JP2022065829A - 移動体による電力取引のための入札条件決定装置 - Google Patents

移動体による電力取引のための入札条件決定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 P2P電力取引に於いて、電動車等が取引コストで有利な条件で参加でき、電力需要家の有する電力をより有効に活用できるようにする。【解決手段】 移動体の電力取引市場に於ける入札条件決定装置は、移動体が電力需要家へ直接に電力を調達する電力の約定を行う直接取引市場に於ける電力需要家の電力量の売買価格の情報を取得し、その売買価格に基づき、移動体の電力取引に於ける利益が最大となる最適条件を決定し、その条件に於ける時間帯毎に決定された電力取引市場に於ける決定された売買価格と充放電電力量との入札を入札条件として決定する。直接取引市場に於ける電力需要家の電力量の売買価格は、予測又は電力需要家からの通知により取得される。【選択図】 図3

Description

本発明は、電力の売買取引のためのシステム(電力取引システム)にかかり、より詳細には、自動車等の移動体が、電力のP2P(Peer to Peer)取引が実施される市場にて、電力を売買するための入札を行うための入札条件の決定装置に係る。
電力の自由化により、電力の市場での売買取引が可能となり、更に、電力会社に限らず、電力資源を有する個人・法人と別の個人・法人である需要家との間で直接に電力の売買取引を行うP2P(Peer to Peer)電力取引の導入が検討され、これに伴い、電力の自由化後の新しい電力の売買取引形態のための種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1に於いては、工場等の大電力需要施設で電気自動車のバッテリに蓄えられた電力を活用するための電力マネジメントシステムであって、工場内設備の工場内負荷での消費電力が最大となる期間に、工場内設備に接続された電気自動車の走行の駆動源となるバッテリ又は工場内設備内の定置蓄電池を放電させ、その電力を系統電力に補填することで、系統電力の使用電力が所定電力を越えないようにするシステム(工場内設備に於ける電力のピークカットを行うシステム)が提案されている。特許文献2に於いては、所定地域に点在する電気自動車及び需要家を含むグループ全体の電力取引による収益を最大化する電力取引量を算出することが可能な電力取引量最適化装置が提案され、そこに於いては、電気自動車が関わる電力取引において電気自動車の電力需要を満たす制約条件、需要家が関わる電力取引において需要家の電力需要を満たす制約条件、電気自動車及び需要家が所定地域の送配電網を使って電力取引相手と電力取引する場合に生じる電力取引可能量の制約条件に基づいて、グループ全体の電力取引による収益の最大化を目的関数とする最適化計算を行い、グループ内の電気自動車及び需要家が、電力取引相手と取引する電力取引量を算出する構成が開示されている。特許文献3に於いては、小規模の個人住宅から企業及び自治体等の電力を適正な固定価格で売買することが可能となり、その電力に含まれる環境価値の利用を確立しながら電力と環境価値の双方を取引することが可能とするための電力取引プラットフォームとして、一般消費者と第1需要家に対し蓄電池を具備させ、各需要家等及び発電家と日本卸電力取引所の各コンピュータと、運営事業者のサーバーとをP2Pのコンピュータネットワークを介して対等に接続し、各需要家等の各コンピュータに、スマートメータとHEMSと直交流変換器を接続すると共に、これらを制御可能に構成し、各需要家等が電力ネットワークを経由して売買した電力は、ブロックチェーン技術に基づいた分散型台帳によって管理する、という構成が提案されている。特許文献4には、再エネ電力のトレーサビリティを担保する技術として、ブロックチェーンにおいて発行されたトークンを記録する運営者アカウント、電力の供給者の供給者アカウントおよび電力の需要者の需要者アカウントがブロックチェーンに管理され、取引履歴生成装置が、需要者ごとに需要者が希望する電力の調達先となる供給者を含む調達先情報を記憶し、発電装置によって発電される電力のうち所定の電力ネットワークに送電された供給量を取得し、供給量に応じた量のトークンを運営者のアカウントから供給者アカウントに送付し、電力ネットワークを介して需要者が供給者から受電した需要量を取得し、供給量、需要量および調達先情報に基づいて、供給者、需要者および供給者から需要者に送られた送電量を計算し、送電量に応じた量のトークンを、対応する供給者のアカウントから需要者アカウントに送付する、という構成の電力取引履歴生成システムが提案されている。
特開2012-196028 特開2020-43634 特開2020-9334 特開2020-91529
ところで、電気自動車やハイブリッド車などの大容量の蓄電池を搭載した車両(以下、総じて「電動車」と称する。)の普及に伴い、電動車を蓄電手段として利用することが提案され、実施されつつある。実際、上記の特許文献1の如く、工場内設備の工場内負荷での消費電力が最大となる期間に、電動車に指令を出してそのバッテリを工場内の電力ラインに接続し放電させることで、電力の補填が可能となっている。そして、電動車は、所有者の都合により、任意の場所に移動でき、充放電が可能であるので、一般の個人又は法人が、電動車を用いて、上記の如きP2P電力取引に於いて電力の売買が可能となることは有用である。
上記の如く電動車等の移動体を用いた電力の売買のP2P取引が行われる場合に、市場の形態としては、「一般取引市場」と、「直接取引市場」とが考えられている。「一般取引市場」とは、電力の売り手から系統電力網(電力会社による大規模な発電所から電力を供給するための電力網)の送電線を介して買い手へ調達される電力の約定を行う市場であり、「直接取引市場」とは、電力取引の一方が電動車などの移動体をもう一方の場所へ移動して直接に電力の伝送を行う場合の約定を行う市場である。かかる電力取引市場の形態に関して、電力需要家又は移動体の所有者が、電力の買取をする際に、直接取引市場を通じて系統電力網の送電線を使用しないで電力を調達できる場合には、送電線の使用にかかる託送料金が発生しないので、電力の買取する電力需要家又は移動体の所有者が、電力コストを低減する上で非常に有用となる。また、電力需要家が、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー発電の設備を有し、そこで得られた電力の売却をする際に、直接取引市場を通じて系統電力網の送電線を使用しないで電力を供給できる場合には、その電力を受電する移動体に於いて送電線の使用にかかる託送料金が発生しないので、移動体は電力を購入しやすくなり、これにより、電力の売却の取引の約定がし易くなって有利である。このように直接取引市場を通じた電力の取引は、電力需要家と移動体との双方にとって有用である。従って、移動体が電力需要家による直接取引市場を通じた電力の売買取引の企図するタイミングやその際の入札条件などの情報を予測するか或いは通知されるなどして把握し、かかる情報に基づいて市場への入札条件を決定できるようになっていれば、直接取引市場を通じた電力の取引を有効に活用できる機会が増えて、移動体にとっての電力取引に於けるコストの最小化若しくは利益の最大化と、電力需要家に於ける再生可能エネルギーの活用とを両立させることが可能となる。
かくして、本発明の一つの課題は、P2P電力取引において電動車等の移動体が電力の売買取引に於けるコストを考慮して有利な条件の取引に参加できるようにする構成を提供することである。
本発明の更に一つの課題は、P2P電力取引において、電動車等の移動体が電力コストを最小化しながら、電力需要家の再生可能エネルギーをより有効的に活用できる構成を提供することである。
本発明のもう一つの課題は、電力需要家による直接取引市場の利用状況に応じて電動車等の移動体が電力の売買取引に於けるコスト又はメリットを考慮して電力の直接取引市場に入札するかどうかを決定できるようにする構成を提供することである。
