JP2022065924A - 有機質肥料の製造方法、植物の栽培方法、土壌の改良方法、及び有機質肥料の製造装置 - Google Patents

有機質肥料の製造方法、植物の栽培方法、土壌の改良方法、及び有機質肥料の製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】窒素分が増強された有機質肥料の製造方法及び製造装置を提供する。【解決手段】有機質肥料を窒素プラズマ処理する工程を含む、窒素分が増強された有機質肥料の製造方法。また、前記製造方法により窒素分が増強された有機質肥料を製造する工程と、前記有機質肥料が施肥された土壌で、植物を栽培する工程と、を含む、植物の栽培方法。また、前記製造方法により窒素分が増強された有機質肥料を製造する工程と、前有機質肥料を、土壌に施肥する工程と、を含む、土壌の改良方法。プラズマ発生部と、前記プラズマ発生部に窒素ガスを供給する窒素ガス供給部と、有機質肥料を保持する有機質肥料保持部と、を備え、前記プラズマ発生部により発生される窒素プラズマが、前記有機質肥料保持部により保持される有機質肥料に照射される、窒素分が増強された有機質肥料の製造装置。【選択図】図3

Description

本発明は、有機質肥料の製造方法、植物の栽培方法、土壌の改良方法、及び有機質肥料の製造装置に関する。
近年、環境負荷の小さい農業として、有機農業に対する関心が高まっている。有機農業では、化学肥料を使用せず、有機質肥料が用いられる。有機質肥料中の無機窒素は、時間の経過とともに環境中に放出されることが報告されている(非特許文献1)。そのため、有機質肥料では窒素分が不足し、作物の生育が不十分となる場合がある。
従来、窒素固定の方法としては、ハーバー・ボッシュ法が用いられてきた。ハーバー・ボッシュ法では、メタンに水及び酸素を反応させて水素を合成し、前記水素に窒素を反応させてアンモニアを合成する。ハーバー・ボッシュ法では、天然ガス等に含まれるメタンを使用し、高温、高圧の条件下で反応を行うため、化石燃料を大量に消費する。そのため、ハーバー・ボッシュ法は、環境負荷が高いという問題がある。
また、有機質肥料に、窒素分を強化するために化学肥料を添加した場合、化学肥料を使用することになるため、有機農業の定義には当てはまらなくなる。
ハーバー・ボッシュ法を用いない窒素固定の方法として、窒素プラズマを水に照射する方法が提案されている。例えば、特許文献1には、水に窒素プラズマを照射して窒素源を含む養液を製造し、植物栽培システムに用いることが提案されている。
特開2017-228423号公報
Jana E Compton and Richard D. Boone, Soil nitrogen transformation and the role of light fraction organic mater in forest soils. Soil Biology and Biochemistry 34(7):933-943.
特許文献1の植物栽培システムは、水耕栽培システムであり、有機農業に適用することはできない。有機農業に用いるためには、化学肥料を添加することなく、有機質肥料の成分組成を改善することが求められる。
そこで、本発明は、化学肥料を用いることなく有機質肥料の窒素分を増強することが可能な、窒素分が増強された有機質肥料の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。また、前記製造方法又は製造装置で製造された有機質肥料を用いた、植物の栽培方法及び土壌の改良方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
[1]有機質肥料を窒素プラズマ処理する工程を含む、窒素分が増強された有機質肥料の製造方法。
[2]前記増強される窒素分が、アンモニア、硝酸、亜硝酸、尿素、及びこれらのイオンからなる群より選択される少なくとも一種である、[1]に記載の製造方法。
[3]前記有機質肥料が、植物性堆肥を含む、[1]又は[2]に記載の製造方法。
[4][1]~[3]のいずれか1つに記載の製造方法により、窒素分が増強された有機質肥料を製造する工程と、前記窒素分が増強された有機質肥料が施肥された土壌で、植物を栽培する工程と、を含む、植物の栽培方法。
[5][1]~[3]のいずれか1つに記載の製造方法により、窒素分が増強された有機質肥料を製造する工程と、前記窒素分が増強された有機質肥料を、土壌に施肥する工程と、を含む、土壌の改良方法。
[6]プラズマ発生装置と、
前記プラズマ発生装置のプラズマ発生空間に窒素含有ガスを供給する窒素含有ガス供給部と、有機質肥料を保持する有機質肥料保持部と、を備え、前記プラズマ発生装置により発生される窒素プラズマが、前記有機質肥料保持部により保持される有機質肥料に照射される、窒素分が増強された有機質肥料の製造装置。
[7]前記有機質肥料を混合する混合機構をさらに備える、[6]に記載の窒素分が増強された有機質肥料の製造装置。
本発明によれば、化学肥料を用いることなく有機質肥料の窒素分を増強することが可能な、窒素分が増強された有機質肥料の製造方法及び製造装置が提供される。また、前記製造方法又は製造装置で製造された有機質肥料を用いた、植物の栽培方法及び土壌の改良方法が提供される。
