JP2022066064A - マルチコア光ファイバおよびマルチコア光ファイバケーブル - Google Patents

マルチコア光ファイバおよびマルチコア光ファイバケーブル Download PDF

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Abstract

【課題】十分な製造トレランスが担保され、量産性に優れ、かつ接続損失の劣化も抑制可能なMCF等を提供する。【解決手段】MCF100A,100B,100Cは、中心軸に沿って延びる4個のコア110a,110b、と、共通クラッド120と、を備える。断面上において、共通クラッドは円形の外周を有し、中心軸と交差するとともに4個のコアのいずれとも交差しない直線に対して4個のコアは線対称となる位置に配置され、4個のコアで定義されるコア配置は中心軸を回転中心とした1回の回転対称性を有する。【選択図】図2

Description

本開示は、マルチコア光ファイバ(以下、「MCF」と記す)およびマルチコア光ファイバケーブル(以下、「MCFケーブル」と記す)に関するものである。
非特許文献1には、正方配置された4個のコアと、125μmの外径を有するクラッドと、を備えたトレンチアシスト型4コアファイバが開示されている。トレンチの深さはおおよそ-0.7%以下である。波長1310nmにおけるモードフィールド径(以下、「MFD」と記す)は8.4μm以上8.6μmである。ケーブルカットオフ波長は1171nm以上1195nm以下である。零分散波長は1317nm以上1319nm以下であり、該零分散波長における波長分散スロープは0.090ps/(nm・km)以上0.091ps/(nm・km)以下である。波長1310nmにおける伝送損失は0.33dB/km以上0.35dB/km以下であり、波長1550nmにおける伝送損失は0.19dB/km以上0.21dB/km以下である。波長1625nmにおけるコア間におけるクロストーク(以下、「XT」と記す)は-43dB/kmである。
非特許文献2には、正方配置された4個のコアと、125μmの外径を有するクラッドと、を備えたトレンチ無し4コアファイバが開示されている。波長1310nmにおけるMFDは8.6μm以上8.8μm以下であり、波長1550nmにおけるMFDは9.6μm以上9.8μm以下である。ケーブルカットオフ波長は1234nm以上1244nm以下である。零分散波長は1318nm以上1322nm以下であり、該零分散波長での波長分散スロープは0.088ps/(nm・km)以上0.089ps/(nm・km)以下である。波長1310nmにおける伝送損失は0.328dB/km以上0.330dB/km以下であり、波長1550nmにおける伝送損失は0.188dB/km以上0.193dB/km以下であり、波長1625nmにおける伝送損失は0.233dB/km以上0.245dB/km以下である。Oバンド(1260nm以上1360nm以下)におけるコア間のXTは-56dB/km以下であり、Cバンド(1530nm以上1565nm以下)におけるコア間のXTは-30dB/km以下である。なお、非特許文献2のTable.1の値から計算されたMFD/λccは6.97以上7.08以下とばらつきが極めて小さい。
非特許文献3には、1×4配置(1列に4個のコアが配置されたコア配列)の4コアファイバが開示されている。コアの比屈折率差Δは0.34%であり、コアの外径は8.4μmであり、コアピッチ(中心間距離)は50μm以上であり、クラッドの外径はFig.3からの推定では200μm以上である。
米国特許9,933,331号明細書
Takashi Matsui, et al.,"Design of 125 μmcladding multi-core fiber with full-band compatibility to conventionalsingle-mode fiber," Eur. Conf. Opt. Commun. (ECOC) 2015, インターネット<URL:https://doi.org/10.1109/ECOC.2015.7341966>. T. Matsui et al., "Step-index profile multi-core fibre with standard125-μm cladding to full-band application," in Eur. Conf. Opt. Commun. (ECOC)(2019), インターネット<URL:https://doi.org/10.1049/cp.2019.0751>. Ming-Jun Li, et al., "Multicore Fiber for Optical InterconnectApplications," OECC2012 Technical Design, 5E4-2 (July 2012). R. J. Black and C. Pask, J. Opt. Soc. Am. A, JOSAA 1(11), p.1129-1131,1984. T. Matsui et al., in Eur. Conf. Opt. Commun. (ECOC2017), p. W.1.B.2.
発明者は、上述の従来技術について検討した結果、以下のような課題を発見した。すなわち、上記非特許文献1から上記非特許文献3に記載されたMCFでは、コア配置がクラッド中心を軸に2回以上の回転対称性を有する。そのため、係るMCFではマーカーなしにはコアの識別ができなかった。
より具体的には、上記非特許文献1のMCFは、量産性が汎用のシングルモード光ファイバ(以下、「SMF」と記す)に比べて著しく悪く、製造コストが高い。これは、XTの低減、コア数増大、クラッド外径の縮小、および各コアにおけるMFDの拡大を同時に実現するために、コアの周囲にクラッドとの比屈折率差の大きい低屈折率のトレンチ層を設ける必要があるためである。
また、上記非特許文献2および上記非特許文献3のMCFでは、製造トレランスが狭く、結果、製造コストが高くなる。比較的短距離であれば1260nmから1625nmまで使用可能なMCFが提案されているが、このMCFには非常に精度よく屈折率プロファイルを制御しなければ実現できない設計範囲の光学特性が要求されるため、汎用SMF同等の製造トレランスでは実現できない。
さらに、上記非特許文献3にはトレンチの有無が明記されていないが、開示内容(V値の定義およびV値の範囲)から事実上トレンチ型は含まれないと判断できる。短距離であってもOバンド以外の伝送特性も良くしようとした結果、製造トレランスが狭くなってしまっている。
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、十分な製造トレランスが担保され、量産性に優れ、かつ接続損失の劣化も抑制可能な短距離伝送用MCFを提供することを目的としている。
上述の課題を解決するため、本開示のMCF(マルチコア光ファイバ)は、中心軸に沿ってそれぞれ延びる4個のコアと、該4個のコアそれぞれを覆う共通クラッドと、を備える。特に、中心軸に直交する当該MCFの断面上において、共通クラッドは、円形の外周を有する。断面上において中心軸と交差するとともに4個のコアのいずれとも交差しない直線に対して、4個のコアは線対称となる位置に配置されている。また、断面上において、4個のコアで定義されるコア配置は、いかなる点を回転の中心としても、1回を超える回転対称性を有さない。
本開示のMCFによれば、十分な製造トレランスが担保され、量産性に優れ、かつ接続損失の劣化も抑制され得る。
本開示のMCFケーブル(本開示のMCFを含む)の種々の構造を示す図である。 本開示のMCFにおける種々のコア配置を示す図である。 本明細書で使用される主な用語を説明するための図である。 本開示のMCFに適用可能な各コア周辺の屈折率プロファイルを示す図である。 4個のコアが正方格子を構成するよう配置されたMCF(以下、「4コアMCF」と記す)において、10km伝搬後(ファイバ長10km相当)の波長1360nmでの対向伝搬XTが-20dB(=-20dB/10km)となるときの隣接コア間の中心間隔ΛとMFD/λccの関係を示すグラフである。 波長1550nmと波長1360nmの双方において、4コアMCFの10km伝搬後(ファイバ長10km相当)における対向伝搬XTが-20dBとなるときと、4コアMCFの10km伝搬後(ファイバ長10km相当)における並行伝搬XTが-20dBとなるときの隣接コア間の中心間隔ΛとMFD/λccの関係を示すグラフである。 波長1550nmと波長1360nmの双方において、4コアMCFの10km伝搬後(ファイバ長10km相当)における対向伝搬XTが-40dBとなるときと、4コアMCFの10km伝搬後(ファイバ長10km相当)における並行伝搬XTが-40dBとなるときの隣接コア間の中心間隔ΛとMFD/λccの関係を示すグラフである。 4コアMCFにおいて、波長1360nmでの被覆への漏洩損失が0.01dB/kmとなるときのdcoatとMFD/λccの関係を示すグラフである。 4コアMCFにおいて、波長1360nmでの被覆への漏洩損失が0.01dB/kmとなるときのdcoatに1μmのマージンを加え、また、10km伝搬後(ファイバ長10km相当)の波長1360nmでの対向伝搬XTが-20dB(=-20dB/10km)となるΛに1μmのマージンを加えた場合の、CDとMFD/λccの関係を示すグラフである。 波長1550nmと波長1360nmの双方において、4コアMCFの10km伝搬後(ファイバ長10km相当)における対向伝搬XTが-20dB(=-20dB/10km)となり、10km伝搬後(ファイバ長10km相当)の並行伝搬XT(通常の同方向伝搬時のXT)が-20dB(=-20dB/10km)となる条件下において、被覆への漏洩損失が0.01dB/kmとなるときのdcoatに1μmのマージンを加えるとともにΛに1μmのマージンを加えた場合のCD(許容最小クラッド径)とMFD/λccの関係を示すグラフである。 波長1550nmと波長1360nmの双方において、4コアMCFの10km伝搬後(ファイバ長10km相当)における対向伝搬XTが-40dB(=-40dB/10km)となり、10km伝搬後(ファイバ長10km相当)の並行伝搬XTが-40dB(=-40dB/10km)となる条件化において、被覆への漏洩損失が0.01dB/kmとなるときのdcoatに1μmのマージンを加えるとともにΛに1μmのマージンを加えた場合のCD(許容最小クラッド径)とMFD/λccの関係を示すグラフである。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容をそれぞれ個別に列挙して説明する。
(1) 本開示のMCF(マルチコア光ファイバ)は、その一態様として、中心軸に沿ってそれぞれ延びる4個のコアと、該4個のコアそれぞれを覆う共通クラッドと、を備える。特に、中心軸に直交する当該MCFの断面上において、共通クラッドは、円形の外周を有する。断面上において中心軸と交差するとともに4個のコアのいずれとも交差しない直線に対して、4個のコアは線対称となる位置に配置されている。また、断面上において、4個のコアで定義されるコア配置は、いかなる点を回転の中心としても、1回を超える回転対称性を有さない。換言すれば、断面上において、4個のコアの中心の配置は、いかなる点を中心に回転させたとしても、360度回転させたときのみ自身と同じ配置となる。
なお、4個のコアそれぞれは、トレンチ構造を有してもよい。
上述のような構造を備えたMCFは、標準的な外径の共通クラッドと四角形のコア配置を有する4コアファイバで、十分な量産トレランスを担保した状態でOバンドにおいて望ましい光学特性を有するMCFが得られる。また、断面上において中心軸と交差するとともに4個のコアのいずれとも交差しない直線に対して、4個のコアは線対称となる位置に配置されている。コア配置には極性がない(MCF両端においてコア配置が同一となる)ため、MCFのどちらの端面においても同種のMCFへの接続が可能になる。コア配置には極性がない(MCF両端においてコア配置が同一となる)ため、MCFのどちらの端面においても同種のMCFへの接続が可能になる。また、対象の軸となる直線がいずれのコアとも交差しないことにより、MCF同士の接続に関しては伝送リンクにおいても極性を考慮する必要がなくなる。たとえば、偶数本の光ファイバリボンを実装した多芯コネクタを例にとると、左から半数の光ファイバを送信用光ファイバとし、右から半数の光ファイバを受信用光ファイバとすれば、両端で構成を変える必要がなく、極性の問題が生じない。しかし、たとえば、クラッド中心にコアの有るMCFの場合、クラッド中心のコアを片端で送信用にしたら、他端では受信用にする必要があり、極性を考慮した接続・リンク構成を行う必要がある(両端で異なる構成のファンイン・ファンアウトを用いたり、異なる構成の送受信器を用いる必要がある)。断面上において、4個のコアで定義されるコア配置は、いかなる点を回転の中心としても、1回を超える回転対称性を有さない。この場合、マーカーなしに接続時のコア識別および対照を行うことができる。
(2) 本開示の一態様として、断面上で定義される前記コア配置は、3つの辺それぞれが長さΛnominalを持つとともに1つの辺の長さが該Λnominalの1.2倍以上である三等辺台形(3-sides equal trapezoid)の4つの頂点にそれぞれ対応付けられ、かつ、そのコア中心が対応する前記頂点を中心とする半径1.0μmの領域内にそれぞれ配置された4個のコアにより構成されるのが好ましい。この場合、隣接関係にあるコア間のXTが所定の値以下に抑制できるとともに、当該MCFの端面上において2回以上の回転対称性を十分に失わせることができる。
(3) 本開示の一態様として、4個のコアの中心から共通クラッドの外周までの距離dcoatは、いずれも所定の公称値dcoat,nominalを基準とした±1μmの範囲に収まるのが好ましい。この場合、共通クラッドから被覆(共通クラッドの外周を取り囲む、樹脂等からなる被覆)への漏洩損失を所定の値以下に抑制できるとともに、当該MCFの端面上において2回以上の回転対称性を十分に失わせることができる。「漏洩損失」は、上記特許文献1に記載されている方法で求めることができ、その開示内容は、係る特許文献1の参照により本明細書に組み込まれる。
(4) 本開示の一態様として、共通クラッドの直径CDは、125μm以下の所定のクラッド直径公称値CDnominal[μm]に対して、CDnominal±1μmの範囲内に収まるのが好ましく、4個のコアそれぞれで波長1310nmにおけるMFD(モードフィールド径)と22m長のファイバで測定されたケーブルカットオフ波長λccは、以下の式(1):
Figure 2022066064000002