上記の課題は、本発明の一つの態様によれば、移動体の、少なくとも一つの電力取引市場に於ける電力量の売買取引のための入札条件を決定する装置であって、
単位時間帯毎の電力取引市場毎の電力量の売買価格の情報を取得する電力量売買価格取得手段と、
前記電力量売買価格取得手段による前記電力量の売買価格の情報に基づいて、少なくとも一つの前記単位時間帯に亙る前記移動体の蓄電池にて充放電可能な電力量の範囲での前記移動体による前記電力取引市場に於ける電力量の売買による損益を表わす指標値に於いて利益が最大となるか損失が最小となる最適条件を検出することにより、前記最適条件に於ける前記単位時間帯毎の電力取引市場と売買価格と前記移動体の蓄電池にて充放電される電力量とを決定する充放電最適化手段と、
前記少なくとも一つの電力取引市場に於ける入札条件として、前記単位時間帯毎に、前記充放電最適化手段により決定された電力取引市場に於いて、前記充放電最適化手段により決定された売買価格と充放電電力量との入札をすることを決定する入札条件決定手段と
を含み、
前記少なくとも一つの電力取引市場に於いて、前記移動体と電力需要家との間にて直接に電力を伝送する電力取引の約定を行う直接取引市場が選択可能であり、
前記電力量売買価格取得手段が、前記電力量の売買価格として前記直接取引市場に於ける前記電力需要家の提示する前記単位時間帯毎の電力量の売買価格を取得するよう構成されている装置
により達成される。
上記の構成に於いて、「移動体」とは、外部と充放電可能な蓄電池を搭載した電気自動車、ハイブリッド車などの電動車などの車両或いはその他の移動体であってよい。「電力取引市場」とは、ここに於いて、移動体が入札を通じて電力の売買取引が可能な市場であってよく、上記の如く、電力の売り手から系統電力網の送電線を介して買い手へ調達される電力の約定を行う一般取引市場と、電力取引の一方が電動車などの移動体をもう一方の場所へ移動して直接に電力の伝送が行われる場合の約定を行う直接取引市場とが含まれてよい。本発明の装置に於いて、移動体の入札先として選択可能な電力取引市場は、1箇所以上であってよい。「電力量の売買取引のための入札条件」に於いては、電力の調達を行う時間帯と、その時間帯に於ける単位時間帯毎の電力量と、その電力量の調達に対する単位時間帯毎の売買価格(本明細書に於いて、「価格」と言う場合には、特に断らない限り、単位電力量当たりの価格又は取引される電力量に対する価格であってよい。)とが条件となり、市場に於いては、電力の売り手の入札条件と電力の買い手の入札条件とが略合致すると、電力取引の約定が為されることとなる(単位時間帯とは、電力調達の行われる時間を、電力取引市場に於いて設定された所定の時間長さ毎に区切って得られる時間帯の一つを示している。現在、日本に於いては、24時間を48区分に区切っているので、一つの単位時間帯の長さは、30分間である。)。「単位時間帯毎の電力取引市場毎の電力量の売買価格」とは、入札先となり得る少なくとも一つ、通常は、複数存在する電力取引市場に於いて売り手と買い手とから入札される電力量の売買価格であり、「電力量売買価格取得手段」は、かかる少なくとも一つの電力取引市場での電力量の売買価格の情報を任意の手法にて、例えば、後で例示する手法のいずれかにて、取得する手段である。なお、取得される売買価格の値は、電力取引市場毎に及び単位時間帯毎に異なる値であってよい。
また、上記の装置の構成に於いて、「充放電最適化手段」は、上記の如く、「電力量の売買価格の情報」に基づいて、少なくとも一つの単位時間帯に亙る移動体の蓄電池にて充放電可能な電力量の範囲での移動体による電力取引市場に於ける電力量の売買による損益を表わす指標値に於いて利益が最大となるか損失(コスト)が最小となる最適条件を検出する。ここに於いて、「移動体の蓄電池にて充放電可能な電力量の範囲」とは、移動体の蓄電池に於ける蓄電容量と蓄電量とを応じた放電可能な電力量と充電可能な電力量である。即ち、放電可能な電力量の範囲とは、蓄電池に於ける蓄電量からSOC(State Of Charge)の下限値までの電力量の範囲であり、充電可能な電力量の範囲とは、蓄電池に於ける蓄電量からSOCの上限値までの電力量の範囲である。なお、充放電可能な電力量の範囲は、移動体の移動などの使用に要する電力量を考慮して決定されてよい。「電力量の売買による損益」とは、電力の取引によって発生する損益であり、具体的には、売買電力量に売買価格を乗じて得られる量の損益であってよい。充放電最適化手段では、少なくとも一つの時間帯に亙って、一時に一つの電力取引市場を選択する条件下で、単位時間帯毎及び電力取引市場毎に予測された売買価格にて、売買する電力量を種々変更しながら、「電力量の売買による損益」を算出して、最大の利益を与える(又は損失を最小にする)最適条件の探索が行われ、かかる最適条件に於ける電力取引市場と売買価格と時間帯毎の移動体の蓄電池にて充放電される電力量とが決定されることとなる。
そして、特に、上記の本発明の装置の構成に於いては、少なくとも一つの電力取引市場として、直接取引市場が含まれているときに、電力需要家が直接取引市場に於いて提示する単位時間帯毎の電力量の売買価格の情報が取得される。ここで、「電力需要家」とは、電力を需要する個人、施設などであってよく、具体的には、住宅や店舗などの中小規模の電力を消費する施設であっても、工場、商業施設、鉄道駅、空港などの大量の電力を消費する大規模の電力を消費する需要家であってもよい。また、「電力量の売買価格」とは、この場合、電力需要家が移動体から電力の買取をするため又は移動体へ電力の売却をするために電力需要家が入札を行う際に提示される価格である。
従って、上記の本発明の装置の構成に於いては、移動体が電力取引市場に於ける電力取引の入札を行う際に、充放電最適化手段により、各電力取引市場に於ける電力量の売買価格を参照して、移動体にとって利益が最大となる(又は損失が最小となる)最適条件となる入札条件が見出されることとなり、移動体の所有者にとって、電力取引へのインセンティブが与えられることが期待される。また、入札先として選択され得る電力取引市場に於いて、移動体が電力需要家との間にて、送電線を使わずに、直接に電力の伝送を行う電力取引の約定を行う直接取引市場が含まれている場合には、その直接取引市場に於いて電力需要家の提示している売買価格を参照して、移動体にとって利益が最大となるように又は損失が最小となるように入札条件を決定できるようになっているので、電力需要家による直接取引市場の利用状況に応じて電動車等の移動体が電力の売買取引に於けるコスト又はメリットを考慮して電力の直接取引市場に入札するかどうかを決定できるようになり、或る直接取引市場が他の電力取引市場よりも移動体にとって有利な場合には、そのことを検知して、入札ができることとなる。かくして、かかる構成によれば、電力の伝送に伴う託送料をかけずに、直接取引市場に於ける電力の売買取引がより有効に利用されるようになり、移動体にとっての電力取引に於けるコストの最小化若しくは利益の最大化と、電力需要家の発電した再生可能エネルギーの更なる有効活用が達成されることが期待される。