窒素分が増強された有機質肥料の製造装置の一例を示す模式図である。 窒素分が増強された有機質肥料の製造装置の変形例を示す模式図である。 窒素分が増強された有機質肥料の製造装置の変形例を示す模式図である。 実施例1で用いた有機質肥料製造装置の模式図を示す。 実施例2で用いた有機質肥料製造装置の模式図を示す。 図5の有機質肥料製造装置の原理図を示す。 実施例におけるカイワレ大根の栽培試験の結果を示す。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の実施形態について詳細に説明する。図面中、同一又は相当部分には同一又は対応する符号を付し、重複する説明は省略する。各図における寸法比は、説明のため誇張している部分があり、必ずしも実際の寸法比とは一致しない。
[有機質肥料の製造方法]
1実施形態において、本発明は、有機質肥料を窒素プラズマ処理する工程を含む、窒素分が増強された有機質肥料の製造方法を提供する。
<窒素プラズマ処理工程>
「有機質肥料」とは、有機物を原料とする肥料を意味する。有機質肥料としては、肥料取締法の公定規格に定められた有機質肥料及び汚泥堆肥等、肥料取締法に定められた特殊肥料のうち有機物を原料とするもの、農業廃棄物及び畜産廃棄物等の有機資材を原料として農家が生産した肥料等が挙げられる。有機質肥料の具体例としては、例えば、魚かす粉末、魚荒かす粉末、干魚肥料粉末、魚節煮かす等の魚肥;ナタネ油かす、ダイズ油かす等の油かす類;獣骨から脂肪・ゼラチン等を取り除いて残った骨を粉砕した骨粉類;乾燥菌体肥料;牛糞堆肥、豚糞堆肥、鶏糞堆肥、醗酵鶏糞、乾燥鶏糞等の家禽糞肥料;メタン醗酵残渣;籾殻堆肥、剪定枝堆肥、稲わら堆肥、パーク堆肥、腐葉土等の植物性堆肥;汚泥堆肥、生ゴミ堆肥等が挙げられるが、これらに限定されない。
有機質肥料としては、他の養分(リン、カリウム)と比較して窒素含有量が低いものを用いることが好ましい。例えば、植物性堆肥が好ましく、腐葉土がより好ましい。「植物性堆肥」とは、植物由来有機資材を原料とする堆肥を意味する。「堆肥」とは、液分解性有機物が微生物によって分解された肥料を意味する。「腐葉土」とは、落葉落枝を原料とする堆肥を意味する。
「窒素プラズマ処理」とは、被処理物を窒素プラズマに接触さることを意味する。「プラズマ」とは、気体を構成する分子が、電離により正(陽イオン)と負(電子)とに分かれている荷電粒子群を含み、全体として電気的にほぼ中性である粒子の集団(電離気体)を意味する。「窒素プラズマ」とは、窒素ガス(N)を電離して発生させたプラズマを意味する。
窒素プラズマは、窒素を含むガスに電圧を印加することにより発生することができる。窒素プラズマは、大気圧下で発生させるもの(大気圧プラズマ)であってもよく、大気圧より低い圧力下で発生させるもの(低圧プラズマ)であってもよい。
大気圧プラズマの発生方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、誘電体バリア放電(DBD)、誘導結合プラズマ放電(ICP)、容量結合プラズマ放電(CCP)、ホローカソード放電、コロナ放電、ストリーマ放電、グロー放電、アーク放電等が挙げられる。
電圧を印加するガスは、窒素を含むガス(窒素含有ガス)であればよい。窒素含有ガスは、窒素ガスであってもよく、窒素ガスと他の気体との混合ガスであってもよい。混合ガスは、例えば、窒素及び酸素の混合ガスであってもよい。窒素と酸素との混合ガス中の窒素の割合は、体積分率として70~90%が好ましい。窒素含有ガスとしては、空気を用いてもよい。
窒素含有ガスの供給量は、特に限定されないが、例えば、0.1~1000mL/分が好ましく、1~500mL/分がより好ましく、10~100mL/分がさらに好ましい。
窒素プラズマの発生には、公知のプラズマ発生装置を特に制限なく用いることができる。公知のプラズマ発生装置において、電圧を印加するガスとして窒素含有ガスを用いることにより窒素プラズマを発生することができる。電圧の印加条件は、特に限定されず、プラズマ発生装置の種類に応じて選択することができる。例えば、低圧プラズマの場合、気圧20~200Pa、周波数50~500000kHz、電力 10W~100W等が挙げられる。また、例えば、大気圧プラズマの場合、周波数5~20000kHz、電圧5~20kV等が挙げられる。
有機質肥料を窒素プラズマに接触させる方法は、特に限定されない。例えば、有機質肥料に窒素プラズマのプラズマジェットを吹き込む方法;電極を配したチャンバー内に有機質肥料を投入し、窒素含有ガスを供給しながら電圧を印加し、前記チャンバー内で窒素プラズマを発生させる方法等が挙げられる。
窒素プラズマによる有機質肥料の処理時間は、特に限定されず、プラズマ発生装置の種類、窒素含有ガス中の窒素濃度、並びに有機質肥料の種類及び処理量等により、適宜調整すればよい。例えば、1~200gの有機質肥料(例えば、腐葉土)を低圧プラズマによる窒素プラズマで処理する場合、処理時間としては、1~30分、2~15分、2~10分、又は3~5分等が挙げられる。また、例えば、1~10gの有機質肥料(例えば、腐葉土)をDBDプラズマによる窒素プラズマで処理する場合、処理時間としては、1~30分、2~20分、3~15分、又は5~10分等が挙げられる。
