置と、
    前記警報制御装置との間でデータを授受するサーバとを含んで構成され、
    前記サーバは、
    設定期間に前記第1報知動作が指令された回数、前記設定期間に前記第2報知動作が指令された回数、及び前記設定期間に前記第3報知動作が指令された回数を基に、前記機械の操作について評価値を演算する演算装置と、
    前記演算装置で演算された前記評価値を収集した評価データベースを格納するメモリと
    を備えていることを特徴とする警報管理システム。
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