を満たすのが好ましい。また、4個のコアそれぞれでMFDは、8.6μm以上9.2μm以下の値を基準とした±0.4μmの範囲に収まり、4個のコアそれぞれで零分散波長は、1312nm以上1340nm以下の値を基準とした±12nmの範囲に収まり、4個のコアそれぞれで該零分散波長における分散スロープは、0.092ps/(nm・km)以下であり、かつ、4個のコアそれぞれでケーブルカットオフ波長λccは、1260nm以下であるのが好ましい。さらに、当該MCFは、第1条件および第2条件のいずれかを満たすのが好ましい。
なお、上記第1条件は、波長1360nmにおけるファイバ長10km相当での隣接関係にあるコア間のXTが-10dB以下で、かつ、4個のコアそれぞれにおいて、以下の式(2):
Figure 2022066064000003

の関係が満たされるとともに、4個のコアそれぞれにおいて、比MFD/λccと、隣接関係にあるコアとの中心間隔Λが、以下の式(3)から式(7)のうちいずれかの式:
Figure 2022066064000004

Figure 2022066064000005

Figure 2022066064000006

Figure 2022066064000007

Figure 2022066064000008

を満たすことにより定義される。
上記第2条件は、波長1360nmにおけるファイバ長10km相当での隣接関係にあるコア間のXTが-20dB以下で、かつ、4個のコアそれぞれにおいて、以下の式(8):
Figure 2022066064000009

の関係が満たされるとともに、4個のコアそれぞれにおいて、比MFD/λccと、隣接関係にあるコアとの中心間隔Λが、以下の式(9)から式(13)のうちいずれかの式:
Figure 2022066064000010