有機質肥料を窒素プラズマ処理することにより、電離した窒素分子が有機質肥料中の水(HO)と反応し、無機窒素化合物(アンモニア、硝酸、亜硝酸、及びこれらのイオン等)、及び有機窒素化合物(尿素、及びそのイオン等)等の窒素化合物が生成される。そのため、窒素分が増強された有機質肥料を得ることができる。「窒素分が増強された有機質肥料」とは、未処理の有機質肥料と比較して、窒素含有量が増加した有機質肥料を意味する。増強される窒素分は、通常、無機窒素化合物及び尿素等である。無機窒素化合物としては、アンモニア、硝酸、亜硝酸、及びこれらのイオン等が挙げられる。窒素分の増加量は、窒素プラズマ処理時間により調整することができる。窒素分が増強された有機質肥料は、例えば、モル濃度として、未処理の有機質肥料の1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、1.4倍以上、又は1.5倍以上の硝酸及び硝酸イオンを含み得る。また、窒素分が増強された有機質肥料は、例えば、モル濃度として、未処理の有機質肥料の1.1倍以上、1.2倍以上、1.3倍以上、1.4倍以上、1.5倍以上、1.6倍以上、1.8倍以上、又は2倍以上、又は2.3倍以上の亜硝酸及び亜硝酸イオンを含み得る。
本実施形態の製造方法では、有機質肥料中の水が、窒素プラズマと反応して、無機窒素化合物及び尿素等の窒素化合物が生成される。そのため、有機質肥料は、水分を含んでいることが好ましい。窒素プラズマ処理に供する有機質肥料中の水分含有量は、例えば、1~5000mg/gが好ましく、1~2000mg/gがより好ましく、1~1000mg/gがさらに好ましい。有機質肥料が水分含量の低いものである場合、プラズマ処理前に、有機質肥料に水を添加してもよい。
窒素プラズマ処理後、有機質肥料中の窒素分が均一となるように、有機質肥料の混合又は撹拌等を行ってもよい。
本実施形態の製造方法によれば、化学肥料を用いることなく、簡易な方法で窒素分が増強された有機質肥料を得ることができる。得られた有機質肥料は、有機農業に用いることができ、窒素分が増強されているため、作物を良好に生育させることができる。
[植物の栽培方法]
1実施形態において、本発明は、前記製造方法により、窒素分が増強された有機質肥料を製造する工程(以下、「工程A1」」ともいう)と、前記窒素分が増強された有機質肥料が施肥された土壌で、植物を栽培する工程(以下、「工程B1」ともいう)と、を含む、植物の栽培方法を提供する。
<窒素分が増強された有機質肥料を製造する工程:工程A1>
工程A1は、前記製造方法と同様である。工程A1により、窒素分が増強された有機質肥料を得ることができる。
<植物を栽培する工程:工程B1>
工程B1では、工程A1で製造された窒素分が増強された有機質肥料が施肥された土壌で、植物を栽培する。有機質肥料を施肥する土壌は特に限定されない。土壌は、水田であってもよく、畑であってもよく、果樹園であってもよく、園芸用土壌であってもよい。施肥方法は、特に限定されず、通常の有機質肥料と同様に行うことができる。有機質肥料を施肥する時期も特に限定されない。植物の種類、生育状況、土壌の状態等に応じて、適宜施肥することができる。
有機質肥料を施肥された土壌で栽培する植物は、特に限定されない。土壌の種類に応じて、適宜選択すればよい。植物としては、例えば、穀物類、野菜類、果樹類、花卉類等が挙げられるが、これらに限定されない。植物は、植物の種類に応じて、公知の方法で栽培することができる。
本実施形態の植物の栽培方法では、窒素分が増強された有機質肥料を用いて植物を栽培するため、植物の生育が良好となる。また、化学肥料を用いないため、有機農業に適用することができる。
[土壌の改良方法]
1実施形態において、本発明は、前記製造方法により、窒素分が増強された有機質肥料を製造する工程(以下、「工程A2」ともいう)と、前記窒素分が増強された有機質肥料を、土壌に施肥する工程(以下、「工程B2」ともいう)と、を含む、土壌の改良方法を提供する。
<窒素分が増強された有機質肥料を製造する工程:工程A2>
工程A2は、前記製造方法と同様である。工程A2により、窒素分が増強された有機質肥料を得ることができる。
<土壌に施肥する工程:工程B2>
工程B2では、工程A2で製造された窒素分が増強された有機質肥料を土壌に施肥する。土壌は、植物栽培用の土壌であれば特に限定されず、水田であってもよく、畑であってもよく、果樹園であってもよく、園芸用土壌であってもよい。施肥方法は、特に限定されず、通常の有機質肥料と同様に行うことができる。
本実施形態の土壌改良方法では、窒素分が増強された有機肥料を用いるため、有機質肥料に含まれる他の養分と共に、土壌に適度な窒素分を供給することができる。そのため、植物の生育が良好な土壌を調製することができる。
上記の植物栽培方法又は土壌改良方法において、工程A1又は工程A2で製造した有機質肥料中の窒素分は、時間の経過とともに有機質肥料から放出され、有機質肥料の窒素分が低下する。そのため、工程A1又は工程A2の後、土壌に施肥するまでの時間は、短い方が好ましい。工程A1又は工程A2の後、土壌に施肥するまでの時間としては、例えば、10日以内が好ましく、5日以内がより好ましく、3日以内がさらに好ましく、1日以内が特に好ましい。工程A1又は工程A2の後、土壌に施肥するまでの時間を短くするためには、工程A1又は工程A2を施肥対象の土壌の近くで行うことが好ましい。例えば、施肥予定の土壌と同じ農場の敷地内等で、工程A1又は工程A2を行うことができる。