上記の構成に於いて、一般取引市場の売買価格は、気候情報や日時情報に依存するので、電力量売買価格取得手段は、単位時間帯毎の電力取引市場毎の電力量の売買価格として、気候情報又は日時情報に基づいて予測される一般取引市場に於ける単位時間帯毎の電力量の売買価格の情報を取得するよう構成され、充放電最適化手段は、直接取引市場に於ける売買価格と上記の如く予測された一般取引市場に於ける売買価格とに基づいて、最適条件を検出するよう構成されていてよい。また、直接取引市場に於ける電力需要家の提示する売買価格についても一般に気候情報や日時情報に依存することが多いので、電力量売買価格取得手段が、気候情報又は日時情報に基づいて直接取引市場に於ける電力需要家の提示する単位時間帯毎の電力量の売買価格を予測することにより、売買価格の情報を取得するよう構成されていてよい。より具体的には、一般取引市場に於ける売買価格の予測値或いは直接取引市場に於ける電力需要家の提示する売買価格の予測値は、現在又は将来に於ける気候情報又は日時情報と同様の条件のときの一般取引市場に於ける売買価格又は直接取引市場に於ける電力需要家の提示する売買価格に基づいて、機械学習など、任意のアルゴリズムを用いて適宜決定することが可能である。更に、或る直接取引市場に於ける或る電力需要家の提示する売買価格は、その電力需要家の電力需要量に連動して決まるのが一般的であるので、上記の装置に於いて、直接取引市場に入札をする電力需要家に於ける少なくとも一つの単位時間帯に亙る電力需要量を気候情報又は日時情報に基づいて予測する手段が設けられ、電力量売買価格取得手段は、予測された電力需要量に基づいて直接取引市場に於ける電力需要家の提示する単位時間帯毎の電力量の売買価格を予測するよう構成されていてよい。これらの構成によれば、移動体は、直接取引市場に於ける電力需要家の提示する売買価格の予測値に基づいて入札条件を決定することが可能となり、直接取引市場での電力取引が有利な場合には、その機会を捉えて、有利に、電力の取引を行うことが可能となる。また、上記の態様に於いて、電力取引の売買価格が、気候情報又は日時情報などの比較的容易に入手できる情報に基づいて予測されるので、装置に於いて情報収集のための手段の構成が簡単となり、有利である。
上記の本発明の装置に於いて、直接取引市場に於ける電力需要家の提示する売買価格の情報の取得については、別の態様として、移動体に、入札の前に、直接取引市場に入札する電力需要家からその入札の際の売買価格(又は更に取引希望電力量)の情報が通知され、移動体は、その通知された売買価格を参照して入札条件を決定するようになっていてもよい。その場合、通知された売買価格による電力取引を承諾する場合には、承諾した電力取引が約定されるように、電力取引を承諾する旨を電力需要家に通知できるようになっていることが好ましい。従って、上記の本発明の装置に於いては、直接取引市場に於ける電力需要家の提示する売買価格の情報の通知を受容する売買価格情報通知受容手段と、直接取引市場に於ける電力需要家の提示する売買価格による電力の売買取引を承諾する場合に電力需要家へ電力の売買取引の承諾の通知を送信する売買取引承諾通知手段とが設けられ、電力量売買価格取得手段が、単位時間帯毎の電力取引市場毎の電力量の売買価格の情報として、売買価格情報通知受容手段を通じて通知された売買価格の情報を取得するよう構成され、充放電最適化手段が、通知された売買価格による電力の売買取引の条件のうちの一つを最適条件として検出したときには、売買取引承諾通知手段は、最適条件として検出された売買価格による電力の売買取引が他の電力の売買取引に影響を与えないことが確認された後に、最適条件として検出された電力の売買取引に於ける売買価格を提示した電力需要家へ電力の売買取引の承諾の通知を送信するよう構成されていてよい。なお、「最適条件として検出された売買価格による電力の売買取引」が「他の電力の売買取引」に与える影響とは、例えば、最適条件として検出された売買価格による電力の売買取引により蓄電池に於いて充放電が実行されることにより、既に約定された或いはこれから約定する可能性のある他の電力の売買取引による蓄電池に於ける電力の充放電が達成できない状況が発生することなどであり、そのような状況が発生する場合には、最適条件として検出された売買価格による電力の売買取引を承諾し約定することはできない。従って、上記の本発明の装置は、売買価格を提示した電力需要家へ電力の売買取引の承諾は、最適条件として検出された売買価格による前記電力の売買取引が他の電力の売買取引に影響を与えないことが確認された後に為されるように構成されていてよい。更に、直接取引市場に於いて、移動体の承諾した売買取引を電力需要家が判別できるように、売買取引承諾通知手段が電力需要家へ売買取引の承諾の通知を送信するとき、入札条件決定手段が、電力需要家に於いて承諾された電力の売買取引を特定することを可能にする識別情報を入札条件に含めるよう構成されていてよい。
ところで、上記の如く、直接取引市場を通じて約定される電力取引に於いては、移動体が電力需要家の下に移動してその充放電器設備にて電力の充放電を実行するので、送電線の使用による託送料は発生しないが、移動体がその予定していた走行経路を外れて電力需要家の下へ移動する場合には、移動体は、予定していた走行経路を走行する場合よりも、電力需要家の下を経由するための電力量を多く消費することとなり、従って、コストが発生することとなる。従って、上記の本発明の構成に於いては、好適には、上記の最適条件の検出に際して、移動体が予定していた走行経路から逸脱して電力需要家の下を経由するための電力量も考慮されてよい。かくして、上記の本発明の装置は、移動体の将来の走行経路を予測する走行経路予測手段と、少なくとも一つの電力取引市場として選択された直接取引市場に入札する電力需要家の充放電器設備が予測された将来の走行経路上に存在しない場合に選択された直接取引市場に入札する電力需要家の充放電器設備を経由するために必要な損失である経由損失を算出する経由損失算出手段とを含み、充放電最適化手段が、電力取引市場に於ける電力量の売買による損益に経由損失を含めて利益が最大となるか又は損失が最小となる条件を最適条件として検出するよう構成されていてよい。これにより、より精度よく、電力取引市場に於ける電力量の売買による損益を評価することが可能となる。なお、経由損失は、電力需要家を経由するために要する電力量に電力の典型的な(単位電力量当たりの)価格を乗じて得られる値であってよい。典型的な(単位電力量当たりの)価格は、例えば、電力会社により販売される電力の価格や移動体に於いて購入した電力の(所定の期間の)平均価格などが選択されてよい。
上記の本発明の移動体のための入札条件決定装置と外部(電力取引市場、電力需要家)との間に於ける情報の通信は、任意の無線又は有線の通信ネットワークにより達成されてよい。各装置に於ける各手段の構成とそこに於ける演算等の処理は、コンピュータ装置に於けるプログラムに従って作動により実現されてよい。
上記の本発明の装置又はシステムによれば、P2P電力取引において、電動車等の移動体と電力需要家との間の直接取引市場を通じた電力の取引機会が増え、移動体が、取引に於ける損益に於ける利益を最大化しつつ、電力需要家の再生可能エネルギーの活用が促進されることが期待される。既に触れた如く、直接取引市場を通じた電力の取引に於いては、送電線を利用しないので、託送料の支払いが発生せず、電力の買い手にとって電力取引に要するコストが低減され、有利である。また、移動体に於いて、有利な直接取引市場を通じた電力の取引の可能性を検知することができるので、移動体にとって、より有利に電力の取引に参加し、移動体側が恩恵を享受できることとなり、このことが移動体の電力取引へのインセンティブとなることが期待される。
本発明のその他の目的及び利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の説明により明らかになるであろう。
図1は、本実施形態が適用されるP2P電力取引市場に於いて取引される電力の送配電システムを模式的に描いた図である。 図2(A)は、P2P電力取引市場のシステムの構成を模式的に描いた図である。図2(B)は、P2P電力取引の一般取引市場に於ける入札の態様を説明する図であり、図2(C)は、P2P電力取引の直接取引市場に於ける入札の態様を説明する図である。 図3は、本実施形態による移動体(電動車)の入札条件決定装置の第一の態様の構成をブロック図の形式で表わした図である。 図4(A)は、電力需要家と移動体との間に於いて、入札前に、電力の売買交渉をする場合を説明する模式図である。図4(B)は、本実施形態による移動体(電動車)の入札条件決定装置の電力需要家からの売買提案通知を受容するよう構成された第二の態様の構成をブロック図の形式で表わした図である。 図5は、図4の構成に於いて、電力需要家からの電力売却提案があったときの移動体の入札条件決定装置に於ける処理をフローチャートの形式にて表わした図である。 図6は、図4の構成に於いて、電力需要家からの電力買取提案があったときの移動体の入札条件決定装置に於ける処理をフローチャートの形式にて表わした図である。 図7(A)は、電力需要家の場所を経由するコストについて説明する模式図である。図7(B)は、本実施形態による移動体(電動車)の入札条件決定装置の電力需要家の場所を経由して走行する場合のコストを考慮するよう構成された第二の態様の構成をブロック図の形式で表わした図である。