Figure 2022066064000011

Figure 2022066064000012

Figure 2022066064000013

Figure 2022066064000014

を満たすことにより定義される。
上述の構成および条件を満たすことにより、標準的な外径の共通クラッドを有する4コアファイバで、十分な量産トレランスを担保した状態でOバンドにおいて望ましい光学特性を有するMCFが得られ、波長1360nmでの最外周コアから被覆への漏洩損失が0.01dB/km以下に抑制され得る。上記第1条件を満たす場合、MFD/λccのトレランスも担保できる。また、量産時に高い歩留まりを維持しつつ、波長1360nm以下においてファイバ長10km相当での所定のコアへの対向伝搬XTの総量を-20dB以下に抑制できる。また、上記第2条件を満たす場合、長波長帯であるCバンド(1530nm以上1565nm以下)やLバンド(1565nm以上1625nm以下)における光学特性の劣化を許容することで、Oバンドに好ましい光学特性を有するMCFでの広いトレランスの実現が可能になる。MFD/λccのトレランスも担保できる。また、量産時に高い歩留まりを維持しつつ、波長1360nm以下においてファイバ長10km相当での所定のコアへの対向伝搬XTの総量を-40dB以下に抑制できる。
(5) 本開示の一態様として、共通クラッドを包囲する被覆をさらに備えてもよい。また、波長1550nmまたは波長1625nmにおいて4個のコアの少なくともいずれかから被覆への漏洩損失が0.05dB/km以上であるか、波長1550nmにおける伝送損失が0.25dB/km以上であるか、または、4個のコアの少なくともいずれかの波長1625nmにおける伝送損失が0.25dB/km以上であるのが好ましい。この場合、長波長帯であるCバンドやLバンドにおける光学特性の劣化を許容することで、Oバンドに好ましい光学特性を有するMCFでの広いトレランスの実現が可能になる。
(6) 本開示の一態様として、上記第1条件を満たすとともに波長1550nmにおいてファイバ長10km相当での隣接関係にあるコア間のXTが-10dB以上であるか、または、上記第2条件を満たすとともに波長1550nmにおいてファイバ長10km相当での隣接関係にあるコア間のXTが-20dB以上であるのが好ましい。この場合、長波長帯であるCバンドやLバンドにおける光学特性の劣化を許容することで、Oバンドに好ましい光学特性を有するMCFでの広いトレランスの実現が可能になる。
(7) 本開示のMCFケーブルは、上述のような構造のMCFを含む複数のMCFを有するのが好ましい。また、本開示の一態様として、上述のような構造のMCFを含む複数のMCFを間欠的に接着したMCFリボンを内蔵してもよい。本開示の一態様として、当該MCFケーブルは、MCFリボンを螺旋状に捩じられた状態で内蔵する。いずれの態様によっても、伝送容量の増大を可能にする。さらに、本開示の一態様として、ファイバ長手方向に沿った曲げ半径の平均が0.03m以上0.14m以下または0.14m以上0.3m以下のマルチコア光ファイバを含むのが好ましい。この場合、曲げ損失の増加に伴う光学特性の劣化が効果的に抑制され得る。
以上、この[本開示の実施形態の説明]の欄に列挙された各態様は、残りの全ての態様のそれぞれに対して、または、これら残りの態様の全ての組み合わせに対して適用可能である。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示に係るマルチコア光ファイバ(MCF)およびマルチコア光ファイバケーブル(MCFケーブル)の具体例を、以下に添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、これら例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図されている。また、図面の説明において同一の要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図1は、本開示のMCFケーブル(本開示のMCFを含む)の種々の構造を示す図である。
構造(A)を有するMCFケーブル1Aは、当該MCFケーブル1Aの長手方向に沿って延びるMCF収納空間を含む外被300と、複数のMCF100(本開示のMCF)と、を備える。外皮300は、MCF収納空間に沿って延びる2本の抗張力線(tension member)400A、400Bが埋め込まれている。MCF100それぞれは、その外周面が樹脂被覆により覆われたガラスファイバ200を含む。
一方、構造(B)を有するMCFケーブル1Bは、当該MCFケーブル1Bの長手方向に沿って延びるMCF収納空間を含む外皮500と、MCF収納空間を複数に分割するスロッテッドコア600と、複数のMCF100(本開示のMCF)と、を備える。外被500内には、MCF収納空間を複数に分割するスロッテッドコア600(slotted core)が収納されている。スロッテッドコア600は、当該MCFケーブル1Bの長手方向に沿って延びる抗張力線700が埋め込まれている。複数のMCF100は、スロッテッドコア600により分割されたいずれかの空間内に収納される。
図2は、本開示のMCFにおける種々のコア配置を示す図である。特に、図2上段には、4個のコアが三等辺台形を構成するよう配置された4コアMCF100A(本開示のMCF100)、図2の中段には、4個のコアがクラッド中心からずれた位置に設定された正方格子点に配置された4コアMCF100B(本開示のMCF100)、図2の下段には、中段のコア配置にさらにマーカーが設けられた4コアMCF100C(本開示のMCF100)の断面図が示されている。なお、図2の各図には、一例として、所定方向に光を伝搬する第1コア100aと、逆方向に光を伝搬する第2コア100bの組み合わせが示されている。
本開示のMCF100は、クラッド中心を対称軸として、4個のコアで構成されるコア配置が2回以上の回転対称性を持たないことが好ましい。この場合、マーカーなしでも接続時やMCF回転調心時におけるコア対照が可能になる。このとき,4個のコアの中心それぞれの配置がクラッド中心を通る直線を対称軸として線対称となるように配置されるのが好ましい。これにより、別のMCFを当該MCFに接続する際、当該MCFのどちらの端面であっても極性なしにコア同士を調心することが可能になる。
図2の上段に示された4コアMCF100Aは、ガラスファイバ200Aと、該ガラスファイバ200Aを覆う樹脂被覆130を備える。ガラスファイバ200Aは、4個のコア(この例では、第1コア100aと第2コア100bを含む)と、これら4個のコアを取り囲む共通クラッド120とを備える。4コアMCF100Aの断面上において、3辺が等しい長さΛnominalを持ち、残りの1辺の長さがΛnominalよりも十分長い三等辺台形の4つの頂点に4個のコアがそれぞれ割り当てられる(コア配置のパターン1)。この場合、クラッド中心(ファイバ軸AX1)を取り囲むように4個のコアが配置された状態になる。なお、第1コア100aおよび第2コア100bそれぞれの中心位置は、割り当てられた三等辺台形の頂点から1.0μm以内、好ましくは0.5μm以内、より好ましくは0.25μm以内に配置される。上記三等辺台形の残りの1辺の長さは、Λnominalの1.2倍以上であるのが好ましい。これにより、コア間XTを所定の値以下に抑えながら端面観察の際に2回以上の回転対称性を十分に失わせることができる。また、いずれのコアのdcoatも所定のdcoat,nominalから±1μmの範囲であることが好ましい。この場合、被覆への漏洩損失を所定の値以下に抑えながら端面観察時に2回以上の回転対称性を十分に失わせることができる。
なお、図2の上段に示された例では、コア以外にマーカーとなる構造を備えなくともよい。コア以外にマーカーとなる構造を備えると、その構造を実現するために製造性が劣化する(例えば,クラッド母材に孔をあけてコア母材を挿入する製法の場合、マーカー用にも孔をあけて屈折率がクラッドと異なるマーカーとなるマーカー母材を孔に挿入する必要がある)。コア以外にマーカーとなる構造を備えないことで、図2の上段に示された例は、MCFの製造性を向上させることを可能にする。
図2の中段に示された4コアMCF100Bは、ガラスファイバ200Bと、該ガラスファイバ200Bを覆う樹脂被覆130を備える。ガラスファイバ200Bは、4個のコア(この例では、第1コア100aと第2コア100bを含む)と、これら4個のコアを取り囲む共通クラッド120とを備える。4コアMCF100Bの断面上において、4個のコアは、所定の格子点間隔Λnominalを有するとともに隣接関係にある格子点対が4対ある正方格子の各格子点に割り当てられている。ただし、上記正方格子の中心はクラッド中心(ファイバ軸AX2に一致)からずれている(コア配置のパターン2)。4個のコアの中心位置それぞれは、上記正方格子の割り当てられた格子点から1.0μm以内、好ましくは0.5μm以内、より好ましくは0.25μm以内に配置される。これにより、4つの正方格子点をコア中心の設計位置とした場合に、コア配置の寸法トレランスを許容しつつコア配置のずれも抑えることが可能になる。また、上段に示された4コアMCF100Aのコア配置と比較して、4個のコアに加わる断面内の残留応力などの均一性が向上し、該4個のコアの光学特性も均一になることが期待できる。なお、中段の例では、近似的に4個のコアが正方格子状に配置され、隣接関係にあるコア間の中心間隔Λは、Λnominal±2.0μmの範囲、好ましくはΛnominal±1.0μmの範囲、より好ましくはΛnominal±0.5μmの範囲である。
図2の下段に示された4コアMCF100Cは、ガラスファイバ200Cと、該ガラスファイバ200Cを覆う樹脂被覆130を備える。ガラスファイバ200Cは、4個のコア(この例では、第1コア100aと第2コア100bを含む)と、これら4個のコアを取り囲む共通クラッド120とを備える。4コアMCF100Cの断面上において、4個のコアにより構成されるコア配置は中段に示された4コアMCF100Bのコア配置と同様に、正方格子の中心がクラッド中心(ファイバ軸AX3)からずれている。4コアMCF100Bと4コアMCF100Cは、マーカー610が設けられている点で異なる(コア配置のパターン3)。なお、マーカー610の屈折率は、共通クラッド120の屈折率と異なるのが好ましい。
図3は、本明細書で使用される主な用語(隣接関係、コア周辺の断面構造、並行伝搬と並行伝搬XT(クロストーク)、および対向伝搬XT(クロストーク))を説明するための図である。
(隣接関係)
本明細書において、コア間の隣接関係は、MCFの断面上に配置された4個のコアのうち1個の特定コアに着目したとき、該特定コアに対して最小中心間隔を持つコアおよび中心間隔と該最小中心間隔との差が2μm以下のコアを、該特定コアに対して隣接関係にあるコアと定義する。すなわち、図3に示されたように、コア111(110a)を特定コアに設定した場合、該コア111と隣接関係にあるコアは、コア112(110b)とコア113(110b)である。なお、図2のパターン2およびパターン3のコア配置の双方とも、正方格子を構成するようコアが配置されるため、図3に示されたように、コア112(110b)とコア113(110b)の間では、隣接関係は成立しない。ただし、コア114(110a)は、コア112(110b)とコア113(110b)の双方に対して隣接関係を有する。
(コア周辺の断面構造)
図2に示されたパターン1からパターン3のコア配置を有する本開示の4コアにおいて、各コア(第1コア110aまたは第2コア110b)周辺の断面構造は、第1コア110aまたは第2コア110bの外周を共通クラッド120が取り囲んでいる。共通クラッド120は、第1コア110aまたは第2コア110bに直接接触するよう設けられてもよいが、共通クラッド120と、第1コア110aまたは第2コア110bと、の間に光学クラッド121が設けられてもよい。また、光学クラッド121と共通クラッド120との間に小さな比屈折率差Δ3を有するトレンチ層122が設けられてもよい。なお、光学クラッド121は、各コアに対して用意され、共通クラッド120の屈折率に対して-0.1%以上0.1%以下の比屈折率差Δ2を有する。また、トレンチ層122が設けられる場合、該トレンチ層122は、共通クラッド120の屈折率に対して-2.0%以上-1.0%未満、-1.0%以上-0.7%未満、-0.7%以上-0.4%未満、または、-0.4%以上0%未満の比屈折率差Δ3を有するのが好ましい。
(並行伝搬および並行伝搬XT)
図3に示された例では、隣接関係が成立している3本のコア(いずれも同一方向に光を伝搬させる第1コア110a)が示されている。すなわち、左側コアと中央のコアとの間で隣接関係が成立するとともに、中央のコアと右側コアとの間で隣接関係が成立している。すなわち、隣接関係の成立したコアそれぞれが、同一方向に光を伝搬する状態を「並行伝搬」と記す。この場合、同一方向に光を伝搬させる隣接コア間(隣接関係にあるコア間)で通常のコア間XT(並行伝搬XT)が発生する。
(対向伝搬および対向伝搬XT)
一方、対向伝搬は、隣接関係が成立している2本のコアで互いに異なる方向に光を伝搬する。すなわち、図3の例では、左側のコアと中央のコアには隣接関係が成立しているが、左側のコアは、第1コア110aとして機能し、中央のコアは、第1コア110aとは異なる方向に光を伝搬させる第2コア110bとして機能する。これら左側コアと中央のコアとの間で発生する通常のXTは通信品質へ影響しにくい。同様に、中央のコアに対して隣接関係が成立している右側のコアは、第1コア110aとして機能し、これら右側のコアと中央のコアとの間で発生する通常のXTは通信品質へ影響しにくい。このように、隣接関係が成立しているコアそれぞれが異なる方向に光を伝搬する状態を「対向伝搬」と記す。ただし、左側のコアと右側のコア(いずれも第1コア110aとして機能する)との間では、中央のコア(第2コア110bとして機能する)を介してXTが通信品質に影響する。このように、隣接関係が成立しかつ逆方向へ光を伝搬するコアを介して、同一方向へ光を伝搬するコア間のXTを「対向伝搬XT」と記す。
なお、以下の説明では図3に示された「並行伝搬」および「対向伝搬」の例を参照ながら説明するが、ファイバ長L1での隣接関係が成立しているコア(以下、「隣接コア」と記す)間のXT(並行伝搬XT:XTco)をXTco(L1)とすると、XTをデシベル値で表す場合、以下の式(14):
Figure 2022066064000015

と表せ、距離10倍で10dB増える。
XTをデシベル値で表す場合、例えば、図3に示された対向伝搬の例において、中央のコアを介して右側のコアから左側のコアへのXT(対向伝搬XT:XTcounter)は、左側のコアと中央のコアとの間、および、中央のコアと右側のコアとの間の並行伝搬XT:XTcoを用いて、以下の式(15):
Figure 2022066064000016

と表すことができる。
ファイバ長L1での対向伝搬XTを、XTcounter(L1)とすると、XTをデシベル値で表す場合、ファイバ長L2での対向伝搬XTは、以下の式(16):
Figure 2022066064000017