[窒素分が増強された有機質肥料の製造装置]
1実施形態において、本発明は、プラズマ発生部と、前記プラズマ発生部に窒素ガスを供給する窒素ガス供給部と、有機質肥料を保持する有機質肥料保持部と、を備え、前記プラズマ発生部により発生される窒素プラズマが、前記有機質肥料保持部により保持される有機質肥料に照射される、窒素分が増強された有機質肥料の製造装置(以下、「有機質肥料製造装置」ともいう)を提供する。
本実施形態の有機質肥料製造装置について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の有機質肥料製造装置の一例を示す。
図1に示す有機質肥料製造装置100は、筐体101内に、プラズマ発生電極110、上部ベルトコンベア120、下部ベルトコンベア130、及びバケットコンベア140を備えている。
プラズマ発生電極110は、図示しない筐体101外の電源に接続されており、当該電源とともにプラズマ発生装置を構成している。プラズマ発生装置は、公知のものを特に制限なく用いることができる。例えば、プラズマ発生装置が低圧プラズマ発生装置である場合、プラズマ発生電極110としては銅、タングステン等の公知のプラズマ電極を用いることができ、電源としてはパルス電源又は高周波電源を用いることができる。プラズマ発生装置が大気圧プラズマ発生装置である場合、プラズマ発生電極110としては公知のDBDプラズマ用誘電体を用いることができ、電源としては高圧電源を用いることができる。
筐体101内には、図示しない窒素含有ガス供給路により構成される窒素含有ガス供給部から窒素含有ガスが供給され、プラズマ発生空間Pに窒素含有ガスが供給される。この状態でプラズマ発生電極110に印加すると、プラズマ発生空間Pに窒素プラズマが発生する。有機質肥料製造装置100は、筐体101内の気体を排出し、筐体101内の気圧を調整するための排気装置を備えていてもよい。
上部ベルトコンベア120は、プラズマ発生装置のプラズマ発生空間Pの下方に設置されている。上部ベルトコンベア120は、無端ベルト121、及びローラー122,123により構成される。上部ベルトコンベア120において、プラズマ発生電極110と対向する部分は、有機質肥料保持部Hを構成している。上部ベルトコンベア120は、有機質肥料Fを図中の白抜矢印方向に搬送する。有機質肥料保持部Hに搬送された有機質肥料Fには、プラズマ発生空間Pで発生する窒素プラズマが照射される。窒素プラズマが照射された有機質肥料Fは、上部ベルトコンベア120の端部(図中の右端部)まで搬送され、下部ベルトコンベア130へと落下される。
下部ベルトコンベア130は、上部ベルトコンベア120の下方に設置されている。下部ベルトコンベア130は、無端ベルト131、及びローラー132,133により構成される。下部ベルトコンベア130は、有機質肥料Fが落下する上部ベルトコンベア120の端部(図中の右端部)が、下部ベルトコンベア130のベルト上に位置するように配置され、上部ベルトコンベア120の端部から落下する有機質肥料Fを受け止められるようになっている。下部ベルトコンベア130は、有機質肥料Fを図中の白抜矢印方向に搬送する。有機質肥料Fは、下部ベルトコンベア130の端部(図中の左端部)まで搬送され、バケットコンベア140のバケット142内に移される。
バケットコンベア140は、上部ベルトコンベア120及び下部ベルトコンベア130の側方に設置されている。バケットコンベア140は、複数のバケット142、及びバケット142を搬送する無端ベルト141により構成される。バケットコンベア140は、下部ベルトコンベア130の端部(図中の左端部)から落下する有機質肥料Fを、バケット142で受け取って、上方へと搬送し、上部ベルトコンベア120の無端ベルト121上に有機質肥料Fを落下させる。
上記のような構成を備える有機質肥料製造装置100の動作の一例について説明する。
まず、図示しない有機質肥料投入口から、筐体101内に有機質肥料Fを投入する。有機質肥料Fは、上部ベルトコンベア120又は下部ベルトコンベア130の無端ベルト121上又は無端ベルト131上載置されるように投入されてもよく、下部ベルトコンベア130の複数のバケット142内に投入されてもよい。
次に、図示しない窒素含有ガス供給路から筐体101内に窒素含有ガスが供給される。このとき、図示しない排気装置により筐体101内の気体を排出し、筐体101内の気圧を調整してもよい。例えば、プラズマ発生電極110及び電源を含むプラズマ発生装置が低圧プラズマ装置である場合、筐体101内の気圧は、20~200Paに調整されることが好ましい。また、プラズマ発生装置が大気圧プラズマ装置である場合、筐体101内の気圧は、大気圧に調整されることが好ましい。
次に、上部ベルトコンベア120を稼働させて、上部ベルトコンベア120の無端ベルト121上に載置される有機質肥料Fを有機質肥料保持部Hに搬送する。ここで、プラズマ発生電極110を印加すると、プラズマ発生空間Pに窒素プラズマが発生し、有機質肥料保持部Hに存在する有機質肥料Fに照射される。この際に、窒素プラズマ中の電離した窒素分子が有機質肥料F中の水(HO)と反応し、無機窒素化合物(アンモニア、硝酸、亜硝酸、及びこれらのイオン等)、及び有機窒素化合物(尿素、及びそのイオン等)等の窒素化合物が生成される。生成した窒素化合物は、有機質肥料F中に留まり、有機質肥料Fの窒素分が増強される。