1…電力送配電システム
2…情報処理システムサーバ
3…通信ネットワーク
PL…送電線網
EV…電動車(移動体)
EC…充放電器装置
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。図中、同一の符号は、同一の部位を示す。
電力送配電システムの構成
図1に模式的に示されている如く、電力送配電システム1に於いて、電力は、従前では、専ら、電力会社の管理する発電所から、電力を消費又は使用する種々の施設や建物、例えば、工場、ビル(会社等の事業者)、商業施設、住宅、店舗などの種々の電力需要家まで配設された送電線網PL(系統電力網)を通して供給されていたが、電力の自由化と再生可能エネルギー発電技術による分散型電源の普及と共に、P2P電力売買取引、即ち、電力の個人間での売買取引の導入が検討され、技術的には、実施可能な状態となりつつある。また、電気自動車やハイブリッド車などの大容量の蓄電池を搭載した電動車EV等の移動体の普及に伴い、電力送配電システム1に於いて、送電線網PLや電力需要家に於ける各所に、充放電器設備ECが設置され、かかる充放電器設備ECにて、電動車EVが接続されてその蓄電池の充放電が可能となっている。更に、充放電器設備ECは、電力需要家の施設にも設置され得るので、電動車EVの電力需要家にする受電又は給電は、送電線網PLを介して実行することも、電力需要家に設置された充放電器設備ECに介して直接に実行することも可能となり、従って、電力需要家に於いて太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー発電技術により発電した電力を直接に電動車等の移動体へ給電すること、或いは、移動体に於いて発電又は蓄電した電力を直接に電力需要家へ給電することが可能となっている。そして、電動車EVを蓄電手段として利用することが提案され、実施されつつあり、電動車EV等の移動体を用いた電力の売買をP2P取引にて行うことも検討されている。
電動車EV等の移動体をも含めた電力需要家間に於けるP2P電力売買取引を実施するシステムに於いては、電動車EV、電力需要家のそれぞれに、P2P電力売買取引を実行する情報処理システム(サーバ)2との間で、通信ネットワーク3を介して情報通信の可能な通信機能を有し(典型的には、電動車EV等の移動体は、無線通信ネットワークを通じて、施設等の場所の固定された電力需要家は、有線又は無線通信ネットワークを通じて、通信が可能となっていてよい。)、システム2に於いて構成されているP2P電力売買取引の市場へアクセスして、電力の買取又は売却の入札を可能とする機能を有する処理装置(コンピュータ)が配備される。そして、端的に述べれば、電動車EV等の移動体と電力需要家とが電力の売却又は買取の売買取引を希望する際には、電動車EV又は電力需要家は、電力売買取引を行いたい市場に対して、電力を売却又は買取したい時間帯、単位時間帯毎の売却又は買取したい電力量及び売却又は買取に於ける価格を入札条件として入札し、P2P電力売買取引の市場の運営者は、任意のアルゴリズムにより、入札条件の合致する売り手と買い手との間に於いて電力売買取引の約定を発効し、条件の合致する相手の見つからない入札は、不約定として処理することとなる。なお、情報処理システムには、各所の充放電器設備ECから、充放電器設備の使用状態(使用の可否、使用中か否か、充放電実行量など)の情報が送信されるようになっており、これにより、いずれの充放電器設備ECが利用可能であるかが、電動車EV等の移動体へ通知されるようになっていてよい。
P2P電力売買取引システムの構成
上記のP2P電力売買取引システムとしては、種々の形態が検討されているところ、一つの態様としては、システムに於いては、図2(A)に描かれている如く、比較的大規模な施設、例えば、工場、商業施設、鉄道駅、空港などの需要電力量の大きい大電力需要家の入札と約定とをそれぞれ管理する各事業者エージェントと、住宅や中小の店舗などの通常の需要電力量の小電力需要家の入札と約定とをそれぞれ管理する各住宅(ホーム)エージェントと、電動車EVなどの移動体の入札と約定とをそれぞれ管理する各移動体(ベヒクル)エージェントとが存在し、電動車EV、大電力需要家、小電力需要家は、それぞれ、担当されるエージェントを介して、入札を実行することとなる。
そして、P2P電力売買取引市場を通じて取引される電力は、事業者エージェント又はホームエージェントを介して入札する受電又は給電の場所が固定した電力需要家の間では、送電線網PLを介して伝送されることとなるが、電動車EV等の移動体が取引に参加する場合、移動体の場合は、図1に関連して既に触れた如く、電力需要家の充放電器設備ECへ移動して直接に電力の受電又は給電が可能となる。そこで、電動車EV等の移動体が参加するP2P電力売買取引市場としては、電力需要家間に於ける送電線網PLを介して伝送される電力の取引を約定する「一般取引市場」と、移動体が電力需要家の下(施設内)へ移動して受電又は給電される電力の取引を約定する「直接取引市場」とが構成される。なお、移動体は、送電線網PLに接続された充放電器設備ECを介して電力の伝送が可能なので、一般取引市場にて電力の取引を行うことも可能である。これらの取引市場について、図2(A)に描かれている如く、一般取引市場は、事業者エージェント、ホームエージェント及びベヒクルエージェントのそれぞれを通じて、複数の移動体及び電力需要家からの入札を受け、売却側と買取側の入札条件が合致したものに対して約定が為されることとなる。即ち、図2(B)に模式的に描かれている如く、単位時間帯(1、2、…n)毎に、複数の買い手と売り手とが価格と電力量との組(p,q)、(P,Q)を入札することとなる。なお、単位時間帯とは、市場に於いて設定された時間幅(通常は、30分)であり、電力量の取引は、単位時間帯内で伝送される電力量(電力×単位時間帯長さ)毎に行われる。一方、直接取引市場に於いては、図2(A)の如く、充放電器設備ECの設置された固定の電力需要家に対して一つの市場が構成される。これらの直接取引市場は、図示の如く、それぞれ、各電力需要家の管理するサーバにて構成されてもよく、或いは、複数の直接取引市場が一括的に或るサーバ上にまとめて構成されていてもよい(図示せず)。かかる直接取引市場のそれぞれに於いては、図2(C)の如く、一つの需要家が、単位時間帯(1、2、…n)毎に、売り又は買いの入札をし、複数の移動体からの単位時間帯(1、2、…n)毎の売り又は買いの入札を受付け、条件が適合した入札が約定されることとなる。なお、或る移動体の所有者が或る住宅の所有者と同一であることもあり、その場合、それらの所有者は、移動体による入札と、住宅による入札を別々に行うようになっていてよい(例えば、図中の住宅Aのように、充放電器を一般開放せずに、自身の所有する移動体専用に市場を開く場合もありうる。)。
電動車等の移動体の入札条件決定装置の構成と作動
(a)概要