と表せ、距離10倍で20dB増える。
所定のコアへの隣接コアからのXTcoの合計XTco,totは、所定のコアの隣接コアの数をNとすると、以下の式(17):
Figure 2022066064000018

となる。所定のコアの隣接コアに対して隣接関係にある特定コア(所定のコアとの間で隣接関係はない)から該所定のコアへのXTcounterの合計XTcounter,totは、該所定のコアに対する特定コアの数をMとすると、以下の式(18):
Figure 2022066064000019

となりそうだが、そうはならず、所定のコアの隣接コアnの隣接コア数(所定のコアを含む)をKnとすると、合計XTcounter,totは、以下の式(19):
Figure 2022066064000020

となることを発明者は発見した。このことから、4個のコアが正方格子上に配置されたコア配置(以下、「正方コア配置」と記す)を有する4コアMCFにおいて、いずれかのコアへのXTcounter,totは、以下の式(20):
Figure 2022066064000021

となる。したがって、隣接関係になるコア対が3対のみある4コアファイバ(4個のコアが一列に配置された1×4コア配置など)では、2つの隣接コアを持ついずれかのコアへのXTcounter,totは、以下の式(21):
Figure 2022066064000022

となる。
以上のことから、正方コア配置の4コアMCFにおいて10km伝搬後のXTcounter,tot[dB]を-20dB以下にするためには、ファイバ長L[km]換算での隣接コア間の並行伝搬XT(XTco)は、以下の式(22):
Figure 2022066064000023

であることが好ましい。いずれかのコアへの2個の隣接コアからの並行伝搬XTの和は、以下の式(23):
Figure 2022066064000024

となる。
正方コア配置の4コアMCFにおいて10km伝搬後のXTcounter,tot[dB]を-40dB以下にするには、ファイバ長L[km]換算での隣接コア間の並行伝搬XT(XTco)は、以下の式(24):
Figure 2022066064000025

であることが好ましい。いずれかのコアへの2個の隣接コアからの並行伝搬XTの和は、以下の式(25):
Figure 2022066064000026

であることが好ましい。
隣接関係にあるコア対が3対のみある4コアMCF(4個のコアが一列に配置された1×4コア配置など)において10km伝搬後のXTcounter,tot[dB]を-20dB以下にするには、ファイバ長L[km]換算での隣接コア間の並行伝搬XT(XTco)は、以下の式(26):
Figure 2022066064000027

であることが好ましい。2個の隣接コアを有するいずれかのコアへの該隣接コアからの並行伝搬XTの和は、以下の式(27):
Figure 2022066064000028

となる。
正方コア配置の4コアMCFで10km伝搬後のXTcounter,tot[dB]を-40dB以下にするためには、ファイバ長L[km]換算での隣接コア間の並行伝搬XT(XTco)は、以下の式(28):
Figure 2022066064000029

であることが好ましい。2個の隣接コアを有するいずれかのコアへの隣接コアからの並行伝搬XTの和は、以下の式(29):
Figure 2022066064000030

であることが好ましい。
続いて、本開示のMCFに適用可能なプロファイル構造について説明する。図4は、本開示のMCFに適用可能な各コア周辺の屈折率プロファイルを示す図である。なお、特別の断りがない場合、「比屈折率差Δ」は共通クラッドの屈折率に対する比屈折率差を意味するものとする(したがって、純シリカガラスの屈折率に対する比屈折率差ではい)。
本開示のMCFにおけるコア構造に関し、コアの屈折率プロファイルやそれに伴う光学特性については、用途に応じて適正な構造を選択することができ、例えば、図4に示されたパターン(A)からパターン(K)の屈折率プロファイルが適用可能である。なお、図4において、Δは、共通クラッドの屈折率を基準とした比屈折率差であり、rは、各コア中心からの動径(radius)であり、各コア中心・Δ=0%を原点Oとする局所座標系で示している。構造はコア間で一致していてもよく、また、異なっていてもよい。
図4に示されたパターン(A)はステップ型の屈折率プロファイル、パターン(B)はリング型の屈折率プロファイル、パターン(C)は2重ステップ型の屈折率プロファイル、パターン(D)はグレーデッド型の屈折率プロファイル、パターン(E)は裾だれ型の屈折率プロファイルであり、これらは、本開示のMCFにおけるコア構造に適用可能である。さらに、コアの周囲にDepressed型の屈折率プロファイルが設けられたパターン(F)およびパターン(H)、コアの周囲にRaised型の屈折率プロファイルが設けられたパターン(G)、パターン(I)およびパターン(J)、コアの周囲にMatched型の屈折率プロファイルが設けられたパターン(E)についても、コア構造に適用可能である。
パターン(A)のステップ型の屈折率プロファイル以外の屈折率プロファイルにはESI(Equivalent-step-index)近似を用いて,ステップ型で近似した場合のコア半径aやコアのΔ(Δ1)を求めることができる(上記非特許文献4)。
上記非特許文献4は、コアとクラッドの境界が明瞭な場合には容易に適用できるが、パターン(E)の裾だれ型の屈折率プロファイルのように,コアとクラッド(共通クラッド120または光学クラッド121)の境界が不明瞭な場合への適用は難しく、例えばパターン(E)におけるbをコアの半径と見做して上記非特許文献4の手法をそのまま適用するとESI近似が上手くいかない。このような場合、屈折率プロファイルの傾き(∂Δ/∂r)が最も絶対値の大きな負の値とるrにおけるΔの2/5のΔをとるrをコア半径aと見做し、上記非特許文献4を適用することが好ましい。このときクラッド(共通クラッド120または光学クラッド121)の屈折率はrが、以下の式(30)で示された、aからbまでの範囲のΔの単純平均:
Figure 2022066064000031