有機質肥料保持部Hで窒素プラズマが照射された有機質肥料Fは、上部ベルトコンベア120の端部(図中の右端部)まで搬送されると、下部ベルトコンベア130の無端ベルト131上に落下される。下部ベルトコンベア130上に落下した有機質肥料Fは、下部ベルトコンベア130の端部(図中の左端部)まで搬送されると、バケットコンベア140の複数のバケット142内に落下される。バケットコンベア140は、下部ベルトコンベア130から有機質肥料Fを受け取る際に、バケット142内に有機質肥料Fが一定量溜まるまで一時的に停止してもよい。バケットコンベア140の制御は、バケット142に設置される接触センサ等により行ってもよい。あるいは、一定間隔で、停止と稼働を繰り返すようにしてもよい。
有機質肥料Fを受け取ったバケット142は、バケットコンベア140により上方に搬送され、上部ベルトコンベア120に到達すると、無端ベルト121上に有機質肥料Fを放出する。無端ベルト121上に放出された有機質肥料Fは、再度、有機質肥料保持部Hまで搬送されて、窒素プラズマを照射される。
有機質肥料製造装置100において、上部ベルトコンベア120、下部ベルトコンベア130及び、バケットコンベア140は、有機質肥料搬送部を構成している。上部ベルトコンベア120、下部ベルトコンベア130、及びバケットコンベア140により構成される有機質肥料搬送部は、循環経路を形成しており、有機質肥料Fは、この循環経路を循環する。有機質肥料Fは、循環経路上の有機質肥料保持部Hを通る際に窒素プラズマを照射され、窒素分が強化される。また、有機質肥料Fは、循環の際に混合されるため、有機質肥料保持部Hで生成した窒素化合物の濃度が均一になる。したがって、上部ベルトコンベア120、下部ベルトコンベア130及び、バケットコンベア140は、有機質肥料Fを混合する混合機構を構成する。有機質肥料Fの循環回数は、特に限定されず、有機質肥料の量、及び目的の窒素分増強量に応じて、適宜設定することができる。循環回数は、例えば、1~20回程度とすることができる。
有機質肥料Fを所望の回数循環させた後、図示しない有機質肥料取出し口から有機質肥料を取出すことにより、窒素分が増強された有機質肥料を得ることができる。
<変形例1>
図2は、本実施形態の有機質肥料製造装置の変形例を示す。
図2に示す有機質肥料製造装置200は、筐体201内に、プラズマ発生電極210、回転体220、フライトコンベア230、及びタンク240を備えている。
プラズマ発生電極210は、図示しない筐体201外の電源に接続されており、当該電源とともにプラズマ発生装置を構成している。プラズマ発生装置は、上記有機質肥料製造装置100におけるプラズマ発生装置と同様である。図2において、プラズマ発生電極210は、3個が図示されているが、これに限定されず、任意の数を設置可能である。
筐体201内には、図示しない窒素含有ガス供給路により構成される窒素含有ガス供給部から窒素含有ガスが供給され、プラズマ発生空間Pに窒素含有ガスが供給される。この状態でプラズマ発生電極210に印加すると、プラズマ発生空間Pに窒素プラズマが発生する。有機質肥料製造装置200は、筐体201内の気体を排出し、筐体201内の気圧を調整するための排気装置を備えていてもよい。
回転体220は、プラズマ発生電極210と対向するように設置されている。回転体220は、複数のプレート221を有し、当該プレート221により有機質肥料Fを保持することができる。回転体220において、プラズマ発生電極210と対向する部分は有機質肥料保持部Hを構成している。回転体220は、半時計回りに回転し、タンク240の開口部241から排出される有機質肥料Fを受け止め、有機質肥料保持部Hに搬送する。有機質肥料保持部Hに搬送された有機質肥料Fには、プラズマ発生空間Pで発生する窒素プラズマが照射される。窒素プラズマが照射された有機質肥料Fは、回転体220の回転により下方に搬送され、フライトコンベア230へと落下される。
フライトコンベア230は、回転体220から落下する有機質肥料Fを受け止め、タンク240まで搬送する。フライトコンベア230は、無端ベルト231、ローラー232,233、及び複数のフライト234により構成される。フライトコンベア230は、回転体220から落下する有機質肥料Fを受け止めて水平搬送する水平搬送部と、回転体220の上部に設置されるタンク240まで有機質肥料Fを搬送する垂直搬送する垂直搬送部とを有する。フライト234は、垂直搬送部において先端部が上方を向くように屈曲しており、垂直搬送部において有機質肥料を十分に保持できるようになっている。フライトコンベア230は、有機質肥料Fを図中の白抜矢印方向に搬送する。フライトコンベア230は、回転体220から落下した有機質肥料Fを受け止めてタンク240まで搬送し、タンク240内に有機質肥料Fを放出する。
タンク240は、回転体220の上方に位置し、底部に開口部241を有している。まて、タンク240の底部は、開口部241に向かって傾斜している。フライトコンベア230からタンク240内に放出された有機質肥料Fは、タンク240の底部の傾斜に沿って、自重により開口部241方向に移動し、開口部241から回転体220上に放出される。タンク240は、開口部241を開閉可能にする開閉板を備えていてもよく、タンク240内に有機質肥料が一定量貯留された時点で、開口部241を開き、回転体220上に有機質肥料Fを放出するようにしてもよい。