本実施形態に於いては、端的に述べれば、電動車等の移動体が、上記の如き、個人・法人などの電力需要家が電力の取引を行うためのP2P電力売買取引市場へ入札する機会が増え、これにより、従前に比して、移動体がより積極的にP2P電力取引に参加するようにして、移動体の電力取引に於ける活用と電力需要家に於ける再生可能エネルギーの活用との促進が図られる。そのために、本実施形態では、移動体がP2P電力取引に於いて有利な条件を探索することができ、これにより、移動体が、電力取引に於いて、できるだけ多くの利益を上げられるように、或いは、できるだけ損失を抑制できるようにするための電力取引市場への入札条件を決定する装置が提供される。この点に関し、「発明の概要」の欄に於いて述べた如く、移動体が電力取引を行う態様としては、「一般取引」と「直接取引」が存在するところ、移動体が電力需要家の場所に移動して、電力需要家に設置された充放電器設備を使用して電力の伝送を行う直接取引の場合には、送電線網を通じて電力の伝送を行う一般取引の場合に電力の買い手が送電線の管理会社に支払う必要のあった託送料(又は託送料金)が発生しないので、その分、電力取引に於けるコストを抑制することができ、有利である。しかしながら、状況によっては、託送料を考慮しても、売買価格の高低に起因して、一般取引市場を通じた電力取引の方が有利な場合も起き得る。そこで、本実施形態の装置に於いては、以下に説明される如きいくつかの手法により、移動体が、電力需要家が直接取引市場に於いて提示する売買価格を含む電力取引市場の各々の電力量の売買価格の情報を取得し、それらの情報に基づいて、移動体の蓄電池にて充放電可能な電力量の範囲での移動体による電力取引市場に於ける電力量の売買による損益を表わす指標値を算出して、利益が最大となるか又は損失が最小となる最適条件を検出し、これにより、その最適条件を与える直接取引市場に於いて、最適条件に於ける売買価格と売買希望電力量とを入札条件として入札することが可能にされる。
また、上記の構成に於いては、特に、電力需要家が直接取引市場に於いて提示する売買価格が電力需要家の電力の需要の増減又は余剰の増減に連動して変動するので、電力需要家の電力需要が増大する状況に於いては、電力需要家が直接取引市場に於いて提示する売買価格は他の市場に比べて相対的に高くなり、或いは、電力需要家の電力余剰が増大する状況に於いては、電力需要家が直接取引市場に於いて提示する売買価格は他の市場に比べて相対的に低くなり、その直接取引市場に於ける取引が、上記の最適条件として検出されやすくなる。そうすると、電力需要の大きい電力需要家に移動体から電力が調達され、或いは、電力余剰の大きい電力需要家からは移動体へ電力が提供されることで対価に交換されることとなるので、本実施形態の装置によれば、移動体に於ける電力取引の最適化に加え、世帯・コミュニティのなどの電力需要家に於ける電力取引の最適化に寄与することができるようになる。換言すれば、移動体が、電力をとても必要としている場所に赴いて放電したり、太陽光発電を余らせている場所に赴き充電することが可能になるので、移動体自身の経済的利益を優先しつつも、コミュニティの再エネ活用率・経済性を向上できることとなる。
本実施形態による電動車等の移動体の電力取引のための入札条件決定装置の構成に於いては、概して述べれば、一般取引市場に於ける売買価格と、電力需要家の直接取引市場に於ける売買価格の情報を取得し、その情報に基づいて、電力取引に於ける利益が最大となるか損失が最小となる単位時間帯毎の取引市場と売買価格と電力量との最適条件を探索して、それらを入札条件とする構成が設けられる。なお、入札条件決定装置の各部の構成及び作動は、移動体のために設けられたコンピュータ装置のプログラムに従った作動により実現されてよい。コンピュータ装置は、通常の形式の、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM及び入出力ポート装置を有するコンピュータ及び駆動回路を含んでいてよい。入札条件決定装置は、移動体自体に設けられたコンピュータ装置に構成されてもよく、クラウド・コンピューティングを用いて構成されてもよい。
(b)予測による売買価格の情報の取得
移動体の電力取引のための入札条件決定装置の一つの態様(第一の態様)の構成では、気候や日時の情報を用いて電力取引市場の売買価格を予測することにより、電力取引市場の売買価格の情報が取得される。かかる第一の実施形態に於いては、具体的には、図3を参照して、まず、電動車等の移動体に於ける過去から現在までの運行データ(トリップ情報)、蓄電池のSOC変動データ、家や会社に於ける充放電器接続状況データなどの移動体の内部に於ける情報を収集する内部保持データ収集部と、天気や気温などの気候情報、日時、電力取引市場に於ける過去の気配値等の外部の情報を取り込む外部取込データ収集部とが設けられる。そして、内部保持データ収集部にて得られた情報から、ユーザ利用予測部に於いて、任意の態様にて、今後の移動体の利用状況、例えば、未来の走行データ・接続場所・停車時間などが予測され、それらの予測情報に基づいて、移動体に於いて消費する電力量qtripが推定されてよい。
一方、外部取込データ収集部にて得られた情報は、一般取引市場の売買価格及び直接取引市場の売買価格の予測に用いられる。既に触れた如く、電力の売買価格は、時々刻々に変動する電力需要に連動して変動するところ、電力需要は、一般的には、天候、日時(祝日・平日・イベントの有無)などに依存する。従って、現在又は将来の天候、日時(祝日・平日・イベントの有無)の情報を取得し、それらと同様の過去の天候、日時(祝日・平日・イベントの有無)に於ける過去の需要又は市場に於ける電力料金のデータなどと比較照合することにより、現在から将来にかけての市場に於ける売買価格を予測することが可能である。かくして、一般取引市場の売買価格については、一般取引市場価格予測部にて、外部取込データ収集部にて得られた情報を参照して、過去の天候、日時(祝日・平日・イベントの有無)、過去の需要、過去の一般取引市場に於ける電力料金のデータなどと比較照合されて、任意の態様にて、一般電力取引市場における未来の電力の売買価格の予測値が決定される(価格予測値は、市場の単位時間帯毎に決定されてよい。)。直接取引市場に於ける売買価格については、直接取引市場売買価格予測部にて、外部取込データ収集部にて得られた情報を参照して、過去の天候、日時(祝日・平日・イベントの有無)、複数の電力需要家がそれぞれ入札する複数の直接取引市場のそれぞれの約定価格のデータなどと比較照合されて、任意の態様にて、直接取引市場毎の現在から未来に亙る電力の売買価格の予測値が決定されてよい(価格予測値は、市場の単位時間帯毎に決定されてよい。)。また、ここで売買価格の予測される直接取引市場は、移動体と、各直接取引市場に入札をする電力需要家との位置関係に基づき、移動体が電力の調達が可能な範囲(例えば、移動体の走行予定経路上など)に存在する電力需要家が売買入札をする市場から任意に選択されてよい。また、各直接取引市場の売買価格は、それぞれの電力需要家に於ける電力需要に依存するので、図示の如く、電力需要家需要予測部にて、外部取込データ収集部にて得られた情報に基づいて、電力需要家に於ける少なくとも一つの単位時間帯に亙る電力需要が予測され、その予測された電力需要に対応して、売買価格の予測値が決定されてよい。
(c)充放電条件の最適化処理
かくして、各市場の売買価格の情報が得られると、取得された取引市場に於ける売買価格の情報を用いて、移動体にとって最も利益が大きくなるか、或いは、最も損失が小さくなる最適な入札条件の探索が実行される。かかる処理に於いては、電力売買取引に於ける損益を表わす指標値として、電力売買取引に於いて発生するコストを算出する目的関数fcostを設定し、移動体の蓄電池に於いて満たされるべきSOCの上下限値についての制約条件(蓄電池の充放電可能な範囲)下で、目的関数fcostを最小化する売却又は買取電力量が探索される。
具体的には、まず、目的関数fcostは、下記の如く設定されてよい。
Figure 2022065829000002