あるいは、以下の式(31)で示されたrによる重みづけ平均:
Figure 2022066064000032

で求めた値を用いて、上記非特許文献4に基づいた計算でaやΔ1(第1および第2コア110a、110bの最大比屈折率差)を求めることができる。Δ2(光学クラッド121の比屈折率差)は,-0.10%以上0.10%以下であることが好ましい。製造性が大幅に向上するからである。
光学クラッド121の周囲に該光学クラッド121および共通クラッド120よりも低い屈折率を有するトレンチ層122が設けられてもよい(図4のパターン(K))。ただし、共通クラッド120の屈折率を基準としたトレンチ層122の比屈折率差Δ3が-0.5%以下である場合、製造性が大きく劣化するため、Δ3≧-0.4%であることが好ましく、Δ3≧-0.3%であることがより好ましく、Δ3≧-0.2%であることがさらに好ましい。なお、製造性の観点からはトレンチ層がない方がより好ましい。一方、屈折率プロファイルにおいてトレンチ層122は深い方がコアへの光を閉じ込めを強くでき、コア間XTやコアから被覆への漏洩損失を抑制できて望ましい。Δ3が-0.7%以上-0.4%未満であることが好ましく、-1.0%以上-0.7%未満であることがより好ましく、-2.0%以上-1.0%未満であることがさらに好ましい。
コアおよびクラッド(光学クラッド121または共通クラッド120)の材料に関しては、シリカガラスを主成分とするガラス製であることが、低い伝送損失と高い機械信頼性を実現できるため好ましい。コアにはGeが添加されていることにより,コアとクラッドの屈折率差が生じていることが好ましい。または、クラッドにFを添加することにより、コアとクラッドの屈折率差が生じていることが好ましい。コアおよび光学クラッドに微量のFが添加されることにより、製造性良くDepressed型のプロファイルを実現できるため好ましい。コアやクラッドにClが添加されていてもよい。これによりOH基を抑制できるとともにOH基に起因した吸収損失を抑制することが可能になる。コアやクラッドに微量のPが含まれてもよい。これにより一部のガラス合成プロセスにおける製造性を高めることが可能になる。
図2に示された断面構造を有する本開示のMCFは、樹脂被覆130を有し、該樹脂被覆130直径は250±15μmであることが好ましい。これにより、既存のケーブル化設備などに大きな変更を加えることなく本開示のMCFのケーブル化が可能になる。
典型的な汎用SMFではクラッド直径の公称値CDnominalは125μmであり、被覆直径の公称値は245μm以上250μm以下程度であるが、ケーブル中での単位断面当たりの光ファイバ収容本数を高めることができることから、被覆直径は160μm以上230μm以下であるのが好ましい。
本開示のMCFは、上述のように4コアMCFである。コア数は偶数であり、かつ、2の累乗であることから、空間チャネル数として通信に用いることが好適である。
また、本開示のMCFにおいて、4つのコアの中心の配置(実質的にコア配置)は、クラッド中心を通る直線を対称軸として線対称になっているが、1回を超える回転対称性を持たないのが好ましい。これにより、マーカーなしでもファイバ接続時やMCF回転調心時のコア対照を行うことが可能になる。このとき、上述の4個のコアの中心がクラッド中心を通る直線を対称軸として線対称となるように配置されるのが好ましい。これにより、別のMCFに当該MCFを接続時に、当該MCFのどちらの端面であっても、極性なしに互いにコア同士を調心することが可能になる。
例えば図2の上段に示された例では、当該MCFも断面上において、3辺が等しい長さΛnominalを持ち、残りの1辺の長さがΛnominalよりも十分長い三等辺台形の4つの頂点にコアがそれぞれ配置されている。このとき、各コアの中心位置は、三等辺台形の対応する頂点から1.0μm以内、好ましくは0.5μm以内、より好ましくは0.25μm以内に配置されるのが好ましい。三等辺台形の上記残りの1辺の長さは、Λnominalの1.2倍以上であるのが好ましい。これにより、コア間のXTを所定の値以下に抑えながら、端面観察時において2回以上の回転対称性を十分に失わせることができる。
また、いずれのコアのdcoatも、所定の公称値dcoat,nominalから±1μmの範囲に収まることが好ましい。これにより、被覆への漏洩損失を所定の値以下に抑えながら、端面観察時において2回以上の回転対称性を十分に失わせることができる。
本開示のMCFは、コア以外にマーカーとなる構造を備えないのが好ましい。コア以外にマーカーとなる構造を備えることで、その構造を実現するために製造性が劣化するからである、例えば、クラッド母材に孔をあけてコア母材を挿入する製法の場合、マーカー用にも孔をあけて屈折率がクラッドと異なるマーカー母材(マーカーとなる母材)を孔に挿入する必要がある。逆に、コア以外にマーカーとなる構造を備えないことで、本開示のMCFの製造性を向上させることが可能になる。
また、本開示のMCFの中段に示されたように、4個のコアのうち隣接関係にあるコア対が4対あるコア配置、すなわち正方格子配置であってもよい。なお、この場合、クラッド中心を中心とした2回以上の回転対称性を十分に失わせるため、正方格子の中心位置はクラッド中心からずれている。4個つのコアの中心は、所定の格子点間隔Λnominalをもつ正方格子の4個の格子点から1.0μm以内、好ましくは0.5μm以内、より好ましくは0.25μm以内に配置される。これにより、正方格子の4個の格子点をコア中心の設計位置とした場合に、コア配置の寸法トレランスを許容しつつコア配置のずれも抑制することが可能になる。また、正方格子状の4コア配置は、図2の上段に示された三等辺台形のコア配置と比較して、4個のコアに加わる断面内の残留応力などが均一になり、該4個のコアの光学特性も均一になることから好ましい。なお、上述の構成は、近似的に4個つのコアが正方格子状に配置され、隣接コア間の中心間隔ΛがΛnominal±2.0μmの範囲、好ましくはΛnominal±1.0μmの範囲、より好ましくはΛnominal±0.5μmの範囲に収まると言い換えることもできる。
なお、本開示のMCFでは、図2の下段に示された例のように、マーカーが配置された構成も排除されない。以上の条件をまとめると、4個のコアのうち隣接コア関係にあるコア対が3対から4対あり、該4個のコアの中心位置は、クラッド中心を通りいずれのコアの中心も通らない直線を対称軸として線対称となるように配置され、さらに、隣接コア関係にあるコア対が3対のみのときは、クラッド中心を対称軸としたコアの中心の配置が2回以上の回転対称性を持たないのが好ましい。
また、本開示のMCFケーブルは、上述のような構造のMCFを含む複数のMCFを有するのが好ましい。一例として、当該MCFケーブルは、上述のような構造のMCFを含む複数のMCFを間欠的に接着したMCFリボンを内蔵してもよい。当該MCFケーブルは、MCFリボンを螺旋状に捩じられた状態で内蔵する。いずれの構成によっても、伝送容量の増大を可能にする。さらに、ファイバ長手方向に沿った曲げ半径の平均が0.03m以上0.14m以下または0.14m以上0.3m以下のマルチコア光ファイバを含むのが好ましい。この場合、曲げ損失の増加に伴う光学特性の劣化が効果的に抑制され得る。
本開示のMCFにおける各コアは、波長1310nmにおいて8.6μm以上9.2μm以下の値を基準として±0.4μmの範囲に収まるMFDを有するのが好ましい。この場合、ITU-T G.652に規定される汎用SMFのうち、特にMFDの公称値MFDnominalが小さく(MFDnominal ≒ 8.6μm、かつ、曲げ損失が抑制されたタイプの汎用SMF同士の接続損失と比較して、本開示のMCF同士の軸ずれに起因する接続損失(所定の軸ずれを与えた場合)を同等以下に抑えることが可能になる。
本開示のMCFにおける各コアは、波長1310nmにおいて8.6μm±0.4μmのMFDを有するのが好ましい。これにより、ITU-T G.652に規定される汎用SMFのうち、MFDの公称値が小さく、かつ、曲げ損失が抑制されたタイプの汎用SMFと本開示のMCFとの接続に関し、コア中心軸ずれ(軸ずれ)に起因する接続損失(所定の軸ずれを与えた場合)を同等にすることが可能になる。
本開示のMCFは、1300nm以上1324nm以下の零分散波長を有するのが好ましい。これにより、Oバンドでの伝送後の信号波形の歪みを汎用SMFと同程度に抑制することが可能になる。
本開示のMCFは、1312nm以上1340nmの所定の値を基準として±12nmの範囲に収まる零分散波長を有するのが好ましい。これにより、Oバンドでの伝送後の信号波形の歪みを汎用SMFよりも抑制することが可能になる(上記非特許文献5参照)。
本開示のMCFは、使用波長帯において、いずれかのコアへの隣接コアからのXTの総和が10km伝搬後でも-20dB以下であることが好ましい。隣接コア以外からのXTは十分低く無視できるので、これにより、コヒーレント検波を行う場合にも十分な信号対雑音比を実現できる。また、本開示のMCFは、使用波長帯において、いずれかのコアへの隣接コアからのXTの総和が10km伝搬後でも-40dB以下であることが好ましい。隣接コア以外からのXTは十分低く無視できるので、これにより、強度変調直接検波を行う場合にも十分な信号対雑音比を実現できる。本開示のMCFは、使用波長帯において、並行伝搬XTが10km伝搬後でも-10.0dB以下であることが好ましい。これにより、対向伝搬XTを10km伝搬後でも-20dB以下にすることができる。さらに、本開示のMCFは、使用波長帯において、並行伝搬XTが10km伝搬後でも-20.0dB以下であることが好ましい。これにより、対向伝搬XTを10km伝搬後でも-40dB以下にすることができる。
以下の説明では、図4のパターン(E)、パターン(H)およびパターン(J)の屈折率プロファイルのコア有するとともに、aが3μm以上5μm以下、Δ1-Δ2が0.3%以上0.6%以下、Δ2が-0.1%以上0.1%以下、b/aが2以上5以下であるMCFについての検討結果について示す。
所定の零分散波長とMFDを有するコアの構造は、有限要素法などを用いて基底モードの電界分布と実効屈折率の波長依存性を計算することにより、当業者に設計可能である。例えば、零分散波長λ[μm]となるaと(Δ1-Δ2)の関係は、3μm≦a≦5μm、0.3%≦(Δ1-Δ2)≦0.6%の範囲において、以下の式(32):
Figure 2022066064000033

となる。そのため、零分散波長λ[μm]がλ0nominal±12nmとなるためには、aと(Δ1-Δ2)の関係は、以下の式(33)および式(34):
Figure 2022066064000034

Figure 2022066064000035
の両式を満たすことが好ましい。
また、波長1310nmでのMFD[μm]に対するaと(Δ1-Δ2)の関係は、3μm≦a≦5μm、0.3%≦(Δ1-Δ2)≦0.6%の範囲において、以下の式(35):
Figure 2022066064000036

となる。そのため、MFD[μm]がMFDnominal±0.4μmとなるためには、aと(Δ1-Δ2)の関係は、以下の式(36)および式(37):
Figure 2022066064000037

Figure 2022066064000038

の両式を満たすことが好ましい。
b/aとΔ2は、λccが1260nm以下あるいは1360nm以下になり、かつ、零分散スロープが0.092ps/(nm・km)となるように設定されればよい。このためには、Δ2が-0.1%以上0.0%以下、b/aが2以上4以下の範囲であることが好ましい。
次に、隣接コア間の好ましい中心間隔Λについて説明する。図4は、正方コア配置の4コアMCFにおいて、10km伝搬後(ファイバ長10km相当)の波長1360nmでの対向伝搬XTが-20dB(=-20dB/10km)となるときの隣接コア間の中心間隔ΛとMFD/λccの関係を示すグラフである。ここで、ファイバ曲げ半径の平均値Rは0.14mであり、Rが0.14m以下であれば、より低いXTを実現することができる。なお、λccは、ITU-T G.650.1(03/2018)のFigure 12の構成(ケーブル化していないファイバ)で測定を行ったケーブルカットオフ波長のことである。
波長1360nmにおいて10km伝搬後の対向伝搬XTを-20dB(=-20dB/10km)以下にするためには、隣接コア同士の中心間隔ΛとMFD/λccが、少なくとも、以下の式(38)または式(39):
Figure 2022066064000039

Figure 2022066064000040

を満たし(図5中に示された下側の破線から上の領域)、さらに、以下の式(40)または式(41):
Figure 2022066064000041

Figure 2022066064000042

を満たすことが好ましい(図5中に示された上側の破線から上の領域)。
図6は、波長1550nmと波長1360nmの双方において、4コアMCFの10km伝搬後(ファイバ長10km相当)における対向伝搬XTが-20dBとなるときと、4コアMCFの10km伝搬後(ファイバ長10km相当)における並行伝搬XTが-20dBとなるときの隣接コア間の中心間隔ΛとMFD/λccの関係を示すグラフである。なお、図6において、記号「○」は、波長1550nmにおける並行伝搬XT、記号「●(図6では斜線表示)」は、波長1360nmにおける並行伝搬XT、記号「□」は、波長1550nmにおける対向伝搬XT、記号「■(図6では斜線表示)」は、波長1360nmにおける対向伝搬XTそれぞれについての上記関係を示す。
この図6には破線は示されていないが、上述の図5の場合と同様に、波長1360nmにおいて10km伝搬後の並行伝搬XTを-20dB以下にするためには、隣接コア同士の中心間隔ΛとMFD/λccが、少なくとも、以下の式(42)または式(43):
Figure 2022066064000043

Figure 2022066064000044

を満たし、さらには、以下の式(44)または式(45):
Figure 2022066064000045

Figure 2022066064000046

を満たすことが好ましい。
波長1550nmにおいて10km伝搬後の対向伝搬XTを-20dB以下にするためには、隣接コア同士の中心間隔ΛとMFD/λccが、少なくとも、以下の式(46)または式(47):
Figure 2022066064000047