上記のような構成を備える有機質肥料製造装置200の動作の一例について説明する。
まず、図示しない有機質肥料投入口から、筐体201内に有機質肥料Fを投入する。有機質肥料Fは、好ましくは、タンク240内に投入される。有機質肥料Fの投入時、タンク240の開口部241は、図示しない開閉板により、閉鎖されていてもよい。
次に、図示しない窒素含有ガス供給路から筐体201内に窒素含有ガスが供給される。このとき、前記有機質肥料製造装置100と同様に、図示しない排気装置により筐体201内の気体を排出し、筐体201内の気圧を調整してもよい。
次に、開口部241から回転体220上に有機質肥料Fを放出する。次いで、回転体220を回転させて、有機質肥料Fを有機質肥料保持部Hまで搬送する。ここで、プラズマ発生電極210を印加すると、プラズマ発生空間Pに窒素プラズマが発生し、有機質肥料保持部Hに存在する有機質肥料Fに照射される。この際に、窒素プラズマ中の電離した窒素分子が有機質肥料F中の水(HO)と反応し、無機窒素化合物(アンモニア、硝酸、亜硝酸、及びこれらのイオン等)、及び有機窒素化合物(尿素、及びそのイオン等)等の窒素化合物が生成される。生成した窒素化合物は、有機質肥料F中に留まり、有機質肥料Fの窒素分が増強される。
有機質肥料保持部Hで窒素プラズマが照射された有機質肥料Fは、回転体220の下部まで搬送されると、フライトコンベア230上に落下される。フライトコンベア230上に落下した有機質肥料Fは、フライトコンベア230によりタンク240まで搬送され、再度、タンク240内に放出される。
有機質肥料製造装置200において、回転体220、フライトコンベア230、及びタンク240は、有機質肥料搬送部を構成している。回転体220、フライトコンベア230、及びタンク240により構成される有機質肥料搬送部は、循環経路を形成しており、有機質肥料Fは、この循環経路を循環する。有機質肥料Fは、循環経路上の有機質肥料保持部Hを通る際に窒素プラズマを照射され、窒素分が強化される。また、有機質肥料Fは、循環の際に混合されるため、有機質肥料保持部Hで生成した窒素化合物の濃度が均一になる。したがって、回転体220、フライトコンベア230、及びタンク240は、有機質肥料Fを混合する混合機構を構成する。有機質肥料Fの循環回数は、特に限定されず、有機質肥料の量、及び目的の窒素分増強量に応じて、適宜設定することができる。循環回数は、例えば、1~20回程度とすることができる。
有機質肥料Fを所望の回数循環させた後、図示しない有機質肥料取出し口から有機質肥料Fを取出すことにより、窒素分が増強された有機質肥料を得ることができる。
<変形例2>
図3は、本実施形態の有機質肥料製造装置の別の変形例を示す。
図3に示す有機質肥料製造装置300は、蓋302を備えた筐体301内に、プラズマ発生電極310、撹拌用フィン320、及び撹拌用じゃま板330を備えている。また、蓋302を貫通するように、排気管360及び供給管370が設けられている。
筐体301は、蓋302を備えており、内部に有機質肥料Fを保持できるようになっている。有機質肥料製造装置300において、筐体301は、有機質肥料保持部Hを構成する。有機質肥料Fの投入及び取出しは、蓋302を開けた状態で行うことができる。筐体301は、有機質肥料Fの投入及び取出しが容易に行えるように、図示しないリフト等を備えていてもよい。
プラズマ発生電極310は、蓋302に設置されている。プラズマ発生電極310は、電線311を介して、図示しない筐体301外の電源に接続されており、当該電源及び電線311とともにプラズマ発生装置を構成している。プラズマ発生装置は、上記有機質肥料製造装置100におけるプラズマ発生装置と同様である。図3において、プラズマ発生電極310は、2個が図示されているが、これに限定されず、任意の数を設置可能である。電線311は、蓋302に設けられた電線挿入部312から筐体301内に挿入され、プラズマ発生電極310に接続している。
供給管370は、図示しない窒素含有ガス供給源に接続しており、筐体301内に窒素含有ガスを供給する。有機質肥料製造装置300において、供給管370は、窒素含有ガス供給部を構成する。供給管370から筐体301内に供給される窒素含有ガスは、プラズマ発生電極310近傍のプラズマ発生空間Pにも到達し、プラズマ発生空間Pに窒素含有ガスが供給される。この状態でプラズマ発生電極310に印加すると、プラズマ発生空間Pに窒素プラズマが発生する。供給管370は、図示しない水分供給源に接続し、必要に応じて、筐体301内に水分を供給するようにしてもよい。
排気管360は、筐体301内の気体を排気して、筐体301内の気圧を調整する。排気管360は、圧力調整バルブ340を備えている。排気管360からの排気量は、圧力調整バルブ340により調整される。
撹拌用フィン320は、回転軸322を介して回転モータ321に接続している。回転モータ321が稼働すると、回転が回転軸322を介して撹拌用フィン320に伝わり、撹拌用フィン320が回転する。撹拌用フィン320は、2枚が図示されているが、これに限定されず、任意の枚数を設置可能である。撹拌用フィン320、回転軸322、及び回転モータ321は、じゃま板330とともに、有機質肥料Fを混合する混合機構を構成する。