ここで、k(=i~i+n、iは、現在の単位時間帯)は、単位時間帯の符合であり、rconnect(k)は、単位時間帯kのときに、移動体が一般取引市場を通じた電力調達をする場合(送電線網に接続された充放電器設備に接続される場合)には、1、それ以外では、0となる変数であり、jは、直接取引市場に入札する電力需要家の符号であり、ucoonect j(k)は、単位時間帯kのときに、移動体が電力需要家jの入札する直接取引市場を通じた電力調達をする場合(電力需要家jの充放電器設備に接続される場合)には、1、それ以外では、0となる変数である。また、Fg(k)は、単位時間帯kのときに移動体が一般取引市場を通じた電力調達をする場合のコストであり、
Figure 2022065829000003
により与えられる。ここで、Pg(k)は、単位時間帯kのときの一般取引市場に於ける(単位電力量当たりの)売買価格の予測値であり、qbuy(k)、qsell(k)は、それぞれ、単位時間帯kのときの買取希望電力量と売却希望電力量であり、δは、託送料の追加分である。託送料は、既に述べた如く、移動体に於いては、電力を送電線網を介して買い取る場合に、電力量に応じて送電線網の管理者へ送電線網の使用料として支払われることとなるので、一般取引市場を通じた電力調達をする場合のコストに於いて、上記の如く、電力量に応じて加算されることとなる。そして、Fj(k)は、単位時間帯kのときに移動体が電力需要家jの入札する直接取引市場を通じた電力調達をする場合のコストであり、
Figure 2022065829000004
により与えられる。ここで、Pj(k)は、単位時間帯kのときの電力需要家jの直接取引市場に於ける(単位電力量当たりの)売買価格の予測値であり、qbuy(k)、qsell(k)は、それぞれ、単位時間帯kのときの買取希望電力量と売却希望電力量である。既に述べた如く、直接取引市場を通じた電力調達に於いては、送電線網を使用しないので、託送料は、発生しない。
また、移動体の蓄電池のSOCは、
Figure 2022065829000005
で与えられる。ここで、qtrip(k)は、ユーザ利用予測部から取得される単位時間帯kのときの移動体の走行による消費電力量の予測値であり、Cは、電力量をSOCへ換算するための換算係数である。そして、SOCに対して、上限値SOCUpperLimitと下限値SOCLowerLimitが設定され、SOCが、次の式:
SOCLowerLimit≦SOC(k)≦SOCUpperLimit …(5)
を満たすことが制約条件となる。
かくして、上記の目的関数fcostに於いて、Pg(k)、Pj(k)には、一般取引市場の売買価格の予測値、電力需要家毎の直接取引市場の売買価格の予測値を用い、一時に一箇所に移動体の蓄電池が充放電器設備に接続されるとの条件(rconnect(k)とucoonect j(k)は、単位時間帯kに於いて、一つだけが1となり、他は0となる。)と、先に説明された入力電力量の上限値の条件との下で於いて、式(5)を満たしながら、qbuy(k)、qsell(k)の値を種々変更して、目的関数fcostが最小となる条件が探索される(目的関数の最適化)。なお、かかる最適化処理は、線形計画法、凸最適化法などの任意の数値演算による処理が用いられてよい。
上記の如く、目的関数の最適化処理が実行されて、最適条件が検出されると、単位時間毎に、その最適条件にてrconnect(k)又はucoonect j(k)が1となっている取引市場が入札先に選択され、最適条件に用いられた価格の予測値と、最適条件に於いて見出された買取希望電力量又は売却希望電力量とが、入札条件として決定され、単位時間毎に入札が実行されることとなる。この構成によれば、移動体は、電力の売却をするときには、一般取引市場又は直接取引市場のいずれかのうちで、予測される売買価格の高い市場へ入札し、電力の買取をするときには、一般取引市場又は直接取引市場のいずれかのうちで、予測される売買価格の低い市場へ入札することとなる。そして、一般取引市場に於ける入札が約定した場合には、移動体は、送電線網PLに設置された充放電器設備ECにて電力の給電又は受電を実行する。なお、送電線網PLを介して約定された電力量の伝送を行うために、市場に於いては、電力伝送に於けるトレーサビリティを確保できる手段が導入される。直接取引市場に於ける入札が約定した場合には、移動体は、その市場にて約定した相手方の電力需要家に於いて設置されている充放電器設備にて売買された電力の充放電を実行する。
上記の構成に於いて、各直接取引市場に於いて、電力需要家の買取入札する場合の買取価格の高さは、その直接取引市場に入札をする電力需要家の電力需要の逼迫の度合の高さに対応し、電力需要家の売却入札する場合の売却価格の安さは、その直接取引市場に入札をする電力需要家の余剰電力の発生の度合に対応すると考えられるので、上記の構成によれば、地域で最も困っている場所に対して電気を売買することになる。また、直接取引市場を通じて約定された電力の調達は、電力需要家の同一敷地内で行われ、送電線網を使わず、移動体が電力を運搬することとなるので、託送料がかからない取引が可能となり、省コスト化が可能であるとともに、送電線網に対する負担も軽減されることとなる。
上記の本実施形態の構成に於いて、図示されていないが、充放電最適化処理に於いて、更に、入札の結果が参照されて、充放電最適化処理が繰返され、最適条件が更新されるようになっていてよい。具体的には、移動体は、入札が約定した場合には、約定に於ける電力伝送の時間とそこで伝送される電力量とを考慮して、入札先として選択する市場又は価格の予測値いった目的関数に使用するパラメータを修正して、再度、充放電最適化処理を実行して、新たな最適条件の探索及び入札条件の決定が実行されてよい。また、移動体は、入札が約定しなかった場合にも、約定しなかった入札条件を除外するように、入札先として選択する市場や価格の予測値といった目的関数に使用するパラメータを修正して、再度、充放電最適化処理を実行して、新たな最適条件の探索及び入札条件の決定が実行されてよい。
(d)通知による売買価格の情報の取得
移動体の電力取引のための入札条件決定装置のもう一つの態様(第二の態様)の構成では、直接取引市場に於ける電力の売買価格が、上記の気候や日時の情報を用いた予測とは別に、直接取引市場に入札することとなる電力需要家から、入札前に通知されることにより、取得されるようになっていてよい。即ち、電力需要家からの直接取引市場に於ける電力の売買価格の通知により、電力需要家から電力売買取引が移動体に提案されることとなる。なお、電力需要家から電力売買取引の提案は、電力の売却であっても買取であってもよい。また、複数の電力需要家のそれぞれから、別々に、電力の売買価格の通知があってよい。かかる構成に於いては、図4(A)に模式的に描かれている如く、移動体は、入札条件決定装置を介して、或る電力需要家jから、電力の売買価格を通知されることで、電力の需要家取引を提案される(売買交渉)。そうすると、移動体の入札条件決定装置は、通知された売買価格の情報と他の予測により取得された売買価格の情報とを合わせて上記の充放電最適化処理を実行し、通知された売買価格による電力の売買取引が最適条件を与える場合に、その電力需要家jから提案された電力売買取引が他の電力の電力売買取引に影響を与えないことを条件として、その電力需要家jから提案された電力売買取引を承諾し(交渉成立)、その電力需要家jから提案された売買取引の条件を、その電力需要家jが入札をする直接取引市場への入札条件に決定し、その条件にて、移動体と電力需要家jとがそれぞれ直接取引市場へ入札することとなる。なお、直接取引市場に於いて、電力需要家jは、交渉の成立した取引による移動体の入札を特定できるように、移動体へ取引の識別情報(取引ID)を与え、移動体は、入札の際に、取引IDを添付するようになっていてよい。