Figure 2022066064000048

を満たし、さらには、以下の式(48)または式(49):
Figure 2022066064000049

Figure 2022066064000050

を満たすことが好ましい。
波長1550nmにおいて10km伝搬後の並行伝搬XTを-20dB以下にするためには、隣接コア同士の中心間隔ΛとMFD/λccが、少なくとも、以下の式(50)または式(51):
Figure 2022066064000051

Figure 2022066064000052

を満たし、さらには、以下の式(52)または式(53):
Figure 2022066064000053

Figure 2022066064000054

を満たすことが好ましい。
図7は、波長1550nmと波長1360nmの双方において、4コアMCFの10km伝搬後(ファイバ長10km相当)における対向伝搬XTが-40dBとなるときと、4コアMCFの10km伝搬後(ファイバ長10km相当)における並行伝搬XTが-40dBとなるときの隣接コア間の中心間隔ΛとMFD/λccの関係を示すグラフである。なお、図7において、記号「○」は、波長1550nmにおける並行伝搬XT、記号「●(図7では斜線表示)」は、波長1360nmにおける並行伝搬XT、記号「□」は、波長1550nmにおける対向伝搬XT、記号「■(図7では斜線表示)」は、波長1360nmにおける対向伝搬XTそれぞれについての上記関係を示す。
この図7にも破線は示されていないが、上述の図5の場合と同様に、波長1360nmにおいて10km伝搬後の対向伝搬XTを-40dB以下にするためには、隣接コア同士の中心間隔ΛとMFD/λccが、少なくとも、以下の式(54)または式(55):
Figure 2022066064000055

Figure 2022066064000056

を満たし、さらには、以下の式(56)または式(57):
Figure 2022066064000057

Figure 2022066064000058

を満たすことが好ましい。
波長1360nmにおける10km伝搬後の並行伝搬XTを-40dB以下にするためには、隣接コア同士の中心間隔ΛとMFD/λccが、少なくとも、以下の式(58)または式(59):
Figure 2022066064000059

Figure 2022066064000060

を満たし、さらには、以下の式(60)または式(61):
Figure 2022066064000061

Figure 2022066064000062

を満たすことが好ましい。
波長1550nmにおける10km伝搬後の対向伝搬XTを-40dB以下にするためには、隣接コア同士の中心間隔ΛとMFD/λccが、少なくとも、以下の式(62)または式(63):
Figure 2022066064000063

Figure 2022066064000064

を満たし、さらには、以下の式(64)または式(65):
Figure 2022066064000065

Figure 2022066064000066

を満たすことが好ましい。
波長1550nmにおいて10km伝搬後の並行伝搬XTを-40dB以下にするためには、隣接コア同士の中心間隔ΛとMFD/λccが、少なくとも、以下の式(66)または式(67):
Figure 2022066064000067

Figure 2022066064000068

を満たし、さらには、以下の式(68)または式(69):
Figure 2022066064000069

Figure 2022066064000070

を満たすことが好ましい。
各コアの位置が設計中心からばらつくことを許容するためには、上述の各式の範囲からΛのマージンを1μm取ることが好ましい。よって、波長1360nmにおける10km伝搬後の対向伝搬XTを-20dB以下とするためには、Λの公称値Λnominalが、少なくとも、以下の式(70):
Figure 2022066064000071

を満たすことが好ましく、以下の式(71):
Figure 2022066064000072

を満たすことがより好ましい。
波長1360nmにおける10km伝搬後の並行伝搬XTを-20dB以下にするためには、公称値Λnominalが、少なくとも、以下の式(72):
Figure 2022066064000073

を満たすことがこのましく、以下の式(73):
Figure 2022066064000074

を満たすことがより好ましい。
波長1550nmにおける10伝搬後の対向伝搬XTを-20dB以下にするためには、公称値Λnominalが、少なくとも、以下の式(74):
Figure 2022066064000075

を満たすことが好ましく、以下の式(75):
Figure 2022066064000076

を満たすことがより好ましい。
波長1550nmにおける10km伝搬後の並行伝搬XTを-20dB以下にするためには、公称値Λnominalが、少なくとも、以下の式(76):
Figure 2022066064000077

を満たすことが好ましく、以下の式(77):
Figure 2022066064000078

を満たすことがより好ましい。
波長1360nmにおける対向伝搬XTを-40dB以下にするためには、公称値Λnominalが、少なくとも、以下の式(78):
Figure 2022066064000079

を満たすことが好ましく、以下の式(79):
Figure 2022066064000080

を満たすことがより好ましい。
波長1360nmにおける10km伝搬後の並行伝搬XTを-40dB以下にするためには、公称値Λnominalが、少なくとも、以下の式(80):
Figure 2022066064000081

を満たすことが好ましく、以下の式(81):
Figure 2022066064000082

を満たすことがより好ましい。
波長1550nmにおける10km伝搬後の対向伝搬XTを-40dB以下にするためには、公称値Λnominalが、少なくとも、以下の式(82):
Figure 2022066064000083

を満たすことが好ましく、以下の式(83):
Figure 2022066064000084

を満たすことがより好ましい。
波長1550nmにおける10km伝搬後の並行伝搬XTを-40dB以下にするためには、公称値Λnominalが、少なくとも、以下の式(84):
Figure 2022066064000085

を満たすことが好ましく、以下の式(85):
Figure 2022066064000086

を満たすことがより好ましい。
上記Λnominalに対してΛは、以下の式(86):
Figure 2022066064000087

であることが好ましい。これは、各コアの位置が独立に設計中心から3σ=0.9μmのガウス分布を確率分布としてばらつく場合の近似と考えることができ、このとき、Λnominalを定義する上記式(70)から上記式(85)のいずれかの所定の式をΛが満たさなくなる確率は、1%以下に抑えられる。さらに、Λnominalに対してΛは、以下の式(87):
Figure 2022066064000088

を満たすことがこのましい。これは、各コアの位置が独立に設計中心から3σ=0.7μmのガウス分布を確率分布としてばらつく場合の近似と考えることができ、このとき、Λnominalを定義する上記式(70)から上記式(85)のいずれかの所定の式をΛが満たさなくなる確率は、0.1%以下に抑えられる。さらに、Λnominalに対してΛは、以下の式(88):
Figure 2022066064000089

を満たすことが好ましい。これは、各コアの位置が独立に設計中心から3σ=0.5μmのガウス分布を確率分布としてばらつく場合の近似と考えることができ、このとき、Λnominalを定義する上記式(70)から上記式(85)のいずれかの所定の式をΛが満たさなくなる確率は、0.001%以下に抑えられる。
次に、好ましいdcoat(樹脂被覆とクラッド界面からコア中心までの最短距離)について説明する。図8は、4コアMCFにおいて、波長1360nmでの被覆への漏洩損失が0.01dB/kmとなるときのdcoatとMFD/λccの関係を示すグラフである。
波長1360nmで樹脂被覆への漏洩損失を0.01dB/kmとするためには、dcoatとMFD/λccは、以下の式(89)または式(90):
Figure 2022066064000090
Figure 2022066064000091
を満たす(図8に示された下側の破線から上の領域)。さらに、dcoatとMFD/λccは、以下の式(91)または式(92):
Figure 2022066064000092
Figure 2022066064000093
を満たすことが好ましい(図8に示された上側の破線から上の領域)。
最外周コアのdcoat(すなわちdcoatの最小値)は、一般に外周クラッド厚(OCT)と呼ばれるが、本開示のdcoatは各コアについて規定できる値として定義される。
各コアの位置が設計中心からばらつき、かつ、クラッド直径が設計中心からばらつくことを許容するためには、dcoatは、上記式(89)から式(92)の範囲から少なくとも1μmのマージンを取ることが好ましい。よって、dcoatは、dcoatの公称値dcoat,nominalとすると、少なくとも以下の式(93):
Figure 2022066064000094
を満たす。さらに、クラッド直径の公称値CDnominalは、以下の式(94):
Figure 2022066064000095
を満たすよう設定されるのが好ましい。このとき、以下の式(95)および式(96):
Figure 2022066064000096
Figure 2022066064000097

の両式が満たされるのが好ましく、dcoatが式(89)または式(91)を満たさなくなる確率は、1%以下に抑えられる。さらに、以下の式(97)および式(98):
Figure 2022066064000098
Figure 2022066064000099
の両式が満たされるのが好ましい。このとき、dcoatが式(89)または式(91)を満たさなくなる確率は、0.1%以下に抑えられる。さらに、以下の式(99)および式(100):
Figure 2022066064000100
Figure 2022066064000101

の両式が満たされるのが好ましい。このとき、dcoatが式(89)または式(91)を満たさなくなる確率は、0.001%以下に抑えられる。
次に、許容できる最小CDnominalについて説明する。図9は、4コアMCFにおいて、波長1360nmでの被覆への漏洩損失が0.01dB/kmとなるときのdcoatに1μmのマージンを加え、また、10km伝搬後(ファイバ長10km相当)の波長1360nmでの対向伝搬XTが-20dB(=-20dB/10km)となるΛに1μmのマージンを加えた場合の、CDとMFD/λccの関係を示すグラフである。なお、図9において、MFD/λccを示す軸をxとしCDを示す軸をy軸とすると、上側の破線はy=8.95x+37.47(x=0.1117y-4.186)で表され、下側の破線はy=8.95x+31.13(x=0.1117y-3.478)で表される。
コア位置とクラッド径の寸法のトレランスを考慮した上で、波長1360nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の対向伝搬XTを-20dB以下にするためには、CDnominalとMFD/λccの関係が、以下の式(101)または式(102):
Figure 2022066064000102