筐体301の内壁にはじゃま板330が設置されている。じゃま板330により、撹拌用フィン320による有機質肥料Fの撹拌効率が向上する。じゃま板330は、2枚が図示されているが、これに限定されず、任意の枚数を設置可能である。
上記のような構成を備える有機質肥料製造装置300の動作の一例について説明する。
まず、蓋302を開けて、筐体301内に有機質肥料Fを投入する。投入後、蓋302を閉じて、筐体301を密閉する。
次に、供給管370から、筐体301内に窒素含有ガスを供給する。有機質肥料Fの水分含量が低い場合には、供給管370から水分が供給されてもよい。このとき、必要に応じて、圧力調整バルブ340により排気量を調節しながら、排気管360から筐体301内の気体を排気する。これにより、筐体301内を所望の気圧となるように調整する。
次に、回転モータ321を駆動して、撹拌用フィン320を回転させる。これにより、有機質肥料Fが撹拌される。ここで、プラズマ発生電極310に印加すると、プラズマ発生空間Pに窒素プラズマが発生し、有機質肥料Fに照射される。この際に、窒素プラズマ中の電離した窒素分子が有機質肥料F中の水(HO)と反応し、無機窒素化合物(アンモニア、硝酸、亜硝酸、及びこれらのイオン等)及び有機窒素化合物(尿素、及びそのイオン等)等の窒素化合物が生成される。生成した窒素化合物は、有機質肥料F中に留まり、有機質肥料Fの窒素分が増強される。
撹拌用フィン320による有機質肥料Fの撹拌及び混合により、有機質肥料Fにおける窒素化合物の濃度は均一になる。
プラズマ発生電極310の印加時間は、特に限定されず、有機質肥料F及びプラズマ発生電極310の種類に応じて、適宜設定すればよい。また、経時的に、有機質肥料Fの窒素含有量をモニタリングし、適切な窒素含有量となったところで、プラズマ発生電極310の印加を停止してもよい。プラズマ発生電極310への印加の停止と共に、または印加停止後、任意の時間経過後に、回転モータ321を停止して、撹拌用フィン320の回転を停止する。
次いで、蓋302を開けて、有機質肥料Fを取り出すことにより、窒素分が増強された有機質肥料を得ることができる。
本実施形態の有機質肥料製造装置は、上記実施形態にかかる窒素分が増強された有機質肥料の製造方法に好適に用いることができる。本実施形態の有機質肥料製造装置を用いることにより、窒素分が増強された有機質肥料を簡易に製造することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[有機質肥料の製造]
<実施例1>
図4に示す、低圧プラズマ発生装置を備える有機質肥料製造装置400(特注品、ケニックス株式会社製反応容器に自作のプラズマ源を設置)を用いて、有機質肥料の窒素プラズマ処理を行った。有機質肥料としては腐葉土を用いた。プラズマ発生装置のチャンバー内に4gの腐葉土を投入し、窒素ガスを供給しながらプラズマを発生させた。窒素ガスの供給量は、0.5mL/分とした。プラズマの発生条件は、気圧200Pa、周波数143000kHz、電力40Wとした。窒素プラズマ処理時間は、3分とした。
有機質肥料製造装置400は、筐体401内に、電源430に接続されるプラズマ発生電極410、有機質肥料保持容器420を備えている。また、筐体401内の気体を排気して低圧に保つための、排気管460、圧力調整バルブ440、及び排気用ロータリーポンプ450を備えている。電源430には、パルス電源又は高周波電源を用いた。図示しない窒素供給路から窒素ガスを供給しながら、プラズマ発生電極410に印加して窒素プラズマPを発生させ、有機質肥料保持容器420内の有機質肥料Fに照射した。
<実施例2>
図5に示す、誘電体バリア放電(DBD)プラズマ発生装置を備える有機質肥料製造装置500(自作品)を用いて、有機質肥料の窒素プラズマ処理を行った。有機質肥料としては腐葉土を用いた。プラズマ発生装置のチャンバー内に4gの純水を追加した4gの腐葉土を投入し、窒素ガスを供給しながらプラズマを発生させた。空気ガス雰囲気での照射とした。プラズマの発生条件は、大気圧、周波数14kHz、電圧7kVとした。
窒素プラズマ処理時間は、10分とした。
有機質肥料製造装置500は、電源530に接続されるプラズマ発生電極510、有機質肥料保持容器520を備えている。電源530には、高圧電源を用いた。有機質肥料製造装置500の原理図を図6に示す。プラズマ発生電極510は、1対の誘電体511,512より構成されている。図示しない窒素供給路から窒素ガスを供給しながら、誘電体511,512に印加してプラズマ発生空間Pを発生させ、有機質肥料保持容器520内の有機質肥料Fに照射した。
<実施例3>
プラズマの照射時間を10分としたこと以外は、実施例1と同様の方法で有機質肥料の窒素プラズマ処理を行った。
<比較例1>
プラズマ処理を行っていない腐葉土を、比較例1の有機質肥料として用いた。
[窒素化合物の測定]
腐葉土中の硝酸(NO )濃度及び亜硝酸(NO )濃度を測定した。測定方法は、以下のとおりである。
上記各例の処理を行った有機質肥料を1g程度採取し、これに1cc程度の水を添加した。有機質肥料を絞って溶液を採取し、フィルタにより小さなゴミを除去した。NO/NO Assay Kit-C II(DOJINDO)を用いて、硝酸及び亜硝酸の濃度を測定した。