図4(B)を参照して、第二の態様の入札条件決定装置の構成に於いては、図3の構成に加えて、電力需要家からの直接取引市場に於ける電力の売買価格の情報の通知を受容する手段が設けられ、そこに於いて通知された売買価格の情報は、直接取引市場売買価格取得部を通じて、直接取引市場に於ける売買価格情報の一つとして、充放電最適化処理部へ与えられる。充放電最適化処理部に於いては、通知された売買価格の情報が存在する場合には、充放電最適化処理と共に、通知された売買価格による売買取引が承諾できるか否かの判定処理が実行されてよい(売買取引承諾可否判定処理)。また、売買取引承諾可否判定処理の結果、電力需要家からの直接取引市場に於ける電力の売買取引を承諾する場合に、その旨を電力需要家へ通知する売買取引承諾通知手段が設けられてよい。更に、電力需要家は、売買取引の承諾を受けると、その取引を識別するための識別情報(取引ID)を移動体へ与え、移動体は、入札の際に、入札条件と共に、取引IDを送付するようになっていてよい。
上記の売買取引承諾可否判定処理に於いては、具体的には、図5を参照して、電力需要家から提案された電力売買取引が、電力需要家から電力を移動体へ売却する提案の場合では、電力需要家から電力売却提案の通知を受けた後、移動体に走行の予定があるか否かが判定される(ステップ1)。ここに於いて、移動体に於いて走行の予定がある場合(走行中は、電力の伝送はできない。)は、電力売却提案は、承諾できないので、拒否され(ステップ12)、処理は終了する。一方、移動体に走行予定がなく、電力需要家に於ける充放電器設備に接続可能なときには、電力需要家から提案された電力売却の時間に、移動体が充放電器設備に接続され、受電できるか否か(ステップ2)、そして、その受電時間に移動体の蓄電池の容量に余裕があるか否か(ステップ3)が判定され、電力需要家から提案された電力売却の時間に、受電可能であり且つ蓄電池の容量に余裕があるときには、上記の充放電最適化処理が実行される(ステップ4)。そして、電力需要家から提案された電力売却取引が最適条件を与えると検出されると、電力需要家から提案された電力売却が、他の既に約定済みの取引に影響を与えることがないか否かが確認される(ステップ5)。ここに於いては、具体的には、電力需要家から提案された電力売却に応じて電力を受電しても、蓄電池の容量が他の約定にて受電するための余裕が確保されていることなどが確認される。ここで、他の既に約定済みの取引に影響を与えることがないことが確認されると、次に、電力需要家から提案された電力売却取引を約定すると、影響を与え得る他の未約定の入札(電力需要家から提案された電力売却に応じて電力を受電すると蓄電池の容量が不足し、受電できなくなるなどの影響の出る入札)があるか否かが確認され(ステップ6)、もし影響を与え得る他の未約定の入札がある場合には、その入札が取下げ可能か否かが確認される(ステップ7)。かくして、影響を与え得る他の未約定の入札がなく、或いは、そのような他の未約定の入札が取下げ可能である場合には、かかる入札を取り下げると(ステップ8)、電力需要家からの電力売却の提案の承諾が決定され(ステップ9)、電力需要家へ電力売却の提案の承諾が通知される(ステップ10)。そうすると、電力需要家からは、取引を識別する識別情報(取引ID)が送付されるので、その取引IDが受信し(ステップ11)、入札が実行されてよい。一方、電力需要家から提案された電力売却の時間に受電可能でない場合(ステップ2)、蓄電池の容量に余裕がないとき(ステップ3)、充放電最適化に於いて、電力需要家から提案された電力売却取引が最適条件とならないとき(ステップ4)、影響を受ける他の約定済みの取引があるとき(ステップ5)、或いは、影響を与え得る他の未約定の入札が取下げできないとき(ステップ6、7)には、電力売却提案は、承諾できないので、提案を拒否して(ステップ12)、処理は終了する。
次に、図6を参照して、電力需要家から提案された電力売買取引が、電力需要家が電力を移動体から買い取る提案の場合では、具体的には、電力需要家から電力買取提案の通知を受けた後、移動体に走行の予定があるか否かが判定される(ステップ21)。ここに於いて、移動体に於いて走行の予定がある場合は、電力売却提案は、承諾できないので、拒否され(ステップ32)、処理は終了する。一方、移動体に走行予定がなく、電力需要家に於ける充放電器設備に接続可能なときには、電力需要家から提案された電力買取の時間に、移動体が充放電器設備に接続され、給電できるか否か(ステップ22)、そして、その給電時間に移動体の蓄電池に余剰電力量があるか否か(ステップ23)が判定され、電力需要家から提案された電力買取の時間に、給電可能であり且つ蓄電池に余剰電力量があるときには、上記の充放電最適化処理が実行される(ステップ24)。そして、電力需要家から提案された電力買取取引が最適条件を与えると検出されると、電力需要家から提案された電力の買取が、他の既に約定済みの取引に影響を与えることがないか否かが確認される(ステップ25)。ここに於いては、具体的には、電力需要家から提案された電力買取に応じて電力を給電しても、蓄電池の余剰電力量に於いて他の約定にて給電する余裕が確保されていることなどが確認される。ここで、他の既に約定済みの取引に影響を与えることがないことが確認されると、次に、電力需要家から提案された電力買取取引を約定すると、影響を与え得る他の未約定の入札(電力需要家から提案された電力買取に応じて電力を給電すると蓄電池の余剰電力量が不足し、給電できなくなるなどの影響の出る入札)があるか否かが確認され(ステップ26)、もし影響を与え得る他の未約定の入札がある場合には、その入札が取下げ可能か否かが確認される(ステップ27)。かくして、影響を与え得る他の未約定の入札がなく、或いは、そのような他の未約定の入札が取下げ可能である場合には、かかる入札を取り下げると(ステップ28)、電力需要家からの電力買取の提案の承諾が決定され(ステップ29)、電力需要家へ電力売却の提案の承諾が通知される(ステップ30)。そうすると、電力需要家からは、取引を識別する識別情報(取引ID)が送付されるので、その取引IDが受信し(ステップ31)、入札が実行されてよい。一方、電力需要家から提案された電力売却の時間に給電可能でない場合(ステップ2)、蓄電池の余剰電力量に余裕がないとき(ステップ23)、充放電最適化に於いて、電力需要家から提案された電力買取取引が最適条件とならないとき(ステップ24)、影響を受ける他の約定済みの取引があるとき(ステップ25)、或いは、影響を与え得る他の未約定の入札が取下げできないとき(ステップ26、27)には、電力買取提案は、承諾できないので、提案を拒否して(ステップ32)、処理は終了する。
上記の電力需要家から電力取引の提案の通知を受ける構成に於いては、住宅、店舗、会社等の電力需要家が通知内容をコントロールすることにより、移動体の蓄電池を或る程度にてコントロールすることが可能となる。例えば、住宅が夜中に電力買取価格を高額に提示すれば、移動体に夜間放電を積極的に促進することなどが可能となる。また、電力需要家と移動体とにとって入札前に電力の売買取引の交渉ができることとなるので、電力の需要が高い場合或いは余剰電力量が多い場合に、電力の調達先又は伝送先をより確実に見つけることができ、有利である。
(e)電力需要家の下を経由するためのコストの考慮
既に述べた如く、直接取引市場を通じた電力の売買取引による電力の伝送は、移動体が電力需要家の敷地内の充放電器設備へ移動して実行される。この点に関し、図7(A)に模式的に描かれている如く、電力需要家jの敷地が移動体EVの予定していた走行経路から逸脱した場所にある場合、移動体EVが電力需要家jとの電力の売買取引を実行する際には、電力需要家jの場所まで経由する必要があり、その分、電力量Δqjを余計に消費することとなり、従って、その分のコストP・Δqjが発生することとなる(Pは、単位電力量当たりの価格である。)。そこで、上記の本実施形態の装置の更なる好ましい態様(第三の態様)に於いては、充放電最適化処理に於いて、電力需要家jの敷地が移動体EVの予定していた走行経路上(将来の走行経路)にないときに、その予定走行経路から逸脱して電力需要家jの敷地を経由するのに要するコスト(経由損失)が考慮されるようになっていてよい。