Figure 2022066064000103

を満たし(図9中の下側の破線から上の領域)、さらには、以下の式(103)または式(104):
Figure 2022066064000104

Figure 2022066064000105

を満たすことが好ましい(図9中の上側の破線から上の領域)。
図10は、波長1550nmと波長1360nmの双方において、4コアMCFの10km伝搬後(ファイバ長10km相当)における対向伝搬XTが-20dB(=-20dB/10km)となり、10km伝搬後(ファイバ長10km相当)の並行伝搬XT(通常の同方向伝搬時のXT)が-20dB(=-20dB/10km)となる条件下において、被覆への漏洩損失が0.01dB/kmとなるときのdcoatに1μmのマージンを加えるとともにΛに1μmのマージンを加えた場合のCD(許容最小クラッド径)とMFD/λccの関係を示すグラフである。なお、図10において、記号「○」は、波長1550nmにおける並行伝搬XT、記号「●(図10では斜線表示)」は、波長1360nmにおける並行伝搬XT、記号「□」は、波長1550nmにおける対向伝搬XT、記号「■(図10では斜線表示)」は、波長1360nmにおける対向伝搬XTそれぞれについての上記関係を示す。
この図10には破線を記載していないが、図5等の場合と同様にして、正方コア配置の4コアMCFにおいて、コア位置とクラッド径の寸法のトレランスを考慮した上で、波長1360nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の並行伝搬XTを-20dB以下にするためには、CDnominalとMFD/λccの関係が、以下の式(105)または式(106):
Figure 2022066064000106

Figure 2022066064000107

を満たし、さらには、以下の式(107)または式(108):
Figure 2022066064000108

Figure 2022066064000109

を満たすことが好ましい。
波長1550nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の対向伝搬XTを-20dB以下にするためには、CDnominalとMFD/λccの関係が、以下の式(109)または式(110):
Figure 2022066064000110

Figure 2022066064000111

を満たし、さらには、以下の式(111)または式(112):
Figure 2022066064000112

Figure 2022066064000113

を満たすことが好ましい。
波長1550nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の並行伝搬XTを-20dB以下にするためには、CDnominalとMFD/λccの関係が、以下の式(113)または式(114):
Figure 2022066064000114

Figure 2022066064000115

を満たし、さらには、以下の式(115)または式(116):
Figure 2022066064000116

Figure 2022066064000117

を満たすことが好ましい。
正方コア配置の4コアファイバにおいて、コア位置とクラッド径の寸法のトレランスを考慮した上で、波長1360nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の対向伝搬XTを-20dB以下にするためには、CDnominalが125μm、120μm、115μm、110μm、105μm、100μm、95μm、90μm、85μm、80μmのとき、MFD/λccは、CDnominalの数値の列挙順に、10.49以下、9.93以下、9.37以下、8.81以下、8.25以下、7.69以下、7.14以下、6.58以下、6.02以下、5.46以下であることが好ましく、さらに、MFD/λccは、CDnominalの数値の列挙順に、9.78以下、9.22以下、8.66以下、8.10以下、7.54以下、6.99以下、6.43以下、5.87以下、5.31以下、4.75以下であることが好ましい。
波長1360nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の並行伝搬XTを-20dB以下にするためには、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、9.81以下、9.28以下、8.76以下、8.23以下、7.70以下、7.17以下、6.65以下、6.12以下、5.59以下、5.07以下であることが好ましく、さらに、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、9.15以下、8.62以下、8.10以下、7.57以下、7.04以下、6.52以下、5.99以下、5.46以下、4.94以下、4.41以下であることが好ましい。
波長1550nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の対向伝搬XTを-20dB以下にするためには、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、8.02以下、7.62以下、7.22以下、6.82以下、6.42以下、6.03以下、5.63以下、5.23以下、4.83以下、4.43以下であることが好ましく、さらに、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、7.26以下、6.86以下、6.47以下、6.07以下、5.67以下、5.27以下、4.87以下、4.48以下、4.08以下、3.68以下であることが好ましい。
波長1550nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の並行伝搬XTを-20dB以下にするためには、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、7.55以下、7.18以下、6.80以下、6.42以下、6.05以下、5.67以下、5.30以下、4.92以下、4.55以下、4.17以下であることが好ましく、さらに、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、6.82以下、6.45以下、6.07以下、5.69以下、5.32以下、4.94以下、4.57以下、4.19以下、3.82以下、3.44以下であることが好ましい。
図11は、波長1550nmと波長1360nmの双方において、4コアMCFの10km伝搬後(ファイバ長10km相当)における対向伝搬XTが-40dB(=-40dB/10km)となり、10km伝搬後(ファイバ長10km相当)の並行伝搬XTが-40dB(=-40dB/10km)となる条件化において、被覆への漏洩損失が0.01dB/kmとなるときのdcoatに1μmのマージンを加えるとともにΛに1μmのマージンを加えた場合のCD(許容最小クラッド径)とMFD/λccの関係を示すグラフである。
なお、図11において、記号「○」は、波長1550nmにおける並行伝搬XT、記号「●(図11では斜線表示)」は、波長1360nmにおける並行伝搬XT、記号「□」は、波長1550nmにおける対向伝搬XT、記号「■(図11では斜線表示)」は、波長1360nmにおける対向伝搬XTそれぞれについての上記関係を示す。
この図11には破線を記載していないが、図5等の場合と同様にして、コア位置とクラッド径の寸法のトレランスを考慮した上で、波長1360nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の対向伝搬XTを-40dB以下にするためには、CDnominalとMFD/λccの関係が、以下の式(117)または式(118):
Figure 2022066064000118

Figure 2022066064000119

を満たし、さらには、以下の式(119)または式(120):
Figure 2022066064000120

Figure 2022066064000121

を満たすことがこのましい。
波長1360nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の並行伝搬XTを-40dB以下にするためには、CDnominalとMFD/λccの関係が、以下の式(121)または式(122):
Figure 2022066064000122

Figure 2022066064000123

を満たし、さらには、以下の式(123)または式(124):
Figure 2022066064000124

Figure 2022066064000125

を満たすことがこのましい。
波長1550nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の対向伝搬XTを-40dB以下にするためには、CDnominalとMFD/λccの関係が、以下の式(125)または式(126):
Figure 2022066064000126

Figure 2022066064000127

を満たし、さらには、以下の式(127)または式(128):
Figure 2022066064000128

Figure 2022066064000129

を満たすことが好ましい。
波長1550nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の並行伝搬XTを-40dB以下にするためには、CDnominalとMFD/λccの関係が、以下の式(129)または式(130):
Figure 2022066064000130