硝酸の測定結果を表1に示す。亜硝酸の測定結果を表2に示す。
Figure 2022065924000002
Figure 2022065924000003
表1及び表2に示す結果から、実施例1~2では、比較例1に対して硝酸濃度及び亜硝酸濃度が上昇することが確認された。この結果から、窒素プラズマ処理を行うことにより、窒素分が増強された有機質肥料を製造できることが示された。
[発芽試験]
容量1Lの栽培ポットに、実施例1又は比較例1の有機質肥料を42g施肥した。次いで、栽培ポットに2.1gのカイワレ大根の種子を均一に播種した。栽培ポットの数は、各有機質肥料について3個ずつとした。栽培温度は25℃で管理し、1日に2回水やりを行った。播種から5日後に、発芽数をカウントし、発芽率を算出した。
実施例1の有機質肥料を施肥した栽培ポットでは、発芽率は85~95%であった。一方、比較例1の有機質肥料を施肥した栽培ポットでは、発芽率は50~65%であった。この結果から、窒素プラズマ処理した有機質肥料を用いることにより、発芽率が向上することが示された。
[カイワレ大根の栽培試験]
実施例1、3、及び比較例1の有機質肥料を用いて、カイワレ大根の栽培試験を行った。実施例1、3、又は比較例1の有機質肥料を用いたこと以外は、上記発芽試験と同様の方法で、カイワレ大根を播種して栽培した。栽培ポットの数は、実施例1では2個(実施例1-1、実施例1-2)、実施例3では1個、比較例1では2個(比較例1-1、比較例1-2)とした。播種から5日後に、芽の長さを測定した。芽の長さが2cm(1.5cm以上2.5cm未満)、3cm(2.5cm以上3.5cm未満)、4cm(3.5cm以上4.5cm未満)、5cm(4.5cm以上5.5cm未満)、6cm(5.5cm以上6.5cm未満)、7cm(6.5cm以上7.5cm未満)のものをカウントし、図7に結果を示した。
図7に示すように、実施例の有機質肥料を施肥した栽培ポットでは、比較例の有機質肥料を施肥した栽培ポットと比較して、全体的にカウント数が多くなった。これは、実施例の有機質肥料を施肥した栽培ポットでは、発芽率が向上したためと考えられる。
芽の長さは、実施例の有機質肥料の方が、比較例の有機質肥料と比較して、長くなる傾向があった。また、実施例1と実施例3とでは、実施例1の方が、芽の長さが長くなる傾向があった。
この結果から、窒素プラズマ処理した有機質肥料を用いることにより、植物の生育が向上することが示された。
本発明によれば、窒素分が増強された有機質肥料の製造方法及び製造装置が提供される。また、前記製造方法により製造された有機質肥料を用いた植物の栽培方法及び土壌の改良方法が提供される。
100,200,300,400,500…有機質肥料製造装置、101,201,301,401…筐体、110,210,310,410,510…プラズマ発生電極、120…上部ベルトコンベア、121,131,141,231…無端ベルト、130…下部ベルトコンベア、122,123,132,133,232,233…ローラー、140…バケットコンベア、142…バケット、220…回転体、221…プレート、230…フライトコンベア、234…フライト、240…タンク、241…開口部、302…蓋、311…電線、312…電線挿入部、320…撹拌用フィン、321…回転モータ、322…回転軸、330…じゃま板、370…供給管、371…排気口、420,520…有機質肥料保持容器、430,530…電源、340,440…圧力調整バルブ、450…排気用ロータリーポンプ、360,460…排気管、511,512…誘電体。

Claims (7)

  1. 有機質肥料を窒素プラズマ処理する工程を含む、窒素分が増強された有機質肥料の製造方法。
  2. 前記増強される窒素分が、アンモニア、硝酸、亜硝酸、尿素、及びこれらのイオンからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記有機質肥料が、植物性堆肥を含む、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法により、窒素分が増強された有機質肥料を製造する工程と、
    前記窒素分が増強された有機質肥料が施肥された土壌で、植物を栽培する工程と、
    を含む、植物の栽培方法。
  5. 請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法により、窒素分が増強された有機質肥料を製造する工程と、
    前記窒素分が増強された有機質肥料を、土壌に施肥する工程と、
    を含む、土壌の改良方法。
  6. プラズマ発生装置と、
    前記プラズマ発生装置のプラズマ発生空間に窒素含有ガスを供給する窒素含有ガス供給部と、
    有機質肥料を保持する有機質肥料保持部と、を備え、
    前記プラズマ発生装置により発生される窒素プラズマが、前記有機質肥料保持部により保持される有機質肥料に照射される、
    窒素分が増強された有機質肥料の製造装置。
  7. 前記有機質肥料を混合する混合機構をさらに備える、
    請求項6に記載の窒素分が増強された有機質肥料の製造装置。
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