図7(B)を参照して、第三の態様の入札条件決定装置の構成に於いては、図3の構成に加えて、まず、移動体の将来の走行経路を決定する走行経路決定部と電力需要家jの敷地を経由するのに要するコストを算出する経由コスト算出部とが設けられる。作動に於いては、走行経路決定部は、まず、前記の内部保持データ収集部の収集したデータを用いて将来の走行経路を決定するようになっていてもよく、或いは、任意のナビゲーション装置にて運転者が目的地を設定することにより決定された走行経路を将来の走行経路として採用するようになっていてよい。そして更に、走行経路決定部に於いては、電力需要家j(充放電最適化処理にて目的関数を用いて電力取引に於ける損益の評価の対象となる電力需要家)の敷地を経由した場合の走行経路が決定され、将来の走行経路をそのまま走行した場合と電力需要家jの敷地を経由した場合との経路差を算出し、その経路差にて消費される電力量(経由電力量)Δqjが推定される。なお、経由電力量は、充放電最適化処理にて評価される電力需要家が複数あるときには、電力需要家毎に推定されてよい。
しかる後、電力需要家jの経由電力量Δqjは、経由コスト算出部へ与えられ、そこに於いて、単位電力量当たりの価格Pが乗ぜられて、電力需要家jの経由コストP・Δqjが算出されてよい。なお、単位電力量当たりの価格Pとしては、任意の適当な価格が選択されてよい。例えば、価格Pは、移動体の所有者が契約している電力会社に於ける価格、移動体に於ける所定の期間(例えば、過去1月間)に於ける電力量の費用の平均値などから適宜選択されてよい。
かくして、算出された電力需要家jの経由コストP・Δqjは、既に触れた如く、充放電最適化処理の目的関数に於いて加味される。具体的には、式(1)が下記の如く修正されてよい。
Figure 2022065829000006
ここで、uconnect は、電力需要家jを経由する場合には、1、それ以外では、0となる変数である。かかる構成によれば、経由コストP・Δqjを含めて、最適条件が検出されることとなり、より適切に電力の売買先を決定することが可能となる。かかる構成は、特に自動運転による運行において、最適な経路と経済性の提示を可能とすることが期待される。
電力取引システムの構成に関する補足
本実施形態の移動体の入札条件決定装置が利用される際には、P2P電力取引を実施するシステムは、上記の入札条件決定装置にて決定された条件の入札を受け入れるよう構成される。また、上記の図4に関連して説明された第二の態様が適用される場合、電力需要家側のシステムに於いては、移動体の入札条件決定装置へ直接取引市場での電力の売買取引の提案とそこに於ける売買価格の情報を通知する構成と、売買取引の提案が承諾された際には、移動体へ取引IDを付与する構成とが設けられ、直接取引市場のシステムに於いては、付与された取引IDが添付された入札を約定するよう構成が設けられる。
以上の説明は、本発明の実施の形態に関連してなされているが、当業者にとつて多くの修正及び変更が容易に可能であり、本発明は、上記に例示された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の概念から逸脱することなく種々の装置に適用されることは明らかであろう。

Claims (7)

  1. 移動体の、少なくとも一つの電力取引市場に於ける電力量の売買取引のための入札条件を決定する装置であって、
    単位時間帯毎の電力取引市場毎の電力量の売買価格の情報を取得する電力量売買価格取得手段と、
    前記電力量売買価格取得手段による前記電力量の売買価格の情報に基づいて、少なくとも一つの前記単位時間帯に亙る前記移動体の蓄電池にて充放電可能な電力量の範囲での前記移動体による前記電力取引市場に於ける電力量の売買による損益を表わす指標値に於いて利益が最大となるか損失が最小となる最適条件を検出することにより、前記最適条件に於ける前記単位時間帯毎の電力取引市場と売買価格と前記移動体の蓄電池にて充放電される電力量とを決定する充放電最適化手段と、
    前記少なくとも一つの電力取引市場に於ける入札条件として、前記単位時間帯毎に、前記充放電最適化手段により決定された電力取引市場に於いて、前記充放電最適化手段により決定された売買価格と充放電電力量との入札をすることを決定する入札条件決定手段と
    を含み、
    前記少なくとも一つの電力取引市場に於いて、前記移動体と電力需要家との間にて直接に電力を伝送する電力取引の約定を行う直接取引市場が選択可能であり、
    前記電力量売買価格取得手段が、前記電力量の売買価格として前記直接取引市場に於ける前記電力需要家の提示する前記単位時間帯毎の電力量の売買価格を取得するよう構成されている装置。
  2. 請求項1の装置であって、前記電力量売買価格取得手段が、前記単位時間帯毎の電力取引市場毎の電力量の売買価格として、気候情報又は日時情報に基づいて予測される一般取引市場に於ける前記単位時間帯毎の電力量の売買価格の情報を取得するよう構成され、前記充放電最適化手段が前記直接取引市場に於ける売買価格と前記一般取引市場に於ける売買価格とに基づいて、前記最適条件を検出するよう構成されている装置。
  3. 請求項1又は2の装置であって、前記電力量売買価格取得手段が、気候情報又は日時情報に基づいて前記直接取引市場に於ける前記電力需要家の提示する前記単位時間帯毎の電力量の売買価格を予測することにより、前記売買価格を取得するよう構成されている装置。
  4. 請求項3の装置であって、気候情報又は日時情報に基づいて前記電力需要家に於ける少なくとも一つの単位時間帯に亙る電力需要量を予測する手段を含み、前記電力量売買価格取得手段が、前記予測された電力需要量に基づいて前記直接取引市場に於ける前記電力需要家の提示する前記単位時間帯毎の電力量の売買価格を予測するよう構成されている装置。
  5. 請求項1又は2の装置であって、更に、
    前記直接取引市場に於ける前記電力需要家の提示する売買価格の情報の通知を受容する売買価格情報通知受容手段と、
    前記直接取引市場に於ける前記電力需要家の提示する前記売買価格による電力の売買取引を承諾する場合に前記電力需要家へ電力の売買取引の承諾の通知を送信する売買取引承諾通知手段
    とを含み、
    前記電力量売買価格取得手段が、前記単位時間帯毎の電力取引市場毎の電力量の売買価格の情報として、前記売買価格情報通知受容手段を通じて通知された前記売買価格の情報を取得するよう構成され、
    前記充放電最適化手段が、前記通知された売買価格による電力の売買取引の条件のうちの一つを前記最適条件として検出したときには、前記売買取引承諾通知手段は、前記最適条件として検出された売買価格による前記電力の売買取引が他の電力の売買取引に影響を与えないことが確認された後に、前記最適条件として検出された前記電力の売買取引に於ける前記売買価格を提示した前記電力需要家へ電力の売買取引の承諾の通知を送信するよう構成されている装置。
  6. 請求項5の装置であって、前記売買取引承諾通知手段が前記電力需要家へ売買取引の承諾の通知を送信するとき、前記入札条件決定手段が、前記電力需要家に於いて前記承諾された前記電力の売買取引を特定することを可能にする識別情報を入札条件に含めるよう構成されている装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかの装置であって、
    前記移動体の将来の走行経路を予測する走行経路予測手段と、
    前記少なくとも一つの電力取引市場として選択された前記直接取引市場に入札する電力需要家の充放電器設備が前記予測された将来の走行経路上に存在しない場合に前記選択された直接取引市場に入札する電力需要家の充放電器設備を経由するために必要な損失である経由損失を算出する経由損失算出手段と
    を含み、
    前記充放電最適化手段が、前記電力取引市場に於ける電力量の売買による損益に前記経由損失を含めて利益が最大となるか損失が最小となる条件を前記最適条件として検出するよう構成されている装置。
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