Figure 2022066064000131

を満たし、さらには、以下の式(131)または式(132):
Figure 2022066064000132

Figure 2022066064000133

を満たすことが好ましい。
正方コア配置の4コアMCFにおいて,コア位置とクラッド径の寸法のトレランスを考慮した上で、波長1360nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の対向伝搬XTを-40dB以下にするためには、CDnominalが125μm、120μm、115μm、110μm、105μm、100μm、95μm、90μm、85μm、80μmのとき、MFD/λccは、CDnominalの数値の列挙順に、9.96以下、9.42以下、8.89以下、8.36以下、7.82以下、7.29以下、6.76以下、6.22以下、5.69以下、5.15以下であることが好ましく、さらに、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、9.29以下、8.76以下、8.22以下、7.69以下、7.15以下、6.62以下、6.09以下、5.55以下、5.02以下、4.48以下であることが好ましい。
波長1360nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の並行伝搬XTを-40dB以下にするためには、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、8.90以下、8.42以下、7.94以下、7.45以下、6.97以下、6.48以下、6.00以下、5.51以下、5.03以下、4.54以下であることが好ましく、さらに、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、8.31以下、7.83以下、7.34以下、6.86以下、6.37以下、5.89以下、5.40以下、4.92以下、4.43以下、3.95以下であることが好ましい。
波長1550nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の対向伝搬XTを-40dB以下にするためには、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、7.65以下、7.27以下、6.89以下、6.51以下、6.13以下、5.75以下、5.37以下、4.99以下、4.61以下、4.23以下であることが好ましく、さらに、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、6.92以下、6.54以下、6.16以下、5.78以下、5.40以下、5.02以下、4.64以下、4.25以下、3.87以下、3.49以下であることが好ましい。
波長1550nmにおける被覆への漏洩損失を0.01dB/km以下にし、10km伝搬後の並行伝搬XTを-40dB以下にするためには、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、6.93以下、6.58以下、6.24以下、5.89以下、5.55以下、5.20以下、4.86以下、4.51以下、4.17以下、3.82以下であることが好ましく、さらに、MFD/λccは、CDnominalの数値の上記列挙順に、6.23以下、5.89以下、5.54以下、5.20以下、4.85以下、4.51以下、4.16以下、3.81以下、3.47以下、3.12以下であることが好ましい。
λccは、Oバンドでのシングルモード動作が担保できるため、1260nm以下であることが好ましい。このとき、MFD/λccを6.5以上とすることで、MFDが8.6±0.4μmの場合にもλccを1260nm以下にできる。MFD/λccを7.2以上とすることで、より大きなMFDを実現できMCF同士の接続損失を低減でき、λccを1260nmより十分小さく(λccを1.2μm以下)できる(=マージンをとれる)。この場合、例えば、MFDが9.2±0.4μm、λcc≦1.23μm、MFD/λcc≧7.2となる。これらの場合、MFD/λccは、上述のCDnominalから定義される上限と、MFDとλccの範囲から定義される下限の間の値をとることが好ましい。
MCFの量産を考えるとき、MCFの構造は、MFD/λccのトレランスが1.0以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上、さらに好ましくは2.5以上とれる構造であればよく、MFD/λccのトレランスが3.0以上とれるMCFの構造が最も好ましい。
MCFの構造は、MFD/λccに関して6.5以上7.5以下を許容する構造であることが好ましい。さらに、MCFの構造は、MFD/λccに関して6.5以上8.0以下を許容する構造、より好ましくは6.5以上8.5以下を許容する構造、さらに好ましくは6.5以上9.0以下を許容する構造であることがよい。最も好ましいMCFの構造は、MFD/λccに関して6.5以上9.5以下を許容する構造である。
MCFの構造は、MFD/λccに関して7.2以上8.2以下を許容する構造であってもよい。さらに、MCFの構造は、MFD/λccに関して7.2以上8.7以下を許容する構造、より好ましくは7.2以上9.2以下を許容する構造、さらに好ましくは7.2以上9.7以下を許容する構造であることよい。最も好ましいMCFの構造は、MFD/λccに関して7.2以上10.2以下を許容する構造である。
λccが1260nmを超え1360nm以下である場合、ITU-T G.650.1(03/2018)のFigure 12の構成(ケーブル化していないファイバ)でサンプルファイバ22m中の20mを曲げ半径140mm以上の曲げを加えて、前記20m区間の前後にそれぞれ半径40mmの曲げを1巻き加えて、全モードを均一に励振した場合に高次モードの強度をP、基底モードの強度をPとしたとき、10log10[P/(P+P)]=0.1dBとなる波長をλccとして測定するが、本開示のMCFに関しては、サンプルファイバ22m中の20m区間に加える曲げの半径を半径60mm以上100mm以下に代えて曲げを加えて測定したときのカットオフ波長(λccR)が1260nm以下であることが好ましい。これにより、ケーブル実装後のOバンドにおけるシングルモード動作が担保され得る。また、サンプルファイバの長さLsample[m]が22mを超え1000m以下の範囲で、Lsample-2[m]に曲げ半径140mm以上の曲げを加えて、前記Lsample-2[m]区間の前後にそれぞれ半径40mmの曲げを1巻き加えて、測定したカットオフ波長(λccL)が1260nm以下であることが好ましい。これによりケーブル長がLsample[m]のケーブルにおいて、Oバンドにおけるシングルモード動作が担保され得る。
本開示のMCFの各コアは、波長1310nm以上1360nm以下における曲げ損失が、曲げ半径10mmで0.15dB/turn以下であることが好ましく、0.02dB/turn以下であることがより好ましい。これにより、本開示のMCFが間欠接着リボン型の超高密度ケーブルに実装された場合にもケーブル化後の損失増加を抑制することができる。
本開示のMCFを内蔵するMCFケーブルは、直線状に(少なくとも曲げ半径1m以上に)伸ばしたときに、ケーブル内に実装されたMCFの平均曲げ半径が0.14m以下であることが好ましく、0.10m以下であることがより好ましい。また、本開示のMCFを内蔵するMCFケーブルは、ケーブル内に実装されたMCFの平均曲げ半径は0.14m以上0.3m以下であることも好ましい。これにより、XTを低減することができる。
また、本開示のMCFを内蔵するMCFケーブルは、ケーブル内に実装されたMCFの平均曲げ半径が0.03m以上であることが好ましく、0.06m以上であることがより好ましい。これにより、曲げ起因損失を低減することができる。
さらに、本開示のMCFを内蔵するMCFケーブルは、間欠接着リボン型ケーブルであることが好ましい。これにより、柔軟な間欠接着リボンを螺旋状にねじりながらケーブル内に実装することができ、MCFに小さな曲げ半径を付与しながらケーブル化することができるのでXTの低減が可能になる。
本開示のMCFを内蔵するMCFケーブルは、リボンスロット型ケーブルであり、スロット部材の中心に抗張力体を有することが好ましい。これにより、MCFの曲げ半径を制御しやすくなり、XTを低減することができる。また、スロット部材中心に抗張力体があることにより、どの向きにもケーブルを曲げやすく、ケーブル敷設作業を容易に行うことができる。
本開示のMCFを内蔵するMCFケーブルは、シース内部の空間にスロット部材を設けず、シース内部に抗張力体を有することが好ましい。これにより、シース内部の空間を有効活用することができ、MCFケーブルの断面積当たりのコア数を増やすことができる。
以上の本発明の説明から、本発明を様々に変形しうることは明らかである。そのような変形は、本発明の思想および範囲から逸脱するものとは認めることはできず、すべての当業者にとって自明である改良は、以下の請求の範囲に含まれるものである。
1A、1B…MCFケーブル、100…MCF、100A、100B、100C…MCF(4コアMCF)、110a…第1コア、110b…第2コア、111、112、113、114…コア、120…共通クラッド、130…樹脂被覆、200、200A、200B、200C…ガラスファイバ、300、500…外皮、400A、400B、700…抗張力線、600…スロッテッドコア、610…マーカー、AX1、AX2、AX3…共通クラッドの中心(ファイバ軸)。

Claims (10)

  1. 中心軸に沿ってそれぞれ延びる4個のコアと、
    前記4個のコアそれぞれを覆う共通クラッドと、
    を備えたマルチコア光ファイバであって、
    前記中心軸に直交する当該マルチコア光ファイバの断面上において、前記共通クラッドは、円形の外周を有し、
    前記断面上において前記中心軸と交差するとともに前記4個のコアのいずれとも交差しない直線に対して、前記4個のコアは線対称となる位置に配置され、
    前記断面上において、前記4個のコアで定義されるコア配置は、いかなる点を回転の中心としても、1回を超える回転対称性を有さない、
    マルチコア光ファイバ。
  2. 前記断面上で定義される前記コア配置は、3つの辺それぞれが長さΛnominalを持つとともに1つの辺の長さが前記Λnominalの1.2倍以上である三等辺台形の4つの頂点にそれぞれ対応付けられ、かつ、そのコア中心が対応する前記頂点を中心とする半径1.0μmの領域内にそれぞれ配置された前記4個のコアにより構成されている、
    請求項1に記載のマルチコア光ファイバ。
  3. 前記4個のコアの中心から前記共通クラッドの外周までの距離dcoatは、いずれも所定の公称値dcoat,nominalを基準とした±1μmの範囲に収まる、
    請求項1または請求項2に記載のマルチコア光ファイバ。
  4. 前記共通クラッドの直径CDは、125μm以下の所定のクラッド直径公称値CDnominal[μm]に対して、CDnominal±1μmの範囲内に収まり、
    前記4個のコアそれぞれで波長1310nmにおけるモードフィールド径MFDと22m長のファイバで測定されたケーブルカットオフ波長λccは、以下の式(1):
    Figure 2022066064000134

    を満たし、
    前記4個のコアそれぞれで前記モードフィールド径MFDは、8.6μm以上9.2μm以下の値を基準とした±0.4μmの範囲に収まり、
    前記4個のコアそれぞれで零分散波長は、1312nm以上1340nm以下の値を基準とした±12nmの範囲に収まり、
    前記4個のコアそれぞれで前記零分散波長における分散スロープは、0.092ps/(nm・km)以下であり、
    前記4個のコアそれぞれで前記ケーブルカットオフ波長λccは、1260nm以下であり、
    第1条件および第2条件のいずれかを満たし、
    前記第1条件は、波長1360nmにおけるファイバ長10km相当での隣接関係にあるコア間のクロストークが-10dB以下で、かつ、前記4個のコアそれぞれにおいて、以下の式(2):
    Figure 2022066064000135

    の関係が満たされるとともに、前記4個のコアそれぞれにおいて、比MFD/λccと、隣接関係にあるコアとの中心間隔Λが、以下の式(3)から式(7)のうちいずれかの式:
    Figure 2022066064000136

    Figure 2022066064000137

    Figure 2022066064000138

    Figure 2022066064000139

    Figure 2022066064000140

    を満たすことにより定義され、
    前記第2条件は、波長1360nmにおけるファイバ長10km相当での隣接関係にあるコア間のクロストークが-20dB以下で、かつ、前記4個のコアそれぞれにおいて、以下の式(8):
    Figure 2022066064000141

    の関係が満たされるとともに、4個のコアそれぞれにおいて、前記比MFD/λccと、隣接関係にあるコアとの中心間隔Λが、以下の式(9)から式(13)のうちいずれかの式:
    Figure 2022066064000142

    Figure 2022066064000143

    Figure 2022066064000144

    Figure 2022066064000145

    Figure 2022066064000146

    を満たすことにより定義される、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のマルチコア光ファイバ。
  5. 前記共通クラッドを包囲する被覆をさらに備え、
    波長1550nmまたは波長1625nmにおいて前記4個のコアの少なくともいずれかから前記被覆への漏洩損失が0.05dB/km以上であるか、前記4個のコアの少なくともいずれかの波長1550nmにおける伝送損失が0.25dB/km以上であるか、または、波長1625nmにおける伝送損失が0.25dB/km以上である、
    請求項4に記載のマルチコア光ファイバ。
  6. 前記第1条件を満たすとともに波長1550nmにおいてファイバ長10km相当での隣接関係にあるコア間のクロストークが-10dB以上であるか、または、
    前記第2条件を満たすとともに波長1550nmにおいてファイバ長10km相当での隣接関係にあるコア間のクロストークが-20dB以上である、
    請求項4または請求項5に記載のマルチコア光ファイバ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のマルチコア光ファイバを含む複数のマルチコア光ファイバを有するマルチコア光ファイバケーブル。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のマルチコア光ファイバを含む複数のマルチコア光ファイバを間欠的に接着したマルチコア光ファイバリボンを内蔵するマルチコア光ファイバケーブル。
  9. 前記マルチコア光ファイバリボンを、螺旋状に捩じられた状態で内蔵する請求項8に記載のマルチコア光ファイバケーブル。
  10. ファイバ長手方向に沿った曲げ半径の平均が0.03m以上0.14m以下または0.14m以上0.3m以下のマルチコア光ファイバを含む、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のマルチコア光ファイバケーブル。
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